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45 MMA MMAPLANET o UFN UFN246 アレクサ・グラッソ エリン・ブランチフィールド キック ローズ・ナマジュナス

【UFN246】序盤の2Rを落としたブランチフィールドが、TDを決めた3Rから挽回。ナマジュナス越えを果たす

<女子フライ級/5分5R>
エリン・ブランチフィールド(米国)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
ローズ・ナマジュナス(米国)

右、そして左に回るブランチフィールドのステップインに、ナマジュナスはジャブを合わせる。さらにブランチフィールドのハイキック後に、右ローを入れる。ナマジュナスはブランチフィールドの踏み込みにカウンターを狙うような形で圧を掛け、自らステップインして右を当てる。続いてジャブを入れるナマジュナス。ブランチフィールドは拳を当てたいとkろおだ。と、近い距離で右を当てたブランチフィールド。自らも攻撃を被弾する距離で、どのように自分の攻めを見せることができるか。

飛びこんで左を当てたナマジュナスがワンツー、左ジャブと試合をリードする。ブランチフィールドも前に出てパンチからヒザを繰り出すが、ここも左を打たれる。ワンツーから左ハイのブランチフィールドがワンツーをヒット。終盤になって前に出て、互角の打撃戦を繰り広げたナマジュナスだが、この回はナマジュナスが取った。

2R、飛び込んでヒザを入れ、近い距離でパンチの打ち合いに応じたブランチフィールド。しかし、ここも優勢なのはナマジュナスだ。近い距離でワンツーを入れたナマジュナスに対し、ナマジュナスは初めて組みつくとケージに押し込む。ナマジュナスは豪快に払い腰で投げ、寝技にこだわることなく流れてでスタンドに戻った。

得意の形に持ち込んでなお、豪華に投げ捨てられたブランチフィールドは精神的にも厳しいか。ナマジュナスは右オーバーハンドを入れ、左から連打と遠い距離、近距離ともに試合をリードしていく。下がって打てるナマジュナスは、ブランチフィールドの組みもしっかりと見ることができている。それでも怒涛のショートの連打から組んだブランチフィールドだったが、テイクダウンを決めることはできなかった。

3R、ブランチフィールドが右ローを入れる。体を預けるように右を打っていくナマジュナスに対し、ブランチフィールドが右ローから右を入れる。殴られても殴るという展開のなかでブランチフィールドが組みに行くかと思いきや、逆にナマジュナスがシングルレッグへ。これを切ったブランチフィールドががぶり、組みなおしてケージに押し込む。一本足ディフェンスのナマジュナスだが、結果的に軸足となった右足を小内刈理の要領で崩されテイクダウンを許す。

スイープ狙いを潰し、トップを取り切ったブランチフィールドがハーフで抑える。頭を抱えるナマジュナスだが、ブランチフィールドはワキを差してパンチを入れつつ残った足を抜きにかかる。観客はブーイングも、ブランチフィールドはパンチで削って確実にポイントの挽回が必要だ。上体を起こして左のパンチを落としたブランチフィールドは足を戻されると、左右のパンチを振るう。ナマジュナスは蹴り上げからスクランブルを狙ったところで時間となった。

4R、前のラウンドで組みを成功させたことで質量が上がったブランチフィールドが、打撃でも積極的に攻める。テイクダウンのフェイクからパンチを繰り出すブランチフィールドは、フックで距離が詰まると左腕を差してドライブ、ケージにナマジュナスを押し込む。押し返したナマジュナスが離れるが、ブランチフィールドは右エルボーからパンチを繰り出す。

ナマジュナスも手数&切れともに落ち始め、精神戦に。左を入れたナマジュナスは、組まれても逆にケージに押し込みなおし、離れてパンチを入れる。勝負の分かれ目となるラウンド、ジャッジは如何に判断したか。

最終回、オクタゴン中央の打撃戦が続き、ブランチフィールドがダブルレッグでケージに押し込み、小外掛けでテイクダウンを決める。さらにブランチフィールドはパスを決めるとサイドで抑え、クルスフィックスを狙う。残り2分40秒、ついにクルスフィックスを成功させたブランチフィールドがパンチを落とし、腕を抜いたナマジュナスの腕を狙う。左のパンチを落とし、背中を見せたナマジュナスをサイドバックから崩しにかかる。

徹底して防御に徹するナマジュナスを立ち上がらせたブランチフィールドがケージに押し込み、小手投げを防ぐ。力のこもったケージレスリングを展開した両者、ここでタイムアップを迎えた。

結果は3者揃って48-47でブランチフィールドを支持、タフファイトを制した勝者は涙を浮かべ「終盤の3Rを取ったと思っていたけど、結果はどうなるか分からなかった。3Rを取れて、4Rは彼女がスローになったように感じたから、打撃で攻めた」と話し、アレクサ・グラッソ戦をアピールした。


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45 AB INVICTA MMA UFC UFN ESPN+104 UFN246 エリン・ブランチフィールド ブログ ローズ・ナマジュナス

【UFN246】若き成熟ファイター=ブランチフィールド「打撃と寝技、違う競技で違った種類の我慢を経験」

【写真】経験に裏付けされたMMA IQの高さが、インタビュー中の発言でも聞かれたブランチフィールドだった(C) MMAPLANET

2日(土・現地時間)、カナダはアルバータ州エドモントンのロジャース・プレイスでUFN246:UFN on ESPN+104「Moreno vs Albazi」が行われる。
Text by Manabu Takashima

フライ級トップコンテンダー対決をメインに、コメインでは女子フライ級のトッププロスペクト、ローズ・ナマジュナスとエリン・ブランチフィールドが相対する。

2度のUFC世界女子ストロー級チャンピオンと戦うエリン・ブランチフィールドは戦績12勝2敗、前回の試合ではマノン・フィオフォに敗れたもののKO勝ち、一本勝ち、コントロール&ドミネイト勝利ができる同階級のトップファイターだ。

柔術とキックに子供の頃から学び、16歳の時にMMAファイターになることを決めたブランチフィールドは、まだ25歳ながら非常に完成度が高く、エキサイトかつ成熟した戦いができる。その理由を探った。


──エリン、今週末にローズ・ナマジュナスとの対戦が控えています。今の気持ちを教えてください。

「凄くエキサイティングしているわ。素晴しいキャンプができたし、しっかりと準備は整っている」

──エリンの試合を初めてみたのは、2017年にEBIで優勝をした時でした。あの時からUFCファイターになりたいとインタビューで話していましたが、柔術を始めたのもMMAファイターになることを見据えてのことだったのでしょうか。

「ノー。そんなことはないわ。子供の頃、いじめられた時に自分のことは自分で守ることができるようにと、母の勧めで柔術を習うようになったの。弟が柔術の練習をしていたから。私もダンスを辞めたタイミングで、何かスポーツをしたいって思っていたの。結果、弟がやっている柔術にトライしてみたくなって。そこは両親の自分の身は自分で守ることができるようにっていう想いと一致したわけで。

私自身は練習を始めると、試合にでも出るようになって柔術に夢中になっていったわ。同時に、身を守るためという同じ目的でキックボクシングも始めたの。キックも柔術と同じようにトレーニングを始めると、試合に出たくなって。自分が練習してきたことを試合で試したくてしょうがなくてね。

実際、私の場合は柔術とキックボクシングをやりながら成長したといっても言い過ぎじゃないと思う。そして16歳の時にUFCでロンダ・ラウジーの試合を見て、私もあの場で試合がしてみたいと思ったの。私にもできるってね」

──そして、MMAに転向したということですか。

「そうね。ただ18歳になるまで米国ではMMAの試合には出ることはできなくて、そんな頃にプロイベントでもあったEBIに出場する機会を得たの。当時の私はもうUFCに出て、UFCのチャンピオンになることが目標だったわ」

──優勝インタビューで話した通りに、EBIの翌年にMMAでデビューを果たしました。それ以前にIBJJF系のトーナメントで優勝経験はありましたか。

「IBJJF……青帯の頃はね……。でも、道着よりもノーギの大会に出ていて。当時のIBJJFはノーギに力をいれていなかった。だからIBJJFの大きなタイトルは取っていないわ。

それにMMAファイターになろうと決めてからは、私の柔術はテイクダウンをしてトップコントロールをするスタイルに変わったの。引き込んでガードゲームをするっていう風ではなくて。トップで攻めて、サブミッションの機会を伺うというものだったから」

──なるほど。EBIでもオーバータイムの強さは特筆すべきでしたし、そこまでMMAに適していたのですね。ところでロンダの時代の女子MMAは、ベースとなる競技の強さがMMAの強さに比例していました。対して、エリンは既に柔術とキックの経験がありました。

「ストライキングとグラップリング、どちらの経験もあることでMMAファイターとして大きな助けになったことは間違いないわ。立っても、寝ても戦うことができて穴がないことは私の武器だったから。

それに打撃の試合は互いに攻める意識が強くて、打ち合うなかで防御が必要なスポーツで。柔術の競技特性は、流れを重視することだった。この2つの性格の違う格闘技を学んで、リラックスすることとディテイルの大切さを身に着けることができた。同時に打撃と寝技、違う競技で違った種類の我慢を経験することもできた。

パンチを打ち合うのと、ポジションを確立するのは別モノ。でも、その二つともセットアップが必要だという共通点を見つけることができたの。結果、落ち着いて戦うことができるようになっていて、MMAを戦う準備はしっかりと整っていたわ」

──それ故にエリンは若さに似合わず、マチュアな戦い振りでInvicta FCとUFCで安定した結果を残すことができたのですね。ただし、前回のマノン・フィオフォ戦でオクタゴン初黒星を喫しました。

「敗北は、ただひたすら悔しいモノよ。でも、何よりも学びになる。柔術でもMMAでも、敗北を経験する度に、より強くなれた。自分のミスから学び、成長することができるから」

──マノンは長身のサウスポーで、UFC女子フライ級でもなかなかいないタイプのファイターです。対して、ナマジュナスはオーソで体格的なハンデはありません。

「そうね。

しっかりと練習の成果を発揮し、成長した姿を見せて彼女をドミネイトしたいと思う。自分の試合をして、彼女のゲームをさせないつもりよ。ファンが喜ぶ試合をし、存在証明となる勝利を手にしたいわ」

──元タイトルコンテンダー、元チャンピオンに勝利してきたエリンですが、ナマジュナスもまた元チャンピオンです。この試合に勝利することで、タイトルショットを手にできると考えていますか。

「タイトル挑戦を実現させるための青写真を描くことができるようになるのは、確かね。マノンが次期挑戦者で、土曜日に勝てば私もまたあの位置に戻ることができるはずよ」

■視聴方法(予定)
11月3日(日・日本時間)
午前6 時00分~UFC FIGHT PASS
午前5時45分~U-NEXT


■UFN246対戦カード

<フライ級/5分5R>
ブランドン・モレノ(メキシコ)
アミール・アルバジ(イラク)

<女子フライ級/5分3R>
ローズ・ナマジュナス(米国)
エリン・ブランチフィールド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
デリック・ルイス(米国)
ジョナタ・ジニス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
カイオ・マシャード(ブラジル)
ブレンジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・マロット(カナダ)
トレヴィン・ジレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
エイマン・ザハビ(カナダ)
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
アリアネ・リプスキ・ソウザ(ブラジル)
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ロマノフ(モルドバ)
ホドリゴ・ナシメント(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
セルヒー・サイディ(カナダ)
ギャレット・アームフィールド(米国)

<バンタム級/5分3R>
チャド・アンヘリガー(カナダ)
コディ・ギブソン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ジェイミーリン・ホース(カナダ)
イワナ・ペトロビッチ(クロアチア)

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45 AB MMA MMAPLANET o RIZIN strikeforce UFC UFC310 YouTube アレッシャンドリ・パントージャ ケビン・チャン シャクハト・ラクモノフ ショーン・オマリー デメトリウス・ジョンソン ブランドン・ロイヴァル ベラル・モハメッド リズ・カモーシェ ロクサン・モダフェリ ローズ・ナマジュナス 堀口恭司 宇野薫 平良達郎 朝倉海

【UFC310】朝倉海のUFC初戦=パントージャ戦=世界フライ級王座挑戦が、正式発表。破格のデビュー戦

【写真】朝倉海のUFCデビューが決定。大手・電気通信会社が後押しするという話もある2025年のUFC日本大会、ついに実現に向かうのか(C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)に12月7日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイルアリーナで開催されるUFC310で朝倉海が、UFCデビュー戦でアレッシャンドリ・パントージャの持つUFC世界フライ級王座に挑戦することが発表されている。
text by Manabu Takashima

6月のUFC挑戦宣言以来、ついに朝倉のオクタゴンデビューが世界王座挑戦という形で実現することが正式発表された。RIZINのリングでUFC挑戦を宣言した直後に朝倉は当時のバンタム級王者ショーン・オマリーへの挑戦を匂わせる発言をしていたが、Fight&Life誌の表紙を飾ったポートレイト撮影時に、「バンタム級としては、小さいです」という言葉が聞かれていた。

撮影後のインタビューでは「アッと驚くデビュー戦になる」とも話していた朝倉だが、恐らくはこの時点からパントージャへの挑戦という話が存在していたか、方向性を持っていたに違いない。

奇しくも一戦、一戦と実績を積んできた平良達郎がUFC世界フライ級1位のブランドン・ロイヴァル戦を戦う日に朝倉の王座挑戦が明らかとなったわけだが、THE BLACKBELT JAPAN陣営では日本時間の9月11日には「恐らくは」という状況で、朝倉の挑戦の話が届いており、平良はそこを受け止めてのロイヴァル戦で精神的な動揺はないと想像される。


ともあれ日本人ファイターのUFC初戦でタイトルショットは2001年2月の宇野薫(バンタム級王座決定戦=ジェンス・パルバー戦)、翌2002年3月の桜井マッハ速人(UFC世界ウェルター級王者マット・ヒューズに挑戦)以来、22年9カ月振り。日本人ファイターのUFC世界タイトル挑戦は2015年4月に堀口恭司がデメトリウス・ジョンソンにチャレンジして以来、9年8カ月振りとなる。

Zuffa体制序盤は2001年2月にジル・カスティーリョが、UFC世界ミドル級王者デイブ・メネーに挑戦した一戦や2003年11月にWFAウェルター級王者だったフランク・トリッグが、マット・ヒューズの持つウェルター級のベルトに挑むなど、初オクタゴンが世界戦という例は見られた。

さらに女子では2013年2月にStrikeforce世界バンタム級王者ロンダ・ロウジーがUFC女子世界バンタム級王者に認定され、初防衛戦の相手リズ・カモーシェが挑戦者という立場で初めてオクタゴンに足を踏み入れている。

2017年12月にTUF26決勝が初代UFC世界女子フライ級と女子ストロー級王座決定戦だったためニコ・モンターニョとロクサン・モダフェリ、カーラ・エルパルザとローズ・ナマジュナスも初戦でタイトル戦を経験している。とはいえ、近年は朝倉のようなデビューは異例中の異例だろう。

UFCアジアをリードするケビン・チャンは、今回の朝倉の挑戦に対し「我々のマッチメイカーがカイ・アサクラを即タイトル戦に起用したのは過去3年、日本から質の高いトップレベルファイターたちが生まれていたからだ。タツロウ・タイラ、リンヤ・ナカムラ、レイ・ツルヤらは、日本のMMAに再び黄金期が訪れることを示唆している」とプレスリリースにコメントを寄せている。

UFC310のメインはUFC世界ウェルター級王者ベラル・モハメッドにカザフスタン人ファイターのシャクハト・ラクモノフが挑戦する。東と中央の違いはあれど、アジア人ファイターが同日に頂点に挑む。そんなUFCにとっても歴史的なイベントでデビュー、そしてタイトル挑戦を迎える朝倉海のコメントは以下の通りだ。

朝倉海
「UFCフライ級を盛り上げるためにやってきました。12月7日、日本時間では8日(日)にラスベガスのT-Mobileアリーナで開催されるUFC 310でフライ級王者のアレシャンドレ・パントージャ選手と戦うことが決まりました。デビュー戦がタイトルマッチということで、不利だという声も多いかとは思いますが、必ず勝って、UFC初の日本人チャンピオンになりたいと思います。そして、UFCファンの皆さんに今まで見たことのないエキサイティングな試合をお見せすることを約束します。楽しみにしてください!」

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN59 キック トレイシー・コーテズ ボクシング ローズ・ナマジュナス

【UFC ESPN59】ダウン、TDで築いたリードでクルージング。ナマジュナスがコーテズを翻弄&判定勝ち

<女子フライ級/5分5R>
ローズ・ナマジュナス(米国)
Def.3-0:49-46.49-46.48-47
トレイシー・コーテズ(米国)

カーフ狙いのコーテズに、ナマジュナスがインローを蹴る。右を当てたナマジュナスがワンツーも入れ、右ローへ。近い距離でフックを振るうコーテズだが、ナマジュナスのボクシングが優っている。コーテズもカーフから右を伸ばすが、ローに左を合わせたナマジュナスは、さらにリードフックを入れると、ワンツーの右を打ち抜きダウンを奪う。クローズドのコーテズにエルボーを落としたナマジュナスがスタンドを選択して立ち上がる。

コーテズのジャブは届かず、ナマジュナスは右ストレートをフックに合わせる。引き続きジャブを的確に当てるナマジュナスは右オーバーハンドを狙うが、ここは距離が合わない。コーテズは左インローを蹴り、構えを変えて右をヒット。ナマジュナスもスイッチを織り交ぜつつ右ローを2発蹴り込む。コーテズが距離を取るようになり、ナマジュナスの手数も減ったが問題なく初回をリードした。

2R、ローのナマジュナスにコーテズがショートのワンツー。間合いを外してジャブ、ステップインに左フックをナマジュナスが放つ。コーテズは距離を詰めてリードフックも、威力はさほど感じられる。そして、ナマジュナスはコーテズが前に出てくるとカウンターを当て、離れたところで右ハイを狙う。コーテズも左ハイを蹴り返し、気の強いところを見せるとダブルレッグでテイクダウンを奪い、バックへ。ワンフックは落とされかげるが、がぶりに持ち込みギロチンへ。

ナマジュナスは頭を抜いて間合いを取り直すと、ステップインからワンツーを繰り出す。さらに左フックのカウンターのナマジュナスは誘い込むような左回り貴重のステップから、ヒザ蹴りを狙う。と、最後の10秒で右を振ってからダブルレッグを決めたナマジュナスがスコアリングに成功したか。

3R、距離を詰めてフックを振るうコーテズは、首相撲からヒザ蹴りを狙う。間合いを取ったナマジュナスは、打撃戦と見せてダブルレッグから小外刈りでテイクダウンを奪う。見事な切り替えてでトップを取ったナマジュナスがハーフからマウントへ。ケージに頭を押し込みエルボーを落とす。ケージキックでリバーサル&スクランブル狙いのコーテズは、バックを許しながら立ち上がり胸を合わせることに成功した。

しかし、ここでナマジュナスはダブルアンダーフックから、コーテズの大内刈りを潰してボディロックテイクダウンを決めると、またもマウントへ。腰を浮かしたような乗り方で、コーテズにケージを蹴らせてバックに回るという手練れ振りを見せたナマジュナス。コーテズも懸命に上を向いてハーフから立ち上がる。残り30秒のスタンド戦でも、右前蹴りを顔面に届かせたナマジュナスがラウンドを支配した。

4Rもジャブを軽快に伸ばすナマジュナスは、距離を詰めてくるコーテズの右ハイを受けそうになりながら、ボディロックに捕える。ケージに押し込むと、コーテズは首相撲からヒザを繰り出す。このタイミングでナマジュナスは離れて、またも誘いこみファイトへ。コーテズのワンツーに左を合わせる。コーテズのステップインは、ちょうどナマジュナスも距離に入ったぐらいの位置で止まってしまい逆に攻撃を受ける。ナマジュナスは打撃が届くレンジになると、ダブルレッグも仕掛けるなど危なげない展開を続ける。

迷いが生じ、前に出ることもできなくなってきたコーテズに対し、ナマジュナスはダブルレッグのフェイクで下がらせる。と、手の届く距離でコーテズが逆にダブルレッグを決めるが──ナマジュナスはすぐにケージを使って立ち上がる。このままケージ際のクリンチでラウンド終了となった。

最終回、直ぐに距離を詰めてきたコーテズに対し、左を入れたナマジュナス。被弾覚悟のコーテズは拳に力が入り、カウンターショットを当てられても左をヒットさせる。コーテズはここで組みを選択し、ケージレスリングへ。しかし、時間を使えないとばかりに自ら離れ、回るナマジュナスを追いかける。カウンター狙い、急ぐこともないナマジュナスは、左に左を合わされながらクリンチで流れを止める。

と残り2分強で、ダブルレッグでテイクダウンを奪い、立ち上がったコーテズをケージに押し込む。疲れない程度のクリンチ戦から離れると、コーテズの出てこいとアピールにも、ナマジュナスはお尻を振って挑発に乗らず間を取り、ここからグローブタッチへ。掌の上でコーテズを転がしたナマジュナスは、左フックをヒットさせると最後の打撃戦にも、応じることなくクリンチで試合終了に。

ポイントをしっかりと計算したクルージングファイトを見せたナマジュナスが49-46✖2、48×47という3-0の判定勝ち、まさに百戦錬磨の試合展開だった。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN53 アマンダ・ヒーバス キック ローズ・ナマジュナス

【UFC ESPN53】元ストロー級世界王者ナマジュナスがヒーバスの蹴りにパンチを合わせて判定勝利

<女子フライ級/5分5R>
ローズ・ナマジュナス(米国)
Def.3-0:49-46.49-46.48-47.
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)

サウスポーのヒーバスにナマジュナスがプレスをかける。ヒーバスは左インローから左ストレート。ナマジュナスもカウンターを合わせる。オーソドックスに戻したヒーバスが組みつき、離れ際に右ショートを当てる。ナマジュナスも左ジャブから右に繋げる。ナマジュナスの左ジャブがヒーバスの顔面を襲う。ヒーバスも右スピニングバックキックをボディに突き刺し、下がるナマジュナスをボディロックからテイクダウンした。

すぐに立ち上がったナマジュナスがヒーバスをケージに押し込む。ヒーバスがヒザを突き刺しながらサイドに回って離れた。ナマジュナスがサウスポーにスイッチする。ヒーバスの右を受けたナマジュナスも左ストレートを打ち込んだ。互いにスイッチを繰り返すなか、ヒーバスが首投げでグラウンドに持ち込むも、ナマジュナスがトップに回った。ハーフガードのヒーバスをナマジュナスがパンチとヒジで削る。ヒーバスも下からナマジュナスの頭を抱えつつ、ヒジを打ち込んでいった。

2R、ヒーバスはサウスポーに構えた。左ミドル、左の前蹴りから右ジャブを突き刺す。ナマジュナスも左ジャブからスイッチ、しかしオーソドックスに戻して右を当てる。ナマジュナスはナーバスの蹴りに対して左右のストレートを合わせていく。サークリングするナマジュナスに右スピニングバックキックを狙うヒーバスだが、動きの終わりにナマジュナスのパンチを受けてしまう。細かいパンチを交換するなか、ナマジュナスがニータップで尻もちを着かせるも、ヒーバスがすぐに立ち上がった。

再び組んだナマジュナスに首投げを仕掛けるヒーバスは、耐えるナマジュナスの右足を取ってヒザ十字へ。これを凌がれたヒーバスは、スタンドに戻ると払い腰で投げたがナマジュナスにトップを奪われてしまう。ハーフからガードに戻したヒーバスは下から足を上げるも、ナマジュナスがトップをキープする。さらにヒーバスは体を少しずつ横にずらしていくが、ナマジュナスがトップを譲らなかった。

3R、サウスポーのヒーバスが左ハイを見せる。ナマジュナスはヒーバスの蹴り終わりにパンチを合わせていく。ヒーバスの左ハイをはらうナマジュナス。至近距離で左縦ヒジを見せた。ヒーバスの左ローを受けて足を滑らせたナマジュナスだが、すぐに立ち上がった。ナマジュナスのワンツーがヒーバスの顔面をかすめる。さらにジャブを当てるナマジュナスは、テイクダウンのフェイントに来たヒーバスをパンチで迎え撃つ。

ヒーバスの蹴りのタイミングを読んだか、ナマジュナスのショートのパンチが当たる。しかしヒーバスの右もナマジュナスの顔面へ。ナマジュナスがボディロックから小外刈りでヒーバスに背中を着かせた。すぐに立ち上がったナマジュナスが押し込み、逆にヒーバスに背中を着かせるも、ヒーバスがリバーサルする。スタンドに戻った両者はケージ際へ。ヒーバスが首投げでテイクダウンし、ハーフガードのナマジュナスを抑え込む。右オーバーフックからパスを狙いつつ、右ヒジを連打。さらにバックに回ってラウンドを終えた。

4R、ヒーバスが左ストレートから右ジャブを繰り出す。さらにミドルと前蹴りを見せるも、やはりナマジュナスが蹴りに合わせてパンチを当てていく。しかしヒーバスの右もナマジュナスの顔面を捉える。ヒーバスは蹴りの後にジャブを出すようになった。ナマジュナスの左をかわしたヒーバスが右カーフを蹴る。さらに右ショートを入れるも、ナマジュナスも右でヒーバスのアゴを跳ね上げる。

ナマジュナスがニータップでテイクダウンを狙う。ヒーバスもスプロールの体勢に入るが、そのままボトムへ。下から足を上げてヒジを打ち込むヒーバス。ナマジュナスはボディにパンチを打ち込みながら、徹底的にトップをキープする。とはいえ、この展開でボトムの選手にポイントがつくことが多い現在の北米MMAで、いかに評価されるか。残り30秒でヒーバスが三角絞めを狙うも、ナマジュナスが頭を抜いてトップポジションを守った。

最終回、ヒーバスが左ミドルを打ち込む。しかし二発目の左ミドルに右ショートを狙われる。ヒーバスがオーソドックスに戻すとナマジュナスのアクションが多くなった。スイッチとサークリングを繰り返すナマジュナスの左ジャブが、ヒーバスの顔面を捉えた。ディフェンスの際に足の動きがおかしいナマジュナスは、ヒーバスのカーフキックを受けて効いているのか……。

ケージ中央でナマジュナスが右スピニングバックキックを見せた。ヒーバスがパンチのショート連打で攻め立て、右スピニングバックキックも当てた。ナマジュナスが距離を詰めると右ストレートから左フックを振るうヒーバス。ナマジュナスのダブルレッグをスプロールし、スタンドではプレスをかけ続ける。ナマジュナスもヒーバスの蹴りにパンチを合わせるも、相手の顔面に届かない。ヒーバスがロングレンジの攻撃でナマジュナスを中に入れさせなかった。

裁定はユナニマスでナマジュナスが勝利。元女子ストロー級世界王者のナマジュナスは、昨年9月のフライ級転向初戦で敗れたが、これが同級で初勝利となった。


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45 AB AJ・ドブソン BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL UFC UFC ESPN53 アマンダ・ヒーバス アンドレ・リマ カート・ホロボウ キャメロン・サーイマン コディ・ギブソン ジュリアン・エロサ スティーブン・グウェン トレイ・オグデン ヒカルド・ラモス ビリー・クゥアンティロ フェルナンド モハメド・ウスマン ヤルノ・エレンズ ルイス・パフエロ ローズ・ナマジュナス

【UFC ESPN53】37歳でUFCと3度目の契約。不死鳥カート・ホロボウ「愛するファイトを追いかけてきた」

【写真】マスト・リスペクト。人生として、こういう生き方ができれば最高だ(C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、これから2時間後にスタートするUFC ESPN53「Ribas vs Namajunas」。ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われる同大会でカート・ホロボウがトレイ・オグデンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2013年、26歳の時にUFCにリリースされた。2019年、2度目のリリースは31歳の時だった。そして昨年のTUF31に37歳にして優勝を飾り、3度目のUFC契約を果たした。それだけでも奇跡的なカムバック劇、30歳を超えてUFCを追い続けてきた男のファイト・ヒストリー――カート・ホロボウに初インタビューを試みた。



――トレイ・オグデンと今週末に戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は20日に行われた)。

「最高だよ。良いマッチアップだし、人生でも最高の部類のシェイプを誇っている。準備は完璧に整っているよ」

――日本のファンがカートの存在を認識するようになったのは、Titan FCでJZ・カルバンことジェシアス・カバウカンチに勝利した頃からだと思いますが、すでに一度UFCで戦った後でした。2013年にUFCで戦い、JZ戦後の2018年にコンテンダーシリーズ参戦を経て2度目の契約。いずれも勝利を挙げられず、去年のTUF31で3度目のUFC契約を果たしました。36歳でUFCとの契約はもうミラクルかとも思えるのですが、カートはなぜそこまでUFCにこだわってきたのですか。

「UFCは世界最大のMMAプロモーションで、世界最大のプラットフォームを持っている。世界のベストが集まるのがUFCだ。UFCで戦う限り、自分が世界でベストの1人だと思える。UFC以外では勝ち続けても、UFCではそうではなかった。UFCで結果を残したかったんだ。Titan FCでもXFCでもUFCレベルの強い選手と戦ってきたしね。TUFに出場できたのも、36歳になっても試合を続け、UFCを目指し続けてきただけでなく、そのレベルにあったからだと思っている。試合に勝ち続け、フィニッシュし続けていたから」

――確かにカートは2019年にUFCにリリースされて以降、ローカルショーからTUFフィナーレまで全試合でフィニッシュ勝利を挙げていますね。それにしても30歳を超えて、BellatorやPFLという他のメジャーオーガニゼーションで戦おうという気持ちにならなかったですか。

「とにかくマネージャーとは、ベストオファーが何かを考慮して一緒にやってきた。BellatorとPFLに関しては、PFLでは戦う機会はあったのは事実だ。正直をいえばUFCで2度目のリリースの憂き目にあった時、もう31歳だった。UFCで戦うチャンスは絶対にないと思っていた。だからBellatorで勝ちたいと考えた時もあったよ。ただえさえUFCから一度リリースされて、戻ることは簡単じゃない。それが僕の場合は2度も失敗したんだから。

あの時はマネージャーとWIN WINになる契約を結びたいとも話した。BellatorだってPFLだって大きなプロモーションだからね。とにかく戦い続けること。諦めないで試合を続け、得られたチャンスを生かすことだけを考えるようになった」

――2度目のリリース後も戦い続けることに対して、ご家族の反応はいかがでしたか。人生に夢は必要ですが、夢だけでは生きていくことはできないです。

「僕のファミリーは、僕がやりたいことを貫けるよう支えてくれた。一つ良かったのは、家族がMMAもそうだし、柔術をやっていてジムで毎日のように一緒に汗を流している関係にあったことだ。そしてUFC以外で戦う時も、イージーファイトはなかった。常にタフな相手と戦った。メインイベントでタフな相手との試合を続けた。プロモーションも若くて力のある選手が出てくると、元UFCファイターという肩書のある選手を越えさせようというマッチメイクをする」

――確かに。箔をつけるためのファイトですね。

「そうだ。そういうタフな状況でフィニッシュして勝つことで、自己証明を続けた。だからこそ、TUFで3度目のチャンスを得られ……それを生かして、今UFCで戦うことができている。何よりコレが本当に最後の勝負だと自覚している」

――UFCでの苦い思い出を払拭でき、上位進出を果たす自信はありますか。

「ここで過去と同じようなことを繰り返すと、もう終わりだ。自分の力を証明する最後のチャンスだ。そういうなかでTUFでフィニッシュ勝利を続けることができたことは、確かな自信になっている。強い相手と戦い続けることができ、勝ち続けることができた。ファイターとして成熟してきたと思っているよ。このまま勝ち続け、ランキング入りを果たし……その結果としてタイトルショットまでたどり着けるよう戦うだけだよ」

(C)Zuffa/UFC

――では今週末に戦うオグデンの印象を教えてください。

「堅実なファイターだ。どの局面でも過不足戦えるけど、特別なモノはない。でに試合内容を予想するなんて無意味だ。常に自分のやるべきことをやりきる。1試合、1試合、それを続けること。土曜日の夜も同じだ。相手と向き合い、触れ、拳が交錯し、自分のやるべきことが分かってくる。これまで通り、ファンが喜ぶファイトをしたいね。

そして同世代……いや年齢に関係なく、日々を生き抜くことに一生懸命な人達に勇気を与えることができれば嬉しい。何が起ころうとも、僕は諦めずにやってきた。勝っても、負けてもリリースされても、諦めることはかった。自分の愛するファイトを追いかけててきた。自分のやりたいことを続けきた。そんな僕の試合を視ている皆も、同じように愛することに没頭して、楽しい人生を送って欲しい。皆に喜んでもらう戦いをする。僕の試合を楽しんでほしい」

――カート、話を聞いているだけでも明日への活力を与えてもらったと思えます。ありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。いつの日かUFCが日本で大会を開くとき、そのトラベル・リストに僕の名前があるようプッシュしてほしい。ブラジルとロシアで戦った。戦いたいと思った国で戦うことができた。残されているのは日本、日本で戦うことだけなんだ」

■視聴方法(予定)
3月24日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN53対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
アマンダ・ヒーバス(ブラジル)
ローズ・ナマジュナス(米国)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
AJ・ドブソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ペイオン・タルボット(米国)
キャメロン・サーイマン(南アフリカ)

<フェザー級/5分3R>
ビリー・クゥアンティロ(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<フェザー級/5分3R>
ルイス・パフエロ(ペルー)
フェルナンド・パディーヤ(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
トレイ・オグデン(米国)
カート・ホロボウ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ヒカルド・ラモス(ブラジル)
ジュリアン・エロサ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
コディ・ギブソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
スティーブン・グウェン(米国)
ヤルノ・エレンズ(オランダ)

<女子バンタム級/5分3R>
モントセラ・レンドン(メキシコ)
ダリア・ジリシニコワ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
イゴール・セヴェリーノ(ブラジル)
アンドレ・リマ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
モハメド・ウスマン(ナイジェリア)
ミック・パーキン(英国)

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MMA MMAPLANET o UFN UFN226 キック ボクシング マノン・フィオホ ローズ・ナマジュナス

【UFN226】距離は掴み切れずも、間合いを制したフィオホが、ナマジュナスを3-0で下す

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ(フランス)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ローズ・ナマジュナス(米国)

フライ級転向のナマジュナスに対し、長身フィオホのリーチが優る。右ジャブを伸ばすフィオホは、右フックをヒット。姿勢を乱したナマジュナスはサイドキックもキャッチされ、組みに狙いもヒジを合わされそうになる。それでも右に左を合わせたナマジュナスは左を見せてダブルレッグへ。フィオホは切って、右ジャブを伸ばす。慎重な間合いの測り合いのなかで、ナマジュナスがリードフックを当てる。

前手の左が当たると、スイッチしてサウスポーに構えるナマジュナスがフィオホのジャブをかわす。フィオホは左を被弾する数が増えるが、左ハイを果敢に蹴っていく。ここからジャブ、左ストレートを伸ばしたフィオホがナマジュナスのテイクダウン狙いをカット、ワンツーを決める。最後に得意のサイドキックを見せたフィオホが初回をリードした。

2R、フィオホが右ジャブを伸ばし、ナマジュナスが左リードフック。フィオホはリードにカウンターを狙い、ワンツーへ。姿勢を乱したナマジュナスが立ち上がるところで組んだフィオホが、力強いダーティボクシングを繰り出す。さらにヒザで腹を抉ったフィオホは左回りから正面に立つと右の蹴りを見せる。右の蹴りからスピニングバックキックを繰り出したナマジュナスは、右ハイを受けそうになるなどフィジカル面で圧され疲れが目立つ。

それでも右を打ちこみ、フィオホのバランスを崩させたナマジュナスが左を伸ばす。同じタイミングでダブルレッグの仕掛けたフィオホは、頭が上がり右側頭部をカットし流血。ナマジュナスに注意が与えられ、試合が再開されるもクリーンヒットはなく時間となった。

最終回、ワンツーからスリーで前に出たナマジュナスが左を当て、フィオホの右の打ち終わりにも左を打ち込む。さらに右ハイを見せたナマジュナスだが、ダブルレッグを切られる。ナマジュナスは打撃戦のなかでテイクダウンを試みると、フィオホは片ヒザこそつくものの即立ち上がる。フィオホは距離が掴みきれず、サークリングで間合いを取り直す。そこからのステップインに対しても、ナマジュナスはカウンターで待ち受ける。

そのナマジュナスも自らの仕掛けは決して多くなく、左回りを追いかけたところでフィオホのカウンターが彼女を待ち受ける。フィオホは右ジャブを当て、回ったナマジュナスがダブルの右ジャブで前に出る。膠着気味の展開のなかで、ナマジュナスが右ハイを見せると、フィオホが左ハイを返して蹴り勝つ。決定打がないなか、左を被弾したフィオホがスリップしてバランスを崩す。最後は回って距離を保ったフィオホは、試合終了の合図とともに両手を高々を広げて勝利をアピール。

3Rは落とした感もあるが、果たして。結果は29-28が2人、30-27のジャッジが1人という裁定でフィオホが、元ストロー級世界王者に勝利し、アレクサ・グロッソ✖ヴァレンチナ・シェフチェンコ戦の勝者への挑戦をアピールした。


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【UFN226】MMAデビューから2年でUFC。戦禍の神、ブノワ・サンドニ「特殊部隊で規律を身につけた」

【写真】何事にも動じないのだろう。そんな表情のサンドニ。取材から2日後には計量も終え、チアゴ・モイゼスと共に156ポンドでパスをしている(C)MMAPLANET

本日2日(土・現地時間)にフランスはパリのエコー・アリーナで開催されるUFN226:UFN ESPN+84「Gane vs Spivak」でブノワ・サンドニがオクタゴン4連勝を賭けて、チアゴ・モイゼスと戦う。
Text by Manabu Takashima

世に名高いフランス軍特殊部隊=スペシャルフォース出身、西アフリカ諸国でテロリストと向き合い、勲章を授与されているサンドニはプロデビューから2年でUFCと契約を果たした。日本ではほぼ無名だが、BRAVE CFからUFCと短期間で濃密なキャリアを重ねてきたサンドニ=戦禍の神に初インタビューを試みた。


――チアゴ・モイゼスと週末に戦います。今の調子を教えてください(※取材は8月30日に行われた)。

「良い調子だよ。トレーニングキャンプは前回の試合が7月1日だったから、当然のように短期間だったけど、何も問題ない。ランカーでウェルラウダ―、凄くやりがいのある相手だ。ウォリアー・ファイトを見せるよ」

──UFCで3勝1敗。通算でも10勝1敗と素晴らしいレコードを持っていますが、まだ日本のMMAファンはブノワのことをほとんど知らないといっても過言でないです。MMAとの出会いを教えてもらえないでしょうか。

「マーシャルアーツを始めたのは8歳の時、柔道を習うようになった。競い合うというよりも、楽しんでいた。ただ続けていく上で、柔道では満ち足りていない自分に気付いたんだ。そんな時、2008年の柔道五輪金メダリストであるサトシ・イシイがMMAに転向した。きっと彼も同じ想いだったように思うんだ。僕自身は19歳まで柔道を続けたけど、ケガも多く、トレーニング内容も同じことを続けていることで、フィジカル的にも十分でなかった。もう一度、心身ともに自分を鍛え直そうとスペシャルフォース(フランス軍最強と謳われる特殊部隊)に入隊したんだ。

最初のミッションでブルキナファソ・マリ国境紛争での任務に就いた。それからも西アフリカで5年間、軍の一員として過ごした。2017年にブラジリアン柔術に出会い、柔道と違い投げ技はなかったけど極めるという部分に惹きつけられた。それこそ、戦いで最も難しい部分だから。投げより、難しいともいえる。そして、如何にも戦っているんだという気持ちになれた。

柔術と出会って、何か人生に張りが出てきてね。2018年にはボクシングに始めた。柔道、柔術の経験があり、ボクシングもやっている。MMAを始めない理由が見つからなかったよ。2018年にMMAの練習を開始して、アマからMMAを戦うようになった。そして4試合を経験して、11月にスペインで開催されたトーナメントで優勝した。アマで4勝0敗、この時にプロMMAファイターになろうと決めたんだ。そんなころ、ヴェノム・チームのトライアウトを行うことを知って、参加した。当時はまだ軍に在籍してMMAの練習をしていたんだけど、ダニエル・ウォハンに認めてもらい『軍生活を終えると、全てテイクケアする』と言われた。2019年1月にチーム・ヴェノムで練習を始め、休暇期間の全てをトレーニングに費やして3月に軍を離れた。

プロMMAに戦ったのは、チームに合流した翌月のLions FCだったよ。それから2年でUFCと契約することできて、今に至る。この短期間で、ここまでできたのはとにかく素晴らしいスタッフに恵まれて、しっかりと練習を続けられた結果だと思う。自分の長所をできるだけ、MMAにいかしたいと思ってトレーニングをしてきた。まだ軍に所属していたけど、

それからの2年間でMMAファイターとして生活し、家族のことも守ることができるようになった。凄く幸運だし、マネージャーにも感謝している。MMAコーチのダニエルは今ではウォハリン・エリートチームを創り、しっかりとボクシングのトレーニングも積んできた。」

──押忍。しっかりと振り返って頂きありがとうございます。ところでスペシャルフォースにいた経験はMMAにどのように生きていますか。本来は軍での活動とスポーツを比べるべきではないかと思うのですが。

「軍での任務は僕に規律を与えてくれた。そして、知性をもってトレーニングすることを教えてくれたよ。ガムシャラにやっても駄目だ。必要な量を見極め、正しい計画を組み立てる。全ての機器を使いつつ、シンプルに自分を鍛え続ける。そういうことが、できるようになったのはスペシャルフォースにいたからだと思う。

それと試合中、アドレナリンが血中に放出され交感神経が興奮状態になる際に、如何に自分をコントロールできるか。そうだね、そういう風に冷静に戦えるのも軍の経験があったからだと思う。でも、何よりもさっき言った規律を身に着けることができた方が大きいよ。自分がやってきたトレーニングを信じることで、どのような状況でも対応できる。正しいトレーニングをやり切っているから、自分の全てを試合にぶつけることができるんだ」

──さきほど2年でUFCと契約できたという話がありましたが、デビューの年から中東ベースのBRAVE CFで戦い4勝1NCという好成績を収めてステップアップを果たしました。

「だからマネージャーに感謝しているんだ。BRAVE CFで戦ったのもマネージャーの判断だった。パンデミックが起こる前にサインをして、コロナ禍でもBRAVE CFは世界でも最も早い時期に活動を再開した。世界規模で活動して色々なファイターが戦っていて、元UFCファイターとも契約している。そして、あそこで良い試合を見せるとUFCから目もかけられる。

それまではMMAが禁じられていたフランスで、パウンドのない小さな大会で戦っていた。BRAVE CFは世界のトップ3ではないけど、トップ10に入る団体だ。1つの階級に10人から15人の選手がいて、タフな選手も多かった。僕自身はタイトルに挑戦できるランク1位になったタイミングで、UFCとサインできた。BRAVE CFで戦うことで、多くの自信を手にしたよ」

──今週末の試合です。2度目のパリでの試合になりますが、母国で戦うことはどのような気持ちですか。

「何といっても9時間の時差がないことは素晴らしい(笑)。家族、仲間に試合を見てもらえる。フランス人選手、関係者、全てにとって最高の機会だよ」

──では改めてチアゴ・モイゼスの印象を教えてください。

「良い選手だよ、ATT所属で。イスラム・マカチャフやベニール・ダリューシュらトップ15にしか負けていない。彼に勝つことで、僕がトップ15と戦えると証明できる。素晴しい柔術家で、打撃もできるウェルラウンダーだけど、僕もグラウンドでは負けない。寝技になると退屈だと思うファンはまだ多い。でも、僕らの試合はUFCでも最高の寝技の攻防が見られるだろう。だから、しっかりとファイトを見て欲しい」

──ブノワ、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「僕は日本の長い歴史、規律ある歴史を素晴らしいと思っている。そんな日本の皆に、僕の試合を視てもらえるのは嬉しいことだよ。皆に良い試合を見せたい」

■視聴方法(予定)
9月3日(日・日本時間)
午前1時30~UFC FIGHT PASS
午前1時~U-NEXT

■UFN226対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
シリル・ガンヌ(フランス)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ(フランス)
ローズ・ナマジュナス(米国)

<ライト級/5分3R>
ブノワ・サンドニ(フランス)
チアゴ・モイゼス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
バグジン・ガスコフ(ウズベキスタン)

<フェザー級/5分3R>
ヤニス・ゲムリ(フランス)
ウィリアム・ゴミス(フランス)

<フェザー級/5分3R>
モーガン・シャリエール(フランス)
マノロ・ゼッキーニ(イタリア)

<バンタム級/5分3R>
テイラー・ラピルース(フランス)
キャオラン・ローラン(アイルランド)

<ウェルター級/5分3R>
アンジェ・ルーザ(スイス)
リス・マッキー(アイルランド)

<女子バンタム級/5分3R>
ノハ・コーノール(フランス)
ホセリン・エドワルツ(パナマ)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クレイジソン・ホドリゲス(ブラジル)

<140ポンド契約/5分3R>
ザラ・フェアン(フランス)
ジャケリニ・カバウカンチ(ポルトガル)

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【RTU ASIA2022】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(10)堀内佑馬─01─ 「僕の夢が、また一つ叶う」

【写真】さぁ、いよいよという空気もありつつ──インタビュー中は終始、淡々としている風でもあった堀内だが──後半掲載予定のある質問にぐっと表情も言葉は厳しくなかったことがあった(C)MMAPLANET

6月10日(金・現地時間)、シンガポールはカレンのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode03で堀内佑馬が、トップノイ・キウラムとRoad to UFCフライ級トーナメント準々決勝を戦う。

UFC行きを賭けた8人制トーナメントに、カリフォルニア州アーバインから乗り込む堀内は、他の日本人選手と違い米国を拠点にMMAに打ち込み、UFCファイターを目指してきた。

再開──2022年、春(※既に初夏)~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第10弾は堀内佑馬の言葉をお伝えしたい。


──6月10日、シンガポールでRoad to UFC出場の堀内選手ですが、アーバインから現地に向かうのですか。

「ハイ、4日に出発します」

──今大会はコーナーマン1人分のチケットが出ると聞いています。

「そうですね。(コリン)オーヤマ・コーチと行きます。PPVショーにチーム・オーヤマから選手が出ているわけでなく、僕のためにシンガポールまで行ってくれるんです」

──なるほど。ところで時差のない日本で調整をしようという考えはなかったですか。

「なかったです。試合をするだけなんで。時差ぼけも大丈夫だと思うんですけど、なったらなったでその時に考えます(笑)。そこまで時差を気にすることはないです」

──日本からでも7時間以上で、その前に太平洋を越えてくる出場選手に他にいないかと思います。

「全部で19時間、飛行機に乗っているみたいで……辛いですねぇ(笑)。結構、きつそうだと思います」

──ともあれ3つ勝てばUFCという状況での試合になります。

「最高ですね。皆は『ここが夢じゃない』って言いますけど、僕はいっぱい夢を持っていて。UFCに行くのも夢、チャンピオンになるのも夢、一つの勝利も夢なんで。そういう部分では、Road to UFCで戦うことで僕の夢が、また一つ叶うという気持ちです」

──昨年11月にマーク・クリコマを1分52秒でKOし、そこから試合がなかったです。この間というのは、どのような方法でステップアップを図ろうとしていたのでしょうか。

「ショートノーティスでUFCからオファーがあれば出られる。そういう話になっていて、それから3月か4月にベガスのコンテンダーシリーズで戦うという話が来ました。でも僕はアジア人なんで、UFCが最終的にシンガポールでやるRoad to UFCに回した感じだと思います」

──コンテンダーシリーズなら1試合、なぜ3試合勝たないといけない方に回されるんだよという気持ちにはならなかったですか。

「なりましたね、正直(笑)。最初はトーナメントだと思っていなかったです。それからトーナメントとワンマッチがあると聞いたので、ワンマッチで組んでくれないかと期待していました(苦笑)。でも、僕はそういうこともプラスでしか考えていなくて。UFCは甘くないから、行くまでに強いアジア人と戦うことができることをプラスだと捉えています。

大切なのはUFCに行ってからなので。それまでに良い経験をしようと思っています」

──その一方でLFAフライ級王座を争ったチャールズ・ジョンソンが、コンテンダーシリーズを飛び越えて7月にUFCデビューを飾ります。

「(ムハマド)モカエフ戦ですよね。多分、チャールズのこの話はモカエフの相手が見つからなくてオファーが行ったんだと思います。アイツがそれでやるって言ったわけだし、勝ってくれって祈るだけです(笑)」

──まさに堀内選手が狙っていたショートノーティス待ちに近い契約かと思われるのですが、堀内選手もその境遇を経験してどのような気持ちで過ごしていたのですか。

「常にファイトキャンプをしている感じで、体重をキープして……僕としては良いことだったと考えています」

──この間の練習はこれまで通りチーム・オーヤマとONE柔術で?

「そうですね、オーヤマ・コーチ。そしてジヴァ(サンタナ)さんの柔術、あとアレックス(ペレス)が連れて行ってくれたのですが、TJ・ディラショーの打撃コーチのタイラー(ウァンブルズ)がやっているクラシック・ファイトチームで、ミットを持ってもらっています。タイラーはアレックスのコーナーにも就いていて」

──オレンジ一帯のジムだけでなく、SNSでラスベガスにいる堀内選手の姿もよく見られたという印象があります。

「アレックスやルイス(スモルカ)の試合の時にラスガスに一緒に連れて行ってもらいPIで練習できました。アレも凄く良い経験になりました。

──そして俄然、日本で注目を集めているイリディアム・スポーツ・エージェンシーとの契約も果たしています。チーム・オーヤマからイリディアムという流れは、いよいよUFCへという環境が整ってきたと考えることができるでしょうか。

「もともとイリディアムのジェイソン(ハウス)はチーム・オーヤマで練習していた時期があり、コーチとも親しいですし……僕も5年ぐらい前から知っていて、契約自体も去年の2月に交わしました。オートマチックというか、自然に契約しました」

(C)YUMA HORIUCHI

──そのチーム・オーヤマといえばカーラ・エスパルザがUFC世界女子ストロー級王者に返り咲きました。

世にも不思議なタイトル戦でしたが……。

「素晴らしかったです。あの世界戦の前、僕がローズ・ナマジュナス対策のメインパートナーをやらせてもらっていて。カーラは練習に向かう姿勢も素晴らしいですし、とにかくメチャクチャ強いです。女子でこんなに強い選手がいるのかって……。僕の考えではローズは一度やっているから、テイクダウンを取られた後とかが怖くてあんな風になってしまったんだと思います。

あの空間の中でしか分からない何が絶対にあるでしょうね。スパーリングをしていたから分かるんですけど、カーラは凄くプレッシャーがあるんです。とにかくテイクダウンが凄いですから。で、ローズは出られなくなって……ああいう試合になってしまったんだと」

──それにしてもエスパルザは、前に出てこずカウンター狙いのみのナマジュナスに遠い距離からでも組みついてテイクダウンを奪っていました。

「あの距離でテイクダウンができるのは凄いです。僕もアリゾナまで見に行って、大会後は皆でパーティーでした(笑)」

──その場で戦うために、まず6月はトップノイとの試合をクリアしなければなりません。トップノイの印象を教えていただけますか。

「それこそ7年ぐらい前にタイガームエタイに行った時にトップノイが、MMAに転向したての頃で、一緒に練習したことがあるんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
Episode01
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
6月9日(木・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS
Episode03
6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
6月10日(金・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

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MMA MMAPLANET o UFC   カーラ・エスパルザ ローズ・ナマジュナス

【UFC247】アルティメット・ダンスorシャドー? 摩訶不思議なナマジュナスを下しエスパルザが新王者に

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
カーラ・エスパルザ(米国)
Def.2-1:49-46.48-47.47-48
ローズ・ナマジュナス(米国)

遠い距離を取る両者。手も足も届かないレンジで、両者が動く。ジリジリと近づき、サッと離れるというなか、2分50秒を経過し、初めてエスパルザの左が届く。ここまでローがないMMAも珍しい。ナマジュナスはダブルのジャブをタッチ、ここからまた足を使う。エスパルザはローを当て、前蹴りは空を切る。ナマジュナスはとにかく距離を取り、自ら手も出さない。テイクダウンを注意したとしても、ここまで手数がない戦いも稀だ。

相手が手を出さないのでも、バックステップで3歩下がるナマジュナス──このまま距離を詰めることなく、初回が終わった。

2R、左ジャブを伸ばしたナマジュナス。一旦離れて、来いという姿勢を見せる。下がりつつ、誘ってから右ストレートを放ったナマジュナスに対し、距離を詰めたエスパルザがシングルレッグでテイクダウンに成功する。5R制を考慮してか、組みを続けず簡単にスクランブルを許したエルパルザは、ここは僅かながら攻勢点を獲得しているか。

さらにエルパルザは間合いの測り合いのなかで、左フックを当てる。それでも距離を詰めないチャンピオン。届かない位置で、さらに下がる動きに大ブーイングが起こる。ジャブを見せ、左右に回るナマジュナスの狙いは何なのか。エスパルザも自然、不気味なナマジュナスを相手に様子見が増え、距離を詰めきることができず最後に右前蹴りを見せた。

3R、左ジャブを伸ばすナマジュナス。ここも届かないが、右ローを届かせる。挑戦者を間の前ににしてシャドーを繰り返すような王者は、ダブルレッグを切り左を振るう。左右のショートから前に出たエスパルザがテイクダウンを奪い、即スクランブルに。立ち上がった際の近距離でも、パンチが当たらないチャンピオン──頭を振って前に出て左アッパーを狙う。エスパルザは組みを繰り返し、そこに左を打っていくナマジュナスはステップインに右を合わせる。

左ジャブでスリップしたナマジュナスが、スーパーマンパンチをバックステップでかわす。エスパルザのテイクダウンを回ってかわすナマジュナスは、組んで切るという展開をも徹底して避け、またも見続けるお見合いとステップと、フェイクの5分を終えた。

4R 組んでクラッチできる距離に入らせないための打撃、そのために離れるナマジュナスは、エスパルザのテイクダウンを狙いを切る。とエスパルザは左ジャブに一気にダブルレッグを仕掛けてテイクダウン、スクランブルにバックに飛び乗るが前方に落とされる。

この攻撃を許したことで、ポイントで確実にリードされたナマジュナスだが、前に出ても拳が届く距離に留まることはなく、組まれて突き放すという戦いを続ける。右フックで踏み込んだナマジュナスだが、エスパルザはダブルレッグからバックに回り後方に投げる。バックを取られた王者は、前転から離れてエルパルザの立ち上がり際に右を振るう。

恐らくは倒すという意志の下で、初めて放たれたパンチ。距離を取り直したナマジュナスは右を伸ばした際にスリップした。

「全ての場所で勝っている。世界で最高の選手だ」という催眠術のような指示を送るナマジュナス陣営。ここまでポイントで勝っていることは考えられないが──このままで良いということか。

最終回、ナマジュナスが右を当て、ダブルレッグを突き放す。素早いジャブから、右オーバーハンドをナマジュナスが入れる。ワンツーに左を打ち返したエスパルザは、それでも大きく回るチャンピオンを相手に、右ローを蹴る。テイクダウンのフェイクからエスパルザが左を放つ。ナマジュナスは左前蹴り、続いて両者の右が交錯する。

左から右を見せたナマジュナス、ようやく普通の試合の1R序盤の手数になったか。さらに右を2つ伸ばすが、この攻撃で留まるというこはポイントで勝っているという計算か──それとも、既に勝利を諦めているのか。ナマジュナスはニータップを仕掛けるが、エルパルザは反応する。最後の5秒でテイクダウンを決めたナマジュナスは、タイムアップともに両手を広げて勝利をアピールした。

結果、エスパルザがスプリット判定勝ちを収めるも、このコールにナマジュナスは表情一つ変えなかった……。摩訶不思議な王座奪取劇。「ジャッジがどう判断するか分からないけど、私は前に出ていた。皆、エキサイトな試合を望んでいて……私はできることをやった」と来週に結婚式を控える新チャンピオンは話すも──ファンの祝福を受けることはなかった。とはいえ、エスパルザからあれ以上試合を能動的に動くことは何もしない相手にチャンスを与えるだけで、これ以上の創りは難しい試合だっただろう。


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