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DWCS o UFC カーティス・ブレイズ トム・アスピナル マルチン・ティブラ

UFC311:第10試合・ジャイルトン・アウメイダ vs. セルゲイ・スピバック

ヘビー級。アウメイダ6位、スピバック7位。

アウメイダはDWCSにはライトヘビー級で出場し、UFC契約当初もライトヘビー級だったが、その後ヘビー級に転向。ヘビー級としては小柄で、スピードとテイクダウンしてのグラウンドテクニックで勝負する選手。UFCデビューから6連勝していたが、カーティス・ブレイズにはタックルを受け止められたところにパンチを打ち込まれて効かされ、2RKO負けでUFC初黒星を喫した。前戦は下位ランカーのアレクサンドル・ロマノフとの対戦で、いつも通りテイクダウンを奪うと、バックマウントを奪ってのチョークで一本勝ち。33歳。

スピバックはテイクダウンからのパウンドが武器で、UFC8勝4敗。前戦はかつて判定負けしたマルチン・ティブラとの再戦で、テイクダウンからバックを狙ったところで下に落とされたものの、ガードからの腕十字でタップを奪いリベンジに成功している。ヘビー級ランカー最年少の29歳。

スピバックはいつも110kg前後で計量をクリアしているが、今回は絞ってきており105.7kg。アウメイダは106.6kgで、ヘビー級では初めて相手より重い体重での試合となる。

サウスポーのアウメイダにオーソドックスのスピバック。ジャブで距離を測るスピバックに対し、アウメイダもオーソドックスにスイッチ。四つに組んだスピバックが体落としでテイクダウン。すぐにガードを取るアウメイダ。ガードで両腕をカンヌキに捕らえてフックスイープを狙ったアウメイダだが、スピバックこらえた。インサイドからヒジを打ち込むスピバック。打ち込みながらハーフに。アウメイダは潜ってスイープ。上を取った。ハーフから足を抜いてマウントに。パウンドを入れるとスピバックがアウメイダの左腕を両手で掴んで前に落とそうとするが、バックキープするアウメイダ。しかしスピバックが反転して上を取り返した。ガードの中から左右のパウンドを連打するスピバック。アウメイダスイープで返してスタンドに。アウメイダ右ストレートから右アッパーをヒット。ケージを背負ってガードを固めたスピバックにパンチを連打するとタックル。テイクダウンしてマウント。ケージを蹴って逃れようとしたスピバックだが、アウメイダはバックに回り体を伸ばしてパウンドを打ち込む。残り10秒の拍子木が鳴るが、体を伸ばされ身動きが取れないまま打たれるスピバックを見てレフェリーストップ!

1R4分53秒、TKOでアウメイダ勝利。

アウメイダ「レッツゴー、ラスベガス!ごめん、ロサンゼルスだったね。LAのみんなのためにいい試合を届けたかった。ボーナスが欲しいな。シリル・ガーン、逃げるな!ガーン以外なら、トム・アスピナルと戦いたい」

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45 MMA MMAPLANET o Special UFC UFC309 キック ジョン・ジョーンズ スタイプ・ミオシッチ トム・アスピナル ボクシング 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥 良太郎

【Special】月刊、良太郎のこの一番:11月 JJ×ミオシッチ「JJが怪物から仙人になってきた」

【写真】王道の戦い方+引き出しの多さ+必要最低限の出力。これはジョン・ジョーンズの変わらない強さでもある(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は良太郎氏が選んだ2024年11月の一番──11月16日に行われたUFC309のジョン・ジョーンズ×スタイプ・ミオシッチ。今回も水垣氏と同チョイスとなったが、打撃という視点でジョーンズの強さについて語らおう。

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:11月
JJ×ミオシッチ「いよいよJJが負ける姿が想像つかない」


――実は11月の一番も水垣さんと同じジョン・ジョーンズ×スタイプ・ミオシッチをセレクトしてもらいました。この試合はやはりジョーンズについてお聞きしたいと思います。

「あれはもう…変人の領域に達してますね(笑)。やっぱりジョン・ジョーンズに対する幻想があるじゃないですか。でも体つきを見たりすると、みんなが知っている全盛期から2周も3周も回った選手だと思うんです。だから正直まだ強いのか?と思って見ている人が多かったと思います。ミオシッチも42歳で、約3年8カ月ぶりの試合だったので、ジョーンズが何だかんだで勝つだろうなとは思っていましたが、スピニングバックキックを左の脇腹に突き刺してKO勝ちするというのは全く予想してなかったです。もう本当にすげえな、この人っていう。それしか出てこないです」

――JJは明らかにライトヘビー級時代と比べると体のコンディションは悪いじゃないですか。それでもなんだかんだで勝ってしまいましたよね。

「コンディションは間違いなく良くないですよね。ボクシング的に言ったら、 かつてのスター選手が復活して、倒して勝っちゃうことってあるじゃないですか。あれはボクシングがパンチに限定された競技でラウンド数も長いからだと思うんです。キック・ムエタイは蹴りもあってラウンド数も短くなるから、どうしても若くてフレッシュな選手の方の勢いに飲まれてしまうけど、サムエー、ブアカーオ、センチャイのように制空権を制して、相手を制圧して距離感を支配する達人みたいな40代の選手もいる。MMAは試合時間が長いのでボクシングに近いところがあるけれど、レスリングや組み技をやらないといけないし、よりフィジカル的な強さが求められる。そんな競技なのにジョン・ジョーンズはボクシングやキック・ムエタイでオールドスターが未だに強いというのをMMA、しかもUFCでやっちゃってる感じですよね。

今回のミオシッチ戦で言うなら、右と左をスイッチして戦えるベースがあるんですけど、無駄な動きが一切ないんです。ミオシッチがバー!と攻めた時にジョーンズが後ろを向いて逃げたじゃないですか。あれを若いファイターがやるともっとクイックな動きになるんですけど、ジョーンズはちょっとスローな動きでしたよね。言葉は悪いですけど年齢を重ねた選手というか。でも見方を変えれば必要最小限の動きとスピードでかわしてるわけですよ」

――なるほど。それは面白い視点です。

「細かい技術で言うと、オーソドックスに構えたら自分の距離感でスナップがついたジャブを当てて、サウスポーに構えたら前手で相手の前手を触っておいて、同じモーションでローと三日月蹴りを蹴って、たまに左ストレートを打つ。やってることは普通、王道中の王道なんです」

――特別なことをやっているわけじゃない、と。

「ただジョーンズがすごいのは1Rに決めた大外刈りのような技の引き出しが豊富なところです。あんな技もやるんだという引き出しがあるんですよね。勝つために必要なことを最小限の出力で無駄なくやる、そして技の引き出しが多い。それがジョン・ジョーンズだと思います」

――フィニッシュになったスピニングバックキックについてはいかがでしょうか。

「あれは最初にジョーンズが三日月蹴りでレバーを意識させておいて、アレックス・ペレイラがよくやるようなお尻をくっと入れるフェイントでミオシッチを下がらせて金網を背負わせる。それで逆回転のスピニングバックキックをレバーの逆側にぶちこむと。あれは当たった場所的にボディが効いたというよりも骨がいったんじゃないかなと思います」

――あの一発にもそういった細かいテクニックがあるわけですね。

「昔は怪物で最強だったのが、段々と仙人みたいになってきましたよね」

――良太郎選手のお話を聞いていると怪物時代のジョーンズも無駄打ちが少なかったり、余計な出力をしていなかったり、今と共通している部分もあるんでしょうね。

「そうですね。そこに昔は若さがあったというか、細かい部分のスピードや反応速度は当時の方があったと思います。こういうタイプは段々と反応が悪くなって結果が出なくなってきて、それで引退という流れになるんですけど、ジョーンズは負けないんですよね。なんでそれが出来るのかは……正直分かりません(笑)」

――ムエタイのスーパースターだった選手が日本でトレーナーとして働きながら試合をしても日本人には負けないというパターンに似ているのかなとも思います。

「貯金と言えば貯金で勝っていると思いますが、それだけでもないし、UFCのあのレベルでやっているわけですからね。今回も相手はブランクがあるとはいえミオシッチですし。ここまで来たら、もう相手は1人=トム・アスピナルしかいないですけど、なんかやらなそうな感じじゃないですか。色々と難癖をつけて(苦笑)。でも僕はそれも含めて強さだと思うんですよ。フロイド・メイウェザーじゃないけど、博打する時は自分のタイミングでやる、みたいな。だからそこも全部ひっくるめて最強幻想がありますよね」

――試合以外の部分でも主導権を握るところも含めて強さですね。あれだけ色々な問題を起こしてもUFCで試合を組まれ続けているわけですし。

「本当ですよ。 普通は追放レベルですからね(苦笑)」

――いずれにしてもUFCから必要とされ続けているという時点で スペシャルな選手であることは間違いないですね。

「はい。ただみんなはもうちょっと彼に尊敬や畏敬の面を求めていると思います(笑)」

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AB BELLATOR MMA o UFC UFC308 カーティス・ブレイズ キック デリック・ルイス トム・アスピナル

UFC310:第12試合・シリル・ガーン vs. アレクサンドル・ボルコフ

ヘビー級。ガーン2位、ボルコフ3位。

暫定王者ガーン。2022年1月のガヌーとの王座統一戦では、ガヌーにテイクダウンを許す展開で判定負けし、MMA初黒星を喫した。9月に地元で再起すると、昨年3月にガヌーが返上したタイトルを巡ってライトヘビーから階級を変更したJJと王座決定戦で対決。しかしタックルでテイクダウンされるとJJのギロチンでキャリア初の一本負け。昨年9月にまた地元のパリ大会で再起戦を行い、セルゲイ・スピバックにKO勝ち。ボルコフ戦は10月のUFC308で組まれていたが、ボルコフの膝の怪我により、今大会に延期されている。バックボーンはキックだが、UFC2戦目ではレアな足関(ヒールホールド)による勝利もある。34歳。

元Bellator王者ボルコフ。Bellatorには2012年から2015年まで参戦していたが、UFCは2016年からで、もう8年目。12勝4敗とハイアベレージで、現在4連勝中だが、まだUFCではタイトル挑戦経験がない。負けた相手はデリック・ルイス、カーティス・ブレイズ、トム・アスピナル、そして今回対戦するガーン。このうち1勝でもしていたら、タイトルに挑戦していた可能性は高い。極真バックボーンで蹴りが武器のストライカー。36歳。

両者は3年前に対戦。当時はガーンはまだ無敗で、すでにランキング3位だった。試合はリーチに勝るガーンが自分の間合いで打撃をヒットさせていく一方、ボルコフの打撃は届かないという展開。ボルコフは劣勢を自覚しながらも、展開を変える武器がなく、同じ展開のまま判定負けしている。今回は同じ轍は踏まないと思うがどうか。

 

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【UFC309】展望 余人をもって代え難き存在=ジョーンズ×普通の男であることに価値を置くミオシッチ

【写真】持ち過ぎた才能が、人生を狂わせながら強さは絶対のジョン・ジョーンズ。そして強さを求めて、幸福な人生を歩むこととなったミオシッチ。対照的な強者の戦いだ(C)Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンにてUFC 309「 Jones vs Miocic」が行われる。由緒ある大会場におけるメインイベントは、事実上無敗で二階級制覇を達成したジョン・ジョーンズに、元王者のスタイプ・ミオシッチが挑むヘビー級タイトルマッチだ。
Text by ISAMU HORIUCHI

王者JJは、実に13年半前の2011年3月にマウリシオ・ショーグン・フアを3RTKOに下してライトヘビー級王座を獲得すると、6度の防衛に成功し長期政権を築いた。しかし、その後はコカイン使用、ひき逃げ、禁止薬物使用といったさまざまな問題行動を起こして3度に渡って王座を剥奪されてしまう。だがそのたびに復活しては、恐るべき強さで王座復帰を果たしてきた。

さらに2020年には飲酒運転&発砲事件による逮捕を経て、自ら王座を返上。ヘビー級への転向の意志を明らかにするが、その翌年にフィアンセへの家庭内暴力で再逮捕された。


それでも昨年3月には宣言通りヘビー級で復帰。シリル・ガンヌとの王座決定戦において1Rわずか2分でギロチンチョークで仕留め、二階級制覇を達成している。オクタゴン内での絶対的な強さにおいても、その内面に棲まうデーモンの巨大さにおいても余人をもって代え難き、格闘技の矛盾を最大限に体現する存在だ。

対するミオシッチは、8年半前の2016年5月にファブリシオ・ヴェウドゥムを敵地クリチバで1RKOに下し、ヘビー王座を獲得。その後アリスター・オーフレイム戦ジュニオール・ドスサントス戦フランシス・ガヌー戦とヘビー級王座3連続防衛というUFC新記録を樹立した。その後ダニエル・コーミエに敗れるも、リマッチで勝利して王座奪還に成功。が、21年3月にフランシス・ガヌーとの再戦に敗れて再び王座を明け渡している。

ちなみにミオシッチは、以前からファイターであると同時に消防士としての職を持ち続けている。仕事で地域に貢献し、家庭でも妻と子供を大切にする「普通の男」であることに何よりも価値を置く、JJとはあらゆる意味で対照的な生き方を実践している。

2022年にはフルタイムの消防士となったことが報じられ、ミオシッチは幸せな引退を果たしたと考える向きも多かった。しかし昨年3月、上述のようにガンヌを倒したJJがオクタゴンの上で「みんな、俺がスタイプを倒すところが見たいか? スタイプよ、練習してくれていると嬉しいぜ。あんたは歴史上のグレーテイストヘビーウェイトだ。あんたと戦いてえんだ。ものすごくな!」と不敵な笑顔で宣戦布告。11月に復帰してJJへの王座挑戦が決まった。

だが、この大一番に向けての練習中にJJが胸筋断裂の大怪我を負ってしまい、手術と半年以上の治療期間を要することが判明し欠場を余儀なくされてしまう。ここでUFCは、当日のバックアップファイターとして用意されていたセルゲイ・パブロビッチとミオシッチの暫定王座戦を行うことはせず、パブロビッチとトム・アスピナルによる暫定王者決定戦を敢行し、1R1分でKO勝利したアスピナルが王座に就いた。

強引な措置とも言えるが、デイナ・ホワイトUFC代表は「ミオシッチ対JJはレガシーファイト。歴史上最も偉大なヘビー級王者と、歴史上最も偉大なミックストマーシャルアーティストの激突だぞ。レジェンド二人の対決をファンも見たいし、私も見たいし、両者ともやりたがっている。スタイプに暫定王座戦を戦ってくれなどと頼むこと自体、まったくもって失礼な話だよ」と説明した。両者のカードは、競技の理屈をスキップしてでもUFCが実現させたいメガファイトということだ。

その後アスピナルがまたしても1分KOにて暫定王座を防衛する間に、正規王座のJJは手術を経てリハビリを完了。一年の延期を経て、今回──暫定王者として圧倒的に勝ち続けているにもかかわらず挑戦できない気の毒なアスピナルが「老いぼれどもによる、異議にまみれたタイトル戦だ」と毒づくのをよそに──ついにミオシッチとの防衛戦がついに実現することとなった。

長年パウンドフォーパウンドランキングのトップに君臨し、一年前には体にかなり脂肪が乗ったヘビー級としても圧巻の強さを見せつけた37歳のJJと、片や42歳にして3年8ヶ月ぶりの復帰戦となるミオシッチ。当然下馬評は圧倒的にJJ有利だ。

が、もしミオシッチが王者時代に劣らぬコンディションでJJの前に現れれば話は別だ。全てに卓越した王者JJだが、最大の武器はレスリングをベースとした圧巻のグラップリング力。相手が組みを警戒するからこそ、JJはスタンドでオクタゴン中央を取りプレッシャーをかけつつ、他の追従を許さない創造性に溢れた攻撃を交えて距離を支配することができる。

ただし体格に勝りレスリングにも長けたミオシッチは、JJのテイクダウンを恐れずスタンドで逆に圧をかけてくるだろう。仮にミオシッチがJJのテイクダウンや寝技を凌ぎ、スタンドで前に出る展開が生まれれば、俄然試合は興味深いものとなる。アルロフスキー、ヴェウドゥム、オーフレイム、ドスサントスといった名だたるヘビー級王者たちを沈めてきた一撃必殺の右を持つミオシッチの圧力を、手を開いた柔らかい構えと関節蹴り等独自の武器を用いて間合いを作る──しかしライトヘビー時代の機動力はないと思われる──JJがいかに捌くのか。

ここで忘れてはならないのは、苦境に陥った時の強さこそがJJの真骨頂だということだ。かつてJJは、1度目のアレクサンダー・グスタフソン戦ドミニク・レイエス戦で前半は思うようにテイクダウンを取れず大苦戦を強いられたことがある。が、いずれも後半に驚くべき精神力とスタミナを発揮。何より勝利への執着心が試される極限状況下にて、前に出て挑戦者を削り続けて圧倒して逆転勝利をもぎ取っている。

また、JJと組技の練習を重ねる世界最強のグラップラー、ゴードン・ライアンは、「グラップリングのみの練習でも、ジョンは展開に応じて直感的にゲームプランを変えることができるんだ。また、一つのことを教えると、たちまちそれを別の部分でも応用できてしまう」とJJの真の強さは試合中の適応力や応用力にあると語る。

試合が競った展開になればなるほど、JJの恐るべき勝利への執念、適応力、創造力を我々が目にする可能性は高まる。

今回、JJ自身も己の全てを出し尽くすフルラウンドの戦いを予期している模様だ。「お互いにとって長い夜になるだろう。相手の心臓を皿に盛りつけてみんなの前で食らうのは格別だ。奴を深海に引き摺り込んで溺死させてやる。スタイプの技術じゃなく、心臓に襲いかかるつもりだ」と、心にダークサイドを秘めた者ならではの発言でその覚悟を語っている。

相手を罵ることはもちろん、試合前には多くを語りたがらないミオシッチも「ライトヘビーで戦ってきたジョンは、俺のような相手と戦ったことはない。試合が開始すればすぐに体感するはずだ」と自信をのぞかせている。

適正階級ではない怪我上がりの38歳と、3年8ヶ月ぶりに戦う42歳の戦いでありつつも、まごうことなきMMAレジェンド二人による重量級スーパーファイトであるこの試合。UFCヘビー級最多防衛記録を持つミオシッチが、MMA史上最高のファイターと呼び声高いJJを追い詰めることで、その奥深くにさらに眠っている力が呼び覚まされる──そんな極限の戦いを期待したい。

■視聴方法(予定)
11月17日(日・日本時間)
午後8時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午後7時 30分~U-NEXT

■UFC309対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・ジョーンズ(米国)
[挑戦者] スタイプ・ミオシッチ(米国)

<ライト級/5分5R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
マイケル・チャンドラー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
ポール・クレイグ(英国)

<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
マーカス・マギー(米国)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ウェイドマン(米国)
エリク・アンダース(米国)

<ライト級/5分3R>
ジム・ミラー(米国)
デイモン・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ロベルト・ロメロ(メキシコ)
デヴィッド・オナマ(ウガンダ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ジョナタ・ジニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
バシル・ホフェス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
エドゥアルダ・モウラ(ブラジル)

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MMA o ONE UFC UFC304   カーティス・ブレイズ トム・アスピナル

『UFC 304』トム・アスピナル vs. カーティス・ブレイズを見たファイター・関係者の反応



 『UFC 304: Edwards vs. Muhammad 2』トム・アスピナル vs. カーティス・ブレイズを見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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AB MMA o UFC UFC304   トム・アスピナル

『UFC 304: Edwards vs. Muhammad 2』パフォーマンスボーナス/パディ・ピンブレットが20万ドル獲得




 遅ればせながらUFCが『UFC 304: Edwards vs. Muhammad 2』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・該当試合なし

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・トム・アスピナル、パディ・ピンブレット、ミック・パーキン


 各選手には5万ドルのボーナス…ではなく、ピンブレット20万ドル、アスピナル&パーキンは10万ドルのボーナスを獲得しています。


 『UFC 300: Pereira vs. Hill』が記念大会でパフォーマンスボーナスを30万ドルにしたがために、他の選手からも「この大会もボーナスを増額しろ」というリクエストが多く来てしまい、最近金額がインフレ状態になっていましたが、デイナ・ホワイトは今後は増額しないとコメントしています。続きを読む・・・
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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC304 カーティス・ブレイズ トム・アスピナル

【UFC304】1分ジャスト、ブレイズをパウンドアウトし王座防衛のアスピナル「僕は普通の人間」

<UFC世界暫定ヘビー級選手権試合/5分5R>
トム・アスピナル(英国)
Def.1R1分00秒by KO
カーティス・ブレイズ(米国)

右オーバーハンドを振るったブレイズ、さらにワンツーにつなげる。ジャブをバックステップでかわしたアスピナルがワンツーから組んでクリンチへ。すぐに離れると、ブレイズがワンツー。続くステップインにワンツーの右を合わせたアスピナル。テンプルを打たれ後方にバランスを崩したブレイクズは、背中を見せて立ち上がろうとしたところにパンチの追撃を受ける。そのまま背中を見せて体が伸びたブレイズに対し、アスピナルがパウンドを連打し、あっという間に王座防衛に成功した。

「UFCでも最高のフィニッシャーなんだ。ハロー、ジョン。個人的に何も思うところはないけど、ただ戦いたいんだ。僕は普通の人間だ。普通の家庭があり、普通の街で育った。皆と同じだ。普通の人間でも努力を続ければはやり遂げることはできるんだ」と暫定王者は話した。


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45 AB MMA o UFC   カーティス・ブレイズ ジャイルトン・アルメイダ セルゲイ・パブロビッチ トム・アスピナル

7.27『UFC 304』のセミファイナルはトム・アスピナル vs. カーティス・ブレイズのヘビー級暫定王座防衛戦

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 UFCが7月27日にイングランド・マンチェスターのコープ・ライブで開催する『UFC 304』のセミファイナルがトム・アスピナル vs. カーティス・ブレイズのヘビー級暫定王座タイトルマッチになることをデイナ・ホワイトが発表。

 アスピナルは11月の『UFC 295: Prochazka vs. Pereira』で行われたヘビー級暫定王座決定戦でセルゲイ・パブロビッチに1R KO勝ちして以来の試合で2連勝中。今回が初防衛戦。

 ブレイズは3月の『UFC 299: O'Malley vs. Vera 2』でジャイルトン・アルメイダに2R KO勝ちして以来の試合。現在UFCヘビー級ランキング4位。続きを読む・・・
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MMA o UFC UFC298 クリスチャン・ロドリゲス チャド・アンヘリガー トム・アスピナル

UFC on ESPN+97:オッズ/予想と展望

タイ・トゥイバサ 1.80
マルチン・ティブラ 2.05
ブライアン・バトル 1.56
アンジュ・ルーサ 2.50
オヴィンス・サン・プルー 5.10
ケネディ・エンジーチュクー 1.18
クリスチャン・ロドリゲス 2.60
アイザック・ダルガリアン 1.52
パニー・キアンザド 3.00
メイシー・チアソン 1.41
ジェラルド・マーシャート 1.41
ブライアン・バーバリー3.00
ナタン・レビー 3.70
マイク・デイビス 1.29
ジョジアニ・ヌネス 1.70
チェルシー・チャンドラー 2.20
ジャフェル・フィーリョ 1.56
オデー・オズボーン 2.50
ティアゴ・モイゼス 1.24
ミッチ・ラミレス 4.20
ジョシュ・クリバオ 1.52
ダニー・シウバ 2.60
ジャケリン・アモリム 2.05
コーリー・マッケンナ 1.80
ハラランボス・グリゴリオウ 1.61
チャド・アンヘリガー 2.40

メインはヘビー級。

トゥイバサはKO勝ち後に行うシューイ(シューズにビールを注いで飲み干す)のパフォーマンスが人気を博し、コロナ後の8試合でAPEXでの出場は1度だけ、大会場での盛り上げ要員として重宝されてきた。今回は3年ぶりのAPEX大会登場(当初は先月のUFC298で組まれていたが、今回に延期された)。5連勝でランキングも3位まで上昇し、フランス大会のメインでは元暫定王者・ランキング1位のシリル・ガーンとの対戦も組まれた。勝てばタイトル戦のチャンスも十分あり得たが、パンチでぐらつかせて大いに沸かせたものの、逆転KO負けで連勝ストップ。さらにパブロビッチ、ボルコフにもKO負けで現在3連敗となり、ランキングも9位まで下降した。ボルコフ戦は寝ても立っても劣勢の展開での完敗で、実力的に現在のランキングが適正に思える。

ティブラはトゥイバサより1つ下の10位で、直近9戦で7勝2敗だが、勝った相手は下位ランカーがほとんど。前戦では後の暫定王者トム・アスピナルと対戦したが、1分少々でKO負け。ティブラもボルコフと対戦し完敗している。

両者とも、今後もタイトル戦線に絡んでくることはなさそうな者同士。トゥイバサKO勝ち。

セミ以下は女子バンタム級ランカー対決があるものの、いつも通りのAPEXクオリティの地味ラインナップ。そんな中で、UFC2戦目のアイザック・ダルガリアンがメインカードに抜擢されている。プロMMAデビューからわずか11ヶ月、5戦のみのキャリアだが、全試合1RKO勝ちでUFCと契約。そこからデビュー戦まで1年半もブランクがあったが、UFCデビュー戦もテイクダウンからのパウンドラッシュで1RKO勝ち。今回の相手はUFC3勝1敗で、超新星のロザスJr.にキャリア初黒星をつけたクリスチャン・ロドリゲス(ただし、2試合連続体重オーバーしており、今回からフェザー級に変える)。相手のレベルが上がったが、連続KOをキープすることが出来るか。

第1試合開始は17日朝5時から。速報します。

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AB F1 MMA o UFC UFC Fight Night   トム・アスピナル ピョートル・ヤン ヘンリー・セフード

2.17『UFC 298』でメラブ・ドヴァリシュヴィリ vs. ヘンリー・セフード、タイ・トゥイバサ vs. マルチン・ティブラ

UFC 2023 PANINI SELECT H2


 UFCが2月17日にカリフォルニア州アナハイムで開催する『UFC 298: Volkanovski vs. Topuria』でメラブ・ドヴァリシュヴィリ vs. ヘンリー・セフードのバンタム級マッチが行われることをMMAFightingが確認したとのこと。

 ドヴァリシュヴィリは3月の『UFC Fight Night 221: Yan vs. Dvalishvili』でピョートル・ヤンに判定勝ちして以来の試合で9連勝中。現在UFCバンタム級ランキング2位。セフードは5月の『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』で3年ぶりに復帰、いきなりアルジャメイン・スターリングのバンタム級王座に挑戦し、判定負けして以来の試合。現在UFCバンタム級ランキング3位。


 同じく『UFC 298: Volkanovski vs. Topuria』でタイ・トゥイバサ vs. マルチン・ティブラのヘビー級マッチが行われるとのこと。

 トゥイバサは9月の『UFC 293: Adesanya vs. Strickland』でアレクサンダー・ヴォルコフに2Rエゼキエルチョークで敗れて以来の試合で3連敗中。現在UFCヘビー級ランキング9位。ティブラは7月の『UFC Fight Night 224: Aspinall vs. Tybura』でトム・アスピナルに1R TKO負けして以来の試合。現在UFCヘビー級ランキング10位。続きを読む・・・