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【ONE160】クリスチャンンと再戦、オク・レユン「前戦が話題にならなくなるようリマッチを受けた」

【写真】理路整然と前回の試合の裁定、そして再戦についてオク・レユンは話した (C)ONE CHAMPIONSHIP

26日、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE160「Ok vs Lee 2」。メインでONE世界ライト級王者オク・レユンがクリスチャン・リーの挑戦を受ける。

昨年9月にクリスチャンに勝利しチャンピオンになったオク・レユンだが、前回の試合は今も裁定問題が話題になるほどの接近戦だった。

そしてオク・レユンは「もう何も言わせないためにリマッチを受けた」と力強く言い切った。


──ZOOMの画面越しにも肌艶が良く、調子が良さそうですね。

「体重の落ち具合も含め、凄く良い感じで来ています。ケガもなく、全く問題ないです。キャンプも凄く良い感じで終えることができました。全て順調です」

──再戦を前にして、前回の試合についてどのように考えているのかを教えていただけますか。

「正直、試合直後は5Rを戦って消耗していたので、試合内容がどういうモノだったかハッキリと覚えていなかったです。なので、どのような裁定結果になろうが、そこを受け入れようという気持ちでした。

そして、試合を見返して思ったことは間違いなく自分が勝っていたということです。1Rと2Rはクリスチャン・リーが優勢でしたが、3Rから最終回までは何もしていない。打撃の打った数、ヒットした総数も自分の方が多く、支配できていたと思います。ONEはラウンド毎の裁定ではないですが、その見方でも自分が勝っていますし、ONEの裁定に則してもジャッジは間違っていないです」

──ONE裁定が最重要視するニアフィニッシュ、そしてダメージという部分でクリスチャンはRNCに入った場面とダウンを奪ったこともあり、彼が勝っていたという意見も十分にあるかと思いました。

「確かに2RにRNCがありました。でも自分はエスケープしました。3R、クリスチャンは自分からノックダウンを奪いました。自分も奪い返しています。ここは互角です。何より3Rから5Rまで、ダメージを与えているのは自分であってクリスチャンではないです。逆に自分は全くダメージがなかったです。2人の動きを見てもらうと、どちらにダメージがあったのか明確なはずです。

記者さんがそこまでいうなら、お尋ねしたいです。どちらにダメージがあったと思いますか?」

──分からないです。私は常々に言っているのですが、戦っているファイターが受けたダメージは第三者には分かりえない。だからダウンという明確な形が判断基準になり、ニアフィニッシュが判断材料になる。動きが落ちるのは、ダメージでなく疲れも関係してきます。そしてジャッジが疲れもダメージとしているのか、そうでなく別々に判断しているのも分からないですから。

「疲れかダメージか判断がつかないというのはその通りだと思います。そして3R以降を見てください。自分は全くダメージを受けていない。だから、アレだけ動くことができました。5R、跳びヒザをしてバランスを崩しました。ダメージではないです。自分にダメージは一切なかったです」

──こういうとアレですが、だからMMAは面白いです。これだけ判定がもめるのも、それだけ見る要素が多い。それだけ攻め手が多く、守りの数も多い。これがMMAです。オク・レユン選手は再戦に応じましたが、ここで明確な違いを見せるためにフィニッシュ決着という思考になることはありますか。

「KO、TKOは勝利への最短距離です。そうすれば判定問題でもめることはありません。でもワンサイドで5Rを戦い抜くという方法論もあります。そういう試合でも、誰も文句をいわないでしょう。

MMAには色々な選択肢があって、限りないだけの技術が存在します。それだけ勝ち方もあるということです。だから自分もMMAが大好きです。こんな格闘技は他にはありません。と同時に結果、言われたように判定問題が起きます。

だからリマッチに応じました。今でも前の試合で勝ったと思っています。でも、もう良いです。そのことは考えない。皆が前回の試合のことを忘れ、話題にしないようにするためにリマッチを戦うんです。今週の金曜日、勝者が決まります。皆、9月の試合のことはいいから今週末の試合に集中して欲しいです」

──ファンも一本とかフィニッシュに拘る一方で、ファイターの絶対に諦めない精神力など自分にないことを求めていると思います。

「全MMA選手はネバーギブアップの精神で戦うべきです。試合終了の合図が鳴るまで、何が起こるか分からないですから。絶対に諦めてはダメです。1秒あれば、全てがひっくり返るのがMMAです。何が起こるのか、分からないからこそ気持ちを強く持ち続けなければならない。心が折れると、動きも止まります。

気持ちを強く維持する。折れない心こそ、MMAで一番大切な部分です。諦めないということに頭が回らなくなると、勝負は終わりです。だから自分は絶対に諦めないで、前に進み続けます。最後の最後まで。今回のクリスチャン・リーとの再戦も、当然のようにそうやって戦います。試合終了の瞬間までベストを尽くします。

もちろんフィニッシュを狙います。ドミネイトもします。そして、もう誰も試合結果を話題にすることのない戦いを見せます」

──ONEというグローバルステージで3連勝を挙げた。サークルケージで戦うようになって、どれだけ自信を得ることができましたか。

「日本や韓国で戦ってきた時と、何も変わりません。常に自信を持って戦ってきました。技術的にも国際的な舞台で通用すると思っていました。ただし、ONEで戦うまでそれを証明できる機会がなかった。ONEで世界的なレベルの対戦相手と戦うことができて、ようやく実力を発揮し認めらえる機会を得ることが可能になりました。

技術力も自信のほども変わりないです。それを証明する機会をONEで得ることができたんです。世界中の誰と戦っても勝てるということをONEで証明していきます」

──オク・レユン選手、試合前に色々と嫌なことを聞いてスミマセンでした。最後に日本のファンに一言お願いします。

「全く構いません。記者さんが言ってくれたことは何一つ間違っていません。今回の試合で、自分が本当の勝者であることを証明します。見ていてください。日本のHEATで戦っている時から、記者さんには試合前にインタビューをしてもらい、それがエネルギーになっていました。今もそれが続いていて嬉しい限りです。そして、日本のファンの皆さんはONEが盛り上がるうえで大きな役割を果たしてくれています。皆さんに喜んでもらえる試合を、ベストを尽くしてお見せします」

■放送予定
8月26日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Supper App

■ONE160「Ok vs Lee 2」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] オク・レユン(韓国)
[挑戦者] クリスチャン・リー(米国)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]タン・カイ(中国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リッテワダペッティンディーアカデミー(タイ)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ポール・エリオット(英国)
マルチン・バトゥル(クロアチア)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/12分1R>
ヘナート・カヌート(ブラジル)
トミー・ランガカー(ノルウェイ)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ターレス・ナカス(ブラジル)
カンタラジ・シャンカル・アガサ(インド)

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【ONE160】タン・カイの挑戦を受けるONE世界フェザー級王者タン・リー「全てが連動したチェスマッチ」

【写真】調子が良さそうなタン・リーだった。対してタン・カイは全体インタビュー以降の個別取材は拒否している (C)MMAPLANET

26日、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE160「Ok vs Lee 2」が開催され、メインでクリスチャン・リーがオク・レユンの持つONE世界ライト級のベルトに挑戦する。

昨年9月に対戦している両者、当時チャンピオンだったクリスチャンが判定でオク・レユンに敗れベルトを手放した。しかし、ニアフィニッシュ&ダメージ重視のONE判定にあってその最低は論議の対象となった。あれから11カ月──クリスチャンは、姉アンジェラと幼少期から学んできたマーシャルアーツの有り方、フィニッシュする姿勢を今回の再戦でも貫くことを宣言した。


──今日はメディアデーで忙しそうですね。

「そうなんだ。でも、またインタビューで話せて嬉しいよ」

──金曜日の夜にタン・カイの挑戦を受けます。今の調子は?

「最高だよ。満足できるキャンプを終えて、シンガポールに来ることができた。試合まで最後の瞬間を迎えようとしているけど、切れも良く、準備が整っている状態が創れている。精神的にもいつでも試合に臨める状態だ」

──3月にゲイリー・トノンを相手に素晴らしい防衛に成功しました。タン・カイはトノンとは全くタイプの違うファイターですが、印象を教えてください。

「本当に危険なストライカーだよ。左右ともにパンチにはパワーがある。キックも巧くて、蹴って安全な場所を確保しているよね。その位置取りが、彼にとって最も大切にしている部分だと思う。そういう点では僕と似ていると言えるね。でも、僕の方が上かな。

懸命になり過ぎている瞬間、そこを見逃さないで戦いたい。そこがこの試合の鍵になると思う。仮にグラップリングマッチになったとしても、僕にアドバンテージがあるだろう。でも皆も知っている通り、僕の試合は判定になることはない。打撃でKO、倒す試合を心掛けるよ」

──オーソのタン・カイは右だけでなく、左も強い。仰る通りだと思います。そして蹴りが巧いことも。ただし、タン・カイの蹴りとパンチはタン・リーの打撃とは違い、そこに連動は余り見られない。別々の動きをしているように感じるのですが。

「確かに、その指摘は正しいよ。それでも左のキックを警戒しないといけない。タイミングも良いし、切れがあるからね。タイミングをタン・カイは測っている。それが彼の優れた点であり、危険なところなんだよ。パンチと蹴りの連動がないという見方は成り立っているけど、それでも彼の蹴りはデンジャラスだよ」

──もちろん、タン・カイを軽視することは誰もできません。何よりも、仕留めに掛かる時の攻撃力。あの思い切りの良さは、倒せる時を見極める能力が高いのかと思ってしまうほどです。

「だからこそ、この試合が興味深いファイトになるんだよ(笑)。彼がデンジャラスだから、僕も危険なファイターになれる。タン・リーとタン・カイ、どちらがクリーンに相手を攻撃できるか。僕らは両手、両足を使えるからね。そして、ディフェンスが大切になってくる。攻撃の際は、向うも攻撃してくるから集中力をより一層高める必要があるだろう」

──聞いているだけでも、どれだけの神経戦かと緊張してきますね。タン・カイはオーソドックスです。そしてタン・リーはスイッチヒッター。オーソのタン・カイに対し、サウスポーに構えて、左に回ることで得意の蹴りが入りやすくなることはないですか。

「良いねぇ(笑)。そこは正しいゲームプランの一つとして、一つのピースであることは絶対だ。つまり、君の予想は僕が勝つってことだよね(笑)」

──真面目に返答させてもらうと、左ミドルからスイッチしての右のパンチ、あるいは左の追いつきになるのか。タン・リーに対して、これらのコンビネーションが決まるのかはとても楽しみです。その一方で、その攻撃は前に出てくる相手に有効だったと思います。とすれば基本は待ち、そしてカウンターが冴えるタン・カイに対して、どのようにタン・リーは距離を取り、間合いを掴むのか。そこも見どころです。

「まずどういう試合の入り方になるのか。そこによってくるだろうね。ただし、僕は一発でKOしようとは思っていない。大きな動きで、穴ができるような戦いはしたくないんだ。ここまでの数試合で、僕は前に出て勝負を決めている。それが僕の戦い方だと思われているだろう。圧を掛けて、捕まえると。でも、そうならなくても僕にはアドバンテージがある。

3R、ずっと我慢して戦うことができる選手がいれば、我慢できなくて最初の1分で仕掛けてくる相手もいる。これって、もう試合が始まってからの感覚だからね。どちらの仕掛けになろうと、ディフェンスに綻びが見えた時、僕らの試合は終わる」

──タン・リーのハイライトリールKOは、偶発性ではなくて一つ一つの積み重ねたの結果です。ではタイトル防衛戦で、何を見せたいですか。

「僕がコンプリートなミックストマーシャルアーチストだと証明したい。この惑星で、僕は最高のストライカーとして継続して活躍できることを、ね。だから前後の出入りもそうだし、足を止めての打ち合いだって見られるだろう。この試合はそんな神経戦、一進一退のチェスマッチになる。一つの動きじゃない。全てが連動している動きを楽しみにしてほしい」

──そんな試合で、自身のどこがアドバンテージになると考えていますか。

「ファイトIQ、経験値、そして危機管理能力。それがあるから、力を使い過ぎることなく戦うことができる」

──いや、本当に楽しみです。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンは素晴らしい見識をもってMMAを視てくれる。勝とうか負けようが、絶対に諦めないで戦い──皆に良い試合を見せたい。この試合が終わって、より多くの日本ンファンに注目されるようになっていたい。一つ一つの動きを見て、楽しんで欲しいと思っているよ」

■放送予定
8月26日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Supper App

■ONE160「Ok vs Lee 2」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] オク・レユン(韓国)
[挑戦者] クリスチャン・リー(米国)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]タン・カイ(中国)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
シェルゾット・カブトフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リッテワダペッティンディーアカデミー(タイ)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ポール・エリオット(英国)
マルチン・バトゥル(クロアチア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ターレス・ナカス(ブラジル)
カンタラジ・シャンカル・アガサ(インド)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/12分1R>
ヘナート・カヌート(ブラジル)
トミー・ランガカー(ノルウェイ)

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【ONE160】オク・レユンと再戦、クリスチャン・リー「リアルファイトにジャッジは存在しない」

【写真】計量前に加えて、メディアデーということでやや疲れが感じたクリスチャンだが、しっかりと対応してくれた (C)MMAPLANET

26日、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE160「Ok vs Lee 2」が開催され、メインでクリスチャン・リーがオク・レユンの持つONE世界ライト級のベルトに挑戦する。

昨年9月に対戦している両者、当時チャンピオンだったクリスチャンが判定でオク・レユンに敗れベルトを手放した。しかし、ニアフィニッシュ&ダメージ重視のONE判定にあってその最低は論議の対象となった。あれから11カ月──クリスチャンは、姉アンジェラと幼少期から学んできたマーシャルアーツの有り方、フィニッシュする姿勢を今回の再戦でも貫くことを宣言した。


──クリスチャン、金曜日に去年の9月の再戦。立場を変えてのONE世界ライト級選手権試合が控えています。前回の試合はニアフィニッシュ、ダメージがケージジェネラルシップより評価されるというONEの裁定基準が崩れたと、スッキリしてい状況に陥りました。あの試合に経て、今回の試合の戦い方は定まっていますか。

「そうだね……今もあの判定は全くもって間違っていると思っている。残念ながら裁定ミスはMMAにつきものだ。でも、今回の試合でどう戦うかはもう結論が出ていることだよ。とにかくフィニッシュする。ファイトは審判の手に勝敗を委ねるモノじゃない。どのタイミングでフィニッシュできるか分からないけど、全てのラウンドでフィニッシュを目指して戦うよ」

──常にフィニッシュを狙う。その姿勢で戦うと、相手の攻撃でなく攻め疲れもあるかと思います。しかもタイトル戦は25分です。スタミナ配分を考える必要はないでしょうか。

「この試合に関して、スタミナのことは心配していない。前回の試合も全てのラウンドで、フィニッシュするためにプッシュし続けた。ただし、あの日のコンディションは通常と比較して60パーセント程度だったんだ。今回はコンディションも抜群で、前回よりもさらにハードに全てのラウンドでプッシュしても問題ないよ」

──とはいえオク・レユンも最後まで勝負を諦めず、戦い続けた。その結果の裁定というのもあったかと思います。彼をMMAファイターとしてどのように評価していますか。

「良いファイターだよ。スマートで、どうすれば判定勝ちできるかを理解している。でもONEでこれだけ短期間で世界タイトル戦線で浮上したのは、ラッキーだったことも確かだよ。ガフロフとエディ・アルバレスという2人に勝って、挑戦権を得られた。そしてラッキーな判定勝ちを手にした。本当に多くの運に恵まれた結果のチャンピオンだ。それができたのも、彼がスマートだからだよ」

──スマートとラッキーという言葉が聞かれましたが、フィジカルや技術面ではいかがでしょうか。

「技術的にはクリーンなストライカーだ。5Rの間フォームを崩さないで戦うことができる。コンディションも良いよね。タフで、動き続けることができる。タフネスとコンディションはオク・レユンの大きな武器だと思う。

そして彼は常にディフェンシブで、僕は攻撃的だ。ここの差が今回の試合には出るだろう。前回は僕の攻撃を凌ぎ切った。でも、今回は無理だろう」

──フィニッシュ、エキサイティングな試合を主眼に置くようになってきましたが、それはプロモーター視線では凄く良いことだと思います。ただし、コントロールを除外してフィニッシュを狙うと出たところ勝負になり、運任せのようなところも出てきます。が、クリスチャンやアンジェラにとってのフィニッシュというのは、そういう部分でなくあくまでもスタイル上のモノだと思うのですが……。

「そうだね。決してファンの想いを蔑ろにしているつもりはないよ。普通は25分の判定勝負よりフィニッシュをファンも見たいはずだ。でも今言ってもらったように僕と姉がフィニッシュを目指すのは、僕らの学んできたマーシャルアーツがそうだったからだ。リアルファイトにジャッジは存在しない。

勝利は支配して、自分の手で掴むもの。それが子供の頃から父に手ほどきを受けてきた僕らのマーシャルアーツの戦い方だよ。ずっとそうやってきた。だから僕は1万人のファンの前でも、ファンが全くいなくてもフィニッシュを狙う」

──今回の試合に向けてクリスチャンはユナイテッドMMAだけで練習してきたのですか。

「そうだよ。ただし、他のジムからスパーリングパートナーを招いて準備してきた。メインランドからレスラー、そして日本からはダイチ・アベ(阿部大治)とコージ・タケダ(武田光司)というRIZINで活躍している2人に来てもらった。2人とも連勝中で、絶好調だし凄く良い練習ができたよ」

──おお、実はYoutubeの撮影に来た日本人にクリスチャンが怒り心頭で、そのタイミングで武田選手がやってきて、クリスチャンがエキサイトしてヒザ蹴りでのしたという噂が流れたことがありました。

「アハハハハ、噂って本当に凄い尾びれがつくんだね。コージの前に2人、日本からジムにやってきた人がいたのは事実だよ。1人は普通の人でもう1人はYoutubeで、色んな相手をぶっ飛ばしている人だった。僕としては、手合わせすることは全く構わない。ただし、所属選手以外の人がジムでビデオ撮影をすることは断っているんだ。

それでもスパーリングをしたいというから、軽めの練習をしたんだ。スパーだから一本も取ったけど、彼らも思い切り殴って来ることもないし。逆に初めての練習で力の入れ方も分からなかったんだと思う。ブルーノ・プッチも一緒が練習して、決してぶっ飛ばしたということはないよ。テイクダウンをしてトップを取ったから、ハードに見えたかもしれないけど。だから、決してコージにそんなことはしないし(笑)。コージは僕の友人だよ。全くあり得ないことだよ」

──この辺りの話は5年後や10年後に詳しく尋ねて、書かせてもらった方が良いですね。

「アハハハハハ。そんな話が日本に伝わっていたなんて、初めて耳にしたよ(笑)。ほんと、今聞かされたことは全く事実じゃないよ」

──了解です。その噂を一掃しておきますね。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「いつも応援してくれることを感謝しているよ。またONEが日本でイベントを開くときいているし、その時はまた日本で戦いたい。See you in XXXXXXXXX !!」

■放送予定
8月26日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Supper App

■ONE160「Ok vs Lee 2」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] オク・レユン(韓国)
[挑戦者] クリスチャン・リー(米国)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]タン・カイ(中国)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
シェルゾット・カブトフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リッテワダペッティンディーアカデミー(タイ)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ポール・エリオット(英国)
マルチン・バトゥル(クロアチア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ターレス・ナカス(ブラジル)
カンタラジ・シャンカル・アガサ(インド)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/12分1R>
ヘナート・カヌート(ブラジル)
トミー・ランガカー(ノルウェイ)

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MMA MMAPLANET o WJJC2022   アンディ・ムラサキ タイナン・ダウプラ タイ・ルオトロ トミー・ランガカー ブラジリアン柔術 ホナウド・ジュニオール レオナルド・ララ

【WJJC2022】アンディ・ムラサキ、準優勝の快挙も強すぎるタイナン・ダウプラが二連覇達成

【写真】ランガカー越えを果たしたアンディ・ムラサキの準優勝は素晴らしい結果である一方で、ダウプラが頭抜けている印象を残したムンジアル黒帯ミドル級だった(C)SATOSHI NARITA

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われた、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text Isamu Horiuchi

レビューは最終回は昨年優勝の大本命タイナン・ダウプラに対し、黒帯の部初出場の日系ブラジリアン、アンディ・ムラサキらが挑んだミドル級の模様をお届けしたい。


階級をライトからミドルに上げての世界初挑戦となったアンディ・ムラサキは、初戦のオースティン・オランデイ戦を上から一瞬で極めるトーホールドで突破。2回戦は4月のパン大会のミディアムヘビー級クローズアウト優勝者のマニュエル・ヒバマーと対戦。大外刈りで倒してバックを奪うと、送り襟締めで落として連続一本勝ちを収めた。

続いて迎えた準々決勝の相手は、昨年のブラジレイロを制したレオナルド・ララ。ここでムラサキは引き込んでからのスイープを三回決めて6-0で勝利。翌日の準決勝、2018年世界準優勝にして昨年の世界大会も3位入賞している北欧の極め業師、トミー・ランガカーとの大一番に駒を進めた。

<ミドル級準決勝/10分1R>
アンディ・ムラサキ(ブラジル)
Def. 2-0
トミー・ランガカー(ノルウェー)

スライディングして引き込み、クローズドガードを作ったムラサキ。ランガカーが立ち上がると、すかさずその右足を内側から掬ってのスイープで後ろに倒して2点先取してみせた。そのままニアマウントの状態になったことでアドバンテージも一つ獲得したムラサキだが、ランガカーも体勢を戻す。

オープンガードを取るランガカーに対し、ムラサキはその左足を押し下げにかかる。内側からムラサキの左足を抱えたランガカーは下から煽るが、ムラサキはバランスキープ。ランガカーは下からムラサキの左足を取ってトーホールドを狙うも、ムラサキは防いで体を起こす。ならばとランガカーはムラサキの左手にラッソーで絡み、一瞬で三角の体勢に。ムラサキが距離を取ろうとすると、すかさず左へのオモプラッタに変化させた。

ムラサキがステップオーバーして逃れようとすると、ランガカーは股間を抜けてのバック狙いに移行。それも反応したムラサキが正対すると、さらにギロチンチョークを合わせたランガカーだったが、ムラサキはここも頭を抜く。ここまで3分。世界超一流の極め業師ランガカーの矢継ぎ早の連続攻撃を、ムラサキは凌ぎ切ったのだった。

ランガカーは右足に絡んで半身のハーフ。ムラサキのラペルをヒザ裏を通して掴んでシッティングから煽るが、強靭なベースを誇るムラサキは崩れずに逆に前にプレッシャーをかけてゆく。その後一気に下がったムラサキは、右足に絡んだラペルグリップを断ち切ってみせた。

残り5分。ランガカーはムラサキの左足に手足で絡んで崩しを試みるが、ムラサキは巧みな重心移動でバランスをキープ。ならばとランガカーは右に絡むが、ムラサキは崩れず、その後も2点のリードを守り続けていった。

残り時間がいよいよ少なくなり、ランガカーは潜り込んでムラサキの右足を肩で抱えてズボンの尻を掴む。さらに下から股間に左膝を入れて煽るランガカーだが、ムラサキは腕でポストしてバランスキープ。残り15秒、ランガカーに背を向ける形でスイープに耐えていたムラサキは、うつ伏せになりながら左足を取ってのストレートフットロックを仕掛ける。こうしてムラサキは、相手に上になられても関節技を仕掛けている以上はスイープ成立とはみなされないルールをうまく利用し、最後の時間を過ごしてリードを守り切ったのだった。

序盤で先制点を奪うと、その後は自らの一番強い部分──トップキープ力──をもって、世界が恐れる極め業師の怒涛の攻撃を凌ぎきったムラサキ。大舞台で見事に作戦を遂行して大物食いを果たしたムラサキは、世界大会黒帯の部初出場にして決勝進出という快挙を成し遂げた。

もう一方のブロックを勝ち上がったのは、予想通り圧倒的な強さで勝ち上がった大本命タイナン・ダウプラだった。準決勝では、4月のパン大会ではパスガードできなかったホナウド・ジュニオールと再戦し、2度パスを決めたのちにバックを奪い――10対0で完勝。この階級で数少ないライバル候補のジュニオール相手に、さらに差を広げる勝ち方で2連覇に王手をかけた。

<ミドル級決勝/10分1R>
タイナン・ダウプラ(ブラジル)
Def.5分20秒 by 襟絞め
アンディ・ムラサキ(ブラジル)

道着を掴み合う両者、ダウプラが引き込む瞬間、ムラサキは見事なタイミングで大内刈りを合わせることに成功し、2点先取してみせた。

クローズドガードを取り、背中越しに帯を取るダウプラに対し、腰を上げるムラサキ。すかさずダウプラはガードを開いてムラサキの右足を肩で抱える。さらに中に入れた右足で下からムラサキを煽ったダウプラは、左手と両足でムラサキの右足をおしのけて崩す形で上になりスイープ完遂。1分経過の時点で、準決勝でトミー・ランガカーの怒涛の下からの連続攻撃を凌ぎきったムラサキをあっさり崩し、2-2の同点に追いついて見せた。

下になったムラサキは、ダウプラの左足にデラヒーバガードで絡む。が、ダウプラはしゃがんでムラサキの足を押し除けて絡みを解くとすぐに左足をドラッグ。そのままサイドに回る。なんとか下から動こうとするムラサキだが、ダウプラはそれを許さず押さえ込んでパス完成。試合開始後1分半で5-2と逆転してみせた。

右腕で枕を取ったダウプラは、ニーオンザベリーでアドバンテージを取ると、自分のラペルを引き出してゆく。ムラサキは下から動いて左足に絡むが、ダウプラはすぐにその足を抜いて8-2に。その後もう一度ムラサキは足を絡めるものの、ダウプラはラペルを右手で掴んで首を殺してから足を抜き、11-2とリードを広げた。

そこからダウプラは、右足でムラサキの頭をステップオーバーしてのチョーク狙いへ。耐えるアンディだが、ダウプラは先ほど引き出した自分のラペルを口でくわえ、ムラサキの首に回して右腕で掴んで、さらに締め上げる。ついにムラサキがタップ。5分20秒、ダウプラが圧倒的な強さでムラサキの挑戦を退けて2連覇を達成した。

問答無用のスイープ力、恐るべきパスの圧力と精度、そして強烈な極め。立ち、トップ、ボトムと全てに優れたムラサキをもねじ伏せ、黒帯2年目にして絶対王者の地位を築きつつあるダウプラのライバルとなる選手は、やはり今年のライト級を席巻し決勝を争った二人──ミカ・ガルバォンとタイ・ルオトロ──だろうか。

【ミドル級リザルト】
優勝 タイナン・ダウプラ(ブラジル)
準優勝 アンディ・ムラサキ(ブラジル)
3位 ホナウド・ジュニオール(ブラジル)、トミー・ランガカー(ノルウェー)

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【WJJC2022】アンディ・ムラサキ、なるかストップ・ザ・独走状態=タイナン・ダウプラ

【写真】50/50ゲーム中に尻を出されたバイエンセがいないなか、誰がダウプラと拮抗した勝負を挑むことができるか(C)SATOSHI NARITA

2日(木・現地時間)から5日(日・同)にかけて、カリフォルニア州ロングビーチのウォルター・ピラミッドにて行われる、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権。
Text by Isamu Horiuchi

プレビュー最終回となる第4回は、日本でティーン時代を過ごしたアンディ・ムラサキが黒帯として世界初挑戦に挑むミドル級の見どころを紹介したい。


この階級の大本命は、昨年初出場初優勝を飾ったAOJの21歳タイナン・ダウプラ。オープンガードからの強烈なスイープと、盤石のトップゲームをもちあわせ、その圧倒的な強さは師のハファエル・メンデスを想起させる。昨年に黒帯デビューを果たした後、敗れたのはライト級レビューでも触れた「柔術の神の子」ことミカエル・ガルバォンとの死闘のみ。あとは50戦近くの大半を一本勝ちしており、仕留めきれなかった試合もはっきりと差をつけて勝利している。

今年は、昨年の世界大会決勝を争った──そしてこれまでのダウプラの黒帯キャリアにおいて、唯一接戦の勝利となった──イザッキ・バイエンセが不出場ということもあり、このダウプラこそ男子黒帯アダルト全階級の中でもっとも盤石の優勝候補と言えるだろう。

ダウプラの対抗としては、4月のパン大会準決勝でダウプラにパスを許さない健闘を見せたホナウド・ジュニオールや北欧の極め業師トミー・ランガカーらが挙げられるが、どちらも昨年から今年にかけてダウプラに連敗を喫しており、その牙城を崩すのは困難だろう。

そこで我々日本人が期待をかけたいのが、これが世界大会初挑戦となる22歳の日系ブラジリアン、アンディ・ムラサキだ。

十代の頃を日本で過ごし、やがて渡米してカイオ・テハの教えを受けた後にアトス所属となったムラサキ。昨年のEUG1のトーナメントにて、ケネディ・マシエル、ジアニ・グリッポ、マテウス・ガブリエルという超大物黒帯を三連破して衝撃の黒帯デビューを果たした。特にグリッポ戦では難攻不落と見られたそのオープンガードを完全に制圧してパスに成功、そのままステップオーバーしての三角締めを極めての圧巻の勝利だった。

パワフルかつ鋭いパスガードと極めを中心に活躍しているムラサキだが、現在ライト級の世界のトップを走るAOJのジョナタ・アウヴェスだけには分が悪い。特に4月のパン大会では、見事な戦いで決勝まで進出して雪辱戦に挑んだものの、スイープをもらった後トップをキープされての敗戦。ライバルにはっきり差を付けられての3連敗となってしまった。

今回は階級を上げてのミドル級で世界初挑戦となるムラサキは一回戦を突破すると、4月のパン大会にて一階級上のミディアムヘビー級でクローズアウト優勝を果たしたマニュエル・ヒバマー戦を迎える。重い階級における世界トップにムラサキの柔術がどこまで通用するか、まずはこの試合が紫金石となりそうだ。

ここを越えた後に準々決勝でおそらく待っているのは、同門アトスの先輩の(今回はアトス・インターナショナルで出場する)レオナルド・ララか。ムラサキと当たった場合に戦うのか──どちらかが譲るのかは定かではないが、その先の準決勝で当たるのはランガカーとセルヴィオ・トゥリオの勝者なる公算が高い。

そして決勝まで駒を進めれば、AOJにおけるアウヴェスの練習仲間にして、世界最強のタイナン・ダウプラに辿り着くことになりそうだ。

ムラサキを含めた挑戦者たちは、若くして既にあまりに強大な存在となりつつあるダウプラを攻略することはできるのか。今後しばらくはダウプラ時代が続くことが容易に予想されるだけに、今回はライト級で世界を狙うミカ・ガルバォンに続いて──その牙城に迫るライバルの出現を期待したいところだ。

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ABEMA MMA MMAPLANET o Polaris20 イゴール・タナベ トミー・ランガカー 修斗 山内渉 高橋SUBMISSION雄己

【Polaris20】高橋Submission雄己が、英国のサブオンリー大会=ポラリスへ参戦決定

【写真】金網がなく、MMAグローブがない試合は昨年7月のQuintet以来になる高橋だ(C)MMPLANET

17日(木)、英国のプロフェッショナル・グラップリング大会=Polarisに日本の高橋Submission雄己が出場することが明らかとなった。

高橋は大好きな跳び関節が高校柔道で禁止技となり、柔道からこの道に入ることを決意──浪人時代に今成柔術へ。柔術ではヒールが禁止されていることを知り、そこを生かすためにMMAへ進んだグラップラーだ。


プロ修斗と並行して、グラップリングシーンで現役グラップラーとして活動するだけでなく、今年の1月にはIREのプロデュサーに就任し、コンバット柔術の試合をABEMAでLIVE中継する原動力となった。

選手活動としては昨年11月の修斗で、DREAMERS山内渉との対戦で得意の形に持っていくもパウンドに阻まれ、肩を脱臼して敗れる。それ以来の再起戦がウェールズの地となった。

高橋が出場するPolaris20は6月25日(土・現地時間)にブリストルに程近いニューポートにあるICCW=ウェールズ国際会議場で開催される。

同会場は昨年11月にイゴール・タナベがトミー・ランガカーを破った日本のグラップリング界にとって縁起の良い会場だ。高橋の相手は未定だが、バンタム級のサブオンリー10分1R戦で戦うことは確定している。

現役グラップラーとしての枠を超え、組み技の普及を考える高橋がPolarisで何を見て、今後に生かし、また人脈を構築できるかにも期待したい。

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EUG02 EUG04 MMA MMAPLANET   アンディ・ムラサキ イゴール・タナベ ジョナタ・アウヴェス トミー・ランガカー ミカエル・ガルバォン

【EUG04】ランガカー撃破効果、イゴール・タナベが3月にベガスのEUG02=180ポンドGPに出場決定!!

【写真】昨年11月のトミー・ランガカーから挙げた一本勝ちで、イゴールが世界への扉を開けた(C)POLARIS

27日(木・現地時間)、EUG プロモーションが3月19日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスで開催されるEUG04の180ポンド道着8人制のブラックベルトGPにイゴール・タナベが出場することが発表されている。

この発表と同時にイゴールも自らのSNSで「3月19日ラスベガスにてEUGの180LBトーナメントに出場します!  8人トーナメント優勝すれば1万ドル!ですが、お金よりも日本を代表して世界の強豪とぶつかりあえることが楽しみです!  皆さん、応援をよろしくお願い致します」と呟いている。


EVOLVE UR GAMEは昨年4月に活動を開始した新興プロ柔術プロモーションで、第1回大会は160ポンドGPでアンディ・ムラサキが優勝したことで日本でもその名が浸透した。

EUG02は2カ月後に170ポンドの8人制GPを軸に開かれ、柔術の神の子ミカエル・ガルバォンを決勝で破ったジョナタ・アウヴェスが賞金1万ドルを獲得している。

10月の第3回大会は155ポンド、そして初めてノーギGPが実施されディエゴ・パト・オリヴェイラの腰にチャンピオンベルトが巻かれている。

道着もノーギもアドバンテージなし、道着では50/50でスイープした際には足の絡みを解除しないとポイントは与えられない。また第3回のノーギでは10分間の試合で最初の3分は引き込み禁止となっていた。

今回もIBJJFルールに則しつつ、ルールのモディファイがあるのかも気になるところだ。気になるといえばイゴール以外の出場選手が誰になるのか。

EUGではイゴールに先立ってATOSのホナウド・ジュニオールの出場をインスタグラムで伝えているが、その発表では8men No GIという文字が確認できる。単なるミスライティングか、道着とノーギ2つの180ポンドGPがあるのか。

いずれにせよイゴールの出場の方には道着と明記されており、彼が道着の8人制GPに出場することは間違いない。昨年11月のPolarisでトミー・ランガカーをボウアンドアロー絞めで下した試合が、イゴールの未来を本当に開いた──ことが実感されるEUG出場だ。

また同大会はタイトルマッチとスーパーファイトが組まれるということで、タイトルとなればムラサキ、アウヴェス、そしてパトの3人のGPウィナーから誰かが防衛戦を戦うことが予想され、公式発表が楽しみだ。

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DEEP MMA RIZIN RIZIN TRIGGER01 イゴール・タナベ トミー・ランガカー ブラジリアン柔術 海外 田中一矢 青木真也

【RIZIN TRIGGER01】グラント・ボグダノフ「サトシがエベレストで、僕は小さい丘」、「イゴール、素敵」

【写真】試合後の会見直後、単独インタビューに応じてくれたボグダノフ(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、神戸市中央区のワールド記念ホールで開催されたRIZIN TRIGGER01で、グラント・ボグダノフが奥田啓介から秒殺勝利を挙げた。
Text by Shojiro Kameike

米国出身のグラントは、幼少より柔道を学び、レスリングと柔術も経験後に来日。日本では柔術、グラップリングの分野で活躍してきた。今年の6月にMMAに初出場、DEEPで田中一矢をRNCで下している。今回、MMA2戦目を勝利で飾ったボグダノフは、試合後にホベルト・サトシ・ソウザ戦を要求――その真意とは?

さらに当日の早朝にPolarisで勝利した練習仲間のイゴール・タナベについて聞くとテンションが爆上がりしたボグダノフ、試合直後のインタビューをお届けしたい。


――今日の奥田戦は、グラント選手にとってハードな内容でしたか? それとも考えていたより、うまくいった試合だったのでしょうか。

「両方です。試合時間は短かったけど、それだけじゃないですからね。一般の人が見ると、1Rだけ戦ってファイトマネーをもらって帰るという感じかもしれないですけど、この試合のために何カ月も費やしてきましたから。減量もあるし、ファイトキャンプもあるし――だからハードでありつつ、良い結果を出せたと思います」

――今回の試合がMMA2戦目となります。もうMMAには慣れてきましたか。

「いや、まだ経験が浅くて、決してMMAには慣れていないです。2戦目でRIZIN TRIGGERに出るというのは、結構ハードルが高かった。でも今回、そのハードルを乗り越えることができて良かったです」

――グラント選手は日本で、柔術やグラップリングの試合に出場しました。なぜ今、MMAを戦おうと思ったのでしょうか。

「周囲の人たちの影響ですね。僕の人生における一番の目標は、自分のジムを持つことでした」

――自分のジム=ALMA FIGHT GYM LIFEですね。

「はい、今は自分のジムに集中しています。でもMMAをやっている現役選手の友達がたくさんいて、その人たちの影響はあります。僕は100パーセントのMMAファイターではない。でも、MMAを戦う時は真剣に、常に進化することを目指しています」

――日本時間では今日の早朝、英国で行われたPolarisで練習仲間のイゴール・タナベ選手が……。

「そう! イゴール、素敵!!」

――いきなりテンションが上がりましたね。Polarisでイゴール・タナベ選手が、トミー・ランガカーに一本勝ちした試合はご覧になりましたか。

「試合は寝ていた時間だったので、あとでまずフィニッシュだけ見ました。あの舞台で、あの相手に一本勝ちしたイゴールは、もうスターパワーが100倍! 彼は世界に行きます。もちろん今回の試合前から世界的な選手だったけど、今後はもっとね。

イゴール・タナベとはMMAの練習も一緒に行う(C)MMAPLANET

そしてイゴールだけじゃない。日本には軽量級だけでなく重量級にも一本勝ちできる選手がいる――ポラリスがそう思ってくれたら、僕や他の選手も海外で戦えるチャンスが増えるんじゃないかな。

だから、イゴールにはすごく感謝しています」

――イゴール選手の勝利はグラント選手にとって、今日の試合に向けて力を与えてくれましたか。

「もちろん! イゴールが見事に一本を取ったから、僕も絶対にやらないといけない。そう思いました」

――なるほど。グラント選手ご自身は今後、MMAを中心に戦っていくのでしょうか。

「まずはブラジリアン柔術を世界に紹介したいです。もちろん今までも、ブラジリアン柔術は何度も紹介されています。ミノタウロ、ボンサイ柔術、グレイシー一族――彼らの功績は凄いです。でも今は、ボンサイ柔術に波が来ています。だけどボンサイ以外の柔術もあるよって、みんなに見せたい。だから今日、僕とサトシとの試合はどうですか、って」

――試合直後、ケージの中ではMMAでの対戦は否定していました。また、会見では柔術のエキシビションとしてサトシ選手と対戦したいと仰っていましたが……。

「エキシビションといっても、柔術のワンマッチですね。道着を着て、ガチで柔術の試合をやりたいです。エキシビションと言ったのは、MMAの大会でも青木真也さんとヒョードルのエキシビションがあったり、サトシ×5人チームとかあったじゃないですか。そういう感じで――でも真剣勝負で柔術の試合をやりたいです」

――普段はサトシ選手らボンサイ柔術と交流はあるのですか。

「僕に黒帯をくれたレアンドロ・クサノ先生は、クレベルやマルコス先生、サトシ先生と仲良しですね。僕はクレベルと挨拶を交わしたことがあるぐらいで、あまり知らないです」

――MMAイベントの中でサトシと柔術マッチを行う。今グラント選手がMMAをやっているのは、ご自身の柔術を広めるためということですか。

「そうです。僕は柔術家であり、ジムの経営者です。MMAをやりつつ、ジムで柔術やグラップリングの選手を育てたい。あと、2年ぐらい付き合っている彼女がいるんですけど、そろそろ結婚して家族を持つことも考えています。いろいろ忙しいけど、楽しい人生を過ごしています」

――ジムの経営者として、今後やりたいことはありますか。

「ジムを大きくしたいですね。ジムの会員さんや生徒たちの成長を見ると、今までの人生では無かった満足感があります。会社でボーナスをもらっても、その嬉しさは1日で消えるでしょう。だけど、みんなの成長は日々見えるものだから」

――分かりました。サトシ選手との柔術マッチが実現したら……自信のほどはいかがですか。

「もちろん自信満々です! 負けると思って試合する選手はいませんよ。実績でいえば、サトシがエベレストで、僕は小さい丘。だけど僕は体格で上回っているし、レスリングのスキルも普通の柔術家とは違うから、面白い試合になると思います。そして、勝つ自信もあります」

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MMA Polaris18   イゴール・タナベ エルベース・サントス トミー・ランガカー

【Polaris18】イゴール・タナベ、ランガカーを圧倒し最後はボウアンドアロー絞め。「ここでやりたい!!」

27日(土・現地時間)、英国はニューポートにあるウェールズ国際会議場で、Polaris18が開催された。

英国産ノーポイント&サブオンリー大会。ここではMMAデビューを10月に行ったばかりのイゴール・タナベが出場、2018年のヨーロピアンの無差別級でエルベース・サントスを三角絞めで切って落として以来、ワールドクラスの柔術家として活躍している格上のトミー・ランガカーと道着マッチで対戦した一戦をお届けしたい。

<道着90キロ契約/10分1R>
イゴール・タナベ(日本)
Def.9分05秒by ボウアンドアローチョーク
トミー・ランガカー(ノルウェー)

右手を伸ばして前に出たイゴールが、左襟を掴んで引き込む。ラペルを取られたランガカーが横回転で回避して、両者がシッティングで正対する。座って袖口の取り合いになり、イゴールが立ち上がる。スイープ成立だが、もちろんポラリスにポイントはない。デラヒーバから上体を起こしてイゴールの右足を両手で取ったランガカーはスクイットガード狙いも、イゴールが足を抜いて対応する。

直後にレッスルアップからダブルレッグを決めたランガカーに対し、イゴールは倒された勢いで立ち上がりトップをキープしパスを仕掛ける。体をスピンさせクラブライド狙いのランガカーに対応したイゴールは、続いて右足を取り来た動きを利用し、一瞬にして飛び込み三角を仕掛ける。

そのまま足を絡ませにいったイゴールは、座って正対した後に立ち上がる。ランガカーのリバースデラに強固なポスチャーを見せるイゴールは内回りに背中を取られないよう足を抜いて離れる。

ここでレフェリーが両者に道着を直すように伝え、試合はスタンドで再開に。すぐにジャンピンガードから引き込んだランガカーに対し、またもイゴールが飛び込み三角へ。そのままオモプラッタに移行し、ランガカーが腕を抜くがイゴールのアクションが際立っている。

下攻めとなったイゴールは、ランガカーのパス狙いをニーシールドで遮断する。ランガカーは圧を高めスタックパスへ。イゴールは亀になることなく、腰を押してエビで回避していく。ランガカーは執拗に担ぎを狙うも、イゴールはその動きを利用してスイープを決める。

MMA転向で体をしぼったことが、よりイゴールの柔術を強くしたのか、世界の強豪を相手に全く遅れを取ることなく、見事なゲームを続ける。これにはウェールズの観客も拍手をイゴールに送り、飛び込み三角への期待が高まっている。するとイゴールは一瞬にしてパスを決め、ニーインベリーへ。ランガカーが懸命に足を戻すと、スクイットからヒザ裏を持ちあげて、スイープを仕掛ける。イゴールは腰をひいてスプロールで対応したが、バックを譲りそうになる。

前転し背中をマットにつけて逃れたイゴールが、腕を取りつつトップを維持。ランガカーのZハーフガードで試合がマット中央に戻される。足を絡ませ、バック狙いのランガカーが上を取りリバーサルに成功する。イゴールはここでカラードラッグ、バックは取り切れなかったが結果、トップを奪取するなど切れのある動きを続ける。

さらにランガカーが潜ってくると、キムラグリップをとったイゴールが立ち上がってバックを伺いつつ、前転。カウンターアタックでランガカーの攻撃を遮断し、結果トップをキープした。

ランガカーの息が荒くなっており、イゴールも踏ん張りどころだ。残り2分、イゴールが一瞬にしてトレアドールパスを決め掛けると、嫌がって背中を見せたランガカーのバックを制してワンフック。さらにボウアンドアローチョークに移行すると、ランガカーがタップ、イゴールが勝利の雄叫びを挙げた。

MMA転向が勿体ない。柔術で世界の頂点を目指して欲しいというパフォーマンスでポライスに衝撃を与えたイゴールは、「皆がCOVIDで厳しい時を過ごしてきた。そのなかでこの勝利の意味は本当に大きい。欧州の状況は知らなかったけど、日本は全くトーナメントがなくなった時期があり、僕はモチベーションを失ってしまった。試合機会がなく、もう戦えないんじゃないかとも思った。そうしたらポラリスがこの機会を与えてくれた。そんなこと期待してもいなかった。妻も『行こう。戦って』と言ってくれた。そして僕も『やってろう』という気になった。この勝利は、僕がずっと夢として人生を賭けてきた場所でやっていけることを証明してくれた。日本を代表して、ここで戦った。正直なところ、疲れていて『このままで良いか』って思っていたけど、『皆が求めていることを見せないといけない』と考え直して、ボウアンドアローにトライしたんだ。次? とにかくここで戦えて嬉しいんだ。ギ、ノーギ、誰とでも戦うよ。ただ、またここで戦いたい」と話した。


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