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『UFC on ESPN 63: Covington vs. Buckley』ホアキン・バックリー vs. コルビー・コヴィントンを見たファイター・関係者の反応



 『UFC on ESPN 63: Covington vs. Buckley』ホアキン・バックリー vs. コルビー・コヴィントンを見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN63 キック コルビー・コヴィントン ジョアキン・バックリー

【UFC ESPN63】バックリーがコヴィントンを流血→ドクターストップに追い込んでTKO勝利

<ウェルター級/5分5R>
ジョアキン・バックリー(米国)
Def.3R4分42秒 by TKO
コルビー・コヴィントン(米国)

サウスポー同士の両者、バックリーがジャブから前に出る。コヴィントンも上体を低くしてハイキックを蹴る。バックリーが距離を詰めると、コヴィントンは右の前蹴り。バックリーは細かいジャブから前に出て、コヴィントンもジャブを返してテイクダウンを仕掛ける。距離が離れるとバックリーがジャブを突いて左フック、インローからパンチにつなげる。

さらにコヴィントンがダブルレッグに入ろうとすると、バックリーは右アッパーを突き上げて離れる。この攻防でコヴィントンが右目尻を大きくカットする。バックリーがサイドキックと右ミドル、ワンツー、右ハイと右サイドキック、右ストレートから右ボディディと手数を増やす。コヴィントンもワンツー。右ジャブからバックリーを追いかけるが、バックリーは距離を取る。

バックリーはブロックとバックステップでコヴィントンのパンチをディフェンスし、コヴィントンの右ハイをブロックして右フック、左ストレートからパンチをまとめる。コヴィントンは右ミドルを蹴って、ジャブからワンツー。ダブルレッグでバックリーをケージまで詰める。腕を一本差して切ったバックリーはコヴィントンをがぶって離れる。

試合がスタンドに戻るとバックリーはコヴィントンの頭が下がったところに右フックから左ストレート、右アッパー、左ハイを蹴って前に出る。さらにコヴィントンの右ハイをブロックして右フックを返すと、これでコヴィントンが尻餅をついてガードを取る。

2R、コヴィントンがワンツーと右フック、右ミドル。バックリーはジャブを突いて右ミドルを蹴る。さらにバックリーの組みを切ると右のパンチを連打。距離が離れると右ボディ、コヴィントンがパンチで来るところに右アッパーを合わせて左フックを返す。コヴィントンはワンツー。ダブルレッグでバックリーをケージに押し込むと尻餅をつかせる。

コヴィントンはバックリーの背中をマットにつけさせてサイドに出ると、バックリーは足を戻しつつ半身になって立ち上がる。コヴィントンはバックリーのヒジを取って寝かせようとするが、バックリーが立ち上がる。試合がスタンドに戻るとコヴィントンは右ミドル。バックリーはワンツー、ジャブから右ハイとサイドキック、シングルレッグも見せる。さらにバックリーはジャブと左ロー。コヴィントンは左ストレートで飛び込む。バックリーはジャブでコヴィントンを下がらせる。

3R、コヴィントンがすぐにダブルレッグに入り、試合がスタンドになると両手のガードを上げる。バックリーはジャブからボディにパンチをまとめ、このジャブから右ハイへ。コヴィントンは回転しての右ハイキック。バックリーが左ストレートから右フック、コヴィントンのテイクダウンを切ってハーフガードで上になる。ここからバックリーがすぐにマウントを取るが、コヴィントンの反転して逃げる。

このまま立ち上がるコヴィントンだが消耗が目立つ。逆にバックリーがワンツー。再びコヴィントンのテイクダウンを切って上になると、亀になるコヴィントンをがぶる。このままコヴィントンを寝かせて上になったバックリーがパンチとヒジ。コヴィントンも亀になって必死にバックリーの足に組みつき、バックリーがバックをとりつつ三角絞めへ。頭を抜いたコヴィントンがインサイドガードでトップキープする。

バックリーがケージを背にして立ち上がると、コヴィントンはダブルレッグへ。バックリーは右手を差し上げて、コヴィントンのテイクダウンを切る。ここで両者距離が離れるとコヴィントンにドクターチェック。顔を血で真っ赤に染めるコヴィントンにストップが告げられ、バックリーがTKO勝利を収めた。これでバックリーは6連勝となった。

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【UFC ESPN63】オクタゴン3戦目、元K-1戦士ヌットソン「打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる」

【写真】最後の一言、涙ものです(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、2024年のUFC最終戦=UFC on ESPN63「Covington vs Backley」がフロリダ州タンパのアマリー・アリーナで行われヨセフィン・ヌットソンがピエラ・ロドリゲスと対戦する。
text by Manabu Takashima

K-1女子フライ級GP準優勝。ワールドクラスの立ち技ファイターから、MMAに転向。UFCでも2連勝中のヌットソンは、その頭抜けた打撃力があるがゆえに、UFCで秀でた打撃能力を見せることができていない。

それがMMA。そして彼女は、そこを十分に理解するファイトIQの持ち主だ。そんなヌットソンが、MMAファイターとしての成長を誓ってオクタゴンに足を踏み入れる。その意気込みを日本のファンを思う優しさを持った言葉とともにお伝えしたい。


――オクタゴン3戦目が控えているヨセフィンです。

「もう準備はできているわ。前回の試合から、あらゆる面で成長しているからそこを見て欲しいと思っている」

――6月のジュリア・ポラストリ戦はクラシカルなストライカー×グラップラーの対戦となり、トップからのパンチとヒジで流血。判定勝ちを収めましたが、簡単な試合ではなかったです。

「私自身、あの試合の動きには満足できていない。もっとディフェンスできたはずだし、それも分からずに戦っていた感じだったわ。彼女はテイクダウンが強い相手だったけど、もっとスプロールしてスタンドで戦えたはず。あの日の私は、私ではなかった。

3月から6月に試合が延期され、対戦相手も変わった。私は背中に問題を抱えていて、気持ちも後ろ向きだたった。体も気持ちも万全じゃないという状況で、気持ちだけでもしっかりと創らないといけなかった。だからこそ、今週末の試合ではもっとデキる自分でいたい。しっかりとテイクダウン・ディフェンスも見せないとね」

――納得のいく内容でないのに、勝てた。それは本当に大切なことだと思います。

「そうね。納得できないけど、勝利を持ち帰るという最低限の成果はあったし。でもMMAほど何が起こるか予測できないファイトはない。全てにおいて対応できなければ、良い試合はできない。私と戦う相手は、ほぼほぼ打撃は防御に徹して組む機会を伺っている。そういう相手と、ファンが喜ぶ試合をするのは簡単じゃないけど、そこを目指して戦っていたい。繰り返しになるけど、前回の試合は最低限の成果を上げることができた。そういうファイトだったわ」

――スタンドでやりあう時と、グラウンドで凌ぐ時。スタミナの消費の仕方も違ってくるのではないでしょうか。

「それこそ、もっとも気をつけている部分ね。組み技で力を使い過ぎないでいられれば、私のゲームはもっと上達する。打撃は当然として、組み技でも自分のレンジで戦う時は、引き出しも多い。そのレンジ自体、MMAでもボクシングよりもキックの方が良い距離だと感じる時もある。でもね、技術や戦略を突き詰めていけばいくほど、最後は自分の気持ち次第。そう感じているわ」

――キックの距離という話がありましたが、MMAの距離は背が高く、リーチの長い選手が創りやすいイメージがあります。真正面に立って、拳が届く距離に常にいるのではないので。

「私のボクシングの距離は、相手もテイクダウンに入りやすい。それは理解しているわ。そして、私の相手はグラウンドで戦うことを一番に考えて戦っている。前回の試合も、もちろんそうだった。反対に私は常に立って戦い続けることが大切で。だから毎試合、ディスタンスコントロールには細心の注意を払っている。ファンもずっと私が背中をマットにつけているより、立って戦うほうがエンジョイできるわけだし。

テイクダウンをされて背中をつけても、十分に戦える。そこを恐れることはないわ。でも、それはマイ・ワールドではない。私の方から寝技で戦うことはないのだから」

――次の試合も、ロドリゲスはテイクダウンを狙ってくると踏んでいますか。

「イエス。彼女はボクシングもできるけど、打撃は私の方がずっと速い。それは彼女も分かっているはず。振り回すようなパンチを見せて近づき、テイクダウンを狙ってくる。彼女の打撃はテイクダウンにいくためのフェイク。私とスタンディングバトルを楽しむつもりはないはずよ。

その粗い打撃を私が意識しすぎて、やり合おうとするのを待っている。そこでテイクダウンを狙うために。あまり固定観念を持って戦いたくないけど、彼女が接近戦で打撃を続けることはないはずよ」

――ロドリゲスはコンテンダーシリーズ以前の方が、スタンドに関わらずグラウンドでもアグレッシブでした。UFCでは足を広げて、重心を低くして構えています。最初から相手の攻撃を見る態勢にあるように見えます。

「あの構えだと蹴りは使えないし、パンチも力は入らない。時折り、思い切り前に出てきて攻撃を纏めポイントを得るファイトになっている。グラウンドでも、抑えてコントロール中心で。とにかく危ない局面にならないよう、少し有利という戦いを心がけている。私がすべきことは、そんな戦いだと勝てないと思わせることね。

あのラッシュが、私と戦うならテイクダウンをするため。私とやりあうつもりはない。以前のようにスタンドでアグレッシブになると、私のチャンスは広がる。そういうところに追い込みたいけど、それで今の彼女がリスクをおかして攻めに転じるのか。まぁ、私がやることは変わらないわ。テイクダウン狙いを切って、スタンドゲームを続けること。

そのために自分の力がだしやすい距離を掴むこと。自分のサイズに合った間合いをね。それができれば、対戦相手云々でなく自分の戦いをして勝つことができるから」

――これからトップ10、トップ5を目指すうえで、今回の試合で何を見せないといけないと思っていますか。

「勝つだけでない。皆の記憶に残る試合をする。でも、実はファンやプロモーターよりもチームの目の方がプレッシャーになっているの(笑)。チームの皆は私の力が分かっている。でも私が力を出し切れていないことに、ストレスを感じているみたいで。チームの期待に応えないといけない。そのプレッシャーは何に対してよりも強いわ。

だからこそ、皆のサポートでハードトレーニングをして身に着けた力を出し切りたい。私のゲームを徹底する。そうすれば相手の流れになった時も、力は出せる。そうなると、皆は私のフル・ポテンシャルを見ることになる。

誰も私と打ち合わない。それでも、私の力を見せる。真っ向勝負をせずにテイクダウンを狙い、打撃を避ける相手に対して、私の打撃を見せる。それがMMAファイターとして、成長した証明になるから。どの局面でも、私が試合をコントロールする。フロアもウォールも使って、私のMMAを戦うわ」

――ヨセフィン、力強い言葉です。ポテンシャルをフルに発揮できる試合になること楽しみにしています。

「ありがとう。あと、一つ質問があるんだけど?」

――ハイ。K-1の行方ですか(笑)。

「違う、違う。来年、日本でUFCがあるって聞くんだけど。実際にはどうなのかなって」

――それは……期待は高まっていますし、根拠のある話も伝わってきます。それでも正式発表があるまで、何とも言えないのが実情かと。

「そうなのね……日本でUFCがあるなら、絶対に戦いたい。K-1とUFCの両方で、日本で戦ったファイターになりたくて」

――そうなると女子では初めてのケースですね。

「それに……例え私の試合が組まれなくても、日本のファンはUFCが戻ってくることを凄く楽しみにしているだろうし。その場で戦えたら最高だけど――。凄く出たいけど、出られなくても良いから、日本のファンが待ちわびているUFC日本大会が実現してほしい」

■視聴方法(予定)
8月25日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
午前8時45分~U-NEXT

■UFC ESPN63対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
コルビー・コヴィントン(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
カブ・スワンソン(米国)
ビリー・クゥアンティロ(米国)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ(米国)
ブルーノ・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ダスティン・ジャコビー(米国)
ヴィトー・ペトリーノ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R
ダニエル・マルコス(ペルー)
エイドリアン・ヤネツ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ナバホ・ステーリング(ニュージーランド)
トゥコ・トコス(英国)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン(米国)
オットマン・アザイタル(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ(米国)
ヨエル・ロドリゲス(スペイン)

<フェザー級/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
フェルナンド・パディーリャ(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
マイルス・ジョンス(米国)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
アマンダ・マーヴェリック(米国)
ジェイミーリン・ホース(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
デイビー・グラント(英国)
ラモン・タヴァレス(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(コロンビア)
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

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45 AB F1 MMA o UFC   アザマット・ムルザカノフ アレッシャンドリ・パントージャ エドゥアルダ・モウラ エリク・アンダース カリーニ・シウバ クリス・ワイドマン コルビー・コヴィントン ジャン・ウェイリ ジョン・ジョーンズ タティアナ・スアレス ダスティン・ポイエー デイヴィソン・フィゲイレド ニュース ピョートル・ヤン 朝倉海

11.16『UFC 309』アレッシャンドリ・パントージャ vs. 朝倉海の画像が出回る/朝倉海「フェイクニュースが多いから正式発表をもう少し待ってね」

革命のアウトサイダー [ 朝倉海 ]


朝倉海、UFCデビュー戦から「レベルの高い選手」と対戦することを示唆(2024年08月15日)

 こちらの続報。


 MMA UNCENSOREDというアカウントが11月16日にニューヨーク州ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開催する『UFC 309』の対戦カードとして以上の画像をアップ。上の方が切れていますが、メインカードがジョン・ジョーンズ vs. スティペ・ミオシッチのヘビー級タイトルマッチ、アレッシャンドリ・パントージャ vs. 朝倉海のフライ級タイトルマッチ、ジャン・ウェイリ vs. タティアナ・スアレスの女子ストロー級タイトルマッチ、コルビー・コヴィントン vs. ダスティン・ポイエー、デイヴィソン・フィゲイレド vs. ピョートル・ヤンとなっています。

UFC 309 - Nov. 16(Sherdog)

 しかしSherdogでは今のところ判明しているのは、ニキタ・クリロフ vs. アザマット・ムルザカノフ、ジョナサン・マルティネス vs. マーカス・マクギー、カリーニ・シウバ vs. ヴィヴィアニ・アラウージョ、ヴェロニカ・ハーディー vs. エドゥアルダ・モウラ、クリス・ワイドマン vs. エリク・アンダースの5試合のみです。

 当サイトは基本的にSherdogの他にいくつか信用できるサイトやアカウントの情報を紹介していますが、これはさすがに無視できないので一応紹介しました。MMA UNCENSOREDは信憑性の低い噂も含めて掲載しているのでしょう。



 この噂に対し、朝倉海はXでこんなコメントをしています。

カイ・カラ・フランス「UFCがカイという男(朝倉海)を連れてくるらしいが本物のカイは俺の方だ」「いきなりビッグネームと戦うなんて甘い考えは良くない」(2024年08月20日)

 しかし、朝倉海自身がUFCデビュー戦から「レベルの高い選手」と対戦することを示唆したり、先月カイ・カラ・フランスが「UFCが日本からカイ(朝倉)という男を連れて来ようとしていると聞いたが、本物のカイは俺の方だ」「俺とパントージャには歴史がある」とコメントしていることから、あながちデマとも言い切れません。続きを読む・・・
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45 MMA MMAPLANET o Special UFC カマル・ウスマン クレイ・グイダ コナー・マクレガー コルビー・コヴィントン ショーン・オマリー ダナ・ホワイト ネイト・ディアス ベラル・モハメッド ベンソン・ヘンダーソン レオン・エドワーズ 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月 エドワーズ×モハメッド「モハメッドの良さを伝えたい」

【写真】決して派手なスタイルではない。だからこそモハメッドの試合にはMMAの奥深さが詰まっている(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年7月の一番──7月27日に行われたUFC 304「Edwards vs Muhammad 2」のレオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドについて語ろう。


――7月の一番として、レオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドのUFC世界ウェルター級選手権試合を選んでもらいました。この試合を選んだ理由を教えてもらえますか。

「僕はモハメッドの地味強感が好きというか、彼はフィジカル的にすごく優れているわけでもないし、リーチが長かったり、なにか特徴があるわけでもない。バックボーンはレスリングですが、決してエリートレスラーというわけでもなくて、そういう選手がMMAファイターとしてUFCのトップ戦線で戦っている。しかもフィニッシュするのではなくて、5Rフルに使って戦って勝つというのが非常に僕好みですね。

今回はエドワーズ相手にモハメッドの良さがすごく出ていて、こういう試合をみなさんに伝えられたらなと思って選びました。おそらくもっと派手な試合、例えばエドワーズのKO勝ちを期待したファンの方も多いと思うんですけど、僕的には見たいものを見ることが出来た試合です」

――この取材前にモハメッドのプロフィールを調べたら、モハメッドは高校時代にレスリングをやっていたくらいの経歴なんですよね。それで開始早々にモハメッドがテイクダウンするという展開でスタートしました。

「まずそこがすごく驚きました。エドワーズのここ数戦を見て カマル・ウスマンやコルビー・コヴィントンといったテイクダウンが強い相手に対して(エドワーズは)はほとんどテイクダウンを許してないんですよ。そのエドワーズ相手にモハメッドは開始早々テイクダウンをとってるんですよね。その作り方もすごく上手いですし、この最初のテイクダウンが活きて、その後のラウンドも有利に試合を進めていくので、試合の作り方の上手さも感じました。

もちろん1個1個の格闘技の技術もバランスよく使うものは持ってるんですけど、それ意外の部分での試合巧者というか、相手の心理を読むというか。そういう心理戦がすごい上手いんじゃないかなと思います。それがまさに最初のテイクダウンで、あれはほぼファーストコンタクトに近いようなタイミングでのタックルでしたが、おそらくエドワーズはああいうタックルはが来るとは思っていなかったと思います」

――結果的に最初にモハメッドがテイクダウンを取ったことで、エドワーズはモハメッドのテイクダウンを警戒せざるをえなくなりましたよね。逆にモハメッドはテイクダウンだけでなく打撃でもいけると踏んだと思いますし、まさにあの一発目のテイクダウンが25分間の試合の流れを決めたと思います。

「そうなんですよ。エドワーズはいきなり予想外のタックルに入られて、焦ってテイクダウンを取られてしまった。 それで打撃・スタンド勝負でも、モハメッドは楽になったと思うんですよね。それで1Rの終わりぐらいにモハメッドが打撃をまとめるシーンがあるんですよ。あれはおそらくエドワーズがテイクダウンを警戒して自分の打撃ができなかったところに、モハメッドがパンチを当てて、明らかにエドワーズが嫌がったんです。

ここでモハメッドは打撃で攻めるんじゃなくて、もう一回タックルに入るんですよ。で、そこでもまた1発でテイクダウンを決めました。そういった試合運びの巧さというかクレバーさ。フィッシュを狙うファイターであれば、打撃であそこまで行けたら そのまま打撃で行くと思うんですよね。でもそこで自分がやることを明確にして、打撃からテイクダウンに切り替えることが出来る。相手が打撃を嫌がって意識が上に行ったら、タックルに行くという。そこをパっと切り替えられることの凄さですよね」

――またモハメッドは上(打撃)と下(テイクダウン)の散らしが絶妙ですよね。

「僕もモハメッドのテイクダウンの何がいいのかを考えて、僕は理由が2つあると思うんですよ。まず1つは位置取りですよね。モハメッドはたまにスイッチを使いながら、 ナチュラルに相手にケージを背負わせるんですよ。それで相手のバックステップを殺しておいて、パンチかタックルの2択にして、パンチを散らしてタックルって入っていますよね。あともう1つは左手=前手の使い方がすごく上手いです。ジャブだけじゃなく、アッパーも打ったり、左のパンチを散らすことができる。その2つの要素がモハメッドの試合の作りにすごく関係している気がします」

――エドワーズからすると知らないうちにケージに詰められていて、打撃を散らされてテイクダウンに入られていたわけですね。

「おそらく打撃の1発はそんなにないと思うんですよね。いざ打てば強いかもしれないですけど、そういう打ち方をしていない。相手としては(モハメッドのパンチを受けて)これなら大丈夫かなと自然にステップしていたら、いつの間にかケージを背負っていって『あっ!』と思った時には、目の前で左のパンチを散らされている。今度はそれを鬱陶しいなと思ったら、タックルに入られているみたいな。そういう作りが完成されている気がします」

――技術的なところで言えば、股下で腕をクラッチして相手を持ち上げるテイクダウンが目立っていました。

「僕はあれをクレイ・グイダ・スローと呼んでいるんですよ。クレイ・グイダがネイト・ディアスを投げた時の技があれだったので(笑)」

――確かにクレイ・グイダがやっているイメージがあります(笑)。

「ハイクロッチから股下でクラッチして持ち上げる技なんですけど、あれはサクラバアームロック(キムラロック)を取られた時のカウンターでやると有効なんですよね」

――モハメッドはバックを取った時でも、すぐに両足フックせずにレスリング的なコントロールで上手く時間を使っていました。

「時間の使い方もすごい上手いですよね。バックキープはしつつも、あまりそこには固執せず。下になったシーンもありましたけど、基本的にはもう1回上を取りに行っている。あの辺りのポジションコントロールも、いい意味でフィニッシュにこだわりすぎていない。 本人もインタビューで言っているように、ドミネイトして制圧して強さを見せることが好きなんでしょうね。僕もそういう戦い方は好きですね」

――しかもそういった試合運びをエドワーズにやったことがすごいと思います。

「エドワーズはウスマンやコビントンのテイクダウンを切って、逆にテイクダウンするぐらいの選手なので、このレスリング力で、あの打撃があったら、なかなか崩せる選手はいないだろうなと思っていたところで、モハメッドが開始早々にテイクダウンを取って。モハメッドがMMAというものを見せてくれた感じがして、すごくよかったです」

――年齢的にも36歳での王座戴冠でした。

「階級がウェルター級なので、軽量級よりも多少は競技寿命が長いと思うのですが、身体能力に頼った戦い方ではないですよね。反射神経や瞬発力に頼らず、試合運びや駆け引きを武器として戦ってる選手なので、基本的な技術プラス試合作りが上手いですよね。その試合作りで言うと、3Rにエドワーズにバックを取られた時点で、僕はモハメッドがラウンドを捨てたような印象があるんですよ。このラウンドを取られてもいいから、体力回復にあてよう、みたいな。だから僕は5Rこそモハメッドの良さが出る気がしています」

――ポイントを計算できるからこそ、そういった戦い方もできる、と。

「3Rも最初はモハメッドが攻めに行って、スクランブルの攻防でバックを取られちゃって、その瞬間に、フィニッシュさえされなければいいやと思ったんじゃないのかなと。僕は見ていてそう感じていて、そういったラウンドを捨てる潔さもいいなと思いました。

例えなハビブ(・ヌルマゴメドフ)の過去の試合を見てみると、試合中に休むんですよね。1・2Rを明確に取ったら3Rは休む、みたいな。ただハビブの場合はポジションを許して休むのではなくて、攻めのテンションを一旦落ち着けて休むみたいな戦法で。モハメッドの場合は先に攻めたんだけど、守勢に回る展開になって、そこで休むことを選択したように見えました。そこでの切り替えの良さというか、すごくクレバーだなと思いましたね」

――なるほど。3Rはサブミッションさえ凌いで休めればいいという判断だったんですね。

「僕はそう思いました。バックを取られて相手に首を絞められたり、うつ伏せで潰されてしまうとダメですが、モハメッドのようにエドワーズを下にして、自分が天井を見ているような状態でバックを取られている分には強い打撃をもらうことはないと思うんです。

だからダメージもそんなに受けないし、サブミッションだけ気をつけていれば意外に疲れないのかなと。もちろん寝技が超一流の相手にバックを許して休むのは危険ですけど、エドワーズからはそういった危険を感じなかったと思うんですよね。だから一本を取られないようにディフェンスして、休もうという感覚もあったのではないかと思います」

――少し話題はずれますが5Rにモハマッドがバックを取っていて、最後の最後にエドワーズが正対して肘で流血させたじゃないですか。ああいう展開でエドワーズにポイントが入ることもありえそうですね。

「それはあると思います、ダメージ重視の視点でいくと」

――バックを取られて相手に攻めさせないで守るというのも戦法の一つとしてありえるのかなと思いました。

「自分と相手の技量を比べて極められない自信があって、ポイント的にもリードしているという、非常に限定されたシチュエーションにはなりますけど、5Rマッチであればそういう選択もありなのかもしれません。

もちろんモハメッドがバックを取られた状態から粘るのが得意だったのかもしれないし、その辺も含めて自分が持ってる引き出しと使い方、それを完全に熟知して戦っていると思います。ずば抜けて特別なものを持った選手ではないけれど、自分が持っている引き出しをどう使えばいいかを分かっている。だから勝つ。そういう選手なんだと思います。僕もそういう戦い方をしたかったので、モハメッドにはすごく惹かれますね」

――今のUFCチャンピオンの顔ぶれを見ると、また新たな個性を持ったチャンピオンが誕生しましたよね。

「ぶっちゃけ人気は出ないと思うんですよ(笑)。PPVが売れなくて、ダナ・ホワイトがキレる姿を想像しちゃいますけど、間違いなく通好みの選手ではあるので。MMA好きはチェックすべき試合、選手だと思います」

――確かに派手さはないかもしれませんが、例えば選手サイドからすると参考になる点が多い選手かもしれませんね。

「この企画でも以前話したことですが、教科書にしていい選手としちゃいけない選手がいて、ショーン・オマリートやコナー・マクレガーを真似するのは相当難しいと思うんです。そういう選手に憧れる気持ちは分かりますが、僕のような凡人が(笑)憧れる選手、見本とする選手は今回のムハマッドだったり、僕は結構ベンソン・ヘンダーソン戦い方が好きだったんですけど、そういう真似できる可能性がある選手を見るべきだと思いますね」

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7.27『UFC 304』のメインイベントはレオン・エドワーズ vs. ベラル・ムハマドのウェルター級タイトルマッチ/両者は3年4ヶ月ぶりの再戦

UFC 2024 TOPPS CHROME HOBBY


 UFCが7月27日にイングランド・マンチェスターのコープ・ライブで開催する『UFC 304』のメインイベントがレオン・エドワーズ vs. ベラル・ムハマドのウェルター級タイトルマッチになることをデイナ・ホワイトが発表。

 エドワーズは12月の『UFC 296: Edwards vs. Covington』でコルビー・コヴィントンに判定勝ちして以来の試合で1つの無効試合を挟んで12連勝中。今回が3度目の防衛戦。この「1つの無効試合」というのが2021年3月の『UFC Fight Night 187: Edwards vs. Muhammad』で行われたベラル・ムハマド戦でした。この時はエドワーズのアイポークによりムハマドが続行不能となりノーコンテストとなっています。

 ムハマドは昨年5月の『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』でギルバート・バーンズに判定勝ちして以来1年2ヶ月ぶりの試合で1つの無効試合を挟んで9連勝中。現在UFCウェルター級ランキング2位。続きを読む・・・
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『UFC 296』レオン・エドワーズ vs. コルビー・コヴィントンを見たファイター・関係者の反応

悪口を言う人はなぜ、悪口を言うか?(プレジデント2021年 10/15号)


 『UFC 296: Edwards vs. Covington』レオン・エドワーズ vs. コルビー・コヴィントンを見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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『UFC 296』コルビー・コヴィントン、レオン・エドワーズに判定負けも「人生で一番イージーな試合だった」「ノーダメージだし勝ったと思ってた」

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 『UFC 296: Edwards vs. Covington』でコルビー・コヴィントンに判定勝ちしウェルター級王座2度目の防衛に成功したレオン・エドワーズが以下のコメント。

「この試合は俺にとってとてもエモーショナルなものだった。アイツは俺の父親の死をエンターテインメントとして利用していた。殺人事件をエンターテインメントとして利用したんだ。落ち着いて集中して試合に臨むには多くのことが必要だった」

「記者会見の後、バックステージに戻ると怒りで涙があふれていた。父親の死をネタにするのは許せない。今でも胸が張り裂けそうだ。彼は俺の父は地獄で焼かれるべきだとも言っていた」

「俺の方が優秀なアスリートだということは分かっていた。トレーニングキャンプの間、みんな彼のスタミナについて言及していたし、一度距離をコントロールすれば、スタミナ勝負できると思っていた。テクニックと距離感で対抗し、彼をシャットダウンできた」


 レオン・エドワーズは13歳の時に父親を亡くしています。


 コルビー・コヴィントンは以下のコメント。

「長いブランクがあったから、そのことも多少は影響したかもしれない」

「良い気分だよ。触られた感じはしなかった。イージーファイトだった。傷ひとつない。来年早々には試合に出たい。ここからは学ぶだけだ。初心に戻るつもりだ。この2年間、オクタゴンから遠ざかっていて、みんなに避けられ、試合も決裂し、レオンは母国イギリスで試合をしようとしなかった。こっちはいつでも、どこでも、誰とでもやるつもりだった」

「もっと強くなって戻ってくる。俺は35歳と若い。この試合ではダメージを受けていない。人生で一番イージーな試合だった。勝ったと思ってた。全ては見方の違いだな。もっと強くなって戻ってくる。(観客のブーイングに対し)どうせお前らは金欠のクソ野郎どもだ、くたばれ」


 ラスベガスのT-モバイル・アリーナに来ている時点で観客はそれなりに裕福だと思いますけどね。続きを読む・・・
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ラッパーのドレイク、『UFC 296』でレオン・エドワーズのKO勝ちに25万ドル(約3553万円)賭ける→判定勝ちだったので全額失う

SCORPION




 ラッパーのドレイクが『UFC 296: Edwards vs. Covington』のメインイベントで行われたレオン・エドワーズ vs. コルビー・コヴィントンのウェルター級タイトルマッチでエドワーズのKO勝ちに25万ドル(約3553万円)賭けていたとのこと。オッズは4.8倍なので、的中すれば120万ドル(約1億7054万円)の払い戻しでしたが、結果はご存知の通りエドワーズの判定勝ちで全額失っています。続きを読む・・・
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【UFC296】激しいトラッシュトークの結末は…エドワーズがポイントゲームで完勝&王座防衛

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]レオン・エドワーズ(英国)
Def.3-0:49-46.49-46.49-46.
[挑戦者]コルビー・コヴィントン(米国)

構えを小刻みにスイッチするコヴィントン。エドワーズも構えをスイッチし、ジャブを見せながら前に出ていく。コヴィントンはサウスポーから左ミドルと左ストレート、エドワーズは左フックを返す。

互いに見合う状態が続き、サウスポーのコヴィントンがワンツー、エドワーズもワンツーを返して左フック。コヴィントンがシングルレッグに入ると、エドワーズは深く組ませずに距離を取る。エドワーズは構えをスイッチしながらジャブを見せ、サウスポーから左ロー、オーソから右の前蹴り。1Rはかなりコンタクトが少ないラウンドだった。

2R、コヴィントンはサウスポーから左ミドル。エドワーズもサウスポーから右フックと左ローを見せ、じりじりとプレッシャーをかけていく。下がるコヴィントンが前に出ようとすると、エドワーズは左ストレートを見せ、左ハイキックを飛ばす。

コヴィントンがジャブを突くと、エドワーズもすぐに左ストレートを返して左ロー・右の前蹴りも見せる。コヴィントンも右ジャブや右ローを蹴るが手数が少ない。このラウンドもコンタクトが少ないまま終わった。

3R、サウスポーのコヴィントンがシングルレッグに入る動きを見せる。エドワーズはじりじりプレッシャーをかけ、サウスポーから左ローを当てる。コヴィントンが前に出ると、エドワーズが右フックを合わせて、すぐに左ローを蹴る。

コヴィントンは右フックからダブルレッグに入り、エドワーズにケージを背負わせさせずにテイクダウンする。しかしエドワーズはすぐに立ち上がって左ハイ。逆にエドワーズがダブルレッグに入ってテイクダウンを奪うと、深追いはせずに立ち上がる。

試合がスタンドに戻るとエドワーズは変わらず左ローを単発ながら蹴り続け、コヴィントンは蹴り足をとってテイクダウンを狙うが倒せない。エドワーズが距離を測りながら左ローを当てた。

4R、コヴィントンは上体を沈めてハイキック、ダブルレッグでテイクダウンを狙うと、エドワーズはニンジャチョークを狙う。これにはコヴィントンもテイクダウンをあきらめて首を外す。

距離が離れるとエドワーズは構えをスイッチしながら左の三日月蹴り。コヴィントンが再びダブルレッグで組みついてテイクダウンを狙うが、エドワーズは左手を小手に巻いて倒れない。

距離をとったエドワーズは左の三日月蹴りと左ストレート、左ロー。コヴィントンがシングルレッグに入ると、エドワーズがそれを潰してバックをうかがう。スクラングルの攻防になると、コヴィントンが一瞬バックを取るが、エドワーズがコヴィントンを前に落として立ち上がる。

5R、エドワーズはオーソドックスに構え、サウスポーのコヴィントンに右ミドルを蹴る。コヴィントンも右ミドルを蹴り返すが当たりは浅い。エドワーズはサウスポーに構えて右フックを打つ。コヴィントンはシングルレッグから足を高く持ち上げてテイクダウンすると、エドワーズは半身になって立ち上がる。

脇を差し返しながら正対したエドワーズは、コヴィントンをテイクダウンしてバックへ。コヴィントンが前に落とそうとすると、エドワーズは三角絞め、腕十字を仕掛ける。これを外してインサイドガードでトップキープするコヴィントン。足を一本抜くも、エドワーズが無理に動かずに殴られないことに徹する。コヴィントンがハーフガードで上になったまま試合終了となった。

試合前に激しいトラッシュトーク繰り広げたエドワーズとコヴィントンだったが、試合はコンタクトの少ないポイントゲームとなり、エドワーズが判定勝利&王座防衛に成功した。


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