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45 MMA MMAPLANET o UFN UFN248 カーロス・ヘルナンデス ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル

【UFN248】ニャムジャルガルはパンチで倒すもポジションを奪いきれず。ヘルナンデスが判定勝ちで連敗脱出

【写真】1Rは最後にポジションを取ったヘルナンデスだったか――(C)MMAPLANET

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

ヘルナンデスがガードを固めて距離を詰める。右を伸ばしたヘルナンデスに対し、ニャムが右ローで足を止めにかかる。ヘルナンデスがボディロックからドライブしたが、ニャムはケージから離れた。パンチからロングレンジの蹴りに繋げるニャムだが、右目付近の出血を気にしている。組みに来たヘルナンデスの首を左腕で抱えて引き込んだニャム。ヘルナンデスは手首を押さえて首を抜いた。ヘルナンデスがパスを狙うと、ニャムがバックを見せる。ヘルナンデスはバックマウントへ。RNCを狙うも極まらず。半身になったニャムはケージ際まで移動し、ブリッジで体勢を入れ替えた。

両者スタンドで戻り、ニャムがケージを背負わせて右を振るう。左右に回るヘルナンデスに右ローを当てるニャム。観客からブーイングが聞こえると、ヘルナンデスはワンツーを伸ばした。頭を振るヘルナンデスが中に入るも、ニャムが左ヒジを繰り出す。ヘルナンデスの右がニャムのアゴを捉えた。しかしニャムはニータップからヘルナンデスの左足を抱え上げ、右足を払う。ヘルナンデスは倒れず、逆にニータップを狙うが、これを払ったニャムの左がクリーンヒットして倒れた。ニャムはバックマウントへ。ヘルナンデスが切り返すと、ニャムがうつ伏せになりながら腕十字を狙う。ヘルナンデスも腕を抜いてサイドからバックマウントを狙って初回を終えた。

2R、ヘルナンデスが頭を振って左を突く。ニャムの右をかわしたヘルナンデスが組みつくも、ニャムが投げた。これを防いだヘルナンデスは、スイッチしながら距離を取って右カーフを蹴る。一気に距離を詰めたニャムの左足がヘルナンデスの下腹部をとらえ、休憩が与えられる。再開後、左の突き合いからニャムが左フックを振るう。左右に回るヘルナンデスの顔面に、ニャムの右が突き刺さった。ヘルナンデスも左フック、ワンツーを当てる。

ニャムの左フックをかわしたヘルナンデスが組みつき、両腕を差し上げてケージへ。ニャムが引き込むようにグラウンドへ。ハーフガードで守るニャムは、ケージウォークから反転して起き上がる。しかし正対したニャムを、ヘルナンデスがボディロックで倒す。再びハーフで守るニャムがバックを見せて立ち上がった。ヘルナンデスはバックコントロールで潰し、バックマウントを奪う。ニャムはヘルナンデスを前に振り落とす。ヘルナンデスは背中を着けたままラウンド終了のホーンを待った。

最終回、ニャムが距離を詰める。左右にステップを踏むヘルナンデスに右を伸ばすも当たらず。左ジャブを突くニャムに対し、ヘルナンデスはニータップを狙った。1、2Rを取ったと判断して捌くつもりか――ヘルナンデスはジャブから距離を取り続ける。打っては下がるヘルナンデス。完全なパンチを当てには来ない。ニャムが距離を詰めると、ヘルナンデスはインローで前進を阻む。ケージを背負ったヘルナンデスは、クリンチからケージ際を脱した。

パンチを振るい合う両者、ニャムがパンチを上下に打ち分ける。ヘルナンデスがニータップで組もうとしたところを、ニャムは首相撲で抱えようとしたが、ヘルナンデスが下がって離れた。ニャムの右をかわしたヘルナンデスが組みつくも、無理なテイクダウンには行かない。ヘルナンデスはサークリングしながら左右の蹴りを散らす。残り15秒でニャムの右がヘルナンデスの顔面を直撃。ニャムが追撃を狙うとヘルナンデスが倒れた。トップに回ろうとしたニャムからバックを奪ったヘルナンデスは、テイクダウンしきれずに試合を終えた。

2Rはヘルナンデス、3Rはニャムジャルガルか。攻め合った初回をどう取るか――裁定はスプリットでヘルナンデスが勝利した。


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【UFN248】打高組低=Road to UFCバンタム級決勝へ。ユン・スヨン「グラップリングで攻め続ける」

【写真】それでも自分を貫く。それが、勝利を手にする最善の策なのだろう(C)MMAPLANET

明日23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナで開催されるUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」に組み込まれたRoad to UFC決勝戦。
Text by Manabu Takashima

そのバンタム級ファイナルで、ユ・スヨンがチィルイイースー・バールガンと戦う。Black Combatで3階級制覇。カザフスタンでもNIZAでバンタム級王者となり(昨年12月に王座陥落)、日本ではご存じのようにDEEPバンタム級のベルトを巻いた(Road to UFCに出場するために返上)ユ・スヨンは、初戦で野瀬翔平に組み勝った。

組み伏せることへの評価が減少したMMAにあって、ユ・スヨンは組み続けて勝つという――自分のスタイルを貫くことを決めていた。


――1週間後にRoad to UFCの決勝が迫ってきました(※取材は16日に行われた)。今の気持ちを話していただけますか。

「コンディションは凄く良いです。減量も順調ですし、作戦も出来上がりつつあります。このままいけば、大会当日は良い試合を見せることができると思います」

――米国では調整に苦労したと伺いました。今回はマカオですが、その辺りに関して気持ち的には楽ですか。

「長時間の飛行機の旅は、コンディションにも少なからず影響を与えると思います。でもマカオまでは4時間ほど、映画を2本でも視れば到着します。なにより時差が少なく、調整のために早く現地入りする必要もないので、気持ちは楽です。最後まで韓国で調整できますし。ただ減量に関しては、毎回違ってくるのでそこは慎重になっています」

――チィルイイースーを相手に完全アウェイとなることも考えられます。

「上海のPIで、チェ・ドンフン選手が中国人選手と戦った試合を見ていてアウェイだとは感じました。チェ・ドンフン選手も『良くない意味で特別でした』と話していました。実際にオクタゴンに立ってみて、どのように思うのか。それは分からないですが、今のところは気にしていないです。とにかく自分のやるべきことをやる。そこに集中したいと思います」

――Road to UFCでなく、UFCのイベントです。UFCファイターの中で戦うことになります。

「まだ決勝で勝ったわけでも、契約できたわけでもないです。なので、しっかりと気を引き締めて戦うだけで。Road to UFCだとか、UFCで試合が組まれたとかは関係ありません。ただマカオで中国人選手と戦うことで、注目度が高くなるはずです。そういう場で、中国の選手に勝つことで注目度が上がる。それはチャンスだと捉えています」

――ではチィルイイースーとの対戦に向けて、特別な対策練習などしてきましたか。

「相手云々よりも、自分の良さが出せるように仕上げてきました。Road to UFCの初戦、準決勝を経験して自分のグラップリングの強さを出して戦いたいと思うようになったので」

――それは過去2試合のデキには、満足できなかったということでしょうか。

「う~ん……。1回戦は打撃が足らなくて、準決勝は打撃だけでなく、もっとトップコントロールできたはずだと考えています。そこに悔いが残っているので、しっかりと修正し強くなったユ・スヨンを見てもらえると思います」

――ではチィルイイースーの印象を教えてください。

「気持ちが強く、技術的には右ストレートには気をつけないといけないです。ただ、そこを上手く戦うことができれば問題ない相手です」

――透暉鷹選手にも右を当てて、テイクダウンに入っていました。

「あれは透暉鷹選手が相手だから、できただけだと思います。自分は透暉鷹選手とは違い後ろ足重心になって、パンチからテイクダウンされても即スイープを仕掛けることができます」

――準決勝で原口伸選手が敗れた試合に代表されるようにテイクダウンとコントロールへの評価が下がっているなかで、試合の組み立て方をアジャストする必要を感じることは?

「何が正解かは分からないですが、殴って来れば組んでテイクダウンへ。距離を取ってくるなら、自分の方が詰めて殴る。そんな風に戦おうと思います。スタイル的にマラブ・デヴァリシビリのように力強いグラップリングで先手を取る。何度も、ぶつけることが必要だと思います。15分間、自分がグラップリングで攻め続けます。その自信はあります」

――日本人選手が決勝に残らなかった決勝戦。日本のファンはDEEPチャンピオンだったユ・スヨン選手を応援するかと思います。そんなファンに一言お願いできますか。

「Road to UFCの決勝まで進めたことで、ある程度はDEEPのチャンピオンとして強さを見せることができたのは嬉しいことです。日本人選手と戦ってグラップリングのレベルの高さは分かっています。そういう戦いを経験して、自分も強さを身につけることができました。毎試合、成長しているユ・スヨンを見せるつもりですので、楽しみにしてください」

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT

■UFN248計量結果

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン: 135.5ポンド(61.46キロ)
デイヴィソン・フィゲイレド: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン: 116ポンド(52.62キロ)
タバタ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)
ムスリム・サリコフ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン: 126ポンド(57.15キロ)
ガブリエラ・フェルナンジス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア: 206ポンド(93.44キロ)
カーロス・アルバーグ: 205.5ポンド(93.21キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス: 205ポンド(92.99キロ)
チャン・ミンヤン: 205ポンド(92.99キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン: 135.5ポンド(61.46キロ)
チィルイイースー・バールガン: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ: 126ポンド(57.15キロ)

<Road to UFC女子ストロー級決勝/5分3R>
シー・ミン: 115.5ポンド(52.38キロ)
フン・シャオカン: 115ポンド(52.16キロ)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ: 126ポンド(57.15キロ)
ホセ・オチョア: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン: 135ポンド(61.24キロ)
クァン・リー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ニコラス・モッタ: 155ポンド(70.31キロ)

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【UFN248】計量終了 続報女子握手問題&グータッチ禁止?! ジョーカーorオバQ、ブラックさん現れる

【写真】このメイクは正直、微妙。でも、そのやる気は買いたい(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)、明日23日(土・同)にマカオはコタイのギャラクシー・アリーナで開催されるUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」の計量が同地アンダース・ホテルのボールルーム16で行われた。
Text by Manabu Takashima

メインはピョートル・ヤンとデイヴィソン・フィゲイレドの元バンタム級&フライ級の世界王者対決。昨日の会見で「チーム・アルファメールで練習しているらしいけど、あのチームのファイターと俺はこれまで3度戦って3勝0敗だ。それが4勝0敗になるだけ」とフィゲイレドだけでなく、壁際で会見の様子を眺めていたユライア・フェイバーまで挑発したヤンだったが、計量後のフェイスオフでは互いに目立った挑発行為は見られなかった。

そのヤンは中国メディアのソン・ヤードンと再戦はないのかという問いに「俺はあいつを買っている。だから、もうあんな酷い目に合わせたくないんだ」と英語で返答。その英語が相当にスローモーだったため、逆に強烈な嫌味を発しているようにも見え――元ポルトガル領のマカオですっかりヴィランの役割を果たしていた。

ランク2位ながら10位との対戦を受けた理由を会見で「このオファーを受けたのは、ただ一つ母国のファンの前で戦いたかったから」と話していたコメイン出場のイェン・シャオナンも、タバタ・ヒッチと共に問題なく計量をクリアしていた。

2時間設けられた本計量、残り15分でワン・ソンと相対するガブリエラ・フェルナンジスがパスし全13試合、計26選手全員が計量失敗することなく終了した。

フェルナンジスが計量を終えた15分後に始まったフェイスオフ。その彼女と戦うワン・ソンはジョーカーの異名通りのメイクで登壇し、中国語でフェルナンジスを挑発する。しかし、笑顔を浮かべて若干オバQのようなワン・ソンに対し、「何を言っているのか分からない」とフェルナンジスは苦笑いを浮かべるのみだった。


それでもワン・ソンとフェルナンジスはしっかりと握手をして別れた。MMAPLANETが追い続けるファイスオフで女子選手は握手をしない問題――。今回は13試合中2試合で、フェイスオフ前後ともに握手がなかった。一つはRoad to UFC女子ストロー級決勝で同胞対決となるシー・ミン×フン・シャオカン。もう1試合はライトヘビー級=ヴォルカン・オズデミア×カーロス・アルバーグだ。

とはいえオズデミアとアルバーグの両者は向かい合うとグータッチをしようとし、拳を握っていたからか立会人のミック・メナードがスッと手を差し伸ばして両者の接触を避けた。つまり、事実上握手をしなかったのはシー・ミンとフン・シャオカンのみ。UFCマカオ大会でも女子は握手をしない説はまかり通ったことになる。

そんな計量でワン・ソンに次ぎ、気合が入っていたのがニャムジャルガル・トゥメンデムベレエルだ。モンゴルの民族坊を被り、胸の大きな虎のタトゥーの迫力が際立つニャムジャルガルに、UFCスタッフから「スーパークール」という声も聞かれた。

また計量会場にはBlack Combatのブラック代表の姿も確認されている。自らのプロモーションのバンタム級王者ユ・スヨンの戦いを見届けにきていたブラックさんに12月28日のコリョ大学でのイベントについて尋ねると、「日本から4選手が出場する」と明言。パンクラスのクリスマス決戦こそなくなった2024年だが、日韓MMAワールドは大晦日前の最後の1週間で未発表のイベントも合わせると4大会が実施される模様だ。それ以前に国内では上記にあるパンクラス、DEEP、NEXUS、GRACHAN、韓国ではZFNも行われ――まさにJ&K MMA界は僧侶こそ走り回ることはないが、大忙しの1カ月になりそうだ。

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT

■UFN248計量結果

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン: 135.5ポンド(61.46キロ)
デイヴィソン・フィゲイレド: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン: 116ポンド(52.62キロ)
タバタ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)
ムスリム・サリコフ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン: 126ポンド(57.15キロ)
ガブリエラ・フェルナンジス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア: 206ポンド(93.44キロ)
カーロス・アルバーグ: 205.5ポンド(93.21キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス: 205ポンド(92.99キロ)
チャン・ミンヤン: 205ポンド(92.99キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン: 135.5ポンド(61.46キロ)
チィルイイースー・バールガン: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ: 126ポンド(57.15キロ)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
シー・ミン: 115.5ポンド(52.38キロ)
フン・シャオカン: 115ポンド(52.16キロ)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ: 126ポンド(57.15キロ)
ホセ・オチョア: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン: 135ポンド(61.24キロ)
クァン・リー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ニコラス・モッタ: 155ポンド(70.31キロ)

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【UFN248】「BMFタイトル戦には敗者はいない?」。マカオを訪れたジャスティン・ゲイジーに訊く

【写真】ショートインタビューだったが、早口で多くを話してくれたゲイジー。しゃべりも勢いがあります (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナで開催されるUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」にジャスティン・ゲイジーが、ディエゴ・ロピスと共にゲストファイターとして訪れている。
Text by Manabu Takashima

もはや東洋のラスベガスといっても過言でないマカオ・コタイ地区のナイトライフを楽しんでいると公言するゲイジーに、そのファイトスタイルとBMF王座、そしてUFC世界ライト級タイトルの関係性について尋ねた。


――ジャスティン、実はWSOF時代に日本のGONGマガジンのインタビューをラスベガスでさせていただいたことがありました。もう10年も昔の話になりますが……。

「10年っていうことはないだろう。15年は昔だよ(※ゲイジーのMMAデビューは2012年)」

――とにかく大昔ですね。お父さんやおじいさんが銅の採掘をしていたという話をしてくれました。

「あぁ、アリゾナのモレンシー銅山で穴を掘っていたんだ」

――あの時、D-1オールアメリカン・レスラーのジャスティンに「なぜ、テイクダウンを使わないのか」を尋ねました。そうすると「レスリングじゃない。プロのファイトはファンをエキサイトさせないといけない」という風にジャスティンが返答してくれた記憶があります。

「それが俺のファイトだからね。レスリングをやるためにMMAファイターになったわけじゃない。ファイトをして稼ぐためにMMAを戦ってきたんだ」

――ハイ。そのスタイルをWSOFで3年間続けてUFCに転じた時は、正直なところジャスティン・ゲイジーもいよいよ戦い方を変える時がきたと思っていました。世界最高峰であの戦いを続けることはできないだろうと。それが……。

「ノー。俺は変わらない。これまでも、これからも。心配しなくて良いよ。俺はずっと、このままだ(笑)」

――いや、体のことは心配しますよ(笑)。

「アハハハハ。そこも心配しなくて構わない。なぜなら、俺が選んだことだから。レスリングは疲れる。レスリングをやると、バテて試合も勝てない。だから、殴り合っているんだ。それが俺の勝ち方で。レスリングをやっても、俺は勝てない」

――D-1オールアメリカン・レスラーが、本当にそうなのでしょうか。

「ファンだって、こっちの方が良いだろう? 俺もこっちが好きなんだ。レスリングじゃない、ファイトが」

――もちろんファンも、プロモーターもその方が良いです。では家族はどうでしょうか。

「おお、そっちか……。でもさ、マムが双子の俺たちにレスリングをやらせたんだ。4歳の時にゴルフキャップを持ってきて、ゴルファーになるか、レスリングをやるのかって尋ねられた。俺たちはゴルフを選ぶ気は一切なかった。でも、こうやって自分のスタイルを続け、いつだって求められた試合をしてきたことで今の俺がある。ファイトしてきたから、皆が俺を認めてくれたんだ」

――確かに普通のUFCファンは、世界王者を全て知っているわけではないですしね。

「でも、俺のことは忘れないだろ。それは俺があの戦いを続けてきたからだ」

――そこでジャスティンに尋ねたいことがありました。BMFのタイトル戦を戦う時と、UFC世界ライト級選手権を戦うときは気持ちの面など違いはあったのでしょうか。

「う~ん、リアルベルトが掛かっている時はプレッシャーがより大きかった。だって、勝つしかないだろ? チャレンジャーは。1試合、1試合がそれぞれしっかりと経験になるのは絶対だ。ただし勝って手にしてきてモノは、負けると全て奪われる。だからこそ、全ての試合で新しい経験ができる。そして、試合が終わると自分が何者が再確認できるんだ。全てが経験値を高めてくれる。それでも、世界タイトル戦のプレッシャーは群を抜いている」

――その点でいえば、BMFタイトル戦は戦う意思を見せ続ければ試合に負けても、敗者はいない。そんな印象を与えることができる戦いになります。

「うん、その意見は正しいな。ファイトはファンが喜ぶためにあるからね。そうだな……逃げずに、真っ向から戦う姿を見せることができればファンは文句を言わない。そして俺は自分がやりたいように戦っている。俺のファイトを、俺のことを皆がいつまでも覚えてくれるような戦いを続けたい。それには、インパクトのあるフィニッシュが欠かせない。

俺はマックス・ホロウェイでKOされた。ただし、そこには勝敗を超越した何かがあって……その何かを皆に見てもらうことはできたはずだ。それでも勝者と敗者は違う。負け喜んでいるヤツはない。ただし、ファンに認められているなら敗者はいないという意見は正しいと思う」

――ではジャスティンはUFC世界王座挑戦と、BMFタイトル挑戦を二者択一ということが起こった時には、どちらにチャレンジしたいと思うのでしょうか。

「もちろんライト級のワールドタイトルだ」

――それでも戦い方は変えない?

「MMAってクレイジーなんだ。俺が(シャーウス)オリヴェイラにレスリングを仕掛けてどうなる? ヤツの庭に自分から飛び込んでいくようなモノだろ?  一発、アイツの頭にパンチをぶち込んだら勝てる。殴り倒してからも、寝技をさせないためにパウンドにもいかなった。オリヴェイラが背中をつけていたから。それでも、俺は負けた。クレイジーだよ」

――オリヴェイラがスタンドで待つジャスティンに右を当ててダウンを奪ってから後ろ三角、そしてRNCで逆転勝ちでした。となると、さきほどレスリングをすると疲れると言っていましたが、例えばダゲスタンのレスラーとレスリングを使って戦うのも手ではないでしょうか。

「そりゃあ、使うだろう。ただしテイクダウンを奪うことだけがレスリングじゃない。テイクダウンを切るのもレスリングだ。レスリングはオフェンスとディフェンスがある。俺はレスリングを立って戦い続けるために使う。KOするために。足を蹴って頭を殴って倒すために、ね」

――そんなジャスティンの試合を次に見られるのは、いつ頃だと期待して良いですか。

「3月だ。俺は3月に戦いたい。相手は分からないけど、UFCが決めることだ」

――またビッグファイトになりそうですね。

「そりゃあ、そうだ。俺はいつだってビッグファイトをやってきたから」

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT

■UFN248対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
ムスリム・サリコフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
チャン・ミンヤン(中国)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国))
チィルイイースー・バールガン(中国)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ(英国)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
フン・シャオカン(中国)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
ホセ・オチョア(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(米国)
クァン・リー(ベトナム)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ(中国)
ニコラス・モッタ(ブラジル)

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Interview UFC UFN ESPN+106 UFN248 カーロス・ヘルナンデス ニャムジャルガル・トゥメンデムベレル. ブログ

【UFN248】オクタゴン初陣へ。ニャムジャルガル「同じアジアの人間として、日本のファンに自分の勝利を」

【写真】ヘルナンデスの防御力の高さは、鶴屋怜戦でも証明されている。果たして…… (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナでUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」が開催されニャムジャルガル・トゥメンデムベレエがオクタゴン初陣をカーロス・ヘルナンデスと戦う。
Text by Manabu Takashima

ニャムジャルガルは2023年3月にGladiatorフライ級王者となり、Road to UFCと契約。ワンマッチで2連勝し、UFCと契約を果たした2人目もモンゴル人ファイターとなった。

一度は今年の6月にヘルナンデスとの対戦が決まっていたが、流れていた。1年3カ月振りのファイト、UFCデビュー戦に挑むニャムジャルガルに話を訊いた。


――ニャム、ついにUFCデビューを迎えます。今の気持ちを教えてください。

「随分と時間がかかりましたが、ようやくUFCでデビューできることになり凄く嬉しいです」

――頬もこけて随分と精悍さが感じられます。と同時に減量の方が心配にもなってしまいますが。

「試合の前はいつもこうなります。減量があることで、試合に向かう気持ちも強くなり、勇敢に戦うことができるようになるので、減量は自分が戦うために必要なプロセスだと思います。減量を経て、野生も戻れるという感覚です。結果、よりパワフルで強いファイトができます」

――1度は6月にカーロス・ヘルナンデスと戦うことが決まりましたが、実現しませんでした。あの時はどのような気持ちでしたか。

「ビザが間に合わずに試合ができなかったのですが、例え自分のビザが取れても(ジャダンバ・ナラントンガラグ先生のビザが取れなくて、米国のビザを持っているダナー・バットゲレルさん(元トンガーのチームメイトで、元UFCファイター)がコーナーに就くことになっていました。

今となっては、あの時は自分にもチームにとってもベストタイミングではなかったと思います。あの時よりも、今の方が全ての状況が整っています。あれから3カ月分練習もできましたし、今回こそがUFCデビューに向けてパーフェクトタイムだと思っています」

――ところで去年の8月のRoad to UFCワンマッチ出場から、1年3カ月。シャンダスMMAのチームメイトは、日本やONEで試合を重ねるなか焦りはなかったですか。

「確かに長い間待ち続けてしましたが、焦りはなかったです。家族との時間も持てましたし(ニャムジャルガルの両親は、今も遊牧民)、しっかりとトレーニングをすることもできました」

――シャンダスにはオトゴンバートル、シネバートルなど日本で活躍するようになった後輩もできました。

「シャンダスはモンゴルのMMA界でベストチームです。最高の先生と戦術、そしてチームメイトが存在しています。一時期、通う時間が掛かるので違う場所で練習をすることもあったのですが、もともとはシャンダスでもやっていました。日本のGladiatorでチャンピオンになった後、またシャンダスに戻り自分の戦いはずっと良くなったと思います。特にシャンダスに戻り、長い距離での戦いが成長しました。

結果、もともと接近戦には自信があったので自分のゲームは穴がなくなったはずです。最近では言われたように新しいファイターも成長しており、これ以上の環境はモンゴルではないと思います」

――ではカーロス・ヘルナンデスの印象を教えてもらえますか。

「それは、戦いで見せます」

――本当にモンゴルの選手たちは、寡黙で……(苦笑)。

「ハハハ。言葉でなく、拳で見せます」

――ヘルナンデスより、上回っている部分はどこだと思っていますか。

「彼はレスリングや打撃を得意としているようですが、どちらも自分の方が上です。恐れることは何もありません」

――日本の平良達郎選手、鶴屋怜選手が既に彼に勝っています。日本のファンからすると、直接の比較対象になる相手です。

「日本の人たちが、そういう風に見ていることは理解できます。でも自分はモンゴル人で、日本の選手とは違う特徴があるので。そういうところを期待してもらえれば……と思います」

――2024年唯一のアジアでのUFCですが、残念ながら日本人選手の出場がありません。そのなかでグラジでチャンピオンになったニャムを応援するファンも日本にいるはずです。

「そういう風に言ってもらえることが光栄です。日本のファンは本当に尊敬すべき存在です。同じアジアの人間として、日本のファンに自分の勝利を共有してほしいと思っています。自分のことを応援してくれる皆のために戦います」

師匠トンガー。マネージャー、通訳の女性と

――ところでチームメイトのオトゴンバートルが、ニャムが巻いていたタイトルを賭けて戦う日も近いかと思います。

「オトゴンバートルがGladiatorのベルトを巻ける日がくるのを願っています。モンゴル人はMMAで戦うのに適した民族です。これからもっと世界を舞台に戦う選手が出てくると思います。そのためにもオトゴンバートルには、自分が巻いていたベルトを手にしてほしいです」

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT

■UFN248対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
ムスリム・サリコフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
チャン・ミンヤン(中国)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国))
チィルイイースー・バールガン(中国)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ(英国)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
フン・シャオカン(中国)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
ホセ・オチョア(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(米国)
クァン・リー(ベトナム)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ(中国)
ニコラス・モッタ(ブラジル)

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45 AB BELLATOR DWCS LFA LFA192 MMA MMAPLANET o Road to UFC UAEW UFC アイザック・トムソン アジス・オソルベク・ウウル エジソン・バルボーサ カーロス・ヘルナンデス ケヴィン・ボルハス ジャスティン・スコッギンス フィリッピ・エスティビス マーク・クリマコ ユライア・フェイバー ヴィクトル・ジアス 上久保周哉 松嶋こよみ 鶴屋怜

【LFA192】RTU=マーク・クリマコ×DWCS=ヴィクトル・ジアス。バンタム&フェザー級も見逃せない

【写真】Road to UFCからUAEW、そしてLFA。UFCを目指し、流離いつつLFAに戻ってきたクリマコ (C)MMAPLANET

13日(金・現地時間)、カリフォルニア州サンタクルーズのカイザー・パーマネンテ・アリーナでLFA192「Climaco vs Dias」が開催される。
Text by Manabu Takashima

メインでは昨年のRoad to UFCフライ級準決勝で鶴屋怜に判定負けを喫したマーク・クリマコが地元といって良い北カリフォルニアのサンタクルーズで、ヴィクトル・ジアスを迎え撃つ。


ヒザの負傷で万全でなかったとはいえ、クリマコは鶴屋にとってUFCデビュー戦のカーロス・ヘルナンデスと並びフィニッシュできなかった対戦相手だ。加えてヘルナンデスよりも拮抗したファイトになっていた。

そんなクリマコにとって北カリフォルニアで試合は2018年5月のBellatorサンノゼ大会以来、実に6年4カ月振りとなる。Road to UFC後はUAEWで南アフリカのフライ級の新鋭トゥメロ・マニアマラにスプリット判定勝ちして以来の実戦となる。

対するジアスは柔術黒帯でマルロン・モラレスやエジソン・バルボーサと同郷のファイターで、両者を追ってATT所属となっている。クリマコが10勝3敗なのに対し、ジアスは10勝2敗でTitan FCでフライ級王者となり、昨年のコンテンダーシリーズに出場している。しかし、ペルーのケヴィン・ボルハスに判定負けを喫してUFCとの契約はならなかった。

それでも今年の6月にはジャスティン・スコッギンスをRNCで破り、LFAから世界最高峰を目指すことを選んだ。いってみるとRoad to UFCとDWCSで躓いたファイター同士が、ノンタイトルの今後を大きく左右する一戦に挑むことになる。

また本日、松嶋こよみと上久保周哉のLFAとの契約が発表されたが、そうなるとフェザー級とバンタム級はマストウォッチとなる。

コメインで組まれたキルギスのアジス・オソルベク・ウウルとブラジルのフィリッピ・エスティビスのバンタム級戦は前者の計量失敗で138ポンドのキャッチウェイト戦で実施される。

フェザー級ではチーム・アルファメール所属のダウンアンダー=アイザック・トムソンがイズラエル・デルガドと戦う。

プロ3戦目からLFAで戦うトムソンは、まだ22歳ながらユライア・フェイバーがその将来性の太鼓判を押す完成度の高いウェルラウンダーだ。しかし、4月のシャヒーン・サンタナにまさかのスプリット判定負けを喫している。この一戦に敗れ、コンテンダーシリーズ出場を逃したといっても過言でないトムソンの再起戦──対戦相手のデルガドを含め、松嶋の対戦相手になる可能性があるだけに、上記の138ポンド契約戦となったオソルベク・ウウル×エスティビスと共に見逃せない。

オロルベク・ウウル×エスティビス戦以外もミドル級のランデル・ウォレス×ヘナト・ヴァレンチ、女子ストロー級のケンドラ・マッキンタイヤー✖クリスザイダ・アデームスも共に前者が体重をリミットまで落とせず契約体重マッチとなっている。

6試合のメインカード中3試合がキャッチ戦、常にそうではないが体重超過率は高い──それもLFAの現実として知っておく必要があるだろう。

■視聴方法(予定)
9月8日(土・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS

■ メイン対戦カード

<フライ級/5分3R>
マーク・クリマコ(米国)
ヴィクトル・ジアス(ブラジル)

<138ポンド契約/5分3R>
アジス・オソルベク・ウウル(キルギス)
フィリッピ・エスティヴィス(ブラジル)

<189.6ポンド契約/5分3R>
ランデル・ウォレス(米国)
ヘナト・ヴァレンチ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
アイザック・トムソン(豪州)
イズラエル・デルガド(米国)

<116.8ポンド契約/5分3R>
ケンドラ・マッキンタイヤー(米国)
クリスザイダ・アデームス(米国)

<ミドル級/5分3R>
テオ・ヘイグ(米国)
ディラン・ダイビッツ(米国)

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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC303 YouTube   カーロス・ヘルナンデス 平良達郎 鶴屋怜 鶴屋浩

【UFC303】オクタゴン初勝利。鶴屋怜&鶴屋浩、親子対談─01─「思った以上の技術力」(怜)

【写真】勝って兜の緒を締めている──そんな鶴屋親子だった (C)MMAPLANET

6月29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたUFC303で、UFC初勝利を挙げた鶴屋怜。
Text by Manabu Takashima

カーロス・ヘルナンデスとの一戦はジャッジ3者とも29-28をつける快勝だった。と同時に平良達郎が一本を極めている相手だっただけに、判定勝ち──に加えて最終回を取られたということでファンの反応は様々だった。

とはいえUFC初戦をしっかりと勝利できたことは、今後を考えると大きい。それゆえにフィニッシュ勝利をデフォルトと考えていた怜自身、そして陣営のあり方も記念すべきUFC初勝利を父・浩氏とともに尋ねた。


「ツイスターに固執してしまいました」(怜)

──UFC初勝利、おめでとうございます。

 ありがとうございます。

──試合内容、試合に関するファンのリアクション、様々な反応があったかと思いますが、何があろうがUFCデビュー戦で勝った。おめでとうございます以外の言葉は、それ以下のモノでしかないです。

 とりあえず初戦は勝たないといけない。勝たないと意味はないので、そこは嬉しいです。でも達郎君がフィニッシュしている相手だし、自分もフィニッシュをしないといけないという気持ちが強過ぎたかと思います。そうですね……余裕があり過ぎました。

──余裕があり過ぎた?

 ハイ。試合中でなく、試合前ですね。勝てる相手だから、どうフィニッシュしようかという想いが強過ぎて。それが空回りをしてしまったような気がします。打撃が上手い選手だという感覚でいたのが、いざ試合が始まると寝技が巧かったです。やじろべぇスイープとか使っていて。ああいう動きって、UFCでも余り見られないじゃないですか。

──やじろべぇスイープ……というのが、分からないですが……(笑)。ヘルナンデスはXガードからやハーフ、ディープハーフからスイープを仕掛けていました。

 防御が巧かったですね。こいつは小さい頃からやってきて、当時の技の名前のままなんです。今時の若い選手はやじろべぇ・スイープなんて言わないですよね。

──確かに(笑)。それにしてもヘルナンデスは、防御力が高かったです。

 全く寝技がゼロの選手だと思っていたのが、逆に寝技の選手かと思うぐらい巧かったです。対策もされていました。ツイスターに関しても、入ろうとしうた瞬間に相手のセコンドが、凄く指示をだしてきて。そこでワキを取られなくなりました。「あぁ研究されているな」と思いましたね。ただ、そこからバックを狙えば良かったのですが、僕自身もツイスターばかり狙ってしまって……。いつもなら冷静にバックに回っているのに、なぜかツイスターに固執してしまいました。

──RNCの方がフィニッシュできるイメージがありますが、それはツイスターより仕掛けが多いからで。相当数、防御されています。逆にツイスターの方が極まるという印象もありますしね。

 それにツイスターは過去にUFCでも3度ほどしか極めた選手がいなくて。やっぱりインパクトを残せるというのがあって、試合前からもそういう話もしちゃっていました。そうなるとボーナスはあるよねとか……。そこでツイスター狙いに頭が固まってしまっていましたね。

──とはいえセコンドがツイスターの防御を指示したとしても、実行できるのはヘルナンデスの防御力であるということで。その防御力がつくだけ、トラックポジションからの攻防ができるパートナーがいるということかと。

怜 いやぁ、足を抜いて来るとは……あの反応は、ちょっと驚きました。腕が取れてから、足を抜かれるっていうのは。しかもクロスするところに入れてきて。あの反応をしてきた人は、練習でもほとんどいなかったです。想像以上に柔術のスキルが高い選手でした。

──それがUFCということでしょうか。

 あの相手に判定かと思われたかもしれないです。でも、思った以上の技術力で……やりにくいところがありました。と同時に、そうじゃないという風に舐めていたところは反省しないといけないです。

──それはきっと怜選手だけではないと思います。例えば今回、MMAPLANETとでの試合前のインタビューは亀池氏にお願いしたのですが、彼もそうだし、自分もそう。勝てる。一本が取れる相手という風に見ていたことは間違いないです。恐らくは他の媒体も、中継スタッフにもその空気があったかと思います。

 正直を言えば、僕らサイドも舐めていたところがあります。僕も対戦相手の試合映像を何度も繰り返しチェックしました。そして「この相手だったら、問題ない。一本を取りに行けるぞ」という風に話してしまっていました。今の怜の力なら2Rで取れるという確信があったんです。つまり僕自身、試合に向けて緊張感が欠けていたかもしれないです。

「失速したという意見も聞きましたけど、そういうことはなかった」(怜)

──とはいえ1Rと2Rは攻め続けての判定勝ちですし、反省ができた勝利というのは大きくないですか。

 そうですね……試合後に彼に伝えたことは、1Rのヒザ十字からアンクル(トーホールド)という足関節。UFCという舞台でああいう技はやはり極まり辛いですし、仕掛けもそうですが力を使い過ぎたことは反省しないといけない。

それと3Rのスープレックス(ベリートゥベリー)、汗をかいている状態であの仕掛けをするのは慎重さが欠けていたのではないかと。特に本来のクラッチの組み方ではないのに強引に仕掛けてしまったことは。

 クラッチに関しては左を上に組むと、左に投げることができます。でもあの時はテイクダウン狙いで懐に入っていたので、右手が上にあって。あの組手だとグレコローマン・レスリングでも、あまり返せることはないです。それなのに相手がレスラーでないし、行けるだろうと強引に仕掛けてしまいました。そうしたら全く手繰れていなくて。

 下になって、結果的には何もされなかったですが、今後は命取りになるような相手がいるということを話しました。

 ただ、あそこから失速したという意見も聞きましたけど、そういうことはなかったです。

──そのままボトムに収まったという印象は強いですが。

 上を取り直して攻めようと僕は思っていました。でも岡田(遼)さんから「下で休んで良いから」という指示があったんです。本当に何をされることもなかったので、下でしばらく様子を見ることにしたんです。にしても、上手く流しに行っていたというのはありますね。

 相手がガッチリと抑えてきたじゃないですか。あそこで攻めてくると、怜も動いていたはずです。殴ってきたりすると、下でも創って行ける。ただ、動かないなら無理に動くとこっちが疲れるし、相手がそこをついてくることもある。なので休んで良いという指示にしました。

 ブーイングも起こっていましたしね。

 2分ほど休んで、休んで起き上りに行こうと。

 実況でワキを差されているのが良くないって言われていたのですが、あれはワキを差させているのではなくて小手を巻いていたんです。別にワキを差されているという実感はなかったです。

──29-28で良いという判断と、30-27……あるいはポジションを挽回してフィニッシュを狙って欲しいという希望もあったかと思います。ただ、自分も中継を視ていてスタミナをロスしたという風には感じました。

 僕も最初から最後まで上になってずっと殴り続けようと思っていたんですけど……プランと違うことが起きて、そこはパニックまで行かないですけど、焦ったというのはあります。同時に相手も相当に疲れていて殴ってこないし、腕を押し込んでくるだけだったんです。なら、こっちから動いてリスクを冒す必要はない。押し込んでくるので小手を巻いていれば、大丈夫という判断をしました。

──結果、ハーフからシングルで起き上りクリンチでケージに押し込んだ。その時点で残り2分10秒になっていました。

 あそこから押し込まれて、無双を仕掛けたんです。そこで上になりたかったのですが、あれも判断ミスでした。バックを取られかけて、そこも危ないという風に思われてしまったようです。僕自身は、問題はなかったのに。

──無双はMMAも有効な技だと捉えていました。

 位置ですね。

 ケージがあったので、相手は崩れそうになったのに詰まって転がらないで済んだんです。で、僕の方が無双をかけていたから、バックを取られかけてしまって。

──無双だと、体を沈めますしね。

 ハイ。あれはオクタゴン中央で仕掛けるべきでした。

 無双に関しては、怜は高校の時から得意にしていたんです。ジムでのスパーリングでも決めることもできている。でもあの試合では、仕掛ける場所が良くなかった。そこも反省点ですね。仕掛ける技、場所、時間帯を考えようと。

<この項、続く>

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC303 カーロス・ヘルナンデス 中邑真輔 鶴屋怜

【UFC303】組んで。投げて。攻めて、疲れた。鶴屋怜、オクタゴン初陣は29-28×3の判定勝ち

<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
カーロス・ヘルナンデス(米国)

グローブタッチから右ジャブを見せる鶴屋が、レベルチェンジのフェイク。そして左リードで前に出る。ヘルナンデスは蹴りのフェイントを見せ、左ロー。鶴屋はダブルレッグから左足を取ってテイクダウンも、スクランブルからバックに回ったヘルナンデスが前方へスラム。鶴屋はキムラからヒザ十字に移行し、反応したヘルナンデスと共にスタンドに戻る。

ヘルナンデスが左ロー、右を見せる。鶴屋はジャブに左ジャブを合わされそうになる。ケージを背負ってからシングルに出た鶴屋は、ケージにヘルナンデスを押し込むとベリートゥベリーで後方に投げテイクダウン、サイドで抑える。ヘルナンデスはディープハーフもトップをキープした鶴屋は、トラックポジションからバックに。両足をフックすると背中を捩じるように逃げたヘルナンデス。ここから鶴屋は再びトラックに戻り、初回を戦い終えた。

2R、即ダブルレッグに出た鶴屋がリフトしてテイクダウン。ネルソンのヘルナンデスをねじ伏せるように背中をつかせる。頭を抜いた鶴屋はシングルのヘルナンデスにクルスフィックスへ。いわゆる腹固めでエルボーを落とすと、自ら背中をついてヒジを続ける。ヘルナンデスの反転にバックを取った鶴屋は、パンチを入れてフックを狙う。体を滑らせて背中をつけたヘルナンデスだが、再び鶴屋はトラックポジションに。ツイスター狙いの鶴屋は、腕を取らせないヘルナンデスにエルボーを落とし、ついにツイスターへ。足を抜こうとするヘルナンデスだが、サイドに移行した鶴屋は足を戻されても枕で抑えた。

ヘルナンデスのハーフから仕掛けを頭を掛けて潰し、エルボーを入れた鶴屋。さらにスクランブルのなかでパンチとエルボーを落としラウンド終了となった。

最終回、「上手く戦え。あと1R頑張れ」と父のアドバイスを受けた鶴屋は、すぐにシングルレッグに出て、ボディロックから後方に投げようとして潰される。下になった鶴屋は、肩で顔を潰されるがワキは許さない。レフェリーが動くように指示を受けたヘルナンデスに対し、質やが潜ってシングル狙いへ。ダースを取らせないでボディロックからレッスルアップの鶴屋は、ケージ押し込まれも時間を使う。鶴屋は前方に崩されつつ、腰に乗せて投げようとする。ここもポジションを許し切らず、立ち上がった鶴屋。ヘルナンデスも押し込むだけで、その先は鶴屋が防いでいる。

鶴屋はポジションを入れかえようとしたが、再びケージを背負わされシングルを防ぎ切ってタイムアップに。ジャッジは3者とも29-28で鶴屋を支持しコーナーを務めた中邑真輔ポーズを取った。


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【UFC303】バンタム級の新鋭ペイトン・タルボット「安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

【写真】スクショを撮る際に、5秒以上も目を剝いて待ってくれていたタルボット。実はいいヤツ (C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303「Pereira vs Prochazka 2」で、ペイトン・タルボットがヤニス・ゲムリと戦う。
Text by Manabu Takashima

2023年のコンテンダーシリーズでUFCと契約し、2試合連続でKO勝ちのタルボット。キャリアは8戦8勝、負け無しの新鋭は自らの一番の武器はペースだと言い切った。


MMAに求められるのは、アクションだから

――今週末にヤニス・ゲムリ戦を控えたペイトンです。調子はいかがですか(※取材は26日に行われた)。

「最高だよ。ヤニス・ゲムリとは良い顔合わせだと思う。殴り合って、エキサイティングなファイトをするよ」

──UFCで2度戦って2つのKO勝ち、判定勝ちだったコンテンダーシリーズのファイトも素晴らしいパフォーマンスでした。そんなペイトンのことを我々は、まだまだ分かっていないのですが、なぜMMAを始めたのですか。

「2017年、18歳の時にコナー・マクレガーの影響を受けて、試しにジムに行くようになった。すぐにマーシャルアーツに夢中になったよ。トレーニングをしていると、試合に出るようになって。そうなると、日に日にMMAへの想いが強くなっていった」

──MMAを始める前に格闘技の経験はあったのでしょうか。

「凄く小さな時にボクシングをやったことがあったけど、全然ダメで2カ月ほどで辞めてしまった。経験という経験があったのはレスリングだけで。レスリングはハイスクールを中心に4年ほどやっていた。けど、コレといって目立った戦績は残していない」

──それでもレスリングというベースがあったのですね。ファイトスタイルから、打撃系格闘技の経験の持ち主だと勝手に思っていました。

「う~ん、打撃が自分の一番の武器だとは思っていないよ」

──そうなのですか。

「僕の武器は体力だ。ハイペースで15分間、戦い続けることができる。結果、対戦相手は疲れて僕の打撃の餌食になるんだ」

──まさに現代MMAの申し子ですね。

「だって皆、それが見たいだろう? テイクダウンをされて、ガードの中に相手を入れて止まるなんて試合は誰も見たくないはずだ。MMAに求められるのは、アクションだから。それにケージのなかでは動きが多い方が、勝つ確率も高くなる。だから、常に動いてペースの速い試合を心掛けている」

──そして、フィニッシュを狙うのがコンテンダーシリーズ世代ですね。

「もちろん、フィニッシュを狙うのは当然だ。もともと、組んで倒してコントロールする試合なんか、好きじゃなかったし。そうやって勝つファイターがいることは分かっている。それはそれで構わないけど、そんなことがしたくてMMAを戦っているわけじゃないから。

結果的に僕は自分がやりたいことをするためにオクタゴンに上がっている。それこそが、コレをやって金を稼ぐのに相応しいファイトだと思っている。安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

日本のアニメから受けた影響も絶大だよ

──それこそ、コナー・マクレガーに感化されてMMAを始めたペイトンらしいファイト・フィロソフィーですね。

「実際にMMAのトレーニングを始めてからも、コナーから受けた影響は大きい。あとはマックス・ホロウェイ、そしてネイト・ディアズ……でも、子供の頃に日本のアニメから受けた影響も絶大だよ(笑)。ドラゴンボールZに、幽遊白書からファイティング・スプリットとは何かを学んだんだ」

──なるほどぉ。では日本のMMAに興味を持ったことは?

「それは……余りないかなぁ。なんか、凄いステージがあって、ダンスをしたりしているのは受けたけど(笑)。ファイターでは、UFCとサインをしたばかりの……。そう、カイ・アサクラだ。彼のハイライトは見たよ。良い選手だよね」

──では同じバンタム級でUFCデビューを果たし、連勝中の中村倫也選手の印象を教えてください。

「う~ん、ちょっと分からないなぁ……。あのレスラーかい?」

──そうです、レスリングがベースです。

「まぁ、視界に入ってくれば気にかけるようにするよ」

──……押忍。では、土曜日に戦うゲムリの印象は?

「きっと、たくさん蹴ってくるだろうね。そしてカウンターの一発を狙って、我慢強く戦ってくるはずだ。ちょっとフラストレーションがたまる試合になるかもね。あの動きを僕のグルーブに誘い込むのは、ちょっと面倒くさいと思う。

ちょっと変な打撃だろう? なんか蹴りとパンチのコンビネーションがおかしいんだよ」

──確かに。構えも特徴的で。ただ、時折り力強いクリンチゲームも展開します。

「あんまり寝技の展開は見たことがないけど、上半身を固める組みを使うのは確かだ。でも、あんな風に固めてくるとスタミナを無駄にするだけだ。そこから先は、彼のやりたい試合にはならない。まぁ、何分間も相手をケージに押し込むようなヤツだよ。

だからこそ、動きまくって肉弾戦を皆に見てもらいたい。まだ僕のことを認識していないファンがいれば、きっと考え方が変わる試合になる。もう意識しないわけにはいかなくなるよ。しっかりと皆が喜ぶ試合をし続けるよ」

──その先に狙うは、タイトル挑戦と。

「そうだね、上手くいけば1年半後ぐらいにはトップに立っているだろう」

──ペイトン、今日はインタビューに時間を割いてくれてありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「ハイ。アリガトゴザイマス。オヤスミ」

■視聴方法(予定)
6月30日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■ UFC303対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] イリー・プロハースカ(チェコ)

<ライト級/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国)
ディエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
ロマン・デリツ(ジョージア)

<女子バンタム級/5分3R>
マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)
メイシー・シェエソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
マイケル・ペイジ(英国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R
カブ・スワンソン(米国)
アンドレ・フィーリ(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ペイトン・タルボット(米国)
ヤニス・ゲムリ(フランス)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
マルティン・ブダイ(スロバキア)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
鶴屋怜(日本)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)

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【UFC303】UFCデビュー、鶴屋怜「『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、プラスに考えています」

【写真】いよいよUFCデビューを迎える、鶴屋怜 (C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303で、いよいよ鶴屋怜がカーロス・ヘルナンデスとオクタゴンデビュー戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

今年2月にRoad to UFC2023のフライ級を制し、UFCとの契約を勝ち取った鶴屋が本当の意味で世界最高峰に挑む。そんな鶴屋にRTUの最中にスタートした土居進トレーナーによるフィジカルトレーニング、そして気になるあの2人についても訊いた。


ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれて

――試合から10日前のインタビューとなります(※取材は6月19日に行われた)。今は減量期に入っているのでしょうか。

「はい。現地入りまでに脂肪は落として、あとは水抜きという状態にしていきます」

――海外での水抜きは国内とも勝手が違うかと思います。Road to UFCの3試合では、いずれも現地で水抜きも順調に行うことができましたか。

「海外で水抜きするのはRTUが初めてでしたけど、問題はなかったですね。現地に5日間もいると意外と慣れてきて、日本と変わらない感覚で水抜きができました」

――そのRTUで3試合、さらにATTで練習することで、海外の滞在も慣れたのではないですか。

「やっぱり米国となると時差ボケは出て来ますよね。ちょっと気持ちが悪くなったりとか。でも現地に入ってから3日ぐらい経てば、普通の状態には戻ります」

――今年2月にRTUを制してUFCとの契約を勝ち取ってから、いつ頃に本戦デビューを迎えたいという希望はありましたか。

「あくまで自分の希望ではありましたけど、8月か9月ぐらいにランカーと対戦したいという気持ちはありました。初戦でランカーと試合して、あと年内はもう1試合ぐらい戦えばいいかな、という感じで。

だけどATTに行って1週間と少しぐらい経った頃、急に『ナンバーシリーズで試合をしないか? 』という連絡が、米国にいる時に来たんですよ。試合まで1カ月半ぐらい……自分も全然、気持ちが乗らなくて。でも、いろいろ考えて『出よう』と思いました。やっぱり初戦がPPV大会になるのは大きなことですし」

――試合順はともあれUFCデビュー戦がラスベガスで、しかもT-モバイル・アリーナというのは大きいですよね。

「そうですね。ファイターとしてはラスベガスの大きな舞台で試合をするのは夢ですから。『ひとつ小さな夢が叶ったな』という気持ちはあります」

――オファーが来た時には、大会のメインがマクレガー×チャンドラーになると決まっていたのでしょうか。

「まだ正式には決まっていないけど、チラホラ噂されていた――って状態でしたね。自分もオファーが来た時に『マクレガーが出るかもしれないなぁ』ということでOKしたのもあります」

――自分がT-モバイル・アリーナで試合をしたあと、現地でマクレガー×チャンドラーを観ることができたら一挙両得かもしれません(笑)。その後、マクレガーの試合はなくなりましたが……。

「アハハハ、そうなんですよ。T-モバイル・アリーナのPPV大会のほうが、APEXで試合をするよりも注目は浴びますし。だから少し急ではあってもオファーを受けました。

でも最初は『マクレガーと一緒に大会に出られて嬉しいな』と思っていましたけど、調整や減量を進めて、今はもう自分の試合が最優先になりますからね。マクレガーが出ないと聞いて残念ではありますけど(苦笑)」

――米国滞在中に試合のオファーが来たことで、現地で対策練習を始めたのでしょうか。それとも日本に帰国してからでしょうか。

「米国に行って1週間と少し経ってからオファーが来たので、そのことをコーチや周りの選手に伝えたら一緒に対策練習をやってくれました。ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれていて、ペドロに試合の話をしたら『じゃあオーソドックス(カーロス・ヘルナンデスはオーソ)対策のミットを持ってくれる人を呼ぶよ。今日は何時にジムへ来ることができる?』とセッティングしてくれたんですよ。ペドロも相手の動画を視て、いろいろ教えてくれたり。本格的に対策練習をしたわけじゃないけど、いろいろ対策を考えたりしてくれた――という感じです」

(C)HIROSHI TSURUYA

――なるほど。

ATTに行く前から、魔裟斗さんのフィジカルコーチを務めていたことで知られる土居進トレーナーによる、いわゆる「土居トレ」が始まっています。

「土居トレが始まったのは半年ぐらい前で、父(鶴屋浩)が土居さんにお願いしたそうです」

鶴屋浩 僕がずっとゴン格に掲載されていた土居トレの連載を読んでいたんですよ。ある時、試合会場で土居さんにお会いした際、ご挨拶して「今度ウチの選手をお願いします」と伝えました。最初はずっと土居さんに千葉へ来ていただいて、今は怜が土居さんのジム(新宿のパーソナルトレーニングジムSkyLive-R)に通っています。

――これまで行ってきたトレーニングと土居トレで何か違いはありますか。

「これまで、というか――もともと筋トレやフィジカルトレーニングはやっていなかったんですよ。高校までレスリングをやっていて、フィジカルで負けることもなかったし、練習もスパーリングばかりでした。

でも土居トレを取り入れてから、通常から筋肉質になってきました。昔は結構太った状態から減量していたんですけど、普段から脂肪もつかなくなってきて。さらに減量したあとも筋肉が残って、良い動きができるようになりましたね。筋肉量が増えたおかげで、減量も水抜きがやりやすくなりました」

――土居トレといえば、まずは走りこんだりパワーマックスを漕ぎまくるというイメージがあります。

「自分の場合はパワーマックスとローイングマシンを漕ぎまくっていますね。トレーニングが終わったあとは毎回、足が痛すぎて動かないぐらいです。終わって10分ぐらいジムの床に寝転がっている状態で」

――半年前ということは、RTUの時にはもう土居トレを始めていたのでしょうか。

「準決勝の後から、ですね。準決勝では腕がパンパンに張っていたんですよ。足を怪我していてトレーニングできていなかったこともあるでしょうけど。で、決勝戦の前から土居トレを始める時、土居さんに伝えました。すると『そういう時は――』って、腕が張りにくくなって、さらに力も継続するトレーニングを組んでくれましたね」

――本戦デビューに向けて、土居トレの効果は大きな武器となるでしょうか。

「そうですね。スタミナ面も今までとは違いますし、組んだ時の腕の張り方も変わってくるでしょうから。RTU決勝は1Rで終わったから良かったけど、これが3Rになったら大きく役立つと思います」

『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』

――その本戦デビュー戦の相手はカーロス・ヘルナンデスに決まりました。ヘルナンデスは2023年12月、平良達郎選手にKO負けを喫しています。どうしても今回の試合は、平良選手と比べられてしまうでしょう。

「どうなんですかね? 自分としては『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』と思っているぐらいですよ。まぁ『達郎君が勝っているから』と言ったら変かもしれないけど……、別に怖い相手じゃないですし。アハハハ」

――鶴屋選手が平良選手のことを知っているからこそ、ヘルナンデスの力量を測りやすいということですか。

「そうです。達郎君が2RでKOしているから、自分がどれくらいでフィニッシュできるかどうか。それで自分がランカーに通用するかどうかも分かりますしね。自分としてもフィニッシュできると考えていますし、『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、自分はプラスに考えています」

――このマッチメイクは、むしろ鶴屋選手にとってアドバンテージになるかもしれないと。

「全く名前も知らないけど謎の強い選手と当てられるよりは、達郎君と対戦したことで日本でも知っている人はいるでしょうし、その相手をブッ飛ばせばオイシイと思っています」

――ではカーロス・ヘルナンデスの印象を教えてください。

「ストライカーなんだろうけど結構テイクダウンに来るな、というイメージですね。テイクダウンに来てくれれば、ありがたいです。そのほうが自分も疲れないし、1Rでフィニッシュできるんじゃないですか。逆にマウントを取りに行くと、バネで跳ね返してくる印象があるんですよ。バネの力は強いので、そこだけ気をつけて削っていけば問題ないです」

朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やります

――最後に、他の選手についてお聞きします。まずは先日、平良選手がアレックス・ペレスを下した試合について感想をお願いします。

「お互い5R戦うつもりでいてけど、結果的に2Rにああいう決着になったと思うんですよ。自分としては相手のランカーとしての力は分かりづらい試合でしたね。もうちょっと長く視たかったです」

――ではもう一人、朝倉海選手のUFC参戦が発表されました。ここ最近では日本人選手がRTUやDWCSを経ずに本戦出場というケースは珍しくなったと言えます。

「う~ん……、自分はRTUに出てUFCと契約するスタイルが多くなってくると思っていたので、『そういう形もあるんだ』と思ったぐらいですね。朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やりますし。まだ出場が決まったばかりなので分からないですよね」

――平良選手の活躍と朝倉選手の参戦もあり、またUFC日本大会の開催も話題になっていうるようです。

「日本大会が開催されたら面白いですね。もっと日本の人たちがUFCのことを知ってくれるでしょうし、そのためには良い機会だと思いますよ。まず自分がデビュー戦はしっかり1Rで、一本かKOで勝ちます。応援よろしくお願いします!」

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