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【ONE161】LAで会見。9月以降の米国配信時間帯大会のスケジュール発表。アジア向け大会、開催地は?!

【写真】チャトリは3月のONE X終了時に米国で新たな中継プラットフォームに言及し、さらにアジアツアー再会に言及していた…… (C)MMAPLANET

20日(水・現地時間)、ONEチャンピオンシップがカリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウンにあるザ・ノボでAmazon prime videoと会見を開き、8月以降のAmazonプライムでの米国・カナダにおける中継スケジュールを発表した。

米国東部時間の26日(金)、午後9時からリードカード(プレリミ)、午後10時からメインカードがライブ配信されるONE161。Amazon プライムでの初ライブ配信に向け、同会見でチャトリ・シットヨートンは「プライムビデオとの信じられないような新しい関係の構築にワクワクしている。前回、アドリアーノ・モライシュとデメトリウス・ジョンソンがザ・サークルで戦った時はCOVID19のプロトコルの関係で、ファンが会場で観戦することが許されていなかった。今回は会場のファンと世界中の数百万のファンに、米国のプライムタイムに観てもらうもらえる最高の船出だ。ONEは米国のファンにこれまで見たことがない、ユニークが体験をしてもらう。マーシャルアーツをより広義に捉え、世界のベストファイターの活躍をプライムビデオで見て欲しい」と話した。


今回、そのONE161を皮切りに9月30日、10月21日、11月18日、12月2日が米国配信時間、つまりアジア時間帯では10月1日、10月22日、11月19日、12月3日の土曜日の午前スタートとなる4イベントのスケジュールも明らかとなっている。

既報の通り、ONE161は土曜日の朝の米国向けショーで金曜日には通常のアジア時間のONE160が開かれる。今回の発表ではアジア向け大会のスケジュールは言及されていないが、9月30日、10月21日、11月18日、12月2日との連日時差イベントとなるのか、正式発表を待ちたい。

また対戦カードの発表、イベントタイトルの発表も9月以降のイベントに関しては触れられなかったが、これらの大会は全てシンガポール開催となるのか、3月のONE X時にチャトリが口にしたタイ、フィリピン、日本、あるいは新天地=韓国というアジアサーキットが再開されるのか、今後のアナウンスを待ちたい。

■ONE159放送予定
8月26日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Supper App

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)

<ONE Super Seriesムエタイ暫定世界女子アトム級王座決定戦/3分5R>
ジャネット・トッド(米国)
ララ・フェルナンデス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
箕輪ひろば(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ツオロンチャアシー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョー・ナタワット(タイ)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シムサット・クリンミー(タイ)
リアム・ノーラン(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリエル・セクストン(コスタリカ)
マラット・ガフロフ(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)
ジン・テホ(韓国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
セバー・バノ(インド)

■ONE161「Moraes vs Johnson 2」放送予定
8月27日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午前10時00分~ONE Supper App

■ONE161対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONEムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] リアム・ハリソン(英国)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP準決勝/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
サヴァス・マイケル(キプロス)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
マウロ・チリリ(イタリア)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
アミール・ナセリ(イラン)
ジョナサン・ハガティー(英国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
リン・フーチン(中国)

<ムエタイ58キロ契約/3分3R>
ディアンドラ・マーティン(豪州)
アンバー・キッチン(英国)

■ONE160放送予定
8月26日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Supper App

■ONE160対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] オク・レユン(韓国)
[挑戦者] クリスチャン・リー(米国)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]タン・カイ(中国)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP準決勝/3分3R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ヴァウテウ・ゴンカウベス(ブラジル)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
シェルゾット・カブトフ(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リッテワダペッティンディーアカデミー(タイ)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ポール・エリオット(英国)
マルチン・バトゥル(クロアチア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ターレス・ナカス(ブラジル)
カンタラジ・シャンカル・アガサ(インド)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/12分1R>
ヴァウジール・ホドリゲス(ブラジル)
ヘナート・カヌート(ブラジル)

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【ONE160】8月26日大会はタン✖タン対決に加え、オク✖クリスチャン・リーの再戦&カヌート参戦

【写真】試合終了直後は健闘を称え合っていた両者だが、裁定が下るとクリスチャンは不満は露わにした(C)ONE

5日(火・現地時間)、ONE Championshipが8月26日にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催するONE160「Ok vs Lee 2」の全対戦カードを発表している。

8月からスタートするONEのFor ASIAとFOR USAの変則ダブルヘッダーフォーマット。その第1弾のアジア版大会=ONE160はONE世界フェザー級選手権試合=王者タン・リー✖挑戦者タン・カイがメインとされてきたが、今日のアナウンスで世界ライト級選手権試合=王者オク・レユン✖挑戦者クリスチャン・リーが明らかとなり、よりグレードアップされたイベントに。

オク・レユンとクリスチャンは昨年9月に今回とは反対の立場で対戦し、前者が後者から判定勝ちでベルトを奪っている。しかし、ダメージ優先のONE裁定にあってダウンとRNCでニアフィニッシュのあったクリスチャンは、この判定に納得ができず姉アンジェラとともに猛烈な勢いで批判していた。

確かに終盤3Rを押し気味に進めていたのはオク・レユンだったが、クリスチャンの言い分も十分に理解できる裁定だった。それだけにクリスチャンが戦い方を変えてくるのか、そういう点でも楽しみなタイトル戦となる。


メインカードはこの他、フライ級ワールドGP準決勝と補欠戦など3試合、さらにMMAでは元世界ウェルター級王者ゼバスチャン・カデスタムが、ライト級から階級を上げてくる元タイトルコンテンダーのユーリ・ラピクスと戦う一戦がマッチアップされている。

(C)SATOSHI NARITA

プレリミは4試合中3試合がMMAで、サブミッション・グラップリング戦が1試合。その組み技マッチには昨年のムンジアル黒帯ライト級優勝のヘナート・カヌートがサークルケージ初参戦を果たす。

カヌートはクリスチャンの練習パートナーでもあり、ノーギワールドでも準優勝経験がある。とはいえ北米に固定ファンを持つグラップリング戦がアジア用大会に組まれたのは、いささか意外だ。カヌートのONE160出場は、MMAに続きアジアでグラップリングの普及にONEが力を入れていくという決意の表れか。

結果として全10試合中、MMAが6試合、ムエタイが3試合、グラップリングが1試合という構成になった同大会。翌朝=27日(土・同)に開かれるONE161は、ONE世界フライ級選手権試合=アドリアーノ・モライシュ✖デメトリウス・ジョンソンがヘッドラインだが、どのような割合でMMAと立ち技、そしてグラップリングが組まれるのか正式発表を待ちたい。

■放送予定
8月26日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Supper App

■ ONE160対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] オク・レユン(韓国)
[挑戦者] クリスチャン・リー(米国)

<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・リー(米国)
[挑戦者]タン・カイ(中国)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP準決勝/3分3R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ヴァウテウ・ゴンカウベス(ブラジル)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP補欠戦/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
シェルゾット・カブトフ(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ユーリ・ラピクス(モルドバ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リッテワダペッティンディーアカデミー(タイ)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
ポール・エリオット(英国)
マルチン・バトゥル(クロアチア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ターレス・ナカス(ブラジル)
カンタラジ・シャンカル・アガサ(インド)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/12分1R>
ヴァウジール・ホドリゲス(ブラジル)
ヘナート・カヌート(ブラジル)

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K-MMA LFA MMA MMAPLANET o ONE ROAD FC Road to UFC SASUKE UAEW UFC UFC275 イ・ジョンヨン オク・レユン キム・サンウォン シャオ・ロン パク・ヒョンソン パク・ヘジン ヘジン ムン・ジェフン 中村倫也 堀内佑馬 宇佐美正パトリック 松嶋こよみ 野瀬翔平 風間敏臣

【Road to UFC】UFC行きを賭けたサバイバルT出場選手発表。オクタゴンへの道は、史上最大の日韓対決!!

【写真】UFCとの契約に向け、7人の侍が出陣(C)LFA & MMAPLANET

13日(金・現地時間)、UFC ASIAより6月9日(木・同)、&10日(金・同)というUFC275ファイトウィークにシンガポール・インドアスタジアムで、Road to UFCが開催されフライ級からライト級まで5階級の出場選手が正式発表された。

日本から出場するのは以下の7選手だ。

【フライ級】
堀内佑馬
【バンタム級】
風間敏臣
中村倫也
野瀬翔平
【フェザー級】
SASUKE
松嶋こよみ
【ライト級】
宇佐美正パトリック


各階級8人、コンテンダーシリーズと違い3試合を勝ち抜く必要があり、当然のように勝ち上がれば日本人対決が組まれることもあるだろう。

まだトーナメント枠は発表されていないが、インドネシア、タイ、中国、韓国、フィリピンから出場する選手達で注意すべきファイターの名前を挙げたい。

(C)DOUBLE GCF

フライ級ではまず韓国Double GFCフライ級王者パク・ヒョンソンだ。

パワフルな打撃、テイクダウンにヒザを合わせるセンスに加え、倒されず──寝技もこなすウェルラウンダーの26歳。名門MMA STORY所属だけにフィニッシュにもいけ、戦術も駆使もできる注目株だ。

さらにこの階級ではトップノイ・キウラムがタイから参戦する。タイガームエタイの元ヘッドコーチ、ジョージ・ヒックマン率いるバンタオ・ムエタイ&MMAに転じたトップノイ、テイクダウン防御という課題が克服できていればチームメイトのローマ・ロックンブンミーに続く可能性も広がるか。

(C)ROAD FC

バンタム級は元ROAD FCバンタム級王者キム・ミンウがついに、世界への一歩に踏み出す。

根津優太を15秒でKO、打ち合いに熱くなりすぎてスプリット判定負けを喫したムン・ジェフンを再戦で135秒、三角絞めで仕留めた。長身、リーチが長く、その利点を打撃だけでなくレスリングとグラップリングにも生かす──本来、このトーナメントに出るのは不本意な実力者といえる。それでもUFCを目指しRoad FCとの契約更新をせず、雌伏の時を経験した。そんなキム・ミンウは日本勢3人にとっても、非常に厳しい相手になることは間違いない。

(C)DOUBLE GCF

フェザー級ではDouble GFCとAngel’s FCフェザー級統一王者のホン・ジュンヨン、さらに前Road FCフェザー級王者イ・ジョンヨンが揃い踏みを果たす。

ホン・ジュンヨンはコリアンゾンビ門下、カーフで削り相手が前に出てくるとK-MMA界の象徴といえるストレートに合わせたアッパーというKOパンチを持つ。ゴリゴリの組みとパンチの両面で削り合い上等の根性ファイターだ。

(C)ROAD FC

イ・ジョンヨンは韓国MMA界のミスターパーフェクト=チェ・ムギョムを倒してRoadの頂点に立つと、パク・ヘジンを10秒KOで初防衛に成功。

それから2年7カ月間実戦から離れ──契約解除とともにステップアップを目指したが、この生き残り合戦を戦うことを強いられる。

(C)UAEW

またライト級ではHEATライト級王者だったキム・ギョンピョとGladiatorライト級王者のキ・ウォンビンという日本のケージで活躍した選手の出場も決まっている。

現ONE世界ライト級王者オク・レユンとともにコロナ前は日本を活動拠点にステップアップを計っていたキム・ギョンピョとキ・ウォンビンだが、来日が困難になると両者の選択は対照的だった。

キム・ギョンピョは中東を目指しUAE Warriorで勝利後、ロシアのRCCでTKO負けもUFC行きを掛けたトーナメントへの出場権を得た。

(C)DOUBLE GFC

キ・ウォンビは母国に戻り、Double GFCでオク・レユンとのライト級王座決定戦に競り負け。その後キム・サンウォンをKOし、オクが返上したベルトを巻いている。

中国からはコンテンダーシリーズ2021の──表現方法は悪いが、負け組、チロ・ルェン(フライ級)、シャオ・ロン(バンタム級)、元ONEファイターのシェ・ビン(フェザー級)、元UFCファイターのウリジブレンがバンタム級にエントリーしている。

他の中国勢は未知数、インドやインドネシア勢もチェックが必要だが、上に挙げたコンテンダーシリーズ敗退組に遅れをとるようでは、UFCとの契約は夢物語。アジアの人材発掘トーナメントは、どうやら熾烈な日韓対決になりそうだ。

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【ONE130】チャトリ大会総括「ベストバストは秋元×カピタン」&「遼伍が勝っていた」&「秋山の勝利は」

【写真】チャトリが試合後に満足度のある笑みを浮かべることは珍しい(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアセンターで開催されたONE130「ONE X」。第1試合のスタートがシンガポール時間で午後1時20分、メインイベントが終わったのは午後11時50分。20試合、10時間30分の10周年ロングラン・イベントはONEという一風変わったファイト・プロモーションが過去に形を創ってきた外枠に対し、中身が詰まりつつあることが感じられる──これからの10年に向けてスタートを切る大会だった。

イベント終了直後の記者会見で開口一番「世界にONEを訴えかけることができるイベントになった。特にメインとコ・メインは、世界中の人々に楽しんでもらえる試合だったと思う」と話した──チャトリ・シットヨートンの言葉を抜粋してお届けしたい。


「スペシャルルール(ミックスファイト)の試合を今後も組んでいくことになると思う。凄く興味深い戦いだった。どんな選手でも登用していくし、マット・ヒュームともどんなクレイジーなアイデアだろうが、ファンに少しでも喜んでもらえることを実現していこうと話した。

来週、このことについてもより深く話し合いを持とうと思っている。DJが2Rに一本勝ちすることは予想できたけど、初回に逃げ回ることなく打撃で対抗したのには本当に驚かされた。殴って、蹴っていったんだよ」

ハム・ソヒはデニスに勝ったから、次のタイトルコンテンダーに相応しいと思う。今日のパフォーマンスに関しては、十分じゃなかったけど誰だって良い日と悪い日がある。彼女はこのスポーツのレジェンドで、どの局面でも戦える技量の持ち主だ」

「ベストファイトはヒロキ・アキモト×カピタンだ。ベリー・ベリー・ベストファイト・オブ・ザ・ナイトだよ。世界最高のキックボクシングだった。カピタンが首相撲を多用し、レフェリーがイエローカードを出したことが論議になっている点だけ残念だ」

ライニアがガルバォンにあれだけの試合ができたことには、ビックリさせられた。アンドレがパスをしてマウントを取ったけど、寝技では勝負にならないと思っていたんだ。いくら彼がMMAでミドル級からヘビー級まで制しようというファイターでも。とんでもない柔術のスキルを見せたね」

アキヤマの勝利によりONEにとって初の韓国大会開催の追い風となった。オク・レユンという世界ライト級チャンピオンもいる。凄く可能性は高まったよ。アキヤマはショックを与えた。

アオキが最初の30秒でバックを取った。これはもう終わりの始まりだ。立って粘ったことが勝因になったね。しっかりと落ち着いて戦っていた。2Rになりアオキの顔を見えると、自信を失っていたよ」

「エドゥアルドは速くて、強すぎた。5年前のジョン・ウェイン・パーだったらね……。でも最後のラウンドの最後の20秒で彼は魅せてくれた。ジョン・ウェインはジョン・ウェインのままだったよ。

散打×空手、エドゥアルド×セイジ・ノースカットの一戦をアピールしていたけど良いアイデアだ。ONE Super Seriesでそういう力のある者同士の対戦も組んでいければと思う」

「ゴードン・ライアンは今年の後半にサブミッション・グラップリングでONEデビューする」

「タン・カイがタン・リーに挑戦するかって? 十分にあり得る。皆、どう思う? 完全に試合を掌握していたよね。信じられないよ、キム・ジェウンを相手に。

彼は80、90パーセントのKO率を誇っているんじゃないかな」

「フランシスコ・ガヌーのことは好きだけど、特に興味があるわけじゃない。アナトリ―・マネキン(ONE世界ヘビー級暫定王者)はロシアのナショナルチーム・レスラーだ。速くてサブミッションでもヨーロッパのチャンピオンで、フランシスコよりずっと寝技が強い。アルジャー・ブラー(ONE世界ヘビー級正規王者)のレスリングとボクシングと比較してもね。

フランシスコは寝技はそれほどでなく、パンチ力はあるけどテクニカルじゃない。まだ発表はしていないけど、何人かヘビー級とサインするし、今年はヘビー級が本格的に活動してUFCに対抗できるディヴィジョンになるだろう」

「今年はシンガポール以外にも戻るよ。バンコク、マニラ、東京、そしてソウルを視野にいれている」

「ダニエラ・ケリーへのボーナス? 彼女は良い試合をしたよ。ただグラップリングマッチは一方が攻めても、もう一方が固めると良い試合にはならない。

今夜のメイはずっと守っていた。クローズドガードの時だけでなく、オープンガードになっても攻めることがなかった。そこは残念だったけど、そういうことはありえるんだ。

私はメイのことが好きだよ。ONEを形成する大切な1人だ。すぐにまた試合をする。強調しておきたいことは、メイはMMAファイターでサブミッション・グラップラーじゃないということ。もっとエキサイティングな試合になるかと期待したけど、彼女はベストを尽くしたんだ」

「コロナで制限があってもファンがアリーナに戻ってきた。コロナ予防対策で非常に窮屈な感染であっても、エネルギーを感じることができた」

「正直に言えば、アミール・カーンは負けていた。タカハシも勝利を決定するには不十分だったかもしれないけど、ホームタウンの観客の声援が影響したかな。でもリョーゴの方がダメージを与えていたし、効果的な打撃を当てていた。

アミールの粘りは本当に印象的だったよ。彼は私の大切な友人の1人だ。でも勝っていない。負けていたよ」

「私は100万のミスを犯してきた。今年に入っても毎日失敗の連続だ。でも素晴らしいチーム、素晴らしい選手たち、最高のファンに支えられている。彼らなくして、私は今ここにいない。でもまだDAY 1だ。今日は序章に過ぎないよ。数週間以内に米国での中継に関して、ビッグニュースを発表するし、新たな契約選手のアナウンスも行う予定だ」

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【ONE130】2月17日に秋山成勲が語っていた青木真也戦「青木君ってビビり、あの子も臆病ですよね」

【写真】本計量から5時間近くを経て、セレモニアル計量で対峙した両者。リカバリーがあるとはいえ凄まじい肉体を誇る秋山と通常体重の青木(C)MMAPLANET

本日26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」。同大会で青木真也と秋山成勲が対戦する。

DREAM時代からの因縁、両者の立ち位置が違ってきても水と油であることは変わりなかった両者の一戦は、昨年10月のRoad to ONEでの青木のマイクアピールより、遺恨が表面化し対決の時を迎えた。

両者がケージに相対する時が刻々と迫る中、同カードが決定し発表前に取材した秋山の声をあえたこのタイミングでお届けしたい。2月17日に秋山成勲が語っていた青木真也戦――とは。


――まずONE10周年記念大会での青木真也戦が決まった秋山選手です。正直、青木真也側のマッチアップであり、秋山選手にとっては貰い事故ではないかと。

「アハハハハ、貰い事故。良い例え方しますね。まぁ、貰い事故という言い方をすると青木君が悪くなってしまうので。喧嘩でも、喧嘩両成敗ということがあるようにどっちがどうこうというのはないと思うのですが、青木選手の階級に自分が行くということで、そういう風に見えてしまうのは仕方ないと思います。

単純に自分が水抜き減量なしで、77キロで戦うことがなかったのでリスキーはリスキーです。そこに関しては不利でしかないというのもあります。でも、それも全部踏まえて俺の人生の1ページなので。長い目で見ると、楽しい思い出になるとは思っています。気負っているとか、そういう変な意味でなく。この年になると、人生を長く見るような形になってきてしまうので。それはそれで受け入れて、勝ちをもぎ取るというほうが人間として恰好良いかなと思っていて。まぁ、巻き込まれているという言い方をされるのも分かりますし……そうですね、良いところをついた表現ですよね、貰い事故というのは」

――秋山選手がONEでやるべきことは、韓国のMMAをONEとともに盛り上げる。底上げするということが第一だったと思っています。

「うん、そうなんですよ。そこは、本当に」

――韓国の将来のために、世代交代マッチならいざしらず。青木選手主導の遺恨マッチによく足を踏み入れたな。うまみの無いファイトの相手役を受けたという印象が強いです。

「アハハハハ、そうですよね。まぁ青木君とABEMAの北野(雄司)さんの目論見じゃないですか(笑)。この試合はそうですよ。それに俺が乗っかったようなもので」

――ただし、昨年10月のあの青木選手のマイクに対し、秋山選手が馬鹿丁寧に正論で言葉を返した。あの返答、ファンもついてこられないような両者のズレで青木ワールドだけでなく、秋山色に染まった感がありました。あれは面白かったですよ。

「あぁ、そうなんですか(笑)。ありがとうございます」

――あの「年上の人間に口の利き方が――」というな道徳の教科書かっていう返しで(笑)。

「あの日、何かを言われるとは思っていましたけど、答えを用意して解説をしていたわけではなかったです。それにセリフじみたことを言っても、皆にばれちゃいますし。でも生中継中で、だんまりを決め込むわけにもいかない。なら正直に話すことが何よりも皆に伝わると思いました。ケガをして戦えないのだから、無理なものは無理で。なら、ごめんねと伝える。それだけのことだと思うんです。だから。それについてガタガタ言われても……それよりも、年上にはちゃんと喋らないといけないでしょ、みたいな」

――アハハハ。それが絶妙でした。

「あの興行は俺が創って、青木君のファイトマネーも俺が払ってんだよって。そこは言いたくなかったけど(笑)。なんで、興行主にそんな唾を吐いてくるんだとは思っていたんです。でも、そこはぐっと我慢して口にせず、『いやいやいや』と。それだけですよ」

――ニュー秋山カラーというのか。実際、ヌルヌル事件にしましても、そこをずっと言及されるのも事実だし、キレーごとを言いやがってと捉える人もいると思います。ただ、自分は2015年11月のUFCソウル大会、あの場で韓国語で韓国人の記者と、韓国社会の中に入ってやりとりをしている秋山選手の姿を見て、どれだけのことを乗り越えてきたんだろうと思ったことがありました。

「いろいろと敏感なところ、その狭間で生きてきた人間が韓国社会に受け入れられるまでに凄く叩かれたこともありました。だからといって、桜庭さんと戦った時にやったこととは別です。違う話です。それは一生背負っていかないといけないもので、秋山は変わったと思われ、そこをチャラにできるとは思っていないです。仮に今の私を見て、そのように思ってくださる人がいればありがたいということで。

今回の青木君との試合を見て、そんな風に思ってくれる人がいるなら、それもありがたいです。でも、なかったことにはできないですからね」

――青木真也ペースのなかで、この試合を受けた。そして、自分のモノにしようという気持ちもあるかと思います。それが今の秋山成勲なのかと。

「そこまで考えてやっていることではないです。ただ、やるしかない。やるしかないのだからやります。今、韓国はオク・レユンがONEの世界ライト級王者になり、キム・ジェウンがマーチン・ウェンをKOした。キム・ウォンイルもケビン・ベリンゴンをKOしています。

ここで僕が負けると、ONEの韓国大会を頭とってやれる状況でなくなってしまいますからね。この試合、実は韓国では心配されているんですよ。身内になると優しいので、77キロで戦えるのか――って、オカンみたいに見守られている感じです(笑)」

――改めてONE10周年記念興行で戦うことに関しては、もう異論はなかったですか。

「戦える状態なので試合をするのは当然なんですけど、やはり体重のことがあったので、階級が違うから契約体重でも良いのではないかと提案はしました。そうしたら完全に蹴られたので、『なんだ、こいつ。プロレスラーじゃねぇなんだな』と思いつつ、自分が頑張るしかないなと思って受けたという形ですね。

それが青木君の勝ちにこだわる。素晴らしい点だと思います。だから素晴らしい選手と戦えるということをモチベーションにしないといけないですよね。正直、1カ月ちょいあっても体重がなかなか落ちなくても、ヤキモキしている状態です。その殻を破ることがストレスにめちゃくちゃなっているのですが、それ以上に青木選手と戦えることを楽しみに感じないと体重は落ちないと思います。

だからムカつくとか、ああだこうだは置いて素晴らしい選手と戦える……強いやつと戦いたい、それが嬉しいという子供のような気持ちでいないと、マジで厳しいですね。それぐらいリスキーな部分が……、これまでやったことがないので、やはり思います。でも、その初戦でチャンピオンクラスの人と戦えるのは、格闘家として良いことで。この試合はチャンスだと捉えないと、やっていられないなと思います」

――その慎重さ、気持ちの作り方は臆病さの表れでもあるかと思っています。同時に怖さを克服するという部分こそ、勝敗を別にすると何よりも大切なことだと思えるんです。

「ホンマ、そうですね。77キロに落としても力で勝負したいです。正直、83キロより全然力は落ちると思います。77キロの青木君の方があるかもしれない。でも『なんだ、こいつ』と思わせたいです。柔道から培ってきた貯金を上手く使いながら、青木君を面食らわせたいですね。

青木君ってビビり、あの子も臆病ですよね。だから勝ちにこだわる。その臆病な部分を引き出すことができれば、勝ちにつながる。そこが自分の勝負どころだと思います」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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ABEMA MMA ONE ONE Championship ONE Heavy Hitter ONE X UAEW UFC オク・レユン カールストン・ハリス ザイード・イザガクマエフ ジェイムス・ナカシマ レアンドロ・アタイジ 三浦彩佳 岡見勇信

【ONE Heavy Hitter】来年1月14日、三浦と岡見が揃い踏み。新たなるダゲスタンの脅威もONE初陣

【写真】ついに三浦が世界挑戦。岡見は選手育成でなく、ファイターとしての顔が久しぶりに見られる(C)MMAPLANET

17日(金)にONE Championship Japanより来年1月14日(金・現地時間)に開催されるONE Heavy Hitterで三浦彩佳が、ONE世界女子ストロー級王者シイォン・ヂィンナンに挑戦する世界戦と、岡見勇信のミドル級転向初戦=レアンドロ・アタイジ戦が組まれることが、2022年度上四半期のイベント・スケジュールとともに発表された。

同大会を皮切りに1月28日(金・同)、2月11日(金・同)、2月25日(金・同)、3月11日(金・同)、3月26日(土・同)の6大会が行われる2022年のONE。コロナパンデミック以前の水準、月に2大会のライブ中継イベントが組まれる予定だ。

開催地、会場は未発表だが、気になるのが3月26日大会だ。他のイベントが金曜日開催なのに対し、同イベントのみシンガポール軸で考えると土曜日開催になっている。

12月5日に予定されていた初のPPVショー=ONE Xはシンガポールの日曜に予定されていたが、金曜開催でないこの日のイベントが通常大会とは違った形式になるのか注視したい。


なお同リリースで寄せられた三浦と岡見の次戦に関する意気込みは以下の通りだ。

三浦彩佳
「今回、1月14日にタイトルマッチが決まりました。タイトルマッチが決まった時、“遂に来た”という気持ちでした。チャンピオンのヂィンナンは何度も防衛をしていて皆さんご存知の通りとても強い選手ですが、トライブの仲間と共にたくさん練習をしたりアドバイスをもらったりしてきました。前の試合後からずっとヂィンナン選手と戦う準備をしてきました。この試合ではねちっこく勝ちに拘り、やることをやりたいと思います。いつも応援してくださっている皆さんへ。2022年一発目からしっかり盛り上げていきたいと思います。日本のゾンビは強いんだということを皆さんにお見せしたいと思うので、応援宜しくお願いします!」

岡見勇信
「約2年3カ月ぶりの試合。コロナ禍などで試合から遠ざかっていたこの期間は、己について考える機会となりました。19歳でプロデビューしてから、ずっとコンスタントに途切れず試合をしてきて、前回の試合後に、戦う気力が消えかけていました。しかし、その状態から、この期間で、格闘家としての自分を一から見つめ直し、世界ランク2位の記録を残しているミドル級に階級を上げて戻ることを決意しました。
『日本人は不利だ』と言われる重量級でも、そしてたとえ40歳だとしても、世界で勝つことができる。それを証明したい。そう、ふつふつと、また闘いたいという想いが沸いてきました。

そして練習仲間の試合、格闘DREAMERS、選手育成を通して、たくさんのエネルギーをもらい、彼らのおかげで心の中の『闘いの火』がどんどん燃え上がっていきました。今はただ、レアンドロとの戦いが待ち遠しいです。この気持ちを思い出させてくれたみんなに恩を返すために、私の戦いで報いたい。
私の持つ心技体すべてを、レアンドロにぶつける。ミドル級で戦い「岡見勇信」という格闘家、その姿を見届けてほしい。ご期待ください」

同コメントで岡見が触れているミドル級は北米階級で84キロ、ONEミドル級は92キロで名称は同じだが、階級は実質1クラス重くなる。通常体重に近いであろう今回の階級変更は、岡見にとってファイナルカウントダウンの一歩であることは間違いない。豪腕柔術家のアタイジに対し、3R戦い切れるペースと圧力を岡見は見せたい。

(C)ONE

また今回のリリースではザイード・イザガクマエフがジェームズ・ナカシマとのライト級戦でONE初陣を戦うことも合わせてアナウンスされている。

イザガクマエフはカビブ・ヌルマゴメドフの15年来のトレーニング・パートナーで、キャリア19勝2敗。旧ゴリラFC──つまりヌルマゴが買収しイーグルFCと名称を変えたロシアのフィーダーショーの暫定ウェルター級王者だった。

昨年1月10日のダナ・ホワイト御前大会とUFCへのステップアップの舞台を整えてもらっていたUAEW15とEFC32の合同イベントで、ルタリーブリ戦士カールストン・ハリスに敗れ──そのハリスがUFCと契約を果たすという厳しい現実をイザガクマエフは経験している。

ここを経てONEに戦いの場を求めたイザガクマエフだが、強烈なレスリングコントロールの持ち主で、がぶってヒザ蹴りがあるONEルールの最適化ファイターともいえる。ジェイムス・ナカシマ戦次第では、オク・レユン政権のライト級でダイ・アサラナリエフと並ぶ、ダゲスタンの脅威となる可能性は十分にある。

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ABEMA MMA ONE ONE Winter Warriors アレックス・シウバ エドゥアルド・フォラヤン オク・レユン カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル クリスチャン・リー ケビン・ベリンゴン ザイード・フセイン・アサラナリエフ ジャレッド・ブルックス ジャンロ・サンジャオ スタンプ・フェアテックス スティーブン・ローマン ダニー・キンガド チャンネル ティモフィ・ナシューヒン フー・ヨン ボクシング マーカス・ブシェシャ・アルメイダ ユーサップ・サーデュラエフ リトゥ・フォーガット リト・アディワン 若松佑弥 青木真也

【ONE Winter Warriors】26カ月振りの実戦、ダギ・アサラナリエフ「どう試合を終わらせることができるか」

【写真】とにかく明るい表情をしていたダギ。自信しかない──そんな面持ちだった(C)MMAPLANET

12月3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Winter Warriorsで、ダギことザイード・フセイン・アサラナリエフがティモフィ・ナシューヒンと一昨年10月の日本大会以来の試合出場を果たす。

トルコ国籍を持つダゲスタン人の強豪は、なぜ2年2カ月も実戦から離れていたのか。そしてコロナ禍以前、現時点で最後の試合となってくるクリスチャン・リー戦で彼の身に何が起こっていたのかが、明らかとなった。

オク・レユン時代を迎えたONEライト級戦線にあって、獰猛な強さでいえば頭一つ抜けている強豪が満を持して世界の頂点に向かった再び歩み始めた。


──ダギ、2019年10月にクリスチャン・リーとライト級ワールドGP決勝で敗れてから2年2カ月振りの再起戦となります。この間、コロナ禍ということもありますが、これだけ試合をしなかったのは何か理由があったのでしょうか。

「まずクリスチャン・リーと戦っている時に、体に変調を覚えた。眩暈がしていつも通りに戦えなかったんだ。だから、あんな戦いしかできなかった。試合が終わって、帰国してもこの症状は続いた。それがずっと戦っていなかった理由だよ」

──コロナパンデミック以前の問題だったのですね。

「もちろん、COVID19の影響もあるけど、まず戦えなくなったのは体調不良のせいだ。実は頭がクラクラするという状況は試合前にも始まっていたんだ。それでも戦うことを選んだ。でも試合後に病院に運ばれた時は、この判断をした自分自身の判断が正しかったから自問自答していたよ」

──眩暈が続いて、頭に問題があるというのは……それは引退も考えたのではないですか。

「いや打撲や血流、脳梗塞系の問題ではなかったからね」

──そうだったのですが、てっきり脳の方かと……。

「いやウィルスが問題だったのか、酷い副鼻腔炎が原因だった。鼻水や膿が出るという症状ではなく、頭が重くフラフラと眩暈がする感じで」

──対戦だったとは思いますが、副鼻腔炎と聞いてホッとしました。

「もう全く問題ないということをケージのなかで、動きで証明するよ(笑)」

──トルコではコロナ禍でもトレーニングを積むことはできたのでしょうか。

「この2年間、ずっとモスクワにいたんだ。トルコにはビジネスの時だけ訪れて、ほとんどモスクワにいた。練習はユーサップ・サーデュラエフ達としてきた。今回のトレーニング・キャンプもそうだよ」

──モスクワは再び感染状況が悪化していると聞きますが、キャンプは問題なかったですか。

「2020年はロシアもロックダウンが続き、隔離措置だらけだった。ジムも閉鎖され、トレーニングパートナーと練習する機会は本当になかった。そんな状態が1年近く続き、ようやくロックダウンが解かれた。今はまた感染者は増えているけど、トレーニングパートナーとの練習は問題なく行えるようになっているし、状況は良くなっているよ」

──では今回の再起戦で3年前に117秒でKO勝ちしたナシューヒンと対戦することをどのように捉えていますか。

「トップ5と戦えるなら、相手は選ばない。確かにティモフィ・ナシューヒンとは2度目の対戦だけど、ずっと試合から遠ざかっていたし何も想うところはないよ」

──9月にクリスチャン・リーが、オク・レユンに敗れチャンピオンが交代しました。判定結果が問題にもなりましたが、ダギはどのように見ていますか。

「オク・レユンに対して、誰もが尊敬心を持たなければいけない。彼は良いファイターだ。ただしクリスチャンが、僕と戦った時ほどの強さがなかった。クリスチャンはしっかりと準備ができていなかったんだろう。ただし、あの夜に関してオク・レユンはクリスチャンより強かった」

──次の試合でナシューヒンに勝てば、タイトル挑戦権を獲得できると考えていますか。

「もちろん、そうなることを望んでいる。ただ、全ては僕のパフォーマンス次第だろう。どうやって試合を終わらせることができるか。まぁ、どうなるのか楽しみにしてほしい」

──ライト級には青木真也選手がいます。2021年もジェイムス・ナカシマ、エドゥアルド・フォラヤンという選手を初回でサブミットしています。

「日本を代表するファイターと言えば、彼のことだ。非の打ち所がない良いファイターだよ。ONEが組んでくれるなら、グラップリングのスーパーファイトだろうが彼とケージをシェアできたら嬉しいよ。ファンもそうだけど、ファン以上にこの顔合わせを僕自身が楽しみにしている」

──グラップリング? MMAではなくて?

「グラップリングだ(笑)。彼は日本のレジェンドだからね。グラップリングマッチで、自分の能力を試してみたい」

──まるでMMAにおいて、競合相手ではないような言い方ではないですか。

「フフフフ。シンヤ・アオキはMMAではベストファイターだとは思っていない。僕はタイトルに近づくファイトを戦いたいんだ。だからトップ5以外は戦いたくない(※青木はONEライト級でランク2位)。下の選手とは戦いたくないんだよ」

──……。

「いくら過去に良い試合をしてきても、今の彼はそうじゃない。僕はランキングトップのファイターとしか戦いたくない。だから彼が再び、そのレベルに戻ってきたらいつでも戦うよ」

──……。では12月3日、どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「ティモフィ・ナシューヒンは強い選手だ。強い蹴りも持っている。ただ、僕の方が上だ。僕のセンスの方が優っていることを試合で見せたい。日本のファンをガッカリさせることはない。アリガトゴザイマス」

■ONE「NEXTGEN03」視聴方法(予定)
11月26日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE「NEXTGEN03」対戦カード

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
ポンシリP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
レネ・カタラン(フィリピン)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ピーター・バウシュト(オランダ)
ラスラン・エミルベク(キルギス

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

■ONE「Winter Warriors」視聴方法(予定)
12月3日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE「Winter Warriors」対戦カード

<キック世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者]イスラム・ムルタザエフ(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP決勝/5分5R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
リトゥ・フォーガット(インド)

<キック・フェザー級/3分3R>
チョウ・チェンリャン(中国)
レネ・カタラン(フィリピン)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)

<ヘビー級/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
フー・ヨン(中国)
若松佑弥(日本)

■ONE「Winter Warriors 02」視聴方法(予定)
12月17日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE「Winter Warriors 02」対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)

<バンタム級 (※65.8キロ)/3分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)

<95キロ契約/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
ファン・ロン(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R 5分3R>
ジャンロ・サンジャオ(フィリピン)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

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ABEMA MMA ONE ONE NEXTGEN アリョーナ・ラソヒーナ アンダーソン・シウバ オク・レユン キック クリスチャン・リー ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ スタンプ・フェアテックス チャンネル デニス・ザンボアンガ ハム・ソヒ ボクシング ミャオ・リータオ リトゥ・フォーガット 平田樹

【ONE NEXTGEN】平田樹欠場の知らせ前に──スタンプ・フェアテックスが話していたこと

【写真】インタビューの翌日に練習風景の写メをスタンプ自身が送って来てくれた (C)STAMP FAIRTEX

明日29日(金・現地時間)に開催されるONE NEXTGENでジュリー・メザバルバと対戦するスタンプ・フェアテックス。女子アトム級ワールドGP準決勝で本来ハム・ソヒと対戦する予定が、欠場でメザバルバと戦うことになったスタンプだが、この変更をそれほど気にする素振りはなかった。

このインタビュー後、平田樹の欠場が決まったが、スタンプが決勝では平田と戦うことになると予想していた。底抜けに明るいスタンプは、何があっても動じない強さが感じられた。


──ジュリー・メザバルバと来週の金曜日に対戦します(※取材は10月22日に行われた)。

「100パーセント、試合に向けて準備はできているわ。あとは体重だけね」

──もともとはハム・ソヒと対戦予定でしたが、3週間ほど前に彼女の欠場が決まり対戦相手が代わったという経緯があります。

「最初、彼女が欠場すると知った時、そのままトーナメントの決勝に行けたらなって思ったわ(笑)。でもジュリーと戦うことになって、ハム・ソヒも彼女もストライカーだから、そんなに違いはないから心配はしていなかったわ」

──体はハム・ソヒより大きく、力も強そうですが。

「確かにそうかもね。ジュリーはもともとストロー級の選手だし、メイ・ヤマグチとの試合では本当にサイズが違っていたわね。あれだけ体格差があれば、メイ・ヤマグチのテイクダウンを切るのも簡単だったと思う。私よりも彼女の方が大きいと思うけど、そんなにパワーは違わないだろうし、いつも男の選手と練習しているからこの練習環境が次の試合に役立つはずよ」

──スタンプは常にMMAらしい試合を心掛けているように見えますが、メザバルバが打撃で来るようだといつも以上にムエタイの技術が使える試合になると思いますか。

「彼女が打撃戦を仕掛けてきても全く苦にならないわ。私はムエタイで戦うだけだから。この試合が決まった時に彼女は私をKOするって言っていたの。彼女の方がキックボクシングが上手くて、私のスピードは彼女の半分しかないんだって(笑)。私は自分がどういう選手か理解しているし、打撃で来るなら大歓迎よ」

──アリョーナ・ラソヒーナとの2試合を終えて、どれだけMMAファイターとして成長できたと思っていますか。

「打撃に自信があるのは絶対よね。でも柔術は自分のレベルがまだ分からないの。ただアリョーナとの1回目の試合と再戦を比較すると、アップグレードできていることは分かった。でも、それがどの程度なのか分からないわ」

──この試合で勝つと、決勝戦です。リトゥ・フォーガットと平田樹選手、どちらが上がってくると思っていますか。

「難しい質問ね……ただイツキ・ヒラタかな。彼女の方がウェルラウンディット・ファイターだから。リトゥはまだ打撃が十分じゃないしね」

──それは優勝するために平田選手の方が組みしやすしということではなく?

「ノー、そういうことじゃないわ。イツキ・ヒラタもリトゥも私にとっては簡単な相手じゃないし。ただ、次にどっちと戦うのかって考えると、イツキかなって思うだけで。リトゥよりMMAファイターとしてバランスが取れているから。彼女と戦うことは私にとっても新しい挑戦で、それが楽しみなの」

──MMAだけでなく、ダンスバトルも楽しみにしています(笑)。

「アハハハハ。彼女がTikTokでよく踊っているのを見るわ。ダンス・コンペティションでも、皆に喜んでもらって私は負けないわ(笑)」

──ところでハム・ソヒ✖デニス・ザンボアンガ、クリスチャン・リー✖オク・レユンという風に裁定にブレが見られると、ゲームプランを立てるのに影響はでないでしょうか。

「とにかく、一つ一つの攻撃、動きで対戦相手を上回り、私の方が上だとクリアに理解できるよう戦うことを心掛けるわ。もちろんKOできれば判定は関係ないけど、3Rが終わった時点で私が文句なしに勝っている──そういう戦いをしようと思っているわ。全てをクリアにするためにね。そういう風に戦える自信もあるわ」

──スタンプ、では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「オハヨー。全ての私のファンにベストを尽くすことを約束するわ」

■視聴方法(予定)
10月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE NEXTGEN対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準決勝/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準決勝/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<キック・ヘビー級/3分3R>
イラジ・アジスプール(イラン)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
ダスティン・ジョインソン(カナダ)

<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
ミャオ・リータオ(中国)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ベイブラット・イスアエフ(ロシア)
ボグダン・ストイカ(ルーマニア)

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K-1 MMA ONE ONE Revolution Special   オク・レユン クリスチャン・リー 海外 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:9月─その参─オク・レユン✖クリスチャン・リー「解がない」

【写真】期待に違わぬ好勝負だったオク・レユン✖クリスチャン・リー。ただし、ONEの裁定基準に大きなブレが生じたか (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年9月の一番、第三弾は9月25日に行われたONE Revolution からONE世界ライト級選手権試合=オク・レユン✖クリスチャン・リー戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ9月の一番、最後の試合は何になるでしょうか。

「オク・レユンとクリスチャンですね。これはもう……判定が分からん。それに尽きます」

──急に北米判定になったのか。ニアフィニッシュ、ダメージより手数、アグレッシブネスの足し算が上回ったような裁定となりました。

「盛んに言っていたニアフィニッシュは、どうなるんだと。ニアフィニッシュで判断すると、ダウンとRNCがあったクリスチャンで明白なはずなんです。そこを追求してONE裁定だと思って戦ってきたんだから、クリスチャンやアンジェラがインスタでめっちゃ怒っているのは理解できます。その気持ちは分かります。

そういう風に判断されるなら、クリスチャンも最初から攻めないよって思ったはずです。1Rからフィニッシュを狙わず、ポイントゲームするわって」

──ONEはどうにも裁定問題が起こりますね。

「でも、これってどこのプロモーションでも起きていることだと思います。曖昧なルールにすると、こうなる」

──ONEに関して言うと、裁定基準の軸が北米ユニファイドと違います。北米ジャッジの論争は打撃&トップという軸があって、枝葉をどう見るのかで意見が分かれます。ONEはその北米の裁定基準を軸とした場合、裁定結果がおかしいという段階を経て、ニアフィニッシュ&ダメージ重視が浸透しました。そのニアフィニッシュとダメージという部分で明確な差がなくても、組みが蔑ろにされる。それがここのところの問題だったのが、今回はニアフィニッシュ&ダメージという軸がズレた。いよいよ、おかしい裁定になったかと。

「そこなんです。これまでも物議をかもした判定はありました。2度目の内藤(のび太)✖(ジョシュア)パシオ……でも、ダメージだというと合点がいかないこともない。

答え合わせができないこともない。

安藤(晃司)✖ティモフィ・ナシューヒンもそう。

テイクダウンダウンはダメージを与えてないという軸があるなら、まぁ……そうなるか、と。

ビビアーノ(フェルナンデス)✖ケビン・ベリンゴンの2戦目、ビビアーノが負けた試合も、それです。

下にされてコツコツいれたら、勝てる。まぁまぁまぁおかしいけど、答え合わせはなんとかできるといえばできる。

和田(竜光)選手とヨッカイカーの判定もおかしいけど、ONEならあるか……というふうに諫めることもできる。

でも、今回の試合は答え合わせができない。どうなったんだ?って。これまでの流れだと、この試合はクリスチャンが勝って、オク・レユンじゃなかったのかという論議になるはず。そうでないと……それなら答え合わせができるけど、今回のは、もう解がない。

それと判定問題とは別に、これはヤバイんじゃないかと思うのが、このおかしな裁定が日本で1ミリも話題になっていないことなんです。なっていますか? なっていないですよね。これはヤバイ、これは終わったなぁと。選手もファンも、今試合を大して話題にしていないんだから」

──判定が話題にならないのは、試合前にクリスチャン・リーとオク・レユンのタイトル戦が話題になっていないということですよね。

「それって、一番ヤバイ。これは潮目が変わった。この日の大会自体がそうですよね」

──日本のファンには日本人選手の結果、成績を伝える。MLBからセリエA、ブンデスリーガ、プレミアリーグ、NBAと一貫して伝え方はそうで。チームの勝利、順位は伝えない。ただK-1やPRIDEの時は外国人同士の対戦も格闘技ファンは楽しめていたので、そこは違うと思うのですが……。

「今は海外のトップとか、気にしないですよね。MMAが好きだったら、クリスチャンとオク・レユンの試合は気になると思うんですけどね」

──つまり、専門メディアですら気になっている人が少ない。そこは本当にヤバいですね。終わっています。

「コツコツ伝えていくと、ある一定のファン層っていうのは獲得できるとは思うんですけどね。特にこの試合は、気になって欲しかった。そうあって欲しい試合だったんですけどね。

MMAは万人に見られるモノじゃないというのは、僕もずっと言ってきました。でも、好きな人間や専門メディアにはこの試合は気にして欲しかった」

──ONE判定基準で、判定結果はおかしかった。ただし、試合内容はそれだけのモノ、期待に違わないモノがあったと思います。

「究極的にいえばONEの戦い方って、これまでは北米的なポイントゲームを排してきた。ポイントで揉めるのは嫌だ。もっとエキサイティングなMMAが見たいということで。でも結果として5Rは究極のカウンター待ちになる。それがまた興味深いですよね。

いずれにせよ、5Rという波のある試合を──どっちか勝ったという風に勝敗を決めるのは無理がありますよ。ラウンドマストでなくても、このRはどっちが取った、ここはこっちだと採点し、その合計R獲得数の多い方が勝者になるとかしないと無理ですよ」

──5分✖5Rを戦って二者択一、これは強引な選択も起こり得ます。

「25分を5分割して、どっちだろう……ってやると、そりゃ最後の印象の方が強いですからね」

──ダウンとRNCが、その後のダウンを奪っていない打撃の攻勢に敗れた。この裁定により、判定になった場合の計算ができなくなると試合の組み立てに迷いは生じないですか。

「僕は最初から、そこは当てにしていないです。全てドミネイトするか、取っちゃうしかないと思って戦ってきたので」

──なるほど。そして……オク・レユン勝利により、再戦となるクリスチャンよりも世界戦に近づいたのではないでしょうか。望むと望まざると。

「望むと望まざると……というか、けっこう、どうでも良いです(笑)。来たらやるけど、どうでも良い。サイクル的に次はないし、また回ってきたらやります」

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【Road to ONE05】タオル一枚、青木真也──裸の告白「一番やっちゃダメやヤツ。良いアルバイトは」

【写真】シャワーを浴び、心が落ち着くかと思いきや…… (C)MMAPLANET

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O –Eastで開催されたRoad to ONE05「Sexyama Edition」。同大会でグラップリングマッチに出場しキャプテン☆アフリカとドローとなった青木真也が試合後に、解説席にいる秋山成勲に嚙みついた。

マイクで秋山に対し、12月のONE10周年記念興行における両者の対戦オファーを断ったことに関して、青木は怒りの言葉を投げかけた。秋山は筋断絶が原因で試合を受けることができなかったと場内と中継内で事情を説明するも、青木の怒りはおさまらない。

いや、控室に戻りタオル1枚で話す青木は、過去に見せたことがないような表情を浮かべていた……。


──いやぁ、交渉がまとまらなかったことを公にして怒りのアピール。アレは本気の怒りだったのですか。

「俺は……意地悪(笑)」

──その表情が、最高に意地悪になっていますよ。

「4週間待たせて断って……時系列で詰めて、『お前は悪いヤツだろう』と(笑)」

──そこに至るまでのグラップリングマッチ、結果的にはまたしてもドローでした。

「緊張感がない……グラップリングは緊張感がないです。全然違うし。世界のグラップリングの潮流を見ても、この10分スタイルではほぼフィニッシュしないじゃん? もう緊張間がないですよね。

よく試合したなって自分で思っちゃいます。4週間、秋山に持たれた。こっちはオファーの瞬間に『やります』って答えて。4週間持たれて『やりません』という返答で、あと2カ月もあるのに。さすがに今日の試合は何のためにやるのか。意味があるのかってなりました。

今の世の中で、全部の世の中で起こっていることと一緒で……正直者がバカを見ますよね。一生懸命やっているヤツがバカを見る。38歳にもなって年間3試合欲しいと思って……そのためには良いコンディションをキープして、いつだってオファーを受けられるようにしている。

その3試合だって……3球あって良い球、悪い球、悪い球という感じじゃないですか。でも今の38歳ぐらいの選手って、良い球だけ1年に1回打っているだけで。悪い球を打たないですよ。3球、打とうという取り組みをしている人間からすれば……まぁねぇって感じですね」

──トーマス・ハーンズか、シュガーレイ・レナードか──ですね。

「ハイ。レナードは良いコンディションの時、負けても傷つかない試合をする。コンディションを整えて、自分がオイシイところだけ戦う。注目されるところだけ戦うんです。オイシクナイとこはやらないスタイルの人、僕らの年齢になると多いですよ」

──いや、決してベテラン選手だけじゃないですよ。日本のトップ5とかに入っていない選手でも、RIZNに1度出るとずっとRIZINのオファーを待っている選手が増えたと思います。「あなたぐらいの選手が、年に1回、2回の試合で良い。それは何を目指しているのですか」と尋ねたくなる選手が増えたと思います。契約が独占なのかもしれないですが、タニマチが喜ぶために試合をして、強くなること諦めているだろうって。

「確かに若い子も、オイシイことだけしたがっていますよね。ずっと待っています。いや、お前らRIZIN以外で無双したのか?って。そればっかりになっちゃって。皆が利己的になっていっているような気がします。

『格闘技界のために』とか口にしても、皆で創っているという感覚がないんですよ。だから、それを想うと僕は人を信じているし、人に期待している。希望を持っている。人を信じてきたけど、そこがないなら『俺もオイシイ思いだけしてやっていれば良いじゃん』って思いますよね。

だから虚無感でしかないです。『お疲れ様でした』って。一番やっちゃダメやヤツですよ。良いアルバイトっていうのは」

──確かにオイシイだけのバイトで、コツコツと働くことを放棄しては業界も社会も回らなくなります。あと、言うと繋ぎのグラップリングに関しても過渡期というか、このやり方は厳しいと感じました。

「どういうことですか?」

──サブオンリーも、今ではジャッジ裁定が普通に入ります。時間切れはドローというルールが、今日のような展開を生む要因になるように感じました。

「動かないですよね。腕なんてゆるゆるで、上は力入れなかったですよ。そうやって誘っても、まるで動かない」

──ジャッジ判定でも、ポイントでも劣性な選手は負けます。でも、時間切れ=ドローでは北岡選手がまさに客席から叫んでいた「極められなかったら、良し」という選択を選手はするものだと思います。そうすると、青木選手も負けの危険もないし、緊迫感は生まれないです。

「ハイ、緊張感なかった。動きはないし。これはキャプテン☆アフリカをくさすわけじゃなくて、こういうモンになるってことなんです」

──でも、世羅選手と青木選手の試合は緊張感がありましたよ。

「世羅はイデオロギーを持っているから」

──あの試合で青木選手はひっくり返されることもなく。足関節にいくこともなかった。

「足関節は、何か動きを創らないといけないと思いましたからね。

取るんだったら、ああいうモノで創るしかない」

──そこですよね。世羅戦では負けない試合をした。そこがリアルでした。でも、今日の青木選手は取りに行く、MMAでは見せない動きで創ろうとしました。

「だから良いアルバイトはしちゃいけない。一番いけないことなんです」

──ポイント制なら足関節を仕掛けられると、抜くだけでなく立ち上がるとリバーサルポイントになる。一本負けさえしなければ負けにならない試合より、ひっくり返されると負けになる。その方が緊張感も生まれるかと。

「ノーポイント、サブオンリーはそういう意味でももう効力がないです。取られないことだけになる。もう……しょうがない。虚無感しかないです……。秋山戦がフィックスされていれば、また創れたんだろうけど……」

──繋ぎの試合とはいえ、両者のグラップリングを楽しみにしていたファンもいます。ファンのために戦うのも、仕事ですよね。

「ハイ……もう僕がグラップリングではテンションが上がらないのか……。せめて、向うが勝ちに来てくれれば……こっちも負けるかってなりますけど、あのルールだと守りますからね。う~ん、手詰まりですね。手詰まり」

──ケガの具合というのは、何も言えない部分はあります。が、『やる』という返答はありした。

「12月の試合を断っておいて、それは何だよって。あと2カ月もあるのに。ふざけんじゃねぇよ、この野郎。なんでお前が『やってやる』みたいな言い方をするんだって」

──12月5日、オク・レユン……はあるとしたらダイレクトリマッチですかね。ではジャン・リーポン戦というようなオファーがあれば?

「他の選手でオファーがあるのか。とにかく、どうせやるならちゃんとやりたいというのはあります。どうせやるなら……。今日は絶望感が凄いです」

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