カテゴリー
ABEMA DEEP MMA ONE ONE Revolution   オク・レユン クリスチャン・リー ブログ

【ONE Revolution】クリスチャン・リーに挑戦、オク・レユン「対戦相手に対して自信は持ちません」

【写真】凄く深いことを話してくれたオク・レユン(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でクリスチャン・リーの持つONE世界ライト級王座にオク・レユンが挑戦する。

HEATでライト級チャンピオンになり、パンデミック後は母国のDouble GFCで王座を獲得した。とはいえ、ONE初戦から半年後に王座挑戦と、その間のエディ・アルバレス撃破はオク・レユン自身が想い描いていた未来予想図ではなかった。

ONEライト級戦線を一気に駆け上がったオク・レユンに、クリスチャン・リー戦への自信のほどを尋ねた。


──来週の金曜日にクリスチャン・リーに挑戦します(※取材は16日に行われた)。今、どのような気持ちでしょうか。

「この試合はキャリアで最も重要な試合です。それでも、凄く心は落ち着いています。プレッシャーもなく、体調もこれまでで一番良い感じです。ONEと契約した時、一番下から上を目指すつもりでいました。与えられた試合で勝利し、一歩一歩ステップアップしようと。

それが初戦の相手がマラット・ガフロフで、驚きました。初戦で元世界チャンピオンに勝てたことで、ここまで一気に話が進んだのかと思います」

──HEAT時代からオク・レユン選手を見てきて、ガフロフに勝つことは十分にあると思っていました。しかし、次の試合が同じ月にエディ・アルバレスになるとは想像できなかったです。

「もちろんエディ・アルバレスがONEで戦っていることは知っていました。常に頭にあったことは確かです。いつの日か、戦うことがあればとは思っていましたが、まさかこんなに早く実現するとは……でも、自分がONEの頂点に立つには最高のオファーでした。もちろん、その機会を逃したくなかったですし、試合を戦えて、勝てたことを心から感謝しています」

──エディのネームバリューは、クリスチャン・リーを上回っています。人生が変わったということはないですか。

「エディ・アルバレスと戦う前まで、自分は無名の選手でした。人々は自分のことを知りませんでした。この試合前にサクラメントのチーム・アルファメールに練習に行ったのですが……」

──おお、そうだったのですか。

「アルファメールで5週間、練習してきました。サクラメントにいる時に、皆が自分の顔を見ても誰かは認識はしていなかったです。でも、エディ・アルバレスに勝ったということが話題になると、皆が『あぁ、あの選手だったのか。試合を見たよ』と言っていました。そして、それから凄く親切に接してくれるようになりました。顔と名前は一致していなくても、本当に多く人が自分のことを知っていることが分かりました。それが人生で一番大きな変化ですね」

──HEAT時代から凄く礼儀正しく、少しシャイだったオク・レユン選手の顔が今は自信に満ちているように感じます。

「MMAファイターとは、強さを試合で証明するものです。試合で自分の力を見せて、理解してもらうしかない。それがエディ・アルバレス戦に勝ったことで可能になったと思います。自分がベストの1人だと思えるようになりましたし、何よりも周囲の人がそう思うようになりました。この事実は、自信を与えてくれました。特にジムで練習している時に、以前より自信を持ってトレーニングできています」

──今回アルファメールに練習に行ったのは? チームMADも十分に厳しいトレーニングが行われていると思います。

「米国を尋ねるのに、常に金銭的な問題がありました。とても費用が掛かります。ただ自分はまだ若いですし、もっと色々と勉強したいです。その経験をすることは、金銭よりも価値があると思いました。ただし自分は英語が話せないですし、コミュニケーション能力がありません。そして米国のことは何も知らないので、どこのジムに行けば良いかも分かっていなかったです。

そんな時、ONEのコンペティションチームにいるマイケル・パクさんが、以前にチーム・アルファメールで練習していて、実際にMMAでも戦っていたことを知りました。パクさんがユライア・フェイバーに連絡を取ってくれて、『いつでも大歓迎する』って言ってもらえたんです。そして、渡米して最高の環境で練習ができました。

韓国も米国も練習の強度、クオリティは同じだと言い切れます。ただし、両国を比較すると韓国での練習は小さな街で行うような感じで、対して米国はまさに大国で練習するというモノでした。世界中から多くのファイターが集まっている。有している技術も、選手の数が多いので、それだけ色々な知識を得ることができました。

それとジムの規模ですね。やはりアジアのジムと比較すると、アルファメールは巨大で、一カ所で全てのトレーニングを行うことができました。韓国では色々な場所で練習しないと、全てをフォローできないです。トレーニングパートナーの数、一カ所で全てのトレーニングができる違いは絶対的です。ただし、練習の質は韓国も同じです」

──質が同じでも、量が違う。それがアルファメールの環境なのですね。世界中から集まってくる選手はハングリーではなかったですか。

「その通りですね。世界中のファイターが豊かではないです。ビッグステージ、いえビッグステージのトップでないと。米国で練習するということは、それだけ元手が掛かります。そうしている選手たちは、よりハングリーでやる気に満ち溢れていました。

米国にいた時、誰も知り合いはいなかったです。唯一の友人がMMAでした。韓国人選手が韓国にいる場合、日本人選手が日本にいるケースも、家族が近くにいてくれます。友人もいます。十分にお金がなくても、誰かが助けてくれます。助けがなくても、働くことができる。でも米国に行くと、自分たちは働くこともできない。そんな状況で強くなるためだけに米国に練習にいく選手たちは、シリアスでハングリー、覚悟が違っていました」

──そのアルファメールで、日本人選手と練習もしましたか。

「ミチノリ・タナカ選手やテルト・イシハラ選手、あとDEEPのチャンピオン(川原波輝)がいましたが、彼らはライト級の自分と比べると小さくてMMAの練習をほとんど一緒にしていません。ただ、2Rのキックボクシング・スパーをテルト選手とした時に、彼はサウスポーでホントに距離が取り辛くて、驚かされました」

──では王者クリスチャン・リーの印象を教えてください。

「クリスチャン・リーは良くバランスの取れた選手ですが、自分もそうだと思っています。どの局面でも戦える。ただ、クリスチャンはどちらかといえばレスリング、そしてグラップリング系で、自分はストライカーに近いウェルラウンダーです。スタイル的に自分には合う相手だと考えています。

彼は若く、ハングリーで毎試合成長しています。凄くアグレッシブで、前に出る選手です。ただし、先ほども言いましたが、自分には手の合う相手です」

──彼の際の無い、全てが繋がった動きは驚異ではないですか。

「確かにそうです。ただし、その連動も全て対戦相手をテイクダウンして、グラウンドに持ち込むためのものです。そこを逆算すれば、対応できます。テイクダウンを切る、テイクダウンされてもスクランブルに持ち込む。それができれば、良い結果がついてくると思っています」

──自信のほどは?

「正直にいえば対戦相手への自信は、誰と戦おうが持ち合わせていません。ただし、自分がやってきたトレーニングに自信を持っています。それだけ練習してきたので、自然と淀みなく動くことができます。特定の状況を設定して、練習を繰り返してきました。そして、常にここにいると、何が起こるのかということを頭に入れて動くようにしてきました。その状況が訪れた時、自分は凄く自信を持って戦えます。何百回、何千回と繰り返してきたことを実践すれば良いことだからです。ただし、クリスチャン・リーに対して自信は持ちません。

それは過信に繋がります。相手に対して自信があると、試合で痛い目にあいます。絶対に対戦相手を軽視することはないです。自信があるのは、自分が練習してきた状況に対してです」

──素晴らしい話です。オク・レユン選手、今日はありがとうございました。最後に韓国に次ぎ、オク・レユンを認識していた日本のファンに一言お願いします。

「日本はいつも、特別の国です。初めてチャンピオンベルトを巻いたのは日本のHEATでした。その国のことは、常に自分の心に残っています。日本は隣の国で、訪れるのも簡単です。だから試合でなく、旅行をしたいと思っていたらコロナパンデミックになってしまいました。昔から自分を応援してくれた日本の人たちをガッカリさせない試合をするため、ハードトレーニングをしてきました。最高のオク・レユンをクリスチャン・リー戦では見せます。カムサハムニダ」

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

The post 【ONE Revolution】クリスチャン・リーに挑戦、オク・レユン「対戦相手に対して自信は持ちません」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
ABEMA MMA ONE ONE Revolution UFC   オク・レユン キック キム・ジェウン クリスチャン・リー ジョシュア・パシオ チャンネル ボクシング マーカス・アルメイダ マーチン・ウェン ヴィクトリア・リー 猿田洋祐

【ONE Revolution】ONE世界ストロー級王者ジョシュア・パシオ─02─「僕の方からTDも奪いにいける」

【写真】まだまだ伸び盛りであることは確かなので、これだけ試合がなかったことが逆に怖いパシオだ(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」で、猿田洋祐の挑戦を受けてONE世界ストロー級王座防衛戦を戦うジョシュア・パシオ・インタビュー後編。

1年9カ月振りの防衛戦を前に、チーム・ラカイのオールラウンダー世代は成長し、パシオはウェルラウダ―であることを強調した。そして、このレイオフが彼に自信を与えていた。

<ジョシュア・パシオ・インタビューPart.01はコチラから>


──リトは同じ日にハシガトゥと対戦するので、ちょうど良かったですね。

「そうだね。リトともそうだし、今では多くのスパーリングパートナーがいるからね。スティーブン・ローマン、ジェレミー・ピカティウ、ダニー・キンガド、僕らは互いを助け合っている」

──チーム・ラカイのウェルラウンダー世代ですね。ところで猿田選手との試合は、テイクダウンディフェンスが鍵になりそうですか。

「特にそうは思っていないよ。今、僕らがウェルラウンダーだと言われてように、どの局面で戦えるように練習し続けてきた。別にサルタと戦うからといって、テイクダウンディフェンスにフォーカスすることはないよ。全ての局面を満遍なく強化しているから。一つに特化して練習することはない。それがウェルラウンディッド・ファイターになるということだからね。

打撃の距離、テイクダウンディフェンスを頭に入れて練習するのはそうだけど、防御だけじゃない。僕の方からテイクダウンも奪いにいける。全ての技術をサルタ戦に向けて、磨いてきたんだ。

サルタはとても積極的なアスリートだよ。サルタのような選手がいてくれることで、僕もより強くなろうというモチベーションを保つことができるんだ。サルタがナイトウに勝った試合は本当に良い試合だった。レスリング、グラップリングの両面で素晴らしい攻防が見られて、何よりサルタの勝ちたいという気持ちが伝わってきた。サルタはランキング1位に相応しい選手だよ」

──猿田選手は前回のジョシュアとの試合で、楽をしようという選択をしてしまった。それが敗因になったと言っていました。

「マーシャルアーツは負けて、学ぶことが多い。僕も同じだ。サルタに負けたことが、良いレッスンになった。それがマーシャルアーツの一番、素晴らしい点だよ。素晴らしい選手に敗れることが、学びになる。彼だけじゃない、サルタとの2試合によって僕もマーシャル―チストとして成長させてもらった。サルタのおかげだ」

──初戦は互角の攻防で判定負けでした。2度はKO勝ち。この勝ち方は自信になっていないですか。

「9月24日には、もっと自信のあるジョシュア・パシオを見てもらうよ。マーシャルアーチストとしては当然で、また闘士としてユースケ・サルタは優れている。何があっても彼を軽視することはない。もちろん、それはサルタだけでなく全ての対戦相手にいえることだけど。

彼も全力で僕に向かってくるだろう。僕も全力で彼を倒しに行く。爆発力のある最高のファイトになることは間違いない」

──前回の試合から、一番成長したのはどこでしょうか。

「さっきも言ったように、どこかの一つの局面を鍛え上げるということはなくて、全ての局面において成長してきた。弱点を克服し、強い部分を伸ばしてきた。次の試合では全ての局面において、以前より自信を持っていることを証明する。打撃、レスリング、グラップリングの全てにおいて、ね」

──ONEストロー級王座は、疑うことない世界の頂点です。MMAには多くの世界王座、ベルトが存在していますが、ヘビー級からフライ級までUFCが王座を制定しています。この最軽量の階級で世界一であることをどれだけ誇りに思っていますか。

「そりゃあ、凄く誇りに思っているよ。ストロー級はアジアにあって最強の階級だ。アジアには、欧米のように長身で大きな選手は多くない。僕は背も低くて小さい(笑)。この体格で世界一のONE世界ストロー級チャンピオンであることは、何にもまして僕が誇るべきことだよ」

──とはいえONEストロー級もアジア以外の選手の台頭があります。

「ボカン・マスンヤネだね」

──今は猿田選手との防衛戦に集中しないといけないですが、ボカン・マスンヤネやジャレッド・ブルックスについてはどのように思っていますか。チーム・ラカイやフィリピン勢はアジアでの最強のフィジカルの持ち主ですが、ボカンのフィジカルはそれ以上だろうと思われます。

「確かにボカン・マスンヤネの身体能力は高い。ベースがレスリングだし、レスラーのフィジカルが優れているのは、まぁ普通のことだよ(笑)。パワーがあって柔軟だよね。ボカン・マスンヤネの試合を見るのが楽しみなんだ。爆発力があるアスリート、ファイターだから。ただ、今は彼を対戦相手として見ることはできない。僕にはユースケ・サルタ戦が控えているからね」

──その猿田選手との防衛戦、どのような試合にしたいですか。

「さっきも言ったけど、以前より成長して、自信を得ることができたジョシュア・パシオを披露したい。ここまで努力してきたことを、試合に出したい。そして、どれだけウェルラウンド・アスリートになっているか見てほしい」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「全ての日本のファンへ、いつも僕らをサポートしてくれることを感謝している。ONEが日本大会を開いた時も、訪れることができなかった。コロナが終わったら、すぐにも日本に行きたいと思っている」

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
アンダーソン・シウバ(ブラジル)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

The post 【ONE Revolution】ONE世界ストロー級王者ジョシュア・パシオ─02─「僕の方からTDも奪いにいける」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
ABEMA MMA ONE ONE Revolution   エドゥアルド・フォラヤン オク・レユン キック キム・ジェウン クリスチャン・リー ジョシュア・パシオ チャンネル ボクシング マーカス・アルメイダ マーチン・ウェン ヴィクトリア・リー 猿田洋祐

【ONE Revolution】猿田洋祐の挑戦を受けるジョシュア・パシオ─01─「仕事の依頼を受けるのは当然」

【写真】ZOOM取材でもヘアスタイルをしっかりとしてくるのが、ジョシュア・パシオだ(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」でジョシュア・パシオが、猿田洋祐の挑戦を受けてONE世界ストロー級王座防衛戦を戦う。

パンデミック後、チーム・ラカイ勢はコンディションにバラツキが見られる。それでも戦い続けるチームリーダー=エドゥアルド・フォラヤンの背中を見て、若きチャンピオンはどのように思っているのか。1年9カ月振りの実戦を前に、パシオに話を訊いた。


──10日後に猿田洋祐選手の挑戦を受けます(※取材は9月14日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「最高だよ。もう準備はできている。早くシンガポールに行きたくて、ムズムズしているんだ」

──2020年1月以来の実戦になります。この間、昨年11月に猿田選手の挑戦を受けることが決まっていたのですが、この時は実現しませんでした。何があったのでしょうか。

「パンデミックが起こり、とにかく全てが大変な状況に陥ってしまった。去年の11月は……コロナの影響で日常生活も、トレーニングも以前とは違っていると感じていて、まだ試合ができる状況じゃなかった」

──確かに去年の10月からONEの国際大会が復活して、チーム・ラカイのメンバーはコンディションが整っていなかったことが多かったように感じました。

「そうだね。去年はジムで練習すること自体が難しくて。今年になってからは、徐々に普通に戻って来たけどね。ジムでもジム以外でもトレーニングできるようになったし、そこは凄く改善されたよ。でも、僕自身は3月に感染して……しばらく練習できなくなっていたんだ」

──そうだったのですか!!

「ずっと自分の部屋にいないといけなくて、凄く退屈だった。でも、後遺症もないし、そこは本当に助かったよ。陽性になったときも無症状だったし、だいたいいつ感染したのかも覚えがない。そんな状況だったんだ。熱もなかったし。ただ無症状で練習をして、チームメイトに感染させていたらと考えるとぞっとする。あの時、検査で陽性だと分かった良かった」

──それがCovid19の怖いところですね。今も、練習環境や普段の生活は問題ないですか。

「チーム・ラカイの練習は元に戻っているよ。バギオやその一帯は、以前のように戻りつつあるから大丈夫だよ。でも、マニラは酷い状態なんだ。コミュニティ隔離措置が一度は制限緩和することが決まったけど、感染状況が悪くて継続されることになったんだ(アラート4を呼ばれる措置で、屋外飲食サービスはキャパの30パーセントまで。屋内飲食はワクチン接種をした者に限られ、かつキャパの10パーセントまでしか認められない。パーソナルケアサービスは美容院、ネイルサロンなどが飲食と同じ条件でサービスが許されるが、ミーティング、展示会、カンファレンスなどは禁止されている)」

──この間、ジョシュアが試合に出ていなかった間に。スティーブン・ローマン、ジェレミー・ピカティウ、さらにマーク・サンジャオ・コーチの息子であるジャンロ・サンジャオがONEとサインをしました。

「マーシャルアーツの最大の舞台の一つで彼らも戦えるようになり、とても嬉しいよ。もう、これまでに実力があることは証明しているしね。スティーブンとジャレミーはすぐにトップ戦線で戦い、ONEでもチャンピオンになれる可能性は十分にある。僕はそう思っているよ」

──その一方でチームを長年引っ張ってきたエドゥアルドは、厳しい状態が続いています。なぜ、彼はオファーを断ることなく試合を受け続けるのでしょうか。ジョシュアはエドゥアルドがオファーに応じ続けることをどのように思っていますか。

「言いたいことは分かるよ。でも、エドゥアルドも試合後は体を休めているし、練習に戻ってくるとどこも問題なく動けている。今日もエドゥアルドは朝の練習に参加していた。そして、弱点を克服するためにハードにトレーニングを続けている。新しい技術を学び、ドリルで身につけようと努力しているんだ。僕はエドゥアルドは戦い続けることができると信じている。

僕も試合ができる状態なら、オファーを断ることはないよ。チーム・ラカイのメンバー、皆がそうだろう。僕らはプロフェッショナル・アスリートだから。これは僕らの仕事でもあるしね。仕事ができる状態なら、仕事の依頼を受けるのは当然のことだよ。ホント、それだけのことだからね」

──それがチーム・ラカイに浸透している考えなのですね。ところでこの間、チームメイトのリト・アディワンが同じストロー級でも存在感を増してきました。

「リトは去年、お母さんを亡くすという本当に辛い時間を過ごした。そこを乗り越えて試合に出て、KO勝ちしたんだ。フィジカルだけでなく、メンタルでもハードなチャレンジを自らに課して、乗り越えた。個人的にも彼は本当にハートが強くなったと思う。あの状況で試合を戦ったことで、リトはさらに強くなった。今ではリトは僕の最高のパートナーの1人だよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

The post 【ONE Revolution】猿田洋祐の挑戦を受けるジョシュア・パシオ─01─「仕事の依頼を受けるのは当然」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
ABEMA MMA ONE ONE Championship ONE X オク・レユン キック キム・ジェウン クリスチャン・リー ゲイリー・トノン ジョン・リネケル タン・リー デメトリウス・ジョンソン ビビアーノ・フェルナンデス ブログ ロッタン・シットムアンノン

【ONE X】12月5日に10周年記念大会、2つの世界戦に加え──ロッタン✖DJの混合マッチが決定!!

【写真】最高の食材が揃ったゲテモノ料理となるのか、新たなメインディッシュとなるのか(C)ONE

16日(木)、ONE Championshipが12月5日(日・現地時間)に10周年記念大会=『ONE X』を開催すること2つの世界戦、そしてムエタイとMMAの混合ルールでロッタン・シットムアンノンとデメトリウス・ジョンソンが対戦することが発表された。

グラップリングではなくプロ修斗公式戦、つまり岩本がMMAデビューを迎えることとなった。2011年9月3日の第1回大会から10年が過ぎ、世界のMMA界においてアジアを代表する存在となったONEが、10周年記念大会である意味、ONEらしいマッチアップを発表した。


ONEムエタイ世界フライ級王者でキックでも同級ランク1位のロッタンは2018年のONE初出場以来、MMAグローブでの立ち技戦で圧倒的な強さを見せ、10連勝中だ。

一方のDJはフライ級ワールドGPを制したものの今年の4月にアドリアーノ・モライシュの持つONE世界フライ級王座に挑戦し、人生初のKO負けを喫した。

立ち技では世界最高のロースターを誇るONEを代表する若き鉄人ロッタンと、MMAに至宝といえる全ての局面を融合させたDJの戦い。10周年記念大会のお祭り的な意味もあり、ONEの発表自体にone-of-a-kind battle(唯一無二のバトル)という表記も見られるが、最高の役者の顔合わせで格闘技的にも興味深い局面はいくつも考えられる。とはいっても、勝負の鍵を握るのはルール設定──以前にムエタイとMMAのどちらを先に持って来るのかという点に尽きる。

MMAグローブ着用で行われるようだが、ラウンド数や1Rが何分になるなどは明らかになっていない。重ねてルール設定がまず鍵となる一戦だけに正式発表を待ちたい。

またONE世界バンタム級選手権試合=王者ビビアーノ・フェルナンデス✖ジョン・リネケル、そしてONE世界フェザー級選手権試合=王者タン・リー✖ゲイリー・トノンという2試合もアナウンスされた。

前者は柔術✖ボクシングのブラジリアン同朋対決、後者はテコンドー系トータルファイターと至宝のグラップラーのマッチアップ、異種格闘技の香りがするMMA世界戦も要注目だ。

なおONE Xはさらに複数の世界が予定され、ONE10年の歴史を彩ったファイター、これからの10年を創っていく選手が勢揃いするという話も伝わってくる。そうなれば、「試合のオファーがあった」とSNSで発したあの人の参戦も十分に有り得る。出場メンバー、対戦カードの続報が気になる10周年記念興行だ。

■ONE「Revolution」視聴方法(予定)
9月24日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ONE「Revolution」対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] オク・レユン(韓国)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<ONE世界ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ジョシュア・パシオ(フィリピン)
[挑戦者]猿田洋祐(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
マーチン・ウェン(豪州)
キム・ジェウン(韓国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
アミール・アリアックバリ(イラン)
アナトリー・マリキン(ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ヴィクトリア・リー(米国)
ヴィクトリア・ソウザ(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ハシガトゥ(中国)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ペッダム・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
内藤大樹(日本)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・アルメイダ(ブラジル)
トーマス・ナルモ(ノルウェー)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットフォーガス(タイ)
ジャン・チェンロン(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ジェームス・ヤン(米国)
ロエル・ロサウロ(フィリピン)

The post 【ONE X】12月5日に10周年記念大会、2つの世界戦に加え──ロッタン✖DJの混合マッチが決定!! first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
ABEMA MMA ONE ONE Revolution オク・レユン キック クリスチャン・リー ジョシュア・パシオ 修斗 海外 猿田洋祐

【ONE Revolution】パシオと決着戦、猿田洋祐「リベンジがしたいわけじゃない。狙っているのはベルト」

【写真】ブレがない猿田。手術痕を誇示してポーズ!!(C)MMAPLANET

24日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Revolution」で猿田洋祐が、ジョシュア・パシオの持つONE世界ストロー級王者に挑戦する。

ONE世界ライト級選手権試合=王者クリスチャン・リー✖ 挑戦者オク・レユン、ONEキック世界バンタム級選手権試合=王者カピタン・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者メヂ・ザッツプッツと並び、トリプルクラウンが組まれた同大会で、猿田が3度目のパシオ戦に挑む。

昨年9月のRoad to ONE、内藤のび太を破ってから1年が過ぎ、ついにタイトル挑戦の日が決まった猿田の心境、王座奪取に賭ける想いを尋ねた。


──去年9月にRoad to ONEで内藤のび太選手に勝利してから1年が経ち、パシオへの挑戦となりました。内藤のび太戦ですが、今から振り返るとONEと契約している選手が日本で日本人選手と試合をする。なかなかリスキーなことで、大抵の選手は嫌がる状況下での試合を猿田選手は率先して戦いました。これこそ猿田選手のタイトルへの想いが表れた試合だったかと。

「確か1カ月ぐらい前だったと思うんですよね、オファーが来たのが。内藤のび太選手と試合をやるのに準備期間が1カ月、他の選手だったら断るかもしれないですね。でも自分はなんか、あまり試合を断ったことがなくて……というか断ったことは1度もないと思うんですよね。2週間前とかのオファーでも受けてきたので、のび太選手との試合も即決しました。

のび太選手とはやるだろうとイメージしていたので、即答できたというのもあります。ずっと戦いたい相手だったので。それがONEのタイトルマッチでメインイベントとかでできたら最高だなっていうイメージをしていました。だから、自分はすぐに飛びつきました。

迷いはなかったし、あとランキングも発表されていたじゃないですか。1位と2位の対戦、もちろんONEの本戦で戦うことができれば1番のアピールになっていたと思います。でも、ただ待っていてもチャンスは巡って来ないので。O-EASTで試合をしても、その結果は必ずメディアが報じてくれます。良いアピールになるので迷いはなかったです。あの試合があったから、1年という時間は掛かりましたけどタイトル戦が決まったという想いではいます」

──内々では昨年の11月か12月にパシオへの挑戦が決まっていたかと。

「ハイ、11月でした」

──パシオのケガで流れたという話もありましたが、当時のラカイは選手の感染もあったようでメディアでは正確な情報が掴み辛かったです。

「僕もパシオの怪我だと聞きました。ただ、それで精神的な上下というのはなかったです。そういうのはあまりないんですよね。以前はありましたけど、大沢さんに変えてもらって。昔は修斗のチャンピオンを目指していて、そこがゴールだと思っていました。そのためにHEARTSに移籍して、チャンピオンになりました。そこでは『防衛していって引退するのかな』っていうイメージしかなかったです。でも試合が終わった直後に大沢さんから『他の団体でも獲れよ』、『2階級、やれよ』と言ってくれて。

それに乗せられたというか(笑)。大沢さんのような人がいないと、やっぱり自分で考えているだけだったら、上を目指せていなかったです。大沢さんがいてくれて助かりました。自分のスタイルというか、試合は華がある感じではないので……」

──何て返せば良いのか……。

「パッと見で注目されるような試合はできないので、どうすれば注目してもらえるのかを考えた時、大沢さんが『いっぱい試合をしろ』ってアドバイスをくれました。チャンピオンになっても2カ月に1度試合をするとか。団体を渡り歩いて、試合をしていくとか。他のチャンピオンがやらないことをやっていこうと。それしかないと言ってもらえましたね」

──シュガー・レイ・レナードではなくて、トーマス・ハーンズということですね。

「いやぁ、分からないですけど(笑)」

──スーパースターになって大きな試合だけやっていくのか、ランキングを上がってきたボクサーと従来通り防衛していくのか。前者は負けても、それほど傷ついたイメージはなかったです。でも、後者のハーンズはそうやって試合を続けていると、ビックネームを相手にしていなくても負ける可能性がある。そんなハーンズが、どんどん格好良くなっていったんですよね。

「まぁ、そうですね。そういう姿勢を見せていきたいです」

──そういう風に考えると、ストロー級で海外、国際戦で戦っていける。そういう舞台がONEにできたことは猿田選手のキャリアでも本当に大きなことでしたね。それでも11月予定が、10カ月遅れで実現というのはなかなか気持ち的にも難しい時期があったのではないでしょうか。

「そうですね。11月にあるかもと言われていた試合がなくなって、次は1月、それから4月となく、7月ぐらいにあるかもしれないと言われていたので、その度に試合に向けて創っていく、それだけでした。あと今年に入ってから、ちょっとヒジの調子が悪くなって……もともと痛めていたのですが、頭や顔を洗うこともできないとか日常生活にも影響が出てきてしまって」

──それはかなりの症状ですね。

「それこそヒジに抜けそうになっていて、どこかのタイミングで手術をしないといけないと考えていました。でも4月にタイトル戦があるかもしれないということで、テーピングを巻きながら練習はしていたんです。結果、2月の終わりぐらいに4月はないということが分かって、それならこのままずっとやっていても良い練習はできないし、この状態で試合をしても後悔してしまう。そう思ったので、4月の頭に手術をしました。

先生は『普通だったら試合に出たり、練習ができるようになるまで半年は掛かる』と言われていたのですが、結局1カ月間で練習に復帰しました(笑)」

──それだけ、治癒が早かったと。頑丈ですね。

「頑丈なんですかね(笑)。でも、自分でも先生に『1カ月半、2カ月あれば治ると思います』って話していたんです。そのイメージでいたら、そうなりました(笑)。そうしないと間に合わないと思っていたので。だからリハビリに関しても、7月に試合をするイメージでやっていました」

──イメージすることが、そこまで大切だったとは。自分も五十肩が治るイメージを持つようにします(笑)。ところでこの間に挑戦権が、他の選手に回るという不安はなかったですか。

「う~ん、そうなるならそれで全然構わないし、別に順番はどうでも良いです。もっと言ったら、別にパシオでなくても良い。狙っているのは、ONEのストロー級王座なので。世界一のタイトルを持っているのが、今パシオ選手だから挑戦したいだけで、別に前回のリベンジをしたいわけじゃないし、彼と絶対に戦いたいというわけではないんです。現段階のチャンピオン、強い奴とやりたいだけで。常にそれは思っています」

<この項、続く>

The post 【ONE Revolution】パシオと決着戦、猿田洋祐「リベンジがしたいわけじゃない。狙っているのはベルト」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
News ONE ONE Evolution オク・レユン クリスチャン・リー ジョシュア・パシオ ブログ 猿田洋祐

【ONE Revolution】9月24日にクリスチャン・リー✖オク・レユン。そしてパシオ✖猿田の決着戦

【写真】ようやくPacio vs Saruta IIIが実現する(C)MMAPLANET

17日(火・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンが自らのSNSで、9月24日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムでONE「Revolution」を開催することと、タイトル戦3試合を発表している。

9月3日(金・同)のオール女子イベント=Empowerからオンリー・ライブ中継イベントが復活するONEが、早くもその次のイベントでMMA2階級、ムエタイ1階級のトリプルクラウンを組むことを明らかとした。


その3階級とはMMAがライト級で王者クリスチャン・リーにオク・レユンが挑む一戦と、日本の猿田洋祐がジョシュア・パシオとの決着戦に挑むONE世界ストロー級選手権試合の2試合、そしてキックの世界バンタム級選手権試合=王者=王者カピタン・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者メヂ・ザッツプッツ戦だ。

クリスチャン・リーにとって3度目の王座防衛戦は、韓国からのチャレンジャー=オク・レユンを迎え撃つこととなった。オク・レユンは4月のTNTシリーズでマラット・ガフロフ戦勝利に続き、エディ・アルバレスの3大メジャー制覇の夢を潰し、挑戦権を掴んだ。

パシオ✖猿田のトリロジー決着戦は、昨年の国際大会再開期に一度決定していたが、パシオの負傷で流れたという背景がある。去年はパンデミック化で、リスクの高い国内大会=Road to ONEに出場して、内藤のび太に勝利した猿田。それだけタイトル奪回への想いは強い。

またONEにとって2021年9月は活動開始から10年の記念月間。年末まで記念シリーズが続くという話も伝わって来ていたが、10周年に相応しいカードの発表を待ちたい。

■ONE Battle Ground03視聴方法(予定)
8月27日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ ONE Battle Ground03対戦カード

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)

<57.7キロ契約/5分3R>
デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク(タイ)
バンマードォーチー(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
シェ・ウェイ(中国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)
ジェネリン・オルシム(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
プレウ・オトゴンジャルガル(モンゴル)
ベン・ロイル(英国)

The post 【ONE Revolution】9月24日にクリスチャン・リー✖オク・レユン。そしてパシオ✖猿田の決着戦 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
ONE ONE TNT04 ONE119 Report  グラチアン・サジンスキ エディ・アルバレス オク・レユン ブログ

【ONE TNT04】エディ・アルバレス、初回にダウンしカムバックも打撃で勝負できず。オクに下る

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
オク・レユン(韓国)
Def.3-0
エディ・アルバレス(米国)

かなり慎重差のある両者。アルバレスが右ロー、オク・レユンの左ロングフックをかわす。オク・レユンが右ローを当て、アルバレスはジャブから一度戻ってテイクダウン狙いへ。エルボーを入れたオク・レユンは、アンクルピックで尻もちをつかされすぐに立ち上がる。ケージを背にし、シングルにエルボーを再び落としたオク・レユンが倒れない。ボディにもヒザを受けたアルバレスの頭が上がる。

右を差し、右足で小外を狙ったアルバレスが、ヒザ蹴りに切り替えてボディロックテイクダウンに成功──も、ここもオク・レユンが一瞬にして立ち上がる。残り2分、アルバレスが離れローに右を合わせる。アルバレスのジャブに右を返し、再び右を当てる。効いたアルバレスの動きが止まり、ローを蹴るがオク・レユンが右を入れてダウンを奪う。クローズドガードのアルバレスにパンチ、鉄槌を連打するがレフェリーが試合を止めない。スタンドに戻り、ミドルとフックを当てたオク・レユンだがアルバレスも右フックを返し時間となった。

2R開始直後にシングルに出たアルバレス、エルボーを続けるオク・レユンはボディにヒザを受けてもテイクダウンは譲らない。組みの圧力が落ちないアルバレスもさすがだが、離れるとオク・レユンがジャブを伸ばす。ヒザ蹴りから右を当てたオク・レユンは、ボディロックテイクダウンを許しても、即スタンドへ戻る。

初回のラッシュに打ち疲れ感のあったオク・レユンも、我慢の時間だ。と、いなして離れたオク・レユンはダブルレッグでケージに押し込まれるが、ここも耐える。アルバレスはヒザをボディに入れ、ショートのフックからダブルレッグもテイクダウン出来ずに離れる。

オク・レユンも打撃戦には持ち込めず、アルバレスの押し込みが続く。残り40秒、離れたアルバレスがワンツーを伸ばし、パンチからダブルレッグという動きを続ける。さらに右ハイから組んでいったアルバレスが攻勢も、ダメージでは以前オク・レユンがリードのまま試合は最終回へ。

3R、ケージに押し込まれ相当疲れたように見えるオク・レユン、アルバレスは初回のダメージからカムバックできている。勝負の5分は、アルバレスの左フックでスタートを切る。フックからシングルのアルバレス、切ったオク・レユンが右を被弾する。大きな振りのパンチからアルバレスのテイクダウン狙いに、オク・レユンがヒザを合わせていく。

離れたアルバレスは、フックにダブルレッグを合わせて倒すことに成功。オク・レユンはすぐにスクランブルから離れ、右を打ち込む。アルバレスの動きが止まるが、オク・レユンも追撃はない。アルバレスは組んでクリンチ、離れると左を被弾する。打撃で圧力をかけることができず、組みへの繋ぎでしかなくなるとノックアウトは難しいか。

残り1分40秒、遠い間合からローを蹴りある両者。アルバレスはここもダブルレッグでケージへ。倒れないオク・レユン、最後の60秒で離れると左を打たれ、蹴りにも右が飛んでくる。オク・レユンは相当に厳しい局面だが、アルバレスも打撃で逆転はできない。ハイからスピニングバックフィスト、組んだアルバレスから離れると、左オーバーハンドにオク・レユンはヒザを突き上げる。最後の打撃戦、振りは鋭いが倒す圧力はなかったアルバレス、時間となりONE裁定ならオク・レユンという内容だったが……果たして。

ジャッジの裁定は3-0でオク・レユンに凱歌が挙がった。


The post 【ONE TNT04】エディ・アルバレス、初回にダウンしカムバックも打撃で勝負できず。オクに下る first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
Interview ONE ONE TNT04 ONE119  グラチアン・サジンスキ エディ・アルバレス オク・レユン ブログ

【ONE TNT04】エディ・アルバレスと対戦、オク・レユン「今なら7割から8割、倒せるチャンスがある」

【写真】これほどまで状況判断ができており、言葉にもできる。オク・レユン、大きなことをやりそうだ(C)ONE

29日(木・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE119:ONE TNT04。同大会でオク・レユンがエディ・アルバレスと対戦する。

今月8日にマラット・ガフロフを破り(※中継は22日)、ONE初陣のタフファイトが終わった直後に決まったアルバレス戦。いきなり舞い込んだビッグファイトに向け、オクにガフロフ戦を振り返ってもらい、アルバレス戦への意気込みを訊いた。


──まずガフロフ戦の勝利、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──タフファイトでした。初回、バックを取られて我慢の展開が続きました。

「深く入ってきたこともありましたが、気持ち的は『大丈夫だ。これは逃れることができる』という感覚でした。あれは自分でなく、マラット・ガフロフが疲れる展開だったので。だから初回は我慢、時間まで耐えて2Rになれば自分が攻める番だと考えていました」

──そこまで余裕を持っていたのですね。驚きです。ところでONEでは対戦相手が寝技状態にあるときにヒザ蹴りを使えます。このルールもしっかりと対応していましたね。

「組み合って動かない。そういう時間がMMAでは多く存在していますが、グラウンドでのヒザ蹴りがあることで試合は動きますし、視ているファンも楽しめると思います。ファンも何かが起こるかもっていう風に試合を見ることができますよね。

ただし、グラウンドでのヒザ蹴りは本当に危険です。それでもテイクダウンを狙ってくるところに近距離でヒザを打てるというのは、絶対に試合をエキサイティングなモノにすると思います」

──ガフロフも3Rに反撃をしてきました。試合が終わった時、判定勝ちできる自信はありましたか。

「UFCのようなユニファイドルールであれば、あの試合は互角だったと思います。テイクダウンへの比重が高いですからね。ただし、ONEの裁定基準はダメージが最重要視され、そこが明確に評価されます。

この裁定基準に則していると、自分が勝っていると信じていました。自分は全くダメージはなかったです。例えテイクダウンをされ、バックマウントを奪われても。

それに下になっても三角絞めの態勢を創ることができていました。自分が勝っているという自信が揺らぐことはなかったです」

──試合前、77キロで戦うことに関して心配をしていました。戦ってみて自らの動きを水抜き有りの70キロでの試合と比較していかがでしたか。

「以前のように厳しい減量の必要がなくなりました。こんなに素晴らしいことはないです。コンディションは最高でした。でも、おかしなモノでこれから試合があるという気持ちが削がれていたんです。これまで試合前には、厳しい減量があり、それを乗り越えてから試合があった。その厳しい減量がないことで、試合をするという気持ちが以前のようにわいてこなかったです。本当に奇妙な話です。

ただし、そこについては慣れていくと思います。試合中に感じたことは、自分が77キロとして弱いのか、マラットが強すぎるのか──それは分からないのですが、マラットは本当に力強いと感じました。

テイクダウンを防げなかったり、サブミッションを仕掛けられたのはマラットには凄まじいパワーがあったからです。77キロで戦うと常にそうなのか。それともマラットが特別に強いのか──そこはまだ分かっていないです」

──試合が終われば77キロの体を創っていかないといけないという風に話していましたが、直ぐにエディ・アルバレスとの試合が決まり、その時間を設けることはできなかったです。

「マラットとの試合を終えた時、自分がまず思っていたのは帰国して──休んで、食べて、77キロの体を創ろうということでした。でも、帰国した直後にエディ・アルバレスと試合をしないかというオファーが届きました。

自分の体が準備できていないことは確かです。ちょっとしたケガもあります。コンディションとしては、万全でないのは明白です。でもエディ・アルバレスと戦うチャンスが、自分の人生に何度も訪れるとは思えないです。だから、何も考えず試合に集中しています。ただケージに入り、ベストと尽くす覚悟ができました。

そうしたら不思議なことに人生最大の試合なのに、心が落ち着いているんです。何も恐れていないです。これがゾーンなのかもしれないですが、自信しかないですし凄く集中できています」

──素晴らしく頼もしいです。エディ・アルバレスは長年のハードファイトの蓄積で拳の強さと同様に、脆いアゴの持ち主になっています。

「確かにその通りです。エディ・アルバレスは打たれ弱いです。同時に尋常ならざる気持ちの強さがあります。エディ・アルバレスはどの試合でも倒されていますが、そのたびに立ち上がっています。そこがエディ・アルバレスの最も怖いところです。

そんなエディ・アルバレスのことを心の底から尊敬しています。でも、その彼を僕はぶちのめさなければならないです。そのためにしっかりと距離を取り、アゴにパンチを入れてKOしたいです」

──世界を驚かせる準備はできていますか。

「エディ・アルバレスの絶頂期はBellatorやUFCでチャンピオンだった時です。あの時のエディ・アルバレスに勝つなんて本当に困難なことです。ただし、今は違います。彼のピークは過ぎました。試合をするたびに弱くなっています。

今のエディ・アルバレスなら7割から8割、彼を倒すチャンスがあると思っています。自信はあります」

──この試合に向けて、勝てばタイトル挑戦が近づくという気持ちはありますか。

「エディ・アルバレスに勝てばタイトルに挑戦できると思います。クリスチャン・リーは1位のダギ・アサラナリエフ、2位のユーリ・ラピクス、3位のティモフィ・ナシューヒン、4位の青木真也選手に勝っています。現状5位のマラット・ガフロフに自分は勝ち、ここでエディ・アルバレスに勝てば、クリスチャン・リーへの挑戦者という話題になれば、自分も言及されることになると思っています。

ただし、エディ・アルバレスに勝っても自分はONEで2勝したに過ぎないです。だから、自分からタイトルショットを口にすることはありません。それにエディ・アルバレスにまだ勝っていないで。今はエディ・アルバレスに勝つことに集中しています」

──今回、オク・レユン選手がエディ・アルバレスと戦うということで、強い意志を持ってMMAを続けていれば大きなチャンスが巡ってくると日本の若いMMAファイターにも示してくれました。

「……。そこだけなんです、自分が今プレッシャーを感じているのは(苦笑)。チームMADでも『これはお前1人の試合じゃない。若く将来に夢を見ている連中がお前の背中を見ている』と言われて……凄く重圧になっていて……。今、日本の若い選手たちもそういう風に自分の試合を見ているんだと分かり、プレッシャーが強くなりました……。

でも同時にそう言ってもらえて、より気合が入りました。絶対に何があっても、試合中に諦めることはないです。ありがとうございます」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

The post 【ONE TNT04】エディ・アルバレスと対戦、オク・レユン「今なら7割から8割、倒せるチャンスがある」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
ONE ONE TNT03 ONE118 Report オク・レユン ブログ マラット・ガフロフ

【ONE TNT03】初回のバックグラブを耐えきったオク・レユン、マラット・ガフロフに判定勝ち

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
オク・レユン(韓国)
Def.3-0
マラット・ガフロフ(ロシア)

それほど膨らんでいないガフロフ、身長で上回るオク・レユンが右カーフを蹴っていく。ケージまで下がったガフロフは、3発のカーフが既に効いているか。ダブルレッグでドライブし、ケージにオク・レユンを押し込んだガフロフ。ウィザーのオク・レユンを前方に崩し、パンチからバックに回る。背中を取ったガフロフはスタンドで両足をフックしてパンチを打ちつける。後頭部パンチに一度注意が入り、鉄槌、ワキの下からのアッパーと入れるガフロフに、もう1度注意が与えられる。

ガフロフは絞めに切り替え、アゴの上からネックロック気味にRNCを狙う。オク・レユンが手首を掴んで耐えるが、ガフロフはパームトゥパームで絞め、四の字フックを続ける。オク・レユンが後方へエルボーを入れて我慢の時間も、弱冠の余裕は感じられるか。オク・レユンはグラウンドへ行かないことで、ガフロフのバックグラブを耐えきった。

2R、ワンツーからパンチをまとめたオク・レユンは、ガフロフのダブルレッグにヒザを顔面に打ちつける。それでもケージに押し込んだガフロフはウィザーのオク・レユンに対し、ヒザも急所に入る。試合は続行され、オク・レユンがダブルレッグを切りつつエルボーを頭部に落としていく。執拗にダブルレッグを続けるガフロフに、頭を股間の下に置き体を捩じることで耐えきり、バックを伺う。

前方に落とされたオク・レユンは、三角絞めへ。オモプラッタに移行しつつパンチを入れたオク・レユンだが、クローズドガードに落ち着く。再度、三角を仕掛けたオク・レユン、ガフロフは腕を送られないように対処するが、下からのパンチを嫌がる。鉄槌を落としたガフロフが、クローズドガードの中に収まりラウンド終了を迎えた。

最終回、オク・レユンが右カーフロー、続いてワンツーへ。打撃戦に応じることができないガフロフは、足を効かされガスアウトが顕著だ。ダブルレッグを切ったオク・レユンがパンチを纏め、左フックをクリーンヒットさせる。さらに左ボディフック、右ストレートを決めたオク・レユンがカーフを2発蹴る。動きが止まったガフロフにワンツーを打ち込んだオク・レユンは、ダブルレッグからバックも許さずケージを背負っても倒れない。

残り2分、頭を下げられヒザをついたガフロフの激しい息遣いが聞こえてくる。一度は尻もちをつかされたオク・レユンだが、すぐに立ち上がる。ボディロックからバックに回ったガフロフは見事なコントロールで、前方に落とされることなく両足をフックへ。

維持できないとみたオク・レユンが着地すると、逆にオク・レユンがバックに回る。アームロック狙いで下になったガフロフから、上を取り背中にオク・レユンがついたところで時間となった。

結果、オク・レユンが3-0で勝利。勝者コールに叫び声を挙げたオク・レユンは、ガフロフに握手を求めて感謝の意を表した。


The post 【ONE TNT03】初回のバックグラブを耐えきったオク・レユン、マラット・ガフロフに判定勝ち first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
Interview ONE ONE TNT03 ONE118 オク・レユン ブログ マラット・ガフロフ

【ONE TNT03】ガフロフ戦前のオク・レユン「77キロでどれだけ戦えるのか。ガフロフ戦の不安はそこだけ」

【写真】ガフロフ戦に勝っていたら、エディ・アルバレス戦という展開が待ち受けることになるとは。アルバレスが2019年のフォラヤン戦のような状態なら、オク・レユンに勝つチャンスはいくらもである。なので時系列がおかしいが、マラット戦は本当にキャリアを左右する試合になっていた……(C)MMAPLANET

22日(木・現地時間)に中継されるONE118:ONE TNT03で、マラット・ガフロフとの一戦が放送されるオク・レユン。

元HEATライト級チャンピオンは、日本でも知る人ぞ知る実力者だ。コロナ後はDouble GFCでブレンゾリグ・バットムンク戦、そしてキ・ウォンビン戦で勝利しライト級のベルトを巻いた。

クォン・アソルが長い間、半リタイア状態のK-MMA界において、キ・ウォンビンを破ったオク・レユンはUAEWをセンタしたキム・ギョンピョと並び、韓国最強のライト級ファイターであることは間違いない。

この試合の勝者がエディ・アルバレスと戦う──そんな味付けが試合後になされたオク・レユンのONE初陣前の心境をお届けしたい。


──レユン選手がONEで戦うようになったこと、凄く興奮しています。

「ありがとうございます。最高のデビュー戦にしたいと思います」

──パンデミック後、Double GFCで2度戦いキ・ウォンビン選手を破りライト級王者になりました。今や韓国最強のライト級の1人といえます。ここでONEと契約したのは?

「コロナが広まり、外国人選手が韓国にやってきて、試合をすることはできなくなりました。キ・ウォンビンを破りチャンピオンになったことで、韓国で戦うべき相手はいなくなったと思います。もう、自分の相手は韓国人選手にはいないです。

それでも、より強くなるために外国人選手と戦っていかなければならないです。それが今の韓国では不可能です。来韓しても隔離措置が必要で、この状況では外国人選手は韓国では戦えないです。だから海外のより環境が整った場所で戦いたいと思いました。

今年の1月にONEから連絡がきたことは、タイミングとしてパーフェクトでした」

──チームMADの仲間もONEで戦っています。

「ペ・ミョンホ選手がONEで試合をしていますね。ぺ選手はウェルター級からライト級に落とすので、同じ階級で切磋琢磨することになります」

──レユン選手も170ポンドのライト級にアジャストする必要があります。

「この計量システムは素晴らしいです。自分は韓国で減量のし過ぎでリスクが高すぎるという状況を見てきました。だから、この体重とハイドレーションを用いることは本当に賛成しています。でも経験のないことですから、不安を感じているのは確かです。

77キロのリミットで、自分がどのように動けるのかも分かりません。これまでより若干重いですし、また計量前の体重の調整方法もまだ分かっていないです。

だからこそ、全てが完璧にいうことはないという腹積もりでいます。今回の経験で次からもっと上手く調整していけると思っています。相手も同じ条件で計量を行うわけですし、結果的にとして公平です。しっかりと今後のためになるようにしたいですね」

──2012年から韓国人選手と日本人選手の試合は、韓国勢が優位で韓国のMMAの実力は日本を凌駕しアジアで1番だと思ってきました。しかし、ONEではなかなか結果が残せていないという事実が存在します。

「MMAに絶対はありません。ハードな練習をして、勝率を上げる努力をするだけです。韓国人選手が日本人選手を上回ったのかと言うと、韓国はMMAを戦う層が日本にように広くないので、精鋭が日本人選手と戦ってきたということはあるかと思います。

そしてONEに関していえば日本人選手の方が結果を残せています。でも韓国からも、もっと良い選手がONEで戦うようになり戦績は良くなっていくと信じています」

──ONEデビュー戦で元世界フェザー級王者と戦います。レユン選手のキャリアを考えても、本当に大切な試合かと思います。

「マラット・ガフロフはMMAにおいても、多くの場合グラップリングで戦ってきています。そういう点でいえば、自分は日本で多くのグラップラーとケージで戦うことができました。石川英司選手との試合や、岸本泰昭選手と戦ったことでガフロフと戦う下地ができていると思っています。

自分自身、グラップラーと戦った時の勝率は高いですし、自信は十分にあります。ただ、話が戻ってしまいますが77キロでどれだけ戦えるのかには不安を残っています。そこだけです、マラット・ガフロフと戦ううえで不安な点は。70キロの時と同じように動けるなら、ガフロフを倒す絶対の自信を持っています」

──逞しい言葉です。と同時にONEのフェザー級で戦うことは考慮しなかったですか。

「ハイドレーションがあるので70キロでは戦えないかと思います。今回、試合まで準備期間がなかったので実行できなかったのですが、この試合が終わるともっと食べて体を大きくします。もっと筋肉を増やし、体重も増やして77キロに合った体創りをしようと思います」

──なるほど。それだけに今回の試合は大切です。万全でないからと、パフォーマンスで劣るわけにはいかないですね。

「だからこそ、チャンスだと捉えています。長い間の努力の成果をこの試合で見せ尽くします。ゾーンに入ります。この試合が終われば、世界が自分を知ることになるはずです。世界を舞台に戦える力があることを示せるよう、ベストを尽くします」

──ではHEAT時代からレユン選手のことを注目していた日本のファンに一言お願いします。

「日本のファンの皆さん、応援ありがとうございます。自分自身、理由は分からないのですが、日本ではいつも調子よく戦えました。そして良い経験が詰め、良い思い出ばかりです。

コロナが収まれば、日本へ行って数週間か1カ月ぐらい滞在し、日本の選手たちと練習をしようと計画しています。日本のMMAの練習の仕方と栄養摂取について学んでみたいので、真剣に考えています。そのためにも、マラット・ガフロフとの試合でしっかりと勝ちたいと思っています。そして、日本へ行く計画を実行します」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月22日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT03対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
トロイ・ウォーセン(米国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
リース・マクラーレン(豪州)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
ウェイン・パー(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
マラット・ガフロフ(ロシア)
オク・レユン(韓国)

<ストロー級(※61.2キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
ミャオ・リータオ(中国)

The post 【ONE TNT03】ガフロフ戦前のオク・レユン「77キロでどれだけ戦えるのか。ガフロフ戦の不安はそこだけ」 first appeared on MMAPLANET.