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Bu et Sports de combat GLORY K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFC287   アレックス・ポアタン・ペレイラ イスラエル・アデサニャ キック ボクシング ライカ 中国武術 剛毅會 岩﨑達也 平本蓮 武術空手 鈴木千裕

【Bu et Sports de combat】武術的観点で見るMMA。アデサニャ✖ポアタン「態勢を崩さずに合わせた」

【写真】MMAの打撃とは。そしてMMAにおける打撃とは (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たイスラエル・アデサニャ✖アレックス・ポアタン・ペレイラ戦とは。


──アデサニャ✖ポアタンの再戦。前回は4Rで敗れたアデサニャが、2RでKO勝ちしました。

「前回も途中でケガをし、自滅しなければアデサニャの試合だったと思います。そのなかでポアタンは凄まじく質量が高かったのですが、キックボクシングを続けている。MMAの打撃にアジャストできていないという話をさせてもらったかと記憶しています。

あれから5カ月ぐらい過ぎ、この間に私もMMAで打撃の指導をすることで色々とMMAのことを考えてきました。MMAなのだから、立ち技で敵わないストライカーは組んでテイクダウンをして良いと思います。それがMMAで。でも、組めない時はどうするのか。打撃で決着をつけるしかないという状況に陥った時、今回のアデサニャがその答えとなる素晴らしい戦いをしました」

──前回は質量で負けていても、MMAの距離で戦う打撃で盛り返した。その質量という部分で、今回はどうだったのでしょうか。

「今回もポアタンは入場した時に『コイツは人間か!』というぐらいの質量でした。骨格を見ていても、進撃の巨人ですよ。あんなのにぶん殴られたら、とんでもないことになる。それは前回も同じでしたが、MMAの打撃が出来ていないのも同じでした。

そして前の試合では最初はビビっていたアデサニャが、今回はそんなポアタンを相手に自信を持って戦っていました。きっと自爆していないと、勝てたんだという風なマインドセットで試合に挑むことができたのではないでしょうか。実際にアデサニャの攻撃はMMAの距離で、左の突きから左の蹴り。これは剛毅會空手で常に指導していることなんです。そうやって、自分の距離を創るということですね。

それをやられたポアタンは何もできていなかったです。ポアタンは蹴りもパンチも良いけど、接近戦の攻撃しかない。ボクシンググローブをつけて、あの距離まで近づいてフックで戦ってきたんでしょうね。ストレートがないです。全部フック、寄ってフック。なぜ、そうなるのか。

これは私が不勉強で長い間、キックボクシングを見てこなかったので分かっていなかったのですが、私が見ていたキックと今のキックは違うということを最近気づきました。このところ平本蓮以外にもキックをやってきた選手がウチにやって来て稽古をしたのですが、『なぜ、この距離なんだろう』と理解できなかったんです。

だから最近のK-1の試合を視てみました。するともう私が知っている頃のキックボクシングではない。一度の掴みで一発が許されているという戦い方をしていて、首相撲に捕まるとかが一切なくなっている。だからあの距離でフックを打って蹴る。私の知る首相撲が続くキックは、消滅しているのですね。

古い話ですが、私が入門した1982年に極真空手は首から上の掴みは全面禁止になりました。ただ同じフルコンタクト空手でも士道館や正道会館は認められていたんです。そして90年代になり極真の大会に正道会館の選手が出てきた時に、顔に触ることができない我々と彼らでは回し蹴りの質が変わっていました。

首相撲に限らず、首から上に手を掛けて崩して蹴っている。つまり手を使って蹴っていたんです。手を使って蹴るのと、手を使わない蹴りはもう別モノです。手足といいますが、生物として四肢動物です。そうなると手と足は連動していて然り。手が使えないと、本来蹴りは本来使えないです。

ポアタンに関しては、GLORYがそうなのでしょうね。ムエタイに準じていない、首相撲のない蹴りでした」

──MMAは全面的に組みがあるので、手のある蹴りになるわけですね。

「なのでポアタンの戦い方は首相撲なし、もしくはワンアタックというルール下だからあの距離まで近づけるモノ。キックボクシングというよりは、ボクシングキック。そこで強かった人なんでしょうね。ペトロシアンの時代ですら、あの距離はなかったですから」

──ポアタンはMMAに関しても、打撃を必要以上に怖がらないで組み伏せることができる相手とは戦ってきていないと思います。

「倒されないから、あの距離でフックを打ってきたということですね。UFCがポアタンをチャレンジャーにしたのは、組み有りの相手を組ませないで、かつ倒しにいかないでアデサニャが勝ち続けるから。そこに対して、打撃だけで攻めるポアタンをぶつけてきたのではないかと。殴り合えッて(笑)。だから、ポアタンをMMAの距離で戦えるように矯正していくのは楽しいだろうなと思います」

──ただし、今回の試合では矯正はされていなかったと。

「全くないです。前回勝ったから、それ以上のことを考えないで戦った。そんなところかと思います。ポアタンに欠けているのはテイクダウン込みの打撃、そしてMMAグローブを使うという2点です。ポアタンは頭の位置が後ろにありました。必要以上に後ろにあるのは、必要以上に殴られたくないから。MMAグローブで殴られたくない意識の表れですね」

──つまりは怖がっていると?

「ハイ。必要以上にアデサニャのパンチを恐れていました。対してアデサニャはそこにしっかりと合わせて行く。姿勢が崩れず、距離を自分でコントロールしていました。後ろを使えていました。後ろを使って左を蹴って、左を突く。無理に前に出ないで、その場で突く。最後のKOシーン、あの距離になってポアタンが襲い掛かってきたから、アデサニャだってビビったはずです。

それでも態勢を崩さずに合わせた。そうなった時に勝つのは、態勢が崩れていない人間です。遠い距離の時、ポアタンは頭の位置が後ろでした。そして近い距離になると、さすがに頭が後ろだと打てない。でも、振り回して態勢が崩れていました。対してアデサニャは自分が、そうあるべき状態で打っていたので結果はあのようになります。

こういう状況になった時、どうすべきか。剛毅會では、そこしかないというぐらい研究しています。ウチの場合は組みが穴なのは明白です。だから、組まれた時、倒された時の対処練習はやらないといけないです。対してMMAをMMAとしてやっていると倒せない、組めないとなった時、立ち技で勝てるノウハウがあるのか。そこを私は考えます」

──MMAの技術変遷は順繰り、順繰りだと思います。攻めが時代を創り、続いて防御が発展する。そうすると、次の局面に移る。また攻撃から防御という順番で技術力が上がり、次の局面に移る。優秀なレスラーでも、テイクダウンだけでは倒せない。打を見せて、そこでリードしないと倒せない時代になり、打撃が発展してきました。

「そうですね。UFCなんかは、本当にそういう時代になっています。簡単にテイクダウンはできない」

──結果、今は特に近い距離のパンチ、ヒジとヒザ。そして遠い距離では蹴りの発展期にある。そのなかでポアタンは、時代の狭間で、近い距離の打撃だけでUFC王者に登りつめた。他方、日本ではコロナ禍で国際戦が止まった。この2年間、まだ打撃に対してテイクダウンの優位性が高い戦いが続いた。テイクダウンを切って打撃というよりも、何とか倒そうというMMAが主流にある。

「だから打倒極の回転で勝つという思考がより強いわけですね。テイクダウンを防いで打撃で勝つことができていないから、組み主流が続くと。まぁ結果的に回転すれば良いですが、回転させるのが目的ではない。打撃で勝てれば、組みへの回転の前に終わるわけですし。テイクダウンしてコントロールし続けるのは、レスリングとグラップリングで勝っているわけで回転して勝っていることにはならないですよね」

──ハイ。スクランブルは回転ではないです。レスリングです。そこに打撃入れば、回転というか融合ではあると思うのですが。

「回転させるための回転。戦いにおいて、その意味が私には本当に分からないです」

──いずれにせよ、今もテイクダウンが有利にある日本のMMAにおいて打撃の種類は違いますが、テイクダウンされずに打撃で勝とうとする平本選手や鈴木千裕選手が現れた。今は、過渡期ではないでしょうか。鈴木選手は中原選手との試合で倒れないで、殴り合い合いに持ち込み勝った。平本選手が斎藤選手にそれができるのか。

「そこでいえることは外国人の真似をしても、我々日本人は勝てないです。韓国人は米国人と同じことが、なまじ出来てしまうので、日本人にそれで勝ててもUFCでは頭打ちになります。そして米国、韓国、日本と並べると一番ひ弱なのは日本人です。その弱い日本人が米国、韓国の真似をしても勝てない。簡単にいえば剛か柔でいえば、柔を使って打撃をしていく。それが我々の追求している空手にはある。

打倒極の打だけで勝とうとすると、MMAを戦う上で2/3のカードを捨てている。1つのカードで勝負するのだから楽だという見方もされます。

でもね、その1/3のなかに何万という方法論があります。中国武術に千招に通ずるより、一招を極めよと言う言葉があります。沢山の技を知っているより一つの技を何万通りに通じるようにしろという意味です。ジャブ、前蹴りは単にジャブ、単に前蹴りで済ませることができますか? ジャブも前蹴りも突き詰めようと思えば、果てしないです。1つのカードのなかには1/10000の方法論が、10000という数だけ存在しているんですよ。そこを噛み砕かないとMMAグローブでリーチの長い黒人選手と戦えますか? 組みと寝技という2つのカードで戦ってみなさいよってことなんですよ。

入る、見える、怖い。構え一つをとっても、大難題ですよ(苦笑)。だから他にどうこう言われても、剛毅會空手はそこを追求しているので、以後お見知りおきを──ということです」

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【UFC297】近い距離でKO狙いのポアタンが、アデサニャの右で大の字失神KO負け。ベルトを失う

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
Def.2R4分21秒by KO
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

まず右カーフを蹴ったポアタンが、アデサニャのカーフをかわす。アデサニャもカーフを入れ、慎重な立ち上がりのなかで互いがカーフだけを当て続ける。構えを変え、前足=左でハイを見せたアデサニャに対し、スウェイ気味にかわすポアタン。静かな展開が続く。ポアタンは肩口に右ハイ、アデサニャが右を牽制気味に繰り出す。

続いてジャブから右を狙ったアデサニャは、ワンツーを空振り。直後に左ミドルを入れ、カーフから右を放つ。ポアタンはボディとカーフ、サウスポーのアデサニャもミドルと共に左カーフを多用する。ポアタンの右ハイをスウェイで避けたアデサニャが右ジャブをヒットし、左ストレートを伸ばす。ポアタンはほぼカーフだけで初回を終えた。

2R、直ぐに左ハイを見せたアデサニャが、ハイから左ストレート、カーフ、そして軌道の変わる左ハイを繰り出す。ポアタンはハイから前に出て左を当てる。真っ直ぐ下がっていたアデサニャガマに出て、ジャブから右を打ちこむ。近い距離を取るのがアデサニャで、ポアタンはリーチが生かせる距離を維持しようとする。結果、カーフのポアタンに対し、左ジャブを伸ばしたアデサニャが逆にジャブを被弾する。直後に右ストレートからミドルを蹴ったアデサニャは、左インローを決めた。

ジャブから前に出たチャンピオンは左で殴られたが、圧を高める。右ハイをかわし、ワンツーのアデサニャは、続くワンツーに右を打たれる。と、右カーフを効かされたアデサニャはワンツーを打たれて右に回る。左ミドルを蹴られたポアタンが、右ボディストレートを決め、続いてカーフを蹴る。ケージを背負い一瞬、ヒザが落ちたように見えたアデサニャはガードを固めるがボディからヒザを頭部に受ける。

ここで左を振るったポアタンだったが、アデサニャは右フックのカウンターから右をもう一度打ち込むと。ポアタンは大の字に倒れ、鉄槌を思い切り落としたアデサニャが世界ミドル級の頂点に返り咲いた。

「人生に1度の最高のノックアウト劇、これを何度も何度も何度も繰り返すんだ。リベンジの味は最高だ。アレックスは最高のチャンピオン。彼の物語では僕は悪者だ。でも、今日は僕のストーリーだった。倒されたことで僕はより良いファイターになり、より良い人間になれた。最後の一発、神からの一撃だ」とアデサニャは話した。


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【UFC287】ロブ・フォント戦へ、エイドリアン・ヤネス「トップ5を倒す力があることをKOして証明する」

【写真】オールドファンにはお馴染み、米国MMA界ライト級のパイオニアの1人イーブス・エドワースと(C)MMAPLANET

8日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミのカセヤ・センターで開催されるUFC 287「Pereira vs Adesanya 2」でエイドリアン・ヤネスがロブ・フォントと対戦する。

2020年のコンテンダーシリーズでUFCと契約したヤネスは、現在までオクタゴンで5連勝中で4試合がフィニッシュ勝利だ。トップランカーとの対戦をアピールし続けてきたが、10カ月振りのファイトでフォント戦という機会を手にした。

この間、底上げとなる練習をしてきたというヤネスは誰よりも、その成長を確認するための今回の試合を楽しみにしていた。


――エイドリアン、ロブ・フォント戦を控えていますが、昨年6月以来の試合となります。ここ10カ月、試合がなかったのは何か理由があるのでしょうか。

「実際、試合はブックはされてはいたんだ。ロブ・フォントとは去年の11月にNYで戦うはずだったけど、彼の家庭の事情で流れた。ただ悪いことでなく、彼の人生にとって良い方の事情で。それ以外、僕の方には何も理由はないけど試合はなかった。ただ、ずっとジムで練習していたから、こうやって試合の機会が巡ってきて嬉しい限りだよ。しかも、ロブ・フォントのような相手と戦うことができるのだから」

──ではケガや手術があったわけではなかったのですね。

「ずっとジムで、いつでも試合に出られる状態にあったよ。で、誰かが僕を指名したらスクリーンショットで保存してマネージャーに『こう言っているんだから、試合が組めるんじゃない』ってメッセージを送っていたんだ(笑)。でも、結果的にそういう相手との試合は実現しなかった。まぁUFCはUFCで何か、考えがあったんだろうね」

──ノーランカーはトップ15と戦いたい。11位までのランカーはトップ10、トップ5と戦いたい。ただUFCはトップ5同士のマッチアップの望みます。そんななか12位のエイドリアンが、6位のフォントと戦えることは素晴らしい機会を得たことになりませんか。

「世界6位のファイターと戦えるのは、最高だよ。トップスポットのショーン・オマリーやピョートル・ヤンと戦うということじゃないけど、そこに近い試合を組んでもらえた。ようやくこういうチャンスを手にできから、思い切り僕の力を見せつけたい。ホント、ファイトが待ち切れないよ」

──フォントは6位ですが、連敗中です。

「チート・ヴェラ、ジョゼ・アルドを相手に2連敗したことは気にしていない。悪い戦いをしていたわけじゃないし。しっかりと打撃も入れていた。それにもう負けることができから、この試合ではさらに手強くなっていると思っている。彼は絶対に諦めない漢だし、そういう相手を求めてきた。絶対にエキサイティングな試合になるよ」

──フォントはストライカーですが、パンチと蹴りとはそれほど一体化しているとは思えません。対してエイドリアンは蹴りとパンチが連係しています。

「そこは、自分がどうなっているのか凄く楽しみなんだ。マイケル・コーリーにムエタイを習い始めて、1年。前回の試合は2カ月ぐらいしか指導を受けていない状態だったけど、トニー・ケリーに勝ってからずっとキック、蹴りとパンチのコンビ、エルボー、ヒザとあらゆる面のトレーニングを積んできた。キャンプ以外でも、自分が強くなるための練習をマイケルとやってきた。

その成果がどれだけのものなのか。自分でも楽しみでしょうがないんだ。この間、ファイターとしてだけではなくてミックストマーシャルアーチストとして成長できた。拳、足、ヒザ、ヒザ、全てのコンビネーションを駆使して戦うよ」

──10カ月試合がない分、対策練習でなく自分の成長に繋がる練習が十分にできたわけですね。

「その通りだね。キャンプでは対戦相手に勝つための練習をしている。その間は自分の底上げになる練習はできない。そして試合が終わると、練習から離れる。僕はこの間、マイケルとムエタイ、ヘッドコーチのイーブス・エドワースとMMA、ストレングス・コンディショニングも含めずっと練習し、学んできた。この10カ月で、自分のゲームを見直して新たに創り上げてきたんだ。

ムエタイには首相撲がある。ダブルレッグとタイ・クリンチの融合も進んだ。試合展開次第だけど、その機会があるならなら僕の首相撲がどれだけ強化されているのかを皆に見てもらいたい。そこからテイクダウンにも当然繋げることができるし、本当に色々な攻撃手段をミックスして戦えるようになった。

この10カ月、僕がどれだけ成長したのか。それを試すことができるフォントとの試合が楽しみでしょうがないんだ。そして皆に僕の試合を楽しんでほしい」

──今はフォント戦に集中しないといけないですが、ここから先はトップ5との対戦が待ち受けています。ただし、UFC首脳は結果だけでなく試合内容も厳しくチェックします。

「そうだね。今週の土曜日、僕がトップ5に続くファイターではなくて、彼らを破る力があることをロブ・フォントをKOすることで証明してみせる。判定を狙ってレスリングを続けるような試合はしない。ロブ・フォントはこの階級を長い間リードしてきたファイターだ。ここで彼に勝つことで、トップ5の誰とどんな局面でもやり合える。それをしっかりと試合で見せるよ」

■視聴方法(予定)
4月9日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前6時半~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ポアタン・ペレイラ: 185ポンド(83.91キロ)
[挑戦者] イスラエル・アデサニャ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ: 170.9ポンド(77.51キロ)
ホルヘ・マスヴィダル: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ロブ・フォント: 135ポンド(61.24キロ)
エイドリアン・ヤネス: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分5R>
ケヴィン・ホランド: 170.5ポンド(77.34キロ)
サンチアゴ・ポンジニビオ: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr: 135ポンド(61.24キロ)
クリスチャン・ロドリゲス: 137ポンド(62.14キロ)

<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム: 185ポンド(83.91キロ)
クリス・カーティス: 186ポンド(84.37キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン: 116ポンド(52.62キロ)
ルアナ・ピネイロ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジョセフ・パイファー: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ヘビー級/5分3R>
カール・ウィリアムス: 241ポンド(109.3キロ)
チェイス・シャーマン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
シンシア・カルヴィーロ: 116ポンド(52.62キロ)
ルピタ・ゴディネス: 115.5ポンド(52.38キロ)

<160ポンド/5分3R>
トレイ・オグデン: 159.5 ポンド(72.34キロ)
イグナシオ・アハモンデス: 159.5 ポンド(72.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
スティーブ・ガルシア: 145.5ポンド(66.0キロ)
シャイラン・ヌルダンベク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
サム・ヒューズ: 116ポンド(52.62キロ)
ジャケリン・アモリン: 115.5ポンド(52.38キロ)

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【UFC287】計量終了 ポアタンに挑戦、アデサニャがヨルバ語。ドゥリーニョ戦のマスヴィダルはスペイン語

【写真】打撃なのか、MMAなのか。見たいのはMMA (C)Zuffa/UFC

8日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミのカセヤ・センターで開催されるUFC 287「Pereira vs Adesanya 2」の計量が7日(金・同)で行われている。

イベント開催の3日間に地元企業がネーミングライツを取得し、マイアミデート・アリーナからカセヤ・センターに会場名が変わるという珍事が起こった同大会。メインは昨年11月の再戦、ダイレクトリマッチとなったUFC世界ミドル級選手権試合=王者アレックス・ポアタン・ペレイラ✖挑戦者イスラエル・アデサニャの一戦だ。


キャリア9戦目、オクタゴン4戦目でミドル級の頂点に立ったポアタンだが、アデサニャは足の負傷もった4Rまでジャッジは3者とも39-37と裁定しており、取れた試合を落とした気持ちも強いだろう。

実際、キックボクシングの距離での打撃はポアタンの強さと勢いが目立っていたが、ダウンを奪ったのもテイクダウンからポジションで優位に立っていたのもアデサニャだった。とはいえ、これまで対戦相手の組みを切って勝負してきたアデサニャの組み技も練度は低く、仕留めきることができなかった。

今回、アデサニャはグラップリングの精度を上げてきたのか、それとも徹底してMMAの距離で戦うことを選択するのか。アデサニャの組み技が急成長することは難しく、ポアタンの寝技がトップレベルになるにはそれこそ突然変異急の変化が必要だ。結果、両者の勝負はどの距離で戦うのか。そして、組みを含めた部分で、ポイントメイクをできるのはどちらなのか。

それともペレイラがMMAの距離を消化し、打撃でアデサニャを飲み込むのか。激闘、すかし合い、お見合い、どのような試合展開にもなる可能性がある。

そんな両者、セレモニアル計量では無言で向かい合った。アデサニャは故郷ナイジェリアのヨルバ語で何やら語り、「この試合の意味、全てだ。明日、終わらせる」と英語で話した。一方ポアタンは「明日は首飾りを外し、言って来たこと全て実現させる」とコメントした。

またコメインで対戦するジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズとホルヘ・マスヴィダルは、後者が子供2人と登壇しにこやかなフェイスオフになると思いきや、別れ際に言葉をかわし、首を刈っ切るポーズを2度見せる。

そのマスヴィダルはスペイン語を交えながら、「皆、マイアミの独立記念日のストリートのようにナベや釜を持ってきて。ブラザー、個人的な問題はないけどお前をKOする。マイアミ、レッツ・ファッ〇ン・ゴー」と地元のファンの前で話し、ブーイングを受けたドゥリーニョは「良いねぇ。そうやってエネルギーをぶつけてくて、皆のボーイをヤってやるから」とファンを挑発した。

■視聴方法(予定)
4月9日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前6時半~U-NEXT

■UFC287計量結果

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ポアタン・ペレイラ: 185ポンド(83.91キロ)
[挑戦者] イスラエル・アデサニャ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ: 170.9ポンド(77.51キロ)
ホルヘ・マスヴィダル: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ロブ・フォント: 135ポンド(61.24キロ)
エイドリアン・ヤネツ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分5R>
ケヴィン・ホランド: 170.5ポンド(77.34キロ)
サンチアゴ・ポンジニビオ: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr: 135ポンド(61.24キロ)
クリスチャン・ロドリゲス: 137ポンド(62.14キロ)

<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム: 185ポンド(83.91キロ)
クリス・カーティス: 186ポンド(84.37キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン: 116ポンド(52.62キロ)
ルアナ・ピネイロ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジョセフ・パイファー: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ヘビー級/5分3R>
カール・ウィリアムス: 241ポンド(109.3キロ)
チェイス・シャーマン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
シンシア・カルヴィーロ: 116ポンド(52.62キロ)
ルピタ・ゴディネス: 115.5ポンド(52.38キロ)

<160ポンド/5分3R>
トレイ・オグデン: 159.5 ポンド(72.34キロ)
イグナシオ・アハモンデス: 159.5 ポンド(72.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
スティーブ・ガルシア: 145.5ポンド(66.0キロ)
シャイラン・ヌルダンベク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
サム・ヒューズ: 116ポンド(52.62キロ)
ジャケリン・アモリン: 115.5ポンド(52.38キロ)

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お蔵入り厳禁【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。ポアタン✖アデサニャ「質量が凄い」

【写真】確かに近い距離での豪腕フックが何度も見られた (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

お蔵入り厳禁。武術的観点に立って見たアレックス・ポアタン・ペレイラ✖イスラエル・アデサニャ戦を約2週間後に迫った再戦前に改めて振り返りたい。


──アデサニャとポアタンなのですが、キックボクシング時代に引き続きMMAでもポアタンが勝ってしまいました。

「平本蓮という選手が、ああいう風に戦いたいから見てくださいとアデサニャのことを言ってきました。パッと見た時にポアタンの拳(けん)の質量が凄いんですよ、ともかく。こんなものを食らったら死んじゃうんじゃないかと思って見ていました。試合開始直後の印象でポアタンの質量が圧倒的なので、これはポアタンがKOすると思いました。というのもアデサニャがビビッて、いつもの老獪な感じが無かったですね。つまりアデサニャに対して、UFCであろうが打撃で伍する相手はいなかった」

──UFCで戦いだした当時は、アデサニャが何者か分からないので、相手も仕掛けて倒されていました。しかし、彼が強さを見せると打撃で圧し切れる相手はおらず、アデサニャも今言われたように倒すというよりもインサイドワークを駆使するだけで勝てていたように感じます。

「実はポアタンのような相手が出てくると、打撃でやりとりができないのかというぐらいに見えました。いわば打撃のスクランブル。MMAでは余り見られない、やりとりは」

──組みがあるので打撃の距離は、組みにいける距離で。劣勢な方が、打撃を続けるということはなくても良い競技です。結果、MMAでの打ち合いは、体力も精神力もギリギリになった状態での戦い、根性勝負の殴り合いになるような。

「打ち合いの中で呼吸を外す、しっかりとカウンターを取るというのはそこまで多くないです。アデサニャも前手を使って殴られないようにして、おずおずと下がるばかりでした。ただし、ポアタンも自分のリーチを生かした戦いはできていなかった。きっとボクシンググローブの戦いを続けているのだと思います。リーチがあるのに詰めてフックを打つ。拳の向きを見ると、素手よりもボクシンググローブの殴り方です」

──クリンチでボディを殴る時も、まさにそのように見えました。

「ハイ。ショートレンジのキックボクサーなんです。だからMMAに多い、少し離れた距離の打撃はまだ慣れていない。寄っていかないと当てられない。あれだけリーチがあるのに、その繰り返しでした。限定された距離で、人を殴るポアタンの質量が圧倒的にアデサニャを上回っていても、最初にアデサニャがダウンを奪います。アデサニャの打ち方は、MMAグローブの打ち方で、ピンポイントで捕らえている。

やはりボクシンググローブと、MMAグローブに違いがある。それだけ質量に差があっても、その通り反映しない。結果的にやりあうとダウンを取ったのはアデサニャでしたからね。ポアタンのパンチは止めないで、流れていても効きます。MMAグローブは止める……置くといっているパンチですね。

フォロースルーを創ると、あまり効かない気がします。ボクシンググローブは、大きさがあるのである程度スウィングさせて殴るとダメージを与えやすい。つまりボクシンググローブとMMAグローブで殴るポイントが違ってきます。手を伸ばしただけで効かせる突き……空手では決めと呼びますが、決めと打ち抜くパンチの違いですね」

──それでもポアタンにはあの勢いがあって殴られるのですから、相手は怖いかと。

「ハイ。その距離に入ってアデサニャは殴っていったので、それは勇気が必要だったと思います」

──ONEのMMAグローブのムエタイ。距離もスタンスも、そこに近い試合に見えました。

「だからこそ、ポアタンは凄まじい可能性を秘めていますよ。まだMMAに慣れていないので。まぁキックで結果を残し、MMAでもキャリア6戦や7戦でUFCの頂点で戦う。これはもう、とんでもないことです」

──とはいえMMAです。決して組みの選手ではないアデサニャの組み技で、疲れてしまいました。

「あれは組みだけでなく、全般的に疲れたんだと思いますけどね」

──打撃だけの展開で2Rにポアタンがテイクダウンを取れましたが、アデサニャがボディロックで倒すと、力で逃げていました。ただし、アデサニャもグラップリングで勝ち切れる力がなかった。ずっと踏ん張って、バテまくっていました。

「つまり打撃ではアデサニャは負けた。でもMMAでは上回っている。それでも打撃のMMA選手で、組み技をそこまで積んでいなかったかと。自分より打撃が強い相手がくる想定が、そこまでなかった。組んでくる相手にどう戦うのかという部分でやってきたのでしょうね。

打撃に関してはファイターのポアタンに詰められたボクサータイプという風になっていました。打撃だけになると、蓋を開けてみるまで本当に分からない。予測がつかない展開になることがありますね。アデサニャは足を負傷したのか、ひっくり返って。アレがないとアデサニャが勝っていた。

あれだけ質量に差があったのに──あのままだと勝てるところまで持って来られた。帳尻を合わせることができるアデサニャに感心させられました。それがMMAなのかと。我々が強くなるために、何を採り入れるのか。足をケガする前のアデサニャには学ぶことが多かったです。

もつれた試合で、どう勝てるのか。審判に勝敗を委ねると、どうなるか分からない。もつれないように戦うには、もつれた時にどう戦うのかを勉強しないといけない。同時にポアタンはああいう生き物。本能でぶん殴ることができるけど、そこに法則性はない。でも、その理を知らなければ勝てない。それがMMAだということを改めて感じた試合でした」

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MMA MMAPLANET o UFC UFC281 アレックス・ポアタン・ペレイラ イスラエル・アデサニャ キック 手刀

【UFC281】アレックス・ポアタン、キックに続きアデサニャを倒しUFC4戦目で世界ミドル級王者に

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
Def.5R2分01秒by TKO
イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

キャリア8戦目、UFCでは4戦目の世界王座挑戦──キック時代にアデサニャを2度下しているポアタンが、跳び前蹴りを繰り出す。かわしたアデサニャは左インロー、構えを変えてジャブから右ローを蹴っていく。スイッチを繰り返すチャンピンに、ポアタンが右ローを蹴る。さらに左ミドルを蹴った挑戦者が右カーフを3連続で蹴る。左ジャブを返したアデサニャは、ミドルの蹴り合いから左ハイを狙う。

続いて左ジャブから右ストレートを当てると、ポアタンは姿勢を一瞬乱す。ポアタンはミドルのフェイクに大きく反応するが、左リードフックから右ミドルを決める。左ミドルハイはガードされると、少し高めの蹴りを続いて狙うアデサニャ。ポアタンも左ハイを返し、カーフの蹴り合いからアデサニャが左ミドル。直後に距離を詰めたポアタンもミドルを入れる。右三角蹴りを効かせたポアタンが、左ジャブに左ヒザを合わせようとする。残り30秒でクリンチの攻防になると、ボディロックのアデサニャに対し、ポアタンがボディショット、ヒザを突き刺した。と、終了間際に左ジャブから右ストレートをアデサニャが打ち抜く。

完全に腰が落ちたポアタンは、ホーン後に左フックまで被弾してしまった。

2R、前に出る挑戦者。足を使って回るチャンピオンが左ジャブを当てる。左ボディフックを返したポアタンが、鋭い右後ろ回し蹴りを繰り出す。詰めるポアタン、外すアデサニャ。チャレンジャーはジャブを当て、チャンピオンが左ストレートを返す。左ハイから右を入れたアデサニャだが、ポアタンが左を打ち返す。さらに左ジャブを当てるポアタンは詰めてヒザを見せる。アデサニャがケージに押し込み返すと、シングルレッグへ。一瞬体が浮いたポアタンだが、着地して左ヒジを入れる。

アデサニャが右をヒットさせ、ジャブを頭を振ってかわす。それでも左を2発当て、左から右を打ち込むポアタン。アデサニャがこれだけパンチを被弾したことは、過去になかったはずだ。さらに左からヒザを入れたポアタンは、左ワキを差されてケージを背負う。ボディロックに取るが離れたアデサニャが、左ハイを蹴られて下がる。ワンツーの右をかわしたポアタンが、シングルレッグからもう一方の足も払ってテイクダウンを決めラウンドを取り返した。

3R、両者ジャブを見せ、間合いの測り合いのなかでアデサニャが左ハイ。ポアタンが右ハイを見せる。ワンツーの右、さらに左を入れたアデサニャがボディストレート、前に出るポアタンはヒザ蹴りからボディを殴る。クリンチの攻防でテイクダウンを決めたアデサニャがバックコントロールからパウンドを打ち下ろす。真っ直ぐ立ち上がろうとして、左足フックされたポアタンは、再び両ヒザをつく。フックを解いてバックコントロールのアデサニャが後方からパンチを続け、再び左足をフックする。外して前方に崩していくアデサニャは、自ら尻もちをついてバックグラブを狙う。

ポアタンは足関節を狙うが、潰したアデサニャがトップを取りエルボーを打っていく。手首を掴んで防御の挑戦者は左のパンチを打たれる。立ち上がったアデサニャは、足を払いつつパンチの機会を伺う。アデサニャがカカト落としのボディに蹴り下ろすと、たまらずポアタンが背中を見せ時間に。

4R、左ジャブを伸ばすアデサニャに対し、ポアタンが左ローを蹴る。前のラウンドの寝技で消耗したか、ポアタンは動きが少なくなっている。アデサニャが左ジャブから右ストレート、ポアタンは前に出るが手数が少ない。アデサニャは左ミドルを入れ、ついにはポアタンがケージを背負う場面も。左ジャブを2発被弾したポアタンはダブルレッグのフェイクに掛かり、ボディロックを許す。押し込んで細かいパンチを繰り出すアデサニャに対し、ポアタンは手刀のような動きを見せる。素早いパンチを見せて離れたアデサニャは、ケージを背負いジャブを打たれる。左をかわして組んだアデサニャはヒザを貰いながら、崩しを狙う。

ここからケージにポアタンを押し込んだアデサニャだが、テイクダウンは奪えずエルボーを見せて離れる。ポアタンが左フックから右を狙ったところでラウンド終了となった。

最終回、このためにポアタンは4Rに休んでいたのか、それとも疲れて動けなかったのかが明らかになる最後の5分間。右カーフから左ミドルのアデサニャ、前に出たポアタンが右から左ボディフックを入れる。ヒザ蹴りのアデサニャは離れたポアタンの右を受ける。ボディロックのアデサニャは、離れて右カーフもチェックされて後方に崩れる。すぐに立ち上がったアデサニャは、右カーフを続けるがスネはどうなっているのか。

右ローから前に出て右フック、さらに左を決めたポアタンはふらつくアデサニャをケージにつめて左右のパンチを打ちこむ。左フック、右アッパー、左フックから一旦崩れ、立ち上がったチャンピオンに左右のパンチをポアタンが続け、右フックをモロに被弾した直後にレフェリーが割って入った。

オクタゴン4戦目で頂点に立ったポアタンは、「この日のために人生をかけてトレーニングしてきた。凄くハードな試合だった。グローバーの試合のようにね。次の準備はできている。サポートしてくれた皆に感謝している」と勝利者インタビューで話した。


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【UFC281】ラストファイトへ、フランキー・エドガー「有終の美を飾って、夕日に向かって立ち去る」

【写真】さすがに年輪が顔に如実に感じられるようになったフランキー(C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、ニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンでUFC 281「Adesanya vs Pereira」が開催される。今大会でフランキー・エドガーが、現役ラストファイトをクリス・グティエレスと戦う。

史上最少、史上最速、最も偉大なUFC世界ライト級王者がケージを去ることを決めた。MMAを進化させた──ある意味、歴史を変えた不世出のファイターは最後の試合もいつも通り勝つことしか考えていなかった。


──1年振りの試合で、クリス・グティエレスと対戦します。この試合がラストファイトと公言しましたが、この間にそのまま現役生活を終えようとは考えたことはなかったですか。

「あのまま引退することは考えたことがなかったよ。前回の試合後に手術をしたので少し時間を置いたけど、それからはずっとジムで練習を続けてきた。体調は本当に良くて。しっかりとトレーニングができているから、今回の試合を戦うことを決めたんだ」

──日本のMMA選手たちと一緒にフランキーやマーク・ヘンリー、ヒカルド・アルメイダの下を訪れ10年が経ち、あの時ニュージャージーを訪れた選手6人のうち今もMMAを戦っているのは2選手だけになっています。引退したなかの1人、水垣偉弥さんはボディよりも反応が遅れるようになった。それが引退を決めた要因だと言っていました。

「ジムでの練習でも、僕の反応が悪くなったと感じることはない。もちろん、前回の試合は自分が思っていたように最高に素晴らしい動きはできなかった。結果も敗れた。でも勝利が近いという戦いはできていた。あの結果(前蹴りでKO負け)は誰も予測できなかったに違いないしね。タイトル戦線にある選手とそういう戦いができたことでも、僕は自分に戦闘能力があると思っている。そして世界のベストにまだ勝てると信じているよ」

──ドミニク・クルーズとフランキー・エドガーのステップが、MMAを進化させたと信じている日本のMMAファンは多いです。とはいえドミニクもフランキーも厳しい結果が増えてきました。ダメージの蓄積も心配でした。

「そう思われることは致し方ない。でも自然なことだからね。だからこそ、この試合が最後だと決めたんだ。もう1試合、全力で戦う。力強い姿で有終の美を飾りたい。そして夕日に向かって立ち去る」

──では最後の試合の対戦相手、グティエレスの印象を教えてください。決してパフォーマンスは良くないような試合で、結果を出し続けているようなイメージがあります。

「凄くアンオーソドックスだよ。勝ち方を知っているというのか。でも若い選手は試合を重ねる度に成長しているからね。前回の彼よりも、より強くなって僕の前に立って欲しい。それでも僕の経験と、全局面で戦える能力は十分に有効だと思っている」

──多くの局面でケージを背負ってサークリング、パンチを被弾するのを嫌がっているのではなく恐れているように見えることすらあります。

「確かにパンチを恐れて、下がる時がある。あれだけケージを背負っていると、ジェネラルシップはこっちが握ることができるはずだ。前に出てきたら、そこに対応する。嫌がるなら、それに適した動きをする。

でもチョット予測できないところがあるんだよね。あんな風に逃げていて、スピニングバックフィストを急に打って来るとか。何か大きなことをやるんだ。でも僕は少しでも速く、彼をキャッチすることを心掛ける。実際、どの局面でも僕が上回っているから掌の上で、クリスを踊らせたいと思う」

──フランキーはフットワークとフェイクで相手を惑わせ、テイクダウンを奪うという鉄板のスタイルを構築しました。しかし、近年はスクランブル能力が飛躍的に進歩し、労力の割にはすぐに立ち上がれるようになりました。その辺りをどのように考えて戦ってきましたか。

「今の選手たちはよりウェルランディッドになっている。でも、まだ僕の方が上だ。知識的にも少しアドバンテージがあるだろう。何より、そういう選手をスタミナ切れに追い込める。そこが一番重要だよ。テイクダウンを狙う。テイクダウンのフェイクを見せる。殴ると見せかける。そして殴る。そこからテイクダウンする。この繰り返しで、相手を疲れさせるんだ。迷わせ、ストレスを当て続けてガスアウトに追い込む」

──ラストマッチまで、しんどい試合をするということですね。そのような試合展開の場合、攻めているフランキーの方が削られる恐れもありますが、そこは気にならないですか。 

「間違いなくハイペースで動き続けることができる。それにスタミナはプレッシャーとも大きく関係している。今回のイベントは、クリスにとって過去に経験したことがないようなビッグショーだ。でも、僕にとっては10年以上戦ってきたノーマルな状況でしかないからね」

──ある意味、フランキーがスタミナ切れを起こすシーンを見るようなことがあれば、ノックアウトやサブミットされるのよりもショックかもしれないです。

「大丈夫だ。そんなことには絶対にならないから。そんなことにならないよう、厳しいトレーニングを課し続けてきた。2021年に2度手術を行った。この2回の手術によって、僕の体は回復した。バンタム級で戦うようになって、体調は今回がベストだろう」

──ボディとともにメンタルはどうでしょうか。ここまでのことをやり遂げてきて、まだ最後に戦う選択をしたこと。そのモチベーションがあるというのは、凄まじいことだと思います。

「僕は自分が進むべき道……一方通行にしか進めないんだ。他のやり方は、分からない。何もね。だからこそ、今回を最後にしようと思った。永遠にMMAを戦い続けることなんてできない。家族を第一に考えた人生を送る時を迎えたんだよ。本当は試合前から引退するなんて言わずに、身を引きたかった。でも、そうしないと引退できない。ずっと戦おうとするって思ったんだ」

2007年2月3日。フランキーのUFCデビュー戦。対戦相手のタイソン・グリフィンに注目していたら、なんだかまるで力みのない普通の人のような選手が、いつの間にか勝っていた

──今回もマーク・ヘンリー、ヒカルド・アルメイダと練習を?

「そうだよ。MMAを始めた時、タイトルを獲った時と同じ。彼らと最後まで戦う。今は練習パートナーも世代交代したよ。インディアナからコーリー・アンダーソンが若い選手を引き連れてやってきた。これまで見たことが無い顔とも練習をしてきたから、常に新鮮な気持ちでトレーニングすることができたよ」

──フランキー、最後の試合前にインタビューの機会を与えていただき感謝しています。最後にあなたのことを永遠に尊敬してやまない日本のMMAファンに一言お願いします。

「2012年に日本のファンの皆の前で戦ったことは、忘れることができない思い出だよ。最後にもう1試合、皆に喜んでもらえるよう戦うよ」

■視聴方法(予定)
11月13日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWライブ

■UFC281対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] カーラ・エスパルザ(米国)
[挑戦者]ジャン・ウェイリ(中国)

<ライト級/5分3R>
ダスティン・ポイエー(米国)
マイケル・チャンドラー(米国)

<バンタム級/5分3R>
フランキー・エドガー(米国)
クリス・グティエレス(米国)

<ライト級/5分3R>
ダン・フッカー(ニュージーランド)
クラウジオ・プエレス(ペルー)

<ライト級/5分3R>
ヘナト・モイカノ(ブラジル)
ブラッド・リデル(ニュージーランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
ドミニク・レイエス(米国)
ライアン・スパーン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
モリー・マッキャン(英国)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキ(米国)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
オットマン・アザイタル(ドイツ)
マット・フレヴォラ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケヴィッチ(ポーランド)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス(アルゼンチン)

<フェザー級/5分3R>
マイク・トリザノ(米国)
チェ・スンウ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
フリオ・アルセ(米国)
モンテル・ジャクソン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
ニック・ネグメレアフヌ(ルーマニア)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC276 アレックス・ポアタン・ペレイラ イスラエル・アデサニャ ショーン・ストリックランド

【UFC276】精度&威力、タイミング。MMAを越えたパンチ。ペレイラがストリックランドを完全KO

<ミドル級/5分3R>
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
Def.1R2分36秒by KO
ショーン・ストリックランド(米国)

ペレイラがローからジャブを伸ばす。前に出るストリックランドにローを蹴り、引き続きジャブを放つペレイラは左ミドルを蹴って右ストレートを伸ばす。ストリックランドもジャブ、前蹴りで前に出る。顔面、腹、足へとペレイラが攻撃を散らす。さらに右ストレートを当て、ボディを伸ばす。ストリックランドは、そのまま圧を掛けるかのように前進を続けたが、ペレイラは左フック一発でダウンを奪い、起き上ってきたところに右ストレートを続ける。2発とも、完璧にアゴを打ち抜いた正確無比なパンチでペレイラが、秒でストリックランドを倒した。

「彼が試合前に何を言おうが、僕と戦ってくれたことに敬意を持っている。僕らには完璧な作戦があった。カーフからボディと狙っていくね。多くの人が僕がイスラエル・アデサニャに勝ったのはMMAじゃないというけど、今日ランク4位を倒したからね。皆、今夜はアデサニャを応援してくれ」とペレイラは勝利者インタビューで話した。


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Cage Warriors MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC276 アレックス・ポアタン・ペレイラ アレックス・ヴォルカノフスキー アンドレ・ムニス イアン・ギャリー イスラエル・アデサニャ ゲイブ・グリーン コナー・マクレガー ショーン・オマリー ジェイリン・ターナー ジム・ミラー ジャレッド・キャノニア ジョー・ローゾン ドナルド・セラーニ ドリキュス・デュプレシー ブライアン・バルベレナ ブラッド・タヴァレス ブラッド・リデル ペドロ・ムニョス ボクシング ボビー・グリーン マックス・ホロウェイ メイシー・バーバー ユライア・ホール ロビー・ローラー

【UFC276】極め男ムニス。セラーニ✖ミラーの最多勝争い。可能性は無限大、イアン・ギャリーに要注目!!

【写真】まだまだ成長過程、それでいてUFC2連勝中のギャリーが荒くてパワフルなグリーンを相手にどのように戦うのか (C)Zuffa/UFC

2日(土・現地時間)にネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 276「Adesanya vs Cannonier」。PPVカードの濃厚さに加え、プレリミでもFight Night大会ならメイン級のカードがズラリと並んでいる。

そのプレリミでまず気になるのが、ジャカレ・ソウザに引導を渡した極め技師アンドレ・ムニスだ。今回はユライア・ホールの遠い距離からの打撃をいかに封じ込めて、組みの展開から極めという流れに持ち込むことができるか、見ものだ。

また2週間前の大会でジョー・ローゾンが計量後にヒザの負傷で欠場となり、ついに3度目の正直もならなかったドナルド・セラーニが、ジム・ミラーと戦う試合も見逃せない。

勝てば、単独でUFC最多の24勝目となる両者の対戦。もともと今大会でボビー・グリーンと対戦予定あったミラーが1週間前にグリーンの負傷欠場を経て、実に14年9カ月振りとなるウェルター級で対戦を了承した。ライト級でも背が高い方でないミラーだけに、長身のセラーニに対して如何に踏み込めるか。

それでもフィジカル的にダメージの蓄積は、セラーニよりも抑えることができているミラーが、オクタゴン最多勝ファイターになる確率の方が高い、か。


セラーニとミラー、この対戦がファンの思い入れの強い顔合わせなら、将来性という部分で期待の存在がイアン・ギャリーだ。

今回がUFCで3戦目となるギャリーは、アイルランドはダブリン出身、コナー・マクレガーに憧れ大学を中退しMMAの世界に飛び込んだ24歳のファイターだ。アマボクシングで300戦以上、柔道でもティーン時代に活躍。その後18歳でMMAに転じ19歳でアマデビュー、21歳でプロになると7 戦目でCage Warriorsウェルター級のベルトを巻いている。

ちなみにマクレガーが同プロモーションのフェザー級のベルを巻いたのはプロ13戦目(※それまでの戦績は10勝2敗)で、2戦後にUFCと契約を果たしている。対してギャリーは8戦目でオクタゴン初陣を飾り、ここまで9連勝中だ。

4つのKO勝ちを誇る打撃は、非常に柔らかく基本に忠実だ。右ストレート、リードの左フックも強く、前足の蹴りも長けている。何より相手を誘ってパンチ入れる迎撃型の攻撃ができることが、ギャリーに天賦の才が感じられる部分だ。

レスリングはまだ成長過程にあるが、グラップリングでも積極的でフィニッシュ重視の戦いを好むギャリーの課題は、多岐に渡る技術が勝つために絞り込むことができていない点にある。良くいえば臨機応援、ともすればノープランとも取れるが、サンフォードMMAの名匠たちがしっかりと導くことができれば、今回のゲイブ・グリーン戦はデモンストレーションファイトにできるだけのポテンシャルを持っている。

その一方で、グリーンの粗さにクリーンな打撃が圧されることがあると、サウスポーの構えから振り回してくる右ボディや右フックの標的になる可能性もあるだろう。が、パワーファイターを正確な距離、間合いとコンビネーションで翻弄することができれば、ギャリーにとっては一段階ステップアップできるファイトとなる。

■視聴方法(予定)
7月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC276計量結果

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ: 183.5ポンド(83.23キロ)
[挑戦者]ジャレッド・キャノニア―: 184.5ポンド(83.68キロ)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 144.5ポンド(65.54キロ)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ: 144.5ポンド(65.54キロ)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・スティックランド: 185.5ポンド(84.14キロ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー: 171ポンド(77.56キロ)
ブライアン・バルベレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル: 155.5ポンド(70.53キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジム・ミラー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ゲイブ・グリーン: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレシー: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ: 126ポンド(57.15キロ)
メイシー・バーバー: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ユリア・ストレアレンコ: 136ポンド(61.69キロ)

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【UFC276】計量終了 ダブル世界戦は当然、組みの局面はあるのか──オマリー✖ムニョスが見逃せない

【写真】タイトル戦に負けず、興味深いムニョス✖オマリー(C)Zuffa/UFC

1日(金・現地時間)、2日(土・現地時間)にネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 276「Adesanya vs Cannonier」の計量が行われた。

2階級の世界戦が組まれた今大会、メインのUFC世界ミドル級選手権試合=王者イスラエル・アデサニャ✖挑戦者ジャレッド・キャノニア、コメインでUFC世界フェザー級選手権試合=王者アレックス・ヴォルカノフスキー✖マックス・ホロウェイに出場する4選手を始め、12試合=24人の出場選手が計量を問題なくパスしている。

5度の王座防衛戦となるアデサニャ、ミドル級で5分✖5Rを戦わせると最も安定感を持って勝利できるチャンピオン故に、キャノニアが慌てさせる場面を創ることができるか。


右が当たれば、そんな局面も到来するかもしれないが、アデサニャがそのような距離や間を挑戦者に与えることがあるのか──。

そんな世界戦に向け、セレモニアル計量とフェイスオフを終えたチャレンジャーは「チャレンジも最終局面? そんなことはない。ただの直近の挑戦だ。戦う準備、やり合う準備、ベルトを持って家に帰る準備はできている」とジョー・ローガンのインタビューで答えた。

対してとアデサニャはクールに「今年最大のショーだ。簡単に勝つ。キングコングが俺を捕まえることなんでできねぇ」と断言した。

そして3度目の対戦となるヴォルカノフスキーとホロウェイ。

2019年12月の第1戦は左右のローで3Rまでにリードを築いたヴォルカノフスキーがマネージメントは完了したとばかり、試合をコントロールしてベルトを奪取。

2020年7月の再戦では初回にハイ、2Rに右アッパーでダウンを奪ったホロウェイがリベンジを果たしたかと思える内容ながら、スプリット判定に泣いた。

今や世界最高峰でも抜けた感のあるチャンピオンが、唯一苦戦が予想されるホロウェイとの3度目の対戦。セレモニアル計量で王座返り咲きを狙うホロウェイは、大観衆を煽り大声援に迎え入れられ、

王者ヴォルカノフスキーは大きなブーイングが送られた。フェイスオフでも激しく言葉を交わした両者、ホロウェイはエキサイトした様子で「明日は燃えろとか言ってきたけど、笑っちゃうぜ。俺は絶好調だって教えてやるよ。今、ここで教えやる」とチャンピオンを挑発し続ける。

そして「3R以降はない。やろうぜ」と言うと、ホロウェイはベルトを巻くポーズを取りステージを下りた。一方、ヴォルカノフスキーは観客を指さして、「このエネルギーがヤツを助けられることはない。オーストラリア、愛する皆の元にベルトを持って戻る」と話し、最後に「楽しんでくれ」とベガスのファンに伝えた。

この他、このファイトウィークでキャラが爆発しまくったショーン・スティックランドとアレックス・ポアタン・ペレイラのミドル級戦。バンタム級のペドロ・ムニョス✖ショーン・オマリーなど身の詰まり方が半端ないPPVカード。後者はムニョスが打撃の差をグラップリングで埋めようと組み技の展開に持ち込めたとして、そこでのオマリーの能力の高さも見てみたい一戦だ。

■視聴方法(予定)
7月3日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時00分~PPV
午前11時00分~WOWOWライブ

■UFC276計量結果

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ: 183.5ポンド(83.23キロ)
[挑戦者]ジャレッド・キャノニア: 184.5ポンド(83.68キロ)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 144.5ポンド(65.54キロ)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ: 144.5ポンド(65.54キロ)

<ミドル級/5分3R>
ショーン・スティックランド: 185.5ポンド(84.14キロ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー: 171ポンド(77.56キロ)
ブライアン・バルベレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ショーン・オマリー: 135ポンド(61.24キロ)

<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル: 155.5ポンド(70.53キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジム・ミラー: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ゲイブ・グリーン: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレシー: 185ポンド(83.91キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ムニス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ユライア・ホール: 186ポンド(84.37キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジェシカ・アイ: 126ポンド(57.15キロ)
メイシー・バーバー: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ジェシカローズ・クラーク: 135.5ポンド(61.46キロ)
ユリア・ストレアレンコ: 136ポンド(61.69キロ)

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