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DWCS K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFN UFN227   アレクサ・グラッソ エドガー・チャイレス カイル・ネルソン クリストス・ギアゴス ケヴィン・ホランド ジャスミン・ジュスダヴィチェス ジャック・デラ・マダレナ ダナ・ホワイト ダニエル・ラセルダ チャーリー・キャンベル テレンス・ミッチェル フェルナンド マーニック・マン ライカ ラウル・ロサスJr ルピタ・ゴディネス ロマン・コピロフ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFN227】Noche UFC計量終了 DWCSで契約を逃したキヌットソンが急転直下のオクタゴンデビューへ

【写真】やはりフィジカル的にはシェフチェンコが優位に立っているか。グラッソは正確なタイミング、高い精度が欠かせない (C) Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州のTモバイル・アリーナで開催されるNoche UFC(※UFCの夕べ)ことUFN227「 Grasso vs Shevchenco 2」の計量が15日(金・同)に行われている。
Text by Takashima Manabu

セレモニアル計量は現地、Tモバイル・アリーナ正面の東芝ブラザで強い日差しが照り付けるなか、マリアッチの演奏から始まった。


メインでアレクサ・グラッソの持つUFC世界女子フライ級王座に挑む元チャンピオン=ヴァレンチーナ・シェフチェンコはブーイングを送るファンに対して、「明日はハレの日。私の心、力、精神の全てを戦いに注ぎ込む。ありがとう、皆の──」と一呼吸をおいて「サポートを」と話した。

対してグラッソは大声援を受けて「素晴らしい週末を過ごしてもらって、全てを尽くしてベルトを再び皆に持って来るから」とコメントした。

メキシコのための大会といっても過言でない今大会だが、5人のメキシコ籍ファイターに加え、ラウル・ロサスJr、トレイシー・コーテズ、アレックス・レイエスなどメキシコ系米国人も多く出場している。

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そんななか第1試合でジョセフィン・キヌットソンが、マーニック・マンを相手にUFCデビューを行う。K1で活躍し、MMAに転向したキヌットソンは8月22日のコンテンダーシリーズ第3週でイシス・ファーバックとのストライカー対決を制しながら、「素晴らしい実績を残しているが、今日はその片鱗を伺わせなかった」という厳しい評価から、契約が見送られていた。

そのキヌットソンが急転直下、今大会でオクタゴン初陣を戦う。もちろん、キヌットソンにとってもこのような展開は予想だにしていなかっただろう。あのダナ・ホワイトの言葉、契約が流れたキヌットソンが、誰よりも早く今年のコンテンダーシリーズ出場選手のなかからUFCデビューを迎えることとなった。

K-1クイーンの本当の意味での旅立ち、非常に興味深い。

なお今大会ではUFCにとって初めて民族ベルトが創られ、お披露目されている。メキシコのミシュテカ及びサポテカ文化の色彩を採り入れ、熟練、勇気、力、規律などの意味合いを持つデザインが成された特別仕様のベルトはセレモニアル計量では確認できなかったが、明日のメインでグラッソの腰に巻かれた際にはメキシコ独立記念日のUFCの夕べをより彩ることになるだろう。

■視聴方法(予定)
9月17日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFN227対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アレクサ・グラッソ: 124.5ポンド(56.47キロ)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジャック・デラ・マダレナ: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr: 135ポンド(61.24キロ)
テレンス・ミッチェル: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ライト級/5分3R>
ダニエル・セジューベル: 156ポンド(70.76キロ)
クリストス・ギアゴス: 156ポンド(70.76キロ)

<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・パディーリャ: 145.5ポンド(66.0キロ)
カイル・ネルソン: 146ポンド(66.22キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス: 116ポンド(52.62キロ)
エリス・リード: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・コピロフ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジョシュ・フレムド: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
エドガー・チャイレス: 126ポンド(57.15キロ)
ダニエル・ラセルダ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
トレイシー・コーテズ: 126ポンド(57.15キロ)
ジャスミン・ジュスダヴィチェス: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・キャンベル: 155ポンド(70.31キロ)
アレックス・レイエス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョセフィン・キヌットソン: 115.5ポンド(52.38キロ)
マーニック・マン: 115ポンド(52.16キロ)

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MMA MMAPLANET o Preview UFC UFN ESPN+85 UFN227 アレクサ・グラッソ ブログ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFN227】メキシコ独立記念日に、アレクサ・グラッソ✖シェフチェンコ再戦─展望。幸運ではなかった前戦

【写真】 まさに前回とは立ち位置が違う今回の再戦となる(C) Zuffa/UFC

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州のTモバイルアリーナにて、UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenco 2が行われる。大会名が示すように、メインはフライ級新王者アレクサ・グラッソに、前回王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコがリヴェンジを賭けて挑む再戦だ。
Text by Isamu Horiuchi

大会当日は213回目のメキシコ独立記念日で、Fight Nightに関わらず世界戦が組まれ、会場もTモバイル・アリーナとスペシャル感のあるイベントとなっている。出場選手も全11試合で5人がメキシコ人ファイター、まさにビバ・メヒコなファイトナイトとなった。


そんなUFN227のメインで、メキシコ人世界王者に挑戦する──キルギス出身のシェフチェンコは言わずと知れた女子フライ級の第一人者だ。2018年8月にヨアナ・イェンジェチックを倒して王座に就いて以来、実に7度連続防衛を記録。そのうち4試合をフィニッシュで決めており、この階級自他共に認める絶対女王として君臨していた。

そんな無敵の王者から3月のUFC 285にて一本勝ちを収めて世界を震撼させたのが、メキシコのアレクサ・グラッソだ。下馬評では圧倒的に不利と見られていた挑戦者は、実際2、3Rはテイクダウンを奪われリードを許していた。が、シェフチェンコが4R終盤に放ったスピニングバックキックの空振りに乗じてあっという間にバックを奪うと、そのままチョークを極めてみせた。

負けるはずのない絶対王者、不用意な攻撃が仇となっての大番狂わせ──そんな印象も強かったまさかの王座交代劇。実際シェフチェンコも試合直後に「これがMMA。私が全ラウンドを取って間違いなく勝っていたけど、馬鹿げた状況が試合の全てを変えてしまうことがあるのよ」と語っている。

が、グラッソはフィニッシュのチョークについて「この動きを毎日練習していたの。彼女はスピニング系の技を出してくると知っていたから」と話した。

さらに数日後、試合前のキャンプにてグラッソがパートナーが放つスピニングバックキックをかわしてチョークを極める練習をしている映像も投稿され、あの決着自体は偶然ではなく、グラッソが所属するメキシコのロボジムのヘッドコーチであり、叔父でもあるフランシスコ氏が王者の試合映像を繰り返し研究して生み出した作戦の一つだったことが判明した。

さらにそこに至る試合内容を見ても、(シェフチェンコの言葉とは異なり)決して王者が展開を一方的に支配していたわけではない。1Rの打撃戦で有効打を当てていたのはグラッソの方だ。やや待ちの姿勢になる王者に対し、得意の伸びるワンツー、そして返しのフックをクリーンヒットしてみせた。特にストレートはカウンターの名手である王者の左フックが当たる前に顔面を痛烈に捉えており、距離感、タイミング、スピードとどれも女子MMA界ベストボクサーという評価に相応しいものだった。

2Rと3Rは、戦い方を変えた王者にテイクダウンをされて上のポジションを取られる展開に。そこから必殺のマウンテッド・クルスフィックスの体勢に捕られられかけるも、高い危機意識で動き続けて脱出に成功したグラッソは致命傷を逃れている。

この場面でも、体格に劣る挑戦者がいかに王者の武器をよく研究し、万全の準備でこの試合に臨んだかが伺えた。そして4Rに潮目がまた変わる。グラッソはやや単調になった王者のテイクダウン狙いを2 度にわたって切り、再び試合を得意のスタンド戦に持ち込むことに成功したのだ。命運を分けたスピニングバックキックは、ジャブでプレッシャーをかけるグラッソに対し、ややケージ側に詰められかけた王者が放ったものだった。

多彩にして強力な武器を持つ卓越したキックボクサーの王者に、序盤得意のボクシングで見事に競り勝ったグラッソが、中盤作戦を変えてきたシェフチェンコの反撃を凌ぐと、後半再び攻防を自分の望む土俵に持ちこみプレスをかけた。

そう考えると、あのスピニングバックキックは王者の慢心故の不要な攻撃というより、堂々と渡り合いその牙城に肉薄したグラッソが出させたもの、偶然ではなく必然だったという見方もできる。

ならば今回の再戦のおける最大の注目は、前回の敗戦を踏まえてシェフチェンコがどのように戦いを変えてくるかだ。

「もう同じことは決して起こらない」と語る前絶対女王。得意のスピニングバックキックやバックフィストは使いにくくなったとは言え、打撃の武器の多彩さではグラッソを上回る。

「グラッソは最も爆発的で、最もパワフルで、最も危険なヴァージョンのヴァレンチーナを思い知ることとなる」と宣言しており、受けに回った結果、グラッソの踏み込みのスピードに対応できずパンチをもらってしまった前回の轍を踏むつもりはなさそうだ。

対するグラッソも「彼女がどう戦いを変えてくるか、私もすごく知りたい。今までは挑戦を受ける立場だった彼女が、今は攻めなくてはならない立場になる。そんな時にどうするのかしらね。試合が待ち切れない」と語っており、リベンジに燃え全力で攻めてくる王者を恐れている様子はまったくない。

打撃の交換においてお互い切るカードが変わるなら、当然テイクダウンの攻防も変わってくる。前戦では2、3Rにシェフチェンコがグラッソの飛び込みに見事なカウンターのテイクダウンを合わせ、逆に4Rはスタンドで圧をかけるグラッソがシェフチェンコのテイクダウンを切った。今回もしシェフチェンコが蹴りも駆使して打撃で前に出て来た場合、グラッソはそこに乗じてテイクダウンを仕掛けることはできるのか。

それともその圧に下がらされてしまうのか。また、たとえ綺麗なテイクダウンが取れなくても、前回とは違う形でバックに回るチャンスを作ることはできるのか。

そして試合がグラウンドに持ち込まれた場合、シェフチェンコは今回こそ体格差を活かし、必殺のマウンテッド・クルスフィックスでグラッソを抑え込むことができるのか。前戦の2Rでは、ガードワークに定評のあるグラッソの両足を素早く超えたシェフチェンコがすかさずクルスフィックスを狙うのに対し、グラッソが止まらず動き続け、ついにはケージを蹴って隙間を作って脱出に成功するという見応えのある攻防があった。

3R終盤にはテイクダウンからバックを取られたグラッソが、やはり休まず動いて体をずらし続け、最後には逆にギロチンの形まで作る場面も見られた。これらの攻防の「さらに先」が今回見られるとしたら、どう展開するのだろうか。

絶対女王だったシェフチェンコを倒したこと、そしてもう一人の絶対女王アマンダ・ヌネスが先日引退を発表したことで、なんと現在グラッソはUFC女子のパウンド・フォー・パウンド1位の座に就いている。

シェフチェンコはストロー級王者のジャン・ウェイリに次いで3位だ。女子MMA最高峰にいる両者の再戦が打撃、テイクダウン、グラップリングのどの局面でも、前回を上回る激闘になることに期待したい。

■視聴方法(予定)
9月17日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFN227対戦カード

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]アレクサ・グラッソ(メキシコ)
[挑戦者]ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
ラウル・ロサスJr(米国)
テレンス・ミッチェル(米国)

<ライト級/5分3R>
ダニエル・セジューベル(メキシコ)
クリストス・ギアゴス(米国)

<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・パディーリャ(メキシコ)
カイル・ネルソン(カナダ)

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)
エリス・リード(米国)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・コピロフ(ロシア)
ジョシュ・フレムド(米国)

<フライ級/5分3R>
エドガー・チャイレス(メキシコ)
ダニエル・ラセルダ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
トレイシー・コーテズ(米国)
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)

<ライト級/5分3R>
チャーリー・キャンベル(米国)
アレックス・レイエス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジョセフィン・キヌットソン(スウェーデン)
マーニック・マン(米国)

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MMA o UFC アレクサ・グラッソ キック ケイトリン・チューケイギアン

UFC on ESPN+84:セミファイナル・マノン・フィオロ vs. ローズ・ナマユナス

女子フライ級。フィオロ2位、ナマユナスはストロー級の2位。

フィオロはUFCデビューから5連勝中。先週、UFCデビューから6連勝を飾った同じ女子フライ級トップランカーのエリン・ブランチフィールドはグラップラーだが、フィオロは空手でフランス代表入りしていたストライカー。フランスでは長くMMAが禁止されていたため、今回がMMAでは初の地元での試合となる。前戦は昨年10月、シェフチェンコの王座に挑戦し敗れてから4連勝中のケイトリン・チューケイギアンと対戦。打撃の手数で上回っての判定勝ち。5連勝でランキング1位を下したので、タイトル挑戦は確実かと思われたが、アレクサ・グラッソに先を越された上に、シェフチェンコがグラッソに敗れてダイレクトリマッチが組まれたことで、タイトル挑戦のチャンスが遠のいた。33歳。

ナマユナスはヨアンナ・イェンジェイチック、ジャン・ウェイリーという2大UFC無敗王者を1RKOで下して王者となり、初防衛戦のダイレクトリマッチでも勝利したが、いずれも2度目の防衛戦で敗れて王座から陥落している。ウェイリーには1度目はハイキックでKO勝ち、2戦目は接戦となったがスプリット判定勝ちで王座防衛。が、かつてTUF決勝の初代王座決定戦で対戦したカーラ・エスパルザには、両者ほぼ手が出ない展開で判定負け。体が大きくなり減量がきつくなってきたことと、上位陣とは複数回対戦している選手が多く、モチベーションを求めてフライ級に上げる。勝てば一気にフライ級の挑戦者候補となる。31歳。

 

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o UFC アレクサ・グラッソ ショーン・オマリー

UFC on ESPN+83:第9試合・エリン・ブランチフィールド vs. タイラ・サントス

女子フライ級。ブランチフィールド3位、サントス4位。

今年2月にAPEX大会のメインとして組まれていたカード。サントスが欠場したため、ブランチフィールドはジェシカ・アンドラージと対戦し、2Rチョークで一本勝ちして一気に上位ランカーに。

24歳のブランチフィールドは、前回ランキング10位でいきなり1位のサントスと組まれるなど、ショーン・オマリー並の飛び級の扱いで、結果サントスは欠場したものの、代役のランキング3位アンドラージに勝利。タイトル挑戦圏内に入ったので、このままタイトル戦が組まれるかと思ったが、王者シェフチェンコがアレクサ・グラッソにまさかの逆転一本負け。ダイレクトリマッチが組まれることになったため、ブランチフィールドもタイトル挑戦の待ち行列に入ることなく、サントスとの仕切り直しの対戦を受けた。柔術黒帯のグラップラーで、UFCデビューから5戦全勝。現在、3試合連続一本勝ち中。

サントスは昨年のシンガポール大会で王者シェフチェンコのタイトルに挑戦。オッズは大幅アンダードッグだったが、組んで四つからテイクダウンを奪う展開で、首投げで投げられても、首を抜いてバックを奪い攻勢。が、ポジションをとってもそこからの攻めが足りず、ポジションを取っているだけのラウンドがジャッジによってはシェフチェンコに取られてスプリット判定負け。当時としては最も王者を苦しめたが、地味な戦いぶりが災いしてか、再チャンスは与えられず。30歳。

オッズはブランチフィールドがフェイバリット。

パンチを入れたサントス。ワンツー。ブランチフィールドが近づこうとしても殴られる。タックル。しかしクラッチできず引き剥がされた。パンチで出るサントス。かなり強打を打ち込んでいる。出ようとしたところでインローを蹴られ膝を着くブランチフィールド。タックル。止められたがそのままケージまで押し込んでパンチを入れたブランチフィールド。パンチからボディロックでクラッチすることに成功。しかし差し返すサントス。肘を入れて引き剥がした。ブランチフィールドまたタックルに行くが、サントス膝を合わせる。組んだブランチフィールド。大内テイクダウンを狙ったが、倒し際に首を抜かれてバックを取られかける。立ち上がり離れたブランチフィールド。残り1分。ブランチフィールドがパンチから四つ組みに押し込んで膝を入れるブランチフィールド。ダブルアンダーフック。しかし差し替えして入れ替えるサントス。ホーン。

1Rサントス。ブランチフィールド、テイクダウンを取れないと厳しい。

2R。ローを蹴るサントス。パンチで出るブランチフィールドだが、サントスのパンチで迎撃される。タックルに入るも切られた。サントスのカーフで体が流れるブランチフィールド。ブランチフィールドパンチでケージまで下がらせてタックル。が、潰された。すぐに起き上がりまたタックル。ダブルレッグ。倒しかけたがこらえたサントス。なおもダブルアンダーフックだが、サントスが差されている腕をオーバーフックして防いでいる。ボディロックから投げを狙うブランチフィールド。しかしサントスこらえた。逆にダブルアンダーフック。反り投げをねらったサントスだが潰してブランチフィールドが上に。下から腕十字を狙うサントスだが、密着して防ぐとハーフに。パス。亀になったサントス。足のフックは防いでいる。残り1分。サントス立ち上がった。ケージ際で正対。だがなおも押し込んでクラッチしているブランチフィールド。ダブルレッグを狙ったがサントスこらえた。ブランチフィールド離れたがすぐにまた組み付く。ホーン。

2Rブランチフィールド。1Rを見る限りは打撃で押され、テイクダウンも奪えない展開でジリ貧かと思われたが、パンチのプレッシャーでケージまで下がらせてからタックルに行くなど工夫して勝負している。

3R。すぐ出るサントス。逆にブランチフィールドがジャブ。下がったサントスにタックル。こらえたサントス。四つ組みで逆にテイクダウンを狙うが、ブランチフィールドもこらえた。カーフを蹴るサントスだが、ブランチフィールドまたタックル。倒しかけたがサントスこらえる。自ら離れたブランチフィールドだが、即タックル。ダブルレッグ。ギリギリこらえたサントス。また離れたブランチフィールド。サントスローを入れるが、パンチに行った瞬間にまたタックル。受け止めたがブランチフィールド押し込んで膝を入れる。下がったブランチフィールド。パンチのヒット&アウェイ。サントスのパンチは空振り。スタミナが切れてきたか。ブランチフィールドまたタックル。受け止めたサントス。ブランチフィールド離れてすぐタックル。倒しかけたがサントスギリギリこらえた。ブランチフィールド押し込んで肘。離れた。残り30秒。消耗しているサントスにブランチフィールドがパンチで出る。サントスが逆にタックル。首を抱えたブランチフィールド。膝。タイムアップ。

三者29-28でブランチフィールド勝利!

1Rは、打撃で押されタックルも切られて苦しい展開だったが、しつこいタックルでサントスのスタミナを削ってサントスの自滅を誘い、3Rには打撃のヒットでも上回って勝利。これで次は来月のグラッソ vs. シェフチェンコの勝者とのタイトルマッチだろう。

サントスも最後まで意地でテイクダウンを許さなかったが、3Rはポイントを取り返すだけの体力が残っていなかった。

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Column MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN50   アス・アルマバエフ アレクサ・グラッソ オーデ・オズボーン カイラー・フィリップス カーラ・エスパルザ カールストン・ハリス ギャビン・タッカー コディ・ダーデン コリー・サンドハーゲン ジェイク・ハードリー ジェシカ・アンドラーデ ジェレマイア・ウェルス ジエゴ・ロピス タティアナ・スアレス ダスティン・ジャコビー デニス・ブズーキア ハオーニ・バルセロス ビリー・クゥアンティロ ルドヴィット・クライン ロブ・フォント

【UFC ESPN50】試合結果 Music Cityで4年ぶりのUFC。メインでサンドハーゲンがフォントを完封

【写真】カーラ・エスパルザ、アレクサ・グラッソに続き、アンドラーデに勝利。世界挑戦が待たれるスアレスだ (C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)テネシー州ナッシュビルのブリヂストン・アリーナでUFC on ESPN50「Sandhagen vs Font」が開催された。翌日は北米を代表するオープンホイール・レース=Indy CarのMusic City Grand Prixが開かれ、強さと速さを荒そうウィークエンドのDay01=UFC ESPNは2019年3月以来、実に4年5カ月ぶりの世界最高峰の来訪だった。

メインのバンタム級戦はコリー・サンドハーゲンが、ロブ・フォントをTD&コントロールで完封。サラリとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトが5選手に行われる印象的なフィニッシュが見られたイベントとなった。

デビュー戦でボーナス獲得となったアス・アルマバエフ、そしてジェイク・ハードリーを破ったコディ・ダーデンとフライ級で気になるファイターが台頭している。

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=タチィアナ・スアレス、ダスティン・ジャコビー、ジエゴ・ロピスカールストン・ハリスアス・アルマバエフ

UFC ESPN50
<140ポンド契約/5分5R>
○コリー・サンドハーゲン(米国)5R
判定
詳細はコチラ
×ロブ・フォント(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
○タティアナ・スアレス(米国)2R1分31秒
ギロチンチョーク
詳細はコチラ
×ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
○ダスティン・ジャコビー(米国)1R1分33秒
TKO
×ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
<フェザー級/5分3R>
○ジエゴ・ロピス(ブラジル)1R1分38秒
腕ひしぎ腕固め
詳細はコチラ
×ギャビン・タッカー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
○タナー・ボーザー(カナダ)3R
判定
×アレクサ・キャマー(米国)
<ライト級/5分3R>
○ルドヴィット・クライン(スロバキア)3R
判定
詳細はコチラ
×イグナシオ・バハモンテス(チリ)
<バンタム級/5分3R>
○カイラー・フィリップス(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
○カールストン・ハリス(ガイアナ)3R1分50秒
アナコンダチョーク
詳細はコチラ
×ジェレマイア・ウェルス(米国)
<フェザー級>
○ビリー・クゥアンティロ(米国)3R
判定
×デイモン・ジャクソン(米国)
<フライ級/5分3R>
○コディ・ダーデン(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ジェイク・ハードリー(英国)
<146.5ポンド契約/5分3R>
○ショーン・ウッドソン(米国)3R
判定
×デニス・ブズーキア(米国)
<フライ級/5分3R>
○アス・アルマバエフ(カザフスタン)2R3分11秒
RNC
詳細はコチラ
×オーデ・オズボーン(米国)
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F1 MMA o ONE UFC UFC Fight Night   アレクサ・グラッソ クリス・カーティス ケルヴィン・ガステラム ジェフ・ニール

9.16『UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenko 2』のセミファイナルはシャフカット・ラフモノフ vs. ケルヴィン・ガステラム/Fight NightシリーズなのにT-モバイル・アリーナ開催の異例の大会に

るるぶラスベガス'24


9.16 UFCラスベガス大会のメインイベントはアレクサ・グラッソ vs. ヴァレンティーナ・シェフチェンコのダイレクトリマッチ(2023年06月23日)

 こちらの続報。


 UFCが9月16日に開催する『UFC Fight Night: Grasso vs. Shevchenko 2』のセミファイナルでシャフカット・ラフモノフ vs. ケルヴィン・ガステラムのウェルター級マッチを行うことを発表。

 ラフモノフは3月の『UFC 285: Jones vs. Gane』でジェフ・ニールに3Rリアネイキッドチョークで勝利して以来の試合でプロデビュー以来17連勝中(UFC戦績5勝0敗)。現在UFCウェルター級ランキング6位。

 ガステラムは4月の『UFC 287: Pereira vs. Adesanya 2』でクリス・カーティスに判定勝ちして以来の試合。現在UFCウェルター級ランキング12位。


 また、会場はネバダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナになることが正式決定。Fight Nightシリーズとしては異例の大会となります。続きを読む・・・
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F1 MMA o ONE UFC   アレクサ・グラッソ

9.16 UFCラスベガス大会のメインイベントはアレクサ・グラッソ vs. ヴァレンティーナ・シェフチェンコのダイレクトリマッチ

UFCレガシーチャンピオンシップレプリカベルト


 UFCが9月16日に開催する大会のメインイベントがアレクサ・グラッソ vs. ヴァレンティーナ・シェフチェンコの女子フライ級タイトルマッチになることをMMAJunkieが確認したとのこと。ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催すると見られていますが、前週はオーストラリア・シドニーで『UFC 293』を開催することからFight Nightシリーズになると見られています。

 両者は3月の『UFC 285: Jones vs. Gane』で対戦しており、この時はグラッソが4Rフェイスロックで勝利し王座戴冠。今回は6ヶ月ぶりのダイレクトリマッチになります。シェフチェンコはその前まで9連勝しておりフライ級では負けなしでした。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o RENA UFC uFC289 アイリーン・アルダナ アマンダ・ヌネス アレクサ・グラッソ キック ケイラ・ハリソン ケトレン・ヴィエイラ シャーウス・オリヴェイラ ジュリアナ・ペニャ ベニール・ダリューシュ ボクシング メイシー・シェエソン ヤナ・クニツカヤ ヴァレンチーナ・シェフチェンコ

【UFC289】UFC世界女子バンタム級選手権試合、聖域得た王者ヌネス✖「I’m Mexican」挑戦者アルダナ

【写真】そりゃあ下馬評は圧倒的にヌネス。ただし、シェフチェンコ✖グラッソ戦でもメキシコ女子は下馬評を覆した (C)Zuffa/UFC

10日(土・現地時間)カナダのブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるロジャース・アリーナにてUFC 289「Nunes vs Aldana」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

元UFC世界ライト級王者のシャーウス・オリヴェイラとベニール・ダリューシュの注目の一戦をコメインとする今大会のメインは、バンタム&フェザーの女子2二階級王座を同時に保持するアマンダ・ヌネスが、ランキング5位のアイリーン・アルダナを挑戦者に迎える女子バンタム級タイトルマッチだ。


ヌネスは、誰もが認める女子MMAにおけるGOAT(Greatest of all time)。2016年にバンタム級王座を、2018年にフェザー級王座を獲得して以降、3年に渡って2階級を行き来して両王座を防衛し続ける離れ業を見せていた。一昨年12月、ジュリアナ・ペニャにまさかの2R一本負けを喫してバンタム級王座を失ったものの、昨年7月の雪辱戦では5R全てを圧倒して勝利、健在を見せつけている。

今大会は当初ヌネスとペニャの第3戦が予定されていたが、ペニャが練習中に肋骨を負傷。代わりに挑戦者として抜擢されたのが、現在2連勝中のアイリーン・アルダナだ。ヌネスと同じ88年生まれのアルダナは、ヌネスが初戴冠をした2016年にUFCデビュー。ファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを2度ずつ受賞する激闘を重ねながらランキングを上げてきた選手だ。

前戦では、体格上の(計量オーバーした)メイシー・シェエソンと対戦。仰向けの体勢からのアップキックをレバーに突き刺すという前代未聞のフィニッシュを決めており、試合後のインタビューでは「いつも練習しているグレイシー・クラシカル・テクニックよ!」という卓越したコメントを残している。

とまれ、実績&知名度ともに大きな差がある両者だけに、下馬評では王者が圧倒的に有利となっている。

ペニャとの初戦ではヒザの怪我も響いて不覚を取り「引退も考えた」と語るヌネス。「他の選手ならともかく、アイツにタイトルを渡したまま去るわけにはいかない」という個人的な思いも込めて臨んだ再戦では、サウスポー中心の戦いを初披露。ペニャが前に来るたびに右フックを合わせ、最初の2Rで実に5度もダウンを奪ってみせた。さらに後半はテイクダウンを何度も決めて上を取り、ペニャの下からの攻撃を遮断。全局面での強さを見せつけての復活劇だった。

DALLAS, TEXAS – JULY 30: in their women’s bantamweight title fight during UFC 277 at American Airlines Center on July 30, 2022 in Dallas, Texas. (Photo by Josh Hedges/Zuffa LLC)

破壊的な威力の右オーバーハンドで世界を制圧した王者が、新たにサウスポーからの精度の高いカウンターを武器に加え、さらに強力なテイクダウンまで織り交ぜてくるのだから、対戦相手からすればこれほどの脅威はないだろう。世界の頂点に君臨しなお進化し続けるヌネスの戦いを通して、我々は今この瞬間における世界女子MMAの最高到達点を見ることができる。

この見事な復活劇の最大の要因は、練習環境を変えたことにあるという。長年拠点としてきたATTに、UFC女子フェザー級への転出が囁かれていたケイラ・ハリソンらが加入したことに「身の安全を脅かされる気がした」というほど気分を害していたというヌネス。

ペニャとの再戦に臨む際に、フロリダ州内に自らのプライベートジム「ライオネス・スタジオ」を設立し、移籍した。

「私と同階級の女子選手が、私の所属ジムに来て私のコーチと練習するような環境は好ましくなかった。このライオネス・スタジオに出入りできるのは私の親しい友人とコーチだけ。このジムで私が失っていたスピリットを取り戻すことができたし、サウスポーで戦うという発想も思いついたのよ」と語るヌネス。

「私の聖域」と呼ぶ専用スペースを手に入れ、私生活でもパートナーのニーナ・アンサロフ(※現在はヌネス姓)が二人目の子供をお腹に宿している。公私ともに充実した最強王者の牙城を崩すのはきわめて難しそうだ。

さて、大会前の記者会見。「あなたが偉大な王者にもたらすことのできる最大の脅威はどこにありますか?」との質問を受けた挑戦者アルダナは、微笑みながら一言だけ返した。

「I’m Mexican」。この言葉には、単に国の誇りといった精神的なものだけでなく、技術的な含意も込められていそうだ。実際、別の場でアルダナは「メキシカン・テクニックには特別なものがある。私はそんなメキシカンスタイルをオクタゴンに持ち込みたい」と語っている。

LAS VEGAS, NEVADA – JULY 10: in their women’s bantamweight bout during UFC 264 at T-Mobile Arena on July 10, 2021 in Las Vegas, Nevada. (Photo by Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images)

アルダナの言うメキシカンスタイルとは、主に彼女の最大の武器であるボクシングのことだろう。20歳を過ぎてから運動のためMMAをはじめたというアルダナだが、所属先のロボジムのヘッドコーチにして、元プロボクサーのフランシスコ・グラッソ氏に仕込まれたボクシング技術の洗練度は女子MMAファイターの中でトップクラスだ。

メキシカンボクシングの特徴と言われる、腰を柔らかく使った滑らかな動きや踏み込んでの伸びるジャブ、距離の長いストレートを見事に使いこなすアルダナ。さらに上下の打ち分けやアッパーを交えたコンビネーションも多彩で、ケトレン・ヴィエイラやヤナ・クニツカヤを一撃で倒した威力抜群のカウンターの左フックも持っている。

またヌネスがあまり使わないスムーズな左右へのフットワークにも長けており、常にガードを上げ固いブロッキングとヘッドムーブメントを駆使する等、パンチのディフェンスも優れている。多少の被弾はあれど常に致命打は回避し、抜群のコンディショニングと不屈の闘志をもって相手に打ち勝ってきたアルダナは、桁外れの破壊力を誇るヌネスの打撃をもってしても、簡単に倒せる相手ではない。女子MMA最高レベルの拳の応酬こそ、この試合最大の見所だ。

ただし王者ヌネスには、前戦でも猛威を奮った強力なテイクダウンという武器もある。打撃での制圧が困難と見るや、ヌネスがテイクダウンを仕掛けてくることは容易に想像できる。柔術黒帯を持つ王者のテイクダウン&トップコントロールをアルダナがいかに凌ぐかも、この試合の大きな鍵となりそうだ。

総合的な不利は否めないアルダナだが、所属先のロボジムは、今年の3月にアレクサ・グラッソがヴァレンチーナ・シェフチェンコから4RにRNCを極める大番狂わせを起こし、メキシコ人初のUFC女子王者を輩出したばかり。

王者が不用意なスピンキックを放ったが故に起きた奇跡、と解釈されがちなフィニッシュだが、ロボジム側から言わせると決して偶然ではない。

シェフチェンコの試合映像を寝る暇も惜しまず研究したフランシスコ・グラッソ氏(※アレクサの叔父でもある)が、シェフチェンコがスピンキックを放つ癖があることに気づき、それを避けてバックを奪いチョークを極めるシークエンスをチームで練り上げ、無数の反復練習を重ねてきた成果だったとのこと。

わずか3ヶ月前に世界を揺るがせた名伯楽の目には、もう一人の女子絶対王者のいかなる死角が見えているのだろうか。

アルダナは以前から──ヌネスが名を挙げた(そして離れた)メガジムATTとは対照的に──祖国の小さなチームにて、結束の固い仲間たちと共にあることにこそ自分の優位点があると語っている。

自分の入門初日からの練習パートナーであり、苦楽を共にしてきた盟友アレクサに続いて、2人目のメキシコ人女子王者を目指す気持ちの強さは、全てを成し遂げた王者の防衛への意志に決して劣らないだろう。

「この試合はブラジリアン・ライオネスとメキシカン・ジャガーの戦いなのよ!」と話すアルダナ。そのしなやかな牙が百獣の王の首に食い込み、多くの予想を裏切る大死闘となることを期待したい。

■視聴方法(予定)
6月11日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。グラッソ✖シェフチェンコ「居着く、2種」

【写真】ストライカーが、テイクダウンで攻めてはいけないのか……。MMAとは……。武術とは……。戦いとは…… (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たアレクサ・グラッソ✖ヴァレンチーナ・シェフチェンコとは。


──無敵のシェフチェンコが、まさかの一本負けでタイトルを失いました。

「居着いているとは何か。居着くという言葉自体は有名ですが、武術空手である剛毅會流では……車でいえばエンジンを切ってしまっている状態をいいます」

──相手の攻撃をまず考え、相手に合わせて自分の戦いができていない状態をではなく?

「その通りです。それで受けに回っている状態も居着くといいます。それとエンジンが切れた状態です。この試合でなくても質量が高いのに、居着いてしまって相手に中に入られるということはあります。この試合でも立って構えていると、質量が高いのはシェフチェンコです。でも中が止まってしまっている。グラッソは何から何まで、全部間違っているのに居着いていない。そういうことに関係なく、勢いがあって動いている。居着いて、中身が止まっているときに回転力のある攻撃をされると本当に危ないです」

──組みでも優勢ではあったのですが、打撃より組みが目立ったシェフチェンコでした。

「打撃は劣化します。同様にレスリングの強い選手が、MMAに転向するとレスリングだけの部分は劣化する。それはどうしようもないことです」

──去年の6月の防衛戦でタイラ・サントスの組みに苦戦し、打撃から組みに切り替えてスプリット判定勝ちという試合がありました。あそこで何か、シェフチェンコは変わったのか。

「そこなんです。そういう試合をしているのに、試合前に日本に来ていた。なぜ、なんだと思いませんでしたか」

──シェフチェンコはパラエストラ柏の練習で本当に強かったですよ。

「それは日本だからですよ。自分が最強の状態で練習していると、劣化してしまいます。ここがMMAの難しさですね。打撃でなく、組みで攻めると打撃は劣化しますぜって話です。ボクシングならボクシング、キックならキックでもこれしかできないというところが劣化する。そして、MMAはその劣化を防ぐ方法論が見当たらないです。

シェフチェンコの場合は素晴らしい打撃の使い手ですが、そうでない選手も組みがあるから打撃が上手にならない。なので打撃をやるMMAと、MMAをやるMMAはここからスパッと分かれていくような気がします。私は今、打撃の人間を指導していますが『MMAをやるな。打撃をやりなさい』としかいえなくて、そこをフィーチャーしたことをやっています。打撃が劣化して、組みにいってもどうなるのか──ということです」

──シェフチェンコに関しては組みで試合を優勢に進めていたと思います。

「でも結果的に負けているじゃないですか」

──それはあそこでスピニングバックキックを出して、バックを取られたからではないでしょうか。結果論ですが、組みだけでいけば後ろを見せることもなかったかと。

「だったら組みの練習をしっかりとやるべきです。そこにしても、居着いているので銅像と同じですよ。グラッソは手を出せば当たるのだから、そんな状態で組みに行ってもそれも居着いていると思いますよ」

──相手の攻撃有りきで組んでいたので。

「ハイ。居着いていないレスリングと、居着いてよっこいしょで動くレスリングは違いますし。だいたいガードワークが上手いグラッソにテイクダウンをすることが、戦術的にどうだかってことですよね。とはいっても、それはMMA的には間違っていない」

──その通りで3Rまでのスコアは29-28で取っている。なら間違いではないかと。

「打撃が上手く行かない。なら組みだというのは全然間違っていない。その一方で打撃がダメなことをどのように考えるのか。どの試合でも、MMAは離れた状態から始まります。胸を合わせてとか、相手が下なってという状況からは始まりません。

打撃がダメということは、先を取られていることが十分に考えられます。後手に回ったテイクダウン……でもMMAとしては間違っていない。いやぁ難しいですよ。もちろん、ストライカーも組みの練習は必要で、死ぬほどやらないといけないでしょう。でも、それを試合でわざわざ使う必要はない。

戦いとMMAは違うなぁと、改めて思います。右足前、左手で殴るのが一番の武器の選手が、それだけとシングルレッグに入られる。だから、左足前で戦った。テイクダウンされないよう戦うのも選択肢の一つです。ただし結局はテイクダウンされた。それは先が取れていないから。自分の得意な攻撃を優先すると、先を取れてテイクダウンされなかったかもしれない。勿論そうならない時もある。MMAでは前者を選択することも間違っていない」

──それでいて、MMAもルールがある戦いです。

「そう。だから難しい。いずれにしてもシェフチェンコは相手の選手がやられて嫌なことを考えないと。グラッソはパンチ、蹴りが嫌だった。それなのにシェフチェンコは構えたまま止まっていました。回転が掛かっていない。打撃で良い練習ができていなかったのでしょう。行かないと殺されると思えば、自分から行くはずです。

でも、自分より格下の選手との練習は受けて返すということができてしまう。この出来てしまっているという感覚が稽古に体に染みつくことは厄介です。やられて、どうすれば良いのか考える稽古の方が、良い稽古で」

──う~ん、稽古と練習の違いでしょうか。やられてばかりで、攻めるイメージができていないと試合には向かないとも考えられます。

「もちろん、そこも必要です。ただし、練習であっても最悪な状況を想定しないと。居着いた状態で受けて何かしようとすると、後手に回るので。受けて何をするのか、スポーツ……格闘競技は受け返しが成立するようになります。本来は相手を動かファイトのチェフチェンコが、組んで倒したとしてもグラッソに動かされていた試合になってしまいます。それが居着いているということです。

動かしているのと、動かされているのでは、同じ技を出しても違います。正直、立った状態では大した取り柄のない相手選手にシェフチェンコは動かされていた。普通に殴って、蹴ればグラッソは嫌だったはずなのに。ただし、グラッソには回転力とスピードがあった。そこと攻防する打撃の練習ができていなかったのではないかと思います。

と同時にね、どれだけ強い選手──シェフチェンコのような選手も、どこまで自分を律し続けることができるのか。チャレンジャーだった時と、今は違ってきて然りです。彼女が今より良くなりたいと思っているのか。そういう意味では、1階級上のバンタム級王座に挑みたいという気持ちがあるなら、その時はまた違ったシェフチェンコが見られるのではないかと思います。

私は正直、女子のMMAは余り見ていなかったのですが、シェフチェンコの試合はチェックしてきたんです。それだけ素晴らしい選手なのに、今回は銅像のように見えてしまいました」

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