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o UFC Wardog マックス・ザ・ボディ ライダーHIRO 修斗

修斗250119:セミファイナル・エフェヴィガ雄志 vs. ライダーHIRO

西尾がエフェヴィガに挑戦する環太平洋ライト級タイトルマッチが予定されていたが、西尾が体調不良により欠場。同じ宇留野道場のライダーHIROが代役としてノンタイトル戦でエフェヴィガと対戦する。

エフェヴィガはここまで9戦全勝で、現在5連続フィニッシュ勝利中。ランカー相手から対戦を断られる状況が続いており、国際戦が続いていたが、11月にマックス・ザ・ボディと環太平洋王座決定戦で対戦。マックスのパンチを貰う場面もあり、快勝とはいかなかったが、2Rにテイクダウンしてからのパウンド・ヒジのラッシュからのチョークで一本勝ちしている。25歳。

ライダーHIROは昨年9月から修斗に参戦。極めを狙いに行くスタイルで沸かせたものの3連敗を喫している。直近ではWardog Cage Fightで2戦し、いずれもツイスターによる一本勝ち。本来のバンタム級から2階級上げての試合となる。38歳。

サウスポーのエフェヴィガにライダーはオーソドックス。ミドルを蹴ったエフェヴィガ。下がるライダー。ローで足が流れる。パンチを入れるエフェヴィガ、ダウン気味に下になったライダー。ハーフのライダーにヒジを入れるエフェヴィガ。鉄槌連打。ライダーがガードを取ると離れる。プレッシャーを掛けられケージを背負うライダー。詰めるエフェヴィガにタックル。切られて引き込むライダー。エフェヴィガは離れて立たせる。またケージを背負った清水のタックルを切ったエフェヴィガ。今度はバックに回る。バックから殴るエフェヴィガ。立ったライダー。間合いを詰めるエフェヴィガにタックル。また切ったエフェヴィガがバックからパウンド。四の字バックからリアネイキドチョーク。ライダータップ。

1R4分33秒、スリーパーホールドでエフェヴィガ一本勝ち。

エフェヴィガ「見ての通り試合にならなかったし、チョークで終わって良かったです。これで取り返しのつかない怪我でもなったら仕方なかったんで。西尾選手は前の試合も断って逃げて、今度は体重オーバーして。もう二度と僕の人生に関わることないんでいいですけど。これからはもっと本当にヤバいやつら、UFCとかにいるやつらと試合する僕がみなさん見たいと思うんで、どんどん世界に挑戦していきたいと思います」

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45 Giant Killing MAGISA MMA MMAPLANET o RIZIN Torao Wardog YouTube キック ブラジリアン柔術 ボクシング 修斗 安保瑠輝也

【Giant Killing02】岡山県笠岡市の格闘技イベントから考える、各地域大会とMMAキッズたちの存在について

【写真】blooM&TEAM AGENT、OKAYAMA TOP TEAMのメンバー(C)SHOJIRO KAMEIKE

11月3日(日)、岡山県笠岡市の笠岡市民体育センターで『Giant Killing02』が開催された。
Text by Shojiro Kameike

『Giant Killing02』とは既報どおり、前Wardogストロー級王者のMAGISAが、地元で開催する町おこし格闘技イベントだ。笠岡市は岡山県の南西部、広島県との県境に位置する。現在は漫才コンビ「千鳥」の出身地といえば分かる人も多いだろう。
笠岡市は、MMAに関していえば未開の地といっても過言ではなかった。岡山市、倉敷市といった岡山県内の都市から離れ、お隣には広島県第二の都市である福山市が存在する。MMAを練習するとなれば、岡山市か倉敷市、あるいは福山市のジムや練習会に通うしかない。主催者であるMAGISAのMMAキャリアのスタートも同様だった。
そんななか2年前にMAGISAが地元でMMAジムblooMを設立し、さらにイベントも開催するようになった。この新しい動きから考える、日本MMAの未来に必要なものとは。


当日は大会運営からジュニア選手のセコンドも務めたMAGISA(C)SHOJIRO KAMEIKE

岡山県と広島県のMMAにおいて、プロ修斗興行『TORAO』が果たした役割は大きい。岡山県北部の津山市でアマチュア修斗イベントとしてスタートし(当時は闘裸男と漢字表記だった)、2005年からプロ修斗も行われるように。その後は四国、山口県、そして福岡県まで開催エリアを広げていった。アマチュア修斗ならびにJBJJFブラジリアン柔術大会の開催が、その礎となった。今大会の主催者の一人であるMAGISAもキャリアの序盤でTORAOに出場している。

一方、当時はアウトサイダーブームもあり、日本各地で多くの地下格闘技イベントが開催されていた。今でこそ地下格闘技出身ファイターがRIZIN等で活躍する姿も見られるが、何より地下格闘技に限らず安全性に欠けたイベントが問題視されたことも事実だ。同時に会場内での素行の悪さから、各地で会場が使えなくなるという問題も発生する。岡山県も例外ではなかったが、MAGISAによれば「会場が使用できなくなったことで、岡山県内で地下格闘技がなくなった。あるいは存在が聞かれなくなった」という。

前述のとおり、安全性に欠けたイベントを容認することはできない。一方で地下格闘技をキッカケとして、本気でMMAに取り組み始めた若者も多い。今回のGiant Killingでも、かつて地下格闘技で戦ってきたと思われる選手が多数出場していた。しかしながら――これはアウトサイダー&地下格闘技ブームの頃から各ジムで言われていたことだが――技術を培いながらも、スタミナやフィジカル面で至らない選手が目立つ。

大会には安保瑠輝也や、ブレイキングダウン出演者もゲストとして招かれていた(C)SHOJIRO KAMEIKE

MAGISAは自身のジムbloomでも、会員は3つの層に分かれるという。それは①プロを目指す層②趣味の一般会員層③地下格闘技に出ていた層だ。今大会でMMAの試合に出場していたのは③に当たるとMAGISAは説明する。キックボクシングの試合では、コメントを求められたスペシャルゲストの安保瑠輝也が、「もっとスタミナをつけてから……」と明言する場面もあった。リーチ、間合い、当て勘——全てにおいて優れた面を見せながら、彼らに足りないものは明白だった。

間合い、上下の打ち分けからアッパーなど打撃を見せていた子供たち。彼らは全員MMAを志すファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

そのなかでblooMとTEAM AGENTの合同練習会「OKAYAMA TOP TEAM」に参加している選手は、ジュニアの試合から違いを見せている。この日、ジュニアについてはキックボクシングとボクシングルールの試合のみではあった。しかしOTTでは基本的にMMAの練習を行っている。この日もMMAの対戦相手をマッチメイクすることができず、打撃の試合に出場することになった。とはいえ組みの練習によって体ができている点は大きい。この日試合に出場しなかったOTTのメンバーからも、12月1日に神戸市立王子センターで行われる「全日本キッズ/ジュニア修斗選手権大会」への出場があるという。こうして日本全国で地域密着の格闘技が子供たちを育て、アマチュア大会を経てプロの試合に出場する時、Giant Killingの雰囲気も大きく変わるだろう。

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45 DEEP Giant Killing MAGISA MMA MMAPLANET o RIZIN Torao Wardog YouTube キック パンクラス ボクシング 修斗

【Giant Killing02】MAGISA主催、岡山県笠岡市の格闘技イベント「子供たちが格闘技に触れる機会を」

【写真】様々な世代が格闘技に触れる機会、特に子供たちが格闘技を始めるためのイベントを目指して(C)MAGISA

3日(日)、岡山県笠岡市の笠岡市民体育センターで、格闘技イベント『Giant Killing』が行われる。前Wardogフライ級王者MAGISAが、お隣の広島県福山市の格闘技団体KINGSと共同で開催する、アマチュア格闘技の大会だ。
Text by Shojiro Kameike

これまで日本全国で、地元密着のイベントは多数行われてきた。そんななかでGiant KillingはMAGISAの地元・笠岡市で開催される、大人から子供までMMA、キックボクシング、そして福山市に専門チームを持つ腕相撲大会まで実施される「町おこし格闘技イベント」だという。今年1月28日に第1回大会が行われたGiant Killingと、大都市圏以外での格闘技普及について、主催者のMAGISAに訊いた。


――MAGISA選手主催の大会「ジャイアント・キリング」について知ったキッカケは、昨年10月のワードッグでした。試合後に、地元の岡山県笠岡市で自主興行を開催する、と。自主興行については、いつ頃から考えていたのですか。

昨年10月、MAGISAはベルトを防衛後に返上。現役選手としての活動を続けつつ、自主大会をスタートさせた(C)SHOJIRO KAMEIE

「ちょっと具体的な日付は定かではないですけど、3~4年ぐらい前ですね。僕も選手としては、そろそろ――と考えていました。『自分も後輩を育てていかんといけんなぁ』と思って、ジム(MMAジムblooM)を出したのが2年前で。その頃から、今後ジムに選手が増えてきたら、試合ができる環境をつくってあげたいとは考えていたんです」

――MAGISA選手がそう考える立場になったのも感慨深いです。2012年に本名の津村尚幸で岡山からプロデビューして……。

「そうなんですよ。アマチュア修斗に出ていた時期を入れたら、もう13年以上やっていて」

――MMAのスタートは、ゼロ戦クラブ水島支部ですよね。

「はい。ゼロ戦クラブのあとBURSTを経て、岡山で上似大夢とTEAM AGENTをやっていたんですよ。そこから僕はTEAM AGENTを離れてblooMを立ち上げました」

――最近は古巣であるTEAM AGENTと協力して「OKAYAMA TOP TEAM」という合同練習会を行っていると聞きました。

「一番大きなキッカケは――TEAM AGENTはキッズが強くて、その保護者さんたちの熱も高いんです。そんななかで、そんななかで保護者さんから『もっとレスリングや寝技を向上させたいけど、MAGISAさんに教わることはできないか』という声が挙がったらしくて。ファイトスタイル的には、どちらかというと僕はレスリングと寝技、大夢が打撃という感じですから。それなら出稽古とかではなく合同練習をやろうよ、という話になりました」

―OKAYAMA TOP TEAMのスタートもそうであるように、岡山県内の格闘技事情も大きく変わってきました。MAGISA選手としては、どのように変わってきたと思いますか。

「僕が試合に出始めた頃って、岡山~笠岡~福山でMMAの興行がなかったですよね」

――TORAO岡山大会が2010年4月、福山市では2013年6月に中村和裕さんの自主興行KING KAZ FIGHTが開催されて以降、大きなイベントはなかったかと思います。

「大会があっても広島市か高松市ですよね。一番近い場所でも。だから僕も笠岡で大会をやりたいとは考えました。でも選手と大会運営の両立は難しい……と思っていた頃にジムを出して、今はアマチュア含めて選手も増えてきたんですよ。その子たちが、どうやって試合に出るのかを考えた時に、自分で大会をやるのが一番早いかと思いました」

――その場合、大都市圏以外の地域では大きく2つのパターンに分かれると思います。アマチュア修斗か、地下格闘技か。

「そうなると思います。どちらにしても試合出場の機会を求めている選手は多いんですよ。僕としては自分のジムで、プロを目指すならアマチュア修斗やDEEPフューチャーキングトーナメントを勧めています。一方で『趣味として試合に出たいのであれば、どこで試合をしても良い』と、ジムの子に伝えているんですよね」

――確かにアマチュアMMAの大会は増えました。しかしどうしても選手向けの試合になります。趣味でMMAをやりたい人たちは、どこで試合をすれば良いのかという問題は常にあります。

「難しいですよね。だけど競技人口は増やしていきたい。そのためには自分で大会をやるのが良いと思ったんですよ。実際、1月28日に笠岡市で第1回大会を開催したあと、ジムの会員さんが大人から子供までメチャクチャ増えました。

こういうなかから、たとえば地下格闘技しか出る場所がなかった子も熱が入って、アマチュア修斗からプロへ――となるかもしれないし。すでに1月大会で試合をしてみて『本気でやりたい』という子が2人います。こういう中から修斗だけでなくDEEP、パンクラス、RIZINと目指す熱が入るキッカケになれば良いと思って」

――首都圏あるいは都市圏以外だと、MMAを始めるキッカケが地下格闘技以外だったというケースは多いです。ただ、どうしても安全性の問題はある。そんななかで安全に格闘技に触れ、選手であれ趣味であれMMAを続ける入口は必要だと思っています。その入口としてジム内試合を実施しているケースも多いわけで。

「分かります。だから僕はジャイアント・キリングを『格闘技イベント』と呼んでいます。地下格闘技ではない、かといって当然プロ興行でもないし、アマ修のようなアマチュア大会でもなくて。大人から子供まで、いろんなルールの格闘技に触れてもらいたい。そこで出ている人のレベルを見て『あれは地下格闘技だよね』と言われたら、それはそれで仕方ないです。レベルとして考えたら……。でも、じゃあ『地下格闘技って何?』ってなると思うんですよ」

――そうですね。地下格闘技かそうでないかの区別は、誰も明確に定義できていない。主催者がそう名乗らないかぎり、印象論に近いです。そこで大切になるのは、主催者側が何のために、何を目指して大会を開催しているかであって。

「Giant Killingを開催するうえで一番大きかったのは、笠岡市長さんへの表敬訪問なんです。ワードッグのチャンピオンになったあと、当時の笠岡市長さんのところへ表敬訪問に生かせていただいて。その時、ダメ元で話をしてみたら、『ぜひ笠岡で大会をやってください!』と言われたんですよ」

DEEPジュエルスに出場するMANAとともに、小林嘉文笠岡市長(※当時)を表敬訪問したことが大会開催につながった(C)MAGISA

――その言葉は大きいですね。まさに町おこしといいますか。

「当時の市長さんは柔道をやっていて、格闘技が好きだったそうなんです。おかげで笠岡市の後援も付き、笠岡市の体育館を使わせてもらえるなど、とんとん拍子に決まっていきました。笠岡市の後援があるので、それこそ大会運営に関してグレーなことはできないです。ちゃんと運営者としてインボイスも登録し、税金の面もちゃんとしていますから。もちろん会場の使い方に関しても、ご迷惑をおかけすることがないように」

――なるほど。大会の観戦は有料ですが、子供たちは入場無料となっているのですか。

「この大会はこの大会はblooMと、KINGSという格闘技団体と共同で開催しています。KINGSさんとは『イベントを1回だけで終わらせたくないよね』という話をしていて――1回やっただけで終わったら、『金儲けしただけなんか』と言われちゃうじゃないですか。そうではなく定期的に、年2回は開催していきたいと考えていきます。何より子供は観戦無料で、子供たちが格闘技に触れる機会を増やしていきたいんですよ。格闘技の未来のために」

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45 Grachan Grachan70 MMA MMAPLANET o Wardog YouTube   ライカ 今村豊 土屋諒太

【Grachan70】Wadrog新代表・今村豊が語る自身の活動と土屋諒太「陸自で徒手格闘をやっています」

【写真】今村と奥様の美紀さん。「ジムは嫁さんがつくった」という言葉の意味は――衝撃の事実も発覚する(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan70で、今村豊が有田一貴と対戦予定だったが今村が負傷欠場に。代役として土屋諒太が有田と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今村は現役のMMAファイターであると同時に、7月からMMA大会Wardogの代表に就任した。建築業を営みながら現役ファイター、プロモーター、そしてジム(ポーラージム大阪)運営と、それぞれ活動していくことに。代表就任後、第一弾大会となった7月28日のWardog48とWardog49(昼夜興行)を終えた今村に、今後の活動と土屋諒太について訊いた。


選手、プロモーター、ジム、建築業を全部やる――そう思いました

――ワードッグ新代表に就任し、今村体制の第1回大会が終わったことを受けてのインタビューとなります。

「ありがとうございます。ただ実質的には次回の第50回大会(10月27日、大阪世界館)が、僕がやる最初のワードッグになります。Wardog48とWardog49は、もともと柿原勇気会長が段取りを進めていたんですよ。マッチメイクも5割ぐらい進めていて。それが急きょ、僕に連絡が来て……」

――6月30日、柿原さんがSNSで「一身上の都合により格闘技界より身を引く」と発表しました(その後、7月30日にワードッグの海外渉外として復帰)。本当に「急きょ」でしたね。

「そうなんですよ。僕は日中、建築の仕事をしていて。現場にいる時に柿原会長から電話があって『ワードッグの代表を引き継いでほしい』と。『細かいことは後々説明するから』ということで、ひとまず引き受けました。それが大会(7月28日)の1カ月前ぐらいですね。

代表として初めて携わった7月28日のWardog。今村本人はかなり緊張した表情だ(C)WARDOG

そのあと柿原会長と話をしながら、まずマッチメイクは5割ぐらい進んでいるから、残り5割を僕がやっていく。あとは事務所に通い、話を詰めていきました。あとは大会当日、役割分担と会場の動きを確認しながら、ずっとやってきているスタッフの方に分からないことを聞いていきました」

――柿原さんから電話があった時点で、今村選手は8月18日のGrachan出場が決まっていました。選手として試合を向けて練習しながら、大会の準備を進めなければいけない状況に……。

「周りからも『無理や』と言われました。でもグラチャンの試合は、ワードッグの代表になる前から決まっていたことですからね。ワードッグ代表就任が発表されたあと、グラチャン代表の岩﨑ヒロユキさんから連絡をいただいたんですよ。『ワードッグの代表になったら、選手としてはどうするの?』と。僕は選手を続けたいし、ジムの代表としてグラチャンにも選手を出させてほしいと伝えたら『あぁ良かった』と言ってもらえました。

ただ、葛藤はありました。僕は戦い続けたい。でも選手とワードッグ代表、どちらも中途半端になるんじゃないか。そう考えていたら、今回グラチャンは欠場になってしまって……」

――はい。今回はグラチャン出場選手としてインタビューをお願いしていたのですが、日時は決まったあとにグラチャンサイドから今村選手の負傷欠場が発表されました。

「いろいろと、すみません……。もともとヒザを怪我していて、『これは――』と思って病院に行ったタイミングで岩﨑さんに連絡しました。診断としてはヒザの内側靭帯が損傷していて、申し訳ないですが今回は出場を見送ることにしました」

――やはり選手兼プロモーターは難しい面があります。柿原さんから電話があった時、どちらを選ぶかという考えはなかったですか。

「全部やる――そう思いました。選手、ワードッグ代表、あとはジムもそうですし、建築業の会社もやっていて。どれも中途半端な形ではなく、全て自分が先頭に立ってやっていくとしか考えていませんでした。

でも正直、ワードッグ代表を引き受けたあとに『これ全部できるんかな?』とは思いました(苦笑)。おかげさまで建築業のほうも忙しくさせてもらっていますし、ジムも会員さんが増えて自分の練習時間を確保するのも難しい。そんななかでワードッグのマッチメイクに関して電話が鳴り止まない。『これはどうするかな……』と、いろいろ考えました。

Wardog代表の仕事としては、まず次の第50回大会をイチから進めることで、何をやれば良いのかノウハウは分かる。そうすれば少しずつ状況は改善されるでしょうし、そのうえで今までどおり試合には出続けたいです。そして選手としても結果を残したいですね」

――試合に出るだけなら、出られる。しかし試合に出て勝つことができるか、勝つための練習を続けられるかどうか。

「そうなんですよ。ただ出るだけやったら、誰も自分の試合なんか見てくれないし、見てくれる人の心にも響かないと思います。やっぱり選手として結果を残すために、練習して自分を上げていかないといけないですからね。

だから選手としても毎回、前の試合を超えていかないといけないです。『これだけやっていても、これだけのクオリティを出してきたぞ』みたいな。選手としての活動は、Wardog代表という立場は関係なく、やり続けたいです」

次のワードッグでは僕の色もハッキリ出さないといけない

――実際のところ選手、プロモーター、ジム、そして建築業をどのように回していくのでしょうか。

「建築業もジムも一人でやっているように見えて、実は嫁さんが7割ぐらいやってくれています。大会も嫁さんのサポートあってこそ、なんですよ。このジムをつくったのも嫁さんなんですよ」

――……というと?

「実はこのジム、もともとスケルトンやったんです。それを嫁さんがイチから――」

――えっ!? 一人でこのジムを組み立てたということですか。

「はい(笑)。もうプラモデルみたいに組み立てていました。僕は何もやっていません」

美紀 YouTubeを見ながら、入口や壁など全部つくっていきました。マット貼りも。

――信じられないです! もともと建築業も手伝っていたのでしょうか。

ジムのビフォー・アフター。驚きしかない……

「いえ。本当にイチから、というよりゼロからジムを組み立ててくれて。今では嫁さんにジム制作の依頼があるぐらいです(笑)」

――もう内助の功というレベルではないですね。

「嫁さんが後ろにいてくれるおかげで、自分も4つの仕事を回していける自信があります」

――そして7月7日にはグラジエイターのケージで、ワードッグ代表の就任挨拶をしました。

「あれは緊張しましたね……。最初に櫻井会長(櫻井雄一郎グラジエイター代表)から『挨拶してください』と言われた時は、『挨拶はワードッグでやります』と断ったんです。でも結局、挨拶することになって――嫁さんに原稿をつくってもらっても、もう緊張で全然覚えることができなくて(苦笑)」

――初めての就任挨拶をグラジでしてしまうと、どうしてもワードッグがグラジのフィーダーショーか、あるいは下部組織のような印象も与えかねません。

「……仰っていることは分かります。実際に周りからも、その意味合いのような連絡が来ました。僕というかワードッグは独立した大会であり、ウチで育った選手はグラジエイターさんも含めて、いろんな大会に出ていきます。どことはお付き合いして、どことはお付き合いしないということはありません。次のワードッグでは僕の色もハッキリ出さないといけないと思っています」

――さらに言えば今村豊というファイターとワードッグ代表という立場、さらにポーラージム大阪、建築業のほうは各々独立したものでしょう。それでも、どうしても同じものだと思われてしまいます。

「ワードッグ代表が他のケージで戦って、負けたら――ということですよね。それも分かります。選手としては今までと違う捉えられ方をされるのも仕方ないです。ひとつ言えるのは、僕は自分のファイトショーツにジムや会社の名前を入れていません。もちろんワードッグの名前も入れない。ファイトショーツに入れているのは、もともとの所属である宇留野道場の名前だけで。戦う時は今村豊という一人の選手やということです」

――なるほど。ワードッグ代表としては、今後は大会をどのようなものにしていきたいですか。ワードッグの王者クラスは、他プロモーションに出撃していくとの話も聞いてきます。

「王者クラスは、ほぼほぼ次の試合が決まっていますね。自分もファイターやから分かるんですよ。ワードッグで勝った選手は、どんどん上の大会に出ていきたい。その気持ちを止めることはできません。でもそのぶん、新しい選手も出てきます。ワードッグで勝った選手が他の大会で戦っていることもバンバンSNSで宣伝していく。そうすることで、『勝ったら行けるんや』と思った若い子たちが、もっとワードッグに出てくれる。そういう若い子が戦う機会も増やしていきたい、というのが自分の考えです」

自衛隊出身のエグいポテンシャルを持つ選手が……

――8月18日のグラチャンは欠場となりましたが、代役としてポーラージム大阪の土屋諒太選手が有田一貴選手と対戦します。土屋選手がどんなファイターなのか紹介をお願いします。

「ワードッグで2戦2勝のストライカーです。ウチに来る前は東京でプロボクサーをやっていました。あと陸上自衛隊で徒手格闘もやっています」

――徒手格闘ですか! 格闘代理戦争で優勝した中村京一郎選手が、海上自衛隊時代に徒手格闘を学んでいたそうですね。

4月のWardogデビュー戦では、エグい右アッパーを連発していた土屋。徒手格闘を学んでいるのは興味深い

「そう言われたら、中村選手の構えと似ているかもしれません。雰囲気も他の選手とは違いますし。今は昼に徒手格闘の練習をやって、夜はウチのジムに来ています。まだ入会から間もないですけど、めちゃくちゃセンスがある子なんですよ。パンチのセンスは凄いです。ウチには面白い選手がいっぱいいますよ」

――大搗汰晟選手は第1空挺団の出身ですよね。

「そうです、そうです。汰晟の他にも自衛隊出身の選手がいます。周りに駐屯地があるわけじゃないんですけど、なぜか自衛隊出身のエグいポテンシャルを持っている選手が来ていますね(笑)。このジムはまだ立ち上げて1年ですけど、これからどんどん伸びてくると思うので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
8月18日(日)
午後12時30分~GRACHAN放送局

■GRACHAN70 対戦カード

<ウェルター級/5分2R+ExR>
青木忠秀(日本)
能登崇(日本)

<ウェルター級/5分2R+ExR>
大道翔貴(日本)
上田拳翔(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
八木匠(日本)
藤田大地(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
徳弘拓馬(日本)
堀之内蒼斗(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
有田一貴(日本)
土屋諒太(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
富田善樹(日本)
加々田優人(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
村松竜眞(日本)
粂大樹(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
中嶋紳乃介(日本)
野村伶生(日本)

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45 AB CORO DEEP DEEP120 DEEP121 Gladiator MMA MMAPLANET o RIZIN Wardog YouTube イ・ソンハ キック 中務修良 五明宏人 修斗 元谷友貴 力也 南友之輔 多湖力翔 大成 杉山廣平 水野竜也 江藤公洋 泉武志 海外 渡部修斗 瀧澤謙太 相本宗輝 福田龍彌 谷岡祐樹 野村駿太 関原翔 雅駿介 鹿志村仁之介

【DEEP121】福田龍彌✖瀧澤謙太、江藤公洋✖野村駿太。2階級のタイトル戦と、粒ぞろいすぎる2回戦!!

【写真】RIZIN枠を考慮し、旬を逃さないカードが組まれているDEEPだ(C)MMAPLANET

23日(火)、DEEPより9月16日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121 Impactの対戦カードが、タイトルマッチ2試合を含み、11試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

ベルトが懸かった試合は、バンタム級王座決定戦=福田龍彌×瀧澤謙太、そしてライト級チャンピオン江藤公洋に野村駿太が挑戦する2試合だ。


フライ級王者でもある福田は、5月に元谷友貴とバンタム王座決定戦に出場予定だったが、タイでの練習中に肩鎖関節脱臼で欠場となっていた。

対する瀧澤は14日の後楽園ホール大会でDEEP初出場を果たし、COROに判定勝ちを収めている。試合後のマイクでは「DEEPのベルトを獲ってRIZINにリベンジしにいく」と宣言していた。超RIZIN後、9月以降のRIZIN参戦を目指し、ベルトを切符代わりとしたい瀧澤だが、CORO戦はテイクダウンを警戒して慎重なファイトに終始していた。

福田はいわば、命のやり取りをする覚悟で日々の練習をし、ケージに上がっている。そんな福田を凌駕するには、同じ戦意を持ち福田のフィールドに足を踏み入れる必要がある。それができれば、瀧澤の天賦の才といえる当て勘が活きてくるはずだ。

対して、福田としてはやはり負傷の復調具合が気になるところ。筋や腱に傷が及んでいれば、完治までそれ相応の期間は必要となる。それでも福田の性分からして、五体満足になることを欲して、試合機会を減らす選択はしないはず。つまりは完治しなくとも、瀧澤と斬り合い──セッションを求めるのであれば、このタイトル戦は福田にとってリスクが高いファイトとなる。

ライト級戦タイトル挑戦者の野村はDEEP120で泉武志から逆転TKO勝ちを収め、江藤へのリベンジと挑戦をアピールしていた。昨年7月に江藤のテイクダウン&コントロールに屈した野村は、泉のテイクダウン&コントロールを跳ね返したことで、自信を確信に変えてベルト獲りに挑む。

チャンピオン江藤は3月にイ・ソンハをRNCで下して以来、半年ぶりの実戦となる。RIZIN、海外再進出を模索する江藤はとにかく強さを見せての防衛が必要となってくる。

そんな江藤への挑戦に向け、泉を下した直後の取材で野村は以下のように話していた。

「来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」(野村駿太)

──2日前のGladiator Challenger Seriesに出場したジムの後輩、南友之輔選手が右ストレートから左フックで強烈なKO勝ちを収めました。あのKOを見て、先輩としてやらないといけないという気持ちになったのでは?

「バリバリなっていました。『コイツ、やってくれるなぁ』みたいな(笑)。『野村さん、繋ぎました』とか言ってくれて。試合の流れも逆転勝ちで、変なところまで同じでしたね。友之輔がBRAVEに加わってくれたところで、自分がやって行くべきことのなかで、空手の良さも再発見することができました。

友之輔がやろうとしていることも、僕のなかで刺激になっています。木村(柊也)や南を見て、自分も『コイツらに負けていらない』という風になりますし。あの2人が、自分を手本にしたくなるような選手に、自分はなっていかないといけないです」

──泉選手を返り討ちしたことで、江藤選手への挑戦権を手にしたかと思います。同じテイクダウン&コントロールにしても、江藤選手のソレはより柔軟に包み込んでくるようなイメージがあります。

「そこは1度、触れているので。自分のなかで江藤選手と戦うなら、どうすべきが分かっている部分はあります。今日みたいにやられないように戦ってしまうと、また去年と同じになってしまうので、自分から仕掛けていっても良いと思っています。そこをタイトル戦で見て欲しいです」

──一発、右アッパーを被弾して下がらされました。

「攻め気でいた時に、自分の流れに持ちこみ過ぎようとして……余りない形のアッパーを貰いました。打撃が上手な人と練習をしていると、あのパンチはなくて。でも、喧嘩のような動きのパンチを貰ったのは反省材料です。変に自分のなかで貰わないという自信があって、それが慢心になってしまっていたかと思います」

──以前よりも、そして泉選手と比較しても、江藤選手は貰っても怯まないようになってきたようにも感じます。

「そっちの方が戦いやすいです。気持ちを強く持ってくれているほうが、向かい合ってくれるでしょうし。ビビッて距離を取られる方が面倒くさくなるので。変に自信を持ってくれている方が、術中にハメやすいです。来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」

──打撃でなく、テイクダウンでも出てくる方が戦いやすいですか。

「逆にソレしかしてこないと思っています。泉選手には失礼な言い方になってしまいますが、あのスタイルでさらに強化されているのが江藤選手です。なので、今日は攻め込まれる場面があって良かったです。今日の経験を生かして、煮詰めていけばさらに成長できると思っています」

なお今回の発表ではメガトン級の水野竜也×大成が3回戦で組まれることが明らかとなっている。また関原翔×杉山廣平のフライ級戦、涙の引退から約1年で復帰の渡部修斗もフライ級でKENATと知りなおしの一戦。五明宏人✖相本宗輝のフェザー級戦。バンタム級ではルーツは立ち技同士、ムエタイ=雅駿介×キック=谷岡祐樹、同じくバンタム級で力也×禊の鹿志村仁之介。WardogからRIZIN、GRALDIATOR、HEX FSを経てDEEPストロー級戦線に辿り着いた中務修良✖Blackcombatでの勝利で6連勝中の多湖力翔のマッチアップ──と、粒が揃い過ぎている2回戦6試合も決定している。

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45 AB DEEP MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE Road to UFC TTFC10 UFC Wardog YouTube エフェヴィガ雄志 中川晧貴 中村京一郎 中田大貴 修斗 名田英平 唐沢タツヤ 岩倉優輝 河名マスト 狩野優 轟轟 長南亮 阿部光太 鹿志村仁之介

【TTFC10】6年10月振りの練馬大会で狩野優が、1年5カ月振りの再起戦。エフェ&阿部の相手は??!!

【写真】代理戦争MAXで名を挙げた中村京一郎のデビュー戦の相手を務めた狩野がケージに戻って来る (C)MMAPLANET

16(火)、TTMより8月16日(金)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE10のカードの発表があった。
Text by Manabu Takashima

コロナ禍の2020年12月の大阪(プロ修斗公式戦とのダブルヘッダーで、プロ修斗公式戦も3試合組まれた)大会以来、3年8カ月振りのTTFCの活動再開。Tribe Tokyo MMAのおひざ元である練馬での大会は2017年10月以来、実に6年10カ月振りとなる。


すでにメインでエフェヴィガ雄志が戦うことが明らかとなっている同大会だが、今回の発表ではエフェ以外の5試合が明らかとなった。

バンタム級が1試合、ライト級が2試合、そしてフェザー級が2試合という内訳の5試合中4試合にTTM所属ファイターの出場となる。

なかでも注目は狩野優の1年5カ月振りの再起戦だ。狩野はコロナ禍の2020年6月に無観客&配信大会で実施されたTTFC08でプロデビューを果たし、その後はPancrase、EX FIGHT、Pound Storm、DEEPでキャリアを積み、8勝2敗の好レコードで昨年3月にONE FFにイヴァン・パルシコフのヒザ十字に下った。

このとき、Road to UFC出場の話を進んでいたが強い相手との対戦を避けてもUFCでは通じないということで、未知のロシア人との戦いに挑んだという話を伝わっている。

あの敗北後も練習は続けていたが、人生において優先させるべきことにプライオリティを置き、長期間の実戦離脱となっていた。対する轟轟(とどろき・ごう)はWardogから修斗でキャリアを積み、3勝1敗1分の戦績を残している。

鹿志村仁之介、中田大貴、中川晧貴、名田英平、河名マスト、中村京一郎という実力者としのぎを削ってきた狩野とすれば2回戦から、キャリアの仕切り直しに挑むこととなるようなマッチアップといえる。また唐沢タツヤ、小森誉、岩倉優輝、グラップラー脇など、まさに長南亮人脈といえる選手が集まっている。

ここにエフェと阿部光太が揃い踏みすることになるが、気になるエフェの相手は東南アジア在住の元ONEファイターやモンゴル系の選手を打診しているという話は伝わっていたが、まとまらなかった模様だ。いずれにせよ、TTMだけでなくJ-MMAをリードするポテンシャルの持ち主=エフェが、どのような相手と戦うことになるのか正式発表が待たれる。

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Colors KAREN MMA o PANCRASE Pancrase324 Torao TORAO COLORS Wardog プロレス 修斗 原田よき

修斗240519:第2部第1試合・新谷琴美 vs. リー・グワーンジェン

女子ストロー級

新谷は2021年に7月に『WARDOG.31』でプロデビュー。同年10月に『PANCRASE324』に参戦し、後にストロー級王者となるKARENにヒジでカットされTKO負けで初黒星を喫するも、WARDOGに戻るとプロレスからの復帰戦となるマドレーヌに1Rアームバーで一本勝ちするなど連勝。昨年8月には広島で行われた『TORAO COLORS』で修斗に初参戦。原田よきを判定で下した。現在3連勝中。

グワーンジェンも新谷と同じく2021年にプロデビュー。デビューからWFL MMAで2連敗したが、その後2連勝。前戦は『JCK Fight Night 70』に出場したが、一本負けで戦績を2勝3敗としている。

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45 AB F1 Gladiator Gladiator026 MMA MMAPLANET o ONE Progress Wardog Wardog47 YouTube デッチプール ブログ 竹本啓哉

【Gladiator026】メインでデッチプール戦、竹本啓哉「グラップリングをやってきたのは4年間じゃない」

【写真】盟友ワタナベの勝利が嬉しすぎて、目を閉じてしまっている竹本でした(C)SHOJIRO KAMEIKE

5日(日)、豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026のメインで、竹本啓哉がタイのデッチプールと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月にテムーレン・アルギマーに判定勝ちし、GLADIATORバンタム級王座に返り咲いた竹本が今回はタイのMMAファイターを迎え撃つ。今年2月に開催されたGLADIATOR CSでは竹内稔とのPROGRESSフォークスタイル戦で敗れたものの、再度王者としてMMAを戦うのは今回が初めてとなる。そんな竹本が4月28日、Wardog47に出場したワタナベ関羽マサノリのセコンドに就いた。盟友の勝利後、竹本にデッチプール戦について訊いた。


――先ほどWardog47でチームメイトのワタナベ選手が判定勝利を収めました。まずはセコンドとしてお疲れさまでした。

「ありがとうございます。いや、もう何て言うのか……。彼はファイターとして、戦績もよくないです。でも他の人をサポートする才能があって、ずっと僕のサポートをしてくれています。だから、いつかワタナベも活躍してほしいと思っていて――」

――いきなり涙ぐんでいる竹本選手を見て、お二人の絆が分かります。

「今回はライト級挑戦者決定トーナメントなので、勝ち上がればWardogのベルトに挑戦できます。ワタナベには本当に頑張ってほしい。彼が勝ってメチャクチャ嬉しかったです」

――なるほど。一方で竹本選手ご本人の試合はメインとなりました。いつも試合順は気にしますか。

「しないです。自分にとっては、いつも『試合をする』というだけで。強いて言うなら、第1試合だと開始時間がハッキリしているから良いな、と思うぐらいですね」

――アハハハ。もう一つ、MMAを戦う中でタイ人ファイターと試合をすることは想像していましたか。

「いえ。それは全く想像していなくて、今回は本当に楽しみです。しかもムエタイ選手がMMAをやっているわけではなく、タイのMMAファイターで。ここ最近は国際戦が続いて楽しいですね。どんどん新しい経験をすることは好きなんですよ。僕自身も海外で戦ってみたいと思っていますし」

――ただ、その前に2月にはPROGRESSフォークスタイルグラップリングで竹内稔選手に敗れています。竹内選手がアナコンダチョーク得意としており、竹本選手はカウンターでアナコンダに捕らえられてしまうかもしれないシングルレッグに入りました。

「あとから考えると、相手の誘いに乗ってしまいました。竹内選手は最初から、僕がシングルレッグで入るように試合をつくっていて。自分自身としては組むとしても、ローシングル――首を取られないように必ず頭を内側に入れて、さらに低く足を触りに行くつもりだったんです。でもあれだけ得意技としているだけに、いろんなパターンでアナコンダを極める準備をしていたんだなと思いましたね」

――確かに結果論として、視ている側としても竹内選手がアナコンダの体勢に入った瞬間、『あぁシングルレッグで入るように仕向けていたんだ』と気づかされました。

「そうです。僕としても何か行けるような気がして――グラップリングに関しては、竹内選手のほうが一枚も二枚も上手でした」

――あの大会で竹内選手とグラップリングで戦い、得たものはありますか。

「僕もグラップリングは自信があったんですよ。でも自分は井の中の蛙で、大海を知らなかったんだなと思いました(苦笑)。MMAの試合ではないけれど、自分よりも強い選手と戦うことができたことは良かったです。本当に勉強になったというか」

――こういう言い方は良くないかもしれませんが、この一本負けがMMAではなくグラップリングの試合で良かったとは思いませんか。

「そう言われてみれば――ああいうふうに誘われて、アナコンダを極められることはMMAでもありうるわけで。負けたのは良いことではないけれど、今後のためには良かったです。

対策できているからって、相手の得意な部分で勝負してはいけない。僕の中では『対策しているからシングルレッグで入ってやろう』と思った部分もあるんです。でも長年アナコンダを極めている竹内選手からすれば、僕がやってきた対策なんで、これまで何度も経験しているものでしょうし。

これは次の試合の話にも繋がるのですが、たとえ相手が僕の得意パターンの対策をしようとしても対策しきれないようにする。何だったら僕の得意パターンを思いっきりぶつけても良いのかな、って」

――グラジエイターの試合は全てYouTubeで中継されていて、竹本選手の試合映像は簡単に視ることができるからこそ……。

「映像が出回れば出回るほど、相手選手には知られてしまいますよね。ただ、試合映像の印象って強く残るものでもあるんです。僕の場合でいえば、当然のように組みを警戒される。ということは、僕としては組みを警戒する相手の対応も分かるわけで。たとえば僕がしゃがむだけでテイクダウンのフェイントになります。それだけ相手にとっては気にしなくても良いことが気になってしまう。そこで僕が相手に合わせて勝ち方を変えるから、映像が出回れば出回るほど良い面も出て来ますよね」

――テムーレン戦も試合後に解説してくれたように、相手が組みを警戒するあまり、竹本選手のパンチが当たり勝利に結びつきました。

「テムーレン選手が僕の組みを警戒して、ガードを下げていましたからね」

――すると次の試合でも、また新しい竹本選手を見ることができそうですか。

「いやぁ、それは分からないです」

――分からないのですか(笑)。

「アハハハ。まぁ、先入観ってありますよね。デッチプール選手は打撃中心だからって、それは4年前の試合です。その先入観にとらわれてグラップリングばかり練習していると……。相手がこの4年間、何をしてきたかも考えないといけなくて」

――現在はタイも柔術やグラップリングの大会が数多く開催されていますね。それはONEの影響も大きいとは思います。

「そうなんですよ。いまやタイの選手もグラップリングが強い可能性もある。そんなタイ人選手のMMAを体感できるなら、僕にとっては面白いです。でもグラップリング勝負になれば僕が勝ちますけどね。僕がグラップリングをやってきたのは4年間じゃないから。僕の4年前のグラップリングでも、間違いなく相手より強いです。デッチプール選手の強さにも期待していますが当然、僕が勝ちます」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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45 MMA MMAPLANET o Wardog Wardog46 しゅんすけ キック ソ・ジェヒョン 小西澄斗 荒木凌

【Wardog46】フライ級T決勝はシーソーゲームの末、しゅんすけイエロー2枚も響き荒木がベルトを巻く

【写真】荒木は涙の戴冠。第4代Wardogフライ級王者に(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、大阪市港区の弁天町世界館でWARDOG CAGE FIGHTが昼夜興行を開催した。ここでは昼興行=Wardog46からメインのフライ級王者決定トーナメント決勝戦と、ソ・ジェヒョンを迎え撃った小西澄斗のプロデビュー戦をご紹介したい。
Text by Shojiro Kameike


<WARDOGフライ級T決勝/5分5R>
荒木凌(日本)
Def.2-1:47-46.47-46.46-47.
しゅんすけ(日本)

開始早々、荒木が左跳びヒザを繰り出す。下がったしゅんすけに左右連打から左ハイを繰り出す荒木。しゅんすけも左の蹴りを上下に散らし、距離を詰めて来る荒木に右ストレートを浴びせるが、首相撲に捕らえたところでシングルレッグに入られてしまう。背中を着かせた荒木がケージ際でパウンドの連打を浴びせる。しゅんすけは蹴り上げからスクランブルへ。トップを回ったが、荒木が腕十字からリバーサルしてマウントを奪取する。マウントからアメリカーナ、さらに十字で腕を伸ばしかけたところで初回が終了した。

2R、パンチを振るって前に出る荒木に対し、しゅんすけが左フックのカウンターでダウンを奪う。足を利かせる荒木にパウンドを落としていくが、三点ポジションから立ち上がろうとした荒木の顔面に左ヒザを入れてしまう。これは反則のため、しゅんすけにイエローカードが提示された。再開後、荒木はまたもボトムになるが下から腕十字を極めかける。これを凌いだしゅんすけがバックマウントへ。しかし前に乗りすぎてしまい、パンチで削りながらポジションを整えていった。

3R、荒木のシングルレッグに対し、しゅんすけはケージに背中を着け、側頭部に右ヒジを突き刺す。さらに上から潰したものの、亀になった荒木の顔面にまたもヒザ蹴りを当ててしまう。しゅんすけに2枚目のイエローカードが提示されて、あと1枚でレッドカード=反則負けの状態に追い込まれた。試合が再開されると、荒木の右スピニングバックキックがしゅんすけのボディを捉える。しかし、しゅんすけは右ストレートを返しながらボディロックでテイクダウンし、ケージ際でパウンドとヒジを連打してラウンドを終えた。ここでバッティングが起こり、荒木の左目尻から大量の出血が……。

4R、荒木の右ストレートがしゅんすけの顔面を捕らえ、続けてシングルレッグで背中を着かせる。しゅんすけはケージキックからバックに回り左腕を荒木の首に巻き付けていく。右腕を引きはがされたしゅんすけが、ワンハンドでRNCを極めに行くも、荒木が反転してトップを奪い、ラウンド終了までキープした。


最終回、互いにローを繰り出すなか、荒木がシングルレッグへ。しゅんすけに背中を着かせ、さらにサイドへ移行する。しゅんすけはスクランブルから荒木にポジションを入れ替え、背中を着けた荒木の顔面にパウンドを落とす。荒木が下から三角をセットアップすると、しゅんすけがリフトした瞬間に立ち上がった。荒木はスタンドに戻り、一度はシングルレッグを潰されるも、再度渾身のシングルレッグでテイクダウンを奪い、そのままトップを守り続けた。

フルラウンドに渡りシーソーゲームが展開されたタイトルマッチは、しゅんすけの反則(顔面へのヒザ蹴り)によるイエローカード2枚=減点2が響き、荒木がスプリットの判定勝ち。減点がなければ勝っていたかもしれないだけに、しゅんすけにとっては悔しいところ。荒木はKO負けを喫した初戦のリベンジを果たすとともに、Wardogフライ級ベルトを獲得した。涙を浮かべながら「しゅんすけとは1勝1敗。いつになるかは分からないけど、また戦うことになる」と語った。


<バンタム級/5分2R>
ソ・ジェヒョン(韓国)
Def.1R1分18秒 by 三角絞め
小西澄斗(日本)

ソ・ジェヒョンが計量オーバーのため、イエローカード2枚提示から試合スタートとなる。さらに小西が勝利した場合のみ公式記録に、ソ・ジェヒョンが勝利した場合はノーコンテストとなる――と発表されていたが、これはタイトルマッチのみの変則ルールであり、今回は通常ルールに基づく試合であると訂正された。

試合が始まると小西が右カーフを連続であたる。ボディロックで組みついたソ・ジェヒョンはハイクロッチから引き込んだ。フックスイープで小西の体を浮かせると、リバース・デラ―ヒーバから小西の右足を引いてスイープに成功する。小西はハーフガードから右腕を差し上げて返したが、ここでソ・ジェヒョンは小西の左手首をキャッチしている。さらに右腕を抱えて三角絞めをセットアップすると、下になって小西の頭を引き、タップを奪った。

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45 DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#02 MMA MMAPLANET o ROAD FC Wardog YouTube チャンネル 住村竜市朗 佐藤洋一郎 島袋チカラ 嶋田伊吹 朝比奈龍希 海外 渋谷カズキ 鈴木琢仁 高野優樹 鬼山斑猫

【DEEP Tokyo Impact2024#02】韓国&グアムでタフファイトの佐藤洋一郎が、嶋田伊吹と再戦

【写真】1年半振りの再戦の行方は──(C)MMAPLANET

13日(土)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2024#02のメインで、佐藤洋一郎と嶋田伊吹が対戦する。
Text by Shojiro Kameike

両者は2022年9月に一度対戦しており、佐藤が2ラウンド判定勝ちを収めている。今回は1年7カ月ぶり、3ラウンド制での再戦に臨むこととなった。

前戦は嶋田が左右のローとミドルを散らしながら前に出るも、佐藤がカウンターの左ジャブと右ストレートを当てて判定勝ちしている。しかし嶋田がボディロックからテイクダウンする場面もあった。試合終了間際に倒された佐藤はギロチンで凌いだものの、ポイントこそジャッジ3者とも20-18を付けたが内容としては僅差であった。

その後、佐藤はここまで海外で2試合を経験している。まず昨年4月には韓国のMMA大会『The Fighter』のメインイベントで、元Road FC社長で──韓国のMMAコメンテーターとして知られ、日本でもWardogウェルター級王座を獲得しているキム・デファンと対戦した。キム・デファンのテイクダウンに苦しめられる場面が多かったものの、アッパーを織り交ぜたパンチ連打で流血を誘い、スプリットで勝利している。

同年10月、今度はグアムに渡りJ,J.アンブローズとBRAWLウェルター級王座を賭けて対戦した。この時は元PXC王者にテイクダウンを奪われ続け、結果は2R時間切れドローに終わる。当初は今年2月に再戦が組まれていたものの、アンブローズの負傷で試合が流れていた。

一方の嶋田は初戦で佐藤に敗れてから2勝1敗で今回の再戦を迎える。1敗は昨年2月、当時のDEEP王者であった住村竜市朗と対戦して判定負けを喫したものだ。しかし敗れたとはいえ、初回には住村からRNCを取りかける場面もあった。続いて11月にはライト級から階級を上げてきた鈴木琢仁を判定で下す。これまで打撃の「巧さ」にも定評があった嶋田だが、鈴木戦ではしっかりと優勢を印象付ける打撃の「強さ」を示したといえる。

佐藤によっては嶋田との初戦以降、テイクダウンで苦しめられる試合が続いている。スクランブルに持ち込んだとしても、嶋田は得意のバックテイクを狙ってくるだろう。そんな攻防の中で佐藤がどれだけ耐えて、後半に持ち込むことができるか。今回は3R制であることも大きなポイントだ。佐藤はキム・デファン戦のように後半、盛り返すことができるか。あるいは嶋田が序盤から攻め立てるだけでなく、しっかりフルラウンドを想定したゲームメイクができるか。両者の試合運びに注目したい一戦だ。

■視聴方法(予定)
4月13日(土)
午後5時55分~DEEP YouTubeチャンネル


■DEEP Tokyo Impact2024#02対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
佐藤洋一郎(日本)
嶋田伊吹(日本)

<フェザー級/5分2R>
高野優樹(日本)
鬼山斑猫(日本)

<フライ級/5分2R>
島袋チカラ(日本)
渋谷カズキ(日本)

<バンタム級/5分2R>
朝比奈龍希(日本)
八須拳太郎(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
みやび(日本)

<ライト級/5分2R>
井上竜旗(日本)
秋山怜冬(日本)

<ライト級/5分2R>
BAGGIO(日本)
Street♡★Bob”洸助(日本)

<メガトン級/5分2R>
Guts(米国)
野畠大資(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉(日本)
亀田一鶴(日本)

<フライ級/5分2R>
松丸息吹(日本)
濱口麗地(日本)

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