カテゴリー
AB DREAM News o ONE RIZIN UFC UFC305

UFC305:第9試合・タイ・トゥイバサ vs. ジャルジーニョ・ホーゼンストライク

ヘビー級。トゥイバサ10位、ホーゼンストライク12位。

トゥイバサは試合後の靴にビールを注いで飲み干すシューイのパフォーマンスで人気を博したが、5連続KO勝ちの後、4連続フィニッシュ負けと後がない。5連勝で相手のレベルが上ったので、そこで負けるのは仕方がないものの、下位ランカーのボルコフやティブラにも敗れて、ランキングも2桁までダウン。このところは一方的な内容での負けで、いいところがない。31歳。

ホーゼンストライクも、UFCデビューから4連勝した後、4勝5敗と負け越しで、ランキングもじわじわ下降。2018年にRIZINに出場した時の試合が、キャリア唯一の判定勝ちで、それ以外の13勝はすべてKO勝ち。反面、グラウンドに穴があり、テイクダウンされるとリカバリーできないまま敗れることが多い。36歳。

ホーゼンストライクが牽制のロー。トゥイバサのローに右オーバーハンドを合わせる。間合いを詰めてきたホーゼンストライク。連敗中のトゥイバサ、慎重で出ていかない。ワンツー。見合いが続く。ホーゼンストライク飛び込んでワンツー。トゥイバサ出ていくようで出ていかない。ローを蹴るトゥイバサ。徐々に圧を強めてきたトゥイバサ。ホーゼンストライク左ボディ。しかしトゥイバサがプレスしてきてケージ際まで後退するホーゼンストライク。ジャブ、ローを出すホーゼンストライク。トゥイバサ詰めるが手が出ていない。右フックを振ったトゥイバサ。ホーン。

1Rホーゼンストライク。トゥイバサ、まだ出ていけない。

2R。ジャブを出すトゥイバサ。ホーゼンストライクがワンツーを打ち込む。ジャブを突くホーゼンストライクだがトゥイバサワンツー。またワンツー。トゥイバサ出た。組もうとしたホーゼンストライクを引き剥がす。ケージを背負わせたトゥイバサ。右オーバーハンドで飛び込むが、かわして入れ替えたホーゼンストライクがケージを背負ったトゥイバサに左右のコンボをヒット。が、トゥイバサ出ていく。出たところにホーゼンストライクの左がヒット。一瞬動きが止まったトゥイバサ。だがなおも出ていく。トゥイバサワンツー。ホーゼンストライク下がり気味。カーフを蹴ったトゥイバサだが、カットされ右足を痛めた。ホーゼンストライクパンチのラッシュ。しかし凌いだトゥイバサがパンチで出ていく。残り1分。ホーゼンストライクワンツー。トゥイバサ手が出なくなった。ホーン。

2Rホーゼンストライク。

3R。ジャブを突くホーゼンストライクにじわじわと詰めるトゥイバサ。ジャブを返す。右を打ち込んだ。トゥイバサ出ていくが、そこにパンチを合わせるホーゼンストライク。トゥイバサ右フック。クリーンヒットせず。詰めるがあと一発が出ない。ホイールが先にパンチを当てていく。ケージを背負わせたトゥイバサだが、ホーゼンストライクがクリンチで凌ぐ。残り1分。最後に申し訳程度の打ち合い。タイムアップ。

判定29-28ホーゼンストライク、30-27トゥイバサ、30-27ホーゼンストライク。2-1でホーゼンストライク勝利。

 

謎のスプリットだったが、ホーゼンストライクは勝っているから無理をする必要はない。KOするしかないトゥイバサが攻められなかった。

カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFC UFC305 キック ジョシュ・クリバオ ヒカルド・ラモス

【UFC305】余裕を見せすぎた!? 右カーフを効かせたクリバオだが、ラモスに反撃を許してスプリット判定で敗れる

<フェザー級/5分3R>
ヒカルド・ラモス(ブラジル)
Def.3-0:29-28.28-29.29-28.
ジョシュ・クリバオ(豪州)

ラモスが右カーフと左ミドル、いきなり回転しながらのジャンピングハイキックを見せる。クリバオは右カーフを細かく蹴って、クリバオの変則的な動きを見ながら右アッパーから左フックにつなげ、右カーフを蹴る。

クリバオは自分の距離をキープしながら右フックと右ボディストレート、ジャブから右ストレート、右カーフを蹴る。これでラモスが大きくバランスを崩す。

クリバオがすかさず右カーフを蹴ると、これを空振りして転倒。そのままラモスがグラウンドでバックを取ってRNCへ。

かなりタイトに極まっていたが、クリバオはラモスの腕のクラッチを外してなんとか凌ぐ。終了間際、クリバオは舌を出して余裕があることをアピールした。

2R、クリバオが左フックから右カーフを蹴る。ラモスは左フックを返し、右ミドルを蹴る。クリバオは距離を取りながら右カーフ、ジャブをボディに振って右カーフにつなげる。

ラモスがパンチで前に出ようとすると、そこにクリバオが右カーフを合わせる。ラモスは明らかに足のステップがおかしい。そこにクリバオはジャブからワンツー、右カーフを蹴るとラモスがダウン気味にガードに引き込む。

クリバオは立った状態からローを蹴って、タイミングを見て鉄槌を落とす。クリバオがパウンドを落とすタイミングでラモスがサブミッションを狙うが、クリバオは距離を取ってラモスを立たせる。

試合がスタンドに戻るとラモスがスピニングバックフィスト。これを空振りさせたクリバオは自らもくるりと回って挑発する。ここでラモスの指がアイポークとなり、試合が一時中断。再開後、ラモスは右ストレートを強振してクリバオに攻めさせない。

3R、ラモスが右ストレート、左ミドル、スイッチして左ストレートで前進。クリバオは右ストレートを返して右の前蹴りでボディを狙う。ラモスはサウスポーに構えたまま左ストレートを狙う。

クリバオはジャブを突いて、左フックから右カーフへ。ラモスはスピニングバックエルボー、パンチで前に出て首相撲からヒザ蹴り。クリバオはスイッチしたラモスに右カーフを蹴ることができない。

逆にラモスがワンツー、左ストレートと手数を増やす。クリバオが右ボディで飛び込むと、組みついたラモスがすぐにバックに回り込む。

グラウンドでバックを取ったラモスは両足をフック。ここからトップキープに切りかえ、この態勢で試合終了となる。判定は2-1と割れてラモスが勝利。明らかにカーフを効かせていたクリバオだったが、3Rにラモスに挽回されてしまい、悔しい形で星を落とす結果に終わった。


The post 【UFC305】余裕を見せすぎた!? 右カーフを効かせたクリバオだが、ラモスに反撃を許してスプリット判定で敗れる first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFC UFC305 エウベルチ・バーンズ ジャック・ジェンキンス

【UFC305】地元豪州のジェンキンス、左ボディと右カーフを効かせて、バーンズを戦闘不能に追い込む

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
Def.3R0分48秒 by TKO
エウベルチ・バーンズ(ブラジル)

バーンズが左ミドルと右カーフを蹴る。ジェンキンスはジャブを突きながら左フックを当てる。バーンズもジャブを返して、右のカーフを足払い気味に蹴る。ジャブとワンツーで前に出るバーンズ。ジェンキンスは左フックを打ち返し、そこから左ボディ・左フックにつなげる。

ここからジェンキンスはジャブ・左フックで前に出て、今度は左フックからジャブ・ワンツーにつなげる。バーンズが右カーフを蹴ると、ジェンキンスは強烈な左ボディ。これでバーンズの動きを止めると、再び左ボディを当てて右カーフ。さらに左ボディを叩き込む。

組みついたバーンズが引き込み気味に下になると、バーンズは立たせる。スタンドでの再開後、ジェンキンスは左ボディから右。バーンズがガードを固めるところに左ボディとヒザ蹴り。劣勢のバーンズだったがダブルレッグからテイクダウンする。

2R、バーンズがジャブと右カーフ、シングルレッグからグラウンドに引き込もうとするが、ジェンキンスは付き合わない。スタンドではジェンキンスがジャブ・左フック、右カーフを当てる。バーンズは右の前蹴りからダブルレッグでテイクダウンする。

バーンズはジェンキンスの左足を超えてハーフガードでトップキープして肩固めを仕掛け、ジェンキンスの右足をとって足関節へ。結果的にジェンキンスがグラウンドで上になる。ここも立たせた。

再開後、ジェンキンスは右フックを当てる。バーンズはダブルレッグからクローズドガードで引き込む。ジェンキンスは立ち上がってスタンドを要求する。すぐに前に出るジェンキンスはバーンズをケージに詰めて左ボディの連打からの右フック。ここもバーンズが引き込むが、ジェンキンスは立たせる。

バーンズは組んで引き込みを繰り返すが、ジェンキンスは一切付き合わない。残り20秒、ジェンキンスの右カーフでバーンズがバランスを崩す。最後もバーンズが組んで引き込み、ジェンキンスが距離を取って立ち上がったところでラウンド終了となった。

3R、バーンズがダブルレッグから組んでヒザ蹴り。これがローブローとなってしまう。再開後、ジェンキンスが左ボディと右カーフ、ジャブから右フック。バーンズがガードに引き込むと、ここはジェンキンスもグラウンドに付き合ってパウンドと鉄槌を連打する。これでダメージを与えたジェンキンスが距離を取って立ち上がると、バーンズは立ち上がることが出来ず。レフェリーが試合をストップした。


The post 【UFC305】地元豪州のジェンキンス、左ボディと右カーフを効かせて、バーンズを戦闘不能に追い込む first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o UFC UFC305 アレックス・レイエス キック トム・ノーラン

【UFC305】190㎝超えのライト級=ノーランが蹴り主体の攻撃でレイエスに判定勝利

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン(豪州)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28.
アレックス・レイエス(米国)

サウスポーのノーランに対し、レイエスが右ミドルと前蹴り、インローを蹴る。ノーランはじりじりとプレッシャーをかけて左ミドル、レイエスは右ストレートを伸ばす。ノーランは左ミドルから左ストレート、スピニングバックキック、左ミドルと手数を増やす。組みついたレイエスがテイクダウンを奪うと、立ち上がるノーランのバックにつく。

ノーランが小手を巻いて正対すると、レイエスはノーランの体を振ってバックにつくが、ノーランは足をフックさせず前に落として逆にバックを狙う。ここは両者が離れて試合はスタンドに戻った。ノーランが左ミドルを蹴って左ストレートを突き刺す。ここもレイエスが組んでバックを狙うが、ノーランが正対してヒジ・ヒザ、距離を取って左の前蹴りを突き刺す。

パンチの攻防では両者右を相打ち。ノーランは回転系の蹴りも見せ、左の三日月蹴りとハイキックを見せる。レイエのパンチをバックステップでかわし、レイエスのダブルレッグを切ってヒザ蹴り。ここでノーランが左ミドルを蹴ってバランスを崩して後方に倒れるが、すぐに体を起こして組みつく。

ここでレイエスがグラウンド状態のノーランの顔面にヒザ蹴りを蹴ってしまい反則となる。再開後、レイエスが右ミドル、ノーランが左の前蹴りと飛びヒザ蹴りを見せた。

2R、ノーランが左ミドルとインロー、スピニングバックエルボーを見せる。組みついたレイエスが右腕を差してケージに押し込むが、ノーランはそれを小手に巻いてヒジとヒザ蹴り。離れるとノーランが左ミドル、レイエスが組んでくると離れ際にヒジを振る。

レイエスが右ミドル、そこにノーランが右フックから左ストレートを当てると、これでレイエスが尻餅をつく。すぐ立つレイエスだったが、ノーランが左の飛びヒザ蹴りを突き刺し、ヒザ蹴りと左ストレートで前進する。レイエスもスピニングバックフィスト、右ストレートで前に出る。

ノーランはじわじわと前に出てスピニングバックエルボー。組んだレイエスがスタンドでバックにつき、正対したノーランがヒジを入れる。これでレイエスが左目の下をカットする。両者離れるとノーランが左ハイ、レイエスも右ミドルと右ストレート。レイエスがパンチをまとめてノーランを下がらせる。

3R、ノーランが打撃のプレッシャーをかける。レイエスが前に出てくると右フックと左のヒジを返す。ノーランは前に出ながら左ミドルと左ハイを蹴って、右フックや飛びヒザ蹴りのカウンターを狙う。ノーランがスピニングエルボー、レイエスが組むとがぶってダースチョークへ。

これを脱出したレイエスがノーランをケージに押し込んでバックへ。ノーランは後方のレイエスにヒジを打って正対してヒジとヒザ蹴り。レイエスはノーランをケージに押し込み続けるがテイクダウンには至らない。両者離れるとノーランが左ミドルを蹴る。最後はレイエスが右を打って打撃戦で終わる。191㎝の長身を生かした蹴りで攻めた地元・豪州のノーランが判定3-0でレイエスに勝利した。


The post 【UFC305】190㎝超えのライト級=ノーランが蹴り主体の攻撃でレイエスに判定勝利 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o Report UFC UFC305 スチュアート・ニコル ブログ ヘスウ・アギラー

【UFC305】フライ級らしいノンストップバトル、アギラーが無敗のニコルをギロチンで絞め落とす

<フライ級/5分3R>
ヘスウ・アギラー(メキシコ)
Def.1R2分39秒 by ギロチン
スチュアート・ニコル(豪州)

ニコルが右カーフ、アギラーが右ストレートを連打して組みつき、ニコルのバックにつく。ニコルはキムラロックを狙いながらグラウンドに持ち込んで逆にバックを取る。ここからニコルがパンチを入れる。アギラーは正対してハーフガードに戻し、二コラがヒジと鉄槌。アギラーが亀になると再び二コラがバックを狙い、アギラーは二コラを前方に落とす。ニコルがスクランブルで上を取ろうとしたところにアギラーがギロチンを合わせ、これでアギラーが失神。アギラーがUFCデビュー戦&プロ無敗の二コラから一本勝ちを収めた。


The post 【UFC305】フライ級らしいノンストップバトル、アギラーが無敗のニコルをギロチンで絞め落とす first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
AB F1 MMA News o UFC UFC305  

『UFC 305: du Plessis vs. Adesanya』速報

UFC VENUM Performance Institute 2.0 ラッシュガード 半袖 RASHGUARD


UFC 305 ‘Du Plessis vs. Adesanya’ Play-by-Play, Results & Round Scoring(Sherdog)

 上記を参照。以下、速報です。続きを読む・・・
カテゴリー
45 AB MMA o UFC UFC305 YouTube   体組成

『UFC 305: du Plessis vs. Adesanya』前日計量動画

測定で楽天ポイントが毎日貯まる【楽天1位】体重計 スマホ連動 体組成計 ※最大3年保証 体脂肪率 ポイ活体重計 bluetooth 高性能 アプリ 軽量 デジタル シンプル おすすめ 内臓脂肪 体脂肪計 ダイエット 高精度


MAIN CARD (Pay-per-view, 10 p.m. ET)

・Champ Dricus Du Plessis (185) vs. Israel Adesanya (184) – for middleweight title
・Steve Erceg (125.5) vs. Kai Kara-France (125)
・Mateusz Gamrot (156) vs. Dan Hooker (155.5)
・Jairzinho Rozenstruik (259) vs. Tai Tuivasa (265)
・Li Jingliang (171) vs. Carlos Prates (170)

PRELIMINARY CARD (ESPN2/ESPN+, 8 p.m. ET)

・Junior Tafa (244) vs. Valter Walker (252)
・Josh Culibao (146) vs. Ricardo Ramos (145.5)
・Casey O’Neill (125.5) vs. Luana Santos (126)
・Herbert Burns (146) vs. Jack Jenkins (145.5)

PRELIMINARY CARD (ESPN+, 6:30 p.m. ET)

・Tom Nolan (155.5) vs. Alex Reyes (156)
・Ricky Glenn (171) vs. Song Kenan (171)
・Jesus Aguilar (127.5)* vs. Stewart Nicoll (126)

 『UFC 305: du Plessis vs. Adesanya』前日計量結果。メインカードは全員パス。アーリープレリミナリーカードでヘスス・サントス・アギラーが127.5ポンドと1.5ポンドオーバー。出場給の20%を譲渡し試合は行われます。




 前日計量動画。続きを読む・・・
カテゴリー
45 AB Interview UFC UFC305 アレッシャンドリ・パントージャ カイ・カラフランス スティーブ・アーセグ ブログ

【UFC305】南太平洋最強決定戦=カイ・カラフランス戦へ、スティーブ・アーセグ「ヒジとヒザがある」

【写真】 (C)MMAPLANET

18日(日・現地時間)、豪州はパースのRACアリーナでUFC 305「Du Plessis vs Adesanya」が開催され、コメインでスティーブ・アーセグがカイ・カラフランスと対戦する。
Text by Manabu Takashima

Beatdown Promotionで北野一声を破ったスチュアート・ニコルが、第1試合でヘスウ・アギラーと戦うフライ級も組まれている今大会。日本からの遠征も増え、日本人フライ級ファイターがその視界に豪州勢を入れないといけなくなっている現状で、オーストララシア最強のフライ級を決める一戦が組まれた。

ニュージーランド&豪州の軽量級をリードしてきたカラフランスの対戦を控えたアーセグをインタビュー。昨年6月のスクランブル発進オクタゴン初陣から1年未満で世界王座挑戦を実現させた──ある意味、シンデレラボーイは、オクタゴンの中と同じで、現状の把握と修正が人生でもできるスマートなファイターだ。


カイはボクシングが好きで、接近戦で打撃の攻防がしたいだろう

――カイ・カラフランスと地元パースのファンの前で戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は14日に行われた)。

「ホームタウンのファンの前で戦うことはワクワクすると同時に、少しプレッシャーも増えるかな。でも、自分がどれだけ成長できたかを皆に見てもらえる機会でもあるし、色々な気持ちが交錯しているよ」

──PPV大会のコメインでもあります。

「数多くのファイターがUFCとサインをしているけど、訪れる順番としては『試合に出る』、『PPVショーで戦う』、『PPVショーのコメインに出る』という風になるはずだ。地元でPPVがあってコメインで戦う機会が訪れる選手なんてほとんどいない。なにかの間違いないじゃないかという状況をUFCが与えてくれた。その期待に応えないといけない」

──とはいえスティーブは既にMSGで戦い、ブラジルというアウェイの地で世界王座に挑戦するなど僅か14カ月間で他のUFCファイターにはない経験をしているかと思います。特に敗れたとはいえ、オクタゴン4戦目でのタイトル挑戦は得難い経験だったのではないでしょうか。

「色々なことを学ぶことができた。そのなかでも一番良かったことは、自分に自信が持てたということかな。世界のベストとやり合う。ずっと夢見てきたことが、現実になった。初めての5Rの試合で、世界王者とやりあえたことは大きな自信になっている。特にラウンドが進むと、僕と同じようにパントージャにも疲れが見て取れるようになったしね。

序盤からハイペースで戦った。そうしたら世界チャンピオンも疲れ始めたんだ。3Rのファイトなら、そういうことは言うと簡単にトライできる。それを5回戦でやれたのは、大きいよ。次の機会には、フィニッシュを考えて戦うことができるはずだ」

──スティーブは素晴らしいキックボクシングをケージの中で披露しています。構えも蹴りとパンチを出しやすい姿勢で。それでいて相手のテイクダウンを返す力も持っています。しかし、パントージャにはラウンドに1度というぐらいの確立でテイクダウンを許しました。他の選手とパントージャの違いはどこにあったのでしょうか。

「まずパントージャ―にはダブルやシングルでなく、ボディロックでテイクダウンを奪われた。ここが違う。特に左フックに組まれて、ボディロックを許した。足への組みには自信を持って対処できたけど、上半身に組みつかれたことが大きな要因だ」

──ボディロックに入るための、スラッピーな打撃がパントージャにはありました。それを可能にしたのは、パントージャがスティーブの打撃を怖がらないで戦えたからかと。ビビッて下がるとボディロックを取ることはできなかったと思います。

「確かにパントージャの打撃は粗い。そして、それは組むための打撃だったのも絶対だ。あの試合以降、ボディロックテイクダウンの対処は徹底的にやってきた。カイが同じようにしようと思っても、もう違う。足だけでなく、どの箇所でもテイクダウン・ディフェンス力は上達している。

カイはボクシングが好きで、接近戦で打撃の攻防がしたいだろう。でも近距離になると、僕にはエルボーやヒザ蹴りもある。テイクダウンに関しても、倒されることもあるかもしれないけど、倒された後もカイとパントージャは違う。パントージャのトップキープ力、その体の重みはカイにはない。つまり、寝技の攻防は続かずにすぐに立ち上がることができる」

──当然、この試合に勝ってタイトル戦線に戻ることが目的だと思いますが、一度敗れているとすぐに機会は訪れないかもしれないです。そのためにインパクトのある勝ち方が必要になってきますが、日曜日の朝はどのような試合をしたいと考えていますか。

「まず、この試合で僕が勝ってもすぐにタイトル挑戦はできないと思っている。もちろん、そうなれば嬉しいけど──この試合でカイをフィニッシュしても、あと2試合は必要になってくるだろう。フライ級のトップ選手を2人倒すと、またタイトルショットの権利が得られるぐらいの気持ちでいる。

と同時にカイという豪州やニュージーランドの軽量級をリードし、僕らに世界で戦うドアを開いてくれたファイターのことを凄く尊敬している。もし、戦う必要がないのなら試合をしないでおきたい相手だった。でも、決められた試合にNoというつもりはない。

何よりもクラス最強のファイターと戦いたいし、僕の現状ではそれがカイ・カラフランスになる。彼ももう一度世界のベルトに挑戦したいはずだ。僕もそうだ。なら、戦うよ。彼へのリスペクトは一旦、置いてオクタゴンに上がって勝利を手にするだけだよ」

Eternal王者とHEX王者の対戦は凄く興味深い

──そんなカイ・カラフランスとの試合に集中しないといけないことは承知しているのですが、豪州MMA界について一つ質問させてもらっても構わないですか。

「もちろんだよ」

──今、豪州MMA界ではEternal MMAとHEX Fight Seriesが選手を引き抜いたり、ドメスティック・シーンがシビルウォーの様相を呈しています。この現状は豪州MMAにとって、どのような影響を及ぼすと考えていますか。

「なるほど(笑)。僕はEternal MMAの王者からUFCにステップアップしたけど、HEX FSでも戦った経験がある。単独のプロモーションが独走するよりも、複数のプロモーションが競合している状況の方がMMAが発展すると思う。団体運営も良くなっていくし、選手の環境も良くなるだろうからね。一方がベストで、もう一つが大きく水を空けられるという状況に陥らない程度なら、競争は良い効果があると思う」

──その余波がDWCSでも見られて、Eternal MMAフライ級王者だったアンソニー・ドリリッチとHEX FCフライ級王者ショーン・ガウシーの一戦が組まれました。

「Eternal王者とHEX王者の対戦は凄く興味深いよ。でもアンソニーとは一緒に練習をしているので、彼の勝利を願っている」

■視聴方法(予定)
8月13日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
[挑戦者] イスラエス・アデサニャ(ニュージーランド)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
スティーブ・アーセグ(豪州)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ヘビー級/5分3R>
タイ・ツイバサ(豪州)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
カルロス・プラチス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R
ジュニオール・タファ(豪州)
ヴァルテル・ウォウケル(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・クリバオ(豪州)
ヒカルド・ラモス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ケイシー・オニール(英国)
ルアナ・サントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
エウベルチ・バーンズ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン(豪州)
アレックス・レイエス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
リッキー・グレン(米国)

<フライ級/5分3R>
スチュアート・ニコル(豪州)
ヘスウ・アギラー(メキシコ)

The post 【UFC305】南太平洋最強決定戦=カイ・カラフランス戦へ、スティーブ・アーセグ「ヒジとヒザがある」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA Preview UFC UFC305 イスラエル・アデサニャ ドリキュス・デュプレッシー ブログ

【UFC305】展望  禁断の人種問題に発展?! 世界ミドル級選手権試合=デュプレッシー×アデサニャ

【写真】どういうつもりで両者が人種問題に発展しそうな発言をしたのかは不明だが、こういう問題は当事者と同じ国籍&人種の間で論議が交わされれば良いかと(C)Zuffa/UFC

18日(日・現地時間)、豪州のパースにあるRACアリーナにて、UFC305「Du Plessis vs Adesanya」が行われる。カイ・カラフランス×スティーブ・アーセグという注目のフライ級上位ランカー対戦コメインとするこの大会のメインは、初防衛を目指す新王者のドリキュス・デュプレッシーに、3度目の戴冠を狙うイスラエル・アデサニャが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

デュプレッシーは、アフリカ最大のMMA団体EFCやポーランドのKSWでの戴冠を経て、2020年10月よりUFCに参戦した。ダレン・ティル、デレック・ブルンソン、ロバート・ウィテカーといった強豪たちを連覇し、オクタゴン5戦無敗の戦績をもって今年1月に王者ショーン・ストリックランドに挑戦。判定3-0で快勝し、南アフリカ共和国初のUFC王座に輝いた。

対するアデサニャは、この階級のレジェンドと言うべき存在。2022年12月、キックボクシング時代からの天敵アレックス・ポアタン・ペレイラに5R逆転KOで敗れてミドル級王座から陥落したものの、昨年4月にリベンジ戦を挑み、2Rに劇的なKO勝利を挙げて二度目の戴冠を果たした。

その半年後の10月、伏兵ストリックランドの右ストレートで1Rにまさかのダウンを奪われると、そのまま挽回できずに判定負け。UFC史上に残る大アップセットをもって再び王座を失ったのだった。以来、今回は約1年ぶりの復帰戦だ。


打撃とテイクダウンの両方を使いこなす総合格闘家が、いかにプレッシャーをかけてストライカーの間合いを潰してゆくか

UFC無敗にして飛ぶ鳥を落とす勢いの新王者と、休養を経て三度目の戴冠を目指す元絶対王者によるファン垂涎のこの頂上決戦。下馬評はアデサニャ有利と出ているが、その差はごく僅かだ。それどころか、両者の直近の戦いぶりから判断するならばデュプレッシー有利という見方も十分成立する。

前戦においてアデサニャは、多少の被弾を気にせず前に出てくるストリックランドの戦法に大苦戦。常に下がりながらの戦いを強いられた上で、距離を詰められ打撃の間合いを潰されてまさかの敗戦を喫した。一方、その三ヶ月後にそのストリックランドと戦ったデュプレッシーは、前戦同様に前に出るストリックランドにスタンドで全く圧力負けすることがなかった。むしろ要所でテイクダウンも交えて優位に試合を進めたデュプレッシーは、打撃でもストリックランドを下がらせる場面まで作って完勝を収めたのだった。

つまり、卓越した精度を誇るストライカー・アデサニャ攻略においてもっとも有効と思われる戦い方=距離を詰めて打撃の間合いを潰すことを見事にやってのけたストリックランドを、まさにその戦い方で打ち破ったのがデュプレッシーというわけだ。

圧倒的な身体の力と底知れぬスタミナ、要所で絶対に退かない心の強さ、不恰好ながらも多彩にして強力な打撃、そしてレスリング&柔道の経験を活かした高いテイクダウン力とスクランブル力を持ち合わせた新王者は、アデサニャが一番やられたくない戦い方において誰よりも優れているのだ。

そしてこの戦い方は、先月のUFC304にて絶対不利と思われた挑戦者ベラル・モハメッドが、ウェルター級王者レオン・エドワーズの打撃の間合いを潰し続けて世界を驚かせたのと同種のものでもある。その半日後に我が国で行われた超RIZIN3において、久保優太相手に敗戦を喫した斎藤裕が実践することができなかった戦い方とも言える。

打撃とテイクダウンの両方を使いこなす総合格闘家が、いかにプレッシャーをかけてストライカーの間合いを潰してゆくか。逆にストライカー側は、フットワークや打撃をいかに駆使して相手の圧力を無効化するのか。現代MMAの攻防における最も重要な鍵の一つであるこの凌ぎ合いが、世界のどこよりも高いレベルで堪能できるのが、デュプレッシー×アデサニャ戦といえよう。

アデサニャにとってはこれが、格闘技キャリア最長の一年近くの休養を経ての復帰戦となる。「敗戦後に現実を受け入れ、自分を見つめ直し、生活の仕方から練習まで全てを変えた。生まれて初めてアスリートとしてトレーニングをしたよ」と語るレジェンドが、相性的にも最大の難敵と思われる新王者の驚異の圧力にどう対処してゆくのか、興味は尽きない。

この試合で証明されるのは「どちらが真のアフリカ人か」ではなく「どちらが真の世界最強のミドル級MMAファイターか」だ。

さて、かくも意義深く興味深いこの頂上決戦には、21世紀のグローバルスポーツMMAならではの因縁もつけ加わっている。

それが表面化したのは、昨年7月、デュプレッシーが元王者のウィテカーを2RTKOで仕留めてナンバーワンコンテンダーの座を勝ち取った時のことだ。勝利者インタビューを受けるデュプレッシーと対面した当時の王者アデサニャは、最初は静かな口調で「まあ落ち着こうか。ここにいるのは俺のアフリカン・ブラザーだ」と言った後、突然テンションを全開にし

「やるぞnigxxr!どうしたbxxch! そうだnigxxr! どうすんだnigxxr! 」と、(白人のデュプレッシーに対して)黒人に対する最大の侮辱表現を繰り返しまくし立て出したのだ。

デュプレッシーが「俺はアフリカ人だけど、あんたのブラザーじゃないな! あんたは(現在在住の)ニュージーランドのみんなにはなんて言うつもりなんだい?」と返すも、聞く耳を持たない様子のアデサニャは「俺はDNA検査を受けるまでもなく、自分の出自を知ってるぜ! 受ければ俺はナイジェリア出身だと出るんだ。お前も受けてみろや! お前の出自が分かるだろうよ! 俺がお前の出自を暴いてやるぜ!」と畳みかけ、その後もデュプレッシーの発言を遮っては喚き散らしたのだった。

当時の絶対王者によるこの過激すぎる挑発の背景にあるのは、デュプレッシーが常々口にしていた「自分が本物のアフリカ人(リアル・アフリカン)初のUFC王者に」という宣言だ。1RKOで見事なUFCデビューを果たした直後のインタビュー時にてすでにこの目標を口にしたデュプレッシーは、続けて「アフリカで生まれ、育ち、練習するというね」と説明を加えている。

実際、その前年にUFC王者に就いたアフリカ系のアデサニャとカマル・ウスマンの二人は、ともにナイジェリア出身だが現在は他国に在住している。2021年にUFCヘビー級王座に就いたカメルーン出身のフランシス・ガヌーも仏在住。確かにデュプレッシー以前、UFCには「アフリカ在住のアフリカ人王者」は存在していない。

デュプレッシーとしてはアフリカ大陸に拠点を置き、練習を行っていることに順天を置いた発言だったかもしれないが、迂闊だったと捉えることもできる。

10歳の頃に家族でニュージーランドに移住したアデサニャは、自身のアイデンティティの大きな部分をアフリカに見出しており、その胸にはアフリカ大陸をデザインしたタトゥーを抱いている。そんな自分(そしてウスマンとガヌー)のことを、あたかも「本物のアフリカ人」ではないと決めつけるかの如きデュプレッシーの言葉に、アデサニャが気分を害するのは無理もないことだろう。

先日もアデサニャはこの件について「奴の言葉は冒涜そのものだ。カマル、フランシス、俺の三人に対するな。自分の道を切り拓いた先人たちへの礼儀を知れ」と語っている。

さらに、自らを「リアル・アフリカン」と名乗るデュプレッシーが──南アフリカ共和国にてアパルトヘイト政策のもと長いこと黒人を虐げてきた──ヨーロッパ系白人の子孫であることも、アデサニャの暴言を助長したことは否めない。

デュプレッシーに彼が普段決して浴びることのないアフリカ系黒人への侮蔑表現をぶつけ、DNA検査を受けろと挑発したアデサニャの言葉の裏にあるのは「お前は本当に、俺たちを差し置いてリアル・アフリカンを名乗る資格があると思っているのか?」という問いかけだと考えていいだろう。

このようにこの試合の背景には、見方によってはセンシティブな人種とアイデンティティの問題が横たわっている。しかし、それはあくまで観客の興味を惹きつけるための「アングル」に過ぎない。他ならぬ対戦する両雄はともに、この試合の本質はオクタゴンの中のファイトにのみ存在すると語っている。

デュプレッシーはこの件に触れて「こっちは自分の目標を掲げただけ。向こうがどう受け取ろうがどうでもいい。個人的にアデサニャのことは好きではないけど、それも究極どうでもいいことだ。この試合で重要なのは、自分が世界最強であることを証明すること、それだけだ」と話している。

そして散々煽ってみせたアデサニャも、試合が近づくにつれて「別に奴に個人的な恨みなどないんだ。試合する、それが全てさ。3度目のタイトルを獲れたら確かにスペシャルだけど、自分のメインフォーカスはそこにはないよ。南アフリカが輩出した最高のファイター、ドリキュス・デュプレッシーの首を刈ることに意味がある。試合前の記者会見とかメディア対応とか、一応やるけど全て馬鹿げたことだと思っている。他人ではなく、ただ自分自身とチームのために戦うだけだ」と静かに語っている。

「史上初のアフリカ人同士のUFCタイトル戦」とも宣伝されるこの試合で証明されるのは、「どちらが真のアフリカ人か」ではなく「どちらが真の世界最強のミドル級MMAファイターか」だ。

■視聴方法(予定)
8月18日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前7時~U-NEXT

The post 【UFC305】展望  禁断の人種問題に発展?! 世界ミドル級選手権試合=デュプレッシー×アデサニャ first appeared on MMAPLANET.