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AB o UFC UFC303 ジャック・ショア ダン・イゲ

UFC on ESPN+101:第12試合・ウィリアム・ゴミス vs. ジョアンダーソン・ブリート

フェザー級

地元フランスのゴミス。2022年のパリ大会でUFCデビューしてから、ここまで3連勝中。前戦は昨年のパリ大会で、その後2月と5月の試合はいずれも自身の都合によりキャンセルとなっており、1年間のブランク明けとなる。散打・ムエタイがバックボーンのストライカーだが、グラウンドでは一本を取られかける場面もあるなど、やや不安がある。前戦は直前のカードシャッフルで、階級下のヤニス・ゲムーリとの対戦となり、3Rにミドルをボディに入れたところ、ゲムーリがローブローをアピールしたが、ローブローにはヒットしておらず、戦意喪失とみなされKO勝ちになるという珍しい結末だった。27歳。

ブラジルのブリートはUFCデビュー戦で敗れた後、現在5連続フィニッシュ勝利中。4月に元バンタム級ランカーのジャック・ショアと対戦し、ショアの蹴りをスネでカットすると、ショアのスネからの出血が止まらなくなりドクターストップ勝ちという、こちらもなかなか見られない結末での勝利。7月にランカーのダン・イゲ戦が組まれていたが、イゲは6月末のUFC303で試合当日にディエゴ・ロペスと対戦することになったため、ブリートの試合は消滅してしまった。今回もまたノーランカーとの対戦。17勝中、判定勝ちが2回しかないフィニッシャー。29歳。

すぐに詰めてきたブリート。ゴミス下がりながらジャブを入れるが、圧されてケージ際まで下がる。出てきたブリートに四つで組んだゴミス。ブリートケージに押し込む。テイクダウン。背中に乗ろうとするブリートだが、ゴミス反転して上を取った。ブリートのガード。首をケージに押し込みながらハーフに。ガードから腕十字を狙うブリートだが、ゴミス防いだ。ブリート起き上がりながらタックルへ。離れ際にパンチを入れると四つに組んでダブルアンダーフック。テイクダウンを狙うがゴミスこらえた。残り1分。入れ替えて逆にボディロックに捕らえたゴミス。テイクダウンを狙ったがこらえるブリート。離れた。すぐ出てくるブリート。ゴミス冷静に距離を取りながらカウンターを打ち込むが、なおも出るブリート。ゴミスのタックルにギロチン。けっこうタイトだったが、すぐにホーン。

1Rややゴミス?割れそうなラウンド。

2R。またすぐに詰めるブリート。ゴミスもパンチを返すが、四つに組んだブリート。ボディロックから投げて寝かせた。体をまたいでほぼマウントの体勢で肩固め。ややゆるいか。ハーフで肩固めで絞めるが、まだ絞まっていないとアピールするゴミス。解除したブリート。ケージを使って立ちに行くゴミス。立った。離れる。しかしすぐ詰めるブリート。ケージを背負うゴミス。左右のパンチを打ち込む。サークリングするゴミスを追っていく。また四つに組んだ。残り1分。ゴミスヒザを入れて離れた。なおも出るブリートだが、ゴミス距離を取る。左ミドルから左右のパンチ。蹴り合いではゴミスがリード。ホーン。

2Rややブリートか。

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45 Fight&Life MMA MMAPLANET o Special UFC UFC303   アレックス・ポアタン イリー・プロハースカ キック ジョン・ジョーンズ 大沢ケンジ 柏木信吾 水垣偉弥

【Special】月刊、良太郎のこの一番:特別編 ペレイラ×プロハースカ「武器を厳選して殺傷能力を上げる」

【写真】二度目のプロハースカはペレイラの格闘IQの高さが詰まったKO劇だった(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客にMMAPLANET執筆陣がインタビューをしてきた「月刊、この一番」シリーズ。そこに新たに初代KNOCK OUT-BLACKウェルター級王者にして、立ち技・MMA問わず多くの選手を指導する良太郎も参加。MMAの主要選手はすべてチェックしているという打撃の専門家の目線でMMAを語ってもらう。

今回は良太郎が選んだ2024年7月の一番として、試合をセレクトしてもらう予定だったが、さっそく良太郎のこだわりがさく裂。どうしてもこの試合を語らせて欲しいということで──6月29日に行われたUFC303のアレックス・ポアタン・ぺレイラ×イリー・プロハースカについて語ろう。


――さて今回から「月刊、この一番」に良太郎選手にも参加していただくことになりました。当初、7月の大会から試合を選んでもらう予定だったのですが、良太郎選手の強い希望で6.29「UFC303」のアレックス・ペレイラとイリー・プロハースカの試合をセレクトしてもらいました。

「この話をいただいて、ペレイラとイリーの試合しかないよなと思って、映像を再チェックしてたら6月30日(※日本時間)だったんですよ。改めて7月の試合からも選ぼうと思ったんですけど、どうしてもペレイラのことを話したいので、第1回目から特別編になっちゃいますが、よろしくお願いします(笑)」

――そういうこだわりを語ってもらうのがこの連載の趣旨なので、全く問題ありません(笑)!では良太郎選手はこの試合を見て、どんな感想を持ちましたか。

「過去に一度両者が対戦していて、ややスクランブル的に決まった試合だと思うんですけど、僕は予想として普通にペレイラがいくだろうなと思っていました。ペレイラは武骨だし、器用には見えないんですけど、ものすごく格闘技IQが高い選手だということを再確認しました」

――どこにペレイラの格闘技IQの高さを感じましたか。

「ペレイラは自分の戦い方が確立していて、イリーはやや変則的で、一度目の対戦とは大差ない試合になると思っていたんです。それがいざ蓋を開けてみると、ペレイラが細かく段階を踏んでKOにつなげていて、すごく上手くなっているなと感じました。例えば一度目の対戦ではイリーがタックルのフェイントを入れて、スイッチしながら飛び込んでいて、そこでペレイラはスイッチヒッターにやってはいけない動きをしてしまって、打撃を被弾していました。

 それでも最終的にペレイラは右の縦拳アッパーからの左フックでKOしていて、今回の再戦にあたってイリーからすると一度倒されている恐怖心もあるし、右のカーフや左フックが強烈だという刷り込みもあったと思うんです。それもあって2度目の対戦ではペレイラのゾーンがより確立されているなと思いました。右のカーフでコツコツ削って、イリ―がスイッチしたら左の三日月蹴りを蹴って、またカーフを蹴る。これで完全に制空権を支配して、イリーがステップインして来たらバックステップして得意のスマッシュを合わせる。1R終了間際のダウンはまさにそれでしたよね」

――フィニッシュになった左ハイはいかがでしたか。

「あれも完璧でしたね。試合後にペレイラがコメントしていたように、あの左ハイは試合までに用意していたものではなくて、試合直前に流れたイリーのウォーミングアップの映像を見て、コーチたちと『イリーはカーフを蹴ると手が下がるから、ハイキックを蹴ろう』とセッションして、その場で左ハイを蹴ることを決めたそうなんです。直前でもそこまで相手のことを観察して、それをチームでセッションできる。本人はもちろん、そういう役割を担う参謀役もいるんだろうなと思います」

――直前にそこまでチームで作りこんでいたのはすごいですね。ちなになぜイリーはペレイラにカーフを蹴られて手を下げてしまったのでしょうか。

「もともとイリーはガードを上げない構えで、手を下げたところから差すようなパンチを打ったり、タックルのモーションを見せるんですね。それでペレイラにカーフを蹴られたらカットするのではなく、おそらくパンチを合わせようとしていたんだと思うんです。それで自然に手が下がってしまっていたんでしょうね。あとペレイラが左ハイを蹴った時、手が下がっていたイリーはペレイラの左足をすくおうとしているんですよ。あれは三日月蹴りを蹴られていたから、そういう蹴りが来ると思って左の蹴りをすくおうとしていたんだと思います」

――まさに計算しつくされた左ハイだった、と。

「ペレイラはペレイラで試合直前のアップで左ハイを蹴っていましたからね。前回はカーフを効かされたイリーがタックルに入っていましたが、今回はそれすらさせなかったですし、以前、Fight&Lifeの取材でペレイラのことを“ヘタウマ”と表現しましたが、制空権の支配はピカイチですね。そして必ず自分の勝ちパターンに持っていくところはすごいです。僕はペレイラのことが大好きで、もしかしたらペレイラは左利きのオーソドックスかなと思ったこともあったんですよ。セーム・シュルトも右利きのサウスポーだから、ジャブがストレート並みに強いというじゃないですか。でもペレイラがサインしているところを見ると右手でペンを持っていたので、右利きは右利きだと思うんですよね」

――そこまでチェックしていたんですね(笑)。

「はい(笑)。だから日々の積み重ねであの左を磨いたんだと思います」

――これでペレイラは3連勝、完全に勝ちパターンが確立されてきました。

「相手からしたらとてつもなく嫌ですよね。ただペレイラの戦い方は自分のフレーム、骨格、リーチ、得意不得意、年齢……そういうすべてのものを加味して、自分にしかできないことをやっていると思います。必要なことしかやらない=マイナスの練習をしながら、それが結果的にプラスになっている。持っている武器を厳選しつつ、その武器一つ一つの殺傷能力が上がっていますから」

――ある意味、達人的なところまでいきつつある選手でしょうか。

「そう思いますよ。実際に“触れたら倒せる”のところまで近づいているわけですし」

――UFCでミドル級とライトヘビー級を獲って、もしヘビー級まで獲ることになったら、いよいよ最強と言える選手になるのではないかなと思います。

「山の頂上が見えている選手ですよね。僕はずばりジョン・ジョーンズをぶつけてほしいですね。ペレイラは戦績はもちろん、武骨なキャラも浸透してきて、ファイターとしての色気もあるじゃないですか。みんなジョン・ジョーンズVSアレックス・ペレイラは見たいと思いますよ」

――ジョーンズは次戦で引退という報道もありましたが、なんとかこの夢のカードは実現して欲しいですね。そういうわけで今後もよろしくお願いいたします!

「次回はちゃんと8月の大会からセレクトします(笑)!」

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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC303 YouTube   アドリアーノ・モライシュ デミアン・マイア ハニ・ヤヒーラ プロレス 中村倫也 中邑真輔 修斗 食事 鶴屋怜 鶴屋浩

【UFC303】「ATTで揉まれてきたい」(鶴屋怜)。UFC初勝利、鶴屋怜&鶴屋浩、親子対談─02─

【写真】勝利後の鶴屋怜陣営。プロレスラーの中邑真輔さんは、和術慧舟會在籍時代に鶴屋浩氏が主催したアマ修斗・松戸フリーファイトに出場経験があるそうだ(C)Zuffa/UFC

6月29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたUFC303で、UFC初勝利を挙げた鶴屋怜と父・鶴屋浩の対談後編。
Text by Manabu Takashima

3-0の判定勝ち、打撃の攻防がなかったことで一部のファンから厳しい声が挙がったデビュー戦だが、UFCで勝って当然というデビュー戦を迎えた日本人ファイターが、一体どれだけいただろうか。一本勝ちできなかったことで、15分を戦いミスを洗い出すこともできた。ボーナスを貰えず、インパクトを残すには至らなかったかもしれない。それでも、いやそれ故に最高の経験ができたことになる。

反省すべき点をみつけ、これからに向けて鶴屋親子は何を想うのか。

<鶴屋怜&鶴屋浩対談Part.01はコチラから>


「打撃を当てられたら、それはダメなことになります」(怜)

──一本勝ちのプランが崩れた。その時に判定勝ちなら30-27も29-28も同じだという判断もされましたか。

 それは……結果論として、なってしまった。そういう風に捉えています。本当は攻め続けたかったけど、そうなってしまったからには勝つのが大前提なので。負けないためには最終回を落としても、リスクを避けた形です。

向うの一発逆転があるとすれば打撃。一本を取られることはない。なら、離れないでいようと。自分ではあのままで勝てるという自信があったので。俺がまるでダメだったようにいう人もいますけど、パンチで危ない場面もなくて、危険なサブミッションもなかった。抑えたときに下からエルボーが一発入ったけど、それだけで。効いたパンチは一発もなかったです。

投げと無双で失敗はしました。でも、何ももらっていない。それでも試合内容が良くないと言われるのであれば、勝つことに拘ってしまった……ということになります。

──UFC初戦、勝ちに拘り勝つことができた。ぶっちゃけていうとネガティブなことを指摘される筋合いは全くないかと思います。

 同時に今回の相手だから、ミスをしても勝てました。2Rを取っていても1度のミスで逆転される相手がUFCには、当然います。5分間で2つのミスをおかしたのだから、今後は同じミスをしないことが大切になってきます。

まぁ、僕は彼の父親でもあるので今回の勝利に「良かったよ。最高だったよ」とは言えないです。そして他の選手と同じように良かった点と悪かった点をあぶりだします。それが初回の足関節と最終回のスープレックス、そして無双ですね。

あの失敗をパントージャ相手にしてしまうと、やられます。そのミスがあって、今後の課題も見えた。その上で勝ったから、今回の試合は「良し」と捉えています。

──昨日、平良選手と松根さんの対談もMMAPLANETでさせていただいたのですが、松根さんは「鶴屋さんは父親だから怜に厳しいだけで、本当に良く戦っていました。怜は強くて、しっかりと戦っていた」と言われていました。

 有難いです。

──ところで平良選手と鶴屋選手、この世に生を受けた順番がありますよね?

 ハイ……。

 フフフフフ。

 順番なんですけど、俺は日本人で最初のUFCチャンピオンになりたくて、ここまで生きてきたので。

──最初のUFCチャンピオンに拘ると焦りが生じないでしょうか。最初でなくても、UFCのチャンピオンになるという目標設定でないと。そのために一本勝ちして、インパクトを残す必要があるという考え方だと、焦って落とし穴が見えないことがありそうで。

 焦る……。焦るというか……。

 一本を取るのは、ここまで続けてきたスタイルですし(苦笑)。自分から攻めるハイスパートを続けるのが、彼のスタイルなので。見ている人が楽しめる試合になって良いかとは考えています。

──もちろん、そうです。と同時にツイスターに拘り、バックからRNCに移行しなかったことがあった。一本への拘りとインパクトを残す拘りが合致しない局面が出てくると──ということなのです。

 それはそうですね……。それは、そうだ。

 俺が攻められていたり、拮抗した勝負だったらRNCを選択していたと思います。でも一方的に攻めていたし、取れそうだったから拘ったわけで。ただ、その考えこそが相手を舐めていた証拠です。ツイスターで取れないのなら、バックでチョークに切り替えるべきでした。そこは反省しています。

──ヘルナンデスが、最後の最後の局面に対処ができる選手だったというのも大きいです。同時にUFCで戦うには打撃が必要だという指摘もあります。個人的には勝つために必要で。UFCだから、打撃が必要というのはまた違うなぁという風に感じてはいるのですが……。

 ハイ。打撃を使って、負けでもしょうがないですからね。最適だと思う攻撃をする。彼は打撃の練習をしていないわけでもなくて、常にジムで打撃の練習を続けています。

 絶対に打撃戦が必要になる試合があることは分かっています。今回の試合ではテイクダウンをするために打撃を使いました。打撃を打ち合わないとダメなんですかね? 何を指摘して、ダメなのかは分からないです……。俺が打撃を当てられたら、それはダメなことになりますけど。

 相手の打撃を受けずに、組んでいく。勝つための技の選択ですからね。

──ハイ。テイクダウン狙いを切られ、打撃勝負に持ち込まれることはなかったわけですし。それこそが、現状の怜選手にとってされたくない試合になると思います。

 そうですね。そういう選手が、フライ級でいるのか……。レスリング・ボクサーと対戦になった時、例えばモカエフはまぁまぁレスリングを使いますね。

 モカエフは打撃も思い切りがあります。レスリングでやられることはないけど、打撃の方は警戒が必要だと思います。

 だから怜よりも、レスリングが強い選手が出てきた場合ですよね。彼が打撃を出す時というのは。

──MMAでは打撃はレスリングや柔術よりも、実力差を跳ね返すことができるという風にも感じます。

 でも、MMAだからレスリング力を跳ね返すことができると思います。俺は(中村)倫也さん、(太田)忍さんとレスリングをやると、天と地ほどの差があります。でもMMAレスリングだとそこまでじゃない。

──スミマセン、言葉が足りませんでした。MMAにおけるレスリングの攻防、柔術での攻防の方がMMAでの打撃戦よりも、そこの部分で力のある方が確実に勝てるということでした。

鶴屋 つまり怜がテイクダウン防御力が高くて、打撃を入れることができる選手と戦ったらということですよね。現状、フライ級ではそういうタイプは見当たらないですが、これから出てくる可能性はいくらでもありますしね。

──そういう風に、チームで意識ができれば良いことで。別にSNSで何か言われて、軸を乱す必要はない。

 とりあえず勝てた。それが一番で。判定勝ちだったけど、今回の経験を生かして次はしっかりと一本勝ちをしたいです。こんなもんじゃないという気持ちではいます(笑)。

──APEXでなくTモバイル・アリーナで戦ったファイトウィークは、どのような経験になりました。

 デカい会場で戦うことは、一つの夢でした。やっとUFCで戦えたこともあるし、過去一で興奮して。そして嬉しかったです。

そうですね、楽しかったといえば楽しかったです!! 計量とか、凄い人で。アレを経験できて良かったと思います。

デミアン・マイアと。実は今回の取材をしたファミリーレストランは、父・浩氏とジャカレ・ソウザ、マリオ・ヘイス、マイアが食事をしたことがある思い出の場所でもあった

 ただラスベガスの大会のファンって、PPVまで会場に来ない人が多いですよ。あれは驚きました。

それでも、これまでにない雰囲気で試合をしていました。怜はお客さんが多くて盛り上がっていると、より乗って来るタイプだと思います(笑)。今回の試合でも、入場の時から凄くリラックスしていて。

「北の湖のように「負けろっ!!」って思われるぐらい強くなれば良い」(浩)

──コールの時の表情など、自信が漲っていました。アンチからすると生意気に見えるでしょう(笑)。UFCで生意気に見える日本人も頼もしい限りですが。

 アハハハハハ。「負けろっ」って思っているんでしょうね(笑)。まぁ、アンチも増えていますね。

──本当に平良選手と対照的です。

 北の湖のように「負けろっ!!」って思われるぐらい強くなれば良いんだよ。

──親父さん……例えが、古くないですか(笑)。

 アハハハハ。まぁ、Xとかで色々なことを書かれていますけど、セフードが良く言ってくれていたので。それで十分です(笑)。

──平良選手の活躍で、怜選手のUFCのデビュー戦を視るようになったライト層までその認知度が広まったということではないでしょうか。

 中学生か高校生が、何でも自分の意見を発信するという文化になりましたしね。まぁ、UFCで勝つことを当たり前に捉えてもらっているなら、それも期待値の高さだと受け止めて……そういう声も含めて、本来の予定よりも早くUFCデビュー戦を受けて、僕は良かったと思えています。5分3Rを戦って、何が良くないのかも怜自身が理解して、このままではいけないという気持ちになっている。すぐにATTに行きたいと言ってきました。

──そこで国内ではなくて、ATTにいう選択になるのは?

 もちろん日本でも良い練習はできます。ただATTでは世界のトップが揃っていて、練習に向かう時にも自分が緊張しているのが分かるんです。それは日本ではない、寝起きでそのままジムにいっても練習できるぐらいの感覚になってしまっていました。

それがATTだと1時間前に起きて、心の準備をする必要があった。スパーリングが5Rあると、全て世界のトップが来るんです。あの空気に慣れてしまえば、どこにいっても自分の力を出すことができる。全然、怖くないはずです。だからATTで、また練習をしたいんです。

堀口選手とやって、次がパントージャ。アドリアーノ・モライシュ、ハニ・ヤヒーラ、ダニー・サバテロが順々に前の目にいる。一回休もうと思うと、コーチから「レイ、休むな」って戻されて(笑)。で、アマチュアの選手にやろうって言われてスパーリングの相手をしたら、「ダメだ。こっちに来い」ってトップの方に連れていかれる(笑)。

──最高じゃないですか。そこにハニの名前が聞かれるのも嬉しいです。

 ハニ・ヤヒーラには寝技でボコられました。最初はヤヒーラと分からなくて、「このおじさん、誰だ?」って思っていたんです。

──ハハハハハ。渋くなり過ぎましたしね(笑)。

 でも、もう組んだらボコられて。やっぱり、良い経験になりましたよ。

 こういう話を聞くと、強くなれるなと思いますよね。僕らも負けない環境を創ろうと努力をしていますが、今ある最高の環境で練習をすることは大切です。ATTに行って、怜も一回り、二回りと大きくなったと感じています。

──パントージャが目標と公言していても、ATTやパントージャ自身は受け入れてくれるのですか。

 パントージャはPIで会った時も凄くフレンドリーでしたし、水抜き中もずっと話しかけられました(笑)。コーチたちも来てくれて『痩せたから分からなかったよ』って言う感じで。

──中村倫也選手も7月中にATTに行くという話も聞きましたが、怜選手の方は?

 気持ち的には8月中には行きたいですけど、次の試合がいつになるのかも考えて、1カ月から2カ月ほどATTに行こうと思います。とりあえず、揉まれて来たいです。

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AB Luiz MMA NavE o UFC UFC303 YouTube

🔴UFC 303 AO VIVO! ALEX POATAN X JIRI PROCHAZKA + DIEGO LOPES X BRIAN ORTEGA e mais!

Acompanhe as emoções do card principal do #UFC303 com react e narração no comando de Miguel Ângelo e Luiz Fernando. E os nossos convidados: Gabriel Motta do MMA Pirata e o chargista David Carvalho. Inscreva-se no canal, deixe o like e ative o sino para receber os próximos vídeos e deixe sua opinião e sugestão nos comentários!

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Card principal do UFC 303:

Cinturão Meio-Pesado: Alex Poatan x Jiri Prochazka
Peso Pena: Brian Ortega x Diego Lopes
Peso Meio-Pesado: Anthony Smith x Roman Dolidze
Peso Galo: Mayra Sheetara x Macy Chiasson
Peso Meio-Médio: Ian Garry x Michael

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN59 UFC303 ジアン・シウバ ドリュー・ドバー ボクシング

【UFC ESPN59】UFC303から2週間後のシウバ、ヒジでドバーの顔面を切り裂きドクターストップに追い込む

<ライト級/5分3R>
ジアン・シウバ(ブラジル)
Def.3R1分28秒 by TKO
ドリュー・ドバー(米国)

サウスポーのドパーが右に回り、右ガードを固めたシウバに右ローを見せる。シウバにケージを背負わせて、右ジャブから左ミドルを当てたドバー。しかし頭を下げて入ったところに、シウバが右アッパーを合わせる。ドバーは右に回るシウバに右ロー、左前蹴りを見せる。さらにワンツーを伸ばすと、シウバが右跳びヒザを見せた。打ち終わりにパンチを当てて動きを止めたドバーが組みつく。それを振りほどくシウバ。ドバーは右目から出血が見られる。

シウバが距離を詰めると、ドバーが左ローを叩き込んだ。さらに左ストレートを繰り出すドバーは、左に動くシウバに右ボディを打ち込む。シウバも距離を詰めてくるドバーに左フックを合わせた。ドバーの右跳びヒザをかわしたシウバが、逆にケージを背負わせる。ドバーの左ミドルハイをかわしたシウバが、左手で距離を測りながら右ミドル、右ストレートを当てた。

2R、ドバーが右ジャブをボディに伸ばすと、シウバの左ジャブがドバーの顔面に飛ぶ。ドバーは左インロー。これはローブローではないとシウバのほうが主張し、グローブタッチを求めた。ドバーが組むとシウバが振りほどく。ドバーが左ストレートを主体にシウバをケージまで追い詰める。押し戻すシウバが右ハイを見せた。ドバーの左ストレートを食らったシウバがグラつく。さらにドバーはダーティボクシングへ。シウバも離れ際に左フックを返す。

ガードを下げて距離を詰めるシウバ。しかしドバーが前に出ると、再びガードを固める。ドバーが左ストレートを顔面、ボディに繋げるとシウバの動きが止まる。さらに左スーパーマンパンチを当てるが、左ハイを放った際に右ローで足をすくわれて尻もちを着いてしまう。残り20秒で強引に組みついたドバーだが、ボディロックからテイクダウンには至らず。離れてパンチを振ってくるドバーに、シウバが右スピニングバックエルボーをクリーンヒット。グラつく連打を浴びせていった。

最終回、開始前に両者が観客を煽る。ラウンドが始まると、蹴り合いからドバーがダブルレッグへ。シウバがギロチンで引き込むもドバーが立ち上がった。スタンドに戻ると、ケージに詰められたシウバが左ヒジでドバーの右目上の傷をさらに深くする。またもダブルレッグで組んだドバーだが、離れたところに右スピニングバックエルボーを食らいダウンした。立ち上がったドバーは右目付近から大流血。シウバはレフェリーにチェックを訴えるも、オンゲームに。ドバーが前に出てると、シウバはまたも右スピニングバックエルボーを見せた。ここでレフェリーが割って入り、ドクターがドバーの傷口をチェックすると即ストップとなった。

ネブラスカ州オマハ出身で現在はコロラド州デンバーに拠点を置くドバーにとっては初のデンバーでの試合だったが、UFC303から2週間で試合に応じたシウバに敗れる結果となった。勝利したシウバは涙を見せた。


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AB o UFC UFC303 マイク・デイヴィス

UFC on ESPN59:第10試合・ドリュー・ドーバー vs. ジェアン・シウバ

ライト級。

地元デンバー在住のドーバー。早々と試合が決まっていたが、相手のマイク・デイヴィスが1ヶ月前に負傷欠場。代役がなかなか決まらず、結局2週間前のUFC303に出場したばかりのシウバがスクランブル出場し、ドーバーと対戦することに。一時ランキング入りしたこともあったドーバーは、直近の7勝がKO勝利というストライカー。それまではそこまで倒すイメージはなかったが、UFCで戦ううちに倒す感覚を身に着けたのか、倒し屋に変貌した。しかしランキング間際の相手には勝ったり負けたりで、現在はノーランカー。今年2月の前戦はへナート・モイカノに組み付かれる展開で接戦となり判定負け。35歳。

シウバは2大会連続出場。2週間前のUFC303では、中堅のシャルル・ジョーデインと対戦。2Rにジョーデインのタックルを切って離れ際にアッパーを打ち込みKO勝ちし、UFCデビューから2試合連続でのKO勝利を飾った。しかし、計量では1.5ポンドオーバーしている。今回は直前ということもあり、ライト級では代役が見つからなかったのか、フェザーのシウバが階級を上げて出場する。前回は勝ったとはいえ体重オーバーの失態があるだけに、勝って汚名返上したいところ。ライト級でランキング目前のドーバーに勝つようなら、フェザーに戻したとしても、次もランカークラスと対戦するチャンスが回ってくるかもしれない。27歳。

サウスポーのドーバーにオーソのシウバ。詰めてきたドーバー。下がるシウバ。ケージまで下がったシウバの腹に左ミドルがヒット。今度は左ハイ。シウバも飛びヒザを返した。ドーバー左ボディ。シウバの右ハイをブロックしたドーバー。ワンツー。また詰めるドーバー。ケージを背負うシウバにワンツー。出ようとしたシウバに左ボディ。ドーバーが出るところに左フックを合わせる。今度はドーバーが飛びヒザ。かわしたシウバ。ドーバーの打撃をバックステップでかわすシウバ。ホーン。

1R打撃のヒットでシウバのラウンド。

2R。ドーバーシングルレッグに。ケージに押し込んだがヒザを入れて離れる。よそ見フェイント?をしたシウバにドーバーが詰めてパンチを入れる。ケージまで詰めるドーバーだが、出るところにシウバテンカオ。ドーバークリンチアッパー連打。シウバも右アッパーを返す。また詰めたドーバー。ケージを背負ったシウバに左ボディ。ドーバーの飛び込んでのパンチがヒットし、一瞬ぐらついたシウバだが、すぐに立て直して打ち返すシウバ。残り20秒でパンチからタックルにつなげたドーバーだが、シウバこらえて引き剥がす。残り10秒で飛び込んだドーバーにバックヒジがヒット!効いた!ふらついたドーバーだが2R終了のホーン。

2Rもシウバ。

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AB o UFC UFC302 UFC303 アブドゥル・ラザク アレックス・ペレス ガブリエル・ボンフィム クリスチャン・ロドリゲス ジョシュア・ヴァン ジョシュ・フレムド ダリウス・フラワーズ チャールズ・ジョンソン ティム・エリオット ブラック マイク・デイヴィス メイシー・バーバー モンテル・ジャクソン ルアナ・サントス 平良達郎

UFC on ESPN59:オッズ/予想と展望

ローズ・ナマユナス 1.46
トレイシー・コルテス 2.80
サンチアゴ・ポンジニッビオ 1.52
ムスリム・サリコフ 2.60
ドリュー・ドーバー 1.91
ジェアン・シウバ 1.91
ガブリエル・ボンフィム 1.29
アンジュ・ルーサ 3.70
ジュリアン・エローサ 2.70
クリスチャン・ロドリゲス 1.49
アブドゥル・ラザク・アルハサン 1.59
コーディ・ブランデージ 2.40
ジョシュア・ヴァン 1.46
チャールズ・ジョンソン 2.80
ジャスミン・ジャスダビシアス 1.91
ファティマ・クライン 1.91
モンテル・ジャクソン 1.70
ダモン・ブラックシア 2.20
ルアナ・サントス 1.26
マリヤ・アガポバ 4.00
ジョシュ・フレムド 1.89
アンドレ・ペトロスキー 1.93
エヴァン・エルダー 1.33
ダリウス・フラワーズ 3.50

2週間ぶりのUFCは旗揚げの地デンバーで開催。

メインは女子フライ級。元ストロー級王者ナマユナスは前回フライ級に上げて初勝利。今回はランキング4位のメイシー・バーバーとの対戦が組まれていたが、2週間前にバーバーが欠場。来週ミランダ・マーヴェリックとの対戦が組まれていたランキング14位のトレイシー・コルテスとの対戦に変更されている。

代役のコルテスはUFC初メイン。現在、UFCデビューから5連勝中だが、ほぼ年1の試合ペースのため、なかなか上位との対戦が組まれず、これまでの相手は全部ノーランカー。テイクダウンから押さえ込みするスタイルで、キャリア11勝のうち、KO勝ちと一本勝ちが1試合のみで、残り9試合は判定勝ち。UFCでの5勝もすべて判定勝ちとなっている。かつては打撃が弱点だったが、昨年9月の前戦ではパンチで打ち合う場面を見せるなど打撃が向上していた。

現在もストロー級で戦える体格のナマユナスに対し、コルテスは逆にバンタムから落としてきた選手。身長・リーチは同じだが、フィジカルではコルテスが上回るので、コルテスとしては組みで体力を削る展開にしたいところ。とはいえ、5戦全勝でもこれまでノーランカーとしか対戦していないコルテスでは、ナマユナスの相手は厳しいか。

ナマユナス判定勝ち。

セミ前に出場する元ランカーのドリュー・ドーバーはマイク・デイヴィスと対戦予定だったが、デイヴィスが欠場。ドーバーの相手が先週まで決まらず、急遽UFC303に出場したジェアン・シウバの出場が決まった。

シウバは本来フェザー級だが、前戦では体重オーバーしている。13勝中10KOのハードパンチャーで、前戦では中堅のシャルル・ジョーデインから2RKO勝ちし、UFCデビューから2連続KO勝利。ドーバーもKOパンチャーだが、オッズは本来階級下のシウバとイーブンになっている。今後もライトで戦うのか、フェザーに戻すのかは不明だが、元ランカーのドーバー相手にショートノーティスで勝つなら、ランカーとの対戦にも期待できる。

プレリムにはフライ級期待の新星のジョシュア・ヴァンが登場。昨年11月にUFCデビューし、今年1月にも勝利して2連勝としたが、4月の試合は相手の怪我で消滅。先月のUFC302ではスムダルジ戦が組まれていたがスムダルジが欠場。前月のティム・エリオット戦がエリオットの怪我で消滅していた平良達郎との対戦に入れ替わったが、その後試合のシャッフルがあり、平良はアレックス・ペレスと、ヴァンは当初ペレスと対戦予定だったランカーのウランベコフとの対戦に変更。が、その試合もまた、ウランベコフの欠場により消滅と、4試合続けて自分に責任のない試合消滅が続いている。

今回の相手チャールズ・ジョンソンUFCで3連敗していた時、無敗のカザフスタンファイター・アザト・マクスム相手に代打出場し、打撃で攻めてマクスムを失速させて判定勝ち。5月の前戦は地元セントルイスでUFC2勝2敗のジェイク・ハドリー相手に打撃の手数で上回っての判定勝ちで2連勝。2試合連続でオッズではアンダードッグだったが、アップセット勝利している。ヴァンにとっても油断できない相手。

第1試合開始は14日朝8時から。速報します。

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【UFC303】オクタゴン初勝利。鶴屋怜&鶴屋浩、親子対談─01─「思った以上の技術力」(怜)

【写真】勝って兜の緒を締めている──そんな鶴屋親子だった (C)MMAPLANET

6月29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたUFC303で、UFC初勝利を挙げた鶴屋怜。
Text by Manabu Takashima

カーロス・ヘルナンデスとの一戦はジャッジ3者とも29-28をつける快勝だった。と同時に平良達郎が一本を極めている相手だっただけに、判定勝ち──に加えて最終回を取られたということでファンの反応は様々だった。

とはいえUFC初戦をしっかりと勝利できたことは、今後を考えると大きい。それゆえにフィニッシュ勝利をデフォルトと考えていた怜自身、そして陣営のあり方も記念すべきUFC初勝利を父・浩氏とともに尋ねた。


「ツイスターに固執してしまいました」(怜)

──UFC初勝利、おめでとうございます。

 ありがとうございます。

──試合内容、試合に関するファンのリアクション、様々な反応があったかと思いますが、何があろうがUFCデビュー戦で勝った。おめでとうございます以外の言葉は、それ以下のモノでしかないです。

 とりあえず初戦は勝たないといけない。勝たないと意味はないので、そこは嬉しいです。でも達郎君がフィニッシュしている相手だし、自分もフィニッシュをしないといけないという気持ちが強過ぎたかと思います。そうですね……余裕があり過ぎました。

──余裕があり過ぎた?

 ハイ。試合中でなく、試合前ですね。勝てる相手だから、どうフィニッシュしようかという想いが強過ぎて。それが空回りをしてしまったような気がします。打撃が上手い選手だという感覚でいたのが、いざ試合が始まると寝技が巧かったです。やじろべぇスイープとか使っていて。ああいう動きって、UFCでも余り見られないじゃないですか。

──やじろべぇスイープ……というのが、分からないですが……(笑)。ヘルナンデスはXガードからやハーフ、ディープハーフからスイープを仕掛けていました。

 防御が巧かったですね。こいつは小さい頃からやってきて、当時の技の名前のままなんです。今時の若い選手はやじろべぇ・スイープなんて言わないですよね。

──確かに(笑)。それにしてもヘルナンデスは、防御力が高かったです。

 全く寝技がゼロの選手だと思っていたのが、逆に寝技の選手かと思うぐらい巧かったです。対策もされていました。ツイスターに関しても、入ろうとしうた瞬間に相手のセコンドが、凄く指示をだしてきて。そこでワキを取られなくなりました。「あぁ研究されているな」と思いましたね。ただ、そこからバックを狙えば良かったのですが、僕自身もツイスターばかり狙ってしまって……。いつもなら冷静にバックに回っているのに、なぜかツイスターに固執してしまいました。

──RNCの方がフィニッシュできるイメージがありますが、それはツイスターより仕掛けが多いからで。相当数、防御されています。逆にツイスターの方が極まるという印象もありますしね。

 それにツイスターは過去にUFCでも3度ほどしか極めた選手がいなくて。やっぱりインパクトを残せるというのがあって、試合前からもそういう話もしちゃっていました。そうなるとボーナスはあるよねとか……。そこでツイスター狙いに頭が固まってしまっていましたね。

──とはいえセコンドがツイスターの防御を指示したとしても、実行できるのはヘルナンデスの防御力であるということで。その防御力がつくだけ、トラックポジションからの攻防ができるパートナーがいるということかと。

怜 いやぁ、足を抜いて来るとは……あの反応は、ちょっと驚きました。腕が取れてから、足を抜かれるっていうのは。しかもクロスするところに入れてきて。あの反応をしてきた人は、練習でもほとんどいなかったです。想像以上に柔術のスキルが高い選手でした。

──それがUFCということでしょうか。

 あの相手に判定かと思われたかもしれないです。でも、思った以上の技術力で……やりにくいところがありました。と同時に、そうじゃないという風に舐めていたところは反省しないといけないです。

──それはきっと怜選手だけではないと思います。例えば今回、MMAPLANETとでの試合前のインタビューは亀池氏にお願いしたのですが、彼もそうだし、自分もそう。勝てる。一本が取れる相手という風に見ていたことは間違いないです。恐らくは他の媒体も、中継スタッフにもその空気があったかと思います。

 正直を言えば、僕らサイドも舐めていたところがあります。僕も対戦相手の試合映像を何度も繰り返しチェックしました。そして「この相手だったら、問題ない。一本を取りに行けるぞ」という風に話してしまっていました。今の怜の力なら2Rで取れるという確信があったんです。つまり僕自身、試合に向けて緊張感が欠けていたかもしれないです。

「失速したという意見も聞きましたけど、そういうことはなかった」(怜)

──とはいえ1Rと2Rは攻め続けての判定勝ちですし、反省ができた勝利というのは大きくないですか。

 そうですね……試合後に彼に伝えたことは、1Rのヒザ十字からアンクル(トーホールド)という足関節。UFCという舞台でああいう技はやはり極まり辛いですし、仕掛けもそうですが力を使い過ぎたことは反省しないといけない。

それと3Rのスープレックス(ベリートゥベリー)、汗をかいている状態であの仕掛けをするのは慎重さが欠けていたのではないかと。特に本来のクラッチの組み方ではないのに強引に仕掛けてしまったことは。

 クラッチに関しては左を上に組むと、左に投げることができます。でもあの時はテイクダウン狙いで懐に入っていたので、右手が上にあって。あの組手だとグレコローマン・レスリングでも、あまり返せることはないです。それなのに相手がレスラーでないし、行けるだろうと強引に仕掛けてしまいました。そうしたら全く手繰れていなくて。

 下になって、結果的には何もされなかったですが、今後は命取りになるような相手がいるということを話しました。

 ただ、あそこから失速したという意見も聞きましたけど、そういうことはなかったです。

──そのままボトムに収まったという印象は強いですが。

 上を取り直して攻めようと僕は思っていました。でも岡田(遼)さんから「下で休んで良いから」という指示があったんです。本当に何をされることもなかったので、下でしばらく様子を見ることにしたんです。にしても、上手く流しに行っていたというのはありますね。

 相手がガッチリと抑えてきたじゃないですか。あそこで攻めてくると、怜も動いていたはずです。殴ってきたりすると、下でも創って行ける。ただ、動かないなら無理に動くとこっちが疲れるし、相手がそこをついてくることもある。なので休んで良いという指示にしました。

 ブーイングも起こっていましたしね。

 2分ほど休んで、休んで起き上りに行こうと。

 実況でワキを差されているのが良くないって言われていたのですが、あれはワキを差させているのではなくて小手を巻いていたんです。別にワキを差されているという実感はなかったです。

──29-28で良いという判断と、30-27……あるいはポジションを挽回してフィニッシュを狙って欲しいという希望もあったかと思います。ただ、自分も中継を視ていてスタミナをロスしたという風には感じました。

 僕も最初から最後まで上になってずっと殴り続けようと思っていたんですけど……プランと違うことが起きて、そこはパニックまで行かないですけど、焦ったというのはあります。同時に相手も相当に疲れていて殴ってこないし、腕を押し込んでくるだけだったんです。なら、こっちから動いてリスクを冒す必要はない。押し込んでくるので小手を巻いていれば、大丈夫という判断をしました。

──結果、ハーフからシングルで起き上りクリンチでケージに押し込んだ。その時点で残り2分10秒になっていました。

 あそこから押し込まれて、無双を仕掛けたんです。そこで上になりたかったのですが、あれも判断ミスでした。バックを取られかけて、そこも危ないという風に思われてしまったようです。僕自身は、問題はなかったのに。

──無双はMMAも有効な技だと捉えていました。

 位置ですね。

 ケージがあったので、相手は崩れそうになったのに詰まって転がらないで済んだんです。で、僕の方が無双をかけていたから、バックを取られかけてしまって。

──無双だと、体を沈めますしね。

 ハイ。あれはオクタゴン中央で仕掛けるべきでした。

 無双に関しては、怜は高校の時から得意にしていたんです。ジムでのスパーリングでも決めることもできている。でもあの試合では、仕掛ける場所が良くなかった。そこも反省点ですね。仕掛ける技、場所、時間帯を考えようと。

<この項、続く>

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アンドレイ・アルロフスキーがUFCとの契約終了と現役続行を報告

Andrei Arlovski 97 Success Facts - Everything you need to know about Andrei Arlovski



 『UFC 303: Pereira vs. Prochazka 2』でマーティン・ブダイにスプリットデシジョンで敗れたアンドレイ・アルロフスキーがインスタグラムで、「UFCでのチャプターは終わったが、俺の本はまだ終わっていない」とコメント。UFCとの契約終了と現役続行を報告しています。

Andrei Arlovski(Sherdog)

 アンドレイ・アルロフスキーは1979年2月4日生まれで現在45歳。MMA戦績34勝24敗2無効試合(UFC戦績23勝18敗1無効試合)。元UFCヘビー級チャンピオン。UFCヘビー級史上最多試合数、UFC最多勝利数(ドナルド・セラーニと1位タイ)。UFC有効打合計1585発はヘビー級最多。

 2000年11月の『UFC 28: High Stakes』のアーロン・ブリンク戦(1Rアームバーで勝利)でUFCキャリアがスタートし、 2008年3月の『UFC 82: Pride of a Champion』でジェイク・オブライエンに2R TKO勝ちした後にUFCを離脱。Affliction、EliteXC、Strikeforce、ProElite、ONE、WSOFなどを転々としながら、ベン・ロズウェル、ロイ・ネルソン、エメリヤーエンコ・ヒョードル、アントニオ・シウバ、アンソニー・ジョンソンらと対戦しています。その後2014年6月の『UFC 174: Johnson vs. Bagautinov』で行われたブレンダン・シャウブ戦からUFCに復帰し、10年余り活躍してきました。続きを読む・・・
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『UFC 303: Pereira vs. Prochazka 2』鶴屋怜 試合後インタビュー(動画)

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