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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:8月 ウマル×サンドハーゲン「ウマルが5R制で見せた変化と対応力」

【写真】この取材後にマラブ・デヴァリシビリがショーン・オマリーに勝利。マラブ×ウマルを俄然見たくなる内容になっています(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年8月の一番──8月3日に行われたUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」のウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンについて語ろう。



――8月の一番では、 ウマル・ヌルマゴメドフ×コリー・サンドハーゲンを選んでもらいました。

「この試合は組まれた時点でめちゃくちゃ楽しみだったんですよ。僕のなかではタイトルマッチ級に楽しみで『マッチメーカー、いいとこついてくるな!』と言いたくなるぐらい(笑)、楽しみでそそられるカードでした。実際の試合内容もすごく良かったですし、予想通りの部分と予想外の部分があって、本当に見どころが多かったなと思いました」

――予想通りだったところと予想外だったところ、それぞれ教えていただけますか。

「まず予想通りだったのは、ウマルがテイクダウンで試合を作っていくというところで、予想外だったのはスクランブルの攻防でもウマルが負けていなかったところですね。どちらかというとウマルはしっかりトップを取って、ある程度ポジションを取っていくタイプだと思っていたので、スクランブルになったらサンドハーゲンがトップを取ったり、スタンドに戻したり、有利に試合を進めると思っていたんです。でも実際の試合ではスクランブルでもウマルがツイスターを狙うような動きを見せたり、予想外の動きや色んな引き出しを持っていることが分かりました」

――バックの取り方をとっても、いわゆるツイスター系、シングルバック系、クルスフィックス系と多彩でした。

「僕もダゲスタン系、要はハビブ(・ヌルマゴメドフ)なんですけど、ウマルもある程度ポジションを取るところまで持っていて、そこで抑える・殴るイメージだったんです。でもウマルはある程度スクランブルの攻防をやって、そこからバックを取りにいくスタイルで。決して殴りやすいポジションではないと思うんですけど、そこから次の展開を狙っていたのかなと思いました。その先の技術はこの試合では見れなかったのですが、その先の技術がありそうな予感もさせてくれましたし、ちょっとダゲスタン系のイメージとは違う、寝技やグラップリングをやるんだなというところが印象が深かったです」

――いい意味でレスリング色が薄いというか、グラップリングの要素が強いスタイルだと感じました。

「ウマルのを構えを見てみると、ハビブもそうなんですけど、アメリカのレスラーみたいに前傾気味に構えずに、どちらかいうと体が起きている・立っている構えなんですよ。あそこからタックルに入ってテイクダウンするのはすごいなと思いました。ハビブは一回組むと当たり前のように引っこ抜いちゃうんで、あまりそこに意識がいかなかったんですけど、今回のウマルを見ていると、あれだけ体が立った状態からタックルに入ってテイクダウンするのは驚きでしたね」

――いわゆるレスリングスタイルとは違いますよね。

「そうなんですよ。ウマルの場合は蹴りも使うし、よりアップライト気味の構えですが、しっかりタックルを取っている。ハビブはあまり蹴りのイメージはなくて、パンチを散らしてから(タックルに)入っていますが、やっぱり体が起きているんですよね。あの構えからタックルでテイクダウンを取るすごさを改めて感じたところではありますね」

――水垣さんから見て、あの構えでテイクダウンを取れるのはなぜだと思いますか。

「普通はあれだけ体が起きていると、タックルに入るのが難しいと思うんですよね。どうしても足を取りに行くまでの距離が遠くなるので。ウマルはそこを打撃で崩す・散らしているのがいいと思うんですけど……正直僕もなんであの構えでタックルが取れるのかは分かりません(笑)! ハビブの場合はケージを使って(タックルに入る)というのがあったんですけど、 今回に関しては割とさくっと足を触ってるんですよね」

――確かに。だからどこか触れることができたらテイクダウンできるという自信があるのかもしれないですね。

「その流れの話の続きになるんですけど、 試合序盤、ウマルはあまり上手くテイクダウン出来ていないんですよ。だから1Rは打撃でサンドハーゲンについてもおかしくない展開だったと思います。スコアカードを見ると割とウマルにつけているジャッジもいるんですけど」

――水垣さんとしては1Rのポイントはどう見ましたか。

「僕的にはダメージの部分でサンドハーゲンだなと思いました。で、ウマルがテイクダウンに苦戦するとなると、あのままズルズルとサンドハーゲンのペースになっていくと思ったんです。でもウマルは綺麗にテイクダウンを取り切れないなかでも、少しずつテイクダウンの入り方・種類を変えているんですよね」

――ウマルはどうテイクダウンのやり方を変えていったのですか。

「最初は(サンドハーゲンの)背中をつけることを狙っていて、そこから尻餅をつかせてバックというパターンだったんです。でも3R以降はサンドハーゲンにタックルをスプロールさせた状態でバックを狙ってスタンドバックに回るという動きに変えていたんですよね。あれが上手くいきましたよね。ああいうテイクダウンの取り方のバリエーションの多さ、試合中に相手に合わせてアジャストしていく器用さは見ていて面白かったです」

――この試合はライブで見ることが出来なくて、取材前にチェックしたのですが、1Rを見た時によくこの展開からウマルが勝ったなと思いました。

「足も効かされているし、結構これはやばいなと思いますよね」

――1Rにバックやテイクダウンを取った面など、かなり強引な入り方に見えたので、2R以降は失速するだろうな、と。

「打撃で削られてズルズルいっちゃう…みたいな感じですよね? でも最終的にはウマルペースで終わるという。僕の予想ではウマルが勝つとしたら、しっかり上を取って殴る。それを続けてバックまでいければいいかなという攻め方をすると思ったんです。でもそれが出たのが5Rの最後の最後だったんですよね」

――もしそういう展開になるなら、前半にウマルがクリーンテイクダウンやトップキープに成功して、後半はそれが出来ずに逃げ切るという展開を予想していたので、完全に真逆の試合展開でした。

「序盤は打撃で劣勢だったのに、試合が進むに連れてウマルペースになっていって、3R以降は打撃もウマルの方が当てるようになっていましたからね」

――組みの選手が崩れてかねない展開のなか、自分のペースに持っていくのは普通じゃないですよね。

「はい。事前の予想にはなかった動き、スクランブルの攻防を見せたり、タックルの種類を変えたり。試合中にそれを変えられる器用さを見ることが出来て、対戦相手からするとかなり厄介だと思います」

――一本勝ちじゃなかったからこそ、ウマルの強さが見えた試合でしたか。

「まさにウマルのMMAの奥深さですよね。最後はサンドハーゲンの方が消耗していたように見えたし、最後はややサンドハーゲンの心が折れたというか。5Rのテイクダウンの攻防で背中をついてしまって、あそこで勝負がありだったかなと思います」

――9.14NOCHE UFC 306ではショーン・オマリーとマラブ・デヴァリシビリのタイトルマッチが組まれていて。おそらくウマルは次期挑戦者になると思われます(取材は9月9日に行われた)

「5Rマッチをやったというのは、タイトル挑戦が近い証拠ですよね。マラブとオマリーがどういう結果と内容になるかによりますけど……もしオマリーがマラブにテイクダウンを許さずに打撃で勝っちゃったら、ウマルはオマリーをどう攻略するんだろう?と思いますし、逆にマラブがオマリーに勝ってウマルとやることになったら、僕好みの試合になると思いますね(笑)」

――ぜひどちらとも戦ってもらいたいと思うところですが(笑)、改めて今回の試合は5Rの面白さ、5Rで勝つために必要なものが見えた試合でもあったと思います。

「そうですね。たらればになってしまいますが、もし3Rだったらサンドハーゲンが勝つ可能性もなくはないんですよね。ジャッジ1名は50-45で全ラウンドをウマルにつけていましたけど、残り2名のジャッジは1・2Rでポイントが割れているので、そう考えるとジャッジによってはサンドヘイゲンが1・2Rを取っていた可能性もあったわけで。だからこの試合は5Rマッチの面白さ、5Rマッチでのウマルの強さが出た試合だったと思います」

――3Rだったら勢いで誤魔化せるものが、5Rでは誤魔化せない。技術がめくれていくというか、そういう印象があります。

「だからタイトル挑戦に近い選手が5Rでやるというのは本当に意味があることだと思います。3Rだったら持っている武器の数が限られていても、その武器をバーン!とぶつける勝負に持ち込めば十分に勝機があるとと思うんです。でも5Rになるとそういう訳にはいかない。こんな武器も持っている、あんな武器も持っているというのが求められるし、駆け引きの上手さも必要ですよね。僕も5Rの試合をやったことがありますけど、めちゃくちゃキツイですからね」

――それがチャンピオンやタイトルマッチには求められるということですね。

「3Rから5Rに変わると、短距離走が短距離走じゃなくなっちゃう感じですよね。3Rだったら全力ダッシュして1・2Rを取っちゃえば、3Rはフィニッシュされなければ勝ちに持っていけますが、5Rだと3・4・5Rで挽回されると逆転負けになっちゃいますからね。あとは5Rフルで行き続けるのは難しいので、どこで休むか。それこそハビブは1~3Rを取ったら少し休むとか、そういう試合の作り方をしていたので、5Rは5Rにしかない面白さがあるので、ぜひそういう部分にも注目してもらいたいです」

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AB Gladiator Gladiator Challenger Series02 Gladiator027 MMA MMAPLANET o ONE ROAD FC UFC UFC ABC07   アドニス・セビジェーノ オトゴンバートル・ボルドバートル ガントゥルム・バヤンドォーレン ジャダンバ・ナラントンガラグ ダギースレン・チャグナードルジ パク・ヒョンソン ボクシング 中村倫也 海外 荒井順一 長谷川賢 食事

【A Memorial Writing】追悼文、モンゴルと日本MMA界の架け橋。荒井順一さんを偲んで

【写真】7月7日GLADIATORの打ち上げの席。左からマーク・サンジャオ、筆者、荒井さん、アドニス・セビジェーノ。右列は前から2人目がオトゴンバートル、ダギースレン、トンガー、そしてUFCフライ級ファイターのパク・ヒョンソン。写真を撮ってくれたのはマーク・サンジャオ夫人 (C)MARK SANGIAO

「些細なことで恐縮ですが、『シャンダス×ラカイ対決は、エンフオルギルがブーミナアンを下し通算対戦成績を6勝0敗に』と書かれていますが、正確には7勝0敗です。(記事を修正して欲しいということではありません)

シャンダスの選手で初めてチーム・ラカイの選手と戦ったのはバットゲレルで、2012年3月30日のLegend FC 8でJasor Ablasiという選手と試合をしました。本当に些細なことで申し訳ありません」

日曜日の朝8時前、LINEにモンゴルの荒井さんからメッセージが入った。「いえ。ありがとうございます。記事も修正させて頂きます」と返信をしたのだが、実際に書き直し終わったのは午前10時11分だった。

言い訳がましいが、この日は午前1時からUFC ABC07の速報があり、メインの記事をアップし終わったのが午前7時22分。直ぐにベッドに潜りこみ、約30分後に荒井さんからのメッセージの着信音で一瞬目が覚め、返信こそしたが──そのまま眠りに落ちた。

3時間後に起きて、記事を訂正したとき「ああ、あの香港の大会で荒井さんに会っていたな」と思い出した。

自分が初めて荒井さんにお会いしたのは、その1年4カ月ほど前の2010年の12月30日だった。

戦極のリングで横田一則を破ったジャダンバ・ナラントンガラグを見て、インタビューを申し込むことを決めた。しかも、大会終了後からホテルに戻るまでの時間に。加えてやけにナラントンガラグがオーバーフックを使うことに興味を持ち、『モンゴル相撲流MMAで使えるテイクダウン』という技術モノまでリクエストをすると、試合後にも関わらず控室で
実践してくれたナラントンガラグは「これから、自分のことはトンガーと呼んでください」と笑顔を見せていた。

この時、通訳をしてくれたのが荒井順一さんだった。主催者が雇った通訳の方ばかりだと思っていたのだが、モンゴル在住でトンガーの格闘技の先生だという。荒井さんが昭和の日本人気質の持ち主であることは、訳をして下った時の単語の選択や言い回し、なにより取材以外での佇まいからすぐに分かった。

その後、上に記したLegend FCの香港大会、2013年4月に同じくLegend FCのマレーシア大会。2014年8月のドバイでの再開以降はトンガーがONEで戦うのに伴って、2015年11月のシンガポール、2018年7月のクアラルンプール、2019年4月のマニラとほぼ年に1度の割合で荒井さんとは顔を合わせていた。

また日本に来日したモンゴル人選手のインタビューのために、メッセンジャーで通訳をしたくれたこともある。

より荒井さんと言葉を交わすようになったのは、意外にもコロナ禍になってからだ。現地取材ができない期間に、MMA界にリモート取材という新たな慣例が設けられるようになった。

この頃になるとトンガーはトンガーで自分の道場を持ち、荒井さんもイレードゥイMMAクラブという自らの城を構えるようになっていた。イレードゥイで育ちONE Warrior SeriesからONE本戦出場を決めたプレウ・オトゴンジャガルのリモート取材も当然のように荒井さんがサポートをしてくれた。

さらに2022年の秋に長谷川賢から「日本人を強くしたい。その一環としてGLADIATORに日本人選手と切磋琢磨できる外国勢を招聘したい」と相談され、荒井さんを紹介した。2023年1月、ウランバートルの各ジムを回りトライアウト的に練習を視察する長谷川を同行取材した。この時、初めて荒井さんと、彼が生活拠点を置く国で会う機会が訪れた。

以降、GLADIATORにはモンゴル人ファイターは継続参戦し、プレビューインタビューの際には通訳ばかりか、現地で携帯を使って煽り映像の撮影まで荒井さんは助けてくれた。

去年の5月には中村倫也とモンゴルを訪れ、MMAジムだけでなくモンゴル相撲の技術交流などの動画も制作できた。1日に3カ所も回り、それぞれのジムで所属トップ選手が集まり、学校施設に行ってモンゴル相撲の練習に参加できたのも、昭和の男・荒井さんがいてくれたからだ。

いつ何時、どこであろうが下ネタ三昧の自分も、荒井さんの前だけはそ禁句だった。話題はMMA。強くなることもそうだが、人間として正しく導く。それが荒井さんのファイターとの付き合い方だった。冬は氷点下30度になるウランバートルで生きる荒井さんは、自分のようなおちゃらけた雰囲気は一切なく、必要なこと以外は口にしない人だった。

先月の7日、GLADIATOR027にシャンダスMMAからダギースレン・チャグナードルジとオトゴンバートル・ボルドバートルが来日した際、トンガーが「先生、セコンドは2名です。久しぶりに先生と日本に行きたい」と声掛けし、荒井さんが大阪にやってきた。日本で荒井さんに会うのは、トンガーの初インタビュー以来、13年と7カ月振りだった。

昨年8月に荒井さんは一番弟子のプレウを亡くし、ひどく意気消沈していた。今年の6月にウランバートルを訪れた時も「今でもプレウの試合を見ることができないんです。彼のことを思い出すと……」と涙ぐむこともあった。

「だからトンガーが太り過ぎていて、心配で。モンゴルの食事は塩分が多く、動物性たんぱく質と糖質ばかりなので。ヒザが悪くて運動ができないから、酒を控えさせないといけないです」と話していた荒井さんだが、GLADIATOR終了後の打ち上げの席で珍しく砕けた表情を見せ、雄弁に色々と話しをしていた。

とはいっても戦い終わってノーサイド的なシャンダムMMA勢とチーム・ラカイ然の間を取り持ち、モンゴル語と英語のやり取りをずっと続けていたようなものだが、その表情は心の底から嬉しそうだった。

もうそろそろお開きだという頃になってトンガー、荒井さん、自分、そしてマーク・サンジャオが4人で何度もジョッキにビールを注ぎ、一気飲みをした。そう、これぞ昭和の男の酒の飲み方だ。

翌朝、朝の8時前に新幹線に乗り帰京中に「今、我々は関空で飛行機を待っているところです。試合前は関係者、特に相手陣営と話すことは余りありませんので、昨日のような打ち上げは関係者や相手陣営と話せる良い機会でした。また、高島さんとも再会でき、今回の日本滞在は有意義なものでした」という連絡が入った。

その4日後にはGLADIATOR Challenger Series02に来日したモンゴル勢の奮闘ぶりで連絡を取り合った。それからも韓国籍を取ったナンディンエルデンがボクシングの試合に出てKO負けをしたことで「彼が8月31日にRoad FCの試合に出るのは危ないです」と格闘技の安全面に対する意識の低さを指摘する──らしいメッセージが届き、意見交換をさせてもらった。

7月28日には去年の1月にONEのグラップリングでマキシー・ムスメシと対戦し、ヒールにタップをせず、大けがを負ったガントゥルム・バヤンドォーレンが8月10日に中国で試合をすることを教えてくれた。その際の連絡では「ONEとの契約は大丈夫ですかね。何もなければ良いのですが。試合を組めないのであれば団体はリリースすべきだし、選手も契約書にしっかりと目を通さないといけないです」とファイターを心配しつつ、自覚することを促す学校の先生のような言葉で締めくくられていた。

冒頭にあった日曜日のLINEでのやりとり──自分の最後のメッセージが既読になったのは、まさに記事をアップした午前10時11分、モンゴルでは朝の9時11分のことだ。

その3時間後に、荒井さんは亡くなった……。FBに荒井さんの死を投稿したトンガーから、わざわざ日本語でその詳細を教えてくれる連絡が入った。

「高島さん……高島さんに、こんなに悲しいお知らせをする自分を許してください」という言葉と共に。

なんでなん? なんで? こないだ──一緒に酒を飲んで、笑って──初めて、俺の下ネタも聞いてくれたやん!

荒井さん!! おかしいって。そんなにプレウとミット打ちがしたかったんか?  もう50代も半ばの同い年のオッサンを、ここまで泣かせてどういうつもりやねん。

でも、何も嬉しくはないが最後の連絡がシャンダスとラカイの通算成績の訂正だったのは、いかにも荒井さんらしい。

日本語表記が難しいモンゴル人ファイター達、MMAPLANETは荒井さんがいてくれたから、どこよりも正確なカタナカ表記に出来ているはず。でも、これからはどうすんねん……なんて言わないようにする。トンガーが「先生のためにも、モンゴルの選手が強くなれるよう尽くします」と言ってくれたように、悲しむだけ悲しんで前を向くから。

今、自分の手元には今月からMMAPLANETで書いていこうと思っていた「アジアの猛者」達のインタビュー素材が10人分ほどある。モンゴル人選手の通訳をしてくれたのは、荒井さんだ。これが荒井さんとの最後の共同作業──渾身の力で書く。

教師のような荒井さんと、任侠の親分のようなトンガー。2人との出会い、この縁を忘れずに──チンギス・ハンの末裔が世界に出ていく姿を、自分は追いたいと思う。

荒井さん、あなたの思い描いたモンゴルのMMA界の成長、モンゴル人ファイターの海外進出が少しでも現実に近づくように、自分も協力させてもらいます。これまで、本当にありがとうございました。
Text by Manabu Takashima

追伸
荒井さん、訂正した記事──読んでくれていたかな。

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【UFC ABC07】蹴り足キャッチ、ダブル、シングル~バック奪取のウマル・ヌルマゴがサンドハーゲンに快勝

<バンタム級/5分5R>
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)
Def.3-0:50-45.49-46.49-46
コリー・サンドハーゲン(米国)

左右に回るウマルを追うサンドハーゲンが、ローを蹴る。左ローを返したウマルはシングルレッグ、ハイクロッチから一気にバックに回る。足のフックは諦めたウマル、すぐにサンドハーゲンが胸を合わせて離れる。左ストレートを入れたウマルだが、直後にサンドハーゲンが右カーフを蹴り、右ストレートから左ローを続ける。ウマルは蹴りからシングルレッグに出るが、サンドハーゲンがしっかりと対応する。

スイッチして左前蹴りのサンドハーゲンが、構えを変えて足への蹴りを続ける、右を伸ばした際にバランスを崩したウマルは、ジャブを当てて前足を蹴られる。互いに右を軽く当て、サンドハーゲンがカーフからジャブを入れる。スイッチして右ミドルを蹴ったサンドハーゲンは、残り20秒でダブルレッグでテイクダウンを奪われスクランブルでバックを許す。前転についていったウマルは、ツイスターを狙う素振りを見せたが時間に。

2R、ウマルが左ミドル、カーフのサンドハーゲンがシングルレッグを仕掛ける。頭を押しい、ヒザをつけたサンドハーゲンのワキを潜ってオマルがバックに回る。サンドハーゲンは胸を合わせて離れると、左ジャブをヒット。左リードフックも当てたサンドハーゲンは、オーソで構えた時に左がよく当てるようになる。テイクダウンに帰結するパンチを伸ばすウマルは右ミドルを捌いて、左ローを蹴る。

サンドハーゲンが踏込み、頭が下がるとすかさず左ハイを狙ったウマル。ダブルジャブのサンドハーゲンは右の蹴りを掴まれ、またもバックを取られる。トラックポジションからRNCを狙ったウマルは右手をも制しているが、ここはリリースし真後ろを取りに行く。腹ばいになりながら立ち上がったサンドハーゲン、ウマルは大外刈りに加えて手で足を取りに行ってテイクダウンへ。両者がすぐに立ち上がり、2Rが終わった。

3R、構えをかえてジグザクのステップも駆使するサンドハーゲンは、左ミドルから右カーフを蹴る。サンドハーゲンは左で腹、右で左足を蹴っていく。ウマルも左ローを返し、組めるタイミングを測っているか。互いに動きは途切れないが、手数が減るなか──ウマルが蹴り足を掴んでバックに。サンドハーゲンはここもすぐに胸を合わせて離れる。サンドハーゲンの左ハイをスウェイでかわしたウマルは、前足でハイを蹴る。サンドハーゲンは飛びヒザも距離が合わず、ウマルは残り20秒になるとまたも蹴り足をキャッチしてバックに。サンドハーゲンの前転にも後ろについたままラウンド終了を迎えた。

4R、サンドハーゲンが前に出ると、ウマルが軽くハイキックを入れる。下がらないサンドハーゲンは、これまでもより近い距離で打撃を出そうとしているか。足を使って圧から逃れようとするウマルに対し、サンドハーゲンが前に出続ける。ウマルも左を伸ばすが、パンチはさほど重くない。それでもワンツーをウマルが伸ばすが、サンドハーゲンはさらに圧を掛けて前に出る。カウンターを受けても、オーバーハンドが顔面をかすめてもサンドハーゲンは前に出る。そして左フック、右アッパーを打って行くと、ウマルもショートのコンビを打ち返す。

続くワンツーからスリーをガードしたサンドハーゲンが右カーフ。この回も残り30秒になると、ダブルレッグからウマルがバックに回る。この試合で2度、3度と見せた前転も、サンドハーゲンは背中を取られたままで4Rを戦い終えた。

5R、打撃の鍔迫り合いがここまでの20分と同じように続き、サンドハーゲンがシングルレッグを仕掛けて切られる。ボディを殴り合い、サンドハーゲンが再びシングルレッグへ、切られた直後に、同じ踏込みでワンツーを狙ったサンドハーゲンだが、クリーンヒットはしない。残り2分半、ウマルはシングルからバックに回り、寝技に持ち込むとサンドハーゲンがクローズドガードを取る。スクランブルでバックに回ったウマルはサンドハーゲンの前転も、これまでと同様に対処しトップを取り切る。ガードの中で最後の10秒を過ごし、試合終了のホーンがなる直前にラッシュを掛けようとしたウマルが、3-0でサンドハーゲンを破りデビュー以来の連勝を17に伸ばした。

「全てのラウンドでテイクダウンを狙っていたけど、ディフェンスが上手かった。自分の力を信じて戦った。次? タイトルショットだ。誰が相手でも構わない。戦いたいのはタイトルショットだ」とウマル・ヌルマゴメドフは話した。


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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC07 キック シャラブジン・マゴメドフ ミハウ・オレキシェイジュク

【UFC ABC07】マゴメドフが多彩な打撃でオレキシェイジュクを翻弄。判定勝利で無敗記録を14に伸ばす

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

サウスポーのオレキシェイジュクに対し、マゴメドフが左のアウトローを蹴る。オレキシェイジュクがパンチで前に出てくると右とサイドキック。アウトローに左を伸ばす、バランス崩すけどすぐ立つ。

オレキシェイジュクが右フック、左ストレート。マゴメドフも右ストレートを当ててインロー、サイドキックとインロー、右のヒザ蹴り、アウトローと蹴りで試合を組み立てる。オレキシェイジュクは左ストレートで前に出るが、マゴメドフは右ストレートを返して、右ヒジとヒザ蹴りを合わせる。マゴメドフはサークリングして左フック。オレキシェイジュクはインローと左ストレートで前に出る。

マゴメドフは右のヒザ蹴りと左のサイドキック。オレキシェイジュクが左ストレートで入ってくるところに右ミドルと右ハイ、右ミドルでボディを狙う。オレキシェイジュクは変わらず左ストレートで出ていくが、マゴメドフが右のヒザ蹴りを合わせて、組みになっても距離を取る。

その後もマゴメドフが突っ込むオレキシェイジュクに右ヒジ、サイドキック、スピニングバックフィスト、ヒザ蹴りを合わせる。さらに左にサークリングして左フックを返し、インローと右ハイ。顔面にサイドキックも突き刺す。オレキシェイジュクは左フック。マゴメドフはヒザ蹴りとヒジ、右ボディストレート、サークリングして顔面にサイドキックを蹴る。

2R、マゴメドフは右ミドルと左ロー、オレキシェイジュクが前に出るとヒザ蹴りを突き上げる。オレキシェイジュクが左ストレートを打つと、マゴメドフは左に回り込みながら左フックを返す。さらにマゴメドフは左ヒジ、スーパーマンパンチ、組みつくオレキシェイジュクだが、マゴメドフは離れる。マゴメドフは左フックを当ててワンツー。これでオレキシェイジュクの足を止めてインロー、右ボディストレートと攻撃を散らす。

完全にオレキシェイジュクを見切ったマゴメドフはオレキシェイジュクの前進に合わせて左フック、タイミングよく右ストレートを突き刺す。さらにマゴメドフは右ストレートをボディにも散らして、サイドキックも蹴って、右ストレートのフェイントから右ハイ、インロー、右のスーパーマンパンチ、首相撲からヒザ蹴りを突き刺す。オレキシェイジュクは左ストレートで出続けるが当たらない。マゴメドフが左フック、右の打ち下ろし、右ハイキック。オレキシェイジュクはこの蹴り足ををキャッチしてテイクダウンしてバックにつくが、時間がなくRNCの形までは作れない。

3R、マゴメドフは変わらず左に回って左フック、右のヒザ蹴り、右ストレート、左のサイドキック。ジャブとサイドキックでオレキシェイジュクの前進を止め、オレキシェイジュクのインローに右ストレートを合わせる。距離が開くとマゴメドフは右ミドルを蹴って、距離が詰まるとヒザ蹴り、サイドキックで突き放す。オレキシェイジュクは前には出るが攻撃が短調で距離を詰められない。左フックも空振りに終わる。

逆にマゴメドフは首相撲からヒザ蹴り、顔面にサイドキック、右のボディストレート、右ミドル、右ヒジ。サイドキックで止めてヒザ蹴り、左ハイと手数も増やす。続く右ハイをキャッチされてテイクダウンを許すが、ケージを使って立ち上がる。

オレキシェイジュクは四つからシングルレッグ。もう一度四つで組んで、ダブルレッグに入る。これを切ったマゴメドフが切ってすぐに左ヒジ。残り1分でオレキシェイジュクがシングルレッグでテイクダウンを奪うが、マゴメドフは下から殴ってオレキシェイジュクをクローズドガードに入れると、下からヒジを何発も入れる。オレキシェイジュクもパンチを落とすが、有効打がないまま試合終了となった。マゴメドフが打撃でシャラブジン・マゴメドフを圧倒して判定勝利。MMA無敗記録を14に伸ばした。


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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC07 キック ショーン・オマリー デイヴィソン・フィゲイレド マラブ・デヴァリシビリ マルロン・ヴェラ

【UFC ABC07】元世界フライ級王者フィゲイレドが、チート・ヴェラを破りタイトル挑戦をアピール

<バンタム級/5分3R>
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
マルロン・ヴェラ(エクアドル)

上体を反らしたような構えで、まず右カーフを蹴ったフィゲイレド。ヴェラもカーフを蹴り返し、フィゲイレドも続ける。ヴェラは前蹴り、フィゲイレドが右ミドルを蹴りの応酬から拳の交換へ。フィゲイレドの右とヴェラの左が交錯する。打撃戦の空気を創ったフィゲイレドは、ダブルレッグで一気にテイクダウンをきめる。ヴェラはクローズドガードを取り、手首を掴んで殴らせない。フィゲイレドは振り払って鉄槌を落とし、ヴェラは下からエルボーを繰り出す。起き上ったフィゲイレドは蹴り上げを受けたタイミングで、担ぎパスを仕掛ける。背中をみせつつ立ち上がったヴェラ。試合はスタンドに戻った。

残り1分、フィゲイレドが右カーフを蹴り、一瞬のスイッチを見せる。ヴェラは前に出てジャブ、走り込んでヒザ蹴りもフィゲイレドがテイクダウンを合わせてトップを奪取。エルボーを落として立ち上がると、スタンプが顔面をかすめヴェラが抗議した。

2R、右カーフから右ミドルを蹴ったフィゲイレドに対し、ヴェラがインロー。フィゲイレドはカウンターを合わせる。ヴェラが右ハイを蹴り、フィゲイレドは軸足を取りに行く。離れたフィゲイレドが左ミドル、続くダブルは切られるが右を打っていく。左ストレートにダブルレッグを仕掛けられたヴェラは、これを切ると左ミドルを入れる。フィゲイレドが右ボディショットを返し、シングルレッグへ、突き放してミドルを蹴ったフィゲイレドが、右オーバーハンド。ヴェラは右カーフを蹴り、ジャブを伸ばす。

フィゲイレドは左ボディから右カーフ、ヴェラはカーフを返す。右アッパーをガードしたヴェラは、ステップインにジャブを合わせようとする。自らも踏み込んで左フックを入れたヴェラが、最後に距離を詰めて左ボディを決めた。

最終回、すぐにダブルレッグを仕掛けたフィゲイレドは、これを切られたが直後にシングルレッグでケージまでドライブする。それでも倒せずエルボーを入れて離れると、ワンツーを放つ。肩口へのミドルハイを蹴ったフィゲイレドが、ステップインからボディ、そして顔面を打って行く。ヴェラも動くが、インパクトのある攻撃はフィゲイレドが多い。と、残り3分を切り、右でダウンを奪ったフィゲイレドは立ち上がったヴェラに圧を掛けて、右を入れる。ヴェラはボディを返す。

フィゲイレドも右ボディを打ち込み、カーフへ。ヴェラの左は外れ、フィゲイレドがヒザをボディに突き刺す。ダブルレッグを切ったヴェラは、ジャブで前に出てスピニングバックキックを繰り出す。フェラはスイッチして右ヒザを顔面に届かせ、ボディショット。フィゲイレドもパンチを返すが、ここはヴェラが優勢だ。残り時間も10秒を切り、ヴェラはヒザの空振りでバランスを崩し、尻もちをついた。

初回はテイクダウン&トップ✖2度でフィゲイレド。2Rはヴェラが返し、3Rはフィゲイレドがダウンを奪っている。結果、フルマークをつけたジャッジも1人おり、フィゲイレドが3-0で勝利。ショーン・オマリー✖マラブ・デヴァリシビリ戦の勝者への挑戦をアピールした。

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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC07 トニー・ファーガソン

【UFC ABC07】キエーザに一本負けのファーガソン「リタイアしたくない。でも他で戦うつもりもない」

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・キエーザ(米国)
Def.1R3分44秒 by RNC
トニー・ファーガソン(米国)

サウスポー同士の両者、互いに右手で距離を測る展開が続く。キエーザがジャブと右ミドル、左ストレートを伸ばす。ファーガソンも左ローを蹴り返し、前に出て左ストレートを打つ。キエーザは左ストレートから右フック。このコンビネーションを繰り返し、ジャブを突いて距離を取る。

じわじわと前に出るファーガソンに対し、キエーザが左ストレートから飛び込んで右フック。キエーザは自分の距離をキープして、離れたところからパンチで飛び込む。ファーガソンも左ストレートを返すが、それに合わせて組んだキエーザがスタンドのままバックへ。ファーガソンの体を持ち上げてテイクダウンすると、すぐに両足をフック→RNCを極めてファーガソンからタップを奪った。

試合後、敗れたファーガソンはMMAグローブを片方だけ外し「リタイアしたくない。本当にしたくないんだ。でもUFCを愛している。他のところで戦うつもりはない。グローブは一つを置くことにする。もう一つは、万が一のための持っておく。家に戻ってワイフと話し、子供を抱きしめる」と話してケージを後にした。


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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC07 マッケンジー・ダーン ルピタ・ゴディネス

【UFC ABC07】激しい打撃戦からTD&スクランブル。マッケンジーがゴディネスに競り勝つ

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

すぐにジャブを打ち合った両者。ともに前に出て、積極的に手を出す。リードフックのゴディネスに対し、ジャブのマッケンジーは蹴りも織り交ぜて戦う。そのローをすくってテイクダウンを奪ったゴディネスは、寝技が続かないようすぐに離れる。ゴディネスはダブルレッグを切って、がぶりからヒザ&パンチをヒットさせる。さらにワンツーを被弾したマッケンジーはワンツーに左を合わされる。

パンチの応酬のなかで組んだマッケンジーが、払い腰で投げてマウントを取る。ブリッジを潰してマウントをキープするマッケンジーは、ゴディネスのブリッジに合わせて腕十字をセットする。下になり十字を仕掛けながら鉄槌を連打も、十字を諦めてクローズドガードに戻る。上から殴ろうとすとゴディネス──ここで時間となった。

2R、いきなりの打ち合いのなかでアッパーを狙ったマッケンジーは、クリンチからジャンピングガ―ドへ。すぐに着地したところでゴディネスが離れる。ゴディネスはガードで顔を固めて左フック。ジャブの差し合いから、マッケンジーが右を当てる。ステップインにカウンターを入れたゴディネスは、ハイをガードして左を打ち込む。そのゴディネスは左ミドルをキャッチされるが、足を引き抜いてテイクダウンを許さない。

続いて蹴りにカウンターを当て、マッケンジーに尻もちをつかせたゴディネスは、寝技を避けてスタンドで待つ。立ち上がったマッケンジーは右をヒットさせるが、被弾する数も多い。それでもマッケンジーはワンツーを決め、さらにゴディネスの前進に右を決める。と、残り40秒でゴディネスがダブルレッグでテイクダウン。スクランブルもスタンドで肩固めを仕掛け、ヒザを入れたゴディネスがラウンドを取り返した。

最終回、ワンツーのマッケンジーに対し、左フックをゴディネスが当てる。さらに蹴りに左を合わせてボディストレート。マッケンジーはバックステップする時に体が伸び、そこにパンチを狙われている。ジャブの差し合いでもリードするゴディネスだが、マッケンジーはアッパーを入れ、ダブルジャブからダブルレッグ。リフトして落とすと、サイドで抑える。尻を抜いてスクランブルの狙いのゴディネスを潰したマッケンジーは、足関節を防ぐ。

このタイミングでゴディネスは立ち上がり、試合はスタンドへ戻る。左フックの連打で前に出るゴディネス。マッケンジーはワンツーからスリーを打っていく。ゴディネスの左リードフック、ジャブがマッケンジーの顔面を捕える。カーフを蹴ったマッケンジーは組まれると体を入れ替えてケージにゴディネスを押し込む。ヒザを蹴り合い、離れた両者。残り10秒でゴディネスがダブルレッグからクリンチへ、マッケンジーはパンチを2発入れて突き放そうとしたところでタイムアップを迎えた。

結果、ジャッジ3者とも29-28でマッケンジーを支持──「ルピタはタフで、毎回強くなっている。テイクダウンして柔術をしたかったけど、パンチが多くなってしまった。彼女がグラウンド、スクランブルが強いことも知っていたしプッシュし続けた」とマイクで話した。


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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC07 エルビス・ブレネウ ヨエル・アルバレス

【UFC ABC07】ヨエル・アルバレスが鋭い打撃でブレネウを圧倒。3Rにヒザ蹴りを効かせてパウンドアウト

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
Def.3R3分36秒 by TKO
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

ブレネウが広いスタンスからインロー、ジャブと左フックで前に出る。アルバレスは左を伸ばし、ブレネウの蹴りに右ストレートを合わせる。じりじりと前に出るアルバレスがジャブを突き、ブレネウはケージ内をサークリングしてインローを蹴る。アルバレスはジャブと左フック、ブレネウのインローに右ストレートを狙う。アルバレスはブレネウにケージを背負わせて右ストレートを打ち込み、ブレネウの頭が下がったところでギロチンへ。ブレネウはアルバレスの体を投げるようにしてディフェンスする。

すぐに前に出るアルバレスが右ハイからワンチー。ブレネウが両差しで組んでバックを狙うが、アルバレスが左手で小手を巻いて投げを狙いながら距離を取る。試合がスタンドに戻るとブレネウが左フックを打つが空を切る。アルバレスが左ボディを打ち込んで右カーフ、右ボディストレート、右ハイ。組みついてバックを狙いながら、ブレネウが正対すると首相撲からヒザ蹴りを入れる。ブレネウが足を取ろうとするが、それを潰してダースチョークを狙った。

2R、ブレネウがパンチから左ミドルを蹴る。アルバレスがジャブのプレッシャーをかけ、ブレネウは左フックとボディブローを返す。アルバレスは右の前蹴りからワンツー、ジャブをボディに伸ばして、左ボディと右ボディストレート。ブレネウが前に出てくると右フックをかぶせ、ブレネウのローに左フックを合わせる。

ブレネウが左ミドルを蹴ると、アルバレスが細かくジャブを当てる。ブレネウは左ボディと左フック、そこからアルバレスの左足にシングルレッグに入ると、アルバレスは左手で小手を巻いて投げを狙いながら離れる。試合がスタンドに戻るとアルバレスが右ボディストレート、ブレネウは左ミドルを蹴る。前に出るアルバレスがジャブをボディと顔に打ち分けて、右カーフを蹴る。

ブレネウがインロー、スイッチして左右フックを放つと、アルバレスは右ストレートを返し、右ボディ・右ハイとつなげる。打撃の攻防が続く中、アルバレスがジャブから右ロー、右ハイ。ブレネウが飛びヒザ蹴りを狙うが当たらない。

3R、アルバレスがジャブで前に出て、ブレネウの蹴りに右ストレートを狙う。サウスポーに構えるブレネウが左で前に出ると、アルバレスが右を打ち返す。距離が詰まるとアルバレスが右ボディ、ブレネウはスピニングバックフィストも狙うが当たらない。

逆にアルバレスは右ハイを2連発して、インローに右ストレートを合わせる。ブレネウが右フックを強振するが、アルバレスが左フックを合わせる。ブレネウは左をボディに振って右フック、アルバレスは右ローを蹴る。ブレネウはジャブ・左フックで前に出ていくがアルバレスが左フックを効かせると、ガードを固めるブレネウにアッパーを打ち込んで、首相撲からヒザ蹴りを連打する。

ブレネウが距離を取ろうとするが、すぐに首相撲に捉えてブレネウのアームブロックの上からヒザ蹴りを突き刺す。ここからアルバレスはがぶってヒザ蹴りを連打し、たまらずブレネウが亀になったところにパウンドをまとめてレフェリーストップを呼び込んだ。


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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC ABC07 カウエ・フェルナンジス キック モハメド・ヤヒア

【UFC ABC07】フェルナンジスが強烈カーフから、ワンツーフックでご当地ファイター=ヤヒアを沈める

<ライト級/5分3R>
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)
Def.1R4分45秒by KO
モハメド・ヤヒア(UAE)

ご当地ファイターのヤヒアは+300のアンダードッグ。まずフェルナンジスが右カーフを蹴る。カーフを続けるフェルナンジスにジャブを伸ばすヤヒアだが、左リードフックを被弾。ワイドスタンスで右カーフを多用するフェルナンジスがステップインしてワンツーの右をヒットする。さらにカーフを蹴り、ヤヒアはなかなか踏み込むことができない。フェルナンジスは前蹴りからカーフを効かせると、ヤヒアが構えを一瞬変える。前蹴りからカーフ、ロングのワンツーを振るうフェルナンジスは右をヒットし、右カーフを蹴り込む。

ヤヒアはサウスポーで構えるが、ワンツーを受けそうになりオーソに戻す。そこで前足を蹴るフェルナンジスが右ハイ──も空振りに。ヤヒアは前に出ようとして右フックを打ち込まれる。ケージを背負うようになったヤヒアだが、カーフに右を合わせる。それでもダメージの方が大きいヤヒアは思い切って左の蹴りを狙った際に、左フック&右フックを打ち抜かれる。最初の左で体の自由が利かない状態になり、右でトドメをさされたヤヒア。

パウンドの追撃でKO勝ちを決めたフェルナンジスは「この試合のためにハードに練習してきたけど、僕はもっとできる。ローキックだけじゃない、他にも良いキックを持っている。自分が何者か証明するために、年内にもう1試合戦いたい」と話した。


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45 AB Report UFC UFC ABC07 シャミル・ガジエフ ドンテイル・メイス ブログ

【UFC ABC07】ガジエフがスタンド&TDともに優位に立ってメイスから判定勝利、再起戦を飾る

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ドンテイル・メイス(米国)

メイスがジャブと左フック、ワンツー、左フックとパンチをまとめる。ガジエフはメイスのインローにワンツーを合わせ、パンチをまとめる。そしてケージを背負ったメイスをダブルレッグでテイクダウンする。メイスの左足を超えてハーフガードでトップキープするガジエフは体を起こして右のパンチを入れ、パスガードを仕掛ける。メイスが左ヒジをついて体を起こそうとすると、ガジエフは右手でメイスを寝かせて細かくパンチを入れる。このままガジエフがトップキープを続け、マウントから肩固めを狙ったところでラウンド終了となった

2R、サウスポーにスイッチしたメイスが左ストレートで前に出る。ガジエフが打ち下ろすような右フックを当て、メイスの足を止める。メイスはオーソドックスに戻して左アッパーを突き上げ、ダブルレッグから組みついてテイクダウンを狙うが、メイスがガジエフのパンツを掴んだとしてレフェリーに注意を受ける。

組みからの離れ際にガジエフが右ヒジを強振。試合がスタンドに戻ると、距離が詰まったところでガジエフがボディへのヒザ蹴り、右ストレートを当てて前に出る。そのままメイスをケージまで押し込むと、テイクダウンを狙いつつ、ボディにヒザ蹴りを入れ、右の縦ヒジを突き刺す。ガジエフは右腕をオーバーフックして、そのままメイスの左手をクラッチ。ヒザ蹴りとヒジ打ちを上手く使って、右腕を差し入れる。メイスは投げも狙うが、ガジエフがメイスをケージに押し込み続けてヒジ・ヒザで削る。

3R、メイスが右の前蹴りと右フック、左アッパーを突き上げる。この左アッパーから右までつなげて前に出る。ガジエフもジャブを当てるが、メイスが左ボディと左フック。これを被弾したガジエフだが両差しで組みつくとテイクダウンを奪って、メイスの右足を超えてハーフガードでトップキープする。ガジエフは細かくパンチを入れ続け、この態勢のまま試合終了。3月のジャイルジーニョ・ホーゼンストライク戦で無敗記録がストップしたガジエフだったが、メイスから判定勝利を収めた。


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