カテゴリー
AB DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS43 MMA MMAPLANET NØRI o RIZIN RIZIN LANDMARK06 Te-a YouTube キック チャンネル ボクシング 万智 修斗 山崎桃子 斎藤 斎藤百瑚 杉本恵 松田亜莉紗 栗山葵 渡辺彩華 藤野恵実 須田萌里

【RIZIN LANDMARK06】渡辺彩華が振り返る─万智戦「修斗で2階級制覇し互いにベルトを巻いて再戦」

【写真】右目が大きく腫れていた渡辺(C)MMAPLANET

10月1日(日)に愛知県名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されたRIZIN LANDMARK06にて、渡辺彩華が万智に判定負けを喫した。
Text by Shojiro Kameike

渡辺にとってはMMAファイターを志すキッカケとなったRIZIN初出場――しかも地元・愛知県で開催された大会だった。敗れたものの激闘を展開した渡辺が試合を振り返るとともに、今後の目標について語ってくれた(※取材は10月16日に行われた)。


――リモートの画面が繋がった瞬間、驚きました。右目の腫れはどうしたのですか。

「右目の眼窩底骨折で入院、手術して昨日退院しました。このタイミングで取材というのは、MMAPLANETさんは持っていますよ。アハハハ」

――笑いごとでは……そんな時にインタビューを受けていただき、ありがとうございます。

「MMAPLANETさんだから、インタビューを受けることにしたんですよ! ……なんて、あえて言っておきます(笑)。万智戦の前から右目は負傷していました。実は試合前のインタビューの時も、右目の調子は良くなかったんです。さらに試合で3Rに左フックをもらってから二重に見えるようになったので、試合後に病院へ行くと『格闘技は引退しますか?』と聞かれて。私は続けたいから手術することになりました」

――えっ!? 驚くことが多すぎて、こちらも頭の中を整理できていません。

「まず試合の2カ月前から右目の異常は感じていて、治療はしていました。まだ万智戦が確定していなかったけど、なんとなく出場の話は来ていて――私としては『地元の愛知県で開催されるRIZINには絶対に出る』と決めていました。相手が誰でも、階級が違っていても関係ない。だから右目の負傷が悪化しないように、スパーリングや激しい練習はしていませんでした。でも、できる限りのことはやっていたので、別に悔いはないです。万智戦は、そんな状況でも頑張ったなぁっていう感じですね(笑)」

――今はそれだけ笑顔で語ることができるなら良かったです。ただ、RIZIN名古屋大会に対しては「負傷していても絶対に出る」という気持ちが大きかったのですね。

「はい。私が無名の頃から応援してくださっている方、スポンサーの方たちは地元の愛知県に多いんです。そういう方たちにできる最大の恩返しって何かといえば、今の私にとっては愛知県で大きなイベントに出場することであって。修斗のベルトを獲ったのが5月で、RIZIN LAMDMARKが10月――スケジュール上はうまくハマるなと考えていました」

――それだけの想いを持って挑んだ万智戦について振り返っていただきたいと思います。まず契約体重が普段のスーパーアトム級ではなくストロー級でしたが、調整には何か影響がありましたか。

「調整は何も問題なくて、試合内容も――今回が初めてMMAの試合になったと思います」

――今回が初めてのMMA、というのは?

「私って今まで、キックボクシングのような試合をしていたんですよ。とにかく殴って蹴ることが中心で。でも今回はストロー級の試合で、万智選手はストロー級の中でもフィジカルが強いほうじゃないですか。その選手に組まれても、意外に対応できたと思います。万智選手の得意なポジションに持ち込まれても冷静に対処できましたから。去年のプロデビュー戦で藤野恵実戦に負けた時よりは、自分の中では手応えを感じています。この1年で成長できているなって思いました」

――敗れたとはいえ渡辺選手のテイクダウンディフェンスや、寝かされても立ち上がる動きが目立っていました。あれほど組まれてもスルッと抜けて離れる、あるいは立ち上がる。それは今までも練習していたことなのか。あるいは万智戦に向けて練習してきたことだったのでしょうか。

「それほど練習で壁に押し込まれることがないんですよ。練習相手から打撃のプレッシャーを感じることが少ないので。もちろん練習だから、相手がテイクダウンのアクションを起こしても、一度こちらがカットしてしまえば続けないですし。

(C)RIZIN FF

ただ、試合では最初から万智選手が組んでくると思っていました。

でも遠い距離で攻めて来たことは誤算でしたね。もっと打撃を散らしながら距離を詰めてくると考えていたけど、遠い距離から左ミドルハイを出して、そこから組みに来たじゃないですか」

――万智選手の蹴りから試合が動きましたね。

「そうなんです。最初は私のパンチに合わせて組みに来ると思っていました。でも万智選手が左ミドルハイを出して、パンチよりも遠い距離から入ってくる。それは私の蹴りの距離でもあり、自分がパンチだけでなく蹴りを出しても入ってくるわけで――組みのプレッシャーがあって1R、2Rはやりづらかったです。

(C)RIZIN FF

もともと万智選手が私の蹴り足を狙っていることは分かっていました。

そこにプラス、私にとっては相手の打撃にも注意しなければいけなくなっていた。そのために私が不利な体勢で組まれてしまい、ケージに押し込まれてしまったということですね」

(C)RIZIN FF

――ケージ際での差し合いではブレイクが掛かりました。

あの状態はブレイク待ちだったのですか。それとも万智選手の組みから抜け出せずにいたらブレイクが掛かった、という状況だったのでしょうか。

「最初は抜け出したかったです。組んでいても、テイクダウンされるほどではないなと感じて。ただ、思っていたよりも万智選手のクラッチが強くて、『どうしようかな……』と考えていたところでした。何もしなかったら印象は悪くなってしまうので、私のほうからアクションは起こす。でもクラッチを切ることができない。だから最後はブレイク待ちでした。結局、1Rは私のやりたい距離で戦えていなかったです。ずっとやりづらさを感じていて――どうしようかな、とインターバル中に考えていました」

――いかにして状況を打開すべきなのか。インターバル中に結論は出たのですか。

「まず『組まれてはいけない』と、それだけでした。テイクダウンされることはないけど、組まれたらクラッチを切ることができないので。そうなると押し込まれて、自分が思っているような試合はできなくなってしまう。私にとって、こういう試合は初めてだったんですよ。打撃戦ではなく、組みの展開でやりたいことをやらせてもらっていない。『どうしよう?』という状態で2Rに入りました」

――2Rに入ると、万智選手が距離を変えてきたのではないですか。

「近い距離から組んでくるようになりました。とにかく、やりづらい。万智選手が目指すのは、寝かせて極めることだったと思うんです。そのために、まずは組む――ということにフォーカスしていて。そのフォーカスに対してブレがなかったんでしょうね。こちらの打撃には一切付き合わずに、とにかく組むという覚悟が強かったような気がします。万智選手って今までの試合を視ても、自分のやりたいことを押し通してくるタイプじゃないですか。1Rと2Rは、そういう万智選手の強さを感じました」

――2Rに入ると、渡辺選手が組まれても離れることができるようになり、徐々に自分の展開に引き込み始めていたのではないでしょうか。

「1Rよりは、だいぶ動けるようになっていました。相手の組みのプレッシャーとテイクダウンのレベルは1Rで把握したので、自分の中でも『これなら大丈夫』という安心感が生まれていたんですよ。だから少しずつ自分がやりたいことを出せていたのが、2Rの前半です。

(C)RIZIN FF

でも2Rの後半に、自分が蹴った時にタイミングが悪くて、そのままコケてしまいました。

もともと組みに関しては、万智選手が得意なのはバックテイクと、その後の展開ですよね。

(C)RIZIN FF

だから組まれてもバックに回られていなければ――という考えはありました。なのに2Rの最後で、上から踏みつけられるとか印象が悪い状態で終わってしまいましたよね」

――結果、2R終了後のインターバルでは……。

「3Rにフィニッシュするしかない、と思いました。修斗のチャンピオンとして出場して、こんなツマラナイ試合で負けたくないし……と」

――ご自身の中では「ツマラナイ試合」だと感じていたのですか。日本女子MMAの歴史を振り返ってみても、プロキャリア4~5戦目の女子選手が、あれだけのMMAを展開するとは考えていなかったです。それだけ予想をはるかに上回る展開でした。

「えー、そうだったんですね。私としては『とにかく3Rは行くしかない』としか考えていなくて。『極められるもんなら極めてみろよ』と。そんな感じで私の気持ちがハイになった時、ファイターとして万智選手の気持ちと交錯したような気がするんですよ。だから私も『来いよ!』ってアピールしたり(笑)

私自身が『ここで行くしかない!』と思った時に、万智選手もテイクダウンに来ることができる覚悟があって――どんな状況になっても、自分のやりたいことを遂行できる。試合が終わって、万智選手に対して『やっぱり皆に評価される選手なんだな』って思いました」

――2-1で万智選手の勝利、という判定結果については?

「判定については妥当だと思いました。むしろ私につくんだと感じたぐらいで。私としては、1Rと2Rはツマラナイ試合でしたし。それでも評価してくれるジャッジがいて、ちょっと嬉しかったです(笑)」

――結果、ゴキブリ呼ばわりしていた万智選手とは気持ちが通じ合えたわけですね。

(C)RIZIN FF

「通じ合えましたけど、嫌いなのは変わらないです」

――えぇっ!?

「みんな試合前はいろいろ言っていても、試合をしたら『ありがとう』って仲良くなったりするじゃないですか。もちろん万智選手に対して『試合してくれて、ありがとう』という気持ちはあります。でも、嫌いなんですよ。試合前と印象は変わりましたけどね。もっとブッ飛んでいる子かと思っていたら、思っていたよりも人間で」

――思っていたよりも人間だった! 凄い表現ですね(苦笑)。

「ファイターとしての強さは感じました。意外と冷静に戦うタイプで、だから――再戦すれば勝てます。やっぱり私の中でラスボス感があるのは、藤野恵実さんで。藤野さんとの再戦までは無敗でいく、というのが私のシンデレラストーリーでした。でも組まれる相手がどんどん強くなっていくなかで、そう簡単にはいかないものだなって思いました」

――藤野選手にラスボス感があるのは、何となく分かります。

「最後に倒すべき相手は藤野さんというのは、万智選手に負けたあとも変わらないです。今、藤野さんは修斗の女子ストロー級インフィニティ・リーグに参戦しているじゃないですか。同じチームの杉本恵さんも出ていますけど、もし藤野さんが優勝したらストロー級で再戦して、勝って2階級制覇したいです」

――今後の修斗での展開にも注目ですね。では改めて万智戦を振り返って、どのような感想をお持ちですか。

「良い試合だったと言ってもらえるのは嬉しいです。お互いにまだ粗いところがあって、その粗さが噛み合ったというか。万智選手は次、DEEP JEWELSのストロー級タイトルマッチが決まっているじゃないですか(23日、松田亜莉紗との同ストロー級暫定王座決定戦に臨む)。そこでベルトを獲ってもらって、私も修斗で2階級制覇したあと――すぐじゃなくて何年かあとに、お互いにベルトを巻いた状態で再戦したいですね」

――それは夢が膨らむストーリーです。

「試合直後にも万智選手に言ったんですよ。『また試合してね』と言ったら、『もうやりたくないです!』って――いやいや、絶対に勝ち逃げさせませんよ。まぁ、再戦で私が勝ったら勝ち逃げしますけど(笑)。再戦で勝った直後に、マイクを握って『万智、仲良くしようぜ!』と言って、1勝1敗でも3度目の対決はしません」

――……実際は万智選手と仲良くなりたいのではないですか(笑)。

「SNSでは『この2人はMMAで出会っていなかったら、仲良くなっているよな』って書かれていました(笑)。いやいや、お互いにMMAやっていなかったら出会っていません!」

――だからこそ、そんな2人が出会えたことがMMAの奇跡なのだと思います。

「たぶん万智選手は、私のことを好きですよ。試合後にSNSでコメントすると、『IGLOOの練習で待っています!』とか送ってくるから、『行かない。嫌い』と返信して。あと試合でもクラッチがメチャクチャ強かったのは、私を抱きしめたかったからじゃないですか。人生で一番ギューッと抱きしめられましたもん。でもね、その気持ちは一方通行の恋で終わります。私は万智選手を嫌いだから!」

■視聴方法(予定)
11月23日(木・祝)
午後12時15分~DEEP チャンネル-YouTube、サムライTV、U-NEXT

■DEEP JEWELS43対戦カード

<DEEP JEWELS暫定ストロー級王座決定戦/5分3R>
松田亜莉紗(日本)
万智(日本)

<49キロ以下契約/5分3R>
須田萌里(日本)
彩綺(日本)

<フライ級/5分2R>
栗山葵(日本)
斎藤百瑚(日本)

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈(日本)
Te-a(日本)

<ミクロ級/5分2R>
NØRI(日本)
斎藤百瑚(日本)

<ミクロ級/5分2R>
山崎桃子(日本)
こゆき(日本)

<フライ級/5分2R>
奥富夕夏(日本)
谷山瞳(日本)

<バンタム級/5分2R>
MANA(日本)
細谷ちーこ(日本)

<無差別級/5分2R>
超弁慶(日本)
ぽちゃん Z(日本)

<グラップリング54キロ契約/5分1R>
横瀬優愛(日本)
あきぴ(日本)

<ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香(日本)
チャッキールビ(日本)

<アマ・50キロ契約/3分2R>
サラ(日本)
横瀬美愛(日本)

<アマ49キロ契約/3分2R>
須田美咲(日本)
槇原未来(日本)

The post 【RIZIN LANDMARK06】渡辺彩華が振り返る─万智戦「修斗で2階級制覇し互いにベルトを巻いて再戦」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA o ONE Te-a UFC  

『UFC 287: Pereira vs. Adesanya 2』の結果を受けて公式サイトがランキングを更新

王様ランキング 16(ビームコミックス)


UFC rankings update: Alex Pereira takes big hit, Kelvin Gastelum soars after UFC 287 in Miami(MMAmania)

 『UFC 287: Pereira vs. Adesanya 2』の結果を受けてUFC公式サイトがメディア投票ランキングを更新。以下、ランキングです。続きを読む・・・
カテゴリー
DEEP MMA MMAPLANET o Te-a パンクラス 栗山葵

【DEEP JEWEL38】組み技進化バージョンの栗山葵が、te-aからフルマークの判定勝ち

【写真】組みが強くなり、打撃にも勢いが出た栗山が快勝した(C)MATSUNAO KOKUBO

<59キロ契約/5分2R>
栗山葵(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
te-a(日本)

サウスポーの栗山が、パンクラスからJEWELSに戻ってte-aと対戦。左フックが入ると、te-aが顔を背ける。もう一発フックを受けて、テイクダウンを狙ったte-aだが切られて、がぶられるとヒザ蹴りを腿、ボディ、頭部に受ける。頭を抜いたte-aが、逆に押し込んでいく。ケージ際で体を入れ替えながら、栗山がヒザを腹に入れていく。te-aはシングルから軸足を払ってテイクダウンも、すぐに栗山が立ち上がる。

クリンチが続いてもヒザを入れ、押し込み返した栗山は投げを潰すが、がぶられる。頭を抜いた栗山が上を固めて払い腰気味でテイクダウン、サイドで抑える。マウント狙いをブリッジで返したte-aが、後方からバックで殴るも栗山も立ち上がって胸を合わせた。

2R、te-aが体から当たるようにテイクダウンを決める。クローズドを取った栗山はスクランブルに持ち込めない。それでもパスに合わせて立ち上がった栗山は、バックに回りブルドックチョークを防ぐ。キムラクラッチを抜かれたte-aは、離れた栗山のパンチを被弾すると頭を下げてしまう。がぶってヒザを連打する栗山がサイドバックへ。te-aは胸を合わせるのでなくキムラへ。ここで離れた栗山は左ローを2発入れ、左ストレートを伸ばす。左ローを蹴られたte-aはダブルを潰され、ここもがぶられる。立って離れた栗山が左ストレート、テイクダウン狙いをしっかりと切ると、te-aがつに引き込む。ハーフで勢いの左を打ち下ろした栗山が、タイムアップまで殴り続け、フルマークの判定勝ちを手にした。

<ミクロ級/5分2R>
ちびさいKYOKA(日本)
ジャカ季美香(日本)


The post 【DEEP JEWEL38】組み技進化バージョンの栗山葵が、te-aからフルマークの判定勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP DEEP JEWELS38 HIME MMA MMAPLANET o RIZIN Te-a   コンバット柔術 サダエ・マヌーフ ブラジリアン柔術 ボクシング 井上智子 古瀬美月 大島沙緒里 村上彩 栗山葵 桐生祐子 海外 竹林愛留 須田萌里

【DEEP JEWELS38】村上彩と再戦、須田萌里─01─「コロナで柔術大会がなくなって、MMAやったら……」

【写真】2004年7月29日生まれ……コロナが彼女の格闘家人生を変えたといっても過言でない(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS38のメインで、須田萌里が村上彩と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在18歳の須田は高校1年生の時にMMAでプロデビューした。結果は2連敗、しかし3戦目から連勝を重ね、わずか2年でジュエルス王者・大島沙緒里と対戦する機会を得ている。王者の前に完敗を喫した大島は、RIZIN出場を経て今回、デビュー戦で敗れている村上との再戦を迎えることとなった。スダコンガのリングネームで知られる父、智行とともに目指す王者への道とは──。


父・智行さんとのグラップリング練習では上を取ると掌底も見られた。コンバット柔術練!!

――須田選手は幼少期からブラジリアン柔術を始めたそうですね。

「小学5年生の時にブラジリアン柔術を始めました。もともとお父さんが格闘技をやっていて、弟のほうが先に柔術をやりたいと言っていたんです。そこでお父さんがジムを開いた影響もあって、私も柔術を始めることになりました」

――お父さんの智行さんは、スダコンガのリングネームでプロMMAの試合にも出場されています。智行さんの格闘技歴を教えていただけますか。

智行 僕はずっとボクシングをやっていて、空手を経験したあとMMAをやりたくなって、まずKFNという格闘技サークルを始めたんですよ。そこからPOWERGATEに出始めて、今のスコーピオンジムに所属して活動するようになりました。

――KFNとは、関西格闘技交流ネットワークのことですか。

智行 そうです。ご存じですか。

――取材で伺ったことはありませんが、2000年代に近畿圏で活動していた格闘技サークルですよね。とても懐かしいです。

智行 当時はmixi(ミクシィ、2000年代に流行したSNS)で仲間を募集して、月に1回ぐらい集まって練習していました。格闘技サークルというレベルでもなく、格闘技サークルごっこという感じでしたけどね(苦笑)。

――関西MMAの黎明期から発展に至る頃に活動されていたかと思いますが、お子さんも格闘技を始めるとは考えていましたか。

智行 何も考えていなかったです。僕は僕で格闘技をやりたいから、やっていた。僕のほうから娘に「格闘技をやりなさい」とか言ったことはないんです。「ちょっとやってみるか」と誘ったり、あとは試合会場へ子供を連れていったことがあるぐらいで。

「私にとっては、『あぁ、やっているなぁ』っていうぐらいで。ただ、お父さんはよく怪我して帰ってきていて、手術することもあったし……格闘技って危ないものなんだなとは思っていました。だから自分もやろうという気にはならなかったです(苦笑)。でも柔術は、あまり怪我をすることはないからと言われて」

――お父さんは試合のたびに怪我をして帰ってくる。その格闘技を娘さんもやろうと言った時の、お母さんの反応は……。

智行 柔術だったらいいよ、っていう感じでしたね。

――それは柔術だったら、という条件ですよね。打撃のある格闘技ではなく。

智行 まぁ、子供を応援していくうちに、感覚は麻痺していくんですよ(笑)。柔術から徐々に、打撃もやるのも慣れていって。今は何でもいいよ、と。

――アハハハ。須田選手ご自身がMMAをやろうと思ったキッカケは何だったのですか。

「もともとMMAをやるつもりはなかったんです。大晦日にテレビで見たり、自分がグラップリングマッチに出た時、MMAの試合も見て『すごいなぁ』と思っていたぐらいで。でも、その頃からコロナの影響で柔術の大会がなくなって、打撃をやってみようかなと思ったんですよね。MMAやったら試合にも出られるやろうし、っていう感じで。

柔術では全日本選手権で優勝することが目標で、それは中2の時に達成しました(2018年JBJJF全日本キッズ柔術選手権 女子ティーン2白/灰/黄帯フェザー級優勝)。そこから連覇するとか、海外の大会に出てみたいと思うこともありました。ただ、当時は私の実力も全然足りなかったし、ムンジアルで優勝したいとか、そこまでは考えられなかったです」

――中学時代に他のスポーツはやっていなかったのですか。

「中学ではバスケ部に入っていました。結構、成績も良かったんですけど、そこで燃え尽きちゃったんです。高校では、これ以上できへんなって。でも柔術は……失礼な言い方になるんですけど、自分はそこまでじゃないのに全日本で優勝できたんです。もっと練習すれば、もっと上に行けるんじゃないか。だから高校生になったら柔術を頑張りたいと思いました」

――子供の頃から格闘技をやっていると動きも違ってきますか。

「小さい頃からやっているので、もう体が覚えているというか……。考える前に体が勝手に動いているんですよね。今はさらに、そこから考えながら体を動かすようになっていて」

――そしてMMAを始めるようになった時点では、どのような目標を持っていましたか。

「高校生の間にプロのチャンピオンと試合できるようになっていたいね――お父さんとそう話をしていました」

――練習メニューや生活もガラリと変わったのではないでしょうか。

智行 その前に社会が変わりましたよね。コロナ禍で学校も休みになったし、ジムのレッスンも止めていました。だからジムも1日中空いていて、使い放題に(苦笑)。だから打撃もイチから仕込もうと。朝から晩まで練習していたな?

「……もうマンツーマンで(苦笑)。朝から走って、5時までジムで練習して。オンラインレッスンを受けたあと、また夜8時まで練習していました。やっぱり最初は打撃も難しかったです。私も覚えが悪いので、アハハハ」

智行 この年齢の時に、それだけしっかり仕込むことができたのは大きいです。1カ月か2カ月ぐらい練習して、『いざMMAに挑戦!!』という感じでしたね。プロデビューは早いかなと思っていました。でも上を目指すためには、少ないチャンスをモノにしていかないといけない。だからオファーを頂いて、『チャンスやからどんどん行け!』 と思ってデビューさせました。

――しかし、プロデビュー戦は今回対戦する村上彩選手に判定負けを喫してしまいました。当初は村上選手と対戦する予定ではなかったのですよね。

「試合前に対戦相手が代わったんですけど、それは相手も同じなので。私は……村上選手が柔術黒帯っていうことにビビっていて、内容も全然ダメでした(苦笑)。試合中に焦ってしまって、セコンドの声も全然聞いていなかったですし」

智行 相手は寝技が強い。MMAやから打撃で行こう、と考えていたんですよ。そこで寝技の勝負に付き合ってしまったのはミスでした。そこはセコンドのミスでもあったんですよ。娘がデビュー戦で、自分のセコンドとしてのレベルも低かったので。プロ2戦目までは、なかなか上手く指示できていなかったと思います。そこから練習方法や作戦の立て方、セコンドの指示も見直しました。

「2戦目まで負けて、3戦目ぐらいからだんだん体も大きくなってきたんで。高校の制服も肩のあたりがパッツンパッツンになってきたから、友達からも『デカなったなぁ』って言われるぐらいで(笑)。体が大きくなるとパワーもついてきて、それに併せてテクニックも身についてきたのが大きいですね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
9月11日(日)
午前11時50分~SPWN PPV
午前11時50分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<アトム級/5分3R>
村上彩(日本)
須田萌里(日本)

<49キロ契約/5分2R>
桐生祐子(日本)
HIME(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古瀬美月(日本)
山崎桃子(日本)

<50キロ契約/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
サダエ・マヌーフ(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古瀬美月(日本)
竹林愛留(日本)

<ストロー級/5分2R>
長野美香(日本)
井上智子(日本)

<59キロ契約/5分2R>
栗山葵(日本)
Te-a(日本)

<ミクロ級/5分2R>
ちびさい KYOKA(日本)
ジャカ季美香(日本)

The post 【DEEP JEWELS38】村上彩と再戦、須田萌里─01─「コロナで柔術大会がなくなって、MMAやったら……」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA o ONE Te-a UFC

『UFC 276: Adesanya vs. Cannonier』の結果を受けて公式サイトがランキングを更新/アレックス・ペレイラがミドル級6位に浮上

中高一貫校・高校 大学合格力ランキング 2023年入試版


Latest UFC rankings update: Alex Pereira debuts at middleweight following Sean Strickland knockout(MMAmania)

『UFC 276: Adesanya vs. Cannonier』の結果を受けてUFC公式サイトがメディア投票ランキングを更新。以下、ランキングです。続きを読む・・・
カテゴリー
DEEP KINGレイナ o Te-a   パンクラス 中井りん 修斗 大島沙緒里 杉山しずか 東よう子 須田萌里

『DEEP JEWELS 36』試合結果


第7試合 メインイベント DEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)決勝 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 4’53” 腕ひしぎ十字固め
※中井が王者に
※中井に賞金100万円、杉山に30万円

第6試合 セミファイナル DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)タイトルマッチ 5分3R
○大島沙緒里(AACC/王者、DEEP女子ミクロ級(44kg)王者)
×須田萌里[もえり](SCORPION GYM/挑戦者)
1R 2’58” アームロック
※大島が初防衛

第5試合 DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦 5分3R
○東よう子(リバーサルジム新宿Me,We)
×KINGレイナ(フリー)
判定5-0 (植松29-28/松宮30-26/田澤30-26/柴田30-26/福田30-27)
※東が王者に

第4試合 ストロー級 5分2R
○長野美香(フリー)
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
2R 0’57” フロントチョーク

第3試合 ミクロ級(44kg) 5分2R
○山崎桃子(フリー)
×ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
判定3-0 (福田20-17/橋本20-17/植松20-17)

第2試合 準決勝第2試合 5分2R
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
×栗山 葵(SMOKER GYM)
不戦勝
※栗山が56.7kgのフライ級リミットを前日計量で150gオーバーし失格

第1試合 準決勝第1試合 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×Te-a(AACC)
2R 4’43” 腕ひしぎ十字固め

オープニングファイト アマチュアSPルール フライ級 3分2R
○奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
×MANA(TEAM AGENT)
判定3-0 (20-18/20-18/20-17)

 5月8日に後楽園ホールで開催された『DEEP JEWELS 36』の試合結果。フライ級グランプリ2022(王座決定トーナメント)は中井りんが優勝。アトム級タイトルマッチは大島沙緒里が須田萌里に1Rアームロックで勝利し王座初防衛に成功。初代フェザー級王者決定戦は東よう子がKINGレイナに判定勝ちし王座戴冠しています。続きを読む・・・
カテゴリー
DEEP DEEP JEWELS37 MMA MMAPLANET o Te-a UFC 中井りん 杉山しずか

【DEEP JEWELS37】中井りんが2試合連続、腕十字で一本勝ち。決勝では杉山を極めてベルトを巻く

【写真】試合後は現在もUFCを目指していると語った新王者、中井りん(C)MMAPLANET

<DEEP JEWELSフライ級GP決勝戦/5分2R>
中井りん(日本)
Def.1R by 腕十字
杉山しずか(日本)

準決勝はTe-aに2R終了直前に腕十字を極めて勝ち上がってきた中井。対する杉山は対戦相手の計量オーバーによる不戦勝で決勝に進んでいる。サウスポーの杉山が距離を詰める。左ストレートを伸ばした杉山、中井はフェイントから杉山のパンチに右ローを合わせる。中井が杉山の左足へシングルレッグで組みつき、相手をケージに押し込んだ。左足を差し上げながらハイクラッチを狙う中井。杉山は中井の右手を抑え、右手のオーバーフックから左ヒザをボディに突き刺した。しかし中井は両腕を差し入れていく。杉山がケージから離れた。一旦ストップとなり、中井のグローブを直してから試合が再開される。
再開後、杉山が左ミドル。中井は回る杉山にボディロックで組みつき、小外刈りでクリーンテイクダウンを奪った。グラウンドになるとすぐに杉山の左腕へ腕十字を仕掛ける中井。極まらないとみるやマウントに移行する。

杉山はハーフガードに戻した。中井は杉山の左腕を抑えて抑え込む。残り40秒でパスした中井は、パンチを落としながら再び杉山の左腕を狙う。そして残り20秒で腕十字へ。しっかりと腕を伸ばして、杉山からタップを奪った。


The post 【DEEP JEWELS37】中井りんが2試合連続、腕十字で一本勝ち。決勝では杉山を極めてベルトを巻く first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP KINGレイナ o Te-a   中井りん 修斗 大島沙緒里 杉山しずか 東よう子 栗山葵 須田萌里

【DEEP JEWELS】速報中!DEEP JEWELS 37

BE104BBF-7A42-4EC7-8EB1-0365748060C8
長かったゴールデンウィークも最終日。名残惜しさこの上ありませんが、せっかくなので最後の最後まで楽しもうじゃありませんか。今日は1日中DEEP DAY。まずは後楽園ホールでDEEP JEWELS 37が開催されます。中井りんと杉山しずかが出場しているDEEP JEWELSフライ級GP 2022の準決勝・決勝が目玉ですが、なんと栗山葵が計量オーバーにより失格。杉山が不戦勝という大アクシデントが発生。杉山圧倒的優位の中、果たして誰が王座戴冠するのか。そしてDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチは大島沙緒里×須田萌里、DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦として東よう子×KINGレイナと見どころ盛りだくさん。今日も後楽園ホールから電波と充電の続き限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【オープニングファイト アマチュアSPルール フライ級】
◯奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
(判定3-0)
×MANA(TEAM AGENT)
1R、パンチの交差から奥富がタックル。スタンドでバックに回ると脚を掛けてテイクダウン。バックから下になりながら腕十字を狙うがMANAが堪えてラウンドを終えた。
2R、打撃で前に出るMANA。しかし奥富はタックルで組み付いてテイクダウン。またしてもバックに回ってポジションをキープ。終了間際にMANAがガードポジションに戻すと下から腕十字を仕掛けたところで試合終了。判定は奥富!


【第1試合 DEEP JEWELSフライ級GP 2022準決勝第1試合】
◯中井りん(修斗道場四国)
(2R 腕十字)
×Te-a(AACC)
1R、スタンドのお見合いから中井が組みつく。リフトして豪快にテイクダウン。簡単にマウントに移行。ポジションをがっちりキープする。終盤にバックに移行するとチョークを狙う。さらにマウントになって腕十字を仕掛けるが腕が伸びた瞬間にタイムアップ。決められないが中井が圧倒した。
2R、しばらくスタンドの様子見が続く。中井は片足タックルでテイクダウン。サイドを奪取。ガッチリと抑え込む。Te-aは全く動けない状態が続く。中井は脇腹にパウンドを打ち込みつつ、最後は腕十字!耐えるTe-aだったがレフェリーが試合を止めた!中井が圧勝です。


【第2試合 DEEP JEWELSフライ級GP 2022(準決勝第2試合】
◯杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
(失格)
×栗山葵(SMOKER GYM)
栗山の契約体重オーバーにより失格。杉山が不戦勝。決勝は中井りん×杉山しずかに決定!


【第3試合 ミクロ級(44kg)】
◯山崎桃子(フリー)
(判定3-0)
×ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
1R、序盤から山崎はイケイケ。間合いを詰めるとパンチをヒットさせ、さらには前蹴りも当ててケージに追い込む。嫌がったちびさいは胴タックルで組みつく。だが山崎は投げでテイクダウンに成功。するとちびさいは下から腕十字。だが山崎は持ち上げて脱出に成功。スタンドに戻ると山崎は首相撲から膝をボディに何発もヒットさせてラウンドを終えた。
2R、ちびさいはボディが効いたか、再び山崎の膝をもらうかばう仕草。山崎はそのままテイクダウンしてパウンドを集中。さらにバックに回ってチョークを狙うがちびさいは脱出。スタンドに戻ると打撃戦は山崎の手数が上手。終了間際にまたもテイクダウンすると上をキープして試合終了。判定は山崎に軍配。


【第4試合 ストロー級】
◯長野美香(フリー)
(2R フロントチョーク)
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
1R、開始早々に組み付いたケイト。ケージに押し込んで差し合い。すると長野が逆に投げる。ケイトは踏みとどまってグラウンドでバックに回る。不完全ながらポジションをキープ。山崎は立ち上がるがケイトはしつこく背中に張り付く。最後は長野が正対してラウンド終了。
2R、開始直後に組み付くケイト。しかし長野は首を取るとそのまま飛びついてギロチンチョーク。そのままグラウンドへ。長野は上から絞め上げるとケイトはタップ!長野が劇的な一本勝ちです!


【第5試合 DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦】
◯東よう子(リバーサルジム新宿Me,We)
(判定3-0)
×KINGレイナ(フリー)
1R、東が前戦と同じく左ジャブがよく伸びる。レイナが嫌がって前に出ると右フックを蓄積。さらにレイナが打ち気になったところでカウンターのタックル。しかしレイナは尻餅をつくがすぐに立ち上がる。スタンドではレイナの右フックに対して東は左ジャブ、右フックをヒットさせてラウンド終了。手数は東が上手か。
2R、開始直後から東の左ジャブが的確にヒット。さらに胴タックル。レイナはテイクダウンを許すも下から脚関節を取って逆転を狙う。しかし東は冷静に対処。足を抜いてサイドバックに回ると側頭部にパウンドをコツコツ当てる。レイナが立ってもバックを離れずラウンドを終えた。
3R、後がないレイナだがなかなか前に出ない。逆に東は左ジャブ、ボディ、ロー、右フックと着実に蓄積。だが決して深追いしない。終盤にやっと前に出てきたレイナに対してカウンターのタックルでテイクダウン。これで万事休す。東が上をキープして試合終了。判定は東!王座戴冠です。


【第6試合 セミファイナル DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)タイトルマッチ】
◯大島沙緒里(AACC)
(1R アームロック)
×須田萌里(SCORPION GYM)
1R、開始直後に須田の前蹴りが顔面にヒット。大島は一気に間合いを詰めて組み付くと足を掛けてテイクダウン。素早くサイドに回る。腕をしつこく狙い続けて最後はアームロック。がっちり極まるがタップしない須田。見かねたレフェリーが試合を止めた!大島が女子高生ファイター須田を止めて王座防衛に成功です。


【第7試合 メインイベント DEEP JEWELSフライ級GP 2022決勝】
◯中井りん(修斗道場四国)
(1R 腕十字)
×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
1R、静かなスタンドの立ち上がり。杉山の強烈な左フックが連続でヒット。中井はフックに合わせてタックル。これは杉山が耐える。だが身体が離れると中井は圧力を強める。後退する杉山に対してにじり寄ってタックルでテイクダウン。すかさず腕十字!これは辛うじて杉山が脱出。しかし中井は上をキープすると試合終了間際にまたも腕十字!残り7秒だったがレフェリーが試合を止めた!中井が圧勝で王座戴冠。やっぱり強い。
カテゴリー
DEEP DEEP JEWELS37 KINGレイナ MMA MMAPLANET o Te-a UFC パンクラス 杉山しずか 東よう子 藤田大和

【DEEP JEWELS37】KINGレイナとフェザー級王座戦、東ようこ─02─「負けたら傷口に塩を塗ってくる子」

【写真】昨年6月のKINGレイナ戦後、息子さんも一緒に恒例の記念撮影。前回、セコンドに就いていた藤田大和と杉山しずかも8日は大勝負を迎える (C)MMAPLANET

8日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP JEWELS37で、フェザー級王座を賭けてKINGレイナと対戦する東よう子のインタビュー後編。

前編では再戦に向けて、東に前回の試合を振り返ってもらった。この後編では、そんな初戦から見えてきたもの――さらに自身が成長してきた部分を語ってくれた。前回、KINGレイナに勝ったことでたどり着いた初のタイトルマッチで、東は何を見せてくれるのか。


――KINGレイナ戦の内容については、やはり東選手の左ジャブが目立ちました。過去の試合ではパンチを出すことはあっても、そこまで左ジャブを突くという印象がなかったので、意外な一面でもありました。

「それまでの試合も、ずっと左ジャブは意識していました。でもKING戦では、以前よりも左ジャブで距離を取ろうとは意識していたと思います。もともと私は、自分から前に出ていくタイプだったんですよ」

――これまでの試合では、フックを振りながら前に出て、組んでケージに押し込む場面が多かったと思います。

「でもKINGレイナ戦に向けて、プレッシャーをかけられて自分が下がった時の展開を練習していました。その練習がなかったらKING戦でも私が下がったところに打撃を食らって、やられていたと思います。実際の試合では下がっても、ケージを背負ってもサークリングで対応することができました」

――結果、東選手にとっても新しいスタイル……自分の可能性を確認できた試合だったのではないでしょうか。

「私、柔道の時は寝技が苦手だったんですよ。MMAをやり始めてから、グラップリングや柔術の練習を通して、寝技って楽しいなって感じるようになって。だから、もともとの柔道のスタイルを考えると、打撃で展開を作っていくほうが自分に合っているんじゃないかと思いました。今でも柔道出身のMMAファイターって、組んで投げてからヘッドロックのような形で抑えるっていう選手が多いじゃないですか」

――そうですね。結果、首を抜かれてバックを奪われるというパターンがよく見られます。

「でも柔道って、立ち技から始まるんですよね。MMAも立ち技から始まるので、自分としてもその部分を鍛えていきたいです。やっぱり打撃のレベルを上げないと、世界では勝てないなって思うので。たとえばパンクラスで、意味が分からないぐらい打撃が強いブラジル人選手を呼んでくるじゃないですか」

――意味が分からない(笑)。パンクラスでストロー級QOPになりUFCと契約したヴィヴィアニ・アロージョは、そのタイプですよね。

「そういう選手を見ていると、やっぱり世界の打撃って凄いなって思います。結構ブンブン丸なのに当たるし。でも、そういう選手を見たおかげで、自分も打撃のレベルを上げないといけないと思っていました。

あと柔道って、姿勢を正して掴みに行くことが多い競技なんですよね。だからレスリングのテイクダウンに慣れないところもあって」

――姿勢を正して道着を掴みに行く柔道と、道着のない相手を掴みに行くレスリングでは、構えからして異なりますよね。特に足を取りに行く動きは、柔道ではあまり無いものですし。

「そうなんです。だから世界で戦うためにはMMAの立ち技、打撃とレスリングをもっと鍛えていかないといけないと思います。

KING戦でも、ジャブを突きながら組みで足を触ることができたら、もっと展開が違っていたんだろうなって。それは試合後、メチャクチャ反省しました(苦笑)。そう考えると、KINGレイナ戦を経験して、いろんなものが見えてきたと思います」

――いろんなものが見えてきた前回の試合から11カ月、東選手の中ではどの部分が、どのように成長してきたのでしょうか。

「さっき言った、下への攻めですね。前回の試合で自分がやりきれなかった分、ここ数カ月で詰め込んできました。あとは至近距離でも打ち合えるように練習しています。KING戦で出していたのは、遠い距離からの左ジャブだったので。そうやって自分に足りなかったものを埋めています」

――では反対にKINGレイナ選手については、この11カ月間で変化は見られますか。

「Te-a戦(昨年12月、KINGレイナが腕十字で一本勝ち)では、以前のように強いフックを振ってから組むというスタイルで戦っていましたよね。そうやって以前の勢いを取り戻してくるのかな、とは思います」

――それを踏まえて、再戦はどのような試合になると考えていますか。

「前回は確実に勝つという作戦で、3Rまで戦いました。そこで1回試合をしていることもあって、再戦では本当の意味で白黒がつくんじゃないかと思います。1Rでも2Rでも3Rでも、しっかりと決着をつける形で試合を終わらせたいですね」

――ちなみに、東選手は勝利した試合では息子さんをケージの中に呼び入れています。お子さんは前回の試合で勝利したことについて、どのように言っていますか。

「友達とごはんを食べに行くと、『ママはKINGレイナに勝ったんだよ!』と言っています。今回のタイトルマッチが決まってからも、『前はママが勝ったんだから!』って……。本人も、あの試合で勝つというのが、どういうことか分かっているみたいです。だから再戦も勝たないと――」

――勝たないと……?

「何を言われるか分からない。負けたら私の傷口に塩を塗ってくる子なので(笑)」

――アハハハ。しかし勝って、そんなことも無くなりましたか。

「はい。そういう子供の言葉は、素直に嬉しいです。だから次の試合も、親の威厳を保つために勝ちます。勝って――あの子にもベルトを巻いてあげたいですね」

The post 【DEEP JEWELS37】KINGレイナとフェザー級王座戦、東ようこ─02─「負けたら傷口に塩を塗ってくる子」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP KINGレイナ o RIZIN Te-a YouTube 中井りん 伊澤星花 修斗 杉山しずか 栗山葵

【DEEP JEWELS】フライ級GP準決勝組み合わせ決定!

B8A1B0AE-AEE4-4A1F-98E7-94A2D3858D5A
5月8日に後楽園ホールで開催されるDEEP JEWELS 37。この中で行われるDEEP JEWELSフライ級GP2022」の準決勝の組み合わせ対戦カードが抽選の上で決定しました。

【DEEP JEWELS フライ級 GP2022 準決勝】
杉山しずか(リバーサルジム新宿 Me,We) 

栗山葵(SMOKER GYM)
何気に2度目の対戦。前回は試合開始直後に栗山が奇襲を仕掛けたものの、杉山は冷静にテイクダウン。パウンドの集中砲火を浴びせてTKO勝ちしています。この試合を物差しにするとかなりの実力差はありそうですが、栗山はイケイケの打撃で活路を見出すか。せっかくの再戦だけにアグレッシブに攻めてほしい。

【DEEP JEWELS フライ級 GP2022 準決勝】
中井りん(修斗道場四国)
Te-a (AACC)
伊澤星花とのスパークリングを巡って横田一則と冷戦を展開している中井。YouTubeにスパークリング動画を公開して臨戦態勢。中井の怖さをリング内外で改めて見せつけてくれました。対するTe-a。過去にはKINGレイナと対戦するなど、階級が一回りが二回り上の印象。それをアドバンテージにしてさらにモンスター化した中井に通用するか。

優勝候補筆頭の中井、それに続く杉山の対戦は決勝に持ち越し。主催者もファンも望む待望の一戦は実現するのか。もし、RIZINで伊澤星花が勝ってフライ級GPで中井が優勝したら、RIZINのリングで完全決着という流れは非常に興味深い。そしてそこに杉山が割って入ってぐちゃぐちゃになる構図はもっと興味深い。にわかに波乱含みになってきた女子格闘技。2022年後半の方向性を占う大会になりそうです。