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【Road to UFC2024Ep04】敗戦&減量失敗からの巻き返し、松井斗輝「あの経験がなければ……」

【写真】ネガティブな発言から始まりながら、取材中は笑顔を浮かべることも多かった松井。しっかりと気持ちを切り替えてオクタゴンに挑んでほしい(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード04で松井斗輝がフィリピンのルエル・パナレスと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

フライ級に日本から唯一の出場となった松井にとって、2024年のスタートは残念なものとなった。昨年12月、ムハンマド・サロハイディノフに敗れてから、わずか1カ月半で挑もうとした秋葉大樹戦で松井は計量をクリアできなかった。減量中に体調を崩し、病院に搬送されて試合中止となった松井は何を想うのか。取材時の松井は口数も少ない。さらに今回のインタビューでは、まずネガティブとも受け取れる気持ちを吐露している。しかし敗戦と減量失敗を糧に松井が世界の頂点を目指してRTUに参加する、その気持ちを知ってほしい。


――まずはRTU出場が決定した時の気持ちを教えてください。

「秋葉選手との試合で計量失敗して、まず『自分が出て良いのか』という気持ちがありました。それと『しっかりベルトを獲ってから……』という考えもあったので、ベルトを巻いていない自分が出るのは、RTUの順番待ちをしている人たちに対して申し訳ないという気持ちにもなりました」

――いきなりネガティブとも受け取れる言葉が出て驚きました。スケジュールを考えると、昨年末のサドハイディノフ戦の頃からRTU出場は検討していたわけですよね。

「秋葉戦で勝てばRTUも確定するんじゃないか、という話をしていました」

――それだけ重要な秋葉戦の計量で6.8キロオーバーということは、「落とせなかった」のではなく、何かしらの要因で「減量できていなかった」ということですか。

「あの時はずっと体調が悪くて、水抜きで体重を落とした後に病院へ緊急搬送されました。その病院で試合が中止になったと聞いて……。点滴を打ってもらい、水分や食事で体力を回復させてもらったあと、秋葉選手に謝りたいと思って計量会場に行ったんです。その時に自分の体重を測ったら『6.8キロオーバーまで戻っていた』という状態でした」

――なるほど。松井選手としては秋葉戦でしっかり勝ち、その勢いでRTUに臨むという気持ちを持っていたのですね。

「はい。サロハイディノフ戦の負けを取り返したいと思って、1カ月と3週間後の試合でもオファーを受けました。でも、そのためにコンディションをつくれなかったことは事実です」

――松井選手はフライ級でもフレームが大きいほうだと思います。コンディション調整と計量失敗を経て、RTUでもフライ級で戦うことに不安はありませんでしたか。

「……正直、不安はありました。でもサロハイディノフ戦の時、時間をかけて減量したら、すごくコンディションは良かったんです。試合は負けてしまいましたけど、それだけ時間をかけたら体重も落とせて、コンディションも良い状態で試合ができるとは思っていました。それとバンタム級ではRTUに僕が出られる枠はない。だから――自分が起こしてしまったことから学んで、しっかりフライ級で戦おうと決めました」

――そのとおりですね。松井選手は、いつ頃からUFCを意識して、オクタゴンを目指そうと考えていたのでしょうか。

「プロデビューした時からです。ずっと『日本の代表として世界で戦いたい』と思っていて、世界一の大会であるUFCを目指すと考えていました」

――同時にチームメイトの鶴屋怜選手がRTUを勝ち抜き、UFCと契約したことも影響していますか。

「特に怜は同じ階級なので、メチャクチャ刺激を受けています。あの時はとにかくチームメイトの応援でしたけど、改めて同じ階級で自分もUFCを目指していることを考えると……。あれだけ強い怜でも、決して楽なトーナメントじゃなかったですよね。去年のトーナメントを見ていて『自分も絶対に勝てないわけじゃない。でも、やらないといけないことは多い』と気づくことはできました」

――ではサロハイディノフ戦の敗北から改めてRTU出場を考える際に、改めて取り組まなければいけない点はありましたか。

「やっぱり組みと寝技ですね。その部分はまだ3年半しかやっていなくて――寝技は経験によるものだと言われているので、今は組みと寝技をひたすら練習しています」

――組みと寝技という面でも、あれだけしつこく組んでくるサロハイディノフと対戦した経験も生かされるのではないでしょうか。

「そうなんです。本当に組みがしつこくて……(苦笑)。あれだけ組んでくる選手は、日本でもいないですし。国内でサロハイディノフ選手と対戦できたことは、経験として本当に大きいと思います」

――秋葉戦の前に体調を崩し、RTU確定までにコンディションは戻っていたのですか。

「RTU確定の連絡が来たのは、ちょうど練習を休んでいた時期でした。秋葉戦の計量失敗から1カ月ぐらい休もうと思っていて。でも確定の連絡が来て、すぐに練習を始めました。相手も決まっていて、『もうやるしかない』と気持ちはすぐに切り替わったんです。ただ体は、やっぱり1週間は思うようには戻らなかったですね。

でもサロハイディノフ戦のあとも少し休んでから練習を再開した時、やっぱり1週間ぐらいは体が動かなくて。それが練習を再開してから2週間ぐらいしたら動きも戻ってきたので、安心はしていたんです。同じように今回も2週間後ぐらいから戻ってきました」

――敗戦にしろ計量失敗にしろ、起きてしまったことは仕方ありません。ただ、サロハイディノフ戦から秋葉戦まで1カ月半の間に起きたことは、松井選手にとって本当に大きな糧となったのですね。

「あの経験がなければ、今回も焦りが出ていたかもしれないです。でも今は良い意味での危機感を持つことができています」

――それは良かったです。では対戦するルエル・パナレスの印象から教えてください。

「探してみるとパナレスの試合映像も、すぐに出てきて助かりました。ストライカーで――フィリピンのストライカーは結構振ってくるイメージがあったんですけど、パナレスは綺麗に戦うイメージですね」

――同じフィリピンのMMAファイターでもラカイの選手は大きく振ってくることもありますが、パナレスは違いますね。

「ラカイの選手と比べると、綺麗すぎる戦いなのかなっていう印象はあります。あと公式プロフィールでは身長差が3セほどしかないけど、試合映像を視ると明らかに小さいですよね。160センチ台の前半なのかな、って思います」

――身長が低い相手はやりやすいですか。

「やりやすいです。それだけリーチも短いと思うので」

――パナレスはサウスポーに構えていますが、松井選手のスタイルを考えるとサウスポーは苦にしていないという印象があります。左ジャブ、右ストレート、さらに左ボディを主体にしていると……。

「そうですね。アマチュアボクシングの時はトーナメントだから、試合直前まで相手がどちらの構えなのか分からないことが多かったんです。でもサウスポーは苦手ではなかったし、もともとサウスポーの選手が多かったので、スパーリングもたくさんやっていました。だからパナレスは、やりやすい相手だと思います。

気をつけるとすれば左ハイキックですね。意外と足が高く上がってきますし、喧嘩四つで僕がインサイドを取った時に左ハイを合わされるのは注意したいです。あとはパナレスは普通のキレイな打撃なので、自分も特別はことはせず、いつもどおり戦います。できればKOしたほうがインパクトは大きいと思いますけど、トーナメントを勝ち抜けばUFCと契約ですから、まずは目の前の試合で勝っていくことを考えます」

■視聴方法(予定)
5月19日(土)
午後9時~UFC Fight Pass
午後8時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024Ep01】打倒、中国MMA。本野美樹「タイでは打撃より組みを学んできました」

【写真】締まって見える。その通りの本野、シャオカンとの対戦から確かな自信を持っているように感じた(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード01で本野美樹が中国のフォン・フェイアールと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

本野は一時ストロー級からアトム級へ転向を考えていたが、ABEMA TVの海外武者修行プロジェクトを経てUFCを目指すことを決意する。そんな本野に大きなチャンスが訪れた。RTUで女子ストロー級トーナメントを開催――日本人からただ一人のエントリーとなった本野が、昨年11月に敗れているフン・シャオカンへのリベンジとともに、オクタゴンを目指す決意を語る。


――試合まで1週間のインタビューとなりますが、すでに体も絞れているようですね。アトム級で試合をした時よりも絞れているような印象を受けます。

「え、そうですか。その時よりも体重は上ですね。でも最近、周りからも『以前より絞れたね』と言われることが多くて」

――筋肉の質が変わったのでしょうか。

「実はABEMA TVさんの企画で海外修行に行かせていただいたあと、パーソナルでウェイトトレーニングの指導を受けるようになりました。筋量を測ったことはないけど、フィジカルづくりの成果が出ているのであれば嬉しいです」

――なるほど。ABEMA TVの海外武者修行プロジェクトに参加したあと、本野選手はUFC出場を目標に掲げました。同時期にRoad to UFCがスタートするなか、女子でも行われると思っていましたか。

「過去2大会は女子がなくて、それでも『女子も開催する』という噂だけは聞いていたので一応、準備だけはしておきました。自分でエントリーして、あと今はイリディウムと契約しているので、イリディウム側からもUFCにアクションはあったんだと思います」

――昨年も女子ストロー級が開催されていれば、エントリーしたかったですか。

「はい。去年も4月ぐらいまで『女子のトーナメントが行われる』という話があったので、ギリギリのオファーでもRTUに出られるのなら――と国内のオファーを断っていました。そうして待っていたら女子の開催はなく、試合間隔も空いてしまったんです」

――そんななか、昨年11月には中国のハッピー・エレファントMMAチャンピオンズ・リーグという大会で、同女子ストロー級王者のフン・シャオカンとのタイトルマッチに臨んでいます。

「RTUがなくても海外で試合をしたくて、いろいろ相談している中で中国での試合の話が来ました。しかも相手はチャンピオンで――ということで試合をやらせてもらったんです。もちろん負けてしまったことは悔しいけど、反省点や自分が成長できていることや、やるべきことも見えた試合だったと思います。だから気持ちもそこまで落ちることはなくて」

――シャオカン戦では1R、2Rと本野選手がテイクダウンを奪い続けていましたが、3Rにグラウンドへ持ち込んだ直後に下から三角絞めから腕十字を極められました。

「2R終盤にパンチを効かされてしまって、3Rに入った時すぐ組みに行ったんです。その組み方、倒し方が良くなくて相手の三角に入ってしまいました。アウェイの大会だから取り切らないといけない、という気持ちのほうが強くて。判定になったら負けることもあるし、と思ってとり急いでこともありました。そこは自分のミスですね」

――今回のRTUにはシャオカンも出場します。シャオカンは女子ストロー級の中でも体格が大きいでしょう。本野選手としてはアトム級転向を考えていたなかで、UFCを目指すために改めてストロー級で戦うことを選択しました。そのなかで体格差は気になりますか。

「次の相手(フェイアール)もプロフィール上は体格が大きいですよね。でも自分としては減量の面も含めて、ストロー級がベストだと思っています。だから体格差は気にしていません。

シャオカン戦も身長差があるなかで、私のほうから組みに行くこともできました。それほど入りづらく感じることもなかったし、次回の相手は前回よりも体格が大きいわけではないので、それほど気にしなくて良いかなと思っています。その点では、中国の試合を経験しておいて良かったですね」

――そのシャオカンが同じRTUに出場することは、自身のRTUが確定する時に知っていましたか。

「最初は自分の対戦相手だけ聞かされていて、そのあとにシャオカンも出場するという話を耳にしました」

――目の前の対戦相手であるフェイアールのことはもちろん、その向こうにいるシャオカンのことは考えませんでしたか。

「最初に聞いた時は『あぁ、いるのか……』と思いました。でも今は対戦相手が違うので。多少は意識してしまうけど、そこは何も考えず次の相手の対策だけを考えています」

――フェイアール過去にシャオカンに敗れています(本野戦の前がフェイアール戦で、2ラウンドTKO勝ち)。開催地も含めてRTUは中国勢が中心になっている印象があり、そのなかでもカードの組み方を考えると、女子ストロー級はシャオカン中心なのかと……。

「アハハハ。私としては、そういう考えをしていなくて。逆に優勝候補と対戦経験があって、しかも次やれば勝てると思っています。もし準決勝でも決勝でもシャオカンに勝てば、リベンジできて、さらに一気にUFCへ近づくことができるという気持ちでいます」

――それでこそプロのファイターだと思います。普通なら、イライラしても仕方ない状況が揃っているにも関わらず。

「あの試合でシャオカンにボコボコにされていたら、また気持ちも違うとは思うんですよ。でも対戦しているからこそ、次はしっかりやれば勝てる相手なので」

――なるほど。RTU初戦では、そのシャオカンに敗れているフェイアールと対戦します。勝敗が示すとおり、シャオカンよりもレベルは劣る相手だと思いますか。

「試合映像を視る限りは、距離感はシャオカンのほうが巧いなって思います。でも今回の相手は今回の相手で、ガンガン前に攻めてきます。あとは体が強そうで、どれだけ自分が組んでみてフィジカルの強さを感じるか。油断はできないですし、前回とは違う戦い方をしないといけないなと思っています。

今回はトーナメントだから、どんな勝ち方でもとにかく勝ちに徹することが一番ですよね。逆に、この3試合をしっかり勝ち切ってこそUFC本戦に挑めるというか。RTUで勝ち切れないと、たとえUFCと契約しても厳しいと思います。そのためにもトーナメント3試合はしっかりと勝ち切らないといけないですね」

(C)MIKI MOTONO

――今年2月にはRENA選手とともに、プーケットのタイガームエタイで練習していますね。これはRTU出場を意識したものだったのでしょうか。

「いえ、以前からタイで打撃の練習をしてみたかったんですよ。たまたまRENAさんのタイ修行があって、タイミング良く一緒に行くことができました。

米国修行の翌年には、『また海外で修行できたらなぁ』と思っていました。でも米国はかなり費用が掛かるので……タイだったら頑張って行けるかな、と(笑)。実際に行ってみると打撃の技術以上に、テイクダウンしたあとのコントロールやレスリングの技術のほうを教えてもらって。正直、タイでは打撃より組みのほうが学んできました」

(C)MIKI MOTONO

――本野選手の場合、米国修行で打撃面は大きく変化したと思います。その上にタイガームエタイで積み上げてきたものは何なのだろうと思っていました。

「米国修行のあと――去年のシャオカン戦の前から、日本でバンゲリングベイの白川裕規さんにミットを持ってもらっているんですよ」

――白川トレーナーですか。キックボクサーはもちろん、MMAファイターの指導経験も豊富ですね。

「はい。白川さんの場合はスパー風のミットというか。そのなかでカウンターの取り方もそうだし、打撃戦の中で自分がテイクダウンに入るタイミングとか――打撃の距離感も身についてきたと思います」

――次のフェイアール戦で、その成果が見られることを期待しています。

「女子ストロー級は日本人が私一人なので、せっかく頂いたチャンスをしっかり掴みたいです。そしてトーナメントを勝ち抜き、UFCと契約して新たなスタートを切ります。たくさんの方にその戦いを視ていただきたいので、よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午後7時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT

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【Road to UFC2024Ep04】キム・キュソン戦=透暉鷹「UFCのトップで面白くない試合をする選手はいない」

【写真】キム・キュソンの日本人との対戦歴を見ると、ここは安パイと思いたくなるものだが全く楽観視していない透暉鷹だった(C)TAKUMI NAKAMURA

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード04で透暉鷹が韓国のキム・キュソンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

透暉鷹は2022年12月に河村泰博に一本勝ちし、フェザー級に続いてバンタム級キング・オブ・パンクラスを獲得。年始のMMAPLANETでのインタビューではRoad to UFCへの出場を希望しており、それが叶った形となる。パンクラスでの2階級制覇も、バンタム級転向も、すべてはUFC参戦のため――。いよいよ透暉鷹がUFCへの道を歩み出す。


――上海入りしたあとのインタビューありがとうございます(※取材は14日に行われた)。本格的なファイトウィークがスタートしたところだと思いますが、どのような感じですか。

「UFCの施設や環境がものすごく整っていることが一番衝撃ですね」

――海外遠征ではありますが、そこまで苦労はないですか。

「そうですね。明日から食事も支給されますし、練習場所まで近くてバスも出ているので、移動も楽なんです。試合以外の作業もなく、ストレスがフリーなので、すごくいいですね」

――透暉鷹選手はパンクラスでの戦いを経て、Road to UFCへの出場が決まりました。実際に決まったときの心境はいかがでしたか。

「もともと僕は世界で戦うためにパンクラスを選んで、ずっとRoad to UFCには出たいと思っていました。ただ実際に出られるかどうか分からない状況で、色んな角度・色んな方面からアプローチしてもらっていたんです。そこはもう出られるように祈るしかなかったんですけど、こうしてチャンスが来て本当に嬉しかったですね」

――今までの試合とは違って、正式に出場決定を待つ状況だったと思いますが、どのような心境で過ごしていましたか。

「チャンスが来ることを信じて練習していましたね」

――昨年12月の河村泰博戦からバンタム級に階級を落とす形でしたが、それも×世界やRoad to UFCを見据えてのものだったのですか。

「そうですね。海外挑戦が見えてきたくらいから、階級を落とすことを視野に入れて体を作り直してっていう感じでやっていました」

――計画的に体重を落としていたのですね。

「もちろんフェザー級よりきついはきついです、最後の水抜きとか。でもそこは海外の選手とやるには必要なところなんで。色々なことも経験していきながら、バンタム級まで落とせるように普段から節制しています」

――透暉鷹選手としては実績やキャリアを積んでRoad to UFCにチャレンジするというよりも、明確にRoad to UFCにチャレンジするという目標があって、そこから逆算してやってきたわけですね。

「はい。元々そこを目指してやってきたので。だからいよいよ自分が望んでいた戦いがここから本格的に始まる、という心境です」

――河村戦以降はどのようなことを意識して練習してきましたか。

「自分の課題というか、ずっと取り組んでいる技術的なところがあって、それは試合で経験しないといけない、練習では身についていかない部分でもあるんですね。だから試合と練習を重ねながら、しっかり取り組んでやってきました」

――実際に試合にならないと分からない部分もあると思いますが、練習での変化・手応えは感じていますか。

「自分ではそこまで分からないのですが、練習仲間や周りのコーチ陣には、スピードが上がったねと言われます。スピードが上がれば打撃のキレも上がって威力も変わってくるし、階級を落としたほうが普段の練習の質が上がって、良い練習ができてますね」

――節制してグッドシェイプになったことで、練習全体の質が上がっているようですね。

「そうですね。技術的にもちゃんと練習できるみたいな」

――技術面ではどういったことを意識してきたのですか。

「自分の得意なところは組みだったり、フィジカルや瞬発系の動きを生かすことで、そのうえで例えば組みだったら、自分が力を使っていても、ちゃんと相手に力が伝わっていなかったら意味がない。そこでテクニック的にしっかり力を使うというか、しっかり力が伝わるように、ですね。練習でも試合の中でやっていることをイメージしながらやらないと、ちょっと感覚が違ってきたりするんです。それは打撃の部分も同じで、自分がテイクダウンして極めたりとか、パウンドアウトするための総合的なストライキングの距離感やシュートボックスの距離感をずっと取り組んでいます」

――対戦相手のキム・キュソン選手にはどんな印象を持っていますか。

「結構日本人とも試合をしている選手なので、日本人とやることにも慣れているのかなと思います。僕もフェザー級では長身の選手とやることが多くて、オーソドックスで亀井(晨佑)選手とか。だから(身長が184センチの)キュソン選手のイメージはしやすいのかなと思います。

ただ技術的には今までやってきた相手よりも、もっと上だと思っていて。グラウンドで寝かされてから立つ動きとか、柔術的な感じの動きとかも多分全然レベルが上がってくると思うんで、そこをしっかりイメージして練習してますね」

――キュソン選手はデータも多い選手なので作戦も立てやすそうですね。

「練習仲間にも180センチぐらいの選手がいて、それこそ日沖(発)さんは身長も体型も似ているので、練習はしっかりやってくることができました」

――Road to UFCはUFCと契約することがゴールで、一戦一戦結果が大事な戦いです。どんな戦いを見せたいですか。

「僕は普段の練習からプロとして面白い試合をやれるように…というか、技術的にUFCのトップにいる選手で面白くない試合をする選手っていないじゃないですか。ちゃんとそこを普段の練習からやっていて、それを試合に出していけば、自然にいい試合ができると思うんですよ。格闘技は相手あってのものだし、そこが噛み合うかどうか分からないですけど、自分の中では練習でしっかりフィニッシュを狙って戦う。

練習で漬けたり、判定を狙う動きばっかりしていると僕は絶対に勝てないと思っているんで。普段からフィニッシュを狙って練習して、その練習通りにやれば結果も出るし、いい試合ができると思います」

――純粋に強い選手の試合は面白いですし、強いからこそフィニッシュを狙えるのも確かです。

「そのくらい強い選手しか集まってこないから、UFCは人気があるんだと思います。たまに選手の気持ちが折れたように見える試合もあると思うんですけど、あれは気持ちが折れてるわけじゃなくて技術・フィジカル的に負けているからだと思うんですよ。

そこは気持ちでどうにかなるものじゃないから。ちゃんと練習から技術とフィジカルを作って、それを試合で出すことが出来れば気持ちは折れない。僕はそういうものだと思っているから、ちゃんと練習・試合でやれてないと駄目だなと思います」

――技術・フィジカルで競っているからこそ最後は気持ちの勝負になるわけですからね。それでは最後に日本のファンにメッセージをいただけますか。

「正直試合が決まった直後は日本のファンに対する想いみたいなものを考えたことがなかったんですね。でも試合が近づくに連れて、色んな人から声をかけてもらうようになって。僕自身、UFCに向けて試合をやってきて、今までとやってきたことは変わらないんですけど、海外で試合する=日本のみんなが応援してくれるんだなということを日に日に実感しています。

今まではあまり気負う感じではないんですけど、しっかり周りの声や応援もプラスに変えて、今までやってきたことをしっかり出すことに集中していきたいなと思います」

■視聴方法(予定)
5月19日(日)
午後9時~UFC Fight Pass
午後6時45分~U-NEXT(※Ep03から引き続き)

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【Road to UFC2024Ep02】AFC王者ソン・ヨンジェと対戦、河名マスト「30-27でも29-28でも……」

【写真】毎朝お子さんを保育園に送っているそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード02で河名マストが韓国のソン・ヨンジェと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

河名は今年2月にパン・ジェヒョクに雪辱を果たし、グラジエイターのベルトを巻いた。その河名に届いたRoad to UFC出場確定の一報――河名はUFCとの契約に向けて、「勝利こそ正義」の戦いに臨む(※取材は5月10日に行われた)。


――本日は宜しくお願いいたします。今は外にいらっしゃるようですが……。

「ちょうど今、娘を保育園に送っていった帰りなんですよ」

――なるほど、お忙しい時に恐縮です。今回Road to UFC出場が確定したのは、いつ頃のことだったのでしょうか。

「4月上旬ですね。3月中に連絡が来なかったので、正直『そういうことかぁ』と諦めていました。するとマネージメントサイドから4月の頭に『もう1週間待ってほしい』という連絡が来まして。その時点でまだフェザー級だけ決まっていない、と……。とはいえ期待は薄かったので、もうLFA出場に切り替えようかという話をしていました。

グラジエイターとLFAが協力体制にあり、僕がグラジでベルトを巻いたことで、RTU以外にも一つUFCへの道筋ができていましたから。その方向も探ることができる状態にあったのは良かったです。

そこでLFAの件で長谷川賢さん(グラジのタレントリレーション)に相談したあと、『RTUが確定した』という連絡が届いたんです。RTUが決まった時は長谷川さんにも『おめでとうございます! せっかく決まったのだからRTUに出てほしいです』と送り出してもらえました」

――では、まずRTU出場が確定した時の気持ちを教えてください。

「ビックリしました。『おぉ、マジか!』と。UFCを目指してグラジのベルトを獲りました。そこからRTUに出られるかどうかは流れに任せる、という感じで。先ほど言ったとおり3月中に連絡がなく、もうダメだろうと思っていましたし」

――喜びよりも驚きのほうが勝ったわけですか。

「出場の確定は、目の前に自分の生活を脅かす人間が洗われることが確定したことでもあるので。ただ、RTUはトーナメントで3試合勝てば、100パーセントUFCと契約できるじゃないですか。たとえばLFAからDWCSで勝っても、それが100パーセントではない。勝っても100パーセントではないですよね」

――どちらかといえばDWCSはオーディションですから、勝っても試合内容がUFCの望むようなものでなければ契約できないケースもあります。

「でもRTUは、どんな勝ち方をしても3試合勝てばUFCに辿り着くことができる――まさに勝利こそが正義で。30-27の試合でも29-28の試合でも、『うるせぇ!』と言って契約すれば良いですから。『そこまでして勝ちたいのか!』と言われても、『そうだよ。勝ちたいよ!』と答えます。そういうRTUのほうが自分の目標に向けてステップを踏んでいきやすいとは思っていました」

――だからこそ本戦とは違う緊張感があり、興味深い面もあるのがRTUです。とはいえ4月上旬に確定してから5月18日~19日の試合に向けて、急きょビザなど出入国の手続きを取らないのは大変だったかと思います。

「あとはメディカル系も含めた書類の準備ですね。何とか各書類の提出期日を守ることができました」

とにかくリラックスできていることが分かる帰宅後の笑顔(C)SHOJIRO KAMEIKE

――河名選手に出場確定の連絡が来た時に、他の日本人出場メンバーは知っていましたか。

「いえ、何となく誰が出るということを耳にしていたぐらいですね」

――同じフェザー級に出場する安藤達也選手と原口伸選手もレスリング出身です。レスリング時代に絡みはあったのでしょうか。

「まず時期で言うと安藤さんと僕が入れ替わり、僕と原口君が入れ替わりで――被っていないですね。それと安藤さんと原口君はフリースタイルで、僕はグレコじゃないですか。2人の出身校である国士舘はフリースタイル主体で、ウチ(専修大学)からフリーのチームは国士舘へ出稽古に行っていましたが、グレコの僕は行っていなかったです」

――原口伸選手の兄、原口央選手とは4月29日に奈良県で開催されたレスリング大会『ALL or NOTHING』にて、レスリングルールで手合わせしています。

「(伸について央に)『なんで去年契約せず、今年フェザー級で出てくんねん!』と言っておきました(笑)」

――アハハハ。先の日本人対決も楽しみではありますが、まずは初戦となるソン・ヨンジェ戦について……RTU出場と対戦相手が確定した時、そもそもソン・ヨンジェの存在は知っていましたか。

「試合が決まるまで知らない選手でした。何年も試合をしていなかったようですし……」

――ソン・ヨンジェは2019年6月の試合から2023年9月までブランクがあり、昨年12月には清水俊一選手をKOして、AFCフェザー級暫定王者となっています。パンチ主体の選手ではありますが、パン・ジェヒョクのパンチとは違うタイプです。

「骨格というか体の使い方も違いますよね。どちらかといえばパン・ジェヒョクは綺麗に戦いながら力を抜いてテイクダウンを切るという、こちらとしては倒しづらい選手でした。ソン・ヨンジェはガンガンとパンチを当ててきながら、テイクダウンも体の力で跳ね返すようなタイプだとは思います」

――ソン・ヨンジェのほうが正面からぶつかってくるという印象です。そのスタイルの違いは河名選手にとってメリットになるのでしょうか。

「3R通して制圧してフィニッシュに持って行く。その自分のやりたい戦い方を考えたら、ソン・ヨンジェのほうがやりやすいとは思っています。一方で、1Rで僕が殺される可能性は、パン・ジェヒョクよりもソン・ヨンジェのほうが高くはなりますね(苦笑)」

――まさにソン・ヨンジェは、そういった試合スタイルです。ブランク明けの2試合はいずれも1R KO勝ちで、現状で打撃戦以外はどれだけできるのかが不明ではあります。

「その点も僕の中では低く見積もってはいません。試合の中で、僕の見積もりよりも低くブレてくれたらラッキー、というぐらいで。見積もりより上にブレることも覚悟はしています。
ただ、試合を視るとテイクダウンをバチーンと切って立ち上がっていますよね。自分が同じタイミングで入っていたら倒せていただろうな、と思うシーンはありました」

――対して河名選手は、自身が試合で出すものは変わっていないと。

「それはMMAデビュー戦から今まで変わっていません。そもそも僕は相手によってスタイルを変えられるほど、MMAを習熟していると思っていないですし(笑)。逆に自分のスタイルがブレた時のほうが、迷いが出てしまうかもれないです。自分がやることを信じて、やり続けるから迷わないという認識でいますね」

――そんななかでも、打撃面は向上してきました。

「去年のユン・ダウォン戦ズッキーニョス戦で、試合の中で『何とか打撃の交換をしよう』と粘ってみたことは大きかったです。それが自分にとって自信につながりました」

――デビュー当時は、打撃を食らっても大丈夫だと思っていたのではないですか。とにかく相手のパンチをもらいながら前に出るという。

「アハハハ! 自分の頑丈さを信頼しすぎていました。でもどこかで頑丈さも限界は来ると思っていて――前回のタイトルマッチは1Rにパン・ジェヒョクの右をもらってダウンしてしまいましたし。その前に打撃のテクニックを磨かないといけない――とは、ずっと考えていたんです。一番大きなキッカケは、やっぱりLFAのアライジャ・ジョンズ戦ですね」

――現在、打撃面の練習はどのように?

「今は週1ペースで、EXFIGHTで高谷裕之さんにミットを持ってもらっています。それと今年からTRI.H STUDIO成増で週1回インストラクターをやらせてもらっていて、その縁で濱村健さんにもミットをお願いしているんです」

――高谷さんと濱村さんではミットのスタイルも違いませんか。

「違います。これはレスリングでも打撃でも、MMAでも同じことだと思うのですが――たとえば高谷さんと濱村さんにミットを持ってもらいながら、お二人の言葉を自分の頭の中でどう考えるか。それは八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんから言われることも同じで。教えてもらうことの中から、自分にとって良いものを自身でしっかりと考え、摂り入れていくことが大切になりますよね」

――仰るとおりです。もう一つ、先ほどの「相手を見積もる」という話ですが……試合は生き物ですから、試合中に見積もりが上下にブレることはあると思います。しかしブレの幅は少ないほうが良い。見積もり幅のブレを少なくするためには、何が必要ですか。

「初期の見積もりをどれだけ高くできるか、ですね。高く見積もりと怖さが生まれて、『ここで行ったら倒されるかも……』という不安も出てきます。だからこそ僕は『自分がやるべきことは一つしかないから、それを貫くしかない』と考えて戦っています」

――これは「たられば」の話かもしれませんが、MMAとしての要素を全て持っていると見積もりは低くなってしまうでしょうか。

「低くなるのかなぁ……。自分は全て持っていないから分からないですけど(笑)。でも手札がたくさんあると、試合中に迷ってしまうことがあると思うんですよね。手札が少なくなったら、場に出すカードも自然と決まってきます。そこで手札の少なさに対して悲壮感を持つと、気持ちも追い込まれてしまう。もう自分の手札を見せて『これを待っています』と言えるぐらいの覚悟を持って臨むというか(笑)」

――そうなると、あとは自分から行くしかない。

「はい。相手が何を出してくるか待っているのではなく、自分の強みで相手を潰していくしかないと考えています。僕自身は苦しい試合というか、相手を苦しくさせる覚悟はできています。最初から徹底して制圧し、相手が『もうやめてくれ!』という気持ちにさせて勝ちます」

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【Road to UFC2024Ep03】前回準優勝者と対戦、チェ・ドンフン「ゲンを担いで鶴屋怜選手と同じ髪型に」

【写真】おちょくっているのかという表現の言葉ですが、チェ・ドンフンは本気でゲンも担ごうとしていた。ただし、鶴屋怜の髪型にはなっていないような……(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード03で韓国のチェ・ドンフンが前回の準優勝のチーニョーシーユエと戦う。
Text by Manabu Takashima

昨年12月にGLADIATORに初来日したDouble FGFフライ級王者は久保健太、そして2月にはフライ級王座決定Tに出場した和田教良と2試合連続KO勝ちし、同トーナメント本命と目されていた。

そんな日本でもジワリと実力者ぶりが浸透し始めていたチェ・ドンフンは、トーナメント離脱からRoad to UFCを経てUFCファイターになることを日本のファンに誓う。


──Road to UFCに向け1カ月を切りました。どのような気持ちで日々を過ごしていますか(※取材は4月27日に行われた)。

「相手も決まっていますが、そこは気にしないようにして自分のやるべきことを続けています」

――2月にGLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝で勝利し、その後Road to UFCから声がかかりました。その時はどのような気持ちでしたか。

「Road to UFCからオファーがあった時は、自分が出て良いのかと……。GLADIATORのフライ級トーナメント中だったので、申し訳ないという気持ちがありました。実際、3月3日の他の準決勝もチェックしていましたし。

あの時点では、そのままトーナメントに出続けてGLADIATORのチャンピオンになれる自信がありました。準決勝はNavE選手と戦うことになっていましたが、ベルトを取り逃したなという想いもあります」

――本命チェ・ドンフンという見方から、3月3日にはオトゴンバートル・ボルドバートルが一気に対抗馬に浮上していました。

「強い選手ですね。残った選手のなかで、一番強いと思いました。ただMMAというスポーツは相性というモノがあります。そういう部分で、自分は彼には分があるなと思っていました。本気でベルトを狙っていた分、GLADIATORの皆さんに申し訳ない気持ちでした。

ただRoad to UFCからオファーがあったことに対し、自分を日本で戦わせてくれた長谷川(賢)さんが引き留めることは一切なく『おめでとう。絶対に優勝して』と言ってくれて。もう感謝しかないです。それから、ずっと平常心を保つようにしています。

何よりGLADIATORの2試合は対戦相手のレベルがどうこうでなく、海外で試合をして勝つことができたことが大きかったです。Road to UFCの前に海外で戦えたことは大きな経験になっています。加えて2試合ともフィニッシュできたことで、自分の殻を破ることができたと思います。フィニッシュ能力がある――自分のなかにある野生を呼び起こすことができました」

――そんなドンフン選手のRoad to UFCの戦いが始まります。ドンフン選手はチームMADポハンに所属していますが、より選手層の厚いチームMAD本部――プサンに練習に行くことはないのでしょうか。

「普段はポハンだけで練習していますが、今週末にプサンに練習に行きます。自分が重要視しているのは対策練習で、それ以外のフィジカル等は自分でプログラミングをしてやっています。なのでポハンでの練習で十分なのですが、1カ月も切っているのでハードなスパーリングではなくて、色々なタイプの選手と手合わせをしたくて本部に顔を出すことにしました」

――なるほどです。今回は韓国、日本、インド、インド系英国人、そして中国人とフィリピン人が2人の参加です。バランス的にみて、なぜ日本や韓国人選手は2人でないのか。中国人を勝たせたいという空気を感じるのですが……。そのなかでドンフン選手はチーニョーシーユエという前回の準優勝者と戦います。

「自分もなんとなくUFCは韓国人に勝たせたくないのかなという想いはしています(笑)。そのなかで前回の準優勝者と戦うことに不安もありました。ただ試合映像を視て、研究をすると『勝てるな』と思えるようになっています。

あの選手はサウスポーの戦い方に頼りすぎています。自分の方が引き出しも多いですし、必ず勝てます。まぁ、カモですよ(笑)」

――押忍。力強い言葉です。チーニョーシーユエは鶴屋怜選手が完勝した相手でもあるので、比較をされるかと思います。

「実は鶴屋怜選手が完勝したので、ゲンを担いで今は彼と同じ髪型にしたんです(笑)。そういうところまで含めて、精一杯戦います。自分は絶対にUFCファイターになります。中国人になるのか、インド人になるのか――どんな強い選手がいるかも分からないですが、日ごろの練習の成果を発揮して一掃します。期待してください」

――では改めてRoad to UFCへの意気込みを日本のファンに向けてお願いします。

「いつも暖かく応援してくれる日本のファンの皆さんには、感謝しかないです。自分はRoad to UFCで優勝します。絶対に皆さんを失望させない試合をします」

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45 AB Black Combat DEEP MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 Road to UFC2024 Ep03 UFC ブログ ユ・スヨン 野瀬翔平

【Road to UFC2024 Ep03】野瀬翔平と対戦、本命!?ユ・スヨン「道着の柔術なら、自分が二段階上」

【写真】試合運びから、野瀬の性格を見抜く──恐ろしい洞察力だ(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード03で韓国のユ・スヨンが、日本の野瀬翔平と対戦する。
Text by Manabu Takashima

この4月に返上をしたが、DEEPバンタム級のベルトを巻いたユ・スヨンはBlack CombatとNAIZA FCとアジアのバンタム級三冠だったこともある。

12月の敗北、1月のノーコンテストにもRoad to UFCの門が閉ざされることがなかった。3年連続、Road to UFCに挑む野瀬との対戦を前に本命といっても過言でない実力者ユ・スヨンの話を訊いた(※取材は3日に行われた)。


──Road to UFC出場が決まったユ・スヨン選手ですが、昨年12月にカザフスタンのNAIZA FCでダスタン・アマンゲルジ戦に敗れベルトを失い、1月のBlack Combatではフェザー級でキム・ミンウ選手とNC。直近の試合結果が良くないなかで、Road to UFCへの出場が決まった時はどのような気持ちでしたか。

「カザフスタンでの敗北、キム・ミンウ戦のノーコンテストは自分のなかで、良い経験になりました。あの2試合があったので練習に凄く集中できています。試合もそうですが、それまでの取り組みに関して自分が何をやって行けば良いのか、何をすれば良いのかが分かって良かったです。

カザフスタンでの試合は、今からするとMMAへの気持ちが弛んでいました。練習にも集中できていなくて、MMA熱が下がっていました。あの試合に負けて、キム・ミンウ戦では絶対に負けてはいけない。そういう風にMMAを始めた時の気持ち、初心に返ることができました」

──キム・ミンウ戦のユ・スヨン選手を見て、バンタム級が適正と感じました。

「今、仰っていただいた通りです。キム・ミンウと戦ってフィジカル面で厳しく、フェザー級ではパフォーマンスもバンタム級の時より落ちると思います」

──リーチなど、サイズ感も。

「本音を言えば、自分はバンタム級でも小さいと感じています(笑)」

──そしてRoad to UFCですが、初戦の相手は野瀬翔平選手。日本人選手と戦うこととなりました。野瀬選手の印象を教えてください。

「試合を見ている限り、勤勉で誠実な選手なんだと思います」

──えっ、試合を見てそのように感じるのですか、

「ハイ。常に基本を大切にしています。そして、不利な状態になっても決して心が折れることがない。そういう姿が度々確認できました。本当に普段から、地道な練習を頑張っているのだと思います」

──なんと……凄まじい洞察力ですね。野瀬選手の師匠の弘中邦佳さんは柔術で紫帯の力がないとMMAは戦わせないという基本を大切にする指導者です。

「MMAの試合を見てもレスリングより、グラップリング。打撃を使うグラップラーですよね。自分もそうです。好きなモノが同じファイター同士、どのような試合になるのか楽しみです」

──とはいえ、表情から余裕が感じられます。

「それはどんな相手と戦っても、自信を持って挑まなければならないです。そうできるように、日々の練習をしています。それでも野瀬選手は強いので、油断は禁物です」

──グラップリングはMMAより、番狂わせが少ないと思っています。この試合はMMAなので打撃もあるのですが、純粋にグラップリング力だと、野瀬選手と比較してご自身の力はどれだけだと考えていますか。

「サブミッションで仕留めることはできると思います。MMAでなく、道着の柔術なら自分の方が二段階は上です。それに野瀬選手はグラップリング偏重ですが、自分はもっと打撃とのバランスが良いです。なので打撃という部分では、スピニングバックフィストぐらいですね。注意すべき攻撃は」

──では、初戦で戦う野瀬選手以外にマークすべき相手は誰でしょうか。

「韓国のキム・キュソンと中国のダールミス・チャウパスゥイのいずれかと決勝で戦うことになるかと思います」

──つまりキム・キュソンと戦う透暉鷹選手、ダールミスと対戦する小崎連選手は初戦敗退だと。

「そうですね」

──キム・キュソン選手がパンクラス王者に勝つと?

「えぇ? パンクラスのチャンピオンなのですか」

──パンクラスを2階級制覇し、フェザー級でパン・ジェヒョク選手にも勝っていますが……。

「あっ……しっかりと試合を見直します(笑)」

──押忍(笑)。では野瀬選手との試合を非常に注目している日本のファンにメッセージをお願いします。

「野瀬選手が日本のファンに愛されていることは百も承知していますが、その日本で歴史ある大会=DEEPで自分はチャンピオンでした。日本の皆さん、応援よろしくお願いします」

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News Road to UFC2024 UFC キ・ウォンビン ブログ 雑賀ヤン坊達也

【Road to UFC2024】出場選手公式発表。ワンマッチ出場の雑賀ヤン坊達也「格闘家人生、最後のチャンス」

【写真】これの勝利のポーズが、上海でも見られるか(C)MMAPLANET

23日(火・現地時間)、UFCより5月18日(土・同)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024の出場メンバーが公式発表された。
Text by Manabu Takashima

フライ級、バンタム級、フェザー級、そしてライト級に代わり女子ストロー級の4階級、全32ファイター中31人の名前が明らかになり、加えて4試合のワンマッチ出場の8人のファイターが決まった。

そのワンマッチに雑賀ヤン坊達也が出場し、キ・ウォンビンと戦うこともアナウンスされている。


日本人の父とフィリピン人の母を持つヤン坊は、2017年8月のNEXUSにおけるMMAデビュー戦から、その血がもたらすフィジカルの強さでKO勝ちを量産してきた。

6戦目からパンクラスを主戦場とし、トム・サントスを初回KOで下すと、2020年9月にライト級暫定KOPに君臨。当時の目標はRIZINで戦うだったヤン坊は、一発の力は絶対でも組みが課題、その現状を打破するために師・長岡弘樹とドロドロのテイクダウン防御を磨いた。

それでも久米鷹介との王座統一戦で逆転負け、念願のRIZIN参戦で江藤公洋のテイクダウン&コントロール& パウンドに完敗を喫した。ヤン坊はこの連敗を糧に組みの防御と打の攻撃、その二元論MMAを一元化する作業をソニック・スクワッドでの出稽古などで進める。と同時にパンクラス勢のBellator進出を見て、海外を視野に入れるように。組み技とテイクダウンに隔たりのなくなったスタイルで、松岡嵩志戦&シュウジ・ヤマウチ戦で連続初回KOも、RIZINではアリ・アブドゥルカリコフに逆に初回KO負けし、世界の打たれ強さも体感。

昨年のクリスマスイブには、MMAファイターとしての成長の証といえるキャリア初の判定勝ちを粕谷優介戦で経験すると、3月31日にアキラを相手に姿勢を崩しながらの右ハイキックでKO勝ちを決め、ライト級KOPに。ついにパンクラスの頂点に立ち、今回のワンマッチ出場=世界最高峰へ入口に歩を進めることとなった。

ヤン坊と戦うキ・ウォンビンは、世界レベルに到達しつつある時期のK-MMA界でキム・ギョンピョ、オク・レユンとともに次世代の背負うと期待されてきたライト級ファイターだ。

日本でもGladiatorライト級王者に君臨し、Road to UFCへ。過去2度の出場は準決勝と初戦で敗退しており、長年のハードファイトの影響で打たれ弱くなっている面も見られる。それほど上背はないが、ハイパーダイエット&リカバリー系を貫き、試合当日はウェルター級に遜色ない体躯を誇る。

とはいえ、ヤン坊としてはそのパンチ力の高さをUFC首脳にアピールする格好の相手ともいえる。過去にRoad to UFCのワンマッチからはウェルター級のチャン・ミンヤン、フライ級のニャムジャルガル・トゥメンデムベレルが本戦契約、女子ストロー級のジョセフィン・キヌットソンがコンテンダーシリーズを経てUFCとサインしている。

33歳ながら25歳でMMAを始めたヤン坊のフィジカルは、今もフレッシュだ。そのファイトスタイルと相まって、UFC到達に期待が高まるヤン坊のRoad to UFCワンマッチ出場に向けてMMAPLANETに寄せてくれた意気込みは以下の通りだ。

雑賀ヤン坊達也
「格闘家人生、最後のチャンスだと思っています。魂を燃やして、根性だして、夢を掴んでみせます。仕事しながらだって、諦めなきゃ良い事が絶対あるってことを皆に見せます! 一瞬の隙を絶対に見逃しません!! 一刀両断両断!!! おまかせあれ!!!」

なお1月のTOPBRITSを負傷欠場した韓国のキム・ハンスルは3年連続のRoad to UFCウェルター級ワンマッチ出場。昨年のライト級準決勝で計量に失敗して原口伸戦を欠場したバーハートゥブールゥ・アトゥボラティと戦う一戦もある意味、注目だ。

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【Road to UFC2024】松井、小崎、透暉鷹、野瀬、安藤、河名、原口、本野。MMAPLANET調べRTU出場選手

【写真】(C)MMAPLANET

5月18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。UFCから正式発表がないが、選手及びマネージメント関連から確認が取れている日本人出場選手と対戦相手を纏めてみた。
Text by Manabu Takashima

アジアでは唯一のUFCへの公式ルート=Road to UFC。しかし、選手の選考基準は曖昧で、3度目の開催を迎える今回も多くの出場希望選手がやきもきしてきた。3月31日を選考の〆とする。4月3日が中国のビザ取得のためにタイムリミット。選ばれた選手はビザ取得のため即連絡が入るが、選考に漏れた選手は連絡がないことで不出場を意味する──などなど、今年も情報が錯そうしまくっていた。

また本来UFCはカードの正式発表等のリリースは通常はなく、選手やマネージメントの自己発信に任されている。対して日本国内はプロモーションとメディアのなかでオフィシャル発表を待つという慣例が存在している。Road to UFC出場メンバーの公式発表がなかなか行われないのは、ビザ取得など選手の顔触れが変更されることなども考慮されているという話も伝わってくるが、そのような状況下で選手個人や出場していた団体が公にするケースも出てきた。ここではソースが明らかでない選手を除き、MMAPLANETが選手及びマネージメントに出場の確約があることの確認を取れた選手について言及したい。


【フライ級】
松井斗輝
対戦相手ルエル・パナレス

Grachanでデビューしンクラスでキャリアを積んできたTHE BLACKBELT JAPAN所属の松井が、昨年の鶴屋怜に続き同ジムよりも出場権を得た。キャリア6勝1敗の24歳、伊藤盛一郎や福田龍彌が選外となったことを考えると、このレコードと若さは今のUFCが欲しているゾーンにいるということだろう。

(C)BRAVE CF

松井の対戦相手はフィリピンのルエル・パナレスだ。

レコードは松井と同じく6勝1敗。松井が初めて海外で戦うのに対し、パナレスはUAEWでUAE、BRAVE CFでバーレーンとインドネシアでの試合を経験してきた。ゴリゴリのテイクダウン・ファイター=ムハンマド・サロハイディノフとの敗北から再起戦がUFCを賭けた戦い。スタイル的に初戦以降の対戦相手、つまりは他の出場選手が気になるところだ。

そのフライ級では日本でも一部で猛烈に注目されていたチェ・ドンフンの出場も決まった。

韓国のDouble GFCフライ級王者で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝出場を決めていたチェ・ドンフンもUFC行きを賭けた戦いにステップアップ。

堅実な戦いができるフィニッシャーの初戦の相手は、前回の準優勝者チーニョーシーユエだ。

エンボー・ファイトクラブ出身、UFC PI所属の中国MMA界のエリートコースを行くチーニョーシーユエと、韓国海軍出身のイケメン=これは興味深い顔合わせとなる。

【バンタム級】
透暉鷹
対戦相手キム・キュソン

小崎連
対戦相手ダールミス・チャウパスゥイ

野瀬翔平
対戦相手ユ・スヨン

Road to UFC出場を狙い、フェザー級からバンタム級に落とした透暉鷹は、昨年のクリスマスイブに河村康博を初回肩固めで斬って落とし、パンクラス二階級制覇を果たした。

大手エージェントとの契約もなく、所属ジムの代表がコーチング修行で得た人脈からの出場権獲得。透暉鷹の意思の強さと周囲の向上心と合致しての挑戦となる。

透暉鷹の初戦の相手は、韓国のキム・キュソンだ。母国ではTOP FC、そして日本、ONEでキャリアを積んできた元Evolve MMAファイターだ。キャリア12勝5敗でHEATで加マーク納、春日井たけし、TOP FCでNavE、ONEで藤沢彰博、若松佑弥と日本人選手との対戦も多い。×日本勢の戦績は3勝2敗で透暉鷹としては、当然遅れを取ることはできない

そんなキム・キュソン、一番最近の試合で魔のNAIZA FCでカザフスタン人選手に勝っているのが不気味だ。

意外というと失礼だが、小崎の選出には驚かされた。KROSS X OVERとDEEPで活躍中の小崎は戦績6勝0敗2分で、フィニッシュが5つの22歳。

彼もまたUFCが求めるゾーンのファイターといえる。

その小崎と相対するのは、昨年の準決勝でイ・チャンホに敗れたダールミス・チャウパスゥイ。とはいえ、イ・チャンホを序盤は圧倒したテイクダウン能力の高さは、小崎が未経験の世界といえる。カザフスタン国境ウィグル出身のフィジカルモンスター超えなるか──小崎のフレッシュさに期待だ。

小崎以上のサプライズは3年連続出場となった野瀬だろう。

これまで準決、初戦敗退も2月のRIZIN LANDMARKで改めて国内バンタム級のトップクラスである強さを見せつけた野瀬。

対するは一時はDEEP、Black Combatとアジア3カ国のバンタム級を制したユ・スヨンだ。UFC行きが掛かっていなくとも、興味深いマッチアップといえるタフファイト。当然、野瀬としてはグラウンドに持ち込めば、勝機が増す。その一方で、ユ・スヨンもれっきとした柔術黒帯で、しっかりとMMAに適合した寝技を持つ。それでも野瀬としては組み技勝負、いかに自分の庭に持ち込み、その庭での力比べとなる。

【フェザー級】
安藤達也
対戦相手チュウ・カンチエ

河名マスト
対戦相手ソン・ヨンジェ

原口伸
対戦相手ホン・ジュンヨン

(C)ONE

昨年3月のONE FFのアリ・モタメド戦の逆転勝利もチャトリCEOに評価されず、昨年のRoad to UFCのオファーを蹴っても安藤のONE本戦出場はならなかった。

この間、コンテンダーシリーズからのオファーもあった安藤が、34歳にして最後の挑戦に挑む。

その行く手を阻もうとするのは中国のチュウ・カンチエだ。レコードは18勝4敗の28歳。中国国内でしか試合をしておらず、実力を推し量るのが困難な相手だ。昨年7月に20秒で勝利している韓国のイ・ミンヒョクはパン・ジェヒョクにスプリット判定負け、工藤諒司にも判定負けをしているファイターで、中国人ファイターはもう強くて当たり前という想いで戦う必要がある。

デビュー戦、LFA、GLADIATORフェザー級王座決定トーナメントと躓く度に力をつけてきた河名マストも、いよいよ盟友・中村倫也の背中が見えていた。

特にパン・ジェヒョクとの連戦で競り負けから、完勝と河名は自身のポテンシャルを最大限に使うことができるようになった。対するソン・ヨンジェは6勝0敗5つのKO勝ちと1つの一本勝ちを誇るフィニッシャーだ。全て試合をAngel’s FCで戦い、バンタム級とフェザー級の王座を獲得している。

豪腕ファイターのソン・ヨンジェだが、一時期4年近いブランクもあり、ここ2試合は秒殺で組み力に関しては判断材料が少ない。ともあれ一発で試合を終らせる力を持つソン・ヨンジェを相手に、河名がいかにオアシスに突っ走れるのかに勝負は掛かってくるだろう。

また前回のライト級決勝でロン・チュウに敗れ、キャリア初黒星を喫した原口伸も、ビザ取得ギリギリの段階でオファーがきた。Road to UFCファイナルに敗れた後は、そのまま本戦出場という交渉もあった原口だが、適正体重のフェザー級での出場は今後のことを考えると──それでも簡単ではないが、好判断と思われる。

対する対戦相手のホン・ジュンヨンは2022年の初戦で松嶋こよみに接戦の末敗れている選手だ。その後はマーシー・グローブTVとインドネシア人ファイターを破り、Angel’s FCライト級王座を奪取──も、現状の力は測定が難しい。とはいえ簡単な相手でないことは明らかで、松嶋戦でも見せた様にタフファイトになった時の心の強さを原口は凌駕しなければならない。

【女子ストロー級】
本野美樹
対戦相手フォン・フェイアール

今年からライト級でなく女子ストロー級が実施されることとなり、日韓有数の女子ファイターに声がかかるなか、日本では出場を固辞する選手もあったようだが、本野美樹のチャレンジが決定した。

準々決勝で戦うフォン・フェイアールは、本野ともにフン・シャオカンに敗れている。未確認情報だがフォン・フェイアールを含め4選手が出場するという中国人女子選手、その中の一人にフン・シャオカンも含まれているという。

つまり本野とフォンにとって、Road to UFCはRoad to フン・シャオカンへのリベンジでもある。またかつてパンクラスに参戦経験のある韓国のソ・ユダンも出場し、中国のシー・ミン戦が決まっている。

現状、8人の日本人選手出場。今年はワンマッチも1日に4試合組まれるという話もあり、この他にも日本人選手の出場もあるかもしれない──中国、インド、タイ、インドネシア、そしてついにあるのか中央アジア勢の参戦等々、オフィシャル・アナウンスを待ちたい。

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