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【Special】『MMAで世界を目指す』第8回:鈴木陽一ALIVE代表「UFCの減量食と海外での体重調整」─02─

【写真】写真左は上海PIの試合会場、右は練習スペースだ。透暉鷹のRTU敗戦&負傷からの復帰にも期待したい(C)ISHITSUNA MMA

MMAワールドで勝つためには、フィジカル強化が不可欠となった。この連載では「MMAに必要なフィジカルとは?」というテーマについて、総合格闘技道場ALIVEを運営する鈴木社長=鈴木陽一代表が各ジャンルの専門家とともに、MMAとフィジカルについて考えていく。
Text by Shojiro Kameike

MMAワールドの頂点、UFCとの契約は狭き門だ。同時にUFCとの契約を目指すためのトーナメント=Road to UFCや、DWCSに日本人ファイターが出場するチャンスも減少していくかもしれない。その舞台に上がるためには、日本国内で強豪選手に勝利すること以外に、海外フィーダーショーでベルトを巻くという方法も考えられる。では海外で戦うために必要なこととは。技術、戦略はもちろんチームで取り組まなければいけないこともあることを知ってほしい。


透暉鷹について言うと、初めてバンタム級で試合をした河村選手とのKOPタイトルマッチは、減量も順調だったんです。それがRTUの時は……いろいろと国内でも環境や状況が良くなくて、減量に苦労しました。これは言い訳になってしまいますけど。

鈴木 何より僕たちが想像していた食事は、ただ同じものが配られるのかと思っていました。それが、なんど個々に合わせたものだという。

ベースは同じだと思うんです。それが選手に合わせて品目が減ったりすると。

――UFCサイドの減量や体調管理に対するサポートは、RTUだけでなく本戦でも行われるのでしょうか。

写真奥がファイトレディーの打撃コーチ、エディ・チャー。チャーの横にいるのはUFCファイターのアラテンヘイリだ(C)ISHITSUNA MMA

ヘンリー・セフードがいるファイトレディーに行った時、打撃コーチのエディ・チャーにRTUの時のサポートについて訊かれたんですよ。「凄くサポートしてくれた」と答えたら、「ナンバーシリーズのサポートは、RTUとは比べものにならないよ」と言ってくれました。やはり選手のサポートもRTU < UFN < ナンバーシリーズと、差が凄いと言っていましたね。

鈴木 7年前、加藤久輝がベラトールに出場しました。日沖発がUFCに出た時は現地入りが7日前だったら、ベラトールは5~6日前とか、1日か2日は短かったと思います。もちろん現地でコミッションによるメディカルチェックは行われる。でも食事については、自分たちで手配していました。ホテルの近くにあるスーパーマーケットへ買い出しに行って、ホテルで自炊していましたよね。肉や野菜を焼いたりして。

そうだったんですね。

鈴木 発がUFCに出た十年以上前は、UFCでもそれはなかった。それだけ時代は変わり続けているし、進化しているということですよ。

――当時は海外で試合をする場合、「日本から何を持っていくか」という議論が交わされていました。それこそ炊飯ジャーを現地に持ち込んだり。

鈴木 あった、あった(笑)。僕も海外に行く時は、ホテルに直接電話して、電子レンジの有無などを確認しましたよ。無い場合は、お風呂を沸かしてパックのご飯を温めようか――とか。当時はキャンプ用のフリーズドライ食品が重宝しましたね。ただ、UFC以外だと、そうしないといけない団体も多いでしょう。

海外ではホテルの部屋にバスタブがないことも多いですしね。ウチの選手が韓国で試合をした時がそうで、計量直前までランニングで落としているファイターもいました。

鈴木 国によって文化の違いもある。久米がオーストラリア修斗で試合をした時は、宿泊するホテルに何度もバスタブがあるか確認したら、「ある」と言うんです。でもそれは――ホテルに入ってみたら、プールサイドにあるジャグジーのことで(苦笑)。豪州は湯船に浸かる文化がないらしいです(※水資源に乏しいため、シャワーのみが基本と言われる)。

ニュージーランドの試合に帯同した時も、ホテルにバスタブはなかったです。

鈴木 オセアニア全体がそうなのでしょうね。

ニュージーランドのシティキックボクシングにて(C)ISHITSUNA MMA

僕は事前にスパがあるかどうか確認していました。現地ではダン・フッカーが「ウチに来るか?」と気を遣ってくれたんですけど、さすがに申し訳ないから調べておいたスパに行って。そのスパがなかったら体重が落とせなかったです。

鈴木さんと同じで、僕もホテルに確認したら「バスタブはある」と言われていました。でも行ってみたらプールの横にある、ぬる~いお風呂で……。

鈴木 そこは感覚が違ってきますよね。我々は高い温度で半身浴がしたいんだけど。

――バスタブだけでなく現地の環境については、決して人任せではなく、チームとして確認する必要はあります。

鈴木 そう思います。以前は僕も現地の人に任せていたんですよ。でも最近は全て自分で確認するようにしています。

僕はホテル側が「ある」と言っているのを信用できず、自費で別のホテルを押さえていました。確実にバスタブがあることを確認できているホテルを。

鈴木 それも知識や経験が重要ですよね。海外で試合をする場合は、飛行機の時間も変わったりしますし。セコンドが海外慣れしていないと難しいと思う時はあります。今は選手の能力だけでなく、セコンドの能力も必要になりますよ。

――すでにUFCは何度も豪州で大会を開催しており、日本MMAもオセアニアと関わることも多くなるでしょう。文化の違いも含めて、とても貴重な情報です。

鈴木 どれだけ下調べができるか。現地に詳しい人がセコンド、あるいは知り合いにいるか。

――現地のマネージャーやブッキング担当が日本人でないかぎり、日本人選手に何が必要かを理解することは難しいかもしれない……というリスクは想定しておいたほうがいいですね。

鈴木 そうなると、ますます下調べやネットワークは重要になりますね。ウチは、UFCの時は米国在住の方にマネージメントをお願いしていました。最近では豪州に知り合いがいるのと、ALIVE三重支部にいた選手がベトナムに住んでいたりとか。すると通訳をやってくれるだけでなく、現地の文化も分かっていて。

とても重要なことですよね

鈴木 今はRTUもアジアが対象だけど、これからオセアニアも入ってくる。DWCSと同じワンマッチになることも考えられるでしょう。これから世界を目指す選手は、どんどんいろんなことを経験しておかないといけませんね。

韓国コリアンゾンビMMAとも交流がある林代表。日本はどこまで競い合えるか(C)ISHITSUNA MMA

RTUも初戦が上海PIで行われたあと、準決勝は北京の近くで開催されるという話もあったんです。そうなるとPIはない、ホテルで調整しないといけないから気をつけてね――とも言われていました。その準決勝も開催場所がラスベガスになって良かったとは思います。それこそUFCは米国全土で開催していて、州によって違うことも多いでしょうし、いろんなことを想定しておく必要はあります。

鈴木 リカバリー一つでも、僕たちが思っているものとは違います。まだまだ勉強し続けないといけないですね。

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【Special】『MMAで世界を目指す』第8回:鈴木陽一ALIVE代表「UFCの減量食と海外での体重調整」─01─

【写真】RTU現地で主催者から選手に提供される食事。選手の状態によって量は異なるという(C)ISHITSUNA MMA

MMAワールドで勝つためには、フィジカル強化が不可欠となった。この連載では「MMAに必要なフィジカルとは?」というテーマについて、総合格闘技道場ALIVEを運営する鈴木社長=鈴木陽一代表が各ジャンルの専門家とともに、MMAとフィジカルについて考えていく。
Text by Shojiro Kameike

アジアからUFCとの契約を目指す戦い=Road to UFC season1が開催されたのは2022年。ここまで計3シーズンが開催され、2024年は日本人ファイターが準決勝で全員敗退という結果に。そんななかで注目を浴びていたのは、ファイターたちがSNSにアップしていた、現地で主催者から配給される食事だ。UFCは出場選手の食事や減量について、どのように考えているのか――そこから見えてくる、MMAファイターの体づくりにおいて必要なものとは。透暉鷹のRTU2024出場に同行した、林巧馬ISHITSUNA MMA代表に現地の状況について訊いた。


――今回は林巧馬ISHITSUNA MMA代表をお招きして、Road to UFCにおける現地の減量についてお聞きしたいと思います。

鈴木 今年、ISHITSUNA MMAから透暉鷹選手がRoad to UFCに出場しました。映像を視ていると――ALVEの日沖発が出場していた当時と比べてUFCも、明らかに減量や脱水、リカバリーに対するサポートが強くなったように思います。現地ではどのようなことが行われていたのかお聞きしたいです。

よろしくお願いいたします!

鈴木 前提として、最近は減量によって倒れる選手が増えています。その中でUFCは食事も含めて、減量をサポートしていますよね。

はい。透暉鷹が出場したRTUの場合、まず減量用の食事が主催者から支給されていました。初日は体重チェックとメディカルチェックが行われます。その結果「あなたの体重は今こうだから、こういうメニューで――」と、翌日から食事が支給されましたね。

鈴木 ただ食事が出るだけではなく、体調と体重に合わせたメニューが支給されるのですか。

そうなんです。だから透暉鷹と他の選手に支給される食事のメニューは違いました。透暉鷹は諸事情によりウェイトも重い状態で現地入りしたので――小さい野菜、プロテイン、お肉といった程度です。減量が順調な選手には白米も提供されていました。

――それは凄い! まずUFCが行う体重チェックとメディカルチェックは、かなり時間を掛けたものなのでしょうか。

いえ、それほどではないですね。現地入りは試合の約1週間前、土日どちらかに入る形だったかと思います。その日は体重とメディカルチェックで、体重計に乗って、スタッフさんから説明を受けて……。翌日から上海PIへ3食を受け取りに行きます。

――食事の提供スケジュールを教えていただけますか。

「何時までに取りに来てくれ」と決まっていて、確か朝は7時~9時までの間にマネージャーか選手本人がスタッフルームに取りに行きます。その時に1日3食分を受け取って、部屋の冷蔵庫で保管します。そのスタッフルームに行けば、電子レンジもありました。

――食事の提供はいつまで?

水抜き後、計量当日までですね。水抜き用のソルトや、テントサウナも必要であれば支給されます。現地で使わせてもらったテントサウナが良すぎて、日本で買いました(笑)。

鈴木 選手は提供されたもの以外は食べてはダメなのですか。

そういうわけではなかったです。果物とか自分が持ってきたものを食べている選手もいましたし。そこから体重を落とせるかどうかは自己責任でもあるので。体重を落とせていない場合は、「これ以外は食べないで」と言われたりします。

鈴木 塩分量とかも、しっかり計算されているでしょうしね。

はい。ほぼ味がない食事です(苦笑)。さらに水抜きに入ると、PIが24時間体制で構えてくれていました。残り1キロとか落とせないファイターは上海PIに行き、スタッフも協力するとストンと落ちたんです。

鈴木 それはスタッフのマッサージとか……。

サウナとか、そういう設備面ですね。もちろん体調が悪くなれば、すぐスタッフが対応してくれますし。

12月1日に林代表が主催したJFCの大会後、鈴木社長とともに(C)SHOJIRO KAMEIKE

――それだけギリギリの状態でもストンと体重が落ちて、体調も維持できる設備が上海PIには整っているということですか。

これは聞いた話ですが、とある選手が計量直前まで減量で苦しみ、もう全く落ちなくなった。その選手が上海PIに行き、スタッフ総出でサポートしてくれたそうです。一方でウチは上海PIとラスベガスのUFC APEXでの試合も経験しましたが、APEXのほうは上海PIほどのサポートではなかったです。

鈴木 え、そうなんだ。

あくまで上海PIと比べて、ですけど……。そもそもUFC APEXも凄く良い対応でした。上海PIが凄すぎたんです。ラスベガスのAPEXは常に多くのファイターが練習に来ているんですよ。僕たちがいた時には、コーディ・ガーブランドが練習していました。だからスタッフも、そこまで手が回らないのかもしれません。

鈴木 そうか、ジムは通常営業中ですもんね。それと比べたら上海PIのほうが、その時練習している選手は少ないだろうし。

はい。だから上海PIは凄くサポートは手厚かったですけど、APEXもしっかりサポートしてくれました。ただ、それも文化の違いなのかもしれませんね。米国人の場合は付きっきりではなく「必要なら何でも言ってくれ」という感じで。

――本来はスポーツとして、出場選手の減量にそこまでスタッフが関わることは宜しくないとは思います。しかし上海PIでもラスベガスのAPEXでも、イベントを成立させるためのサポートは実施されているということでしょうか。

鈴木 そういうことですよね。

サポートについては日本人選手だけでなく、他の国の選手も同様でした。ただ、松井斗輝選手だけは体のフレームが大きすぎるので、これ以上の減量は無理だと判断されたようですね。

鈴木 そこも利尿剤とかで無理に落とさせるわけではなくてね。ちゃんとメディカルもついて。

はい。あとは寝られないとなると、医師に相談のうえで睡眠薬をもらえたり。全て医師を通したものなので問題はないです。

鈴木 まさにパフォーマンス・インスティテュート(PI)だ。

食事についても、受け取りに行った時にも体重を測り、その結果によってはメニューも減らされたりします。ちゃんと栄養の専門スタッフもいらっしゃいました。

<この項、続く>

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45 Interview K-MMA Road to UFC2024 UFC シエ・ビン ブログ ユ・ジュサン 八隅孝平 河名マスト

【Road to UFC & ZFN02】UFCを目指すファイターへ。河名マストを通して、八隅孝平の提唱

【写真】厳しい内容だからこそ、このタイミングで記事を掲載させてもらいました (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02で河名マストがユ・ジュサンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

Road to UFC準決勝で敗れた河名について、MMAPLANETでは指導者でありコーナーマンを務める八隅孝平ロータス世田谷代表に話を訊いていた。河名に対して相当に厳しい意見が聞かれたが、八隅はそれを「全国のファイターに向けて言いたいことです」と記事にすることを承諾してくれた。

透暉鷹のコーナーを務めた日沖発stArt JAPN代表の言葉と同様に、八隅孝平の言葉も胸に刻んで欲しい。



「僕はもともとUFCは中国に投資して、Road to UFCは中国人を雇用するためのトーナメントだと僕は捉えていました。そして、中国人選手も力をつけています。その結果が河名君も含めて、日本人選手の惨敗になったと思います。元々人口があって、パイが大きいなかで篩に掛けて残った選手がRoad to UFCに出てきているわけですし。

河名君はMMAファイターとして何もなかったところから、形になりました。それは一緒に練習している選手たちの協力があってのことです。でも、シェ・ビンはトーナメント出場選手のなかで最強だと思っていたし、試合前から僕自身は『ヤバいぞ』という感じでした。5月の1回戦で受けたダメージも残っていたし、アバラを痛めたこともあって練習は1カ月ぐらいしかできていなかったです。

厳しい言い方をすると、そもそも練習量が足りていないです。ここに来れば、真面目に練習はしています。でも来ない日がある。

Road to UFCは最終的なゴールに向かうための戦いに過ぎないのに、出場できることでちょっと達成感を持ってしまったのか。僕はこれからUFCに向かう選手のために、敢えて言わせてもらうし、記事にしてください。Road to UFCに引っ掛かるのも大変だけど、そこではUFCでやっていけのか試されているだけです。僕は正直、勝ち上がるのは80パーセントぐらい厳しいと思っていました。河名君のクラッチ、そして一発の強さは信用しています。でも、それはMMAとしてギャンブル性が高い。

その一発がいきなり当たったけど、相手も必死だし終わっていなかったです。でも河名君は左を振って、右を当てようというパンチを続けました。要はスキルがない。距離を詰めることができないし、隙だらけで。あれは初っ端だから当たったけど……細かい事を言うと、河名君はずっと右に回り続けました。シェ・ビンはケージを背負いたくないから、同じように回って距離は詰められないし、組むこともできない。

試合後に『組めると思わなかったでしょ?  自分の感じたことが全てだから。それが全て。一発当たったけど、立たれたあとにもう一回組んで制圧し続ける。それを練習の時から想っておかないと』と話しました。

練習不足です。でも、俺も当たったら行けると信じていました。組みにかなかったのではなくて、組めなかったんです。当たらなくても手を振ることが、ディフェンスになる。フォームも気にするなと伝えていました。なので彼の実力は出た。練習通りです。あそこで勝ち切って、決勝も勝って本戦に出たいなら、練習量は絶対に足りていない。投資が足りていないです。UFCを目指すなら足りない。

UFCはドーピング検査もあり、減量中のケアもとことんやってくれます。そんなところ、ないですよ。でも、もう大人なんですよ。何でも言えるわけじゃないし、キッズ・レスリングに来ている子供じゃない。自分で分かって、もっとやらないと。それでも話はしました。本人は『そうですね』みたいな感じでした(笑)。

それに河名君に関しては、レスリングで使い切っていた部分があります。それもあって、無理から押し付けるような練習をさせることもなかったです。やはり、体は疲弊してケガもするので。そういうことが度々あると、やはり歪になってしまいますね。

厳しい言い方をすると、本気度が足らない。国内にはRoad to UFCが始ったことで、UFCが近くなったという空気があります。厳しさは変わらないです。機会ができただけで。勝つのは簡単ではない。言うと中村倫也選手は特別です。平良達郎選手にしても、その姿勢は凄まじくて。

河名君はスタイル的にもGladiatorの頃から、資源を減らして戦うタイプになってしまいました。殴られても組むという。それを続けると、資源が枯渇するので心配です。それでも河名君は、まだ目指すという姿勢を持っていて。グラジのベルトには拘りをもっていないので、返上させてもらうこといしました。

僕は1度防衛をして、また発言権を得たかったのですが、本人は海外で戦っていきたいという気持ちが強くて。とはいっても確率的にUFCに行くのは相当に困難になりました。それでもMMAをやっていくなら、ファイトマネーの額も考えないといけないし。働きながら続ける選択もあります。仕事を持っていても、強くなれます。それで強い人なんて、いくらでもいるので。

いずれにせよ、僕として再スタートは来年の3月からと思っていたんです。グラジでのタイトなスケジュールは、Road to UFCに引っ掛かるためのもので。そこからの蓄積があるので、やはりダメージの回復が必要で。12月ぐらいまで休んで、1月と2月で創って3月から試合という風に考えていたのですが、マネージメントからZFNの話があって。期限も切られているオファーでした。

河名君から相談されて、本音をいえば早い。しかも向うからきたオファーで『こいつなら勝てる』とマッチメイクだと思います。対戦相手を売るため、星稼ぎの試合。それでも本人は戦うというので、しっかりと休む時間を設けて。それから2カ月ほどで創る。限られた時間ですが、やるって決めたらやるしかないです。生活もありますし。

その間で形を作りなおすこと。当たれば倒すというスタイルでは、練習をしていることが生きていない。組み伏せることが目的なのに、当てに行くようになっていた。そこを修正するのと、組み自体も精度を上げる。もっとMMAへの理解をさせる。やるのは本人ですが、もっと練習をしようと。それも練習を再開するときの調子によりますけどね。やると決めたので、やらせます。

やるならやる。UFCを目指すのであれば、それだけのことをやる。これは全国のファイターに向けて、言いたいです」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC YouTube キム・キュソン チィルイイースー・バールガン パンクラス 修斗 徳弘拓馬 日沖発 海外 透暉鷹

【Road to UFC2024 Ep05】日沖発、透暉鷹の準決勝敗退を語る「まずは自分を見ないといけない」

【写真】日沖自身がUFCで戦っていたからこそ言えることがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

8月23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたRoad to UFC2024 Ep05 =Road to UFC Season03 Semi Finalsにて、バンタム級準決勝で透暉鷹が中国のチィルイイースー・バールガンに判定で敗れた。
Text by Shojiro Kameike

透暉鷹にとってはフェザー級からバンタム級に転向し、パンクラスKOPで2階級制覇を果たして挑んだUFCへの道——初戦は韓国のキム・キュソンを下して準決勝に進出したが、笑顔はなし。さらにバールガン戦は1Rを取りながらも、2Rと3Rを押さえられて判定負けを喫した

国内の戦いで見せていたような動きを出せなかった。そんな印象もある準決勝戦について、透暉鷹のトレーナー&セコンドを務めた日沖発stArt代表に話を聞くと、厳しい言葉も訊かれた。その内容は透暉鷹だけでなく、日本MMA全体の問題であるようにも感じられる。


相手も『この展開をやりきる』という意志が強かった。厳しいことを言うと――

――今年のRTUは準決勝で日本人選手が全滅という結果に終わりました。この結果を振り返る企画として、透暉鷹選手の試合についてはセコンドを務めた日沖さんにお聞きします(※取材は9月3日に行われた)。

「よろしくお願いします。僕は試合をした本人ではないし、所属ジムの人間ではないので、なかなか言えないこともありますが……」

――いえ、その立場にいる日沖さんにこそお聞きしたいことがあります。まず日沖さんは8月18日に、徳弘拓馬選手のセコンドとしてグラチャン大阪大会に来ていました。その直後、透暉鷹選手とともにラスベガス入りしたのでしょうか。

「いえ。グラチャンの試合が終わって、少し経ってから計量当日に着きました。2泊3日でラスベガスに(苦笑)」

――試合としては、透暉鷹選手はこれまで国内の試合ではドミネイトして勝つことが多かったです。しかしバールガン戦で徐々にペースをひっくり返されて逆転の判定負けを喫したことが、意外で予想外な面もありました。

「僕は『厳しいシーンがあってもおかしくない』とは思っていました。まず透暉鷹とバールガン選手は似たようなタイプで――自分から打って、そして上を取りに行く。そういった場合は特に、自分の強いところを先にぶつけてペースを握らないといけません。でも先に、相手にペースを取られてしまうと、今回のような試合展開になることはあり得ます」

――それは1Rと2R、開始早々に相手の右をもらってしまった点でしょうか。

「あれは相手の作戦だったでしょうね。透暉鷹が後ろ重心になっている時に、右ストレートを被せるという。

1Rは右を受けたあとにトップを取ったので、ポイントも押さえたと思いました。最初にもらった右のダメージを後半まで引きずったわけでもなくて。ラウンドが終わってみるとペースを取られたのは1分間だけで、残り4分はハーフ、がぶり、バックと透暉鷹が支配していましたから。

2Rも微妙ではありますけど、透暉鷹のほうが先にやるべきことができていた時もあったんです。テイクダウンも奪っていましたし。でも、それ以外はケージに押し込まれたりするなど、後手に回ってラウンドを取られてしまいました」

――1Rに透暉鷹選手がバックに回られた時は、セコンド陣としては「切り返すことができる」と考えていましたか。

「はい。透暉鷹はバックエスケープ、つまりバックを取られかけたところから、上を取り返すのは得意なんですよ。でも『あまりバックエスケープはやるな』と言っていました」

――確実に逃れることができるとしても、一瞬バックを取られかけるのは印象が良くない。

「そうなんですよ。確かにガードからめくるスイープよりは、バックエスケープのほうが上を取りやすいです。尻もち着きから後ろを見せてサイドバックを取らせてから、相手が足のフックを入れてきたところを前に落とす。そのほうが体幹やフィジカルを生かしやすいし、やられたほうにも『惜しいところまで行ったけど攻め切れなかった』という心理が生まれたりしますからね。

対して、スイープは技術的にも難しい面があるし、まず自分の背中がマットに着いているので、スコアでも不利になります。そのスイープに時間を掛けるのはコスパが悪いというか……。とはいえ、バックエスケープも最初にバックを奪われかけているわけで。透暉鷹には『まずバックを取らせないように』と言っていました」

――透暉鷹選手がスイープの技術を持っていないわけがない。ただ、持っている技術の中から何を選ぶか。展開の速度が増す一方のUFCあるいはUFCを目指す戦いで、いかに速く選択し、正確に実行できるか……。

「3Rはラバーガードからオモプラッタを狙っていました。でも現在のMMAなら、あそこでもっと殴っておいたほうが良かったですね。今の採点だと殴った数が多いことは採点に影響しますから、下からでも殴るのは大事なところではあります。

仰るとおり、透暉鷹はスイープも含めてガードからの展開もできます。しかし、どうしてもトップキープのほうがフィジカルの強さを生かすことができますし……」

――結果、1Rは右を受けてから取り返した。なのに2R以降は取り返すことができなかったのが意外だったんです。

「相手も『この展開をやりきる』という意志が強かったですよね。厳しいことを言うと、透暉鷹の弱さが出てしまいました」

――透暉鷹選手の弱さ、ですか。これも正直なところ、2R以降は透暉鷹選手の表情を見ていると、少し気持ちの面で押されていないかという印象を受けました。

「あぁ、なるほど。そうですよね……うん、……そうですね」

――今まで経験したことのない展開になり、焦りが生じてしまうのも当然かと思います。そこでインターバルの間など、セコンドとしてはどんな指示を出していたのでしょうかか。

「僕は2Rが終わって、インターバルの時に『1-1だから、このラウンドを取らないと勝てないぞ』とは言いました。本人もそれは理解していたはずです。でも最終ラウンドは、悪いシナリオに近い展開になってしまいましたね。

透暉鷹も最終ラウンドを取りに行こうとしていました。ただ、MMAの場合は2Rを取ったほうが3Rも取るという傾向は多いと思うんです。ラウンドごとではなく試合全体で考えた場合、徐々にペースを取られていく展開だと2Rからの10分はバテていくことも含めて。よほど相手よりスタミナ面で上回っていれば、2Rを取られても3Rを一気に取りにいくことも考えられます。今回の試合に関しては、そこは少し厳しかったです」

――なるほど。

「これは違う話かもしれませんが、たとえば1Rと2Rを取られていて『このままだと判定で負けるから3Rはフィニッシュを狙えよ』というアドバイスって、よく聞かれますよね。でも、その状態から3Rに逆転勝ちするのはレアケースだと思うんです。

10分間ドミネイトされている選手が、もしも最後の5分もし最後の5分……いや、残り3分や2分で逆転できるなら、最初から行ってペースを取っているはずで。やられている選手が最後に逆転できるのは、相手がバテたか、あるいは何か魔が差したのか。そういうことがないと難しくなります。実際、僕がセコンドについている試合で、逆転を狙っても相手のセコンドはポイントで勝っているから、『そのまま殴らせておけ』と指示していたこともありますし」

――となれば、3R制では1Rと2Rをどう取るかが重要になってきます。しかし透暉鷹選手が2Rと3Rを取ることはできなかった。バールガンは今まで戦ってきた相手とレベルが違ったと思いますか。

「レベルは上だったと思います。ただ、それよりも『今までの相手とはタイプが違った』という気持ちのほうが強いです。そう考えると、経験の差はあるかもしれません」

日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけない

――試合後、透暉鷹陣営としては、どのような話をしたのでしょうか。

「う~ん……、相手のことよりも透暉鷹本人のことですよね。本人には伝えましたが、もっとベストコンディションをつくることを考えたり、UFCに向けてもっと厳しくやる部分が必要だったと伝えました」

――それはRTUの試合に向けて練習が足りなかった、ということですか。

「いえ、練習はしっかり頑張るんです。でも日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけないと思います」

――「ベストコンディションをつくること」とは、ウェイトのことでしょうか。

「いろいろ要因はありますが、まずウェイトについて言えば『ベストコンディションをつくれないなら、階級を戻したほうが良い』とは伝えました。透暉鷹の体格を考えると、バンタム級が適正かとは思います。でもそれって、周りを見ているということなんですよ」

――というと?

「周りと比べて自分は体格が小さいから階級を落とす。それはそれで重要だと思います。でも、まずは自分を見ないといけないわけで。自分にとってベストの状態をつくることができないのであれば、やはり階級についてはもう一度考えなければいけないですね」

――「まずは自分を見ないといけない」とは、とても重要な言葉です。ファイターからすると、来年もRTUが開催されるとすれば、どのようにRTUにフォーカスしながら過ごすかも重要になってくるのではないでしょうか。

「やはり日本と海外では勝手が違う部分あって、自分をつくり切れなかった。いろんな基準やレギュレーションが違うなかで、海外慣れも必要だと思いました。来年もRTUが開催されるとは限らないし、開催されても透暉鷹が選ばれるかどうか……」

――日沖さんの場合、修斗と戦極のベルトを巻いてからUFCとの契約に至りました。その前にカナダTKOの経験があったからこそ、とも思います。

「そうですね。TKOのベルトを巻いたあと、すぐにWECの話が来ましたから。日本と海外では単純に競技人口が違うし、そうなると強い選手が出て来る確率も高くなる。今後ますます日本の状況は厳しくなると思います。

僕も試合に対して言い訳じみたことも言いたくはないし、彼自身もそんな言い訳は言っていません。今回の経験が今後に生きるかどうか、それは彼次第です。

本人とISHITSUNA MMAの林代表は『もう一度RTUに挑戦したい』と言っています。僕としては『現実を考えると、UFCは遠のいてしまった』と伝えました。まずその現実的な厳しさを彼がどう受け止めるか、ですよね。受け止めたうえで頑張るというのであれば、僕も引き続き透暉鷹をサポートしていきたいです」

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【Road to UFC2024 Ep06】準決敗退、原口伸の胸中は。「色んなことが吹っ切れました」&「RIZINで」

【写真】次の舞台はRIZINかEternal MMAか……それとも (C)TAKUMI NAKAMURA

8月23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたRoad to UFC2024 Ep06 & Ep06=Road to UFC Season03 Semi Finalsにて、フェザー級準決勝で原口伸がチュウ・カンチエにスプリット判定で敗れた。
text by Takumi Nakamura

試合の大半でテイクダウンを仕掛け、グラウンドでコントロールしていた原口だったが、ジャッジが評価したのは細かい打撃を当てたカンチエの方だった。最近のMMAは打撃偏重と言われ、原口自身もそれを頭に入れて準備をしてきたうえでの敗戦。

納得いく判定ではなく、Road to UFC(以下、RTU)敗退という結果を受け入れるまでに時間がかかる試合だった。あの敗戦から約5日後、米国から帰国した当日から練習を再開していたという原口に話を訊いた。


――RTU準決勝のチュウ・カンチエ戦がスプリット判定負けという結果に終わりました。原口選手がテイクダウンを仕掛けてコントロールしている時間も長い試合展開でしたが、それがジャッジには評価されなかったという形です。率直に今はどんな心境ですか。

「やっぱり『納得いかねえな』という本音はあります………あるんですけど、自分のファイトスタイルなど色々と見直すきっかけにはなったかなと思います」

――試合中はどんなことを考えながら試合をしていたのですか。

「1Rは思ったようにテイクダウンできなくて、上からヒジをコツコツ当てられてしまって。目立った攻撃をされてはいないけど、自分もいい見せ場は作れていなかったので、相手にポイントがついたと思いました。それで2Rは半分以上は自分のターンだったし、相手も打撃を繰り出してきたんですけど、ほとんどブロックしていたんですよ。

1発だけストレート?を軽く当てられたんですけど、それは全く効いていなくて。客観的に見て自分の方が印象がいいラウンドだったと思いました。で、3Rは完全に自分が取ったと思います。セコンドとも2Rが終わったあとのインターバルで話を聞いて、セコンドからも『2Rは取っている』と言われて、自分と同じ認識だったと思います」

――では原口選手としては2・3Rを確実に取ったという判断だったんですね。

「そうですね。3Rも10-8でもおかしくないような展開だと思うんで……はい(苦笑)」

――ただし結果はスプリット判定となり、カンチエに軍配が上がりました。

「スプリット・ディシジョンと聞いた瞬間、めっちゃ嫌な予感がしたんですよ。そうしたら案の定、相手の手が上がっていて……。ただ相手陣営は相手陣営で判定を待っているときはみんなお通夜みたいな顔してたんです。それを見て僕は勝ったと思ったし、選手と陣営はお互いそういう予想をしていたのかなと思います」

――この結果をどう受け止めていますか。

「自分の中では2つの感覚があって、1つは今回の試合に関しては勝負に勝って、試合に負けたんだなと。でも負けは負けなんで、自分が決着をつけられなかったという反省点もありますし、1本取るかパウンドアウトしていればよかっただけの話です。だから仕方ないなという部分もあります。

もう1つはシンプルに、あの試合内容で勝ちにならないんだったら色んなことが吹っ切れました。今回もそうなんですけどRTUに2年連続で出場して、どうしても戦い方が勝ちにこだわるスタイルになっていたんです。そこを追及して、ああいう判定になるんだったら、もうレスリングやコントロールに固執する必要はないなと。自分がやりたいようにやって、打撃でもガンガン行くし、失敗してもいいから寝技でもガンガン極めに行こうと思いました」

――戦い方を微調整するのではなく、考え方そのものを変える必要があると。

「今回の試合前に分かっていたことではあるんですけど、 実際に自分がこういう事態に直面して。今は心のそこから自分のやりたい格闘技をやればいいんだと思えていて、今が一番人生で格闘技を楽しめているかもしれません」

――勝つための格闘技じゃなくて好きな格闘技をやるということですか。

「そうですね。良くも悪くも考えがアスリート的になっていたというか、勝つために手堅く行きすぎたという部分は確実にあって、勝たなきゃ意味がない・結果を出さないといけないという考えに縛られすぎていたと思うんです。でもあの負けを経験してその呪縛から解放されて、なんかこう…次はバチバチに行ったろうかな!という気分になれています」

――フィニッシュすれば試合は終わるし、そこまで行きつかなくても、そのための動きが評価されるのであれば、その通りに戦いますよということですね。

「はい。今回の試合でも、いくら僕と周りの人たちが『伸が勝っていたよ』と言ってくれても、負けは負けじゃないですか。だったら今の判定基準に合わせるしかないし、そういう時代(判定では打撃やダメージが評価されやすい)になったんだと思います」

――そこも踏まえてどんなことを意識して練習していこうと思っていますか。

「僕の場合はとりあえずレスリングは一旦置いておいて、打撃とグラップリングだけに重点を置いてもいいのかなと思います。僕の強みはレスリング・コントロール力だと思うのですが、そこに頼らない、そこに逃げない練習をしたいです」

――ある意味、練習でやるべきことが明確になりましたか。

「すごく今は清々しいんですよね。本当に判定には納得していないし、あの結果を落とし込むのにも時間はかかりました。でもそれを一旦置いておいて、もっとシンプルに格闘技の技術という面においては『俺、めちゃくちゃ伸びしろあるやん!』という風に捉えています。だから今は自分で自分が楽しみです」

――すぐ試合が終わってすぐ練習も再開したのですか。

「練習しないと居ても立っても居られないというのではなくて、自分自身に伸びしろをすごく感じたので、どこかに遊びにいくような感覚で練習をしたいと思って。帰国したその日にボクシングトレーナーに連絡して、ジムでミット打ちをやっていました(笑)」

――帰国したその日ですか。

「はい。試合の次の日の朝6時半くらいには日本に到着したんですけど、昼にはトレーナーさんに連絡していましたね。『今日って練習できますか?』って。そのくらい練習したくてしょうがなかったです」

――さてRTUでの戦いが一段落して、これからはどこを目標にして試合をしていこうと考えていますか。

「よく勘違いされがちなんですけど、僕は海外で試合することにこだわりがあるわけではないです。UFCを目指すという目標は変わらないですし、そこにたどり着くまでの過程として試合をしていきたい。もしRIZINでチャンスが来るんだったらやってみたいし、引き続き海外でもチャンスがあるならやってみたい。
そこは割と柔軟に考えていて、舞台問わず、強い選手と戦って成長できればという感覚でいます。海外志向になりすぎると考えの幅を狭めることになると思うので、チャンスを与えられたところで結果を出す。どの団体で試合をやるにせよ、勝ち続ければ上に行けるわけですし、道は切り開けると信じています」

――実は原口選手は日本国内ではGrachanとVTJにしか出ていないんですよね。

「そうなんですよ。出ていない大会の方が多いので、色んなチャンスがあるのかなと思います」

――では試合のチャンスを待って、次の試合に向けて準備していくという形になりそうですね。

「はい。本当にまだ先のことは何も分からないので、さっき言った通り、強ければ道は開けると思っています」

――国内の団体ではRIZINがビッグプロモーションとして存在していますが、RIZINのことは意識していますか。

「試合が終わった後にX(Twitter)でもRIZINで見たいですというリプやメッセージをたくさんいただいて、もしオファーをいただけるなら全然出たいと思います。海外で言ったら、同門の伊藤空也選手が豪州のEternalMMAでベルトを獲ったんですけど、EternalMMAからUFCに行った選手もたくさんいるので、そういう大会に向けても準備していきたいです」

――それでは最後に次戦に向けての意気込みをいただけますか。

「出来れば年内もう1試合やりたいと思っていますが、いい意味でこだわりを持ちすぎず、自分が強くなることを考えて試合のチャンスを待ちたいと思います」

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC チュウ・カンチエ 河名マスト

【Road to UFC2024 Ep06】河名マスト、シェ・ビンに衝撃のKO負け。日本人4選手は準決勝で全滅

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
Def.1R4分17秒by KO
河名マスト(日本)

河名が左右に動いてインローと左フック、右を強振する。ビンは左ミドルと左ストレート、河名は再び左フックで距離を詰めて右フックする。そして河名が右フックから返しの左フックを当てると、ビンが後方に崩れ落ちる。そのまま河名はバックについて、立ち上がるビンを持ち上げつつ、ケージ際で寝かせて殴る。

ビンが立ち上がって距離を取ると、河名は左のヒジから飛び込んで左右のフックを見せる。ビンも下がりながら右ストレートのカウンターを狙う。果敢にパンチで前に出る河名。シンは距離を取りつつ右ローと右ストレートを当てる。

河名が左フックで飛び込むと、そこにビンが右フックを合わせ、河名が前のめりに倒れる。なんとか立った河名だったが、ビンが追撃の右フックを打ち込むと、この一撃で河名がばったりと後方に倒れてピクリとも動かず。河名にとっては衝撃のKO負けとなり、準決勝に勝ち進んだ日本人4選手は全滅という結果に終わった。

なおフェザー級決勝はビンとチュウ・カンチエの中国人対決となり、ビンは「自分の距離だったのに、最初に威力のあるパンチを食らってしまった。そこからはしっかりと防御でした。いつだって自信があるけど、この試合は3R戦うだけのスタミナをつけてきた。大切なのは、次の試合だ。チュウ・カンチエ、ぶっ倒す」とコメントした。


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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC チュウ・カンチエ 原口伸

【Road to UFC2024 Ep06】TD&コントロールの原口伸、打撃のカンチエにスプリット判定で敗れる

<Road to UFCフェザー級準決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ(中国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
原口伸(日本)

サウスポーの原口に対し、カンチエが右のヒザ蹴り。原口はそのまま組みついてカンチエをケージまで押し込み、左足を持ち上げるようにしてテイクダウンを狙う。そのまま左足にシングルレッグに入るが、カンチエは離れる。

カンチエは左手で距離を測り、原口は飛び込むようなパンチとヒザ蹴り。カンチエはインローを蹴り、原口が距離を詰める。カンチエは右を当て、組みつく原口だがカンチエは離れる。

原口は左ストレートを伸ばしてカンチエに組みついて押し込む。さらに原口はシングルレッグに入って、カンチエの首を抑えてマットに倒すが、ここはカンチエに立たれる。プレッシャーをかける原口。カンチエが右ストレートで出てくるところに組む。カンチエはそれを切ってヒザ蹴り、続く原口のシングルレッグを切りながら殴る。

原口はしつこく組み続けてバックを狙うが、カンチエは立ち上がってケージ際でヒジ打ち。距離が離れるとカンチエが右ミドル。原口が左ミドルを蹴って、バランスを崩して下になったところでラウンド終了となった。

2R、カンチエが右ミドル、右の飛びヒザ蹴り。原口の組みを切って、離れ際に左ハイを狙う。距離が開くとカンチエが右ミドル。原口が左ストレートで飛び込み、カンチエのジャブにシングルレッグを合わせ、左足を高く上げてテイクダウンへ。粘るカンチエをマットに寝かせ、後ろにつく。

カンチエは足をフックさせずに立ち上がり、首相撲のような形で距離を作ってヒジを入れる。原口は一旦自分が下になるような形でカンチエのバックを練るが、正対したカンチエが離れる。

カンチエが右ヒザ蹴りと右ストレート、原口はダブルレッグ・シングルレッグでしつこく組むが、カンチエは深く組ませずにテイクダウンを許さない。それでも原口はダブル・シングルに入り続け、終了間際にテイクダウンを奪ってパンチを落とした。

3R、原口が右フックを出すと、カンチエは右ストレートを狙う。続くカンチエのインローがローブローとなり、試合が一時中断。再開後、原口は左ストレートから組むが、カンチエは組ませない。

原口はカンチエの右ストレートに合わせて組み付いてケージへ。ボディロックしてカンチエのバックを狙い、正対するカンチエを寝かせてバックにつく。カンチエが腰を上げて四つん這いになると、原口は前方に崩してコントロールする。

カンチエもケージに体を預けて立ち上がるが、原口はダブルレッグに入ってテイクダウンに成功。亀になるカンチエのバックについてパンチを入れる。さらに原口はネルソンのような形でカンチエを寝かせてパンチを落とし、亀になるカンチエを寝かせて殴り続ける。

カンチエがケージ際で必死に正対すると、原口がダブルレッグに入ってカンチエの体を持ち上げてテイクダウンする。最後は原口がインサイドガードでトップキープして試合終了。

TD&コントロールの原口×打撃のカンチエは、スプリット判定でカンチエの勝利に終わった。試合後、カンチエは「本当に拮抗した試合だった。テイクダウンを何度も奪われたけど、ダメージを与えた。これはMMA、男の戦いなんだ。初めての米国で、時差ボケとか色々あった。でも問題ない。決勝は、シェ・ビン兄弟とマカオで戦う」と語った。


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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC フン・シャオカン 本野美樹

【Road to UFC2024 Ep06】本野美樹、シャオカンのロングリーチ&打撃を攻略できず判定で敗れる

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
本野美樹(日本)

サウスポーの両者、シャオカンが右ミドルを蹴る。前に出るシャオカンが左ロー、右の前蹴りとミドル、本野は左ストレートを見せる。身長とリーチで勝るシャオカンは左ローを蹴って、ジャブと左ストレート、本野はシャオカンの右ミドルを蹴ってテイクダウンを奪う。

ここで本野がマットに手をついている=グラウンドの状態でシャオカンが顔面を蹴ってしまう反則で本野にインターバルが与えられ、試合はスタンドで再開となる。

シャオカンが圧力をかけて左ストレートから右フックを当てる。本野も右の蹴りを見せて組み付こうとするが距離が遠い。最後はシャオカンが右フックから左ストレートを伸ばした。

2R、ここもシャオカンが前に出てジャブと左ロー、左ストレートにつなげる。なかなか距離を詰められない本野に対し、シャオカンがジャブから左ローと左フックと打撃の手数を増やす。シャオカンが右フックから左ストレート、下がる本野をパンチで追いかけて、右ハイを蹴る。

本野もシングルレッグで組みついて足をかけてテイクダウンを狙うが、シャオカンはスタンドをキープする。距離が離れて試合がスタンドに戻ると、シャオカンがインロー、左ストレートから返しの右フックを当てる。

本野もパンチを見せて組み付こうとするが距離が遠い。残り30秒でシングルレッグから組みついて投げを狙うが、ここもシャオカンは倒れない。逆に離れ際にシャオカンが右フックを当てた。

3R、シャオカンがジャブと左ストレート、本野がワンツーを見せるとバックステップでかわす。逆にシャオカンが左ストレートと右フック、続いて右フックから左ストレート、本野のステップインに左ストレートを合わせる。

距離を詰める本野はシャオカンの左のテンカオ。組んだ本野が左脇を差してテイクダウンを狙う。シャオカンが小手を巻いて投げる。ケージに押し込んで、大外刈りでテイクダウンする。一度トップキープする本野だが、シャオカンがケージに体を預けて立ち上がって離れる。

シャオカンがジャブ、ワンツーで前進。本野も左ストレートを見せて組み付こうとするが、ここも距離が遠い。シャオカンはジャブと右の前蹴りで距離を取って、左ストレートにつなげる。

本野が前足へのシングルレッグでテイクダウンを奪い、離れたところからパスガードを狙ってギロチンへ。一気にマウントを取って絞め続けるが、シャオカンも必死に耐える。

ここで試合終了となり、シャオカンが判定勝利。最後の最後でチャンスを作った本野だったが、シャオカンのロングリーチからの打撃を攻略できず、準決勝敗退となった。


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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC チィルイイースー・バールガン 透暉鷹

【Road to UFC2024 Ep05】透暉鷹、右を被弾して判定負け。バンタム級決勝はバールガン×スヨン

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
チィルイイースー・バールガン(中国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
透暉鷹(日本)

バールガンがいきなり右ストレートを当てる。透暉鷹がダブルレッグに入るが、それを切ったバールガンが透暉鷹をケージに押し込んでテイクダウンを奪う。バールガンが透暉鷹の両足を引いて寝かせると、透暉鷹は背中を見せて立ち上がる。

バールガンはそのままバックについて足をフックしようとするが、透暉鷹が正対してハーフガードでトップキープする。バールガンがクローズドガードに戻すと、透暉鷹は中腰からパンチを落とす。

バールガンが体を起こすと、がぶった透暉鷹がアナコンダチョークへ。亀になるバールガンのバックにつくと、両足をフックしてパンチを入れる。このポジションのままラウンド終了となった。

2R、透暉鷹が右カーフ、左フックから右ストレート、ダブルレッグも見せて右ストレートで追いかける。さらに透暉鷹はヒザ蹴り。ジャブを突くバールガンに対し、透暉鷹はダブルレッグでテイクダウンを奪う。

バールガンはガードから脇を差してスイープを狙い、透暉鷹はトップキープ。バールガンのバックを狙うと、バールガンも立ち上がって透暉鷹をケージに押し込む。バールガンがヒザを蹴ると、これがローブローとなり試合が一時中断。スタンドで再開となる。

バールガンがローと右ストレート。透暉鷹も右のパンチで前に出ていくが、バールガンが右ストレートを当ててケージに押し込む。透暉鷹は投げも狙うが、バールガンは右腕を差して透暉鷹をケージに押し込み、細かく左ヒジを入れる。距離を取った透暉鷹だが、やはりバールガンが透暉鷹をケージに押し込んだ。

3R、透暉鷹が右ストレートから前に出て、バールガンの前足に左右のロー。先に透暉鷹が組みに行くが、ここもバールガンが透暉鷹をケージに押し込む。一旦距離が離れると、透暉鷹がダブルレッグに入り、バールガンはがぶりからニンジャチョークを狙う。

透暉鷹は脇を差して引き込むような形となり、バールガンがトップキープする。透暉鷹はバールガンの右腕にオモプラッタを狙いつつ、鉄槌を入れる。ここで両者の動きが止まり、レフェリーはブレイクを命じる。

スタンドでの再開後、透暉鷹がパンチとヒザ蹴り。バールガンがダブルレッグでテイクダウンし、背中を見せる透暉鷹を持ち上げるようにテイクダウンしてバックにつく。最後は透暉鷹が上を取り返したところで試合終了となった。判定はバールガンが軍配が上がり、透暉鷹は準決勝敗退となった。


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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC アンガド・ビシュト チェ・ドンフン ブログ

【Road to UFC2024 Ep05】ドンフンがビシュトをスプリット判定で撃破、フライ級決勝でサホタと対戦

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
アンガド・ビシュト(インド)

ビシュトが右カーフを蹴ると、ドンフンも右カーフを蹴り返す。ドンフンは構えもスイッチしつつ、左のインローを蹴る。ビシュトはそこに右フックを合わせる。ドンフンは距離を取って左のヒザ蹴りを狙う。ドンフンはジャブから右ストレート、左ミドルを蹴る。

ドンフンはダブルレッグに入ってバックへ。ビシュトはスタンドのまま、ドンフンの腕のクラッチをくぐるように逃げて距離を取る。すぐにワンツーで前に出るビシュト。ドンフンが組みつくと、ビシュトがケージに押し込む。ドンフンが足をかけてテイクダウンするが、ビシュトはすぐに立ち上がる。

試合がスタンドに戻るとビシュトが右ストレートで前進。ドンフンはサウスポーに構えて左ミドル、右フック。ビシュトは組みになると足払いも見せる。ドンフンは距離を取って左ミドル。組んだビシュトは両差しでケージに押し込む。ドンフンは首相撲で対応する。ビシュトは体を振ってバックを狙うが、ドンフンはそれを許さない。

2R、ドンフンはここもサウスポーに構える。ビシュトは左フックと右ストレート、ドンフンは左ストレート、左のヒザ蹴りとインローを蹴る。ビシュトは前に出るが、ドンフンが左ミドル、前足に左右のローを集める。ここでドンフンの指がビシュトの目に入り、インターバルが与えられる。

再開後、ドンフンはやはり前足へのロー。ビシュトが右ストレートで飛び込むと、ドンフンは右フックを狙う。さらにドンフンは距離をとって左ストレートを当て、シングルレッグで組みつく。ここはビシュトが両差しでドンフンをケージに押し込む。

ビシュトはドンフンの股下で腕をクラッチしてドンフンを持ち上げるが、ドンフンはテイクダウンを許さない。距離が離れるとドンフンは左ヒザ蹴りから右フック。この一撃でビシュトが腰から崩れ落ちる。

すぐにシングルレッグに入るビシュトだが、ドンフンはビシュトの左腕を両足でフックするような形でバックを狙う。ここはビシュトも正対し、立とうとするドンフンのバックへ。ビシュトは足を四の字クラッチしてパンチを入れながらRNCを狙う。

3R、ドンフンはサウスポーからインローと左ミドル、ここから左ストレートを入れる。ビシュトが右ストレートを打ち返すと、組みついたドンフンがすぐにバックに回る。ビシュトは正対して距離を取る。

ドンフンは右の前蹴りと左インロー、ジャブと左ストレート、ビシュトが右で前に出ると右フックを合わせる。ビシュトはガードを上げて右で前進。ドンフンは距離を取って左ストレートを当てる。

ビシュトも右ストレートを打ち返し、右アッパーから左フック。これで下がるドンフンだったが左ストレートを当て、そこから返しの右フック。追撃の右フックでビシュトからダウンを奪う。ビシュトもすぐに下から足関節を狙い、ドンフンのバックについたところで試合終了。サウスポーからの打撃が冴えたドンフンがスプリット判定でビシュトを下し、 キル・シン・サホタとの決勝に駒を進めた。

試合後、ドンフンは「今、どうなっているのかも分からないよ。パンチを受けた感じでもないのに、鼻血が出てきて、心配だった。フェイントをかけて右フックを当てるのは作戦だった。ただ、初回は体が固まっていて。2Rからは温まって動けた。サホタは180センチもあって、背が高い。でも、背の高さが勝負を決めるわけじゃない。絶対に勝って、UFCとの契約を勝ち取る」とコメントした。


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