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45 AB ABEMA GLORY GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX MMA MMAPLANET o RISE WORLD SERIES 2024 FINAL   イ・ソンヒョン エイブラハム・ヴィダレス チャド・コリンズ ベルジャン・ぺポシ ペットパノムルン・キャットムーカオ ミゲール・トリンダーデ 原口健飛 白鳥大珠 那須川龍心 鈴木真 麻火佑太郎

【GLORY×RISE】展望 65kg世界Tの鍵を握るのは、攻めも守りも”硬い”ベルジャン・ぺポシ

【写真】ぺポシはGLORYフェザー級4位、ミゲール・トリンダーデに勝利した実績が光る(C)GLORY

明日21日(土)千葉県千葉市の幕張メッセイベントホールにて行われるRISE WORLD SERIES 2024 FINAL。この大会ではGLORY協力のもと、RISE・GLORY両団体から選手が出場する65kg以下・8名参加のワンデートーナメント=GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIXが開催される。
text by Takumi Nakamura

RISEとGLORYは2022年1月に提携を正式発表。この2年間で選手の行き来やRISEでの対抗戦が行われてきたが、いよいよ今大会ではGLORYが各階級で実施している8選手参加のワンデートーナメントをGLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIXとして、日本で開催する運びとなった。

トーナメントはGLORYのFEATHER WEIGHT=65kg(※RISEではスーパーライト級)で行われ、GLORYから4選手・RISEから4選手が参戦。両団体のチャンピオンとトップランカーがずらりと並んだ実力伯仲のワンデートーナメントとなり、公開抽選では以下の組み合わせが決まっている。


一回戦(1):白鳥大珠×ペットパノムルン・キャットムーカオ
一回戦(2):イ・ソンヒョン×ベルジャン・ぺポシ
一回戦(3):チャド・コリンズ×エイブラハム・ヴィダレス
一回戦(4):原口健飛×ミゲール・トリンダーデ

準決勝(1):一回戦(1)勝者×一回戦(2)勝者
準決勝(2):一回戦(3)勝者×一回戦(4)勝者

決勝:準決勝(1)勝者×準決勝(2)勝者

出場8選手のなかでMMAPLANETではGLORYフェザー級4位、初来日のベルジャン・ぺポシに注目したい。ぺポシはアルバニア出身、ベルギー在住の23歳。アマチュアムエタイの大会=IFMAでは2019年の世界選手権で23歳以下・63.5kg以下のカテゴリーでメダルを獲得すると、ベルギー、オランダ、フランスの大会で実績を積んで、2023年2月にGLORYデビューを果たした。

GLORY参戦当初は黒星が先行していたが、練習環境を現在所属するValon Gymに変えて以降は5連勝と勢いに乗り、GLORYフェザー級のランキング入りと今回のトーナメント出場のチャンスを得た。

ぺポシの武器は前に出る圧力と硬さを感じさせるゴツゴツとしたパンチだ。一撃で相手を仕留めるシャープさはないが体の頑丈さと確実に相手にダメージを蓄積させるスタイルで勝利を掴んできた。

特に今回のトーナメントで優勝候補の一角にも挙げられるミゲール・トリンダーデとの一戦では1Rに左ボディで先制のダウンを奪うと、2Rに右ストレートでダウンを奪い返されながら、最後はトリンダーデを押し切って判定勝利を収めている。

またRISE伊藤隆代表は「試合や体つきを見ているとぺポシは骨が硬そうなんです。ああいうタイプは拳や脛が硬くて、ガード越しに攻撃を受けても他の選手とは衝撃が違う。またぺポシのようなタイプは蹴った方が蹴った足を痛めてしまう」とぺポシの身体的な特徴が対戦相手にとっては厄介な部分だと分析している。

1日3試合を戦うワンデートーナメントは、どんな試合内容で勝ち上がっていくかが大きなポイントになる。相手に削り勝つファイトスタイル且つ、体の硬さで攻撃を受けても相手にダメージを蓄積させるぺポシは、ワンデートーナメントでの対戦は絶対に避けたいタイプだ。しかも組み合わせ的には、GLORY王者ペットパノムルンと同じブロックに入っており、ペットパノムルンとぺポシが一回戦をクリアすれば、準決勝での削り合いも予想される。

ぺポシ自身はもちろん、ぺポシの勝ち上がりがどうトーナメントの優勝争いに影響するか。そこを一つのキーポイントとして明日のワンデートーナメントを注視したい。

■RISE WORLD SERIES 2024 FINAL視聴方法(予定)
12月21日(土)
正午12時30分~ABEMA

■RISE WORLD SERIES 2024 FINAL対戦カード

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 決勝/3分3R+ExR>
準決勝(1)勝者
準決勝(2)勝者

<RISEウェルター級(※67.5キロ)王座決定戦/3分5R+無制限ExR>
實方拓海(日本)
宇佐美 秀 メイソン(カナダ)

<スーパーフライ級(※53キロ)/3分3R+ExR>
那須川龍心(日本)
ペットマイ・MC.スーパーレックムエタイ(タイ)

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 準決勝(2)/3分3R+ExR>
一回戦(3)勝者
一回戦(4)勝者

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 準決勝(1)/3分3R+ExR>
一回戦(1)勝者
一回戦(2)勝者

<スーパーフライ級(※53キロ)/3分3R+ExR>
大﨑一貴(日本)
アルベルト・カンポス(スペイン)

<61.5キロ契約/3分3R+ExR>
チャンヒョン・リー(韓国)
パヌワット・TGT(タイ)

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 一回戦(4)/3分3R+ExR>
原口健飛(日本)
ミゲール・トリンダーデ(ポルトガル)

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 一回戦(3)/3分3R+ExR>
チャド・コリンズ(豪州)
エイブラハム・ヴィダレス(メキシコ)

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 一回戦(2)/3分3R+ExR>
イ・ソンヒョン(韓国)
ベルジャン・ぺポシ(アルバニア)

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX 一回戦(1)/3分3R+ExR>
白鳥大珠(日本)
ペットパノムルン・キャットムーカオ(タイ)

<GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIX リザーブマッチ/3分3R+ExR>
麻火佑太郎(日本)
ヤン・カッファ(オランダ)

<56キロ契約/3分3R+ExR>
門口佳佑(日本)
オートー・ノーナクシン(タイ)

<バンタム級(※55キロ)/3分3R+ExR>
鈴木真彦(日本)
ジェイミー・ゲイマン(フィリピン)

<54キロ契約/3分3R+ExR>
松下武蔵(日本)
ジャンジャン・シー・ラバヤン(フィリピン)

<女子フライ級(※52キロ)/3分3R+ExR>
YAYAウィラサクレック(日本)
KOKOZ(日本)

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【GLORY×RISE】ペットパノムルン、世界T制覇へ「タイの若い選手にムエタイで夢が叶うことを伝える」

【写真】ムエタイを世界へ――。そんな想いを持って戦い続けてきたのがペットパノムルンだ(C)TAKUMI NAKAMURA

12月21日(土)千葉県千葉市の幕張メッセイベントホールにて行われるRISE WORLD SERIES 2024 FINAL。この大会はGLORY協力のもと、RISE・GLORY両団体から選手が出場する65kg以下・8名参加のワンデートーナメント=GLORY RISE FEATHER WEIGHT GRAND PRIXが開催される。
text by Takumi Nakamura

このトーナメントに初代RISE世界スーパーライト級(65kg)王者、そして現GLORY世界フェザー級(65kg)王者として参戦するのがペットパノムルン・キャットムーカオだ。2016年からGLORYに参戦し、世界を相手にムエタイファイターとしての強さを証明し続けているペットパノムルン。トーナメント参戦、そしてリングに向かうモチベーションにはムエタイ、そして恩師たちへの感謝と特別な想いがあった。


――ペットパノムルン選手、今日はよろしくお願いします。タイの選手はインタビューや記者会見などに慣れていない選手も多いですが、ペットパノムルン選手はとてもコメントが上手ですよね。

「ありがとうございます。私も海外で試合をするようになって、取材を受けることも多いので、かなり慣れてきました」

――ペットパノムルン選手は2016年からGLORYで試合をしていますが、昔から海外で試合をしたいという考えはあったのですか。

「タイで試合をしていた時は海外で試合することを考えたことはなかったのです。『海外でキックボクシングの試合に出てみないか?』と声をかけられて、それから海外で試合をやるようになって、GLORYに出ることになりました。GLORYのおかげで今があると思っていますし、GLORYには本当に感謝しています」

――今でこそペットパノムルン選手はGLORYを代表するチャンピオンですが、参戦当初は敵地に乗り込むような気持ちもあったのですか。

「確かに周りはヨーロッパの選手ばかりで、私はタイから試合をしに行っていたので、周りとの違いは感じていました。でもそれでアウェー感を感じたことはなく、むしろタイからGLORYに出ている数少ない選手として、タイを代表するつもりで戦っていました」

――ペットパノムルン選手はGLORYのベルトを8度防衛していて、この階級で世界最強の選手だと思います。今はどこに戦うモチベーションがあるのですか。

「自分に求められている役割を果たすために勝ち続けることが私のモチベーションです。自分に求められていることが何かと言われれば、それはタイを代表して世界の舞台で戦って勝つこと。そして今私がいる地位を守り続けることです」

――今回は1日3試合のワンデートーナメントに出場することになりました。ワンマッチではなくトーナメントでも強さを証明したいという想いはありますか。

「トーナメントは1日3試合戦うので、難しいものだと思います。だからこそ緊張もするし、ワクワクしています。難しいからこそ自分の実力を証明できると思っているので、このトーナメントで勝つことで、私の強さを証明するつもりです」

――組み合わせは未定ですが、戦いたい相手はいますか。

「どの選手も素晴らしいし、全員と戦いたいと思っていますが、まだ戦ったことがない相手と試合をしてみたいのでミゲール選手やぺポシ選手と戦ってみたいですね」

――ペットパノムルン選手は現在カナダに活動の拠点を置いているんですよね。

「もともと私の通訳をしてくれていたスタッフがカナダ出身だったんですね。私自身、65kgで試合をするうえで外国人選手と練習する機会を増やしたいと思っていて、カナダのジムを紹介してもらって、2年前からカナダジムを拠点に練習しています」

――長年ムエタイはタイでギャンブルとして行われ、試合や選手もギャンブルの対象として見られてきました。それがペットパノムルン選手をはじめ、タイの選手たちがGLORYやONEで活躍することで、スポーツや競技として認められるようになり、よりグローバルなものになってきたと思います。そのことは率直にどう感じていますか。

「それは本当にうれしいことで、私も光栄に思っています。世界中の人たちがムエタイをやりたいと思ってくれたり、ムエタイのことを知りたいと思ってくれることは、ずっとムエタイをやってきた人間として誇らしいです。ムエタイは護身にも役立つし、エクササイズとしても効果があるので、もっともっとたくさんの人にムエタイを知ってもらいたいです」

――ONEで活躍するタイの選手に取材すると、どの選手も「今のムエタイはギャンブルのことを気にしなくてよくなった」と言います。ペットパノムルン選手も同じ考えですか。

「おっしゃる通りです。ギャンブルとしてのムエタイでは、常にギャンブラーや賭けのことを考えて試合をしなければいけませんでした。でも海外で試合をする時には、そういったことを考える必要がありません。私が本来やりたいと思っている戦い方、私が持っているムエタイのテクニック、攻撃の強さや正確性、そういったものを存分に見せることが出来ます。純粋にファイターとして評価してもらえるので、私は海外で試合をする方が好きです」

――ペットパノムルン選手もムエタイをスポーツ・競技として世界的に発展させたいですか。

「ムエタイがあったから今の自分がいて、ムエタイの経験があるからこそ、私はGLORYのチャンピオンでいることが出来ます。今は海外の試合が主になっていますが、私がタイでやってきたムエタイのことは本当に大切に思っています。だからこそ私がタイのために、ムエタイのために、ムエタイがもっと発展する力になれるように戦っていきたいです」

――例えばタイにいる若い選手たちに、自分の試合を通じて夢を見せたいですか。

「そうですね。今タイで戦っている若い選手たちには夢を見せたいですし、ムエタイでその夢が叶うことを伝えていきたいです」

――ペットパノムルン選手はONEで活躍しているスーパーレック選手とは同じジム=キャットムーカオの同門ですよね。

「スーパーレックとは同じ地域で生まれ育って、実は血がつながっている親戚なんです。僕の方が少しだけ年上ですが兄弟のような関係……というか兄弟ですね(笑)。私がカナダに行ってからは会う時間が減ってしまいましたが、子供の頃からいつも一緒にいましたよ」(※正確にはペットパノムルンは1995年5月26日生まれ、スーパーレックは1995年11月6日生まれ)

――同門以上の関係だったんですね。スーパーレック選手の活躍は刺激になりますか。

「もちろんです。彼は兄弟であり、友達であり、そして仲間です。戦う舞台は違いますが、彼が世界的に活躍している姿を誇らしく思うし、自分も彼の活躍には刺激をもらっています」

――同じ地域・ジムで育った2人が世界的な格闘家になって不思議な感覚はないですか。

「それはすごくラッキーで幸運なことだと思いますし、そのチャンスを掴むことが出来た2人だと思います」

――キャットムーカオはジムが閉鎖してしまい、以前、スーパーレック選手が試合後に「ジムの人たち恩返ししたい」とコメントしていましたが、ペットパノムルン選手も同じ気持ちですか。

「そうですね。今でも私やスーパーレックはジムの先生たちを支援する活動を続けています」

――またムエタイではジムや所属が変わるとリングネームを変えますが、ペットパノムルン選手は今でもキャットムーカオのままですが、自分が育ったジムへのリスペクトやプライドがあるのですか。

「ジムはなくなってしまいましたが、私はキャットムーカオで生まれ、育ててもらった選手です。今でもキャットムーカオへの感謝と尊敬の気持ちは変わりません。私とスーパーレックはこれからもキャットムーカオの選手として、この名前を背負って戦い続けます」

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