【写真】松岡が終始コントロールし切っていた (C)MMAPLANET
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
岡野裕城(日本)
※詳細は後ほど
【写真】松岡が終始コントロールし切っていた (C)MMAPLANET
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
岡野裕城(日本)
※詳細は後ほど
【写真】 鮮やかなワンツーの右クロスで仕留めた(C)MMAPLANET
<バンタム級/5分3R>
矢澤諒(日本)
1R4分33秒 by KO
ジェイク・ムラタ(日本)
※詳細は後ほど
【写真】現在19歳の重田はレスリング力、バランスで上回っていた (C)MMAPLANET
<女子ストロー級/5分3R>
重田ホノカ(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
高本千代(日本)
※詳細は後ほど
【写真】打撃からテイクダウン~フィニッシュまでソツなく (C)MMAPLANET
<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
Def.1R2分18秒 by 肩固め
渡辺謙明(日本)
入場曲なしでケージに入った両者。平田がプレスをかけると、渡辺は右ローを返す。さらに左ミドルハイから左ジャブ、ワンツーを繰り出した。平田は右ストレートから左ミドルへ。渡辺の左ジャブをブロックし、右クロスからボディロックで組みつき、グラウンドに持ち込んだ。下から左のオーバーフック、フックガードで守る渡辺だったが、平田が一本足を越える。ハーフガードの渡辺に対し、右腕を枕にパスした平田はマウントへ。そして逆側に回って肩固めで絞りこみ、絞め落とした。
【写真】他の選手のスパーリングを真剣に目で追う平田 (C)MMAPLANET
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333。同大会のプレリミに平田直樹が出場し、渡辺謙明と対戦する。
日本の国内でのMMAは2021年6月の神田コウヤ戦以来、約1年11カ月振りとなる平田。昨年11月の米国でCFFCに参戦もデビュー戦の相手に思わぬ敗北を経験した。それでも試合だけでなく、2度に渡る米国での出稽古は平田に多くのモノを与え、そこを生かした練習を国内で積んできた。
負傷欠場、K-Clann退会、米国での日々、MMAデビュー時に思い描いた自分の将来像通りにはキャリアを積むことができなかった。ある意味、ここがキャリアのリスタートとなる平田直樹の心境を訊いた。
──パンクラス初戦を5日後(※取材は25日に行われた)に控えた平田選手ですが、昨年11月のCFFC114での敗北から新天地にパンクラスを選んだのはどういう理由からだったのでしょうか。
「修斗かパンクラスと考えて、パンクラスさんの方が早く試合を組んでくれそうだったので。とにかく試合がしたかったので、パンクラスさんで戦うことになりました」
──デビューから3年が過ぎ、ヒザの負傷もあり試合数は5戦で戦績は3勝2敗。この数字は3年前に思い描いていた将来と比較するとどのように捉えていますか。
「勝ったり負けたりはあったとしても、もっと試合をしてもっと経験を積んでMMAファイターとしてもっと成長できると思っていました。前回の試合前にケガもあって1年半ブランクが空き、ジムも辞めた。その影響もあり、ブランクの期間は勿体ないなと思うところはあります。本当なら3試合か4試合……5試合ぐらいは多く戦えていたはずなので。倍のキャリアを積むことができたと思います」
──この間、樹選手の米国修行に付き合う期間もありました。米国での練習で何を得ることができましたか。
「試合では負けてしまったのですが、米国の練習で得たモノは凄く多いです。過去3年で一番得るものがありました。自分で色々と考えて、サポートしてくれる人達も変って、結果はまだ出せてないけど成長できたと思っています」
──米国での敗北から、何を学ぶことができましたか。
「あの試合前に1カ月半、米国で練習して初めてバンタム級で試合をしました。多くの人の協力があって実現したことだから、やっぱり結果を残したかったです。そうやって次のステップに進まないといけかったのですが、自分の中で『このぐらいで行けるだろう』という甘さがありました」
──それだけ練習に手応えがあったから、「このぐらい」と思ってしまったということは?
「それもあるかと思います。強い選手、トップの選手と練習して、できること・できないことを理解しました。なので自分のなかで、プロデビュー戦の相手ですし普通にやれば行ける。体調だけ整えられると勝てるという考えが、どこかにあったと思います」
──正直、組み負けたのはショックでした。バンタム級がフィットしなかったということは考えられますか。
「体重は落とせていたのですが、リカバリーしても普段練習している体重まで戻らいので、ちょっとした感覚の違いがありました。ただ、それを言い訳にはできないです。自分でバンタム級で戦うことを決めたので。それでも、これまで自分なら組み勝つことができた。1Rで一本だったり、パウンドでフィニッシュできていたはずです。でもそこで極め切れなかった。1年間のブランクの影響か、ちょっと感覚が違うというのも感じました」
──ケガがあったと聞いています。
「それは……2Rに入ってからです。ヒジを被弾して眼窩底と鼻の骨を骨折してしまって。それから流れは相手になったのですが、そういう風になった時に自分の力を発揮できないのは、まだまだだと思います」
──その状態で「まだまだ」と言えるのは凄まじいと素直に思います。今回、フェザー級に戻すのは先ほど言われた感覚の違いがあったからでしょうか。
「そうですね。今のところはフェザー級で考えています。コンディションもやはり良いですし、自分の良いところ、強いところをしっかりと出せるのはフェザー級かと思っています。海外に挑戦する時にはバンタム級も──と考えないことはないですが、今回はフェザーでしっかりと体を創ってきたので、仕上がり的にも体調も凄く良いです」
──先日はロータス世田谷のMMA練習の模様を撮影させていただいたのですが、この試合に向けての練習環境というのは?
「MMAはロータス世田谷さんで週に2回やらせてもらっています。グラップリングはトライフォースさん、それにロータスのグラップリングに混ぜてもらうこともあります。それと打撃は目白にあるクレインというジムでお世話になっています。以前に平本蓮選手を指導していたことがある方に、打撃を教えてもらっています。最近は、樹も来るようになりました」
──おお、樹選手も格闘技を続けていますか(笑)。本当に練習環境も変わりましたね。
「人間関係も広がり、出稽古でそれまでは組めなかった選手たちと練習できています。この2年間を取り戻すために考えて、練習しています。やっぱり結果を残さないといけないので、そのためにより試合のことを考えて練習場所、練習スケジュールを自分で組み立ててやるようになり、その成果を感じているので試合で出したいです」
──直樹選手の武器は凄まじい組みの圧力であることはロータスのMMAスパーでも明らかでした。ただし、そこをより効果的にするには現代MMAでは打撃でやり合えることが重要になって来たかと思います。
「米国で練習した時に、そこはメチャクチャ思いました。向うはボクシングの経験者が多くて、ボクシングレスリングが上手い。自分と同じ階級でもリーチが長い選手もいて、入ろうとしてもボクシングのテクニックで距離を取られて入れないことが良くありました。どう距離を詰めるかと考えると、組みだけでは駄目だしある程度の打撃の攻撃、相手の打撃を怖がらないで入れるかも含めて、打撃は必要です。最低限のディフェンスとオフェンスをして、組みばかり狙っているとポイントアウトされます」
──そのなかでムエタイをチョイスしたのは?
「向うでもムエタイとボクシングを同じ人に習っていて、自分の組みを生かすには距離、それと首相撲があるムエタイが良いかと思い、ムエタイをやっています。近い距離だけでなく、離れている時の圧のかけ方なども指導してもらっています。ギリギリまでミットを持ってもらいましたし、イメージをしっかりと創ってきました。プレッシャーの掛け方はMMAの練習でも意識して、詰める練習は結構やってきました。ここは米国で経験したことを頭に残してやってきました」
──それだけ話してもらいながら、次の渡辺謙明戦。内容以上に結果が問われるかと。
「勝つのは大前提で、フィニッシュをしないといけないです。渡辺選手云々でなく、プレリミ枠の試合ですし……しっかりフィニッシュして今度は本戦で戦いたい。日本では約2年振りの試合になるので、フィニッシュ、内容を見せて戦い──ここから一つ一つ勝って上を目指したいと思っています」
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■Pancrase333計量結果
<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介:70.3キロ
[暫定王者] アキラ:70.15キロ
<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一:60.35キロ
[暫定王者] 田嶋椋:61.05キロ
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN:51.6キロ
[挑戦者]ソルト:52.05キロ
<フライ級QOPC/5分5:キロ(日本)
[王者]端貴代:56.65キロ
[挑戦者] NØRI:56.35キロ
<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.45キロ
石井逸人:61.55キロ
<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑:65.7キロ
パン・ジェヒョク:66.2キロ
<バンタム級/5分3R>
田中路教:61.6キロ
笹晋久:61.35キロ
<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実:52.45キロ
エジナ・トラキナス:52.4キロ
<ライト級/5分3R>
松本光史:70.55キロ
ヌルジャノフ・ルスタムベック:71.6キロ
<フライ級/5分3R>
有川直毅:57.15キロ
コルトン・キエルバサ:57.05キロ
<ライト級/5分3R>
粕谷優介:70.3キロ
葛西和希:70.55キロ
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.65キロ
岡野裕城:70.5キロ
<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ:61.3キロ
矢澤諒:61.4キロ
<女子ストロー級/5分3R>
高本千代:52.1キロ
重田ホノカ:52.45キロ
<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明:65.9キロ
平田直樹:65.75キロ
【写真】計量失敗で記念撮影から外されたヌルジャノフを横に、松本光史 (C)MMAPLANET
明日30日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333の計量が新宿区サンエービル地下1階会議室で行われた。
正午より第8試合~メイン、12時50分よりプレリミ~第7試合の計量が行なわれ、松本光史と対戦するヌルジャノフ・ルスタムベックのみが900グラムオーバーで再計量に回った。
ヌルジャノフは滞在先で通っていたゴングジムが土曜日の午前中は閉館しており、そこで最後の汗をかくことができなかったのこと。対戦相手の松本は「落とすでしょう。どっちみち、やりますけど」と憮然としつつも、最後は柔らかい表情で話した。
ここでは公開計量で見られたファイターたちのトピックスをお届けしたい。
常に厳しい減量というイメージが残る久米だが、今はRoad FCで戦った時時よりも、ずっと楽になっているとのこと。それだけ普段の体調管理に気を付けているということだろう。
地元八王子大会の常連、井村は「決して安くないチケットを皆が勝って応援してくれています。しっかりと勝ちます」と」意気込みを語った。
今回、下着を脱いで計量をクリアしたのはパン・ジェヒョク、久米、田中の3選手。パン・ジェヒョクのコーナーマンはUFCファイターでKTTの同門チョン・ダウンが務める。
声が枯れていた田中は1週間前に帰国。今後は7月のUFC Fight Weekに開催される予定だったA-1で戦うプランもあったが、流れる模様とのこと。
北海道から出場のソルトは、自らの計量時間に間に合わず。第一部計量の最後に体重を測り、パスした。
計量前はエジナを見て「キマッてるわぁ」と警戒していた――ご婦人ファイターは、計量後にエジナから花を贈られてニッコリ。
ZSTのベルトを持って計量後の撮影を終えたジェイク。右手を差し出し握手を求めるも矢澤にスルーされ憮然とした表情を浮かべた。
パンクラス初出場の直樹のサポートをする平田樹は、ハム・ソヒ戦の敗北以来、メディアの前に姿を現した。「練習始めています。グラップリングとか柔術の試合にも出たいッス」と前向きな言葉が聞かれた。
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■Pancrase333計量結果
<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介:70.3キロ
[暫定王者] アキラ:70.15キロ
<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一:60.35キロ
[暫定王者] 田嶋椋:61.05キロ
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN:51.6キロ
[挑戦者]ソルト:52.05キロ
<フライ級QOPC/5分5:キロ(日本)
[王者]端貴代:56.65キロ
[挑戦者] NØRI:56.35キロ
<バンタム級/5分3R>
井村塁:61.45キロ
石井逸人:61.55キロ
<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑:65.7キロ
パン・ジェヒョク:66.2キロ
<バンタム級/5分3R>
田中路教:61.6キロ
笹晋久:61.35キロ
<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実:52.45キロ
エジナ・トラキナス:52.4キロ
<ライト級/5分3R>
松本光史:70.55キロ
ヌルジャノフ・ルスタムベック:71.6キロ
<フライ級/5分3R>
有川直毅:57.15キロ
コルトン・キエルバサ:57.05キロ
<ライト級/5分3R>
粕谷優介:70.3キロ
葛西和希:70.55キロ
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.65キロ
岡野裕城:70.5キロ
<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ:61.3キロ
矢澤諒:61.4キロ
<女子ストロー級/5分3R>
高本千代:52.1キロ
重田ホノカ:52.45キロ
<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明:65.9キロ
平田直樹:65.75キロ
【写真】練習で唇を擦り、リップを塗っているようなくっきり具合。歌舞伎役者のような面妖の石井だった (C)MMAPLANET
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333に石井逸人が3年振りに参戦し、井村塁と対戦する。
石井逸人in パンクラスといえば、2019年10月の瀧澤謙太戦だ。自信しかない状況で敵地の乗り込み、跳びヒザで敗れた。直接のリベンジではないが、パンクラスという場には喉元に何が引っ掛かったままだ。
2022年版、修斗の激闘王が改めて乗り込むパンクラスでの戦いはズバリ──激闘にならないこと。そんな石井に話を訊いた。
──日曜日に3年半振りのパンクラス出場、井村塁選手との試合が迫ってきました(※取材は27日に行われた)。もう、随分と締まっていますね。
「水抜きも計量当日の朝にするぐらいで。ほんと水抜きしないで済むぐらいまで落ちています」
──と同時に髪型も仕上がって見えます。相当に刈り上がっていますが、やはり髪型を整えることでスイッチが入るモノなのでしょうか。
「ファイト仕様ですね。試合前のルーティーンになっていて。正直、評判はあまり良くないですけど自分が好きにやっているので(笑)」
──このタイミングで、パンクラスで戦うことになったのは?
「修斗では一回りしました。戦いたい相手がいないから、それだけです。環太平洋のチャンピオンになって、防衛戦で落とした。いうと縛りがなくなったので、この機会で外に出たいという風にも想っていました。修斗の世界のベルトを絶対に巻きたいという気持ちがあったわけじゃないし、強いヤツと戦えるなら戦う場所は拘っていないです。
もちろん藤井伸樹には負けたので、ダイレクトリマッチがあるなら戦いたいです。ただ、その試合よりも先にパンクラスで戦うことが決まったので。今回の試合もサステイン経由で話をもらって……これは修斗を背負って戦ってこいという激励なのか、厄介者払いなのか(笑)。そういう場所を創ってもらったので、ここで戦います」
──本来は海外志向だったかと。
「ハイ。でも、あそこで負けていますし。今年1年、しっかりと実現を積んで目に留まるようにして海外に行きたいと思っています。ただ、先のことを考えると目の前の試合を落としてしまうので、そこは今は考えないようにしています」
──強い相手と戦いたい。そのなかでキャリア的にも少ない井村選手は、石井選手にとって強い相手に当てはまるのでしょうか。
「フィニッシュが多いですし、パンクラスのランキング1位ですから。若いですし、対戦相手として魅力のある選手です。本音を言えば、試合が決まるまで注意していた選手ではないですが、極めるべき時に極める力を持っていると思います。フィニッシュ力があるので、気を抜くことはできないです」
──気が抜けないという見方は──。
「そりゃあ俺の方が強いに決まっています。でも、そんな風に上から見ているとクソみたいな試合になるから。しっかりと殺しにいくので。舐めてはいけないけど、俺の方が強いというマインドではあります」
──パンクラスで、絶対の自信を持って──それを口にして戦う。3年半前を思い出すのは、自分だけではないかと思います。
「そうッスね。3年半前に瀧澤に負けて、そこはまだ引っ掛かったままです。未だにあのヒザ蹴りのシーンが使われているし。あの借りがあるので、ここでちゃんと勝ってあの時に言いたかったことを口にしたいと思っています」
──パンクラスへのリベンジのためのワンオフ参戦なのか。それとも、ここからパンクラス王座を目指すのか。どちらを考えているのでしょうか。
「ちゃんと今回勝って、タイトルマッチをやらせてもらえるならベルトが欲しいという想いもあるし、この試合の勝ち方次第。どうなるかは分からないですが、流れに身を任せていきます」
──では同じ大会のコメインで組まれたタイトル戦は気になっていますか。
「普通に気にはなっています。まぁ、中島選手が勝つだろうと思っていますけど」
──その故は?
「経験の差と穴がないので、お互いが得意なところを出し合うと中島選手の方が武器が多い。それが中島選手だと思う理由です。何より戦いたいのは田嶋より、中島選手だし」
──他の選手は呼び捨てなのに、中島選手だけ選手という敬称をつけて呼んでいますね(笑)。
「ロータスで練習したり、シンガポールのイヴォルブMMAのトライアウトの時も一緒で面識があるので」
──あぁ、あの今や業界の黒歴史のシンガポールの日々ですね(笑)。まぁ、私以外の人間にあれを笑い話にはさせないですけど。
「スミマセン(苦笑)。あの時のメンバーなので、中島選手のことは意識しています。中島選手がケガをしていて、肌を合わせたのは数回ぐらいだったのですが、あの状況でMMAファイター人生を打開しようとチャレンジしている姿を見ていますし。中島選手のことは試合が決まるまで尊敬しています。ただ尊敬はしているけど、俺の方が強いという想いでいます」
──押忍。2022年の石井選手は2勝1敗、全てが競り合りのなかでこれまでなら気持ちが強く持てていなかったというところで、踏ん張れた。そういう印象があります。
「あ……、ありがとうございます。もっと一人前になっているところを今回の試合で見せることがデキると思います。同時に良い試合という評価には特に何も思わないです。次の試合がショボかったら、たまたまになりますし。それでも去年の3試合をしたことで自分も何かを掴めていると思っているところがあるので。自分の理想のファイトスタイルまでもうチョイなんです。そこを掴むための練習の日々になっています。
その成果が出て『コイツ、強いな』と思われるのが今回の試合かもしれないし、その次かもしれない。いつか分からないけど、確実に前に進んでいます。その成長を見てもらうためにも、激闘とか言われてもそれはシーソーゲームになっているということなので圧倒的に自分のしたいことをだけをやりぬく。そういう試合にしたいです」
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■対戦カード
<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介(日本)
[暫定王者] アキラ(日本)
<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一(日本)
[暫定王者] 田嶋椋(日本)
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN(日本)
[挑戦者]ソルト(日本)
<フライ級QOPC/5分5R>
[王者] 端貴代(日本)
[挑戦者] NØRI(日本)
<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
石井逸人(日本)
<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)
<バンタム級/5分3R>
田中路教(日本)
笹晋久(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
ヌルジャノフ・ルスタムベック(キルギス)
<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
コルトン・キエルバサ(米国)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
葛西和希(日本)
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
岡野裕城(日本)
<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ(日本)
矢澤諒(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
高本千代(日本)
重田ホノカ(日本)
<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明(日本)
平田直樹(日本)
【写真】戦績は5勝1敗。この手のファイターは、日本にはいてなかなか戦う機会はないはず。有川にとっては試練──だけに、勝てば大きな自信を手にできるファイトになる(C)MMAPLANET
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333でコルトン・キエルバサが有川直毅と対戦する。
キエルバサは1月20日のONE FF01で藤沢彰博と対戦。ベリートゥベリー・スープレックスからポジション奪取──RNCで秒殺した。ONEフライ級戦線に面白い選手が現れたと思っていると、今回のパンクラスでのファイトが決まった。
藤沢戦では投げ、ポジション、極めという流れのなかで力強さを見せつけたキエルバサとは、どのようなファイターなのだろうか。タイを拠点に戦う、アメリカン・レスラーのファイター人生に迫った。
──コルトン、日曜日の試合に向けて東京には今朝、入ったそうですね(※取材は26日に行われた)。
「バンコクを昨日の夜の10時に出て、午前6時に着いた。これからワークアウトだけど、ホテルにチェックインしてからは昼寝をしていたよ。時差が2時間なのは楽だし、体重も落ちてきている。とても良い感じだよ」
──初来日、日本のファンにはまだ馴染のないコルトンですが、1月20日のONE FF01で藤沢彰博選手を下し、ベリートゥベリーのような投げからポジションを奪取してRNCで一蹴。インパクトのある勝利でした。ただONEのルンピニー大会だったので、コルトンの目標はONEで戦っていくことかと思っていました。
「理由はないもないんだ。あの試合は1試合の単発契約だったから。そして、日本で戦う機会を得られたんだから、ここで戦うよ。もともとアメリカ海兵隊で日本に住んでいたことがあったから、日本で試合をすることは特別だよ」
──おお、どこのベースで生活していたのですか。
「横須賀だよ」
──すぐ近くじゃないですか!!
「2016年に5カ月間、横須賀にいて。その時はMMAのジムで練習することはなかったけど、軍でもレスリングを続けていた。元々、米国ではフォークスタイルとグレコをやっていて。フォークスタイルはMMAに転向するには、一番適したスタイルだと思う。ハイスクールを卒業し、カレッジに進んでレスリングをするという選択もあったけど……。僕はパーティー野郎だったから、カレッジに行くとそういう生活に浸りそうだって思ったんだ。きっとレスリングに集中できないって。それもあって海兵隊に入隊した。軍ではグレコを続けたよ。
海兵隊には4年いて、MMAファイターになることを決めた。そして除隊後は米国に戻らず、打撃を学ぼうとタイへ向かったんだ。チェンマイのチーム・クエスト・タイランドで練習している時に、今回コーナーマンをしてくれるクリス・カーシュに会った。クリスはドイツからやってきたんだけど、彼のように良い選手がチェンマイにはたくさんいた」
──MMAを学ぶには米国の方がより充実した環境があり、戦う機会も多いかと思うのですが。
「僕にはレスリングのベースがあり、グラップリングよりもムエタイを学ぶべきだと思ったんだ。でも、ずっと住む予定ではなかった。それがもう5年も住んでいる(笑)」
──ずっとチェンマイで?
「チェンマイに2年間、それからバンコクに2年少し住んだ。バンコクではマロック・ジムに所属していたよ。グラップリング中心で、良いチームだった。今はプーケットのサウスサイドMMAで練習しているんだ。まだ新しいけど、凄く良いジムだよ」
──この間、コロナが起こりタイでは公にはジムは閉鎖状態だった時期も長かったと思います。その時も帰国しなかったのですね。
「それは考えた。でも、米国の方が酷い状態だったから。タイの方がリラックスしているし、皆が普段から用心していた。ただし試合の機会がなかったから米国やヨーロッパで戦うことも模索している時に、タイがオープンになったからそのままタイで戦ってきたんだ。
ONE FFでアキヒロと戦った時は、もっとONEで戦いたいと思っていた。ルンピニーショーは、今やタイで一番大きなショーでアジア在住のムエタイファイターは、誰もがこぞってあの場で戦いたいと思っているからね。ただ、さっきも言ったようにパンクラスで戦う機会を得た。だからパンクラスで僕は戦う」
──ところでマロック・ジムは一時期、有望な選手が集まり注目されていましたが、多くの選手がジムを離れたとデニス・ザンボアンガから聞きました。
「僕はマロックに残っていた最終メンバーの1人だよ。デニスやドレックスより後に、チームを離れた。今、マロックに残っているのはジェレミー(ミヤド)だけじゃないかな。チーム・クエスト・タイランドもバラバラになり、その時も僕は最後まで残った1人だった(笑)。クリスは今もバンコクにいて、この試合のために再合流したんだよ」
──色々あってもタイを拠点にするのは変わりないのですね。
「ガールフレンドもいるし、現時点で米国に戻ることは考えていないよ。もし、試合があるなら喜んで米国でも戦うけどね。それにパンクラス、日本で戦えることが凄く嬉しい。パンクラスの過去のショー、対戦相手に関してもリサーチはしっかりしてきたよ」
──ところでムエタイを学ぶために始まったタイでの生活ですが、試合ではレスリング&グラップリングで圧倒的な強さを見せていますね。
「打撃に関しては、十分に使える。モノにしたと思っている。素晴しいボクシング・コーチとずっと練習してきたからね。ただファイトはよりイージーに、そしてケガをしないように戦うべきだ。その局面になったら打撃でやりあうけど、必要がないならテイクダウンからサブミットする」
──では有川選手の印象を教えてください。
「う~ん、まぁ試合に関して対戦相手云々ではないから。僕の戦い方はシンプルで何も秘密にすることはない。テイクダウンして戦う」
──押忍。パンクラスのファンはテイクダウン、コントロール、そして極めを堪能できるはずです。
「そうだと嬉しいよ(笑)。そうなって欲しい。これから体重をしっかりと落として、そんなファンの前で戦うことが楽しみでならないよ。僕のやることは変わらない。ゴールは勝利を掴むこと。打撃をより使うような試合になるのは、それが必要になるから。僕のスタイル、戦い方は変わらない。ゲームプランは、テイクダウンして戦うこと。同じだよ」
──では、ここからのキャリアアップをどのように考えていますか。
「分からない。できればRIZINで戦いたいけど、どうなるのか。僕がMMAファイターになったのは、110パーセント集中した自分がどれだけ強いのか、どれだけやれるのか。それを知りたかったから。今もその想いは変わりないよ」
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■Pancrase333対戦カード
<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介(日本)
[暫定王者] アキラ(日本)
<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一(日本)
[暫定王者] 田嶋椋(日本)
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN(日本)
[挑戦者]ソルト(日本)
<フライ級QOPC/5分5R>
[王者] 端貴代(日本)
[挑戦者] NØRI(日本)
<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
石井逸人(日本)
<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)
<バンタム級/5分3R>
田中路教(日本)
笹晋久(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
ヌルジャノフ・ルスタムベック(キルギス)
<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
コルトン・キエルバサ(米国)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
葛西和希(日本)
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
岡野裕城(日本)
<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ(日本)
矢澤諒(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
高本千代(日本)
重田ホノカ(日本)
<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明(日本)
平田直樹(日本)
【写真】キャリア14勝7敗、キルギス国内メジャーのWEFで3勝0敗、EFC Globalの暫定ライト級王者だそうだ (C)MMAPLANET
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で、キルギスからヌルジャノフ・ルスタムベックが来日し、松本光史と対戦する。
カザフスタンに続き、中央アジアではウズベキスタンと並び海外進出を果たし、結果を残すファイターが増えてきたキルギスからやってきたヌルジャノフは、試合までの1週間を埼玉県坂戸市で過ごしているという。
携帯の翻訳機能を駆使し、減量のためにおにぎりと寿司を食べるという──弱冠、怖さを感じるヌルジャノフの素性を探るべきインタビューも、きわめて口数の少ない彼から得られた情報は、とにかく自信を持っているということだけだった……。
──日曜日に松本選手との試合を控えていますが、体調の方はいかがですか。
「ケガもなく、体調は問題ないよ。あとは減量だけだよ」
──月曜日に来日したということですが、どのような調整ができていますか。
「埼玉県の坂戸市に滞在中で、ゴングジムで練習して体重を落としているんだ。言葉は通じないけど、クラブの皆とはグーグルの翻訳機能を使ってコミュニケーションを取っている」
──慣れない日本で減量は大変ではないですか。
「日本料理は減量に向いているから、大好きになったよ。チキン、サラダ、おにぎり、スシをメインに食べているんだ(笑)」
──ところでヌルジャノフ選手は、もともとどのような格闘技をしていてMMAに転向したのですか。
「自分は格闘技の経験がないまま、21歳の時にMMAを始めたんだ。スポーツも何もやっていなかった。キルギスではMMAが盛んで、TVで視て自分もMMAファイターになろうと思ってクラブに入った。最初からプロでやろうと思っていたよ」
──えっ、では最初の頃は相当に苦労をしたのでは?
「特にそんなことはなかったよ。しっかりとした目標があったので、頑張ることができた」
──1度だけキルギスを訪れたことがあるのですが、格闘技ジムで取材をしていると「キルギスの男の間では、ストリートファイトは文化だ」と聞いたことがありました。ヌルジャノフ選手も、相当に喧嘩でならしていたのでしょうか。
「学校ではたまに喧嘩をすることはあったけど、外では喧嘩しないようにして……しっかりと勉強して生きてきたよ(笑)」
──そうなのですね……偏見を持っていてスミマセンでした(笑)。これまで母国、中央アジアとロシア系の国で試合をしてきましたが、日本に来てパンクラスで試合をしようと思ったのは?
「ずっと旧ソ連の国で戦ってきたから、もっと違う国、違う選手、違う大会で戦いと思っていた。そんな時に日本で戦う機会を得ることができたので、パンクラスで試合をすることにしたんだ。ロシアとかヨーロッパでなく、アジアで戦いたかったから」
──では松本選手の印象を教えてください。
「2試合映像をチェックしたけど、あまりちゃんと見ていない。とにかく、試合はすぐに終わらせるよ」
──ヌルジャノフ選手は松本選手にすぐ勝てる自信があるということですね。
「レスリングで制して、パウンドアウトするよ。サブミッションでも構わない」
──う~ん、このインタビューでは結局ヌルジャノフ選手がどのようなファイターか、その素性は分からないままですが、日曜日はどのような試合をファンに見せたいと思っていますか。
「前もって言うことはないよ(笑)。とにかく、面白い試合を日本のお客さんに見せてあげたい」
──では初めての日本での試合ですが、今後はどのようなキャリアアップを考えているのでしょうか。
「今は日曜日に出来る限り、良い試合をしてまた日本に呼んでもらいたい。そしてパンクラスのライト級のベルトを獲って、UFCかBellator、もしくはONEで戦いたいと思っている」
──押忍。では最後に日本のMMAファンに一言お願いします。
「キルギスの漢を見せるので、試合を楽しみにしてほしい」
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT
■Pancrase333対戦カード
<ライト級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 久米鷹介(日本)
[暫定王者] アキラ(日本)
<バンタム級KOP王座統一戦/5分5 R>
[王者] 中島太一(日本)
[暫定王者] 田嶋椋(日本)
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] KAREN(日本)
[挑戦者]ソルト(日本)
<フライ級QOPC/5分5R>
[王者] 端貴代(日本)
[挑戦者] NØRI(日本)
<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
石井逸人(日本)
<フェザー級/5分3R>
亀井晨佑(日本)
パン・ジェヒョク(韓国)
<バンタム級/5分3R>
田中路教(日本)
笹晋久(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
藤野恵実(日本)
エジナ・トラキナス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
ヌルジャノフ・ルスタムベック(キルギス)
<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
コルトン・キエルバサ(米国)
<ライト級/5分3R>
粕谷優介(日本)
葛西和希(日本)
<ライト級/5分3R>
松岡嵩志(日本)
岡野裕城(日本)
<バンタム級/5分3R>
ジェイク・ムラタ(日本)
矢澤諒(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
高本千代(日本)
重田ホノカ(日本)
<フェザー級/5分3R>
渡辺謙明(日本)
平田直樹(日本)
【写真】インファイトが絶対でなく、勝利が絶対。そしてインファイトが勝利に必要なた、葛西は努力を続けてきた(C)MMAPLANET
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で、粕谷優介と対戦する葛西和希のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
葛西といえば、しっかりと自分の距離を保ちながら蹴りとパンチを散らしていくスタイルが特徴的だ。まさに距離感を最大の武器とする葛西だが、その距離感はいかにして築き上げられたのか。そして距離感の勝負で敗れたともいえる松本光史戦のポイントと、新たに目指すスタイルをいかに粕谷戦で出すのかを語ってくれた。
<葛西和希インタビューPart.01はコチラから>
――一つひとつの敗戦を生かした結果、現在の葛西選手があるわけなのですね。その中で新たに身につけてきたものは何ですか。
「まずはムエタイとボクシングですね。格闘代理戦争の頃は、キックボクシングのように近い距離で戦うことが多かったです。それで距離が詰まったら柔道のように投げて、寝技も柔道の延長戦上だったというか。そこでムエタイとボクシングの練習によって、遠い距離の戦い方を身につけました。さらにグラップリングでも、相手をコントロールしながら極めることを目標にしています」
――葛西選手のスタンドのポジショニングが変化してきた裏には、そういった経緯があったのですね。現在は一定の距離を保ちながら左ミドルとローで攻め立てるスタイルになっています。
「そうですね。昔とは全然違います。以前は打撃ができなくて、とにかくパンチを振りながら相手の首を掴んで払い腰——しかやっていませんでした。それがハマると勝てるけど、ハマらないと絶対に負ける感じで。それが特にマッハ道場のトレーナーである諏訪部潤さんにボクシングを教わってから、試合中の距離については大きく変わりました。
ただ打ち合うとかパンチの打ち方ということではなく、相手のパンチは当たらず自分の攻撃が当たるような距離の創り方ですね。僕も最初は全くパンチを打てなかったけど、それがジャブを突いて自分の距離が創れるようになってきた感じで」
――諏訪部トレーナーですか。元修斗環太平洋王者の中村Jr選手からもお話を聞いたことがあります。ずっとマッハ道場の打撃を支えている方なのですね。
「もともと自分は試合で殴り合うのが好きではないんですよ。諏訪部さんはスパーではなくミットとマスが中心で、距離と位置を確認します。MMAはボクシンググローブではなく薄いオープンフィンガーグローブで戦うので、インパクトの瞬間だけ拳を握りこむというスタイルで教えてくださるんですね。それが自分に合っていると思います」
――だからこそ下がることもなく、無理に詰めることもなく、自分の一定の距離を保つことができるのですね。
「ただ『つまらない試合』になっているんじゃないかとも思っていて。そのもどかしさは、常に感じています。言い方が正しいかどうか分からないんですけど、『喧嘩できる強さ』がないんですよね。でも、自分が徐々に強くなってきていることは実感しています。だから今後の目標は、今までの試合からもう一つ抜け出して、試合でフィニッシュしていくことです。それは松本光史選手との試合(※2022年3月に判定負け)ですごく感じて……。自分のスタイルにハマらないと勝てないし、観ている方もフラストレーションが溜まっていくんじゃないかと思いました」
――松本戦は駆け引きの点で松本選手に分があり、同じように駆け引きを得意とする相手に、その駆け引きで勝つことができなかったという印象が強いです。
「あの試合で得たものは大きくて――ポイント勝負しているだけではダメなんだと思いました。勝負しなければいけないところで勝負できるような、もっと上の次元に行かないといけない。もし松本戦で勝っていても、僕は何も変わらなかったです。次の粕谷戦では、一皮むけた自分を見せたいですね」
――前回のDARANI戦は、トップコントロールを意識して戦っていたように思います。その点では意識の変化を見せることができたのではないでしょうか。
「意識の変化は強かったのですが、それを試合で出し切ることができなかったです。プレッシャーはかけていたものの、すぐにグラウンドに持ち込んで……」
──とはいえ後ろ回し蹴りを連続して、姿勢を乱せばグラウンドで戦うのも当然かと。
「でもフィニッシュすることができなかったですし、自分の中でもフラストレーションが溜まりました(苦笑)。今年で28歳になるので、ここでもう一皮むけないとダメだと思います」
――では次の対戦相手、粕谷選手の印象を教えてください。
「粕谷選手は凄いですよね。勝った試合は全てKOか一本で。海外でも、誰が見ても『このままだと粕谷選手が負けてしまうな……』という状態から、打撃を効かせて逆転するとか、本当にカッコイイです。どちらかというと、僕が目指したいスタイルなんですよ(笑)。そういう選手を超えていきたいので、気合いが入っています」
――現在、粕谷選手がライト級3位で、葛西選手が4位につけています。今大会のメインでは久米鷹介×アキラのライト級王座統一戦が行われます。ここで粕谷選手に勝てば、次のチャレンジャーになることができるかもしれません。
「僕も今年が勝負であり、ここで勝たないと次はないと思っています。粕谷選手に勝って、年内にベルトを巻きたいですね」
――ご本人の試合の話からはズレますが、メインは久米選手とアキラ選手のどちらが勝つと思いますか。
「えっ……あぁ、そうか。すみません、メインのタイトルマッチのことは全く意識していなかったです。とにかく自分の試合のことしか見えていなくて。メインはどうなるんでしょうね――これは予想とかではなく、僕としては久米さんの強さを体感してみたいんですよ。あれだけ実績のある、偉大なチャンピオンなので。自分はそんなパンクラスのライト級で生き残ったらホンモノだと思うし、RIZINでも海外でも通用すると考えています。
だからこそ今、目の前にある試合で結果を残していきたいです。次の試合は、ぜひ生まれ変わった自分を見てください。MMAなので全局面で上回ります」
■視聴方法(予定)
2023年4月30日(日)
午後2時00分~ PANCRASE YouTube メンバーシップ、TIGET
午後1時00分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE、U-NEXT