毎週月曜日にラウンドガールをご紹介する「MONDAY RING GIRL」。第400弾は2021年12月12日(日)、東京都江東区のスタジオコーストで開催されたPancrase325のリングガールです。
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【Pancrase326】追加カード続々。ブレーキの壊れたハンセン玲雄×ブレーキ無用のSub=鹿志村仁之介
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明日21日(月・祝)に東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPancrase326の計量が20日(日)、新宿サンエービル地下1階会議室で行われた。
1部と2部、2部構成になっている山の手のパンクラスは2部に王座決定戦を含めタイトル戦が3試合、さらにフェザー級挑戦者決定トーナメントが2試合(※第1部で補欠戦)と、タイトル直結のカードが組まれている。
冠はついていないが葛西と松本の勝者が、久米鷹介の持つライト級王座に近づくことも間違いない。
また1部でも前述のようにフェザー級挑戦者決定T補欠戦=透暉鷹×名田英平の中京×関西対決をはじめ、北海道から遠藤来生、九州からは中村勇太が参戦し、それぞれベテラン=内村洋次郎&デビュー戦=髙橋攻誠と戦う試合、さらに渡辺拓馬と尾崎龍紀と地方在住ファイターの試合も目立つ。
さらにはMMAに本気になった大器?!=鹿志村仁之介と戦うハンセンレオも神戸のreliable所属だ。TRIGGERの出現により、にわかに地盤の変化が全国的にみられるJ-MMA界──ちょっとした再編成が感じられる──ポスト・ディファ時代のパンクラス初イベント、その第1部だ。
■視聴方法(予定)
3月21日
午後2時30分~ TIGET LIVE
午後4時30分~ ABEMA PPV ONLINE LIVE
■ Pancrase326計量結果
<フライ級KOPC/5分5R>
[王者] 小川徹:56.7キロ
[挑戦者] 猿飛流:56.5キロ
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] 藤野恵実:52.15キロ
[挑戦者] KAREN:51.9キロ
<ミドル級王座決定戦/5分5R>
内藤由良:83.55キロ
ロッキー川村2:83.65キロ
<フェザー級挑戦者決定T/5分3R>
中田大貴:65.85キロ
亀井晨佑:65.85キロ
<フェザー級挑戦者決定T/5分3R>
岩本達彦:66.0キロ
Ryo:66.2キロ
<ライト級/5分3R>
葛西和希:70.55キロ
松本光史:70.3キロ
<フライ級/5分3R>
田代悠生:56.9キロ
前田浩平:56.85キロ
<フェザー級挑戦者決定T補欠戦/5分3R>
透暉鷹:66.2キロ
名田英平:66.2キロ
<フェザー級/5分3R>
遠藤来生:65.7キロ
内村洋次郎:65.75キロ
<ストロー級/5分3R>
高島俊哉:52.5キロ
尾崎龍紀:52.55キロ
<ライト級/5分3R>
渡部拓馬:70.4キロ
DARANI:70.05キロ
<ウェルター級/5分3R>
中村勇太:76.75キロ
髙橋攻誠:76.0キロ
<フェザー級/5分3R>
ハンセン玲雄:65.75キロ
鹿志村仁之介:65.35キロ
<ストロー級/5分3R>
大城正也:52.15キロ
植松洋貴:51.75キロ
【写真】この不敵な笑みは本来持つものではあるものの、リクエストに答えてくれた笑顔だ (C)MMAPLANET
21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326の第1部で鹿志村仁之介がハンセン玲雄と対戦する。
ストライプル茨城で小学6年生の時に柔術を始めた鹿志村は、これがMMAキャリア4戦目だ。現状2勝1敗という、いわば平凡な戦績ながら過去2年間はまるでクジラか潜水艦という風に、時折り姿を見せると印象深い活躍をしてきた。
MMAに対し、「スイッチが入った」という鹿志村に話を訊いた。
──鹿志村選手のことは……自分は2020年のGTFの予選で初めて存在を知り、それからMMAもパンクラスで戦っているけど負けた。そしてタイムラグがあり、LDHマーシャルアーツのFighter Battle Auditionに応募し一次選考で受かりながら辞退……。また情報が途絶えていたら、昨年10月にパンクラスで再起し、先日のFINISHでは上久保周哉選手に横三角を極めた。潜水艦のようにいきなり現れて、潜伏する。そんな風に感じていました。
「アハハハ。まぁ、去年はちょっとご存知だと思うんですけど、ヤラカシテしまったことがあって……。そこから本気でMMAをやろうという気持ちになったんです」
──まずは……そういう心境になるまでを伺わせていただきます。そもそも柔術をやり始めたのはいつ頃なのでしょうか。
「凄く簡単な理由で、小学4年生から柔道をやっていて茨城県内でも勝てなかったです。メダルを貰ったこともなくて。子供の頃ってメダルとかに憧れるものですけど、柔道では獲れないメダルが柔術だと簡単に獲れました」
──では柔術もキッズの時から始めていたのですね。
「ハイ。6年生の時に親父に勧められてストライプル茨城で井上(和浩)先生に柔術を習うようになりました。親父が相当の格闘技ファンなんです(笑)。で、柔術を始めると寝技にハマりました。ただ、柔術を教わりにいっているのに亀返しとか、柔道に使える寝技をずっと教わっていて(笑)」
──試合では、どのような戦い方を?
「柔術家に柔術でいくと勝てないので、そこそこできた柔道で勝っていました。柔術家は柔道に対応できていなかったですし。で、子供の頃や青帯の頃って結局は体力がモノをいうじゃないですか。フィジカルの強さで何となく勝ち上がっていたような感じです。それでも高校1年の時に全日本の青帯アダルトを獲れて、そこから火が付きました。
そうなると柔術の座ることができるというのが楽しくて。ずっとラッソーガードをしていましたね。結局、柔道と柔術は高校3年まで、並行してやって。で、高校を卒業する時に柔術を本気でやりたいと思うようになっていました。東京の専門学校に進み、高校を卒業してからすぐにIGLOOに入りました。GTFの何カ月か構えですね。GTFに出た時は専門学校に通いながら、バイトで生計を立てて柔術をIGLOOで練習していました」
──数ある柔術道場のなかで、なぜIGLOOを選んだのでしょうか。
「本気でやろうとスイッチが入ったので最初はCarpe Diemにしょうかと迷っていて……。で、IGLOOの斉藤社長と話をさせてもらったら、『金がないなら、会費は要らないよ』と言ってもらえて。ならIGLOOだなって(笑)」
──いや格闘技道場潰しですよ、その甘い言葉は(笑)。
「本当にそうですよね。でも助けられました。それにIGLOOのアットホームで、縛りがない空気が良かったです」
──ただ記録によると、IGLOO入門前にパンクラスでMMAデビュー戦を戦っていますね。
「専門学校に進学する時の奨学金狙いで、プロで戦ったという実績が欲しくて戦いました。種類を問われずプロ選手、五輪選手だと特待生になれて学費が半額になったんです。それも親父にやってみないかって言われて……1月にマーシャルワールド杯のAクラス・ライト級で優勝してプロ昇格ができました」
──それでプロに? MMAの練習というのは?
「打撃の練習はしていないです。2週間ほど前からストライプルのMMAクラスには混ぜてもらっていましたけど、先生と親父からグラップリングで戦えという指示があったのでテイクダウンをして寝技で勝負をしました」
──それで勝ててしまうのですね。ただし2戦目で狩野優選手にネオブラTの初戦で敗れました。
「そもそもMMAに全く興味がなく、全く知らない状態で出ていました。あの時も全く減量もしないで戦って。どのクラスで戦うべきかも分かっていなかったです」
──ではなぜ? LDHのオーディションを受けたのですか。しかも一次審査を受かっておきながら辞退して。
「アレは親父が知らない間に勝手に応募していて。で、書類検査に通ったからオーディションに参加してこいという感じで……。それでスパーリングで極めることができて、一次をパスしちゃったんですよね。僕は面接でも正直に『MMA一本でやる気はない』と言っていたし。それに合宿とかあるなんて知らなくて。で、合宿の前日とかに用事があったんです。合宿には行きたくないし、『いいか』って。『ちょっと欠場します』って(笑)」
──最低ですね(笑)。いや、よくそれであのオーディション会場にいることができたなと感心すらしてしまいます。
「MMAで生きていこうとか全く考えていなかったです。ただの趣味で良い。だから、あの熱い雰囲気が本当に馴染めなくて、嫌で。『そんな若いのにUFCとか、口にしちゃダメでしょ』みたいな感じだったんです。でも、さすが『UFC、UFCって言うなよ』とは言えなかったですけどね」
──なぜ、それが本気でスイッチが入ったのですか。
「ヤラカシテしまって。もう専門学校も通えないし、なら俺はMMAで食っていこうと決めました。茨城に戻って、まずJBJJFの全日本選手権に出ようとストライプルでなく小さな場所で練習して。それとIGLOOの選手練習に混ぜてもらって練習して全日本に出て、茶帯ミドル級で優勝しました。その時からMMAのことばかり考えていました。このままじゃ、俺、食っていけないぞって」
<この項、続く>
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21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、猿飛流を相手にベルトの防衛戦を行う、フライ級キング・オブ・パンクラシストの小川徹インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
空手→自衛隊→デザイン会社経営というキャリアを経ながら、たどり着いたMMAの世界。しかし、MMAファイターとしてのキャリアは、決して順風満帆なものではなかった。上田将竜に喫した2敗、ライリー・ドュトロ戦のKO負け――敗戦を経験し、いかにして小川はパンクラスのベルトを巻いたのか。そして次の猿飛流では、どんな小川徹を見せてくれるのか?
<小川徹インタビューPart.01はコチラから>
――自衛隊を離れたあと、すぐにTRIBEへ入ったのですか。
「RJWの高田浩也さんの紹介で別のジムに入ったんですけど、そのジムも活動休止になってTRIBEに入りました。それが8年前ですね」
――なぜTRIBEに?
「当時はパンクラスのアマチュアに出ていて、僕はスーパーフライ級だったんですよ。プロではその階級のチャンピオンが清水(清隆)さんで、漆谷(康宏)さんも練習していたりと、本当に日本の軽量級のトップ選手がいたので。トップの人と練習すれば、一番早くトップへ行けるのかなと思いました。ただ、皆さん強すぎて何をどうしていいのか分からなかったです。どうすれば、ここまで強くなれるんだろう? でも、やるしかない。そう思って、ひたすら練習についていく毎日でした」
――その中で、MMAファイターとしての手応えを感じ始めたのは、いつ頃なのでしょうか。
「手応え……2015年にネオブラッド・トーナメントのスーパーフライ級で優勝した時ですかね。その頃に自分のスタイルとか、やりたいことが見えてきたんです。もともと空手がベースなんですけど、それまでは打撃もちゃんと使えていなくて。空手とMMAでは距離も違うじゃないですか。自分の中で、そこまで落としきれていませんでした。ずっと『ハマらない、ハマらない』と思いながら、かといって寝技も全然できずに」
――ベルトを獲得する前の試合では、2019年5月のマモル戦が印象に残っています。相手が仕掛けてくる前に小川選手がローで先手を取り、自分のペースに持ち込んでいました。
「マモルさんに勝てたのは自分にとって大きかったです。それまでは勢いで試合している感じだったんですよ。何だかんだで自分が競り勝つことができる、っていう気持ちで試合をしていました(苦笑)。でもマモルさんとの試合では、そういう勝負をしても勝てないですし、とにかく自分がやるべきことを徹底して。自分で試合をつくることができたというのが大きかったですね」
――なるほど。
「あの試合では、自分のマインド、感情を制御できるようになったかなと思います。2回目の上田戦は、自分の中で『行かないと、行かないと』と思って行ったら、ハイキックで負けてしまったんです。マモル戦の次――ライリー・ドゥトロ戦も、自分が行こうと思った時にパンチをもらってしまって。
行こうと思った時に行ける、それがトップファイターだとは思っています。でも一方で、試合の中でしっかり正しい判断ができることも必要なんですよね。行ける時には行ける、行かないほうが良い時には行かない、という」
――その判断は、上田選手との3度目の試合で実践できたのではないですか。フルラウンドに渡って、小川選手がコントロールしていました。
「この間の試合は僕がコントロールしたというか、セコンドの青木(真也)さんにコントロールしてもらっていたんですよね……」
――青木選手にコントロールしてもらった……というのは、どういうことでしょうか。
「青木さんから試合中はずっと、『行くな! 行かなくていい!!』と言われていました。僕が1、2Rを取ったあと、青木さんからは『相手は3R目から絶対に出て来るから、絶対に出て行かずに待て』と言われていて。それで僕は3、4R目も行かなかったんです。でも5R目も相手が来なかった時に、僕が少しイラッとしてしまったんですよ。こんな試合は面白くないと思って。そうしたら青木さんから『行くな!』と……。あぁ、ここで行ったらダメなんだと思いました(苦笑)」
――小川選手陣営では、そのようなやり取りがあったのですね。昨年秋は修斗で平良達郎選手がVTJに出場し、DEEPでも藤田大和×伊藤裕樹、神龍誠×福田龍彌といったフライ級の注目カードが続いていました。現在の国内フライ級の状況について、どのように思っていますか。
「神龍君は一緒に練習させてもらっているんですけど、やっぱり強いですよね。その中で自分は、まだ国内でトップ選手だとは言えないかなと思っています。でもパンクラスのベルトを獲ってから、トップに行ける自信はついてきています。そこで胸を張って、パンクラスのフライ級が一番強い、と言えるようになりたいですね」
――そんななか、2度目の防衛戦を迎えます。
「猿飛流選手は本当なら、トーナメントの決勝で対戦するはずでした。でも決勝が中止になって、僕がベルトを巻いて……もう心の中で引っかかるものしかなかったです。やっぱり試合で勝ってベルトを巻きたかったですよね。だから長南(亮TRIBE代表)にも、上田選手との防衛戦で勝って、みんなの前でベルトを巻かせてくださいと言っていました」
――猿飛流選手の印象を教えてください。
「寝技もスクランブルも強くて、根性もあるし、しぶといなっていう印象があります。仮に僕が上田戦のように、何もやらせないように封じ込んでいたとしても、絶対に突破口を開いてスクランブルに持ち込んでくると思うんです。そこでもう降参させる試合をしたいですね。組んでも打撃でもお手上げ、みたいな」
――最後に、小川選手にとって今後の目標を教えていただけますか。
「正直、どこに出たいというのはないです。まず目の前の強い選手に勝ちたい、それが一番ですね。今回のオファーを受けたのも、試合で自分のMMAをやりたいと思ったからなので」
――自分のMMAとは、どんなものなのでしょうか。
「……自分の中ではまだ、その答えは出ていないです。だから今回は、その答えを出すための試合じゃないかな、って思っています」
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21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、フライ級キング・オブ・パンクラシストの小川徹が、猿飛流を相手にベルトの2度目の防衛戦を行う。
昨年開催された暫定フライ級KOP決定トーナメントを制した小川が、暫定ながらベルトを腰に巻いた。その後、ONEに出場している正規王者の仙三が王座を返上し、小川のベルトから暫定の2文字が取れている。
そんな小川はこれまで、異色ともいえるキャリアを歩んできた。空手→自衛隊→グラフィックデザイン会社経営――インタビュー前編では、紆余曲折すぎるキャリアについて語ってもらった。全てはMMAのために。
――今回はまず、これまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、どこから聞いていいのか……キャリアが異色すぎます。
「アハハハ、何でも聞いてください!」
――まず空手を始めたのは、いつ頃のことでしょうか。
「幼稚園の先生が空手の先生でもあって、それで幼稚園の時から空手に触れるようになり、実際に道場へ通うようになったのは小学3年生の時です」
――流派は?
「松濤館ですね。県大会で優勝して全国大会出場というのが一番大きな実績です」
――なるほど、松濤館だったのですね。それで現在の小川選手のファイトスタイルが理解できました。
「ありがとうございます。子供の頃から空手以外のスポーツはやっていませんでした」
――その空手が東京オリンピックの種目に決まった時は……。
「嬉しかったですね。ただ、五輪種目に決まったのは僕が高校生か高校卒業するぐらいのタイミングで、しかも実際に行われるのは10年後ぐらいでしたから。その時点で小学生や中学生の子たちが、20代半ばでオリンピックに出るような年齢設定だったので、自分が出たいとかオリンピックを目指すという気持ちはなかったです」
――その後、高校を卒業して自衛隊に入ったのですか。
「はい。大学からの誘いもあったんですけど、高校の時からMMAをやりたかったんです。当時はKIDさんがHERO’Sで活躍していて、それを見ながら『打撃だけでは本当の強さじゃないな』と感じていました。強さを求めて空手をやっていたんですけど、ここがゴールじゃないなと思って」
――MMAをやりたいと思ったのに、高校卒業は自衛隊に入ったのですか。
「それが……実は高校卒業後に少しだけ地元のMMAの道場に通いっていました。でもアルバイトしながら練習するという環境で、MMAのトップに立つ自信がなかったんです(苦笑)。それで東京に出てから、お金を貯める目的もあって自衛隊に入りました」
――結果、自衛隊には7年間も在籍したのですよね? お金を貯める目的にしては、長かったのではないですか。
「アハハハ。自衛隊に入ってみると、すごく楽しかったんです(笑)。自衛隊の中にレンジャーという課程があって、自衛隊に入ったからにはレンジャーの資格を取りたいと思ったんですけど、階級的になかなか行けるチャンスがなく……。でも入隊してから4、5年経ってからレンジャー課程に進むことができました。それが終わった頃には僕も24歳になっていたので、そろそろMMAに行かないと間に合わないなと思って」
――ただ、小川選手の戦績を見ると、2009年にケージフォースのアマチュアマッチに出場していますよね。これは自衛隊にいる時のことですか。
「はい……自衛隊にいた時です(苦笑)。一応、上司には話をしていたんですが、もっと上のほうには秘密になっていたと思います」
――当時MMAの練習はしていたのですか。
「これも今までインタビューとかでは言っていないんですけど――自衛隊の練馬駐屯地に配属されている時、高田浩也さんが代表をされていた時の和術慧舟會RJWに入会していました。当時のRJWは、和光にあったA-3の中のクラスみたいな形で、そこで週1回ぐらい練習していたんです」
――次のアマチュア出場が2012年なので、その間に自衛隊から離れてMMAに専念したということですね。一方で、グラフィックデザイナーとしても活動していたというのは……。
「僕自身、デザインの仕事をやるとは全く予想していなかったです。自衛隊を辞める時に相談していた先輩がグラフィックデザインや名刺を作っている会社その事務所に居候させてもらっていました。居候させてもらっているからには、何か手伝いたいと思って。まずは自分の名刺を作ってみようと考えて、デザインを始めました。それまでパソコンを触ったこともなかったんですけど……」
――そのような状態から、ご自身のデザイン制作会社を立ち上げるまでに!?
「最初は、先輩のパソコンを借りて、電源を消す時にいきなり電源ボタンを押して怒られるぐらいでした(笑)。当時は自衛隊にいて貯金もできていたので、練習しながら少し時間もあったんです。その間に自分の名刺を作っていたら、知り合いの方から『俺の名刺も作ってよ』とお仕事を頂くようになり……。そうしたら意外とデザインの仕事にハマっていって」
――自衛隊でレンジャーの資格を取り、グラフィックデザインという手に職をつけ、それでもプロMMAファイターになろうという想いは消えなかったのですか。格闘技は、プロデビューしてもファイトマネーだけで生活することは難しい状態が続きます。それよりは身につけた資格や技術で食っていこうとは……。
「いや、逆ですね。格闘技だけで食っていくのは難しいことが分かっていたから、生活を安定させるためにデザインの仕事を始めたんです。自衛隊に入ったのも、デザインの仕事を始めたのも、全てはMMAをやるためでした」
<この項、続く>
The post 【Pancrase326】猿飛流を相手に2度目の防衛戦、小川徹の意外なる遍歴―01―「全てはMMAをやるため」 first appeared on MMAPLANET.【写真】MMAファイターとしてグラップリングの試合、しかもアマチュアの試合まで出ている藤野にはMMA王者のプライドがある (C)MMAPLANET
21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、ランキング1位のKARENを相手にストロー級クイーン・オブ・パンクラスの防衛戦を行う、藤野恵実インタビュー後編。
対戦相手のKARENは現在18歳、2019年にパンクラスでプロデビューして以降、4戦無敗だ。藤野にとっては年齢でもキャリアでも大きな開きのある選手との試合となる。しかし、その年齢もキャリアも関係ない、と藤野は言う。決して相手を舐めているわけではない。そこに、格闘技と共に生きる藤野恵実のMMAがある。
<藤野恵美インタビューPart.01はコチラから>
――藤野選手にとってMMAの試合は、昨年9月の浜崎朱加戦(RIZINで判定負け)以来となります。今回の試合オファーは、いつ頃届いていたのでしょうか。
「今年に入った時点で来ていたとは思います。その前から試合のお話はあって、実際に試合はなくても、試合のことは意識していました。ただ、試合がないからって練習しないっていうわけではないし、普段から取り組む意識も変わらないです」
――練習仲間でもある黒部三奈選手も、以前のインタビューで同じことを言っていました。
「アハハハ、そういうところは似てくるんでしょうね。2人の共通点として、他に楽しいことがないんですよ(笑)。ただ楽しいから格闘技をやっているだけで、キツいと感じてはいないからじゃないですか。他に楽しいことがあれば、他のことをやっていると思います」
――端貴代選手も昨年パンクラスの女子フライ級王者となりました。この年齢とキャリアで、まだ強くあり続ける。本当に凄いことだと思います。
「今も貴代ちゃんと練習しているんですけど、彼女もずっと練習しています。貴代ちゃんの練習、知っていますよね?」
――ここ数年の練習は分かりませんが、以前に拝見したことがあります。常に追い込んで、追い込まれて……とにかくハードな練習でした。
「今も変わらないですよ。試合がない期間の練習でも、試合と同じような檄を飛ばされて。だから、ずっと強いんだと思います」
――なるほど。端選手は昨年10月、20歳の年齢差があるNØRI選手を下しての戴冠でした。今回、藤野選手と対戦するKAREN選手はまだ10代です。
「相手の年齢やキャリアについては、もうあまり意識していないですね。あくまで一人の対戦相手として考えるだけ。誰であろうと挑戦権を得たら、その選手が対戦相手になるので」
――では対戦相手としてのKAREN選手の印象を教えてください。
「もともとサークリングを多用する選手が多いチームですけど、その中でも彼女はまだ打ち合おうという気が見えますよね」
――確かに、以前はサークリング&サイドキックというパターンが多かったチームですが、KAREN選手には距離が近くなれば強烈なヒジ打ちがあります。
「彼女もヒジ打ちを出すまでは、だいぶ動き回りますけどね(苦笑)」
――ただ、そこでヒジ打ちが出るのはファイターとしての成長かと思います。サークリング&サイドキックというパターンだけでは、それが判定で優位になるためのパターンなのか分かりませんでしたが……。
「ポイントを取るためにやっているなら、それはそれで良いと思うんです。でも私たちがやっているのは格闘技なんですよ。格闘技で勝つためのパターンでなければ、その戦い方はどうなのかと……。でも彼女は打ち合うし、そこで結果を出してきていますからね」
――そんなKAREN選手を相手に、どのように戦いますか。
「相手がやってくるのは、蹴って離して、距離が近くなればヒジ――ということですよね。でも彼女が一本を取ることはできないと思います。もちろん格闘技の試合に100パーセントはないけど、グラップリングのほうがキャリアや経験の差が出てしまうので。
今、彼女はそこまでグラップリングをやっていないんじゃないですか? だから理にはかなっているんですけどね。グラップリングをやっていないから、蹴りで突き放してからヒジというパターンは」
――KAREN選手もNØRI選手も、グラウンド状態になった瞬間、優位なポジションでいれば攻め込んできます。しかし下になった時の足の利かせ方からは、できるだけ寝技を避けたい……というイメージは感じられます。
「私がやっているのは、あくまでMMAですから。しかもこれはタイトルマッチなので。頂点の試合としてやらせてもらうからには最低限、全てのことができないといけないと思っています。グラップリングが得意ではないからグラップリングは避けたい、というのは違いますよね。そんな試合だと、他のチャンピオンたちに申し訳ないです」
――これまで藤野選手が戦ってきたチャンピオンに対して申し訳ない、ということですか。
「それもありますけど、同日のパンクラスでタイトルマッチをやる選手たちに対してです。たとえば、メインの小川徹選手と猿飛流選手、どちらも何かをやりませんっていう選手ではないですよね。あの2人も、MMAの中で持てる全てを出すはずです。そういう中で私とKAREN選手との試合はどうなるんだろうな、っていう気持ちはあります」
――そこで藤野選手がMMAというものを見せつける試合にしたいですか?
「そう思います。試合はやってみないと分からないところがあるし、彼女も決して弱い相手じゃないです。ここまでヒジという武器で、結果を残してきているから。それはそれで凄いことですよ。でもMMAってそれだけじゃないよ、と思うところはありますね」
――楽しみにしています。最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ、試合への意気込みをお願します。
「試合は相手あってのものだから、どうなるかは分からないです。でも毎試合、前回よりも強くなっている姿を見せたいと思っています。そのために練習をしているので。それを見てほしいです。私がクイーン・オブ・パンクラシストだっていうところを見せたいですね」
The post 【Pancrase326】「頂点の試合として」年齢差、経験の差、過去最大。KARENの挑戦を受ける藤野恵実―02― first appeared on MMAPLANET.【写真】そう思えるのが、素晴らしい(C)SHOJIRO KAMEIKE
21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、ストロー級クイーン・オブ・パンクラスの藤野恵実が、ランキング1位のKARENを挑戦者に迎えて、ベルトの初防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike
2018年8月、藤野はストロー級QOP決定戦でヴィヴィアニ・アロージョに敗れた。そのヴィヴィアニがUFCと契約したことで、2019年9月から暫定王者決定トーナメントがスタート。1回戦でエジナ・トラキスをTKOで下した藤野は、続く12月8日の決勝でチャン・ヒョンジにRNCを極め、念願のベストを腰に巻いている。
王座戴冠から2年3カ月――RIZIN出場やグラップリングマッチを経て、再びデカゴンに立つ藤野に現在の心境を訊いた。
――2019年12月に獲得したベルトの防衛戦が12日後に行われます(※取材は3月9日に行われた)。現在のコンディションはいかがですか。
「コンディションは変わらず、ですね。いつもどおり……今は練習もコンディションも変わらないし、変えないようにしています。常に同じ状態でいるように努めていますね」
――常に同じ状態にしているというのは、いつ頃からでしょうか。
「いつからだろう……だいぶ記憶力が無くなってきていますね(笑)。でも、ここ数年はずっと同じですよ。試合前だからって特別な追い込みをすることもなく、試合がないからって練習しないわけじゃないですし」
――2019年12月にパンクラスでベルトを巻いて以降、MMAの試合は昨年9月にRIZINで浜崎朱加選手と対戦(判定負け)しているのみです。その間、海外のプロモーションと交渉していたというお話ですが……。
「それは私のことを気にかけてくれていた方が、いろいろと紹介してくださっていたんです。私もいつまで戦えるかは分からないけど、最後まで強い選手と対戦したい。同時に、パンクラスでは戦う相手がいない。そんな想いと状況を汲んでくださったと思うんですね」
―-パンクラス王者となってから、藤野選手の目標はどこにあったのでしょうか。
「もともと2つの目標があったんです。ひとつはベルトを獲ること。もうひとつは、ずっとUFCに行きたいと思っていました。でもUFCは年齢やキャリアのこともあって行けなかった。そこでパンクラスのベルトを獲って、次はどうするかとなった時に……もちろんパンクラスで防衛戦を行いたいと思っていたんですけど、やっぱり相手がいないのは大きくて」
――……。
「そうなると、パンクラスが認めてくれるなら、いろんなところで戦いたいと思って。できるだけ強い選手と戦っていきたい、という気持ちが一番強かったです」
――しかし、海外プロモーションとの契約は成りませんでした。MMAの試合間隔が空いたのは、そうした交渉が理由だったのですか。
「いえ、そういうわけではないんです。パンクラスからも外国人選手との試合のお話をもらっていて、あとは発表待ちの状態だったんですけど、コロナ禍で入国規制が掛かり……」
――そうだったのですか。2019年は3試合を戦っている藤野選手にとって、これだけブランクが空いた影響はあるのでしょうか。
「基本的には、1年に3試合はしたいと思っています。でも、試合がないからモチベーションが下がるということはなくて。練習は日常としてやっていることだし、それが最初に言った『変えないようにしている』ということなんです」
――なるほど。
「ただ、RIZINに出た時に、試合勘がないことを実感したんですよ。3R目になってようやく試合の感覚が戻ってきて」
――試合勘がなくなっている……それは、どういった状態なのでしょうか。
「行くべきところで行けない、ココっていう時に見てしまう、とかですね。たとえば、スパーだと危ない状態になったら止めるじゃないですか。そこから追撃しなかったり。でもそれって、試合なら行くべきところですよね。その部分が切り替えられなかったのは大きいです」
――藤野選手にとっては、これだけブランクがあるのは初めてですか。
「デビューしたての頃に交通事故があって、ブランクをつくったことはありました。でもそれはデビューしたての頃なので、参考にならないですよね。それ以外だとないです。MMAの試合がなかったらキックボクシングとか、何でも出ていたので」
――確かに過去、藤野選手はキックボクシングやシュートボクシング、さらにレスリングのマスターズ大会にも出場していました。それらと同じように、UNRIBVALEDに出場したのですね(山田海南江に1-6で敗れる)。
「そうですね。あとはクインテッドとか。ただ、MMAPLANETのインタビューでも言ったんですけど、アマチュア大会に参加費を払って出るのに、あんなに大きく書かれちゃって……」
――アマチュア大会でも藤野選手が出場するとなれば、間違いなく大きく扱われます(笑)。
「アハハハ。私としては、今の自分の力を試したいというぐらいの感覚だったんですけどね」
――では反対に、ブランクが空いたことによるメリットはありますか。
「しっかり練習できました。以前よりも基礎をやろうという感じで練習できたことは良かったです。試合が次々決まっていると、どうしても捨てなきゃいけないものが出て来るんですよ」
――捨てなければいけないもの、ですか。
「たとえばMMAの試合が決まっているなかで、柔術だけの練習をやるかといえば、そうはいかないじゃないですか。それよりはMMAの練習をしようと思ってしまう。試合がない間は、そうやってシフトできていたのかなって」
――その結果、自身のなかで掴めたものはありますか。
「まだ伸びしろがあるな、って。まだまだ全然――伸びしろがあるなって思いました」
<この項、続く>
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3月21日(月・祝)に東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPancrase326の追加カードの発表が続いている。
内藤由良×ロッキー川村2の間でミドル級王座決定戦、女子ストロー級タイトル戦=藤野恵実×KAREAN、フライ級選手権試合=チャンピオン小川徹×チャレンジャー猿飛流とトリプルクラウン大会。27日(木)にライト級=渡部拓馬×DARANI、28日(金)にはストロー級の高島俊哉×尾崎龍紀、フェザー級のハンセン玲雄×鹿志村仁之助というカードが公となった。
渡部×DARANIは10勝10敗1分の前者と、6勝6敗1分と勝率5割同士の対戦だ。上位進出への交通手形となる白星先行という状況を欲していることは間違いない。そこでこうじる手段がどうなるのか。
高島と尾崎の一戦は、ネオブラT優勝者同士の東西対決となった。昨年5月に野田遼介を相手に、手痛い一本負けを喫したものの年内に再起の勝利を挙げた高島に対し、尾崎は同門である山北渓人に一本負けを喫し2連敗中だ。3連敗、そしてMe,We勢に対して連敗は許されない──それが尾崎に心境だろう。
リリースで「ブレーキの壊れた殴り屋・ハンセンが馬場に上陸。鹿志村は同郷・同門だった風間敏臣を超えられるか?」と、ハンセンと馬場という往年の全日本プロレスを連想させる煽りの文字が躍っていたハンセン×鹿志村戦は、黒星先行ながら3連勝中のハンセンと、4戦目の鹿志村という現状でのマッチアップだ。
煽りの一文にあるように鹿志村は昨年のネオブラ優勝、23日の石渡伸太郎引退興行でも生きの良い若手が揃った4人制トーナメントを制した風間とパラエストラ茨城時代の同期だ。大学進学とともに状況し、現在はIGLOOに所属、ZSTのGTFの活躍後、パンクラスでプロMMAデビューも2戦目にして狩野優に敗れる。
そして格闘DREMARSで一次をパスしながら辞退と話題にことかかないルーキーは、昨年は全日本ブラジリアン柔術選手権で茶帯ミドル級を制し、プロ3戦目も腕関節で一本勝ちと自信の強い部分でしっかりと結果を残している。ハンセンの殴られても殴るというスタイルは、鹿志村にとって嫌な部分であることは間違いない。とはいえ関節技に入るスピード、一気に極める鹿志村のサブミッションもブレーキ無用の怖さを持っている。
タガが外れた一面を持つ者同士、短期決戦も十分にありうる
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24日(月)から本日26日(水)に掛けてパンクラスから3月21日(月・祝)に東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPancrase326の追加カードが3日連続で発表されている。
内藤由良×ロッキー川村2の間でミドル級王座決定戦、女子ストロー級タイトル戦=藤野恵実×KAREANに続き、3試合目のタイトル戦=フライ級KOTCが同大会で組まれる。24日(月)に同日付でフライ級正規王者の仙三が「王座防衛戦の見通しが立たない」ということで返上し、暫定王者から正規王者となった小川徹に猿飛流が挑戦することが決まった。
両者は昨年行われた暫定フライ級王座トーナメントの準決勝で勝利し、王座決定戦を戦う予定だったが猿飛流の負傷で予定通りに試合が消化できず自動的に小川の腰にベルトが巻かれることになった。
その小川は本来、王座決定戦がマッチアップされる予定だった昨年10月大会で、上田将竜を相手に3度目の正直となる判定勝ちで初防衛に成功している。両者にとってまさに未完の対決──猿飛流が追う立場で実行される。
火曜日にはフェザー級KOPのISAOへの挑戦権を賭けて、4人制の王座決定トーナメントが組まれることが公とに。準決勝が3月大会、決勝は4月29日の立川大会で組まれる。
状況によっては、ワンナイトよりも過酷なトーナメントはランク1位の中田大貴と同3位の亀井晨佑、同2位の岩本達彦と 同4位のRyoの間で準決が実施され、補欠戦ではランク5位=透暉鷹×ランク8位=名田英平も決まっている。
本来、ランクに基づいた4人制トーナメントは1位4位、2位3位が戦うところだが、既に中田がRyoとパンクラスでなくRoad to ONEで岩本に勝利していることが初戦の顔合わせに関係しているのであろう。
また補欠戦出場選手を加えると、トーナメント出場選手の相関関係はRyoが透暉鷹、岩本が名田に勝利しており、亀井は誰とも拳を交えたことがなくトーナメント中に誰と対戦しても初顔合わせとなる。
昨年9月に暫定タイトルコンテンダー林源平で判定ながら完勝した葛西に対し、松本は12月大会で松岡嵩志に衝撃的な76秒KO勝ちで再起した。KOP久米鷹介もそうだが、勝者が雑賀ヤン坊達也との絡みも期待したくなる──勝てば確実にゲインする顔合わせだ。
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