毎週月曜日にラウンドガールをご紹介する「MONDAY RING GIRL」。第299弾は1年前の昨日(=現地時間2019年4月12日)、フィリピンはマニラのMOAアリーナで行われたONE91「Roots of Honor」 のリングガールです。
ONEは今週17日(金・同)に無観客でRoad to ONE02を開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けたシンガポール政府の方針を考慮し、延期を発表しています。
毎週月曜日にラウンドガールをご紹介する「MONDAY RING GIRL」。第299弾は1年前の昨日(=現地時間2019年4月12日)、フィリピンはマニラのMOAアリーナで行われたONE91「Roots of Honor」 のリングガールです。
ONEは今週17日(金・同)に無観客でRoad to ONE02を開催予定でしたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けたシンガポール政府の方針を考慮し、延期を発表しています。
【写真】トライデント・ジム、森修会長とともに戦う椿 (C)MMAPLANET
17日(金)に開催されるRoad to ONE02で、工藤諒司と対戦する椿飛鳥インタビュー後編。
キャリア5戦未満のファイターで、一時的とはいえ注目度は国内チャンピオン・クラスより高かった。そんなキャリアの積み方をしてきた椿だが、恵まれた環境だからこそ他の選手が経験したことがない状況とも向き合っている。
そんな椿はアマ修斗時代に敗れたことある工藤のことを「人間として強い、人種が違う」とまで言う。強大な敵との戦いに向け、椿はプロデビュー戦となったアンヴァー・アマーリ戦の苦い経験をも重ねて、必勝の期して挑む。
<椿飛鳥インタビューPart.01はコチラから>
──どこかでトライアウトに受からなくて、格闘代理戦争にも出演せずに新人王トーナメントからキャリアを積んでいたらなと後悔したことはありましたか。
「あぁ……、そういう風に考えたことは正直ないです。想像ができないというか、もうこうやってキャリアを積んできたので。やっていることで結果を残そうと思ってきただけですね」
──前田浩平選手、葛西和希選手という代理戦争出演メンバーもパンクラスで一からキャリアを積んでいます。格闘技が好きな人間は、どういう状況でも戦っている。平田樹でなくても、皆、格闘技と向き合っている。
「格闘技は本当に好きです。それとトライデント・ジムのことが好きだし、会長のことが一番好きです。このジムで格闘技を始めて、会長にずっとお世話になってきました。指導だけでなく、金にもならないのに会場への送り迎えもしてくれたり……会長の熱意に接させてもらってきました。何のために格闘技をやるのかといえば自分のためですが、会長が教えてくれる格闘技で結果を残したいです。それが恩返しといえば恩着せがましいけど、会長に喜んでほしいと思っています」
──工藤選手との試合で結果を残せば、それは森会長も大感激かと。ただし強大な相手です。一番気を付けないといけないと思っている攻撃はどこになりますか。
「やっぱりレスリングです。あのテイクダウン能力はずば抜けています。テイクダウンという軸があって、ボクシングが滅茶苦茶うまいです」
──そういう工藤選手に対して、椿選手がしなければならないことは?
「弱い人間なりに距離だとか、細かい部分で頭を使って戦います。生物としてフィジカルとか敵わないし、そこでは勝てないので」
──ウォリアーシリーズはリングですが、今回はケージが使用されます。
「僕、ケージの方が好きなんです。その方が戦いやすいですし」
──工藤選手もそうではないでしょうか。
「アッ……。ちょっと、そこ考えていなかったです!! 『俺、ケージ得意だ』ってばっか思っていて。向うもそうですよねっ!! でも、自分のやるべきことをやるしかないです。間違いなく精神的、肉体的、頭脳的にも厳しい戦いになることは覚悟しています」
──プロデビュー戦で7勝0敗のアンヴァー・アマーリと戦い、最後は気持ちが折れて背中を見せたように見えました。
「技術的も気持ち的も僕は足らなかったです。だからこそ、あの試合は多くのモノをもたらしてくれました。戦い方だけでなく、人生の過ごし方にも影響しています。
試合はきつくなるのだから、そこから逃げないよう戦います。アマーリ戦は指摘されたように、気持ちが折れて背中を見せました。甘ったれていたし、四点ヒザを蹴られた時点でヤバイと思ってしまって。あんなのが怖くて背中を見せるなら、格闘技なんて辞めちまえって……今の僕は言えます。
そう言った手前、工藤選手との試合は……あの試合と同じようなコトを繰り返すようなら……色々な面で覚悟を決めて、17日にはケージに入ります。上にいくために内容まで問われる試合……僕は回りにどう思われても一番を目指しています。チャンピオンになりたいですし、会長や会社に恩返しがしたいです。そういう意味で、この試合は自分が上に行けるかどうかが見えてくる試合になるかと思っています」
【写真】2試合とも劣性なファイターが盛り返すというシーンが見られたうえでのフィニッシュ決着、3度目は?(C)MMAPLANET
国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第20弾はMust Watch!! このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。
今回もONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長が選んだ「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」、その3試合目と4試合目だ。
※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれません。
チャトリが選んだ「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」、今回は2試合同時発表、3試合目は2019年3月31日、ONE90で行われたONE世界女子ストロー級選手権試合=王者シィォン・ヂィンナン✖挑戦者アンジェラ・リー、そして2019年10月13日のONE100で組まれた再戦、ONE世界女子アトム級選手権試合=王者アンジェラ・リー✖挑戦者シィォン・ヂィンナンの2試合だ。
チャトリのMust Watch 03&04、シィォン・ヂィンナン✖アンジェラ・リー2連戦の選択理由は以下の通りだ。
チャトリ・シットヨートン
「ジィォン・ヂィンナとアンジェラ・リーの戦いは、2試合とも大好きだ。凄い接戦で、2人とも傷つき、それでも最後まで勝負を諦めない戦いだった。そしてパンチで勝ったヂィンナン、RNCで勝利したアンジェラ。2人の特徴と強さを見せ、これからさらに強くなる可能性があることを示していた。
ヂィンナンとアンジェラの2人、世界のどのアトム級の選手と戦っても負けないはずだ。3度目の対戦? もちろん起こりえる。2人もそれを第三幕、決着戦を望んでいる。2人ともEvolve MMAに所属しているけど、我々は既にクリスチャン・リー✖シンヤのタイトル戦も組んだ。彼女達は間違いなく、もう1度戦うよ」
ONEオフィシャルホームページで視られる──この試合の動画、パンダ✖リー01はコチラ、パンダ✖リー02はコチラ(39分10秒頃)から
【写真】昨年10月のウォリアーシリーズ東京大会でカンボジアのロン・ラーを破って以来の実戦となる椿(C)MMAPLANET
17日(金)に開催されるRoad to ONE02で、椿飛鳥が工藤諒司と対戦する。
アマ修斗全日本を制し、プロデビュー前にONEウォリアーシリーズのトライアウトを受けて合格。その後、格闘代理戦争に出演してから、シンガポールでプロデビューを迎えた。
そんな特異なプロセスを経てプロMMAファイター人生のスタートを切った椿に、自身のキャリアの積み方、工藤戦に向けての想いを尋ねた。
──椿選手は今、働きながら格闘家生活を送っていますが、この現状で会社の方は?
「家事代行の仕事なんですが、コロナの影響もなくはないですが仕事は続いています。僕の会社は実業団のチアダンスのチームを持っていて、アスリート採用に積極的なんです。僕に対しても格闘技の練習を考慮してくれますし、試合の時も融通を利かせてくれています」
──では所属するトライデント・ジムの方は?
「ジムの方は緊急事態宣言を受けて休館になっています。現状は公園を走ったり、シャドーをしていますが、スパーリングとはできていないです。でも、それまでやってきましたし、世の中がこうなったらしょうがないよなって感じです」
──それまでの仕上がりをキープすると。
「ハイ、今回は自分のジムだけで練習してきました。これまではHAGANEジムの同年代の選手とMMAやグラップリングのスパーをやってきましたが、今回はコロナのことも考えて自分のジムだけでやってきました。電車移動とかすると、自分だけでなく練習仲間を感染させてしまうリスクもありますし。やっぱり自分がかかる以上に、人にうつしたくないという気持ちが大きかったです」
──その気持ちはよく分かります。ところで今回の試合は、ONEウォリアーシリーズの試合が延期されてという流れで決まったのでしょうか。
「いえ。僕はウォリアーで試合が全然組まれていなかったです。2月大会と4月大会に向けて、試合を組んで欲しいと年明けからマッチメイカーに連絡していたのですが……『分かった。考えておく』っていう感じで。
あと1試合契約が残っていて、そこで勝っても現状はONEに行くのは難しいだろうし、契約延長になるにしても強い相手に勝っていかなければならないと思っていました。でも、その前に試合を組んでもらえない。これは『ウォリアーシリーズにも必要とされていないんだな』って悲しい気持ちになっていました(苦笑)」
──それは精神的に厳しい状態でしたね。
「メチャクチャ不安でした。僕もそこまで能天気な人間ではないので、必要とされているのかどうかは気にしますし。この状態で試合が組まれないのはどういうことなのか。その覚悟はしていました。だから日本に戻ってくることも考えないといけないとは思っていました」
──ウォリアーシリーズは本戦に出てもおかしくない日本人選手、そして豪州や韓国人選手が出場するようになりました。
「差が激しいですね。ソン・ミンジョンとか、ウォリアーシリーズじゃないだろうって(笑)。豪州やニュージーランドからも20試合とか30戦とかやっている選手が紛れ込んで来て。僕のようにウォリアーシリーズでデビューしてONEを目指す登竜門から、他である程度のキャリアを残している選手がONE本戦で戦うために生き残りを賭けて戦う状況になっていると思います」
──椿選手はキャリアの積み方としては、本当に特異ですかね。
「他にはいないと思います」
──平田樹選手と椿選手のみという。
「あぁ良いですね。成功例と失敗例ということで」
──何を自虐的になっているのですか(笑)。
「アハハハ」
──それでもRoad to ONEのオファーがあって、しかも相手は工藤選手。オファーがいつ頃でしたか。
「3月17日でした」
──即答ですね。
「ハッキリ覚えています。会社の昼休みにご飯を食べていたら、ジムの(森修)会長からLINEが来て。『Road to ONEがあるみたいで、椿も出場候補になっているみたいだよ』って。絶対に出たかったですし、その時点で工藤選手とやることになるかもとはチョット思っていました。そうしたら数時間後に工藤選手との試合でオファーがありました」
──そこで工藤選手になるかもと思った根拠は何だったのでしょうか。
「長南さんが動かれている大会だし、同じ階級ですしね。ウォリアーシリーズでも当たることがあると思っていたので。そこを踏まえての直感でした」
──直感が当たりましたね。
「やっぱり来たか……と」
──椿選手と工藤選手、戦績だけでなく勝ってきた相手もかなり違いあるのが現実です。
「工藤選手はONEの本戦レベルですよね。MMAPLANETの記事にあったように修斗にいたら、タイトルに絡んでいたはずです。生物的に強くて、僕とは人種が違います(笑)」
──工藤選手と戦うことで、試合を受けることに躊躇することはなかったですか。
「それはないです。口が裂けてもノーはない。会長とのやりとりで試合を受けるかどうかの判断材料は、日時だけなんです。その日に戦えるなら、誰とでも戦う。
対戦相手の名前を聞いてから断るなんて、逃げたことになります。単純に男としてダサい。工藤選手の名前を聞いたときも、これはチャンスでしかないと思って間髪入れずに『戦います』と答えました。現状を変えるには、工藤選手は格好の相手です」
──アマ修斗で戦ったことがあるそうですね。
「ハイ。2017年の関東大会の決勝で試合をして、ホンットに何もできなかったです。大学4年で就職活動もせず、全日本アマ修斗で優勝しようと練習に励んでいた時期で……。あの敗北で自分に絶望しました」
──それでも、その年の全日本で優勝しました。アマ修斗全日本優勝から、修斗で新人王トーナメントに出るのはプロMMAファイターとして、凄く順調なスタートになるのですが。
「なんか、ウォリアーシリーズのトライアウトに受かっちゃって。運が良いのか悪いのか(笑)」
──そこから格闘代理戦争2ndシーズンに出演と。アマ修斗しか戦っていない状況で、知名度は国内王者を凌駕するほどになりました。今から振り返り、格闘代理戦争で得られた経験とは何だったでしょうか。
「その知名度が上がるということも含め、他の選手にはできない経験をさせてもらったと思っています。人に見られ、メディアがつく……何より青木さんと少しでも関われたこと、本物を知ったという言い方は失礼かもしれないですが、青木選手の近くにいることができたことは素晴らしかったです。
ただ調子に乗ってしまいました。勘違いしちゃうというか……結果、実力がないのに注目されてしまったので辛かったです。会場にいても話し掛けられる。嬉しい反面、疲れを感じるようになっていましたね」
──出稽古にいくと、椿だってことで当たりも厳しくなかったですか。
「それはあったと思います。でも人それぞれですしね」
<この項、続く>
【写真】まさかというシーンが、初めてライブでONEを観戦する日本のファンの目の前で起こった(C)MMAPLANET
国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第18弾はMust Watch!! このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。
前回に続き、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長が「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」から2試合目を。
※ここで紹介する試合は、オフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれません。
チャトリが選んだ「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」、2試合目は2019年3月31日、ONE90=初の日本大会で行われたライト級ワールドGP準々決勝、ティモフィ・ナシューヒン✖エディ・アルバレスの一戦だ。
チャトリのMust Watch 02、ナシューヒン✖アルバレスの選択理由は以下の通りだ。
チャトリ・シットヨートン
「この試合の前に多くの人がONEチャンピオンシップのレベルは、UFCと比べてどうなんだろうという風に見ていたと思う。私はずっと同じだと言い続けてきた。だからONEとUFC、世界王者対決が見たいと言ってきたんだ。UFCファイターがONEで戦うようになり、その初戦は皆が大苦戦を強いられている。
デメトリウス・ジョンソンですらそうで。セイジ・ノースカット、エディ・アルバレス、ユーシン・オカミ達は敗れている。ONEでの高いでダメージを皆が受けている。私にとって世界のベストオーガナイゼーションはUFCとONEチャンピオンシップであり、西のベストと東のベストが雌雄を決するクロスプロモーションができる日が来ることを望んでいる。それはきっと、世界中のMMAファンが目にしたい試合だと思うよ」
ONEオフィシャルホームページで視られる──この試合の動画はコチラ(2時間20分より)から
【写真】昨年3月にはBrave FightとGrachanの合同興行で引退式も行ったが、そのヘラクレスボディに変わりはない(C)MMAPLANET
4月17日(金)に開催されるRoad to ONE02で、田中路教とグラップリングマッチで戦う宮田和幸。
一昨年大晦日にMMAを引退した宮田だが、Quintetに出場するなど組み技では実戦をこなしてきた。それでもBraveというジムを持ち、選手のマネージメントばかりか大会を開催するなど多忙な宮田が、新型コロナウィルス感染拡大で、今も大会を行う姿勢を持ち続けている同大会で田中と戦う。
なぜ、今、ここで五輪レスラーの肩書を持つ宮田が戦う必要があるのか。そして、田中とのグラップリングでは何を見せたいのかを訪ねた。
──いきなり失礼な話なのですが、世の中がこのような状況ですし宮田さんは、今大会欠場するのではないかと思っていました。引退した選手が、試合も練習も社会的に何を言われるか分からないという時ですし。
「正直、大会は中止か延期で試合がなくなると思っていました。ただ……現役の時にサステインの坂本一弘さんと口約束的だったんですけど、修斗に出場すると言っていたことがあったんです」
──そんなことがあったのですね。
「ハイ。2012年の年末ですかね。それが三崎和雄選手の引退大会をHEALEOがDEEPとやることになり、僕がメインで戦うことになって(※キム・ジェウンに勝利)、日程がかぶってしまったんです。相手は誰だったか……若手の強い選手と戦う約束していた大会に出られなくなって。その時は坂本さんにもお詫びにもいきました。
だから今回、坂本さんから話をもらって……Road to ONEという大会ですけど、これであの時の約束を果たせる。そこに尽きますね、今回試合に出るのは一番はそこです」
──では、オファーがあった時に気持ち的に楽になりましたか。
「そうですね。グラップリングは練習していますし、これからも機会があれば試合に出ようと思っていたので。あの時の約束を果たせます。それにこの大会を開くということは色々と大変なことがあるでしょうし、総合だったらアレですけど出ないとは言えないです」
──階級はONEのフェザー級、70.3キロです。当日計量ですが、MMAを戦っていた時の事実上1階級上の体重で戦うというのは?
「現役の時と体は変わっていないですし、普段から太らないようには心がけています。体重も70キロから71キロなので、朝ごはん食べないで出れば大丈夫です」
──そこまでシェイプを保っているのですね。では対戦相手の田中選手については、どのような印象を持っていますか。
「本来は1階級下の選手ですよね。ただ僕は筋肉があるからデカく見られますけど、そうでもないですし……レスリングの時と同じで、引退するときは若い強い選手とやりたかったんです。田中選手も30歳になるかというところですけど、世代の違う強い選手と戦いたかったので良い相手だと思います」
──グラップリング練習はどのぐらいの頻度で行ってきたのでしょうか。
「ほぼ毎日やってきましたよ。出稽古はしないので、Braveの芦田(崇宏)だとか、武田(光司)とかと」
──単純に気になってしまうのですが、DEEPライト級チャンピオンで同じくレスリング出身の武田選手とグラップリングの練習をして、どちらが強いのでしょうか。
「グラップリングだけだったら、まだ内弟子達に負けることはなないですね。大丈夫だと思います」
──!! 宮田さん、えげつないですね(笑)。
「まだ練習しているんで、そこは(笑)」
──2016年3月のGrandslamで宮田さんが先ごろ引退した金原正徳選手とグラップリングマッチをした時、試合早々に肉離れを起こしてしまったことが、今も残念でならないんです。レスリング五輪代表とケージレスリングも猛者の対決として、凄く楽しみにしていたので。
「DJ taikiと試合をしたときに太腿を肉離れして、あれからずっと調子が悪い時だったんです。で開始早々にタックルを切った時に、ブチっといってしまって。あの時は寝技よりもレスリングをやろうと思っていたのに、それができなくて……ディフェンシブな試合になってしまい、見てくれている人達に申し訳なかったです」
──その状態で金原選手の攻撃を切り続けたのは、逆にとんでもないことかと思います。
「いや、あの試合は金原君が僕のケガに気付いていなかったから、凄く慎重になっていたと思います。彼が気付いていたら、やられていました」
──気付かせなかったのも化け物ですね。あの試合があるからこそ、今回はという意気込みはありますか。
「そうですね……あの試合もそうですが、DREAMで戦っている時にフェザー級は日本人が多くて、1試合でも負けたら干されるというのがあり、極めよりも勝ちに走っていました。
今は失うモノは何もないですし、とにかく極めたいなと思っています」
──このルールは宮田さんが最も得意とする部分かと。
「そうだと思います。絞って65キロ、当日計量の70キロなら凄く自信があります。出稽古は殆どいかないのですが、たまに他のジムの選手が来てくれて手を合わせても、まだやられることはないですし」
──田中選手が『テイクダウンできる』と言っていましたが。
「レスリングに関しては正直、僕も最近はやっていないから……最近というかずっとやっていないので何ともいえないです」
──えっ?
「でも、そう簡単には倒れないとは思います」
──日本ではレスリングはいつまでもテイクダウンという風に見られがちですが、この試合に注目する目の肥えたファンは宮田さんのコントロールと、田中選手のスクランブルに注目しているかと思います。
「ホントはレスリングは散々やってきたので極めを見せたいんですけどね。でも田中選手は完全なMMAファイターだし、寝技を見たい人がいるのかなってところで、正直迷っています(笑)」
──いや、もうそれは勝利を目指してどのような戦い方でもしてください(笑)。
「そうですね。レスリングで勝負するのか、寝技に持っていくのか。下からもできなくはないので。何がきても対応できるようにしたいです」
──ケージレスリングに関しては、どのように捉えられていますか。
「ケージレスリングはそんなに得意じゃないです」
──え~っ!!
「レスラーはケージは嫌いだと思います。ケージがないと無敵ですけど、ケージには特殊な技術が必要になってくるので、僕はそんなに得意じゃないです。でもレスリング技術の差で補っちゃっています」
──ジムにもケージは置かれているじゃないですか。
「内弟子は使っていますけど、僕はそんなに使わないです(笑)」
──なるほど。まだまだ予断は許さないかもしれないですが、この試合を楽しみにしているファンに一言、お願いします。
「最近、グラップリングが世界的に流行してきて、僕も得意な分野なので楽しんでもらえればと思います」
──もちろんコロナ収束後になるかと思うのですが、またグラップリングで戦う意向は持たれていますか。
「ハイ、アブダビに出たいです。前から出たかったんです。良いルールだし。足関節の対処は重要になってきますが、指導もしていかないといけないので、僕も足関節は採り入れているんです。そういうところで戦っていくのも楽しみです」
【写真】灼熱の館内。熱気と熱さで、両者は体力とともに精神力が削られながら戦い続けた(C)MMAPLANET
国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第17弾はMust Watch!! このスポーツの著名人が、改めて視聴することを薦める試合を紹介したい。
ここではONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長が「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」から最初の一番を。
※ここで紹介する試合はオフィシャルホームページやオフィシャルYouTubeチャンネルで誰もが無料で視聴できるファイトに限っており、違法でアップされた試合は含まれません。
チャトリが選んだ「ONEを知るために日本のファンに視て欲しい5番勝負」、最初の試合は2018年6月29日、ONE73で行われたONE世界ミドル級選手権試合=王者オンラ・ンサン✖チャレンジャー長谷川賢の一戦だ。
チャトリのMust Watch 01、ンサン✖長谷川の選択理由は以下の通りだ。
チャトリ・シットヨートン
「オンラ・ンサンとケン・ハセガワの試合は、2人の精神力の強さが見られた試合だった。2人とも疲れて、ボロボロになりながらファイティング・スピリッツ、武道道精神を見せてくれた。最終回までもの凄くエキサイティングな試合だったよ。一進一退の接戦で、本当に大好きな試合だ。
あの時点でオンラにとって、ケン・ハセガワとの試合は最も過酷な試練だったんだ。そして、この試合に勝つことでさらに精神的にも肉体的にも成長したオンラは、リマッチでケン・ハセガワに完勝することになったんだ」
ONEオフィシャルホームページで視られる──この試合の動画はコチラから
【写真】2月28に続く、無観客シリーズは延期されることが決まった(C) MMAPLANET
6日(月・現地時間)、ONEのチャトリ・シットヨートン会長& CEOがSNSで新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けたシンガポール政府の方針を考慮し、17日(金・同)と24日(金・同)に予定されていた無観客大会の延期を明らかした。
4月10日のジャカルタ=ONE Infinity Series01と17日のONE111=クアラルンプール大会を解体&対戦カードをシャッフル、この両日と5月1日(金・同)および8日(金・同)にシンガポールで無観客のクローズドショーを開いて、ライブ配信を行うというONEの方針も修正が必要になった
シンガポールはソーシャルディスタンス政策を取り、台湾とともに封じ込みが成功しているという風に伝えられていた一方で、経路不明の感染者数がこのところ増加しており、4日(金・同)に明後日8日(水・同)から5月4日(月・同)まで職場、学校を閉鎖することを決めた。
ONEの本社があるシンガポールでは、これからの約1カ月間オフィスワークがテレワークに統一され、スーパーやコンビニ、食料店は屋台とともにテイクアウトのみ、そして美容院以外の小売店もクローズとなるロックダウン状態になるわけだ。
同時にONEは多国籍企業であり、出場選手だけでなくスタッフもアジア各国から集って興行を打つのだが、先月の24日から既にシンガポール政府は全ての短期滞在者の入国&トランジットを禁じており、労働ビザ保有者も保険・運輸など必要不可欠のサービス提供に従事する者のみの入国が許されている状態だ。また市民、永住者、長期ビザ所持者にしても入国後14日間の自宅待機措置が取られる。
このような状況でイベント開催が可能なわけはなく、今回のチャトリCEOの発表に至った。5月の2大会に関しては延期の決定は出されておらず、チャトリCEOは「自宅でテレワークに務めて、事態の悪化を防ぐべき。ONEも皆と手を取り合って、この事態に立ち向かい戦う」とSNSで書き綴っている。ロックダウンは当然として入国制限が解かれた日が、本来のONEを見ることができるタイミングとなるだろう。
【写真】「格闘技には関しては真っすぐ」というのが、北岡悟のSARAMI評。既に体重も創り始めていた……(C)MMAPLANET
17日(日)に東京都渋谷区の渋谷TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE02に出場予定のSARAMI。
本来、同大会は12日にニューピアホールで行われる予定で、そこで鈴木祐子と対戦することが決まっていたが、日時変更と無観客大会の決定以前に鈴木欠場の報が彼女には届いていた。
3月30日、対戦相手の欠場が伝えられ、大会開催は現状として絶対とはいえないなか、SARAMIの想いを尋ねた。
──色々と不安点な状態で試合が近づいてきています。
「もともと4月16日に決まっていたONE Warrior Seriesが延期になってしまって、それなら12日のRoad to ONEで試合をしないかと言ってもらえ……3週間ぐらい前ですかね。で、すぐに『やります』と返答しました。ただ、その時点から大会を本当に開くことができるのかというのはありました」
──ONE WSのオファーはいつだったですか。
「1月です。年が明けた時点で4月にと。それが1月の終わりに2月にどうかと尋ねられたのですが、それは急すぎるので無理ですって返答して。もう、対戦相手もウォリアーで2勝している豪州人選手(※クリスティ・オブスト)に決まっていたんです。でも、結果的に4月にしたいということで……こういう風になってしまって」
──それは致し方ないです。誰も予測できなかったことですし。万全を期して戦う選択を誰もしたいはずです。いずれにせよ今回の試合は昨年10月にキム・ソユルに敗れて以来のファイトになる予定でした。
「ハイ」
──今、この状況になっていなくても半年ぶりの試合になります。ウォリアーを選択したのはSARAMI選手ですが、日本のプロモーションに残っていればもっと頻繁に試合ができたのではないかという見方もあります。
「そうですね……。JEWLESでタイトルマッチで負けてしまって。もう同じ相手と戦うようになっていたので、あのなかで格闘家人生が終わってしまうのは嫌だという想いが、まずありました。
これまでも海外(PXC、ROAD FC)で試合をしていたので、また海外で戦いたかったです。だからONEに出たいというのを北岡さんに伝えて、それは無理だけどウォリアーなら出られるということでこうしたので。
日本の団体にいたら試合はもっとできたと思います。でも、もうキャリア的にも年に4試合とかする時期ではないと思っています。う~ん去年は2試合だったので、もう少ししたかったです」
──例えば黒部三奈選手は修斗で新設される女子スーパーアトム級王座を獲ってONEへという青写真を描いています。
「良いですよね。上手くいっている感じで(苦笑)。私がウォリアーで戦うと決めた時に、あのトーナメントの話はなかったですし。これは言っちゃって良いのか……JEWELSに出ていた時ですけど、パンクラスに出たいと言ったこともあったんです」
──どうしても対戦相手が一回りすると、戦場は変えたくなりますよね。それは男子選手も同じだと思います。
「でも、その時はアトム級の試合は組んでいないということだったので。まぁ、今は組んでいるし──タイミングや自分の実力不足で仕方なかったんだと……」
──究極、勝っていると発言力もできて選択肢も増えるのが格闘技で。そういう決意で選んだウォリアーシリーズですが、10月に日本で敗れたというのは?
「あの試合は勝てる相手だったと思います。あんまり思い出したくないけど……あぁ、これで泣いたら、また泣くキャラになっちゃう……。
良くないことが積み重なって、自分で負けにいってしまった。あの負けはなかったことにならないので、アレをチャラにしないといけないから、早く試合がしたいというのはあります。だからウォリアーがなくなって、Road to ONEからオファーを貰えた時はありがたかったです」
──対戦相手が、取材前に欠場が決まった鈴木祐子でした。キャリア的に見ると、かなり差がある相手ではあったと思います。
「ですよね。やる必要があるのかとは思いましたけど、試合がしたかったですし」
──ONEに行きたい選手同士が、ここで日本人対決をする。しかも日本では格上だったSARAMI選手との試合を受けた鈴木選手も強い決意だったのだろうと思いました。
「キャリア的にはそうだけど、ウォリアーでいえば彼女は2勝をしていて私は1勝だし。これは消化試合じゃないので受けました。勝って当然でしょと皆が思う試合だし、私もそう思っていました。でも、私は去年の10月に負けていて、彼女は逆転で2勝目を挙げた。
ああやって勝つってことは、実力がついてきているからで勢いもある。ちゃんとしないといけないと思っていました」
──しかし、あと2週間というところで(※取材後に大会が17日に変更された)試合が宙に浮いてしまいました。鈴木選手が出られないという連絡を受けたばかりですが、どのような気持ちになりましたか。
「もう……まぁ仕方ないといえば仕方ないです。それは世間的にも……」
<この項、続く>