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Interview J-CAGE ONE Road to ONE02 SARAMI ブログ 鈴木祐子

【Road to ONE02】Road to ONEを欠場した鈴木祐子─01─「私の考えが記事になり伝わればと」

Yuko Suzuki【写真】欠場理由を説明し、伝えたいと鈴木祐子からアクションがあった(C)MMAPLANET

17日に開催されたRoad to ONE02。同大会は元々12日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われる予定だった。

そこでSARAMIと対戦予定だった鈴木祐子は、無観客で17日に場所も変更されて開かれることが発表されたプレスリリースで欠場が明らかになった。3月30日、MMAPLANETではSARAMIの取材をABEMAとの共同で行うことが決まっており、約束の時間に映像スタッフとともにパンクラスイズム横浜に到着するや──。その雰囲気がどんよりと曇っているのは明らかで、SARAMIに鈴木の欠場が伝えられた直後であった。
SARAMIは鈴木への不満を素直に口にし、当サイトでは欠場決定の方を待って彼女の言葉を掲載した。

そしてRoad to ONE02の翌日、鈴木からMMAPLANETに同大会の欠場に関して、彼女の意見を聞いてほしいと連絡が入った……。


──今回、鈴木選手から連絡があり、Road to ONEの欠場に関してファンに伝えて欲しいことあると。

「ハイ。最初にMMAPLANETでSARAMI選手のインタビューを読んで、欠場理由が『練習環境なら旦那と練習すれば良いじゃないですか。家で』という発言があって、欠場理由は練習環境じゃないのに、なぜなんだろうと思っていて。

そこが気になりはしたのですが、特にSARAMI選手に思うことはそれほどなかったんです。でも、それからことあるごとにコメントをつけてリツイートしているのを見てから気になるようになりました。

なぜ、そこまでする必要があるのかなっていうのが自分のなかで感じるようになって。大会の前日には動画まで挙げていて。私も見なきゃ良いんですけど、見てしまったので……私の方の言い分もMMAPLANETに載せて欲しいと思って連絡させていただいたんです」

──SNSで反論を述べるということは考えなかったですか。

「それは格好悪いですし。このまま放置しても、分かってくれる人は分かってくれるのですが、私の考えが記事になり伝わればと考えたからです。SNSではファンとか、他の人を巻き込むことになるので。そういうことはしたくなかったです。SARAMI選手と喧嘩をしたいわけではなく、私の考えが伝わって欲しかったので」

──なるほど。まず、今回の試合ですが、オファーはいつ頃だったのですか。

「3月3日です。それはすぐに『出ます』って返答しました。私も4月のウォリアーシリーズに出ることになっていたのですが、大会がなくなってしまってので……」

──鈴木選手は10月の日本大会で見事な逆転一本勝ちをして、すぐにでも試合が組まれるかと思っていました。

「ハイ、あの試合後もマッチメイカーの方はすぐに組むよと言ってくれたのですが……12月には組まれなくて。でも2月の大会でナイリーン・クローリーとやるという話になっていたんです」

──2月にウォリアーシリーズでなく、本戦で平田樹選手と戦った?

「ハイ。あの時、1カ月あったのにクローリーは『準備ができない』という理由で断られたんです」

──えっ? 準備が?!

「そうなんです(苦笑)。で、本戦のオファーだったら出て……『どうなってるの、この人』って思いました。でも彼女は樹ちゃんに勝てなかったから、またウォリアーに戻ってくることになったんです」

──それはONEもシビアですね。

「それで4月にクローリーとやる方向になっていたら、大会自体がなくなってしまって」

──そんな背景があったのですね。ならばRoad to ONEのオファーに即答でYESを言いますね。その時にSARAMI選手が相手という要請ではなかったのですか。

「いえ、相手はまだ決まっていない状況で試合はできますかということでした。10日ぐらいしてSARAMI選手もウォリアーがなくなったので、Road to ONEに出場することになったのでどうか?という連絡をもらいました」

──正直なところSARAMI選手は同じウォリアーシリーズで試合をしていても、国内での実績などは鈴木選手とはかなり差があります。いわば工藤諒司選手と椿飛鳥選手のマッチアップのようです。

「ハイ、日本のなかでもトップクラスの選手だったので、実は返事をするのに2日ぐらい掛かりました。キャリアも違うし、自信もなかったです。SARAMI選手が言われていた『戦う相手じゃない』というのは分かります。逆の立場の私がそう思っていたので。でも、周囲に説得されました。宮田先生は『自分で決めなさい』って(笑)」

──ぶっちゃけて言っていただき、ありがとうございます。

「いえ……その間も練習して、行けるかなとか考えて。やるって決めました。それが3月の中旬ぐらいで、そこから世の中が変わったというか。感染者が増えて、土日の自粛が呼びかけられるようになりました」

──ハイ。

「3月も終盤になってきても大会があるのか、ないのか。そういうことがハッキリしないなかで練習を続けていました。それで……3月29日の修斗の大会で、実はケージから挨拶をすることになっていたんです。

でも結果的に2日前とかに大会がなくなって。その時ですね。大会まで2週間を切って、あるのかないのか分からない。コロナの感染者もどんどん増えている。急激に状況は悪くなっているので、不安でいっぱいになっていったんです。

1度は戦うと言ったのですが、そこからの社会の変わりようが早くて……。キッズ・クラスでの指導もしていて、子供たちに感染させるようなことがあればと、考えるようになりました。

私だけなら指導を止めれば良いのですが、旦那と一緒にやっていて。彼は指導を続けるわけだし、私から彼、彼から子供たちに感染とか考えると、大会をやらない方が良いんじゃないかと願うようになっていました。

旦那も試合をすることは反対気味でしたし、家族は大反対で。これはもう世の中の状況もあるし、家族の反対を押し切ってまで試合はできないと決断しました」

<この項、続く>

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ABEMA Interview ONE ソロパベル・モレイラ ブログ 朴光哲

【Fighters’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる朴光哲の声 on 2012年10月5日

Park Kwang Cheol【写真】この時に既にオールドルーキーと称していたカンチョル。今や霞を食べ、光合成で生きられるぐらいの達観ぶりだ (C)ABEMA & MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.02が19日(日)より、アップされている。

第2回でクローズアップされた格闘家はKRAZY BEE軍団(朴光哲、矢地祐介、田村一聖、あい)、佐藤天、浅倉カンナ、北岡悟、堀江圭功(と高阪剛)の9人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)午後7時より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送される。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第9回は2012年10月5日公開、同日に取材が行われた──ONE初陣でONE世界ライト級王者ゾロ・モレイラに挑む前日の──朴光哲のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

――一度は引退を決意し、そして復帰からコンスタントに試合がしたいという心境の変化の理由を教えてもらえますか。

「ハハハハ。まぁ、結局やることがないんですよ。で、体も調子良くなっちゃって。そうしたら手っ取り早く生活するには、試合をするのが一番なんで。でも、格闘技をなめているわけじゃないですよ」

――体調的にもリフレッシュでき、気持ちも戻ってきたと。

「そうですね。全てが変わったんです。全てが……」

――朴選手が引退している間に旗揚げをしたOFCに対し、どんな印象をもっていたのですか。

「アジアでやっているってことぐらい、そんなイメージしか持っていなくて。でも、青木(真也)君とかと契約して、これから大きくなるんだろうなって漠然と思っていました。こっちに来てみるとHERO’SとかDREAM、K-1と変わりなくスケジュールがしっかりしていて、選手も手厚く世話してもらって、ちょっと勘違いしちゃいそうです(笑)。
俺なんかに立派なホテルを用意してくれて、ファンとの交流とかあって……」

――正直、待遇の良さはイヴォルブ期待のゾロ・モレイラの対戦相手、そしてアンダードッグ以上のものがあったと。

「アッ、ソレ、先に言っちゃいましたね(笑)。まぁ、俺も噛ませ犬だろうが、試合がしたかったんですよ。最初、OFCも10月は欠員が出れば試合ができるけど、12月まではないって感じだったんですけど、それが世界戦が転がり込んできたんです。まぁ、まさにアンダードッグです」

――王座を賭けて戦うゾロ・モレイラは、引退前にYBTでスパーを散々してきた青木選手のチーム・メイトです。その辺り、弱点なども知り抜かれているという恐れはないですか。

「さっきも言ったんスけど……、格闘技をやっていなかった1年で俺、全て、全てが変わったんですよ。全てが。だから、またやろうって思ったんです。1年前の自分とかは、何の参考にもならないです。

青木君がシンガポールにいるし、俺も今はクレイジービーでしか練習していないんで。ノリさん(山本KID徳郁)がカナダから帰ってきて、ジムでの練習も全部変えて、凄く良い練習ができているッスよ。

クレイジービーはジム単位でいえば、日本でも本当にトップ、実力者が揃っているし。もう、後輩たちに胸貸すどころか、いっつもボコられて、揉まれて……良い練習ができているんです」

――モック計量では、既にゾロ・モレイラの体が大きくなっていたように思います。

「まぁ、さっきより体も張っていましたけど、明日になると完成体になっているでしょうね(笑)。自分は減量とかも、ほとんどしていなくて、そこで戦うつもりは頭からないんで。まぁ、チャレンジですよね」

Kotetsu Boku【写真】対格差は明白だが、「そこで勝負をしない」という2戦目のベテランが何を見せてくれるのか、楽しみだ(C)MMAPLANET

――リーチが長く、接近戦でもエルボーがあります。

「一番警戒するのは〇〇〇〇でしょうね。アレを効かされて、次に〇〇〇〇や〇〇〇〇をもらうんで。アイツの勝つイメージは、頭に完全にできあがっています(笑)」

――では、自分が勝つイメージは(笑)。

「まぁ、思ったより身長が高くなかったし……。勝つイメージは向き合って、試合のなかで作っていきます。それしかないッスね」

――それだけのキャリアが朴選手にはあると、日本のファンも信じていると思います。

「まぁ、キャリアといってもこれが復帰2戦目だから、2戦目のルーキーのつもりで戦います。ちゃんと格闘技と向き合って2試合目なんで(笑)」

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Interview J-CAGE JJ Globo ONE Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】青木と戦った世羅智茂─02─次があれば誰と戦いたい?「岩本(健汰)君とか……」

Road to ONE【写真】青木のマイクを眺め、青木に次いでケージを後にする世羅。この時の心境は…… (C)MMAPLANET

7日(金)に行われたRoad to ONE02でメインで青木真也とグラップリングマッチで戦い、10分時間切れとなった世羅智茂インタビュー後編。

世羅は柔術家として、グラップリングマッチに挑み、自分のやるべきことを試みた。そして、勝つつもりで戦った。噛み合わないのも格闘技。「貴重な体験をした」という世羅に、これから先に確かなモノがないなかで、今回のようなイベントがあることを前提で、参加の意思と戦いたい相手がいるのかを尋ねた。

<世羅智茂インタビューPart.01はコチラから>


──もう少し、青木真也の力を試合で感じたかったですか。

「技量を感じたいとか、そういうコトはあまりなかったです。ただ上からしっかりワキを差してパスを狙ってくるのかなって思っていたので、それがなかったのは意外でした」

──試合後、青木選手のマイクパフォーマンスが始まった時、とでも所在なげでしたね。

「ケージから出ていくタイミングを逃しましたね(苦笑)。マイクは僕個人的にはどうでも良いことで。ただ試合が引き分けだったこと、内容が残念だったなと自分のなかで思いつつ、青木選手のマイクは観客がいないし受けているのか、滑っているのか、どうなんだろうって気にはしていました」

──マイク後は間を置かず、2人でケージから出た形ですが暗幕の向こうで言葉は交わしましたか。

「ただ、ありがとうございましたと挨拶をした感じですね」

──なるほどぉ。貴重な体験はデキたけど、貴重な試合にはならなかった?

「貴重な試合にはなりましたよ。メインイベントでグラップリングをやらせてもらうこと自体が、『嘘だろう』って思っていましたし。お客さんもいないし普通の興行とは違って、練習試合のような雰囲気もありましたけど、メインでやるということは自分のなかないことで。

初めての無観客で、青木選手と試合ができたってことは僕のなかでは貴重な試合でした。あれだけ青木選手が盛り上げていたのに、凄い大凡戦になった(笑)。残念ですけど、う~ん、僕は半分ぐらい何かオモロイなって」

──オモロイな、ですか。世羅選手、良いですね。その感性。凡戦になったのも、それは格闘技だからで。

「純粋に勝ちたかった──。そこでお互いの価値観は合わなかったけど、お互いが勝ちたかった。そういうことだと思います」

──柔術、グラップリングもMMAやキックと同様にいつ活動再開するのか分からない状態です。

「ジムがどうなるのか……。カルペディエムのように物販があるジムなら、まだやるべきこともあるのですが……指導だけの道場は、本当に厳しいと思います」

──大会自体も再開の目途は立っていません。ブラジリアン柔術の軸は参加者を集めたトーナメントでありますしね。そういうなかでコロナがある時代の格闘技大会として、今回のイベントはたたき台になるかもしれないです。また、このような機会があれば世羅選手は参加したいでしょうか。

「もちろん、僕は出たいです。石川(祐樹カルペディエム代表)さんがOKなら、全然出たいですね。当分、柔術のグラップリングも大会は無理でしょうし。だから金曜日の大会がどのように捉えられているのかは気になります。きっとクレームを言ってくる人とかもいるでしょうしね。

なにより感染者がでればオジャンだと思いますし。これから、またこういう形の大会を開いてくれるとか話はあるのでしょうか」

──具体的には挙がっていないと思いますが、批判も織り込み済みで主催者もABEMAの中継も仕事をしたと思います。何より日々の状況が変化していますし、その状況に合わせた形で次もあるかもしれないし、できなくなるかもしれないということかと。

「もしまた大会を開いてもらえるのであれば……そうなれば選手として出たいです」

──では思い切って、誰と戦いたいかぶち上げてください。この場を利用して(笑)。

「えっ、ハイ。誰とやりたい? そうッスね。実はとある大会で戦う予定だったのですが、どうも延期になったみたいで。岩本(健汰)君とか。やりたいというか……皆、見たいと思うんじゃないでしょうか」

──青木選手との試合はある意味で、格闘技としての本質ではありましたが、次の機会はグラップリング、柔術といしての神髄を見せるような気持ちになりますか。

「それはないです。僕は神髄を見せたいとか、そういう格好良い目標はなくて。ただ強い人と戦いたい。皆が見たいと思ってくれるカードなら喜んで戦いたいという感じです」

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Interview J-CAGE JJ Globo ONE Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】メインで青木真也と戦った世羅智茂に訊く─01─「僕は一本勝ちを目指していた」

Sera【写真】いきなりクローズドが取れたわけでなく、シッティングからハーフ。青木の動きに合わせてクローズドに入れた。ここも注目すべき点だ (C)MMAPLANET

7日(金)に行われたRoad to ONE02でメインで青木真也とグラップリングマッチで戦い、10分時間切れとなった世羅智茂。

ドローという結果よりも、7分間ほぼクローズドガードの攻防が続く動きの少ない試合になった。それでも青木は全局面で制したという言葉は言い放った。では、世羅はどのようにこの試合を捉えているのだろうか。大会から3日後、世羅に電話取材を試みた。


──かつてない状況下での青木選手との試合が終わり、3日が経過しました。改めてあの大会に参加したことをどのように振り返ることができますか。

Sera 02「大会自体、本当に良くできたなって思います。あそこまで厳戒態勢の状態で試合をするっていうのは、普通はないですし。

そういう意味でも貴重な体験ができました。何より、どこもイベントごとが開けない状況下で試合ができたことは幸運でした。選手としては嬉しく想い、運が良かったです」

──その意見すら、自分本位だと捉えられることもある世の中です。

「そうですね。僕のなかでは本当に良くないことですが、他の若者と同じようにコロナに対して甘く見ていた部分もあったかもしれないです。それと練習仲間から感染するのであればしょうがないという気持ちもどこかにありましたし。タクシーや電車に乗っていて、マスクもしない人の飛沫で感染すするのとは違うっていう感じではいましたね。

当日は、運営される方が如何にシリアスだったかも伝わってきましたし、あの大会で試合をさせてもらって貴重な経験を積むことができました」

──そんななか、試合は動きが少ない展開になってしまいました。

「格闘技を知らない人が見たら、つまらない試合に見えたと思います。いや格闘技が好きな人でも、そうだったかもしれないです(苦笑)。感情移入できない人はつまらないという感想を持ったでしょう。それはしょうがないです、そういう試合でした」

──作戦的には、どのような展開を考えていたのでしょうか。

「とりあえずクローズドガードに一度は入れたいというのはありました。そこからケージに押し込んでくることも考えていましたが、あの展開で全くガードを割ってこないというのは計算外でした。ここまで攻めないのかって。トップで固めることだけ集中してきたので……僕も甘かったです。あそこまで手首を掴んで、ただ上にいるというのは計算していなかったです」

──まずは引き込んでガードにいれること。青木選手に組まれてテイクダウンやバックを取られることは避けようということだったのですね。

「そうですね、一度は入れて。そこで青木選手がどうアクションしてくるのか、そこに合わせて動こくつもりでした」

──基本、青木選手が割ってくるのを待ち、自分から何か仕掛けることは序盤や中盤戦では考えていなかった?

「割ろうとしてきたときが、一番の攻め時だったので。あれだけ固められると、ガードからの攻めは難易度が上がってしまいます。ただし僕も見過ぎました。お互いに動けよと思っていた。僕は割って欲しくて、青木選手は僕から仕掛けてこいよって(笑)。噛み合わなかったですね」

──残り3分の段階で、世羅選手が一度ニーシールドハーフを見せました。

「このまま膠着して終わったら酷い試合になるので、自分から創っていくしかないと思いました。そこで動いてくるかと誘いましたけど、青木選手は攻めてこなかったです。でも僕もクローズドに戻してしまって。あそこでなぜ戻したのか、ちょっと覚えていないです」

──残り3分まで仕掛けることができかった要因は?

Sera 03「ケージ際で仕掛けてハーフで固められるのが嫌だったというのはあります。

ケージに押し込まれていると、首が曲がっていて窮屈な姿勢になるので、あそこで動いてもいつものようには動けないです」

──なるほど、柔術の試合場ではない状況でしたね。それでも最終的にはハーフから潜って足関節を仕掛けました。

「結果論として、もっと早くから攻めるべきだった。そう思います」

──世羅選手の試合で、あそこまで止まるというのは記憶になかったです。

「まぁ……柔術だと青木さんにルーチが掛かるので(苦笑)。柔術のルーチって、膠着を防ぐためにあるじゃないですか。柔術ルールであれば、青木さんが攻めていないということになります。ただ、今回の試合は柔術ルールでもMMAルールでもない。判定もポイントもないので、どっちもどっちだった。そんな試合です。

ルーチもアドバンもないわけですし、それが大前提のルールなので柔術の人が、柔術ならっていう意見も聞かれましたが、それは言ってもしょうがないです。MMAの人も上取っていたのは青木選手だっていうかもしれないし」

──ブレイクがあっても良かったと、試合中に思いましたが、青木選手はでも同じ展開になるという意見でして。そこに関しては、世羅選手はどのように考えますか。

「ブレイクですか、確かにそうですね。ブレイクというのは頭になかったですけど、今から思えばブレイクで仕切り直しがあっても良かったと思います。クローズドはダメだと切り替えたかもしれないです……が、それは結果論ですけどね。それがあっても、どう考えたかはブレイクがなかったので分からないです」

──青木選手が全局面で制していたというのも、青木選手の理論であって、世羅選手には世羅選手のグラップリング論があると。ところで掛け逃げと指摘されたことに関しては、どのように思っていますか。

Sera 04「それは違うと思います。僕は掛け逃げのつもりで仕掛けた技は一つもないです。

青木さんはそう感じたかもしれないけど、それは別に知らない。青木さんがどういう価値観であの試合に臨んでいたのか分からないですけど、僕は一本勝ちを目指していました。前半と中盤はああはなりましたが、後半は一本を狙いにいったのは間違いないです。

でも青木さんにそれがあったかというと、なかったと思います。僕もそうだし、見ていた人もそう感じるんじゃないですか。ノーポイント、サブオンリーだから僕は一本を目指していました」

<この項、続く>

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Interview J-CAGE JJ Globo ONE Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】試合直後の青木真也の話。魅せるためにリスクは? 「格闘技をやっているということ」

Aoki Shinya【写真】試合直後、控室となった会議室で (C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

7日(金)に行われたRoad to ONE02。MMAPLANETでは1日を経てからメインで世羅智茂と対戦し、時間切れドローとなった青木真也にマイクの意図などを尋ね、彼の言葉を掲載した。

ここではクローズドショー、開催場所さえアナウンスされないという異様な状況での試合を終えた直後の青木の談話から、試合に関しての部分だけを抜粋してお送りしたい。


──世羅選手とのグラップリングマッチ、時間切れドローとなりました。

「語れるものじゃない」

──語れるものじゃないというのは?

「人に見せられるものじゃなかったですよね。攻めないから、試合が動かないッスよね。あぁ、こういうのかって。動かなくて、負けない試合をされた感じですよね。まぁまぁ、それで良いなら、それで良いけど。勝負はしたかった感じはしましたね」

──青木選手も手堅かったですよね。

「手堅かったです。来ないもん。カウンター待ちされているから、試合にならないですよ」

──そこで隙を見せようが、自分から動くことはできなかった?

「そうですね……最後は少し動かせたけど、そういう風にしても乗ってこないですよね」

──世羅選手のクローズドが、オープンになった瞬間も青木選手はスッと動くことはなかった。そして、セコンドからもオープンになっているという指示がなかったです。

「そうですか? 僕はクローズドで待たれた感じがします。でも、セコンドの声がなくてもそれは分かりますし。オープンにしても仕掛けはなかったですからね。そのままステイ、ステイ、ステイにされましたね」

──この試合、グラップリングを普段見ていないファンも視聴する機会だったと思います。そして、その視聴者は『青木、攻めろよ』という印象を持ったかもしれないです。

「そうですね、僕はこれで全局面で圧倒しちゃっているから。僕の概念では。僕が上からコントロールしていて、相手が掛け逃げをしている。まぁ、意識の差ですよ。この1つの試合じゃなくて、大会ごと背負って見ているつもりだから。全部まとめて大会を見ているつもりだから、もうちょっとお互い良いモノを創れたとは思います」

──う~ん、ただそこで足関節に入るとかやってしまうと、実は青木選手らしくない。あのままステイし続ける、それが青木真也の格闘技だと思います。

「ずっとステイ、相手が掛け逃げしてもステイする。これはこれで我慢比べなんです」

──我慢比べになるとになると譲れない?

「根負けはしないです」

──逆にブレイクがあっても良いのかもしれないですね。そういう意味では。仕切り直すために。

「良いかもしれないけど、それは戦うほうの意識だからブレイクがあっても同じ形になるんじゃないですかね。だから結論としてEBIはオーバータイムの決着戦があるという。そこに行き着くってことで」

──それでも魅せたいモノは見せられましたか。

「もうチョットかな。とりあえず及第点です。こういう時は仕方がない。だからマイクで誤魔化しました。そういうことです」

──繰り返しますが、良いモノを創るために勝負から外れるリスク、魅せるためのリスクは試合でおかさないと。

「それが、ちゃんと格闘技をやっているということだし」

──では、このような状況が続くとすれば青木選手は次は何を目指しますか。

「ここでMMAをやるかも。それはあるかと思います。もう寿命が短いから、勝負したいかな。もう別にいつ死んだって、いつ辞めたって良いって言いましたけど、本当に思っていますから。だから試合しても、良いのかなって思います」

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】大会決行から1日を経て、試合後のマイクを青木真也に尋ねた「種明かしをすると……」

Shinya Aoki【写真】試合終了直後の青木の表情。彼の話を訊く限り、これは苦笑いだったか(C)MMAPLANET

昨日、7日(金)にRoad to ONE02のメインで世羅智茂と対戦し、時間切れドローとなった青木真也

MMAPLANETでは試合直後に試合内容に関して、青木に話を訊いた。その前にここではマイクアピールへの反応に対し、今夜、電話取材を行った時の青木の返答を紹介したい。


──昨日のマイク、まずキ〇〇イという放送禁止用語を使ったこと。アレはまずくないですか?

「言わないなら、言わない方が良かったと思います。でも、もう言ってしまったことなので。放送禁止用語かどうかでいえば、ネットTVで。その辺は地上波ではないですし。

あと、こういうのはその時に伝わらないとしょうがないんですけど、別に悪い意味で使ったんじゃない。最高の連中っていう文脈で使った言葉ですからね」

──Fucking Coolのような感じだと。

「そこにセンシティブに引っ掛かる人がいるんでしょうね」

──マイクの内容はあらかじめ考えているのですか。

「だいたい何を話すかは、こんな感じでっていうのはあるんだけど、昨日は試合内容がアレだったんで、あのまま終わるわけにはいかないと思って話していて。なんかやらないといけない、締めないといけないなって(苦笑)」

──「いつ死んだって良いんだよ」と「なぁ」を連呼していたのは、次のセリフを考えているから?

「そうっ! そうなんですよ。分かっちゃいましたか(笑)」

──アハハハハ。

「大仁田(厚)さんとか、真壁(刀義)さんとかも(笑)。長州さんが、『うんうん、そうだな』っていう時とか考えているの(笑)。で気負った時こそ、連呼するんです」

──青木選手も昨日はマイクで気負っていた?

「ヤバイ、これ。何とかしないとって(笑)。これ帳尻合わせられるかなとは思っていました。世羅とは掛け合いできないし。いやぁ、考えているの、まさか……バレていましたか(笑)」

──あとですね、昨日の発言内容に関しても、大会を開催したことを含めて賛成意見ばかりでなく、しっかりと反対意見があったことが良かったと思いました。

「逆にないとヤバイですよね、世の中として。やっちゃダメだっていう声がないと。バランスは取れないですからね」

──「死にたくねぇ。負けたくねぇだったら、試合しなきゃ良いし、ずっと家に居ろよ。ステイ・ホームってずっと書き込んでいろっ!」という言葉に対し、逆上したような反応でなく、『分かるけど、今じゃないんだよ』という反応がありました。

「ハイ……」

──あの強い言葉があり、反論でも反応がある。自粛に関して「耐えて、終息したら──こんなことやりましょう」という優しい言葉は、逆に頭を麻痺させますよ。青木選手の劇薬のような言葉は、皆にまた考える機会を与えることになったのではないかと。

「それは種明かしすると、考えていました。僕が本当に言いたいことは家にいろ、出てこい、自粛バカヤローっていうことじゃない。自分で考えろってことだから。だから、考えないで……ただ試合の機会があるからって、このタイミングで試合をするヤツも同じ。

何も考えず、このままどうなるのか、家にいると終息するなんて思っているのはダメ。家にいるなら自分の価値観を持って家にいて欲しい。自分でもっと考えようよってことなんです。ちゃんと考えて自粛するのも、考えて何かをアクションを起こすのも同じことで。それはホントに。僕がズレているとか、おかしなヤツって思われるのは構わないけど。

でも今、それすら考えられず、明日のご飯も食べられない人がいる。これが終息しないと、国全体、国民全体が貧しくなっていく。格闘技界も、社会もそう。このままじゃ、コロナは終息なんてしなくて長引く。そんな時にこのままジリ貧で良いのかて、色んなことを自分で考えた人が、昨日はあの場に集まった。

コロナが続くなかで、無観客大会のノウハウを創ろうとした。これが続くと覚悟した連中が一緒になって、一体感を持って創り上げたんです」

──青木選手も思い入れがあったと。

「アントニオ猪木が世間とプレロスをしていましたが、そういうモノと戦った大会でした。世間とか常識と戦った。やって良かったと思います。何より夜明けが見えないなかで、ここで何か一つ動かしてもらったのはありがたかったです」

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J-CAGE ONE Report Road to ONE02 ブログ 世羅智茂 青木真也

【Road to ONE02】青木vs世羅はドロー、「このイベントをやってくれた●●●●、ありがとう!」(青木)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
時間切れドロー
世羅智茂(日本)

自ら座って引き込む世羅。青木もそれに付き合い、半身になる世羅の腰を抑える。世羅は青木の手を両手で持ち、青木は上体を固めてトップポジションをキープする。インサイドガードの青木は世羅の頭を金網側に移動させ、上体を起こして攻めの一手をうかがう。世羅は金網側から脱出しようとするが、青木はそれをさせない。青木は上体を密着させ、腰をコントロールして展開を変えようとするが、世羅のガードは固い。

世羅は肘を使って青木の顔を突き放し、腰を切って半身になる。距離を取る青木は世羅の腰を抑えてパスガードを狙う。世羅は青木の左足に両足で絡みつき、身体を回転させて上のポジションをうかがう。さらに世羅はガードポジションから腕十字を狙うと、青木もトップポジションは許さず、再びインサイドガードで上になる。ここで試合終了となり、両者の一戦は時間切れドローとなった。

試合後、マイクを持った青木は「俺はいつ死んだっていいんだよ!いつ格闘技を辞めたっていいんだよ!負けたくねえ?死にたくねえ?だったらずっと家にいろよ!生きるってことはそういうことじゃねえんだよ。日々嫌なことと戦うんだよ!このイベントをやってくれた●●●●なやつらに一言だけ言っておく、ありがとう!」と思いのたけを語った。

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J-CAGE ONE Report Road to ONE02 ブログ 緑川創 西川大和

【Road to ONE02】緑川がキャリアの差を見せて判定勝ち、西川の健闘も光る

<ムエタイ72.5キロ契約/3分3R>
緑川創(日本)
Def.3-0
西川大和(日本)

構えをスイッチしながらローと前蹴りを見せる西川。緑川はオーソドックスに構える西川に右ロー、右フックを当てる。西川が前に出ると、緑川はショートの左フックを当てる。西川のローに右ストレートを合わせる緑川。蹴りのフェイントを入れつつ、右フック・右ヒジと手数を増やして前に出る。

2R、西川は距離を取りながら前蹴りとローを飛ばす。緑川は構わずプレッシャーをかけて前に出て、右ストレートと右ローを当てる。右ローを軸に左フックや右ボディストレートとパンチを散らしていく緑川。西川を金網まで下がらせると右ヒジを叩き込む。終盤、緑川は右ローと右ヒジで猛攻し、バックスピンキックも繰り出した。

3R、西川はバックスピンキックを繰り出すも当たらない。緑川は構わずプレッシャーをかけて右ローを効かせ、距離が詰まると右ヒジを振るう。下がる西川を追いかけて、緑川は右ボディと右ヒジ。西川も必死に距離を取ってバックブローやパンチを返す。判定は3-0で緑川の勝利となったものの、立ち技にチャレンジした西川の健闘も光る一戦だった。

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Road to ONE:2nd:メインイベント・青木真也 vs. 世羅智茂

グラップリングライト級10分1R。

いきなり座り込んだ世羅。ハーフ。腕でフレームを作った世羅だが、青木が押し込んで世羅のガードに。青木がケージに押し込む。立ち上がった青木だがまた腰を落とす。世羅がケージに首を押し込まれた体勢から逃れようとするが、青木が押し込んで移動させない。立ち上がった青木。しかしまた座る。世羅のクローズドガードが続く。青木も足を割ろうとはしない。6分経過。青木が立つと下から足を救おうとする世羅だが防がれる。動きが制限されている世羅。青木もクローズドガードの中からでは極めは狙えない。ハーフにした世羅だが、またクローズドに。またハーフ。世羅足関を狙う。足を抜いた青木。世羅腕十字へ。外されたがまた足関からキス・オブ・ザ・ドラゴン。バックを狙いまた足関。膝十字。外されたが世羅すぐに飛びつきギロチンへ。青木押さえ込んだ。世羅のクローズドガードでタイムアップ。

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J-CAGE ONE Report Road to ONE02 ブログ 後藤丈治 祖根寿麻

【Road to ONE02】左を効かせた後藤がフロントチョークで祖根からタップを奪う

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
後藤丈治(日本)
Def.1R by フロントチョーク
祖根寿麻(日本)

サウスポーの後藤に対し、オーソドックスの祖根。祖根は左右のフックで前に出て、後藤は距離を取ってハイキックで迎え撃つ。ここで祖根の頭が後藤のあごに当たり、試合は一時中断となる。再開後、祖根がパンチで後藤を金網まで押し込み、テイクダウンを奪う。一度は倒された後藤だが亀になって立ち上がり、アームロックを狙いながら正対する。ジャブ・左ストレートで前に出る後藤。パンチの打ち合いで右フックを効かせると、返しの左フックで祖根からダウンを奪う。祖根もタックルでテイクダウンを狙うが、後藤は首だけに手を回す形のフロントチョークへ。これががっちりと極まり、後藤が一本勝ちを収めた。