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News ONE ONE110 No Surrender II ONE110 No Surrender III シャノン・ウィラチャイ ファビオ・ピンカ ブログ ポンシリ・ミートサティート 藤沢彰博

【ONE110 No Surrender II & III】14日に藤沢彰博、21日にフランス最強ムエタイ戦士ピンカのMMA初陣

【写真】ついにファビオ・ピンカがMMAを戦う (C)ONE

3日(月・現地時間)、ONEより14日(金・同)と21日(金・同)に配信されるONE Surrender II及びIIIの対戦カードが発表された。

ONEでは7月31日(金・同)にタイのバンコクはインパクト・アリーナで無観客大会=ONE110「No Surrender I」のライブ中継が行われたが、それら6試合の前に12試合が収録されており、この両日に配信される。

両日揃って6試合の配信となり、両中継でMMAは2試合ずつ見られる。


まず14日のNo Surrender IIではバンコク在住の日本人選手=藤沢彰博が、59.5キロ契約マッチでポンシリ・ミートサティートと対戦。藤沢は本来フライ級で戦っているが、ストロー級のポンシリとの対戦に合わせてキャッチ戦となった。

この試合まで藤沢は3連敗中でONEでの戦績は2勝3敗、なぜかマニラやクアラルンプール大会で試合が組まれてきたが、ホーム・バンコク大会は初出場だけに無観客とはいえ地元で星を五分にしたい。この日の中継では藤沢✖ポンシリ以外に、ヨッカイカー・フェアテックス✖ジョン・シンクのONE初陣同時のタイ✖英国フライ級対決が組まれている。

21日のSurrender IIIでは、あのファビオ・ピンカがついにMMAデビューを迎える。ピンカは昨年12月のKL大会のユン・チャンミン戦でMMA初戦を行う予定だったが、負傷欠場に。そのピンカはMMAデビューを目指し、今年の2月からタイガームエタイで練習していたことでパンデミック後も母国フランスに戻らず、タイで練習をしてきた。

タイ人以外で7人目のラジャダムナン(※ウェルター級)の頂点に立ち、WBCムエタイでウェルター級とスーパーライト級で世界王座獲得、ISKAでも世界ウェルター級王座、米国のLion Fight、ユーラシアのKombat Leagueと世界中で結果を残してきた最強・仏製ナックモエ、そのデビュー戦の相手はシャノン・ウィチャイだ。

2018年7月の青木真也戦から現状4連敗中のウィラチャイとはいえMMAの戦い方、特にグラップリング面の経験値はピンカを大きく上回る。ONE Super Seriesがスタートした2018年4月のマニラ大会でノンオー・ガイヤーンハーダオに判定負けを喫しているピンカだが、この頃には既にMMA転向を決めフランスのスネークジムでトレーニングを開始していた。

以来、柔術とレスリングもしっかりと積んできたピンカにとっても、初戦がウィラチャイというのは決して楽でない。とはいえ、ここを軽くクリアするようなことがあれば一気にトップ戦線入りとなる。

またNo Surrender IIIでもプーケットトップチーム所属の英国人ファイターのベン・ロイル✖タイガームエタイ所属の米国人クインティン・トーマスというフェザー級の一戦も見られる。トーマスは2017年のIMMAF=アマMMAの世界王者で、プロはまで2戦目だがアマ時代に14勝2敗というレコードを残している。パンデミック下のバンコク・シリーズは、ONEと契約できる大きなチャンスを彼ら在タイ人ファイターにもたらしており、高いモチベーションから好パフォーマンスを生んで欲しいものだ。

なおSurrender IIIではリトルタイガーが、ムエタイ女子アトム級で マリー・ルーメット と対戦している。既にこれらの大会は結果がでてしまっているが、MMAPLANETでは事前に対戦カードを入手し、試合前の藤沢とピンカのインタビューを行っており、ファイトウィークに掲載する予定だ。

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Interview ONE ブログ 北岡悟 青木真也

【ONE】次の試合は9月前半&国内と明言の青木真也が、北岡悟について共同取材で話したこと

【写真】会見は修斗公式戦開場前にケージサイドで行われた(C)MMAPLANET

1日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたShooto2020#05の開場前に、青木真也の共同取材が行われた。

自己発信で次戦が決まったことを仄めかした青木が自ら会見を開き、「単刀直入に試合をしてみたい。詳細はまだまだ話せることと、話せないことがあります。RIZINは始まりますけど、我々は動けていない状況でしんどい状況が僕だけでなく他の選手にもあると思います。そこで関係各位と協力してやりたいと思った次第です」とまず話した。

時期を問われて以降、「9月前半、国内になると思います。相手は全員顔じゃない……今はどんな興行にしても右と左が両方整うことがない。でも、そこはあまり我がまま言えないところです。今の格闘技界はやればやるほど痛む、全て奇策。本来は僕がやってきたことだけど、当たり前に格闘技をやるということが誰一人できていない。それをマスコミも基本言わない、誰も。それが僕のなかの疑問で、当たり前のことを当たり前にやりたい。今の格闘技界は本来の芸事があるべき姿がない。とりあえず旗を振る立場になると思うけど、体を張ってやりたい。辛い時を支えてくれた人と、今も続いている。彼らと真っ当なことを真っ当にやりたい」と話した青木が、盟友・北岡悟の試合を質問した記者に若干、牙を剥いた。

今、青木が語る北岡について──を、ここでは特化して伝えたい。


──昨日の北岡選手の試合をご覧になられましたか。

「どう思いました?」

──えっ……。

「どう思いましたか?」

──やり切ったと……ルールも違うし、場所も違うし。

「どうして、それを書かないんですか?」

──インターバルのこととかですか。

「ですよね。判定なしとか。おかしくないですか」

──おかしいとは思いますが、ホームでやるというのはそういうことかなと。

「まさにそういうことで、最高の自流試合です……自流試合というか、そこまでするんだという狂気性は出たと思います」

──確かに。

「そこを回りが何とも言わない異常性も感じます。だから、僕は視ていないです。僕は視ていないし、なんて言ったらよいのか……あまり興味がなかったというのはありますね」

──なるほど。

「良い悪いではなくて、僕が創りたいモノとちょっと距離があります」

──ベクトルが違う……。

「それで気持ちが良ければ良い。そういうところが僕にはあります」

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Interview ONE ONE110 No Surrender I スタンプ・フェアテックス ブログ 平田樹

【ONE】スタンプ✖スニサ戦の解説後に──スリムビューティー&ストロング?!=平田樹がZOOM共同会見

【写真】体つきがMMAファイターになってきた平田樹(C)ABEMA

7月31日(金・現地時間)にタイのバンコクでONE110「No Surrender」が開催されライブ中継を行うABEMAで平田樹がゲスト解説を務めた。

かねてから実現を訴えてきたスタンプ・フェアテックスがスニサ・スリサンに勝利した試合を確認した後、共同会見が行われ──オフィシャルの質問に続きGONG格闘技、Bout Review、E-fight、そしてMMAPLANETの4媒体と平田のZOOM会見が始まり──スタンプ戦を中心に質疑応答が行われた。

「コロナの時期でも試合があり、休んではいられない。試合を見ると、自分も早く試合がしたくなる。無観客ができるのは今の時期しかないので、無観客でもやってみたい」と会見の冒頭で話した平田は、スタンプ✖スニサ戦に関しては「寝技をもうちょっと見たかった。相手が弱すぎて、どれだけ強いのか気になる」と、試合内容については注文をつけた。

スタンプと自らの戦いに質問を及ぶと、「打撃の距離感はあの感じなので、組んだらすぐ投げて寝技に持ち込めばいける。早くやろうよという感じです。スタンプはMMAで5戦5勝、自分の方が戦績も下になったので、自分が勝てば大きいです。ファンも見たいと思ってくれている試合、皆が見たい試合を自分も戦いたい」と平田は話し、質疑応答は続いた。

ここではMMAPPLANETの彼女への問いかけと、返答をお届けしたい(※要約)。


──解説中、試合展開にイライラしているようにも感じました。ただムエタイやキックでなく、スタンプのMMAの試合を視ることができました。キックやムエタイでもスタンプのファイトは気になるのでしょうか。

「全然視ないですね。MMA以外はそれほど見ないです。今回は相手がレスラーだと聞いていたので、寝技になるんじゃないかと期待していました。でもスタンプ選手の余裕が見えた試合になってしまって」

──スニサが頭を抱えてきたときにスタンプはバックに回るのではなく、正対していきました。それだけ首相撲に拘りを持っている裏返しかと思えます。あの首相撲への拘りに対して、何か想うところはありますか。

「ああいうところはまだ下手くそなんだなって。まだ穴があると思いました。自分が相手なら、あの場面で投げ切れるし、レスリングもいけるのでチャンスもあると思います。寝技はまだできないのかとは思います」

──あの1試合前にファブリシオ・アンドラジというムエタイとグラップリングを融合させた選手がいました。スタンプがあのようにムエタイをMMAで使えるとすれば?

「あの髪の毛がカラフルな人ですよね。あの人はヤバイですね。両方できて……。でも、大丈夫。私は試合には強いので(笑)」

──ところでZOOMの画面で顔を拝見させてもらうと、凄く顔が締まっていませんか。小顔ローラーとかやっているのですか。

「違いますよ!!(笑)。違います!! 痩せたんです……ちょっとやめてくださいよぉ(笑)」

──ケガもあったようですが、トレーニングでしぼれているということでしょうか。

「これまでは好きな時に好きなものを食べていてのが、『これを食べたら太る』、『これだけ練習したのに、こんなの食べたらいけない』っていう考えになってきたんです。自分の体のこと、練習のことを第一に考えるとどんどんと痩せてきました」

──胃腸の状態が良いと、体にも凄く良い影響が出るかと思います。

「今までよりも体重も軽いし、食べているものも全然違うので体つきも変わったと言われ、パンチの威力も変わってきました。それは自分でも分かります」

──本当に顔が引き締まっていますね。ただ痩せるだけでなく、肌つやの良さが画面を通して伝わってきます。

「本当に体調が良いんです。だから余計に試合がしたいです」

──これは平田選手だけの問題でも、日本だけの問題でなく、世界的規模の問題で国境を以前のように行き交うことができません。そうなると日本での試合というのも視野に入ってきますか。

「国内で戦うことも考えています。本当に全然あることなので。今は調子も良いし、試合をして色々なことを試してみたいんです……レスリングだったり。凄く練習しているのに、その成果を発揮する場所がないので悔しくて」

──とはいえ日本に外国人選手が入国するのも厳しい状況です。そうなると日本人選手が相手になりますが。

「逆に日本人と戦ってみたいです。私は日本人選手との試合経験があまりないので」

──誰かと戦いたいという個人名を挙げることはできますか。

「う~ん、それは結構聞かれるんですけど、分からないんです。自分の階級ってあまりいなくて……でも、誰でも大丈夫です(笑)」

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ONE ONE110 No Surrender I Report スタンプ・フェアテックス スニサ・スリサン ブログ

【ONE110 No Surrender I】スタンプ・フェアテックスが、首相撲&ヒザ蹴り→TDを決めパウンドアウトで完勝

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
Def.1R3分57秒by TKO
スニサ・スリサン(タイ)

小刻みにステップを踏むスニサが右ロー、チェックしたスタンプがその足で左ミドルを入れる。強烈な右ローから右ミドルハイを蹴ったスタンプは、続いて左ローを入れる。パンチから首相撲のスタンプがヒザボディに連続蹴っていく。左右のヒザを文字通り突き刺されたスニサが左腕を差して押し込んでいく。ここで頭を抱えたスニサに対し、スタンプは押し返して正対する。

スタンプをロープに詰めたスニサだが、ブレイクが掛かり離れてからのリスタートは不運だ。スニサはフックで前に出ると、スタンプは再び首相撲に捕え、ヒザ。ここからボディロックに切り替えてテイクダウンを決めると、サイドからスタンプがパンチを入れる。ニーインからマウントへ移行したスタンプに対し、スニサは頭を抱えたまま背中を向けてしまう。形としてバックマウントの状態のスタンプが、そのままの状態で左で殴り続けTKO勝ちを決めた。


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ONE ONE110 No Surrender I Report ファブリシオ・アンドラジ ブログ マーク・アベラルド

【ONE110 No Surrender I】コイツ、何者?! 冴えわたるムエタイ&フィニッシュはRNC。アンドラジがアベラルドを落とす

<67キロ契約/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
Def.2R1分11秒 by RNC
マーク・アベラルド(ニュージーランド)

アップライトでサウスポーのアンドラジが左ミドルを蹴る。続く左ストレートにアベラルドが左フックを合わせようとする。長身、リーチで勝るアンドラジが左フック、右ジャブをヒットし左ハイへ。これをキャッチしたアベラルドがテイクダウンするが、すぐにアンドラジが立ち上がる。左カーフを入れたアンドラジは勢いのある左ミドルを蹴り込む。アベラルドは突進してクリンチもアベラルドは押し返して離れる。

前蹴りに続き、左のサイドキックまでもボディに蹴り込むなど、アンドラジは蹴りとジャブでアベラルドを突き放し、テイクダウンを切る。さらにミドルハイ、右ジャブとアベラルドを踏み込ませない。左フックから右フックも振るうようになったアンドラジは首相撲でヒザをボディに入れ、アベラルドを崩して転がす。すぐにアベラルドが立ち上がっても、ヒザを入れて離れたアンドラジが圧倒的な初回を戦い終えた。

2R、アベラルドの前進&フックを見切ってカウンターを入れるアンドラジは、テッサイからジャンピングニーを狙う。突進してもパンチが当たらないアベラルドはヒザ蹴りをキャッチしてテイクダウンを狙うも、これを前方に崩されてバックを許す。即座に首に腕を回したアンドラジのRNCでアベラルドが落とされ勝負は決した。

タイガームエタイ所属のブラジリアン=アンドラジ、非常事態の繰上り出場と思いきや──相当な実力者で、今後のONEバンタム級戦線で要注意のルタドールだ。


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News ONE ONE110 No Surrender I スタンプ・フェアテックス スニサ・スリサン ファブリシオ・アンドラジ ブログ マーク・アベラルド

【ONE110 Surrender I】計量&ハイドレーション結果 3度のPCRと計量を経て、12名の選手がリングへ

【写真】バンコクでは初の無観客大会へ向け、レフェリー陣など競技運営サイドも入念なリハーサルを行った。そんなリングへスタンプが、今夜上がる (C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで開催される無観客大会=ONE110「No Surrender I」の計量及びハイドレーション結果が発表された。

ONEでは水抜き禁止、北米MMAより実質1階級の体重が上限となり、ハイドレーション・テストが試合の2日前と前日に行われている。そして1日でもパスできないと試合当日の朝に再計量が必要になっている。

6月のヒーローシリーズにから1カ月と10日、今大会で本格的に新型コロナウィルス感染下でグローバル配信を行うイベントを再開させるONEチャンピオンシップ。今大会はライブ中継大会と、後日配信される18試合が組まれている。

大会出場選手は3度のPCR検査が行われ、食事も宿泊ホテルの個室に1日に3度運ばれ、トレーニングルームも時間差を設けて使用されるなど、他チームとの接触を極力避けると言う形で予防対策に尽力がなされてきた。


今夜のライブ中継で戦う12人のファイターの計量とハイドレーションテストの結果は以下の通りだ。

■ONE110計量結果

※赤字の選手の名前をクリックすると、インタビューページに移動します。

<ONE Super Seriesムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン:60.9キロ/1.0049
[挑戦者] ペッダム・ペッティンディー・アカデミー:60.95キロ/1.0152

<ONE Super Seriesムエタイ世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー:70.3キロ/1.0148
[挑戦者] ヨーセングライ・フェアテックス:69.95キロ/1.0036

<キックボクシング・フェザー級/3分3R>
スーパーボン・バンチャメーク:69.75キロ/1.0168
シッティチャイ・シッソンピーノン:70.25キロ/1. 0191

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス:52.15キロ/1.0057
スニサ・スリサン:52.2キロ/1.0241

<67キロ契約/5分3R>
マーク・アベラルド:67.0キロ/1.0040
ファブリシオ・アンドラジ:66.8キロ/1.0074

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン:61.2キロ/1.0241
スーパーレック・ギアットムーガーオ:60.9キロ/1.0087

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Interview ONE ONE110 スタンプ・フェアテックス スニサ・スリサン ブログ

【ONE110】スリアン戦へ─スタンプ・フェアテックス「ムエタイでクラスターが起こったことは……」

【写真】5カ月振りの実戦、7カ月ぶりのMMAマッチに挑むスタンプ(C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで活動を再開するONEチャンピオンシップ。ONE110「No Surrender」でスタンプ・フェアテックスが、MMAマッチ=✖スニサ・スリアン戦を戦う。

感染拡大がいち早く収まりつつあるタイだが、それでもスタンプもロックダウンを経験し、ジムも閉められる期間があった。そんな状況だった頃を振り返ってもらい、今回の試合への意気込みをスタンプに尋ねた。


──7月31日にONEチャンピオンシップがバンコクで開かれます。今の気持ちを教えて下さい。

「ロックダウン期間を経て、またONEで戦えることは凄く嬉しいわ。しかもバンコクで大会が行われるなんて、とてもエキサイトしているの」

──いつ、この大会がバンコクで行われることを知りましたか。

「1カ月半ぐらい前かなぁ。オフィシャルアナウンスの前ね。母国で試合があることで、気持ちも上がったし。それから試合が確定するまで少し時間が掛ったけど、とにかく試合ができることが一番だから」

──3月にタイではムエタイの大会でクラスターが起こりました。格闘家として、あの時はどのような気持ちになりましたか。

「クラスターが起こったことは関しては色々な要因があったことは間違いないけど、最悪のニュースだったことは確かで……。ONEもそうだし、私も含め当事者であり、ムエタイに関係する全ての人間が心穏やかじゃなかった。

でも、アレを良い経験として政府もONEのイベント開催を認めてくれたし……本当に良かったわ」

──国技であるムエタイの今後を危ぶむことはありましたか。

「それは思わなかったわ。ムエタイがタイから無くなるなんてことは。だからこそ、しっかりと対応しないといけないし。あのクラスターからムエタイで感染者を出さないために、最大の努力をしないといけないって学んだわ」

──ところで2月のシンガポールの試合後、スタンプはどのように過ごしていたのでしょうか。

「新型コロナ感染拡大が進み、ロックダウンが開始されると故郷に戻って家族と過ごしていたわ。街のジムも閉鎖されていたので兄弟とスパーリングや、ジョギングをしていたぐらいで。4月にはフェアテックスに戻って、なるべく人との接触を避けた時間割で、練習を再開したの。でも、それも他の人に分からないようにコッソリね。

もう私たちができることは小まめに手洗いとうがいをして、ジムでの消毒を徹底するだけ。1カ月半前に政府からジム活動の再開が認められ、そこでも以前よりずっと対策をして、トレーニングを続けてきたわ。以来、検温が欠かせなくなったわ」

──31日の試合はムエタイやキックでなく、MMAを戦うことになりました。

「1月からMMAの試合をしていなかったから、凄く嬉しいわ。また母国でMMAを戦えるのも良いことだし、試合の日が来るのが楽しみな気持ちでいっぱいよ」

──対戦相手のスニサ・スリサンの印象を教えてください。

「実は彼女はフェアテックスに練習に来ていたことがあって、凄く良い子なの。試合が決まって、所属するジムに戻ったけど……タイでは数少ない女子MMAファイターで……。でも、試合は試合。100パーセントの自信があるし、そのためにトレーニングを積んできたから。

油断することなく前回の試合から私の寝技がどれだけ進歩したのかを、可能な限り皆に見てもらいたいと思っている」

──パンデミックで今後のことは不確定要素が多いですが、既に練習仲間のデニス・ザンボアンガが女子アトム級世界王座挑戦が決まっています。

「デニスにとってアンジェラに挑戦できることは、本当に素晴らしいことよ」

──友人がチャンピオンになっても、チャレンジできますか。

「もし、そんな日が来るならベストを尽くして戦うだけだし……試合が終わればまた友達に戻るわ」

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News ONE ONE110 スタンプ・フェアテックス ブログ マーク・アベラルド

【ONE110】31日のバンコク大会にスタンプ・フェアテックスがMMA出場。今後のスケジュールも発表

【写真】31日ライブ中継枠でスタンプがダークシリーズでもなく、またMMAへの出場は嬉しい (C)MMAPLANET

13日(月・現地時間)にONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO兼チェアマンが自らのSNSに2つの投稿をし、31日(金・同)にタイ・バンコクで開催される無観客大会のONE110「No Surrender」の追加カードと、今後のイベント・スケジュールに関する発表をしている。

31日大会ではONEムエタイ世界フライ級王者ロッタン・ジットムアンノン✖挑戦者ペッダム・ペッティンディーアカデミー、ONEムエタイ世界フェザー級王者ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー✖挑戦者ヨーセングライ・フェアテックスと、キックボクシング・フェザー級でスーパーボン・バンチャメーク✖シッティチャイ・シッソンピーノンの立ち技3試合が既に発表されていた。

ここにMMAマッチでスタンプ・フェアテックス✖スニサ・スリサン、マーク・アベラルド✖ファブリシオ・アンドラジの2試合とムエタイ=パンパヤック・ジットムアンノン✖スーパーレック・ギアットムーガーオが加わることが明らかとなった。


チャトリの投稿にあるようにCOVID19の影響で国境を跨いだ行動は極端に制限されている状態でタイ人対決及び、タイのジムに所属する他国のファイターの試合が組まれた形だ。

立ち技のスーパーシリーズ中心になるのは当然といえるバンコクでの再出発だが、ここにスタンプのMMA出場はMMAファンにとっては嬉しいニュースだろう。

対戦相手のスリサンは2000年12月生まれの19歳の選手で、16歳だった2017年までにタイのローカルショー=FMD(フルメタル・ドージョー)でMMAを3試合経験し3勝している。スリサンはムエタイの経験もあるようで、過去3試合では首相撲から相手を崩しや、柔道に近い足技や腰技で投げも試合で決めてきた。とはいっても、対戦相手の力はスタンプの違いは明白で──どれだけ善戦するかという見方になるか。

もう1つのMMAもONE本戦で戦っている選手と、この状況下で戦う機会を得たファイターのマッチアップとなった。アベラルドはPXCからONEウォリアーシリーズに転じ、本戦にステップアップし竹中大地や佐藤将光と戦ってきたフィリピン系ニュージーランド人選手だ。

一方のアンドラジは22歳のブラジリアンで、キャリアは3勝2敗。ブラジルで1試合、カザフスタンでWFCAの試合に出場してからは、中国のクンルンや武林風で戦ってきた。アンドラジはプーケットのタイガームエタイ所属、アベラルドはパタヤのフェアテックス・ジム所属──タイ在住選手の国際戦MMAとなる。

またチャトリが明らかにしたイベント・スケジュールは7月31日以降、8月14日&21日&28日、9月11日&18日&25日、10月は9日&16日&30日となっているが、開催国等は明らかとなっていない。

当然のようにこの日程の回数だけイベントが行われるのではなく、無観客大会で組まれた録画試合を中継するONE Dark Seriesの配信日との合算であることが予想される。となると以前に「No Surrender大会は、12試合が録画マッチ=ダークシリーズ用として組まれる」とチャトリが公言していたように、今後のイベント形態はライブマッチが6試合&ダークシリーズ=6試合✖2回配信分の18試合というワンセットになりそうだ。

とはいえ、この計算をすればイベント&配信回数の合計は3で割り切れなければならないが、チャトリの発表は10イベント。そうなると31日のNo Surrenderも含め、24試合が用意された大会が出てくるのかもしれない。

もう1つ気になるのが、10月シリーズだ。パンデミック以前にONEでは4月の日本大会を10月に延期する発表をしていた。現状を顧みると、ONEのイベント開催国で国内在住選手のみで18及び24という数の試合が組め、かつ無観客大会を行える目算を立てることができるのはタイ、中国、そして日本の3カ国しかない。

勿論、10月には各国を巡る状況は好転し、観客を入れた大箱で国際戦を組めることができるようになっているかもしれない。とはいえ、希望的観測をもってイベントの準備はできない。現状に則したイベントの開催方法を考えると、無観客&収録マッチ形式を念頭に動き出す必要があるのは明らかだ。日本国内でいえば那須川天心が無観客 ABEMA TVファイトに出場するニューノーマル時代、チャトリが発信した今後のスケジュールに関して、さらなる詳細の発表を待ちたい。

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ONE ブログ

ONE:ONE Championshipが大会日程を発表。10月末まで無観客で10大会を開催。

ONEのCEOチャトリ・シットヨートンが10月末までの大会日程を発表。

July 31
August 14
August 21
August 28
September 11
September 18
September 25
October 9
October 16
October 30

すでに発表されている7月31日のバンコク大会以降、1ヶ月に3大会ずつ、すべて無観客で実施される。現時点でバンコク以外の会場は不明。

開催は厳格な新型コロナウイルス検査を実施して行われるが、今はまだ多くの国の間で移動が制限されているため、ローカル色が強くなるとのこと。

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Interview ONE アギラン・タニ ブログ

【ONE】活動再開、ONEアスリートの今─03─アギラン・タニ「8週間、家で一人で練習していた」

【写真】明るく、礼儀を弁えているアギラン。マレーシアは法を守る体勢、そして教育やモラル、通念があるのだろうか(C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで活動を再開するONEチャンピオンシップ。5カ月振りのイベント再開を前に、世界各地で非常事態を経験してきたONEアスリートたちは何を想い、どう過ごしてきたのかを尋ねるシリーズ。ONEアスリートの今、第3回はアギラン・タニの登場だ。

人口3150万人のマレーシアはこれまで8640人の感謝者を出し、死者数は121位名で感染者の1.40パーセント。現時点での入院患者数は144人、ICUに4名、人工呼吸器の使用が2名という状況だ。

各国と比較しても、感染拡大を抑えているといるマレーシアには厳格な政府の移動制限令が存在していた。アギラン自身も8週間を自宅で過ごし、ジムがオープンした今もコンタクト・トレーニングは許されていないという。


──アギラン、久しぶりです。今回、ONEチャンピオンシップの活動再開が発表されたことで、各国のファイターがこの間にどのように過ごしてきたのか、そして今、何を想うのかを尋ねています。マレーシアはかなり沈静化しているようですね。

「今は随分と落ち着いてきたよ。感染者数も減って、ジムも再開されたんだ」

──おお、それは良い傾向ですね。

「ただフルコンタクト・トレーニングは許されていないんだ。MMAはフルコンタクト・スポーツだから、選手は以前のような練習はできていない状況だね。まだ、少し様子を見ないといけないよ」

──アギランの住むクアラルンプールでも活動制限令(MCO)などが発令されていたと思います。

「MCOの期間は8週間ほどだった。それから少しずつ、経済活動が回復されていきつつある状況だよ。移動に関しては国外への旅行は認められていないけど、国内で他の州を訪れることはできるようになった。

入国に関しては医療ツーリズムとか段階をもって可能になっているようだけど、病院側で初日と13日目のPCR検査は絶対の条件で、入国する人も出国3日前に居住国でPCR検査を受けて陰性でないといけない。それにアプリに必要な情報を入力するなど色々と制限はあるようだよ」

──日本は自粛要請、外出を控えるお願いという形で法的な強制はないのですが、マレーシアの場合は国が強制力を持つ外出禁止令だったのですか。

「そうだよ。僕らの国の皆は規律を重んじているけど、新型コロナウィルス感染に関しては、規則が非常に厳格だった。2カ月間、外出は生活必需品の買い物だけで、その場合も1人で出かけないといけない。複数で外出することは一切許されていなかった。一軒につき、1人だけ。それが3月から5月の中旬まで8週間続いたんだ。

この規則を破れば、警察に捕まる。エリア・リストが渡されて、だいたい10キロでブロックされているんだけど、そこから出ても警察がやってくるよ」

──まさに令ですね、要請ではなく。

「現状ではさっきも言ったけど国内旅行、美容院、ホーカーや屋台での食事、博物館や美術館、コインランドリー、釣り堀などはOK。クラブやエンターテイメント、人が集まる宗教行事はほぼ全面禁止状態だよ。エンターテイメントは映画撮影が許されたぐらいだ。

そうそうショッピングでは服を買うことは許されていけど、試着は禁止されているよ(笑)」

──細かくコントロールされているというのは、伝わってきます。

「そうだね、スポーツでもボーリング、バドミントン、アーチェリー、射撃とか接触のないモノはOKになった。屋外でのサイクリングとかもね。でもラグビー、サッカー、ホッケー、バスケットボール、そしてレスリングと明記された格闘技もコンタクトスポーツだから、まだ禁止されている」

──つまりアギランもジムに行っても、エクササイズを行うということですか。

「ウェイトやマシーンを使ったエクササイズ、サンドバックを殴る。そんな感じでMMAの練習はできない状態だよ。そして、そのルールを皆が守っている」

──コンディションや勘という部分で、心配はないですか。

「フィジカルは問題ないよ。移動制限令下でも、家にバイクやジョグができるから。あとはプッシュアップやアブス・トレーニング、バック・トレーニング、そしてストレッチとシャドーボクシングを続けていた。ずっと1人でね。

ただし感覚はきっとズレてきているだろうね。メンタル的にも、これだけスパーリングができなかったり、生活に制限が加わると厳しい面はあったけど、しょうがないよね。合わせるしかないから」

──8月中は渡航制限があるようですが、ここが解かれ他の国やマレーシアでONEが今に合わせたイベントを開くことができる日が待ち遠しいですね。

「そういう状況になれば、6週間で試合ができるよう仕上げるよ。だからONEの活動再開の知らせには驚いたけど、嬉しかった。現状の世の中に則して、どういうイベントになるのか楽しみにしている。第一歩が示されることで、次につながるからね。またマレーシアの皆の前で戦いたい。タイと同様に僕らの国はCOVID19を抑えることができているから。そして、その時は日本人選手や皆と行き来できるようになることを願っているよ」