石澤常光 pic.twitter.com/wH15zttuld
— 青木真也 Shinya Aoki (@a_ok_i) December 6, 2024
続きを読む
石澤常光 pic.twitter.com/wH15zttuld
— 青木真也 Shinya Aoki (@a_ok_i) December 6, 2024
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
クリスチャン・リー(米国)
NC
アリベク・ラスロフ(トルコ)
開始早々、クリスチャンがプレスをかけてラスロフにロープを背負わせる。距離を詰めようとしたラスロフに左ジャブを突いてグラつかせる。クリスチャンが組んでロープに押し込み、四つの倒し合いになるも、どちらも倒れず。離れるとラスロフが右クロスを当てた。クリスチャンは左ジャブ、左ミドルと中間距離を制し、右クロスも見せる。ラスロフは右カーフで下がらせたが、中に入ろうとしたところでクリスチャンが左テンカオを狙う。
パンチのコンビネーションから右ヒジも見せて、ラスロフを下がらせるクリスチャン。ラスロフも下がらないが、クリスチャンがボディロックでドライブした。倒せないと離れたクリスチャンは左ジャブを突き合い、右ローを打ち込む。ラスロフの蹴りを交わし続けるクリスチャンは、右ストレートをクリーンヒットする。さらに組んで崩し、離れて削るクリスチャンは、ラスロフの左ジャブに右ハイを合わせる。右カーフからラスロフを押し込むクリスチャンは、相手が組んでくると右ヒザを突き上げた。終了間際には中間距離で左フックをアゴに叩き込んでいった。
2R、前に出て来るクリスチャンに対し、ラスロフが左ジャブを突く。クリスチャンはラスロフを下がらせ、左ハイを当てた。右クロスから左ミドルに繋げて、ラスロフに組ませない。ラスロフの左ヒジをかわし、右ストレートを伸ばしながらクリスチャンが組みついた。しかし、すぐ離れたクリスチャンに対し、マウスピースを吐き出したか注意が与えられる。再開後、クリスチャンは中間距離で打撃を出し続ける。ノンストップの攻撃を繰り出すクリスチャンは、ラスロフが組んでくると突き放し、パンチを打ち込む。右カーフを受けたラスロフがフラつくと、クリスチャンが追撃のパンチを浴びせる。ラスロフは組みつきながらクリスチャンにロープを背負わせ、右を突き刺した。しかしクリスチャンがボディロックでドライブする。
コーナーに押し込み、離れるクリスチャンに対してラスロフは左ヒジを空振り。やや動きが落ちたクリスチャンを、ラスロフのパンチが襲う。ここでクリスチャンがボディロックからグラウンドに持ち込むも、すぐにラスロフはスクランブルへ。離れて両者は打ち合いに。共に疲労が見えるなか、ラスロフの右がクリスチャンの顔面を捉える。右ヒジを打ち返すクリスチャンだが、ラスロフの勢いを止められない。終了間際、打ち合いからクリスチャンの右がアイポークとなり、ラスロフに休憩が与えられる。ここでラスロフは、ドクターチェックを受けるなかセコンドを呼ぶ。まだ試合を続行したいようだが、試合はここでストップとなった。
クリスチャンにとって25カ月振りの実戦は、これから――という段階で、まさかのノーコンテストに。クリスチャンは「対戦相手は本当タフだった。無意識だったけど、アイポークをしてしまって申しわけない。勝利を目指して動いていた。このまま続けたかったけど、再戦が決まれたすぐにでも戦う。ベストを尽くして戦ったけど、皆に謝りたい。皆、フィニッシュを期待してくれていたのに。今からでも戦えるぐらい体調は良かった。来年? 3に人目のベイビーができそうなんだ。少し休んで、新しい年にリング、ケージに戻って来る」と語った。
<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
マイッサ・バストス(ブラジル)
Def.3-0
ダニエル・ケリー(米国)
スタンドの組手争いから、引き込んだバストスが足関節を狙う。ケリーも足を取りに行くと、バストスが立ち上がってトップに。ケリーのデラヒーバにパスをしかけ前転したバストスが、バックを伺う。結果、トップを維持したバストスは足を抜きにかかり、パスのプレッシャーを強めるとニーインベリーへ。上四方に回ったバストスは、ケリーのシングルをスプロールして左右に動いてトップにステイする。ケリーもシングル狙いから、立ち上がりリバーサルが完成、上下を入れ替える。
バストスはバタフライガード、立ちあがったケリーと共に足を絡めていく。シングルバタフライから足をすくいにいくバストスだが、ケリーはポスチャーアップしコーナーにバストスを押し付ける。ここでレフェリーが両者を中央に移動させ、同じポジションで再開。すぐに横回転でバストスが動くと、再びコーナー近くでバタフライガードを取る。ケリーが立ち上がって側転パス。反転しコーナーを利して足を深くいれたバストスが、立ちあがってパスへ。シングルのケリーにダースを狙う。前転してガードを取り直したケリーが、トーホールド。バストスはストレートフットロックと、足の取り合いが展開される。
最終局面でバストスは立ち上がってパス狙いから、左足に内ヒールをセットしてキャッチを得る。腹ばいでキャッチの確認したバストスは、直後にタイムアップとなると勝利を確信。3-0の判定勝ちで王座防衛に成功した。
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
Def.2-1
ジャレッド・ブルックス(米国)
マクラーレンがオーソドックススタンスでプレスをかける。右カーフから距離をつくったブルックスが、ボディロックで組みつきバックに回った。すぐにコーナーに体を預けるマクラーレン。ブルックスは両足でマクラーレンの左足を制したまま、バックからパンチで削っていく。ブルックスのシングルバックを解けないマクラーレンは、ブルックスの左腕をキムラ気味に抱える。しかしブルックスがボディロックでクラッチし、バックコントロールでキープする。マクラーレンがクラッチを外そうとすると、ブルックスはリフトから再びクラッチする。
マクラーレンが体を揺らして、足を外した。しかしブルックスはボディロックを崩さない。左足を差し入れ、正対を許さないブルックス。マクラーレンが正対すると、ダブルレッグからコーナーに押し込んでいく。差し返したマクラーレンがヒザを突き上げながら離れた。ブルックスは距離を取り、マクラーレンの打ち終わりにパンチを狙う。左フックを受けたマクラーレンは一度下がり、再びプレスをかける。ブルックスが右スピニングバックキックで前進を止める。マクラーレンは右を伸ばすが、打ち終わりにブルックスが右カーフを当てて止めた。
2R、マクラーレンが右ガードを固めてプレスをかける。サウスポーにスイッチし、左ストレートを伸ばす。マクラーレンの左ハイをキャッチしたブルックスが、ダブルレッグからバックに回った。しかしマクラーレンは完全にバックを奪わせず、トップに。ディープハーフからスクランブルに持ち込むブルックス。マクラーレンは立ち上がるも、すぐにコーナーに押し込まれ、ダブルレッグで足をすくわれ、尻もちを着かされる。マクラーレンの両足を畳んだブルックスに対し、マクラーレンは立ち上がり、差し返して離れた。
マクラーレンの右アッパーに、ブルックスが右スピニングバックエルボーを合わせる。マクラーレンがプレスをかけ、右を突き刺す。ブルックスの右ハイをかわしたマクラーレンは、会場に敬礼のパフォーマンスを見せる。さらにブルックスのテイクダウンを切ったマクラーレンは、オーソドックススタンスでワンツーを放つ。右クロス、右スピニングバックキックを見せるマクラーレンに対し、ブルックスは中に入れず。ワンツー、カウンターの左フック、左右のボディブローで中に入れさせないマクラーレン。ブルックスも左フックを返した。
最終回、やはり中距離のパンチでマクラーレンがコントロールする。ガードを固めて左に回るブルックスも距離を詰めて右ストレートを狙う。徐々に距離を詰めてくるブルックスを、マクラーレンが右ヒジで迎え撃つ。至近距離でパンチを出し合う両者、ややマクラーレンの被弾が増えているか。しかしブルックスの左フックを受けながらも、マクラーレンが組みつかせない。マクラーレンは右跳びヒザを見せて、中に入ろうとするブルックスの動きを止める。左フックから右ストレートを、インから突き刺すマクラーレン。しかし同じパンチが続いたためか、ブルックスに組みつかれてしまう。マクラーレンが突き放して、中距離戦に持ち込む。マクラーレンの右ヒジを受け、ブルックスの右頭部から大量の出血が……。
マクラーレンの右がブルックスの顔面を捉える。顔を突き出すパフォーマンスから、マクラーレンは右を連打。ブルックスのダブルレッグをスプロールしたマクラーレンは、アナコンダを狙うが極まらず。スタンドに戻り、ブルックスのシングルレッグを切ったマクラーレンは、両手を掲げながらリングを回って試合終了を待った。
試合終了と同時に、勝利を確信してコーナーに登るマクラーレン。裁定はスプリットでマクラーレンが勝利した。マクラーレンは中間距離を貫いた。勝つことを考えれば当然だ。しかし終了間際に両手を上げて舌を出し、相手を見ずリング内を走り回ってゴングを待つ姿は印象が良いものではない。
フライ級。マクラーレン4位。ブルックスはストロー級の暫定王者。
ONEベテランのマクラーレン。2016年にバンタム級でビビアーノ・フェルナンデスのタイトルに挑戦者がスプリット判定負け。来月のUFCで中村倫也と対戦するムイン・ガフロフにも勝利している。フライ級に落としてからは8勝3敗。敗れた相手はダニー・キンガッド、若松、カイラット・アクメトフ。33歳。
ブルックスはONE参戦から4連勝でストロー級王座を獲得したが、昨年はMMAの試合が組まれず、フライ級サブミッショングラップリング王者のマイキー・ムスメシの王座に挑戦し三角絞めで一本負け。今年3月のカタール大会でジョシュア・パシオとのダイレクトリマッチが組まれたが、ONEでは反則の頭から落とす投げを放ってしまい、反則負けで王座から陥落した。今年8月にグスタホ・バラートとの暫定王座決定戦で1R一本勝ち。王者パシオが復帰しない中、階級を上げての2階級制覇を狙う。ストロー級で戦っていたのはアジアでの試合のみで、ストロー級がない北米ではフライ級で戦っていた。31歳。
ローを蹴るブルックす。パンチで飛び込んでタックルに入るとすぐにスタンドバック。コーナーに頭を付けてこらえるマクラーレン。片足をフックしてバックからパンチ尾を入れるブルックス。足のフックを解除してヒザを入れるブルックス。また片足フック。正対しようとしたマクラーレンだがバックについているブルックス。ようやく小手に巻いて正対したマクラーレン。四つからヒザの入れ合い。離れた。マクラーレンがプレスしていく。右のヒジを入れたが、ブルックスが飛び込んでワンツーをヒット。しかしまたマクラーレンが出る右を入れた。パンチで出たマクラーレン。飛びヒザを出した。受け止めるブルックス。四つの体勢でゴング。
2R。間合いを詰めるマクラーレン。左ハイ。キャッチしたブルックスがテイクダウンを狙う。組み付いたが倒れ込んだマクラーレンが上になっている。後ろ袈裟固めの体勢。しかし正対したところでブルックスがドライブしてバックに回った。スタンドバックからダブルレッグでテイクダウン。足をホールドしているブルックス。マクラーレンコーナーを使って立って四つに。離れた。アッパーを入れるマクラーレンにブルックスバックヒジ。ブルックス飛び込んだ。しかし脇を差して四つに組み止めるマクラーレン。コーナーに詰めたマクラーレンがアッパーを打ち込む。ブルックス飛び込むとワンツー。パンチで飛び込んだブルックスが首相撲からヒザを入れ離れる。コーナーに詰めるマクラーレン。ジャブをヒット。ブルックスはサイドにステップ。ブルックス飛び込んでパンチを入れる。ゴング。
3R。ステップしながらジャブを入れるブルックス。マクラーレンがジャブを出すが、ブルックスが飛び込んで左フック。ジャブを入れたマクラーレンだがブルックスも左を返す。パンチから組もうとしたブルックスだがマクラーレン組ませず離れる。マクラーレン飛びヒザ。カーフキック。余裕を見せるマクラーレン。ブルックス右をヒット。ワンツー。ブルックスパンチから左脇を差してコーナーに押し込む。ブルックス額をカットしている。マクラーレンパンチで詰めるがちょっと手数が少ない。右を入れたマクラーレン。残り1分。ブルックス左から右ロー。ブルックスタックル。しかしマクラーレンがぶってアナコンダチョーク。回転しようとするがこらえたブルックスがヒザ。外れて離れた。残りわずかで距離を取って勝利アピールするマクラーレン。タイムアップ。
コーナーに乗って勝利アピールするマクラーレン。後半マクラーレンペースではあったが、手数は多くなかった。
判定2-1のスプリットでマクラーレン勝利。
後半は体格差の影響が見えたブルックス。マクラーレンはアピールがやけに多かったが、勝ちを確信してのものだとしたら、実際の判定は割れていたし、自己評価があますぎる。
残りの試合は後ほど。
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
Def.3-0
ギルバート・ナカタニ(米国)
左右に動くナカタニが右カーフ、若松は左の縦ヒジを狙う。さらに右ハイをガードの上から蹴った若松のワンツーに、ナカタニがフックを合わせる。後ろに倒れた若松は立ち上がりながら組みにいくと、バックを伺う。譲らずナカタニが正対して離れる。カーフを連続で蹴るナカタニは組んでヒザを入れ、右エルボーをヒットさせる。
カーフ&右から組んだナカタニに対し、若松は投げを狙いヒザを突き上げる。直後に若松はヒザに左を合わせる。後方に大きく乱れたナカタニは、テイクダウンを取られ即立ち上がるも、若松の質量が完全に上回るように。既に疲れが感じられるナカタニに対し、若松が左を入れて右アッパーを叩きこむ。ナカタニが組みを選択しても、若松はコーナーを背にして体を入れ替える。右を振って間合いを取り直した若松のパンチに圧されるナカタニが、テイクダウンへ。スクランブルでのギロチンも頭を抜いた若松が、スピニングバックフィストをかわして右を伸ばしたところで時間となった。
2R、若松はジャブを伸ばし、右ハイをスウェイでかわす。ナカタニの左右のオーバーハンドをかわす若松は、組まれてもポジションをスイッチしてコーナーに押し込んでいく。ナカタニも押し込み返すが、離れた若松は前蹴りをボディに入れる。続いてヒザをボディに突き刺した若松は、右ハイをヒット。それでも前に出るナカタニがクリンチへ。払い腰から離れた若松は、三日蹴りを狙う。ナカタニは距離を潰して防ぎ、ワンツー。若松は逆に右を打ち込み、ジャブを突き刺す。さらに右ミドルで削ると、右ストレート。ナカタニもフックで前に出るが、精度の高い右を若松が決める。若松の右エルボーで額をカットし流血が目立つナカタニが左を当て、スピニングバックエルボーから組んでバックへ。サイドバックでヒザを蹴ったナカタニは、正対した若松に左エルボーを狙い終盤に盛り返した。
最終回、ハイを蹴り合った両者、若松が右を当て、直後に左フックでダウンを奪う。ガードから立ち上がる間、パウンドを続けた若松は左ミドルに右を合わせ、続いて右アッパーへ。ナカタニのローシングルを切った若松が、逆にテイクダウンを奪うとヒザを顔面に入れる。腰を上げた若松は右腕を腕十字で伸ばされかけたが、ここは耐えてガードの中に収まる。ガードが空くと、左足を抜いた若松がハーフで殴りナカタニに潜らせない。
背中を預けて立ち上がったナカタニに対し、若松は打撃戦を選択。リードフックを当て、ヒザ蹴りにカウンターを合わせる。残り1分、腹へのヒザを効かせたナカタニのラッシュに若松が前蹴りも、組まれる。コーナーに押し込み、エルボーから間合いを取り直した若松、ナカタニも最後まで攻撃姿勢を持ち続け試合はタイムアップを迎えた。
激しい攻め合いのなかで、反撃を許しながらも優勢に試合を進めたのは間違いなく若松だ。結果、3-0で判定勝ちを手にした若松は「まずは戦ってくれたギルバート選手、この舞台を用意してくれたONEの皆さま、本当にありがとうございました。とても素晴らしい選手で、凄くタフで打撃も寝技も凄く強い選手でした。自分がメンタルだったり、得意でなかったところを鍛えてきたので、それがあって今日は勝てたと思います。本当にありがとうございました。ONEのチャンピオンを僕が取って、フライ級の世界一はONEだと知らしめたいので、来年是非タイトルマッチを日本でお願いしたい」と凛とした表情で話した。
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
Def.3-0
ハリル・アミール(トルコ)
サウスポーのアミールに対し、ガサノフがダブルレッグで飛び込んだ。バックに回ったガサノフがリフトアップからグラウンドに持ち込む。シングルバックから腕を首に回したガサノフが四の字フックへ。さらにRNCで絞め上げていく。腕のクラッチを解くアミール。四の字フックを切ったアミールは立ち上がるも、ガサノフがバックコントロールでキープする。
グラウンドに戻したガサノフがバックマウントを狙うと、アミールが前に振り落とす。しかしガサノフは再び両足を差し込んでバックマウントに。アミールがガサノフのRNCから脱しようとすると、ガサノフはアミールの左腕に対してチョイバー&キムラを狙う。凌いだアミールがトップを奪い、立ち上がってパウンドを浴びせるも、アミールがダブルレッグでグラウンドに引き戻して初回を終えた。
2R、アミールが左前蹴りを伸ばす。左右ミドルを見せるアミールに対し、ガサノフは前後のステップで対応する。ガサノフは右を打ち込みながらレベルチェンジして、ニータップで組みつきコーナーへドライブする。シングルレッグに切り替えるガサノフと、コーナー&ロープに体を預けて凌ぐアミール。ガサノフがアンクルピックですくい上げると、アミールがロープに右腕をかけてしまい、イエローカードを提示された。
ガサノフがダブルレッグに入った状態から試合は再開され、すぐにガサノフが背中を着かせる。アミールが下から仕掛けた瞬間に、ガサノフが一本足を越える。ハーフガードのアミールに向けて、パンチを上下に散らすガサノフ。右腕をアミールの腰の下に回してトップをキープするガサノフは、ボトムのままロープ際まで下がるアミールを削り続けた。
最終回、ガサノフがアミールの右スピニングバックフィストをかわしてニータップに入る。これは切られたが、アミールにロープを背負わせ、伸びて来た左前蹴りに合わせてニータップで組みつき、リフトアップからテイクダウンする。ガサノフがパスするとアミールはバックを見せる。すぐに左足を差し込んだガサノフに対し、アミールが腰を上げる。すると左腕への十字に切り替えるガサノフ。伸びかけた腕を抜き、立ち上がったアミールに対し、ノンストップのガサノフがダブルレッグで倒した。
バックマウントを狙い、逃げるアミールに対してバックコントロールを続けるガサノフ。しかしアミールはガサノフの足をすくってトップに回った。アミールがバックを狙うと、アミールが切り返してバックへ――ノンストップのレスリングの攻防から、スクランブルを制したのはガサノフか。と思われたところで、ガサノフのシングルレッグをギロチンで切り返すアミール。さらにダースチョークに切り替えたが、首を抜いたガサノフがバックを奪った。なんとさらにアミールが切り返そうとしたところで、試合終了のゴングが鳴った。
序盤はガサノフがノンストップ・レスリングを展開していたが、最終回はアミールも切り返し、さらに攻め続けた。サブミッションも狙い続けた両者の素晴らしい攻防は、ガサノフがユナニマス判定で制している
<サブミッショングラップリングライト級(※77.1キロ)/10分1R>
コール・アバテ(米国)
Def.2分25秒by ヒールフック
青木真也(日本)
立ちレスからコーナーにアバテを押し込みに行った青木。アバテは引き込んで、スイープを狙う。トップをキープした青木が、ロープにアバテを押し込む。アバテはハイガードへ。胸を張って、三角を許さない青木は、腰を切ったアバテに反応して足関節も落ち着いて対処する。ここで足関節から上を狙ったかと思われたアバテが、すぐに下になるや、このトップ狙いでスペースを潰しており、ヒザを深く入れて足を取っている。ここからアバテは腹ばいになりヒールフックへ。即座に青木はタップした。
「シンヤは凄く経験があって、戦う価値のある相手だった。タイトルを持っていなくても、柔術を代表してMMAを長年戦ってきた。チャレンジだったけど、僕も子供の頃からずっとやってきてここまでたどり着けたんだ。僕はこのゲームの生徒なんだ。いつも成長するために学習している。彼はそんな僕がずっと追い続けてきた人だ。特にサブミッションの部分でそうしてきた選手で。凄くシンヤのことを尊敬している。レッグロックで勝てたことは、本当に嬉しいよ」と話し、AOJのキッズプログラムからここに来たこと、その経験を次の世代に伝えたいと話したアバテに5万ドルのボーナスが贈られた。
【写真】ようやくクリスチャンのMMAが見られる。この間、立ち技やグラップリングの出場もなかったのがクリスチャンらしい(C)ONE
本日7日(土)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night26「Lee vs Rasulov」。同大会のメインでクリスチャン・リーが、ONE世界ライト級王座を賭けてアリベク・ラスロフ相と戦う。
Text by Manabu Takashima
2022年11月以来、2年1カ月振りのファイト。この間、妹ヴィクトリアを失くし、姉アンジェラは引退。そして弟エイドリアンがプロデビューを果たした。
17歳でプロデビュー以来、常にフィニッシュを目指すスタイルで、これまでに挙げた17勝のうちフィニッシュ勝利は実に16を数える。削り合いも、打ち合いでも冷静さを維持する若きベテランに、試合前の心境とこの2年間を尋ねた。
──2年1カ月振りにバトルフィールドに戻ってきたクリスチャンです。この2年色々なことがありました。そして、この場に戻ってきた。今の気持ちを聞かせてください。
「ファイトに戻ることに、とてもエキサイティングしているよ。この2年間、ハードトレーニングを欠かすことはなかった。そして、ずっと心待ちにしていた瞬間だから心に期するモノがある」
──トレーニングと練習は違うかと思いますが、試合勘などに不安はないですか。
「練習と試合は、それほど違うという感覚はない。オク・レユンと再戦する時も、彼の負傷が完治するのに11カ月も待つ必要があった。今回は2年間試合がなかったわけだけど、個人的には正しいタイミングで試合ができないなら、タイムオフがあるのは悪い事じゃないと思っている。
ただ、こんなに長く試合をしないでいようという気はなかった。今年の3月には戦いたいと思っていた。以来、ずっと試合の準備をしてきたんだ。今回の試合も、もともとはもっと早くに組まれることになっていたわけだし」
──ハイ。11月にアトランタで行われる予定だったのが、タイに開催場所が変わりました。ばかりかクリスチャンの試合は、今大会まで延期された。米国でのショーがなくなったことは、残念だったのではないですか。
「米国で戦いたかったね。でも、タイに場所が変わっても僕のやるべきことに大きな違いはない。だいたい開催地がアトランタからタイに変わったことに関して、僕は何もできないわけだし。そしてタイトル戦が11月から12月になったのも、色々な状況が積み重なっていてのこと。特にビザの取得に関しては、僕の力では何もできないしね。
とにかく新たに決まった日程に合わせて、練習をするだけだった。1カ月ズレたことで、その分だけ練習ができるという面もあるしね」
──この間、アンジェラは引退を選択しました。その決断に何か影響を受けることはなかったですか。
「それはなかったよ。僕のキャリアと姉の引退は関係ない。何より、もう戦いたいという気持ちがなくなったアンジェラが、自分の考えで引退を選んだことは良かったと思っている。もう戦いたくないのに、キャリアを続ける必要はないからね」
──では今回、挑戦を受けるアリベク・ラスロフの印象を教えてください。
「スタンドでラッシュを掛ける良いファイターだよ。どの局面でも戦えるけど、僕にとっては対戦相手の1人でしかない。しっかりと準備もしてきたし、彼より良い戦いができるはずだ」
──ラスロフとオク・レユンの試合は、ラスロフが従来持つフリースタイルレスリングのテイクダウンや蹴り技を使うことがなかったです。ボクシングよりも近い距離、いうとダーティーボクシングが非常に多い。タフですが、単調な試合でもありました。
「それはオク・レユンのスタイルも関係していたんじゃないかな。彼は前に前に、と出てくるボクシング・ファイターだから。加えてラスロフのテイクダウンを切ることができる。ラスロフもテイクダウンを狙っていたから、クリンチが多くなった。何より5Rを戦い抜いて、判定勝ちをしようという戦い方だった。試合で勝つことに徹し抜いた戦い。彼が勝つには、あの攻撃が一番効果的だったんだろう。そういう意味ではスマートな選択だよ。
ただし、僕はオク・レユンじゃない。だから、ラスロフはもっとフリースタイルレスリングの技を使ってくると思う。それが通じないと分かると、オク・レユン戦と同じ戦い方をしてくるだろう」
──対して、クリスチャンがあの戦い方をさせるようなことはあるのでしょうか。
「その点でいえば僕のレンジ・コントロールは彼より、ずっと優れている。それに手持ちの技の数が違うし、経験も違う。ラスロフはグッドファイターだけど、MMAとしては限定されたエリアで最大の力を発揮するタイプだ。トレーニングも、そのエリアのなかで強くなることに集中しているに違いない」
──だからこそクリスチャンの引き出しの多さが、試合を動かすのではないかと予測しています。
「そうだね。より素早く、仕掛けの多い試合をファンに見せたい。初回から動いて、フィニッシュを狙う。それもファンが望んでいる結末だし。少しでも早くテイクダウンを奪って、フィニッシュしようと思っている」
──クリスチャンは動きの多い、アクションの多い試合をエキサイトすることなく冷静に戦う印象があります。
「プロで戦い始めたのは17歳の時だよ。多くの試合をこなして、それだけ経験も積んできた。ファイト以外でも自分のマーシャルアーツジムも開いたし、子供も生まれた。全てのことが、僕を人として成長させてくれた。ファイターだけでなく、人として成熟できたと思っている」
──熱くなってしまうことはないですか。時には我を忘れて戦うようなこともあると思うのですが。
「ノー。我を忘れて、アグレッシブになり過ぎるのはレベルの低いファイター……アマチュアだ。落ち着いて戦えた方が、ずっと良いに決まっているからね」
──ではライト級とウェルター級の二冠。今回の防衛戦をクリアした先に、何を見ていますか。
「どちらもベルトも守り抜くこと。可能な限り、ね」
──クリスチャンの復活ともに、MMAライト級及びウェルター級が活性化することを期待しています。
「そうだね。もっとONEのMMAは、盛り上がって行くはずだ。弟のエイドリアンもデビューしたし、ファンも来年はもっと多くのMMAファイトを目にすることができるだろう。そう期待しているよ」
■ONE FN26 視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] アリベク・ラスロフ(トルコ)
<キック・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス(タイ)
ナビル・アナン(アルジェリア)
<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者] マイッサ・バストス(ブラジル)
[挑戦者]ダニエル・ケリー(米国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ジャレッド・ブルックス(米国)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ギルバート・ナカタニ(米国)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ナックロック・フェアテックス(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガフロフ(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)
<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
コール・アバテ(米国)
<キック・ストロー級/3分3R>
ジョン・ディベラ(カナダ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)
<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
ダンテ・リオン(カナダ)
ブルーノ・プッチ(ブラジル)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)
【写真】決戦前夜、今もまだ研ぎ澄ませ続けているのだろうか(C)ONE
7日(土)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night26「Lee vs Rasulov」でギルバート・ナカタニと対戦する若松佑弥インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima
強くなるために、家族と離れて練習の日々を送る若松。煩悩を捨て去り、さながら修行僧のような精神状態で自らを見つめる。ストイックな日々を経て目指すのは、これまで以上の自分になることだ。
<若松佑弥インタビューPart.01はコチラから>
──LFAで勝っている人間と若松選手との対戦。UFCへの登竜門で2勝0敗の選手との試合は、北米基準のMMAとのスケールになるという意味でも非常に楽しみです。
「正直、強さなんて誰がどこで戦って、勝つか負けるかの世界なんで。相手が誰だろうが、自分自身をさらに越えられるかという戦いで。どうでも良いというわけじゃないですけど、タイトルマッチでなくても相手がDJだと思って自分は創っているので。LFAとかUFCとか、自分は何とも思っていない。自分を越えられるのかだけに集中しています」
──その姿勢を持ち続ける選手はなかなかいないと思いますが、本当にそういう人格形成が成されてきた。言葉が内面と結びついているように感じます。普段から、本当に修行僧のような人間性になっているのですか。
「それは試合前の8週間だからこそ、研ぎ澄ますことができるわけで。そうでないと、メチャクチャ煩悩が出てきます(笑)。それぐらい弱いですし、人間、人って弱いと思うのでどれだけ自分と見つめ合い、律し、鼓舞できるのか。本当に自分との戦いで……。
キンガド戦もそうなのですが、相手なんかいない。自分がどう向き合えているのか。そこが果し合いの最後の粘りに通じている。情報社会でムカつくこともいっぱいあるけど、そこも関係ない。今が大事、今を生きていけていると思います」
──LFAもUFCも関係ないというなかで、ギルバート・ナカタニのことはどのような印象を持っていますか。
「本当に気が強い選手ですね。タフで、オールラウンダー。なんでもできてキックボクシング、あとレスリングですね。スタミナはないけど、それでも前に出てくる素晴らしい選手です」
──そういう相手に自己証明となる戦いとはどういうモノになりますか。
「めちゃくちゃ色々なパターンがあるなかで、魂と魂がぶつかり合う戦い。そのなかでテクニックが混ざっている。いつでもフィニッシュできるし、一瞬の隙があれば殺すことができる。そいう殺気で削る。それでも相手も頑張って来ると思うので、それを上回るモノを……これまで磨いてきた技術が生きてくる戦いにしたいです」
──では5万ドルのボーナスも、煩悩だから必要ないですか(笑)。
「それは獲りに行きます(笑)。盛り上げるために1秒でも早く倒そうと思っているので。キンガド戦もそのつもりでも、倒せなかっただけで。試合はどうなるか分からないけど、色々なイメージはできています。KOで勝つにしても、判定で勝つにしても。でもボーナスは欲しいですね。そこは天運に任せます(笑)」
──天運ですか……。
「上杉謙信の言葉で、バガボンドにも出てくるのですが『生きようとして上がれば必ず敗北。死ぬと思っていけば勝利がほほ笑む(「死なむと戦へば生き、生きむと戦へば必ず死するものなり」)』みたいな。試合の当日までやることをやって、あとはどうなって良いと思って上がりたい。ギリギリまで研ぎ澄ませていこうと思います」
──そんななか後藤丈治選手から若松選手が「鼻毛を抜かない」という話が聞かれました。
「アハハハハ。もう髪とかヒゲとかもボサボサで、別に合コンとかもいかないし、意味がないことって思ったんですけど……。やっぱりメディアとか出るので、そこはちゃんとしないといけないと。でも、どうでも良いというか……チーム・ラカイのヤツらも鼻毛がメッチャ出ているんで(笑)。逆にそれすらも恰好良いと思われる漢になりたくて、ちょっとやってみたのですが断念しました(笑)」
──アハハハハハ。石井逸人選手は「刺しに来た蚊を逃がしてやるほど殺生を好まない。でも、自分たちのことはボコボコにする」と。
「いやぁ(笑)。悪気はなくて、やってやろうと気はない。でも、そこで僕が気を遣ってしまって甘くなると……。TRIBE TOKYOっていうのは長南さんを見ても分かるように、殺気がヤバいジムです。それもない、ただ遊んでいるようなジムには絶対にしたくないので。笑顔なんて見せてんじゃないよっていうジムにしていきたいです」
──蚊も逃がしてやるというのは?
「それは僕らの命なんて、そこら辺で死んでいる蟻と変わらないもんだし。血を吸われたぐらいで、蚊を殺すことはない。それは本当に皆が、殺せっていうけど……。まぁ可哀そうだなって。ただ、それだけなんです(苦笑)」
■ONE FN26 視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
■ONE FN26 対戦カード
<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] アリベク・ラスロフ(トルコ)
<キック・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス(タイ)
ナビル・アナン(アルジェリア)
<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者] マイッサ・バストス(ブラジル)
[挑戦者]ダニエル・ケリー(米国)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ジャレッド・ブルックス(米国)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ギルバート・ナカタニ(米国)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ナックロック・フェアテックス(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガフロフ(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)
<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
コール・アバテ(米国)
<キック・ストロー級/3分3R>
ジョン・ディベラ(カナダ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)
<サブミッショングラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
ダンテ・リオン(カナダ)
ブルーノ・プッチ(ブラジル)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)