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45 ONE ONE FN25 Report ブログ ボカン・マスンヤネ マンスール・マラチェフ

【ONE FN25】マラチェフが動くマスンヤネのボディを狙い、3RにTDに成功。ランカー対決を判定で制す

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
マンスール・マラチェフ(ロシア)
Def.3-0
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)

サウスポーに構えるマスンヤネ。マラチェフはスピニングバックキックを顔とボディに蹴り分け、スピニングバックフィストも放つ。マスンヤネはスイッチと前後のステップを繰り返し、テイクダウンを見せつつ、左ストレートを放つ。マラチェフは上体を低くして右フックのカウンター狙いつつ、距離が詰まるとマスンヤネが首相撲からヒザ蹴り。

マラチェフのテイクダウンを切ると、左腕を差してマラチェフをロープに押し込む。マラチェフは手首を持って、マスンヤネに腕をクラッチさせない。マスンヤネは首相撲からヒザ蹴りを突き上げ、距離が離れると小刻みなステップから左ストレートを当てる。

さらに組みの攻防になるとマスンヤネはマラチェフの脇をくぐってバックにつくが、マラチェフも両足をフックさせずに前に落とすようにして立ち上がる。試合がスタンドに戻ると、マスンヤネが左ストレートとヒジで前進。マラチェフも右を返し、マスンヤネに組まれると、今度はマラチェフがマスンヤネにバックを狙う。マスンヤネが正対してラウンド終了となった。

2R、マラチェフはジャブと右ミドル、左でマスンヤネの首を掴んで右アッパー、右ストレートを当てる。マスンヤネは右フックから飛び込んで左の前蹴り。そのままパンチで出ていく。マラチェフも左フックを合わせつつ右の三日月蹴り、右フックを当てる。

マスンヤネはテンポを落とさず前に出るが、マラチェフは右の前蹴りをボディに突き刺し、左ボディにもつなげる。ここでマスンヤネはマラチェフをコーナーに押し込むが、マラチェフは離れる。スタンドではマラチェフがジャブと左フック、組みつくマスンヤネをコーナーに押し込む。

ここでマスンヤネも態勢を入れ替え、左腕を差してコーナーに押し込み、右手でパンチを入れる。ここからマスンヤネはマラチェフの右足にシングルレッグに入りつつ、テイクダウンを狙うがマラチェフは倒れない。距離が離れるとマラチェフはスピニングバックキック。マスンヤネが右から前に出る。マラチェフはワンツー、右カーフ。マスンヤネが右から左フックにつなげる。

3R、マスンヤネはサウスポーに構えてインロー。そのまま距離を詰めて組み付き、左腕を差してコーナーに押し込む。マスンヤネは右手でパンチを入れつつヒザ蹴りを入れる。離れたマラチェフはジャブと右の前蹴り、スピニングバックフィストを見せる。

マスンヤネは歩くような左フックを当て、首相撲になるとヒザ蹴りを入れて、マラチェフのテイクダウンを切ってがぶる。ここはマラチェフが体を起こすが、そのままマスンヤネが左腕を差してコーナーに押し込む。マスンヤネは細かくパンチを入れて、離れ際に左ハイキックを蹴る。

試合がスタンドに戻るとマラチェフのスピニングバックフィストを見せ、パンチで前に出てテイクダウンを奪う。マラチェフがハーフガードでトップキープし、マスンヤネは背中を見せて立ち上がる。そこからスクランブルの攻防になり、マスンヤネが上のポジションを取ろうとしたところで試合終了となった。ステップと手数の多さ、テイクダウンを仕掛け続けたマスンヤネ。それをディフェンスして蹴りを効かせたマラチェフ。判定はマラチェフに軍配が上がった。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN25 キック ダニエル・ウィリアムス バンマードォーチー

【ONE FN25】ウィリアムスがスイッチを駆使して蹴りを当て続け、バンマードォーチーに判定勝利

【写真】ムエタイとMMAの二刀流=ウィリアムスがMMAで強さを見せた(C)ONE

<136.25ポンド契約/5分3R>
ダニエル・ウィリアムス(豪州)
Def.3-0
バンマードォーチー(中国)

共にサウスポーに構える両者。ウィリアムスが左ローを蹴っていく。バンマードォーチーはスピニングバックキックを返す。ウィリアムスがジャブをボディに振ると、バンマードォーチーは左ストレートを狙う。ウィリアムスはサウスポーを続け、左の蹴りとテイクダウンのフェイントを見せる。バンマードォーチーはパンチのプレッシャーをかけ、ウィリアムスがローを蹴るとパンチで前進。左ストレートから右フックとパンチをまとめる。

ウィリアムスもバンマードォーチーの蹴りに右ストレートを合わせ、バンマードォーチーが尻餅をつくがすぐに立ち上がる。すぐにバンマードォーチーは左で前に出て、ウィリアムスの左に合わせて組みつく。ここはウィリアムスもコーナーに体を預けてテイクダウンを許さない。

お互いにストレートを打ち合い、ウィリアムスはオーソドックスに構えて右ストレートを顔とボディに打ち分け、バンマードォーチーはそこに右フックを返す。終了間際、ウィリアムスが右ボディストレート、続く右ストレートでバンマードォーチーの腰が落ちる。すぐに立ち上がったバンマードォーチーは左ストレートから組み付いた。

2R、互いにローを蹴り合う。ウィリアムスが右ストレートを打つと、バンマードォーチーはサイドキックを見せて組み付こうとする。ウィリアムスが右ミドルを蹴って前進。バンマードォーチーのテイクダウンを切ると、バンマードォーチーは自らグラウンドに寝て引き込もうとするが、ウィリアムスは付き合わない。

ウィリアムスは右ミドルと右ストレート、バンマードォーチーも右フックと左ミドルを返すが動きが鈍い。ウィリアムスはサウスポーに構え、バンマードォーチーが左ストレートを打つと、ウィリアムスはそれを外して左ストレートから右フック、オーソドックスに戻して右ストレート、さらに右ミドルまでつなげる。

バンマードォーチーもローをすくってテイクダウンするが、ウィリアムスは背中を見せて立ち上がって正対する。距離を取るとローを蹴って前に出るウィリアムス。バンマードォーチーが右ストレートを狙い、テイクダウンしたところでラウンド終了となった。

3R、じりじりと前に出るウィリアムス。サウスポーにスイッチして左ローを蹴り、オーソドックスに戻してプレッシャーをかける。バンマードォーチーも左ミドルとインロー、右のサイドキック、そこから左ストレートにつなげる。ウィリアムスは右ミドルと右インロー、バンマードォーチーも左ミドルを蹴る。

距離が詰まるとウィリアムスが右ボディから左フック、バンマードォーチーは左ローをキャッチして左ストレートを伸ばす。ミドルの蹴り合いから、バンマードォーチーは右ミドルをキャッチしてテイクダウンを狙う。ウィリアムスも背中を見せつつ、完全に寝かされずにスタンドをキープする。続くシングルレッグを切ると、ウィリアムスは一気に打撃で前に出る。

バンマードォーチーもウィリアムスの右アッパーに合わせて組み付くが、ウィリアムスはそれをディフェンスしながらパンチを落とす。再びテイクダウンを仕掛けるバンマードォーチーだったが、ウィリアムスは倒れない。最後はウィリアムスががぶってヒザ蹴りを入れたところで試合終了となった。ウィリアムスがスイッチを駆使して蹴りを当て、バンマードォーチーに判定勝利した。


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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN25 YouTube アレクシ・ニコラ イー・チャア キック サンザール・ザキロフ ジヒン・ラズワン ジョン・リネケル スムダーチー ダニエル・ウィリアムス ツオロンチャアシー バンマードォーチー ボカン・マスンヤネ ボクシング マンスール・マラチェフ ライカ ルンピニー レギン・アーセル ヴァウテル・ゴンサウベス 三浦彩佳 箕輪ひろば

【ONE FN25】ハイドレーションをパスするために、体重超過のバンマードォーチーが話していたこと

【写真】その端麗な容姿を褒められると、照れたようにお礼の言葉を発する。実はシャイかもしれないバンマードォーチーだった(C)ONE

5 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night25。三浦彩佳の対戦相手のジヒン・ラズワンがハイドレーションがパスできず試合が中止になり、ムエタイでも同様に1試合がキャンセルに。他にもハイドレーションをパスすると体重がリミットまで落ちない選手が2名出るなど、ONE計量=ハイドレーションの効果が薄まる中で、その数値で是非を決めるシステムにほころびが感じられつつある。
Text by Manabu Takashima

そのハイドレーションをパスするために、体重オーバーとなった1人がダニエル・ウィリアムスと対戦するバンマードォーチーだ。中国のイケメンファイターは、実に15カ月振りの実戦となる。驚いたことにロングレイオフには、映画出演が関係しているというバンマードォーチーに話を訊いた。


――バンマー、今週末にダニエル・ウィリアムスと対戦します(※取材は2日に行われた)。ところで去年の7月にヴァウテル・ゴンサウベスに勝利して以来、15カ月振りの試合となります。これだけの間、試合をしなかったのは何か理由があったのでしょうか。

「ONEからは一度オファーがあったけど、体重が落とせないから断ったんだ。今年に入ってからは、しっかりと練習はしたけど……ちょっとしたことがって試合からは遠ざかってしまっていた」

──ちょっとしたの詳細を尋ねることは控えますが、体重が落ちないから試合を断ったというのはショートノーティスでのオファーだったのですか。

「そうだね、カタール大会の3週間前だった。ちょうど映画の撮影が終わったばかりで、あの期間で体重の調整は難しかった」

──映画に出ていたのですか!!

「そうなんだ、中国で最初のボクシング世界王者になった人物を題材とした映画に出演していたんだよ」

──バンマーはどのような役を演じていたのでしょうか。

「主役だよ(笑)」

──えぇ、バリバリのムービースターではないですか。

「そうかもしれないね(笑)。他にも映画出演はしているし、TVにも出ている。でも、僕の目標はチャンピオンベルトを巻くことで銀幕のスターになることではない。MMAで成功したいんだ。

なぜ僕が映画に出たり、TV番組に出演できてより大きな額の報酬を手にできるのか。それは僕がMMAファイターだからだよ。監督やプロデューサーがMMAの試合を通じて僕のことを知ったのだから。MMAファイターだから、この機会を手にすることが可能になった。8歳からやってきたMMAこそが僕の人生。漢として、MMAやマーシャルアーツでキャリアアップすることを諦めたくないんだ。

それに映画界やTV業界で活動したことで、僕は人として成熟できた。ムービーワールドとMMAワールドは関わっている人間が違う。本当に違うんだ。彼らと会話したり、現場の様子をこの目で見て違う世界を知ることができた。僕の試合を通してMMAを知った人もいる。責任感が増したよ」

──なるほどです。この間、バンマーが所属するエンポ―・ファイトクラブ所属のスムダーチー、イー・チャアやロンチュウというファイター達は上海や米国で練習するようになっていますが。バンマーは、ずっとエンポー・ファイトクラブでトレーニングを続けてきたのでしょうか。

「そうだね。エンポー・ファイトクラブでの練習は、良い指導者に恵まれているし満足している。ただ、この試合後は、僕も新しい技術を身に着けるために米国で練習しようかとも考えているよ」

──では、ダニエル・ウィリアムスの印象を教えてください。

「素晴らしいストライカーだ。これまでもストライカーを相手に、良い試合をしてきた。それに僕の友人のツオロンチャアシーに勝っている。同時に僕も打撃には自信を持っている。この試合は互角の展開になるだろう。技術的にも、互角だと思う。ただ、この試合はMMAだからね。打撃だけでなく、グラップリングでも華麗な動きを披露したい。MMAの神髄とは何かが分かる。そんな試合になるだろう」

──ところでDJが引退をしました。フライ級王座を巡っての戦いは激化するかと思います。

「DJはいつだって僕のアイドルだった。大好きで、本当に尊敬していたんだ。DJの試合から学ぶことは本当に多かった。なぜ引退するのか驚いたよ。今も完璧なアスリートなのに……。ただ僕に関しては、この試合が終わるとストロー級に戻そうと思う。今年になるのか、来年になるのか分からないけど次の試合はストロー級で戦うつもりなんだ。ストロー級の黄金のベルトが僕のゴールだ」

■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後8時45分~U-NEXT

■放送予定
10月5日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■対戦カード

<ONEキックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]アレクシ・ニコラ(フランス)
[挑戦者]レギン・アーセル(スリナム)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ユセフ・アスイック(デンマーク)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
アレクセイ・バリカ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
マンスール・マラチェフ(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョハン・エストゥピニャン(コロンビア)
ザカリア・ジャマリ(モロッコ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
サンザール・ザキロフ(ウズベキスタン)

<ムエタイ119.25ポンド契約/3分3R>
エイミー・ピルニー(英国)
シール・コーエン(イスラエル)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PKセンチャイ(タイ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<136.25ポンド契約/5分3R>
バンマードォーチー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN25 サンザール・ザキロフ ブログ 箕輪ひろば

【ONE FN25】箕輪ひろば戦へ、怖いモノ無しの20歳ザキロフ「彼は僕とファンが喜ぶような試合はできない」

【写真】 溢れる自信というか、自信しかなかったザキロフ(C)ONE

5日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night25で、箕輪ひろばと対戦するサンザール・ザキロフを初インタビュー。
Text by Manabu Takashima

キャリア10戦10勝、フィニッシュ率90パーセントの脅威の20歳は3月に対戦した本田良介、今回戦う箕輪ひろば、そしてONE世界ストロー級王者ジョシュ・パシオを弱いと一刀両断した。


――サンザール、ONE FFでの試合を見ても輝かしい将来が待ち受けているであろう20歳のファイターが、初めてONE本戦といえるFight Nightショーで戦います。今の気持ちを教えてください。

「これまでの試合を振り返って、どうこういうつもりはない。まだ序の口だよ。全てはここから始まると思っている。今週末のビッグショーが、待ちきれないよ」

――過去の試合を振り返って何かいうつもりはないということですが、申し訳ないです。3月の本田良介選手との試合を振り返っていただけないでしょうか、あの試合は日本のファンに大きな衝撃を与えました。

「まぁ、ぶっちゃけていうと3月の試合は本当にイージーだったよ。そして、今週末の試合も同じだ。イージーファイトになる。それは言っておくよ」

――何と!! 自信満々のサンザールですが、いつ頃から格闘技を始めたのでしょうか。

「両親が5歳の時に僕をテコンドーのクラスに連れて行った。それからハマって、僕が成長するのと時を合わせてウズベキスタンでファイト・ビジネスが成長をしたことは、とても幸運だったと思う」

――テコンドーがベースなのですね。大会での優勝経験などもありますか。

「ここまでに獲得したタイトルは多すぎて、全てを話すにはインタビュー時間が足らないよ。そのなかで、伝えるべきなのはウズベキスタンにあるユニバーサル・ファイティングのナショナル選手権で5度優勝していることかな」

――ユニバーサル・ファイティング? 大会名なのですか。

「ノー。そういうルールの戦いだよ。ハンド・トゥ・ハンドコンバットでコンバットサンボに似ているけど、道着は上下とも長袖で……半パンではない。ただ本当にコンバットサンボに似ている」

――それはプロMMAファイターになるために、ユニバーサル・ファイティングを戦っていたということですか。

「ウズベキスタンでMMAが公に開催されるようになったのは、2020年なんだ。それまでMMAの練習をしていても、戦えるのはハンド・トゥ・ハンドのユニバーサル・ファイティングだけだった。だから僕はロシアに移り、MMAの練習をして試合にも出ていた時期がある。

そしてウズベキスタンでMMAが認められるようになり、母国に戻ってキャリアを積むようになったんだよ」

――なるほど、20歳のサンザールにはそのような格闘技歴があったのですね。つまりMMAは10戦でもハンド・トゥ・ハンド・コンバットの経験は豊富だったと。ところで今もウズベキスタンで練習を続けているのですが。

「ウズベキスタンとダゲスタンを行き来している。試合前になるとダゲスタンで練習をすることが多いかな」

――サンザールは打撃とテイクダウンにタイムラグがなく、一つの動きになっていることがとても印象に残っています。特にミドルから着地した直後にダブルレッグに入ったのは驚きでした。

「それが可能になったのはテコンドー時代から、柔道、グラップリング、サンボ、ハンド・トゥ・ハントと自分を律してコンバットスポーツに向き合ってきたからだろうね。それらの技術をスピードに乗ったまま合体させることができる。

そういう風に印象に残る動きをするのも、僕の仕事だ。と同時に対戦相手次第だよ。どういう動きができるのかも。直近の3試合で、まともに僕と打撃の攻防ができた相手は1人だけだった。他の2人は1発か2発しか、僕を殴ることができなかった。つまり、対戦相手が強くないと自分の攻撃を仕掛けることが可能になる。でも、ファンが驚くような動きをこれから見てもらえるようになるに違いないよ」

――では今週末の試合ですが、相手は日本の箕輪ひろば選手です。イージーファイトになるという言葉が既に聞かれていますが……。

「僕らは同じレベルにはない。現実的に彼は僕と互角の攻防を繰り広げ、ファンが喜ぶような試合はできない。すぐにフィニッシュして、5万ドルのボーナスを手にする。作戦的にはプレッシャーを掛けて、そこからより戦略的な動きを見せつつ、最後はボコボコにしてフィニッシュだよ」

――この試合はタイトルショットに近づくためには欠かせないトップ5入りが掛かった試合といえます。

「う~ん、現ストロー級王者のジョシュア・パシオと僕を比べることはできない。アイツは弱すぎる。ジャレッド・ブルックスは対戦相手として考えても、楽しみな相手だ。ブルックスこそトップで、僕が戦いたいと思うファイターだ。彼との試合はタフで、それだけリスクの高い戦いになるだろうね」

――サンザールはウズベキスタンでも特別な存在だと、ホッとします。逆にウズベキスタン人選手は皆がサンザールのようにポテンシャルが高いのであればゾッとします。

「ウズベキスタンには本当に多くのグッドファイターがいる。ただ、僕はウズベキスタンで最強の1人だと思う。皆が僕のレベルに至ってはいない」

――それは良かったです(苦笑)。では最後に改めて土曜日の試合に向けて、意気込みをお願いします。

「打撃を見せたい。ボーナスを取る可能性が高くなるからね。作戦に則して戦いつつ、ファンが喜ぶ華麗にファイトを見せたい」

■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後8時45分~U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN25 ONE168 ROAD FC YouTube サンザール・ザキロフ ジェレミー・ミアド チャンネル ライカ ルンピニー 修斗 山上幹臣 箕輪ひろば

【ONE FN25】12勝0敗の新鋭ザキロフと対戦、箕輪ひろば「相手の強いところから逃げない」

【写真】箕輪のMMA観が、どんどん明確になってきた (C)SHOJIRO KAMEIKE

5日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night25で、箕輪ひろばがサンザール・ザキロフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

7月にジェレミー・ミアドを下して3年振りの勝利を得た箕輪。次は早くも9月のONE168米国デンバー大会でザキロフとの試合が決まれていたものの、この時はザキロフのビザ取得問題で試合が延期となっている。改めてタイでザキロフと相対することになった箕輪がチームメイト山上幹臣の勝利と、自身も連敗脱出で見えてきたものを語った。


――ミアド戦の勝利で連敗を3で止めました。大きな勝ち星だったかと思います。

「そうですね。勝つことが3年振りでしたし。それと『俺、昔は頭良く戦っていなかったな』ということを思い出したことも大きかったです」

――「頭良く戦っていなかった」とは?

「ONEに来てアディワン、シウバと戦って、2試合とも上手く作戦がハマッたんですよ。真っ向勝負したわけではなく、アディワンの嫌な距離をつくって、アディワンが入ってきたところに合わせてテイクダウンを奪う。そこから箕輪ひろばのフィールドで戦う。シウバ戦も相手に寝技をさせるけど、一本を取らせないところで殴り続ける。スクランブルし続ける。その作戦が上手くハマって。だから上手く作戦を立てて、それを実行に移せれば勝てるというふうに思い込んでいました

だけど修斗で戦っていた時は作戦云々じゃなくて、キツイところに突っ込んで行って勝つという試合だったんですよね。それが修斗の勝ち方だと思うんですよ。シンドイ試合をして勝つ。僕たちはそういう試合を視て育ってきましたから」

――かつての北沢タウンホール大会は、そういった試合で溢れていました。

「もっと掘り下げると、アマチュア修斗があるじゃないですか。1日で6試合から8試合ぐらい戦って、その中で勝ったヤツだけがプロに行ける。そういった試合を経て、自分もシンドイところに突っ込んでいけるところが強みでした。でもONEに来て最初の2試合で、頭良くスカして勝つような戦い方を覚えてしまって。

それはそれで良いんですよ。しっかりと作戦を立てて実行することを捨てたわけじゃないです。でも僕の場合は前提として『シンドイところで勝負できないと勝利に繋がらない』と改めて思いました」

――3連敗中は、シンドイところで勝負できていなかったのですね。

「圧倒的なレスラーと、バックボーンのない僕が戦う場合は、ずっと『レスリングじゃない部分で戦う』と言ってきました。でも、そうじゃない。MMAという競技で戦う以上、レスラーだろうがストライカーだろうが、各々のフィールドで戦って勝負できないと『総合』にならないと思い始めたんです」

――レスラーがストライカーを相手に打撃で上回らないと組むことができない。それが現在のMMAだと思います。

「そう考えると、さらにMMAと競技が確立してきていますよね」

――ミアド戦では思い出した部分だけでなく、自分自身の進化を出すことはできましたか。

「ミアドって見たとおりのストライカーじゃないですか。そこに対して『もらいたくないから打撃の攻防をしない』『パンチを当てに行かないで寝技に行く』という展開ではなく、しっかりミアドと打撃の展開をしたことですね。

キチッと打ち合ったなかでテイクダウンする。本当は一本取りたかったけど、そこで取れなかったのは反省点です。でもスクランブルでキチッと対処できたことで、『これがMMAだよな』って改めて思いました」

――1Rにダウンを喫したこともあり、「なぜミアドを相手にここまで打ち合うのだろう?」とヒヤヒヤした気持ちもありました。箕輪選手にとっては、その打撃の攻防が自分にとってやるべきことだったのですね。

「自分の課題としていたのは、相手の強いところから逃げないことでした。もちろんダウンさせられたのは良くないです。でもあのダウンがあっても尚、僕がストライキングで押すことができました。自分からパンチを当て、プレッシャーをかけてから寝技に持って行くことができた。打撃を嫌がっている状態では、絶対にあの展開にならない。だから結果オーライかな、と考えています」

――あの試合展開でスプリットになるのは怖くないですか。

「その怖さはあります(苦笑)。3人のジャッジのうち1人は1Rのダウンのみでミアドが勝ちだと判断した――ダメージに判定を持っていかれすぎだろとは思いますよ」

――現在のMMAはダメージ重視というか、コントロールよりも手数のほうが重視される傾向にあります。その判定基準について考えたり、対策を施すことはありますか。

「ジャッジメイクについてですよね。もちろん考えます。自分はフィニッシュを狙ってはいるけど、スパッとしたKOもできないし、ルオトロ兄弟みたいな一本も取れない。誰が見ても『ルオトロが勝っているよね』と思われるような寝技の展開もできない。そんななかで、最近は圧倒的に箕輪が勝っているという展開がないと、判定に影響しない。難しいですね。

今、僕の中ではテイクダウンして、スクランブルを起こさないほうが良いのかなとも思っています。スクランブルって先にアクションを起こしているほうが取っていると考えていたけど、おそらく『どっちつかず』の状態なんですよ。どんなに良いスクランブルの展開をつくっていても、最後に下になっていたらジャッジメイクで弱いですし。そのあたりは頭の中に入れていますね」

――ONE参戦以降、勝っている試合は全てスプリットの判定勝ちです。毎試合、判定がどうなるのだろうとヒヤヒヤしませんか。

「僕の中では3-0なんですよ。3-0で圧倒的に勝っている試合をして、それでギリギリ、スプリットなんですよね。だから『ギリギリどちらが勝ったのかな?』みたいな試合はやめようと思います」

――なるほど。そのミアド戦から当初は2カ月の試合間隔で、9月にザキロフと対戦する予定でした。今回は試合オファーが早かったのですね。

「実はミアド戦でタイに行った時、もう次の試合の話はありました」

――それはONEから評価されているということでしょうか。

「いや、相手を上げたいマッチメイクだと思いますよ。マネージメントサイドとマッチメイカーがしていた話なので、僕は全て直接知っているわけではないけど……。本当ならミアドに勝ったあとは、もっとランキングが上の選手と試合したかったです。でも米国大会に出たかったので、短い間隔でもザキロフとの試合を受けました。

ザキロフが強い相手だということは分かっています。ノーランカーだけどFFで3連勝していて、リスキーな相手ですよ。だけど自分も米国大会で試合がしたくて、もしミアド戦で怪我をしていても僕は米国大会に出ていたと思います」

――しかし相手のビザ問題で試合は中止に……。

「アッタマに来ましたね。しかも試合の2週間前、渡航する3日前で。いつもは5日前に現地入りするんですけど、開催地は標高が高い場所だから早く行って体を慣らしておこうと思って。それが――米国で着るために、10万円以上するスーツを買った直後ですよ」

――というと?

「クレジットカードを切った直後に連絡が来たんです。マジかよって(苦笑)。米国大会に出たいからザキロフ戦のオファーを、しかも2カ月の試合間隔でも受けたわけで。それをスライドされたら――ちなみに、そのスーツ購入の模様はYouTubeチャンネルで公開する予定なので、ぜひ視てください。試合延期の連絡が来るところも入っていますから(笑)」

――アハハハ、それはぜひ拝見します。ただ、9月の試合に向けて仕上げていたわけなので試合が1カ月後にスライドされるのは何か影響はありませんでしたか。

「メンタル面で『ふざけんな、マジかよ』という気持ちはありましたけど、山上さんの試合もあったりして。体重も1カ月前には創っていましたから、そこからカツカツで減量する必要もなく。特に今思ってみれば影響はなかったと思います。ただただ頭に来たという」

――今、名前が出た山上選手ですが、9月22日に修斗で約11年振りの勝ち星を得ました。

「いやぁ……、……、……嬉しかったです。僕は3連敗したあと、ミアド戦が3年振りの勝利だったじゃないですか。山上さんは10年かけて3連敗から脱出して。僕、山上さんが2014年の最後に出たROAD FCも現地へ一緒に行っているんですよ。それで今年のグラジの復帰戦もセコンドに入っていて……今までセコンドとして勝つ姿を見たことがなかったんです。

観客として会場に行っている時は勝っていて、僕がセコンドとして入るようになってからはずっと負けていました。試合前はセコンドも含めて皆で「ヨッシャ、行くぞ!」と気合を入れて、試合が終わると2人でバスの中で何も言わない時間が続くんです。前回も大阪で負けて、2人で何も言わないままタクシーで帰っていて。……本当に今回、勝てて良かったです。とにかく、それに尽きます」

――本来の試合スケジュールでいえば、箕輪選手がザキロフと試合をしたあとに、山上選手が修斗で試合をするはずでした。運命のいたずらか、山上選手が先に勝利することで、箕輪選手も勇気をもらったのではないですか。

「それは間違いないです。そもそも今年1月、山上さんが復帰することが決まっていたなかで、自分が負けて『バトンを渡せなかったなぁ……』と思っていたら、山上さんが大阪で負けました。あの時はもう最悪の気分で――だけど7月に僕が勝つことができて、次も僕の試合があったじゃないですか。もう一度自分が勝ってエンジンをかけたいと思っていたら試合がなくなって。山上さんが一緒にヘコんでくれましたよ。『なんで米国大会じゃねぇんだよ』って(笑)。僕は『もう自分の試合に集中してください』と伝えました。

今回の試合、ハンパないプレッシャーを感じていたと思うんですよ。相手は若くて勢いがあるベテラン喰いの選手で、何よりも失うものがない。たぶん山上さんにしてみれば、あと2年したら戦いたくない相手じゃないですか。それだけまた成長しているはずで。あの年齢の頃の僕たちも、そんな感じだったんですよ。ガンガン大物を喰っていって。それが分かっているから、一番怖い相手でした」

――グラジでの復帰戦も同じ状態でした。

「技術面や体力面は問題なかったと思います。でも感覚的な部分で、1Rにあの展開で仕留めきれない。生物としての勝負勘は戻ってなかったです。それこそ10年前は道場でも『ブッ殺してやる』って感じで練習していて。たとえ試合前でもぶっ壊されるほうが悪いと思っていましたから。

でも10年経って練習体制も変わり、相手のことを労りながら『なるべく長く怪我もストレスもなく続けていきましょう』と練習できる環境が整ってきたんですよ。そんななかでの復帰戦だったから、最初から『感覚的なものは戻らないまま試合するしかないんだろうな』とは思っていました」

――……。

「でも、それって試合をしながら感覚を戻していくしかないんですよ。だから復帰戦で負けて、もう一度取り戻しながら勝つことができて良かったです。近年の風潮って、何でもスタイリッシュでコンパクトに――という感じじゃないですか。何でも便利になって、いらないものはそぎ落とす。もちろん、それだけ便利になって助けられている面もありますよ。でも僕は昔の殺伐した雰囲気も好きで。そのピリピリしていた道場に憧れて入ったところもありますからね。僕は便利ではないハーレーも、昔から変わらない革ジャンも好きなんです。

何でもかんでも最先端にすれば良いってものじゃないから。MMAも同じで、何でもスタイリッシュでそぎ落とせば良いわけじゃない。無駄なこともやってきたからスタイリッシュになってきている面もある。そこのバランスが一番大事なんだろうと思います」

――一見そぎ落としているようで、実際は端折っているも増えました。それは何が無駄で、何が無駄ではないのかを認識できるような経験を積んでいないと、区別がつかないのも当然のことです。結果、効率化の名のもとに端折るしかなくなっている。

「やっぱり何事も経験だと思うんですよ。自分の場合は、これまで人生で3連敗を経験したことがなかったので、逆に20代のうちに3連敗していて良かったと今は思っています。今が26歳で、これから3連敗したあとに戻してタイトルマッチ――となったら、そのタイトルマッチで終わっちゃいますからね」

――今回のザキロフもプロデビュー以来12連勝中で、若く勢いがあって失うものはないであろう一番怖い相手です。

「おいしくない相手ですよ。若くて、強くて、地位だけない(苦笑)。ただ、噛み合う気はしています。お互い、やっていることはMMAじゃないですか。お互い何か一つだけ要素が飛び抜けているタイプではなくて。

テイクダウンの入り方もレスラーっぽくなく、ちゃんとMMAとしての入り方をしてくる。巧いファイターですね。今回の結果がどうあれ、この先もマークしておかなくてはいけない選手だと思いますよ」

――そのザキロフを相手に、どのような試合を見せたいですか。

「相手が打撃と寝技、どっちで来るかヤマをはらない、というのがポイントかもしれないです。たぶん出たとこ勝負になるんですよ。僕の試合映像はたくさんあるけど、相手の映像はない。そのなかで、どちらの適応能力が上回るか。

ファーストコンタクトで決まると思っています。最初に相手のペースになったら、戻すのは大変になるでしょうね。逆にコッチがペースを握れば、そのまま押しつぶしていける展開になる。今回は1Rの出だしが遅れたほうが負けるんじゃないか、と」

――なるほど。

「お互い最初に打撃がハマッたからといって、ずっと打撃で攻めるようなタイプでもない。それはお互いに。『寝技で逃げられたから、もうテイクダウンには行かない』ということもない。おそらく判定決着になるとは思うし、お互いにシンドイ試合になりそうですね。でも僕は前回の試合で学んだとおり、相手の強いところから逃げないですから」

■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後8時45分~U-NEXT

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