カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 グスタボ・バラルト ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ ルンピニー

【ONE FN24】ブルックス強し!パームトゥパームでバラルトに一本勝ちして暫定世界ストロー級獲王座を獲得

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
Def.1R4分39秒 by RNC
グスタボ・バラルト(キューバ)

バラルトが前日計量・ハイドレーションテストをクリアできなかったため、この一戦はブルックスが勝った場合のみ、暫定王座獲得という形で行われた。オーソドックスのブルックスが右ハイ、サウスポーのバラルトが左ミドルを蹴ると、それを取ってテイクダウンを奪う。バラルトはハーフネルソンの形でブルックスの右腕を抱えつつ、ブルックスと距離を取って立ち上がる。そのまま四つの攻防になると、ブルックスは首相撲へ。

バラルトはそこにパンチをまとめると、ブルックスが投げてテイクダウンする。ここでバラルトがスクランブルの攻防に持ち込むと、上のポジションを取り返してインサイドガードでトップキープし、細かくボディにパンチを落とす。ブルックスがバラルトの体を蹴り離して立ち上がり、四つ組みから足をかけてテイクダウンしてバックにつく。ブルックスは足を四の字クラッチしてRNCを狙いつつ、最後はパーム・トゥ・パームの形でバラルトからタップを奪った。

試合後、コーチから黒帯、そして暫定王者のベルトを巻かれたブルックスは「黒帯になることの意味を、皆は分かっていないかもしれないけど15年掛ったんだ。チャトリ、モチベーションを与えくれてありがとう。コーチの皆に感謝している。タイを愛している。皆、最高だよ。ルンピニーで戦えて光栄だ。彼は背が低いけど、パワーが凄かった。殴るって言っていた? 試合前とリングの中は違うよ。インタビューでも言っていたじゃないか、アジャストをすることが必要だ」と試合を振り返る。

さらに「ジョシュア・パシオ、傷が癒えたらやろう。そしてDJ、タツミツ・ワダを凄く君を追い込んだ。そしてグスタボに勝っている。俺のことをちゃんと意識しろ。お前の前に立ち塞がるから。ブラザー、なんしても愛してるよ。君がいて、僕はこのスポーツを始めたんだ」と次の戦いに向けてコメントした。


The post 【ONE FN24】ブルックス強し!パームトゥパームでバラルトに一本勝ちして暫定世界ストロー級獲王座を獲得 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 ダニエル・ケリー マイッサ・バストス

【ONE FN24】ケリーのヒールを凌いだマイッサがボトムから攻め続けてSG世界女子アトム級王座を奪取

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
マイッサ・バストス(ブラジル)
Def.3-0
ダニエル・ケリー(米国)

ケリーが距離を詰めていく。組み手争いでマイッサが、くくった長い髪を気にしている。マイッサはボトムを選択したが、ケリーが付き合わない。再びマイッサがボトムからリバースデラヒーバで足に絡み、ケリーに尻もちを着かせたがスタンドに戻る。あくまでボトムで戦うマイッサが、リバースデラヒーバから潜りにいくも、ここもケリーは離れる。

スクランブルからケリーがトップを奪った。ケリーのリストを取ったマイッサは、足を取りながらバックを狙うもケリーがロープを背にして上半身を起こしている。左足をたぐってトップを狙ったマイッサ。しかしケリーが前転してトップに戻る。右スネをケリーのヒザ裏に当て、足をすくってスイープしたマイッサに対し、やはりケリーがトップに戻った。

スクランブルからバックを狙うマイッサだが、それをケリーが許さず。腕をかけていくマイッサから離れたケリーが、マイッサの左足を取って一気に外ヒールへ。マイッサが回転して逃れたがジャッジへの印象は強いか。さらにケリーがニースライドパスを狙う。マイッサが足を取りに行くも、ケリーがマイッサの足に乗っかり潰す。

マイッサのトーホールドも防いだケリーが立ち上がる。パスを狙ったケリーに対して、カウンターでサドルに入ったマイッサだが足関節の体勢には入れず。マイッサは再びバックテイク狙いに戻したが、ケリーがトップからパス&足関節で攻め続ける。しかしマイッサがストレートフットロックからヒールを仕掛けたが、これは凌がれて試合終了となった。

マイッサがユナニマス判定勝ちを収め、SG世界王座に就き、ファイトボーナスも獲得した。


The post 【ONE FN24】ケリーのヒールを凌いだマイッサがボトムから攻め続けてSG世界女子アトム級王座を奪取 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 アーロン・カナルテ キック シャミル・ガサノフ

【ONE FN24】ガサノフがTDとトップ&バックキープでカナルテをコントロールし続けて判定で圧勝

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
Def.3-0
アーロン・カナルテ(エクアドル)

ガサノフが右カーフと左ミドル、カナルテも右カーフを蹴る。ガサノフがジャブからシングルレッグに入ってテイクダウンすると、右腕を差して立ち上がろうとするカナルテの頭をがぶってヒザ蹴り。そのままガサノフがカナルテをしっかりと寝かせて、左足を超えてハーフガードでトップキープする。

ガサノフは細かく右のパンチとヒジを落とし、カナルテが脇を差して立とうとするとがぶってコントロール。ここはカナルテが頭を抜いて立ち上がる。カナルテは続くガサノフのダブルレッグを切って、試合はスタンドの攻防へ。右カーフを蹴り合い、ガサノフがジャブからダブルレッグへ。ここでカナルテの体がロープの外に出てしまい、ブレイクとなる。

再開後、ガサノフはスピニングバックキックからダブルレッグに入り、カナルテも小手を巻いて何とかディフェンスする。ここはガサノフがテイクダウンに成功し、先ほどと同じようにカナルテが起きてくるとがぶってヒザ蹴り。ギロチンを狙ったところでラウンド終了となった。

2R、カナルテがパンチと右カーフ、ガサノフは左ミドルを蹴ってパンチからダブルレッグに入ってテイクダウンする。ガサノフはサイドポジションで抑え込みつつ、カナルテの動きに合わせてバック、トップキープを繰り返す。

そしてカナルテが体を起こそうとするとバックにつき、両足をフックしてRNCへ。かなりタイトに極まっていたが、カナルテが腕を外してディフェンスする。極めを逃したガサノフだったが、そのままトップキープを続けてギロチンからマウントへ。最後はガサノフがバックキープする形でラウンドを終えた。

3R、カナルテがパンチで前に出ていく。ガサノフはカナルテの右ローの蹴り終わりにシングルレッグで組みつき、コーナーまで押し込む。ガサノフは右腕を深く差して四つ組からテイクダウンを狙い、シングルレッグからカナルテを寝かせる。必死に立ち上がるカナルテだが、ガサノフはスタンドでバックキープし、カナルテが正対するとダブルレッグで寝かせてバックにつく。

2R同様にガサノフはRNCを狙いつつ、カナルテが上を取り返そうとするとがぶってコントロールし、立ち上がるカナルテのバックに就く。そこからカナルテを寝かせてトップキープを続ける。最後は背中を見せたカナルテにパンチを入れ、両者が立ち上がったところで試合終了。ガサノフがテイクダウン、がぶり、バックキープでカナルテをコントロールし続けて判定勝利した。


The post 【ONE FN24】ガサノフがTDとトップ&バックキープでカナルテをコントロールし続けて判定で圧勝 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 エリアス・マムーディ キック 内藤大樹

【ONE FN24】内藤大樹、マムーディの猛攻を捌ききれず。スピニングバックフィストで3RKO負け

<キック・フライ級/3分3R>
エリアス・マムーディ(アルジェリア)
Def.3R2分56秒 by スピニングバックフィスト
内藤大樹(日本)

1R、マムーディが前蹴りで突き放して、一気にパンチをまとめて前に出る。内藤は距離を取りながらジャブとローを返すが、マムーディは前に出てパンチとヒザ蹴り。スピニングバックキックも繰り出す。さらにマムーディは右ストレートを当てると右の飛びヒザ蹴り、内藤を下がらせて左フックを打ち込むと、左のスピニングバックフィストでダウンを奪う。

再開後、マムーディは一気に距離を詰めて左右のフックとスピニングバックフィストで猛攻。何とか耐える内藤だが、マムーディはパンチとヒザ蹴り、右アッパーから左フック、スピニングバックフィストと手数を増やす。終了間際、マムーディが内藤をロープに詰めるとボディに打ち込み、顔面前蹴りも突き刺した。

2R、内藤がマムーディの前足にローを集めて、左フックを狙う。マムーディは距離を詰めて右からパンチをまとめて、左ボディまでつなげる。内藤は距離を取りながら前足へのローを蹴り続け、下がりながら左フックのカウンターを狙う。

前に出るマムーディは左ボディ、右ボディストレートから顔面への左フック、右ストレート、距離を詰めて右ボディストレートからパンチをまとめる。内藤は右ハイとスピニングバックキック、マムーディもスピニングバックキックを蹴り返す。マムーディは左ボディから顔面前蹴り、内藤はローでマムーディを削る。

3R、内藤が左ジャブを突いて左フックを狙う。マムーディがパンチから右ハイ、右ストレートを伸ばす。内藤はジャブを当てるが、マムーディは下がらず、右ストレートから飛び込む。内藤はジャブと右ストレート、マムーディは左ボディを当て、右ボディ、左フックから右ストレートと攻撃の手を休めない。

ここでマムーディがスピニングバックフィストを出すと、ヒジが当たってしまいレフェリーに注意を受ける。内藤はジャブ、ワンツー、アッパー。マムーディは顎をひいてパンチで突進。内藤をロープまで詰めるとヒザ蹴りを突き上げ、右のスピニングバックフィストを一閃。これが内藤の顎を打ち抜き、マムーディがKO勝利を収めた。


The post 【ONE FN24】内藤大樹、マムーディの猛攻を捌ききれず。スピニングバックフィストで3RKO負け first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 山北渓人 猿田洋祐

【ONE FN24】ストロー級日本人対決、ノンストップアクションで山北渓人が猿田洋祐からスプリット判定勝利

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
Def.2-1
猿田洋祐(日本)

猿田が距離を詰める。山北にロープを背負わせて、左ジャブをボディに伸ばした。山北はシングルレッグで飛び込みながら脱する。リング中央で山北が左ハイを見せた。サークリングする山北に左ジャブを突く猿田。山北はシングルレッグで飛び込み、猿田に右ヒザを着かせた。左足を抱えられた猿田は立ち上がり、切り返してトップに回し、山北に背中を着かせる。山北はハーフガードへ。

リバーサルを狙った山北を猿田が抑え込む。山北が三角からオモプラッタへ。左腕を巻き込み、さらに腰を抱える山北。猿田はリフトアップして左腕を抜き、再びトップを奪った。立ち上がった猿田にダブルレッグで組んだ山北。猿田がこれを切ってパンチを打ち込みながらバックを狙う。サイドバックからパンチを打ち込む猿田は、ラウンド終了間際、山北に背中を着かせた。猿田が立ち上がると、山北も立ち上がりラウンドを終えた。

2R、山北の右クロスが猿田の顔面を捉えた。下がる猿田に山北が右を当て続ける。パンチを放ちながらダブルレッグで飛び込んだ山北が、両足をすくって背中を着かせた。山北がバックに回るも猿田が切り返してトップを奪う。ハーフガードの山北に右ヒジを落とす猿田。山北はスクランブルからシングルレッグで組み、起き上がるも猿田は右足を差し入れ、パンチで削って潰していく。再び山北に背中を着かせた猿田は、スクランブルに持ち込もうとする山北をクルスフィックスで制し、トップからパンチで削りテイクダウンを許さない。

一度立ち上がった猿田が、シングルバックからパンチで削る。山北は猿田の足をすくってトップを奪うが、すぐに猿田もスクランブルに。ガブった山北は、猿田の頭部にヒザを突き刺す。なおも押し込んでくる猿田の首を山北が抱えるが、そのまま猿田が首を抜き、上からパウンドと右ヒジを落としていった。

最終回、リング中央で打ち合う両者。猿田の右ストレートを受けた山北が一瞬下がった。しかし山北も左ジャブから右を振るい、盛り返す。山北が距離を詰めると、猿田がダブルレッグで飛び込んだ。山北はスプロールするも、猿田が組み直してグラウンドに持ち込む。ガブり続ける山北を押し込む猿田。山北の両足がロープから出て、ブレイクが掛かる。スタンドで再開後、山北が右ストレートを当てる。猿田の動きが落ちたか、パンチにスピードがなくなる。

猿田の右に対し、山北がインサイドから左ジャブを突く。リング中央から猿田がダブルレッグでドライブした。山北はガブり、ここも両足が外に出たためブレイクに。前に出る猿田に山北がカウンターの左フックを合わせた。残り30秒で、猿田が右跳びヒザからバックに回った。これを切り返してバックを狙う山北。さらに猿田がトップを奪うなど、試合終了までノンストップのポジション争いが展開された。

裁定はスプリットで山北の勝利に。


The post 【ONE FN24】ストロー級日本人対決、ノンストップアクションで山北渓人が猿田洋祐からスプリット判定勝利 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 Gladiator Gladiator027 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 エンフオルギル・バートルフー カルロ・ブーミナアン ブログ

【ONE FN24】シャンダス×ラカイ対決は、エンフオルギルがブーミナアンを下し通算対戦成績を6勝0敗に

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
Def.3R4分59秒by RNC
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

ジャダンバ・ナラントンガラグ率いるシャンダスMMA所属のバートルフーと、チームラカイのブーミナアンの対戦。過去、ナラントンガラグ本人も含め先日のGladiator027で実施されたダギースレン・チャグナードルジ×アドニス・セベジェーノ戦まで、シャンダス系モンゴル勢はフィリピンのトップチームのファイターに5勝0敗と負け知らずだ。

試合はまうサウスポーのブーミナアンが左ミドルを蹴る。距離を詰めていくバートルフーだが、左右のフックを受けて組みつかれる。ヒザをボディに突き上げるブーミナアンは、クリンチから小手投げのバートルフーを潰しサイドバックへ。キムラから腕十字に移行したバートルフーだが、ブーミナアンは腕を抜く。ならばとトップを狙うも、試合はスクランブルからスタンドに戻った。

ブーミナアンは左フックをヒットさせ、バートルフーがスイッチを織り交ぜ左フックを返し、右ミドルを蹴る。打撃ではブーミナアンがリードするなか、組んだバートルフーはコーナーに押し込みヒザ蹴りからダブルレッグへ、シングルに移行してテイクダウンを奪うとブーミナアンがエプロンに出る。コーナーに詰めたスタンドの状態で試合は再開され、バートルフーがバックに回り、後方からヒザを狙う。頭をロープの外に出すブーミナアンを、引き戻したバートルフーがヒザを太腿に入れ──正対されたところで初回が終わった。

2R、ワンツーのブーミナアン。左カーフを蹴るバートルフーが右ハイも姿勢を乱して尻もちをつく。直後にクリンチからバックに回ったバートルフーだが、ブーミナアンは前転からスクランブルに。と、バートルフーは右フックに左のカウンターを合わされ一瞬動きが止まる。直後にクリンチからバックに回ったバートルフーだが、ブーミナアンは前転からスクランブル。ブーミナアンの組みをがぶられ、ヒザを受けるが間合いを取り直す。

しかし、左ローに右フックを被弾してダウン。直ちに立ち上がったブーミナアンだが、明らかに動きは落ちておりバートルフーの手数が増える。ショートのフックからダブルレッグを決めたバートルフーがサイドバックへ。パンチを受けたブーミナアンは、襷掛けからバックを許すと、バートルフーがRNCを仕掛ける。残り1分、半身で耐えるブーミナアンは立ち上がろうとしたが潰され、RNCをセットされるも時間に救われた。

最終回、バートルフーの左ローに右フックを合わせようとしたブーミナアンだが、シングルレッグでテイクダウンを奪われる。疲れが目立つブーミナアンは、バックに回らないよう自ら背中をマットにつける。バートルフーはハーフからマウントを奪って殴ると、背中を向けたブーミナアンはRNCを防ぎ、ハーフガードに戻す。バートルフーは右ヒジを連打し、潜ってきたブーミナアンの頭をステップオーバーして、腕十字を狙う。

ここは察知したブーミナアンだが、背中を見せる展開が続きスクランブルに何とか持ち込む。バートルフーはがぶって、バックに回ると前転を潰してサイドからマウントへ。強烈な勢いでパンチを打ち込むバートルフーは、背中を見せるしかないブーミナアンにRNCから肩固めに移行する。試合終了直前にブーミナアンが落ちて、バートルフーはセベジェーノ、ジャンロ・サンジャオに続き、ブーミナアンと✖ラカイで3連勝を決め──チームとしては対戦戦績を6勝0敗とした。


The post 【ONE FN24】シャンダス×ラカイ対決は、エンフオルギルがブーミナアンを下し通算対戦成績を6勝0敗に first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN24 UFC YouTube エリアス・マムーディ エンフオルギル・バートルフー キック グスタボ・バラルト シャミル・ガサノフ ジャレッド・ブルックス ダニエル・ケリー デッドゥアンレック・ティーデ99 パンクラス フィリッピ・ロボ マイッサ・バストス マンスール・マラチェフ リト・アディワン ルンピニー 修斗 内藤大樹 和田竜光 大沢ケンジ 山北渓人 猿田洋祐

【ONE FN24】山北渓人、世界最高峰で日本人対決。猿田洋祐「日本のストロー級を背負って来た自負はある」

【写真】長女、彩雪(いぶき)ちゃんと。ママがお迎えにくるまで、FIGHT BEAT WORKOUTで一緒に過ごす(C)MMAPLANET

明日3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、猿田洋祐が山北渓人と日本人対決を行う。
Text by Manabu Takashima

修斗とONEの世界王座を巻いたベテランが、パンクラス王者から世界最高峰ONEストロー級王座を目指す山北と戦う。世代、日本でのホームが違う山北との一戦はジム経営&指導をしながら、限られた時間をやりくりして現役ファイター生活を送る猿田にとって自分の戦いであり、自己肯定するためのファイトとなる。


苦しい試合になるのは分かっているので、そういう練習を小野島さんの力を借りてやっています

――2月のマンスール・マラチェフ戦、ジム経営者として初めて挑んだ試合に敗れ、今回の山北選手との試合はそれ以来となるファイトです。

「1年半以上、試合期間が空いての復帰戦でしたが、もちろん勝つつもりで戦っていました。準備期間は3週間しかなくても、ベストは尽くしました。その結果の敗北ということで、納得はしています。強かったです、あの押し込みとか。ケージだったら、もっと何もさせてもらえなかったかもしれないです。押し込みの力強さは、過去に感じたことがないモノでした。

でも3週間の準備で、あのレベルの選手とある程度戦えた。そこは把握できたので、それと同時に時間をかけないといけないということが分かりました」

──以前とは違いベルトを意識せず、強い相手と戦っていきたい。そのように話していた猿田選手ですが、復帰戦に負けても同じ気持ちで今回の試合に臨んでいるのでしょうか。

「年齢もあるので、どういうモノが残せるのか。ジムに関しても今はセミパーソナルのフィットネスジムですが、将来的には選手育成のジムを創りたいという目標を持っています。その時になって今の自分のように35歳を越えた選手が、どのような練習をして、どういうメンタルで試合に臨めば良いのか──。

もしくは遅くに格闘技を始めた人が、30代後半で結果を残すためにどういうトレーニングをすれば良いのか。それを自分の体を使って、実験しているような感覚で創っています」

──今の猿田選手にフィットしたMMAファイター人生を送ると。

「20代の後半、30代の前半のように長い時間の練習とか、3部練習とかは体の面、仕事の面で厳しくなっています。限られた時間で、試合に勝つために工夫をした練習をやっています。それで結果を残せるのか、それこそ今の自分がやっていることです。だから結果が欲しいです。

今できる最大限の練習をしているので、結果が伴わないと続けることができなくなるということですね」

──その限られた時間で工夫した練習というのは、どういうものなのですか。

「ジムでの指導が昼からある日は、朝早くにHEARTSに今年のネオブラTのストロー級で優勝した船田侃志に来てもらって練習して。今日のように夕方からの日は、小野島(恒太)さんと午前中に、CBW東中野でマンツーマンでスパーリングをしてもらっています。

HEARTSで皆が集まってやるプロ練習にも出たいのですが、ジムの都合で出られないのが現実で。だから自分のジムに選手に来てもらったりしています。それとマンツーマンの練習は効率が良いというのもあります」

──というと?

「自分の試合のためだけの練習ができるということですね。誰かに合わせたり、決められたことをするのではなくて。やりたいことだけを集中して短時間でできます。時間に追われているので、マンツーマンは良いと思います」

──つまり小野島選手とのマンツーマンの練習は、山北選手との試合のことを考えられたトレーニングで、小野島選手が強くなるとかということは考えていないことになるのですか。

「そこまで仮想・山北ということではないのですが、誰と戦っても最後は気持ちが大切になります。苦しい試合になるのは分かっているので、そういう練習を小野島さんの力を借りてやっています。

リバーサルジム川口リディプス時代に小野島さんが練習に来てくれて。小野島さんは打撃の選手で、僕は柔術がベース。互いにレスリング──つなぎの部分が足らないと感じていて。それこそ山北選手と同じMe.We所属でレスリングが得意な中村憲輔さんにパーソナル・レッスンをお願いして一緒にやるようになったのが12、13年前です。あれから週に1度、試合前は2度という感じでずっと一緒にやってきました」

──もうHEARTSのプロ練習には一切参加していないのですか。

「いえ、それでも金曜日にはHEARTSのレスリングとグラップリングのプロ練習に出させてもらっています」

──大沢ケンジさんと顔を合わせるのは、その日だけですか。

「ハイ。でも、ずっとLINEで連絡を取り合っています。自分が仕事でチェックできていない試合とか、『絶対に視ろ』ってメッセージが来て。視たら、その試合について話をしたり。ONEとかUFCでも、自分に合った攻撃や山北選手対策になるような動きがあると、その試合を視るように連絡が来ます。そして自分もチェックして、動いて答え合わせをする。大沢さんは格闘技の試合を見ている数が違っていて。本当に色々な試合を見ているので、たくさんアドバイスを貰っています。ここまでずっとやってきたので、毎日のように顔を合わせていなくても、大沢さんへの信頼は変わらないです」

山北選手との試合は、自分と戦うイメージです(笑)

──そんななか、山北選手のオファーを貰った時はどのような気持ちでしたか。

「今回、3カ月の準備期間があって。オファーが来た時は、ジムを任せられる人に確認を取って即答で受けました」

──国際戦の方が良かったという気持ちは?

「全然なかったです。基本的に誰とでも戦います」

──山北選手としては、世代が上の元世界王者を踏み台にする。そういう位置づけの試合かと思います。

「向うは元チャンピオンとか思っているかもしれないけど、そういう意識は自分のなかにはなくて。ジムにベルトを飾るのも本当は嫌なんですけど、ビジネスのために置いています(笑)。ベルトは1回取ったものなので。それより、今の自分がどうなのかっていうところに興味があります」

──マラチェフの押し込みの強さを経験したことで、山北選手とはどのような戦いをしたいと考えていますか。

「山北選手との試合は、自分と戦うイメージです(笑)。ONEと契約したころの自分と戦うような。勢いがありますよね。だから、自分もあるだろうし。自分は競技としてレスリングはやっていないのですが、レスリングと柔術を合わせた自分とよく似た戦い方をしています。似ている部分がたくさんあります。だからこそ、より勝ちたいという気持ちが大きいです。経験が違うということを見せたいですし……。」

──サクッと勝てる相手ではないですし、疲れる試合が予想されます。

「楽に勝ちたいとは思わないです。サーキットトレーニングとかで追い込んでいるのに、1Rで勝つと勿体ない。これだけ練習をしてきたのに。5分3R、全て戦いたいです」

──そういうモノなのですね……。

「試合が終わると、色々な感情があって。厳しいことを乗り越えて、反省会じゃないけど試合を振り返る。その時、厳しかった試合を振り返るのが、一番楽しいです。アハハハハ」

──マゾでナルじゃないですか(笑)。

「アハハハハ、確かに。自分に負けなかった。そこなんですよね。なんか普通じゃないことをやりたいんです。子供の頃から、ずっと普通って言われてきて。体操時代もそう。身体能力は決して高くなかったし、体力テストも平均的で。そんな感じだったから普通でないことに憧れていました」

──ならばタイトルには興味はなくても、ここで勝ってさらに上の相手と戦いという気持ちになりませんか。その方が、とことんしんどい試合ができます。そのために、山北選手とどのような試合をしないといけないと考えていますか。

「毎試合、気持ち的には変わらないですけど……自分から逃げないこと。楽な道とキツイ道があれば、常にキツイ道を選択していけるのか。そして、キツイ方に山北選手も引きずり込む。ただ、山北選手もそういうつもりで戦っていると思います。そこで競り勝てるのかどうかですね」

──個人的には山北選手がボカン戦の最終ラウンドで下になった時、彼の試合で初めて気持ちが途切れるような表情になったように見えました。

「マシーンになり切れていないのかも知れないですね。試合で感情を出さない。それも僕のテーマです。一生懸命になることも、なるべく出さないように戦っています。練って来た戦略通りに動いて、セコンドの声に従う。そこでスイッチを入れるという感覚でいて、それをまたやりたいですね」

──それこそマシーンになりきれた試合はありましたか。それが猿田選手の満足感に繋がると思うのですが。

「1度目のパシオとの試合ですね。あの時は途中から、疲れも感じていなかったです。ラウンドも分からない。ただ、大沢さんの指示通りに動く。マシーンになれましたね」

──つまり無心ということですからね。

「あの時も、準備期間がなかったんですよ。それこそ、普通じゃない。でもHEARTSに移籍してから、大沢さんは常に『普通じゃないことをやれ』って言っていて。だから試合スパンとか、修斗のチャンピオンになってからも、すぐに2階級制覇を目指して試合をしたり。大沢さんとやってきたから、僕もこうなったんだと思います」

──HEARTSから1分や2分の所に住んでいた時と変わらず、同じ気持ちで戦えるのか。本当に勝負ですね。

「まぁ『デキるのかな?』って不安に感じることはあります。普通の人なら諦めるなって思えるから、やり切れます」

──追い込みも指導が終わって、マシーンで一人でやっていると聞きました。ケツを叩く人がいなくても、それができるというのも……。

「正確にいうと、指導中にも同じ時間に自分を追い込んでいます(笑)。そこしか時間がないので。絶対にやると決めていることで、あとは夜にやるか朝にやるか。それだけです。スケジュールに書いたことをやらないと、自分は満足できないので」

──やはりマゾですね(笑)。

「アハハハ。本当にできるのかなっていう不安は、付きまとっています」

和田選手……やりたいですね。ストロー級、甘くないぞって

──この生活を続けるには、この努力に相応な相手を求めることかと思いますが、山北選手との試合後はどのような相手と戦っていきたいと思っていますか。

「戦ったことがない選手と、やりたいです。リト・アディワン、こないだ負けてしまったけどジェレミー・ミヤド。上の方だとボカン。そしてジャレット・ブルックス。あと5試合、契約が残っているので試合をするなら触れたことがない相手と戦いたいです」

──ストロー級転向を宣言した和田竜光選手とは?

「和田選手……やりたいですね。強いことは分かっているし、試合を見て勉強もさせてもらっています。練習でも触れたことがないから戦ってみたいです。それにストロー級、甘くないぞっていう気持ちもあります。階級を落としたからって、勝てるわけじゃない。ストロー級にはストロー級の厳しさがありますから、そんな楽じゃないぞと教えたいです。

自分も元々は修斗フライ級から、ストロー級に落としました。今は勝てていないので大きなことは言えないのですが、日本のストロー級を背負って来た自負はあります。そこの強さを見せたいし、まだ終わっていないということも証明したいです」

──UFCにストロー級がない限り、計量方法の違いでリミットも違いますが、ONEのストロー級は世界最高峰ですよね。

「ハイ。ONEのストロー級は世界一なんで。世界中のストロー級のトップがONEにやってきます。そこで強さを証明したいという気持ちは普通にあります。

だからこそONEのストロー級で6年、7年間やってきました。試合はどうなるか分からないですけど、自分のなかでは山北選手を圧倒する自信はあります」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

The post 【ONE FN24】山北渓人、世界最高峰で日本人対決。猿田洋祐「日本のストロー級を背負って来た自負はある」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB Interview ONE ONE FN24 ブログ 山北渓人 猿田洋祐

【ONE FN24】猿田洋祐と日本人対決、山北渓人「ストロー級日本最強を決める戦いだと思っています」

【写真】山北がブルドックチョークを極めた場合は「パグチョーク」表記でお願いします(C)NAKAMURA TAKUMI

3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、山北渓人が猿田洋祐と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

1月のONE日本大会でボカン・マスンヤネにプロ初黒星を喫した山北だったが、3月のONEカタール大会ではジェレミー・ミアドに隠れた必殺技=山北式ブルドックチョーク=パグチョークで一本勝ち。今大会で早くも今年3戦目を迎え、猿田との日本人対決に臨む。

山北にとって猿田はMMAを始める前から見てきた選手で「猿田選手がストロー級の日本人で一番強いと思っている」という存在。「自分の中でタイトルマッチと同じぐらい意味のある試合だと思う」と位置づけている。


――計量を控えているなかでのインタビューありがとうございます。体調やコンディションはいかがですか。

「もともと減量は楽なんですけど、今回は体重が勝手に落ちていって、すごく楽ですね。特に食事を減らさなくても大丈夫くらいの感じだったんで」

――今年すでに3試合目ということで、グッドシェイプが続いているようですね。

「そうですね。試合が終わっても、すぐに練習を続けてやっていたので、あまり体重がガッと増えることはなかったです」

――2022年と2023年は年1試合ペースでしたが、今年は一気に試合数が増えてポジティブな変化があるようですね。

「僕の試合が続いてるのもあるし、同じチームの(藤田)大和さんや倉本(一真)さん…階級が近い選手たちの試合もどんどん決まっていて、先輩たちのスパーリング相手に使ってもらっていたので、それでずっと仕上がっていたというのもありますね」

――誰かしら試合前の追い込みの相手を常に務めている感じだったんですね。それプラス試合も続いているので、動きそのものもよくなっていますか。

「はい。自分でも動きがいいなと思いますし、山﨑(剛)さんからも『今回すごくいいね』と言ってもらえているので、コンディションは最高だと思います」

――前回の(ジェレミー・)ミアド戦ではブルドックチョークによる一本勝ちでしたが、あれは得意技だそうですね。

「はい。あれは僕の必殺技です。僕はバックを取ることが得意なんですけど、そこから色々と技を研究していくうちにブルドックチョークが極まるようになって、そこからパターンが増えた感じですね」

――ではミアド戦で極めた以外にも入り方・極め方はあるのですか。

「あれは一番シンプルな形ですね。あの時はケージを蹴って極めましたけど、ケージを蹴らなくても極められます」

――どうしてもブルドックチョークは飛び道具というイメージがありますが、山北選手の中ではちゃんと技術体系として入り方や極め方があるんですね。

「練習していくうちに、極めるシチュエーションもたくさん出てきたし、ジムのみんなも『あれで極めたんだね』という反応でした」

――まさに山北式ブルドックチョークですね。

「僕の中ではパグチョークという名前をつけているので、これからはパグチョークでお願いします(笑)」

――かしこまりました(笑)。先ほど練習仲間の話もありましたが(リバーサルジム新宿)Me,Weは軽量級の練習相手が豊富なので、スパーリングを重ねる中で技が磨かれて行きそうですね。

「はい。ブルドックチョークも練習仲間はどんどん対応してくるので、そこからバリエーションも増えるし、今回は新しい技も用意しています」

――さて今大会では猿田洋祐選手と日本人対決が決まりました。最初にオファーを聞いた時は驚いたのか、それともいよいよ来たかと思ったのか。どちらでしたか。

「どちらかというと、いつかやるかなと思っていました。ポジション的にも、猿田選手は連敗中で、僕は前々回負けて前回勝って、そろそろ当たるかもなと思っていました。ただそうは思っていながらも、オファーが来たら『ここできたか!』って感じですね」

――猿田選手のことはどのような目で見ていたのですか。

「僕が格闘技を始める前から見ていて、ずっと強い選手だなと思っていました。自分より上の階級の選手だったら憧れの目で見るんですけど、同じ階級だったのでライバル視というか。いつかやらなきゃいけないのかと思っていたし、僕は今でも猿田選手がストロー級の日本人では一番強いと思っています」

――山北選手の中ではストロー級日本最強決定戦という位置づけですか。

「自分の中でタイトルマッチと同じぐらい意味のある試合だと思っていて。何か一つの到達点というか、日本編のラストみたいな感じで位置づけています」

――タイトルやベルトに挑戦するために超えなければいけない相手ですか。

「そうですね。ここが壁というか。タイトルにいくには当然倒さなきゃいけない相手だし、格闘技を始める前から見てきた相手なので、そこは超えなきゃいけないなって思います」

――そういう思いもありつつ、今の自分だったらしっかり勝てるところまで来たという自信もありますか。

「ここまで来ることが出来てうれしいという気持ちもあるし、自信はもちろんあります」

――山北選手にとって特別な思いがある試合だと思いますが、どんな試合を見せたいですか。

「猿田選手も気持ちがこもった、動く試合をする選手で、僕も動き続けることが持ち味だと思っています。絶対に噛み合うと思うし、それと同時に我慢比べにもなるかなって思いますね。ストロー級らしい速い展開で。ストロー級にしかできない試合をしたいです」

――ONEのストロー級は日本人も多いですし、もっと注目される舞台にしていきたいですか。

「ストロー級は他の階級に比べて注目度が少ない階級ですが、僕も猿田選手もストロー級ならではの面白い試合をできる力を持っていると思うので、ストロー級をアピールするいいチャンスだと思っています」

――和田竜光選手も次戦からストロー級に落とすという話をしているので、日本人絡みでも興味深いカードが増えていきそうです。

「和田選手のことはすごいなという目で見ていたんですけど、ストロー級に落としてくるとなると、戦って勝たなきゃいけない相手になるんで。キャリア的にいったら、和田選手と試合できるとなったらすごくうれしいことだし、和田選手に勝ったら……と思うと、どんどん自分の地位を上げるチャンスだと思うのでワクワクしています」

――今年は試合数も増えていますし、猿田選手との試合も決まって、山北選手のキャリアの中でもターニングポイントになる1年ですね。

「はい。1月のボカン・マスンヤネ戦で初めて負けたことも大きくて、あの負けでもう一段階、もう一皮むけたというのが絶対にあったと思います。日本大会でいい経験をできたと思うし、今は本当に大事な時期で、次の試合も大事な戦いだと思います」

――それでは最後に日本のファンに向けてメッセージをいただけますか。

「この試合は僕のキャリアの中ですごく大事な試合ですし、日本人最強を決める戦いだと思っています。またストロー級キングオブパンクラシストの第2代(北方大地)が猿田選手に負けているので、第3代の僕がやらないといけないという気持ちもあります。パンクラスを代表して猿田選手と戦いたいと思うので、そこも注目してもらいたいです」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

The post 【ONE FN24】猿田洋祐と日本人対決、山北渓人「ストロー級日本最強を決める戦いだと思っています」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB Interview ONE ONE FN24 グスタボ・バラルト ジャレッド・ブルックス ブログ

【ONE FN24】ストロー級暫定王座決定戦、ジャレッド・ブルックス「僕はいくらでもバッドガイになる」

【写真】スクショを撮るとなると、ご覧の表情に。もうこれは条件反射か(笑)(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、イベントタイトルにあるようにジャレッド・ブルックスが世界暫定ストロー級王座を賭けてグスタボ・バラルトと対戦する。
Text by Manabu Takashima

3月にジョシュア・パシオを頭から落とす反則負けで、ONE世界ストロー級のベルトを失ったブルックスだが、王者の負傷で暫定タイトル戦を戦う権利を得た。

今や日本のMMA界でも見慣れたトラッシュトークを、2016年のパンクラスの来日時の時点で強烈に繰り広げ、乱闘騒ぎを起こしていたブルックスは、今もその口撃を続けている。しかし、当時のように浅薄な意識で対戦相手を罵るのではなく、ストロー級ファイターの現状を鑑みて──彼は暴言を発信するようになっていた。


感覚として自分の方がパシオより優れたファイターだという手応えは感じられた

――ストロー級暫定王座決定戦で、グスタボ・バラルトと対戦します。今の調子はいかがですか。

「凄く良いよ。そして、もの凄く落ち着いている。前回の試合後、ONEがこんなに早くチャンスを与えてくれるとは期待もしていなかったから、凄くハッピーだ。幸運にもまたタイトル奪取への道が切り開かれたわけだからね。神は僕の味方をしてくれているよ」

──3月のタイトル防衛戦では、ジョシュア・パシオを頭部から落としてしまって反則負け。本能的に動いてしまったのでしょうか。

「いや、そんなことはないよ。

僕はルールを熟知している。決してルールを犯そうとしたわけじゃないし、我を忘れたり、本能の想うがままにスラムしたわけじゃない。いつも通りのクラッチで、頭から落ちることなんてないように技を仕掛けた。あのまま落として、バックを取って殴るつもりだった。

ただパシオがキムラを狙っていて、そこに力点があったから普通の角度でなく、錐もみ状態……回転が掛かってスピンするような形でキャンバスに落ちてしまった。

結果としてタイトルを失い、ベルトを家に持ち帰ることができなかった。気持ち的にも浮き沈みがあったよ。でも、これも神が与えた試練で、しっかりとこの事実に向き合い、謙虚に過ごしていかなければならない。人生は一度切りだ。こういう経験を活かして前に進むしかない。それこそが神が僕に与えてくれた──これからの僕が成すべきことなんだよ」

──勝利目前の猛攻のなかでの出来事、最初はジャレッドが秒殺。「凄い」と思って眺めていました。

「戦いは56秒しか行われなかったし、ジョシュアが何をしようとしていたのかも分からない。同時にジョシュアが自分の距離で戦えていなかったのも事実だし、ファイトはファイト。いつだって何が起こるか分からないけど、感覚として自分の方がパシオより優れたファイターだという手応えは感じられたよ。

今はジョシュアがヒザの負傷から回復し、また戦える日がくるのを待ちたい。とにかく彼が順調にケガから回復してほしいと願っている。100パーセントの状態になってから、また戦ってぶちのめすよう……お互いに全力で戦いたい」

試合中に頭突きがあったら、レフェリーに続けろと指示を出されても従わない

──その前にバラルトとの暫定王座決定戦での勝利が必要になってきますね。

「バラルトと戦うために、しっかりと準備をしてきた。僕が本当のチャンピオンであること、ONEのストロー級の頂点に立っているのはジャレッド・ブルックスだと証明したい」

──ではバラルトの印象を教えてもらえますか。

「他に例を見ない異質なファイターだよ。ボカン・マスンヤネのように背の低い相手と戦ってきたけど、グスタボはその比ではない。異次元レベルの背の低さだよ。それでいて倒されないレスリング技術を持っていて、ボクシングにも優れている。爆発力もあるよね。

如何に触るか。距離とタイミングがとても重要になるだろう。ただ、僕のグラップリングは彼が過去に戦ってきた相手とはレベルが違う。グラウンドの展開になると、彼はどう動いて良いのか分からなくなるだろう。グスタボを立たせないで、背中をつけて戦わせることができるか。僕にとっても、テストになるね。

まぁ、テイクダウンを奪っても立ち上がられるだろう──1Rや2Rは。でもこの試合は5Rある。3R以降、彼は自分がいつものように動けないことに気づくに違いない。向うも初回、そして最後の力を振り絞る5Rには僕をテイクダウンできるかもしれない。でも、5Rにテイクダウンを許してもなんのダメージにもならないよ。

スタンドでもKOパワーがあるわけじゃないし。仮に彼のパンチが効くようなら、僕は驚くことになるだろう。アレックス・シウバ、ヨースケ・サルタと元世界チャンピオンに勝っているし、油断をすることはないよ。でも、彼のMMAは僕のレベルに達していない」

──そのようななかで、バラルトの攻撃では何を警戒していますか。

「スーパーマンパンチ、あとはバイスクルキック……一気に飛び込んでくる技かな。でも彼より遠い距離で戦うことがでるし、レンジのコントロールに関してはパシオ戦を見てもらうと分かるように、相手の攻撃を受けないで自分の攻撃を仕掛けることができる。

グスタボは最初の3分間は打撃、そこからレスリングを使おうと距離を少し詰めてくる。まぁ、彼の動きは見えるだろうから、隙を見せれば一気に攻めていくつもりだ」

──バラルトの試合で忘れることができないファクターは、頭突きだと思います。

「あぁ、それを言いたかったのか(笑)。分かったよ、ハハハハ」

──狙っているとまでは言わないですが、当たっても構わない感じで突っ込んでいます。

そしてレフェリーも2度目ぐらいまでは注意をしますが、あまりにも頻繁にあるので試合の流れを止めたくないのか、スルーし始めるということが過去に見られました。大体、反則を考慮して戦わないといけないとなると、凄くアンフェアですよね。

(C)ONE

「100パーセント、合意するよ。

だからこそ、凄く注意している。サルタからダウンを奪う前に、明らかに頭突きでダメージを与えていた。タツミツ・ワダ、ヒロバ・ミノワと戦った時も酷いヘッドバットが見られた。それにミノワは何度、急所を蹴られた? それだけじゃない、ショーツだって掴んでいる。

まぁ、チョットずる賢いヤツだよ。僕としては試合前に、しっかりとレフェリーには釘をさしておくつもりだ。頭突き、ショーツ掴みをちゃんと見てくれよって。『俺が安全に戦えるよう、試合を裁いてくれ』と。

2016年にパンクラスで戦っている時から、僕を知ってくれている日本の人達は分かっているはずだ。試合で頭が当たったのは2019年12月のハルオ・オチ戦だけだよ。あの時は、二人とも踏み込んでクラッシュした。でもグスタボは頭を振って入って来るから。あれは分かってやっているよ(笑)」

──笑いごとではないかと(苦笑)。

「ハハハハ。確かに。まぁ、頭が当たる恐れがあるのも1Rと2Rだけだ。3Rになると、もうグスタボは疲れて、頭が当たるような距離まで詰めることはできなくなる。パンチも頭も、空を切るだけさ。しっかりと僕のボクシング、キックボクシング、ムエタイを見せる。打撃も成長しているし、レスリングも成長している。何よりグラウンドの攻撃力はもう以前とは比較にならない。

そういう意味ではマイキー(ムスメシ)には負けてしまったけど、彼とグラップリングと戦うことで僕の柔術は進歩できた。いやマイキー戦の敗北で、もっと柔術を見なおすようになった。負けて、そのままではいられないからね」

──穴はないと。

「MMAの試合で何が一番大切かといえば、相手にアダプトすること。グスタボはアニマルで、ビーストだ。そんな彼に対し、彼にはない劇薬を注入してやるよ(笑)。

そうそう、ヘッドバッドの話だったね……。試合中に頭突きがあったら、僕はレフェリーに試合を続けろと指示を出されても従わない。レフェリーには『ビデオをチェックしてくれ』と伝えるよ。ヤツが何をやっているか、簡単に分かる。それを見て注意、そして減点を与えるべきだったね」

──いわゆるリクエスト、そしてVARですね。

「その通りだ。本当にワダとの試合なんて、酷かったからね」

──ハイ。ところで3月の時点ではパシオを破って、米国大会でDJと戦うという青写真を描いていました。今はどのように考えていますか。

「まぁ、その機会は逸してしまった。それも神の匙加減だ。ジョシュアの傷が早く癒えて、タイトル戦線が再び動くのか。そうなればDJとの試合も、また考えることができるようになる。そうでないなら、僕個人としてはまだ戦っていない選手が、ストロー級で台頭してくるのを楽しみにしているよ」

ストロー級組み続けることで、ONEがどれだけ金銭的に損をしているのかをファイターは知るべきだ

──ジャレッド、凄く落ち着いていますね。それとも減量等で、疲れているということはありますか。

「オォ……ブラザー、そんな風に心配させて申し訳ない。今の僕は、それだけ心が穏やかなんだ」

──本当に一つ一つの言葉に重みがあります。日本のファンは、それがジャレッドの本当の姿だとは理解していますが、あのメチャクチャなトラッシュトークが懐かしいです。

「アハハハ。今でも──やっているよ。でも、あの頃と今の僕は違う。今でも、試合前に下らないことを話しているけど、凄く冷静なんだ。自分の言葉で磁場が狂うことがないように心掛けてきた。あの頃はトラッシュトークをすることで、内側に影響を与えてしまっていたからね。今は違う。ただし、今も昔も僕が試合前に下らないことを発信するのは、僕らの試合のことをより知ってもらうためだよ。

『一生懸命に練習してきた。対戦相手もそうだろう。ベストを尽くすよ』といっても、人々は関心を持たない。試合後なら、ちゃんとリスペクトした姿勢を持つ。でも、僕らのやることをもっと色々な人に知ってもらうには、そういうことが必要になるんだ。

それにダンスをするにはパートナーが必要んだけど、今のところ僕と踊ってくれるパートナーはいない。それこそ『ベストを尽くす』って言うぐらいで(苦笑)。でも、ストロー級のファイターが考えないといけないのは、ONEにあってもストロー級の注目度は低いということんだよ」

──!!

「ストロー級の試合はそれほど視聴者がいるわけでもない。放っておいて、ファンがストロー級の試合に注目してくれるなんてことはないんだよ。同時にストロー級とフライ級の試合を組み続けることで、ONEという組織がどれだけ金銭的に損をしているのかをファイターは知るべきだ。どれだけビジネスにできる機会を失っているのか。それはこの階級の選手達が、エンターテイメントという要素を考えていないからだ。

オリンピックのようにクールに競技を見せているだけじゃ、興味を持ってもらえない。オリンピックは4年に1度だから、あのやり方が通用するわけで。

僕らは継続的にファイトを皆に視てもらう必要がある。例えば僕のことを知っていても、対戦相手のことは知らない。それじゃあ、興味は半減してしまう。僕のバカな一言で、ファンは対戦相手のことを知ることになる。それこそが対戦相手がどれだけ優れたアスリートなのかを知ってもらえる第一歩だ。

ファンにチケットを買ってもらって、あるいは試合の中継を視てもらって……楽しんでもらうには、戦っている人間のストーリーを理解してもらわなければならない。そういう意味で、話題になることは必要で。

僕の仕事は試合に出て、勝つことだ。それはもう当たり前のことだよ。同時にストロー級への関心が高まることをやっていくのも、僕の役目だと思っている。2016年にパンクラスで、ケント・カンベを挑発しまくった時から、そうやってきた。日本でもやってきたんだ。

誰もが僕のようなバカな話、トラッシュトークをする必要はない。重要なことは、もう少し自分たちのやっていることを理解してもらうために動くということ。何も僕のやり方を真似しろってわけじゃなくて、僕が何をしようとしているのを理解してもらえると嬉しい。リスクを回避していては、何も起きない。何か事態に変化を起こそうと動くと、良いことだけでなく悪い事態に陥ることだってある。だからって、何もしなくても良いのかい?

指をくわえて人任せてしていると失敗はないかもしれない。でも、チャンスだって失っているんだ。世界チャンピオンだと胸を張っても、5000人のフォロワーしかいなくてどうする? それでどうやって、試合に関心を持ってもらえるっていうんだい。米国の人々が、SNSを通して試合やONEを知ってくれるというのなら、僕はいくらでもバッドガイになるよ」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

The post 【ONE FN24】ストロー級暫定王座決定戦、ジャレッド・ブルックス「僕はいくらでもバッドガイになる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB K-1 MMA MMAPLANET ONE ONE FN24 World kicks エリアス・マムーディ ブログ 内藤大樹

【ONE FN24】マムーディとランカー対決へ、内藤大樹「分かりやすい形で勝ち切ることが自分の課題」

【写真】ONEで戦い続けるファイターとしてのプライドも言葉にした内藤だった(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night24「Brooks vs Balart」が開催され、内藤大樹がエリアス・マムーディとキックボクシングルールで対戦する。
Text by Takumi Nakamura

武尊の参戦で一気に注目を集めることになったONEのフライ級キックボクシング。内藤は2019年からONEの舞台で戦い、王者スーパーレック、ロッタン、武尊に続いてランキング3位に名を連ねている。今回は日本でも活躍したマムーディとの対戦となり、この試合を通して内藤は自分の存在をアピールしたいと語った。


──計量前のインタビューありがとうございます。試合に向けた調整・コンディションはいかがですか。

「コンディションはいつも通り良いかなっていう感じで準備できています」

──前回のデッドゥアンレック・ティーデ99とのリマッチは内藤選手のロー×デッドゥアンレックのミドルという攻防の末に、内藤選手が判定で敗れるという結果でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「自分的にはキックボクシングルールだったこともあって、手応えはあったんですけど、それでもやはり相手のミドルキックの印象の方が強いのかなというのがあって。一番は1回でもダウンを取れていれば間違いないと思ったので、そこは切り替えて自分の課題である倒し切るとか、そっちをレベルアップした方がいいなと思いました」

──内藤選手はキック・ムエタイの両ルールで試合をしていますが、相手を倒す・明確なダメージを与えるという根本的なところを伸ばさないといけないと感じていますか。

「そうですね。自分はテクニック的なところを見せられていると思うので、あとはその中でしっかり誰が見てもわかりやすい形で勝ち切ることが自分の課題だと思っています」

──3分3Rの短期勝負で明確に差を付ける難しさも感じますか。

「やっぱりレベルの高い者同士の戦いになるし、特にムエタイのトップ選手だったりすると、なかなか倒し切るのは難しい部分だと思います。でもやっぱりそこを突き詰めていかないといけないし、自分も倒せるパワーはあると思っているんで、あとは本番で早く出したいなとは思いますね」

──ONEのムエタイルールは、それまでのムエタイとは違ってアグレッシブな試合試合になることが多いですが、そこにしっかりアジャストするタイ人の強さを感じることもあります。

「タイ人×タイ人の試合だとあまり出ないかもしれませんが、タイ人が外国人選手とやる時に、そういう部分が目立つというか。より(タイ人は)負けたくない気持ちがあると思うし、本当に全てを使って勝ちに来るな印象はありますね」

──そして今大会ではキックルールでエリアス・マムーディと対戦することになりました。

「相手がマムーディという世界的にも名前のある選手になって、そういう選手に分かりやすい形で勝つことができれば、タイトル戦線に一気に駆け上がれると思っているので、しっかり今回は結果でアピールしたいと思っています」

──ランキング的には内藤選手の方が上位ですが、チャレンジするという意識ですか。

「そうですね。ぶっちゃけランキングが上とか下とか、このONEのランキングに入っている時点で、あんまり順位は関係ない、みんな横一線だと思っているので、今回は本当に自分が挑戦に行くつもりで、彼をしっかり超えたいなと思っています」

──ファイトスタイル的な部分でのマムーディの印象はいかがでしょうか。

「ガンガン来る選手で、試合後半のことを考えていないぐらい飛ばしてくる印象があります。マムーディのことはK-1に出ていた時から見ていたんですけど、当時から強い選手でアグレッシブな印象があって、今もそのままの印象ですね」

──攻撃力や勢いで9分間乗り切ってしまうスタイルですよね。

「そうですね。最初から全力を出し切って、最後はフラフラになるけど、出し切るみたいなタイプだと思います」

──そういうタイプだからこそ突ける穴や攻略できるポイントもあると思うのですが、勝つイメージはできてますか。

「今回もガーッ!とくると思うんで、その勢いに飲まれないように戦うことが頭にありますし、その中でもしっかり隙間隙間細かいところだと思うんですけど、狙っていきたいなと思っています」

──今回の試合前に武尊選手の次戦も発表され、ONEの立ち技が日本でも盛り上がっています。内藤選手はこの状況をどう捉えていますか。

「やっぱり武尊選手や野杁(正明)選手のような日本のスター選手たちがONEに参戦してきていますし、改めてONEは本当に世界で一番の強さを求める選手たちが集まってきている、立ち技に関してはどこの団体よりも世界一だと胸を張って言えるレベルだと思っています」

──その一方で内藤選手のなかには、ずっとONEで闘い続けているファイターとしての意地やプライドもありますか。

「そうですね。そうやって日本で有名な選手たちがONEに入ってきている中で、自分はONEで2019年から戦っていますし、自分も世界の強豪の1人として新しい選手たちを迎えて、その上で勝っていきたいという気持ちはあります。ONEで戦い続けているプライドというか、新しくきた選手に簡単に上に行かせてたまるかという気持ちは常に持っています」

──フライ級のキックボクシングはスーパーレック、ロッタン、武尊選手がトップ3という状況ですが、この試合をクリアしてそこに割って入りたいですか。

「ランキング的にも自分の上にその3人がいて、強敵ですけど、しっかりまずここをクリアして、先に繋がる戦いをしたいなと常に思っています」

──「内藤大樹がいることを忘れるなよ」と思いますか。

「はい。僕はかなり負けず嫌いなんで、そう思いますよね。上の3人が取り上げられがちになっていますけど、別にそこと比べても全然負けないと思っているし、思うところはたくさんあります」

──そういう意味でも日本でも認知度があるマムーディとの試合は内藤選手のことをアピールするうえで大きな試合だと思います。

「僕もそういう捉え方をしています。当時K-1を見ていた日本のファンの方たちも、マムーディのことはONEに行っても知っていると思いますし、その中で年月が経って、マムーディがより強くなっていることも日本のファンの皆さんは知っていると思います。オファーをもらった時から自分をよりアピールしやすい相手だなと思っています」

──そこも含めて、どんな試合を見せたいですか。

「前回の試合は、自分もそうだったんですけど、若干見ている人たちにモヤモヤさせてしまったと思います。今回はマムーディという分かりやすくガンガン来てくれる相手に、自分もわかりやすい結果で返したいなと思っているので、その辺りを期待してもらって見ていただけたらなと思っています。今回は次に行くためにもきっちり勝ちたいと思っています」

■放送予定
8月3日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN24対戦カード

<ONE暫定世界ストロー級(※56.7キロ)王座決定戦/5分5R>
ジャレッド・ブルックス(米国)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者]ダニエル・ケリー(米国)
[挑戦者]マイッサ・バストス(ブラジル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デッドゥアンレック・ティーデ99(タイ)
ナックロップ・フェアテックス(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガサノフ(ロシア)
アーロン・カナルテ(エクアドル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
フェラーリ・フェアテックス(タイ)

<キック・フライ級/3分3R>
内藤大樹(日本)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
山北渓人(日本)
猿田洋祐(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
クレイグ・コークレイ(アイルランド)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
カルロ・ブーミナアン(フィリピン)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(ロシア)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨーペイ(香港)
エイミー・ピルニー(英国)

The post 【ONE FN24】マムーディとランカー対決へ、内藤大樹「分かりやすい形で勝ち切ることが自分の課題」 first appeared on MMAPLANET.