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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 アリベグ・ラスロフ オク・レユン ボクシング

【ONE FN23】ラスロフにスタンドレスリングで削られたオク・レユン、パンチで巻き返すも王座奪取ならず

<変則ONEライト級(※77.1キロ)暫定王座決定戦/5分5R>
アリベグ・ラスロフ(トルコ)
Def.3-0
オク・レユン(韓国)

ラスロフが時間内にハイドレーションテストをクリアできなかったため、この試合はオク・レユンが勝った時のみ暫定王座に認定されることとなった。

ラスロフが頭を振ってから右カーフを当てる。左ジャブから右カーフに繋げるオク・レユンは、左ミドルを繰り出す。さらにオク・レユンは右カーフ、左ミドルと蹴りを散らす。ラスロフはオク・レユンの蹴り足を取りに行くが、オク・レユンも足の引きが速い。ラスロフが組みつくと、オク・レユンは首相撲で体勢を整えた。

ラスロフの左手首を抑え、左手を差し上げたオク・レユン。しかしラスロフのシングルレッグで尻もちを着かされてしまう。オク・レユンは腰を上げたが、ラスロフがコーナーに押し込み続ける。距離ができるとオク・レユンは右ヒジを打ち込む。ラスロフはダーティ―ボクシングも混ぜながら、オク・レユンをコーナーから逃さなかった。

2R、オク・レユンは右カーフのフェイントから左ジャブを突く。ラスロフが右ストレートからオク・レユンを下がらせる。右ミドルをキャッチされたラスロフが距離を取る。リング中央でオク・レユンの右ローをキャッチしたラスロフは、シングルレッグでドライブした。オク・レユンは離れて、左ジャブから右カーフ、右クロスへと繋げていく。

ラスロフが組んで来ると、オク・レユンは右アッパーを突き上げる。右腕を差し上げたオク・レユン、ラスロフが離れる。ラスロフが距離を詰めてくると、オク・レユン右アッパー、右クロスで迎え撃つ。左腕を差し上げて押し込むラスロフに対し、オク・レユンも左腕を差して崩す。スタンドに戻るとオク・レユンが首相撲から右ヒジを連打した。

3R、オク・レユンが右カーフから頭を振る。そのオク・レユンの顔面を、ラスロフのワンツーが捕らえる。右の交錯からラスロフの左フックが当たった。ロープに押し込んだラスロフが、首相撲から右ヒジを打ち込む。離れて左ジャブを突くラスロフに、右カーフを蹴っていくオク・レユン。ラスロフが首相撲でペースを握り始めている。

ラスロフのグレコスタイルで、オク・レユンが削れていく。首相撲からヒジ、ボディへのヒザを打ち込む、オク・レユンも左腕を差し上げるも口が開くように。残り30秒でオク・レユンに背中を着かせたラスロフは、起き上がる相手のバックに回り、そのままロープに押し込んでいった。

4R、ラスロフの左右フックでオク・レユンのアゴが上がる。ダブルレッグでコーナーに詰めたラスロフを突き放すオク・レユンだが、明らかに動きが落ちている。至近距離ではオク・レユンが首相撲に持ち込むも、反対にラスロフに削られてしまう。コーナー際で首相撲からヒジを打ちあう両者。ラスロフは首相撲からヒザを突き上げ、再びコーナーへ。オク・レユンの額から出血が見られ、ドクターチェックが入った。再開後、すぐにラスロフがロープに押し込み、スタンドレスリングで削り続けた。

最終回、オク・レユンの左右フックを食らいながらもラスロフが距離を詰める。右ストレートをもらったラスロフがロープに押し込むも、すぐにオク・レユンが離れた。しかしラスロフがパンチから組んでコーナーまでドライブする。オク・レユンも手数を増やし、何度もラスロフの顔面にパンチを打ち込んでいく。それでもラスロフの前進を止めることができず、ロープまで押し込まれてしまう。

ラウンド半分でラスロフがシングルレッグで組んだ。下がったオク・レユンはラスロフの右腕をキムラで抱える。バックに回るラスロフ。オク・レユンも左腕を差し上げ、押し返す。リング中央に戻ったオク・レユンが右ストレート、右ヒジ、右アッパーを打つ。残り30秒からオク・レユンがラッシュを仕掛け、押し込まれてもパンチを打ち続けた。

裁定はユナニマスでラスロフの判定勝ち。暫定王者誕生とはならなかった。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 ジョセフ・チェン タイ・ルオトロ 岩本健汰

【ONE FN23】ジョセフ・チェンのガードを越えられずも、タイ・ルオトロがTD&パスのアタックで下す

<サブミッショングラップリング186ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def.3-0
ジョセフ・チェン(ドイツ)

タイのセコンドには弟ケイド、ジョセフのセコンドには岩本健汰がつく。ジョセフが距離を詰めると、体が首を抱える。ケージ中央でタイがダブルレッグを狙うも、ジョセフが切った。ジョセフはアームドラッグで崩していく。手四つから頭を触りにいくジョセフがいなすと、タイも頭を触る。ジョセフはタイの右ヒジを押し上げるが、ワキを差すまでには至らない。アームドラッグからひきつけたジョセフに対し、タイも体を離してアームドラッグを狙う。ジョセフもワキを差したが、まだ不十分だ。

タイが右オーバーフックから投げるも、これはジョセフが耐えた。タイがジョセフの左リストを抑え、一度引いてからダブルレッグで入った。ジョセフに背中を着かせたタイは、足首を捻りながらパスを狙う。ハーフガードのジョセフの頭がロープから出たため、ドントムーブでリング中央に向けられる。右足を掛けてスイープを狙うジョセフ。タイは右足でジョセフの左足を踏んで抑える。ジョセフは幾度となくスイープを仕掛けるも、タイが耐え続ける。立ち上がってからパスを狙っていくタイ、ジョセフはニーシールドで防ぐ。

ジョセフがタイの右足を掴み、リバースデラヒーバから回っていく。トップ→足関節を狙ったジョセフの動きに対し、タイがトップをキープした。ボトムからKガード→リバースガードと攻めていくジョセフを抑えたタイが、立ち上がって足を捌く。タイはジョセフの左腕を抱えながらパスを狙ったが、ジョセフも防いで見せる。ジョセフもボトムから足を取りに行くも、タイがすぐに足を抜いて試合を終えた。

タイのテイクダウン&パスの仕掛けが評価されたか、裁定はユナニマス判定でタイ・ルオトロが勝利した。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 Report カン・ジウォン キリル・グリシェンコ ブログ

【ONE FN23】約2年ぶりのグリシェンコ、ジウォンに判定勝利して連敗脱出

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)
Def.3-0
カン・ジウォン(韓国)

サウスポーのジウォンに対し、グリシェンコがインローを蹴る。ジウォンは右フックを見せつつ、小刻みにステップする。グリシェンコはジャブから右ミドル、ジウォンはグリシェンコのアウトローを取ってテイクダウンを狙う。これを切ったグリシェンコはジウォンのインローに右ストレートを伸ばし、蹴り足をすくってジウォンのバランスを崩す。

ジウォンは右フックから飛び込んで左につなげるが、組み付いたグリシェンコが右腕を差してジウォンをコーナーに押し込む。この態勢が長く続き、ジウォンが距離を取って離れる。試合がスタンドに戻るとジウォンは右から左フック、グリシェンコは右ミドルとスピニングバックキックを見せた。

2R、ジウォンは右を見せつつ前に出る。グリシェンコは右インローを蹴って、バックステップしてジャブを返す。ジウォンが左ロングフックを振って前に出ていくと、グリシェンコはバックステップしてジャブと右ストレート、組みついてコーナーに押し込むと離れ際のヒジを振る。スタンドでは互いにインローを蹴り合い、やはりジウォンがパンチを振って突進。

組んだグリシェンコはテイクダウンも狙いつつ、スピニングバックエルボーを狙った。スタンドの攻防に戻ると、グリシェンコの頭がジウォンの右目付近に当たり、ジウォンにインターバルが与えられる。試合再開後、ジウォンの左右のフック、インロー、左ストレート。グリシェンコはバックステップしてジャブを返し、右ハイキックを蹴る。

3R、グリシェンコがインロー。これで足が流れるジウォンだが左右のフックで突進する。両差しで組み付いたグリシェンコがバックを狙うが、ジウォンは離れる。ジウォンは右を見せて左ストレートで前に出るが、足が止まってしまい、そこにグリシェンコが右ストレート・右アッパーを打ち込む。グリシェンコも組んでテイクダウンを狙うが、ジウォンはそれを許さない。

両者ともに消耗が目立つ中、グリシェンコがジウォンに組んでコーナーまで押し込むがテイクダウンには至らない。ブレイク後、なかなか手が出ない両者。ジウォンが左ストレートを伸ばすと、グリシェンコが右の前蹴り。ジウォンが左ストレートと左フックを当てて前に出る。グリシェンコも右ストレートと右ハイキックを返す。判定はグリシェンコが勝利。約2年ぶりの復帰戦で連敗脱出を果たした。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 シェ・ウェイ ボクシング 和田竜光

【ONE FN23】マイスター和田竜光。首相撲&クリンチ、名人芸MMAでシェ・ウェイから3‐0の判定勝ち

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
Def.3-0
シェ・ウェイ(中国)

ジャブから右をシェ・ウェイが当て、いきなり和田が尻餅をつかされる。シェ・ウェイは右カーフを蹴り、ワンツーへ。和田はボディを返すと、クリンチからアッパーを入れる。左リードフック、右オーバーハンドを伸ばすシェ・ウェイ、続くカーフを和田はチェックしてダーティボクシングへ。そのままクリンチでコーナーにシェ・ウェイを押し込んだ和田だが、回ったシェ・ウェイが打撃の間合いに戻る。スイッチして左インローのシェ・ウェイだが、和田は右フックをヒットさせる。

さらに左ジャブを当てた和田。クリンチ、さらにその距離で打撃を交換した両者は、やや離れるが近い距離で神経戦のようなパンチ、蹴りの交換を繰り広げる。ワンツーの右を入れた和田は、続くクリンチからショートで姿勢を乱したシェ・ウェイを足払いで倒す。勢いのあるパウンドを落とし、立ってきたシェ・ウェイをコーナーに詰めて和田は初回を戦い終えた、

2R、和田は左リードフックから左ジャブ、そして右を当てる。シェ・ウェイのパンチをヘッドムーブでかわし、右ショート、右ミドルと和田が精度の高い攻撃を続ける。クリンチから離れて右フック、直後にクリンチで右エルボーを入れた和田に対し、シェ・ウェイはヒザをボディに突き刺す。和田はコーナーにシェ・ウェイを詰めると、腿にヒザを入れる。さらに腹に入れ、離れたシェ・ウェイに右フックからジャブを打っていく。

シェ・ウェイのミドルをブロックし、ボディを返した和田はクリンチアッパー。シェ・ウェイも右エルボーを返す。残り100秒、和田は小外刈りでテイクダウンを決めると、シェ・ウェイの表情が曇る。ワキ腹を殴り、腰を上げてパスの圧を掛ける和田。レフェリーが両者を中央に戻す。シェ・ウェイの腕十字を察知した和田が内側からエルボー、そして鉄槌を落とす。シェ・ウェイも下から殴るが、和田はトップのままラウンド終了を迎えた。

最終回、サッカーパンチ気味に右を当てた和田は左ボディを食らっても前に出る。首相撲でヒザのシェ・ウェイ、和田はエルボーを思い切り振るう。直後にアッパーを狙った和田は右を差して小外へ。ここはシェ・ウェイが耐えたが、右ショートを入れてコーナーに押し込む。離れたシェ・ウェイに右フックを2発当てると、和田はクリンチへ。ここから首相撲を外して右をヒットさせると、エルボーをガードしテイクダウン狙いに反応し頭が下がったシェ・ウェイの顔面にヒザを突き上げる。

シェ・ウェイはクリンチから離れて左エルボー、和田はボディにヒザ、拳を打ち込む。さらにエルボーを顔面に放つと、和田は右エルボー、ヒザにボディを入れる。ジャブ、右ストレートで前に出る和田が、ボディから顔面を殴る。シェ・ウェイも勢いのある右ショートフックを返すと、左縦ヒジを繰り出す。完全なドッグファイト、頭がぶつかる首相撲、クリンチ合戦、そしてダーティボクシングから最後の10秒は両者が離れる。

シェ・ウェイが思い切りオーバーハンドを振るい、距離を取った和田に跳びヒザを狙う。外して右を放った和田は試合が終わると、コーナーに上るシェ・ウェイとは対照的に勝利のアピールはなし。落ち着いた表情で判定勝ちのコールを受け、ようやく和田は笑顔を見せた。これこそ、職人芸MMAといわんとばかり――MMAマイスター和田が最高に味わい深い戦いを15分間披露した。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 ジェレミー・ミアド 箕輪ひろば

【ONE FN23】箕輪が初回のダウンを跳ね返し、ミアドをコントロールしてスプリット判定勝ち

【写真】スプリットになる理由が分からないほど箕輪が攻め切った(C)ONE

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
Def.3-0
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

サークリングする箕輪が左インローを蹴ると、ミアドが『来い、来い』と挑発する。箕輪は左右のステップからダブルレッグで組んだ。ロープに押し込まれながらスプロールしたミアドが、右に回って離れる。リング中央で左フックを当てたミアドは、打ち合いで箕輪のアゴを跳ね上げた。箕輪も打ち合いに応じるも、ミアドの右を受けてダウンしてしまう。ミアドは追撃のヒザを狙ったが、すぐに立ち上がった箕輪が組んで、ミアドをロープに押し込んだ。ここでミアドがロープを掴んだとして、イエローカードが提示される。

再開後、箕輪がボディロックからグラウンドに持ち込むも、立ち上がったミアドがバックに回る。離れた箕輪は距離を詰めていく。左目付近に腫れが見られる箕輪だが、ダブルレッグでミアドに尻もちを着かせた。そのまま背中まで着かせるものの、スクランブルからトップを奪われてしまう。箕輪もスクランブルに持ち込むが、ミアドが左腕を差し上げてスプロールする。なおもシングルレッグで押し込んでいく箕輪は、再びミアドに背中を着かせた。ロープから頭を乗せたミアドに対し、パスした箕輪。しかしミアドが頭をロープ外に出しているため、パンチを打ち込めずに終わる。

2R、リング中央からサークリングする箕輪。箕輪の右カーフにミアドが左フックを合わせる。パンチで下がらせてからシングルレッグで組んだ箕輪が、背中を着かせてパスする。レフェリーはミアドの頭がロープ外に出ないよう、ドントムーブでリング中央に向けた。スクランブルからガブった箕輪が右ヒザを突き刺し、さらにシングルレッグで押し込んでいく。箕輪はシングルレッグ、ダブルレッグ、ガブりからのヒザと切り替えながら攻め込んでいく。

スプロールしたミアドが立ち上がり、箕輪をコーナーに押し込む。切り返した箕輪は、離れたミアドを追いかける。疲労が見られる両者だが、箕輪が打ち合いからダブルレッグで押し込んだ。シングルレッグ、ボディロックと揺さぶっていく箕輪は、小外刈りでグラウンドへ。細かくパウンドと鉄槌を連打すると、やはりミアドが頭をロープ外に出す。再びレフェリーがミアドの頭をリング中央に向け、箕輪が連打していった。

最終回、ミアドが左ジャブを突く。頭を振って前に出る箕輪が右を当てた。さらに左フックでミアドのマウスピースを吹っ飛ばした箕輪がダブルレッグで組む。背中を着かせた箕輪はパスして、サイドからパンチを落としていく。上半身を起こそうとしたミアドを抑え込む箕輪。ミアドは右腕を差し上げて、エビからガードに戻した。一度立ち上がった箕輪は、ミアドの足を捌いて逆サイドに回る。

Zハーフのミアドの顔面に鉄槌を落とす箕輪は、ミアドがロープ際まで下がるとマウントへ。しっかり抑え込みながら右ヒジを落とす。ミアドはハーフに戻し、右腕を差し上げてリバーサルを狙ったが、箕輪顔面にヒザを打ち込んで起き上がらせない。明らかに嫌がる表情を浮かべているミアドに、箕輪がサイドからパンチとヒザを叩き込み続ける。残り10秒でミアドが立ち上がるも、箕輪がロープに押し込んでいった。

裁定は箕輪がスプリットながら判定勝利を収め、連敗を脱した。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 オマル・ログログ・ケニ キック ブシェ・ケチャップ

【ONE FN23】マリキン戦を控えるケニがキックルールでセネガル相撲対決を制す――ケチャップを1RKO

<キック・ヘビー級/3分3R>
オマル・ログログ・ケニ(セネガル)
Def.1R2分8秒 by KO
ブシェ・ケチャップ(セネガル)

11月にアナトリー・マリキンが持つONE世界ヘビー級王座(MMA)に挑戦するケニがキックルールで参戦。同胞で自らと同じセネガル相撲出身のケチャップと対戦した。ケチャップがいきなり大振りのパンチから組み付き、レフェリーに注意を受ける。再開後、ケニが距離を取ってジャブを突く。ケチャップは再びパンチで殴り掛かっていくが、ケニは落ち着いて距離を取る。ケチャップは振り下ろすような右のパンチとアッパー。ケニが右ハイキックを蹴って、突っ込むケチャップに左を合わせてダウンを奪う。ケチャップが立ち上がると、ケニは前蹴り。サウスポーにスイッチしたケニが左ハイを蹴って左ストレート、右フックから返しの左でケチャップを大の字にして、KO勝利を収めた。


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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN23 ジェレミー・ミアド ブログ 箕輪ひろば

【ONE FN23】脱・連敗。ミアド戦へ、箕輪ひろば「逃げるような立ち振る舞いはもうしたくない」

【写真】今回の部屋は角部屋、ドアをあけて角があり──幅がほぼベットの長さ。まさにカド番。ここから脱さなければ (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FN23「Ok vs Rasulov」に箕輪ひろばが出場し、ジェレミー・ミアドと対戦する。
Text by Manabu Takashima

リト・アディワン、元世界王者のアレックス・シウバに勝利してスタートを切った箕輪のONEでのキャリアだが、その後は3連敗と苦戦を強いられている。

動きは悪くない。しかし、試合中に急所蹴りや頭突きを食らう。そしてリズムが乱れ、集中力も下がる。そんな2試合が続いたことで、箕輪のメンタルが変わった。さらにいえば9年5カ月振りの復帰戦を戦った──背中を追い続けてきた山上幹臣のTKO負けを見て、自身の立ち位置を再確認できた。

小賢しくMMAをしないこと。全力投球、気落ちで負けない箕輪ひろばが、ミアド戦で戻って来る──のか。


MMAの可能性を広げないといけない

ZOOMが繋がった時の背景は宇宙──。どこかで見た覚えがある画に、箕輪は「何これ? 背景けします」と懸命だった(笑)

──試合発表があった時は、ここでジェレミー・ミアドなのかと思ったのは事実でした。山北渓人選手に負けたばかりの相手かと。ただ……。

「そうなんですよね。互いに3連敗同士だし、向うがそうでなくても僕が3連敗している時点で対戦相手云々は何も言えないです。妥当なマッチメイクだと思っています。僕、ランカー以外と戦ったことがなかったんです。

だからこそ、差はハッキリさせないといけないと思っています。前回の試合の時も言っていたんですけど」

──ジャレッド・ブルックス、ボカン・マスンヤネ、グスタボ・バラルトとレスリング……特に後者2人は徹底してレスリング+打撃というファイターだったのが、今回はボクサー&寝技のミアドです。この辺りで、戦い方が変わってくるということはありますか。

「ここ3試合、レスリングがあったのでテイクダウンされないように……やられないようというゲームプランでした。それが良くなかった。だからスタンドでも殴って、テイクダウンしてもパウンド、一本とフィニッシュを狙っていきます。

やられなければ良いというのとは、わけが違う。その辺りの考えは改めました。勝ちに行く姿勢よりも、リスク回避をしていて。結果、チャンスから生まれなかった。それが現実なので、リスクを背負っても勝負をしないといけないです」

──ボクサーに対して、リスクのある攻撃とは?

「今までの僕だと、相手がストライカーだとテイクダウンをして一本を取りに行くことを主眼としていたはずです。でも3連敗をして、特にここ2試合ですね。ボカンとバラルトと戦って相手の得意なところを消して戦うことが、ベストの選択なのかと。MMAファイターである以上、MMAレスリングで対抗できないといけない。それが本当の意味で、総合力で勝つということだろうと思うようになりました。

MMAになったら、五輪レスラーともレスリングはできる。それも感じました。相手のバックボーンとやり合わないのは、MMAとしてはないと。ただ、強力なバックボーンがあることは確かで。そこに無策で挑んでもしょうがない。でも、逃げるような立ち振る舞いはもうしたくないと思っています」

──ミアドと打撃を交換しないのもMMA。ミアドとボクシングをするのもMMAです。

「言葉にするのは難しいですけど、とにかく逃げるようなゲームプランにはしたくない。ひたすらテイクダウンを狙い続けるような展開でない方が、勝ちやすい。僕が殴るという風に思わせた方がテイクダウンも入れる。そうなると、逆に打撃も当たる。寝技に思い切り振るのもありですが、そうするとKO勝ちという勝ち方を捨てることになります。そうなってしまうと、MMAではない。

僕は修斗をずっとやってきたことで、打撃からテイクダウン、寝技で一本という固定概念を持っていました。でも、それだけじゃない。打撃でKOをすることもそう、レスリングでドミネイトをすることもそう。パウンドアウトも一本も、なんでもできてMMAの可能性を広げないといけない」

──狭まっているより、広がっている方が何かと対処できますしね。相手の攻撃に対して。

「まぁ、勝つしかないですよ。リト・アディワンやアレックス・シウバに勝って、ちょっとMMAとは……なんて考える風になってしまっていたんです。シウバと戦った時は、彼の得意なグラウンドでどんどん戦っていたし、アディワンの時もパンチの交換ということではないですけど、相手の土俵で戦っていました。

彼が打てないところにいて、我慢できないで出てくるように仕向けてテイクダウンを仕掛けるとか。逃げたり、避けたりするんじゃなくて。そういう戦いが、ここ2試合はできなくなっていた。上手く戦おうとして、リスク回避をする。でも、それじゃ勝てないという結論がでました。

なら、バカになって勝てば良い。あの頃のように。MMA IQ──打倒極の偏差値って、一つを上げれば合計点は上がる。そのなかで全体的に上げる、その大切さを再確認しました」

山上さんが現役に戻って来たのだから、俺が引っ張らないと

──そんななか背中を追いかけてきた山上幹臣選手が、復帰戦でTKO負けを喫しました。あの試合は、何か精神的な部分で影響はありましたか。

「僕は……引退したら、復帰はしないです」

──アハハハハ。

「僕が1月に負けて、山上さんは『俺の背中を見とけ』という気持ちだったと思います。で、僕の7月に繋げると。でも山上さんの試合結果を見て、今は僕が山上さんを奮い立たせないといけないって感じるようになりました。

憧れの人で追いかけ続けていたけど……本当に強かったから。今だから余計に分かると思うんですよ、当時のMMAファイターがキックのチャンピオンとやり合えるとか、凄まじいですよ。体調がピークだった時なら、絶対に韓国でも負けていなかった。だいたいヘルニアが酷い状態でマモルさんと戦っても、一発も貰ってないんですよ。まぁ、僕も山上さんもローブローに弱いですけど(笑)」

──ハハハハ。しかし、箕輪選手はやはり山上選手への憧れは絶対ですね。

「でも、いつまでもそれじゃあダメなんです。山上さんが現役に戻って来たのだから、俺が引っ張らないと。山上さんの背中を追いかけているのではなくて、自分で自分の道を走らないといけない。そうすること山上さんがやる気になってくれることこそ、本当の意味で良い関係だと思います」

──その通りですね。では改めて、必勝のミアド戦に向けて一言お願いします。

「これまでの僕だと、確実に勝ちに行っていたと思います。きっと、こういう機会でも『最低でも勝ちに行きます』なんて言っていたはずです。でも、最低でも勝ちなんて言っているヤツは勝てないですよ。

完全決着を狙って、フィニッシュ。最高で完全決着……というか、最高の結果しか考えないです。最低でもなんて口にするだけで、落としどころを求めているということなので。フィニッシュができる人間は、『できないから固めておこう』とは思わないです。絶対に。フィニッシュして勝っているヤツのメンタルはそうじゃない。フィニッシュできなくても、最後まで終わらせようとしている。そういう選手は殴られても、突っ込んできます。

僕は器用な選手じゃないです。それなのに最近は、器用ぶっていました。そんなヤツが、小賢しくリスク回避とか考えていた。そうじゃなくて、フィニッシュを狙ってMMAを戦う。そういう風に今は思っています。

何より……ここで勝って……。今回は角部屋を用意されたので……そうじゃない普通の部屋に戻れるように絶対に勝ちます」

■放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE Fight Night23対戦カード

<ONEライト級暫定王座決定戦/5分5R>
オク・レユン(韓国)
アリベグ・ラスロフ(トルコ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ニコ・カリーロ(英国)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング186ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
ジョセフ・チェン(ドイツ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
バンパラバムパラ・クヤテ(フランス)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
シェ・ウェイ(中国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アリ・サルドエフ(ロシア)
ブラック・パンサー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
エリス・バルボーサ(英国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
オマル・ログログ・ケニ(セネガル)
ブシェ・ケチャップ(セネガル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アレクセイ・バリカ(ロシア)
ステファン・コロディ(アイルランド)

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【ONE FN23】タイ・ルオトロ戦へ、ジョセフ・チェン「完璧な技術より、確実な技術が重要に」

【写真】なぜ、19歳でここまで理路整然としているのか。データと実戦に戻づいた強さ、ルオトロ兄弟はそこに発想の自由さがある。本当に楽しみにな一戦だ (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FN23「Ok vs Rasulov」で、ジェセフ・チェンがタイ・ルオトロと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ONEサブミッショングラップリング世界ウェルター級王者にして、グラップリング界最高のアイドルといっても過言でない21歳のタイに、19歳のジョセフが挑む。

この一戦の僅か2週間前の時点でジョセフはWNOではADCC米国東海岸予選77キロ級優勝のアライジャ―・ドーシーをRNCで下し、他の大会でアンディ・ヴァレラに勝利している。そのジョセフ、ADCC欧州&アフリカ一次予選の77キロ級を制しているが、世界大会でなくB-TEAMの盟友であるクレイグ・ジョーンズ率いるCraig Jones Invitational出場を選択した。

組み技ファン垂涎のタイ×ジョセフだが、当のジョセフにとってはこの試合も結果が全ての勝負の時に向けてのプロローグ──。そう割り切ることができるからジョセフとの戦いだからこそ、タイにとってもONEで初めて苦戦する可能性が生まれてくる。


あのダイナミックな動きこそルオトロ兄弟の持ち味

――ジョセフ、今もまだオースチンなのですか(※取材は6月29日に行われた。

「明日、テキサスをでるよ。香港経由でタイまで、24時間のフライトが待っているんだ(笑)」

──おお……それは大変です。タイ・ルオトロとの戦いが迫っていますが、直近でも試合に出て続けていますね。

「先週の木曜日にWNOではアライジャ―・ドーシー、日曜日にアンディ・ヴァレラと戦ったよ」

──WNOの方は映像をチェックさせていただきました。ADCC米国東海岸予選77キロ級優勝者を相手に、見事な大内刈りからパス、そしてワンアームからRNグリップを組んでチョークで一本勝ち。でも、その3日後にもう1試合戦っていたとは……。

「メインキャラクター柔術っていうローカルショーに出て、ウェルター級のベルトを賭けて戦ったんだ。ポイント勝利だけどベルトを巻いたよ」

──それはおめでとうございます。

「ありがとう。予行演習を兼ねた実戦もこなし、しっかりとB-TEAMで練習もできているし、凄く調子は良いよ。技術的なことを磨くだけでなく、ハイペースで戦うことにも重点を置いてきた」

──仮想タイとなる練習相手は、B-TEAMでもなかなかいないのではないかと思ってしまうのですが……。

「そんなことはないよ。チームではハイペースの練習をしてきたんだ。タイはスピードがあって、凄くアグレッシブな柔術家だから。ダースもそうだし、肩固めも本当に強い。そこの対策もB-TEAMでしっかりとできているよ。タイの試合運びにも十分に対応できるはずだよ」

──タイもケイドも、あれだけ積極的なのにミスがないように見えます。ただしONEでのルオトロ兄弟は、観客にグラップリングの面白さを見せるために、必要以上に動くというか。そこまでしないで良いだろうというぐらい動いています。

「アハハハハ。それでミスをしてくれることを願っているよ(笑)。でも、あのダイナミックな動きこそルオトロ兄弟の持ち味で、それこそリスクのある攻撃をしている。それは本当に防御能力が高いから可能になるんだ。

下になっても、ずっと攻めているからね。そうだね、そういう展開になってミスがあれば良いけど、とにかくディフェンスも固いから。ルオトロ今日は受けに回っても、本当に強い」

──日本のグラップリングファンは、今もProgressルールでの森戸新士選手との試合。そしてQuintetで見せた動きを忘れていないです。パスの強さ、トップゲームの的確さが特に印象残っています。あの頃と比較して、今のジョセフはどこか一番進化しているのでしょうか。

「あの頃と比べると、レスリングは相当に伸びたと思う。以前は引き込んでガードゲーム、Kカードなんかと多用していた。でも、今はレスリングの組手が強くなり、あの頃よりも全然クリンチが得意になった。

タイは基本的にトップゲームを仕掛けてくるだろう。いずれにせよ、トップもボトムもしっかりと練習を重ねてきた。試合になっても、その時の判断で上でも下でも戦うつもりさ」

──ではリングでの戦いというのは?

「リングで試合をするのは始めてだし、リングを使った練習はしたことがあっても、普段からやってきたことではない。でも90度のコーナーがある戦いがどうなるのか、楽しみだよ(笑)。

ロープがあることで、どのような展開になるのか。リングでの試合が僕にとって最高の戦いやすい環境になる必要はないし、どんどん動き回るつもりだよ。でもルンピニーで戦うことも、とても興味深い」

──グラップリングの超新星もルンピニーに想い入れがあるのですか。

「うん? ないよ。ムエタイのメッカで、僕が戦ことが面白なって思っているだけで(笑)。でも歴史のある有名な会場だから、戦えて光栄だよ」

精度の高い動きで、非効率的にならないよう

──なるほど。ところで84キロという契約体重は、77キロ以下で戦うことが多いジョセフにとっては重くはないですか。

「最初はもっと軽い体重で話は進んでいたんだ。たしか80キロとか81キロで。そうしたら急に86キロになるって話が変わって。ノーノ―(笑)。それだと重すぎるから、83キロでは──とか、色々をあった。その結果、84キロになったんだ。

今もそうだけど、僕は普段から82キロだから通常体重で戦うことになるね。僕の柔術をタイにぶつけたい。ルオトロ兄弟ほど派手に動き回ることはないかもしれないけど、精度の高い動きで、非効率的にならないように戦う僕のスタイルを貫きたいね。

戦術的にはパーフェクトなテクニックが重要になってくるのではなくて、絶対的に確実な技術が重要になってくる。それこそが、最高レベルの相手と戦う時に必要なことだから」

──タイとの試合は楽しみでならないですが、8月にADCCでなくCJIを選択した理由を尋ねても構いませんか。

「理由はいくつかある。もちろん、マネーもその一つだ。そしてCJIが何をしようとしているのか。そこに関心があった。柔術の試合に出て、出場するだけで1万ドルが支払われる。こんなに素晴らしいことはない。そして、多額の資金がグラップリングに投入され、アスリートにも回って来る。そんな背景があるトーナメントだから、心が搔き立てられるよね」

──意義のある大会に出場すると。

「ADCCは1990年代から、優勝賞金が変わっていない。しかも貨幣価値は変わっているんだから、事実上の減額だよ。クレイグは出場費を払うことで、グラップリングの規模の拡張にトライしている。

それにクレイグはYouTubeでの無料配信を決めた。よって、より多くの人がグラップリングのトーナメントを視聴することになるに違いない。彼は他にないグラップリングのトーナメントを開こうとしている。Flo Grapplingはグラップリングの発展に大いに役立ってくれたけど、ファンを増やすという点において、無料配信は大きいよ。

プレーはしないけど、ただグラップリングを見るだけのファンがこのスポーツが大きくなるために欠かせないんだ。見る人が増えること。それがグラップリングの発展に欠かせないことだから」

──盟友の岩本健汰選手を始め、ADCCに残る選手もいます。

「ケンタは僕の上の部屋に寝泊まりしているんだ(笑)。まだ朝の8時過ぎだから、きっと寝ているね。本当にテイクダウンとスクランブルが強くて。ケンタは僕にとって最高のトレーニング・パートナーだよ。

ケンタがADCCに残ることは理解できる。僕も悩んだし、両方の良さが分かっているから。だからCJIの80キロ以下級も、ADCCの77キロ級も良いメンバーが集めっているんだ。どちらもハードなトーナメントになることは間違いない。

前回のADCCウィナーのケイド・ルオトロはCJIに出る。ただし準優勝のミカ・ガルバォン、3位のダンテ・リオンはADCCに出場する。出場選手のアベレージはCJIの方が高いだろう。でも頂点はとても似通っている。

ケンタがADCCに出ることで、僕的には彼と戦う可能性がゼロになった。そこは気が楽だよ。これは凄く個人的なことだけど、ケンタは必ずやってくれる。それが楽しみで。WNOのミカ・ガルバォン戦を見る限り、ケンタが世界のトップにあることは間違いからね。

ファンの立場からすると金曜日はCJI、土曜日は見たい試合をピックして視聴する。日曜日はADCCと、最高の試合を3日連続で楽しむことができるし、良いことじゃないかなって。ライブで観戦するにしても、会場は車で7分しか離れてないしね」

クレイグが動いたことで、過去には見られなかった変化が、既に起こっている

──いやジョセフ、そこに関していうと77キロの真の世界一は2024年には生まれないことになります。結果、どこかでADCCウィナーとCJIウィナーの戦いが組まれそうですが。

「う~ん、クレイグが同じ週末にCJIをぶつけたのは、ADCCに異議を唱えているということなんだ。ADCCという組織が、これでどう変わっていくのか。このままADCCの独占状態だったら、選手の待遇はずっと変わらないだろう?」

──我々のなかで、グラップリング競技で食べていくことは難しいという風に固定概念になっていたことを、クレイグは崩そうとしているのですね。

「そうなんだよ。クレイグが動いたことで、ADCCは出場費として2500ドルを選手に支払うことを決めた。過去には見られなかった変化が、既に起こっている。このスポーツにとって、素晴らしいことだよ。

これまで世界トップのグラップラーが試合をするのに出場費が支払われないばかりか、参加費を払う必要があったんだ。そうでなくショーペイがあるなら、選手は大歓迎さ。僕は、この方向にこのグラップリングが進んで欲しいと願ってやまないよ」

──純粋にアスリートとして、CJIで戦っておきたい相手は誰になりますか。

「う~ん、そうだなぁ……PJ・バーチとダンテ・リオンはADCCに残ったし──そうだねっ、アンドリュー・タケットとは戦いたいと思っている。彼とは1勝1敗で……まぁCJIに限らず、アンドリューとはこれから何度も顔を合わせることになるだろう」

──タイとONEで戦うという経験が、CJIで戦う時に武器になると考えていますか。

「そうなって欲しいね。僕は試合によってプライオリティが違う。勝つことが大切な試合と、そこで経験を積むことを重視している試合があるんだ。勝つことが絶対的な目標なのはADCCであり、今回はCJIなんだ。そのために、どれだけ自分を仕上げることができるか。ADCCはトーナメントに勝って、スーパーファイトで戦う。それが一番価値のあることだから、そこを目指していて。

ONEでタイと戦うことで、凄く確かな情報が僕に入ってくる。結果、CJIで最高の動きができるようになるはずだから」

──今回の試合の位置づけもそこなのですね。ところでONEで戦うと、ADCCやCJI以外の試合に出られなくなるのでは?

「ONEとの契約に関しては、本当に慎重に判断をした。だから1試合契約で、ノンタイトル戦なんだ。チャンピオンになると契約が延長されるから。その結果のキャッチウェイト戦だし。そこはクレイグを始め、色んな人が進言してくれたよ」

──ではCJI後にまたジョセフの雄姿が日本で見られるかもしれないですね。

「本当は柔術のアジアオープンに出たかった。来年のアジアには出場するつもりだ。それにProgress、あのケージで戦うグラップリングはルールやポイント制も凄く楽しかった。僕はいつだって、日本を訪れたいという気持ちでいる。試合に出るかどうか分からないけど、ケンタと練習するためにも年内にはまた日本を訪ねたい」

■放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE Fight Night23対戦カード

<ONEライト級暫定王座決定戦/5分5R>
オク・レユン(韓国)
アリベグ・ラスロフ(トルコ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ニコ・カリーロ(英国)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング186ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
ジョセフ・チェン(ドイツ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
バンパラバムパラ・クヤテ(フランス)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
シェ・ウェイ(中国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アリ・サルドエフ(ロシア)
ブラック・パンサー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
エリス・バルボーサ(英国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
オマル・ログログ・ケニ(セネガル)
ブシェ・ケチャップ(セネガル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アレクセイ・バリカ(ロシア)
ステファン・コロディ(アイルランド)

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【ONE FN23】ワン・シェ戦前、和田竜光&岡田遼対談─02─「踏ん張るとヒザも危ないし、首も…」(和田)

【写真】今回の対談のために千葉から愛車をドライブして、和田の地元=都内有数のハイソな住宅街までやってきてくれた岡田。多謝(C)MMAPLANET

明後日6日(土・現地時間)にONE FN23「Ok vs Rasulov」にシェ・ウェイと対戦する和田竜光と岡田遼の対談後編。1年4カ月振りの実戦復帰となる和田が、平良達郎の勝利で世界中に広まったオタツロックについて、岡田と深掘りトークを引き続き繰り広げてくれる。
Text by Manabu Takashima

ポジションとしてのオタツロックと派生したオタツイスター。ケガを防ぐために自らの得意技の対処方法まで和田は言及。この懐の深さは、和田のMMAの味わいそのもの。オタツロック=和田竜光でないからこそ、岡田とのオタツロックをテーマとしたMMA談義を楽しんで欲しい。

<和田竜光&岡田遼対談はPart.01はコチラから>


「キネマティクス(運動学)とキネティクス(運動力学)」(岡田遼)

──平良選手の勝利で、オタツロックが一般層に届くような気配です。これまで後藤丈治選手もRIZINで勝って、オタツロックをアピールしていましたし。

和田 あれは1回目に勝った時に、「だめだよ。オタツロックってアピールしないと」って冗談で言ったんですよ(笑)。そうしたら、次の試合にオタツイスターで取って、言ってくれましたね。

岡田 上久保選手も、グラップリング(FNISH10)で石橋(佳大)選手の肋骨を折ったんですよね。1回目に入った時に耐えて、2回目でケガをしたと聞いています。

──かつてのヒール、今のオタツロックですね。

和田 知らない人が受けると危ないですね。ただヒザを狙う技ではなくて、ポジショニングの一つと考えて欲しいです。そこからツイスターが出てきたのは、最近のことで。

岡田 僕が和田さんと練習をしている時には、なかったですしね。

和田 相手が振り向いてきた時に、ツイスターみたいな形になって嫌がった相手からバックを取る。そういう技だったのが、極に発展してきたんです。

岡田 竹中(大地)選手が和田さんと戦った時に、必死に胸を合わそうとして。でも、振り向けなかったですよね。

和田 もともと振り向き辛い技なんですけど、オタツイスターがあるからなおさら胸を合わせることができなくなってきました。フィニッシュに繋がるようになっているので。ポジションコントロールの技術から、一本が取られるように自分のなかでも進化をさせてきて。

そこで上久保が使いだして。僕よりも効果的に使っています(笑)。RIZINのなかでも、その形がでると解説の人も言及してくれるようになって。「もっと言ってくれぇ」って思いながら視ています(笑)。

岡田 達郎はもともとバックキープが好きで、上手くて。両足フックからオタツロックを使うようになって。ところで……実はTHE BLACKBELT JAPANって、練習でカニバサミは禁止なんです。

和田 危ないからね。

岡田 スポーツ生理学にいうと、キネマティクス(運動学)とキネティクス(運動力学)というものがあって。キネマティクスは動作の見た目で、キネティクスは動作の内側で起こっている力の作用をいいます。

──ハイ。

岡田 キネマティクスでいえばオタツロックとカニバサミは違います。でもキネティクスでは同じなんです。前額面上にヒザに圧力をかけると、ACLが断絶しやすいです。関節の危ない角度をシアーロードと言いますが、足関節もこのシアーロードが創られて極められています。

ヒールを取った時、相手が足を真っ直ぐに延ばすと極まらないじゃないですか。

和田 うんうん。

岡田 必ず少し曲げて、角度をつける。あの角度で横から圧力をかけると、パチンとヒザの内側でACLが壊れてしまいます。キネティクスでいうとスタンドのオタツロックで外側から煽って、横ベクトルで圧力をかけると──それはカニバサミやヒールと同じで、切れてしまうんですよ。

ペレス戦の達郎は一、スタンドのオタツロックで相手が抵抗しないで倒れる。二、スタンドでチョークを取る。三というか、ヒザが壊れることもある。それぐらいの考えでやっていました。

「背中に乗られたら、寝た方が絶対に良い」(和田竜光)

和田 スタンドでバックを取っていると、首も取りやすいです。だから背中に乗られたら、寝た方が絶対に良い。自分のケガも防止もそうだし、絞められないための対処としても。オタツロックは踏ん張っちゃうとヒザも危ないし、首も取られやすくなります。

──構わないのですか、それをここで公表してしまっても。

和田 分かっていなくて練習をすると、ケガしちゃいますから。それだけは避けて欲しくて。本当にこの技のメカニズムを分かって、特に練習では掛ける方も掛けられる方も対処してほしいです。

岡田 いうとペレスも知らなかったのだと思います。踏ん張らないことです。

和田 さっきも言いましたが、DJは倒れて本当にうまく対処をしてきました。体の捩じりが強くて、ブリッジをする選手にはスパッと取れることがあります。竹中選手がそういうたタイプで。練習でも祐弥やノリピー(田中路教)とかは、捻ってブリッジだから取れちゃうことがあるんです。

でも、DJにはちゃんと胸を合わされました。今、映像を見ても理由は分からないです。なぜ、あんな風に抜かれたのか。オタツイスターを掛けるタイミングもあったけど、察知されました。DJだって仕掛けられたのは初めてのはずなのに……。実際、餌を蒔いてそうなるように仕向けていたんですけど。

DJが動けるだけの力の入れ方をしていたんです。敢えて緩めて、動かせてツイスターに入れるように。それで僕は何百回とスパーリングで極めてきたので。でも、DJは全くそっちに動かなかったです。

──それはキネマティク的、キネマティクス的に分かるのですか(笑)。

岡田 いや、一切分からないです(笑)。本当にその理由が知りたいです。

和田 だからDJと戦って、良い場面も創れたけど全然やられちゃって。逆に嬉しかったです。やっぱりDJは凄いなって思えて。掌の上で回されて、もう清々しかったほどで。

──痺れますね。 

和田 DJとやって、もう特別に戦いたい相手っていないっていのは、そういうことなんです。強い選手はいるし、好きな選手もいるけど──そういう気持ちなんです。もう、やりたいヤツっていないんです。DJ以外なら、フライ級で戦っていた時の(ヘンリー)セフード、それと今はフライ級の堀口(恭司)君ぐらい……触ってみたい相手は。

──もう納得です。

「僕はカーフだって、和田さんに教えてもらいました」(岡田遼)

和田 なんで、今はONEから用意された相手を倒す。そしてチャンピオンを目指す。誰と戦いたいといことではなくて、目指しているのはONEのベルトです。

──その用意された相手がシェ・ウェイ戦だと。いやぁ、この話を聞くと余計に楽しみですね。では改めて岡田選手、和田選手の次の試合で何を期待しますか。

岡田 カーフキックで、KOですね(笑)。

──そっちですか。

岡田 いや今回、和田さんはオタツロックで注目されたかもしれないけど、こんなにMMAができるウェルラウンダーの選手はいないんです。MMAだからこそという動きができる。僕はカーフだって、和田さんに教えてもらいましたから。

和田 ありがとう(笑)。あと、俺も岡田君に訊きたかったことがあって。

岡田 えっ。ハイ、何でしょうか。

和田 あのう……手塚(裕之)選手と仲が良いでしょ?

岡田 ハイ……。

和田 最近、どうしちゃったのかなぁって。

岡田 あっ、Xですか(笑)。

和田 そうなんだよ。どういうことなのかって。

岡田 それはですね──。

──スミマセン。そこからはプライベートな話ということで(笑)。今日は本当に貴重な話をありがとうございました。

■放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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