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【NEXUS36】横山武司に挑戦、岸野JUSTICE紘樹「格闘技は、社会との接点を持ち続ける唯一の場所」

【写真】それぞれの格闘技、格闘家としての生活。素敵な格闘技観だ (C)SHOJIRO KAMEIKE

25日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われNEXUS36にて、ライト級王者の岸野JUSTICE紘樹が横山武司の持つ同フェザー級王座に挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月にジェイク・ウィルキンスとの王座決定戦を制し、ライト級のベルトを獲得した岸野は今年2月の村井和道戦=フェザー級次期挑戦者決定戦で勝利し、今回のフェザー級王座挑戦に至っている。

岸野のプロデビューは2012年6月、もうMMAキャリアは12年となっている。デビューしてから2014年11月まで勝ち星がなかった岸野が、いかにネクサスのライト級王座まで辿り着いたのか。さらに今回フェザー級のベルトに挑む理由とは――。


ずっと辞めたいと思っているんですよ。それが目標で

――MMAPLANETでは初のインタビューとなります。岸野選手は2012年7月プロデビューで今年30歳になります。ということは高校生の時にプロデビューしたのですか。

「ジムの扉を開いたのが15歳、高校1年生でした。プロデビューが18歳の時なので、ギリギリ高校3年の冬だったかなと思います。当時は水戸に住んでいて、桜井隆多さんのR-BLOODでお世話になっていたんです。その時は梅田恒介さんに面倒を見てもらっていて、『ジャスティス』というリングネームも梅田さんが漫画のキャラクターから付けてくれました」

――なぜ15歳の時にMMAを始めようと思ったのでしょうか。

「中学の時は柔道とレスリングをやっていました。それまでは特にスポーツに興味があったわけではなく、小学生の時は学校から帰ってきて、ポテトチップスを食べてテレビゲームをして1日を終える生活でした」

――アクティブとは言えなかったのですね。(笑)。

「ハイ。でもウチの中学校は皆が部活に入るような感じで、父親からは『紘樹はモヤシみたいな体格だし、運動部に入っておけ』と言われました。僕は球技ができなくて、柔道のほうが良いかなぁと思ったんです。ただ柔道もレスリングも結果はふるわず、納得がいかなかったというか……。『この試合は勝っていたんじゃないか』、『ここで勝っていたら高校の推薦も決まったんじゃないか』と思ったり、やりきった感がありませんでした。

進学した高校には柔道部がなく、他にやりたい部活もなかったので、格闘技のジムに入りました。そこでプロ選手になり、ライト級のチャンピオンになろうと」

――ジムに入会した時に、チャンピオンになる階級も決めていたのですか。

「当時はDREAMのライト級GPを観ていて、自分も体重が同じくらいだし、ライト級でチャンピオンになりたいと思ったんです」

――プロデビュー後、1分けを挟んで5連敗。初勝利は2014年11月と苦しい時期が続きました。

「苦しい時期でしたね。当時はいろんなMMA大会が始まって、セミプロみたいな選手へのオファーが増えた時期でもあったんです。そこでうまくプロデビューできたような感じですね。しっかりアマチュアで経験を積んだわけでもないので、最初の頃は戦績もふるわない時期が長く続きました」

――序盤でMMAを続けることを諦めてもおかしくないレコードだったと思います。

「MMAを辞めようとは思わなかったです。ただ『すぐに勝てる世界ではないんだなぁ』と――誤算やナメていた部分があったのは事実です。体も出来ていなくて、怪我もありましたし。怪我のために辞めようと考えることもありましたけど、勝てないから辞めようとは思わなかったですね。柔道とレスリングをやっていた頃と同じですけど、MMAでも『この試合は勝っていただろう。ここで勝っていたら流れも変わったんじゃないか』と思う試合があったりして」

――同じように自分の中で納得がいっていない。だから辞めるわけにはいかないという気持ちもあったのですか。

「はい。高校卒業後、専門学校に進んで社会人になる時に一度、区切りをつけようとは思いました。2014年11月のTTF Challenge03で勝って『もういいかな』と思っていたんですけど、ネクサスの山田さんにお願いして、また試合に出るようになりました。上京してからはトイカツ道場に入って、今に至ります」

――その後、2016年から徐々に勝ち星が増えていきます。岸野選手の中で何か大きな変化があったのでしょうか。

「……何もないですね(苦笑)。ちょっと時間の背景が戻ってしまいますけど、専門学校を留年して、もう1年あるからMMAをやろうかと思っていた時期です」

――ということは、社会人になったらMMAを辞めようと……。

「思っていないですよ。逆です」

――えっ!? 逆ということは、就職したくなかったということでしょうか。

「専業格闘家を目指していたので、就職したくなかったです(笑)。勝てるようになったのは――デビュー当時に黒星から引き分けるところまで持っていくことができて、ちょっと実力を出せるようになってきたかなと思っていたんですよ。どう戦えば評価されるのか、それが分かるまで10試合ぐらい掛かって。

基本的にはずっと同じことをやっています。負けていたら何か変えようとする選手が多いと思いますけど、僕の場合は逆にどんどんシンプルになって、今はほとんどスパーリングしかしていません」

――なるほど。そこからDEEP、韓国TOP FC、そしてZSTに出場します。この頃も「ライト級チャンピオンになる」という目標は同じですか。

「その時は、さすがにそうは思っていなかったですかね。そうですね……うん」

――では「ライト級王者になることは難しい」と思った当時のモチベーションは何だったのでしょうか。

「何でしょうね……ずっと辞めたいと思っているんですよ。それが目標で」

――辞めることが目標、とは?

「柔道とレスリングを始めた頃は、しぶしぶ続けていたような感じでした。でも自分が格闘技をやっていなかったら、どうなっていたのか。きっと学校でも端っこのほうにいて、それほど勉強も頑張っていなかったし、どうもなっていなかったと思います。

就職するタイミングでも――口下手で、人とのコミュニケーションも苦手でした。人と関わるのも好きではなかったので、できるだけ人と関わらないような仕事を見つけて……。でもそうして過ごしていると、人と成長する機会も失っていたと思います」

――……。

「僕にとって格闘技は、社会との接点を持ち続ける唯一の場所なんです。だから格闘技は続けたい。そうではなく社会人として一生懸命、仕事をして家庭を持って、自分も周囲も幸せだっていう状態が一番あるべき姿だとは思っています。実際に就職もして、結婚していた時期もありました。だから『もう格闘技はいいんじゃないか』と思う時もありました。

だけど試合に負けた時とかに『この試合だけは勝っておきたかったな』と思ったり。TOP FCに出て何もできずに負けた時も『もう少し頑張って勝って終わりにしたい』とか。『燃え尽きたい』という気持ちで続けている-——続けてしまっているというか」

僕は、ネクサスでキャリアを終えようと思っています。

――ネクサスで目標であったライト級のベルトを巻いた時に、燃え尽きることはできなかったのですか。

「ベルトを獲得して辞めようとは思いました。でもベルトを巻いた人間として、ちゃんと負けてベルトを奪われるまで続けるのが格闘技界のルールじゃないかと思ったんです。自分がベルトを獲って辞めるというのは、自分勝手なことじゃないのかなって」

――……。試合内容も大きく変わってきていると思います。過去の試合では左右のステップからテイクダウンを奪いに行っていたのに対し、ウィルキンス戦と続く村井和道戦は前後のステップも加わっていました。それは打撃のディフェンスが向上したからではないか、と。上半身が突っ立ってアゴが上がりがちだった点も修正されています。

「そこは大きく変わりました。一度KOされて30秒~1分ぐらい意識が戻らなかったことがあるんです。『もう打ち合うのは得策じゃない』と打ち合わないスタイルにシフトしていって、今はスタンドのディフェンスに注力しています。もともと打撃は下手で怖かったけど、今は打撃でも勝負できるぐらいになってきました。特にディフェンスは自信があります」

――ウィルキンス戦では岸野選手も打たれているように見えて、ダメージは少なかったからこそダウン後にフィニッシュできたのでしょうか。

「はい。昔はパーリングやヘッドスリップを使っていましたけど、最近はブロッキングで防げる自信もあります。ブロッキングが一番動きは小さく、遠い距離と近い距離どちらも同じようにディフェンスできるようになったから、戦略の幅が増えました。それが距離の詰め方にも繋がっていると思います」

『横山選手のことをどう思うか』と訊かれても、『どうも思っていない』としか答えられない

――結果、ライト級のベルトを巻くことができました。それが今回、フェザー級に挑むというのは……。

「まず僕は、ネクサスでキャリアを終えようと思っています。ライト級のベルトを獲った時、もっと大きな舞台に行くという考えはありませんでした。まぁ、オファーもなかったんですけど(苦笑)。もともと僕にとってはベルトを獲って他の団体で戦うことよりも、防衛戦のほうがネクサスでやるべき仕事だと思っています。

ただ、僕が防衛戦をやりたくても、今はライト級に挑戦者がいない。そこでどうするか――実は2年ぐらい前から適正階級はフェザー級なんだろうと思っていたので、フェザー級に挑戦してみようかなと。やっぱり二階級制覇って夢があるじゃないですか」

――はい。

「もう一つ、山本空良選手がフェザー級王者になった時のトーナメントに、ライト級から転向して出ようかと悩んでいたんですよ。結局、出ることは叶わなかったけど『あの時もしかしたら自分が優勝できたんじゃないか』と思うこともあって。だから今回のフェザー級挑戦は、あの時に獲りに行かなかったものを獲りに行くという感じなんです」

――柔道&レスリオング時代から『やり残したこと』を追いかけ続けるのも格闘技人生だと思います。そしてライト級のベルトを獲得すると、次はフェザー級への想いがつのる。心の中では、ずっと格闘技を続けたいのではないですか。

「いやぁ、その言葉は聞きたくなかったです(笑)」

――アハハハ!

「僕は今でも辞めたいですよ(笑)。でも続けていくうちに、新しいことができるようになって、新しい目標ができて――それが嬉しいと思うこともあるんです。ただ、自分の中では『当時は手に入れられなかったものを得たい』と考えているだけであって。一通り欲しいものを揃えたら辞めると思います」

――一通りとは?

「フェザー級のベルトを巻いたら、最終的にストロー級まで獲って5階級制覇——というのはどうですか。階級を上げていくのではなく、落としていくという(笑)。たくさんベルトを巻けるからライト級でスタートしたんだなと勝手に考えています」

――勝手に(笑)。次に対戦する横山選手の印象を教えてください。

「ファイターとしては、スパッとしているところですかね。僕はいろいろ思い返して、ゴネゴネして『やるの? やらないの?』『……やります』みたいな感じで生きているわけですよ。でも横山選手はその場その場で判断していそうな感じですよね」

――横山選手の試合を視ていると、そうかもしれません。グラウンドでも一つの動きに執着しすぎることなく、切り替えが速い。

「そういうところは、自分と違って幅があって素敵だなぁと思います。でもそう聞かれると難しいんですよね。『横山選手のことをどう思うか』と訊かれても、『どうも思っていない』としか答えられないんです。自分にとってはフェザー級のベルトを獲る――その相手が横山選手だったというだけで。これは通過点であり、終着点ではないので。

僕としては試合に関して自分を持ち上げたり、相手を貶めるような発言はしません。別にこの試合が、世界最高峰の技術を見せるものだとも思っていませんし。だけどネクサスの中でライト級とフェザー級の王者が戦う。罵り合いを必要とせず、楽しんでもらえる試合になったら嬉しいです」

■視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後12時30分~Fighting NEXUS公式YouTubeチャンネル

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【NEXUS36】小倉卓也を相手にバンタム級王座防衛戦、河村康博「自分が戦うところを盛り上げていけば」

【写真】戦い続けているとリベンジする場所も、相手も多くなる。どのリベンジを選択していくのかも注目 (C)TAKUMI NAKAMURA

25日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われるFighting NEXUS36にて、バンタム級王者の河村康博が小倉卓也と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

NEXUS王者としてRIZINに参戦し、昨年はパンクラスで透暉鷹の持つフェザー級キング・オブ・パンクラスにも挑戦した河村。NEXUSを主戦場に様々な団体で戦う王者が、約1年半ぶりにNEXUSに帰還して3度目の防衛戦に臨む。透暉鷹戦の前には「NEXUSとパンクラスの懸け橋になりたい」と語っていた河村が、NEXUSとして初進出となるニューピアホール大会で戦うことの意味、そして自由度の高いNEXUS王者としての展望を語った。


──昨年12月の透暉鷹戦以来、今年初ファイトがNEXUSの防衛戦となりました。試合間隔が空いたのは何か理由があったのですか。

「特に理由はないんですけど、NEXUSで防衛戦をやることが、だいぶ前から決まっていたんですね。だから次の試合はNEXUSでやるつもりでいて、その大会が8月になったという感じですね。だから怪我していたとか、そういう理由ではないです」

──前回の透暉鷹戦を振り返っていただいて、ご自身ではどんな試合だったと思っていますか。

「変に5分5Rを意識しすぎたのと、なんか試合中にいろいろ考えすぎてしまったところがありました。もちろん透暉鷹選手もめちゃくちゃ強かったですし、一瞬で極められて完全に負けだなとは思っているんですけど、ちょっと1R終盤に(体力を)温存しようとか、そういうことを考えちゃったりして、その隙を突かれたなと思っています」

──頭のどこかでフルラウンドまで戦うことがよぎってしまったと。

「はい。5分5Rはやったことがなかったですし、練習でも5分3Rとか4Rぐらいはやっていたんですけど、5分5Rフルに同じ選手と練習するというのは、あまりやってなかったことも敗因の1つだったなと思います。そういう部分でも不安があって、そこで5分5Rを意識しすぎちゃったなと思っています」

──1Rにはシザーズチョークや足関節のチャンスもあったと思うんですけど、あれは先のことを考えてフルパワーで行けなかったのか。それとも透暉鷹選手の対処が上手かったのか。ご自身の手応えとしてはどうでしたか。

「まず自分の選択ミスがあったと思います。あとは向こうの対処が良かったというのもあって、フルで極めに行きすぎちゃうと凌がれた時にダメだなと思って、それで行けなかったところもあります。今思えばフルで行っておけば良かったなとかっていうのもありますし、そういう部分で5分5Rというのが効いていたのかなと思っています」

──5分5Rは序盤にチャンスが来ると、そこでどのくらい出力していいかどうかの判断が難しいですよね。透暉鷹戦の経験も踏まえて、この期間はどういうことを意識して練習されてきましたか。

「結果は一本負けでしたけど、自分の中ではものすごく差があるとは感じなかったので、自分がやってきたことが間違っているとは思わなかったです。なので練習そのものは今までと変わらず、だいぶ前からなんですけど重点的に打撃をやっていて、それを今も引き続きやっている状況ですね」

──透暉鷹戦の前のインタビューでも話されていましたが、自分の戦い方の幅を広げるための練習ですか。

「そうですね。幅を広げたいというのと、あと自分には倒せる打撃がなくて、そうなるとスタンドで相手に恐怖心を与えられないんですよね。なので、そこを克服したいと思っています。判定で勝つ、寝技を活かすためにはレスリングをやるべきだと思うんですけど、僕にはフィニッシュして勝ちたいという気持ちがあるので、そうなると打撃を磨く方がいいのかなと思っています」

──今回は小倉選手との試合が決まりましたが、改めて小倉選手の印象はいかがですか。

「何でもできる選手だなというのと、みんなが思っている以上にグラップラーという認識を持っていますね」

――自分と噛み合う・噛み合わないはどう予想していますか。

「試合を見ていると、打撃に関しては結構待ちのスタイルだと思うんですよ。で、相手が攻めてきたところでミスを誘って、バックを取ってバックチョークを極めるのが上手いんで、自分から行き過ぎるのもダメなのかなとか。そうなってくると自分の良さで勝負できないし、いろんな駆け引きをしないといけないし……正直、噛み合わないんじゃないかなと思います(苦笑)」

──小倉選手もキャリアがあるので、そういった意味では勝つための戦術を選択する選手かもしれません。

「やっぱりキャリアがあるので、経験値を活かして行くところで一気に行くみたいな力があるんじゃないかなと思っていますね。ただ今回はしっかり寝技で一本獲りたいと思います」

──今大会はNEXUSとして初のニューピアホール大会ですが、そういった大会に出ることをどう捉えていますか。

「NEXUSでこういうでかい大会があるなら、僕が出ないとダメでしょうという気持ちもあるし、タイトルマッチ&ダブルメインという形でやるのは、ある意味当然だと思っています。それと同時にこういう大会を自分の力で盛り上げないといけないという気持もが強いですね。試合内容もそうですけど、他の選手とは差をつけたいです」

──河村選手はRIZINにも出て、パンクラスでもタイトルマッチを戦っていて、どんなことが経験になりましたか。

「ああいう大舞台を経験して、緊張しなくなったとかはありますね。あとは気持ちの持ちようですけど、戦ってきた相手も他の人たちとレベルが違うと思っているんで、そういった意味では自信にもなっています。とはいえ、RIZINでもパンクラスのタイトルマッチでも負けていて、そこにリベンジしたい気持ちもあるので、NEXUSでの戦いは絶対に落とせないし、ベルトは防衛し続けないといけないと思っています」

──今回は同じRIZIN経験者の横山武司選手も出ます。大舞台を経験した選手がNEXUSに戻ってくるという形で、NEXUSそのものを盛り上げたいという気持ちはありますか。

「もちろんありますね。やっぱり横山選手は注目度が高いと思いますし、その次ぐらいに僕かなと思っているんですけど、それで僕ら目的でNEXUSを見に来てくれて、他の試合を見た時に『意外とNEXUS面白いじゃん!』と思ってもらえたら嬉しいです。今回のNEXUSはすごくいいカードが揃っているし、選手にとっていいアピールの場にもなると思っていて、僕らがそのきっかけになるべきなんじゃないかなと思っています。そういう意味では凄くいい大会だと思いますし、僕らが出る意味もあるのかなと思っています」

──まさに今NEXUSに出ている選手たちからすると河村選手や横山選手の活躍は目標であり、刺激になりますよね。そういう中で河村選手は一ファイターとして、今後どういったキャリアを積んでいきたいですか。

「いろんなところで言ってますけど、最終的にはRIZINにはリベンジしたいという気持ちが一番強いです。それが1つと、あとは僕がNEXUSから急にパンクラスに再登場してタイトルマッチまでいって、いい感じのアクセントになったと思っているんですね。結果は出せなかったですが、自分ではその団体を盛り上げるという仕事ができたと思っています。NEXUSはチャンピオンでも色んな団体に出てもいいというスタンスなので、パンクラスはもちろん、パンクラス以外の団体にも出て、その団体の強い選手とやるのも面白いんじゃないかなと思いますね」

──いい意味でNEXUSでチャンピオンでいることは自由度が高い、と。

「そうなんですよ。好き勝手にという言い方は変ですけど、僕は自由にやらせてもらっていて、そこは凄く非常にやりやすいなと思っています。なので、あまりバンタム級が盛り上がってないと思っている団体さんからオファーをいただけたら、そこを盛り上げる自信は結構あります。そうやって自分が戦うところを盛り上げていけば、僕もまたもう一回RIZINに出るチャンスに繋がると思うんで、いい感じで行けるんじゃないかなと思います」

■視聴方法(予定)
8月25日(日)
午後12時30分~Fighting NEXUS公式YouTubeチャンネル

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【NEXUS36】岸野”JUSTICE”紘樹を相手に防衛戦、横山武司「復帰戦は簡単じゃないなと思ってます」

【写真】この11カ月をしっかりと話してくれました (C)TAKUMI NAKAMURA

25日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われるFighting NEXUS 36にて、フェザー級王者の横山武司が初防衛戦で岸野”JUSTICE”紘樹と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

横山は2022年11月にNEXUSフェザー級王者となり、2023年からRIZINに参戦。9月の摩嶋一整戦でプロ初黒星を喫すると、摩嶋戦後の練習中に網膜剥離の怪我を負い、長期欠場を余儀なくされた。初めての負けのショックと選手生命を左右する怪我が重なり、MMAからの撤退も脳裏によぎったが、大晦日のRIZINを見て復帰を決意。NEXUS山田峻平代表から防衛戦の提案を受けて、約11カ月ぶりの復帰戦が決まった。今回のインタビューでは復帰を決断するまでの道のり、そしてこれからのMMAファイターとしての目標を訊いた。


――昨年9月、RIZIN44での摩嶋一整戦以来、約11カ月ぶりの試合となりました。摩嶋戦後に目の負傷で長期欠場を余儀なくされたと聞いています。

「そうなんですよ。摩嶋戦の後に網膜剥離になっちゃって。もともと小さい頃から目が悪くて、レーシックもやっていて、角膜そのものが薄かったらしいんです。医者からは何かきっかけがあってなるもんじゃないから、蓄積されたダメージだとは言われたんですけど、練習のときにがっつりアイポークをもらったあとなんで、それで(網膜剥離になった)かなと思います」

――例えば摩嶋戦の前に違和感があったりはしたのでしょうか。

「いや、全然なかったです。摩嶋戦の練習でアイポークがあったところから目の調子がおかしくて、1週間後ぐらいに完全に目が見えなくなって、びっくりしました。いきなり朝起きたら目が見えなくったんで」

――具体的にはどういう状況だったのですか。

「アイポークがあってしばらくはちょっと目がかすむなって感じだったんですよ。それで1週間ぐらい経ったときに嫌な夢を見て、びっくりして起きたら目が見えなくなってたんです。目のレンズの一部、25パーセントぐらいが真っ暗みたいな感じで。で、その真っ暗な部分が時間が経つにつれて大きくなってきて、これは絶対にやばいやつだと思ってすぐ病院に行きました」

――自然治癒じゃ無理だと判断して病院に行った、と。

「はい。最初に診察を受けた病院で網膜剥離と診断されて、すぐ大学病院に行って手術をしてもらいました。本来は1週間ぐらいで退院できるそうなんですけど、他の場所でも剥離しているのが見つかって。その箇所の手術が結構大がかりなものだったので大変でしたね。結局1カ月ほど入院して、運動してもOKになったのが半年後くらいでした」

――選手生命を左右する怪我だったと思うのですが、何か格闘技に対する向き合い方は変わりましたか。

「実は目が見えなくて入院した日に、嫁の妊娠が発覚して。嫁は産婦人科に行って、僕は眼科に入院して──みたいな感じだったんです。だから最初は総合なんてやってる場合じゃないと思いました。言うても僕が総合を始めたのは2年ぐらい前だし、死ぬまで続けるとは思ってなかったから、こんな怪我をしてしまって、子供も生まれてくるんだったら総合はこれで辞めようと。

でもそれは怪我で気分が落ちていて、摩嶋戦で負けてヘコんでいたのが大きかったと思います。それで退院して、退院してもすぐは体は動かせなかったから、年内はずっと家で安静にしつつ、大晦日のRIZINを見に行ったんですよ。そこでイゴール(・タナベ)とか仲間の試合を見ていたら『やっぱりこれ(MMA)やりたい!』と思いましたね」

――仲間たちの活躍がきっかけだったんですね。年明けから練習は再開できたのですか。

「振動を与えるのもダメだったんで、年が明けてもなかなか運動の許可が下りなくて。2月~3月ぐらいからようやく動き始めて、っていう感じですね」

――ジムの指導も休んでいたのですか。

「指導は年明けから始めたんですけど、スパーリングとかはやれなかったですし、本当にゆっくり徐々に…ですね。僕って4歳からずっと格闘技漬けの人生を送っていて、半年間ぐらい練習を休んだのは初めてだったんです。だから体がなまっちゃって『休むとこんなに(動き・体力が)落ちるんだ』と思いました」

――「練習を1日休むと取り戻すのに3日かかる」という言葉もありますが、そういった感覚ですか。

「そんな感じですね。本当にそうなるんだって。だから復帰戦は簡単じゃないなと思ってますし、しっかり作り上げていかないといけないんだなっていう感じですね」

――もちろん辛い時期だったと思いますが、休んだからこそ気づけたものもありますか。

「まず怪我はない方がいいです、それは間違いない。怪我とはちょっと関係なくなるけど、摩嶋戦で負けたことが、結構自分にとって大きかったなとは思ってます。自分はデビューから5連勝して、1回も負けてなかった。だから変な話、試合すれば勝てると思っていたんですよ。

それで摩嶋選手に負けたことで、勝つことがどれだけ嬉しいか分かったし、すぐ試合をして次は勝ちたいと思いました」

――試合で負けると次に試合で勝つまでは記憶は負けのままじゃないですか。

「本当にそうなんですよ。そうなると自分が弱いんじゃないかと思っちゃって、自分が強いという自信がなくなっちゃうんです。次の試合は勝てるかな?みたいな感じで。そのくらい摩嶋戦の負けはショックでした」

――改めて摩嶋戦の試合を振り返っていただけますか。

「あれは結構パニクった試合なんですよ。僕がしょっぱなに飛びヒザにいったところにパンチ合わされて、ガードを取ったところから15分くらい記憶ないんです」

――ファーストコンタクトでほぼ試合が終わったような感覚ですか。

「ほぼほぼ終わりましたね(苦笑)。あれから寝技の展開になったんですけど、そこからもう超パニックで。大舞台に飲まれたのかもしれないし、パンチが効いたのかもしれないし。摩嶋選手が強くて、どうしようどうしようとなって動けなくなったのもあると思います。

だからあの試合は自分の中では本当にバッドで。試合のことも覚えてないから、試合後の1週間ぐらいは自分に何が起きたのか分からなくて。記憶がないから試合を見返すのも怖かった。あれはもう本当なんか悪夢として終わってますね、自分の中で」

――僕もあの時は試合会場で取材していて、横山選手がインタビュースペースに来たときの様子がすごく淡々としていた印象があって。あれは試合の記憶がないから話ができなかったんですね。

「本当そうですね。あと試合で負けると、めっちゃハイになるんですよ。周りの選手を見ていて思うのが、負けると敗因や言い訳をすごい探すというか。自分が負けを経験して、試合で負けた後の選手のSNSを見たりすると、めっちゃハイになってるんですよね。

すごく長文を書いてみたり、やっぱり負けると様子がおかしい。負けを受け入れて悔しいですと言える選手の方が少ないと思います。当時は嫁と2人暮らしだったんですけど、僕の様子がおかしくても、奥さんも励まし方が分からない。嫁もショックを受けちゃって、状態が良くなかったんです。だからもうあんな思いは二度としたくないです」

――なるほど。家族としても負けを経験しないから、奥さんもどう接していいか分からなかったんですね。

「試合に出れば勝ってたわけだから、今回もそうなるだろうと思っていたら、そうじゃなかったわけですからね。嫁も初めての負けだったから、本当に何を言えばいいのかわかってなかったと思うし。いやぁ悲惨でしたね。自分はいつもポジティブで、いつでも明るい性格なんですけど、試合後の1週間はホントにひどかったです」

――そういった時期を経て、今回の復帰戦ですが、ある程度は夏に復帰する目途を立てていたのですか。

「いや、そういうわけじゃないです。ちょうど練習を再開するかどうかのタイミングでNEXUSの山田(峻平)代表と会う機会があって。最初山田さんは『目がそういう状態だと(MMAを)続けるのは難しいよね?』という感じだったんですよ。

それで『俺、やっぱやりたいっす』と気持ちを伝えたら『それだったら8月のネクサスで防衛戦をやってみない?』と提案してくれて。そこから徐々に練習がスタートしていった感じです」

――そのときに山田代表と話をして、一つ具体的な目標が出来たことが大きかったようですね。

「はい。そこで具体的にまた(MMAを)やる方向に行きましたね。いきなりRIZINで復帰もなしではなかったんですけど、それはちょっとハードルが高くて。自分はまだ総合を始めて2年半ぐらいだし、最初に声をかけてもらったNEXUSで、タイトルを取ってから1年9カ月ぐらいNEXUSには出てないから、ここで防衛戦をやってまた頑張ろうっていう感じですね」

――今はどんなことを意識して練習を続けていますか。

「復帰戦は楽じゃないので、何か新しいことをやったり、できることを増やしていく練習が一番いいんですけど、今はもうコンディションを戻すことを一番に考えています。もちろん対戦相手の対策とか、試合の作戦に基づいた練習はしていますけど、まずはやっぱ自分のコンディションですね。

僕はMMA=コンディションが大切だと思っていて、MMAは一瞬の隙で勝負がつくじゃないですか。だからその一瞬でちゃんと動けるようなコンディションが必要だと思っています」

――確かにMMAは柔術と比べると攻防の瞬間瞬間にやることも多いし、判断も多いと思います。

「あとはすごく人に見られるわけじゃないですか、アマチュア競技と違って。だからその緊張感ですよね。数カ月前にも試合していて、そこで勝って『フォー!』となっていれば、そのテンションで次の試合にも出るんですけど、今回は試合そのものが久しぶりだし、しかも直前の試合で負けている。

色んな嫌なことを経験したから、今は一試合一試合が自分にとってすごく重い。だから総合の試合では過去一で緊張してるかもしれないです」

――改めて横山選手は柔術とMMA、それぞれどこに戦う楽しさや喜びを感じていますか。

「自分の人生はずっと柔術をやってきて、家族でやっている柔術ジムが自分の生活の基盤になっています。今のジムは父が代表で、父と兄と僕の3人がインストラクターなんですけど、父は50歳でも黒帯の試合で優勝して。兄も30歳で全日本チャンピオンになった。父と兄で十分柔術の結果を出してるから、インストラクター3人のうち1人はMMAをやってもいいかなっていう。

父と兄がいなかったらずっと真面目に柔術だけやってると思うんですけど、今は柔術は父と兄に任せて、僕は総合にチャレンジする役じゃないけど、ジムの会員さんたちでも、RIZINとか総合が好きな人が多いから、そういう人たちにとってはジムの誰かが総合に出るほうがある意味盛り上がるっていうのもありますね。

あとはやっぱり本当に、シンプルに総合がずっと好きなんですよ。小さい頃からPRIDEとかDREAMを見て総合をやりたいと思っていたから、その頃の自分の夢を叶えるじゃないけど、あと2~3年間で総合をやりきって、また柔術だけの生活に戻りたいなと思っています」

――横山選手の中ではある程度MMAをやる期間を決めているんですね。

「MMAの練習ばっかりやっていると、どうしても純粋な柔術のレベルは落ちるんですよ。それはそれですごく自分的にはプレッシャーで、早く柔術に戻らないと、柔術に戻った時に苦労するのが分かっています。自分は柔術を死ぬまでやるつもりだし、逆に総合はマジでやって35歳ぐらいまでだと思ってるから、今は死ぬ気で総合をやりきって──ですね。

あとはやっぱお金ですね。家族もできたし、娘も生まれたし、家族で海外旅行とかそういう遊びにもいきたいので。ちょっと総合で稼ぎたいなとは思ってます」

――今回NEXUSでの防衛戦をクリアしたらて、その後はまたRIZINに出ていきたいですか。

「そうですね。僕はNEXUSデビューで、NEXUSでチャンピオンになったことでRIZINデビューできて。NEXUSがあったから今の自分がいると思っています。だからちゃんとNEXUSのチャンピオンとしての役目(防衛)を果たして、RIZINにチャレンジしたいです」

――今回は岸野選手の対策もされてると思いますが、一番は自分のパフォーマンスをちゃんと出し切ることですか。

「岸野選手は、打撃に特化した選手とか寝技に特化した選手というよりはオールラウンダーで、バランスの良い選手だから、本当に自分のパフォーマンスをいい状態に仕上げて、力が100%出せれば絶対に勝てるっていう自信があります。もちろん、相手の動画はちゃんと見ているし、油断はしてないです」

――横山選手自身も見ている側も、横山選手がRIZINのトップ戦線に絡んでいくことを期待していると思いますが、そこはどう考えていますか。

「自分はRIZINデビュー戦では勝てたんですけど(山本琢也に一本勝ち)、2戦目でやった摩嶋選手はRIZINの主要メンバーじゃないですか。だから摩嶋選手のような相手を倒して初めてRIZINファイターを名乗れるというか。RIZINに1~2回出たことがある選手じゃなくて、RIZINで何戦もしてる選手を倒さないと、自分をRIZINファイターとは言えない。日本で総合をやるからにはちゃんとRIZINファイターになることが大事だと思うので、まずはそこを目標にしています」

――胸を張ってRIZINファイターを名乗ることが当面の目標ですね。

「そうですね。摩嶋戦の時にどういう心境ですか?と聞かれて『これが公式なRIZINデビュー戦だと思ってます』と答えたんですよ。それで見事にやられたんで、RIZINファイターは強いなというか。これが日本のトップなんだなと感じました。でもしっかり練習していけば、そこら辺も倒せる自信はあるので、これからまた頑張っていきます!」

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PANCRASE344:セミファイナル・上田将年 vs. 眞藤源太

フライ級。

上田は本名に戻してから初となるパンクラス参戦で、1年半ぶり。昨年11月には地元九州で開催されたBLOOM FCで元GLADIATOR王者のアルギルマーの従兄弟・オトコンバヤル相手にポジションを奪っての判定勝ち。今年2月にはRIZIN佐賀大会にご当地選手として出場したが、伊藤裕樹相手に組みで勝負をしたが組み負ける展開で判定負けした。36歳。

眞藤は2022年にNEXUSでプロデビューしてからまだ2年。昨年のネオブラでパンクラスに初参戦すると、2連続1Rフィニッシュで決勝まで勝ち上がったが、BRAVE山崎に組まれてテイクダウンを奪われる展開で判定負けし準優勝。その後、所プラスの梅原にはタックルを切ってすぐバックに回りチョークで1Rフィニッシュしたが、今年3月の前戦はCAVEの大塚にテイクダウンされる展開で、下からの仕掛けも2Rは以降は読まれてしまい判定負け。23歳。

両者オーソドックス。上田のタックルを切った眞藤。カーフキックをもらって回転した上田に組み付いた。ケージに押し込むが、離れた眞藤。飛び込んで左を打ち込んだ眞藤。残り1分半で上田タックルへ。切りきれず下になった眞藤。下からホールドする眞藤。下からの仕掛けを密着して防いでいる上田。ホーン。

1R一者眞藤、二者上田。

2R。眞藤詰めて飛びヒザ!しかしヒットせずかわした上田が上に。首をギロチンに抱えた眞藤。ギロチン。引き込んで絞める。かなりタイトに入っているように見えるがパンチで抵抗する上田。反転してマウントになる眞藤だが、さらに反転して上田がまた上に。ギロチンが緩んでいる。外れた。かなり力を使った眞藤。上の上田だが、上にいるだけで攻撃が出ていない。セコンドからもダメージを与えるようにとの指示が出る。立たせないように固めるが、時間が過ぎていく。上田が上のままでホーン。

2R一者上田、二者眞藤。上田に入る要素はないと思ったが…。

3R。上田タックル。四つでケージに押し込む。ボディロックで組んだ上田だが、そこでレフェリーブレイク。時間を掛けすぎたか?眞藤がプレスするが手が出ない。上田のタックル。切った。パンチがヒットしてバランスを崩し下になる上田。ガードに入って上になる眞藤。立って離れた。ブレイクしてスタンドに。眞藤の右がヒット。上田タックル。眞藤の右足に絡みついたが、眞藤こらえてパンチを入れる。しがみついたままの上田。残りわずかで立った上田を払い腰で投げる眞藤。最後にマウントからパウンド。タイムアップ。

29-28上田、30-27眞藤、29-28眞藤。スプリットで眞藤勝利。

2Rにギロチンを凌いで上を取った上田だったが、そこから押さえ込むだった。パウンドで攻めていれば判定は判らなかったが。

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NEXUS o パンクラス

PANCRASE344:第5試合・糸川義人 vs. 小森真誉

フェザー級。糸川12位。

糸川は2022年にネオブラでプロデビュー。優勝してランカーとなるも、昨年は3戦して全敗。今年の初戦となる4月の櫻井戦は、打撃の手数で上回っての判定勝ち。1年半ぶりの勝利を手にした。ネオブラ制覇時は20歳で、現在もまだ21歳。

ロータス世田谷の小森は2019年から2021年にかけてパンクラスで4連敗。パンクラス前に出場していたNEXUSで再起するが、パンクラスではまたも敗れて5連敗。NEXUSで勝って連敗を止めると、昨年11月にBRAVE望月と対戦。テイクダウンからバックを奪う展開で判定勝ちし、ようやく連敗を止めた。32歳。

両者オーソドックス。いきなり小森がタックルでテイクダウン。ハーフ。起き上がろうとする糸川を寝かせた。上半身を起こそうとするも起こせない。また下から蹴る糸川だがしっかり押さえ込む小森。ガードに戻した糸川。下から蹴り離して立った。ケージに押し込むが、糸川入れ替えて離れた。パンチで出る糸川。ヒット。もらった小森だがまた組み付いた。残り1分。四つから引き剥がした糸川。残りわずかでバックブロー。さらに飛びヒザ。ホーン。

1R三者小森。

2R。糸川プレスしていく。左ハイ!ヒット。小森シングルレッグに行くが切られた。ジャブを入れる糸川。小森タックル。受け止める糸川だがケージに押し込む。四つで膠着。入れ替えた糸川。残り1分。両者動きがない。離れた。またプレスする糸川。右ハイ。右フック。下がりながらパンチを出す小森。ホーン。

2R三者糸川。

3R。小森ミドル。組みに行く。切られたがパンチを入れた。また組みに行くが引き剥がす糸川。しかしまたタックル。ケージに押し込んだ。また四つで膠着。入れ替えて離れた糸川。詰める糸川に右を打ち込む小森。タックルに。切って膝を入れた糸川。小森タックル。シングルレッグへ。片膝を着いた糸川。その体勢でこらえている。立膝の糸川にパンチを入れる小森。立った糸川。残り2分。入れ替えた糸川。四つからテイクダウンを狙った糸川だがこらえる小森。糸川ケージに押し込みながらテイクダウン狙い。足首を掴んで倒そうとする。こらえる小森にパンチを入れた。。差し合い。残り30秒で離れた糸川。バックブロー。肩にヒット。小森タックルでケージに押し込むが、糸川最後にタックル。倒された小森はすぐスイッチに。返させない糸川。タイムアップ。

判定29-28糸川、29-28小森、29-28糸川。スプリットで糸川勝利。

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NEXUS o RIZIN ジェイク・ウィルキンス 小倉卓也 山本琢也 山本空良 摩嶋一整 村井和道 横山武司 河村泰博

【Fighting NEXUS】横山武司復活!岸野”JUSTICE”紘樹と対戦!

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8月25日にニューピアホールで開催されるFighting NEXUS vol.36。河村泰博(和術慧舟會AKZA)×小倉卓也(スカーフィスト)のバンタム級タイトルマッチをプッシュしたばかりですが、さらなる豪華カードが追加発表されました。フェザー級チャンピオン横山武司(Swells柔術ジム)が岸野"JUSTICE"紘樹(トイカツ道場)とのタイトルマッチに臨みます。

横山は全日本柔術選手権アダルト黒帯フェザー級で優勝したグラップラー。Fighting NEXUSでプロデビューすると寝技を武器に3連勝。わずか3試合目でRIZIN常連だった山本空良を判定で下してフェザー級チャンピオンを戴冠しました。

その後はRIZINに参戦すると契約体重オーバーの山本琢也から腕十字で一本勝ち。次戦の摩嶋一整との重厚なグラップリング対決には敗れ、その後に網膜剥離の手術を受けたものの、プロ戦績は5勝1敗(4試合が一本勝ち)で27歳と伸びしろ充分。強気な性格と引き出しの多い寝技を武器に改めてブレイクしても不思議ではありません。

対する岸本はFighting NEXUSライト級チャンピオン。ジェイク・ウィルキンスを下して王座を戴冠すると、今年になって1階級下のフェザー級に挑戦。2月には4連勝中だった村井和道に判定で競り勝ってタイトル挑戦権を獲得しました。

派手さはありませんが、立っても寝ても安定感があって、グラウンドで上をキープも出来る選手。横山の仕掛けを封じ込めてドロドロの競り合いに持ち込めば、フィジカルにモノを言わせて競り勝つ可能性も充分。河村×小倉とのダブルメインだけでも観戦する価値アリ。見逃せません。
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NEXUS o RIZIN パンクラス マシン 井村塁 修斗 唐沢タツヤ 大石真丈 小倉卓也 小林博幸 河村泰博 渡部修斗 瓜田幸造 須藤拓真

【Fighting NEXUS】河村泰博× 小倉卓也 バンタム級タイトル戦決定!

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8月25日にニューピアホールで開催されるFighting NEXUS vol.36。初代ミドル級王座決定トーナメント準決勝として行われる佐藤龍汰朗(坂口道場一族)×瓜田幸造(掣圏会瓜田道場)、将斗(AACC)×マシン(BLUE DOG GYM)の2試合に日韓対抗戦の2試合など初のニューピアホール開催に相応しい好カードが並びました。

その中でも注目なのは河村泰博(和術慧舟會AKZA)×小倉卓也(スカーフィスト)のバンタム級タイトルマッチでしょう。河村はRIZINにも参戦して、歯に衣着せぬポストが話題になる事も多い寝技師。レッグハンター須藤拓真、森永ユキトから一本勝ちしてNEXUSのバンタム級王座を戴冠。その後、パンクラスに参戦すると強豪の井村塁からダースチョークで一本を取っており、その極めの強さは際立っています。

対する小倉は修斗やPFCを主戦場にしてきたベテランファイター。最近では渡部修斗に敗れたものの、大石真丈、小林博幸に腕十字で一本勝ち。昨年12月の次期挑戦者決定戦で唐沢タツヤをギロチンチョークで下して河村戦に辿り着きました。最近になってメキメキと極めが強くなってきた印象。河村を相手にどこまで抵抗出来るのか興味津々です。

展開は河村は自ら下になってでもグラウンドで勝負してくるはず。小倉は上をキープしてチャンスを見て一本を狙うのか。もしかするとスタンド勝負を挑むのか。見る側の想像力が掻き立てられます。そうこうしているうちにFighting NEXUS vol.36でましてもビッグカードが。。。こちらは別途まとめます。今大会は会場観戦必須だな。
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45 DEEP Gladiator Gladiator Challenger Series01 Gladiator027 Grachan MMA MMAPLANET NavE NEXUS o ONE Progress RIZIN Road to UFC UFC YouTube オトゴンバートル・ボルドバートル チェ・ドンフン チーニョーシーユエ テムーレン・アルギルマー デッチプール パンクラス 久保健太 修斗 和田教良 海外 竹中大地 竹内稔 竹本啓哉 藤井伸樹

【Gladiator027】竹竹決戦of MMA。竹本啓哉に竹中大地が挑戦。漢気=和田教良は、オトゴンバートルと

【写真】これは──燃えているのは、竹本だろう(C)MMAPLANET

11日(火)、GLADIATORより7月7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、竹中大地が竹本啓哉の持つGladiatorバンタム級王座に挑戦する選手権試合とオトゴンバートル・ボルドバートル×和田教良のフライ級戦が組まれることを発表した。

竹中大地は2018年に修斗からONEに戦いの舞台を移し、アジアを舞台に戦ってきたが、昨年よりRIZINを目指し日本で戦うようになっていた。7月に修斗で藤井伸樹に勝利し、12月にグラジに初参戦し前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと対戦すると、左ミドルを効かせてから組みついて──1R4分27秒にRNCで一本勝ちしている。


試合後にケージのなかで宣言していたようにRIZINとの交渉を続けていたが、3月のLandmark=神戸大会で正式発表こそなかったが、ジャパン・メジャーでの試合が決まっていたものの対戦相手の負傷で幻のRIZIN参戦となっていた。その後、RIZINが東京でビッグショーが続き、試合機会は巡ってこないという判断をした竹中陣営はグラジ再出場を決め、バンタム級王座に挑むこととなった。

チャンピオン竹本は昨年9月にテムーレンとの接戦を制し、自らの減量失敗で手放したベルトを2年振りに奪回。今年の2月にはGladiator Challenger Series01で竹内稔との竹竹対決でProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦を戦うもアナコンダチョークで一本負けを喫していた。

前回の5月大会でタイのデッチプールを横三角絞めで仕留めた竹本は、「RIZINや海外大会へのステップアップ」を宣言していた。この言葉こそ、竹本が強い選手との対戦を求めている表れとリリースに記されていたが、関係者に確認を取るとまさに二つ返事で、MMAのベルトを賭けた竹竹決戦を了承したという。

10年以上前のデビューから間もないころにパンクラス出場があったが、その後はGrandslam~HEAT~TTF Challenge~GLADIATOR~NEXUS~GRACHANで戦ってきた竹本にとって、修斗・パンクラス・DEEPでベルトを巻いた選手との対戦こそ、自らの存在を証明するために求めてきた一戦に違いない。また竹中としても、ポスト超RIZINというべき秋からのRIZIN参戦に向け、ベルトを巻く以上に勝ち方でインパクトを残す必要性がある──勝負論と強者論が掛ったタイトル戦となる。

また5月大会から今大会に延期されていたGLADIATORフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦はNavEのヒザの負傷の経過が予定通りでなく、さらに延期されることが決まった。

グラジではオトコンバートルが2大会連続で試合機会を失うことを阻止すべき、ノンタイル戦での対戦相手を探し各方面に打診をしていたところ、和田が参戦を決めたという。和田はオトコンバートルやNavEと共に同トーナメントにエントリーしていたが、2月にチェ・ドンフンに三日月蹴りからパウンドアウトされ初戦敗退していた。その後チェ・ドンフンはRoad to UFCと契約し、1回戦で前回大会の準優勝であるチーニョーシーユエに勝利。オトゴンバートルは3月の準々決勝で久保健太を破った一戦で、そのチェ・ドンフンと共に同トーナメントで本命視されるようになっていた。

和田はチェ・ドンフンに続き、アジアを代表する若き実力者との対戦に向け、一度は「気持ちを創れない」と対戦を断ったという話も実は伝わっている。しかし、翌日には「断ったことを後悔しています。オトコンバートル選手の相手が確定していないようでしたら、対戦させて頂きたいです」と申し入れしたという。

和田の気持ちが揺らぐのは十分に理解できる。そんな自分を恥じるかのような決意こそ、下馬評を覆す要因になるだけでなく、その結果に如何なく彼の人生を構築していく決断となるだろう。そんな「負ける覚悟を持って勝ちに行く」和田の覚悟の言葉を含め、上記2試合に出場する選手がプレスリリースの寄せた言葉は、以下の通りだ。

竹本啓哉
「いつも応援・協力してくださる皆様、試合を組んでくださるGLADIATOR関係者の皆様、そして、竹中選手ありがとうございます。誇張抜きで今までで最高の対戦相手です。自分史上最高の状態で臨めるよう備えていきます」

竹中大地
「今凄く格闘技が楽しくてしょうがないです。心も体も調子が良いので、試合当日は最高のパフォーマンスができると思います。7月7日楽しみにしていてください」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「3月大会が終わった直後から次の試合に向けて練習を重ねてきていますが、決勝戦が10月大会まで延期されたことは残念に思っています。しかし、GLADIATORが7月大会でワンマッチを組んでくれたのでとても感謝しています。また和田選手も試合を受けてくれてありがとうございます。7月7日は良い試合になるよう頑張ります」

和田教良
「かなり強い相手。下馬評を覆せるよう負ける覚悟を持って勝ちに行きます!! 応援よろしくお願いします!」

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45 AB MMA MMAPLANET NEXUS o PANCRASE Pancrase343 Road to UFC RYO UFC YouTube   ジョセフ・カマチョ パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 丸山数馬 伊藤盛一郎 平田直樹 河村泰博 浜本キャット雄大 葛西和希 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase343】Ryo「会見では派手でも、試合は堅実でクレバー」×平田直樹「(服装は)妹の影響が…」

【写真】これはもう仁義なき戦い(C)MMAPLANET

13日(日)、東京都新宿区のサンエービルで25日(土)に港区のニューピアホールで行われるPancrase343出場5選手、6月30(日)に同所にて開催されるダブルヘッダー=Pancrase344&344に出場が決まった4選手、さらに7月21日(日)に立川市の立川ステージガーデンに開かれるPancrase346でムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受けるフライ級KOP伊藤盛一郎らが出席した会見が実施された。
Text by Manabu Takashima

ここではPancrae343でフェザー級次期挑戦者決定戦を戦う平田直樹とRyo、パンクラス初陣のジョセフ・カマチョ戦を控えた浜本キャット雄大、そしてライト級マッチで対戦する葛西和希と丸山数馬の5選手が出席した会見第一部の模様を──出場選手の冒頭の抱負と、MMAPLANETの質問への返答に特化してお伝えしたい(要約)。

浜本キャット雄大
「パンクラスに参戦するにあたって一つ謝罪をしたいのが、伊藤盛一郎選手に2戦目で対戦させていただいて、その後に練習をさせていただいたりとか、仲良くさせていただいたんですけども。今回、パンクラスに参戦することになって、ちょっとタイミングが合えば、対戦する機会が発生すればお互い全力を尽くして試合ができればという風に思っておりますので、気を悪くしないでください」(※会見を眺めていた伊藤がサムアップと笑顔で応える)

丸山数馬
「Pancrase343に向けてハードなトレーニングを行ってきました。当日にソレを皆さんにお見せできればと思っています」

葛西和希
「当日は全局面で圧倒して勝ちたいと思います」

Ryo
「今回もいつも通りですけども、たくさんの人に支えられているので最後の1秒まで諦めません。そういったところを見てもらいたいです」

平田直樹
「やっと、ここまで来たので当日はしっかりと良いパフォーマンスを見せられるように頑張ります」


──Ryo選手から(多媒体の記者の質問の返答で)「見ての通りナイスガイ」という発言がありましたが、記者会見になるとファッションがナイスガイとはかけ離れている感じもします。お父さんの影響なのか、それとも妹さんの影響なのでしょうか。

平田 妹の影響が大きいです。試合があまり面白くない、目立たないことが多いので、こういう機会では少しでも目立ったり、しっかりと見てもらえるようにと。他の選手と違う恰好もしたいし、そういう感じです。父には何も言われないです。妹と話しながら(決めている)。

──Ryo選手、平田選手の服装と試合運びのギャップについて何か感じられますか。

Ryo フォローをするわけではないですが、平田選手は会見では派手にしていますが、本当に試合では堅実でクレバーな戦い方をする選手なので、本当にそこを見てほしい──と僕は思います。どちらかというと玄人よりな戦い方なんですけど、とても緻密で繊細な動きです。僕はそれに呑まれないように思い切りぶつかっていきます。

──平田選手の対戦相手は、その土俵で戦いたがらないということがあるかと思います。Ryo選手としては、組みからの展開を含めどのような試合を見せたいと思っていますか。

Ryo かつてないスクランブルを見せたいです。

──対して平田選手は?

平田 僕もスクランブルでいつも通り、コントロールを見せたいです。トータルでもしっかりと戦える、前回の試合よりも少しでも成長したところを出せたらなと思います。

──ライト級王者の雑賀ヤン坊達也選手がRoad to UFCで戦います。この後、ベルトの行方はチャンピオン次第になるところもあるかと思いますが、そこを踏まえてどのような試合をしたいと思っていますか。

葛西 しっかりとパンクラスでチャンピオンになって、世界に向かっていきたいと思っているので、ここはしっかりと明確に勝ちます。じゃないと今後は厳しいと思います。

丸山 今回の試合はかなり厳しい試合になると思っています。その前提で自分もファイトキャンプをやってきたので、ソレを本番で見せられたらと思っています。

──河村泰博選手が、パンクラスで試合をする時には溢れんばかりのNEXUS愛を語っています。その辺り、浜本選手はどのような心境でパンクラスに挑みますか。

浜本 NEXUSは大好きなんですけど、NEXUSを背負ってという気持ちが強すぎると、自分の力が出ないと思っています。なので、そのNEXUSの重荷を一旦下ろしてパンクラスで挑戦者として頑張りたい──拳を振りまわして、全員を倒していきたいと思っています。

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45 DEEP Grachan MMA MMAPLANET NEXUS NEXUS35 o ブログ 瓜田幸造 磯部鉄心

【NEXUS35】ミドル級トーナメント出場、瓜田幸造「自分が戦う姿を一番届けたいのは佐山先生です」

【写真】インタビューでは年齢・キャリアを重ねたファイターだからこそ出てくる言葉が続いた(C)MMAPLANET

12日(日)、東京都新宿のGENスポーツパレスにて行われるFighting NEXUS vol.35のミドル級王座決定トーナメントで瓜田幸造が磯部鉄心と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

10戦前後のキャリアの選手が大半を占めるトーナメントで、30戦を超える試合を戦ってきた瓜田。2012年4月のロシアでの試合から約10年間で1試合と活動休止状態だったが、2022年にGrachan無差別級トーナメントに出場してからは定期的に試合を重ねている。

自らの道場を持って弟子を育てるなかで格闘技への向き合い方も変わる一方、デビュー戦から変わることのない師へ想い。トーナメントを控える瓜田に話を訊いた。


――Fighting NEXUSのミドル級王座決定トーナメント出場が決まった瓜田選手です。トーナメントのオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

「去年11月のNEXUSの時にマッチメイカーの渡部修斗くんから話をいただいて、久々にミドル級で試合ができるなと思いました。ようやくミドル級にも選手が集まるようになったんだなと」

――直近の試合では無差別級が多かったですが、ミドル級で試合をしたいという想いが強かったのですか。

「もともと僕はパンクラスやDEEPではミドル級で試合をやっていて、当時は選手も多かったんですよ。それからロシアでも試合をするようになって、2016年10月の試合(Grachan25×BFCvol. 2で川口雄介に判定負け)から約5年半ほどブランクがあって。2022年5月にGrachanさんで復帰したんですね。僕も試合から離れていたのですが、格闘技の流れとしてミドル級の選手が減っているのを感じていて、復帰戦のオファーを受けたときも『今ミドル級の選手っているんですか?』と聞いたら『ミドル級は選手がいないんです』ということで。ウェルター級まで体重を落とすのは無理だし『それだったら無差別級でやります』ということで試合を組んでもらっていました」

――ようやく適正階級で試合ができる、と。

「はい。ミドル級で試合することが楽しみではありますね」

――瓜田選手はご自身の道場を設立されて、今はそこが練習の拠点になっているのですか。

「そうですね。3年前に道場を立ち上げて、何とか自分の練習ができるようになったので環境はいいですね」

――試合間隔が空いたのは怪我や道場設立の準備が理由だったのですか。

「実は5年半前の川口戦も2012年4月にロシアで試合をしてから約4年半ほど空いていたんです。自分はプロレスの試合や自主興行もやっていたので、練習は続けていたのですが、特にオファーもなかったので、自分から売り込んで試合をするつもりはなくて。でも自分も道場を立ち上げて、道場の代表として試合をしたいという気持ちが芽生えてきて。Grachanさんに復帰したい旨をお話したらすぐに試合を組んでくれて、そこから本格的に復帰することになりました」

――格闘技の向き合い方も変わりましたか。

「ブランク前の試合と比べると気持ちが楽になった部分はありますね。今振り返ると、当時は自分の中で『こうしなきゃいけない』というものに勝手に縛られていたんだなと思います。試合を重ねていたこともあって、モチベーションを上げるためにはどうしたらいいんだろうと考えたり。自分の感情に任せて戦っていなかったと思います。逆に今はすごく自由に戦えていますね」

――何か変わるきっかけはあったのですか。

「川口戦が4年半ぶりの試合だったのに緊張しなかったんです。試合するうえでの緊張感はあったんですけど。その時に精神的に自由になれたんだなと感じました。試合は判定負けだったんですけど、その時に自分が持っているものを出して勝ったらうれしいし、それで負けたんだったらしょうがない・受け入れるしかないと思えて。一種の悟りというか、達観したというか。今はそういう気持ちで戦っています。試合があるなら戦うし、戦いたいから戦う、ですね」

――今大会はTHE BLACKBELT JAPANの磯部鉄心選手と対戦することになりました。

「基本的に自分がやれることをやれればという考えなので、相手の映像があれば見ますけど、その映像も“その時”のものじゃないですか。情報として頭には入れておきますが、それに対して対策を練るということはないですね」

――このトーナメントを通して、どんな試合を見せたいですか。

「道場の弟子たちにも自分が戦う姿を見せたいですし、結果がどうなるにしろ一番届けたいのは………やっぱり佐山先生ですね。佐山先生のおかげで私は今もこうして戦えています、と」

――佐山先生とは試合が決まるとお話することもあるのですか。

「年に数回『体調いかがですか?』という連絡はさせてもらっているのですが、先生がご病気されてからはなおさら先生に届けたいという気持ちは強くなりましたね」

――佐山先生に届く試合をしたいという気持ちは常に変わらないですか。

「そうですね。自分はいつも入場前に『佐山先生、見ていてください』と気持ちを入れてから入場するんですね。それは今も変わらないですし、掣圏真陰流はまだなくならないぞってところを見せたいです」

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