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JJ Globo Report SUG23 ブログ リッチー・ブギーマン・マルチネス

【SUG23】ブギーマンが得意のジャパニーズネクタイで、ストーナーからタップ奪う

<5分1R>
リッチー・ブギーマン・マルチネス(米国)
Def.1分43秒by ジャパニーズネクタイ
ドン・ストーナー(米国)

立ちレスで圧力を掛けるマルチネスがバックに回って、テイクダウン。ストーナーが引き込むと、ハーフで抑える。腰を押すストーナーのスイープ狙いに、下になったブギーマンは、得意のジャパニーズネクタイへ。ストーナーはロールして逃れようとするが、ブギーマンはヒザをついて一旦はゲイブルグリップをセットし、相手の動きに合わせてがぶりに移行する。直後にジャパニーズネクタイを創り直したブギーマンが、タップを奪った。


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JJ Globo Preview SUG23 カイル・チェンバース カーロス・コンディット ジェイク・エレンバーガー ジリアン・ロバートソン ブログ メイソン・ファウラー ラケル・カヌート

【SUG23】SUG王ファウラーに10thPlanetのチェンバースが挑戦。コンディット✖エレンバーガーも!!

【写真】本戦勝負か、それともOTか(C)

23日(日・現地時間)、オレゴン州ポートランドでSUG23が開催される。

ケージグラップリング5分✖1R&OTシステムと、サブオンリーでも独自の活動をするチェール・ソネンが率いるグラップリング大会のSubmission Underground。今回のメインはSUG無差別級王者メイソン・ファウラーが、カイル・チェンバースの挑戦を受ける一番だ。


クレイグ・ジョーンズを下しベルトを巻いたファウラーは、その後ヴィニー・マガリャエス、石井慧、ライアン・ベイダー、リッチー・マルチネス、アンディ・ヴァレラを破ってきた。

ポイント有りやサブオンリーでも15分制、もしくはジャッジの裁定がある環境なら、ファウラーはここまで結果を残せていないという見方もあるが、対戦相手もMMAファイターなど他と一線を画しているSUBでは絶対的な存在になっている。

そんなファウラーへの挑戦者カイル・チェンバースは10thPlanetのジオ・マルチネスの愛弟子だ。この道に夢中になったのが、ジオにゴゴプラッタを何度も極められたことだろうチェンバースは、ファウラーを相手にゴゴプラッタを極めると宣言している。

ジオと並び、柔術の手ほどきを受けたリッチー・ブギーマンがファウラーに敗れており、一門としてリベンジを果たしたいチェンバースは、当然のようにラバーガードの使い手だ。

そのうえでアシガラミからの創りも得意で、何よりEBI育ちということもあり、OTにも慣れていることでファウラーは露骨にOT勝負をいう組み立てはできないだろう。

今大会もSUGらしいMMA系の参戦が男女1試合ずつ見られる。そして男子はジェイク・エレンバーガー✖カーロス・コンディットという思わずほくそ笑んでしまうマッチアップが実現する。

悪夢の5連敗から5年5カ月振りの勝利を昨年10月に挙げたコンディットは、今年の1月にマット・ブラウンとのベテラン対決を制し、37歳にしてMMAファイター人生で再浮上中だ。

対して1歳年少のエレンバーガーは、2018年5月にMMAを引退。2019年からSUGに出場しているが、1勝2敗と思ったような結果は残せていない。とはいえ本職グラップラーとの対戦では相手の守りも堅いが、コンディットは攻め重視でくることが予想されるので、瞬発力を生かした組み技が可能になるか。

エレンバーガーとしては、ギロチンを警戒しつつテイクダウンからパスガード、バック奪取とポジションを取りつつ首を狙いたいところだ。対してコンディットはMMAでも下の巧みな攻めを見せているように、テイクダウン&スクランブル中のギロチンだけでなく、下から極めという動きに注目したい。

女子マッチは4月のSUG22に続きジリアン・ロバートソンが出場し、ラケル・カヌートと対戦する。ラケルはハワイアンMMAのパイオニアの1人デヴィッド・パハルイを父の持ち、ロバート・ドライスデールの下でヘナト・カヌートと知り合って結婚、パハルイからカヌートと姓が変わった。

青帯時代から道着もノーギもトーナメントに出場しており、今でドライスデールの黒帯となったラケルは紫帯時代にノーギ・ワールズを制している。ラケルとしては、グラップリングのコンペティション経験値の違いを見せつけたい試合だ。

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Interview JJ Globo UNRIVALED ブログ 山田海南江 藤野恵実

【UNRIVALED】「まだ生きているよ」藤野藤野恵実が組み技戦で、天皇杯3位の紫帯・山田海南江と対戦

【写真】がぶっても、これはダメ!! 上攻め重視のアンライバルドで藤野がどのようなMMAグラップリングを見せるか (C)KEISUKE TAKAZAWA

明日22日日(土)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるグラップリング大会「UNRIVALED ALTANA」で、藤野恵実が出場しエキスパート59キロ級で山田海南江と対戦する

MMAは一昨年12月以来、試合機会が巡って来ないQOP藤野は、3月のQuintetに続きグラップリングで戦うことを決めた。エントリー費用を納めて、試合をする──純然たるアマチュア組み技戦への出場に関して、「ひっそり試合がしたかった」と何度も言葉を重ねる藤野が、試合前日にインタビューに応じてくれた。

Unrivaled(アンライバルド)はグラップリングながら、最近流行りのノーポイント&サブオンリーではなく、またIBJJFノーギ柔術とも違う。柔道、サンボ、MMAグラップリング、柔術の技術をスポイルしない総合組み技格闘技を実践するために独自のポイント制を用いている。

テイクダウンは2P、引き込むと-2P、リバーサルで上を取れば2P、さらにマウント、サイド、バックマウントにも各2Pが与えられ、抑え込みとサブミッションからエスケープして立ち上がり、向き合うとエスケープで1Pが入るのも大きな特徴だ(サブミッションに関しては、下からの腕十字や三角、足関節を上の選手が逃げて立ち上がってもポイントとはならない。あくまでも下でサブミッションの態勢に入られたり、バックチョークなどの攻撃を受けている選手が技を解き、立ち上がってエスケープすることで加点される)。

もちろんサブミッションによるフィニッシュ、加えて投げ技でも背中から落とせば一本が認められている。そんなアンライバルドで藤野が対戦する山田海南江は2016年レスリング天皇杯48キロ級3位、社会人選手権でも上位入賞を繰り返したレスラーで、柔術ではTriforceからIglooに籍を移し紫帯を巻く。

柔術に偏らないためのグラップリング=アンライバルド・ルールにもっと適した山田との対戦を翌日に控え、藤野に話を訊いた。


──アンライバルドの対戦カードに藤野選手の名前を見つけて、正直驚かされました。

「ひっそりと出たかったのですが、SNSでプロマッチのように紹介されてしまって(苦笑)。ちょっと待ってよ……と。参加費払って出る試合なのにって」

──ともあれ、このタイミングでグラップリングマッチに出場するというのは?

「MMAの試合がなかなかなくて、相手やタイミングが合わないということで。もう1年半戦っていないですからね。ただケガもあって、ヒザの調子もあってMMAは難しいという時にQuintetの話を頂いて。それを機に出られる試合はどんどん出たいと思うようになりました。

それに立ち技でプロMMA選手がアマチュアの試合に出るというのも難しいのですが、グラップリングはプロやアマチュアという区切りはないので、出てみようと思いました」

──ではヒザの具合は?

「日常生活はできないけど、スパーリングはデキるという感じです」

──どういうことでしょうか(苦笑)、逆じゃないですか。普通は!!

「慣れているので、練習はアドレナリンと気を抜かないでいると大丈夫なんです。でも、日常生活は気を張っていないので……」

──なるほど、そういうことですか。ではアンライバルドですが、組み技といっても柔術家がすぐに座るケースが多いノーポイント&サブオンリーとも、IBJJFのノーギとも一線を画したポイント制を用いています。

「ルールに関しては、そんなこだわりはないです。ただアンライバルドの下重視では組み技ルールというのは、出ようと思ったきっかけにはなっています。あくまでも一番戦いたいのいはMMAですし、アンライバルドのルールだとMMAグラップリングでも戦えると思いました」

──それが……対戦相手はレスリングで実績を残している山田選手になりました。

「ほんと引き込まないだろうし、テイクダウンを取られるかもしれないですし。アンライバルド・ルールの利点が、こっちにない。だからひっそりと試合をしたかったです(苦笑)」

──これまで練習で顔を合わせたことなどは?

「私はIGLOOの女子練習に参加したことがあったのですが、その時には一緒ではなかったです。結局、時間的に合わなかったので、1度しかIGLOOの女子練に参加できていないのですが、あの後に彼女は入会したようです。

でも、このクラスのレスラーと組める機会もないので、これまでやってきたことを出したいです。相手ありきの出場ではないですし、エントリーシートを見て山田選手と戦うことを知りました。それこそ勝って当たり前の試合だと意味がないですし、強い相手で良かった……かな?(笑)」

──アハハハハ。59キロは藤野選手の体重ですよね。

「ハイ。試合が組まれるかどうか、一昨日まで分からなかったです。きっと体重を合わせてくれたのでしょうね。10キロも違いはないでしょうが、私の方が大きいです」

──では上を取ることが重視されたグラップリングで、どのような試合をしたいですか。

「正直な話、プロの試合は結果とチケットを買ってくれた人達のために面白い試合をしないといけないですけど、今回は完全に自分の練習と勉強のため。だから、試合内容はどうだろうが勝つことだけ考えて、自分ができることで一番得意なことをぶつけます」

──この試合をMMAに生かす、その気持ちは?

「もちろんあります。逆にもうMMAがないなら、この試合も出ていないです。まだ生きているよって、見せたいです」

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JJ Globo ONE WNO09 クレイグ・ジョーンズ ゴードン・ライアン ブログ ルイス・パンザ 青木真也

【WNO09 & ONE】グラップリング最強ゴードン・ライアンが、健康問題で競技から退くことを発表

【写真】まさに絶頂期を迎えつつあっただけに、一つのジャンルの浮沈が関わるゴードンの事実上の引退発表だ(C)MMAPLANET

20日(木・現地時間)、ゴードン・ライアンが自らのSNSで胃の不調=胃不全麻痺により競技生活から離れることを発表した。

「人生で一番辛い知らせをしないといけない」と書きだしによるインスタグラムでのポストで、ゴードンの胃は練習に耐えられるもものでなく、競技生活から離れる必要があることを明かした。

今後の競技生活に関しては、確かなことはいえず競技者を引退しても、指導者としてラップリングに関わっていくとゴードンは書き記している。


ゴードンはONEと契約し、グラップリングとMMAを戦うこと明言しており、8月27日(金・同)には青木真也とグラップリングマッチをサークルケージで行うことが発表されていた。

また5月28日(金・同)にはWNO09でルイス・パンザと戦うことが決まっていただけに、ゴードンもこの発表をこのタイミングで行ったことが予想される。

2019年ADCC世界大会99キロ級&無差別級優勝、2018年にはIBJJFノーギワールズでも2階級制覇を成し遂げている現代ノーギグラップリング最強の男。盛り上がりを見せるグラップリング界の象徴ゴードンは、青木戦以外にもドリームマッチの実現がグラップリング、そしてMMAで期待されていた。それだけに、返す返すも残念な事実上の引退宣言だ。

なおWNO09ではクレイグ・ジョーンズが、ゴードンの代役でパンザと戦うことが決まっている……。

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J-CAGE JJ Globo ONE ゴードン・ライアン ブログ 青木真也

【ONE】ゴードン・ライアンとの組み技戦が決まった青木真也「一座の人間だからピエロは嫌だと言わない」

【写真】グラップリング戦が決まったゴードン・ライアンと青木(C)MMAPLANET

10日(火・現地時間)、ONE Championshipのチャトリ・シットヨートンCEO&会長が自らのSNSでブレイキングニュースと銘打ち、8月27日(金・同)にグラップリングの無差別級スーパーマッチとして、ゴードン・ライアン✖青木真也戦を組むことを発表している。

4月にエドゥアルド・フォラヤンとの3度目の試合で圧勝した青木が、現代グラップリング界最強の男ゴードン・ライアンと戦うことが決まった。


大会開催地、大会名とも明らかになっていないが、恐らくはシンガポール、そしてケージでサブオンリーになることが予想される。

それにしてもゴードン・ライアンとは……。ゴードン・ライアンはヒールが解禁になる前のIBJJFノーギワールドでもADCCと同様に頂点に立っており、ポイントも取れるグラップリング・スキルの持ち主だ。2019年にはヒザの負傷から復帰して間もないというのに、99キロ級に続き──マーカス・アルメイダ・ブシェシャを下しADCC無差別級王者=二冠に輝いている。

パンデミック後は今年に入ってからも、2月26日(金・現地時間)に、プロ・グラップリング大会=Who’s Number One06で、新鋭ロベルト・ヒメネスを腕十字で一蹴。さらに3月26日(金・現地時間)にはWNO 07でヴァグネウ・ホシャを相手に──中継席にあらかじめフィニッシュを明示した封筒を置き、そこに示されたように三角絞めで一本待ちを収めている。そんな芸当が可能なゴードン・ライアンとの組み技マッチを求められること自体が青木真也の真価であり、八面六腑の活躍ぶりの象徴といえる。

しかし、体重差はおよそ20キロ、上からも下からも圧倒的な圧力を持つゴードン・ライアンとのグラップリングは、青木にとって2017年11月のベン・アスクレン戦を遥かに上回る、勝ち目のない戦いといえる。それゆえに青木道を全うしているといえるが、そんな青木は今回の試合について以下のようにコメントをくれた。

青木真也
「最初は驚きました。でも、そこでやらないとは言えない。一座の人間として、完全にゴードン・ライアンのお披露目会でピエロの役割を演じろと言われれば、それはノーとは言わないです。皆でやっている──一座の人間だからピエロは嫌だと言わない。

勝負としても厳しいことは分かっています。でも、やっぱり『やらない』とは言わない。それに何だかんだと言って、世界一の人間と肌を合わせることができるのだから、それはやってみたいです。でも、その前に7月にMMAを戦わせてくれということは伝えてあります」

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JJ Globo Report WNO08 ジルベウト・ドゥリーニョ ブログ ラファエル・ロバトJr

【WNO08】勝負所でローリング・バックテイク!!!! ドゥリーニョがラファエル・ロバトJrに快勝!!

30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、制限を設けた有観客大会として開催されるWNO 08。

注目のカードが数多く見られる同大会のプレビュー最終回は、柔術とMMAの両分野で世界のトップに君臨してきたジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ✖ラファエル・ロバトJrの一戦をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<205ポンド/15分1R>
ジルベウト・バーンズ(ブラジル)
Def. 3-0
ラファエル・ロバトJr(米国)

まずロバトJrがシングルレッグを狙うが、ドゥリーニョことバーンズは距離を取る。やがて座ってシッティングガードを取ったロバトJrは、ドゥリーニョの右足に絡んでのハーフガードへ。ロバトJrの仕掛けを警戒したドゥリーニョは距離を取ってから改めて低く侵攻しようとするが、ロバトJrは左右のニーシールドや腕のフレームを駆使して許さない。

その後、ロバトJrの下からの仕掛けを警戒するドゥリーニョが、たまに低く入ろうとするものの、ロバトJrのシールド&フレームに阻まれる展開が続く。中盤、ロバトJrがキムラ狙いからオモプラッタを仕掛ける場面があったが、ここもドゥリーニョはすぐに腕を抜いて危険を回避した。

残り3分半。右のニーシールドを立てた状態のロバトJrが、下からドゥリーニョの右腕をたぐる。と、その瞬間にドゥリーニョは素早く左にダイブ。見事にロバトJrの左足を超えてサイドについてみせた。すぐに距離を作ってスクランブルを試みるロバトJr。するとドゥリーニョはロバトJrの背中に飛び込んでいって一緒に前転してのローリング・バックテイク!!

さらにそのまま両足フックを完成し、4の字ロックに移行してみせた。この見事すぎる動きで、ドゥリーニョはそれまで膠着気味だった展開を一挙に自分のものに持っていった。

そのままチョークを狙っていくドゥリーニョ。ロバトJrはディフェンスしながら体をずらしてゆくと、ドゥリーニョはフックを解除してのマウント狙い。が、ロバトJrはすかさず隙間を作ってシティングに戻った。

残り2分。時間のないロバトJrはベリンボロや内回りを仕掛け、さらに足も狙ってゆくがドゥリーニョは無理せず距離を取って回避。さらにロバトJrはギロチンを狙うが、ドゥリーニョに首を抜かれたところで試合終了した。

判定は3-0でドゥリーニョに。自分より大きい相手にミスを犯さないように気をつけて戦い、勝負所を逃さず一気に爆発的に畳みかけて決定打を奪う。MMAでは強烈な打撃で畳みかけることができるUFCトップコンテンダーならではの勝負強さを見せつけた──見事な勝利だった。

「とにかく疲れたよ。ラファエルは大きかったからね。キムラには気をつけていたんだ。少しの隙を逃さずにサイドについて、バックを取れた。あれは僕の一番強いポジションなんだ」と語ったドゥリーニョは、グラップリングに戻ってきた理由については「(2月のカマル・ウスマンとの)タイトルマッチで負けたのが理由だよ。あの敗戦からしばらく落ち込んだけど、その後自分のルーツに戻りたいと思ったんだ。そこで道着着用の練習をたくさんして、そうしたら指を痛めちゃったからノーギの練習もした。そんな時にWNOから話をもらったから、ぜひやるよと答えたんだ。ジョシュ・ヒンガーとの試合にも興味があったけど、ラファエルが相手だと言われて、さらにやる気に火が着いたんだよ」とコメント。

失意の敗戦から2ヶ月半、最高の形での復活の狼煙を上げたドゥリーニョ。7月のUFCにおけるスティーブン・トンプソン戦では再び強い姿が見られそうだ。

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JJ Globo Report WNO08  ケイリン・メデイロス ウィリアム・タケット タイ・ルオトロ ブログ

【WNO08】タイ・ルオトロ強し。代役タケットをポジションで圧倒──クレイグ・ジョーンズ戦に自信!!

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第5回はケイドに続きコ・メインに登場した──ルオトロ兄弟のタイとクレイグ・ジョーンズの代役ウィリアム・タケットとの10代対決の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<185ポンド/15分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def. by 3-0
ウィリアム・タケット(米国)

スタンドで首を抱え合う2人。タイがアームドラッグから小外刈りでタケットを豪快に舞わすが、タケットもすぐに立ち上がる。

引き込んだタケットがシッティングガードを取ると、タイは右で迅速のニースライスへ。タケットはすかさず距離を作って正対するも、タイがもう一度ニースライスを仕掛ける。

タケットはそのヒザに左腕をねじ込み、両足を絡めてヒザ固めへ。タイが足を押し除けて右足を伸ばし、タケットはすかさず外掛けに。さらにヒールを狙うがタイはすぐに回転して取らせない。

やがてタイはタケットの左足のフックを外しながら立ち上がると、自らマットに倒れ込みながら、タケットの背中とマットの間に入り込んでのバック狙いに。背後からたすきを取るが、タケットは体をずらして脱出する。

下になったタケットは再びタイの右足に絡もうとするが、タイもすぐに上から飛び込んでバック狙い。タケットはまたしても体をずらして逃げた。

攻撃の手を休めないタイは、さらに右ヒザでニースライスへ。タケットはタイの右ワキを差して立ち上がると、ボディロックからリバーサルに成功した。さらに低く体重をかけて右足を越えようとするタケット。が、タイはすかさず距離を取って立ち上がった。

また引き込んだタケット。タイが今度は左右にパスを仕掛けてゆくが、インヴァーテッドで対応するタケットは、下からタイの右足を捉えて内掛けで絡む。タイが極めさせないように回転すると、タケットは組み方を外掛けに変化。そこからヒールを狙うが、タイはその動きを察知していたかのようにすぐにダイブして回転し、足を抜いてみせた。

その後もタイはタケットの足首を抑えて左右にパスを仕掛け、タケットが対応すると右のニースライス。ヒザのシールドと腕のフレームでタケットが守る。

7分過ぎ。タイは右のニースライスと同時に左足を大きくサイドにステップオーバーし、一瞬でサイドに。と思いきや、次の瞬間その左足をステップオーバーで戻し、マウントまで奪取する。上からプレッシャーをかけ続けたタイが、一瞬の早技で制圧に成功した。

体勢を低くしてタケットにぴったりと密着したタイは、自らの両腕を用いてタケットの両ワキを開けさせ、肩固めや左腕へのアメリカーナ狙いへ。タケットがしぶとく守ると、タイは右のニーオンザベリーに移行。さらにサイドに移行したところで、タケットが隙間を作って正対に戻すことに成功した。

上のタイは再び右のニースライスを仕掛けると、次は立ってタケットの両足首をコントロールして横にパス。タケットの頭側まで回り、そのまま低く体を預けてあっさり再びパスに成功してみせた。そのままタイはノースサウスチョークを狙うが、タケットが耐える。ならばとタイはニーオンザベリーに移行してダースを狙うものの、ここもタケットは距離を作って凌いで正対する。

俄然優勢のタイは、またしてもパスのプレッシャーをかけてゆく。タケットはその右足に絡もうとするが、タイは低く体重を預けてそれを潰し、上からベースボールチョークで首を圧迫する。それを凌いだタケットは再び下から外掛けを作るが、タイはここでまたしてもダイブしてのベリンボロ流のバックテイク。そのままトラックポジションからバックを奪ってみせた。

さらにバックからのチョークを狙うタイだが、タケットは体をずらす。残り1 分のところで再びマウントを奪ったタイは、ギロチン狙いから再びワキをあけさせに。タケットが簡単には諦めず時間が足りないと見るや、ヒール狙いに切り替えるタイ。それを逃げられると再び上から飛び込んでのバック狙いへ。それを逃げたタケットが逆に足を狙ったところで、試合は終了した。

判定は当然3-0でタイに。クレリンステンに一本勝ちした双子の兄弟ケイド同様、上から飛び込んでのベリンボロを駆使することで、タケットの足関節を完全に封じ込めてカウンターのバックを奪取。さらに絶え間なく仕掛け続けるパスの連続攻撃で、タケットの足を何度も超えての完勝だった。

試合後のインタビューで、当初はクレイグ・ジョーンズと対戦予定だったことに関して「今回対戦相手が変わっても、あまりゲームプランは変わらなかったよ。クレイグとウィリアムの戦い方は似ているから。たくさんパスを仕掛けて、足関節を防いでってね。クレイグには早く治ってほしいね。今日の試合で見せたのと、同じことをやってやるつもりだから」と堂々のコメントを残す。

階級上のタケットとのゴールデン・ティーンネイジャー決戦で、予想を超えた力の差を見せつけたタイ。さらに大きな体格差があり不利は否めないと予想されたクレイグ・ジョーンズとの対戦が改めて実現したとしても、十分に勝機があるのではないかと思わせるような圧巻のパフォーマンスだった。

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JJ Globo PJ・パーチ Report WNO08 ニッキー・ライアン ブログ

【WHO08】ニッキー・ライアン、重厚さ増した組みでBJ・パーチに「なぜか」スプリット勝利

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第4回は若手の台頭が目立つグラップリング界にあって忘れてはならないニッキー・ライアンが、10thPlanetのPJ・バーチを相手に見せた重厚な一戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<175ポンド/15分1R>
ニッキー・ライアン(米国)
Def. 2-1
PJ・バーチ(米国)

当初「自分はいつも下から足関節を極めて勝つから、今回はできる限りそうせずにレスリングで勝負したい」と語っていたニッキー。すぐに座ると、バーチの右足に両足を絡めて崩しながら左足を取って立ち上がり、シングルレッグ狙いに。バーチはすかさずキムラロックのグリップから後方へ投げてカウンター。その動きについていってバックを取りかけるニッキー。だがバーチもすかさずスクランブルで振りほどいて距離を取ってみせた。

再び座ったニッキー。今度はバーチの右足を取ってのシットアップを狙うが、バーチはすかさず距離をとって回避。バーチは改めて右ヒザを前に出してのパスを狙おうとするが、ニッキーがそこにすかさず足を絡めてゆくと、距離を取ることを余儀なくされる。

その後もニッキーが下から足を絡めて仕掛けてゆき、バーチがそのたびに回避する展開が続く。バーチの方はニッキーのヒザと腕のフレームに阻まれてほとんどパスを仕掛けられない。ニッキーはバーチが立つと常に足でコネクションを作って崩し続け、逆にバーチが低く攻めようとすると鉄壁のシールドとフレームで距離を取る。そして常にニッキーはバーチに正対してそのセンターを取り続けている。

途中、ニッキーが下からバーチの左腕を肩にかけて伸ばしかける場面を作るが、バーチは距離を取って回避。またニッキーは下からバーチの右ヒザを抱えて立ち上がってシングルレッグで上を取りかけるが、D1レスリングベースを持つバーチはそのたびにスクランブルに成功した。

残り時間が少なくなっていくが、バーチはニッキーのシールドとフレームを超えられない。逆にニッキーの方も下から足を取りに行くものの、バーチに早めに距離を取られていい場面を作れない状況が続くなか、試合は終了した。

ジャッジは2-1でニッキーを支持。フィニッシュに迫る場面こそ両者ともなかったものの、ニッキーが常に相手のセンターを取って試合を支配し、何度かバーチを崩して上を取りかけ、さらに一度バーチの左腕を伸ばす体勢まで作ったことを考えると、割れたのが意外な判定だった。

試合後勝者は「こちらのテイクダウンに対する彼(バーチ)の反応が予想以上に良かったんだ。キムラロックを狙ってくるのは分かっていたんだけど。僕は練習では相手を抑え込めるんだけど、彼のことは抑えこめなかった。正直この試合の出来には満足できないよ。僕の最悪のパフォーマンスの一つだったと思う。サブミットできなかったし、脅かす場面すらも作れなかった。今後はもっと抑え込みを強くしないと」と語った。

確かに今回派手な勝ち方はできなかったものの、それは得意技に頼らず、試合を通して課題を克服しようとした結果。強豪を相手に目先の勝利だけでなく将来まで見据えた戦いをし、完勝してなお反省する19歳の未来は、明るい。

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JJ Globo Report WNO08 アレックス・グエン グレース・ガンドラム ブログ

【WNO08】攻守に柔軟さが見られた──ノンストップファイトで、グレースがグエンから残り18秒一本勝ち

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第3回はメインカードで組まれた唯一の女子マッチ=グレース・ガンドラム✖アレックス・グエン戦──柔軟さ故に女子独特の動きが多分に見られた一戦の模様をお届けしたい。


<女子115ポンド/15分1R>
グレース・ガンドラム(米国)
Def. 14分42 秒 by リバーストライアングル・アームバー
アレックス・グエン(米国)

グエンがます座り、バタフライガードから足を越えられると、残った足を抱えてシットアップ&スイープに成功する。ガンドラムが待っていましたとばかりに下から仕掛けをスタートする──が、グエンもニースライスからパスの圧力をかける。

頭を抱えて足を抜きに掛かるグエンは、逆側にステップオーバーもこれは自ら下になろうとした選択か。ガンドラムがその動きに合わせて動くと、逆ハーフで自然とトップなるが上にはいかず足を取りに行く。

結果、ガンドラムは下を維持し、グエンがパス狙いに転じる。ガンドラムはロックダウン&アンダーフックの10thPlanet基本姿勢に。グエンはクロスフェースで圧力をかけ、ハーフガードをルーズにしようと心掛ける。ガンドラムは潜り、ディープハーフ、エレクトリックチェアーへ。

相当に股関節が柔軟なのか、グエンは胸を合わせに行く。が、同時にポスチャーをなくし、ガンドラムがスイープに成功する。とグエンは上体を起こして立ち上がって離れる。すぐさまヒザをいれてきたグエンを後方へスイープしたガンドラム。ここはグエンが下を望んで耐えることはなかったか。

ベリンボロのガンドラムに対し、トーホールドで背中を譲らなかったグエンは急遽出場とは思えない大健闘ぶりを見せている。それでもトップになったガンドラムは、短時間ながらレスリングの経験を活かしように屈強なトップゲームを展開。

グエンは外ヒールを仕掛け、ストレートフットロックから上を狙ったが、ガンドラムも譲らず外ヒールから立ち上がってトップを維持する。パス狙いのガンドラムは担ぎパスの圧力を強め、グエンが嫌がって亀になると一気にトラックポジションに変化していく。グエンもすかさす自ら背中をつけて反応すると、ガンドラムは絡めていた足を抜いてサイドを奪取。

グエンも動きを止めず腹ばいになると、再びトラックポジションをガステラムが狙う。ここからボディロックに取られたグエンは、再びうつ伏せをチョイスし、レスリングのファイヤーキャリー張りにリフトし落とす。

下から足を捻るようにスイープを仕掛けたガンドラム、グエンは足を抜かれても即戻してガードを取り直す。ガンドラムが足を絡ませた状態を創り、グエンは内掛けでヒールを仕掛けつつ、解除してトップキープ。左腕を差したガンドラムの横回転からのスイープに対し、グエンは足を取りに行きヒザ十字を狙う。

ガンドラムが腰を引いて足を抜き、シットアップしてスイープを完成させ、グエンのバタフライガードを越えていく。

健闘も押される場面が増えてきたグエンが懸命に外掛けヒールを狙うが、ガンドラムはここもヒザを押して解除して反転、サイドで抑えていく。ハーフに戻されても、右腕を差してパスのプレッシャーを強めるガンドラムが、左腕も差してダブルアンダーへ。足をきかせてきたグエンに対し、一旦スペースを創ったガンドラムはヒザを入れていく。

グエンはハーフバタフライで浮かせて足関節へ。すかさず反応して足を抜いたガンドラムがステップオーバーからパスへ。グエンも必死に右足でフックし、パスを許さない。と、ガンドラムは左右に自在に動いて、ついには完全にパスしサイドで抑える。体を捻りシングルに来たグエンに対し、ガンドラムがノーフックで襷からRNCへ。

絞めのグリップを支点にして、両足をこじ入れてフックさせると、ガンドラムは腕十字狙いにスイッチ。ここから右足をグエンの顔も前に置き、後ろ三角の形に入る。そして──左腕を伸ばすと、ヒジがえげつない角度で反ったグエンが観念したようにタップ。残り18秒で、ガンドラムが一本勝ちした。

「嬉しいけど、疲れた。残り時間は分かっていなかったけど、トライアングルの形に入った時に、コーチから残り時間を告げられたの。あまり試合展開は覚えていなくてハーフからロックダウン、エレクトリックチェアーをして……なんだかあって上を取ったわ(笑)。あとはバックね……でも、ホントに覚えていないの。私は自分の試合を見返すのも好きじゃないし、上手くいかないところを見るとフラストレーションになってしまって……」と独特な雰囲気でインタビューに答えた。

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【WNO08】ケイド・ルオトロ、オールタイム=柔術の全エッセンスを取り入れクレリンステンにリベンジ

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第2回はルオトロ兄弟のケイドとイサン・クレリンステンの間で繰り広げれらた、凄まじい一戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<155ポンド/15分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def. by ダースチョーク
イサン・クレリンステン(カナダ)

注目の再戦。前回二度マウントを取る等優勢に試合を進めたクレリンステンは、すぐに座って前進。ケイドに近づくとすぐにその左足を抱えて立ち上がり、ワキを差してのテイクダウン狙いへ。ここでケイドが豪快に小手投げを放ち。両者は再びグラウンドに。

ケイドは下になりながらも右足を狙いにゆくが、クレリンステンもすぐにヒールで切り返しにかかる。即座に回転して極めを回避したケイドは、立ち上がって50/50で絡んでいる右を抜きに。するとクレリンステンはその足を掴んで立ち上がってテイクダウンへ。が、ケイドは自らダイブするようにスクランブルして逃れてみせた。

ここまで開始からわずか1分。両者が文字通りノンストップで仕掛け合うすさまじい攻防だ。

闘志を前面に出すクレリンステンは、今度はスタンドで前に出てシングルを狙う。が、それを切ったケイドはクレリンステンの首を掴んで崩して上に。クレリンステンは得意のバタブライガードからケイドの体を跳ね上げるが、ケイドは見事なボディバランスで上を保つと、前傾でプレッシャーをかけてゆく。

クレリンステンは右ヒザを立てて侵攻を止めるが、ケイドはそれを飛び越えるようにパス狙い。反応して正対したクレリンステンは、ケイドの右ヒザを抱えてシットアップを狙う。するとケイドが上からダースチョークでカウンター。これを嫌ってクレリンステンが動いたところで、ケイドは左足で大きくステップオーバーすると、顔面からマットにダイブするような形で、クレリンステンの右腕に腕十字を仕掛ける。

そのままクレリンステンの体を返して、完全に右腕を伸ばしたケイド。見事な仕掛けで勝負ありかと思われたが、クレリンステンは動き続け、角度をずらしてなんとか腕を抜いてみせる。フィニッシュに限りなく近いところまでいったビッグポイントだ。

下になったケイドの攻勢は止まらない。クレリンステンの左足を取ると、対角線に流してのバック狙い。体をずらしたクレリンステンは下から足を絡めてケイドの左足を狙う。が、ケイドはすぐに上からダイブしてのベリンボロで切り返し、上のポジションに戻った。

ならばとばかりにクレリンステンはワキを差し、そのまま立ち上がって上に。が、ケイドは下になりながらもクレリンステンの右足に外掛けで絡むと、シットアップして上を取り返してみせた。

下になったクレリンステンは、内掛けからケイドの右足を狙うが、ケイドはここもアナコンダからダースチョークでカウンター。クレリンステンがなんとか頭を抜くと、ケイドはすかさず左に動いてのパス。それをクレリンステンが防ぐと、ケイドは再びダースでプレッシャーをかけてゆく。

クレリンステンはケイドの左足を狙うが、ここもケイドは上からのベリンボロでカウンター。トラックポジションからバックを狙うが、クレリンステンはなんとか体をずらす。攻撃の全てを遮断され、さらにノンストップで攻めこまれて打つ手がだんだんなくなってきているようだ

クレリンステンは再び内回りから足を取りにゆくが、距離を取ったケイドはすぐに右でニースライスを仕掛ける。クレリンステンがその右足を抱えにいくと、ケイドはまたしてもダースチョークに。先ほどはここから腕十字を極めかけたケイドだが、今回はダースを深く入れる。そのままケイドが仰向けになって絞めあげると、ついにクレリンステンがタップした

前回の対戦では押され気味だったケイドが、今回は文句なしの一本勝ち。テイクダウン狙いにはスクランブル、ヒールを狙ってくると上からのベリンボロ、下から足を抱えてくるとダース狙い。クレリンステンのすべての仕掛けに対してカウンターを用意して手詰まりにさせ、さらに攻撃の手を緩めず疲弊させての完勝。18歳が恐るべき成長を見せつけた。何より決着がつくまでの時間、止まることなくオールドスクールの基本技、モダン、10thPlanet、ダナハー流、そしてスクランブルとオールタイム柔術の技術をノーギで際限極まりなく再現し続けた両者、北米グラップリングはとんどもない領域に足を踏み入れていることが実感されるスーパーバウトだった。

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