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【WNO06】クレイグ・ジョーンズが見逃せない、一瞬の切り返し系の極め=ホナウド・ジュニオールと対戦

【写真】石井慧戦ではウェルラウンダーとしての強さを見せていたクレイグだが、IBJJF系の大会でしっかりと結果を残してきたホナウド・ジュニオールとの対戦は非常に楽しみだ (C)SUG

2月26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでWho’s Number One(WNO)の2021年初イベントが無観客で開かれFlo Grapplingでライブ配信が行われる。

全7試合が予定されているノーポイント&サブオンリー&判定有りグラップリング大会、まずは195ポンド(※88.45キロ)契約/15分✖1Rでクレイグ・ジョーンズとホナウド・ジュニオールの対戦が決まった。


クレイグ・ジョーンズはいわずと知れた新世代グラップリング界の雄、昨年末にはSUGに連続出場しブレント・プリマス、石井慧を連破している。WNOは2度目の参戦で、2大会前のWNO04 でロベルト・ヒメネスを内ヒールで下している。

1年でSUGに6度出場、WNOを合わせてワンマッチばかりで7試合、メイソン・ファウラーにOTで2度敗れたもののコロナ禍=2020年も精力的にグラップリングシーンをクレイグはリードしてきた。

対するホナウド・ジュニオールはアンドレ・ガルバォンの黒帯で、パンデミック後活動を再開した柔術シーンではIBJJFのパン、パン・ノーギで優勝している2018年紫帯、2019年茶帯のムンジアル王者だ。

クレイグは全てにおいて能力が高いが故に足関節を極めることができるグラップラー。対するジュニオールはトップで強いプレッシャーを持つ。立ち技も力強く、崩や投げで腕を奪うとパスからバックやサイドとコントロールも絶品だ。

だけでなくガードワークもトルネードスイープを見せたかと思いきや、50/50のように転がって立ち上がる系リバーサルも、ATOSらしい巧妙だ。ノーポイントは下の方が引き出しが多いというなかで、トップの強さを持つジュニオールだからこそ、上になる方法も注目したい。

加えてノーポイントを考慮すると、怖いのがジュニオールの一瞬の切り替えし系のサブミッションだ。エスティマロック、足に注意を行かせて頭を刈って腕十字──等々、クレイグの足や腕を破壊することも十分にありうる。

クレイグとしては、トランジッションとしてサドルから多岐にわたる仕掛けを持つがゆえに、段階を踏んで攻めるスタイルだけにジュニオールの一瞬の切り返しに要注意が必要だ。

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F2W161 JJ Globo Report ティム・スプリッグス ブログ ホベルト・アブレウ

【F2W161】2週連続開催のF2W、スプリッグスに勝利したアブレウのヘビー級王座奪取でハッピーエンド

22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。

前週の160大会に続き、地元フロリダ勢を多数集めて開催。コロナ禍にもかかわらずシーンを盛り上げた同大会レポート最終回はノーギ王座決定戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<F2Wノーギ・ヘビー級王座決定戦/10分1R>
ホベルト・アブレウ(ブラジル)
Def. by 判定 3-0
ティム・スプリッグス(米国)

ファイトスポーツ・マイアミを主宰するサイボーグことアブレウは、地元の大声援に乗って登場。年末に40歳となった大ベテランだが、昨年は現役世界王者カイナン・デュアルチからヒールフックで一本勝ちを収めるなど、名だたる強豪相手に全勝を収める充実ぶりだった。

対する2018年のノーギ・ワールズ王者のスプリッグスは昨年は試合出場せず、これが復帰戦となる。この試合には当団体のノーギ・ヘビー級タイトルが懸けられた。

試合はスタンドでの探り合い、いなし合いが続く。スプリッグスはしばしばアームドラッグを狙うが、二回りほど分厚い胸板を誇るサイボーグのバランスは崩れない。サイボーグは逆にギロチンを狙う素振りを見せて圧力をかける。

5分過ぎ、サイボーグの右腕をたぐったスプリッグスは飛び込んでシングルレッグへ。そのまま押してゆき、ステージから転落しそうになる前にレフェリーのブレイクが入った。

6分経過し──今度はスプリッグスの頭に一瞬触れたサイボーグがダブルで突進。これまた場外に落ちそうになったところで、サイボーグが自ら停止してスプリッグスの安全を確保し、ブレイクに。

試合時間は残り3分半。次はスプリッグスがダブルで飛び込む。それを受け止めてがぶったサイボーグは、前進しながらの小外掛けでテイクダウンに成功した。クローズドガードを取ったスプリッグスは、やがてガードを開いて柔術立ちを試みる。それをサイボーグが追いかけて寝かそうとしたところで、またも場外ブレイク。試合はスタンドから再開となった。

残り1分。しきりに腕をたぐるもサイボーグを崩せないスプリッグスに対し、サイボーグは再び頭を触れてからのダブルレッグで二度目のテイクダウンに成功。そのままサイドポジションに入るが、サイボーグの頭を抱えたスプリッグスもすぐに立ち上がった。

終了間際、後のないスプリッグスはイマナリロールに。それをいなされるとさらにシッティングから仕掛けを試みるが、サイボーグは付き合わず。場内のファイトスポーツ勢が大声でカウントダウンをする中、試合終了。2度のテイクダウンを奪ったサイボーグが判定3-0で勝利した。

スタンドでの探り合いに時間の大半が費やされ。凡戦と呼ばれても仕方のない試合内容だったが、地元の英雄の勝利に場内は大喜び。柔術が盛んなフロリダにて、地元有名選手を大量に出場させてシーンを盛り上げたF2W新年2大会のメインは、サイボーグの戴冠によってハッピーエンディングの大団円となった。


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F2W161 JJ Globo Report ガブリエル・ソウザ ディエゴ・オリヴェイラ ブログ

【F2W161】新世代対決=ディエゴ・オリヴェイラ✖ガブリエル・ソウザ without スイープは前者に凱歌

22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。

同大会レポート第5回は軽量級トップの1人ガブリエル・ソウザとシセロ・コスタの黒帯ディエゴ・オリヴェイラの3度のマッチアップ=決着戦の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<道着/7分1R>
ディエゴ・オリヴェイラ(ブラジル)
Def. by 判定2-1
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)

軽量級の未来を担う若手対決は、両者ともに黒い道着でほぼ同体型、さらに二人とも横を刈り上げた髪型。先週のグレイシー✖マルケスに続いて判別困難な2人によるギマッチだ。

試合開始後座ってダブルガード状態になった両者。上を選択したオリヴェイラに対し、ソウザは素早く動いてインヴァーテッドを作る。その足を振り払い、瞬時に胸を合わせたオリヴェイラ。が、即座に動いて隙間を作ったソウザはディープハーフに入ると、あっという間に回転の方向を変えてワキを差し、立ち上がって上に。

同じような外見の黒装束の両者が、ともにすさまじいスピードで目まぐるしく動き回る。まるでアクション映画で忍者同士が戦っているかのような序盤戦だ。

下になりながらもオリヴェイラは逆クローズドガードに。が、すかさず立ち上がったソウザは、勢いよく座り込んでスラミング。オリヴェリラがガードを解いて足を絡めてゆくと、ソウザは自分から寝るようにして下になった。

その後も、お互いのスイープで上下が入れ替わる展開が続く。点数制の試合ではないこともあり、どちらもあまり上をキープすることに拘らない様子だ。

残り1分少々となったところで、ソウザの左足を下からすくって崩したオリヴェイラ。ソウザが上に戻ろうしたところで、すかさず引き込んでハイガードからオモプラッタへ。そのまま上を奪ってみせた。

ソウザは下になりながら50/50で足を絡ませると、オリヴェイラのラペルを引き出して絡めて崩す。下になったオリヴェイラは足関節狙いにいくが、やがてクローズドガードに。最後に三角狙いを見せるが、ソウザが無難に防いだところで試合終了した。

一進一退の目まぐるしい攻防の判定は、2-1でオリヴェイラに。お互い相手のスイープにあまり抵抗せず、自ら背中を付けるように上を譲りがちだったこの試合。それだけに、終盤にオリヴェイラがオモプラッタで綺麗に上を取った場面が強い印象を残した。


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F2W161 JJ Globo Report アルナウド・マイダナ テックス・ジョンソン ブログ

【F2W161】足関節使いのニューウェーブ=テックス・ジョンソンが、三角&腕を極めてマイダナに圧勝

22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。

コロナ禍にもかかわらずシーンを盛り上げた同大会レポート第4回はジャクソン・ソウザとフィリッピ・プレギーサ・ペナをヒールで破った──エディ・加イングス直伝の足関使いテックス・ジョンソンと2017年ノーギ・ワールズ優勝アルナウド・マイダナの一戦をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ/7分1R>
テックス・ジョンソン(米国)
Def. by 腕ひしぎ腕固め
アルナウド・マイダナ(ブラジル)

試合開始後、すぐに座ったジョンソンは、バットスクート(尻歩き)で前進。そのままマイダナの左手首を両腕でがっしり掴むと、万力で引っ張って前に崩し、さらにマイダナの右手を両腕で掴んで引きつけてクローズドガードに入った。

そからすぐに角度を作って右腕をマイダナの左ヒザ裏に入れたジョンソンは、ハイガードを作ると、マイダナの左腕を両腕で抱えての腕ひしぎ腕固めで強烈に絞り上げる。

なんとか角度をずらし、腕を曲げてみせたマイダナだが、ここでジョンソンは両足でしっかりと三角の形にフック。マイダナの体を固定すると、再び左腕を両腕で絞り上げての腕ひしぎ腕固めへ。ここでマイダナがタップ。試合開始わずか1分少々にして、ジョンソンが圧巻の一本勝ちを奪ってみせた。

自分だけが一方的に攻撃を繰り出し続け、相手に何をさせる時間も与えないまま極めきったジョンソン。持ち前の剛力を、技術をもって最大限に活かしての勝利だった。


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F2W161 JJ Globo Report ジョルジ・サンチアゴ ブログ

【F2W161】ジョルチ・サンチアゴが道着柔術マッチに出場し、終了間際にバックマウント奪取で快勝

22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。

コロナ禍にもかかわらずシーンを盛り上げた同大会レポート第3回はかつて戦極、Strikeforce、UFCで活躍したジョルジ・サンチアゴが道着マッチに出場した一戦をお送りしたい。

<道着/6分1R>
ジョルジ・サンチアゴ(ブラジル)
Def. by 判定3-0
フレデリコ・モンカイオ(ブラジル)

自身と同じようにフロリダ在住の同朋モンカイオ対戦したサンチアゴは、試合開始と同時に引きこまれてもニースライスパスを仕掛ける。モンカイオは左腕を差して起き上り、スイープに成功する。ヒザをつけたモンカイオに、ハーフバタフライでコントロールを狙うサンチアゴがオモプラッタへ。

サンチアゴは帯を掴んで左足を伸ばし、スイープを狙う途中で技を解き、バックに回る。亀のモンカイオはワンフックで体重を掛けられると、引き込んでガードを選択する。モンカイオのニーシールドに対し、立ち上がってパスを仕掛けたサンチアゴがバックコントロールに。

前転して引き込もうとしたモンカイオのラペラと襟を掴んだサンチアゴが、両足をフックする。2on1コントロールから絞めを伺うサンチアゴ、ここでタイムアップとなり3-0で勝利を手にした。仮に──IBJJFルールなら4-2でサンチアゴという内容だった。とはいえ、攻め続けていたのはサンチアゴだったが、バックマウントという明確なポジション奪取がなかった場合、序盤にリバーサルを決めたモンカイオの勝利になるのか──F2Wでの勝ち方というのは気になるところだ。


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F2W161 JJ Globo Report ハイサム・リダ ブレンダン・アレン ブログ

【F2W161】ハイサム・リダ、初陣でUFCファイターのブランダン・アレンに快勝。アレンも頑強な守り見せる

22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。

コロナ禍にもかかわらずシーンを盛り上げた同大会レポート第2回は米国に旅立ったハイサム・リダが元LFAミドル級王者でUFCのブランダン・アレンと対戦した試合の模様をお伝えしたい。

<ノーギ・7分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def. by 判定3-0
ブレンダン・アレン(米国)

リダ・アイザックとコールされたハイサム。アレンがダブルレッグを決めてトップを取るとハイサムはクローズドガードへ。腰を切って腕十字のハイサムは腕を抜かれると、足関節狙いからのスクランブルで上を取り、パスからニーインベリー。さらにワキをすくって腕関節を仕掛けつつバックへ。亀になり前方にハイサムを落としていくアレンは、腕十字を防ぎトップへ。

ハイサムは再びクローズドガードをセットし立ち上がったアレンの足をすくっていく。続いてアレンの左手首を両手で掴み、腰を切ったハイサムだが、すぐに正対して四の字に下から組む。ガードの中で仕掛けの無いアレンは。立ち上がろうとするも、ハイサムは足をすくい腰を押してスイープを狙う。アレはヒザをつき、もう一度立ち上がると離れてパスへ。

足をきかせ、クローズドを取ったハイサムは正面から首を抱えられスラムされると同時に足関節を取りに行き、そのままリバーサル──トップへ。アレンの50/50を抜けたハイサムが、スクランブルのアレンのバックに回るや、そのまま前方に回りながら腕十字に移行する。アレンがクラッチして耐え、タイムアップも終始攻め続けたハイサムが判定勝ちを収めた。

見事にF2W初陣で快勝したハイサム、と同時に守勢ながらもアイザックに取らせなかったアレン──米国MMAファイターのグラップリングの強さを見た想いもした。


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F2W161 JJ Globo Report デヴィッド・ガルモ ブログ

【F2W161】デヴィッド・ガルモ、スタンドもグラウンドもベナビデスを圧倒し3-0の判定勝ち

22日(金・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)161が行われた。

前週の160大会に続き、地元フロリダ勢を多数集めて開催。コロナ禍にもかかわらずシーンを盛り上げた同大会レポート第1回はカルペディエム勢として日本国内でも活躍したデヴィッド・ガルモの試合をお届けしたい。

<ノーギ・7分1R>
デヴィッド・ガルモ(米国)
Def. by 判定3-0
エイドリアン・ベナビデス(米国)

一見して体格差のある──太目のベナビデスを相手にガルモがシングルレッグを仕掛ける。続いてアームドラッグと積極的に動くガルモがシングルからダブルレッグに移行して、テイクダウンに成功する。ベナビデスのギロチンを防ぎ、バック狙いのガルモは引き込んだベナビデスの足関節を防いでサイドを取りワキをすくっていく。

背中を取りトラックポジションのガルモは、足を狙ってきたベナビデスを上四方で抑える。場外となり試合はスタンドで再開。ダブルレッグで上を取り戻したガルモは、ハーフガードにダースを合わせようとする。潜ってきたベナビデスにトーホールドを仕掛けたガルモ。ベナビデスが反応して足を抜いて立ち上がると、背負い投げを決める。

スタンド、グラウンド両方の局面でガルモがベナビデスを圧倒する。ベナビデスのデラヒーバガードにも前転して足を抜き、常にトップからパスのプレッシャーを掛けダースを狙いつつ、ネルソンで背中をつかせようと攻める。防御に徹するベナビデスは亀から巻き込むが、ここもガルモがトップをキープし、ハーフバタフライで浮かされると前転して不利な姿勢を取らない。

最後はパスからバックに回り、ハーフに戻されるも一度として危ないシーンのなかったガルモが3-0で文句なしの判定勝ちを手にした。


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IBJJF JJ Globo News ブログ

【IBJJF】ついにノーギ・アダルト黒&茶でヒールフック、そして外掛け解禁が正式決定!!

【写真】2007年から始まったノーギ・ワールズで内掛けストレートフットロック、トーホールド、ヒザ十字だけでなくついにヒールや外掛けが解禁される (C)IBJJF

ついにノーギのアダルト黒帯と茶帯の部においてレッグリーピング(外掛け)とヒールフックが解禁された。IBJJFが2021年度のルール改正を発表し、かねてから予告されていたように、従来は禁止されていた相手のヒザを捻る攻撃がほぼ全面的に認められることになった。
Text by Isamu Horiuchi

このルール改正により、つまり外ヒールや内ヒールに加え、トーホールドの形から外側に圧力をかけることや、アキレス腱固めから相手の自由な足側に動いて極める動きも可能となる。


(C)SATOSHI NARITA

さらに、それらの足関節技のセットアップにきわめて有効な外掛けポジションも解禁。

インサイド・サンカク、ハニーホール、サドルロック等さまざまな名称で呼ばれるこの形への入り方、そこから極めるまでの繋ぎ方、その防ぎ方こそ、近年のグラップリング・シーンにおいて最も顕著な技術的発展を遂げてきた分野だ。

(C)DAVE MANDEL

今回のルール改正は、これらの技術の普及と有効性をIBJJFが認めてのものといえるだろう。

ただし、しばしば見事なヒールでのフィニッシュにつながる、スタンディングから飛びついてカニバサミを仕掛けてのテイクダウンは禁止のまま。が、グラウンドの状態にて、背中を付けて回転するなどして同様の形に足を絡めて外掛けを作るムーブは可能だ。

カニバサミ=フライング・シザーは正面からでない、横から仕掛けは許されても良いと思われるのだが……閑話休題。

(C)KEISUKE TAKAZAWA

また、スタンドからのいわゆるイマナリロールは、従来から禁止されている「相手を掴まずに引き込む」動きに該当するため反則となる。

ノーギではない道着着用の柔術部門の全てのカテゴリー、またノーギ部門での全てのマスターの部や紫帯以下の帯色では、従来通りレッグリーピングとヒールフックは反則のままだ。

この動きを受けて、今までIBJJF大会を敬遠しがちだった足関節技師たち──ゴードン・ライアン、ゲイリー・トノン、クレイグ・ジョーンズら──が積極的に参戦し、最先端の攻防がIBJJFノーギの舞台でも見られることが期待される。その結果、これまでは世界大会と呼ぶには寂しい陣容であることも多かったノーギ・ワールズが、ADCC世界大会に匹敵する舞台となる可能性もある。

オズワルド・ファダ系モニーウ・サルモの弟子ジュリオ・セザーは足関王=O Rei do Chave-de-Perna(オヘイド・シャウジペゥニャ)と呼ばれた柔術家。後のGTF代表だ

ブラジリアン柔術にあった足関節系の技術は、かつてブラジルでは主にリオ北部──豊かなリオ南部の人間からズブービオ(※郊外)柔術という蔑称で呼ばれていたオズワルド・ファダに代表される非グレイシー系の道場で細々と受け継がれてきたもの。

それもあり、ブラジリアン柔術界においてはヒールのみならず足関節技をスブービオ柔術が使う邪道とみなす風潮が根強く存在した。当初IBJJFがノーギ部門でさえ全面的にヒールを禁止したことは、安全性への考慮だけでなく、こうした足関節技への意識も無関係ではなかっただろう。

その技術が今世紀に入り、ジョン・ダナハーとその弟子たち等による技術改良を経て、各種ノーギグラップリング大会において一大センセーションに。その勢いはとどまるところを知らず、今回ついに、競技柔術の最高権威までもがその価値を認めざるを得なくなった形だ。

競技統括団体が、自らの都合でルールやその価値観を「上から」一方的に押し付けるのではなく、競技者とその側にいる指導者たちが技術を改良&創造し、価値観を変え、ルールの変革を促してゆく──そんな可能性が柔術には秘められていることを示した、このルール改正の歴史的意義は大きい。

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F2W161 JJ Globo Preview ガブリエル・ソウザ ジョルジ・サンチアゴ ティム・スプリッグス ディエゴ・オリヴェイラ デヴィッド・ガルモ ハイサム・リダ ブログ ホベルト・アブレウ

【F2W161】ハイサム・リダ&デヴィッド・ガルモが北米トップ舞台へ。アブレウ&ジョルジ・サンチアゴも

【写真】ハイサムとガルモがF2Wに出場、着実に米国で足固めをしている (C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてFight 2 Win(F2W)161が行われる。先日同会場で行われた160大会に次ぎ、2021年の開始を飾る大型グラップリングイベントは、Flo Grapplingで視聴可能だ。

今回もADCCトップレベルのグラップラー、このスポーツの未来を担う新鋭に加え、MMAで活躍した往年の名ファイターに加え、日本の柔術界に深くかかわる2選手が出場する──見逃せないイベントだ。
Text by Isamu Horiuchi


<10分1R>
ホベルト・アブレウ(ブラジル)
ティム・スプリッグス(米国)

サイボーグことアブレウは、インヴァーテッドの体勢から相手を舞わすトルネードスイープの名手にして、13年のADCC世界大会無差別級王者。15年の同大会スーパーファイトでアンドレ・ガルバォンに敗れた後は、17年は最重量級3位、無差別級の初戦では新星ゴードン・ライアンの内ヒールに屈しており、19年には最重量級準決勝でやはりジョン・ダナハー門下のニッキー・ロドリゲスと大激闘の末に惜敗。判定を不満として3位決定戦と無差別級出場を拒否している。

このようにADCCでは久しく栄冠を取り戻せていないサイボーグだが、2020年は出場した試合で全勝。しかもMMAを引退したBellator世界ミドル級王者ラファエル ・ロバト・ジュニア、ルーカス・バルボーザ、フィリッピ・アンドリュー等世界超一流の重量級グラップラーを下しており、さらに9月のBJJ Bet大会では現世界王者カイナン・デュアルチと対戦。デュアルチが下から足を絡めてきたところをすかさず内ヒールを極めて一本勝ち。技術進化にしっかり対応しているところも見せつけている。

対するスプリッグスは、強力なレスリングベースを持つ18年のノーギ・ワールズ王者。20年はメジャー大会では一度も試合をしておらず、復活を賭けた試合となる。

<10分1R>
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)
ディエゴ・オリヴェイラ(ブラジル)

この1月に24歳となるソウザは、18年に黒帯取得。19年にはジョアオ・ミヤオを決勝で下してアブダビ・ワールドプロ62kg級を制すなど、ミヤオ兄弟相手に3戦3勝、モダン柔術的な競り合いにも抜群の強さを発揮し、軽量級世界トップの柔術家の一人に躍り出た。2020年に戦場をライト級に上げてもその強さは変わらず、ジアニ・グリッポ等の強豪から勝利を挙げている。

対するシセロ・コスタ門下の19歳、ディエゴ・オリヴェイラは19年の茶帯ライトフェザー世界王者。同年黒帯を取得するとすぐに世界最高峰の舞台で活躍をみせており、Kings of Mat大会では橋本知之にも勝利している。

ともに組技新世代を代表する軽量級若手グラップラーである両者は、19年と20年にそれぞれ1度ずつ対戦。19年にはソウザが、20年にはオリヴェイラが勝利している。今後長いこと世界の頂点を競い合うこととなるに違いない、若手ライバル対決だ。

<10分1R>
テックス・ジョンソン(米国)
アルナウド・マイダナ(ブラジル)

19年のKasai Pro大会でジャクソン・ソウザとペナの2人をヒールフックで仕留め、一躍名を挙げた重量級の怪力グラップラー。その足関節技技術はユニティ柔術同門、エディ・カミングス譲りのものだ。対するチェックマット所属のマイダナは、17年のノーギ・ワールズ王者。同年にパトリック・ガウジオを得意のオモプラッタで下した実績が光っている。

なお今大会では日本のカルペディエムのハイサム・リダとデヴィッド・ガルモも登場する。リダの相手はエイドリアン・ベナヴィデス、ガルモの相手は未定だ。

リダは、昨年12月に行われたノーギ・アメリカンナショナルズ大会に出場。スーパーヘビー級で優勝、無差別級では準決勝でガブリエル・アウメイダに敗れて3位入賞しており、Quintetベガス大会以来の北米プログラップリング大会出場となる。

現在はデトロイト柔術所属のガルモも、やはり昨年12月のノーギ・アメリカンナショナルズに出場。階級別(ミドル級)では準々決勝で敗退したものの、無差別級では3試合連続一本勝ちで決勝に進出。ここでもガブリエル・アウメイダという壁に跳ね返されたものの準優勝という快挙をなし遂げた。

日本人選手の北米進出は、なかなか難しい状況であることはMMAもグラップリングも変わりない。そのなかで日本所縁の選手たちのメジャー大会進出は嬉しい限りだ。

また本大会には前週のJZ・カバウカンチに続き、J-MMAの戦極からストライクフォース、UFCで活躍したジョルジ・サンチアゴも登場。フレッド・モンカイオと戦う。MMAヴェテラン勢が健在ぶりを見せてくれるところも、この大会の魅力だ。

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F2W160 JJ Globo Report ウィリアム・タケット ジョン・コムズ ブログ

【F2W160】インヴァーテッドもスクランブルも強いタケット✖フォーク出身で下も強いコムズの一戦は──

16日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミのフォー・アンバサダーズ・ビルディングにてグラップリングイベントFight 2 Win(F2W)160 が行われた。

レポート最終回は2020年グラップリング界の成長&注目株#01といっても過言でない、ウィリアム・タケットが、ヴァグネウ・ホシャの代役でフォーススタイル・レスリングがベースのジョン・コムズと対戦した一戦をお送りした。
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ/10分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
Def. by 判定2-1
ジョン・コムズ(米国)

メインイベントにて注目の新星タケットと対戦予定だったヴァグネウ・ホシャが、直前で負傷欠場。急遽代打出場となったのは、アマル・エストンの黒帯ジョン・コムズ。カレッジレスリングにおいてNCWA(全米カレッジレスリング協会≠全米体育協会NCAA)オールアメリカンというバックグラウンドを持ち、昨年のノーギ・アメリカンナショナルズも制した29歳のグラップラーだ。

特筆すべきは、コムズは2019年2月のADCC西会海岸予選決勝にてタケットをギロチンで下していることだ。これ以来タケットは誰にも1本負けを喫していない。昨年躍進を遂げたタケットとしては、2年ぶりのリベンジマッチとなる。

試合後すぐに引き込んだタケットは、シッティングガードからすかさずコムズの右ヒザ裏を両腕で抱えると、引き寄せて崩してからシットアップして上に。が、シッティングを取ったコムズがすぐにギロチンで逆襲、回転して逃げるタケットから上を取り返す。

下になったタケットはすぐさまワキを指してスクランブルしてスタンドに。するとコムズがすかさず小外刈りでテイクダウンへ。それをタケットがギロチンで切り返すが、コムスはすぐに首を抜いく。ハイレベルな柔術とレスリングが融合した──流れるような攻防で、両者は序盤から観客を魅了したのだった。

再び下になったタケットは、軽量級柔術家のようなスムーズな動きからインヴァーテッドを作りコムズに絡むと、その右足を掴んで崩して足関節狙い。が、タケットの狙いを熟知したコムズは左足を中に入れることでロックを作らせず、足を抜く。するとタケットはすかさずボディロックからのテイクダウンに移行、再び上を取り返したのだった。

下になったコムズも、タケットに劣らず器用に足を効かせる。やがてその右足を引き出して肩に抱え、立ち上がってまたしても上を取り返す。その後もタケットはしきりにインヴァーテッドから崩しての足関節を仕掛けていき、防がれるとすかさず上に。

対するコムズもパスを仕掛けてきたタケットのワキをくぐって上を取り返す等、きわめてテクニカルで動きのある攻防が続いていった。

一進一退の応酬は、10分間両者譲らぬタイムアップ。判定は2-1、下からの足関節で極めを狙う場面がやや多かったタケットに上がった。

背中を軸にスムーズにマットを回転し、インヴァーテッドから足を絡ませる攻撃を主体にしつつ、チャンスと見るや上を取り切る力のあるタケットと、強力なレスリングベースを持ちながらも、下からも柔らかく足を効かせて各種のスイープや極めを狙えるコムズ。2021年最初のビッグイベントのメインは、2人の米国人選手が、北米ノーギグラップリングの技術的洗練を見せつけるものとなった。


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