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JJ Globo Report WNO07 ブログ マイキー・ムスメシ マルセロ・コーヘン

【WNO07】脱いでも強いんです。マイキー・ムスメシがマルセロ・コーヘンを三角腕固めで一蹴

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催された。世界最強のノーギグラップラーであるゴードン・ライアン、そのチームメイトにして最大のライバル候補であるニック・ロドリゲス、さらに最軽量級柔術絶対王者マイキー・ムスメシら、注目選手の試合レビュー。

第1回はノーギ制覇に乗り出したマイキー・ムスメシとマルセロ・コーヘンの1戦の模様をお伝えしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def. 2分57秒by 腕ひしぎ腕固め
マルセロ・コーヘン(ブラジル)

試合後すぐに座ったムスメシは、コーエンの左手首を掴んでクローズドガードに。ガードが開くと、距離を取ったコーヘンはダイブしてのトーホールド狙いを2連続で繰り出す。ムスメシに難なく対処されてしまったが、積極的だ。

やがてムスメシは、コーヘンの右足に絡んでのハーフガードを作る。腰を引いて防御するコーエンだが、ムスメシは下からその左足をたぐってバランスを崩して上に。そのままコーヘンの左足を腹で潰したムスメシは、首を腕で抱えて上半身も制した上で、下半身を滑らせてマウントを奪取。3分経過のところだった。

コーヘンはなんとか下半身を動かしてハーフに戻すが、ムスメシは左腕で枕を取り、コーヘンの首を完全に殺しているので体勢は崩れない。やがてマウントに戻るムスメシ。コーヘンはハーフやクウォーターに持ち込むが、強烈なプレッシャーで首を制されている状況は変わらない。

コーヘンの左ワキを差したムスメシは、時間をかけてこじ開けにかかる。懸命に抵抗するコーヘンだが、ムスメシがさらに前方に体重をかけてゆくたびに、徐々にワキを開けられてゆく。ここでムスメシが腕を滑らせてプレッシャーが緩んだところで、左ワキを閉じるコーヘン。と、次の瞬間ムスメシは右足でコーヘンの左腕を超えて三角絞めをロックした。

まんまとコーヘンを罠にかけたムスメシは、背中を付けながらコーヘンの右腕を一瞬で伸ばしてフィニッシュした。試合時間は8分足らず。ムスメシが、5年ぶりのノーギグラップリングの試合で圧勝した。

試合後ムスメシは「(ノーギは)ちょっと滑りやすいからそこだけは違ったけど、あとはギと同じだよ」と語ったムスメシは、さらに「ちょっとモチベーションを失っていた。だからロースクール(法科大学院)に行こうかと思ったこともあったけど、DVDを創ったり、ノーギの試合にチャレンジすることでまた燃えてきているんだ」と語った。

スペースを潰してポジションを固め、プレッシャーをかけて相手の隙を作ってフィニッシュ。きわめて完成度の高い柔術ファンダメンタルの力を見せつけてノーギ復帰戦を飾ったムスメシ。この戦いが、より高い専門性を持ったノーギグラップラーとのマッチアップで通用するか非常に楽しみだ。


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JJ Globo Preview WNO07 ブログ マイキー・ムスメシ マルセロ・コーヘン

【WNO07】コーヘン戦で、IBJJF道着柔術最強マイキー・ムスメシがADCC制覇を目指し始動

【写真】ノーギ、ノーポイント、ファンダメンタルの強さが見たいマイキー(C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催され、Flo Grapplingで放映される。世界最強のノーギ・グラップラーを3度に分けてプレビュー。

最終回はIBJJF道着ルールで、軽量級最強の存在となったマイキー・ムスメシ、5年振りのノーギマッチを深掘りしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
マルセロ・コーヘン(ブラジル)

ムスメシは、2017年から2019年まで柔術世界選手権3連覇中(2017&2018年はライトフェザー級、2019年はルースター級、昨年はコロナ禍により大会なし)。トップ勢の実力が拮坑しがちな軽量級戦線にあって頭一つ抜けた実力を誇り、しかもまだ24歳というのが驚きだ。

2017年はライバルたちをポイントゲームで出し抜いての戴冠という印象があったが、18年は準決勝、決勝とも相手を一方的に攻め込んでの完勝。複雑なスイープはもちろん、クローズドガードからの基本的な極めやバック取りの技術の精度の高さを見せつけた。

2019年はさらに階級を下げて、準決勝で最軽量級絶対王者ブルーノ・マルファシーニと対戦。スイープ合戦の末、最後は盤石のベースで上をキープして勝利。決勝はなんとわずか12秒でホドネイ・バルボーザをストレートフットロックで仕留めてみせた。

さらにムスメシは近年は無差別級にも挑戦。昨年初のヨーロピアン大会では2試合を勝ち抜いて、準々決勝でスーパーヘビー級世界王者のモハメッド・アリーと対戦。僅差で敗れたもののアドバンテージ差の接戦を演じてみせた。

そんな自他共に認める世界最強の軽量級競技柔術家ムスメシが、今回は約5年ぶりのノーギルールでの試合出場となる。もっとも本人はノーギを苦手としていたわけではなく、その5年前の試合ではジョアオ・ミヤオに競り勝ってノーギ・ワールズ黒帯初戴冠を果たしている。

戦い方を見ても、クローズドガードからの仕掛けや低くプレッシャーをかけてのパスガード等の柔術ファンダメンタルにおいて無類の強さを誇り、トラックポジションの奪取等ノーギでもよく使われる動きを得意とするムスメシのスタイルが、ノーギでも猛威を振るうことは容易に想像できる。

「僕は子供の頃からノーギの試合が大好きで、ずっと道着ありと並行してやってきた。ただ成長してからは、練習相手の多くが道着ありで練習していたから、僕もそっちに専念していただけだよ。そして僕は道着着用ルールでは全てを成し遂げた。ノーギでもワールズは優勝したけど、まだADCC世界大会は獲っていない。それが今の僕の夢なんだ」と語るムスメシ。

今や道着とノーギは別物という世界観になるつつあるなか、やはりずぬけた力の持ち主は思考も違ってくるのか。今回の試合はADCC優勝=道着あり&ノーギの両部門における世界完全制覇という野望に向けての第一歩と位置付けられることとなる。

対するコーヘンは37歳ながら近年、パンノーギ大会やノーギアメリカンナショナルズで優勝を果たしている選手。先のコンバット柔術ワールド2021ではリチャード・アラルコンと準々決勝で戦いRNCにより敗れている。その際、コーヘンは上も下も徹底して寝技を避け、OTに賭けるという戦いを見せていた。とはいえ、本来の彼はクローズドガードからのキムラで返して極めるのが必殺パターンだ。グラウンドにおける全てに局面に強いムスメシ相手では圧倒的不利は否めないが、まずは自分の得意の形を作りたいところだ。

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JJ Globo Preview WNO07 ニック・ロドリゲス ブログ ユーリ・シモエス

【WNO07】No more only Wrestle。ゴードン越え宣言のロドリゲスに対し、シモエスは意地を見せられるか

【写真】勢いは完全にロドリゲスにあるが、シモエスも一念発起──意地を見せることができるか(C)SATOSHI NARITA

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催され、Flo Grapplingで放映される。世界最強のノーギ・グラップラーを3度に分けてプレビュー。

第2回は可能性はまだまだ無限大のニック・ロドリゲスと、最近は制裁を欠くユーリ・シモエスの見所を探りたい。
Text by Isamu Horiuchi

<15分1R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
ニック・ロドリゲス(米国)

シモエスは、ADCC世界大会で二度王者に輝いた(2015年88キロ以下級、2017年99キロ以下級)ベテラン。闘争心を全面に押し出すスタンドレスリング、爆発的なスピードで左右に動いてのパスを軸としたトップゲームで世界を制してきた。

その実、しっかりとガードゲームでも詰将棋ができるシモエスだが、近頃はその強さが発揮できないことが続いている。昨年末のOne Championshipで中国のファン・ロン相手にMMAデビューを果たすも、寝技で極めきれず、打撃を被弾し判定負け。2月のBJJ Stars 5では道着着用のヘビー級グランプリに代打出場し、ルーカス・バルボーザに0-7で敗戦。さらに2週間後にはF2W 164に出場し、最も得意とするノーギグラップリングで階級下のヴァグネウ・ホシャと対戦し、下から攻撃を仕掛けてゆくも防がれて不可解な判定負けを喫してしまっている。

対するロドリゲスは、ゴードン・ライアンを擁するジョン・ダナハー軍団の新鋭。2019年のADCC世界大会最重量級に青帯ながら出場し、強力なレスリングベースを活かしたダイナミックな攻撃とスクランブル力をもって、モハメッド・アリー、オーランド・サンチェス、ホベルト・アブレウといった世界王者たちを次々と撃破して準優勝に輝いた。

昨年7月の直近の試合ではロベルト・ヒメネスに敗れるなど、2020年にはそれほど多くの試合には出なかったロドリゲス。それでも、豪華メンバーを揃えたKASAI Pro7のヘビー級グランプリでサイボーグ・アブレウやヴィニー・マガリャエス等と引き分けて3位入賞し、力を示している。

コロナ禍のNY、そして最近チームごと移住したプエルトリコにて、ゴードン・ライアン、クレイグ・ジョーンズらとの激しい練習を欠かしていないというロドリゲス。ADCCではもっぱらレスリングと身体能力に頼って戦ったが、それ以来柔術技術の習得に専念してきた様子だ。

「自分はゴードンを身体能力ではるかに上回る。だから同程度の技術を身に付ければ必ずゴードンに勝てる」と最強のチームメイト超えを宣言することも辞さないロドリゲスが進化を見せつけるのか、それともシモエスが最近の不調を乗り越えて強さを発揮するのか、注目の重量級決戦だ。

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JJ Globo Preview WNO07 ゴードン・ライアン ブログ ヴァグネウ・ホシャ

【WNO07】プレビュー─01─世界最強ゴードン・ライアンに挑む、ホシャの秘策はラフプレー!?

【写真】ADCCでは2階級差があるゴードンとホシャ(C)SATOSHI NARITA

26日(金・現地時間)、テキサス州ヒューストンでノーギグラップリング大会Who’s Number One(WNO)07が開催され、Flo Grapplingで放映される。世界最強のノーギ・グラップラーを3度に分けてプレビュー。

第1回はゴードン・ライアンが出場するメインの見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi


<30分1R>
ゴードン・ライアン(米国)
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)

ライアンは、2019年のADCC世界大会にて99キロ以下級と無差別級を制覇、現在世界最強のノーギ・グラップラーと目される存在だ。バタフライガードから相手を崩してのバック取りと足関節技を得意としており、圧倒的なフィニッシュ率を誇る。先日はMMAとグラップリングでONE Championshipと契約したことが発表された。

先月のWNOでは、ロベルト・ヒメネス相手にあえてトップゲームで勝負。きわめて高い精度のパスガードの連続攻撃を繰り出してマウントを奪取し、強烈な腕十字で完勝。理詰めに段階を踏んで相手を追い詰めてゆき、その動きの一つ一つがこの上なくタイトで相手に逃げる隙を与えない、恐るべき技術的完成度を見せつけた。

その強さに釣り合う相手がなかなか見当たらないライアンとの対戦に名乗りを上げたのは、ヴェテランのヴァグネウ・ホシャだ。中重量級の体格ながら重量級との対戦も厭わず、常にアグレッシブに前に出てゆく戦いを身上とする。先月のF2W 164では重量級のユーリ・シモエス相手にスタンドで譲らず、シモエスの下からの仕掛けも防いで(裁定基準の不可解さは否めないながらも)判定勝ちを収めている。

これまでにライアンとホシャは二度対戦し、2015年に引き分け、2016年にはライアンがチョークで勝利している。そのうえ彼がこの5年間で巨大な筋肉を身に付け、技術的にも飛躍的な向上を見せたことを考えると、今回の試合も圧倒的にライアンが有利だろう。試合スタイルを見ても、ライアンの卓越したバタフライガードに対して、体格に劣るホシャが上をキープするのは困難と思われ、一度ライアンが上を取ったら試合は一方的になる可能性が高い。

事実ライアンもこの試合の決定を受けて「あんな奴、好きなだけ一方的にいたぶって、飽きたらフィニッシュしてやるよ」と余裕のコメントを残している。

同時にライアンは「奴は人を虐めることで喜びを感じる類の人間なんだ。俺がまだ19歳の頃、奴は俺がかぶっていた王冠を叩き落として笑いやがった」とホシャへの嫌悪感を隠そうとしない。

以前、AJ・アガザーム相手にラフプレイ──道着着用の試合にもかかわらず牽制のジャブを繰り出し、嫌気を差したアガザームが背を向けたところで、前蹴りでステージ外に蹴落としたという行為を見せたホシャ。

今回も好戦的な戦い方で、ライアンの冷静さを失わせる場面を作る可能性は考えられなくもない。

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BRAVE CF49 JJ Globo Report ブライン・オドリスコール ブログ ホゼ・トーレス

【BRAVE CF49】殴られたら、より多く殴り返す。テイクダウンでも圧倒したトーレスが貫録の判定勝ち

<61キロ契約/5分3R>
ホゼ・トーレス(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ブライン・オドリスコール(アイルランド)

ワンツーのオドリスコールに対し、右カーフを蹴るトーレス。近い距離での殴り合いは、オドリスコールの手数が多く優勢だ。ワンツー、ボディから顔面へのコンビネーションでオドリスコールがパンチをまとめるとトーレスは左目尻をカットして、ケージに詰まる。ヒザ蹴りをボディに入れ組みついたオドリスコールは、右ボディを連続で入れワンツーフックから離れる。

トーレスは左ジャブ、左リードフックから右フックを当てるが、ガードがなく左右のフックを被弾する。エルボーを入れたトーレスは、右ロー&左フックを当てる。オドリスコールは変わらずワンツーで前に出て、組まれても右フックをヒットさせる。トーレスはボディから左フックも、オドリスコールが右を返す。ここからジャブからボディ、左フック、さらにアッパーと盛り返したトーレスが右ストレートでダウンを奪う。立ち上がったオドリスコールをケージに詰めてヒザ蹴り、離れて左ボディフックを決めるトーレス。

続いて左リードフックをヒットさせたトーレスは、ボディへのヒザに続き右を入れ、完全に形成逆転。さらにヒザ蹴り、ダーティーボクシングでアッパーを連打する。残り10秒、オドリスコールはジャブが当たらなくなっており、トーレスが逆転でラウンドを取った。

2R、ローからワンツーを伸ばすトーレスが、左フック、カーフ、右フックと打ち勝つ。オドリスコールの左右のフックは姿勢が乱れており、初回のようなキレがない。それでも持ち直し、やや前傾でパンチを伸ばしていたオドリスコールに対し、トーレスは拳を当てて組みへ。バックを取られながら、ワキを潜って前方にトーレスを崩したオドリスコールは、トップをキープできずに打撃の展開へ。

ボディにヒザを入れたトーレスが、左フックを入れオドリスコールのテイクダウン狙いを切り、ケージにギャクに押し込む。直ぐに離れた両者、アッパーから右をヒットさせたトーレスは、エルボーを被弾する。すぐに左を返し、オドリスコールのシングルを切りがぶってバックに回ったトーレス。オドリスコールが正対すると、離れて左フックからダブルレッグへ。肩に担いで大きくスラムしたトーレスは、スタンドに戻ると左を被弾する。ケージに押し込んだオドリスコールは、続く手がないまま時間となった。

最終回、ローを蹴ったオドリスコールが右に回る。追いかけて左、右、左、右ローからヒザ蹴りと手を緩めないトーレス。対してオドリスコールはジャブを当てて、ロー、それでもボディから右を打たれ、手数と圧力に押される展開が続く。蹴り、ヒザを放ってダブルに出たオドリスコールだったが、右腕を差したトーレスが逆にテイクダウンを奪う。

オドリスコールを立たせてパンチで追い込むトーレス。左を被弾して腰が落ちかけてオドリスコールは、ケージ際まで下がりダブルレッグで倒される。立ち上がっても、ボディロックから叩きつけられるオドリスコールは、スラムを嫌がりヒザをつく。ならばとバックに回ったトーレスが、前方に崩してパンチを打っていく。足を掛けられヒザをつかされ、向き合うことができないオドリスコールは、ようやく向き合うとギロチンから引き込む。

リバーサルを許さず、バックを取りスラムしたトーレスは、RNC狙いからブルドックチョークへ移行する。そのまま絞めつけられたオドリスコールだが、時間まで耐えきった。

終盤は乱打戦、武骨な殴り合いはプリミティブにも感じられるMMAだったが、これがトーレスの戦い。3-0で判定勝ちを収めたトーレスは「安定感があって、止まることがなかった。準備期間がなかったはずなのに、タフだった。ジョン・カバナウはマッドサイエンティストだから、僕の弱点がしっかりと分かっていたんだろう」と話した。


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F2W167 JJ Globo Report ティム・スプリッグス ブログ ヴィクトー・ウゴ

【F2W167】ヴィクトー・ウゴ、50/50からヒールを極めてティム・スプリッグスからタップ奪う

【写真】50/50からのヒール、IBJJFのノーギでもこの攻防がこれから多く見られることになりそうだ(C)F2W

20日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 167がテキサス州オースチンで開催された。

ここではヴィクトー・ウゴとティム・スプリッグスの格上げメイン、グラップリングの醍醐味が堪能できた一戦を振り返りたい。
Text by Isamu Horiuchi

<ノーギ/10分1R>
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)
Def.8分56秒by ヒールフック
ティム・スプリッグス(米国)

相対すると体格差が目立つ両者。二回り近く大きいウゴがシッティングを取り、スプリッグスの左足にデラヒーバで絡んでゆく。その左足でニースライスを試みたスプリッグスは、ウゴの右足をとって膝十字を狙う。素早く両足を組んで対応するウゴ。スプリッグスウゴの左足を解除せんと掴んで倒れ込むと、その機を利用してウゴが上になった。

バタフライガードを取ったスプリッグスは、距離を作って立とうと試みる。が、ウゴはすかさず距離を詰めてその巨体を浴びせてそれを許さない。やがてウゴはスプリッグスの右足を押し下げて超えると、巨体を預けて胸を合わせて上半身を圧迫。ピンチと思われたスプリッグスだが、すかさず腕でフレームを作って隙間を作り、立ち上がることに成功。さすがのスクランブル力だ。

下になることに抵抗のないウゴは、シッティングを選択。スプリッグスの左右へのパス狙いを防ぐと、やがてスプリッグスの左足をキャッチ。内掛けで絡んでハーフの体勢を作るが、これを嫌ったスプリッグスは飛び退くように足を引き抜いた。

シッティングで前に出るウゴ。スプリッグスは豪快に飛んでのパスを狙うが、ウゴに防がれて再び左足をキャッチされると、すかさずその足を引き抜いてエスケープした。

残り3分。一度立ち上がってから再び引き込んだウゴは、またしてもスプリッグスをハーフに入れる。今度はスプリッグスはエスケープせず、低くプレッシャーをかけて勝負する選択に出る。ウゴはすかさず内回りに入り、スプリッグスの股間から頭を出しながら足を50/50に絡め、スプリッグスの右足を対角線でキャッチ。そのまま腹這いになりながら強烈にインサイド・ヒールフックで絞り上げると、スプリッグスはタップした。

次世代の世界最強グラップラーの有力候補であるウゴが、軽量級柔術家ばりの技術を見せつけて快勝。体格差がありながらもウゴの押さえ込みを跳ね返し、また果敢にサブミッションやパスを狙っていったスプリッグスの健闘があってこその好勝負だった。


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F2W167 JJ Globo Report オズワウド・モイジーニョ ガブリエル・ソウザ ブログ

【F2W167】ケネディ・マシエル欠場。タイトル戦が飛んだガブリエル・ソウザがしっかりモイジーニョ破る

20日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 167がテキサス州オースチンで開催された。

ここではケネディ・マシエルの持つF2W道着ライト級王座に挑戦予定だったガブリエル・ソウザが、マシエルが負傷欠場により──2016年と2018年に世界3位に入っている技巧派のベテラン、ケイシーニョことモイジーニョと相対した一戦の模様をお伝えしよう。
Text by Isamu Horiuchi

<道着・8分1R>
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)
Def. 2-1
オズワウド・モイジーニョ(ブラジル)

スタンドで袖と襟を取り合い、頭を付けて組み合う両者。ソウザは一瞬引き込みを見せるが、いい角度を作れないと見たか、すぐにスタンドに戻った。続いてモイジーニョが逆に引き込んでクローズドガードに。ソウザはすかさず立ち上がってモイジーニョをリフトしてスラム。これを嫌ったモイジーニョは、すぐにガードを解いて立ち上がった。

お互いに足を飛ばし合う両者。今度はソウザが引き込みながらケイシーニョの足を払ってのスイープ狙い。一瞬崩れたモイジーニョがすぐに体勢を立て直し、両者はまたスタンドに戻る。

次に引き込んだのはモイジーニョ。ソウザはすかさず左足へのストレートフットロック狙いで倒れ込む。アンクル狙いで切り返すモイジーニョ。50/50の体制で膠着するかと思われたが、お互い極まらないと見るや足の絡みを解除し、試合はまたしてもスタンドに。

しばらく組み手争いが続いた後、ソウザが引き込みながら後転。巴投げのような形で上になることに成功した。モイジーニョはラッソーでソウザの右腕に絡むが、これを嫌ったソウザが腕を引き抜くと、モイジーニョも立ち上がった。

残り2分。ソウザは再び引き込むと、モイジーニョの右足にデラヒーバで絡み、さらにラッソーに変化。そこから引きつけての仕掛けを狙うが、モイジーニョは背筋を伸ばして防御する。

残り時間が少なくなると、勝っていると踏んでいるのかソウザは両方でラッソーを作る。思うように動けないモイジーニョは、両腕を捉えられたまま強引に左右へのパスを狙うが、不発。それでもラッソーが抜けてソウザがシッティングの体制になると、モイジーニョは上から飛び付いてのフライング三角狙い。後ろに倒れ込みながらそれをかわしたソウザが、右足にストレートフットロックで逆襲に転じたところで、試合は終了した。

判定は2-1でソウザに。お互い一瞬絡んではスタンドに戻るということを繰り返したこの試合。剣の達人同士の斬り合いのような展開だったとも言えるが、最終的には、この試合もF2Wルールを利用したニアサブミッション狙いのポイントゲームになってしまった感が強い。

とまれ、ソウザはジアニ・グリッポに続いてモイジーニョにも勝利。マシエルの負傷が癒え次第、実現するであろうタイトル挑戦が楽しみだ。


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F2W167 JJ Globo Report ジェイク・ワトソン ブログ ペドロ・マリーニョ

【F2W167】黒帯初陣のペドロ・マリーニョ、ジェイク・ワトソンのノーポイント道着戦法に惜敗

<道着/8分1R>
ジェイク・ワトソン(米国)
Def. 2-1
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

試合開始後、いつものように気合を前面に出して相手に迫るマリーニョ。対するワトソンはすぐに引き込む。オープンガードをとったワトソンに対し、マリーニョはズボンの後ろの部分を掴んで担ぎにかかる。が、距離を取ったワトソンは長い足をマリーニョの左腕に絡めてのオモプラッタへ。

これを回避するために距離を取りたいマリーニョは、マットに背中を付けるように倒れ込みながら、同時にワトソンの右足を取ってストレートフットロック狙いへ。オモプラッタを諦めたワトソンは足を50/50で絡め、お互いが足を狙い合う形となった。

ここから試合は、IBJJFの道着の試合でもよくあるようなダブルガードからの足の取り合いや、50/50からのシーソーゲームが延々と続く展開に。

最初にオモプラッタの仕掛けを作ったことにより印象点でリードしていると思われるワトソンは、マリーニョのラペルを引き出して右足に絡めて取って体勢を固定する。さらにワトソンは足の長さを利して完全に4の字を組んでいるため、マリーニョとしてはその足を極めることも困難だ。

残り1分を切ったところで、マリーニョは相手に背中を見せながら立ち上がり、ワトソンの右足を改めて取って倒れ込みながらヒザ十字のような形で伸ばしにかかる。さらにマリーニョがグラウンドで横這いになってストレートレッグロックを狙ったところで、試合は終了した。

判定は2-1でワトソンに。延々と続いた足の取り合いでは最後にややマリーニョが見せ場を作ったものの、その他では序盤のワトソンのオモプラッタ狙いしか目立った攻撃がなかったので、妥当な判定か。

マリーニョ、道着黒帯デビュー戦を白星で飾れず。サブミッション狙いによって印象を稼いだ後は道着を用いて膠着するという、ワトソンのF2W用ポイントゲームにまんまとはまってしまった形だ。現時点で、マリーニョはノーギでより強さを発揮するようだ。


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F2W167 JJ Globo Report ノンゾ・エヴィディ ハイサム・リダ ブログ

【F2W167】ハイサム・リダ、ノンゾ・エヴィディを攻め続け3-0で完勝。上位との対戦が見たい

20日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 167がテキサス州オースチンで開催された。

ここでは盟友デヴィッド・ガルモとともに2度目のF2W参戦となったハイサム・リダと、地元オースチン在住のノンゾ・エヴィディの一戦の模様をお伝えしたい。

<ノーギ/7分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def. 3-0
ノンゾ・エヴィディ(米国)

上背で上回るハイサムは頭の後ろをとりつつ、アームドラッグを仕掛ける。反応したエヴィディと立ちレスの展開が続き、右腕を差してきたエヴィディに対しハイサムがジャンピングガ―ドから、下になり足を絡ませて後方回転。そのままの流れでエヴィディが立ち上がり、ハイサムも続く。

残り4分30秒でハイサムが座り、クローズドガードを取る。腰を切って腕十字のハイサムだが、エヴィディが腕を抜き胸も張って三角への移行も防ぐ。ならばとヒップスローでリバーサルに成功したハイサムはワンフックから両足をフックして絞めを狙う。ワンフックに切り替えたハイサムに対し、エヴィディは手首を掴んで絞めを防ぎ、亀の態勢に。

腕十字に移行したハイサムが、スパイダーウェブの形に。ハイサムはエヴィディの右腕を蹴って左腕を伸ばしに掛かる。正対して防いだエヴィディ、最後の1分を迎え両者がスタンドに戻る。クリンチに来たエヴィディを内股で投げたハイサムは、トップゲームでも足を捌いてストレートフットロックから外ヒールへ。エヴィディがロールして逃げたところでたタイムアップに。スイープ、サブミッションの仕掛けと攻め続けたハイサムがジャッジ3票を得てF2Wで2連勝となった。地元枠的な相手に圧倒的な勝利を挙げたハイサム、次戦はもっと名前のあるグラップラーとの対戦が見たい。


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F2W167 JJ Globo Report ソウル・ヴィアイラ デヴィッド・ガルモ ブログ

【F2W167】デヴィッド・ガルモ、攻守が激しく入れ替わる好勝負でヴィアイラを下しF2Wで2連勝

20日(土・現地時間)、プロ柔術大会Fight to Win 167がテキサス州オースチンで開催された。

ここでは1月22日のF2Wに続き、2度目参戦となったデヴィッド・ガルモとグレイシーバッハ・コロナ所属のソウル・ヴィアイラの一戦の模様をレポートしたい。

<ノーギ/7分1R>
デヴィッド・ガルモ(米国)
Def. 3-0
ソウル・ヴィアイラ(米国)

シッティングのヴィアイラに対し、即パスを決めたガルモは正対してくるとがぶってコントロールする。サイドバックから引き込んできたヴィエイラの逆側にスライドしバックに回る。腰をずらしたガードに戻したヴィアイラだが、ガルモはバタフライガードを前転して越えてギロチン&スイープでマウントへ。ヴィアイラがブリッジして下になったガルモは頭を抜かれる。

ハーフバタフライで息を整えるガルモはスクランブルでバックを許しそうになり、ボディロックで背中をマットに着けさせられそうになるが、足を戻してスタンドへ。ヴィアイラは引き込み、ガルモはワキを差してバタフライガードを潰していく。ヴィアイラは肩抜き後転から足を狙うも、ガルモが察知──両者揃って立ち上がる。

ヴィアイラが座り、ガルモは足を絡ませてきたところで足を取りつつ立ち上がり、前転しながらギロチンを取り、マウントを奪取。腰を押して逃げるヴィアイラだが、ガルモはハイガードから腕十字。立ち上がって腕を抜いたヴィアイラに対し、ガルモは足関節を狙いつつリバーサルでトップに。

ヴィアイラも胸を蹴って対角線で右足を取りに行くも、ガルモが足を抜いて試合はスタンドへ。残り2分を切り、ここもヴィアイラがシッティング、バタフライガードからスイープを決める。そのままマウントを取ったヴィアイラ、30秒キープしたがガルモがブリッジから反転して、リバーサル。残り15秒、ヴィアイラが腕十字を狙ったが時間に。

目まぐるしく動き、前半をリードしたガルモが3-0で勝利した。


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