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【Grachan Herios】Me,Weの同い年コンビ、TSUNE×高橋孝徳ー01ー「仲良しこよしじゃない」

【写真】高橋孝徳とTSUNE。同い年で苦労をともにしてきた両者だが、強くなるためにMe,Weにいる気持ちは変わらない(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、同バンタム級王者のTSUNEが伊藤空也を相手にベルトの初防衛戦を行う。TSUNEと同じMe,We所属の高橋孝徳は、原口伸と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

TSUNEと高橋はともに1985年生まれ。プロデビュー当時の所属は異なるが、現在は共にMe,Weで練習しているチームメイトだ。お互いになかなか勝ち星に繋がらない時代を経て、まずTSUNEは今年2月に手塚基伸を下して、Grachanバンタム級王者に。続いて高橋は今回、原口伸というトップファイターと対戦するチャンスを得る。両者にとって重要なターニングポイントとなるであろう12月決戦を前に、2人に話を訊いた。前編では知り合った当時、そしてTSUNEから見た高橋の印象について語る。


――年末に試合を控えているTSUNE選手と高橋選手です。お二人が同い年だとは驚きでした。

高橋 実はそうなんですよ(笑)。

TSUNE 昭和60年(1985年)生まれの同い年ですね。

――TSUNE選手は高橋選手のことを「タカタカ」、高橋選手はTSUNE選手を「TSUNEさん」と呼んでいます。格闘技のキャリアでは、TSUNE選手のほうが先輩なのですか。

TSUNE プロ歴でいうと、そうなるみたいですね。実は2010年のDEEPフューチャーキングトーナメントで、同じフェザー級に出ています。

高橋 中村Jr(当時は本名の中村好史)が優勝したトーナメントで。僕が2回戦、TSUNEさんが準決勝で中村Jrに負けました。

TSUNE 僕は当時GRABAKA所属でしたけど、大会でニアミスはあったんです。

――同じ年のフューチャーキングに出場しているのであれば同期ではないですか。もしかしてTSUNE選手が先輩風を吹かし、呼び捨てを許さないとか……。

TSUNE フフフ、それはありますね。

高橋 自分で何を言っているんですか(笑)。TSUNEさんのほうが少しプロデビューは早かったんですよ。TSUNEさんが翌2011年のプロデビューで、僕はまだアマチュア修斗に出ていました。

TSUNE タカタカはプロデビューが2012年だよね。

高橋 僕は和術慧舟會AKZAに所属で、2014年ごろからMe,Weに出稽古で来ていたんです。その頃にはTSUNEさんもGRABAKAからMe,Weに移籍していて、僕にとっては当時お世話になった先輩みたいな感じです。

TSUNE え、2014年にはもうMe,Weに来ていた?

高橋 あの頃はグラップリングの練習だけ、お世話になっていました。AKZAにいた一般会員さんが一度、格闘技を辞めて。Me,Weで再開した時に、僕も紹介してくれたんです。

TSUNE あぁ、そうだった! 懐かしいね。

高橋 Me,Weに出稽古で来始めたあと、AKZAの運営体制が変わったんですよ。ちょうど同じぐらいのタイミングで、一緒に練習していた仲間も格闘技を離れることになって。だから僕も、一度環境を変えてみようと思ってMe,Weに移籍しました。

TSUNE 移籍する時、揉めたんじゃないの?

高橋 揉めていませんよ! そういうことを言わないでください(苦笑)。

TSUNE そういえば東よう子さんもAKZAからMe,Weに移籍してきたんだよね。

高橋 そうです、そうです。別に話を合わせていたわけでもなく、同い年で、同じようにAKZAからMe,Weに移籍しました。

――高橋選手が移籍してきたばかりの頃は、TSUNE選手も新入りに対してピリついていたのでしょうか。

高橋 いや、ここではちょっと言えないです……。

TSUNE 自分こそ、そういうことを言わない(笑)。普通ですよ。みんな良い雰囲気で。

高橋 アハハハ、ギスギスした感じはないです。僕もずっと出稽古で来させてもらっていましたから。最初は畏まっていましたけど、良い人たちばかりですね。Me,Weに来てみると、まず選手が多いです。年齢、キャリアもバラバラで、仲良しこよしではない。格闘技で切磋琢磨するために、ここに集まっているような感じですね。

TSUNE 今は選手練習になると、もうマットスペースがいっぱいになるぐらい集まっています。試合が近い選手優先で練習を回したりするけど、試合を控えている選手が多くて。

高橋 この年末は特に試合が多いですね。だから毎回、予定の練習時間をオーバーするぐらいです。今も隣でミット打ちが続いていますし。

――なるほど。まずはTSUNE選手から、高橋選手と初めて会った時の印象を教えてください。

TSUNE タカタカって、戦績からは考えられないぐらい強くて「えっ!?」と思いました。出稽古時代はグラップリングだけでしたけど「力も強いのに、なぜ負けるんだろう?」と。

高橋 当時はメチャクチャ負け越していたんですよね。

TSUNE 勝って負けて、勝って負けて――という感じだったよね。話をしてみると、技術的な部分は我流でやっている感はありました。

高橋 TSUNEさんの言うとおり、当時はまだ技術がちゃんと身についていない状態だったと思います。それこそフィジカルだけで勝負していたのかもしれない。スパーばかりだと地力はつくかもしれないけど、丁寧に技術は教わってこなかったかもしれないです。

――高橋選手のムエタイ&グラップリングというスタイルについては?

高橋 今じゃ全然面影がないけど、僕もアマチュアの頃はボクシング寄りのスタイルだったんですよ。クラウチングで構えて、頭を振って。打ち合いをする時もありましたし。

TSUNE へぇー、そうだったんだ。

高橋 でもプロデビューしたあと、ボクシング経験のある選手に判定負けしたんです。「このレベルで、このスタイルでつまずいていたら厳しい。何か変えないとダメだな」って思いました。とりあえずどこか打撃のジムに通う。そこで当時は皆がやっていなかったムエタイのジムに行こうと考えて。もともと柔道をやっていたし、四つ組みと首相撲がハマるんじゃないかと思ったんですよ。ムエタイのリズムに、最初は戸惑いましたね。

TSUNE 僕が知り合った頃は、もうムエタイスタイルになっていました。むしろ組みのほうが全然分かっていない、という感じで。僕はそれを見て、ずっと「もったいないなぁ」と思っていました。これは僕の記憶ですけど、タカタカが修斗の試合に出る時、初めて僕がセコンドに着くことになって、ずっとマンツーマンで練習していたんですよ。その時「こうしてみたら?」と教えると、「なんでもっと早く教えてくれないんですか」って(笑)。

高橋 そういうのは、いまだにありますよ(笑)。

TSUNE アハハハ! でも移籍して早い段階で、組みは成長していたと思いますよ。

<この項、続く>

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局

■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
TBA

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】原口伸がRTUからの復帰戦。高橋孝徳を相手に、1年10カ月振りの国内ケージへ

【写真】写真は2023年2月のもの。1年10カ月振りに国内で戦う原口、その動向が最も気になるフェザー級ファイターの一人だ(C)MMAPLANET

18日(月)、GRACHAN実行委員会から12月22日(日)に東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosに元ライト級王者の原口伸が出場し、高橋孝徳と対戦することが発表されている。
Text by Shojiro Kameike

2年連続でRoad to UFCトーナメントにチャレンジした原口にとっては、2023年2月の小谷直之戦以来、1年10カ月振りの国内復帰戦に。今年のRTUからフェザー級に転向している原口は、そのまま国内でもフェザー級で戦う。


小谷戦のパウンドは衝撃的だった。この勢いを取り戻したい(C)MMAPLANET

2023年2月に小谷直之を1Rでパウンドアウトし、Grachanライト級王座を防衛した原口。同年5月からRTUに出場し、初戦ではインドネシアのウィンドリス・パティリマを、準決勝では韓国のパク・ジェヒョクを下すも、決勝では中国のロン・チュウにRNCで敗れている。翌年はフェザー級で再チャレンジしたが、初戦で韓国のホン・ジュンヨンに勝利したものの、準決勝で中国のチュウ・カンチエ戦で敗退した。

カンチエ戦は原口が勝っているという声も多かったが、負けは負け。原口はMMAPLANETのインタビューでも「納得はいかないが、いろんなことが吹っ切れた」と語り、国内プロモーション参戦も示唆していた。当然のことながら三度UFCを目指し、海外のフィーダーショー出場という道もあるなか、その動向が注目される原口が復帰の舞台として選んだのは、ホームグラウンドでもあるグラチャンだった。

11月7日に原口自身がXにて「みなさんが、んんーと唸るような試合が決まると思います」と投稿していたとおり、今回の復帰戦では様々な強豪がリストアップされている情報も入ってきていた。ここで対戦相手が高橋に決まったのは、今後のGrachanフェザー級でベルト挑戦も視野に入れてのことか。原口は今年9月にライト級王座を返上しており、かつGrachanではフェザー級の実績がないためノーランカーとなっている。ここで現在フェザー級3位の高橋を下してランクインし、小島勝司が返上した同級のベルトを狙うのだろうか。もちろん本人が語っているとおり、RIZINあるいは海外のフィーダーショーに出場する可能性もある。

いずれにしても注目は、原口のスタイルチェンジだ。前回のインタビューで、RTUの判定を受けて「ああいう判定になるなら、もうレスリングやコントロールに固執する必要はない。打撃でもガンガン行くし、寝技でもガンガン極めに行く」と語っている。国内随一のテイクダウン&パウンダーである原口が、新たな武器を見せることができるかどうか。

相手を封じ込めるグラップリングとムエタイの融合が持ち味の高橋(C)GRACHAN

今回の復帰戦でも、過去の実績でいえば原口の圧倒的優位は動かない。とはいえ、原口がガンガン行こうとすればするほど、高橋のファイトスタイルは厄介なものになるだろう。高橋のスタイルはムエタイ&グラップリング――相手を捌くだけでなく自ら首相撲と寝技で相手を潰していく高橋に対し、原口がフィニッシュを焦るようなことがあると、気づけば高橋の型にハメられているという展開も考えられる。

現在、Grachanフェザー級ランキングでは1位が中村京一郎、2位が黒井海成となっている。原口が高橋を下した場合、黒井は同じBRAVE所属であるだけに対戦は考えられない。となれば――今後の展開が楽しみになる、原口のGrachanフェザー級への出場だ。

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
TBA

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】1年のトリを飾る新イベントでTSUNE×伊藤、林RICE×ダリのW王座戦が決定

【写真】今年2月に交わされた約束が果たされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)に東京都江東区のTFTホール500で開催されているGrachan70の中で、12月22日(日)に「GRACHAN Presents:HERIOS」がTFTホールにて行われることが発表された。
Text by Shojiro Kameike

併せて同大会の決定カード=バンタム級とライト級のタイトルマッチも発表されている。バンタム級は王者TSUNEが伊藤空也を挑戦者に迎え、ライト級はチャンピオン林RICE陽太にロクク・ダリが挑む。


HERIOSについて、GRACHAN実行委員会から届いたプレスリリースには、次のように記されている。

「GRACHAN Presents: HELIOSは、GRACHANが長年にわたり築き上げてきた歴史と闘志を象徴する、年に一度のスペシャルイベントです。「HELIOS」はギリシャ神話に登場する太陽神を意味し、選手たちが限界を超え、輝きを放つ姿を象徴しています。
この大会には、年間を通じてGRACHANで選ばれた精鋭たちが出場し、最高峰の戦いを繰り広げます。彼らは勝利への激しい戦いを経て、この特別な舞台に立つことを許された選手たちです。HELIOSでは、勝者が栄光を手にし、新たな伝説がここで生まれることでしょう。
圧倒的なスリルと挑戦的なバトルが展開され、HELIOSという名にふさわしい、最高の格闘技イベントをお届けします。GRACHANの新たな時代の幕開けに、ぜひご注目ください。」

GRACHANの新たな時代の幕開け――その兆しは、実は既に発表されている2025年の大会スケジュールにも表れていた。来年は年2回の大阪大会、そして初進出となる福岡大会はもちろん、東京大会がいずれもTFTホール500で行われる。そんななか、年末の東京大会のみ、会場が「TFTホール1000」となっている。東京都江東区有明のTFTビルには席数が異なる3つのホールがあり、12月大会のみ通常よりも大きな「TFTホール1000」を使用するのはなぜか。その理由が今回の発表で明らかとなった。

アマチュア大会=GRACHANチャレンジからプロへ、そして通常の大会で経験を積み、結果を残した選手が年末のHERIOSへ――。もちろん、この流れの軸にあるのはベルトを巡る戦いだ。今回すでに2階級のタイトルマッチが発表されており、さらにベルトに関わる試合が決定することは間違いない。さらにHERIOSを経て、豪州Eternal MMAなど海外イベントへの進出も大いに考えられる。

今年2月の大阪大会で並んだ両者(C)SHOJIRO KAMEIKE

そんなGRACHANの新機軸を象徴するのが、TSUNE×伊藤空也のバンタム級タイトルマッチだろう。今年2月の大阪大会でTSUNEが手塚基伸を下してベルトを巻いた直後、伊藤がケージイン。新王者への挑戦をアピールした伊藤は、6月にロッド・コスタを下してEternal MMAバンタム級のベルトを獲得し、改めてTSUNEに挑むストーリーラインが繋がった。挑戦者の伊藤はGRACHAN71のケージに登場し、「本来は僕が持っていたベルトを獲り返しに行きます」と意気込みを語っている。対する王者のTSUNEも「最高の試合を会場に観に来てください」とアピールした。

また暫定ライト級王者の林RICEも、今年4月に韓国ROAD FCでパク・シウォンに敗れて以来の復帰戦となる。正規王者の原口伸がベルトを返上し、改めて林RICEがダリと防衛戦を行うことに。挑戦者のダリとは2022年12月に一度対戦しており、その時はダリが判定勝ちを収めている。林RICEにとっては王座防衛とリベンジを賭けた一戦だ。この敗北から5連勝し、王者にまで上り詰めた林RICEが韓国での戦いを経て、どのような試合を見せるか。対するダリはGRACHAN71でケージインし、「もう一回GRACHANのチャンピオンになります。試合は1Rで終わらせます」と挨拶した。

10月5日に千葉で行われるPOUNDOUTでは、中村京一郎×鍵山雄介というGRACHANフェザー級のランカー対決も組まれている。王者の小島勝志がベルトを返上したなか、この試合の勝者もまたHERIOSに関わってくるのか見逃せない。

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