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【Gladiator026】MMA三戦目、木村柊也「対策をして試合でパフォーマンスを見せることが本当は得意」

【写真】取材時より9キロほど絞り、リカバリーは7キロほどを予定していると言う木村だった(C)MMAPLANET

本日5日(日)、豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026。同大会で木村柊也が塩津良介と対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年12月のGladiator024での田口翔太戦でMMAデビュー、3月のGerachan68XBrave Figth31で2戦目=長男崇志戦と2試合連続初回KO勝ちを木村を修めている。合計試合タイムは驚異の1分58秒と、秒殺KO勝ちを飾っている。そんな木村は学生で全日本拳法総合選手権大会を2連覇した唯一の存在で、日拳史上最強の異名を持つ。

MMA三戦目に向け、まだ対戦相手が決まっていない状況でのインタビューで木村は調整&対策の大切さと、日拳のMMAでの生かし方、そして組み技の習得状況を話してくれた。既に一つの競技の頂点を極めた故の完成した格闘技観、木村柊也は半端なく只者でない感を醸し出している。


――プロ3戦目が5月5日のグラジエイターに出場する木村選手ですが、まだ対戦相手が決まっていないそうですね(※取材は4月4日に行われた)。

「相手が決まっていないので減量を始めることもできないですし、5月5日に戦うことは自分でも分かっているのですが、緊張感がないというのはあります。プロなので、もう少し早く相手が決まって欲しいです。プロだからこそ、2カ月や1カ月半をかけて相手の対策をして、その間の練習の成果をケージで出したいので。そういう部分で気持ちを入れるのが、大変だというのはあります」

――デビュー戦の時の準備期間は?

「ちょうど1カ月です。12月9日の試合で、11月9日にオファーがあり対戦相手も決まっていました。だから、すぐに減量を始めることもできました」

――対して3月のGrachanはライト級でしたが、それは対戦相手が決まらないということが影響していたのでしょうか。

「デビュー戦が終わって2日か3日後に、3月に試合ができることは決まっていました。それから他の試合が発表されても、自分は相手の候補すら名前は聞かされていなかったです。結局、試合の2週間前ぐらいに決まったのですが、ライト級というのが条件でした。

そこを自分が嫌うと、本当に対戦相手が見つからなくて試合ができないと思って受けました。今回も3月の試合後の1週間、10日後ぐらいに対戦相手込みでオファーはありました。自分も凄く嬉しくて『やります』と即答したのですが、その相手の選手がケガをしたみたいで……今、新しい対戦相手を探してもらっています」

――木村選手の評判の高さが、対戦相手が見つからないことに通じているのであれば、格闘競技の本質とは何かと考えてしまいます。

「自分は……そういう気持ちになったことがないので、分からないです。けど……それぞれがケージの中で自分の戦いを見せたいはずです。だから組みの選手は殴り合いをしたくなくて、自分とは戦いたくないとかあるのかと……」

――ならMMAでなく、グラップリングをしましょうよと言いたくなりませんか。

「いや、それはそういう風に思っているのかは分からないでので(笑)……う~ん、どういう気持ちでオファーを断るんですかね(苦笑)」

――と同時に日本拳法史上最強という肩書の持ち主です。いわば中村倫也級のルーキーだろうと。そうすると町道場でMMAを始めて2戦目や3戦目の選手に、木村選手と試合はさせられないと指導者が判断するのも致し方ないことかと。

「僕自身、プロ10戦ぐらいの人がどれぐらい強いのか見ていても分からないので、実際にケージの中に入って体感したいという気持ちはあります」

――押忍。ところで過去2試合では凄まじい勝ち方だけでなく、ヒヤッとする場面もありました。その辺り、どのように捉えていますか。

「自分としては、ヒヤッとすることはなかったです。決して殴られても殴り勝てば良いという考えではないですが、試合になると、視界が狭くなってしまって……デビュー戦の時はそうでしたね。

でも2戦目は慎重に行こうとして、インローから様子見をして『行けるな』と感じて仕留めに行きました」

――それが感覚で分かるものなのですか。

「そうですね。ある程度、分かりますね。20年やってきた日拳時代は向かい合った時に相手の距離、強さとか……苦手にしているところまで分かりました」

――危機察知能力もあるわけですね。木村選手がそのようになる試合をMMAでも早く見てみたい気もします(笑)。

「そういう強い人と戦う時こそ1カ月半、2カ月前のオファーが欲しいです。自分、相手の対策をして試合に出る……相手のことを知った上で、実戦でパフォーマンスを見せるのが本当は得意なんです。だから準備期間が欲しいというのはありますね」

――それが本当の木村柊也だと。

「そうですね、2週間前だと減量に集中しないといけないので。もっと準備期間があれば、もっと良いパフォーマンスを見せることができると思っています」

――「何が日拳最強だ。これはMMAだ」という感じの対戦相手が現れてほしいものです。

「それは僕も思っています。そして、そういう人を倒す自信もあります」

――おお!! ポイント制の日拳は、いえばずっと組みが続くことはなかったかと思います。そのなかでタイ人コーチとのミットや、首相撲……組みの打撃という練習をしていたことも気になります。

「ストライカーとしては、凄く良い練習になっています。テイクダウンを完全に切れなかった時、そこがヒジの距離だったりして。そこを知っているのと、知らないのでは全然違います。組みづらくなる技を教えてもらっています。そういう意味でも、凄く良い練習ができています」

――いわゆるゼロ距離。相手の組みへの対処で、日拳も一瞬の担ぎ技、崩し技はあったかと思います。その辺りの日拳の組みがMMAに生きることはありますか。

「あります。やりあっているなかで、一瞬力を抜くとか。そうやって相手を崩して、足を掛けるだとか。最後に決めるのは瞬発力。そういう部分で、凄く生きています」

――その日拳の瞬発力、持久力が大切なエレメントとなるMMAでいかに落とし込めるのか。楽しみです。

「戦っている時に100の状態を続けることは絶対に無理です。なので抜くところは抜く、その切り替えをしっかりとすることで5分間でも問題なく戦えます。パンチの当たらない距離で力をそんなに入れることもないですし、自分の距離に入った時だけ100パーセントの力で打ちます」

――そこがもう体に染みついているわけですね。

「そうですね。考えるのではなくて、その距離になった時に『当たる』という感覚で動いています」

――それはもう本能のようで、タイムラグがなくなりそうです。

「だからこそ自分の踏み込んで効かせる打撃を使い、相手が倒れなかった時は近い距離にいるのでムエタイの練習で身に着けた……あの距離でのミドル、ヒザ、ヒジを使えると思います」

――体の使い方は違うかと。

「ハイ。でも、戸惑うことは今のところはないです。基本は違うけど、やっていることは同じ。自分の持っているスタイルに、指導を受けたことを組み合わせるために調整をする。そのアジャストも自分の感覚です。

自分のスタイルがなくて、色々と教わったことを採り入れると試合で何をやれば良いのか分からなくなるはずです。まずは自分のスタイルを理解したうえで、色々と教えてもらう。だから自分の打撃に組み合わせる。そうでないと、教えてくれた人のスタイルになるだけです。自分のスタイルに、他に人のスタイルを嚙み砕いて採り入れる。それをずっとやっています」

――組み、寝技に関してはいかがですか。

「まずは基本です。打撃も足の位置、重心の位置という基本がなっていないと良いパンチは打てないです。現時点で組み技は基本通りにやっています。ここから自分のやりやすい動きが出てくるはずなので。そのために打ち込みをやって、スパーリングで確認しています。」

シングルやダブルに入られたときに、どう対応するか。何をやるかが決まっているので、それ以外の動きはしない。そうしていると自分でもなぜか分からないのですが、バランスが良くなっているように感じます」

――今日も原口伸選手のバックを正対していました。

「アレはたまたまです(笑)」

――ハハハハ。一つのスタイルを究めた強さが、本当に木村選手からは感じられます。では大阪でどのような試合をしたいのか、教えていただけますか。

「KOしか狙っていないです。判定は最初から考えていないので、試合が始まったら――相手の動きを研究して、一瞬にして落とす。それだけです。面白い試合をしていればチャンスが広がってくると思いますし、勝ち負けよりもまずは会場を沸かせる試合をしていきたいと思います」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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45 AB F1 Gladiator Gladiator026 MMA MMAPLANET o ONE Progress Wardog Wardog47 YouTube デッチプール ブログ 竹本啓哉

【Gladiator026】メインでデッチプール戦、竹本啓哉「グラップリングをやってきたのは4年間じゃない」

【写真】盟友ワタナベの勝利が嬉しすぎて、目を閉じてしまっている竹本でした(C)SHOJIRO KAMEIKE

5日(日)、豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026のメインで、竹本啓哉がタイのデッチプールと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月にテムーレン・アルギマーに判定勝ちし、GLADIATORバンタム級王座に返り咲いた竹本が今回はタイのMMAファイターを迎え撃つ。今年2月に開催されたGLADIATOR CSでは竹内稔とのPROGRESSフォークスタイル戦で敗れたものの、再度王者としてMMAを戦うのは今回が初めてとなる。そんな竹本が4月28日、Wardog47に出場したワタナベ関羽マサノリのセコンドに就いた。盟友の勝利後、竹本にデッチプール戦について訊いた。


――先ほどWardog47でチームメイトのワタナベ選手が判定勝利を収めました。まずはセコンドとしてお疲れさまでした。

「ありがとうございます。いや、もう何て言うのか……。彼はファイターとして、戦績もよくないです。でも他の人をサポートする才能があって、ずっと僕のサポートをしてくれています。だから、いつかワタナベも活躍してほしいと思っていて――」

――いきなり涙ぐんでいる竹本選手を見て、お二人の絆が分かります。

「今回はライト級挑戦者決定トーナメントなので、勝ち上がればWardogのベルトに挑戦できます。ワタナベには本当に頑張ってほしい。彼が勝ってメチャクチャ嬉しかったです」

――なるほど。一方で竹本選手ご本人の試合はメインとなりました。いつも試合順は気にしますか。

「しないです。自分にとっては、いつも『試合をする』というだけで。強いて言うなら、第1試合だと開始時間がハッキリしているから良いな、と思うぐらいですね」

――アハハハ。もう一つ、MMAを戦う中でタイ人ファイターと試合をすることは想像していましたか。

「いえ。それは全く想像していなくて、今回は本当に楽しみです。しかもムエタイ選手がMMAをやっているわけではなく、タイのMMAファイターで。ここ最近は国際戦が続いて楽しいですね。どんどん新しい経験をすることは好きなんですよ。僕自身も海外で戦ってみたいと思っていますし」

――ただ、その前に2月にはPROGRESSフォークスタイルグラップリングで竹内稔選手に敗れています。竹内選手がアナコンダチョーク得意としており、竹本選手はカウンターでアナコンダに捕らえられてしまうかもしれないシングルレッグに入りました。

「あとから考えると、相手の誘いに乗ってしまいました。竹内選手は最初から、僕がシングルレッグで入るように試合をつくっていて。自分自身としては組むとしても、ローシングル――首を取られないように必ず頭を内側に入れて、さらに低く足を触りに行くつもりだったんです。でもあれだけ得意技としているだけに、いろんなパターンでアナコンダを極める準備をしていたんだなと思いましたね」

――確かに結果論として、視ている側としても竹内選手がアナコンダの体勢に入った瞬間、『あぁシングルレッグで入るように仕向けていたんだ』と気づかされました。

「そうです。僕としても何か行けるような気がして――グラップリングに関しては、竹内選手のほうが一枚も二枚も上手でした」

――あの大会で竹内選手とグラップリングで戦い、得たものはありますか。

「僕もグラップリングは自信があったんですよ。でも自分は井の中の蛙で、大海を知らなかったんだなと思いました(苦笑)。MMAの試合ではないけれど、自分よりも強い選手と戦うことができたことは良かったです。本当に勉強になったというか」

――こういう言い方は良くないかもしれませんが、この一本負けがMMAではなくグラップリングの試合で良かったとは思いませんか。

「そう言われてみれば――ああいうふうに誘われて、アナコンダを極められることはMMAでもありうるわけで。負けたのは良いことではないけれど、今後のためには良かったです。

対策できているからって、相手の得意な部分で勝負してはいけない。僕の中では『対策しているからシングルレッグで入ってやろう』と思った部分もあるんです。でも長年アナコンダを極めている竹内選手からすれば、僕がやってきた対策なんで、これまで何度も経験しているものでしょうし。

これは次の試合の話にも繋がるのですが、たとえ相手が僕の得意パターンの対策をしようとしても対策しきれないようにする。何だったら僕の得意パターンを思いっきりぶつけても良いのかな、って」

――グラジエイターの試合は全てYouTubeで中継されていて、竹本選手の試合映像は簡単に視ることができるからこそ……。

「映像が出回れば出回るほど、相手選手には知られてしまいますよね。ただ、試合映像の印象って強く残るものでもあるんです。僕の場合でいえば、当然のように組みを警戒される。ということは、僕としては組みを警戒する相手の対応も分かるわけで。たとえば僕がしゃがむだけでテイクダウンのフェイントになります。それだけ相手にとっては気にしなくても良いことが気になってしまう。そこで僕が相手に合わせて勝ち方を変えるから、映像が出回れば出回るほど良い面も出て来ますよね」

――テムーレン戦も試合後に解説してくれたように、相手が組みを警戒するあまり、竹本選手のパンチが当たり勝利に結びつきました。

「テムーレン選手が僕の組みを警戒して、ガードを下げていましたからね」

――すると次の試合でも、また新しい竹本選手を見ることができそうですか。

「いやぁ、それは分からないです」

――分からないのですか(笑)。

「アハハハ。まぁ、先入観ってありますよね。デッチプール選手は打撃中心だからって、それは4年前の試合です。その先入観にとらわれてグラップリングばかり練習していると……。相手がこの4年間、何をしてきたかも考えないといけなくて」

――現在はタイも柔術やグラップリングの大会が数多く開催されていますね。それはONEの影響も大きいとは思います。

「そうなんですよ。いまやタイの選手もグラップリングが強い可能性もある。そんなタイ人選手のMMAを体感できるなら、僕にとっては面白いです。でもグラップリング勝負になれば僕が勝ちますけどね。僕がグラップリングをやってきたのは4年間じゃないから。僕の4年前のグラップリングでも、間違いなく相手より強いです。デッチプール選手の強さにも期待していますが当然、僕が勝ちます」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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【Gladiator026】キム・サンヒョン戦へ。チハヤフル・ズッキーニョス「グラジのフェザー級を引っ張る」

【写真】丁寧な……丁寧すぎる受け答えに、なぜかMIBUROの狂気が感じられるズッキーニョスでした(C)MMAPLANET

明日6日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026でパク・サンヒョンと戦うチハヤフル・ズッキーニョス。
Text by Manabu Takashima

Road to UFCに進んだフェザー級チャンピオン河名マストへのリベンジを誓うなかで、チーム・ラカイのアドニス・セビジェーノ戦が中止となり、急遽パク・サンヒョンと戦うこととなった。グラジがアジアのフィーダーショー化を目指すなか、ズッキーニョスはモンゴルのダギースレン・チャグナードルジと戦い、前出した河名、さらにハンセン怜雄、石田拓穂ら国内勢との戦いで確実に力をつけてきた。

今後のフェザー級戦線でさらなる活躍が期待されるズッキーニョスにパク・サンヒョン戦に向けての意気込みを尋ねた。

――対戦相手の変更はいつ頃にズッキーニョス選手の耳に届いたのですか。

「水曜日に聞きました。ただ、その時にもうパク・サンヒョン選手になるかもしれないという話で、決定したと聞いたのは2日前でした」

――アドニス・セビジェーノ対策を続けていたと思いますが、ファイトウィークに対戦相手が変更されたときの想いは?

「残念……『マジか』と思いました。でも、パク選手のことを調べて動画も一通り見ました。良い選手ですし、セビジェーノ選手と体格は違いますが、打撃の感じとか対策してきたことはまぁまぁ生きそうだと思いました」

――68キロ契約、500グラムオーバーまでOKと体重も変わりました。

「それはパク選手になるかもしれないという時点で、セビジェーノ選手と戦っても体重は68キロのキャッチウェイトになるということでした。パク選手も以前にフェザー級で戦っていましたし、直前でも試合を受けてくれたことはそれだけ練習をしていたのだと思います。キャッチウェイトに関して、僕もフェザー級のリミットまで落とさないで構わないので、減量が楽になりました」

――そんなズッキーニョス選手ですが、河名マスト選手がRoad to UFC行きを決めました。そこについて、どのように思っていますか。

「マイクでリベンジをしたいと言わせてもらって、それは本心でした。ただ河名選手はRoad to UFCで戦いたいとずっと言っていて、そのチャンスを掴めたことは素直に良かったなぁと思っています。先日、彼が奈良でレスリングのワンマッチをするということで見に行って、その時に少しお話もできて『ぶっちぎりで優勝してください』と伝えました」

――では今後グラジのフェザー級戦線で戦ううえで、今大会で国際戦が組まれたことに関しては、どのように思っていますか。

「今のところ、グラジのフェザー級の日本人は何人かしかいないわけですが、今回出ている中川選手、それに木村柊也選手が継続参戦してくれば絶対にやらないといけないだろうし。まずグラジのフェザー級は自分が引っ張っていく気持ちでいます。やっぱりグラジのベルトは欲しいです。それは河名マストが巻いていたベルトであるわけで(笑)。そこは巻きたいと思っています」

――グラジがアジアのフィーダーショーを目指し始めた昨年から、ズッキーニョス選手はグラジで戦い続けていますが。定期的に試合が組まれるとコンディションを創りやすいなど利点はありますか。

「グラジエイターから毎回オファーを頂けているので、凄くありがたいです。僕も今が一番試合をしたい時期で、外国人選手との試合もやっぱり興味がありますし、そこをどんどん経験できることは嬉しいという気持ちです」

――今後ベルトの所在は不明ですが、ベルトに向けての戦いが再開されることを考えるとどのような試合をしたいと思っていますか。

「本当に急遽受けてくれた相手で、もちろん勝ちには行きます。パク選手のスタイルですが、今時珍しいアップライトで綺麗な打撃を使います。そんな彼の良さも受け止めて戦いたいなと」

――そんなリスキーなことを?

「アハハハハ。短期決戦で突っ込んでくるかもしれない。そこは警戒していますが、本来の戦い方は丁寧に創ってくるタイプの選手なので。そこでガッと来た時に吞まれないようにして、彼の本来のペースに落ち着かせてから攻略したいと考えています。僕の彼に対する強みは組みになるのですが、そこはしっかりと差を見せて勝ちたいと思っています」

――モンゴルから、そろそろダギースレン・チャグナードルジがグラジに戻ってくるというような話も伝わってきます。

「それは楽しみです。チャンスがあればリベンジしたいですし、今戦えば彼が強くなっていても勝つ自信があります。それとダギースレンと他の選手の試合も見たいですよね。ハンセン怜雄選手とか、ダギースレンと手の合う選手は多いかと思います。いや、またグラジに戻ってきた欲しいです」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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45 AB Bloom FC01 F1 Gladiator Gladiator026 Grachan MMA MMAPLANET NavE o YouTube   アドニス・セビジェーノ オトゴンバートル・ボルドバートル チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル デッチプール パク・サンヒョン ライカ 上田祐起 今井健斗 修斗 南友之輔 國頭武 山上幹臣 木村柊也 水野翔 江木伸成 竹本啓哉

【Gladiator026】計量終了 ズッキーニョスの相手がセビジェーノからパク・サンヒョンに変更

【写真】中川×水野、プログレス=上田×江木、木村&南のBRAVEゴールデンルーキー勢、この辺りのメンツの試合を楽しめると――よりグラジが面白くなる(C)MMAPLANET

明日6日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026の計量が同地のSMOKER GYMで行われた。
Text by Manabu Takashima

今大会ではメインでフライ級王座決定戦としてNavE×オトゴンバートル・ボルドバートルの一戦が組まれていたが、前者の負傷で7月7日大会に延期されている。そしてチハヤフル・ズッキーニヨスと対戦予定だったアドニス・セビジェーノが諸事情で来日できず、韓国のパク・サンヒョンと68キロ契約で対戦することに。

パク・サンヒョンは昨年11月のBloom FC01で持田哲兵を多彩な打撃で下したキャリア8勝5敗のストライカーだ。4月にRing Championshipのバンタム級トーナメント準々決勝で國頭武と戦うことが決まっていたが、減量中に倒れて病院に搬送されていた。

そのパク・サンヒョンは、アドニスが来日できないケースを想定してバックアップファイターとして主宰者が交渉を行い、試合がないケースもあるという状況下でこの一戦に向け調整してきたという。相当なハングリー精神を持ってグラジ初参戦となったパク・サンヒョン、ズッキーニョスと共に68キロ&500オーバーの契約体重戦のリミットをパスしている。


また9年5カ月ぶりの減益復帰となる山上幹臣は膚艶も良く、声が枯れるようなこともなく56.65キロで、これまた9年5カ月ぶりの計量をパスしている。

2月のGrachan大阪大会で計量失敗し、TKO勝ちもノーコンテストという結果になった南友之輔は大阪の自宅でしっかりと体重を落とし、BRAVEの同門&スーパールーキーコンビの木村柊也と共に滞りなく計量を終えた。

この他、日本人フェザー級サバイバル対決に臨む中川晧貴&水野翔の両者、フォークスタイルグラップリング対戦する上田祐起と江木伸成らも問題なく、明日の戦いに挑むこととなった。

そんななかメインでタイから来日したデッチプールと戦うバンタム級チャンピオン竹本啓哉は1度目の計量で50グラムをオーバーし、再計量パス日本記録を持つという異名通り――再計量で帳尻を合わせている。

しかし、第2試合のバンタム級でカーヴィと対戦予定だった新地魁夢は67.35キロと、リミットを6キロ上回る体重で即失格に。コブラ会の同門で計量に同行していた大月宣樹が、「アマ修斗出場に向けて、しっかり練習を積んでいる」と三島☆ド根性ノ助コブラ代表の判断もあり、試合前日にカーヴィとの対戦を承諾、計量も60.65キロで終えている。

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026計量結果

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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【Gladiator026】竹本啓哉と対戦、微笑みの国のMMAファイター=デッチプール「柔術も茶帯を巻く」

【写真】前田吉朗率いるエンカウンターで今朝も調整していたというデッチプール。リングネームの由来は言わずもがな(C)THE 1 TV

5日(日)、大阪府豊中市の176boxでGLADIATOR026のメインで、グラジに初めてタイ人MMAファイターが来日──デッチプールが、バンタム級チャンピオンの竹本啓哉と対戦する。
Text by Manabu Takashima

キャリアは8勝5敗、2年5カ月振りのMMAを日本で戦うデッチャディン・ソーンシリスパティンことデッチプールはプロボクシングの経験があり、ムエタイでも27勝3敗の戦績を残している。それでいてブラジリアン柔術の茶帯を巻くというデッチ──微笑みの国のMMAファイター=デッチプールに話を訊いた。


──今、大阪のホテルに到着したばかりだそうですね(※取材は2日に行われた)。お疲れのところ、ありがとうございます。

「とにかく凄くエキサイトしているよ。バンタム級のチャンピオンと試合ができることが嬉しい。疲れはないし、体重も問題ない。ただ、大阪は寒いね」

──えっ、もう初夏の陽気かと思うんですが。

「今、バンコクは40度以上あるから夜の大阪は少し寒く感じたよ。だからダウンを脱ぐことができない(笑)」

──40度以上、いやぁゾッとします。

「アハハハハ。とにかくGLADIATORからMMAルールで戦う機会を貰えて嬉しい。日本でMMAを戦うのは初めてだし、凄く楽しみなんだ。この試合をきっかけに、もっと日本で戦えるようになりたいと思っている」

──デッチは昨年、結果は望ましいモノではなかったかと思いますが、日本でボクシングの試合を2度戦っています。日本にはどのような印象を持ちましたか。

「MMAの試合機会がタイでもなかなかなくて、そんな時にボクシングとはいえ2度も日本で戦うことができて凄く良い経験になった。それにタイ以外で試合経験を積みたいと思っていたから、ボクシングだろうが日本で戦えて良かったよ」

──ボクシング、ムエタイ、MMA。現状、デッチはどのスタイルに一番自信を持っているのでしょうか。

「MMAだよ(笑)。だって打撃だけでなく、レスリングもグラウンドファイトも許されているんだから。MMAを最後に戦ったのは2年5カ月も前だ。でも、この間にグラップリングのトレーニングを徹底的に積んできた。柔術も茶帯を巻くようになった。僕のグラップリングは、当時と比べると比較にならないほど良くなっているよ」

──では改めて竹本選手の印象を聞かせてください。

「グラップリングが強いね。本当に強いと思う。彼のことを凄く尊敬しているよ」

──ムエタイの経験が30戦あるデッチですから、自分達はどうしても首相撲を期待してしまいます。

「う~ん、それは試合の流れによるよ。距離とタイミング、そこが合致すれば首相撲もそうだし、ヒザもヒジも使える。レスリングの攻防から、首相撲にスイッチできるし、そのままレスリングで戦うこともある。

当然、タケモトはムエタイを研究してボディロックには来ないだろう。ダブルレッグかシングルレッグ……特にシングルレッグだろうね、彼が狙ってくるのは。でも、僕は本当にレスリングをやってきたから、自分のMMAに自信が持てるようになったんだ。

今回の試合ではKOを見せたい。ムエタイはタイの国技だからね。やっぱり自分の国の格闘術で、タケモトを仕留めたい。さっきも言ったようにタケモトはチャンピオンだ。今回はノンタイトル戦だけど、ここで勝てばチャンピオンへの道が明確になる。

日曜日は日本のファンが、恋に落ちるような試合をしたい。僕とタケモトの試合を楽しんで、できれば僕のサポートもしてほしい(笑)」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉(日本)
デッチプール(タイ)

<フライ級/5分3R>
山上幹臣(日本)
今井健斗(日本)

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴(日本)
水野翔(日本)

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起(日本)
江木伸成(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村柊(日本)
塩津良介(日本)

<バンタム級/5分2R>
南友之輔(日本)
秋田良隆(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
田中義基(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
都市弦介(日本)

<フライ級/5分2R>
新地魁夢(日本)
カーヴィ(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
小見山瞬(日本)

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎(日本)
塩谷尚也(日本)

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Fight&Life Gladiator026 Interview J-CAGE Special ブログ 山上幹臣

【Special】Fight&Life#102より9年5カ月振り、復帰を決めた山上幹臣インタビュー「デビュー戦のつもりで」

【写真】10年近いブランク、それはもう復帰という再デビューというほうが正しいだろう(C)MMAPLANET

5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026で山上幹臣が9年5カ月振りに復帰、今井健斗と対戦する。
Text by Manabu Takashima

山上は2007年の全日本アマ修斗フライ級(※52キロ=現ストロー級)3位、修斗新人王を格闘するのと同時に、2008年にはRISEのアマチュア部門KAMINARIMONの55キロ級トーナメントで優勝を果たし、プロのリングも経験してきた。組み技に軸があった当時の国内MMAで純粋な立ち技の試合にキックボクサーとして出場するケースは稀だった。

打撃のセンスは誰もが認めるところだった山上は周囲の期待通り修斗世界ストロー級王座を獲得し、フライ級でUFCを目指すように。VTJでは同階級のパイオニア=マモル越えを果たすも、アジアでの実績創りにROAD FCに参戦し連敗。2014年12月を最後に第一線を退いた。あれから9年と5カ月が過ぎ、山上が実戦復帰を決めた。1月のTOPBRIGHTSで現役復帰という噂も流れてきた山上だが、現役復帰の場は意外にもGLADIATORを選択。DEEPとパンクラスで6勝3敗の戦績を残す、今井健斗と戦う。

そんな山上がMMAから離れていた期間の社会人生活で学んだこと、復帰へのプロセスを語ったインタビューが現在発売中のFIGHT & LIFE#102 に掲載されている。そんな山上幹臣インタビューを全文掲載。人として、夫として、父として成長した山上は、ファイターとしてどのような姿を見せるのか──。


──5月5日、GLADIATORで実に9年5カ月振りの実戦の舞台に立つ山上選手です。改めて、あの時に引退を決めたのはどのような理由からだったのでしょうか。

「修斗ストロー級世界チャンピオンになって、フライ級でUFCと契約をすることを目標に戦っていました。その過程で韓国のROAD FCで結果を残し、UFCを狙うというシナリオができていた。でも、その韓国で2連敗をしてしまって、ケガもした。あの時、このまま格闘技を続けて家族を養っていくことができるのかと考えるようになりました。27歳になり、結婚もしたのに収入がない……」

──家族との将来を考えるようになったということですね。

「ハイ。格闘技だけで食っていくことはできない。格闘技のことを一番に考えることができなくなっているのであれば、一度離れようと。一旦、社会に出ようと思いました。あの時に続けていれば違う世界を見ることができたかもしれないですが、自分はちょっとビビッてしまって。そんな気持ちで続けていても、応援してくれる人に申し訳ないという気持ちになりました」

──当時、酷い椎間板ヘルニアの手術をしたばかりでした。

「韓国での最初の試合(2014年2月9日、チョ・ナムジン戦)で負けたあとに出術をして、本当ならもう少し体を休めないといけないのに、年齢的なこともあって焦って試合のオファーを受けてしまいました。もちろん勝てると思っていましたけど。そんな風に焦ること自体が格闘技に集中できていない表れで、気持ちも中途半端だったと思います」

──働きながらMMAを続けている選手はたくさんいます。そこまで線引きをしたのは?

「僕も兄のところで働いていましたけど、格闘技を離れたのを機に不動産系の会社員になりました。パソコンも打てないばかりか、コピーの仕方も分からないのような状態でゼロから始めたので、まずはちゃんと仕事をやらないといけない。そこを第一に考えると、格闘技を続けるという選択はなかったです。子供も生まれたばかり、奥さん1人に子供を任せることもできないですし」

──そこも家庭第一だったのですね。MMAに未練はなかったですか。

「未練だらけでした(笑)。ただ、あの状態でやっても上手くはいかなかったはずです。ちゃんと社会人として地盤を創って、格闘技としっかり向き合ってから練習を再開しようという考えでした」

──そして復帰を決めたのは?

「2年前に会社を辞めて、今は個人事業主になりました」

──おぉ。

「塗装の営業をして、一戸建てや公共事業になるのですが、学校や公園の遊具の塗り替えなんかを受注する。それを兄に振るのですが7、8年と不動産をしてきたことで回りが良く見えるようになり、その経験が生きています。それにほぼ在宅勤務で自由にできる時間が増えました」

──そうなると、またMMAを戦いたくなったと?

「ハイ、練習も週に2度から5日間できるようになりました。しっかりと格闘技に向き合える環境が、整いました」

──サラリーマン時代に練習をすることは?

「それこそ年末年始の休みに、(箕輪)ひろばと一緒に動く程度でした。ほぼやっていなかったです」

──30歳を過ぎ、35歳に近づくなかで再びMMAを始めるなら急がないといけないと思ったことは?

「なかったといえば嘘になります。ヤバいという想いもありました。でも自分の感覚でいえば、2年前に今のような練習ができていたかと考えると、間違いなく無理でした。環境が整うところまできたから、試合を戦う準備が可能になります。だから今も焦りはなく、最後の勝負だけど『やってやろうか』という気持ちです。正直、どこまでできるのか分からないです。ここでケジメをつけるというわけではないですけど、しっかりやりきりたいです。

──箕輪選手が「2022年7月にボカン・マスンヤネ戦が相手の計量失敗で亡くなった時に、山上さんが凄く怒って。あの時に『あぁ、本当に復帰するかも』と思いました」と話していました。

「ひろばの存在は本当に大きくて。僕の気持ちをより、駆り立ててくれます。『早く復帰したい』という気持ちにさせてくれましたし、ひろばが頑張っていなければ、復帰をしなかったかもしれないです。だから、全てはタイミングだと自分のなかでは思っています」

──実際に試合を戦うまで気持ちが戻ったのはいつ頃ですか。

「本当に去年に試合をしたかったです。ただ準備期間もなくて、焦る必要はないと判断しました。いきなり強度をあげても、また腰をやってしまうかもしれないので。それぐらい練習をしてこなかったので、週2から週3、そこで創って今年になって「よしっ!」という状態になりました。実は1月にとある大会からオファーがあったのですが、それは断りました。そこでギアを一段上げて、夏前ぐらいに試合をしたいという風になっていました」

──現状の実力は、一度MMAから離れた時の実力と比較してどれぐらい戻っていると感じていますか。

「それ、皆に尋ねられるんです。落ちていると思われることもあります。でも前よりも技術力は上がっているんです」

──それはどういう点で?

「柔術をやってきたことは大きいです。昔は道着を着ることもなかったけど、ここ1年ほど吉永力選手に指導をしてもらって。3月からですが、ボクシングとレスリングもやらせてもっています。それぞれのシチュエーション毎に細かい分析をして、MMAに落とし込む。前はただバチバチ殴り合っていただけなので、そこは変わりました」

──今日見せていただいた箕輪選手との打撃、MMAスパーでもインターバルの間は、何か考え込んでいるようにも映りました。

「自分の動きを確認しています。どう下がったか、真っ直ぐになっていなかったかとか。そういうことをインターバル中に考えています。漠然とスパーリングをするのではなくて、濃い1Rにしたいので」

──練習をしっかりとしたうえで、選手には個人の力が存在しています。閃きや、打撃を当てる能力という部分は今日の練習を見る限り、10年前のままだと感心させられました。その持って生まれたモノに、考えるという作業が加わったのですね。

「昔は感覚だけでやっていました。正直、教えてもらうことがそんなになかったので。今は柔術、ボクシング、レスリングでやられています。なぜやられるのかを尋ねて、考える。それが自然にできるようになりました。全てにおいて落とし込めないと、その練習をする意味がないですからね。それには考えること。若いヤツとの差を埋めるには、そこしかないです。馬力任せで積み重ねても、自分は成長できない。考えて、落とし込むことで技術力がついたかとは思います。もちろん、年齢を重ねて落ちている部分はあると思いますけど。その分を技術でカバーできていると思います」

──復帰をすると聞いた時に、一番不安だったのは技術面です。10年前と比較すると、フィジカル的にも凄まじく進化しています。当時のトップファイターでも、アップデートしないと時代遅れになる。もちろん、未来永劫に有効な技はありますが、備蓄しないといけない技術が大幅に増えていると思います。

「ひろばの助けもあって、その辺りの技術の溝は埋めてきています。何より将来や肉体に不安を感じないで練習に取り組むことができているので。堀口恭司選手もそうですけど、強い選手って一つの試合に向けて全てをぶつけることができるヤツが強くて、そういう気持ちになれてきているかなと。格闘技を始めた時のように『全員、ぶっ倒してやる』という気持ちに近くなっていますし、やっぱり俺が生きていく世界はここだなと。試合だけでなく、格闘技に携わることがここまで自分に合っているのか、と改めて感じています」

──実社会を経験したことで、これからの格闘家人生第2章に役立つことはあると思いますか。

「う~ん、嫌らしい戦い方ができるようになるかな(笑)。色々なことが勉強になりましたし、格闘技とは違った意味で精神的に強くなれました。28歳で社会に出たので、最初の3年ぐらいはしんどかったです。格闘技でボコボコにされるのと違うんですよね、売れないと上から精神的に詰められるのは(苦笑)」

──世界を目指した修斗世界チャンピオンが詰められる……。

「正直、あの頃は会社に行くために駐車場に車を停めると、動悸が激しくなっていました。でも何も知らなかったので、頭を下げて勉強させてもらいました。格闘家としてのプライドは全部捨てました。本当に仕事は何もできなかったので」

──それは……やはりMMAと並行できなかったのでしょうね。

「今はその経験すら若い子たちに話せて、どう格闘技と向き合うかを話すこともできて。社会に出てからの経験が全て良かったと振り返ることができます。ただ……本当に体力面は試合をやらないと分からない。なので、そこをカバーできる……大人の戦い方をしたいですね」

──復帰戦は夏前と考えていたと言われていましたが、5月5日のGLADIATORになったというのは?

「それは長谷川(賢)さんとの出会い、繋がりですね。長谷川さんがGLADIATORのマッチメイクに関わっていて、こういう出会いを自分は大切にしたいんですよ。新しい出会いを。それも社会に出て、教わったことです。長谷川さんが『一緒にやりましょう。協力させてください』と言ってくれて……。必要としてくれる。そこが一番なんです。妻は『わざわざ大阪で。修斗の後楽園ホールで試合をすれば良いのに』とも言っていました。

──ある意味、当然の話かと(笑)。

「条件面や応援をしてくれる人達の前で最初は試合をすべきだということなので、それは分かるんです。でも、それだけでもない。人との繋がり。付き合っていきたいと思った人と一緒にやっていく。本当にそこですね、社会に出て自分が変わったところは。それまでGLADIATORのことは知らなかったですが(笑)」

──ハハハハ。

「ただ調べてみると、あれだけ外国人選手も来日していて。フライ級なんて本当にそうですよね。でも、東京でも大会を開いてほしいなというのはあります(笑)。こんなに国際戦に力をいれているので、これから爆発していくんじゃないですか」

──それが団体関係者に聞くと、レベルが上がったから出ない選手が増えたそうです。「外国人でなく日本人と戦ってベルトと取りたい」とオファーを断られることもあるとか。

「えぇ……。う~ん……僕は強いヤツと戦いたい。それが格闘技をやる男の気持ちじゃないですか?」

──それは山上選手世代なのですよ。

「でも、僕も10年振りなんで大きなことは言えないです。次の相手をしっかりと倒さないと」

──36歳のファイターの武器として、絶対的に経験値があるかと思います。ただし山上選手は10年間の空白がある。その現実について、どのように考えていますか。

「経験値……そこは考えていないです。以前の自分の何かを生かすとかでなくて、今は一から創り直しているので。5月5日は本当にデビュー戦だという気持ちでやっています。経験値がどうこうでなく、新しい自分を出していきます。正直、先は見えていないです。昔のようにUFCという明確な目標があるわけでもない。自分のゴールが見えていない状況です。ただGLADIATORで戦うなら、GLADIATORのチャンピオンになろうと思います。だからモンゴル人とはチョットやりたいですね(笑)」

──そこはデビュー戦の気持ちでも、やり残したことがあるという感覚でしょうか。

「韓国で、デキなかった。通用しなかった自分が、今回はデキるのか。通用させたいと思っています」

──GLADIATORは外国人天国になりつつありますが、それを突破した河名マスト選手がROAD TO UFCに出場します。復帰戦で「山上なら、やれるだろう」という期待感を抱かせることができるのか。

「その自信はあります。今回しっかりと勝って。次にまた準備をして、そのレベルまでもっていける自信はあります」

──では現状、期待と不安どちらが大きいですか。

「それは期待です。試合をすることが、凄く楽しみです!!」

■放送予定
5月5日(日)
午後12時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

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45 AB DEEP Gladiator Gladiator026 MMA MMAPLANET NavE o ONE ROAD FC UFC VTJ YouTube   アドニス・セビジェーノ オトゴンバートル・ボルドバートル キック グスタボ・バラルト チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル チョ・ソンビン デッチプール バットオチル・バットサイハン パンクラス プロレス ボカン・マスンヤネ マモル 今井健斗 修斗 山上幹臣 水野翔 海外 竹本啓哉 箕輪ひろば

【Gladiator026】サプラァァァァイズ、山上幹臣が10年振りの現役復帰。フェザー級で中川晧貴✖水野翔

【写真】後輩、箕輪ひろばと復帰に向けて練習を積む山上。箕輪は「ONEストロー級ならボカン・マスンヤネ、グスタボ・バラルトと普通にやれます」という(C)MMAPLANET

5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026。12日(金)、GLADIATORより、同大会で山上幹臣が9年5カ月振りに復帰、今井健斗と対戦するフライ級3回戦と中川晧貴✖水野翔のフェザー級3回戦という追加カードが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会では既にGLADIATORフライ級王座決定戦=NavE✖オトゴンバートル・ボルドバートル戦、バンタム級の竹本啓哉✖デッチプール、フェザー級のチハヤフル・ズッキーニョス✖アドニス・セビジェーノという国際戦3試合が明らかとなっていたが、山上の現役復帰というサプライズマッチが組まれた。


山上は2007年の全日本アマ修斗フライ級(※52キロ=現ストロー級)3位、翌年8月にプロデビューし同年のストロー級新人王に。その2008年にはRISEのアマチュア部門KAMINARIMONの55キロ級トーナメントで優勝を果たし、プロのリングも経験してきた。

当時、MMAファイターが純粋な立ち技にキックボクサーとして出場するケースは稀で、その打撃のセンスはMMAにおいても誰もが認めるところだった。その後山上は2011年に周囲の期待通り修斗世界ストロー級王座を獲得し、フライ級でUFCを目指すように。

VTJでフライ級の先駆者マモル越えを果たすも、当時から腰のヘルニアに苦しみ続けていた山上はUFCを睨み、経験を積みつつ実績を残すためにRoad FCに挑む。しかし、チョ・ナムジン戦ユ・ジェナム戦と連敗。この間、ヘルニアの手術をしていた山上だが、ユ・ジェナム戦を敗北を受け──人生のプライオリティを家庭に置き、2014年12月を最後にケージを離れる決意をした。

それから9年と5カ月、山上が実戦復帰を決めた。1月のTOPBRIGHTSで現役復帰という噂も流れてきた山上だが、現役復帰の場は意外にもGLADIATORを選択。DEEPとパンクラスで6勝3敗の戦績を残す、今井健斗と戦う。山上の後輩で修斗ストロー級王座を継ぎ、現在はONEで戦う箕輪ひろばは「体力面には不安は残ります。だからとってMMAファイターとして力が落ちているわけじゃない。強いです」と復帰に太鼓判を押す。

とはいってもこの10年でMMAは正常進化を果たしてきた。技術は成熟し、フィジカル強化が進み──山上の閃きが、体力に掻き消される戦いとなっている。そんなかで10年近いブランクを経てなお、山上は「初戦を終えるまで、これからのことは見えない。でもGLADIATORに出る限りはGLADIATORのベルトを獲りたい。チョット、モンゴル人と戦ってみたいですね」と、掴み損ねた国際戦での星を取り戻す意向を見せている。

山上×今井がGLADIATORにとって突然変異的なサプライズだとすれば、中川✖水野は昨年から始まったアジアのフィーダーショー化という路線で生まれた必然的な一戦といえる。日本人同士の戦いが、なぜフィーダーショー化を表す戦いなのか。

フェザー級のみならず、フライ級からミドル級まで今のGLADIATORはアジア勢、特に韓国&モンゴル勢の勢いに飲み込まれている。そのなかで中川はチョ・ソンビン、バットオチル・バットサイハンに連敗、逆に水野はデビューイヤーで4連勝を飾っている。

対アジア勢に向かうために、日本勢同士の生き残り合戦が馬得るのは必然で、逆に今のGLADIATORに欠かせない対戦軸といえる。なお今回のリリースに寄せられた出場4選手のコメントは以下の通りだ。

山上幹臣
「まずは、オファー頂きありがとうございます。対戦相手も若くて勢いある選手で申し分ないので、しっかり倒して10年振りの復帰戦、勝利で飾ります!」

今井健斗
「海外からの選手なども多く、今凄く盛り上がっているGLADIATORに参戦できて嬉しいです。初出場ですが、1番インパクトのある試合を見せられたらと思います。対戦相手の山上選手について、実力も実績もある強い選手ですが、大チャンスをモノにできるように頑張ります」

中川晧貴
「今は外国人選手に2連敗と負けが続いていますが、試合に出させて貰っているGLADIATORの櫻井代表に感謝しています! ありがとうございます! 今回の相手は若手の選手で5連勝中らしいので、ここらで連勝を止めてやろうと思っています。今までは追い掛ける立場だったのが、今は若手選手に追い掛けられる立場になったと自分では思っていて、絶対に負けられないと言う気持ちがより一層強くなりました。今回の試合でしっかりと自分の強さを見せつけて、また追いかける立場に戻りたいと思っています。チャンピオンや上位で戦っている選手に『胡座をかいて待っとけよ!』、俺が居るって分からせたいと思っています。それを見せつけられる試合をしたいと思っています。初心を忘れずにアグレッシブに戦って行きたいです!  reliableの看板を背負うと言う責任感を持ってリングで暴れます」

水野翔
「格闘技&プロレス二刀流の水野翔です。この試合は僕にとってめちゃくちゃチャンス! 4連勝の勢いのままぶっ倒します。
ここで勝って一気にタイトル戦線に絡んでいきます」

■放送予定
5月5日(日)
午後12時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator026】チーム・ラカイ初襲来、セビジェーノ✖ズッキーニョス。竹本はタイのデッチプールと!!

【写真】楽しみな一戦だ(C)RING CHAMPIONSHIP

8日(月)、GLADIATORより5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026で竹本啓哉✖デッチプール、チハヤフル・ズッキーニョス✖アドニス・セビジェーノというバンタム級とフェザー級で2つの国際戦が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会では既にGLADIATORフライ級王座決定戦=NavE✖オトゴンバートル・ボルドバートルが決定しておりモンゴル、フィリピン、タイとの国際戦が実施されることになる。


バンタム級チャンピオン竹本のMMAマッチは昨年10月にテムーレン・アルギルマーから王座を奪って以来7カ月ぶりとなるが、2月のGLADIATOR CHALLENGER SERIESで竹内稔とPROGRESSフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座防衛戦に敗れており、ある意味再起戦となる。

対するデッチプールはプロMMA戦績8勝5敗のタイ人ファイターで、長谷川賢タレントリレーションズ代表が昨年11月にタイのジムを視察した際に発掘した選手とのこと。ONE WSからコロナ期にはONE本戦に昇格したこともあるデッチプールのONEでの戦績は2勝3敗となっている。

ムエタイは30戦27勝3敗のデッチプール、本名はデッチャディン・ソーンシリスパティンで当然ベースはムエタイだ。と同時にプロボクシングでも戦っており、戦績は9戦5勝4敗で3150 Fight Survivalや伝統のダイナミック・グローブにデッチャディン・ソーンシリスッパティンという名で来日している。

ボクシングは5つの勝利全てがKO勝ちで、MMAも5 KO勝ち&一本勝ちが2試合というフィニッシャーだ。と同時にボクシングで2つのKO負けとMMAで3KO負け、2度の一本負けを喫しており”Be Finished”ファイターでもある。

一方、フェザー級タイトル戦線復帰を目指すズッキーニョスと戦うアドニス・セビジェーノは、昨年6月大会以来来日が途絶えていたフィリピン勢──そしてグラジにとって初めてのチーム・ラカイ所属ファイターの参戦となる。

戦績は3勝4敗だがチーム・ラカイのマーク・サンジャオ総帥の強い推薦の下、今回の来日が決まったというセビジェーノは、Road to ONEフィリピンで優勝しONE本戦契約を勝ち取った。その際にラカイに移籍したセブ出身でなかなか荒っぽい選手といえる。

エドゥアルド・ファラヤンやジョシュア・パシオなど大量離脱劇があったチーム・ラカイは、この1年総合力を高める傾向が強く──打撃で前戦を勝利したズッキーニョスとセビジェーノ戦は、その総合力の高さが問われる一戦となるだろう。

なおプレスリリースに寄せられた4選手のコメントは以下の通りだ。

竹本啓哉
「完全決着率の高いストライカー。こういう選手と試合したかったです。ですが、戦績は僕の方が上。必ず極めて勝ちます」

デッチプール
「日本の皆こんにちわ。タイのダッチプールことデッチャディン(本名)です。日本で素晴らしいトップMMAファイターと戦うことが凄く嬉しい。ただし、僕は彼を倒す。倒したいんだ。ありがとう──KRUB!(=タイで最後につけると、ございますというような意味になる)」

チハヤフル・ズッキーニョス
「勢いのあるフィリピンの選手と戦えることを楽しみにしています。フィリピンMMAというと打撃のイメージでしたが、アドニス選手は積極的に組みも混ぜる、ウェルランディットな選手という印象です。アジアの強い相手と戦ってきている選手なので、どんな勝ち方ができるかで自分の実力が測れる良い機会だと思います。僕は昨年のトーナメントからの連戦で、全ての要素が確実に成長しているので、自信を持って戦います。次期王者候補筆頭と呼ばれる試合をします!」

アドニス・セビジェーノ
「僕はセブ州バンタヤン島出身で、セブ州から国際ステージで戦う唯一のマーシャルアーチストであり、フィリピンで最も成功を収めたMMAチーム=チーム・ラカイの一員であることを誇りに思っている。そして自分の道を追求し、母国フィリピンと家族の誇りと共にある。僕は2人の愛すべき娘の父であり、美しい妻の夫だ。家族の存在が、僕に力とやる気、努力の源になっている。MMAでベルトを巻けるよう全ての局面で技術を磨いている。レッツゴー!」

■放送予定
5月5日(日)
午後12時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator026】スンチョル負傷&ドンフンは……。フライ級王座決定T決勝でNavE×オトゴンバートル

【写真】それぞれの理由で韓国勢が離脱し、モンゴル×日本の決勝となったフライ級王座決定戦 (C)MMAPLANET

26日(火)、GLADIATORより5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026でフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦が、NavEとオトゴンバートル・ボルドバートルの間で組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

2月のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でチェ・ドンフンが和田教良を三日月蹴りからパウンドアウト。今月3日のGLADIATOR025でイ・スンチョルがツェルマー・オトゴンバヤルを、オトゴンバートルが久保健太を、NavEが藤沢彰博を下していた。


当初、準決勝2試合はイ・スンチョル×オトゴンバートル、チェ・ドンフン×NavEを組む方向であったがGLADIATORの発表によると、まずイ・スンチョルが大会終了直後に肩を負傷し5月大会出場は無理だという話があったそうだ。

ここで準々決勝出場選手から、もしくは新たにオトゴンバートルと準決勝で戦う選手を選ぶことにしたところで、チェ・ドンフンから「他のプロモーションからオファーがあり、そこで戦ってきたいという申し出があり、快く送り出すことになった」ことがリリースで記されている。

同リリースではチェ・ドンフンが戦うことになるプロモーションに関しては、他団体で正式発表がないことから、イベント名等の明言は避けられている。とはいえ、ここはRoad to UFCであることは間違いないだろう。GLADIATOR025前にイ・スンチョルはRoad to UFCからオファーを受けていたが、自らのフィジカル面を鑑みて――絶対に優勝するために――今年の参戦を見送っていたという話も聞かれていた。

この時点でチェ・ドンフンにリストに入っていないことも関係者の話から明らかだったが、イ・スンチョルとチェ・ドンフンはともにイリディウムのマネージメントを受けているファイターだ。イ・スンチョルの辞退を受け、彼らがチェ・ドンフンにその枠を与えたことは想像に難くない。

いずれにせよ、チェ・ドンフンはGLADIATORから離脱し、イ・スンチョルは負傷が癒えると戻ってくることになる。王座決定トーナメントで旋風を巻き起こしていたといっても過言でく本命=チェ・ドンフン、対抗=イ・スンチョルと見られていただけに両者の欠場は残念だ。

しかし、両者が抜けることで決勝をNavEと戦うこととなったオトゴンバートルは3日の久保戦のパフォーマンスで、一気にチェ・ドンフンの対抗馬と見られるようになっていたファイターだ。

準々決勝ではレスリング出身ながら、ほぼ打撃一辺の試合で久保を下したオトゴンバートル。右ミドル、右ローを蹴っておいて――その右を見せての左ハイの二段蹴りでダウンを奪ったシーンは、彼の非凡さを象徴していたシーンだ。師ジャダンバ・ナラントンガラグの「モンゴルに相手がいない」と言葉も頷けるキャリア2戦の新鋭といえるだろう。

対してNavEは、オトゴンバートルの練習仲間であるニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに7秒で敗れ、同王座から陥落した過去があるだけに、このモンゴルの新鋭を相手に落とし前をつけたいことは絶対だろう。そのNavEと戦うことで、オトゴンバートルの未知数の部分か可視化できるという楽しみな王座決定トーナメントとなる。

以下、同リリースに寄せられた王座決定戦出場2選手と、トーナメント離脱となった2選手のコメントだ。

NavE
「次戦は、間接的にモンゴル人へのリベンジマッチと聞き心が燃えました! この燃えている熱い気持ちをグッと抑えて、今回もGLADIATORのケージ、そして強豪モンゴル人とのファイトを全力で楽しみたいと思います! 勝敗はどうでもいいです! 楽しんだ先に素晴らしい景色が待っていると思います! 自分のキャリアも終盤が見えてきていると思うので、この試合が決まった瞬間のワクワク感…計量日までの減量や試合へ向けたトレーニング…そして試合当日の熱いファイト! 試合直前におこるアクシデント…(笑)。今回もこれら全て全力で楽しむ事に注力します! ただの田舎のサラリーマンだった自分の人生を変えてくれた「格闘技」に感謝!  格闘技ライフ最高です! 押忍!!」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「今回、GLADIATORフライ級王座決定トーナメントの準決勝が無くなってしまい、いきなり決勝戦で戦うことになりましたが、素直にとても嬉しいです。相手のNavE選手は元フライ級チャンピオンで、経験豊富な、組みの強い選手という印象を持っています。NavE選手、お互いに頑張りましょう。5月5日、ケージでお会いしましょう」

チェ・ドンフン
「チームMAD浦項所属、チェ・ドンフンです。今回、GLADIATORフライ級王座決定トーナメントの途中ですが、私の試合を見た他の団体から良いオファーがあり、受ける事を決意致しました。よって、非常に申し訳ございませんが、フライ級のトーナメントには出場が出来なくなりました。素晴らしい機会を下さったGLADIATORの関係者の皆さまとファンの方々には申し訳ないと当時に感謝の気持ちを伝えたいと思います。他の団体に行ってもGLADIATORでの貴重な経験を活かして、頑張る自分をお見せ致しますのでますので応援宜しくお願い致します。向こうでも暴れてきます。本当にありがとうございました! 」

イ・スンチョル
「こんにちは、DKジム所属イ・スンチョルです。3月3日のGLADIATORの試合で肩を負傷してしまいました。現在、肩の回旋筋腱板を少し損傷した状態です。この負傷で5月に予定されていたフライ級トーナメント準決勝に向けて練習ができない状況になってしまいました。5月には戦うことが難しいです。今回、自分の試合に期待して下さった方々も多く、GLADIATORから素晴らしいチャンスを頂いたにも関わらず、怪我で試合ができない状態になってしまい本当に申し訳無い限りです。しっかりと回復して、次の試合はもっと華のあるファイトをしますので、その時まで少し時間を頂けると幸いです。もっと良い試合ができるよう頑張ります」


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