【写真】川北として、このままでは2024年が終われないという心境だったのか (C)MMAPLANET
10日(火)、PROGRESS実行委員会より25日(水)に会場非公開&配信大会として開催されるBreakthrough Combat02の追加カードが発表されている。
Text Manabu Takashima
既にグラップラー×MMAファイターという対戦軸のProgressルールで3試合──暫定ウェルター級チャンピオン森戸新士×チャレンジャー北岡悟。安楽龍馬×中原由貴のライト級王座決定戦。そして城戸泰介×椿飛鳥の71キロ契約マッチという組み技マッチに続き、今回は2試合のMMAマッチが明らかとなった。
そのうちの1試合は吉野光が、川北晏生と戦うバンタム級の一戦だ。UAEW還りの吉野はBreakthrough Combat旗揚げ戦でシンバートル・バットエルデネと対戦し、まさかの判定負けを喫し世界再挑戦の出鼻をくじかれた。
リリースのよると同大会を主催するProgress実行委員会では、その吉野に当初はProgress戦の出場を要請したところ本人より「MMAを戦いたい」という強い要望があったという。とはいえ自前の育成選手を持たない同イベントにおいて、日本人選手は国内に拠点を持たない選手と関係協力団体から派遣される選手で賄っているのが現状だ。
そして吉野という国内屈指の実力者と自前のファイターを戦わせるのは、RIZINのような大舞台でないと協力団体として旨味はない。そのような状況から吉野の対戦相手を探すことは困難だと捉えていたという。しかしながら、ここでTRIBE TOKYO MMA所属の川北が声を挙げた。川北は9月に修斗環太平洋バンタム級王座決定トーナメント準決勝でダイキ・ライトイヤーと対戦予定だったが、皮膚疾患を発症し欠場。トーナメントは不戦敗となっている。
川北の出場をサステインの坂本一弘代表も快く了承したという。ベルトが掛けられた機会を失した川北は、タイトル奪取に賭けた意気込みで吉野戦に挑んでくることだろう。
もう1つの決定カードはミドル級の韓国×マレーシア対決、イ・イサク×アギラン・タニだ。昨年9月にGladiatorで当時のミドル級チャンピオン藤井章太に圧勝TKO勝ちを収めたイ・イサク。2月のGladiator Challenger Seriesで三上ヘンリー大智が決まっていたが、TUF出場が濃厚となり出場辞退をしていた。
その後、TUFキャストから漏れモンゴルで勝利すると、Gladiator CS02で三上ヘンリー戦が再浮上も、今度は三上の負傷で流れることに。この時に三上の代役として白羽の矢がたったのが、アギラン・タニだった。長らくONEを舞台に戦い、ベン・アスクレン、秋山成勲、岡見勇信、手塚裕之といった世界と日本のトップファイターと戦ってきたアギラン。ONE離脱後はUAEWやRCCで戦ってきた。
しかしながら、イ・イサクの負傷でこの試合も夏に実現することはなく、アギランはそれ以来日本でのファイトを所望続けてきた。
ONEで12勝7敗、通算戦績12勝9敗。緩いボディとは対照的に、柔術ベースで消耗性を戦い抜くことができるアギランと、4勝0敗&24歳のKTTの新鋭のミドル級マッチ。ある意味、同大会で実施する必要があるのかという試合であることは間違いないだろう。
この一戦を組んだ理由をProgress実行委員として同大会をリードする長谷川賢はリリース内で「なぜミドル級の国際戦なのか。そのような疑問の声は当然のように聞かれるカードかと思います。ただし国内では層の薄いミドル級にも世界を目指す選手が存在し、彼らは強くなるために一致団結して練習を行うという関係になっています。そのなかで海外挑戦を考えても、なかなか実現しない。そんな選手に国内でミドル級の国際戦を提供したい。ぜひとも、今回出場するイ・イサク選手、そしてアギラン・タニ選手と戦いたいという日本人選手が名乗りを挙げて欲しい。そのために組んだ対戦です」と胸中を明かしている。
世界と戦うためにアジアと凌ぎ合う。そのコンセプトが背景にあるミドル級戦と、現状突破というスローガンに則したバンタム級戦といるだろう。なおリリースの寄せられた出場2選手のコメントは以下の通りだ。
吉野光
「前回一年ぶりの試合で負けてしまい、3連敗となってしまいました。この流れを変えるためには試合をするしかないと思い、期間は短いですがすぐにMMAの試合を組んでもらえないかとお願いしました。この試合を実現してくれたBreakthrough Combat関係者の方に感謝しています。ありがとうございます」
川北晏生
「今回すごく強いと評判の吉野選手が対戦相手だったので、試合を受けました。その強さを直に感じた上で、自分が勝たせてもらいます」
イ・イサク
「コリアントップ・チームのイ・イサクです。クリスマスに試合の機会を与えてくれたBreakthrough Combatに感謝しています。今回の相手、アギラン・タニは秋山成勲選手に勝利した強者です。レスラーなので、グラウンド中心で準備しています。一方で打撃だと1RでKOできるように練習を頑張っているので、試合を楽しみにしてください」
アギラン・タニ
「Breakthrough Combat02でイ・イサクと戦うことに、本当にエキサイトしている。最高のパフォーマンスを見せて、これからもっと日本で戦っていきたい」
■視聴方法(予定)
12月25日(水)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル