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【Fight&Life】ユライアが語った田中路教&<未掲載>石原夜叉坊「テルトの戦いは終わっていない」

【写真】世界中からファイターがユライアの下に集まる(C)MICHINORI TANAKA

23日(月)発売のFight&Life#86にカリフォルニア州サクラメントに移り住んで4カ月が経過した、田中路教のインタビューが掲載されている。

その囲み記事で、ユライア・フェイバーが田中について語った。ここではユライアが田中に対して、どのような想いでいるのかに加え、本誌で掲載できなかった──ユライアが考えるチーム・アルファメールに世界中から選手が集まってくる理由と、結果が出ない石原夜叉坊についてどういう想いでいるのかを紹介したい。


「タナカが4年振りにアルファメールに戻ってきたことは、本当にアメージングだ。

技術的な成長は当然して、ファイターとしてだけでなく人として成熟していた。オープンマインドで、懸命に学ぼうという姿勢は常に好感が持てる。彼が僕のことやチーム・アルファメールに慕ってくれていることに感謝している。

僕は気持ちが強くて、ハードワークを続けることができる選手を見出すことができると思っているけど、タナカは未来を掴み取るために必要な正しいメンタルの持ち主だ。持って生まれた才能に加えて、たゆまぬ努力を続けることができるタナカのことを僕は信じている。

2度目のチャンスを掴むためには、とにかく連勝が必要だ。そしてエキサイティングな試合を、以前と変わらずしてほしい。これから待っている勝負では、相手より強い意志で戦う必要がある。そのために世界で最高のチームで、自らを奮い立て一心不乱にトレーニングしているんだ。彼は目標を達成するために、ペダルから足を外すことがない。何をすべきかを分かっている。タナカならLFAでチャンピオンになり、UFCでまた戦うことができるに違いない」

※未掲載分

──なぜ、世界中から成功を求めるファイターがユライアの下に集まってくるのでしょうか。本人に尋ねるのもなんですが、ユライア自身はどのように考えていますか。

「伝統……チーム・アルファメールの伝統だと思う。アルファメールのファイターは、UFCを代表とするMMAのビッグショーで成功を収めてきた。このスポーツでフィーダーショーだけでなく、メインステージでも勝ち残ってきたんだ。MMAが注目を集め始めた時に、僕らはUFCで結果を残している。

そういう姿を見ていた世界中のファイターが、アルファメールに集まるようになった。そして、また成功を収める選手が生まれ、また彼らのようになりたくて世界中から選手がやってくる。ビッグショーのメインステージで、結果を残す。それがチーム・アルファメールの伝統になっており、次世代、また次世代と続いているんだと思うよ。

でも若い選手だけじゃない。チーム・アルファメールにはこのスポーツで活躍し続けてきたクレイ・グイダやダレン・エルキンスのようなファイターが、今も成長していることを試合で証明している。それも皆がサクラメントにやってくる大きな要因になっていると思うよ」

──国籍を問わず、ソン・ヤードンやパウリアン・パイヴァなどの試合でもユライアがコーナーにいます。

「タナカ(田中路教)もその1人だ。彼はLFAで戦うためにアルファメールに戻ってきた。田中はLFAでチャンピオンになってUFCに戻る。日本のファイターは、昔ながらのファイティング・スピリットを持ち続けている。それはファンが、MMAを理解してちゃんと選手のことを見ているからだと思うんだ。

そのMMAの見方が日本人選手の精神性を、世代を越えたモノにしているんだよ」

──なるほど、そんななか田中路教選手と並んで、日本人で古株となった石原夜叉坊選手ですが、先日のFury FCの試合でも敗れてしまいました。敗れたことよりも、今ユライアがまさに口にしていた……戦う気持ちが伝わってことなかったことが本当に気になります。ユライアに全幅の信頼を寄せてアルファメールで練習している夜叉坊選手について、どのように考えていますか。

「君の言ったことは正しい。テルトからウォリアー・スピリットが感じられなかった……。このスポーツは本当にハードなんだ。彼は4連敗中だった……そしてまた敗れてしまった。彼の動きが悪くて負けた試合もあるけど、テルトの動きが良くても、それ以上に相手が良かった試合もある。

でもテルトの心はまだライフ・マーシャルアーチストだと僕は思っている。まだウォリアー・スピリットも持っているはずだ。まだテルトの戦いは終わっていない。

ダレン・エルキンスを見てくれ。4連敗から復活した。クレイ・グイダもそうだ。4連敗しても、終わっていない。ルイス・ゴンザレスは負けても、負けても立ち上がっている。

テルトはファイティング・スピリットを失っていない。でも、眠ってしまっているんだ。テルトが再び目を覚ますことを僕は信じている」

※同インタビューでは田中路教のアルファメールでの練習やサクラメントでの生活。そしてプライベートでの嬉しいニュースなどが語られています。

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Fight&Life Interview J-CAGE ブログ 高木オーディン祥多 髙谷裕之 齋藤奨司

【Fight&Life】格闘DREAMERS/髙谷裕之「目標はUFCに追いつき、追い越せというイベントを創ること」

【写真】厳しさと優しさをオーディション参加者に見せる髙谷。これぞ彼のMMAへの想いの深さと感じた(C)MMAPLANET

明後日23日(金)発売のFight&Life#84にLDH格闘家育成プロジェクトをスタートさせ、その一端として現在ABEMAで配信中の格闘DREAMERSでLDH martial arts所属選手のオーディションを行っている髙谷裕之のインタビューが掲載されている。

MMA人気を根づかせるために、格闘技の本質を曲げない。何より人生育成が欠かせないという髙谷。格闘DREAMERSは、国内でUFCに負けないイベントを再び行うために彼らが練る、10年~20年越しの計画の第一歩だ。

本誌で掲載しきれなかったオーディション合否の背景について語った髙谷の言葉をここでお届けしたい。


──LDH martial artsの格闘家育成プロジェクト。その一端として始まった「格闘DREAMERS」のオーディションには200人の応募があり、書類選考で52名までしぼりました。その判断基準はどういうものだったのですか。

「本当はたくさんの人に集まってもらってオーディションをしたかったのですが、コロナでそれはできなくなったので書類選考という形を採らざるをえなかったです。重視したのは世界を獲れるような可能性を感じさせるスポーツの実績や熱意です。世界で闘える選手を発掘するオーディションなので、そのような基準で選手を選びました」

──書類選考で落とされ、実際に見て判断してほしいと言ってきた応募者はいましたか。

「1人、2人はいたかもしれないですけど、そういうことは僕の耳には入って来なかったです。逆に来てほしかったですけどね」

──第一次オーディションで52人から一気に19人まで篩に掛けられました。

「人数の上限を決めていたわけではないです。打撃とグラップリングのスパーを見て、動きの良かった人間だけ選ぶと19人という数になりました」

──そこで落とされた人から、泣きの一回を実施してほしいというような要求は?

「1人もいなかったですね。僕自身は何か言ってくる奴とかいるだろうなって思って……ガチンコ・ファイトクラブみたいに『お前が相手しろよ』みたいな奴がなかには含まれているのかと。そこそこの準備はしていたんですけど(笑)」

──アハハハハ。売られた喧嘩を買うつもりでオーディションに向かっていたということですね。ガチすぎます。

「結果、格闘技をやっている人間なんで──落とされた自分と受かった人間の違いが分かったのでしょうね」

──合格者のなかでも2選手が辞退しました。

「合宿を行ったので仕事の都合が合わなかったのか。1人はスパーリングでダウンを喫したことで自信がなくなったのかもしれないですね。もう1人の選手も、所属ジムの兼ね合いや『歌やファッションも好きだし、格闘技一本じゃない』と言っていたので、空気が違うと捉えたのかもしれないです。僕らはフルタイム・ファイターを求めているので」

──第2次オーディションのための合宿は、いつ行われたのですか。

「12月ですね。番組では割愛された部分も相当にあって(笑)。本当に厳しかったと思います」

──輪になってスクワット。慧舟會の補強を思い出しました。

「久保さんの合宿は腕立て伏せ2010回とかだったので(笑)。あれと比較するとインターバルの時間もありますし、回復の時間も測ってスケジュールを組んでいたので、非科学的に見えても多少は科学的にやっていました。

生き物として強いヤツしか生き残れない。そういう合宿になったと思います」

──打撃の上手い選手が多いです。

「そうですね。僕が選ぶということが影響したのが、参加した選手の8割ぐらいは打撃系でしたね」

──そんななか落選した選手に、山本歩夢選手が含まれていました。

「う~ん、彼は話せば分かる部分はあるかと思いますが、格闘技もこのオーディションもビジネスにつなげることに重点を置いていたように感じました。自分で会社も経営しているみたいですしね。

僕たちが必要なのは格闘技一本でやっていこうという人間です。格闘技だけでなく他のことと一緒にやりたい人もいるし、『僕の人生は格闘技だけじゃない』という選手もいるでしょう。それぞれ生き方という部分では正解も間違いのないのですが、僕らが欲しい選手は格闘技一本でやっていくという気持ちの選手なんです。

同じように会社を興した人間がいます。高木オーディン祥多の場合は格闘技をやるため──自分の練習時間を確保するために経営者になっています。

格闘技のために荷揚げなのか、運送会社をやっています。彼の場合は僕らが欲しいと思う向き合い方だったんです。

ただし、凄いなと思う反面、そこが精神的な甘さに通じることもあるとも思います。

齋藤奨司なんかは会社を辞めて退路を完全に断っている。弱いところを見せようがないと思いますね、彼に関しては」

※23日発売のFight & Life#84は、オーディション最終選考となる実戦の2週間前にパウンド有りのアマ大会を開き、選手たちに試合をさせて理由、オーディション終了後のLDH自主興行や契約選手の育成方法などが掲載されています。

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Bu et Sports de combat Fight&Life Interview  グラチアン・サジンスキ ブログ 剛毅會 大塚隆史 岩﨑達也 松嶋こよみ 武術空手

【Bu et Sports de combat】特別編。Fight & Life#83より、大塚隆史&松嶋こよみが行う稽古の事実とは?!

【写真】大塚と松嶋の練習、何が他のプロ練習との違いなのだろうか (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。

そんな剛毅會プロMMA稽古というべき練習の模様が、24日(水)発売のFight&Life#83に掲載されている。

武術空手、大宮司岳彦氏とのムーブメント・トレーニングに関して──大塚隆史と松嶋こよみが対談を行った同誌のレポート内の囲み記事で紹介されている──岩﨑氏の武術空手をいかす練習に関して、より詳しく紹介したい。

「Bu et Sports de combat」特別編、トレーニングと稽古に違いとは?!




──打撃のみ、テイクダウン有り、レスリングとサブミッションのスパーリング。前者二つは他の練習で見ることがない約束組手と自由組手の間のような打ち込みを思わせるスパーでした。

「打ち込みとはまた違うのですが、松嶋にしても大塚にしても、今、何が必要かということを考えてこの稽古をすることになりました。〇分〇Rを何本という風に決めるのはトレーニングで、稽古とはできるようになるまでやることです。できるまでやる時間が欲しいけど、アスリートはともすれば予定のメニューを消化する練習になりがちです。

ですから、やれることをやるのがトレーニング。やれないことをできるまでやることが稽古であり、『稽古する時間が欲しい』と松嶋がまず言ってきました。そして11月に修斗の試合を終えた大塚と一緒に食事をして、彼もそういう想いがありました。結果、5年振りに2人が稽古をするようになりました」

──その稽古で何をできるようしているのでしょうか。

「えぇと、できるようにするというか──できないことはあり、できるけどもっと良くできることもあります。試合で勝つためにできることでなく、できないことを試しにやっていようと。

練習とは現実を想定していますが、結局はフィクションなんです。ミット打ちだ、シュートボックスのスパーリングだと言ってもフィクションを如何に、実戦に起こることに近づけるのか。それは誰もが苦心していることです。パウンドで思い切り顔面を殴るという練習はできないですからね。

そこでミットやシュートボックスというのは、彼らもそれぞれの練習で十分にやってきています。その練習で感じたことをここでぶつけ合い、あの2人と私とで体を使って会話をしているような感じです。

ガチスパーではなく、打ち込みでもない。それでいて実戦を想定している稽古なんです。ガチをやるための頭と心の考え方、武術的な理を学ぶ稽古です。レスリングやグラップリングはガチスパーができます。打撃でそれをするなら大きなグローブを使う。そうなると、もう5オンスのMMAグローブとは感触も違ってきます。

と同時に、彼らはキャリアがあるので、思い切り殴ることなく想定することで稽古ができています。ある意味、ガチスパーリングができたとしても、やる必要もないと私は考えています。当てる前の動作に気を付けていれば、試合で出すのではなくて出る状態を創れます。もちろん試合に出たことがない、顔を叩いたことがないという人にはできない稽古ではあります。

いくら自分が質量があっても、相手がより強ければ質量は落ちます。そこを想定して稽古をする。ウェルラウンダーが相手ならどうなるのか。そういう相手がいるとした状況で、稽古する。そして、意外とあの稽古で体力も削られています。

シングルに入って、そこで何を考えているのか。倒せたら何をするのか。倒せなくて反応された場合どうするのか。そこまで考えて、シングルレッグに入っているのかっていうことなんです。そこを考えて、何かをやり切ろうとすると体力的にも厳しくなってきます。ガチスパーではなくても。

ただ手を出す、足を出すのではない。蹴りにしても、どこを蹴って、どう効かせるのか。それはたまたま私が極真自体に先生に教わってきたことが、今、こうやってMMAでも同じことになった。大塚や松嶋の言っていることを聞くと、私自身が本当に勉強になります」

──武術をMMAに生かすために、型の次段階という風にも感じました。

「それがね、次というか──型そのものなんです。次の段階と思われたのは、それは繋がっているからですね。あの稽古と型が。その動作も型をやっている2人だからこそ、共通認識がある。型、基本稽古とMMAが繋がっています。だから、『ここはどうなりますか?』と問われると、『そこはクーサンクーの時の動きで』とか、『パッサイのあれだよ』という会話が成り立つんです。

だからといって型で勝つとか、そんなアホな話は一切しませんが、型をやることで2人がやっているMMAのトレーニングに、彼らの内面がよく見られるようになりました。MMAはボクシングも、キックもあって色々と迷うことがあります。そして迷った時は、型に戻ることができます。

基本、移動稽古もそうですね。そこが実戦を想定した、問いかけのある稽古に通じています。時間が過ぎるから消化なのか。問いかけを解決することが消化なのか。そこを理解していないと、こういう稽古は苦痛なだけになると思います。そこで必要なのは、自分を信じてほしい。自分にはこういうモノがあると信じられると、強くなります。私や武術空手を信じてほしいということではないです。自分を信じることができるための稽古です。

この稽古のために場所を提供してくださっているT GRIPの小幡太郎代表に感謝しています」

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