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【UFC ESPN61】パーソンズ消滅、木下憂朔が話していたこと「自分を傍から見ると、めっちゃアホそう」

【写真】インタビューの受け答えだけでも、木下の変化が分かる(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN61「Tybura vs Spivac 2」が開催され、木下憂朔がジョニー・パーソンズと対戦予定だった。しかしパーソンズの負傷で試合はキャンセルに。ここでは試合中止の前に行われた木下のインタビューをお届けしたい。
Text by Shojiro Kameike

木下は2022年にDWCSからUFCと契約するも、翌年はデビュー戦から2連続KO負けを喫した。今回、1年振りの復帰戦に挑む木下に対し、MMAPLANETでは8月1日(日本時間)にインタビューを行っている。その数日後にマネージメントサイドから試合中止の報が届けられた。取材では、木下は2連敗を経て大きなマインドチェンジを語っていた。


うまく言えないですけど、ピュアレスリングが重要やと思います

――日本は現在、8月1日の朝7時です。木下選手がいるフロリダは何時ですか。

「朝早くから、ありがとうございます。こちらは7月31日の夕方6時ですね。もう練習を終えて帰宅したところです」

――朝早くから練習をスタートして、夕方には終わる。フロリダのキルクリフFCに行ってから、日本にいる頃とは生活習慣も大きく変わったのではないでしょうか。

「メチャクチャ変わりましたね。練習のスケジュールが全く違いますから。こっちは朝メインで動くんですよ。夜は早よ寝て、翌朝の練習に備えるという感じです」

――朝の練習は何時からスタートするのですか。

「日によって違いますけど、僕は今、朝6時30分ぐらいには起きるようにしていますね。朝はゆっくりしてから、練習が始まる1時間前にはジムへ行ってアップしています」

――1日を有意義に過ごすためにも、朝起きてから一度ゆっくりする時間を設けるのは大切ですよね。

「はい。最近は早起きしてから、少し外を散歩するのが好きで。朝の空気感が好きというか、『これから1日の生活が始まる』っていう感じがして面白いんです」

――早起きして、ゆっくりしてから練習に向かうと、トレーニング内容の成果など実感はありますか。

「練習の効果という面は分からないけど、まず『今日はこうしよう、ああしよう』『先週はコレをやったから今週は……』というふうに、まず1日の練習内容を整理してから臨む。そういう良いサイクルが出来ているとは思います」

――なるほど。試合は昨年8月のビリー・ゴフ戦以来1年振りです。その前に今年2月には、ダニー・バーロウ戦が中止となっていました。

「あの試合って、契約書にはサインしていなかったんですよ」

――えっ!? どういうことですか。

「まずオファーが来た時にコーチと話をして。『次の試合で負けると内容次第ではリリースもあり得るし、そんなに焦らんと、つくり直してから試合したほうが良いんじゃないか』と言われたんです。だから中止というか、そもそも契約書にはサインしていなかったです」

――ということは、メディアの飛ばし情報だったわけですね。

「そうなんです。米国では結構ありますね(苦笑)」

――それだけUFCで2連敗、しかも2連続KO負けという結果を受けて、次の試合については慎重に考えざるをえなかったですか。

「結果に関して言うと、そうですね。前回のゴフ戦は、内容は悪くなかったと思うんですよ。でもやっぱり結果が求められる世界ですから。試合が終わった直後は『あぁ~』と考えました。この結果やとリリースもあり得るとは思っていて」

――内容が悪くなかったと感じるのは、どのような点でしょうか。

「前半は良く進めることができていた。それはメチャクチャ手応えがありました。相手のテイクダウンを防いで、打撃も上下に散らすことができていたので。自分も良いパンチを当てることはできていましたし、引き続きそういう練習はしていく。特にレスリングについては、より意識するようになりました」

――確かにゴフ戦はKO負けしたものの、テイクダウンを許さなかったことは大きいと思います。

「その点で初戦から2戦目まで半年あって、MMAとしてトータルで上がってきている実感はあります。ちゃんと練習してきたことが出ている、身になっているんやと感じました」

――やはり渡米してみると、現地で練習するレスリングは何か違いましたか。

「技術が違うというより、レスリングをこなしている量が圧倒的に違うんですよ。立っている時と組んでいる時のスタミナって違うじゃないですか。自分の場合はレスリングをやることで、組んだ時のスタミナも変わってきたと思います。それだけレスリングをやることで、スタンドの安心感も違いますし」

――それはピュアレスリングと言いますか、いわゆる競技としてのレスリングを指すのですか。あるいはMMAとしてのレスリングやグラップリングなのでしょうか。

「それでいうと、ピュアレスリングですね。表現するのが難しいんですけど……、MMAとしてのレスリングの場合『テイクダウンを切る』と表現される。その『テイクダウンを切る』ための技術が、ピュアレスリングになるともっと細かくなるわけですよね。それだけピュアレスリングのテイクダウンを切る方法を知っているかどうかで、MMAでも大きく変わってくる。うまく言えないですけど、それだけピュアレスリングが重要やと思います」

――柔術家でグラップラーの世羅智茂選手はレスリングの練習について「ルールを理解せず単純に技術を学ぼうとすると、しっかり来ない。柔術の感覚のままレスリングを学ぶと難しい。レスリングの技術は、レスリングのルールの中で最適化されているものだから」と言っていました。

「あぁ、そうですよね。分かります。やっぱりレスリングのルールに沿った技術を学ばないと――それは柔術やグラップリングだけでなく、MMAも同じやと思いますよ。MMAの場合は、そのうえで立ち上がるためのレスリングをしっかりやっているというイメージですね。日本のMMAジムやと、そのレベルでレスリングを学べる環境は少ないと思います」

――それこそ自衛隊体育学校や大学のレスリング部のような場所に行かないと……。

「はい、そうやと思います」

――その環境が、米国のMMAジムには存在しているわけですね。一方、試合をしていない1年間に焦りはなかったですか。2連敗していますし、「とにかく早く試合をしたい」と。

「試合をしたい気持ちはメッチャ強かったし、去年の12月ぐらいには試合したいという話はしていました。でも、なかなかうまく決まらなくて……。だから『もう分からんことを考えていても、しゃーないな』と思うようになったんです。『いつ決まるかも分からんことを考えるよりは、今できることに集中しよう』と。それから試合間隔については、あんまり気にしなくなりました」

――朝の早起きや散歩もそうですし、過去2戦と比べて大きく変化してきているのですね。

「自分自身のメンタルと向き合って、いろいろ考えたんですよ。たとえば前回の試合は良いように進めていたのに、ちょっとした焦りからカウンターでボディを食らって、KO負けしました。そういう焦りとかはなくしていきたい。今までは何するにしても、『せっかち』やったんですよ(笑)。そういう部分を失くしていきたいと思って」

まず自分のことだけ考えて、面白い試合をします

――UFCと契約して、まず何よりも「勝たなアカン」「結果を残さなアカン」という気持ちは強かったのでしょうか。

「……はい。平良達郎君がUFCで連勝しているのを見て、『俺もやらなアカン』という気持ちが強かったです。『やらなアカン』とは今も思っているけど、他の選手のことは気にしなくなったというか。自分と平良君は全然違うファイターやし」

――そうですね。木下選手は平良選手、鶴屋怜選手、中村倫也選手、そして朝倉海選手とも違うファイターです。

「そう考えたら、自分だけ色が全く違う気がしますね(笑)」

――アハハハ! ジョニー・パーソンズと戦う次の試合は、そのマインドが重要になると思います。パーソンズのように自分のペースを貫き、序盤は押されていても最後は勝っているというタイプの選手を相手にするには、特に自分が冷静でいる必要がある。

「そうですよね。パーソンズは割と頑張って勝つタイプやなというイメージです。自分のペースでずっとやっていくタイプで。チームメイト(昨年7月、ダニー・ロバーツにKO勝ち)と対戦している試合も現場で見ていましたけど、ダニーも序盤は悪くなかった。でも自分のパンチが当たっていると思って攻めたところに、カウンターを食らってしまいましたよね。

自分にとって悪くない展開なのに、ジリジリと削られて負けてしまったというか。自分の場合でも、その点は気をつけていきたいですね。試合中は『当たっているな』という手応えはある。だからといって焦ることがないように。

ダニーとの試合を見ながら、その時も『自分やったら、こう戦うかなぁ』と勝手に対策を考えていました。もちろん当時と今の自分は違うし、今までの自分にプラスアルファで乗っかる部分があるというか」

――今までの自分、というのは?

「ずっと『勝ちに徹するような選手にはなりたくない』と思っています。それなら自分の試合は見てもらわなくて良いし、自分も試合しなくても良いです。自分の求める選手像と結果を、どちらも求めていきたい。変わったけど、そんなに変わっていないとは思います。何て言うんやろう……」

――たとえば1R開始早々に倒すのと、フルラウンド削り続けた末にKOしても同じKO勝ちですよね。どちらが良いか悪いか、ということではない。たとえ最終回のKOでもホロウェイ×ゲイジーのような、とんでもない試合もあるわけで。

「僕も記念大会の満員になった会場で、ああいう試合をやってみたいです。でも『面白いからやってみたい』とは思わなくなったんです。分かります?」

――あぁ、なるほど。UFC2戦目までのマインドであれば、インタビューでも『ああいう試合、メッチャ面白いんで自分もやります!』とか答えていたかもしれないですね。

「アハハハ、そうかもしれないですね。ここ数カ月で考えたのは――インタビューとかでそう答えている自分を傍から見ると、めっちゃアホそうやなと思って(苦笑)」

――ダハハハ!!

「だから喋り方とかも気をつけようとは思いました」

――喋り方を変えようとすると、考え方も変わるというか、考える時間が増えるでしょう。

「そうなんです。こういう言い方をしたら、変な伝わり方するかなとか考えたりするようになりました」

――マインドも大きく変わり、これからが本領発揮ということですか。

「ここで大きく変わっていないと、これから先が厳しいと思うんです。自分の変わった姿を皆さんに見てほしいです。
今までは『やったるでぇ』という気持ちが強かったので、今回は自分の好きなように――今までも好きなようにやっていたんですけど、まず自分のことだけ考えて、面白い試合をします。よろしくお願いします!」

しゃーないんで、また次に向けてつくり直します!

その後、パーソンズの負傷に試合が中止となった木下から、マネージメントサイドを通じて次のコメントが届いた。そこには、しっかりとマインドを変えることができている木下の現状が表れていた。

「試合がなくなったのはしゃーないんで、また次に向けてつくり直します!」

■視聴方法(予定)
8月11日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時45分~U-NEXT

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【UFC】中村倫也のMMAファイター科学─02─「タルボット戦うには、本気の嘘をつくしかない」

【写真】1時間の及ぶインタビューの終了をスタバのテラス席で待っていてくれた盟友=中村京一郎と。好きなことをやっている男は、子供みたいだ。この後、2人でシングルレッグをかけてじゃれあっていた (C)MMAPLANET

右の拳も癒えつつあり、オクタゴン3戦目を睨み河名マストのRoad to UFC準決勝のセコンドを務めた後、ATTで2カ月の出稽古に挑む中村倫也インタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

自然治癒という選択の裏に体の構造を理解した中村のMMAとの向き合い方が理解できたうえで、今回はUFCで求められているアグレッシブ・フィニッシュMMAに関して尋ねた。この一点においても、心と体の繋がりという着眼点を持つ中村倫也の独特のMMAの捉え方が伝わってきた。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──UFCでもRIZINでもファイターが『出たい』というのは自由ですが、そこで戦うには結果は当然として、何を求められているのか理解したファイトをしないといけない。

「ハイ。勝てば良いというのは、UFCではRoad to UFCだけだと思います。コンテンダーシリーズでは、それはできないです」

──コンテンダーシリーズに出るためのLFAやCombate Global、あるいはEternal MMAなどフィーダーショーでも同じことが求められてきます。結果としてコンテンダーシリーズから契約した選手は、安定性が欠けるのかという風にも見えます。

「勝って、負けてという風になるかもしれないですが、それでもそういうファイトを求められていて、そういう戦い方でも勝ち続ける選手がやはりいます。ショーン・オマリーなんかが、その最たるものですよね」

──その部分でいえばUFCバンタム級でもペイトン・タルボットがUFC303で19秒KO、UFC ESPN59ではモンテル・ジャクソンが18秒KO勝ちとDWCS出身ファイターが印象的な勝利を挙げています。タルボットにインタビューをしたのですが、勝ち負けが二の次でなく、そういう試合をして勝つというメンタルになっていると感じました。彼らのマインドと、倫也選手のマインドを比較すると、違いはあるのでしょうか。

「いや……それ、良いところをついてきますよね(笑)。そうなんですよ、そこは……。いやぁ……。今も言ったようにショーン・オマリーは、そういうスタイルで勝ち続けている。上の方はそういうヤツらばかりなんですよね。

本当に我儘なヤツしか、いないです。自由で我儘で、相手のことを考えないように生きている……からこそ、あの場にいて先に当てることができる。そういうことはあると思います。協調性なんて、ない。

同時にオクタゴンに入ってホーンが鳴った時に、本当に本当の準備ができているヤツなんて、なかなかいないんです。僕がデビュー戦で戦ったファーニー・ガルシアも、そこまでできていなかった。2戦目のカルロス・ヴェラも最初は、ちょっと準備ができていなかった。

試合開始が告げられた時、喧嘩のようにいつでもいけるという熱量があって、でも落ち着いている。そういう状態を対戦相手と共存している感じで、始めたい。でも、それってめっちゃ難しくて。こういうことは、UFCで戦うようになって分かりました。

第一その前段階でオクタゴンの出口に鍵がかかる。リングだと試合中のロープから頭が出たり、キャンバスから体を出すことができます。でもケージはドアを閉められると、逃げ道が無くなるんですよね」

──撮影をしていても、あのカチン、カチンと錠が掛かる時に『もう、この子たちは逃げるところなない』と感じます。

「それって、セコンドでも感じることなんです」

──それでもホーンが鳴った時でも、完全な準備はできていないということなのですね。

「あの音が本当に心の底から心地良い音に感じるのか。ワクワクする音になっているのか。名前が挙がった2人。特にペイトン・タルボットは『みんなに喜んでもらえる時間がやってきた』という風に心の底から思っている。そういうヤツ。100パーセント、ハリウッドスター並みになりきっている感じがあります」

──倫也選手は、そこまでの心境はなかった?

「そこを目指してはいますが、上手くカチーンとハマったかというとそうではないです」

──UFCで生き残るには、何をしないといけないか分かっていても、その心境になれるわけではないと。

「それができるかどうか。その差はデカいです。上の方にいるヤツら、下の方で今から上がって行くヤツら、ああいう風に天性でそういうモノを身に着けているヤツがいる。それがUFCですね。

そうでないと、いくら備わっているからといって、相手云々でもなくUFCでそれができるのかっていうことですよ。本当に難しい。落ち着いていると、利用できる体重の比重も多い。地に足が着いている。『相手、浮いてんな』って分かると、自分の方が根っこが張っているんだから『やってみよっ』と多分思える。逆に自分が浮いていると、『いや、ちょっと待って』という気持ちになる」

──自分が浮いていると自覚して、迷いが生じる選手が多くいるとも思えないのですが。スタンスと、腰の位置でなく。重心……心の位置を把握できるものですか。

「ハイ、ハイ。ハイ。そうですね。僕は足の裏の動きとかを見つめ直して、そういう心技体が繋がっていることが意識できるようになりました。体を見直すことで、心を落とし方が分かる。繋がっていることが分かったんです。ペイトン・タルボットが、そういう風に考えているとは思わないです。ただ、自然体でデキているのかと。

そういう意味ではモンテル・ジャクソンの方が、最初は固かったですね。そこを身体能力の高さでカバーできていました。ペイトン・タルボットは、そういうこともなかったです」

──いやぁ、興味深いです。

「モンテル・ジャクソンだと、あそこを外して合わせることができれば倒せる。ペイトン・タルボットはそこすら、いなしてくるイメージです。モンテル・ジャクソンは、自分より質量が高い相手に対して、攻撃を仕掛けてガツンとやれることはあるかと思います。彼には力みがあるので。それが表情、顔に出ています。歯の食いしばりがあったのがモンテル・ジャクソンで、ペイトン・タルボットは力みが無かったです」

──もの凄く高い殺傷能力があっても冷静、そしてその場が楽しめているのがペイトン・タルボットということですか。

「ハイ。体がスムーズに動きます。固まっている場所がない。感覚なんですけど、そうするとエネルギーが途切れない。力むと、そこで遮断されますからね。結局、水の中を走っている電気信号だから。どこかで止めちゃうと、走れなくなってしまいます。

だからペイトン・タルボットを倒すには、本気の嘘をつくしかないよなって」

──あぁ、浮気じゃないよ。毎回、本気だよっていうヤツですね。

「……。それと同じかどうかは分からないですけどね(苦笑)。本気の嘘に付き合ってもらうか。もしくは組んで漬けて、それまでの自分の考えを捨てよっかなという気持ちにさせるのか(笑)。そうしないと、ダメですね。タルボットを相手にした時は」

──騙し合いとか、そういうことでなく自己肯定すら利用するか、それを諦めさせるのか。いやぁ、それは凄まじいですよ。

「MMAだから、ここまで人間の生の感情が出ると僕は思っています。レースのことは分からないですけど、F1レーサーとか300キロ以上でドライブして、ずっと張り詰めたままだと思うんです。でも、全てが見えてないといけない。命が掛かっているからこそ、どれだけのハイスピードで走らせていても、ドライブは丁寧で。そういう究極の状態で、僕は戦いたい。そして、自分のアートを相手に押し付ける」

<この項、続く>

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【DWCS S08 Ep06】内藤由良、5勝1敗(1RKO×4)のカメルーン人ファイター=アテバ・グーティエ戦決定!!

【写真】覚悟を持って、サクッと入りたい(C)MMAPLANET

先月18日にパンクラスから発表があったミドル級KOP内藤由良のDana White’s Contender Series出場、その日時と対戦相手が決まった模様だ。
Text by Manabu Takashima

会場は当然ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで、日時は9月17日(火・現地時間)。コンテンダーシリーズ第6週で内藤と戦う相手はカメルーンのアテバ・グーティエになり、サインを済ませている。


グーティエは戦績5勝1敗のファイターでベースはボクシング、カメルーン代表として五輪を戦うポテンシャルを持っていたといわれている。しかし、彼は五輪への夢をカメルーンに置き、英国マンチェスターに向かってMMAファイターとして活動を始める。

日本国内にも名が通っている大会だと、昨年6月にセルビアで行われたTitan FCに出場し初回に左ハイを決めてKO勝ちを収めている。キャリア5勝のうち、4試合が初回KO勝ちで、1敗は判定負ける。MMAに関しては昨年12月以来9カ月振りとなるが、6月にエジプト・カイロで行われたサンボ・アフリカ選手権コンバットサンボ88キロ級で準優勝に輝いている。

4人参加のトーナメント初戦では右ストレートから返しの左フックで一発KO勝ちしたグーティエだが、決勝はすぐに場外に出て打撃戦に付き合わないモロッコ人選手の抑え込みに至らない小外刈りと、場外に出る小外刈りで計6Pを献上し敗れた。

MMAでの1敗もテイクダウン狙いで削られており、グーティエは組みに課題が残っているのは明らかだ。とはいえ、キャリア唯一の黒星も初回にバックを制してRNCを狙い、パウンドを続けて疲弊した結果であり、コンバットサンボでも積極的に組みからパウンドを繰り出していた。

この組みでも戦うという意志が、グーティエの打撃の質量を高くしている。間違いなく内藤にとって、グーティエのパワーは過去に実戦で経験していない領域になるはずだ。そんな打撃の圧を嫌った結果のテイクダウンの仕掛けだとアッパーを狙われ、切られると強烈な勢いを持つヒザ蹴りが待っている。

内藤とすればグーティエは打撃戦をやり合う必要はないが、打撃戦に付き合い可能な限りグーティエの攻撃を見極めてから、組んで削っていきたい。そうすれば2R、3Rになるとグーティエはスタミナを切らし、パウンドアウトやバックを制しての絞めという──コンテンダーシリーズに欠かせないフィニッシュ勝利も見えてくる。

内藤が絶対に犯してはならないのは、ワンツーに真っ直ぐ下がり、上体が伸びること。その瞬間、グーティエはハイキックで襲い掛かって来る。グーティエがワンツーを貴重なのは絶対だ。このワンツーのツーは、ストレートの場合とフックの場合がある。直後のハイ狙いも、デフォルトと捉えて良いだろう。頭を狙う蹴りは内藤の体が伸びても、ダックでかわそうとしても軌道を変えて蹴り抜いて来る。

内藤は角度を前後だけでなく、左右のステップが欲しい。ワンツーをかわして──ではなく、ワンツーと同タイミング、もしくはその前にダブルレッグ、シングルレッグでグーティエを捕まえたい。それにはパンチを被弾しても倒れないという覚悟が内藤には必要になってくる。

なお同大会にはLFAで活躍している米国在住ベトナム人ファイター=クァン・リーも出場し、豪州のアーロン・タウと対戦することも決まっている。

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ミドル級キング・オブ・パンクラシスト内藤由良が『Dana White’s Contender Series』シーズン8に出場

マーシャルワールド パンクラスオフィシャルグローブ PGPA3




パンクラスが公式YouTubeチャンネルで「内藤由良選手がUFCに挑戦! 内藤選手は、ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ2024に出場することが決まりました。詳細は追って発表されますが、一足先にパンクラスでの軌跡をご覧ください!」と公表した。

6月30日(日)のPancrase345のメインで、2年3カ月振りの実戦を戦ったミドル級KOP内藤。キルクリフFC所属のディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィを相手に、1R1分52秒でマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、改めてUFCを目指すことを宣言していた。

 今年の『Dana White’s Contender Series』は8月13日~10月15日の10週に渡って実施。内藤の試合がどこで組まれるのか、対戦相手が誰になるのかは未定ですが、前半はかなりカードが埋まっていることから後半になる可能性が高そうです。

Yura Naito(Sherdog)

 内藤由良は神奈川県出身。1996年4月26日生まれで現在28歳。MMA戦績6勝0敗。第15代ミドル級キング・オブ・パンクラシスト。続きを読む・・・
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【Hexagon MMA19】7月25日。荒東”怪獣キラー”英貴が、フランスの古代ローマ劇場でヘビー級王座に挑む

【写真】海外進出を模索していた荒東だが、意外にもフランスでの試合に挑むこととなった(C)MMAPLANET

18日(木)、Grachan実行委員会より同ヘビー級王者の荒東”怪獣キラー”英貴が、25日(木・現地時間)にフランスのテアトル・アンティック・ドゥ・オランジュ(オランジュ古代ローマ劇場)で開催されるHexagone MMA19に出場することが発表された。荒東はプリンス・アウナラの持つ同ヘビー級王座に挑む。
Text by Shojiro Kameike

昨年2月にGrachanヘビー級王者決定トーナメントを制し、ベルトを獲得を獲得した荒東はRIZIN、シュートボクシングを経て、今回のアウナラ戦に臨むこととなった。タイのMMA大会でプロデビューしている荒東にとっては、日本に拠点を移した2021年以降では初の海外試合となる。


フランスでMMAが合法化されたのは2020年1月、わずか4年前のことだ。それまでも国内でMMAイベントが開催されていたものの、パウンドが禁止されたルールが採用されたり、スポーツ省としては非公式という形になっていた。やがて2019年になるとスポーツ担当大臣が、MMA情報サイトの取材に対し合法化を進める認めた。結果、2020年になって正式に認可されたという経緯がある。

MMAの認可後、UFCは2022年9月と翌2023年9月に、いずれもフランス最大の屋内競技場アコー・アレナ──かつて桜井マッハ速人、須田匡昇、小川秀樹らが出場したゴールデン・トロフィーもベルシーと呼ばれた時代だが、同会場が使用されている──でUFNシリーズを開催している(※2024年も9月28日に同じ会場で3年連続となる興行を予定している)。両大会ともメインにはフランス人ファイターの元世界ヘビー級王者シリル・ガンヌが出場していた。

そのガンヌもUFCフランス大会まで国内で戦った経験はムエタイの試合のみ。MMAデビューはカナダのTKOであり、他のフランス在住ファイターの多くも国外のイベントを経てUFCとの契約に至っている。また、同じく元世界ヘビー級王者のフランシス・ガヌーの場合は国内のパウンド禁止=100% Fightでキャリアを積んでおり、同国のMMAの複雑な歴史が分かるだろう。

そんなフランスのMMA界にあって、ドメスティックイベントとして最大規模なのは間違いなくARES FCだ。コロナ&フランスでMMAが合法化される以前に欧州とフランス、アフリカ、ブラジル、米国らのファイターを集め、セネガルで旗揚げされたARES FCはコロナ禍の2020年にベルギーでイベント開催も画策しキャンセルとなり、欧州進出を一旦は断念している。その後2021年12月にフランスに進出すると、この2年間半で22度のイベントを開き、UFC Fight Passでも視聴でき世界に浸透している。

対してヘキサゴンMMAはARES FCの同国進出を5カ月遡る7月にパリで第1回大会を開催。フランス勢はもちろんのこと欧州、中東、中央アジア、南米からの参戦も見られる。フランス国内選手でいえば、なんと2006年6月にPRIDE武士道でパウロ・フィリオと対戦したグレゴリー・ブーシェラゲムが、46歳になった今、主戦場としているのがこのヘキサゴンMMAだ。このヘキサゴンMMAからは、女子フライ級王者エルネスタ・カレクカイト(リトアニア)がDWCSを経てUFCと契約している。

今大会で荒東と対戦するプリンス・アウナラは2012年にフランス国内でプロデビュー。その後は海外に戦いの場を移しながら、2023年からヘキサゴンMMAに出場し、7月には同ヘビー級王座に就いている。キックボクシングをベースに、長距離のストレート系パンチが武器で、特に右ボディストレートを織り交ぜてくるパンチには注意すべきだろう。一方、アウナラは直近の試合=今年4月にKSWパリ大会で、DWCSに出場経験のあるミハウ・マルチネクにKO負けを喫している。テイクダウンや削り合いの勝負では下がる場面もあり、荒東にとっては突いていきたいポイントだ。

同大会には荒東のチームメイトでもある日本在住のフランス人ファイター、ステファン・スマッシュも出場し、ミキャエル・グログエと戦う。また、コメインに出場するミドル級のイリアン・ボアフィアには注目だ。シリル・ガンヌと同じMMAファクトリー所属で、戦績は4戦全KO勝ち。まだ粗い部分も見えるものの、サウスポースタンスから伸びる左ストレートを持つ。ヘキサゴンMMA初参戦となる今回は、剛腕タイプのフレデリコ・コムエニャと激突する。

■視聴方法(予定)
7月26日(金・日本時間)
午前3時00分~FIGHT NATION TV

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【DWCS S08】Must Watch!! パンクラスがミドル級KOP内藤由良のコンテンダーシリーズ出場を公表

【写真】人生を賭けた一発勝負、痺れる展開になってきた(C)MMAPLANET

18日(水)、パンクラスが公式YouTubeチャンネルで「内藤由良選手がUFCに挑戦! 内藤選手は、ダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ2024に出場することが決まりました。詳細は追って発表されますが、一足先にパンクラスでの軌跡をご覧ください!」と公表した。
Text by Manabu Takashima

6月30日(日)のPancrase345のメインで、2年3カ月振りの実戦を戦ったミドル級KOP内藤。キルクリフFC所属のディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィを相手に、1R1分52秒でマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、改めてUFCを目指すことを宣言していた。


LFA、UAEW、TUF出演など実現しそうで流れたUFCへの道が、結果的に内藤にとって最上の形で歩を進めることになった。Dana White’s Contender Series=DWCSは、その名の通りダナ・ホワイト、ショーン・シェルビー、ミック・メイナードというUFC首脳の前の行われる御前試合で、1年に10大会が火曜日の夜にUFC APEXで実施される。

1大会=5試合というフォーマットで、UFCとの契約が審査される真剣勝負の場だ。2017年からスタートしたコンテンダーシリーズからは既にショーン・オマリーとジャマール・ヒルがUFCの頂点に立っている。そんなUFCに直結する今年の登竜門は8月13日にスタートし、10月15日まで10週に渡って鎬が削られる。

既にEp01とEp02&Ep04は5試合が決定しており、第3週と第5週は3試合が埋まっている状況だ。あとは第9週と第6週で1試合が決まっているがEp07 、08&10は5試合全て10人のスポットが空いたままなので、これらの週に内藤の雄姿が見られることになるだろう。

アジア勢にとってUFCとの契約を賭けた戦いはRoad to UFCが並行して開催しされているが、従来はフライ級からライト級、今年はフェザー級までの3階級しか実施されず、事実上ミドル級の内藤には、アジア勢で競い合ってUFCへ進むというルートは存在していなかった。

事実今年のシーズン8では既にEp01のウェルター級戦で中国のJCKウェルター級王者ティン・ワン、Ep4では韓国Angel’s FCウェルター級王者のコ・ソクヒョンと、中量級のアジアン・ファイターの出場が決まっている。

(C)LFA

広義でアジア系でいえばLFAで戦うベトナム人ファイター(アリゾナ州在住)のアン・トゥアン・ホーが第1週のフライ級に、同じくLFAからチャンスを掴んだクァン・リーも米国に住むベトナム人選手だ。

また、ここでこのカードを組むのか──と豪州のMMAファンが歯ぎしりをしつつ、注目せざるを得ないのがEp09で決まったショーン・ガウシーとアンソニー・ドリリッチのダウンアンダー対決だ。

ガウシーはHEX FSフライ級王者で、今年の5月に中務修良を右クロスで一蹴している。対してEternal MMAフライ級王者ドリリッチは3月に猿飛流を2Rに、6月には1Rでマックス・リアリをKOしている。しかも今、豪州MMA界ではHEX FSとEternal MMAがドメスティック大会#01の称号を得るために、チャンピオンの引き抜き合戦を繰り広げるなど、骨肉の争いを展開している。

とはいえ破壊力十分の右を持つガウシー、必ず当たる左の持ち主ドリリッチが、わざわざコンテンダーシリーズで戦う必要があるのか。なんせガウシーは戦績9勝1敗で5KO勝ち、ドリリッチは8勝1敗で4つのKOと2つの一本勝ちを誇っており、揃ってUFCが求めるフィニッシャーだ。

恐らく両者は8月18日にパースで行われるUFC305出場に標準を合わせていたはず。加えていえば、2人ともカイ・カラフランスとスティーブ・アーセグの両者のうち、どちらかが欠場となればショートノーティスで母国でオクタゴンに足を踏み入れる気持ちでいることも間違いない。

UFC側として、両者ともその力があるからこそ、8月でなく10月にガウシー×ドリリッチの試合を組んだとしか考えられない。

日本からは2年前の木下憂朔に続き、内藤が挑戦することで注目度も上がるに違いないDWCS S08だが、内藤以外の出場ファイターも状況としては、ガウシー×ドリリッチ戦ほどお膳立て揃っていなくても、世界中から人生を賭けて集まって来る。それらの戦いが熱い激闘にならないはずがない。

それらの戦いから明日のショーン・オマリー、ペイトン・タルボット、モンテル・ジャクソンが生まれる可能性が高い。日本のMMAファンにとって、2時間のコンパクトな大会ということも含めて、DWCSはマストウォッチと断言できる。

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【Road to UFC2024Ep05&Ep06】20日/DWCS、23日/Road to UFC準決勝、24日/UFN(日付は現地時間)

【写真】準々決勝は不戦勝だった本野は、昨年10月のリベンジ戦となるフン戦を準決勝で戦う (C) Zuffa/UFC

16日(火)、UFCよりRoad to UFC2024 Ep05 & Ep06=Road to UFC Season03 Semi Finalsが8月23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われることが発表された。
Text by Manabu Takashima

フライ級、バンタム級、フェザー級と女子ストロー級で争われている今年のRoad to UFCだが、階級ごとでいえば以下の準々決勝が2つのエピソードで実施され、日本国内での中継は24日(土)の午前10と正午スタートと模様だ。

【フライ級】
<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ(英国)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
アンガド・ビシュト(インド)
ルエル・パニャーレス(フィリピン)

【バンタム級】
<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国)
ダールミス・チャウパスゥイ(中国)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
透暉鷹(日本)
チィルイイースー・バールガン(中国)

【フェザー級】
<Road to UFCフェザー級準決勝/5分3R>
原口伸(日本)
チュウ・カンチエ(中国)

<Road to UFCフェザー級準決勝/5分3R>
河名マスト(日本)
シェ・ビン(中国)

【女子ストロー級】
<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
フン・シャオカン(中国)
本野美樹(日本)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
ドン・フアシャン(中国)
シー・ミン(中国)

【ワンマッチ】
<女子フライ級/5分3R>
ヤン・チーフイ(中国)
ダニー・マコーマック(アイルランド)

など5月のEp02のワンマッチでパウラ・ルナを破った中国のワン・ソンはトーナメント参加者より一足早く契約を果たし、同大会の翌日=24日(土・同)に同所で開催されるUFN243でヴィクトリア・レオナルドと対戦することが決まっている。UFC APEXではUFN243、Road to UFCの2つエピソードに加え20日(火・同)にDana White’s Contender Seriesの第2週、27日(火・同)には第3週が実施される。


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【UFC303】UFCデビュー、鶴屋怜「『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、プラスに考えています」

【写真】いよいよUFCデビューを迎える、鶴屋怜 (C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303で、いよいよ鶴屋怜がカーロス・ヘルナンデスとオクタゴンデビュー戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

今年2月にRoad to UFC2023のフライ級を制し、UFCとの契約を勝ち取った鶴屋が本当の意味で世界最高峰に挑む。そんな鶴屋にRTUの最中にスタートした土居進トレーナーによるフィジカルトレーニング、そして気になるあの2人についても訊いた。


ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれて

――試合から10日前のインタビューとなります(※取材は6月19日に行われた)。今は減量期に入っているのでしょうか。

「はい。現地入りまでに脂肪は落として、あとは水抜きという状態にしていきます」

――海外での水抜きは国内とも勝手が違うかと思います。Road to UFCの3試合では、いずれも現地で水抜きも順調に行うことができましたか。

「海外で水抜きするのはRTUが初めてでしたけど、問題はなかったですね。現地に5日間もいると意外と慣れてきて、日本と変わらない感覚で水抜きができました」

――そのRTUで3試合、さらにATTで練習することで、海外の滞在も慣れたのではないですか。

「やっぱり米国となると時差ボケは出て来ますよね。ちょっと気持ちが悪くなったりとか。でも現地に入ってから3日ぐらい経てば、普通の状態には戻ります」

――今年2月にRTUを制してUFCとの契約を勝ち取ってから、いつ頃に本戦デビューを迎えたいという希望はありましたか。

「あくまで自分の希望ではありましたけど、8月か9月ぐらいにランカーと対戦したいという気持ちはありました。初戦でランカーと試合して、あと年内はもう1試合ぐらい戦えばいいかな、という感じで。

だけどATTに行って1週間と少しぐらい経った頃、急に『ナンバーシリーズで試合をしないか? 』という連絡が、米国にいる時に来たんですよ。試合まで1カ月半ぐらい……自分も全然、気持ちが乗らなくて。でも、いろいろ考えて『出よう』と思いました。やっぱり初戦がPPV大会になるのは大きなことですし」

――試合順はともあれUFCデビュー戦がラスベガスで、しかもT-モバイル・アリーナというのは大きいですよね。

「そうですね。ファイターとしてはラスベガスの大きな舞台で試合をするのは夢ですから。『ひとつ小さな夢が叶ったな』という気持ちはあります」

――オファーが来た時には、大会のメインがマクレガー×チャンドラーになると決まっていたのでしょうか。

「まだ正式には決まっていないけど、チラホラ噂されていた――って状態でしたね。自分もオファーが来た時に『マクレガーが出るかもしれないなぁ』ということでOKしたのもあります」

――自分がT-モバイル・アリーナで試合をしたあと、現地でマクレガー×チャンドラーを観ることができたら一挙両得かもしれません(笑)。その後、マクレガーの試合はなくなりましたが……。

「アハハハ、そうなんですよ。T-モバイル・アリーナのPPV大会のほうが、APEXで試合をするよりも注目は浴びますし。だから少し急ではあってもオファーを受けました。

でも最初は『マクレガーと一緒に大会に出られて嬉しいな』と思っていましたけど、調整や減量を進めて、今はもう自分の試合が最優先になりますからね。マクレガーが出ないと聞いて残念ではありますけど(苦笑)」

――米国滞在中に試合のオファーが来たことで、現地で対策練習を始めたのでしょうか。それとも日本に帰国してからでしょうか。

「米国に行って1週間と少し経ってからオファーが来たので、そのことをコーチや周りの選手に伝えたら一緒に対策練習をやってくれました。ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれていて、ペドロに試合の話をしたら『じゃあオーソドックス(カーロス・ヘルナンデスはオーソ)対策のミットを持ってくれる人を呼ぶよ。今日は何時にジムへ来ることができる?』とセッティングしてくれたんですよ。ペドロも相手の動画を視て、いろいろ教えてくれたり。本格的に対策練習をしたわけじゃないけど、いろいろ対策を考えたりしてくれた――という感じです」

(C)HIROSHI TSURUYA

――なるほど。

ATTに行く前から、魔裟斗さんのフィジカルコーチを務めていたことで知られる土居進トレーナーによる、いわゆる「土居トレ」が始まっています。

「土居トレが始まったのは半年ぐらい前で、父(鶴屋浩)が土居さんにお願いしたそうです」

鶴屋浩 僕がずっとゴン格に掲載されていた土居トレの連載を読んでいたんですよ。ある時、試合会場で土居さんにお会いした際、ご挨拶して「今度ウチの選手をお願いします」と伝えました。最初はずっと土居さんに千葉へ来ていただいて、今は怜が土居さんのジム(新宿のパーソナルトレーニングジムSkyLive-R)に通っています。

――これまで行ってきたトレーニングと土居トレで何か違いはありますか。

「これまで、というか――もともと筋トレやフィジカルトレーニングはやっていなかったんですよ。高校までレスリングをやっていて、フィジカルで負けることもなかったし、練習もスパーリングばかりでした。

でも土居トレを取り入れてから、通常から筋肉質になってきました。昔は結構太った状態から減量していたんですけど、普段から脂肪もつかなくなってきて。さらに減量したあとも筋肉が残って、良い動きができるようになりましたね。筋肉量が増えたおかげで、減量も水抜きがやりやすくなりました」

――土居トレといえば、まずは走りこんだりパワーマックスを漕ぎまくるというイメージがあります。

「自分の場合はパワーマックスとローイングマシンを漕ぎまくっていますね。トレーニングが終わったあとは毎回、足が痛すぎて動かないぐらいです。終わって10分ぐらいジムの床に寝転がっている状態で」

――半年前ということは、RTUの時にはもう土居トレを始めていたのでしょうか。

「準決勝の後から、ですね。準決勝では腕がパンパンに張っていたんですよ。足を怪我していてトレーニングできていなかったこともあるでしょうけど。で、決勝戦の前から土居トレを始める時、土居さんに伝えました。すると『そういう時は――』って、腕が張りにくくなって、さらに力も継続するトレーニングを組んでくれましたね」

――本戦デビューに向けて、土居トレの効果は大きな武器となるでしょうか。

「そうですね。スタミナ面も今までとは違いますし、組んだ時の腕の張り方も変わってくるでしょうから。RTU決勝は1Rで終わったから良かったけど、これが3Rになったら大きく役立つと思います」

『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』

――その本戦デビュー戦の相手はカーロス・ヘルナンデスに決まりました。ヘルナンデスは2023年12月、平良達郎選手にKO負けを喫しています。どうしても今回の試合は、平良選手と比べられてしまうでしょう。

「どうなんですかね? 自分としては『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』と思っているぐらいですよ。まぁ『達郎君が勝っているから』と言ったら変かもしれないけど……、別に怖い相手じゃないですし。アハハハ」

――鶴屋選手が平良選手のことを知っているからこそ、ヘルナンデスの力量を測りやすいということですか。

「そうです。達郎君が2RでKOしているから、自分がどれくらいでフィニッシュできるかどうか。それで自分がランカーに通用するかどうかも分かりますしね。自分としてもフィニッシュできると考えていますし、『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、自分はプラスに考えています」

――このマッチメイクは、むしろ鶴屋選手にとってアドバンテージになるかもしれないと。

「全く名前も知らないけど謎の強い選手と当てられるよりは、達郎君と対戦したことで日本でも知っている人はいるでしょうし、その相手をブッ飛ばせばオイシイと思っています」

――ではカーロス・ヘルナンデスの印象を教えてください。

「ストライカーなんだろうけど結構テイクダウンに来るな、というイメージですね。テイクダウンに来てくれれば、ありがたいです。そのほうが自分も疲れないし、1Rでフィニッシュできるんじゃないですか。逆にマウントを取りに行くと、バネで跳ね返してくる印象があるんですよ。バネの力は強いので、そこだけ気をつけて削っていけば問題ないです」

朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やります

――最後に、他の選手についてお聞きします。まずは先日、平良選手がアレックス・ペレスを下した試合について感想をお願いします。

「お互い5R戦うつもりでいてけど、結果的に2Rにああいう決着になったと思うんですよ。自分としては相手のランカーとしての力は分かりづらい試合でしたね。もうちょっと長く視たかったです」

――ではもう一人、朝倉海選手のUFC参戦が発表されました。ここ最近では日本人選手がRTUやDWCSを経ずに本戦出場というケースは珍しくなったと言えます。

「う~ん……、自分はRTUに出てUFCと契約するスタイルが多くなってくると思っていたので、『そういう形もあるんだ』と思ったぐらいですね。朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やりますし。まだ出場が決まったばかりなので分からないですよね」

――平良選手の活躍と朝倉選手の参戦もあり、またUFC日本大会の開催も話題になっていうるようです。

「日本大会が開催されたら面白いですね。もっと日本の人たちがUFCのことを知ってくれるでしょうし、そのためには良い機会だと思いますよ。まず自分がデビュー戦はしっかり1Rで、一本かKOで勝ちます。応援よろしくお願いします!」

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【UAEW50】フライ級王座を賭けてヒベイロと対戦。藤田大和「今はこのベルトに集中しています」

【写真】記者会見場にてベルトをバックに(C)TAKESHI YAMAZAKI

17日(金・同)にUAEはアブダビのADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors50で、新設のフライ級王座を賭けて藤田大和がイアゴ・ヒベイロと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月10月にいずれもギロチンを決めてUAEW2連勝を飾った藤田が、3戦目で砂漠のベルトに挑む。対戦相手するブラジルのヒベイロはMMA戦績12勝3敗で、過去の試合では組んで押し込んでくることが中心のファイターだ。果敢に削ってくるであろうヒベイロを相手に、どのような試合を見せるのか。現地到着後の藤田に意気込みを訊いた。今回も藤田に帯同している山﨑剛Me,We代表から届いた、豊富な現地写真とともにお届けする。


――UAEW出場時は毎回、現地到着後にインタビューをお願いしていますが(※取材は5月15日に行われた)、本日もよろしくお願いします。

「はい、よろしくお願いします!」

――おぉ、過去2戦の時よりもテンションが高いですね。もう現地には慣れましたか。

MMAPLANETのリモートインタビューを受けているところ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「アハハハ、そうですね。もう3回目なので場所にも慣れていますし」

――リモート画面の背景を見ると、ホテルも毎回同じだと思われます。まず飛行機での移動と、空港からホテルまでの道のりも慣れたのではないですか。

「それが……前回の試合が去年10月で、7カ月の間に空港のターミナルが新しくなっていたんですよ。増築したのか何なのか。だから空港に着いても『ここはどこなんだろう?』と思いました(笑)」

――アハハハ、アブダビの空港の変化に気づく日本人MMAファイターも藤田選手だけでしょう。

「確かに(笑)。ホテルは同じですし、……初戦のエティハド・アリーナは遠かったんですよね。でも前回と今回は、別会場であってもホテルから近いので良かったです」

――アブダビの街にも慣れましたか。

「いえ。外を歩くことは、ほとんど無いんですよ。メチャクチャ暑いですから。昼間は40℃を超えていますし、夜も30℃より上だとは思います」

ホテルに用意された場所で体を動かす藤田。このスペースにも慣れている(C)TAKESHI YAMAZAKI

――それだけ移動にも現地にも慣れて来ると、初戦よりも減量の不安は軽減されたのではないですか。飛行機で長距離移動したあと、知らない場所で最後の減量を行うとなると、現地の状況が分からず不安を感じる選手もいます。

「まずホテルがどういう状態か分かっているので、安心感はあります。食事は外に行かず日本から持ってきたものを食べたりしていますね。とにかく外には出ません(笑)」

――初戦、2戦目とギロチンで勝利した末に3戦目でベルトを賭けて戦うこととなりました。UAEW内でご自身の評価が上がっていることは実感しますか。

「それは感じますね。もともと前回の対戦相手(サンスハル・アディロフ)が評価の高いファイターだったんですよ。その相手に勝ったあとは、現地の人たちにも評価してもらっているなと感じていました」

――アディロフは藤田選手と対戦時の戦績が11勝1敗1分で、いわば藤田選手のほうが当て馬だったかもしれません。

「あぁ、そう思います。初戦も2戦目も同じように感じました。でも今回は結構早く出場のオファーが来て、そこから対戦相手が決定するまでに少し時間が掛かりましたね。試合の準備は早くから始めることができていて、相手が決まったのは試合の3週間ぐらい前でした」

――ということは、藤田選手の相手を探していた……つまり今回は藤田選手がAサイドということでしょう。

「いやぁ、それはどうなんですかね(苦笑)」

――アディロフに勝利したあとフライ級王座の話をしていて、実際に設置されたのですから、そう考えてもおかしくはないかと。

「アディロフ戦のあとに主催者サイドと、『UAEWで勝ってUFCに繋げていきたい』という話をしていたんですよね。そうしたら新しくフライ級王座をつくるか――みたいな話も出て、今回のタイトルマッチに至ったんだと思います」

砂漠の街にたなびくUAE Warriorsの旗(C)TAKESHI YAMAZAKI

――国内から飛び出し、砂漠の国でベルトを巻く。藤田選手がUAEW王者としてオクタゴンに上がったら、それはそれで素晴らしい浪漫だと思います。

「なるほど(笑)。僕にとっては、ありがたい話です」

――同日には中国でRoad to UFCも開催されます。またDWCSや国内の興行からUFCを目指す選手もいるでしょう。そんななかで現在、海外のフィーダーショーからオクタゴンを目指すケースも少なくなりました。

「まぁ他の選手とは違うことをやっているんだなぁ、とは思いますね。アハハハ。もうUAEW出場も3回目なので、現地のスタッフさんとも顔見知りになっていますし」

――今回はブラジルのイアゴ・ヒベイロとベルトを賭けて対戦します。

「最初アブダビに来て、ブラジル選手と対戦するとは思わなかったですね。でもUAEWにはブラジル人もそうですし、いろんな国から選手が来ていて。自分としては相手が誰でも、どの国の選手でも変わらないです」

――ヒベイロの印象はいかがですか。

記者会見でヒベイロとフェイスオフ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「以前と最新の試合映像を見比べると、最新の試合では結構丁寧に戦っていますよね。ジャブ、ローから低くテイクダウンに入ってきて。そのままサイドバックをキープしているので、力はあるんだろうなと思います。昔の試合は振り回している場面もあったので、爆発力もあるんでしょうね。ただ、打撃よりも組みのスタミナのほうが上という印象です。

一番怖いのは振り回してくるパンチを食らうことで。組んでしまえば時間を掛けて考えることもできますけど、打撃の攻防は一瞬で決まりますから。そこは警戒しています」

――そんななか2試合連続でギロチンを極めていると、今回も……と期待されませんか。

「期待はされます(笑)。周りから言われることもありますし」

――ヒベイロもギロチンを取れそうなスタイルでもあります。先ほど言われたとおり今回のタイトルマッチがUFCに至る道の一つであれば、本人としてもUFCへ繋げるためにと意識しますか。

「全然意識していない――と言ったら嘘になりますよね。でも試合が決まれば、今は『このベルトを獲る!』というだけに集中しています。結果としてUAEWのチャンピオンとしてUFCに辿り着いたら嬉しいですけど」

――ベルトを巻いたら、すぐにUFCと契約したいと考えているのでしょうか。

現地時間の朝8時に前日計量が行われた。1度目は100グラムオーバーだったが、20分後に57.15キロ(王座戦だが1ポンドオーバーOK)パスしている(C)TAKESHI YAMAZAKI

「もちろんUFCに行けるなら……年齢を考えたら、早く行けるに越したことはないです。もう今年32歳になるので。でも焦っているわけでもなく、あまり先を考えても良いことはないので、まずは今回の相手に集中します」

――今回はどのような試合になると思いますか。

「自分としては、いつもどおり打撃から組み立てて、あとは相手の反応次第です。組みの展開になると思うので、そこから自分の得意なところに持ち込みたいですね。勝ってチャンピオンになります!」

2024年5月18日(金・現地時間)
アラブ首長国連邦 アブダビ首長国
ADNECマリーナ・ホール
UAE Warriors50

■視聴方法(予定)
5月18日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■対戦カード

<UAEWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アリ・アルカイシ(ヨルダン)
[挑戦者] サムエル・バーク(スウェーデン)

<UAEWウェルター級王座決定戦/5分5R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
タフィル・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
藤田大和(日本)
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ライトヘビー級/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
ディヤール・ニュルゴウスキ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
イマンシャピ・ムクタロフ(ヨルダン)
アギラン・タニ(マレーシア)

<163ポンド契約/5分3R>
ニカ・クプラヴィシヴィリ(ジョージア)
ウラジスラフ・ルドネフ(ウクライナ)

<194ポンド契約/5分3R>
モハメド・オシイリ(レバノン)
マムルジョン・ハミドフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ズバイル・ズバイロフ(ロシア)
アブダラ・ホツハエフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
アリエル・オリヴェロス(フィリピン)
ルーカス・ペレイラ(ブラジル)

<124ポンド契約/5分3R>
エリン・オウバリ(スウェーデン)
アネリア・タクタゴノワ(キルギス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ウユビイ・アミスハノフ(ロシア)
シミク・マフメドフ(キルギス)

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【Road to UFC2024Ep02】AFC王者ソン・ヨンジェと対戦、河名マスト「30-27でも29-28でも……」

【写真】毎朝お子さんを保育園に送っているそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その初日、エピソード02で河名マストが韓国のソン・ヨンジェと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

河名は今年2月にパン・ジェヒョクに雪辱を果たし、グラジエイターのベルトを巻いた。その河名に届いたRoad to UFC出場確定の一報――河名はUFCとの契約に向けて、「勝利こそ正義」の戦いに臨む(※取材は5月10日に行われた)。


――本日は宜しくお願いいたします。今は外にいらっしゃるようですが……。

「ちょうど今、娘を保育園に送っていった帰りなんですよ」

――なるほど、お忙しい時に恐縮です。今回Road to UFC出場が確定したのは、いつ頃のことだったのでしょうか。

「4月上旬ですね。3月中に連絡が来なかったので、正直『そういうことかぁ』と諦めていました。するとマネージメントサイドから4月の頭に『もう1週間待ってほしい』という連絡が来まして。その時点でまだフェザー級だけ決まっていない、と……。とはいえ期待は薄かったので、もうLFA出場に切り替えようかという話をしていました。

グラジエイターとLFAが協力体制にあり、僕がグラジでベルトを巻いたことで、RTU以外にも一つUFCへの道筋ができていましたから。その方向も探ることができる状態にあったのは良かったです。

そこでLFAの件で長谷川賢さん(グラジのタレントリレーション)に相談したあと、『RTUが確定した』という連絡が届いたんです。RTUが決まった時は長谷川さんにも『おめでとうございます! せっかく決まったのだからRTUに出てほしいです』と送り出してもらえました」

――では、まずRTU出場が確定した時の気持ちを教えてください。

「ビックリしました。『おぉ、マジか!』と。UFCを目指してグラジのベルトを獲りました。そこからRTUに出られるかどうかは流れに任せる、という感じで。先ほど言ったとおり3月中に連絡がなく、もうダメだろうと思っていましたし」

――喜びよりも驚きのほうが勝ったわけですか。

「出場の確定は、目の前に自分の生活を脅かす人間が洗われることが確定したことでもあるので。ただ、RTUはトーナメントで3試合勝てば、100パーセントUFCと契約できるじゃないですか。たとえばLFAからDWCSで勝っても、それが100パーセントではない。勝っても100パーセントではないですよね」

――どちらかといえばDWCSはオーディションですから、勝っても試合内容がUFCの望むようなものでなければ契約できないケースもあります。

「でもRTUは、どんな勝ち方をしても3試合勝てばUFCに辿り着くことができる――まさに勝利こそが正義で。30-27の試合でも29-28の試合でも、『うるせぇ!』と言って契約すれば良いですから。『そこまでして勝ちたいのか!』と言われても、『そうだよ。勝ちたいよ!』と答えます。そういうRTUのほうが自分の目標に向けてステップを踏んでいきやすいとは思っていました」

――だからこそ本戦とは違う緊張感があり、興味深い面もあるのがRTUです。とはいえ4月上旬に確定してから5月18日~19日の試合に向けて、急きょビザなど出入国の手続きを取らないのは大変だったかと思います。

「あとはメディカル系も含めた書類の準備ですね。何とか各書類の提出期日を守ることができました」

とにかくリラックスできていることが分かる帰宅後の笑顔(C)SHOJIRO KAMEIKE

――河名選手に出場確定の連絡が来た時に、他の日本人出場メンバーは知っていましたか。

「いえ、何となく誰が出るということを耳にしていたぐらいですね」

――同じフェザー級に出場する安藤達也選手と原口伸選手もレスリング出身です。レスリング時代に絡みはあったのでしょうか。

「まず時期で言うと安藤さんと僕が入れ替わり、僕と原口君が入れ替わりで――被っていないですね。それと安藤さんと原口君はフリースタイルで、僕はグレコじゃないですか。2人の出身校である国士舘はフリースタイル主体で、ウチ(専修大学)からフリーのチームは国士舘へ出稽古に行っていましたが、グレコの僕は行っていなかったです」

――原口伸選手の兄、原口央選手とは4月29日に奈良県で開催されたレスリング大会『ALL or NOTHING』にて、レスリングルールで手合わせしています。

「(伸について央に)『なんで去年契約せず、今年フェザー級で出てくんねん!』と言っておきました(笑)」

――アハハハ。先の日本人対決も楽しみではありますが、まずは初戦となるソン・ヨンジェ戦について……RTU出場と対戦相手が確定した時、そもそもソン・ヨンジェの存在は知っていましたか。

「試合が決まるまで知らない選手でした。何年も試合をしていなかったようですし……」

――ソン・ヨンジェは2019年6月の試合から2023年9月までブランクがあり、昨年12月には清水俊一選手をKOして、AFCフェザー級暫定王者となっています。パンチ主体の選手ではありますが、パン・ジェヒョクのパンチとは違うタイプです。

「骨格というか体の使い方も違いますよね。どちらかといえばパン・ジェヒョクは綺麗に戦いながら力を抜いてテイクダウンを切るという、こちらとしては倒しづらい選手でした。ソン・ヨンジェはガンガンとパンチを当ててきながら、テイクダウンも体の力で跳ね返すようなタイプだとは思います」

――ソン・ヨンジェのほうが正面からぶつかってくるという印象です。そのスタイルの違いは河名選手にとってメリットになるのでしょうか。

「3R通して制圧してフィニッシュに持って行く。その自分のやりたい戦い方を考えたら、ソン・ヨンジェのほうがやりやすいとは思っています。一方で、1Rで僕が殺される可能性は、パン・ジェヒョクよりもソン・ヨンジェのほうが高くはなりますね(苦笑)」

――まさにソン・ヨンジェは、そういった試合スタイルです。ブランク明けの2試合はいずれも1R KO勝ちで、現状で打撃戦以外はどれだけできるのかが不明ではあります。

「その点も僕の中では低く見積もってはいません。試合の中で、僕の見積もりよりも低くブレてくれたらラッキー、というぐらいで。見積もりより上にブレることも覚悟はしています。
ただ、試合を視るとテイクダウンをバチーンと切って立ち上がっていますよね。自分が同じタイミングで入っていたら倒せていただろうな、と思うシーンはありました」

――対して河名選手は、自身が試合で出すものは変わっていないと。

「それはMMAデビュー戦から今まで変わっていません。そもそも僕は相手によってスタイルを変えられるほど、MMAを習熟していると思っていないですし(笑)。逆に自分のスタイルがブレた時のほうが、迷いが出てしまうかもれないです。自分がやることを信じて、やり続けるから迷わないという認識でいますね」

――そんななかでも、打撃面は向上してきました。

「去年のユン・ダウォン戦ズッキーニョス戦で、試合の中で『何とか打撃の交換をしよう』と粘ってみたことは大きかったです。それが自分にとって自信につながりました」

――デビュー当時は、打撃を食らっても大丈夫だと思っていたのではないですか。とにかく相手のパンチをもらいながら前に出るという。

「アハハハ! 自分の頑丈さを信頼しすぎていました。でもどこかで頑丈さも限界は来ると思っていて――前回のタイトルマッチは1Rにパン・ジェヒョクの右をもらってダウンしてしまいましたし。その前に打撃のテクニックを磨かないといけない――とは、ずっと考えていたんです。一番大きなキッカケは、やっぱりLFAのアライジャ・ジョンズ戦ですね」

――現在、打撃面の練習はどのように?

「今は週1ペースで、EXFIGHTで高谷裕之さんにミットを持ってもらっています。それと今年からTRI.H STUDIO成増で週1回インストラクターをやらせてもらっていて、その縁で濱村健さんにもミットをお願いしているんです」

――高谷さんと濱村さんではミットのスタイルも違いませんか。

「違います。これはレスリングでも打撃でも、MMAでも同じことだと思うのですが――たとえば高谷さんと濱村さんにミットを持ってもらいながら、お二人の言葉を自分の頭の中でどう考えるか。それは八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんから言われることも同じで。教えてもらうことの中から、自分にとって良いものを自身でしっかりと考え、摂り入れていくことが大切になりますよね」

――仰るとおりです。もう一つ、先ほどの「相手を見積もる」という話ですが……試合は生き物ですから、試合中に見積もりが上下にブレることはあると思います。しかしブレの幅は少ないほうが良い。見積もり幅のブレを少なくするためには、何が必要ですか。

「初期の見積もりをどれだけ高くできるか、ですね。高く見積もりと怖さが生まれて、『ここで行ったら倒されるかも……』という不安も出てきます。だからこそ僕は『自分がやるべきことは一つしかないから、それを貫くしかない』と考えて戦っています」

――これは「たられば」の話かもしれませんが、MMAとしての要素を全て持っていると見積もりは低くなってしまうでしょうか。

「低くなるのかなぁ……。自分は全て持っていないから分からないですけど(笑)。でも手札がたくさんあると、試合中に迷ってしまうことがあると思うんですよね。手札が少なくなったら、場に出すカードも自然と決まってきます。そこで手札の少なさに対して悲壮感を持つと、気持ちも追い込まれてしまう。もう自分の手札を見せて『これを待っています』と言えるぐらいの覚悟を持って臨むというか(笑)」

――そうなると、あとは自分から行くしかない。

「はい。相手が何を出してくるか待っているのではなく、自分の強みで相手を潰していくしかないと考えています。僕自身は苦しい試合というか、相手を苦しくさせる覚悟はできています。最初から徹底して制圧し、相手が『もうやめてくれ!』という気持ちにさせて勝ちます」

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