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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o キック 北岡悟 高野優樹

【DEEP112】北岡が最終回に高野をノースサウス・チョークで仕留め、4年2カ月ぶりの勝利

【写真】4年2カ月ぶりの勝利で、マイクを持たずにケージを後にしたのも北岡らしさか。 (C)MMAPLANET

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
Def.3R3分27秒 by ノースサウス・チョーク
高野優樹(日本)

サウスポーの北岡に対し、高野が距離を詰めていく。北岡は左ミドルハイでけん制した。北岡が左インローからシングルレッグで組みつき、ケージ際で高野に尻もちを着かせる。さらに背中を着かせた北岡は、ハーフガードの高野をパスしてサイドに回る。高野の右腕を取った北岡はキムラを狙うも極まらず。そのままサイドで右ヒジを落としていく。

高野が左腕を両足で挟むが、北岡は右腕で高野の顔面を抱えてノースサウス・チョーク狙いか。もう一度サイドから右ヒジで削っていく北岡は、ノースサウスチョークを狙いながら、今度は右腕に狙いを変えてキムラへ。高野はケージキックで脱出を試みるも、北岡は右腕を離して逆側のサイドに回った。さらに潜る高野の首を左腕で抱えた北岡は、最後に左ヒジを高野の顔面に叩きつけていった。

2R、高野がパンチの連打で前に出る。北岡も下がりながら右フックを当てた。高野の右フックが北岡の頭部を捉える。高野をローで下がらせた北岡は、プレスをかけながら左インローを効かせた。さらに両腕を差し上げてきた高野をケージに押し込む北岡、しかし高野は右ヒジを打ち込みながら離れる。組んだ北岡がドライブしてケージ際でバックに回った。

高野の左足を両足で抑え、パンチで削っていく。正面を向こうとした高野の首を、北岡が左腕で抱えた。一度ハーフネルソンで抑えてから、続いて高野の左腕を掴んでコントロールする。そこから高野の首を左腕で抱えてギロチンへ。高野は前転するも、北岡は逃さずガブって再びギロチンを仕掛ける。トップに回って絞り上げる北岡、ここは高野が頭を抜いたが、そのままトップをキープする。残り30秒で、北岡はまたも高野の首を抱え、左ヒジも落としていった。

最終回、北岡が左インローを当てる。しかし足を滑らせたところに高野が攻め込み、サッカーボールキックが北岡の顔面をかすめた。パウンドを出しながらトップを奪う高野に対し、北岡は右腕を差し上げてハーフガードで守る。さらに北岡はボディロックから反転し、高野の右足を取って内ヒールへ。高野は苦悶の表情を浮かべながらも足を抜く。

すぐさまトップに回った北岡は、ハーフガードの高野を抑え込む。下から動く高野の首を抱える北岡がパスに成功し、ノースサウス・チョークに移行してタップを奪った。


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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o 住村竜市朗 嶋田伊吹

【DEEP112】住村が嶋田のRNCを凌ぎ、テイクダウン&グラウンドコントロールでスプリット判定を勝ち取る

【写真】 このテイクダウンからも「どうしても勝ちたかった」という住村の気持ちは伝わってくる(C)MMAPLANET

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-28
嶋田伊吹(日本)
※28-28のマスト判定は嶋田

嶋田が前に出て左ミドルを見せる。住村は組みつくが、ここで島田の左ヒザが住村の下腹部に入り、試合が中断される。再開後、島田が前蹴りから、中に入ってくる住村に左ヒザを合わせた。パンチで打ち合う両者、住村の左フックと右ストレートが嶋田の顔面を捉える。そして前に出て来た嶋田から、ダブルレッグでテイクダウンを奪った。

下になった嶋田は三角へ。頭を抜いた住村はパスしてサイドに移行する。左腕を枕に抑え込む住村は、マウントを狙ったが嶋田がブリッジで防いだ。ハーフガードになった嶋田をパンチで削りながら、住村が再びパスに成功した。ところが住村がニーオンザベリーからマウントを奪おうとしたろころで、嶋田がブリッジで返し、そのままバックに回る。RNCを狙う嶋田、住村はこれを凌ぐも、嶋田はバックをキープしながら再びRNCを狙っていく。

住村は反転して体勢を入れ替え、ハーフガードの島田に対し左足を差し込んでニーオンザベリーへ。嶋田はすぐにハーフガードに戻す。それでもパスした住村が、バックに回って四の字で固める。残り10秒で左腕を嶋田の首に回すが、RNCは諦めてパンチで削っていった。

2R、嶋田の左ミドルの打ち終わりに、住村が右ストレートを当てる。直後、嶋田が距離を詰めたところでバッティングが発生し、住村の額から流血が見られる。中断後、試合が再開されると両者は打ち合いへ。住村が左右フックを見せてからニータップで組みつき、ケージ際へドライブしてから、四つで組み小外掛けでテイクダウンを奪った。

嶋田はハーフガードへ。右腕を枕に抑え込む住村は、左腕がケージ際にあるため、右腕を外して鉄槌とヒジを落とす。疲労が見られる嶋田のバックを奪った住村は、立ち上がった嶋田をリフトアップしてグラウンドに持ち込む。下になった嶋田はフルガードで守る。頭をつけてパウンドで削る住村、嶋田はべったりと背中をマットに着けている。再び亀になった嶋田のバックに回り、スタンドに戻ってもパンチで削りながらバックをキープする。ラウンド終了直前、嶋田が体勢を入れ替えて右を打ち込んだ。

最終回、嶋田が蹴りを散らしながら距離を詰める。住村の蹴りの打ち終わりに右ストレートを合わせた。住村はダブルレッグで組みつき、四つに切り替えてから小外掛けでグラウンドに持ち込む。両脇を差し上げてパスを仕掛ける住村に対し、嶋田は左腕で隙間をつくっ離れようとしたが、住村が背中を着かせる。パスを狙い続ける住村。嶋田は防戦一方に。

左腕を枕にプレスをかけていく住村、嶋田は住村の体が起きたところで蹴り上げから立ち上がる。すぐさま組みついた嶋田が、ケージ際で住村に尻もちを着かせる。一度バックを奪い、さらにパウンドを落としながらマウント、そして再びバックに回った嶋田だが、住村がトップを奪い返す。立ち上がった住村、嶋田も続いて立ち上がり、打撃戦で試合を終えた。

ジャッジ1人が28-28をつけたが(どのラウンドが10-8だったのか……)、ジャッジ2人が29-28をつけた住村が判定勝ちを収めた。「しょうもない試合でしたが、どうしても勝ちたかったです」と語っている。


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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o しなしさとこ 古林礼名

【DEEP112】しなしが首投げでテイクダウンを奪い、3年2カ月ぶりの復帰戦で古林に判定勝利

【写真】やはり、しなしといえば首投げだ (C)MMAPLANET

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.19-19.
古林礼名(日本)
※19-19のマスト判定はしなし

開始早々、古林が距離を詰める。しなしは足を使って左ジャブを突く。前に出て来る古林に右ストレートを当てたしなし、しかし古林が左右の連打からしなしをケージに詰めた。左腕を首に回して組み付くしなしは、潜って古林の右足を取り内ヒールへ。足を抜いた古林がサイドバックからパンチを浴びせる。しなしはオーバーフックから立ち上がった。

しなしが左ジャブを突きながら右ローを見せる。組んだしなしは首投げでテイクダウンに成功した。スクランブルに持ち込む古林をガブってケージに押し込んでいく。ヒザを突き刺しながら首投げを見せたしなし、しかし古林がそれを潰してスタンドに戻る。古林の左ジャブに、しなしが右クロスを合わせた。左右のストレートを見せる古林に、しなしが右スピニングバックフィストを繰り出す。

サークリングするしなしの左ジャブ、さらに右が当たると古林が下がるように。しなしは右スピニングバックフィストを見せるも足を滑らせてしまう。立ち上がったしなしは、幾度も右を当てながら古林を下がらせる。小林の右も当たるが、しなしも右スピニングバックフィストを見せた。

最終回、距離を詰める古林に、しなしが右ストレートを当てる。古林もパンチを繰り出すが、しなしの顔面になかなか届かない。なおも前進する古林を首投げでグラウンドに引きづりこんだしなしは、バックに回ってパンチを連打する。立ち上がる古林、しなしも立ち上がってそのままケージに押し込んだ。

展開できないとみるや、離れたしなしに、古林はパンチで遅いかかる。やや疲労が見えるしなしは、距離を詰められると古林の右足を狙いにいく。足を抜いた古林はパウンドを落としながらトップへ。古林のリストを抑えるしなしが、右足を取って腕十字へ。しかし古林が、すぐに腕を抜いてパウンドを連打する。

亀になってパンチを浴びるしなし。古林は立ち上がったしなしをケージに押し込みながら、バックをうかがう。しなしが左腕を古林の首に回したが、首投げに持ち込むことができない。しなしは払い腰でテイクダウンしたが、古林がスクランブルへ。立ち上がったしなしは、再び相手の首を抱え込むも、古林がダブルレッグからシングルレッグに切り替えて押し込む。しなしは古林の右腕をキムラの形で抱えるも、押し込まれたまま試合を終えた。

裁定は1人のジャッジが19-19のドローだったものの(マスト判定はしなし)、残り2人がフルマークでしなしへ。3年2カ月ぶりの復帰戦を判定勝利でかざったしなしは、「もう少し心温かく見守ってください。もう少し挑戦したいです」とアピールした。


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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o 修斗 力也 渡部修斗

【DEEP112】わずか27秒。力也が左を見せてからの右フックでダウンを奪い、パンチ連打で渡部にTKO勝ち

【写真】レスリングベースの力也がパンチで完勝 (C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
力也(日本)
Def.0分27秒 by TKO
渡部修斗(日本)

サウスポーの力也が左ストレートを伸ばす。プレスをかけてくる渡部の顔面に力也の左ストレートが当たる。さらに力也が右フックでグラつかせたあと、ケージ際で連打を浴びせてダウンさせた力也が、亀になった渡部にパンチを打ち込み、レフェリーストップを呼び込んだ。

わずか27秒のKO劇。これで力也はMMA4連勝を飾った。


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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o UFC しなしさとこ パンクラス 五明宏人 伊藤裕樹 住村竜市朗 修斗 力也 北岡悟 古林礼名 宇田悠斗 山本有人 岩﨑達也 嶋田伊吹 本田良介 渡部修斗 神田コウヤ 福田龍彌 鈴木槙吾 阿部大治 高野優樹

【DEEP112】高野優樹戦で、4年2カ月振りの勝利を目指す北岡悟「頑張りだけ評価されるのは癪」

【写真】どれだけ体が戻り、それが試合で優位になるか (C)MMAPLANET

明日11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で北岡悟が高野優樹と戦う。

最後の勝利は2018年の大晦日。4年間、勝利から遠ざかり喫した敗北の数は、7。それでも北岡は戦い続け、戦い続ける努力を続け、対戦相手に恐怖を感じさせている。そんな北岡に計量直後に話を訊いた。


──前回の計量は取材できなかったのですが、前々回の計量後に「肌艶が良くて調子が良さそうだ」という話をさせてもらったのですが、今日は一見して目のくぼみ方とかその時とは違っていて。減量が厳しかったとかは?

「いえ、普通に水抜きしただけです。そりゃ、減量は楽じゃないですよ。でも、しっかりと落としてきた。ドライアウトしてきただけです。体重を落とすのが無理ということではなくて、良くも悪くもギリギリで落とした感じです(笑)」

──ハイパーダイエット&リカバリーを見直す選手も増え、また年齢を重ねると階級を上げる選手もいます。そのなかで北岡選手がライト級に拘るのは?

「でもウェルターじゃないですよ。僕の骨格はライト級がぴったりで。なんならもっと若い時にフェザー級にするという判断をしていればフェザー級でやれる体格です。下手をすると、MMAファイターを志した時点でバンタム級に設定していればバンタム級の体になっていただろうし、当時『UFCフライ級だ』っていう選択があればそうなっていたかもしれない。それぐらいの体だから、ウェルターではない」

──逆に若かりし頃のパンクラス時代には90キロぐらいありそうでした。

「いや、それはないですよ(笑)、過去最高で通常で87キロぐらいで。今が82キロとかで。特にライト級に拘っているわけでないし、普通にそういう動かし方をしているからです。普段、動きやすい体を79キロぐらいにしている時もあります。でも4年間も勝っていない人間の体重なんて、どうでも良くないですか」

──いや、確かに勝っていないです。ただし、北岡悟の話は聞いておきたい。そういう価値観の見出し方は良くないかもしれないですが。

「そうですね。北岡悟だから、ずっと組んでもらっているので。分かっています、それは。人がどう思っているか分からないけど、僕は過去がどうだったかとかで続けているわけじゃないし。過去の成功体験を求めることが無いと言ってしまうと、それは嘘で。でも、過去の栄光にすがって試合をしているわけじゃない。まぁ過去の栄光のおかげで試合ができている……俺に過去の栄光なんてあったのかって見方もありますけどね(笑)。

でも、そのおかげでこうやってやらせてもらっているのはありますよね。だから過去の自分にはありがとうと言いたい。でも、今は今で頑張っているし。その頑張っているのも、結果を残してから言わないといけないことなんで。

そういう過去があって、今も評価してもらっているから恐らくは、この大会で一番ファイトマネーを貰っていて、恐らく一番チケットを売っている。別に他の選手が頑張っていないなんて思っていないですよ。でも、そういうことなんじゃないかなって。こんな話、面白いですか(笑)」

──正直、北岡選手にインタビューをする時は覚悟が必要です。

「それ、話を聞いておいて言いますか(笑)」

──だから計量直後なんです。やはり試合の準備期間のピリピリしている時は、今のようにインタビューが成立しないこともままありましたし。

「なるほど。ただ続けている、頑張っているだけじゃ評価したくないですよね?」

──本当に極まれにそこを超越した戦いが見られます。勝っても、響くものがない勝利もあれば、負けても響く試合がある。それが2022年の2試合でした。

「上迫(博仁)戦は人によってはボロンチョに言われますが、自分のなかでは良い動きができていたと思っています。江藤(公洋)戦の内容は悪かったですか?」

──重ねて言いますが、格闘家は結果を残してナンボです。ただし、前回の試合は選手から『北岡選手の頑張りに感動した』という声が聞かれました。

「そうなんですね。でも、頑張りだけ評価されるのは癪なんですよね」

──そうだと思います。ただし、今回は佐伯さんも北岡選手の対戦相手選びに苦慮しているようにも感じました。

「……。……。……。それは僕に言われても……。……。……。僕が相手を選んだわけじゃないから。少なくとも僕は……試合をさせてもらって有難いなんていうのは違うけど、相手を選べる立場にないから。来た相手を受けただけです」

──前回の試合の動きを見れば、恐らくは79キロぐらいまで戻るであろう北岡選手の方が、肉体的に有利で。それはMMAを戦う上でも絶対に有利だと考えられます。

「逆に怖いですよね。だからこそ、怖いです」

──怖い?

「勝負はそういうモノだから。ハイ」

──では、前回の試合に続き何を見せたいですか……って、これも北岡選手には尋ねるべき問いではないですね。

「ハイ。僕には見せたいモノはないから。住村さんがコメントで言ったように、僕も勝ちたいだけだから。勝ちたいだけなら弱いヤツ選べよって話もあって」

──えっ?

「それ、ちょっと人に言われたんです。去年の2試合、強いヤツを選んでいるから。勝ちたいだけなら、弱いヤツ選べば勝てるだろって言われて。それは違うんですよね。強いヤツに勝ちたいんだから。だからこそ、明日の試合は怖いんですよ。何となく、分かりますよね?」

──ハイ。ただ、これは江藤選手と上迫選手に失礼かもしれないですが、あの試合で彼らは北岡選手が怖かったのかもしれないなと。

「あぁ、それは毎試合思います。これね、人のことだしこうやって持ち出すべきじゃないかもしれないけど、岩﨑達也さんが『ヴァンダレイ・シウバが怖がっていた』と言っていますよね」

──ハイ。まぁ、誰もそうは思わないかという話ですが……。

「それと同じなんです。要は覇気とか、なんかどういえば良いのか。当人にしか分からない」

──と同時に相手は怖いから、勝てるということもありますね。

「それ、自分でいうとナンだけど、怖い……怖がられるのは、やはり強味で。だから僕のことを買ってくれる人がいてくれる。そういう覇気、あると思うから。多分、僕の懸命さのようなモノが形になってぶつかるわけでしょ。まぁ、それが僕です」

──北岡選手は怖いですよ。そりゃあ、怖い。だって普段は良いヤツだから。良い人間だから、ケージの中で面と向かって戦うのは怖い。きっと北岡選手が良いヤツでなかったら、同じだけの覇気があっても怖くないはずです。

「うん……。ちょっと、それは……。だから、しっかりと見届けてください」

■視聴方法(予定)
2月11日(土)
午後5時30分~サムライTV
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP112計量結果

<フライ級GP準決勝/5分3R>
伊藤裕樹:57.05キロ
本田良介:57.05キロ

<フライ級GP準決勝/5分3R>
福田龍彌:57.15キロ
宇田悠斗:56.8キロ

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
阿部大治:77.0キロ
鈴木槙吾:76.95キロ

<DEEP暫定フェザー級選手権試合/5分3R>
神田コウヤ:65.7キロ
五明宏人:65.7キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.7キロ
高野優樹:69.5キロ

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗:77.55キロ
嶋田伊吹:77.4キロ

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ:43.4キロ
古林礼名:43.75キロ

<バンタム級/5分3R>
渡部修斗:61.6キロ
力也:61.5キロ

<バンタム級/5分2R>
山本有人:61.6キロ
KENTA:61.6キロ

<フライ級/5分2R>
高柳京之介:57.5キロ
秋元強真:57.2キロ

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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o RIZIN   しなしさとこ 五明宏人 伊藤裕樹 住村竜市朗 修斗 力也 北岡悟 古林礼名 宇田悠斗 山本有人 嶋田伊吹 本田良介 渡部修斗 神田コウヤ 福田龍彌 鈴木槙吾 阿部大治 高野優樹

【DEEP112】計量終了 本田良介「コイツがメインで良かったなと」✖伊藤裕樹「早いものであと2回」

【写真】良い仕上がり具合のメインイベンター2人 (C)MMAPLANET

明日11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 112 Impactの計量が、雪化粧の東京の街が中野区の中野サンプラザ12階で行われた。

いよいよ準決勝を迎えるフライ級GP出場4選手も始め、全選手が計量を一発でクリアしている。

そのフライ級GP準決勝、そしてメインで戦う本田良介は「明日はこんな無名ですけど、RIZINとかいっぱい出ている選手を差し置いて抽選で運よくメインを張れたんですけど、結果で『コイツがメインで良かったな』と思ってもらえるようにやって、しっかり決勝に繋げたいです。伊藤裕樹選手、強いと言われているけどしっかりやっつけます」と抱負を語る。

対して伊藤は「早いもので準決勝、あと2回。最高の相手を用意してもらったんで、明日は潰されないようにしっかりぶちのめしたいと思うので」と応えた。

コメインで組まれたもう1つの準決に臨む宇田悠斗は「相手は福田選手ということで、強い相手と分かっている。皆知っていると思うんで。ホント、この1カ月、福田選手のことを考えて抜かりなく準備してきたんで。俺はもう決勝のことは考えていないんで。明日、殺るか殺られるか。俺は明日死ぬ気でいくんで。福田選手とならデキると思うんで、ぜひお願いします。胸貸してください」と下剋上宣言。

一方、福田は減量がこれまで上手くいったのか声が枯れることなく「ええと、いつも通り楽しみだけです」と言葉短めにコメントした。

ウェルター級と暫定フェザー級のタイトル戦を含めて、他の試合の出場選手のコメントは以下の通りだ。


鈴木槙吾
「明日、阿部選手に挑戦させていただきます。タイトルマッチがね、メインじゃなかったので。ちょっとどうかなと思っているんですけど。後から僕らの試合をメインにすれば良かったと言ってもらえるような試合ができればと思います」

阿部大治
「2年振りにDEEPに戻って来ました。明日はメイン級の試合
をやります」

五明宏人
「毎日、朝倉未来さんと練習してきました。明日は全局面で圧倒します。押忍」

神田コウヤ
「意気込みなどはENCOUNT様で取材頂いたので、そっち方見てください。明日はPPVもあります。今日までに購入で前売り券などで是非お求めやすい価格で勝ってください」

高野優樹
「今回ライト級で挑戦させていただくんですけど、体重どうこうというよりはもちろん勝つだけっていう形なので気にせず、逆にバンタムの時と比べてマイクの時にこんなに声が出るんだという感覚もあるんですけど、しっかり楽しんで試合をしてきたいと思います。前回、後楽園ホールでチャンスを頂いたんですけど、試合が中止になってしまって。今回、またこういう形でチャンスをいただけたので、とにかく勝つだけです。それだけを考えてきたので応援宜しくお願いします」

北岡悟
「頑張ります」

嶋田伊吹
「またトップどころを引きずり下ろすチャンスを貰えたんで。明日は全力で叩き潰します」

住村竜市朗
「ハイ。勝ちたい。明日は勝ちたい。以上です」

古林礼名
「明日は女子格のレジェンドのしなし選手との試合なんですけど、自分がやることは決まっていると思うので明日はそれをやるだけのつもりです。応援宜しくお願いしま~す」

しなしさとこ
「46歳の挑戦です。多分、最年長だと思います。3年振りなんですが、しっかり勝ちたいと思います。応援宜しくお願いしまぁす」

力也
「明日は格の違い見せます。押忍」

渡部修斗
「今までやってきたことを信じて、明日は全力で戦って勝ちます。押忍」

KENTA
「後楽園ホールで連続3回出させてもらって、とりあえず3連勝目指して頑張ります。少しずつレベルが上がっているんで。明日は一発目から盛り上げます」

山本有人
「今年一発目、明日はしっかりと勝ちたいと思います」

秋元強真
「明日はKOして勝ちます」

高柳京之介
「明日はオープニングなんですけど、しっかり勝って先輩のKENTAさんと高野さんに繋げられるように頑張りたいと思います」

■視聴方法(予定)
2月11日(土)
午後5時30分~サムライTV
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP112計量結果

<フライ級GP準決勝/5分3R>
伊藤裕樹:57.05キロ
本田良介:57.05キロ

<フライ級GP準決勝/5分3R>
福田龍彌:57.15キロ
宇田悠斗:56.8キロ

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
阿部大治:77.0キロ
鈴木槙吾:76.95キロ

<DEEP暫定フェザー級選手権試合/5分3R>
神田コウヤ:65.7キロ
五明宏人:65.7キロ

<ライト級/5分3R>
北岡悟:70.7キロ
高野優樹:69.5キロ

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗:77.55キロ
嶋田伊吹:77.4キロ

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ:43.4キロ
古林礼名:43.75キロ

<バンタム級/5分3R>
渡部修斗:61.6キロ
力也:61.5キロ

<バンタム級/5分2R>
山本有人:61.6キロ
KENTA:61.6キロ

<フライ級/5分2R>
高柳京之介:57.5キロ
秋元強真:57.2キロ

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【DEEP112】古林礼名と対戦=しなしさとこ─02─「これからは最年長一本勝ち記録を目指したいです」

【写真】人生、常にピース──サインとはいかないから、良いのです(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で古林礼名と対戦する、しなしさとこインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プロデビューから20年――変化した面もあれば、変わらないところもある。出産と育児でブランクをつくりながらも、しなしは戦い続けてきた。勝ち続けることに対する執着は無くなった、といっても負けることは絶対に嫌な46歳の現役ファイター。選手としてカドは取れていない。そんな彼女の新しい挑戦が、今回の古林戦から始まる。

<しなしさとこインタビューPart.01はコチラから>


――将来、息子さんが『MMAをやりたい』と言ったら、どうしますか。

「いやぁ、どうなんでしょうね(苦笑)。どんどん体は大きくなるでしょうし……。今はまだ170センチぐらいで」

――中学1年生で170センチは大きなほうだと思います(※13歳男子の平均身長は160センチ前後)。

「そうなんですか!? そうなれば息子の良いお手本になれるよう、私も頑張っていきたいですね。試合の結果だけではなく、一緒に暮らしているなかで試合に臨む過程を見てもらいたいです」

――母として試合に臨む気持ちは理解できました。一方で、いちファイターとしては今後戦い続ける先に何を見ているのでしょうか。

「何でしょうね? 最近は女子も選手が増えてきたけど、RIZINでも海外でも女子44キロって試合がないですよね。だから、そういうところは求めていないです。何だろう――幸せ、かな(笑)」

――意外な答えが返ってきました。しなし選手にとっての幸せとは……。

「心の在り方ですよね。年齢を重ねるにつれて、そう思うようになってきたんです。自分が好きなことをやっていると、気持ちが豊かになるし、穏やかにもなるから。最近は、そういう幸せを求めています」

――……その幸せが格闘技を続けていく先にしかない人生って、素敵なことだと思います。

「私はやりたいようにやらせてもらっているので、今も幸せだなって思います。どうですか? あんまり幸せじゃないですかね(苦笑)」

――人それぞれではないでしょうか。これまで多くのファイターを見てきて、戦うことで幸せを得た選手もいるし、そうではない選手もいたと思います。何より命に関わる怪我を負う可能性がある競技なので、MMAを続けることが良いのか良くないのかは第三者として言えません。ただ、しなし選手を見ていると……楽しそうです。

「アハハハ、楽しいですよ。もちろん練習はキツいです。でも何でも楽しまないと、もったいない気がします。この年齢で格闘技を続けられること自体が幸せだと思うし。特に、46歳で挑戦できること――もう吹っ切れましたよね。吹っ切れたので、今までよりも心が強いと思います」

――何に対して吹っ切れたのでしょうか。

「最初に言ったように、ずっと勝ち続けることばかり追求していました。負けたら終わり。でもそこにこだわり続けると自分が小さくなってしまう気がして。今はそんなこだわりを捨てることができて、私にとっては46歳の新しい挑戦なんですよね。ちなみに、毎年つくっている年賀状も楽しいんですよ」

――毎回新しいコスプレに挑戦している年賀状ですか。

「今年の年賀状も撮影した時点で『次は何をやろうかなぁ』って考えていますから。こうなったら年賀状も、できるだけ続けたい。毎年、お正月から皆さんに笑いを届けたいです」

――えっ、あの年賀状は笑いのためにやっていたのですか! てっきりコスプレの趣味があるのかと思っていました。

「そんなわけないじゃないですか(笑)。『皆さんが少しでも笑顔になってくれれば良いなぁ』という気持ちですよ」

――なるほど。話が逸れすぎてしまいましたが、試合のお話に戻ります(笑)。今回の対戦相手、古林選手の印象を教えてください。

「やりづらそうな相手ですよね。結構しつこく組んでくる選手で、しかもケージ際で振り回してくるじゃないですか。力も強そうで」

――にっせー戦では、しなし選手がケージに押し込みながら100パーセントの状態で組むことはできていませんでした。今回もケージレスリングで苦戦すると思いますか。

「前の試合(にっせー戦)は、前蹴りをもらって効いちゃっていたんですよ。それで力が入らなくて。でも負けるつもりはないし、勝ちに行かせていただきます。今回は2R、10分フルで戦うことになるかもしれないです。相手もサクッと極めさせてくれないでしょうし」

――勝つことへの執着はなくなったとしても、やはりフィニッシュへのこだわりは持ち続けているのでしょうか。

「もちろんです。いろんなパターンをイメージしていて、そのパターンにハマればフィニッシュできると思います。ただ、相手がいる試合ですからね。どうなるかは分からないですけど、必ず仕留めたいです。判定は考えていません。今までMMAの試合で、判定で勝とうなんて一度も思ったことがないですから」

――「勝ち続けることにこだわらない」としながら、そう仰っている表情が、やはりファイターなんだなと思います。

「そうですか(笑)。何て言うんでしょうね。スマックガールに出始めた頃(2001年12月にプロデビュー)って、できることが少なかったんです。極めるしか勝つ方法がなかった。そこから極めないと勝ちじゃないと思うようになりましたね。プラス今は、できることも増えていますから」

――判定勝ちよりもKO負けのほうが良いと思うタイプですか。

「いやいや、それはないです。負けたら、また気持ちが落ちちゃいますから。自分も情けないし、周りの人にも申し訳ないし……。だからKOに関わらず負けと、判定勝ちは同じぐらい悔しいかな。今どういう記録があるか知らないけど、これからは最年長一本勝ち記録を目指したいです」

■視聴方法(予定)
2月11日(土)
午後5時30分~サムライTV
午後5時40分~SPWN PPV
午後5時40分~ニコニコ生放送

■ DEEP112対戦カード

<フライ級GP準決勝/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
本田良介(日本)

<フライ級GP準決勝/5分3R>
福田龍彌(日本)
宇田悠斗(日本)

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
阿部大治(日本)
鈴木槙吾(日本)

<DEEP暫定フェザー級選手権試合/5分3R>
神田コウヤ(日本)
五明宏人(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
高野優樹(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
嶋田伊吹(日本)

<女子ミクロ級/5分2R>
しなしさとこ(日本)
古林礼名(日本)

<バンタム級/5分3R>
渡部修斗(日本)
力也(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
KENTA(日本)

<フライ級/5分2R>
高柳京之介(日本)
秋元強真(日本)

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Black Combat CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS40 DEEP Tokyo Impact DEEP112 DJ.taiki MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Road to UFC UFC VTJ ボクシング ライカ 修斗 内山拓真 宇佐美正パトリック 小金翔 川名TENCHO雄生 桐生祐子 石塚雄馬 野村駿太 雅駿介 須田萌里 風我 駒杵嵩大 鹿志村仁之介

【DEEP Tokyo Impact2023#01&#02】野村駿太、鹿志村仁之介が昼夜のメインで川名とDJ.taiki越えに挑む

【写真】スタイルも恐らくは性格も相当に違うであろう野村と鹿志村。キャリア6戦目と8戦目──なるかJ-MMA界の新陳代謝 (C)ONE

7日(火)にDEEPより3月25日(土)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2023#01&#02の対戦カードが発表されている。

今月4日にBlack Combatとの対抗戦、11日の後楽園ホール大会=DEEP112、そして18日に新宿FACEでDEEP JEWELS40が開かれるDEEPにあって、各階級トップ下の潰し合いが繰り広げられるTokyo Impact大会第1&第2弾のカードはメインで、ストライカーとグラップラーの新鋭がベテランに挑むマッチアップが用意された。


まず昼の部となる正午開始の1st round=#01は野村駿太が川名TENCHO雄生に挑むライト級マッチが決まった。帝京大空手部出身、全日本空手道選手権で5位の実績を持つ野村は、2021年9月にグラチャンでプロデビューし、VTJからグラチャン、そしてDEEPで戦績を積み、現在4勝1敗の戦績を残す。唯一の敗北はキャリア2戦目にVJTで宇佐美正パトリックに喫した判定負けだ。

伝統空手特有の距離からの踏み込みだけでなく、近距離でボクシング、さらにレスリングと総合力を高める野村は、昨年12月には小金翔太を『打』で圧倒し、元修斗世界王者との対戦する権利を得た。

一方の川名は2020年9月のRIZINでの武田光司戦より、悪夢の4連敗を経験。特にDEEP初陣となった石塚雄馬のKO負けは、進退を考えるべき敗北となっていた。その川名は昨年11月の高橋Bancho良明戦で涙の復活勝利を挙げ、新鋭の挑戦を受けることとなった。

午後5時半スタートの2nd round=#02のヘッドライナーは鹿志村仁之介が抜擢され、DJ.taikiと対戦するバンタム級戦となった。

Road to UFCの緊急チャレンジからDEEPに戦場を移し、階級を下げた鹿志村は初戦で雅駿介をRNCで下し、元バンタム級王者越えを狙うマッチアップを手にした。NY修行中、現地に関して「向うの選手は簡単に極めることができない」と米国MMAファイターの防御能力の高さを実感していた鹿志村は、その分だけ極めの精度を上げてくることが予想される。

とはいえDJに対して、打撃が見えていないと組みの展開に持ち込むことは簡単ではない。殴られても組むというスタイルから殴られずに組むことが不可欠になってくる。DJとしてもCOROとの暫定王座決定戦で敗れからの再起戦で、5勝2敗の21歳に遅れを取ると再浮上は難しくなる。ばかりか総合力で力の差を見せつけることが、欠かせない。

いずれにせよ、野村と鹿志村ともここを越えるとタイトル戦も見えてくる。そしてタイトル戦線がより活発化する起爆剤となり、ナンバーシリーズにつながる対戦といえる。修得すべき技術が多いMMAではファイターとしてのピークはやや高くなる。とはいえ、常に新しい力は生まれてくる。キャリア10戦に満たない選手が、一度は頂点を究めたファイターと対戦が無謀に感じられなくなってきたJ-MMA界だ。

この他、#01では雅駿介✖内山拓真、泉武士✖井上竜旗戦、#02では駒杵嵩大✖風我のフライ級サバイバル戦が改めて組まれ、女子ではアトム級で須田萌里と桐生祐子の再浮上へ世代を越えた連敗は許されない者同士の試合が決まっている。

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DEEP DEEP112 MMA MMAPLANET o しなしさとこ にっせー 久遠 古林礼名 国内MMA

【DPPE112】3年2カ月振りの実戦復帰、しなしさとこ─01─「60歳ぐらいまで試合ができると思います」

【写真】若い頃の自分とツーショット。これができるのは今も意気揚々、充実している証拠 (C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で、しなしさとこが古林礼名を相手に3年2カ月ぶりの試合を行う。
Text by Shojiro Kamaike

しなしにとって前戦は2019年12月、にっせーにKO負けを喫した。プロデビューから20年、現在46歳のしなしがケージの中に戻ってきた理由とは? ファイターとして、そして母として――しなしは戦い続けている……のか?


――プロデビューから20年――2月11日に45戦目のMMAを戦う、しなし選手です。

「そう聞くと、すごいですね。長くないですか(笑)」

――はい。女子だけでなく国内MMA全体でも大ベテランとなりました。ただ、それでも3年2カ月のブランクを経て復帰戦を行う理由から教えてください。

「この期間も、試合用の練習ではなかったんですけど、練習自体は継続していました。何て言うんでしょうね……。今やらないと、一生復帰できない。そんな気がしました。だから『今やろう!』と思ったんです」

――しなし選手は、このまま生涯現役を貫くのでしょうか。

「アハハハ。コンディショニングがしっかり出来ていれば、60歳ぐらいまで試合ができると思いますよ(笑)。あくまで希望ですけど」

――60歳まで!

「他の競技でも、そこまで試合をしている人はいないですよね。スマックガール初期に出ていた人たちも、みんな引退しているし……。あ、久江ちゃん(渡辺久江、現・久遠)が復帰しましたよね。それは嬉しいです。私自身、戦うことが好きなんです。一方でマイペースな性格なので、自分のペースで試合をしたいと思っています。普段から身体はつくっていたいし、試合となれば尚更ちゃんと身体をつくってから出たくて」

――しなし選手といえば、現在でもバキバキの腹筋を披露しています。

「もう不摂生はしなくなりましたよ。基本的に夜は出かけない。コロナ禍もあって、友人から食事に誘われても断ることが多くなりました。朝は5時ぐらいに起きて子供のお弁当づくり、夜は9時ぐらいには寝ます。食事もバランス良く――ウチは炊飯器ではなく土鍋でごはんを炊いているんです。大変だけど丁寧に食事の支度をしていると、年齢を重ねるにつれて生活も丁寧になったというか。年を取ると、余計なものを食べなくなりませんか?」

――余計なものを食べないといいますか、以前よりも食に対するこだわりは無くなりました。あとは、お肉も脂身が多いものを食べる量は減っています。

「そうなんですね。私は今でもお肉が好きだから(笑)」

――肉を欲する、それが今でも戦っている証ではないでしょうか。試合をしていない期間は、何か物足りなさを感じませんでしたか。

「ベルトを返上してからは自分のペースで試合ができているので、そういう物足りなさはなかったです。今までずっと試合をしてきたから、むしろ少し休めましたよね。コロナ禍で練習環境も難しくて、応援に来られる人も少ないでしょうし、そんななかで慌てて試合をする必要もないのかなと思いました。休める時に休もう、ということで。あと、一度負けたらメンタルが回復するまでに時間が掛かるんです。アハハハ」

――……。

「でもお休みしていたおかげで、ここ10年ぐらいのなかで今が一番調子が良いです。若い時のようなガツガツ感もなくなりましたよね。記者の方からも『カドが取れましたよね』って言われるぐらいで(笑)。ただ、ガツガツ感はなくなったけど、いつも自分らしくいられている気はします」

――「一度負けたらメンタルが回復するまで時間が掛かる」ということは、にっせー戦の敗北はご自身のなかで大きな傷が出来てしまったのでしょうか。

「毎回そうなんですよ。久江ちゃんに負けた時(2006年8月にKO負け)も、すぐブラジルに逃げちゃって。負けると気持ちが落ちちゃいます。勝ち続けることのストレスが大きいので。ただ勝つだけなら、そうでもないです。でも勝ち続けることは難しいじゃないですか。一般的に強いと言われている相手でも、私とは実力差があると言われている相手であっても。私の場合は、10回に1回ぐらい試合に集中しきれない時があって、その時はだいたい負けています。前回の試合もそうでした」

――そんなことがあったのですか。これは失礼な言い方になるかもしれませんが、しなし選手はすでに現役で戦う必要のない人生を送っています。これまで44試合に出場し、敗れたのはわずか4戦のみ。過去にはDEEPのベルトも巻きました。それでも試合に出続けるのは、15歳で柔道を始めてから30年間ずっと戦ってきたからなのか……。

「確かに体を動かしていなかったのは、2009年に息子を産んでから数年間ぐらいですね。出産前は周囲に『産んでから1カ月ぐらいで復帰する』と言っていました。それが全身麻酔の帝王切開という超難産になって。産んだあとも母乳をあげていたので、練習もできていなかったんです。でも、私の復帰を待ってくれている人がいるし、そのまま復帰しなかったら嘘つきになってしまう。だから2014年に思い切って復帰しました」

――息子さんは今もお母さんが戦っていることについて何と言っているのでしょうか。

「昔は小さかったので、私が何をやっているのか分かっていなかったです。『お母さんは相撲をやっているんだよ』ぐらいのイメージで。そんな息子が、もう中学1年生になりました。その年齢だとMMAも認識できるし――実は、息子が中学校に入ってからレスリングを始めたんですよ」

――えぇっ!! やはり格闘遺伝子なのでしょうか。

「中1から始めるって、まさかって感じですよ。やっぱり血って怖いなと思いました(苦笑)。『自分が決めたことだから、高校まで6年間しっかり続けなさい』と伝えました。まだ初心者で、投げることすら難しい状態です。でも息子がレスリングを始めた時に思ったんです。私がケージの中で戦って、母親として息子に勝負の厳しさを見せたい。そしてレスリングを頑張ってほしい。そのために今、私は復帰するんです」

<この項、続く>

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DEEP DEEP112 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ニュース 修斗 宇田悠斗 安谷屋智弘 杉山廣平 柴田MONKEY有哉 福田龍彌

【DEEP112】福田龍彌、宇田悠斗戦へ「人間関係も含めて断捨離して、MMAに没頭できる環境を」

【写真】福田は語ることができるファイターだ (C)SHOJIRO KAMEIKE

今週末11日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112で、いよいよフライ級GP準決勝戦が実施される。1月13日には都内で抽選会が行われ、福田龍彌が宇田悠斗と対戦することが決定している。
Text by Shojiro Kameike

元修斗世界王者として、福田はGPの優勝候補の1人であっただろう。しかし1回戦の杉山廣平良戦、2回戦の安谷屋智弘戦では思わぬ苦戦を強いられる場面もあった。対して、修斗世界ランカーとして参戦した宇田は、ここまで2試合連続KO勝ちを収めている。経験の福田、勢いの宇田――そんな見方も決戦を前に、福田が2021年からの環境の変化と、対戦相手について語る。


――1月13日にDEEPフライ級GP準決勝の抽選会が行われ、対戦相手が宇田悠斗選手に決まりました。試合に関するお話の前に、フライ級GPの抽選会は毎回和気あいあいとしていますね。

「アハハハ、そうですね。あんまり殺伐とした空気ではないです。僕としてはGPで対戦相手は誰でもいいんですよ。ビュッフェのように、目の前にたくさんの料理が並んでいる。でも自分の前にどの料理が出されるか分からない、みたいな(笑)。勝っていけば次々と料理が出て来るっていうのが今の状態ですね。れよりも、準決勝の抽選会は病み上がりだったほうがキツくて」

――年末年始は体調を崩していたのですか。

「年明けから風邪をひいて、4日間ぐらい寝込んでいたんですよ。熱はないし練習は始めていましたけど、それほどハードに動くのはまだ無理で。だから、抽選会の時はグッタリしていただけというか(笑)」

――アハハハ、それが殺伐とした雰囲気がなかった要因の一つでもあったのですね。とはいえ、時期的に体調を崩した際は新型コロナウイルスかどうか心配になりませんでしたか。

「あぁ、そうですね。検査もあるので大丈夫ですし、何より僕はコロナって罹るもんやと思っているんですよ。罹ったら罹ったで仕方ない。こういう言い方をしたら、コロナに罹って苦しんでいる人に申し訳ないけど……」

――今もなお、これだけ新型コロナウイルスに感染している人が多い以上、その覚悟を持っている必要はあるかと思います。

「僕が住んでいるところってテレビも地デジ対応範囲外やから、コロナ禍に関する情報も少なくて」

――えっ!? 前回のインタビューで京都市の中心部から離れたところに引っ越したとはお聞きしましたが、まさか地デジが映らない場所とは……。

「だからニュースを見るのも、練習のあとサウナに寄った時ぐらいで。といっても、夕方やとだいたい大相撲が流れているので、そんなに見ていないんですけどね。家にWi-Fiは通していて、情報はSNSから得るっていうぐらいです」

――なぜ京都の街中から、そのような場所に引っ越したのでしょうか。

「ジムから車で50分くらい行った山奥に住んでいます。いつでもMMAができる環境を、当たり前のものにしたくなかったというか。ずっと会社に勤めながらMMAをやっていたんですよ。だからってMMAを片手間でやるものにしたくない。……コロナ禍になって、MMAだけじゃなく世の中全体について考えさせられました。みんなが日常の中で当たり前やと思っていることが、すべて必要なわけじゃないことが分かってきて」

――会社に出社することなくリモートワークが多くなったのも、コロナ禍による変化の一つでした。

「それで言うと、会社に出社しないから人付き合いも減ってきました。仕事があって、人付き合いもあったうえで、練習もせなアカン。でも京都市内に住んでいると、それが当たり前にできてしまうわけですよ。すると仕事の合間に練習する……MMAが片手間になりかねなくて。そのなかで、僕はジムに来ることを特別にしたかったんです。格闘技を生業として、ジムで練習することも仕事の一つにしたかった」

――そのために会社も辞め、地デジが映らない場所に移ったのですか。

「1日1日、ちゃんと目的を持って生きる。ジムに来るのも毎回しっかりと目的を持つ。で、仕事が終わったら家に帰って、のんびりする。それが仕事じゃないですか。ちょうど子供が生まれた頃でもあったんです。子供に都会から離れたところで、ノビノビと育ってほしいという気持ちもありました」

――ただし、地デジが映る場所でも、そういった生活はできるわけですよね。

「テレビもいらんと思うようになったんですよ。今は別にニュースが教科書ってわけじゃなく、『コレってどうなんやろう?』というようなニュースも多いじゃないですか。そういうのを見てると、試合前のメンタルにも響くことがある。なんて考えると、テレビもいらんなと思って。それやったら映画を見ているほうが良いし、映画やったらネットで見られるので。人間関係も含めて断捨離して、MMAに没頭できる環境を創ろうと思いました」

――それは福田選手にとって格闘技のルーツでもある、タイでの生活につながる部分もあるのでしょうか。

「あぁ、そうですね。もともと僕は京都の嵐山出身で、ひぐらしの声が聞こえるような場所やったんです。ゲーセンもないし。かといって家の中でゲームをするわけでもない。だからゲームを通じてとかじゃなく人と人とが直接関わり、その人に興味を持つことができる環境でした。逆に都会の高校へ行ったら、そんなに友達もできんくて(笑)。

そんななかで中1の時にタイへ行ったじゃないですか。言葉も分からん状態で、身振り手振りや表情で相手が言っていることを悟るしかない。その経験が一番良かったです。おかげで言葉を信用しないというか、言葉ではこう言っているけど相手の表情や雰囲気で本心を探ることができる。そういう相手の心に対して敏感になりました。

タイから日本に戻る時、みんな言葉も分からんのに、すごく悲しんでくれて……。人って本当に悲しい時は、こんな表情するんやなってことも分かったし。そういう経験があったからこそ、コロナ禍のなかで『都会の人間関係って薄っぺらいもんやな』と思っちゃったんです」

――……。

「それで生活環境を変えて、DEEPに出るようになったのが2021年のことです。僕にとっては、2021年ってすごく大きな年やったんですよ。さらに2022年は5試合して、すべて勝つことができて良かったです」

――そんななかで、昨年12月に柴田MONKEY有哉選手が杉山廣平選手を下したあと「DEEPのベルトが欲しい」と発言しています。当日、福田選手は来場していました現在フライ級GPが行われているなかで、GPに参戦していない柴田選手の発言をどのように思いますか。

「あぁ、それですか(苦笑)。もともと僕は『チャンピオンでいたい』と思っていないので、ベルトに興味はないです。でもベルトに興味がある人はあるんやろうと思っています。ただ、もし彼にベルトを獲りたいという強い気持ちがあったなら、GPに出るのが一番の近道やったんじゃないですか。すごく良い選手やし、本人のことも嫌いなわけじゃないですよ。試合(杉山戦)もエエ内容でした。でもTPOはわきまえないとアカンよね、って思います。

彼は彼で手術したためにGPに出られなかったという事情があったんでしょう。でも僕は骨折しても出たから(昨年5月のビョン・ジェウン戦で拳を骨折し、GP1回戦の杉山戦に臨んでいる)。杉山戦の前は握力を測ったら20キロもなくて、測った病院でメッチャ笑いましたよ」

――えっ、握力が20キロ以下とは……。

「でもGPに出ると決めたら、それぐらいの気持ちでやっていますよ。これを言ったらアカンかもしれんけど、極論として『GPだから何!?』とすら思います。自分も怪我や骨折、手術もしたりしました。その時に『MMAをやりたくても、できひん』という気持ちが分かったんですよね。とにかく戦いたい。それだけです。だから次の相手――宇田君って本当の良い相手じゃないですか」

<この項、続く

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