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【DEEP SF2024】5年5カ月振りの復帰戦、長谷川賢「体的にはすげえ辛いです。でもむちゃくちゃ楽しい」

【写真】凄まじい経験をして、今、ここにいる長谷川賢 (C)TAKUMI NAKAMURA

31日(土)に東京都江東区の青海R区画野外特設ステージで開催(※※雨天の場合は9月1日(日)に順延)されるDEEPサマーフェスティバル2024inお台場にて、長谷川賢がSAINTと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

イベント・タイトルにあるようにメインはジャレッド・キャノニアー×カイオ・ボハーリョが組まれた。通算戦績16勝1敗、2021年にコンテンダーシリーズからUFCに昇格したボハーリョは、オクタゴンでも8連勝中だ。そのボハーリョ、実はLFAブラジル大会でコメンテーターを務めており、英語で同朋のファイターたちの試合の模様を解説している。

2019年3月のONE日本大会でのオンラ・ンサン戦を最後に5年以上、試合から遠ざかることになっていた長谷川。ンサン戦は試合中の負傷に緊急手術を余儀なくされ、2022年に決まった復帰戦も腰の負傷によるキャンセルせざるをえなかった。

この間はPROGRESS実行委員会を率い、Gladiator、DEEP、BLOOM FCらの大会で外国人招聘のサポートをするなど、大会を運営する裏方として活動を続けていたが、ONE参戦前のホームリング=DEEPにて復帰戦を迎えることになった。怪我から復帰戦が決まるまでの道のり、試合以外での活動を通して感じたことなど、長谷川が格闘技に携わる一人として今の自分について語った。


家から2~3分のところにあるコンビニに松葉杖をついて20分かけて行った

――約5年5カ月ぶりの試合復帰が決まりました。最近では大会運営など裏方で活躍することが多かった長谷川選手ですが、試合したいという気持ちはずっとあったのですか。

「ありましたね。ただその気持ちを抑え込んでいたというか。試合するまでにクリアしなきゃいけないことが多かったんですよね」

――2019年3月のONE日本大会でのンサン戦を最後に試合から遠ざかる形でしたが、契約そのものはどういう状況だったのですか。

「ONEの方からは特に連絡がなくて、一度マネジメントを通して確認した時はまだ契約は切れてないという感じの返事だったんです。だからもし復帰戦をやるならONEという状況で、中途半端なまま復活は出来ないと思っていました。僕自身、ンサン戦以降はセミリタイア状態だったし、トレーニングキャンプに入る時間もなければ、キャンプそのものに耐えられる体も作れていない。

正直もう一度、ONEのあのレベル・強度で試合をする状況は整えることは出来ていなかったです。その一方でONEと契約がどうなっているかの話は進んでいなくて、改めてONEに契約の確認をしたら契約が切れたということで、それで復帰する舞台の選択肢が広がった感じですね」

――では身体と契約の状況もあって、なかなか復帰戦を明確に考えることができなかった、と。

「はい。ンサン戦後の手術もあって、最初の2年間は試合が出来なくて、2022年2月に復帰戦が決まったんですけど、その試合を腰の怪我で飛ばしちゃったんですよね。その怪我もかなり重症で1年くらいまともに動けなかったんです」

――長期欠場の理由はンサン戦の怪我だけではなかったんですね。腰の怪我は日常生活にも影響があるレベルだったのですか。

「はい。腰とケツが常に張っていて激痛が走るから、まっすぐに立っていられないんですよ。ずっと体が右に傾いていて、前屈もできない。トイレに行くのにもものすごく時間がかかったり、家から2~3分のところにあるコンビニに松葉杖をついて20分かけて行ったり、1日5個にしてくださいと言われていた座薬を10個使ったり………とにかく生きていて辛かったです」

――結局どこの負傷だったのですか。

「医者からはヘルニアと梨状筋の(怪我)と言われていました。とにかく色んな治療にチャレンジして少しずつ少しずつ良くなって、最終的にはPRP注射で回復した感じです」

北米に挑戦したり、上を目指すルートを創りたいと思って活動していますが、意外とそういう考えの選手は少ない(苦笑)

――そういったこともあって現役を続けるよりも、運営側にに回っていこうという考えになっていったのですか。

「試合はしたいけどできない。だからそういう(運営側に回る)タイミングなんだなと思いましたね。僕は選手の待遇面を変えたいというか、イベントの手伝い、色んな選手にチャンスを与えることをやっていこうと思いました」

――具体的にはどういった活動をされているのですか。

「主に外国人選手の招聘を手伝っています。僕としては日本にいながら外国人選手と試合をする機会を作って、そこから北米に挑戦したり、上を目指すルートを創りたいと思って活動しています。そういう道を目指す選手にどんどん出てきて欲しいのですが、意外とそういう考えの選手は少ないというのが現状です(苦笑)」

――今の日本のMMAは外国人選手と試合をする機会が少ないですよね。

「今は外国人選手と戦うというハードルそのものが高いですよね。例えばずっと日本人相手に戦っていた選手がRIZINに出るチャンスを掴んで、そこでいきなり強豪外国人選手と試合が組まれたら相当キツくないですか? 今の日本のMMAは戦う舞台・相手のレベルが一気に変わってしまうというか、僕もプロで13戦してRIZINでブレナン・ワードとやったんですけど、全くパンチが見えなかったんです。

それまで3試合ぐらい経験した外国人選手と、ブレナンは明らかにレベルが違いました。そこで初めて打撃をちゃんと教わろうと思うようになったのですが、もしDEEPで試合をしている時にそういう相手とやれていたら、もっと早い段階で打撃を強化しようと思ったと思うんですよね。だから僕は(日本人と)同じレベルか少しチャレンジするレベルの外国人選手……フィジカルがあって得意な部分と穴を併せ持っているようなアジアの選手を招聘して、大舞台や世界を目指す選手に経験を積んでもらいたいと思っています」

――そういう意味では長谷川選手が携わっているGladiatorから河名マスト選手がRoad to UFCに出場したことは、それまでやってきたことの成果ですよね。

「そうですね。自分のことじゃないのに自分のことのようにうれしかったです(笑)」

佐伯さんからは「お前、ONEと契約切れたらしいな。早く言えよ!」と

――その中でDEEPで復帰戦が決まるわけですが、これは長谷川選手の方から手をあげたのか、佐伯繁代表から声がかかったのか。どういった流れで決まったのですか。

「ずっと周りの人は僕に試合をさせたがっていて(ONEの)契約切れが分かったその日に佐伯さんから電話がかかってきたんですよ。しかもマネージャーから契約切れの連絡があった30分後くらいに。誰から聞いたのか分からないですけど(笑)」

――まさに速攻ですね(笑)。

「佐伯さんからは『お前、ONEと契約切れたらしいな。早く言えよ!』と言われて『僕もそれを知ったのが30分前なんですけど…』みたいなやりとりをして(笑)。それで8月に野外イベントをやるんだけど出てみないかと打診されて、ドラゴンボールの天下一武道会みたいで楽しそうだなと思って決めました」

――話をまとめるとONEの契約切れが分かって、すぐに復帰戦が決まったんですね。

「はい。最初の電話で佐伯さんから『明日、事務所に来て』と言われて、次の日にはイベントの詳細と『対戦相手はSAINTでどう?』と言われて。相手のことはよく分からなかったんで『誰でもいいですよ』と言ったら、目の前で佐伯さんがSAINT選手サイドに連絡を入れて、2~3分後にOKの返事が来たんです。だからONEと契約切れが分かって、24時間経たないくらいで復帰戦が決まっていました(笑)」

――まさに怒濤の1日でしたね(笑)。練習自体は動ける範囲で続けていたのですか。

「ちょいちょいやってたんですけど、趣味レベルですね。体を動かして気持ちいい感じでやる練習みたいな。だから今試合に向けて追い込んでいて、体的にはすげえ辛いです。でもむちゃくちゃ楽しいんですよ」

――厳しい練習すら楽しめていますか。

「はい。周りからも最近顔が変わったよって言われるんです。そのくらい格闘技を楽しめていますね。なんでこんなに楽しいんだろう……あんなに辛いのに。だからバカなんですよ。最高のバカです(笑)」

――怪我を含めて本当に大変な時期を過ごしたと思うのですが、それでも戦いたいと思ったということは、何かしらまだ試合に対して気持ちが残っていたということですか。

「ンサン戦のあの内容じゃ終われないですよね。僕の中では中途半端な形で終わっちゃったんで」

――ンサン戦は試合中にンサンのミドルキックで横隔膜が切れて出血し、最後はンサンの右フックからのパウンドでTKO負けという結果でした。試合後には緊急手術も受けるなど壮絶な試合でしたが、あの試合は結果や内容に対して悔い、やり残しがあったのでしょうか。

「あの試合はやり残したことがあるというか、やり切れなかった、出し切れなかったんですよね、自分を。まあ試合中にアバラが折れて力が入らないから、そりゃそうだよなとは思いますけど」

――実際にあの時は試合中どういう状況だったんですか。

「僕の左ストレートにンサンの右ミドルがカウンターでもろに入る場面があったんですけど、おそらくそれだと思います。ミドルの衝撃が明らかに変だったんで。なんて言うんだろう。とにかく痛いんですよ。固いものと固いものがぶつかって、こっちの固いものが負けた感じというか。とにかく普通じゃない痛みだったので、何かしらのトラブルがあったことはすぐ分かりました」

「このまま朝まで出血が続いたらどうなると思う? 朝になったら死んでるよ」と言われちゃって(苦笑)

――今まで格闘技をやっていて感じる痛みではなかったですか。

「いや、そういう痛みは何回か経験しています。眼窩底骨折で試合が終わった時とか、前十字(靭帯)を切った時とか。その時と同じくらいの痛みだったので、試合後はただで済んでないだろうなとは思いました。でも試合中そんなことは頭の片隅にしかないじゃないですか。とにかく勝つことだけを考えて、この状況でどう勝とうかを考えてましたね」

――ただ身体は言うことを効かなったと。

「はい。とにかく痛くて体を回せないし、ガードを下げたら顔をやられるからガードは下げられない。それでもう正面突破するしかないと思って行ったら、案の定ンサンに右を打ち抜かれました」

――試合後はすぐに病院に搬送されたのですか。

「試合直後にドクターに『アバラがやばいです』と伝えたら『折れているだけだから、明日病院に行ってください』と言われたんですよ。でも控室に戻ってから明らかに痛みがおかしいんです」

――それは周りも気づいていたのですか。

「いや、周りは気づいてなかったです。ただ僕は過去にアバラを折ったことがあるし、その時とは痛みの度合いが違ったんで『絶対におかしいから、今すぐ病院に行かせてくれ』と頼んで病院に搬送してもらいました。ただそこがあまり大きくない病院だったこともあって(アバラは)折れてないという診断だったから『嘘でしょ?』と思って、絶対折れてるからCTスキャンを取ってくれてとお願いしました。

それでCTを見たらアバラが折れていることが分かって、しかも肺の横に血が溜まっていると。それですぐ大学病院に連れていかれました。この時は本当に意識がなくなりそうになっていて、緊急搬送の隊員さんが来てくれたときには椅子にも座っていられなくて、地面に寝転がっていたんです。そこから段々気持ち悪くなってきて、血圧も3分前は130ぐらいあったのが、一気に82くらいまで下がっちゃって。正直、その3分くらいの間に『俺、このまま死ぬな』と思いましたよ」

――そうだったのですね……。

「大学病院に運ばれて点滴を入れてもらったら少し回復して。それで麻酔を打ってもらって、溜まっている血を抜くわけですけど、僕は筋繊維と脂肪繊維が分厚いから血を抜くための針が簡単には通らないと。アバラとアバラの間に針を刺すんですけど、それがもうあまりにも痛すぎて。痛みで失神寸前でした」

――しかも出血量そのものが2リットルですよね。

「抜かれた血は容器に入れられてベッドの下に置いてあったんですけど、2リットルって一番デカいペットボトルくらいの量じゃないですか。それを見たときに自分でもひきましたね。しかも血を抜いて終わりじゃなくて、そこから傷口をふさぐための手術が必要だと言われて。でもあまりに体がしんどいから『血を抜いて終わりじゃないんですか?』と言って抵抗したんですけど『このまま朝まで出血が続いたらどうなると思う? 朝になったら死んでるよ』と言われちゃって(苦笑)。

傷の場所によっては胸を開いて手術しなきゃいけないと言われて、それは本当に嫌だったんですけど、命と引き換えにはできないじゃないですか。そうしたら不幸中の幸いで、胸は開かずに内視鏡による手術で済みました」

――もし最初のドクターの診断に従って翌日病院に行こうと思っていたら、と思うとぞっとしますね。

「今ここにはいなかったと思います。あとでこのことを知り合いのドクターに話したら、むちゃくちゃ怒っていましたね。どういうことだ!?って」

選手にいい想いをしてもらいたいと言っている人間が下手な試合はできない

――そういった経験をしたからこそ、悔いなく格闘技をやりたいとか、選手に対して少しでもいい思いをさせてあげたいとか、そういった考えを持つようになったのでしょうか。

「そうですね。選手としては試合中の怪我で自分を出し切れなかったという悔いが残っていたし、裏方としてはみんながみんな恵まれた条件・環境で試合が出来るものではないから、何かを変えなきゃいけない。自分が出来ることをやりたいと思うようになりましたね」

――今回はファイターとしてリングに立つわけですが、自分の試合を通してどんなものを見せたいですか。

「きっと僕のような経験をした選手は少ないと思うんですよね。で、復帰が決まってから逆に恐怖心がなくなったというか、練習でも前よりも怖くなくなったというか、気にしなくなりました。それが試合になった時にどうなるのかは自分でも分かりません。あとは試合には関係ないことかもしれませんが、選手にいい想いをしてもらいたいと言っている人間が下手な試合はできなくない?とは思っています」

――そういった意味では今までの試合とは責任感も変わりましたか。

「昔とはちょっと違うかなと思っています。正直、自分がどれだけ強くなってるか?というのはないんですよね。もし5年前の僕だったら、SAINT選手は問題ない相手だったと思います。でも今回は自分の弱さと向き合いたいというか、試合では怖さをなくして戦いたいです。練習では怖くないようになっているから、いざ試合の時にどうなっているのかですよね。

技術的にはなぜか上がっているところもあって。打撃に関しては技術的に良くなっている。結構人を倒す感覚を掴んでるんですよ。コツン!とやれば、こうやって倒れるんだみたいな。練習では相手にちょっと嫌な顔をされることが多くなりました」

――今の長谷川選手だからこそ見せられる試合があると思うので、それを楽しみにしています。

「ンサン戦で悲しい想いや落胆させた人たちがいたり、もっと頑張ればいいじゃんと言ってくれた人たちもいます。怪我で試合が空きましたけど、前回悲しませた人たちに復活したんだぞという姿を見せたいですね」

■DEEP Summer Festibal in Odaiba視聴方法(予定)
8月31日(土)
午後5時50分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■ DEEP SFIO対戦カード

<メガトン級/5分3R>
長谷川賢(日本)
SAINT(米国)

<フェザー級/5分3R>
西谷大成(日本)
海飛(日本)

<バンタム級/5分3R>
窪田泰斗(日本)
日比野”エビ中”純也(日本)

<バンタム級/5分2R>
大岩翔哉(日本)
Akiyoshi(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
安井飛馬(日本)

<バンタム級/5分2R>
朝比奈龍希(日本)
漆間將生(日本)

<54キロ契約/5分2R>
坂本瑠華(日本)
月井隼南(日本)

<バンタム級/5分2R>
八須拳太郎(日本)
みやび(日本)

<アマ・フライ級/3分2R>
琥(日本)
近藤大真(日本)

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【PFL&ONE】三浦彩佳meets 渡辺華奈─02─「修行です」(三浦)&「超結果主義者なので」(渡辺)

【写真】凄く面白い対談となりました。イメージアップには役立っていないかもしれないですが…… (C)MMAPLANET

6月13日のPFL2024#04でリズ・カモーシェとシーズン2戦目、そして3年前のリベンジ戦を戦った渡辺華奈とONEで戦う三浦彩佳の対談後編。
Text by Manabu Takashima

渡辺の敗北こそ喫したが、MMAファイターとして成長振りをハッキリと見せた。そんな充実の3カ月を過ごした渡辺に対して、試合がなかなか決まられない三浦はどのような心境できるのか。また渡辺の試合から何を感じることができたのか。

柔道ベースの渡辺と三浦だが、渡辺はいち早く柔道を利したMMAを戦う。首投げとアヤカスペシャルを持つ三浦に対し、渡辺のアドバイスとは──。渡辺がこれまで取材で見せていなかった一面を開放したことと同様に、注目してほしい。

<渡辺華奈&三浦彩佳子対談Part.01はコチラから>


──カモーシェは、男子のプロレベルですか!!

渡辺 ハイ。しかも階級が上の男子選手ですね。ただ、あそこからの対応は凄く練習をしていたので焦ることはなかったです。同時にすぐに立ち上がると、離れられて打撃の展開になりタコ殴りされるかもとか色々と考えました。

──考え得る限りベストの試合展開はどういう風だったのでしょうか。

渡辺 打撃を出してからテイクに入りたかったです。それが気が付けば走っていました。アハハハ。

三浦 もう決めていたかのような仕掛けでしたよ。それに隼人さんと、切られてからの練習をしていましたよね。

(C)PFL

渡辺 そう。

がぶられても、その手を外して、差し返してテイクダウンを取るという練習をずってやっていました。練習でイジメられていた良かったです(笑)。ただ自分がテイクダウンを決めてトップをとっても、今までに経験したことがない強さを下から感じました。上を取ると、もっと簡単にできるかなって思っていたのに凄く上手かったです。プレッシャーが強くて……必死に戦っているなかで、あの圧力が少し楽しかったです。

──楽しかったですか。素晴しいですね。スクランブル中やテイクを切られた時などに、カモーシェが相当の勢いでパンチを入れるシーンもありました。カモーシェは一度秒殺をしている相手に対して、全く奢るところがなかったです。

渡辺 ハイ、もっと調子に乗っていてほしかったです。

三浦 ずっと華奈さんのことをリスペクトしていましたよね。

渡辺 ……。でも、クソって感じです(笑)。

三浦 あの肩固めの極まり具合ってどうっだったんですか。

渡辺 う~ん、私は結構、肩固めが得意なんだけど。

三浦 マジで、フィニッシュできるんじゃないかと思って視ていました。

渡辺 ちょっと、ずらされた。

三浦 足じゃなくて、ずらされていた?

渡辺 ずらされていた。

三浦 潰されますよ、華奈さんの肩固め……本当に。もう我慢とかの問題でなく、骨が圧迫されて。男の人に仕掛けられるのとも、違っているんです。

渡辺 でもさっきも言ったけど、本当に男と戦っているような感じで。「コイツ、女か?」って。エヘヘヘヘ。

三浦 リカバリーも凄かったですよね。

渡辺 でも向き合った時に、コイツもビビっているなと思いました。もちろん、私もビビってたんですけど。「あっ、人間なんだな」と思いました。

──勝てると踏んでいたのか、五分五分、もしくは不利だけどひっくり返そう。この間の経験を積んで来て、正直なところ試合前の自信はどれほどだったのでしょうか。

渡辺 自分が絶対に勝つとは思っていたのですが、心の奥底で五分五分の勝負を何とかモノにするという気持ちで挑みました。ポイント的にはフィニッシュをしないといけないし、勿論フィニッシュは狙うけどプレイオフのこととかは一切頭になくて。「とにかくコイツに勝ちたい」、「骨が折れても勝ちたい」と考えて戦った……結果、負けてしまったんですけど(苦笑)。ボロボロになっているのも練習通りです。アハハハ。

三浦 結果的に1Rと2Rを取っていますよね。これは行けるって……特に肩固めの時に思って。それはカモーシェが苦しんでいて、本当に必死だったじゃないですか。

渡辺 フゥゥみたいな苦し気な呼吸が聞こえたんですよ。 

三浦 もちろん試合を視ている時は初回と2Rのポイントが分かっていなかったですが、それでも最後まで戦えば勝つと思っていました。

──腕十字というのは意外でした。

渡辺 自分が一本を取られるなんて、想像もしていなかったです。メリメリメリって音がして

──うわぁ……。想定していない形でびっくりタップではなかったのですね。

渡辺 下から殴られて、それも効いていて。カッとなって、「ふざけんな」って言う風に思い切り殴りにいってしまったんです。十字の対処も焦っていましたね。あそは練習通りでない対処をしていました。

ただ、あのワンミスは普通の選手なら見過ごしてと思います。でもカモーシェは見逃してくれなかった。そこはもう一枚上手だったと認めるしかないです。

──立ち上がって時点で、ヒジが抜けるという感覚だったのでようか。

渡辺 はい。それはありました。でも、立つかどうかというタイミングで極められてしまいましたね。三角を狙われたりして。

──結果論なのですが、立ち上がると同時にカモーシェの頭を跨いでいれば……とか思ってしまって。

(C)PFL

三浦 めっちゃ、そうなんですよね。

渡辺 そうなんですよ。あの時は立てば抜けるかもって思ってしまって。汗もかいているし。あと数秒だからと。

三浦 8秒ですよね……。

渡辺 練習だと立つってことあまりやらないのに……逆に私が仕掛けていたとしても、カモーシェなら立たなかったと思います。緻密だし、そういうミスはしない。そこの差が出た試合だと思います。それは認めています。

(C)PFL

──勝負なので、勝ち負けはついて回ります。

それでも、足にしがみついても上を取るという姿勢は見ている者の胸に何かが突き刺さったファイトだと思います。

渡辺 良い試合だったと言ってもらえることは嬉しいです。でも自分は超結果主義者なので。やっぱり凄く悔しいです。

──勝った人間が正義。ですが、そこまで勝ちに拘っているからこそ、負けてもその姿勢を貫いていることで皆が感動をしたのだと思います。

渡辺 ありがとうございます。MMAを始めた時に世界チャンピオンになることと、もう一つ目標があって。

──それは?

渡辺 一度、完全に柔道で挫折して。そこからMMAをやるようになりました。その時には「誰かに勇気を与えることができるようになりたい」と思って始めました。自分が本当にクソみたいなところまで落ちていたので。

──話の腰を折って申し訳ないですが、相当に言葉使いが悪いですよね。これまでの取材ではなかった部分です。三浦選手がいてくれて、素が出てきたというか、

三浦 本当に華奈さんは真面目ぶっているんですよ(笑)。

渡辺 アハハハハハハハ。

三浦 これがいつも通り……いや、これでもマイルドなので全く問題ないです(笑)。もう、練習中とか酷いですから。男の人より、言葉は悪いです。

渡辺 中学生の子のケツを「おいっ!!」って言いながら叩いたり(笑)。

──ケツ……。皆に勇気を与えられる言葉ですね(笑)。

渡辺 アハハハ。どん底まで行った人間が、頑張ればチャンピオンになれる。そうすれば「私も頑張ってみようかな」と思ってくれる人が出てくるかもしれない。そうやって勇気を与えられる選手になる。それはチャンピオンになるのが一番で。負けてしまったけど、そういう風なことがチョットできたなかって……でも、複雑ですね。

──僅か3カ月の間にPFLの2試合で色々なことを経験して、葛藤もしていた。そして一生懸命だった渡辺選手を見て、自身と照らし合わせるとどういう想いでしたか。

三浦 羨ましかったです。

──1月に勝って、そこから試合がない。途中で発表されてキャンセルされた試合も、他の日本人選手が勝った相手だった。なかなか厳しい時間が続きますね。

三浦 それもありますか……自分はそもそもストロー級の選手だという気持ちでいるんです!! ヂィンナンとなるという気持ちが強くて。最初にアピールさせてもらったのはスタンプが欠場になったんだから、9月にヂィンナンと組んで欲しいということでした。でも、9月大会からヂィンナンがいなくなっていて。

渡辺 三浦さんと一緒にいて……「試合が決まりそう」、「でも、なくなった」、「決まった」、「流れた」っていう話があり過ぎる。なんか、びっくりします。コロコロ変わって。

三浦 それでも去年よりマシだっていう風に考えていて。去年は試合に負けた状態で有る、無い。ある、ないが続いていて。精神的に本当に焦っている状態が続いていました。

渡辺 続いていた。うん、続いていた。

──ようやく決まった平田戦も、不本意な試合だったことは確かで。

渡辺 あの試合はよく戦いましたよ。因縁なんてないのに、無理矢理に因縁を作られて。お互い、お別れしてから次の相手と付き合いだしたわけで。それがね、被ったりしていたら自分もボコボコにしてやりたいですけどね。アハハハハ。

あっ、自分もそういうのやりたいなぁ。なんか、因縁創ってくれないですか(笑)。

──面白がっているじゃないですか。

三浦 アハハハハ。酷い。

──いずれにせよ、平田戦を受けた。そして勝った。ならご褒美は?となりますよね。

三浦 しんどいのが続いています。

──ONEと契約している選手って、しんどい状況のなかでポジティブな面を見つけるのが上手くなっていますよね。

三浦 そうなんです。それなんですよ。どうやって自分のモチベーションを保つのか、修行です。(若松)佑弥君もずっと「精神修行です」って言っていますけど、ホンっとに、その通りです。でも、長南さんも常に試合ができるように、動いてはくれるので……秋ぐらいには、と。

──同時に渡辺選手もPFLシーズン制の厳しいところで、3カ月で2試合を終え、プレイオフ進出を逃すと試合がない。逆にONEだと「負けても、良い試合だった」と次がすぐに決まることもあります。

渡辺 その点でいえば、本当にどれだけ良い試合をしても、結果は一本負け。それしか残らないんで。意味ないですよ。

──意味がないなんてことは決してないのですが、次の試合という部分になると過去にないケースではあるかと思います。

渡辺 どうなるんですかね。Bellator Championship Seriesに出られる可能性があるかもしれないし、年末に何かあるかもしれない。Bellatorの時に結んだ契約は残っているので、それがどのタイミングで組まれるのか──ですね。

三浦 決まっているのは、カラオケだけですか(笑)。(※8月31日にDEEPサマーフェスティバルでMMAファイターのカラオケ大会が行われる)

渡辺 そう。人生はポジティブな要素を見つけて生きないといけないので(笑)。真面目な話、試合が決まっている期間は自分の武器を増やせない。この試合が決まっていない期間に手持ちの武器を増やして、成長できればなと思っています。

──両者とも柔道ベース。凄く対談の締めっぽくなるのですが、渡辺選手から三浦選手にアドバイスをできることなどありますか。

三浦 お願いしますっ!!

渡辺 えぇと……下にならない。下にならないというか、背中をつけたままにしないこと。それは試合でも、練習でも。自分がそこを心掛けるようになって、変わることができました。下になっても腕十字、三角絞め、足関節、アームロックという攻める手段はあります。でも、そういうのは全部捨てて。レスリングでボッコボコにされて苦しいけど、何が何でも背中をつけずに上を取るという気持ちをずっと持っていたら、ちょっと自分は変わることができました。

カモーシェ戦もバックは取られましたが、一度も背中はマットにつけていないです。そこ……ですかね。首投げを失敗しても、下になって足関節とかいかない。レッスルアップからテイクダウンをしてリバーサル……上を取る。でもね、下になることがあるんだから、下の練習もしないといけない。そして、如何に下なる時間を短くするのか。自分はテイクダウンを仕掛けられている瞬間に、立つことを考えています。

三浦さんは試合で下になっていないので、そこまで考える必要はないのかもしれないけど、練習でやっておくと試合で役に立つ時がくるから。

三浦 確かにレスリングの練習で追い込まれても、華奈さんは立っていますね。私は追い込まれると、体も思考も止まることがあって。

──三浦選手は思い通りならない時に、焦りというか感情が表情に出ているような気もします。

三浦 そうなんです。

──あのう……渡辺選手、今の時代にコレを尋ねると、色々と言ってくる人もいるかと思いますが……。

渡辺 ハイ。何ですか(笑)。

──女を武器に生きたことがありますか。

渡辺 ないです。それは絶対にいえます。

──渡辺選手からは「ワァ」、「キャア」という空気が一切感じられなくて。

渡辺 えぇ、それ感じない?  ちょっとぉ、感じてぇ。

三浦 アハハハハハ。

渡辺 キャァァァァァァ。感じてぇ(笑)。

──ダハハハ。本当にこれまでの取材では本性を隠していたのですね。

渡辺 自分、練習で男に負けるもの絶対に嫌なんですよ。隼人さんに、ボコられても「コイツ、許さない」ってなりますから。

──とはいっても、その女性という部分がプロとしてセールスポイントになることもあります。三浦選手もパンクラス時代は女性タレントに似ているということで、可愛い派でいけましたしね。

渡辺 あぁ、西内まりあね。

三浦 やめてよ!!

──e-fightは、そうやって三浦選手の計量にメチャクチャ力をいれていましたよ(笑)。

渡辺 でもDEEP JEWELSの計量が水着着用の頃、私も水着でテカテカを塗られたけど、もうボディビルダーみたいになっちゃって(笑)。

──ハハハハ。絶対に女は売りにはならないと。

渡辺 あの頃は何も分かっていなくて、言われたことをやっていたけど今から考えるとヤバいですよ(笑)。ただ実際、三浦さんは練習で自分より大きな相手の選手とやることが多くなって、ガチで競り合えることが少なくなってきたから。そこは難しくて。

三浦 ハイ。体が小さくなってしまって。

渡辺 自分はガチで競り合いができる相手が、男子の選手にいるので。渋谷(カズキ)さんとか、ガンガンにやっています。

──渋谷選手が下になってヒールを狙うと、「下になるな」って怒るのですか(笑)。

渡辺 アハハハ。でも、ヒールを取られちゃうんですよ。

三浦 その時の表情が、マジでイラついていて(笑)。

渡辺 ムカつきますよね。ふくやーまんとか、打撃はガチでできないけど組みの部分は全力でやりあえます。

──三浦選手は今、普段の体重が何キロぐらいなのでしょうか。

三浦 56キロぐらいですね。ただ、ここから少しでも増えると堀江さんから注意がはいるので。やっぱり52キロで戦うには。ストロー級でいきたいのですが、現状としてアトムで戦う可能性が大きいので。体を大きくすることができないんです。

──だと、男子のユニファイド・ストローの選手でも普段は5キロぐらいは重そうですね。

三浦 ハイ。以前は大きかったので、Fighter’s Flowに来ると男子選手とも体重が合っていたのですが今は大変ですね。

渡辺 でも、下にならないところは意識してほしい……ですかね。

──女子選手との練習は?

三浦 女子選手って結構、集まってやっているじゃないですか。JTTでも黒部(三奈=マスタージャパンの女子練習)さんのところも。そこには澤田(千優)選手が参加していて、ONEのアトムだと同じ階級になるから。HEARTSも樹ちゃんがいるから、ほとんどTRIBEでしか練習ができなくて。

渡辺 なら、樹ちゃんとやるしかないじゃん。エヘヘヘヘ。もう戦うこともないだろうし。

三浦 でも……こっちから声を掛けることは、やっぱりできないですよ。

渡辺 女子の軽量級って、本当に大変ですよね。そうやって練習相手も限られてくれるし、男子の選手が胸を貸してくれても、本番とは全然違う。競り合いにならないから。

三浦 そういう意味では、私が練習し甲斐があるのが春なんです。3月とか4月はTRIBEにプロ志望の子が入って来る時期で。そこに軽量級の子もいて、やる気満々で力だけある。そういう子たちだと競れるし、パワーは私よりもあって。でも、だいだい2カ月ぐらいで皆いなくなる……。

渡辺 そこかッ!! 

三浦 もう長南さんにはずっと入会キャンペーンをしてほしい。そういうプロ志望の子が、一番良い練習相手になるので。だから、海外で練習をしたいという気持ちはあります。どこか、精神的な修行の意味も込めて海外に練習に行きたいです。

渡辺 一緒に行く?

三浦 行きたいッスねぇ(笑)。タイとか、行ってみたいです。

渡辺 でも、遊んじゃうよ。

三浦 なら無理です。バカンスじゃなくて、修行がしたいので。

──TRIBE所属でONEで戦うと、修行好きになるのですね。

三浦 アハハハハ。でも華奈さん、タイだと暑いから服を着ないで済みますよね。

渡辺 着ます。服、着ます!! 服を着ないで済むって、おかしいでしょ。

三浦 私、服を着るのが嫌いなんですよ。家の中は裸族で、ほとんどパンイチで。

渡辺 えっ?  上は裸??

三浦 それかワンピースみたいなTシャツ一枚で、下はなんもなし。

渡辺 それってチョロチョロ見えるんでしょ。ちょっと、見せてみ!! どう、チョロチョロしてんの?

三浦 アハハハ。なんか、おっさんじゃないですか。本当にエロおやじですよ、それ(笑)。

──なんだか、もうとんでもない方向にいきそうなので。この辺りで対談を締めさせてください(笑)。世界で戦う渡奈選手の姿勢を身近にいる三浦選手がどう感じているのか。その辺りのことを伺って、世界を狙う女子選手が何かを掴んでくれればということでお願いした対談でしたが、結論として渡辺華奈はおっさんで、参考にはならないといことでした(笑)。

三浦 えぇぇ。まだまだ、ですよ。こんなもんじゃない(笑)。

渡辺 10パーセントぐらいですね。普段の。試合では実力の30パーセントしかだせなくて悔しい想いをしていますが、オッサン振りは10パーセントに抑えておきます(笑)。

──……。では三浦選手、日本女子を代表して頑張ってください(笑)。

渡辺 いやいやいやいや。

三浦 本当に華奈さんは、これまで取材になると隠していたのが凄いですから(笑)。私は秋ごろに試合があることを想定して、10月を目途として創っていきます。

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45 AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP Osaka Impact2024#03 DEEP121 K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC YouTube イ・イェジ サダエ☆マヌーフ パク・シユン 三村亘 修斗 古瀬美月 青野ひかる 須田萌里

【DEEP OSAKA IMPACT2024#03】8月25日名古屋から5週連続開催。締めの大阪で須田萌里×イ・イェジ

【写真】動くことができる相手だけでに、世さと成長を見せたい須田 (C)MMAPLANET

30日(火)、DEEPが9月22日(日)に大阪市住吉区の錦秀会住吉久美センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#03の対戦カードを発表されている。
Text by Manabu Takashima

中心部を挟んで北と南という位置関係にはあるが、須田萌里が1月20日のBlack Combatにおけるパク・シユン戦の敗北から地元・大阪で8カ月振りの再起戦に臨む。

対戦相手は元祖JKファイターのイ・イェジだ。須田としては韓国で受けた雪辱を韓国人ファイターに果たすという心境になるか。


RAOD FCのアイドル=イ・イェジはコロナ前には修斗で戦っていたが、昨年9月に3年10カ月振りの実戦をDEEP JEWELSで行い古瀬美月から判定勝ちを収めている。この間にRoad FCのおひざ元ウォンジュからソウルにベースを移し、元Road FCフェザー級王者イ・ユンジュンン指導を受けたことで、MMAの根幹となる部分が強化された印象がある。

イ・イェジはパク・シユンのようにレスリングの圧に打撃を加えたようなスタイルでないだけに、須田としてはソウルでの経験を活かし打には打、組には組、寝技には寝技という局面ごとで先手争いを制することが必要なファイトとなる。

ウェルラウンダーだが、一つ一つの強度はそこまでもないイ・イェジが、幻のK-MMA最高級ウェルラウンダーによって、どこまで強化されているか。圧と組み力を知るのはケージの中に入ってからだろうが、そこを見越して先手必勝で戦いたい須田だ。

同大会ではこの他に3回戦でフェザー級の三村亘✖鬼山班猫戦、2回戦では青野ひかる×サダエ☆マヌーフの女子49キロ契約マッチ、関西の陰の実力者という評価を維持するにはもう本当にあとが無くなった瀧口修生が、ボンサイ柔術所属で2勝2敗ペレイラ・ユージ・ラファエルとのマッチアップなどが見られる。

そんなOSAKA IMPACTまでDEEPは8月25日のNAGOYA IMPACTを皮切りに31日のお台場サマーフェスティバル大会、9月7日のTOKYO IMPANCT & JEWELS、そして15日のDEEP121と5週間に渡り毎週大会が開かれることになる。

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DEEP DEEP JEWELS K-1 MMA o RIZIN キック スーリ・マンフレディ パク・シウ ライカ 万智

【DEEP JEWELS】万智 K-1・BKFCに参戦のマンフレディと対戦!

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RIZIN参戦ファイターが大挙出場して波に乗るDEEP。先日開催されたDEEP 120 IMPACTもチケットはソールドアウト。立見席も販売されるなど大盛況となりましたが、早くも9月8日にニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS 46の第一弾対戦カードが発表されました。

注目はRIZINでも勝利を挙げた万智(フリー)。5月のパク・シウ戦以来の復帰戦を迎えます。シウ戦は3R通してノンストップの激しい攻防。ファンや関係者の間でも感嘆の声が挙がる名勝負を展開し、負けはしたものの逆に評価を上げる結果となりました。

そんな万智の対戦相手。なかなか日本人では見つからないだろうと思っていたら、やっぱり来ました国際戦。しかも、ラウェイやBKFC(ベアナックルファイル)、そしてK-1にも参戦経験のある危険なストライカーのスーリ・マンフレディ(Rage Fight Team)をぶつけてきました。

戦績を見ると、WBCムエタイ女子世界スーパーフライ級元3位で33勝9敗1分との事。しかし、2022年に参戦したK-1ではKANAと対戦しハイキックを被弾してKO負けを喫しています。MMAでの戦績も2勝5敗2分と決してきれいとは言えません。

グラウンドにどこまで対応出来るかは不明ですが、テイクダウンに秀でた万智に寝技に持ち込まれたらあっと言う間に瞬殺される可能性も十分。それでもリスクのあるラウェイやBKFCに挑戦するマンフレディのファイティングスピリッツにはどこか期待してしまうんですよね。。。。万智がしっかり仕留めるか。マンフレディが番狂わせを起こすか。楽しみな試合です。
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45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS46 HIME K-1 MMA MMAPLANET o ONE YouTube スーリ・マンフレディ パク・シウ ボクシング 万智 大島沙緒里 彩綺 村上彩 桐生祐子

【DEEP JEWELS46】万智の再起戦──K-1ベテランのラウェイ王者=ステゴロ#01マンフレディ戦が決定!!

【写真】MMAファイターは喧嘩が強い人間より、MMAでは強くないといけない。万智が競技的でない強さを見せることができるか(C)MMAPLANET & ONE

17日(水)、9月8日(日・同)に東京都港区のニューピア・ホールで開催されるDEEP JEWELS46で万智がタイ在住のフラン人ファイター=スーリ・マンフレディと対戦するストロー級3回戦など、11試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

万智は5月にパク・シウとのDEEP JEWELS暫定ストロー級王座決定戦をJ-MMA史上に残る激闘ながら末惜敗し、ベルトを巻くことができなかった。その一方で王者となったパク・シウのヒザを破壊するなど、しっかりと爪痕を残した万智が国際戦で再起戦に挑む。


対戦相手のマンフレディはパタヤにあるRage Fight Team所属のファイターで、MMAは母国フランスで3連敗からスタートも、タイに拠点を移すと直近の4試合は2勝2敗のレコードを残している。

マンフレディのファイト歴はMMAだけで語ることはできない。彼女はWBCムエタイのスーパーフライ級で世界ランキング3位にランクされたこともある立ち技女子戦士だ。2022年6月にはK-1に来日し、KANAと対戦。3RでKO負けを喫しているもの1Rにパンチを効かせ、「記憶が飛んだ」とKANAをして言わしめたハードパンチャーでもある。

しかし、マンフレディの拳の強さはボクシンググローブでは威力が半減され、またK-1ルールも本領発揮できるものではなかった。彼女はWLC=ミャンマーラウェイで史上初の女子世界王者に輝き、ベアナックルファイトの経験も豊富で、つまりは素手で最大限に力を発揮する。

またクンクメールをベースとしたMAS FIGHTでは9分1R&ジャッジ裁定なし、KO決着ルールが基本というなかで寝技ありルールに挑み、腕十字や絞めで勝利している。

K-1プロデューサー時代にマンフレディを招聘した中村拓己氏はラウェイの世界戦で首相撲からヒジを入れ、ヒザをついた相手の後頭部の縦ヒジを落とした末のえげつないKO勝ちを見て、「エグイ勝ち方で、ガツガツいくタイプだったので、K-1ルールに向いていると思ってブッキングしました。女子でここまで躊躇なくいける選手はなかなかいないので」と招聘理由を振り返っている。

それでいてなお、マンフレディは「グローブがないほうがもっと自由に試合が出来る。もっと純粋な戦いという感じがして、グローブをしないスタイルのほうが自分は好きだと思っている」と話していたそうだ。

実際ラウェイでは首相撲からエルボーだけでなく、ヒザ蹴り、頭突き、そして首投げも披露しており、素手に強いというよりもステゴロの猛者という雰囲気のファイターだ。

もちろん、テイクダウンから先という部分で万智のアドバンテージは絶対だろう。加えて万智はMMAの打撃の理解も進んでいる。それでも素手に近いMMAグローブでのマンフレディのパンチの破壊力、ゼロ距離でのエルボー&ヒジ打ち、何よりも怖いモノしらずの喧嘩ファイトが、万智の戦いにどのような影響を与えるのか。

マンフレディ戦はMMAの枠を超えた戦いという部分で、万智に成長をもたらすファイト──そして、何が起こるか分からない危険が伴う試合になる可能性がある。

この他3回戦ではHIME×彩綺も倒せる女子対決=49キロ契約、大島沙緒里に敗れDEEP JEWELSミクロ級王座を失った村上彩の再起戦=アトム級での桐生祐子戦。2回戦でも──KOパンチャー=LIBBYの再来日=須田美咲戦と、最近のDEEPの勢いが感じられるバラエティに富んだマッチアップが揃っている。

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45 DEEP DEEP JEWELS MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase346 RIZIN YouTube パンクラス ボクシング ライカ 杉山しずか 海外 重田ホノカ

【Pancrase346】重田ホノカに挑戦、杉山しずか「今の若い子たちは最初から答えをもらっているから」

【写真】サラリと、意地が感じられる言葉を発していた(C)MMAPLANET

21日(日)、東京都の立川ステージガーデンで開催されるPancrase346で、杉山しずかがフライ級QOPの重田ホノカに挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

プロデビュー4戦めでベルトを巻いた重田にとっては、この試合が初防衛戦となる。対する杉山しずかは2008年のプロデビューで、これまで2度DEEPJewelsの王座決定戦に臨みながら、チャンスをモノにできなかった。改めてパンクラスで掴んだベルト挑戦のチャンス。重田ホノカとともにタイトルマッチ調印式に出席した直後の杉山に、2年のブランクとパンクラス参戦の経緯——そしてベルトへの想いを訊いた。


――先ほど記者会見が終わりました。「スーパー挑戦者」杉山しずか選手です。

「皆さん、その言葉に反応していましたね。それほどピックアップされる言葉だとは思っていませんでした(笑)」

――記事の見出しとして使いやすいと思います(笑)。「スーパー挑戦者」というのはチャンピオンより自分のほうが格上、という気持ちがあるのでしょうか。

「う~ん……、そういう気持ちはないですよ。『格の違いを見せる』とか驕ってはいないけど、『失敗は許されない』とは思っています」

――「失敗は許されない」とは?

「全局面で『ヒィっ!』と言わせるぐらいのパフォーマンスを見せないと、ベルトは獲れないと思うので。それは重田選手が相手ではなく、どんな相手も同じですね」

――前回のライカ戦も、一つのミスも許されない試合でしたか。

「そうですね。やっぱり元ボクシングの世界チャンピオンなので、打撃をもらわないように」

――そのためかライカ選手よりも杉山選手のほうが、常に先に手を出していました。

「攻撃は最大の防御でもあるし、もともと私がライカ選手より打撃の面で劣っているとも思っていなかったです。だから『打撃を使わない』という選択はなかったですね」

――元ボクシング世界王者に対して、打撃で圧をかけ、良い形で組むことができていた。それだけ自分の中で、MMAとして進化している実感はありますか。

「うん、あります! 前回の試合はその成功例ですね。毎回、試合ではトライしているけど作戦ミスがあったりして、負けることもありました。勝っても判定がスプリットになったりとか。相手との相性もあるとは思いますけど」

――DEEP JEWELSのフライ級GP決勝からパンクラスで復帰するまで、2年間も試合間隔が空いていました。ブランクの理由は何だったのでしょうか。

「それが……そう聞いて、私も『2年間も空いていたんだ!?』と思ったんですよ。2年の間に試合のオファーも頂いていました。いつもどおり練習も減量もしていたし、いつでも試合ができる状態ではあって。ただ、最終的に試合が成立しなかったという状態でした。あとは――う~ん、忙しかったですね。いろいろな仕事も増えて」

――いまや杉山選手はRIZINのレギュラー解説者ですから。そんななかで2年という時を経て復帰することも、その舞台がパンクラスになることも意外でした。

「私も『パンクラスに出ることはない』と思っていました。ずっと佐伯(繁DEEP代表)さんにお世話になっていましたから。私、会場で佐伯さんと会うと逐一、状況は話し合うんです。でもDEEPやDEEP Jewelsでは今、私の階級はタイ人とか海外から選手を呼ばないと試合を組むのが難しくなっていて。日本人選手はみんな対戦していますし」

――パンクラスに参戦することで、また新しい気持ちで試合に臨むことができているのですか。

「はい。すごい希望を持ってパンクラスに来ています。会見ではDEEP Jewelsのベルトとの統一戦がどうとか言っちゃって、パンクラスの人にどう受け取られているか分からないですけど――私としてはパンクラスでベルトを獲ったら防衛しまくって、いろんな人と戦っていくのが面白いかなと思っています」

――その会見では、怖い杉山選手を見た気がします。

「えっ!? そんなことないですよ!」

――着席後、最初にマイクを持った時の表情が……これは良い意味で、ファイターの顔だなと思いました。

「ありがとうございます(笑)。でも今回は相手に対する気持ちというよりも、『ベルトが欲しい!』という想いのほうが強いです。結構、自分勝手になってしまっているかもしれないですね。エゴというか」

――エゴ、ですか。

「エゴ、という言葉が正しいかどうかは分からないんですけど……。本当にベルトを獲ることしか考えていないという意味です」

――杉山選手は以前のインタビューで「自分の好きなことをする」といった旨の発言をしていました。復帰&パンクラス参戦で、その気持ちが強くなっているわけですね。

「勝つためには、その気持ちが一番シンプルだと思うんです。邪念もないというか」

――たとえばRIZINの解説では冷静に、客観的な杉山選手のMMA論を聞くことができます。それだけ杉山選手は格闘技に関する知識も経験も蓄積されていて、ライカ戦では、蓄積されてきたものを放出することができた。他の選手の試合を視て、解説することで自分自身のMMAも成長させることができた面はありますか。

「成長させてくれたとは思います。でも、もともと自分はああいう感じなんですよ。だから解説をすると『聞きやすいね』と言ってくれる人がたくさんいて。『これまで自分がやってきたことが無駄じゃなかったんだな』と思います」

――2年間も試合をしていない間に、辞めようとは考えなかったですか。

「ないです。辞める理由がないんですよ。だって、強いんだもん」

――言い切りますね!!

「私は今、本領発揮していますから。やっぱりポテンシャルが――マイルドな言い方ができなくて、スミマセン」

――杉山選手は禅道会の全日本リアルファイティング選手権に出場していた頃から、体格や身体能力などポテンシャルを見せていました。しかし、そのポテンシャルを発揮しないまま格闘技から離れてしまうのではないか、と思っていました。

「それは分かります(笑)。私は、そんな自分を打開してきました。今の若い子たちは最初から答えをもらっているから、できるのは当たり前で。でも私は自分から掴みに行きました。

だから、できない人の気持ちもわかっちゃうんですよ。その分、できる人の気持ちが分かるかといえば、分からないんですけど。ただ、できる人っていうのはバックボーンがあったりするか、燃えつけるのも早いと思います。私はバックボーンがないから燃え尽きていないし、今も燃えていられるんじゃないですか」

――なるほど。次は重田選手の持つパンクラスQOPのベルトに挑みますが、重田選手は防衛に成功すればストロー級に戻ると発言しています。「勝ち逃げ」とも取れる発言に対して、どの感じていますか。

「あぁ、それは別に……『そうなんだな』というぐらいで。この試合が終わったら重田選手が今後どうするかは興味ないですね。ストロー級に行ってもらっても構わないです。私が欲しいのはベルトであって、ベルトを巻くために重田選手に勝つので」

■Pancrase346視聴方法(予定)
7月21日(日)
午後1時45分~U-NEXT

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45 AB CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP120 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC YouTube   カルシャガ・ダウトベック サンチン パンクラス ボクシング ユン・チャンミン リョート・マチダ 中村大介 久保優太 五明宏人 佐藤洋一郎 修斗 嶋田伊吹 平田直樹 斎藤 朝太 木下カラテ 梶本保希 泉武志 海外 瀧澤謙太 石塚雄馬 神田コウヤ 竹原魁晟 誠悟 野村駿太 鈴木槙吾 阿部大治

【DEEP120】体重超過の神田コウヤと対戦する木下カラテが語っていた──ハマるパンチと空手論

【写真】これが加藤丈博流ハマったパンチ。この湾曲に注目 。そしてゴツイ拳だ(C)MMAPLANET

本日14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTで木下カラテが神田コウヤと対戦する。しかし、昨日の計量の結果、再計量でも1.9キロオーバーだった神田のイエロー2枚からスタートし、木下が勝利したケースのみ公式結果として認められるという変則マッチとなってしまった。
Text by Manabu Takashima

(C)TAKUMI NAKAMURA

格闘代理戦争のワンマッチで、ユン・チャンミンから見事なKO勝ちを収めたことでデビュー前から注目を集めていた木下。

だが修斗では打撃の強さを警戒されることとなり、厳しい状態が続いた。4年間で戦績は5勝6敗1分──しかし、2023年5月にからDEEPに戦場を変えると、RIZINでの久保優太戦こそ黒星を喫したが、DEEPフェザー級戦線では3連勝、3試合連続でフィニッシュ勝利と、結果だけでなくパフォーマンスそのものも変化している。

畠山祐輔、梶本保希に続き、タイトルコンテンダーの五明宏人を倒し、タイトル挑戦が見えてきた木下に変化、進歩について尋ねた(※取材は10日に行われた)。

すると空手家時代、そして今も師であり続ける武心塾・加藤丈博師範の「ハメる」論理を掴み、空手への理解を深めたことが好調の裏にあることが分かった。


──MMAPLANET初インタビューとなります。いきなりですが、DEEPで戦うようになってからの勢い。どのような変化が木下選手のなかであったのでしょうか。

「修斗で児山(佳宏)選手と戦って1RTKO勝ちができて、良い勝ち方ができたと思ったら、次の竹原魁晟戦(2022年10月)で酷い負け方をして。あの時に大沢(ケンジ)さんから、『層の厚いDEEPで戦って、より厳しい状況においてしっかりとやっていかないか』というようなことを言われたんです。

それから練習でも細かい部分を意識していくようにして、練習以外でも自分を変えよるようになりました。そうですね、ケージって戦う人間の人となりが出ると思うんですよ。今でも(江藤)公洋さんや大沢さんから『後片付けができない』って指摘されるんですけど(苦笑)、そういう部分ですね。やることは早く済ます……とか」

──つまり普段の自分を律するようにしたと。

「そこまでじゃないんですけど、普通のことを普通にできるように……ですね(苦笑)」

──普段の自分を変えることで、ここまで戦績も良くなった?

「人となりを気にすることで、練習への集中力が変わりました。打撃も組みも細かいところまで気にするようになって。何より練習の時から、本番に挑むイメージを持つようになったんです。やっぱり試合と練習は気持ち的にも違うので、そのズレを少なくするようにしました。

あと打撃の方では、自分の打撃の基礎は武心塾の加藤丈博(1991年、全日本ウエイト制中量級準優勝、第5回全世界空手道選手権日本代表。ボクシングでも活躍し、空手家としてMMA=パンクラスにも挑む)先生なんですけど、DEEP初戦だった畠山(祐輔)戦の頃になって、ようやく先生の言っていることが分かるようになったんです。

先生って技術が独特なんですよ。本人は謙遜されているんですけど、天才なんです。で、天才の言うことって全然分からなくて(笑)」

──アハハハハハ。凄く分かります。リョート・マチダが前蹴りでヴィトー・ベウフォートをKOをして、観空大の前蹴りだと言われても誰が真似ができるのかと。グレイシーがRNCや三角絞めで勝って、皆が影響を受けたのとは違うかと思います。

「そうなんですよ(笑)。空手の人たちってセミナーを開けないです。多くの人にいっぺんに教えるって、彼ては本来はできないものだと思うんです」

──確かに沖縄の手、唐手(トウディ)は、もとは1対1で指導をしていたもので。それが体育の授業に用いられ、集団に指導するようになって武道から運動に代わりました。

「僕は加藤先生から型も1人でやるものだと教わりました。直接の指導になると、ずっと基本稽古をやっていて。そこに先生は自己流でボクシングなんかを融合しているんですけど、その説明の仕方が奇抜すぎて(笑)。ずっと『何、言っているんだ』と思っていたんです。大体、第5回世界大会の日本代表なんて天才だらけですよね」

──緑健児、増田章、黒澤浩樹、八巻健志、七戸康博、岩崎達也、加藤丈博……。

「天才ですよ。天才の言うことは分からない(笑)。先生はパンチが巧い人で、その表現がハマるというモノだったんです」

──ハマる……。

「ハイ。もともと僕は蹴りの選手で、パンチは下手で分からないなりにやっているんですけど、『ハマんねぇな』と。でも、ハマるってなんだよって(笑)。そのハマるというのが、畠山戦前からようやく理解できるようになったんです」

──つまり、ハマるとは?

「それが……いざ、分かるようになってくるとハマるとしか表現のしようがなくて(苦笑)」

──ダハハハハハ。最高です。

「あれだけちゃんと説明してくれよって思っていたのに、いざ自分ができるようになると加藤先生と同じことを言っているんですよ(笑)」

──ハハハ。では畠山戦の左フックは?

「完全にハマったヤツです。手首でキュッと持っていくと、肩甲骨がキュッとハマって」

──自然とヒジが湾曲を描く?

「そうそうそう、それです!! そこでハメるんですよ。ヒジを下に向けると、肩甲骨がちょっと立つ。結果、サンチン立ちと一緒なんですよ」

──いや、木下選手からサンチンについて、そのような意見が聞かれるということは──木下選手のサンチンは極真のサンチンではなかったのですね。

「極真とは違って、ガニ股でも内股でもない。ヒザが内側を見ているようで違うんですよね。内も外も向いていない」

──だから内側からも、外側からも蹴られて強い、と。いやぁ、木下選手……面白いです。フルコンタクト空手家でなく、空手家ですね。

「そういうサンチンの構えの強さに気付いたのは、レスリングの練習をしていた時なんです。

時田(隆成。中央大学時代の2021年に全日本大学選手権フリースタイル61キロ級3位。アマパン=東関東選手権Sクラス・バンタム級Tで優勝)さんとトライフォース東中野で、平田直樹選手なんかと一緒に練習をしていて。

いうと、僕がほぼイジメを受けているような練習なんですけど(笑)。そこでテイクダウンを切るときにケツを入れると、親指はどうしても外に開くじゃないですか。そうなると、生物として弱い。簡単に倒されるし。『これはおかしい』って思うようになったんです。ガニ股のサンチンは違うって。

その時にK-1に出ている山口翔太選手に連絡をとって尋ねたんですよ。『ガニ股のサンチン立ちは、弱くないですか』って」

──スミマセン、立ち技格闘技は全く疎くて……。

「山口選手は、もともとは白蓮会館の空手家で白蓮の全日本は当然として正道会館やJFKOでも全日本で何度も優勝しています。今はK-1で活躍していて。そんな山口選手が山城(美智)先生の沖縄空手研究会に参加されていることを知っていたので……」

──「ガニ股のサンチンは違うだろう」と相談した?

「ハイ。山口選手と話して、僕も『親指を思い切り踏んで固定し、ヒザを外に向けてガニ股ということでなく、ケツを入れてヒザを崩れないようにする』ということだと気づいたんです」

──強いからブレず、でも柔軟に動くことできる本来……というのはおかしいかもしれないですが、空手の理ですね。

「そうッスよね。きっと、空手が沖縄から本土に渡って来た時に普及するために分かりやすさが大切になり、そのヒザの固定がガニ股とか流派によっては内股とかに変わってしまったんじゃないかと」

──MMAの試合を控えたMMAファイターとのインタビューから逸脱していますが、非常に面白いです(笑)。

「アハハハハ。でも、それって生き物として強いことだと思うんです。だから別に空手をやっていなくても、生き物として強い選手の姿勢ってそうなっている。

このテイクダウン防御で強い体って、加藤選手が言おうとしてくださっていた強いパンチを打つときの体の構造と同じだったんです。『あぁ、こうして。こうやるんだ』って言われていたことと(笑)。

加藤先生の特別なところは、武道の動きは直線的じゃないですか。そこにフックを加えたことなんですよね。ただ、それがフックじゃない。振っているけど、出し方は真っ直ぐで。

ヒジがやや湾曲している縦から横への拳の動きで。そこに加藤先生は手首を入れることを加えたんですよ。足からヒザ、腰、肩、ヒジと固めてフレームから、手首を振って」

──つまりは、それが加藤丈博師範のハメる理論なのでは……。 

「あっ、そうですね。これが一つ掴めると、他のことも分かって来る。幹ができたから、神経が枝葉にも行き渡るというか。こういう風にちょっとずつ理解を深めている際中ですね。

接近戦でも、決してボクシングではないんですよ。ただディフェンスは加藤先生も完全にボクシングで。防御という部分での空手は僕はまだ分かっていないです。同時にパンチの質は誰が見ても分かってもらえるぐらい変わりました。デカいグローブでミットをやっても、皆が痛いと言っています。

それをいうと加藤先生は試合用の小さなグローブでやっていて、中指と人差し指のところはグローブが破けるんですよ」

──えぇ、凄まじいですね。

「それを見せてくれていたので。説明は何を言っているか分からないですけど(笑)」

──アハハハ。そんななか神田選手との試合に向けて、組みに打撃戦を加えて神田選手のスタイルに、木下選手はハメることができるのか。

「打撃の時間を多く創れたら、神田選手はおっかなくてしょうがなくなると思います。組みは……木下カラテって言っていても、MMAの門を叩いてずっとやってきた部分です。HEARTSでこれだけやってきたので、そんなに簡単にやられない自信はあります。それでやられればしょうがない。でも、そんな緩くないですよ。僕がここでやってきたことは」

──今回の試合でDEEP4連勝となると、タイトル挑戦も見えてくるかと。そこから先はどこを目指しているのでしょうか。

「やっぱり、海外。ベストはUFCです。現役でやる以上、そこを意識しないと。でも僕はレコードが汚いんで、現実的かどうかといわれと、まぁ非現実的ですよね。だったらMMAを続けている限り、少しでも強いヤツと戦っていきたいです。

RIZINのフェザー級で中央アジアとか強いし、チャンスがもらえるならどんどん戦っていきたい。それに僕みたいに強くなるためにUFCを意識している人間と、本気でUFC一本でという選手ってキャリアの積み方も違うと思うんです。

UFC一本の選手は、やっぱりキレーなレコードでいないといけないから、強い相手に触れないで進むことも必要で。対して僕の場合はカルシャガ・ダウトベック選手然り、ラジャブアリ・シェイドゥラフ選手然り、ヤバい連中に触れて負けても損はない。

UFCが現実的でないから、そういう相手を望んでいける。それでもUFCへの想いを完全に消すことはできないのですが、強いヤツと戦うことができるなら場所は問わないです」

──では世界の猛者と戦うために、越えないといけない神田コウヤ戦。どのような戦をしたいと思っていますか。

「やることは決まっています。レスリング×空手、グッといって、そこでガガァとやってからドンと仕留めます」

──完全に加藤イズムを継承していますね(笑)。

「アハハハハ」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120計量結果

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]鈴木槙吾:76.95キロ
[挑戦者]佐藤洋一郎:77.05キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.45キロ
瀧澤謙太:61.50キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.20キロ
白川Dark陸斗:66.20キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.40キロ
嶋田伊吹:77.30キロ

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ:68.05キロ
木下カラテ:66.05キロ

<ライト級/5分3R>
野村駿太:70.75キロ
泉武志:70.70キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.30キロ
朝太:103.90キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.75キロ
佐々木大:70.75キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
相本宗輝:67.95キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.10キロ
斎藤璃貴:57.00キロ

<アマ・フェザー級/3分2R>
菅涼星:66.15キロ
平石光一:65.90キロ

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【DEEP120】計量よもやま話。前売り完売の後楽園、佐伯代表と好調の理由を立ち話。計量後の握手率は……

13日(土)、東京都新宿区ホテルローズガーデンのオークルームで明日13日(日)に文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTの計量が行われた。
Text by Takumi Nakamura

メインのDEEPウェルター級選手権試合をはじめ出場選手が続々と計量をクリアしていくなか、神田コウヤが68.05キロでフェザー級のリミットを約2キロと大幅にオーバー。対戦相手の木下カラテは66.05キロで計量をクリアしており、16時に行われる神田の再計量の結果によって、この試合がどういう形になるか公式アナウンスされる。


今大会は7月6日時点で前売りチケットが完売し、当日券5,000円を残すのみ。後楽園ホールもステージを作らないフルバージョン仕様で、まさに超満員の大会だ。瀧澤謙太、白川Dark陸斗、阿部大治といったRIZINを主戦場にするファイターが並びつつ、メインの鈴木×佐藤、神田×木下、野村駿太×泉武志などDEEP内で組まれた好カードが散りばめられている。

前回の後楽園大会=5月のDEEP119も前売りチケット完売だったが、元谷友貴と対戦予定だった福田龍彌の欠場で払い戻しがあったためフルハウスとはならなかったが、最近のDEEPの好調ぶりがうかがえる。計量後に佐伯繁代表にDEEP好調の理由を聞いてみた。

「ここ最近はRIZINにおけるDEEPの立ち位置が分かりやすくなってきたかもね。RIZINで試合のチャンスがないけど、試合をしたいという選手がうち(DEEP)に出るようになって。うちはRIZINを目指す選手、Road to UFCを目指す選手…色んな目標を持った選手が出てもいいと思っているから。

あとはRIZINの選手だけじゃなくて、うちで温めてきたものが、いい形になっているという実感もあります。DEEPの選手たちもファンに知ってもらえるようになって注目度が上がっているし、相本宗輝選手とか木村琉音選手とか新鋭も出てきている。CORO×瀧澤と中村大介×白川だって、瀧澤・白川にとって簡単な試合じゃないから。RIZINから来た選手とDEEPで上がってきた選手がやる図式も面白いし、DEEPで温めてきたカードも面白い。今はすごくわかりやすいイベントが作れてますよ」

佐伯代表によれば、正式発表こそまだではあるものの、秋までの主要マッチメイクもほぼほぼ決まりつつあるということ。正式アナウンスを待ちたい。

ちなみにDEEPでは計量→写真撮影→選手挨拶という順で計量が行われるのだが、選手挨拶を終えてそのままステージから降りる選手もいれば、双方のコメントが終わって握手を交わしてリングを降りる選手もいる。この日はアマチュアルールも合わせて全11試合中6試合で握手が交わされ、握手率は54.5%だった。

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]鈴木槙吾:76.95キロ
[挑戦者]佐藤洋一郎:77.05キロ

<バンタム級/5分3R>
CORO:61.45キロ
瀧澤謙太:61.50キロ

<フェザー級/5分3R>
中村大介:66.20キロ
白川Dark陸斗:66.20キロ

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治:77.40キロ
嶋田伊吹:77.30キロ

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ:68.05キロ
木下カラテ:66.05キロ

<ライト級/5分3R>
野村駿太:70.75キロ
泉武志:70.70キロ

<メガトン級/5分2R>
誠悟:119.30キロ
朝太:103.90キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.75キロ
佐々木大:70.75キロ

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾:67.75キロ
相本宗輝:67.95キロ

<フライ級/5分2R>
木村琉音:57.10キロ
斎藤璃貴:57.00キロ

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星:66.15キロ
平石光一:65.90キロ

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【DEEP120】初の連敗から復帰、木下カラテ戦へ。神田コウヤ「MMAのMがミックスではなくメルトに」

【写真】Bushidoというニックネームとともに、神田のMMAへの探求心は増す一方だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120で、神田コウヤが木下カラテと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

神田にとってはRoad to UFC準決勝のリー・カイウェン戦、青井人とのDEEPフェザー王座防衛戦と連敗からの復帰戦となる。この2試合を通じて神田が得たものとは。自分の中にあるMMAの変化とマインドを語ってくれた。


連勝している時より今のほうが好奇心は旺盛です

――SNSでは神田「Bushido」コウヤというニックネームが付いています。いつからBushidoをつけるようになったのですか。

「Road to UFCに出場してから、ですね。海外で戦う時に、単に名前だけよりもニックネームがあったほうがインパクトも大きいかなと思って。海外ではPRIDE武士道も知られていますし、UFCでもまだ誰も付けていない日本語を探して『Bushido』にしました」

――なるほど。そのRTUで敗れ、続いてDEEPのベルトも失いました。試合直後には、どんな想いでしたか。

「直後、ですか。不甲斐ない負け方ではなかったと思いますし、防衛戦の義務も終わったので次はRIZINに出たいと思いました」

――SNSでは6月9日のRIZIN47出場をアピールしていたようですね。

「そうなんですよ。本来はアピールしないで出場できるのが一番なんですけど。ただ、最近は海外の選手も増えて日本人の出場枠も減っていると思うので、SNSでアピールしてみました」

――ということは、DEEPのベルトを失ったあともRIZINなりRTUへの意欲は失っていなかった、と。

「もちろんです。RTUも出られるうちは出たいです。連敗していたので今年のRTUは難しいと思いましたけど、チャンスがあるうちは出たいですね」

――RTUは神田選手に勝利したリー・カイウェンが、決勝でイー・チャアに敗れました。

「しかも計量もオーバーで(苦笑)」

―カイウェンに対して「自分に勝っておいて、決勝でそれはないだろう」とは思いますか。

「う~ん……、やっぱりトーナメントは大変ですよ。短期間で何試合もするから、途中で気持ちが切れることもあると思います。減量も大変だし、怪我もあったりして」

――神田選手はRTUが終わったあと、すぐに気持ちを切り替えることはできましたか。

「はい。RIZINにしろRTUにしろ、次の試合で王座防衛できないとチャンスはないと思っていました。それと、ベルトを巻いたら防衛戦をやるのは義務じゃないですか。僕の場合は、前の王者の牛久絢太郎選手があまり防衛戦をやっていないことに対して、良くは思っていなかったので。王者としての義務は果たすべきだし、果たせないなら返上すべきというのが僕の考えです」

――RTUと青井戦を経て、自分の中でプラスになったことはありますか。ファイターとして黒星はマイナスとなるかもしれません。しかし、そのマイナスを糧にどう生きるのか。

「連敗したのが初めてだったので、初心に戻る良い機会だなって捉えています。連勝している時より今のほうが、『自分はどこまでできるのか』という好奇心は旺盛ですね」

――その好奇心は、どのようなところに表れているのでしょうか。

「今は練習していて、『どんどんMMAになってきている』と思っています」

左右の乖離を少なくしていけば海外の選手にも負けない

――どんどんMMAになってきている……とは?

「MMAのMが、自分にとってはミックス(Mixed=混ざった)ではなく、メルト(Melted=溶けた)になってきています。全ての要素が溶けて一つになる。それは打投極という要素だけではなく、左右の乖離も少なくなってきたと思いますね」

――左右の乖離というのは、構えやスイッチということですか。

「そうです。自分の性格的に、オーソドックスで構えた時とサウスポーで構えた時に差があるのは好きじゃなくて。そういう差をなくしたかったんですよ。海外の選手と戦うためには必要だと感じていました。海外の選手と比べてもフレームやリーチはあると思うので、その左右の乖離を少なくしていけば負けないかな、と」

――確かにもうMMAはスイッチという概念すら無くなりつつあります。

「UFCとかだと、絶え間なく自然と構えが変わりながら動いていますからね。それがミックスではなくメルトということなんですよ」

――後悔などではなく「カイウェン戦や青井戦の時に、これができていれば……」と思えるほど、今は仕上がっている状態ですか。

「その自負はあります。あとはコンディション次第ですね。でも自分は、コンディションづくりは上手いほうだと思うので」

――コンディションや減量方法も含めて、神田選手は研究者タイプのように感じます。

「あぁ、そうなんですかね。常に情報に対してはアンテナを張っておくようにはしています。自分が興味あるものだけですけど……やっぱり格闘技は自分のビジネスですから」

――格闘技が自分のビジネスである。その感覚は以前から持っていましたか。

「デビューした頃は、そう思えなかったですね。やっぱりデビュー当時はファイトマネーも安かったし。だけど今はファイトマネーも、デビューの頃と比べたら遥かに高いです。そういうことの積み重ねで意識は変わっていきますよ。

僕はプロのファイターとして、常に高い品質のものを提供していきたいです。今の環境に全然満足していないし、もっと成功したい。もっと稼ぎたい。そうなることで自分の発言にも説得力が増していくじゃないですか」

――もう神田選手もプロデビューして6年が経ち、ジムで後輩たちが増えていることも影響していますか。

「ジムの後輩たちは……、僕はライバルとして見ていますね」

――えっ!?

「刺激し合えるライバルというか。結果って、自分の努力の成果じゃないですか。僕のほうが長くMMAをやっているのに、ここで後輩に越されてしまうと――という感じで『絶対に負けたくない』と思っています。お互いにそう考えることができると、ジム全体が良くなりますし。後輩たちもそう考えて頑張ってほしいです」

――ジムの先輩である松根良太さんのTHE BLACKBELT JAPAN沖縄にも行ってきたそうですね。

「修斗沖縄大会の時には選手のセコンドで行っていましたけど、大会がある時は松根さんも忙しくて、なかなかお話できない。だからジムをリニューアルされたということもあり、大会がない時に沖縄に行ってきました。

沖縄に行ったのは、練習よりもマインドの部分が大きいです。自分を鼓舞するために――連敗して気持ちが落ちている時に、沖縄で松根さんと話すと気持ちも上がるかなと思って。おかげで気持ちも落ち着きました」

――そうした経験と変化を踏まえ、次の木下戦はどんな試合を見せたいですか。

「木下選手は一撃必殺の打撃を持っていて、勝ちっぷりも負けっぷりも良い選手だと思います。最近は構えが変わりましたよね。HEARTS特有の、ガードを固めて前に出るスタイルが最近のKO勝ちに繋がっているのかなって思います。

自分も構えというか、左右の差がなくなって良い感じになってきています。フィニッシュを狙う木下選手が相手なら、自分もフィニッシュできる確率は上がる。自分もピンチから逃げずにチャンスを掴みに行きたいですね」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP120 対戦カード

<DEEPウェルター級選手権試合/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
佐藤洋一郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
CORO(日本)
瀧澤謙太(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
白川Dark陸斗(日本)

<ウェルター級/5分3R>
阿部大治(日本)
嶋田伊吹(日本)

<フェザー級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
木下カラテ(日本)

<ライト級/5分3R>
野村駿太(日本)
泉武志(日本)

<メガトン級/5分2R>
誠悟(日本)
朝太(日本)

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬(日本)
佐々木大(日本)

<68キロ契約/5分2R>
太田将吾(日本)
相本宗輝(日本)

<フライ級/5分2R>
木村琉音(日本)
斎藤璃貴(日本)

<アマチュアルール フェザー級/3分2R>
菅涼星(日本)
平石光一(日本)

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【DEEP120】瀧澤謙太「ポジティブな気持ちでDEEPに来ました」4年8カ月振りの非RIZINでの試合=CORO戦

【写真】ヒザ蹴りなど、素晴らしいセンスの持ち主 (C)MMAPLANET

14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTにて瀧澤謙太がCOROと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2020年9月からRIZINに参戦し、2021年のRIZINバンタム級JAPANグランプリでは準決勝まで勝ち進んだ瀧澤。その準決勝で朝倉海に判定負けすると、井上直樹、太田忍、野瀬翔平に敗れて4連敗を喫している。

野瀬に敗れたあと、瀧澤はDEEPへの出場を志願。RIZIN再出撃へ向けて、DEEPで実績を積む道を選んだ。DEEPからのリスタートを前にして、瀧澤は「止まった歯車をしっかり回していく」と語った。


──約4年8カ月ぶりにRIZIN以外での試合が決まりました。試合決まった時の心境はいかがでしたか。

「今回はオファーを受けたというか、僕からお願いした試合だったんですよ。2月のRIZIN LANDMARK 8で野瀬(翔平)選手とやったとき、もしここで負けたら次はRIZIN以外の大会に参戦したいと思っていて。というのも去年と一昨年は年1ペースでしか試合をできていなくて、今回負けてまた年1ペースになっちゃうのは嫌だなと。それで野瀬戦後にRIZINに戻りたいんだったらDEEPがいいんじゃないかという話になり、DEEPの佐伯(繁)さんに『DEEPさんでお願いしてもいいですか?』と話をさせてもらって、DEEPさんに参戦が決まりました」

──試合数が減っていたのは、決して怪我やコンディション不良があったわけではないんですね。

「どうしても負けちゃうとなかなか(試合が組まれない)。特にRIZINは勝てばすぐ試合を組まれる一方、負けると順番待ちになるので。もし2月に野瀬選手に勝てていたら、すぐ次の試合も組まれていたと思うんですけど、結果的に勝てなかったんで、戦う舞台を変えて試合勘と勢いを取り戻したいと思いました」

──戦績的には2021年大晦日の朝倉海戦から4連敗していますが、敗因はどこだと自己分析していますか。

「自分は1年半前に自分のジム(Fired Up Gym)を立ち上げて、当初は週5日で仕事して、毎日指導して、そのなかで練習をするという感じだったんです。いろいろと考えないといけないことも多くて、なかなかベストコンディションではなかったのかなと思います。そうは言っても太田(忍)戦と野瀬戦はそんなにコンディションは悪くなくて、太田戦はもうちょっとやりたかったという気持ちがあったし、野瀬戦は単純に野瀬選手が強かったですね。

野瀬戦はテイクダウンされたら背中を見せて立つ作戦で、僕はバックからのエスケープが得意なんで絶対に逃げられると思っていたのですが、そのコントロールが予想以上に強かった。それが計算違いでした」

──野瀬戦は結果的にはTKO負けでしたが、敗因が明確かつパンチやヒザ蹴りのタイミングも悪くなかったと思います。

「サウスポー相手にパンチをよけてのストレートだったり、自分がやってきた打撃は全部当たったかなと思っています。ただ当たってはいるけど当たりが浅かった。効いてはいるけど、倒せるところまではいかない当たり方でした」

──そこから勝ちにつなげるために、今回はどのようなことを意識して練習していますか。

「前から結構グラップリングのスパーをやっているんですけど、今はテイクダウンを取られないことにすごくフォーカスしていますね。下から極める、バックを取らせてから逃げる、スイープして上を取り返す、そこを全体的にやるのではなくて、まずはテイクダウンされない。それを最初の段階に持ってきて、全体的に集中するのではなく、最初の段階=テイクダウンされないことに全集中する。まずはそれをやって、そこを突破されたら、次のことに全集中する……そういう意識でやっています」

──練習自体はFired Up Gymがメインですか。

「こことリバーサルジム東京スタンドアウトがメインですね。あとは週1回、関原翔選手とMMAスパー、元フライ級キング・オブ・パンクラシストの猿飛流選手たちとグラップリングの練習をしています」

──打撃に関してはいかがですか。

「打撃はあまり練習をやらないんですよ。やらないというか、自分でひらめいたことを反復したり、ミットを持ってもらったり。マススパーやスパーでも、自分と競らないレベルの下の相手に色々と技を試して、こういうメカニズムで技が入るんだなというのを試してみて。それが相手が誰でも入る形に仕上げていく感じで、ミットやサンドバッグをバンバンやることはないですね。実戦練習でやっている感じです」

──自身の感性や感覚を磨くというイメージですね。練習では思いっきり打撃を入れられないですし。

「そうですね。ただバチバチにはやらないですけど、腹で倒したり、足を効かせたりくらいはします。顔は顔で(力を)抜きますけど、ここで倒すんだなという感覚を実戦練習でやっています」

──さて今大会の相手がCORO選手に決まりました。CORO選手以外にも候補はいたのですか。

「いえ(相手として)言われたのがCORO選手で、自分としては誰でもよかったです」

──印象は?

「過小評価されているかなと思いますね。CORO選手は普通に強いですよ。試合を見ても極めが強いスタイルだし、練習でめちゃくちゃ強いという噂も耳に入ってくるんです。だから色んな意味で警戒はしていて、舐めないようにしています。CORO選手の得意なところが大体分かっているんで、それだけ気をつけていれば大丈夫かなって感じです」

──シチュエーションとしては連敗から脱出してRIZIN再出撃を目指すと思います。今はそこをどう考えていますか。

「今回勝って、DEEPのベルトにも絡んでいきたいですし、RIZINに呼んでいただいたらやっぱり出たいです」

──最初の話にもあった通り、試合はドンドンやっていきたいですか。

「そうですね。なんかオファー待ちというよりは、オファーがあるんだったら出たいと思います」

──RIZINの状況で言うと外国人の参戦も増えて、よりRIZIN出場が狭き門になりつつあるじゃないですか。そこでまたRIZINに戻って、レギュラー選手になることも厳しい戦いになっていくと思います。

「でも、自信がありますね。自分がベストパフォーマンスを出したら、上のチャンピオンクラスの選手とも全然やり合えると思っているんで。連敗していて反省点もあるし、世間からも過小評価されているかなと思いますが、大丈夫かなと思っています」

──どうしてもRIZINで勝てなくてDEEPに出るというのはネガティブに捉えられがちが、瀧澤選手自身は全くそんなことはなさそうですね。

「はい。勝てないからDEEPに行ったわけではなくて、試合をしたいからDEEPに行ったので。試合勘を取り戻して勢いをつけて、勝ちパターンをはっきりして、自分自身の迷いを断ち切って、それでまたRIZINに出ていきたいです。僕は選手の勢いは大事だと思っていて、例えば鈴木千裕選手を見ていると、勢いがあるじゃないですか。ああいう勢いを取り戻すためにDEEPに来たので、ネガティブではなくポジティブな気持ちでDEEPに来ました」

──もしDEEPのベルトを巻くチャンスがあったら、そこもしっかり狙いたいですか。

「RIZINのベルトを獲るためにDEEPに来て、DEEPのベルトはそこにつながるものだと思うのでチャンスがあれば獲りに行きたいです」

──CORO選手に勝ったら、年内もう2試合くらいはやりたいですか。

「やりたいですね。DEEPでいいカードを組んでくれるんだったら、9月と10月ぐらいにやって、RIZINの大晦日も狙っていきたいです。バンバン連勝して、話題も上がるような活動もしていきたいです」

──改めて瀧澤選手のDEEP参戦を楽しみにしているファンの皆様には、自分のどんな姿を見せたいですか。

「強い自分を見せたいです。結構いい感じで練習もできているんで、本当に強い自分を見せて、ビックリさせようかなと思っていますね」

──今日は瀧澤選手のジムで取材させてもらっていますが、現役中にジムを出したかったのですか。

「僕がプロに上がるぐらいの時代って、格闘家が最終的にたどり着くのはジムというか。みんな引退したらジムを立ち上げていたので、いつか自分もジムをやるだろうと思って、お金も貯めていたんです。で、僕は横浜出身で上京してきた時にすごくお世話になったのが鈴木信達さんで」

――元ONEウェルター級王者で行政書士としても事務所を構えている鈴木選手ですね。

「はい。信達さんとは一緒にトレーニングしたり、信達さんの背中を見て成長させてもらったり、格闘技以外でも色んな人を紹介していただきました。それで信達さんにジムのことを相談したら『俺は現役中にやるべきだと思っている』と言われて。他に相談した先輩たちは『現役中はやらない方がいい』、『競技に集中した方がいい』という人が多かったんです。でも、信達さんは『現役中にジムを出して、それで成績が振るわなかったら、それは仕事のせいじゃなくて自分のせいだと。それを言い訳にしちゃダメだ』という意見で、信達さんがそう言うんだったら、自分も現役中にジムを出そうと思いました」

──信達さんはご自身で起業されているので、他の先輩たちとは違う視点を持っているのかもしれませんね。

「実際に信達さんはそれでONEのチャンピオンにもなりましたし、僕も出来ないことはないと思っているんで。いろいろ経営面で考えることもあって、ジムを立ち上げてから負けちゃっているんですけど、ジムのことも落ち着いてきたので、これから結果を出して(選手活動とジム経営が両立できることを)証明していきたいなと思っています」

──ある意味、自分のジムを持って練習環境が整って、DEEPからの再スタートになりますね。

「例えば経営って、一店舗目が上手く回り始めたら、次の店舗を出すにしても、別の仕事をやるにしても、上手くいきやすいと思うんですよ。最初の一番大変な時期は乗り越えたと思っているので、このジムの利益を上げつつ、次の展開もビジネス面では狙っていきたいです」

──そこに選手として結果が伴ってくればなお最高ですね。

「はい。止まった歯車をしっかり回していこうかなと思います」

■視聴方法(予定)
7月14日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

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