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2024#02 45 BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o キック タチアナ・スアレス パッチー・ミックス マゴメド・マゴメドフ レアンドロ・イーゴ

【Bellator CS2024#02】パッチー・ミックス、ギロチンを効果的に使いマゴメドフを2-1で下し王座防衛

<Bellator世界バンタム級選手権試合/5分5R>
パッチー・ミックス(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.46-49
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)

サウスポーのミックスに対し、マゴメドフが右ミドルを見せる。スイッチを織り交ぜるマゴメドフが左右のフックを強振するが、ミックスが左インローを続ける。ダブルのリードフックを繰り出すマゴメドフに、ミックスはジャブを決める。マゴメドフは右オーバーハンドも、距離が遠いか。組みにいかないマゴメドフは、近距離でもヒザを突き上げて離れる。ミックスは圧を掛けて右ジャブ、マゴメドフは左を振って前に出る。と、ローに左を合わせたマゴメドフが、ラッシュをかけると右を打ち込んでクリンチへ。離れた両者、ミックスが左ハイで前に出るが、マゴメドフも右ローからオーバーハンドと手数が増える。ミックスの右をサークリングでかわしたマゴメドフが初回を取ったか。

2R、左インローのミックス。その蹴りをキャッチしたマゴメドフに対し、ミックスがギロチンを仕掛けてジャンピンガードへ。そのまま寝技に持ち込んだマゴメドフは、問題なく頭を抜く。ミックスも下で攻められることなく、スクランブルでスタンドへ。マゴメドフは右オーバーハンドを当て、ペースを譲らない。スイッチから左右のパンチを伸ばすマゴメドフの攻撃を見切ることができないチャンピオンは、リーチ差があっても優位に立てない。マゴメドフは左から右をステップインして入れ、ミックスはインロー。叫び声を挙げたマゴメドフはギアを上げるような動きから、間合いを取り直す。

ミックスは右ジャブを当てると、終盤は間合いを測る展開に。一瞬の組みから離れたマゴメドフがボディを入れ、何やら挑発をして時間に。

3R、直ぐに近い距離でワンツーを繰り出したマゴメドフ。間合いを取って左を振るったマゴメドフがシングルレッグへ。ギロチンを合わせてミックスは、ボディトライアングルで固めるが極め切れない。それでも上を取ったミックスがボディロックからパスの圧を溜める。マゴメドフは正対したまま離れてスタンドに。直後にミックスが右ジャブをヒットさせる。インローが効いていた感のあるマゴメドフだが、左をクリーンヒットさせ動きが止まって下がったミックスに追い打ちを掛ける。

ここからクリンチの攻防も、マゴメドフがヒザを見せて距離を取り直す。パンチの勢いで上回るマゴメドフが右を当て、ステップインで左を振るう。ミックスはここもインロー、マゴメドフがボディを殴ってサークリング、最後にスピニングバックキックを見せた。不発のギロチンがどこまで評価されるのか──という5分となった。

4R、打撃の様子見のなかでミックスが組みを選択。ケージ際のクリンチで両者がヒザを使う。マゴメドフはエルボーを打って離れると、左を振るう。ミックスも右を返し、構えを変えて右ハイ──も空振りに。ワンツー、右ジャブを伸ばすマゴメドフが右アッパーを狙う。手数を増やしたい王者は、ここも右インローを蹴る。マゴメドフは小刻みに構えを変え、右オーバーハンドを入れる。さらに蹴り足をとってテイクダウン狙いから、リリースして左をヒット。ミックスのステップインはサークリングでかわすマゴメドフ、直後にローに右を合わせる。最後は首相撲の攻防となり、この回もマゴメドフが取った。

最終回、圧を掛けるミックスに対し、マゴメドフは飛び込んで首相撲→クリンチアッパーへ。と、ミックスの左の三日月が、マゴメドフの急所に入る。苦悶の表情を浮かべるマゴメドフは、試合再開と同時に左フックを当てる。さらに右フック、右ミドルのマゴメドフがクリンチの攻防でケージに詰められ、ボディロックで体を浮かされる。それでもテイクダウンを取れなかったミックスは、距離を取り直して即ダブルレッグへ。

ケージに押し込み、ヒザをついて立ち上がったミックスがボディロック、さらにシングルレッグもマゴメドフがスプロールして倒せない。ケージに押し込まれたマゴメドフは、結果的にはテイクダウンを許さず打撃の間合いに戻った。残り90秒、フックを当てて距離が詰まるとマゴメドフが首相撲へ。ミックスはダブルレッグでケージにドライブする。

クリンチでポジションを入れ替えた両者、ミックスがエルボーを繰り出して離れる。最後の10秒、ワンツーからスピングバックフィストのマゴメドフだが、この5分はミックスがモノにしたか。

初回、4Rはチャレンジャー。2Rと最終回はチャンピオン。3Rはミックスのギロチンと打撃のマゴメドフ──極め切れないギロチンは、ダメージを残せない。その点を踏まえると48-47でマゴメドフという見方も成り立つが……結果はジャッジ1人が49-46でマゴメドフ、2人が48-47でミックスを支持した。

タイトル成功したミックスのフィアンセ、タチアナ・スアレスは最初にマイクを向けられた「スプリットに驚いた」と話す。ブーイングにミックスは「3Rのギロチンで、彼は力を力を使った。レスリングで来るかと思ったけど、打撃できたね。キャンプが良くなくて、減量もハードだった。でも、ずっと強度の高い攻撃を続ける挑戦者だったよ」と話し、次の挑戦者にレアンドロ・イーゴを指名した。


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2024#02 45 BELLATOR Bellator CS2024#02 GLORY LFA MMA MMAPLANET o アンソニー・ペティス ジャリール・ウィリス セドリック・ドゥンベ

【Bellator CS2024#02】ウィリスに圧勝、ドゥンベにペティスが対戦要求。11月にパリで対戦か

<175ポンド契約/5分3R>
セドリック・ドゥンベ(フランス)
Def.1R3分33秒by TKO
ジャリール・ウィリス(米国)

大ドゥンベ・チャントに背中を押されるドゥンベは、ウィリスの前蹴りをキャッチして殴っていく。離れたウィリスは蹴りよりも遠い距離から組む機会を伺っているか。そのダブルを切って左を入れたドゥンベは、続くシングルも切って逆にヒザ蹴りをキャッチして右を打ち込む。後方に崩れたウィリス、スクランブルで立ち上がるとドゥンベが右クロスを狙う。

頭からぶつかっていくようなウィリスに対し、ドゥンベは左ジャブを伸ばす。左フックを被弾して姿勢を乱したドゥンベだが、ウィリスは強振して頭からマットへ。立ち上がっても蹴りで自らバランスを崩すなど、力が入り過ぎているウィリスはフックの応酬のなかで、右を受けてダウン。ドゥンベは右を連打し、立とうとしたウィリスに反則のヒザを入れそうになったが不発で命拾い。直後のウィリスのシングルをかわし、後方から左の連打でTKO勝ちを決めた。

Glory世界ウェルター級王者は、元LFA王者を一蹴。「彼のゲームプランは良かったけど、承知の上だった。でもあのゲームプランは良かった。尊敬しているよ。俺はベストグラップラーだよ(笑)。過去、今、2人のグラップリングコーチに感謝している」とインタビューで話したドゥンベに対し、アンソニー・ペティスがケージインし「パリで戦う」と宣言。これを受けドゥンベは「パリで戦いたいだって、コイツ、クレイジーだよ」と了承した。Bellator CSでは11月にパリ大会が予定されており、そこで両者が相対することになるのか──。


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2024#02 45 BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o アーチー・コルガン チボー・グッチー

【Bellator CS2024#02】アーチー・コルガン、体重超過のグッチーにTD&バックコントロールで圧勝

<157.7ポンド契約/5分3R>
アーチー・コルガン(米国)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27
チボー・グッチー(フランス)

グッチーの計量失敗でキャッチ戦となった一戦。左に回るコルガンが、ジャブを伸ばしながらテイクダウンのフェイクを見せる。チボー・チャントを背に戦うグッチーだが、最初のダブルレッグでテイクダウンを許すと、スクランブルでバックを譲る。崩され、後方から右のパンチを被弾するグッチーは向き合おうとして、小外刈りで倒される。そのままバックを取り、肩から落としたコルガンがサイドバックからのパンチを続ける。

殴られ続け、亀で頭を覆うようになったグッチーを見て、レフェリーがいつでも止められるよう覗き込む。正座から背中をつかされたグッチーは、サイドで抑えられ頭を抱える。コルガンはエルボーを落とし、足を戻してくるところでパンチを纏める。残り70秒、左エルボーを入れたコルガンは、ハーフバタフライで上体を固められ下からエルボーを打たれる。TKO負けの危機にあったグッチーがサバイブした。

2R、間合いを図る両者。初回と同様にコルガンがテイクダウンのフェイントを見せ、グッチーが左リードフックを打っていく。ボディジャブを入れたグッチー。レベルチェンジでテイクダウンと見せ右アッパーを当てたコルガンは、迷うをグッチーをダブルレッグで倒してバックへ。後方から殴り、右ヒザを腰に受けたグッチーは立ち上がることができない。サイドバックでヒザを続け、サタンプのコルガンはボディロックから後方にテイクダウン。バックコントロールを取られたままパンチを頭部、ヒザをキドニー付近に受けるグッチーは足のフックがないRNCこそ防いだが、頭を抱えて殴られ、最後はエルボーを受けるなど攻められ続けた。

最終回、グッチーは左ジャブを伸ばすが、コルガンの右フックで下がる。続くステップインからアッパーを外したグッチーがワンツーも当たらない。逆に左リードフックを当てたコルガンは、シングルレッグのフェイクで大きく反応させる。スローな達の展開から、コルガンが一気にダブルレッグでバックに回る。正面を向きながら立って離れたグッチーは左フックで殴られケージまで下がる。

右を当ててダブル、シングルから左を当てたコルガンは後方に崩れたグッチーのバックを個々でも取り右のパンチを打ち込む。ケージまで移動したグッチーは、手首を掴んで防御する。ヒザを入れながらスタンドに戻ったコルガンがワンツー、左フックをヒットさせる。ケージの前から離れることができないグッチーは、口を半開きで最後の10秒にあると思い切りフックを振るったものの、焼石に水にもならない反撃だった。

フルマークの判定勝ちを手にしたコルガンは、ブーイングを受けて「ボンソワール・マザー・ファッカー。レッツゴー。ここで人気がないことは分かっている。ブーイングも大歓迎だ。皆がブーをするのを分かってここに来た。対戦相手は計量を失敗した。ハードワークを正しくしていれば、簡単なことなんだ。僕がやったようにね」と話した。


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2024#02 45 BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o ベラトール ボクシング マンスール・ベルナウイ 矢地祐介

【Bellator CS2024#02】開始直後のヒジでペースを奪われた矢地、ベルナウイのダースチョークで一本負け

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
Def.1R4分08秒 by ダースチョーク
矢地祐介(日本)

ベルナウイがジャブと右フック。矢地が左ミドルとインロー、左ボディストレートから右フックにつなげる。ここから距離を詰めて組んだ矢地だが、ベルナウイが首相撲のような形でヒジを連打する。これを受けた矢地が引き込むように下になる。

矢地はハーフガードからベルナウイの脇をくぐるように身体を起こし、右腕を差して立ち上がる。ケージを背負いながらも矢地がヒザ蹴りを入れて離れる。ベルナウイが右の前蹴りと左フック、矢地が左ミドルを蹴ってワンツーから組みつく。ベルナウイは左腕を差して矢地をケージに押し込み、右腕で足をすくようにしてテイクダウンする。

サイドを奪われた矢地がケージを蹴ってポジションを返そうとするが、ベルナウイはサイドポジションでトップキープしてヒジを落とす。矢地が左腕を差して体を起こすと、ベルナウイがダースチョークへ。これががっちりと極まって矢地がタップ。矢地のベラトール初参戦は無念の一本負けに終わった。そして勝者は「作戦は単に対戦相手に合わせて、ボクシングでもグラップリングでも戦うことだった。そしてグラップリングできたから~、そこで戦った。次はチャンピオンと戦ってチャンピオンになりたい」と話した。


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2024#02 BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o アスペン・ラッド エカテリーナ・シャカロワ キック ボクシング

【Bellator CS2024#02】ラッドが首相撲&ヒジ・ヒザでシャカロワを翻弄。そこにTDを織り交ぜて判定勝利

<女子フェザー級/5分3R>
アスペン・ラッド(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
エカテリーナ・シャカロワ(ウクライナ)

サウスポーのシャカロワが左ストレートを伸ばして前に出る。ラッドはそこに左フックを返す。離れた間合いからシャカロワが左ストレートで飛び込み、左ミドル、右フックまでつなげる。ラッドは右ストレートで迎え撃ち、シャカロワのシングルレッグを切る。試合がスタンドに戻るとラッドが前に出て、飛び込むシャカロワに右ストレートを合わせる。シャカロワがインローを蹴ると、ラッドは左フックを狙い、シャカロワがダブルレッグで組みついてラッドをケージに押し込む。一度は尻餅をついたラッドだがケージに体を預けて立ち上がるとヒザ蹴り。シャカロワは飛行機投げからバックにつくが、ラッドが立って向き直る。

ラッドはワンツー、シャカロワのダブルレッグを切ると、首相撲からボディにヒザ蹴りを突き刺す。シャカロワがダブルレッグに入ると、それを切ったラッドがシャカロワをケージに押し込んでヒザ蹴り。パンチからシングルレッグに入るシャカロワ。テイクダウンされたラッドはガードポジションからハーフネルソンでシャカロワの体を返しつつ立ち上がる。ラッドはして首相撲からヒザ蹴り、シャカロワの顔を突き放してヒジ、左フックを当てる。

2Rもシャカロワが左ストレートから前に出るが、ラッドはしっかり距離を取る。シャカロワのパンチをかわすと、ラッドがプレッシャーをかけてワンツーから左フック、シャカロワをケージに押し込む。ラッドは首相撲からボディにヒザ蹴りを突き刺して離れる。シャカロワは強引にパンチで距離を詰めてダーティボクシングに持ち込む。離れたラッドは左ボディ、ガードを上げてジャブを当てて、シングルレッグも切ってがぶる。

それでも組みつくシャカロワだが、トッドが首相撲でシャカロワの動きをコントロールしてヒザ蹴り・ヒジ打ちを入れる。このヒジでシャカロワの額から流血。シャカロワがダブルレッグに入ると、ラッドがギロチンを狙いつつ立ち上がる。ケージ際で組みの攻防になるとブレイクがかかる。再開後、シャカロワがラッドのパンチにダブルレッグを合わせるが寝かし切ることが出来ない。

3R、ラッドはシャカロワのテイクダウンをディフェンスしながらパンチで前進。シャカロワもラッドのワンツーに合わせて組みつき、立ち上がるラッドのバックにつく。正対したラッドはシャカロワをケージに押し込んで首相撲を使いつつ、意表をついたダブルレッグでテイクダウンを奪う。背中を見せるシャカロワをバックコントロールするが、レフェリーはブレイクを命じる。再開後、ラッドはシャカロワのダブルレッグを切って、パンチのプレッシャーをかけて左フックを当てて右ストレート。シャカロワのダブルレッグを切ってバックにつく。

シャカロワが正対して離れるが、ラッドがパンチで前進。左フックを立て続けに当てる。シャカロワも左ストレートから応戦し、シングルレッグで組むが、ラッドがそれを切ってヒザ蹴り。シャカロワが必死にシングルレッグで組むが、ラッドが鉄槌を落として離れる。最後はラッドが左ハイキックを2連発蹴ったところで試合終了となり、判定は3-0でラッドが勝利。首相撲とヒジ・ヒザを有効に使ったラッドが勝利した。

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2024#02 45 AB BELLATOR Bellator CS2024#02 F1 MMA MMAPLANET o PFL YouTube アスペン・ラッド イーブ・ランジュ コステリョ・ファン・スティーニス セルジオ・ペティス パッチー・ミックス ブログ マゴメド・マゴメドフ 堀口恭司

【Bellator CS2024#02】「首には触らせない」。ミックスに挑戦、マゴメドフが堀口×ペティス戦を予想

【写真】チャンピオンとともに135ポンドのリミット丁度で計量をクリアしたマゴメドフ(C)PFL

17日(金・現地時間)、フランスは花の都パリにあるアコー・アリーナでBellator Champions Series2024#02「Paris」が開催され、メインでマゴメド・マゴメドフがBellator世界バンタム級王者パッチー・ミックスに挑む。
Text by Manabu Takashima

2022年12月に戦っている両者。その時はミックスがマッケンジーチンでマゴメドフを落とした。自らの得意技であるフロント系チョークで敗れたマゴメドフは、今回の試合でどのような戦いをするのか。テイクダウンからコントロールが勝ち筋のマゴメドフは、ギロチンを経験するあまりに得意技を封印するのか。

そうなった時にどのような攻撃手段があるのか。チャレンジャーに尋ねた。


──パッチー・ミックスと3週間後に戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は4月28日に行われた)。

「もう準備はできているよ。5月17日には素晴らしい試合を皆に見てもらう」

──昨年、日本でダニー・サバテーロを破って以来、Bellatorファイターを巡る環境は著し変化しました。この間、どのような気持ちで過ごしていましたか。

「BellatorがPFLに買収されたという知らせを聞いてからは、少しストレスを感じる日々が続いた。全てがクリアになるまで、時間が掛ったからね。でもBellatorは継続し、僕らは戦い続けることができるようになった。僕だけでなく、Bellatorファイターの皆が、前に進むことになった。

僕自身は試合機会がなくなるとは思っていなかったけどね。このトップリーグのトップ5にいるのだから。その時がいつになるのかだけが分かっていなくて、いずれ試合を戦うことはできると確信していた」

──では10カ月のレイオフ期間は、どのように過ごしてきましたか。

「とはいえこの間に32歳になっていたわけだし、1年に3試合、4試合を戦いたいと思っていた。だからといって試合がなかった10カ月間、何も怠けていたわけじゃない。常にジムで練習して、トップファイターでい続けられるよう過ごしてきたよ」

──サバテーロに勝った時、次の試合がタイトル挑戦になると想像できましたか。

「正直、こうなるとは期待していなかった。タイトル挑戦権を得るためにまだ戦う必要があると思っていたからね。マイク・コーガンから連絡があったのは2月で、試合の時期も早かった。でも、その時はラマダンになるので戦うことはできないと断ったんだ。自分の状況をマイクも理解してくれて、5月に実現することとなった。急ぐ必要もなく、しっかりと準備ができたよ。さっきも言ったように次がタイトルショットとは思っていなかったけど、巡ってきたチャンスだから必ずモノにするよ」

──前回のパッチーとの対戦のフィニッシュのことを皆が覚えていると思います。ギロチンチョークはマゴメドの得意技の一つですが、マッケンジーチンで落とされました。あの試合の結末を今ではどのように振り返ることができますか。

「今言われたように、ギロチンは僕の得意技の一つだ。ただ、あの時はちょっとしたミスがあった。そこはしっかりと見つめ直した。簡単なことだよ、もう首には触らせない」

──ただテイクダウンを狙うと、ギロチンのカウンター機会を与えることになります。つまり次の試合では足へのダイブは行わないということでしょうか。それともギロチンを防いでテイクダウンを取れるということですか。

「そうだね、ジムで練習をしていてテイクダウンにギロチンを合わされることはなかった。仕掛けられても、サブミットされなかったんだ。そしてパッチーにやられた。だからこそ、より注意深くテイクダウンダウンにいくようになったよ」

──テイクダウンからトップ奪取がマゴメドの勝ち筋ですが、パッチー相手にその方程式は崩さないということですね。

「前回の試合では彼の柔術を軽視していたんだ。今は違う。もちろんテイクダウンを奪ってコントロールできるし、別のプランもある。パッチーのグラウンドゲームの強さを理解したので、今回は前とは違う試合になるよ」

──前回よりもベースとなる散打の技術を見ることができそうですか。

「ハハハハハ。全てを使うよ。打撃、レスリング、柔術をミックスして戦う」

──ところでパッチーとの試合の3週間後に、日本でセルジオ・ペティスと堀口恭司選手が戦います。勝利者予想をお願いしても良いですか。

「今回はホリグチが勝つ。ホリグチの方が優れたファイターだ。ペティスはラッキーパンチで勝ったに過ぎない。全体的に見てホリグチが技術的にも上回っている。凄く興味深い戦い方をする選手だから、いつか僕もホリグチと戦ってみたいと思っている」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午前0時30分~ U-NEXT

■Bellator CS2024#02対戦カード

<Bellator世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] パッチー・ミックス(米国)
[挑戦者]マゴメド・マゴメドフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
セドリック・ドゥンベ(フランス)
ジャリール・ウィリス(米国)

<ミドル級/5分3R>
グレゴリー・バベン(フランス)
コステリョ・ファン・スティーニス(オランダ)

<フェザー級/5分3R>
イーブ・ランジュ(フランス)
ジョナス・ビラリーニョ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
チボー・グッチー(フランス)
ダリウス・マフィ(英国)

<ヘビー級/5分3R>
スリム・トラベルシ(チュニジア)
ルイ・サザーランド(米国)

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
矢地祐介(日本)

<ミドル級/5分3R>
イマムシャフィ・アリエフ(ロシア)
マイク・シンプソン(英国)

<女子フェザー級/5分3R>
アスペン・ラッド(米国)
エカテリーナ・シャカロワ(ウクライナ)

<フェザー級/5分3R>
アザエル・アジョウジ(フランス)
ブルーノ・フォンテス(ブラジル)

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2024#02 45 AB BELLATOR Bellator CS2024#02 MMA MMAPLANET o PFL RIZIN ROAD FC Road to UFC UFC アレックス・ヴォルカノフスキー ブレント・プリマス マンスール・ベルナウイ 海外 矢地祐介 金原正徳

【Bellator CS2024#02】待望の海外進出=パリでベルナウイ戦、矢地祐介「近い距離の方が安全じゃん」

【写真】終始楽しそうだった矢地。ベルナウイを相手に、見て、殴ることができるか(C)MMAPLANET

17日(金・現地時間)、フランスはパリのアコー・アリーナで開催されるBellator Champions Series 2024#02に矢地祐介が出場し、マンスール・ベルナウイと対戦する。
Text by Manabu Takashima

RIZINで日本中に認知されるファイターとなった矢地だが、PXCからUFCを目指した若き日々があった。前UFC世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、その道を断たれた矢地だが、9年を経てなそ北米の強豪との対戦という想いを持ち続けてきた。

Road to UFCの選考に漏れ、3連敗や2度の連敗もRIZINで経験している矢地は、現在3練習中でベルナウイの地元パリでBellator CSに出場が叶った。33歳、今もMMAが楽しくてしょうがなく、成長過程にある矢地の海外進出、国際戦への拘りと勝利を手にするための悪癖の克服について尋ねた。


──試合まで10日を切りました(※取材は8日に行われた)。まず、このタイミングでPFL傘下のBellator Champions Seriesで戦うことを決めた背景には、どのような想いがあったのでしょうか。

「北米に挑戦にしたいというのはRIZINの方にも、2年ぐらい前から言っていて。RIZINはBellatorと仲が良いからBellatorの選手とRIZINで戦いたい。機会があれば、米国で戦いたいとずっと伝えていました。でも、俺の結果が振るわない時期もあり、なかなかそういうチャンスがなかったんですけど、ここ最近の結果とか色々とタイミングが重なった形でオファーを頂いた時は、もう二つ返事でした」

──今のMMA界の構造にあってRIZINとBellatorと掛け持ち云々という言葉を聞くと、大抵の選手に対しては『そんな立場じゃないだろ』というのが自分の本音でした。Bellatorのビジネスに役立たないとチャンスはないわけで。なら向うでの戦いに専念して名前をあげる気概がないと、勝ち残ることができるかと。

「う~ん(苦笑)」

──ただ矢地選手に関しては、Road to UFCを狙って実現しなかった過去があります。純粋に強さを求めているなかで、パリでマンスール・ベルナウイと戦う。アッパレだと感じます。

「北米メジャーに出たいとずっと思っていました。僕の階級では強いヤツがゴロゴロいるので。最近、自分自身で実力もついてきたと思っているし。本当に良いタイミングだったと思います」

──実力がついてきた。これはもう、矢地選手の試合前のインタビューで恒例となっている言葉のようにも感じられますが(苦笑)。

「アハハハハ。ちょっとぉ……でもケージやリングでは『アレ?』ってなるって、言いたいんですよね(笑)」

──その通りです(笑)。

「絶対にそう言われると思いましたよ。まぁ、そうなんですけどね(笑)」

──2月のLANDMARK佐賀大会では、解説の金原正徳選手がダメだしのオンパレードでした。矢地選手のこと、丸裸にしていましたね。

「ハハハハ。前回の試合で学んだことって大きいです。打撃の面では。皆が知っているように体を傾けて、顔を背けて打つ癖だとか──そこがやっぱり出てしまって。でも、1Rの途中から修正できました。現場のリアルななかで、感覚を得ることができた。それは凄く良かったと思います」

──相手の攻撃が見えるようになった。そこから如何に攻撃に出るのか。相手が見えるようになると、まず身を守る。だから攻撃に出られない。そういうこともMMAではあるかと思います。

「そこはねぇ……。見えて反応ができることで手が出ない。なんて、俺はビビりなんだろうって思った時期もありました。あの白川ダーク陸斗戦でも、そこがあったような無かったような。曖昧な感覚でしたね。前回の試合は自分の反応の良さがあって、そのなかで悪い癖をだしちゃいけないという部分で、『やればできんじゃん』という自信にはなりました。

試合でもちょっと勇気を出して……じゃないけど、頑張ってじっと見つめれば、『パンチって見えるじゃん』みたいな。そこの壁を、ポンと飛び越えることができました。試合というプレッシャーのなかで、特に相手は捨て身でやってくる。パンチに自信がある選手だし、なかなかの圧力でした。でも、そういう選手の攻撃を見ることができた。『できるじゃん』ってなれたのは、デカいです」

──その自信は持続できているのでしょうか。

「それが、この1、2カ月で自分の目の良さがディフェンスとか、打撃の攻防において凄く生きるじゃんって思えるようになったんですよ。それこそ2月の試合の経験が生きて、練習でも落ち着いて対処できるようになったし、何よりも近い距離って安心して良いじゃんって。自分のなかでの常識がひっくり返って『近い距離の方が安全じゃん』ってなりました」

──おぉ。

「それぐらいまで、来ることができているんで。もちろん、あの距離に入ったらパンチを貰うし、危ないです。気を張らないといけない。今までは、その前段階で嫌がって下がり、心地良い距離を保とうとした結果、詰められてバランスを崩す。そして、相手の一番良い距離でパンチを被弾しちゃう。その思い切り受けていたパンチも、ちょっと前に出ると……貰うのは良くないのですが、こんな感じなんだと自分のなかの常識がポーンとひっくり返って。

下がらないで、前に出た方が良い。俺は最近、組みに自信を持っているので、なおさら前に出た方が良いという風に今はなれています」

──それにしても、嬉しそうに話しますね(笑)。

「いや、楽しいです。今は本当にMMAをやっていて楽しい。ゲームをやっている感覚なんです。どんどんアイテムをゲットできている。そんな感覚がずっと続いているから」

──ベルナウイと戦う上で、その感覚がどう生きるのか。どのような印象を持っていますか。

「ある程度トータルファイターで、手足が長い。昔の方がイケイケだったと思います。Road FCで戦っていた時とか。最近は打撃の方は、そんなに勢いがないですよね。でも下からのスイープには自信を持っている。あのジョンウェイン・スイープってやつですね。それでも全体的に粗めかなぁ、組み技も」

──おお。別名ギグラー・スイープの名手も、組み技が粗いと。

「八隅(孝平)さんとも研究しているのですが、そのスイープにしても手札は多くない。そこを封じ込むことができる相手、ブレント・プリマスとかには勝てなかったじゃないですか」

──ハイ。さきほど組みに自信がついたと言われていましたが、テイクダウンを取ると相手の土俵になるかと。

「まぁ、大半の選手が彼のスタイルが分かっていても、あのスイープの餌食になっていますよね。だから触ってみないと分からない。そこに関しては、現場合わせです。手足が長いから、想定以上に包み込まれているのだろうと思います。でも、そこのところは正直分からないです。

だから住村(竜一朗)さん、イゴール(タナベ)とかサイズがベルナウイに近い選手と練習をして。背が高い選手と戦うと、アジャストが必要になります。テイクダウンを狙っても腰の位置が違う。四つの展開でも、肩の位置が違う。その辺りの感覚の違いの擦り合わせはやってきました。

もちろんスイープをされないことは大切ですけど、された時の準備もしているので」

──そういう相手に、どのように戦うつもりでいますか。

「何があろうと、最近の僕の戦いをぶつけるだけです。打撃の攻防をして、テイクダウンして絞める。そういうプランは一応あります」

──では、ベルナウイ戦後の青写真は?

「ここを越えたら、継続参戦をしたいです。やっぱり憧れが強いんで。それにまだ本国、米国の試合じゃない。米国の地で戦いたい。なので、この試合に勝って継続参戦をしたいです。とにかくベルナウイに勝たないと始まらないので」

──勝敗でいえば勝利が絶対。と同時に成長した姿を見せて欲しいです。

「そういう意味では前回ズッコケた分、今回は出したいです。誰よりも僕自身が練習してきたことを出して、成長を試合で見せたい。ホントに。最初の10秒、見逃さないでください。『あっ!!』ってなると思うんで(笑)。そこで『変わったぞ』となるのか、『また始まったぞ』となるのか」

──アハハハ、自分で言っちゃいますか(笑)。

「確実に1ミリずつ成長していますから」

──1ミリで間に合いますか。目標に?

「ホントだ、1センチぐらいは(笑)。でも1ミリの成長を見届けて欲しいです。深夜になっちゃうと思いますけど、ライブで視て欲しい。今回のテーマは根性と魂。そういう部分を見てもらえたら嬉しいです。

あと金原さんに解説をしてもらって、今度はお褒めの言葉を貰えるように戦います」

■視聴方法(予定)
5月18日(土)
午前0時30分~U-NEXT

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