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45 DEEP DEEP123 MMA MMAPLANET o 小崎連 魚井フルスイング

【DEEP123】小崎連が右の蹴りで魚井のフルスイングを封じて判定勝ち。RTUからの復帰戦を飾る

【写真】オーソドックス×サウスポー、パンチャー封じの右の蹴りが冴えた(C)MATSUNAO KOKUBO

<バンタム級/5分3R>
小崎連(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
魚井フルスイング(日本)

サウスポーの魚井に対し、小﨑が前後左右に大きくステップする。魚井は左のロングフック、左ミドルと左フック、右フックと強打を見せる。小崎はじりじりと前に出て右ストレート、魚井は左フックをかぶせる。小崎は足を止めずに細かく打撃を繰り出して右ミドル、魚井もインローを蹴り返す。魚井はワンツーと左フック、小崎はコンパクトな右ストレートを打って右の三日月蹴り。魚井は左を強振するが空振りする。

右から左を振って前に出る魚井。バックステップでかわした小崎は前に出て右ミドル、右ストレートをボディに打ち分ける。小崎のインローがローブローになるが、魚井はインターバルを拒否する。魚井は小崎のステップインに左を振り、小崎はスイッチしながらの右フック。魚井は左ミドル、小崎は右ミドルと右ストレートを返す。魚井は左を見せつつ、テイクダウンのフェイントも見せた。

2R、小崎は細かいフェイントをかけて前に出る。魚井は左右のフックを狙いつつインロー、小崎もインローを蹴るが再びローブローになる。1Rとよりも深く当たり、魚井にはインターバルが与えられる。再開後、魚井は左ストレートから右・左、右フックから飛び込んで左を返す。小崎はバックステップでかわし、右ストレートをボディと顔に打ち分ける。前に出る小崎は右の前蹴りと右ストレート、魚井は左ミドルを蹴って右フックから飛び込む。魚井は左フック、ワンツーと変わらず強打を繰り返す。

小崎は右ストレート、魚井の蹴り足を取って右ストレートから左フック、下がる魚井に右の三日月蹴りを突き差して右ストレート。これで魚井が尻餅をつくが、すぐにシングルレッグで組みついて追撃を阻止するここは両者距離が離れると、小崎がすぐに打撃でプレッシャーをかける。ここで魚井がインローを蹴るが、これがローブローとなる。再開後、小崎は右のテンカオ。魚井の左を警戒しながら右の三日月蹴りとミドル、ボディへの攻撃を繰り返す。

3R、魚井が左のパンチを振って前に出る。小崎が前蹴りを合わせると、これがローブローとなってしまう。小崎に警告が与えられて試合再開となる。再開後に魚井は左ミドル、小崎も右ミドルを蹴る。魚井はインローを見せ、小崎は右ミドルと右ストレート、魚井は左を打ち返す。小崎は右の蹴りでプレッシャーをかけ、魚井は小崎の右ストレートに左をかぶせる。

小崎はプレッシャーを強めて右ストレート2発と左フック、右の前蹴りを当てる。圧力勝ちして前に出ていく小崎は魚井の左をブロックして左フック、右ミドルと右ストレート、左フックをコンパクトに当てる。さらに小崎は魚井をケージに下がらせて右ミドル、右ストレート、右の三日月蹴り、右のボディストレーを突き差す。

魚井もインローから左フックで飛び込むが、小崎は左フックを合わせに行く。終盤、小崎はジャブと前蹴り、インロー、右の前蹴り、右ストレートと手数を増やし、右の飛びヒザ蹴りを見せる。最後は小崎が右ミドルを蹴ったところで試合終了となり、ジャッジ3名とも29-28で小崎が判定勝利を収めた。


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【DEEP123】65カ月振りの復帰。6年8カ月振りのDEEP参戦、ソン・ジンス「4万8000人の前で戦いたい」

【写真】 本当に強かった。あの時の強さがあれば、RIZINバンタム級を引っ掻き回す可能性は十分にある(C)DEEP

明日8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123。同大会に元DEEPバンタム級王者でUFCベテランのソン・ジンスが5年5カ月振りの復帰戦で、COROと戦う。
Text by Manabu Takashima

2018年にDEEPバンタム級チャンピオンからUFCにステップアップ。9月にピョートル・ヤンと激闘を繰り広げ、敗れてなお名を挙げたソン・ジンスだが、翌2022年7月のマリオ・バウティスタ戦を最後にUFCはおろか、MMA界から姿を消した。

そのソン・ジンスが6年8カ月振りにDEEP参戦。一度はキャリアが途絶えた理由と、復帰後の目標を尋ねようとインタビューを試みると、韓国でまさかの戒厳令が発令されてしまう。一夜で緊迫の夜を終えたソウルの自宅から、リモート取材で効いたソン・ジンスの声をお届けしたい。


──ソン・ジンス選手、今もまだ韓国ですか(取材は5日に行われた)。

「ハイ。明日、東京に向かいます。計量の前日ですね。日本に行ってから水抜きをする予定です」

──すぐに解除されたのですが、まるで1980年代を思い出すような戒厳令が敷かれ本当に驚きました。長引けば日韓の行き来が止まってしまうという恐れもありました。精神的に影響はなかったですか。

「自分もチームメイト達も、もの凄く驚きました。日本に行くことができなくなるんじゃないかと、戒厳令が取り下げられるまで眠ることもできなかったです(苦笑)」

──あり得ないファイトウィークを迎えてしまいましたね。

「本当にその通りです。こんなことは最初で最後であってほしいです」

──しかも5年5カ月振りの復帰戦で、このようなことが起こるとは……。戒厳令は関係なく、復帰に向けてどのような気持ちですか。

「自分がまたプロファイターとして戦う場に立つことに関して、まだ実感でわかないです。だからといって緊張をしているわけではないのですが、ケージのなかに入ってみるまで実感できないのかもしれないです」

──2018年にDEEPで圧倒的な強さを見せ、バンタム級王者からUFCへ。2連敗だったとはいえ、ピョートル・ヤン戦とマリオ・バウティスタ戦で強豪相手にファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得。強さを見せていたなかで、半ば引退状態になったのはなぜだったのでしょうか。

「実は2019年に首のヘルニアで、体が思うように動かすことができなくなりました。マグカップすら持ち上げることが困難で……」

──!! そんなに重症だったのですか。

「ハイ。あの時は試合を続けることはできなかったです。もちろん現役を続けたい気持ちはありました。でも、余りにも首の状態が悪くて引退をしようかという気持ちと半々でした。とりえず試合や練習から離れ、大学での勉強を優先することしたんです。

実はUFCと契約した年に、薬科大学に合格していました。そのまま、そっちの道で生きる人生もあったかと思います。でも妻やチームメイトが、本人以上に自分のことを信じてくれて。彼女や彼らがいてくれたから、復帰が可能になったと思います」

──いつ頃から、本格的に復帰を考えるようになっていたのでしょうか。

「2023年には、体は戻っていました。スパーリングをしても問題なかったですし。ただ今年の1月に薬剤師の国家試験があったので、試験を優先して試合に出るのは控えてしました」

──そして現役復帰ということは、国家試験の方は……。

「無事、合格でした」

──アッ、それは良かったです。おめでとうござます。

「ありがとうございます」

──国家資格は取ったうえで、MMAへの復帰を決めたのですね。

「ハイ。今は資格を生かして働くのではなく、MMAでもう一度上を目指そうと思って格闘技漬けの日々を送っています」

──ソン・ジンス選手が休養していていた5年間で、MMAシーンは変わり世界中から強い選手が生まれています。

「ハイ、世界は変わりました。UFCのレベルが、もの凄く上がっています。ただ本音を言えば、韓国はあまり変わっていないです。世界の進化のスピードに、置いて行かれているように感じています」

──そのように思われているのですね。そのような状況で復帰を決めたソン・ジンス選手は、目標をどこに定めているのでしょうか。

「まだ復帰を決めただけで何の結果も残せていない身分ですが、UFCで自分の力を発揮できなかったので今度こそという気持ちがないわけではないです。ただ、7月のRIZINで4万8000人ものファンが集まっている光景を見て、驚かされました。実はDEEPでベルトを巻いた時に、RIZINで戦わないかという話がありました。限られたファイター人生で、自分も4万8000人の前で戦いたい。その戦う機会があれば……と想像してしまいましたね。もちろん今回の試合で結果を残すことが大前提ですが、RIZINを視野にいれています」

──単刀直入に伺いますが、現状のソン・ジンス選手の力はUFCで戦っていた時代と比較して、どれぐらいだと認識していますか。

「UFCで戦っていた時より、成熟したと思います。体力的にはあの頃の方が上かもしれないですが、ファイトIQがついたことで練習仲間も『今の方が良い』と言ってくれています。その言葉で、自分も自信をつけることができています」

──先日インチョンで行われたRING Championshipのアマチュア大会で、チームメイトのコーナーに就いていました。今はどのような選手たちと練習をしているのでしょうか。

「コリアンゾンビMMAのコーチだったペク・スミンさんが創ったコーナーマン・ジムに所属し、イ・ユンジュンさんのチームAOMで出稽古をさせてもらっています。あとはONEバンタム級のクォン・ウォンイル選手とも練習しています」

──RIZINのレーダーに掛かるためにも、CORO戦ではどのような試合をしないといけないと思っていますか。

「以前、DEEPの試合に出ていた時は自分の強味も理解せずにガムシャラに戦っていました。今は、自分の長所が分かって戦えるはずです。ファンの皆が喜んでくれる試合をして、RIZIN関係者に評価される自信はあります。楽しく、激しい試合ができると思うので応援よろしくお願いします」

■DEEP123 視聴方法(予定)
12月8日(日)
午後5時05分~ YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■DEEP123対戦カード

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
芦田崇宏(日本)

<バンタム級/5分3R>
ソン・ジンス(韓国)
CORO(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
宇佐美正パトリック(日本)

<フライ級/5分3R>
本田良介(日本)
関原翔(日本)

<ストロー級/5分3R>
越智晴雄(日本)
多湖力翔(日本)

<ライト級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
山田聖真(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
GINJI(日本)

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
小崎連(日本)

<フェザー級/5分2R>
安井飛馬(日本)
牧野滉風(日本)

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45 CORO DEEP DEEP JEWELS DEEP123 GINJI MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC YouTube ダールミス・チャウパスゥイ 多湖力翔 宇佐美正パトリック 小崎連 山田聖真 島村直希 本田良介 牧野滉風 神田コウヤ 芦田崇宏 西川大和 越智晴雄 関原翔 青井人 高橋遼伍 魚井フルスイング

【DEEP123】RTUからの復帰戦、魚井と対戦する小崎連の自己分析「僕って一番オイシイ相手じゃないですか」

8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123で、小崎連が魚井フルスイングと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

小崎にとっては今年5月、Road to UFC初戦でダールミス・チャウパスゥイに敗れて以来、7カ月ぶりの復帰戦となる。チャウパスゥイ戦では初回に3度のダウンを奪いながらも、2R以降に盛り返されて判定負け。初黒星を喫した小崎にとっては、再度UFCを目指すための重要なリスタートとなる試合だ。そんな小崎にRTUを感想を訊くと、魚井戦に向けた冷静で客観的な自己分析が返ってきた。


――RTU初戦敗退から約半年を経て、DEEPで復帰戦に臨みます。RTU後の展開については、どのように考えていたのでしょうか。

「いくつか選択肢はありました。DEEPさんで復帰戦をやらせてもらうか、KROSS X OVERでもう1回試合をやらせてもらうか。主な選択肢は、その2つでした」

――結果、DEEPで復帰戦を行うことになった要因は何だったのですか。

「良いオファーを頂いたからですね。魚井フルスイング選手という名前があるファイターで、ここで勝てば僕にとっては凄くオイシイ話ですし。これはチャンスだな、と思ってオファーを受けさせていただきました」

――DEEPの1週間後となる15日にはKROSS X OVERのプロ大会が行われます。しかも通常の大会より規模が大きいですよね。

「そうですね。毎回プロの試合は行われていますが、14日がアマチュアで15日がプロと、2日間に分けて開催されるのは初めてだと思います。規模としては大がかりな大会です」

――リバーサル久喜&KROSS X OVERの島村直希代表からすれば、その15日のKROSS X OVERで小崎選手の復帰戦を組みたいと考えるかもしれません。

「そうだと思います。そんななかで僕のためにDEEPの試合を選ばせてくれて、本当にありがたいです」

――同時にジムの中も大変ですよね。2週続いて、これだけ試合があると……。

「はい(笑)。僕も自分の試合が終わったら、すぐ大会やチームメイトのお手伝いをさせていただきます」

――チームメイトと練習のピークの時期が少し違うだけでも、小崎選手の調整には影響を及ぼしませんか。

「そこは良い感じでやってもらっていて、僕だけじゃなく皆が良いように練習できています。僕自身もバッチリですね。このインタビュー直前まで練習していたんですけど、すごく良い動きができているので問題ないです」

――確かにリモートの画面越しでも、まず肌の状態を見るかぎりコンディションが良いことは分かります。減量も順調ということですね。

「そうなんですよ。今回は結構前から体重調整も準備していて、あとは計量前日に水抜きで落とすだけ――というぐらいの状態になっています。だからコンディションも凄く良いですね」

――試合前のインタビューでも仰っていたとおり、RTUは小崎選手のキャリアにとって初の大舞台です。そのなかで小崎選手が落ち着いた表情で試合を迎えていることが印象的でした。

「あまり覚えていないんですけど――特に変な緊張感もなくて。環境が変わったからといって浮足立ってしまう、ということもなかったですね。普通に、いつもどおりの感じで試合に臨むことはできました」

――試合では右ストレートを当て、ダウンを奪い続けました。あの展開はイメージどおりだったのか、あるいはイメージ以上ではなかったですか。

「右を当てるのはイメージどおりでした。でも、もっとうまく左を使って最終的に右を当てるというプランだったんです」

――3度ダウンを奪いながらも倒し切れなかった。それは左をうまく使えておらず、右が当たっても完全にKOするような手応えは感じていなかったのでしょうか。

「それもあるとは思いますけど、失神させるような当たりではなく、すべてフラッシュダウンのような感じだったじゃないですか。自分の中でも『これでは倒れないな。でも効かせることはできたのかな』と思っていて。あの時に『これは効いている。もっと行けば倒せる』という感覚があれば、そこで倒しに行っていました。だけど全てが中途半端な当たり具合で、結果的にも中途半端になってしまいましたね」

――2R以降はセコンドから「一発を狙いすぎるな!」という指示が飛んでいました。

「1Rに右が当たっても倒せていない。だから2Rからは『もっと頑張らないと!』と考えて狙いすぎになり、大振りになったところで組まれて、そのまま僕が下になって漬けられてしまいました。1Rが想定以上にうまく行っちゃったんですよ(苦笑)。

だから相手は打撃戦じゃなく組みに来ることも分かっていたのに、自分が大振りになってしまって。より相手に戦いやすい状況を与えることになりました。試合を振り返ると、それがダメだったポイントですね」

――一方で、倒されてから立ち上がる能力の高さは見せつけていたと思います。

「ありがとうございます。でも僕としては『そんなに……』なんですよ」

――というと?

「まずは倒されず、離してから打撃を当てないといけない場面が多かったからですね。なのに、ただ寝かされて立ち上がる、寝かされて立ち上がるということを繰り返しただけでは、勝ちには繋がらないじゃないですか。僕としてはまずテイクダウンされずに、相手にとって嫌なことをやり続けたかったです」

――なるほど。ディフェンスからオフェンスに繋げることができていなければ意味はないわけで。

「2R以降は僕がディフェンス一辺倒になってしまいましたからね。それはあの試合を経て、課題として見えてきた部分です。RTUが終わってからは、まずフィジカルトレーニングに取り組み始めました。それと、ただ倒されない、ただ立ち上がるというだけではなく、その次に繋げるための練習を強化しています」

――試合前のインタビューでは「Road to UFCに出ることで自分のことを知ってくれる人は多い」と仰っていました。ではRTUで自分のことを知ってもらうチャンスをチャンスを生かすことができたのか。あるいはUFCと契約する大きなチャンスを逃してしまったのか。どちらの気持ちのほうが大きいですか。

「正直言うと、両方です。やり方次第では勝てる試合でした。でも勝てる試合を落としてしまったことで、後悔もあります。でも試合を視た人からは『負けたけど良かった』という声も多くて、僕のことを知ってもらうことはできたんじゃないかと思います。だから、両方ですね」

――もちろん勝てば、どちらのチャンスもモノにできていたでしょう。これは「たられば」ですが、RTU初戦で惨敗していれば、復帰戦の扱われ方も……。

「アハハハ、それはそうだと思います。逆にあの試合内容だったからこそ――もう僕が絶対に勝つと思われるようなマッチメイクはないだろうと考えています。他の選手からすれば、僕って一番オイシイ相手じゃないですか。逆の立場だったら自分はそう思いますよ(笑)。

だからしっかり練習していないと、僕は越えられる壁が越えられない。反対に僕が越えられてしまう。だからRTUで負けたあと、『より一層頑張らないといけない』って気が引き締まりました」

――負けたけれども、あの試合内容を見せた小崎連を倒せば自分の名前が上がる。魚井選手こそ今、最もそんな試合を欲しているファイターの一人でしょう。

「魚井選手はMMAで4連敗していて、9月にようやく連敗を脱している。そこで次の試合を落としたら、今後のキャリアが危うくなる立ち位置ですよね。でも勝てば、もう一度上に行くことができる。だから相手も死に物狂いで立ち向かってくることは自覚しています。

僕も同じです。この試合で負けたら――もう後がない、というわけではないと思います。だけど負けたら、UFCへの道にもう一度最初から並び直さないといけないですよね。レコード的には2連敗になると、国内のプロモーターも使いづらくなるでしょうし」

――えっ!? 使いづらくなるでしょうか。

「だって、プロモーターからすれば『RTUであの試合をしておいて、ここで負けるのか』と思うじゃないですか」

――あぁ、なるほど。確かに『負けたけど良い試合』の直後はキツイだろうと思います。内容や結果によっては「あの試合はまぐれだったのか」と思われるかもしれませんし。

「そうなんですよ! それが一番嫌です(笑)。やっぱりRTUに対しても、初戦敗退のままでは終われないと思っています。もう一度RTUに出るためにも次の試合は落とせないし、それこそ『この選手に勝てば来年のRTUにエントリーできる』という相手と対戦する必要もあると思っています。

RTUに出るためにはレコードが重要になるじゃないですか。ただ勝っているだけではダメで。今年初戦敗退の選手が来年も出るためには、それだけの相手に勝たないといけない。来年だけじゃなく再来年に開催されるとしても……」

――はい。

「UFCと契約するためにはレコードもそうですけど、年齢も大切ですよね。契約するだけでなく、その後も勝ち続けていくことも考えると。もし結果が良くなくても、つくり直すこともできる。だから早く挑戦できることは、どんどん挑戦したいです。もちろんそのためには毎試合、とんでもない相手と組まれるかもしれないけど、それはファイターなら仕方のないことだと思いますし。

次の魚井選手も、僕にとっては越えなくてはならない高い壁です。RTUが終わって半年――そろそろ自分のことも忘れられている頃だと思うので、ここで魚井選手に勝って僕の存在を証明します」

■DEEP123 視聴方法(予定)
12月8日(日)
午後5時05分~ YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■DEEP123 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
芦田崇宏(日本)

<バンタム級/5分3R>
ソン・ジンス(韓国)
CORO(日本)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
宇佐美正パトリック(日本)

<フライ級/5分3R>
本田良介(日本)
関原翔(日本)

<ストロー級/5分3R>
越智晴雄(日本)
多湖力翔(日本)

<ライト級/5分3R>
神田コウヤ(日本)
山田聖真(日本)

<フェザー級/5分3R>
高橋遼伍(日本)
GINJI(日本)

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
小崎連(日本)

<フェザー級/5分2R>
安井飛馬(日本)
牧野滉風(日本)

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45 AB Combate Global CORO DEEP DEEP123 GINJI MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC YouTube   ピョートル・ヤン マリオ・バウティスタ 中務修良 宇佐美正パトリック 小崎連 山田聖真 本田良介 神田コウヤ 芦田崇宏 西川大和 越智晴雄 関原翔 青井人 高橋遼伍 魚井フルスイング

【DEEP123】ソン・ジンスが65カ月振りの復帰。西川✖パト+本田×関原+小崎連&青井等→3回戦が8試合!!! 

【写真】あの強さが健在なら、即タイトル戦線=ソン・ジンス (C)DEEP

25日(金)、DEEPより12月8日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP123 IMPACTの対戦カードが発表され──これがニューピア大会かと思うほど、面子が揃いDEEPの好調さが堅持されていることが伺えるラインナップとなっている。
Text by Manabu Takashima

まずフェザー級チャンピオン青井人が、Combate Global帰りの芦田崇宏をノンタイトルで迎え撃つ。3月の王座奪取以来、青井の9カ月ぶりのファイトは現在MMAで3連敗中のベテランとの対戦に。芦田としては2年と40日ぶりの勝利を挙げて、2024年の最後に大まくりを狙うファイトとなった。

そしてバンタム級では元王者でUFCにステップアップ、リリース後は学業に集中していたソン・ジンスが実に5年5カ月ぶりに実戦復帰を果たしCOROと戦う。UFCでは2敗という結果に終わったもののピョートル・ヤン、マリオ・バウティスタとの激闘はいずれもファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しているソン・ジンス。

20日のRING Championshipが実施したアマ大会で、チームメイトのセコンドに就く姿が確認されており、相当に体が大きかった。減量も含め実戦の勘という部分をどれだけ取り戻せることができるのかが、大きくパフォーマンスに影響するだろう。


さらにライト級で西川大和と宇佐美正パトリックが、DEEP初参戦同士ながらタイトルに大きく関係してくること間違いない一騎打ちを行うことに。パトとしては真っ向勝負、西川はそれを受け止めて打撃でいくのか、引き込み上等の西川ワールドを2年3カ月振りの国内でのファイトで披露するのか。非常に興味深いマッチアップだ。

フライ級にはタイガームエタイ所属の本田良介が、昨年のフライ級GP決勝以来の国内復帰戦へ。ONE FFで中央アジアやロシアの圧を知った経験を──MMA復帰後、スタイルチェンジを果たした関原翔を相手に見せつけることができるか。一発の極めを身に着けた関原もベルトを狙うためにも、最高の相手に挑むことになる。

さらには9月大会でDEEP初陣を飾った中務修良が、チャンピオン越智晴雄とノンタイトルで戦うストロー級の一戦。バンタム級でRoad to UFC帰りの小崎連が、魚井フルスイングと。高橋遼伍もGINJIを相手にDEEPでデビューを飾り、神田コウヤはライト級で山田聖真と仕切り直しへ。

実に3回戦が8試合「1、2、3、DEEP!!」という佐伯さんの掛け声が聞こえてきそうな──特別仕様のDEEP123@ニューピアホール大会だ。

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45 DEEP DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#04 MMA MMAPLANET o 梶本保希 魚井フルスイング

【DEEP Tokyo Impact2024#04】フルスイングの左ハイで攻め立てた魚井が梶本をフルマークで下す

【写真】パンチだけでなく左ハイもフルスイング。この左ハイが勝負を決めた(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
梶本保希(日本)

サウスポーの魚井がクラウチングスタイルで、前手を伸ばす。いきなり右フックをフルスイングする魚井。梶本はヒザを着いてかわす。さらに魚井のフルスイングをかわした梶本が、シングルレッグで組みつきケージに押し込んだ。両者離れると、ケージ中央で魚井が左ハイを繰り出す。梶本はインローを打ち込み、魚井にケージを背負わせるとシングルレッグで飛び込む。

尻もちを着かされた魚井は、ケージに背中を着けてヒジを落としていく。梶本のクラッチを切り、パンチとヒジを打ち込む魚井。しかし梶本のシングルレッグは切れない。ケージから離れた魚井は、ディープハーフの体勢になった梶本にヒジを叩きつけていく。梶本の顔面から出血が見られる。上半身を起こした魚井は、そのままヒジを落とし続けた。

2R、梶本の左ハイをかわした魚井が飛び込んだ。押された勢いで転んだ梶本に対し、魚井が左ハイでとびかかる。かわして立ち上がった梶本は、プレスを掛けられながらも右ヒザを狙うと、魚井も左フルスイングで迎え撃つ。ガードを下げて距離を詰めていく梶本。左ジャブを突き、左右に回る。梶本が右ストレートから組みつき、シングルレッグで尻もちを着かせた。

魚井がヒジを落としながら立ち上がると、梶本も離れる。梶本の右ミドルを捌いた魚井は、踏み込みのフェイントから、近づいてくる相手に左右フックを振るう。梶本はニータップからシングルレッグに切り替えるも、倒すことはできず。ケージ中央で魚井の左ハイが梶本の顔面を捉えた。梶本はニータップでケージに押し込むも、魚井は殴りながらケージを背にして耐えた。

最終回、梶本が左のガードを下げてジャブを伸ばす。魚井が右手を伸ばしながら左ハイを放った。梶本は魚井にケージを背負わせ、右ヒザをボディに突き刺し、続いてシングルレッグでケージに押し込む。リストコントロールでテイクダウンを許さない魚井が立ち上がると、梶本も離れた。梶本のニータップを防いだ魚井は、さらに梶本の右スイングを振り払う。右目下からも出血が見られる梶本は、ニータップで飛び込むも、バックステップした魚井の足に届かない。魚井の左と梶本の右が交錯する。

ここでレフェリーが試合を中断し、両選手にネガティブファイトの注意が与えられた。この展開がネガティブファイトなのか--。試合が再開されると、魚井が前に出て左ハイを当てる。すぐに梶本も打ち返した。梶本はフェイントをかけながら魚井にケージを背負わせるも、バランスを崩して攻め込めず。互いに左を振るい合い、魚井は左ハイを見せる。梶本が今成ロールのような体勢に入ると、魚井が左ハイを繰り出した。最後は梶本が組みつき、ドライブして試合を終えた。

裁定は魚井がフルマークの判定勝ちを収めた。


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45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS46 DEEP Tokyo Impact DEEP Tokyo Impact2024#04 HIME MMA MMAPLANET o Te-a YouTube アシルベック キック コンバット柔術 フェルナンド マサト・ナカムラ 万智 加藤瑠偉 原虎徹 安永吏成 山口コウタ 山崎桃子 彩綺 斎藤 月井隼南 村上彩 松岡疾人 桐生祐子 梅野源治 梶本保希 渋谷カズキ 湯浅帝蓮 滝田J太郎 濱口奏琉 魚井フルスイング

【DEEP Tokyo Impact2024#04& DEEP JEWELS46】計量よもやま話。女子は計量後の握手の習慣なし???

【写真】J太郎、滑り系から空気のようにあった当然のように。達人の域に達しつつある (C)MMAPLANET

明日8日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP Tokyo Impact2024#04及びDEEP JEWELS46の計量が新宿区のホテルローズガーデン新宿で行われた。
Text by Manabu Takashima

梅野源治とのヒジ有り立ち技マッチで注目を集めた魚井フルスイング✖梶本保希、果たしなく続くフライ級サバイバルマッチ=渋谷カズキ✖原虎徹などが組まれたDEEP Tokyo Impact2024#04。そして万智×スーリ・マンフレディの国際戦がメインのDEEP JEWELS46。

アマチュアマッチを含めTokyo Impact大会は全14試合、JEWELSは12試合──計26試合中、MMAPLANETではツーショット撮影の前後に、どれだけの選手が握手を交わすのかを注目してみた。

魚井と梶山は両者、頭を下げて一礼はしたもの握手はせず。またマサト・ナカムラと濱口奏琉は後者が本計量で体重を落とせなかったこともあり、健闘を誓いあうことはなかった。同様に松岡疾人✖安永吏成は、コメントを終えると安永はすぐに背を向けてステージを下りる。岩見凌も即踵を返し、対戦相手の湯浅帝蓮はその背中で手を差し出して笑みを浮かべていた。2試合組まれたアマ戦では、竹見浩史郎と松井優磨は手を合わせなかった。


結果コメインの渋谷✖原、加藤瑠偉の肩を抱いてシェイクハンドの渡邉龍太郎、握手も暑苦しいほどガッチリの滝田J太郎と宮本誠一、グータッチの武利侑都×濱口麗地、握手ばかりか敬礼をしあった宇良拳と渡部智偉ら──8試合、16人の選手が握手を交わしていた。

対してJEWELSでは、マイク前に万智とスーリがどちらからとなく手を差し伸ばしあったが、この両者以外は遅れて計量をパスした桐生祐子と村上彩が握手したのみ。互いに視線を合わせて、一礼しあった斎藤百湖とMANAを含め10試合に出場する20人のファイターに握手は見られなかった。結果、女子選手は男子選手より健闘を誓うことがない──ということに。

またTOKYO IMPACT大会では湯浅帝蓮(たいらん)とアシルベック、アマ出場のマイケル北見の3選手が英語を交えて抱負を語っていた。

今大会が4年11カ月ぶりのMMA出場となる湯浅は米国生まれの日本人で、日本でのMMAは初めてとなる。柔道でUSナショナル3度の優勝を誇るという湯浅、コンバット柔術の出場経験のあり現在は日本在住で、「まだ明確にいつに米国に戻るというのは決まっていないのですが、帰国した時には柔道道場を創りたい」と話している。

マイケル北見も日本在住だが、グアム生まれのグアム育ち。アシルベックは2年前に日本にやってきてからMMAを始めた選手で、もともと母国では松濤館空手で活躍してきた。ウスベキスタン、中央アジア、そしてアジア王者に輝いていたアシルベックは、現在はワールドカラテアカデミー(月井隼南も在籍)で剛柔流の指導を行っており、「突きをコントロールすること。当たった時には終わっている」空手を目指す。

マイケル北見とアマ試合を戦うフェリペ・ハセヤマはフェルナンドと共にブラジリアン。マサト・ナカムラはフィリピンとのハイブリッドで、来日外国人選手はいないもののTokyo Impactは実のところ国際色豊かな大会となっている。なかでも加藤瑠偉は宮城県出身の生粋の日本人だが、エキゾチックな顔立ちをしており、本人は「修羅場がこの顔を創ったんです」と明日の試合に自信を見せていた。

Tokyo Impact 大会、JEWELESもいつも通り計量終了後に審判団からルールの確認があったが、そこで女子選手(男子にも一応はあった)にジェルネイルの使用禁止、過去に見つかったケースではやすりで削って出血、爪が剥がれたこともあるという恐ろしいエスピソードが説明されていた。

万智は先ごろ、ドラゴンボールの七星球的金髪美女ジェルネイルを施していたが、練習中に自然と剥がれ最終的には試合前に自分の爪で「ゴシゴシやって落としました」とのこと。

すっかりと星は確認できなくなっていたが、先週の歌合戦に続き、明日はスーリ相手に白星を手中に収めるべき好調ぶりをアピールしていた。

■DEEP JEWELS46視聴方法(予定)
9月8日(日)
午後5時10分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV

■DEEP JEWELS46計量結果

<ストロー級/5分3R>
万智:52.45キロ
スーリ・マンフレディ:52.65キロ

<49キロ契約/5分3R>
HIME:48.95キロ
彩綺:48.8キロ

<アトム級/5分3R>
村上彩:47.8キロ
桐生祐子:48.1キロ

<ミクロ級/5分2R>
山崎桃子:44.0キロ
知名眞陽菜:44.05キロ

<60キロ契約/5分2R>
斎藤百湖:59.95キロ
MANA:59.7キロ

<アトム級/3分2R>
LIBBY:47.8キロ
須田美咲:48.0キロ

<バンタム級/5分2R>
Te-a:60.4キロ
鈴木”BOSS”遥:61.0キロ

<アトム級/5分2R>
上瀬あかり:47.9キロ
サラ:47.8キロ

<フェザー級/5分2R>
超弁慶:63.85キロ
近藤セリナ:65.9キロ

<アマ・フライ級/3分2R>
あすか:57.1キロ
一色栄里:56.75キロ

<アマ・キック・ストロー級/1分30秒2R>
横江明日香:51.25キロ
須山はな:51.3キロ

<アマ・キック・ストロー級/1分30秒2R>
横瀬美久:48.95キロ
須山ゆな:48.2キロ

■DEEP Tokyo Impact2024#04視聴方法(予定)
9月8日(日)
午後12時35分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP Tokyo Impact2024#04計量結果

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング:61.4キロ
梶本保希:61.5キロ

<フライ級/5分3R>
渋谷カズキ:56.7キロ
原虎徹:57.0キロ

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ:57.15キロ
濱口奏琉:57.2キロ

<フライ級/5分2R>
松岡疾人:57.0キロ
安永吏成:57.1キロ

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉:56.95キロ
渡邉龍太郎:56.65キロ

<バンタム級/5分2R>
岩見凌:66.15キロ
湯浅帝蓮:65.85キロ

<68キロ契約/5分2R>
滝田J太郎:67.6キロ
宮本誠一:67.8キロ

<バンタム級/5分2R>
山口コウタ:61.5キロ
フェルナンド:61.05キロ

<フェザー級/5分2R>
アシルベック:65.95キロ
雄大:66.0キロ

<フライ級/5分2R>
武利侑都:56.9キロ
濱口麗地:57.15キロ

<ライト級/5分2R>
宇良拳:70.4キロ
渡部智偉:70.35キロ

<アマ・フライ級/3分2R>
竹見浩史郎:57.1キロ
松井優磨:56.75キロ

<アマ・ストロー級/3分2R>
マイケル北見:52.05キロ
フェリペ・ハセヤマ:51.1キロ

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【DEEP JEWELS46】彩綺戦へ、HIME「ストライカー対決であっても、ストライキングだけで終わりたくない」

【写真】 パンチ力があるからこそ、寝技で極める機会もでてくるでしょう(C)SHOJIRO KAMEIKE

8日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS46で、HIMEが彩綺と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2021年のプロデビューから8戦で4勝4敗。戦績はイーブンでありながら、その対戦相手が凄まじい。ケイト・ロータス、藤田翔子、本野美樹、大島沙緒里、桐生祐子、万智、パク・シウ、そして中井りんと戦いながらストライカーのイメージを確立してきた。そのHIMEが語るMMAキャリアと理想、そしてリングネームの秘密に迫る。


もともとは寝技でバックを取るのが得意なタイプでした

――今回がMMAPLANET初インタビューとなります。まずはこれまでのキャリアについてお聞きしますが、格闘技を始めたキッカケから教えてください。

「格闘技を始めたのは5年前ぐらいです。それまでは小学4年生からずっとバスケットボールをやっていました。バスケがキッカケで山口県に来たんですよ」

――バスケがキッカケで山口県に、というと……。

「出身は愛知県ですけど、大学の先生に『バスケで就職したい』と相談したんです。そうしたら山口県の大学の先生と繋がりがあり、こちらでバスケのチームを持っている会社を紹介してもらいました」

――バスケに詳しくなくて申し訳ないのですが、そのチームはプロなのですか。それとも実業団なのでしょうか。

「いわゆる社会人チームですね。プロチームのようにバスケ専業というわけではなく、会社の仕事をしながらバスケをやるという感じでした。でも31歳ぐらいの時に、監督から『子として終わってください』ということを告げられて」

――そこで他のチームに行くという選択肢はなかったのですか。

「自分としてはバスケを続けたいと思っていました。でも、そういう形でチームを離れることになって……。このままバスケを続けても、復讐心が残ると思ったんですよ」

――元のチームを見返してやろう、と。

「はい。そんな気持ちでバスケを続けても楽しくないないだろうと思っていた時に、毛利道場に入りました。とにかく体は動かしていたいので、フィットネスジムを探して。あの頃はバスケを続けたいという気持ちもありつつ、道場に通うようになりました」

――そこからMMAでプロデビューするまで、どのような経緯があったのでしょうか。

「最初は週2回のフィットネスクラスだけで、ミットを打つのがメインのクラスだったんですよ。その後にあったのが、プロの人もいるキックボクシングのクラスで。『次のクラスにも参加してみなよ』と誘われて、モジモジしながら参加してみたのが最初です(笑)」

――社会人チームでバスケをプレーしていたのであれば、他の一般会員さんよりも体力や体の動かし方などは、HIME選手のほうが上だったのではないですか。

「動けるね、体力はあるねとは言われていました。でも自分の中ではメッチャ辛かったです。バスケとは使う筋肉が違うというか、瞬発力から筋持久力に変わるので。ただ、飲み込みは速かったみたいで、例えば寝技の練習でエビをやってみても困ることはなかったですね」

――やはり凄い。しかし、その時点ではまだ選手になろうとは思っていなかったのですね。

「ジムに入ってから半年ぐらいで、アマチュアDEEPに出るお話をもらったんですよ。同じ時期に入会した、ちーちゃん……和田千聖選手の試合があって『同じ大会に出る?』と声をかけてもらいました。

その試合で負けて、『もっとMMAをやりたい』と思って、アマ修斗にも出たあとDEEPジュエルスでプロデビューすることに――ただ、当時はプロ選手になりたいと思っていたわけではないんです。そんな気持ちのまま、プロの肩書がついたというか……」

――そのなかでプロデビュー翌年には長いリーチを生かしたパンチ中心のファイトスタイルで、前年にDEEPジュエルスのアトム級王者となっていた大島選手に、ノンタイトル戦で勝利しました。もともと格闘技経験がないなかで、なぜ打撃中心のファイトスタイルを選択したのでしょうか。

「自分の中では、選択したわけではないんですよね。大島選手との試合も『打撃が得意だから打撃で行く』のではなく、『寝技じゃ絶対に勝てないから打撃で――』という感覚に近いですね(苦笑)」

――えっ! そうだったのですか。

「もともとは寝技でバックを取るのが得意なタイプでした。だから藤田さんとの試合もバック奪取からコントロールしたり、本野さんとの試合でもグラウンドの展開があって」

――そういえば……大島戦以降は打撃の印象が強すぎて、HIME選手のグラウンドについて頭から抜けていました。本野戦ではボトムからの展開もありましたし。

「アハハハ。まぁ『グラウンドもゼロではない』というぐらいで。寝技も好きなんですよ」

――一方で大島戦の後は桐生選手に秒殺KO勝利を収めたものの、続いて万智戦とパク・シウ戦で連敗を喫しました。

「万智選手との試合は負けたことより、自分のやりたいことが出せなかったことが悔しいです。それと、あの試合から『もっとグラップリングをやりたい』と思いました。パク・シウさんとの試合も『打撃の試合になるだろう』と期待してもらっていましたけど、実際は打撃勝負ではなくMMAで負けたわけですよね。パク・シウさんも試合前から『私がMMAで勝ちます』と言っていましたし」

――……。

「今、ストライカーとして評価してくれるのは嬉しいです。でもやっぱりトータルで強くなりたいですね。パク・シウさんは本当に圧も凄くて、こちらが打撃で行きたくても行けませんでした。でも逆に、あのプレッシャーを受けて『KOできなかったけど、KOされなかった。もう怖いものはない』と思ったんですよね。負けたけど凄く自信になった試合でした」

――なるほど。その自信を胸に、中井りん選手の対戦相手として立候補したと。

「行けるだろ、みたいな(笑)」

――実際のところ中井戦で敗れはしましたが、HIME選手がパンチで中井選手を削ることができていました。打撃の面で何か新しく取り組んだことはありましたか。

「打撃の当て方ですね。それまでは『綺麗に速く打つ』というイメージでパンチを打っていました。でも最近は、相手の急所を自分の拳の効くところで殴ることを意識しています」

――拳の効くところ、つまりナックルを正確に当てるということですね。

「そうです。おかげで左ジャブを効かせることができるようになりましたね。中井選手との試合でも左ジャブと右アッパーを出していて――そこから右ストレートを当てたかったです。でも『このスタイルで、この距離を保つことができたら』という手応えはありました。

階級が上の選手で、負けたけど試合をやって良かったと思います。あれだけプレッシャーが凄い選手と向かい合って、自分もパンチで攻め込むことができました。『これでまた49キロで試合をしたら、どうなるんだろう?』と楽しみです」

――次の試合は49キロ契約で、「ストライカー対決」と言われています。

「ストライカー対決であっても、ストライキングだけで終わりたくないです。ストライカーである自分も好きではあるんですけど(笑)」

――今はストライカーの自分と、寝技をやりたい自分では、どちらが上ですか。

「あぁ、際どい! どっちなんでしょうね。今はストライカーの自分のほうが好きかもしれないけど、綺麗に寝技で極めることがあれば、また変わると思います」

『姫か殿か、どちらか選んでいいよ』と

――なるほど。ちなみに対戦する彩綺選手がブレイキングダウン出身であることについて、何か意識したりはしますか。

「特にないですね。『次の相手は?』と訊かれて『ブレイキングダウンに出ていた彩綺選手だよ』と答えたほうが分かってもらえることもある程度で。もうDEEPジュエルスで何戦もしている選手ですし、私たちが戦うのはMMAなので。自分もMMAで勝ちます」

――最後に、HIMEというリングネームの由来は何なのでしょうか。

「バスケの時のコートネームがHIMEだったんですよ。バスケでは試合中、互いに呼びやすいよう2文字ぐらいの名前をつけることがあって、それをコートネームと言うんです。大学でコートネームを決める時、私はカッコいいのが良かったのに、先輩が悪ふざけで『姫か殿か、どちらか選んでいいよ』と言ってきて」

――アハハハ! ゆくゆくはMMAのリングネームがTONOになる可能性もあったのですね。

「いやぁ、そうなると選択肢は一つしかないじゃないですか。でも当時から私はボーイッシュで、『見た目がボーイッシュでコートネームがHIMEなら笑いが取れるじゃん』という先輩の言葉に乗ってしまいました(笑)。今もリングネームがHIMEなのにストライカーで、あの時にHIMEを選んで良かったと思います」

■DEEP JEWELS46視聴方法(予定)
9月8日(日)
午後5時10分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV

■DEEP JEWELS46 対戦カード

<ストロー級/5分3R>
万智(日本)
スーリ・マンフレディ(フランス)

<49キロ契約/5分3R>
HIME(日本)
彩綺(フリー)

<アトム級/5分3R>
村上彩(日本)
桐生祐子(日本)

<ミクロ級/5分2R>
山崎桃子(日本)
知名眞陽菜(日本)

<60キロ契約/5分2R>
斎藤百湖(日本)
MANA(日本)

<アトム級/3分2R>
LIBBY(日本)
須田美咲(日本)

<バンタム級/5分2R>
Te-a(日本)
鈴木”BOSS”遥(日本)

<アトム級/5分2R>
上瀬あかり(日本)
サラ(日本)

<フェザー級/5分2R>
超弁慶(日本)
近藤セリナ(日本)

■DEEP Tokyo Impact2024#04視聴方法(予定)
9月8日(日)
午後12時35分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

■DEEP Tokyo Impact2024#04対戦カード

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
梶本保希(日本)

<フライ級/5分3R>
渋谷カズキ(日本)
原虎徹(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
濱口奏琉(日本)

<フライ級/5分2R>
松岡疾人(日本)
安永吏成(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉(日本)
渡邉龍太郎(日本)

<フェザー級/5分2R>
水野新太(日本)
石塚一(日本)

<バンタム級/5分2R>
岩見凌(日本)
湯浅帝蓮(日本)

<68キロ契約/5分2R>
滝田J太郎(日本)
宮本誠一(日本)

<バンタム級/5分2R>
山口コウタ(日本)
フェルナンド(ブラジル)

<フェザー級/5分2R>
アシルベック(ウズベキスタン)
雄大(日本)

<フライ級/5分2R>
武利侑都(日本)
濱口麗地(日本)

<ライト級/5分2R>
宇良拳(日本)
渡部智偉(日本)

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【DEEP】魚井フルスイングMMA復帰!梶本保希と対戦!

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9月8日にニューピアホールで開催されるDEEP TOKYO IMPACT 2024 4th ROUNDの第一弾対戦カードが発表されました。渋谷カズキ×原虎徹、マサト・ナカムラ×濱口奏琉、そして懐かしの滝田J太郎参戦などグッとくるポイントは多々ありますが、一番の注目は何んと言っても魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)×梶本保希(パラエストラ八王子)のバンタム級ワンマッチでしょう。

魚井と言えば6月のRIZIN.47で梅野源治とキックルールで対戦。肘打ちかバッティングかで関係者、ファンも巻き込んでSNSで大論争になった事が記憶に新しい。不慣れなキックルールからMMAへの復帰を迎えて歓迎しているファンも多いのではないでしょうか。

とはいえ、魚井はMMAで現在4連敗中。前戦のDEEPでは平松翔のギロチンチョークで一本負けを喫して埋没していると言っても過言ではないでしょう。そんな崖っぷちの状態で迎える相手は梶本。鈴木千裕のセコンドで一躍脚光を浴びている塩田“GoZo”歩が率いるパラエスト八王子に所属する22歳の新鋭です。

DEEPでは5勝3敗と決して順風満帆とは言えない戦績ですが、何気に爆発力があるのが印象深い。2022年のDEEPでは鬼山斑猫 (KRAZYBEE)を相手に1発のパンチを効かせて即座にテイクダウン。そのままパウンドを乱射して秒殺でTKOを勝ちを収めました。

その後、3連敗を喫したものの、JAPAN TOP TEAMに所属するフェルナンドを相手に判定勝ち。見事に生き残って魚井戦にこぎ着けました。RIZINにも参戦したビッグネームを相手に番狂わせを起こす大チャンス。モチベーションも上がっている事でしょう。

展開はパンチを振り回してくる魚井を相手に打ち合うとはなかなか思えず、梶本はテイクダウンを狙う戦術か。ここは内容よりも勝ちに徹してくるはず。逆に魚井は停滞ムードを吹き飛ばすスカ勝ちが求められるポジション。この立ち位置の違いがどう影響するか。興味深い試合が組まれました。
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o RIZIN RIZIN47 YouTube “ブラックパンサー”ベイノア   カルシャガ・ダウトベック キック キム・ギョンピョ クレベル・コイケ シェミスラブ・コバルチェク ジョニー・ケース スパイク・カーライル セルジオ・ペティス ブラック ボクシング ラジャブアリ・シェイドゥラエフ 上田幹雄 堀口恭司 宇佐美正パトリック 徳留一樹 梅野源治 武田光司 関鉄矢 魚井フルスイング

【RIZIN.47】武田光司、シェイドゥラエフに無念の一本負けで悔しさ「とんでもない選手だな」 『RIZIN.47』試合後インタビュー

9日に開催された『Yogibo presents RIZIN.47』(国立代々木競技場第一体育館)の試合後インタビューに選手たちが応じた。

●『Yogibo presents RIZIN.47』(国立代々木競技場第一体育館)
・第9試合 バンタム級
堀口恭司 vs. セルジオ・ペティス
・第8試合 フェザー級
クレベル・コイケ vs. フアン・アーチュレッタ
・第7試合 ヘビー級
上田幹雄 vs. シェミスラブ・コバルチェク
・第6試合 フェザー級
武田光司vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
・第5試合 ライト級
スパイク・カーライル vs. キム・ギョンピョ
・第4試合 フェザー級
カルシャガ・ダウトベック vs. 関鉄矢
・第3試合 ライト級
ジョニー・ケース vs. “ブラックパンサー”ベイノア
・第2試合 オープンフィンガーグローブキックボクシングルール(※肘有り)
梅野源治 vs. 魚井フルスイング
・第1試合 ライト級
徳留一樹 vs. 宇佐美正パトリック

#武田光司 #RIZIN #RIZIN47

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MMA o RIZIN   キック クレベル・コイケ セルジオ・ペティス 堀口恭司 宇佐美正パトリック 徳留一樹 梅野源治 魚井フルスイング

【RIZIN】速報中!RIZIN.47

IMG_9604
今日はRIZINの日。代々木第一体育館でRIZIN.47が開催されます。堀口恭司×セルジオ・ペティス、クレベル・コイケ×ファン・アーチュレッタという極上カードをメインとセミに据え、さらに世界に発信できる5大発表もあるからテンションが上がらずにはいられません。今宵は代々木から電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 MMA ライト級】
×徳留一樹(パラエストラ八王子)
(1R TKO)
◯宇佐美正パトリック(Battle-Box)
1R、序盤はジリジリしたスタンドの攻防。徳留はタックルに行く素振りを見せたが宇佐美は反応してスタンドの状態が続く。中盤に前に出た徳留のパンチの連打で宇佐美はグラつく。徳留はグラウンドに持ち込もうとするが宇佐美は立ち上がる。徳留が仕留めに左右のフック。宇佐美もフックで応戦すると、右フックがクリーンヒット!徳留はダウン!レフェリーが試合を止めた!


【第2試合 キック(OFG着用) 62kg契約】
◯梅野源治(PHOENIX)
(判定3-0)
×魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
1R、開始と同時に間合いを詰める魚井。左右のフックを振り回すと梅野は後退。防戦一方かと思いきや、カウンターのパンチを当てると魚井はダウン。立ちあがると一呼吸置いて魚井がまたもラッシュ。梅野はガードを固めてミドル。さらにローを入れるとローブロー。魚井は悶絶してしばらく中断。再開するとまたも魚井は前に出る。ヒットこそないものの風圧で梅野を吹き飛ばす場面も。終盤は打ち合いから組んでブレイクがかかる展開でラウンドを終えた。
2R、振り回す魚井は距離が詰まるとタックルに行ってしまう。2回続くと魚井にイエローカード。それでも間合いを詰めて左フックを振り回す魚井。梅野はパンチの交差からショートフックを当てたか魚井はダウン。立ちあがると前に出るが梅野はミドルを効かせてラウンド終了。
3R、後がない魚井。パンチを振り回すがやはりタックルに行ってしまい、さらに減点されてしまう。終盤は左フックに膝蹴りが当たり始めたがダウンを奪うまでには至らず試合終了。判定は大差で梅野に軍配。