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【Column】マカオで11年振りにUFCを取材して……何だかんだと、詮無いことを考えてしまった

【写真】本当にすさまじい盛り上がり方だった (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)にマカオのギャラクシー・アリーナで開催されたUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」。メインのピョートル・ヤン×デイヴィソン・フィゲイレドの激闘に沸き返る1万2000人超の館内をケージサイドから眺めて、「全然違う」と素直に思わされた。
Text by Manabu Takashima

何が違うのか。過去のマカオ大会とは、明らかに別モノだった。UFCが前回マカオでイベントを行ったのは2014年8月23日、もう10年以上も前になる。

ギャラクシー・マカオとアヴェニーダ・シダージ・ノヴァを隔てたザ・ベネチアン・マカオのコタイ・アリーナに7000人強のファンを集めたUFN48のメインは、奇しくも今大会でカラーコメンテーターを務めたマイケル・ビスピンが、カン・リーと相対した一戦だった。

マカオに初めてUFCが進出したのは、その2年前。2012年11月10日のUFC Macao(UFC Fuel TV06)で五味隆典、水垣偉弥、手塚基伸、漆谷康宏、福田力と日本人5選手も出場した。同大会での中国人ファイターの出場はジャン・ティエチュエンの1選手のみ。それでもコタイ・アリーナに8000人のファンを動員し、日本大会と並びアジアで定期的にイベントが行われるという期待が寄せられた。

この後、今はUFCを去ったマーク・フィッシャーを長とするUFCアジアは、TUF Chinaを軸とした中国人選手の育成という命題を挙げ引き続き2 度に渡りコタイ・アリーナ大会を取り行っている。2014年3月のTUF China Finale大会では、そのTUF Chinaウェルター級決勝戦でジャン・リーポン×ワン・サイが組まれ、ジュマビエク・トルスンと3人の中国人ファイターと共に日沖発と徳留一樹が参戦した。

上記にあるUFN48ではTUF Chinaフェザー級決勝ニン・グォンユ×ヤン・ジェンピン、ジャン・リーポンとワン・サイ&ヤン・ジークイと中国人選手は5人に増え、日本人出場選手は安西信昌と佐々木憂流迦の2人だった。

これら過去のマカオ3大会の集客数は6000人から8000人、コタイ・アリーナの一部を使用するスケールでイベントは実施された。3大会連続出場はキム・ドンヒョン。特に中国がフューチャーされるという風ではなく、アジア大会という空気感だったことが思い出される。

あれから10年、UFCにおける中国の存在感は比較にならないほど、重要になっている。

世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリは当然として、男子でもバンタム級のソン・ヤードンやウェルター級のリー・ジンリャンが北米要員として地位を確立。20人に及ぼうかという契約配下選手の多くは、上海PIで最先端のトレーニング環境が与えられ、現地のローカルショーからRoad to UFCという道を経て最高峰に辿り着いている。

フロリダのキルクリフFC、サクラメントのチーム・アルファメールと中国人選手が米国のジムで練習、所属することは何も珍しくなくなった。

今回のマカオ大会には上に名前を挙げた中軸ファイターの出場はなかったが1カ月に 3度から4度、世界のとこかで見られるUFCの日常的なイベントで、中国のファンたちはお祭り騒ぎ状態だった。

UFC300でジャン・ウェイリに挑戦したイェン・シャオナンを始めとする10人の同朋に、1万2000人越えの大観衆は「加油(チャーヨー」と、力いっぱい叫び続けた。特別でなく、ご当地ファンを応援する。そして世界のトップに声援を送るという──熱狂がギャラクシー・アリーナに渦巻いていた。

メディアの数は昨年、一昨年のシンガポール大会とは比較にならないほど多かった。プレスルームもそれだけ巨大だ。ざっと見まわして、中国メディアの数は80を下らなかっただろう。

それだけ投資をした結果といえばそれまでだが、お祭りでなく日常がビジネスになることは、大きい。何よりマカオ大会の熱狂は中国の人々のUFCを見る目が肥え、UFCを楽しめるようUFCが手を尽くしてきたからこその結果だ。

天文学的な額の投資やその勢いを買うだけの経済基盤が、かの国にある。だから時間を掛けることができた。投資を回収できないのであれば事業の見直すことになることも承知し、それだけ費やしてきた。残念ながら、我が国の経済はそのような余裕はない。プロモーターやファイター、ジム関係者、専門メディア、皆がそうだ。いうと一国全自転車操業状態。だから、目の前の利益を追求する必要がある。

複数の日本人ファイターがUFCのメインカードに名を連ね、サッカーのプレミアリーグで活躍したり、MLBでレギュラーを務める選手のような名声を得るにはどうしたら良いのか。そのような日はやってくるのか。

強さを追求しているだけでは食っていけないという言い訳をやめて、格闘技の本質を曲げないでいられるのか。あるいは強さが絶対の価値観を持つMMA界とするために、投機できるビリオンネアーが現れるのを待つのか。ギャラクシー・マカオを闊歩する大陸からやってきた人達を眺めつつ、そんな現実離れした考えしか思い浮かばなかった。

それでも今、日本のMMA界に奇跡的な神風が吹こうとしている。朝倉海のUFC世界フライ級王座挑戦は、特別なことだ。9年振り9カ月振りの日本人のUFC世界王座挑戦が、デビュー戦。彼の日本における影響力の大きさとフライ級の現状が合致した特別な世界王座挑戦に加えて、このチャレンジに化学反応を示す下地が今は少なからずある。

格闘技・冬の時代と呼ばれた頃に、「UFCで戦いたい」と猫も杓子も口にしていたのとは違う──本気で強さを追求することで、選択肢がUFC一択となったファイター達が存在している。平良達郎、中村倫也、鶴屋怜、木下憂朔、風間敏臣、井上魅津希──そんな面子に、Road to UFCと同時開催なんてことがあるなら強さを追求する純度と強度が高まるイベントの実現も可能になるに違ない。

この動きを一過性でなく、恒常性とするには……強さが軸となるマッチメイクをプロモーターが組める仕組みを構築すること。それにはファイターとプロモーターが対等の立場になる環境創りが欠かせない。過去の慣例に縛られない。過去の成功例でなく、今の成功例に目をやること。

近い例でいえば、それこそ朝倉海の大抜擢だ。なぜ、デビュー戦&世界挑戦が現実のモノとなったのか。彼はRIZINが求めることをやり抜き、UFCが求めるモノを追求してきた。その姿勢を学ばずに「RIZINで戦いたい」、「UFCと契約する」と口にしても、正直どうしようもない。

Road to UFCも然りだ。入口に立つことが大切なのは、UFC本大会であってRoad to UFCではないはず。出場を目指してレコードを綺麗にするために、強い相手との対戦を避けるような姿勢では、豪州が加われることが予想される次回大会を勝ち抜くことができるだろうか。

今やコンテンダーシリーズもそうだが、Road to UFCという「勝てば官軍」的なトーナメントで生き残るのは綺麗なレコードは当たり前。それも強い相手を食って、綺麗なレコードである必要がある。

韓国人ファイターだが、ユ・スヨンは昨年12月のNAIZA FCの敗北後に1月にBlack Combatでキム・ミウ戦と戦った。結果はNCだった。この2試合を経てRoad to UFCに出場できなかったかもしれない。

と同時に、この2戦を経験していないと今の強さがなかったかもしれない。要はユ・スヨンはRoad to UFCで戦う権利を得るために、チャレンジをした。

チェ・ドンフンは強いが試合が面白くないという韓国内での評判を、Gladiatorの2戦で払拭した。日本での試合は、現状を変えるために必要だった。

倒せる武器があることを自認し、準決勝まで勝利を最優先とした。そしてファイナルは見事なKO勝ちを飾った。彼もまた昨年12月と今年の2月と日本で戦って、Road to UFC出場権を得ている。

レコードが汚れるリスクを冒して、戦績を積んだうえでRoad to UFCに出場しても勝てないこともある。実際に河名マストや本野美樹はそうだったと言える。だからこ、その姿勢を評価する業界になることが、日本が強くなる第一歩ではないだろうか。

頂きを目指すには、登山口がどこにあるのか。そのルートをしっかりと確認、精査しないと登山はできない。その挑戦が成功例も失敗談も将来に活かすことはできないままで終わる。

根本として、日本を強くするのはプロモーターではない。ジム、そしてファイターだ。それを評価するのがプロモーターの役割で、さらに商売にする才覚が求められる。中継パートナーも同様だろう。ではメディアの役割とは何か……正直、専門メディアの役割など、もうとうになくなったのではないかと思っている。

フォロワーが多いインフルエンサーに、しっかりと格闘技を伝えてもらう方がよほど、Yahooへの転載でPV数を増やしてGoogle広告で生き永らえようとする専門メディアより影響力があるはず。影響力のある有名人や中継局、大手メディアに対して、情報提供でなく知識の共有を目指した記事を書く。それが、実はネット時代になる以前と変わらぬ専門メディアが果たすべき役割だ。


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UFC 310:朝倉海 アルティメットメディアデー Presented by U-NEXT

概要欄
UFC® 310:ムハマッド vs. ラフモノフ
日本時間:2024年12月8日(日)
会場:T-Mobileアリーナ(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)
配信:U-NEXT / UFC Fight Pass

世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体であるUFC®(Ultimate Fighting Championship)が日本時間12月8日(日)に開催を予定しているUFC® 310のセミメインイベントにて、UFCフライ級王者アレシャンドレ・パントージャが、UFCデビューを飾る朝倉海を相手に3度目の防衛戦に挑みます。

2023年7月に開催したUFC 290で、当時のUFCフライ級王者ブランドン・モレノを下してUFCフライ級王座を獲得したアレシャンドレ・パントージャ(28勝5敗、ブラジル/アハイアウ・ド・カボ)は、以降の1年間でブランドン・ロイバルとスティーブ・エルセグを退けて王座防衛に成功しました。パントージャはサブミッションで10勝、ノックアウトで8勝、第1ラウンドフィニッシュ10回を記録しており、モレノ(3戦)、アレックス・ペレス、マネル・ケイプ、佐々木憂流迦、カイ・カラ・フランスら強豪に勝利しています。

UFCデビュー戦がタイトルマッチという歴史的な一戦に挑む朝倉海(あさくら・かい、21勝4敗、愛知県)は、現在、日本で最も有名なMMAアスリートであり、10年以上のMMA経験を持つ実績あるノックアウトアーティストと称されています。朝倉のベーススタイルは打撃とグラップリングを包括する日本の空手、禅道会。UFC参戦までに2連勝を収めており、日本のRIZIN FFでは過去12試合中9試合でメインイベントまたはセミメインイベントを務めています。最近では2023年12月にフアン・アーチュレッタを破ってRIZIN FFバンタム級王座を獲得した経歴を誇ります。また、これまでに朝倉はマネル・ケイプ、堀口恭司、佐々木憂流迦らを下してきました。

朝倉の参戦により、UFCロースターに名を連ねる日本人選手はフライ級ランキング5位の平良達郎、女子ストロー級の魅津希、ウェルター級の木下憂朔、ROAD TO UFCシーズン1バンタム級ファイナリストの中村倫也と風間敏臣、ROAD TO UFCシーズン2フライ級優勝者である鶴屋怜の7名となります。

対戦カード一覧(予定)
【メインイベント】
ウェルター級タイトルマッチ
ベラル・ムハメド vs. シャフカト・ラフモノフ

【セミメインイベント】
フライ級タイトルマッチ
アレシャンドレ・パントージャ vs. 朝倉海

【その他カード:順不同】
ヘビー級:シリル・ガーン vs. アレクサンドル・ボルコフ
ウェルター級:ビセンテ・ルーケ vs. ニック・ディアス
フェザー級:モフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリング
ウェルター級:ランディ・ブラウン vs. ブライアン・バトル
ヘビー級:タリソン・テイシェイラ vs. ルーカス・ブジェスキー
女子ストロー級:タティアナ・スアレス vs. ビルナ・ジャンジロバ
フライ級:コーディ・ダーデン vs. ジョシュア・ヴァン
ライト級:クレイ・グイダ vs. チェイス・フーパー
ウェルター級:マイケル・キエーザ vs. マックス・グリフィン
ライトヘビー級:アンソニー・スミス vs. ドミニク・レイエス

※対戦カードおよび試合順、試合数は事前の予告なしに変更となる場合がございます。

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【ONE FF71】IMMAF世界王者と対戦、相撲&柔術&MMAの三位一体──奥富夕夏「捻りです」

【写真】いかに組むか──懐に入ることができるか。興味深い(C)ONE

本日19日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FF71で、奥富夕夏がファイネ・メスキータと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

同大会でムエタイを戦う壱センチャイジムと(C)YUKA OKUTOMI

今年3月、奥富は齊藤百湖と対戦した際、ケージ際で相撲流の腕(かいな)の返しを見せた。

小学生の頃から女子相撲で活躍し、全日本選手権で軽量級3連覇、国際選抜大会優勝という実績を持つ奥富。さらにリバーサルジム新宿Me,Weで柔術とMMAを始め、MMAではアマチュアから現在に至るまで無敗を貫いている。ONE FFに参戦する奥富に、女子相撲からMMAに至るキャリアを訊いた。


――前日計量直後のインタビューとなります。MMAでは初めての海外の試合であり、初のハイドレーションテストかと思います。

「海外の試合は相撲でも経験しているので抵抗はないのですが、ハイドレーションテストは失敗する選手もいるので結構緊張しました。普段から減量は問題なく、それほど水抜きしているわけでもないんです。ただ、普段の水抜きで尿比重がどれくらいなのかも分からないですし、水抜きなしで減量することも含めてストレスはありました。

今回は初めてトレーナーの方に付いてもらい、ONEに出ている山北選手にもアドバイスを貰ってクリアすることができました。体重は124.2ポンド(56.33キロ)、尿比重が1.0180で、どちらも余裕がある結果でした」

――奥富選手のバックボーンにある女子相撲は、MMA界ではその内容があまり知られていないかと思います。まず奥富選手が相撲を始めた経緯から教えていただけますか。

「もともと3歳から柔道をやっていました。でもガツガツとした強豪の道場ではなく、週1回練習できればよいという柔道教室で。その柔道と並行して5歳の時から、わんぱく相撲に出るようになりました。習い事として相撲教室に通い始めたのは10歳ぐらいですね。

小学2年生は男女が同じ大会に出て、私はいつも2位でした。それが小学3~4年生から男女が分かれるということで、優勝するためにもちゃんと相撲を習ってから大会に出たほうが良いなと思ったんです」

――奥富選手は千葉県柏市出身とのことですが、地元は子供の頃から相撲に触れる機会が多い地域なのでしょうか。

「青森とか、もっと有名な地域はありますけど……柏市には相撲の少年団チームが一つあって、わんぱく相撲もある程度の人数が出場していました。おかけで、相撲を始めようと思えば誰でも始められる環境ではありましたね」

――ただ、大相撲の土俵が女人禁制という伝統も影響しているとは思いますが、40年前には女子が相撲に参加することは考えられませんでした。

「私が始めた頃も女子選手は少なかったです。自分の地元だけでいえば、少年団の中で女子は私一人でした。関東全体でもそれほど女子が集まる状況ではなく、全国大会まで行くと階級別で10人ぐらいいるかなという感じで。今はもっと多いですね」

――なるほど。奥富選手が相撲で得意としているのは「寄り」、「押し」、「投げ」、「掛け」では、どの技でしょうか。

「今は『捻り』ですね。相撲っぽくない技が得意で(笑)。イメージ的には舞の海さんの相撲に近いと思います」

――「捻り」ですか! ということは、まわしを取るよりも齊藤戦で見せたように、腕を差し込んで返していくほうが多いのですね。

頭をつけるスタイル(C)YUKA OKUTOMI

「どちらかといえば頭と頭をつける――レスリングに近い体勢から、アームドラッグのように腕を捻っていくことが多いですね。

柔道と相撲を並行していくなかで、いろんなものを合わせていったら、大学時代から捻りが得意になりました」

――高校から大学まで女子相撲を続ける環境があるというのも驚きました。

「小中は少年団、高校と大学は部活でやっていました。私が通っていた日本体育大学柏高校はレスリングが強くて、鶴屋怜選手の母校でもあります。その日体大柏に相撲部が出来て、私も入学しました。そこから日大相撲部に進んでいます。だから相撲をやる環境は整っていたと思います」

――柔道と相撲を並行していて、相撲をメインにした理由は何だったのでしょうか。

「子供の頃は私も『柔道でオリンピックに出たい』と言っていました。そこそこ柔道も強くて、県大会で優勝して全小(全国少年柔道大会)に出たんですよ。でも初戦で秒殺されて、『私が生きる世界はココではないな』と思いました(笑)」

――一方でアマチュア相撲は大相撲と異なり、階級制を採用し、かつ無差別も設けています。奥富選手は階級別(軽量級)と無差別の両方で実績を残しています。

「小さい頃から男子としか練習していなかったので、大きい人と戦うことに苦手意識はなかったんです。大学の相撲部も大きい人しかいなかったですし」

――日大相撲部であれば、周りは大相撲=プロを目指す人たちが多いですよね。

「はい。女子でも100キロを超える後輩がいました。そういう人たちと練習することができていたのは大きいです。大きい人が小さい人に負けると失うものもありますけど、小さい人が大きい人に負けても失うものはない。勝ったら褒められるだけで(笑)。あとは怪我のリスクだけですね」

――軽量級と無差別の試合では、組み方は変えるのですか。

「若干変えますね。無差別だと、まず四つには組まないです。四つに組むと持ち上げられてしまうので。だけど回っているだけでは、距離があるところから力を加えられる技——突っぱりで負けたりしていまいます。そのため、自分から当たりながら前後に動く。あるいは前褌を取ると力も出るので、出し投げを使ったりとか」

――では男子の場合、大相撲というプロの世界もあります。プロのない女子相撲における目標は、どのようなものだったのでしょうか。

「ここ3~4年ぐらいで、女子相撲の実業団をつくろうという動きが広がっているんですよ。でもまだ採用してくれる企業も少なく、大学で辞めてしまう子は多いと思います。

私自身は今OLをやっていて、入社したのはもともと相撲部が強い会社なんです。最初はその会社に相撲で入りたくて。でも『相撲部で女子は採用していない』ということで、普通に就活して入りました。でも今が入社3年目で、私が世界チャンピンということもあって相撲部に入ることができるかどうか……というのが現状ですね」

――……えっ!? それは現在進行形のお話なのですか。

「はい。

実は今回の試合の1カ月前、6月にも大会で優勝しています(全国女子相撲選抜ひめじ大会、一般の部65キロ未満級を制している)。練習の頻度でいえばMMAのほうが遥かに上ですが、どちらかといえば『楽しく相撲を続けながら普及させていきたい』という気持ちです」

――6月に優勝! すみません、相撲の結果まではチェックしておらず……。奥富選手は柔術でも昨年、JBJJF全日本とIBJJFアジア選手権で女子アダルト紫帯、今年のアジア選手権でも女子紫帯の無差別級で優勝しています。「MMAのために他競技をやる」「相撲のためにMMAをやる」ということではなく、全て切り離して考えているのですか。

「そうですね。たとえば柔術についても『MMAのための柔術をやる』という方も多いとは思います。私は道衣を使ったスパイダーやデラヒーバ……MMAだと殴られてしまうようなポジションの技も好きで。もともとはトップからのほうが得意ですけど、紫帯になるとボトムからの技もできないと勝てないですから(※奥富は柔術でも2023年JBJJF全日本選手権の女子アダルト紫帯ライト級で優勝している)」

――思考が完全に競技者ですよね。ただ、今回のONE FFのオファーが来たのは、6月の相撲の試合に出るより前ですよね。

「前です。でもオファーを断る気持ちはなかったです。女子相撲や柔術はアマチュア競技なので、出る出ないは自分次第じゃないですか。でもプロのMMAはオファーを頂いた時点で『仕事』なので、それをパスすることのほうが私の中では許されない。どちらかといえばMMAの試合のオファーを頂いている時点で、相撲の試合で怪我してMMAの試合に出られなくなるほうが問題で。だから怪我せず優勝して、今回の試合に臨むことができます」

――相撲も怪我の多い競技です。にも関わらず全く怪我なく大会で優勝できるのは、よほど実力差がなければできないと思います。

「大学の時より今のほうが相撲は強くなっていますね。大学の時は相撲しかやっていなかったけど、今はMMAや柔術の動きが入ってきて、さらに相撲で勝てるようになりました」

――反対に相撲がMMAに生きている面はありますか。

「細かい技術的なことはともかく、まず足腰は他の人より強いです。MMAでも押されることはあるけど、テイクダウンしづらいとか」

――MMAではアマチュア5戦全勝、プロでも3勝1NCと無敗を貫いています。前回の試合は相手の計量オーバーにより、判定で負けながらもNC決着になりましたが……。

「いろいろな方がいるとは思いますけど、私は格闘技が好きで続けていたらプロになったというタイプです。半年ほど一般会員として練習していて、アマチュアも2年間やっていて――そういうキャリアの積み方が、今のところうまく行っているとは思います。前回の試合は、内容的には惨敗でした。でもその内容だったからこそ変えられた部分もありますね」

――ちなみに奥富選手以降、Me,Weに相撲出身者が増えたと聞きます。

「そうなんですよ。私の知り合いで相撲出身の男の子が、もともと大学時代からMMAをやりたいと言っていて。大学を卒業して社会人になってから私に問い合わせが来たあと、Me,Weに入会しました」

――柔道出身者やレスリング出身者が多いジムはありますが、相撲出身者が増えるジムというのも珍しいです。MMAを戦ううえでの目標は何ですか。

「UFCに出たいとか大きなことを語るよりは、目の前の試合に全て勝ちたいです。自分の性格を考えても『上に噛みつく』とかは得意じゃなくて、淡々と試合をこなしていたらONEに辿り着いた、というぐらいの感じですね(苦笑)」

――それも競技者の考え方なのだと思います。

「Me,Weには、そういう考えの選手が多いですね。プロの舞台でもやたらと煽ったりすることなくて。そういう雰囲気も自分に合っていると思います。あと女子も杉山しずかさん、東よう子さん、村田夏南子さん、魅津希さんと一緒に練習していて。このメンバーの中にいると、練習では自分の良いところなんて何一つないんですよ。でも試合になると、自分が伸びているところを感じることができる。それもMe,Weで良かったと思う点です」

――ONE FFで戦うのは、自身がステップアップするためには重要なチャンスです。

「そうですね。今までと同じで、注目されたいっていう気持ちはないです。とにかく決まった試合は全て勝ちたい。今回も確実に勝ちたいです」

(C)ONE

――そのONE FF初戦で、2022年のIMMAF世界王者ファイネ・メスキータと対戦することとなりました。

「相手の実績が凄くてビックリしました。でもONEに出させていただくことが凄いチャンスですし、自分は相手を選べる立場でもないです。相手の実績が凄いからって試合を断るようなら、そもそもONEに出る意味もなくて。ここは腹を括って勝ちに行きます」

――これまでプロの試合は全てケージでしたが、ONE FFはリングを使用します。

「Me,Weも壁を使った練習が多いので、リングよりケージのほうが練習と近いとは思います。でも戦う場所の中央でやることは変わらないし、ケージだと逆に押し込んでから手や足を入れにくい面もありますよね。その点はリングのほうがやりやすいとは考えています」

――結果、リングでロープやコーナーに押し込んだ時に差して捻り技に持っていきやすいでしょうね。

「柔道もやっていたので、投げ技自体も苦手ではないです。まだONE初戦なので『ベルトを狙います』とは言えません。まずONE FFで勝って本戦に出られるようになって、澤田千優選手のように勝ち上がっていきたいです」

■視聴方法(予定)
7月19日(金)
午後9時15分~U-NEXT

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INVICTA o UFC アレクサ・グラッソ ボクシング 魅津希

UFC on ESPN54:第6試合・ビルナ・ジャンジロバ vs. ルーピー・ゴディネス

女子ストロー級。ジャンジロバ5位、ゴディネス10位。

ジャンジロバはInvictaで魅津希UFCでは村田に勝利。前戦でランキング5位のマリナ・ロドリゲスを相手にタックルからテイクダウンしてバックを奪う展開で、一度寝かせたら立たせずドミネイトしての判定勝ち。初のトップ5入りを果たした。女子ストローは来月王者ウェイリーが1位ヤン・シャオナン相手に防衛戦を行うが、2位スアレスは負傷欠場中、3位レモスはウェイリーに、4位アンドラジはシャオナンに敗れており、5位ジャンジロバにも次期挑戦者となるチャンスがある。35歳。

メキシコのゴディネスは3連勝でランキング入りすると、昨年11月にはランカーのタバサ・ヒッチのタックルを切ってパンチを入れていく展開で判定勝ちし、年間4勝で4連勝。柔道・ボクシングがバックボーン。所属はロボジムで、女子フライ級王者アレクサ・グラッソと同門。30歳。

オッズは意外にもジャンジロバがアンダードッグ。

シングルレッグに入ったジャンジロバ。倒したが、ゴディネス小手を巻いて寝かされる前に立った。ジャンジロバ引き込んでディープハーフから潜ろうとする。下にならず立ったゴディネス。膝を入れて離れた。パンチの打ち合い。距離をキープしつつパンチを入れるゴディネスだが、ジャンジロバまたシングルレッグへ。ケージ際で片足で耐えるゴディネス。ダブルレッグに切り替えたジャンジロバ。ボディロックから倒した。小手を巻いてこらえようとするゴディネスだが、逆回転で小手を外すとジャンジロババックに。バックマウントになったが時間がない。ホーン。

1Rは微妙。最後にバックを取ったジャンジロバだが、そこから何もする間もなく終わっている。

2R。ゴディネスがパンチで出る。パンチからロー。またシングルレッグへ。引き込み気味に下になりディープハーフへ。ゴディネスは小手を巻いてこらえているが、ジャンジロバスイープ成功。ゴディネス足関狙いで上を取られるのを防いでいる。ゴディネスのサドルロックの体勢。外ヒールを狙っているが、極まる気配はない。それより上を取られるのを防ぐ目的か。ジャンジロバパウンドを入れるが、距離が遠く大きなダメージは与えられない。ジャンジロバが上を取ろうとしたが、ゴディネス足のフックで上に回らせない。脇を差してまた上に回ろうとするジャンジロバ。ゴディネス回らせずに立った。ホーン。

2Rも難しい。ジャンジロバが足関にパウンドを入れていたが、ダメージはなくどこまで攻勢と取られているかもわからない。

3R。詰めてきたゴディネスにジャンジロバまたシングルレッグ。しかしゴディネス入れ替えてボディにヒザ。ジャンジロバだっこちゃん引き込みを狙うが、ケージによりかからせて引き込ませないゴディネス。離れた。ジャンジロバがパンチで出る。手数は多い。ゴディネスも入ってくるところにパンチを合わせる。またタックル。っ止めて膝を入れるゴディネス。ヒザ。肘を入れて離れたゴディネス。出てきたジャンジロバにジャブ。ジャンジロバのタックルを切った。またパンチを入れるゴディネス。ジャンジロバの打ち終わりにワンツーを入れる。一瞬動きが止まったジャンジロバだが効いてないとアピール。ジャンジロバタックル。切られた。またタックルに行くジャンジロバ。ケージ際でボディロックから投げた。小手に巻いて寝かされるのをこらえていたゴディネスだが、小手が外れてバックを取られた。ジャンジロバ背中に乗ってチョークへ。顎ごとフェイスロックで絞める。膝を着いたゴディネス。また背負って立った。前に落とそうとするゴディネスだが落ちずに殴るジャンジロバ。タイムアップ。

3Rはジャンジロバ。あとは割れそう。

29-28×2、30-27の3-0でジャンジロバ勝利。

ジャンジロバのテイクダウンや引き込みからのスイープを防いでかなり健闘したゴディネスだったが、最後にバックを取られたのが響いてジャンジロバ勝利。

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【UFN239】唯一のUFCキプロス人戦士は井上&平田=ダブル直樹の練習仲間、ハラランポス・グレゴリユウ

【写真】(C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN239:UFN on ESPN+97「Tuivasa vs Tybura」が開催される。そのオープニングバウトでオクタゴン・デビュー戦を戦うハラランポス・グレゴリユウは現在、唯一のキプロス人UFCファイターだ。
Text by Manabu Takashima

昨年8月にコンテンダーシリーズからUFCとサインしたグレゴリユウは、コスタ・フィリッポウに続く史上2人目のUFC契約下選手でもある。エーゲ海に浮かぶ島、そんなイメージしかないキプロスで如何にグレゴリユウはMMAファイターとなり、世界の最高峰に辿り着いたのか。チャド・アンヘリガー戦を控えたグレゴリユウに初インタビューを試みた。


──今日はインタビューをさせていただきありがとうございます。最初に名前の発音を教えていただけないでしょうか。

「ファーストネームはハラランポス。ラストネームはグレゴリユウだよ」

──チャラランポスではないのですね!!

「ギリシャ語ではハラランポスで、ヨーロッパではハラランポスと呼ばれるんだけど、米国にくるとチャラランポスになってしまうんだ(笑)」

──なるほどです。米国では英語流の発音に改められることがほどんどですね。ところでキプロスの格闘技、MMAに関して全く知識がありません。ハラランポスがMMAを始めたきっかけを教えてもらえますか。

「僕は6歳の時に松濤館空手を学び始めた。黒帯になり、キプロスやギリシャのチャンピオンになった。ヨーロピアン選手権では5位になり、もっとアクションのある戦いを欲したら、父に空手を辞めたいと伝えたんだ。でも父からは『お前が空手を続けるのに、どれだけお金を使ってきたと思うんだ』と言われ、他のコンバットスポーツをやることを許してもらえなかった。しょうがない。僕は戦いをストリートに求めたんだ」

──……。なんとも。

「毎週のようにポリスが家にやってくるもんだから、ついに父は『もう外で暴れるのは止めろ。何がしたいんだ』と言って来たよ(笑)」

──空手で何を学んだことやら……。

「ハハハハハ。父にはプロファイターになりたいと伝え、キックとムエタイを始めた。腹を殴ることしか認められない空手に満足できなくなっていたんだ」

──MMAを始めてから、長い距離にあるポイント空手は生きることはなかったですか。

「う~ん、空手は蹴りを多用するから距離が遠くなるけど、またMMAとは違うよ。まぁ、UFCでも空手がバックグラウンドの選手は距離を取って戦ってきたけどね」

──押忍。ではキックやムエタイでも空手時代のように欧州を舞台に戦ってきたのですか。

「ノー。キプロス国内だけだ。キプロスでキックの王者になり、もっともっとアクションを欲した。結果、MMAを戦うようになったんだ。ただキプロスは打撃のレベルは高くても、MMAのレベルは低かった。すぐにキプロスのMMAチャンピオンになり、より高度な練習が必要だと思って米国に移り住むことにした。僕の目標はUFCファイターになることだったから。

米国にやってきて、まずは友人が持っていたジムで練習を始めた。でも彼がジムを閉めて違うジムに移ったけど、そこでは僕が一番強かった。そんな環境では成長できないから、ロンゴ&ワイドマンを訪れた。アルジャメインとスパーリングをして、ここで練習しようって決めたんだ。2018年のことだよ」

──ロンゴ&ワイドマンだと、日本人選手との交流もあったということですね。

「ミズキ(魅津希)、ナオキ(井上直樹)、ササキ(佐々木憂流迦)、皆、僕の友達だよ。イツキ(平田樹)と一緒にもう1人のナオキ(平田直樹)もやってきた。背の高い方のナオキとは、本当によく練習した。日本の選手はとても優れているけど、彼は本当に良いファイターだよ。もう1人のナオキとは、試合でフロリダにも一緒にいった。彼もタフな素晴らしい可能性を持った選手だった。

また、2人のナオキと練習をしたいね。日本の選手が僕らのジムにきて練習することを歓迎するよ。もっともっと多くの日本人選手と一緒に練習したい」

──ところでハラランポスがUFCとサインをしたことに対して、母国での反響は?

「マイ・ゴッド!! 唯一のキプロス人UFCファイターを国中あげて応援してくれている。僕自身、キプロスを代表して戦うことに誇りを持っているし。その想いを胸に今週末も戦うよ」

──UFCには以前、コスタ・フィリッポウが在籍していました。当時とはキプロスも様子が違うのでしょうか。

「彼も僕と同じようにキプロスから、米国に渡ってUFCで活躍していた選手だ。ただ10年前は、UFCやMMAの認知度が今とは違っていた。当時、キプロスではMMAが浸透していなかった。それが今では、UFCのドキュメンタリー撮影のために3日間帰国したら、毎日のように僕はテレビやラジオに出演していた。

キプロスのMMA熱が高まり、米国に追いつけるようになるのが僕の夢であり、使命だ。まだ口にするのは早いかもしれないけど、UFCで活躍して僕がUFCキプロス大会を開く原動力になる。コスタ・フィリッポウは過去、僕は現在。そして、未来になるつもりで努力している」

(C)Zuffa/UFC

──そんなハラランポスですが、今週末にチャド・アンヘリガーと対戦します。

印象を教えてもらえますか。

「彼は今回が契約最後の試合だから、必死に戦ってくるだろうね。ただ、僕が心配するようなことは一切ない。どの局面でも、気になる攻撃や技術を持っていない。ただタフでスタミナがあるだけだ。立ち技でも、寝技でも勝てる。何も問題ない。どこでも戦える。気の毒だけど、彼のUFCキャリアは土曜日の夜に終わるよ。

打撃、パワー、自分のスキルを信じている。誰も僕のようなパワーのある打撃を使うことはできない。パンチ一発で、試合を終らせる。そして、僕の名前と同時にキプロスという国を世界中にアピールしたい」

■視聴方法(予定)
3月17日(日・日本時間)
午前5 時00分~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■ UFN239対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
タイ・ツイバサ(豪州)
マルチン・ティブラ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ブライアン・バトル(米国)
アンジェ・ルーザ(スイス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
オヴァンス・サンプレー(ハイチ)

<フェザー級/5分3R>
クリスチャン・ロドリゲス(米国)
アイザック・ドルギャリアン(米国)

<バンタム級/5分3R>
パニー・キンザッド(スウェーデン)
メイシー・シェエソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラルド・マーシャート(米国)
ブライアン・ベルベレナ(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・デイヴィス(米国)
ナタン・レヴィ(イスラエル)

<女子バンタム級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス(ブラジル)
チェルシー・チャンドラー(米国)

<フライ級/5分3R>
オーデ・オズボーン(米国)
ジェフェウ・フィリョ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・クリバオ(豪州)
ダニー・シルバ(米国)

<ライト級/5分3R>
チアゴ・モイゼス(ブラジル)
ミッチ・ラミレス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
コリー・マッケナ(英国)
ジャケリン・アモリン(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
チャド・アンヘリガー(カナダ)
ハラランポス・グリゴリユウ(キプロス)

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【ONE FN16】モン・ボー戦へ、三浦彩佳─02─「誰も知らない場所で誰も知らない強い選手と」

【写真】本人は負けたことで評価されたくない風の三浦だが、組み技でダニエラ・ケリーに取らせず、袈裟に入ったことはMMAで彼女と戦う対戦相手は組みの強さが頭に残っているはずだ(C)ONE

4日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Fight Night16で、モン・ボーと対戦する三浦彩佳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

現在、ONEと契約しながら試合の機会に恵まれないファイターは多い。今年に入ってONEを離れるファイターも増えている。そんななかで三浦がONEでの試合を望んだ理由と、彼女の覚悟とは。

<三浦彩佳インタビューPart.01はコチラから>


――結果、ですか。現在グラップリングマッチも含めてONEで3連敗中という結果は、どのように受け止めていますか。

「ヂィンナン戦でベルトを獲れなかったあとのダヤニ・ソウザ・カルドゾとの再起戦で、今までで一番の絶望を感じました。まさか試合中に肩を脱臼するとは思っていなくて――。そのあとも小さな怪我が重なることもありました。その時に『ヤバいな』と思ったんです。もう年齢も年齢だし、初めて連敗を喫していたので。

結構苦しい時期が続いていたなかで、ダニエル・ケリーとグラップリングで戦いました。試合中に分からないことが多くて、またパニックになり、結果も負けで――なかなか試合が組まれないことも含めて『もうどうしようかな……』と思うことは多かったです」

――……。

「TRIBEに入って10年の間で初めてじゃないかっていうぐらい、長南さんともちゃんと話ができない時期が続いていました。一番の理由は、ONEで試合が組まれないことです。なぜMMAの試合が組まれないのか……。それを長南さんに言っても仕方ないことは分かっているのに。……グスッ、グスッ」

――嫌な時期を思い起こさせてしまったようですね。ここで涙を……。

「いえ。いま鼻をすすったのは、花粉症です(笑)」

――えぇっ!?

「嘘をついているわけじゃないですよ。今回はABEMA TVのインタビューでも、ワーッと泣いちゃって。もっとカッコ良くインタビューを受けたいです!」

――アハハハ。長南さんと話ができない時期というのは、どういった状態だったのですか。

「まず長南さんに『試合がしたい』と伝えたんです。すると長南さんから『ONEで試合が組まれていないのは、お前だけじゃないんだ』と言われました。でも私は試合がしたい、ということの連続でした。もちろん何もなかったわけじゃなくて。ただ、試合の話があっても正式決定にならない――ということが繰り返されて。それでTRIBEを離れるというわけじゃないです。でも長南さんと意見が食い違うことはあって、すごく苦しかったです」

――そこでTRIBEを離れることはなくても、ONEを離れるという選択肢はなかったのですか。三浦選手の実績であれば、国内プロモーションからオファーは殺到するでしょうし、少なくとも試合がないという状態にはならないように思います。

「正直、国内で戦うことを考えなくはなかったです。やっぱり私としては、自分がずっと練習しているなかで試合がなく、他のTRIBEの選手はどんどん試合をしている。私自身もすごく調子が良いのに、でも負けているから大きなことは言えない――と思っていて。

それで『どうしようかな……』と考えている時に、村田夏南子選手、魅津希選手とスパーリングする機会があったんですよ。二人ともグラップラーと試合をするからと、私をスパーリング相手として呼んでくれて。そこから毎週のようにスパーリングしているうちに、『MMAをやるかぎりは、どうせなら誰も知らない場所で誰も知らない強い選手と試合がしたい』と思ったりしました。UFCファイターと練習していると、すごく刺激にもなりましたし。だから、長南さんから『どうする?』と訊かれた時に言ったんです。『私、ヂィンナンと再戦したいです』って」

――「安西先生、バスケがしたいです……」という状態ですね。

「……私が目指しているのはONEのベルトだし、ずっとヂィンナンと再戦したいと思っていました。それで長南さんにも『ONEでやりたいです』と伝えたんです。すると『本当にそれで良いんだな?』、『覚悟を決めました』って」

――なるほど。それほどの覚悟を決めて臨むモン・ボー戦ですが、この相手に決まった時の気持ちを教えてください。今はONEで連勝中で、タイトルコンテンダーの一人です。

「モン・ボー選手の名前を聞いた時、『おぉっ!!』と思いました。試されているなぁって、嬉しかったですね。個人的にはモン・ボー選手は、次の試合でベルトに挑戦すると思っていて。そんな相手との試合が決まり、長南さんからも『決まったからな。あとはゴチャゴチャ言わずに、やるだけだぞ!』と言われました。私も『ありがとうございます!!』って。

客観的に見ても、私とモン・ボー選手だと面白い試合になるんじゃないかなって思います。女子であれだけKOできる選手はいないと思うし、デビュー戦でジャン・ウェイリにも勝っていて、すごく強いファイターです」

――特にあれだけ至近距離で強く右を打ち込める女子ファイターも、なかなかいませんね。

「やっぱり打撃×寝技っていう見方はされると思います。そのモン・ボー選手に組みつくための方法は堀江トレーナーさんと一緒に、いろんなバリエーションを体に染み込ませています。今までも練習していたことではありますけど、何をどう出すかは実際にモン・ボー選手と向き合ってみなければ分からないです。でも今回はスパーリングも、相手にモン・ボー選手を想定した動きをしてもらったりとか。当日は今までとは違う動きも見せられるかと思っています」

――それは楽しみです。

「……ダニエル・ケリー戦も『あやかロックは出さない』と言いながら、結局は出してしまいましたからね。だから最終的にはどうなるか分かりません(苦笑)」

――もちろん自分が最も得意な形を完全に封印して戦う必要はないでしょう。ただ、今は「あやかロックしかない」のではなく「あやかロックもある」とバリエーションが増えているということですよね。

「そうですね。気持ちの面でも、落ち着いて戦えるようにもなりました。普段からBellatorファイターの渡辺華奈さんと練習していて、UFCファイターの村田夏南子選手と魅津希選手のファイトキャンプにも参加させていただいたし、本当に良い経験ができていると思っています。今回こうして試合ができるのは、応援してくださる皆さんのおかげです。まずは次の試合に勝って、ヂィンナン選手とベルトを賭けた再戦まで辿り着きます」

■放送予定
11月4日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN16対戦カード

<ONEキックボクシング世界バンタム級王座決定戦/3分5R>
ジョナサン・ハガティー(英国)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEサブミッショングラップリング世界ウェルター級(※83.9キロ)王座決定戦/12分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
マゴメド・アブドゥルカディロフ(ロシア)

<ムエタイ140ポンド契約/3分3R>
サクセン・オークワンムアン(タイ)
カリム・ベイーノ(アルジェリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ハリル・アミール(トルコ)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ムーシネ・チャフィ(スペイン)

<キックボクシング・ストロー級/5分3R>
ジェン・ペイメン(中国)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
モン・ボー(中国)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ベン・タイナン(カナダ)

<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

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DJ.taiki MMA MMAPLANET o Special UFC UFN UFN228 ハナ・ゴールディ フランキー・エドガー ヴァネッサ・デモパウロス 大沢ケンジ 水垣偉弥 魅津希

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:9月魅津希×ゴールディ「練習してきたことを試合で出せるセンス」

【写真】オクタゴンで、しっかりと勝てる。素晴らしいことだ(C)Zuffa/LCC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2023年9月の一番──9月23日に行われたUFN228:UFN on ESPN+86「Fiziev vs Gamrot」での魅津希×ハナ・ゴールディ戦について語らおう。


――今回水垣さんにはUFN228での魅津希×ハナ・ゴールディを選んでいただきました。

「魅津希選手は約3年のブランクがあって復帰戦が組まれて、UFCなので相手のレベルも高いですし、大変な状況だったと思うんですけど、本当にいい勝ち方をしたと思います。UFCにおいて日本人がなかなか勝てないという状況が続いている中で、同じ日本人としてうれしい勝利でしたね」

――僕も試合を見ていて、ブランクを感じないほど序盤から身体が動いていたと思いました。

「すごく動きが良かったですよね」

――それだけ準備が出来ていたということでしょうか。

「UFC PIも利用してリハビリに向けたサポートをしっかり受けることが出来たのが大きいんじゃないですかね」

――結果的に時間をかけて治療、リハビリ、練習したうえで復帰したことがよかったのかもしれませんね。

「特に彼女の場合は小さい頃から格闘技をやっていて、年齢と比較して競技生活が長いと思うんですよ。それで細かい怪我も多かっただろうし、一度しっかり休んで怪我を治すことが出来たのは、これからに向けても大きなことだったと思います」

――技術的な部分についても聞かせてください。1Rはテイクダウンを狙うゴールディを首相撲でコントロールしたり、組みの攻防にイニシアチブをとっていました。

「あの首相撲もそうですし、自分殻をワキを差してゴールディにケージを背負わせたり、レスリング力がかなり向上しているなと思いました。下になる場面は2Rに1回あったぐらいで、あの時もすぐにスクランブルを仕掛けて、立ち上がっているんですよ。それまでの魅津希選手は打撃が出来て寝技も強いタイプで、テイクダウンされると下から勝負することを選択することが多かったと思うんです。でも今回は下になっても立つ、上を取り返すという意識が強くなっていて、MMAファイターとしての進化を感じました。ただ怪我を治して元の状態に戻って復帰するのではなく、それにプラスアルファで自分に足りなかった部分を補ってきたんだなと思いました」

――フィニッシュを狙う印象が強かった魅津希選手のMMAファイターとしての進化が見られた試合ですね。

「そうですね。やはりこういう戦い方ができると判定を拾いやすくなるので、判定も拾えてフィニッシュも狙える。それが出来るようになるんじゃないかなと思います」

――判定はジャッジ3名が29-28ながら、どのラウンドにポイントを付けるかがばらつきました。これについてはいかがでしょうか。

「僕は30-27でもいいかなと思いました。強いて言うなら2Rに一度グラウンドで上を取られましたけど、逆に上を取り返していますし、僕は完勝と言っていい試合内容だったと思います」

――今回の試合に限らず、魅津希選手のファイターとしての長所はどこでしょうか。

(C)Zuffa/UFC

「すごくファイトIQが高い選手だと思います。

スタンドでは細かいフェイントをかけるのが上手いですし、抑えるべきところをしっかり抑えて戦っている。ちゃんと相手を研究して戦って、試合を作ることが出来ますよね。唯一懸念していたのが、先ほどのグラウンドで下になった時にスクランブルを仕掛けるのではなく落ちついてしまうところだったので、そこはまさに改善されつつあると思います。

あとはフィジカルですね。今回の対戦相手はめちゃくちゃゴツくて、ちょっと力負けするんじゃないかと思っていたんです。そういう相手にも力負けしていなかったことも進化の一つですよね。あと僕は村田夏南子選手の存在も大きいと思っていて、村田選手のレスリングとフィジカルは世界に通用するものですし、一緒に練習していることがかなりプラスになっていると思います」

――これまでNYのセラ・ロンゴ・ファイトチームで練習していた魅津希選手ですが、この1年は日本を練習の拠点とし、山﨑剛代表のリバーサルジム新宿 Me,Weをべースに村田選手、CUTEで上田将勝さんと練習していたそうです。

「基本的に山﨑さんのもとで練習しつつ、村田選手と対人練習して、上田さんから細かいレスリング技術を教わって、そういう取り組みが出た試合だと思います。あと僕が『月刊、水垣偉弥のこの一番』に選んだ一番の理由でもあるんですけど、練習でやってきたことをちゃんと3年ぶりの試合でも出せるというところですね。それは彼女が持っているセンスであり、試合勘の良さなのかなと思います。

どれだけ練習で出来ていても、無鉄砲にいくだけだったら試合で出せないと思うんですよ。しかも魅津希選手の場合は新しい技術を学んだうえでの試合で、本番で今までやってこなかったことを出すのは簡単ではないし、それを3年ぶりの試合で一発で出してくるところはさすがだなと思いました」

――それも一つの才能であり、センスですよね。

「一言でそう言ってしまうと、乱暴ではあるんですけど、試合になった時に落ちついて戦えるメンタルなのか。普通は練習で出来ていても試合で出せない選手の方が多いと思うんですよ。でもそれが出来てしまう、しかも復帰戦で出来てしまうというのは………やっぱりセンスなのかな(笑)。いずれにしても魅津希選手の中で、動きの感覚みたいなものがあるのだと思います」

――ちなみに魅津希選手の2週間後に復帰した村田選手の試合(ヴァネッサ・デモパウロスに判定負け)はどう見ましたか。

「僕は率直に試合を見終わったときに判定負けしたと思いました。最近のUFCの傾向としてトップを取っていてもキープだけでは評価されない。もう少しトップを取ったところで殴って攻勢を印象付けていたら判定も違っていたと思います。実際に3Rはそれが出来ていたと思うし、2Rはデモパウロスのガードポジションからの攻めの方が村田選手のトップキープよりジャッジの印象がよかったですよね。ただこれは技術的に劣っていたわけではないし、試合中の意識を変えればいいだけだと思うんですよ。

あとは先ほどの魅津希選手とは逆で、村田選手のステップワークやフェイントのかけ方が魅津希選手とそっくりだったんですよ。お互いにお互いが足りないところを補い合っていて、この」2人はすごくいいチームだなと思います」

――まだ練習を始めて1年とは思えないほど息が合っていますよね。

「はい。今回2人に事前にインタビューさせてもらったのですが、その時もすごくいい雰囲気だったので、今後どういった形になるかは分かりませんが、一緒に切磋琢磨して強くなって欲しいです」

――2人はこのままラスベガスに残って一緒に練習するとのことです。

「2人ともUFCでトップを狙えるポテンシャルを持っていると思うので、これからの2人の活躍には期待しています」

――ちなみに水垣選手は海外で長期合宿を行ったことはあるのですか。

「僕はジェフ・カランのジムに一カ月間半ほど行ったのが最長ですね。DJ.taikiさんとマキシモ・ブランコと相部屋という強烈なメンバーでした(笑)」

――日本と米国の練習環境、水垣選手はどのようにお考えですか。

「どちらを拠点に置くかは人それぞれだと思うのですが、僕の場合は日本の慣れた環境で練習する方が合っていましたね。海外で練習すると、良くも悪くも格闘技しかやることがないので、それがストレスになっちゃうので。あとは日本で出来ないなら海外でやるしかないと思っていたのですが、フランキー・エドガーの練習を見たときに、彼は自分で各分野の専門のジムに足を運んで練習してたんですよ。

マーク・ヘンリーに打撃を教わって、ヘンゾ・グレイシーのジムで組み技をやって、大学でレスリングをやって、ヒカルド・アルメイダのジムでMMAのスパーをやって、と。米国の選手がみんなメガジムで練習しているわけではないですし、エドガーの練習スタイルを見たときに、これだったら日本でもできることがあると思って、僕は日本で練習することを選びました。もし僕が米国で練習するなら、日本と米国を行き来せずに完全に米国に住んで拠点を変えます」

――日本と米国どちらがいいというわけではなく、自分に何が必要かを見極めて、取捨選択することが必要ということですね。

「そう思います。僕は自分に何が足りなくて、どこでそれを学べばいいかを考えることも才能やセンスだと思っていて、魅津希選手はそこも優れていると思います。試合で何をやるかだけでなく、試合に向けて何をやるか、試合のためにどんな準備をするか。自分の練習環境をどう整えるのか、どう普段のスケジュールや試合前のスケジュールを組み立てるのか。そういう部分まで意識して練習をすることが求められると思いますね」

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【UFN229】デモパウロス戦へ、村田夏南子─02─「相手の気持ちを折りに行く試合をしたい」

【写真】とにかく雰囲気の良さが伝わるMe,We (C)MMAPLANET

7日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC Apexで開催されるUFN229:UFN on ESPN+87「Dawson vs Green」で、ヴァネッサ・デモパウロスと対戦する村田夏南子のインタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

2年4カ月振りの試合、トラウマになりかねないタイでの負傷を乗り越えて、再びオクタゴンの頂点を目指す村田は負傷前より強くなったと力強く──いや、いつものようにボソボソと語った。

<村田夏南子インタビューPart.01はコチラから>


──筋量自体が減ってしまっていた形ですか。

「筋量は測っていないので分からなかったですが、動くのが辛かったです(笑)。年が明けるとやって良い練習がどんどんと増えて行って。最初はそれでも軽いモノからだったのですが、マウスピースを創ってもらってヘッドギアをつけていたらグラップリングも打撃もマスがOKになり、そこまでガチじゃないですけど普通に練習ができるようになったのは1月の終わりぐらいですね。2月になってから、どんどん強度を上げてやってきました」

──練習を再開するうえで、理不尽なケガの仕方がトラウマになることはなかったですか。

「怖いです。やっぱり試合だったらしょうがないですけど、練習で知らない人に打ち抜かれたので。ただ自分がスパーリングをしているよりも、他の人のスパーリングを見ている方が怖くて。やっぱりヒザを合わされているところとかあるので。怖いッスね。練習はヘッドギアを必ずして、毎週のように歯医者さんに通っていました」

──そうだったのですね。

「揺れの確認や、神経が生きているのかそうじゃないのか、ずっと分かっていなかったので。先生も神経を少しでも残したいと思ってくれていたので、神経の反応を毎週のようにチェックしてくれて。時間は掛かりました」

──練習の強度を上げるイコール試合がしたいということだったのですか。

「練習がちゃんとやれるようになったら、その気持ちは強くなりました。でも長い間、試合をしていなくてスパーリングでも感覚が掴めないところあったので、感覚を戻そうとやってきました」

──そして、今日の練習のように弾けるような動きが見られるようになったと。

「でも、上手くいかないことの方が多いです」

──それは負傷前と比較して、ですか。

「いえ、新しいことを取り入れているからです」

──底上げをしているということですね。

「ラスベガスに行ってジェシカ・アンドレジとかと練習したり……、最終的にNYに行ってと一緒に練習していたんですけど、打撃が上手で。魅津希ちゃんにその打撃の部分を教えてもらって、自分はレスリングを教えて……みたいな感じで。打撃が伸びて、寝技はMe,We、IGLOOの山田海南江選手と練習をして底上げをしてきました」

──では復帰戦の相手、デモパウロスに関してどのような印象を持っていますか。

「これまで自分より背の高い人との試合が多かったのですが、同じぐらいの身長で珍しいです。タフで勝っても負けても頑張っている印象があります。だからこそ、相手に負けない強い気持ちを持たないといけない。相手の気持ちを折りに行く試合をしないといけないです」

──この間の苦労を経験したことで、より強い想いをもってオクタゴンに足を踏み入れることができるのでしょうか。

「それは思わないです。う~ん、練習をしていたら勝ちたいという気持ちが強くなります。試合は絶対に勝てるモノではなくて、練習をするのは勝率を上げるためです。練習をして確率を上げて……でも、相手もやっていて。自分も打撃の部分、寝技の部分、全ての面で底上げしてきたので。相手のパンチが見えてきたから、テイクダウンのカウンターも合わせることができます。それができるようになってきました。組んだら前以上にできます。それに気持ち的にも強くなったかと(笑)」

──トップ10、トップ5にステップアップするために、今回はどのような試合をしたいと思っていますか。

「ここで勝つのと負けるのでは、次の相手が代わってきます。上に行くために勝たないといけない相手──気持ちを折りに行く試合をしたいです」


■視聴方法(予定)
9月24日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS
午前4時30分~U-NEXT

■UFN229対戦カード

<ライト級/5分5 R>
グラント・ドーソン(米国)
ボビー・グリーン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
アブドゥル・ラザク(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドパー(米国)
ライアン・グレン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カロリーナ・コバケビッチ(ポーランド)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
ジョニー・ムニョスJr(米国)
アオリーチーラン(中国)

<女子ストロー級/5分3R>
村田夏南子(日本)
ヴァネッサ・デモパウロス(米国)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ(米国)
JJ・オルドリッチ(米国)

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MMA o ONE RIZIN UFC   その他 キック クレベル・コイケ スパイク・カーライル ボクシング ライカ ラマザン・テミロフ 中原由貴 中島太一 井上直樹 佐藤将光 堀江圭功 太田忍 宇佐美正パトリック 山本アーセン 岡田遼 巌流島 征矢貴 摩嶋一整 朝倉海 榊原信行 横山武司 牛久絢太郎 白川陸斗 皇治 福田龍彌 萩原京平 金原正徳 魅津希

【RIZIN】速報中!RIZIN.44 クレベル・コイケ×金原正徳

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格闘技の日。UFCで魅津希の試合を堪能した次はRIZIN。さいたまスーパーアリーナでRIZIN.44が開催されます。メインはクレベル・コイケ×金原正徳のフェザー級ワンマッチ。日本のMMAの冬の時代を支え続けてきた金原がついに表舞台のメインに登場。絶対的な強さを誇るクレベルに挑みます。日本フェザー級最強の呼び声も高い金原がクレベルの首を取る事が出来るのか。その他にも牛久絢太郎×萩原京平、摩嶋一整×横山武司など玄人好みの好カードが連発。本日はU-NEXTを観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 MMA フライ級(57kg)】
×征矢貴(パラエストラ松戸)
(1R TKO)
○ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン/ムラドフ・レギオンチーム)
1R、開始直後からプレスをかけるのは征矢。単発ながらパンチをヒットさせるとテミロフはグラつく。一気に仕留めにかけるがテミロフも左右のパンチを振り回す。すると征矢にヒットし今度は征矢がグラつく。テミロフは亀の征矢に対してパウンドを打ちながらチョークを狙う。しかし征矢はすぐに立ち上がってスタンドに戻るとやや試合が落ち着く。するとテミロフは後ろ回し蹴りを挟みつつ、左右の連打が止まらない。征矢は被弾して棒立ち。テミロフはさらにパンチを打ち込むと征矢はダウン。ついにレフェリーが試合を止めた!テミロフが激闘を制した!


【第2試合 MMA ヘビー級(120kg)】
○シビサイ頌真(パラエストラ東京/巌流島)
(1R ヒールフック)
×ヤノス・チューカス(ハンガリー/GK1ストライキング/グレードブリテントップチーム)
1R、カーフキックでリズムを作るシビサイ。それに対してチューカスは前進。右フックを放つとチューカスはグラつく。嫌がったチューカスは片足タックル。しかしチューカスの腰は重い。側頭部にパウンド。倒れないと思ったかチューカスはグラウンドに引き込んで下になる。足を取ってヒールフック。耐えていたチューカスだがついにタップ!シビサイがピンチを乗り越えて一本勝ち!


【第3試合 MMA バンタム級(61kg)】
○中島太一(ロータス世田谷)
(判定3-0)
×岡田遼(パラエストラ千葉)
1R、中島のカーフキックが的確にヒット。意識を下に引き付けて右フック。岡田はグラつく。中島はプレッシャーを強めるが岡田は組み付く。しかし逆にテイクダウンしたのは中島。だが岡田もすぐに立ち上がる。スタンドに戻ると岡田は一気に間合いを詰めて組み付くと簡単にテイクダウン。じっくりサイドからバックを狙うが中島は立ち上がって正対。岡田は飛び付き腕十字を仕掛けるがこれは不発。最後はスタンドのパンチを交差させてラウンドを終えた。
2R、左右のワンツーとカーフキックを軸に前に出る中島。対する岡田は組み付いてテイクダウンを狙うが中島は難なく何度も回避。岡田は時間を経る毎にスタミナをロスしていく。中盤には中島のカーフで岡田はグラつく。さらに右フックを当てて攻勢。終盤に岡田は組み付く場面はあったが中島はテイクダウンを許さずラウンド終了。
3R、遮二無二前に出てパンチを振るう岡田。しかし中島は冷静に捌くと左ジャブを的確にヒット。岡田の攻撃を完全に見切った様子。岡田のタックルを潰した中島は亀の岡田に膝蹴り。さらにバックに周って側頭部にパウンド。マウントを狙いつつ肩固め。完全に決まったかと思いきや岡田は耐える。すると中島は腕を外してパウンドからの踏みつけなど猛攻を見せるが岡田が耐え抜いてタイムアップ。判定はもちろん中島。実力差を見せつけて圧倒です。


【第4試合 MMA フライ級(57kg)】
○福田龍彌(MIBURO)
(3R TKO)
×山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)
1R、山本は左のカーフを多用。的確にヒットさせて終盤には福田がグラつく場面も。ストライカーの福田に対して真っ向からスタンドで勝負する。中盤に一度タックルに行くが福田は足を抜いて脱出。終始スタンドの状態が続く。福田は左ジャブを軸に試合を組み立てるが思ったよりも主導権をに握れないまま進行。想像以上に山本がスタンドに対応している印象のままラウンドを終えた。
2R、山本は引き続きカーフキックを効かせる。対する福田は得意の右のジャブを蓄積。これが時間を追う毎に的確にヒット。徐々に山本の目が塞がっていく。山本は要所で組みにいくが福田の腰は重い。このラウンドも終始スタンドの展開。打ち合いになると山本もフックを振り回してあわやの場面を作ってラウンド終了。
3R、ドクターチェックが入った後にラウンド開始。山本もフックで福田をグラつかせる。それでも福田は怯まずに前進。右ジャブを的確にヒットさせて左フックも強振。コーナーに追い詰め左右の連打を振り回すが山本も寸前で回避。しかしここでドクターチェック。山本の顔面の裂傷が酷くドクターストップ。福田が得意のボクシングで勝利。しかし山本の健闘も光った。


【第5試合 MMA 66.2kg契約】
○摩嶋一整(毛利道場)
(判定3-0)
×横山武司(teamセラヴィー/スウェルズ柔術ジム)
1R、開始直後に横山は飛び膝。しかし摩嶋は冷静に回避して右フックを当てる。横山が寝転がって猪木アリ状態になると横山は下から足を取りに行く。摩嶋は上のポジションを取って試合を落ち着ける。膠着する中、摩嶋は距離を作ってパウンドを狙う。横浜は身体を密着させてチャンスを窺うがブレイク。スタンドに戻ると横山はカーフ、回し蹴りを繰り出す。攻防の中からスリップした摩嶋に横山が組み付くが、摩嶋は抱えてテイクダウンしてところでラウンドを終えた。
2R、横山の飛び膝をキャッチした摩嶋がテイクダウン。横山は下からラバーガード。摩嶋は身体を引き剥がして上をキープ。またもやや膠着するが摩嶋は上から肘とパウンドでじわじわ削る。横山は鼻から出血。膠着してブレイク。スタンドに戻ると打撃の交差から横山が組み付いてグラウンドに引き込む。ラバーガードからコントロールを狙う。しかし摩嶋は付き合わずに立ち上がって猪木アリ状態のままラウンド終了。
3R、打撃の攻防から摩嶋がカウンターの胴タックルでテイクダウン。上をキープすると肘打ち。横山も蹴り上げで対抗。猪木アリ状態から摩嶋がパウンドを放ってから上を固める。さらに摩嶋は足を抜いてハーフに移行。ガッチリと上を固めて側頭部にコツコツとパウンド。このまま試合終了。判定は上を取って攻めた摩嶋に軍配。


【第6試合 MMA フェザー級(66kg)】
○中原由貴(マッハ道場)
(判定3-0)
×白川陸斗(トライフォース赤坂)
1R、互いにハイを出し合って牽制し合う立ち上がり。打撃戦から思いきや、中原は片足タックルでコーナーに追い詰める。不完全ながら白川に膝を突かせてボディに小刻みなパンチ。さらにしつこく片足タックルでテイクダウンを狙う。白川も完全に背中をつかせないが中原がグラウンドをコントロール。残り30秒でブレイクがかかてスタンドに戻るが大きな展開なくラウンドを終えた。
2R、スタンドの静かな攻防。中原はタックルで組み付くが白川の腰が重い。身体が離れると足を止めての打ち合い。中原がタックルにいったところに白川の膝がヒット。中原はグラつくが意識はある。そのまま組み付いてなんとかテイクダウン。サイドバックに周って側頭部にパウンド。終了間際には白川に背中をつかせてラウンド終了。終了後にロープ掴みのためイエローカードが出される。
3R、序盤はスタンドの展開。中原はワンツーが的確にヒット。左ストレートがよく伸びる。有効打、手数ともに中原が優勢。打撃を十分に意識させたところでタックル。不完全ながら白川をコントロールして優位に試合を進める。終了間際にもしっかりパンチをヒットさせてからタックルでテイクダウン。立ってくる白川をガブって膝を打ち込んで試合終了。判定は中原に軍配。


【第7試合 キック(肘無し・つかんでからの攻撃は1回) 70kg契約】
○安保瑠輝也(MFL team CLUB es)
(判定3-0)
×宇佐美正パトリック(Battle Box)
1R、開始直後から間合いを詰めて手数を出す宇佐美。ロープに追い詰めて左右の連打を振るう。しかし安保もガードを固めて顎を押して距離を取る。さらに離れ際に打ち返す展開。宇佐美も危機を察知してか深追いしない。想像以上に宇佐美がキックルールに順応している印象。
2R、前に出てパンチを出す宇佐美に対して安保は距離を取ってキック中心に試合を組み立てる。ロー、ミドル、前蹴りを要所でヒット。ボディが効いたか宇佐美の動きが落ちる。しかし安保の追撃の攻撃がローブローになって試合は中断。再開するとダメージから回復した宇佐美がパンチを振るってラウンドを終えた。
3R、前に出てくる宇佐美に対して安保のパンチがヒットし始める。動きが止まった宇佐美に対してショートレンジのフックがヒットしたのか宇佐美は膝をついてダウン。なんとか立ち上がる。決めに来る安保は膝蹴りを放つがローブローになって宇佐美は悶絶。長らく試合は中断。安保にイエローカードが出されて再開。お互い気持ちが前に行き過ぎて至近距離での打ち合いから組み付いてブレイクという展開が続く。このまま終了かと思いきや、安保の左ミドルがボディをえぐって宇佐美はダウン。なんとか立ち上がったところで試合終了。判定は2回のダウンを奪った安保に軍配。試合後はリングサイドにいた木村フィリップミノルがいきり立ってTシャツを脱ぐ場面も。。。しかしリングに上がる事は許されず安保のマイクは終了。


来週の名古屋大会で悲報。唾液の線に石が出来る病気が回復しないため井上直樹の欠場が発表されました。代役はONEなどで活躍してきた佐藤将光!太田忍との対戦が決定しました。さらに名古屋大会が危ないという状況を受け、榊原信行CEOは朝倉海を呼び込み、リング上からサプライズで皇治に電話。朝倉海×皇治のMMAマッチが決定しました。


【第8試合 MMA ライト級(71kg)】
×スパイク・カーライル(米国/キングスMMAアナハイム/トレーニングラボ)
(判定0-3)
○堀江圭功(ALLIANCE)
1R、スタンドの静かな立ち上がり。打撃の交差からカーライルが低空の片足タックル。コーナーに追い込んで倒しにかかるが堀江の腰は重い。ブレイクがかかる。再開すると互いにパンチ、ミドルを入れて一気に緊張感が高まる。するとカーライルがまたも片足タックル。コーナーに押し込むとスタンドでバックに周る。しかし堀江も耐え切ってラウンドを終えた。
2R、堀江はジャブ、フックを的確に当てて先手を取る。するとカーライルは一気に間合いを詰めて強引にフックを振るう。さらに組みついて側頭部にパンチを入れるが堀江はなんとか耐える。身体が離れると堀江はボディをヒット。嫌がったカーライルは組んでくるが動きなくブレイク。身体が離れて再開すると堀江のパンチ、ミドルが的確にヒット。カーライルがパンチを振るいながら組み付くが堀江はテイクダウンを許さずにラウンド終了。カーライルは膝に手をついて疲れた様子を見せているがどう出るか。
3R、開始直後にカーライルは左右のフックを振るう。このまま組み付いて差し合い。コーナーで膠着してブレイク。再開すると打ち合いからまたしてもカーライルは低空タックル。堀江の体勢を崩すと背中に張り付いて強引に首を狙う。極まらないと見るやパウンドを乱射。これが後頭部に入ってしまい試合は中断。カーライルにはイエローカードが出させる。これは大きい。スイッチが入ったカーライルは再開するとパンチを振り回す。危ない展開だがしっかりとディフェンス。カーライルはタックルに来るが堀江はしっかり切って試合終了。判定は堀江!ライト級転向初戦で外国人相手に勝利したのは本当に大きい!!!


【第9試合 MMA フェザー級(66kg)】
○牛久絢太郎(アメリカントップチーム)
(判定3-0)
×萩原京平(SMOKER GYM)
1R、プレッシャーを掛けるのは萩原。じわじわと打撃を出す。距離を取った牛久は豪快なタックル。テイクダウンしかけたが萩原はすぐに立ち上がる。身体が離れて再開するとまたもプレスを掛けるのは萩原。打撃の交差から牛久は組み付く。だが萩原も組みでも負けていない。膠着してブレイク。再開するとスタンドの打ち合い。萩原が前に出るが牛久もパンチを打ち返してグラつかせる場面も。大きな動きがないままラウンドを終えた。
2R、開始直後のスタンドの攻防。牛久は片足タックル。これでついにテイクダウンに成功。萩原にしっかり背中をつけさせる。サイドからバックを狙うが萩原は立ち上がる。萩原はスタンドでバックに張り付けてコントロール。だが萩原は正対して脱出。身体が離れると静かなスタンドの展開から牛久が片足タックル。テイクダウンすると完全にマウントを奪取。パウンドを落としてバックに周るとチョークを狙うがタイムアップ。萩原が主導権を握り始めた。
3R、前に出る萩原に対して牛久は片足タックル。これでテイクダウンして背中をつけさせる。牛久はハーフからグラウンドをコントロール。さらにバックに周ると萩原はおんぶの状態で立ち上がる。背中に張りついて牛久はバックチョーク!萩原は必死でディフェンス。牛久は左右変えながらチョーク、フェイスロックを仕掛ける。萩原はどうにも脱出出来ずにこのまま試合終了。判定はもちろん牛久。連敗脱出!マイクを握った牛久は階級変更を示唆。バンタム級?騒がしくなるぞ。


【第10試合 MMA フェザー級(66kg)】
×クレベル・コイケ(ブラジル/ボンサイ柔術)
(判定0-3)
○金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)
1R、開始直後に単発ながら金原のパンチがヒット。クレベルがグラつく。嫌がったクレベルは距離を詰めていくが金原はいなしてパンチを打ち込む。クレベルもコーナーに追い込まれるとパンチで応戦。さらに膝を入れるとこれが効いたかクレベルは足を掛けてテイクダウンに成功。マウントを奪うが金原は冷静に対処。立ち上がったところをクレベルがギロチンを狙うが金原は首を抜く。このまま上をキープしたままパウンドで削ってラウンドを終えた。金原がクレベルの寝技にも対応している。
2R、金原はミドルをヒット。クレベルがパンチを振るって前に出ると膝をボディに入れる。コーナーでの攻防も身体を入れ替えて距離を作ると打撃の攻防から胴タックルでテイクダウンに成功。クレベル相手に寝技勝負を挑む。するとパスしてハーフガード。肩固めを狙うがクレベルのガードは当然固い。金原は上からコツコツとパウンド。残り10秒で強めのパウンドを入れてラウンド終了。金原が完全に主導権を握った。
3R、開始直後の打撃の交差。金原は組んで足を掛けてテイクダウンを狙う。グラウンドにもつれ込むとスクランブル。一進一退の攻防から金原が上になるとバックに周る。クレベルもスイープを狙うが金原も素早く対応。立ち上がったクレベルを寝技に持ち込んで上をキープ。絶妙のボディバランス。残り1分でハーフガードからパスを狙う。このまま上をキープして試合終了。判定は金原!!!!グラウンドでクレベルを圧倒してアップセットをやってのけた!!!
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F1 MMA News o ONE UFC ティム・ミーンズ 魅津希

UFC on ESPN+86:ポストファイトボーナス/総評

・ファイト・オブ・ザ・ナイト:ティム・ミーンズ vs. アンドレ・フィアリョ

・パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト:シャルル・ジョーデイン、マリナ・ロドリゲス

メインはこれからというところで終わってしまい残念。1Rのジャッジは三者フィジエフだったし、負傷も蹴った足ではなく軸足の膝を痛めてのもので完全なアクシデント。とはいえフィジエフは負傷からの回復にしばらくかかるだろうし、決着としてはTKOなので、すぐに再戦を組むわけにもいかないか。両者ともにタイトルに絡む位置まで行ってからの再戦に期待。

マルクーンはハーフバックで完全にコントロールした状態から、一発の肘が後頭部に入っただけで反則負けに。その前の攻防で何発かマルクーンの鉄槌が後頭部付近にヒットしていたので、もしかしたらそこでレフェリーから注意が入っていたのかもしれない。ただそれでもノーコンテストではなく反則負けなのは厳しい。ブランデージの本人申告の戦闘不能もどこまであてになるのか。ダメージ的には最後の肘よりその前の鉄槌の方が大きいようにも見えたし、スッキリしない裁定だった。かと言って、内容はマルクーンが圧倒していたので、再戦が見たいとは思えないが。

魅津希はUFC1勝3敗(3試合はフライ級でのものだが)のゴールディ相手にフィジカルで押されて楽な試合にはならず。3Rの動きを見ると、序盤はブランクで動きが固かったのかもしれない。

ジャッジ3人はそれぞれ1Rから3Rまでをゴールディに入れているが、メディアのジャッジは大半が30-27のフルマークでの魅津希支持。ただ、どのラウンドも僅差だったことは確か。

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