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【UFC303】「ATTで揉まれてきたい」(鶴屋怜)。UFC初勝利、鶴屋怜&鶴屋浩、親子対談─02─

【写真】勝利後の鶴屋怜陣営。プロレスラーの中邑真輔さんは、和術慧舟會在籍時代に鶴屋浩氏が主催したアマ修斗・松戸フリーファイトに出場経験があるそうだ(C)Zuffa/UFC

6月29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたUFC303で、UFC初勝利を挙げた鶴屋怜と父・鶴屋浩の対談後編。
Text by Manabu Takashima

3-0の判定勝ち、打撃の攻防がなかったことで一部のファンから厳しい声が挙がったデビュー戦だが、UFCで勝って当然というデビュー戦を迎えた日本人ファイターが、一体どれだけいただろうか。一本勝ちできなかったことで、15分を戦いミスを洗い出すこともできた。ボーナスを貰えず、インパクトを残すには至らなかったかもしれない。それでも、いやそれ故に最高の経験ができたことになる。

反省すべき点をみつけ、これからに向けて鶴屋親子は何を想うのか。

<鶴屋怜&鶴屋浩対談Part.01はコチラから>


「打撃を当てられたら、それはダメなことになります」(怜)

──一本勝ちのプランが崩れた。その時に判定勝ちなら30-27も29-28も同じだという判断もされましたか。

 それは……結果論として、なってしまった。そういう風に捉えています。本当は攻め続けたかったけど、そうなってしまったからには勝つのが大前提なので。負けないためには最終回を落としても、リスクを避けた形です。

向うの一発逆転があるとすれば打撃。一本を取られることはない。なら、離れないでいようと。自分ではあのままで勝てるという自信があったので。俺がまるでダメだったようにいう人もいますけど、パンチで危ない場面もなくて、危険なサブミッションもなかった。抑えたときに下からエルボーが一発入ったけど、それだけで。効いたパンチは一発もなかったです。

投げと無双で失敗はしました。でも、何ももらっていない。それでも試合内容が良くないと言われるのであれば、勝つことに拘ってしまった……ということになります。

──UFC初戦、勝ちに拘り勝つことができた。ぶっちゃけていうとネガティブなことを指摘される筋合いは全くないかと思います。

 同時に今回の相手だから、ミスをしても勝てました。2Rを取っていても1度のミスで逆転される相手がUFCには、当然います。5分間で2つのミスをおかしたのだから、今後は同じミスをしないことが大切になってきます。

まぁ、僕は彼の父親でもあるので今回の勝利に「良かったよ。最高だったよ」とは言えないです。そして他の選手と同じように良かった点と悪かった点をあぶりだします。それが初回の足関節と最終回のスープレックス、そして無双ですね。

あの失敗をパントージャ相手にしてしまうと、やられます。そのミスがあって、今後の課題も見えた。その上で勝ったから、今回の試合は「良し」と捉えています。

──昨日、平良選手と松根さんの対談もMMAPLANETでさせていただいたのですが、松根さんは「鶴屋さんは父親だから怜に厳しいだけで、本当に良く戦っていました。怜は強くて、しっかりと戦っていた」と言われていました。

 有難いです。

──ところで平良選手と鶴屋選手、この世に生を受けた順番がありますよね?

 ハイ……。

 フフフフフ。

 順番なんですけど、俺は日本人で最初のUFCチャンピオンになりたくて、ここまで生きてきたので。

──最初のUFCチャンピオンに拘ると焦りが生じないでしょうか。最初でなくても、UFCのチャンピオンになるという目標設定でないと。そのために一本勝ちして、インパクトを残す必要があるという考え方だと、焦って落とし穴が見えないことがありそうで。

 焦る……。焦るというか……。

 一本を取るのは、ここまで続けてきたスタイルですし(苦笑)。自分から攻めるハイスパートを続けるのが、彼のスタイルなので。見ている人が楽しめる試合になって良いかとは考えています。

──もちろん、そうです。と同時にツイスターに拘り、バックからRNCに移行しなかったことがあった。一本への拘りとインパクトを残す拘りが合致しない局面が出てくると──ということなのです。

 それはそうですね……。それは、そうだ。

 俺が攻められていたり、拮抗した勝負だったらRNCを選択していたと思います。でも一方的に攻めていたし、取れそうだったから拘ったわけで。ただ、その考えこそが相手を舐めていた証拠です。ツイスターで取れないのなら、バックでチョークに切り替えるべきでした。そこは反省しています。

──ヘルナンデスが、最後の最後の局面に対処ができる選手だったというのも大きいです。同時にUFCで戦うには打撃が必要だという指摘もあります。個人的には勝つために必要で。UFCだから、打撃が必要というのはまた違うなぁという風に感じてはいるのですが……。

 ハイ。打撃を使って、負けでもしょうがないですからね。最適だと思う攻撃をする。彼は打撃の練習をしていないわけでもなくて、常にジムで打撃の練習を続けています。

 絶対に打撃戦が必要になる試合があることは分かっています。今回の試合ではテイクダウンをするために打撃を使いました。打撃を打ち合わないとダメなんですかね? 何を指摘して、ダメなのかは分からないです……。俺が打撃を当てられたら、それはダメなことになりますけど。

 相手の打撃を受けずに、組んでいく。勝つための技の選択ですからね。

──ハイ。テイクダウン狙いを切られ、打撃勝負に持ち込まれることはなかったわけですし。それこそが、現状の怜選手にとってされたくない試合になると思います。

 そうですね。そういう選手が、フライ級でいるのか……。レスリング・ボクサーと対戦になった時、例えばモカエフはまぁまぁレスリングを使いますね。

 モカエフは打撃も思い切りがあります。レスリングでやられることはないけど、打撃の方は警戒が必要だと思います。

 だから怜よりも、レスリングが強い選手が出てきた場合ですよね。彼が打撃を出す時というのは。

──MMAでは打撃はレスリングや柔術よりも、実力差を跳ね返すことができるという風にも感じます。

 でも、MMAだからレスリング力を跳ね返すことができると思います。俺は(中村)倫也さん、(太田)忍さんとレスリングをやると、天と地ほどの差があります。でもMMAレスリングだとそこまでじゃない。

──スミマセン、言葉が足りませんでした。MMAにおけるレスリングの攻防、柔術での攻防の方がMMAでの打撃戦よりも、そこの部分で力のある方が確実に勝てるということでした。

鶴屋 つまり怜がテイクダウン防御力が高くて、打撃を入れることができる選手と戦ったらということですよね。現状、フライ級ではそういうタイプは見当たらないですが、これから出てくる可能性はいくらでもありますしね。

──そういう風に、チームで意識ができれば良いことで。別にSNSで何か言われて、軸を乱す必要はない。

 とりあえず勝てた。それが一番で。判定勝ちだったけど、今回の経験を生かして次はしっかりと一本勝ちをしたいです。こんなもんじゃないという気持ちではいます(笑)。

──APEXでなくTモバイル・アリーナで戦ったファイトウィークは、どのような経験になりました。

 デカい会場で戦うことは、一つの夢でした。やっとUFCで戦えたこともあるし、過去一で興奮して。そして嬉しかったです。

そうですね、楽しかったといえば楽しかったです!! 計量とか、凄い人で。アレを経験できて良かったと思います。

デミアン・マイアと。実は今回の取材をしたファミリーレストランは、父・浩氏とジャカレ・ソウザ、マリオ・ヘイス、マイアが食事をしたことがある思い出の場所でもあった

 ただラスベガスの大会のファンって、PPVまで会場に来ない人が多いですよ。あれは驚きました。

それでも、これまでにない雰囲気で試合をしていました。怜はお客さんが多くて盛り上がっていると、より乗って来るタイプだと思います(笑)。今回の試合でも、入場の時から凄くリラックスしていて。

「北の湖のように「負けろっ!!」って思われるぐらい強くなれば良い」(浩)

──コールの時の表情など、自信が漲っていました。アンチからすると生意気に見えるでしょう(笑)。UFCで生意気に見える日本人も頼もしい限りですが。

 アハハハハハ。「負けろっ」って思っているんでしょうね(笑)。まぁ、アンチも増えていますね。

──本当に平良選手と対照的です。

 北の湖のように「負けろっ!!」って思われるぐらい強くなれば良いんだよ。

──親父さん……例えが、古くないですか(笑)。

 アハハハハ。まぁ、Xとかで色々なことを書かれていますけど、セフードが良く言ってくれていたので。それで十分です(笑)。

──平良選手の活躍で、怜選手のUFCのデビュー戦を視るようになったライト層までその認知度が広まったということではないでしょうか。

 中学生か高校生が、何でも自分の意見を発信するという文化になりましたしね。まぁ、UFCで勝つことを当たり前に捉えてもらっているなら、それも期待値の高さだと受け止めて……そういう声も含めて、本来の予定よりも早くUFCデビュー戦を受けて、僕は良かったと思えています。5分3Rを戦って、何が良くないのかも怜自身が理解して、このままではいけないという気持ちになっている。すぐにATTに行きたいと言ってきました。

──そこで国内ではなくて、ATTにいう選択になるのは?

 もちろん日本でも良い練習はできます。ただATTでは世界のトップが揃っていて、練習に向かう時にも自分が緊張しているのが分かるんです。それは日本ではない、寝起きでそのままジムにいっても練習できるぐらいの感覚になってしまっていました。

それがATTだと1時間前に起きて、心の準備をする必要があった。スパーリングが5Rあると、全て世界のトップが来るんです。あの空気に慣れてしまえば、どこにいっても自分の力を出すことができる。全然、怖くないはずです。だからATTで、また練習をしたいんです。

堀口選手とやって、次がパントージャ。アドリアーノ・モライシュ、ハニ・ヤヒーラ、ダニー・サバテロが順々に前の目にいる。一回休もうと思うと、コーチから「レイ、休むな」って戻されて(笑)。で、アマチュアの選手にやろうって言われてスパーリングの相手をしたら、「ダメだ。こっちに来い」ってトップの方に連れていかれる(笑)。

──最高じゃないですか。そこにハニの名前が聞かれるのも嬉しいです。

 ハニ・ヤヒーラには寝技でボコられました。最初はヤヒーラと分からなくて、「このおじさん、誰だ?」って思っていたんです。

──ハハハハハ。渋くなり過ぎましたしね(笑)。

 でも、もう組んだらボコられて。やっぱり、良い経験になりましたよ。

 こういう話を聞くと、強くなれるなと思いますよね。僕らも負けない環境を創ろうと努力をしていますが、今ある最高の環境で練習をすることは大切です。ATTに行って、怜も一回り、二回りと大きくなったと感じています。

──パントージャが目標と公言していても、ATTやパントージャ自身は受け入れてくれるのですか。

 パントージャはPIで会った時も凄くフレンドリーでしたし、水抜き中もずっと話しかけられました(笑)。コーチたちも来てくれて『痩せたから分からなかったよ』って言う感じで。

──中村倫也選手も7月中にATTに行くという話も聞きましたが、怜選手の方は?

 気持ち的には8月中には行きたいですけど、次の試合がいつになるのかも考えて、1カ月から2カ月ほどATTに行こうと思います。とりあえず、揉まれて来たいです。

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【UFC 】平良達郎&松根良太、師弟対談─02─「次が世界戦でなければ、モカエフ×ケイプの勝者と」(平良)

【写真】平良がUFC世界王者になるために、頑強が足場が整ってきている(C)THE BLACBELT JAPAN

UFC on ESPN58でアレックス・ペレスを倒し、フライ級で5位にランクされることとなった平良達郎と師・松根良太対談、第2弾。
Text by Manabu Takashima

UFC世界フライ級王座を見据え、武器を増やしながらも軸を崩さない平良の成長の裏には、強い信頼感で結ばれた人間関係とプロアスリートとして彼を支えるマネージメントの存在があった。

王座挑戦が現実的になってきた平良が描く、青写真はファンが見たくなるストーリーだった。

<平良達郎&松根良太対談Part.01はコチラから>


「ボクシング業界から、日本のMMAが少しでも認めてもらえた」(松根)

──課題を克服しつつ長所が伸びる。この稀な例を最高に引き出しているのが、平良選手の環境かと感じています。コロラドでの出稽古と拠点である沖縄での練習。そこがしっかりと調和できているようで。

平良 拠点は沖縄にある。そこは絶対です。そのうえでエベレーションファイトチームのコーチも「セカンド・ホームとして使ってくれれば良いから」と言ってくれています。

──練習をするならこっちに来て、チームの一員になれということではないと。

平良 そういうガツガツしたところはないです(笑)。だからってよそ者扱いすることなく、本当に親切で。それでも今回は試合前に行くのは初めてだったで、不安はありました。でもコーチ達もアレックス・ペレスの映像を視て、アドバイスをくれました。それはチームメイトも同じで。沖縄でやってきたことを信じ、最後にコロラドで練習をして良いイメージを持った状態でオクタゴンに上がることができました。

──その最後の調整に帯同していたのも松根さんではなくて、岡田遼選手だった。そこが機能するのも、THE BLACKBELT JAPAN平良チームの良さかと思います。

松根 試合が2度延期されて、ペレス戦が決まったのはジョシュア・ヴァン戦のために渡米する前日でした。あのタイミングで米国に行くと40日間ほど向うにステイしないといけない状態で。相手もペレスになったので、あのタイミングで渡米するのはよそうということになりました。

そこから2週間半、沖縄でペレスと戦うための準備をして、最後にデンバーで高地トレをしつつ時差ボケを解消するというプロセスがしっかりとハマりました。2週間半、平良とペレス戦について話して、対策を施した。そこを岡田に託して、米国で創ってもらえましたね。本当に岡田のサポートには感謝しています。岡田だからこそ、できたことだと思っています。

──3人の間に絶対の信頼関係があるからこそ、この選択ができたと思います。

松根 とても良いチームができています。その上で今年からセカンドキャリアというボクシングを主体としているマネージメント(井上尚弥、武居由樹、平岡アンディらプロボクサーをマネージメントしている)と一緒にやって行くことが本当に大きいです。

2023年まで沖縄の企業様の協力を頂いていましたが、去年の夏ごろからセカンドキャリアから声を掛けてもらって。色々と話をするなかで2024年から一緒にやって行くことが決まりました。「平良達郎をUFCチャンピオンにするためなら、何でもサポートをする」と言って頂けています。

今回のデンバーでの最終調整に関しても岡田遼、そして食事面のサポートをしてもらうために達郎のお母さんにも同行してもらったんですが、渡航及び滞在に必要な費用を全てセカンドキャリアが用意してくれました。「何不自由することなく平良達郎が勝てるベストの状況を整えて欲しい」ということで、最終合宿が実現できました。セカンドキャリアさんと一緒にやって行けていることは、本当に大きいです。

平良達郎の練習、睡眠、食事だけを考えることに集中して欲しいと、SNSやYouTube、テレビなど露出する必要もない。とにかく試合前は練習と体調管理に集中できています。

──プロとは?という部分で強調される露出と話題創り、ここを考える必要がないということですね。

松根 ハイ。オフの時に、自分でやりたいことがあればやってください──というスタンスなんです。これ以上ない、マネージメント会社とチームが組めたと思います。同時に長い歴史を誇るボクシング業界から、日本のMMAが少しでも認めてもらえたのかと。その最初の一例を平良達郎で創ることができました。後に続く選手たちに良い背中を見せることができています。

先ほど仰っていただいた打撃、テイクダウン、寝技のつなぎができていることに踏まえて、プライベートの部分もUFCチャンピオンになる環境が整ってきていると実感しています。

──松根さんの言葉も本当に力がこもっていますね。

松根 MMAで頑張る。達郎は今、MMA以外に興味がない人間になっていますね。

平良 僕はだらしないんで、SNSとかやると失言しそうで怖くて。

──炎上ビジネスとは真逆の人間性。ホッとします。UFCでも沖縄で煽りVが撮られるまでの位置にきた。それでいて、修斗で2回戦を戦っていた時のような純朴さが残っている。

平良 その辺りは変わらないです(笑)。というよりも、変われないです。

「達郎はデビュー2戦目で、オタツロックを使っているんですよ」(松根)

──一方で、平良選手のMMAは進化し続けている。前回の試合で話題になったオタツロックですが、着目するようになったのは、どのようなことからだったのでしょうか。

平良 和田選手が使っていることでオタツロックという技があるのを知って、修斗の頃からチョコチョコ使っていました。今ではオタツロックを意識しているというよりも、流れのなかでバックを取れば自然に出るようになっています。流れの中で使う技ですね。そこに関しても和田選手から、勉強をさせてもらえました。

僕はアマ修斗から修斗をやってきて、修斗しか知らなかったんです。そのなかでDEEPのフライ級チャンピオンだった和田選手の試合を視た時に、『全てがしっかりしている選手だ』と思ったんです。MMAとして全ての要素を混ぜて戦っていて、柔軟性がある。パンチも強くて、カーフキックも強い。和田選手の戦い方も好きで、注目して視ていました。

松根 実は達郎はデビュー2戦目で、オタツロックを使っているんですよ。

──そうだったのですね。自分は初めて撮影をした試合だったからか、両足フックの大翔選手をパウンドしたイメージが強かったです。

松根 両足フックを使う時もありますけど、以前からオタツロックでコントロールをしてきました。沖縄では達郎がオタツロックを使うということで、後に続く選手も多かったです。和田選手とは体形も違いますし、もしかすると独自で進化している部分もあるかもしれないです。

──ペレス戦ではスタンドでオタツロックを取り、すぐに煽りました。ペレスと垂直になるぐらいまで煽って、また背中に戻った。ペレスの軸が強いのもありますが、平良選手の軸とロックの強固さにも驚かされました。

松根 そういう技なんだよな?

平良 ハイ、そうなんです。

松根 日本では和田選手がいてくれて皆が知っていたけど、海外ではアルジャメインが「あの技はなんだ」と騒いでいました。なので、これから世界に広まるでしょうね。達郎もタツなんで、面白いですよね(笑)。

──確かに(笑)。

平良 だから僕のオリジナルではないということは、しっかりと言っていかないといけないと思っています。

松根 達郎のタツでなく、和田竜光選手のタツだと。

「何だかんだとモカエフが勝つ」(平良)

──そこを気にするのも、この師弟ならではです。そして、この勝利でUFCフライ級5位にランクされました。ここでパントージャの名前を出すことも説得力があります。実際問題、実現の可能性はどの程度に感じていますか。

平良 UFCのマッチメイク的に、これで進んでくれるのだったら、もうやれます。そうでないなら、次に誰かと戦ったあとで挑戦したいです。挑戦権を争ううえで一番盛り上がる……自分自身、一番燃えるのはやっぱりムハマド・モカエフとマネル・ケイプの勝った方と戦うことですね。僕自身そうだし、フライ級の流れとしても盛り上がるのではないかと思っています。この試合で勝った選手と試合をする方が僕も燃えますし、そこで勝つと「もう平良しかいないだろう」という空気になるでしょうし。

──7月27日、UFC304で対戦する両者。実はこの取材で、両者の対戦について平良選手の予想を尋ねたいと思っていました。

平良 まぁ……何だかんだとモカエフが勝つとは思うのですが、毎試合危なっかしい試合をしますよね。モカエフにはスパッと極めるイメージはもともとないです。でも1Rでフィニッシュできないと、危ない場面を見ることになるかと。それでもフィニッシュするにしろ、判定になるにしろ、モカエフが勝つと思います。

<この項、続く>

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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:6月 シェイドゥラエフ&ダウトベック=中央アジアの脅威<01>

【写真】これから数回に分けて、ノジモフ、タウトベック、シェイドゥラエフらの強さと、来日の経緯をお伝えしていきたい (C)RIZIN FF

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。
Text by Manabu Takashima

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾という3人のJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。

今回は柏木信吾にMMAPLANETからリクエストした2024年6月の一番、6月9日に行われたRIZIN47からラジャブアリ・シェイドゥラエフ×武田光司カルシャガ・ダウトベック×関鉄矢の2試合を──月末を迎える前に、食い気味のタイミングで語ってもらった。

彼ら2人に加え、RIZIN46で山本空良を倒したイルホム・ノジモフというキルギス=シェイドゥラエフ、カザフスタン=ダウトベック、そしてウズベキスタン=ノジモフという中央アジア勢の強さを振り返り、「なぜ今、中央アジア勢なのか」を柏木氏に訊いた。


ムサエフやラモフの息抜きって、アイスクリームを食べることなんです

――掲載が半年以上、取材は実に11カ月も空いてしまいましたが、この間にMMAPLANET内外のゴタゴタもようやく着地点が見えてきました。このタイミングで、柏木さんが選ぶ今月の一番を食い気味に復活させて頂きたいと思います。

「ハイ。いや、楽しみですね。また、こうやって話をすることができて」

──ところでZOOMの背景からすると、海外でしょうか。

「ハイ、昨日からアイルランドのダブリンに来ていまして。このあとはタイに寄る予定です(※取材は21日に行われた)」

──相変わらずお忙しいなか、復活した今月の一番ですが、今回はMMAPLANETからの要望としてRIZIN47で強烈なインパクトを残したラジャブアリ・シェイドゥラエフ、そしてカルシャガ・ダウトベックの両者の戦いを振り返り、同時に中央アジア勢やアゼルバイジャンというコーカサス勢の登用という部分に関して、話を聞かせていただければと思います。

「分かりました。まず、彼らを招聘した背景から話せば良いでしょうか」

──アッ、スミマセン。その前になぜ、中央アジア、コーカサス軍団は強いのか。そうなるとすぐにジューサーだ云々という話になるのですが、そこ以外でも要因を見つけたくて。自分はキルギスには行ったことはあるのですが、コーカサスは未踏の地で。アゼルバイジャンを訪れたことがある柏木さんは、現地で彼らを見て何か想うところがありましたか。

「自分達が理解できない強さにぶち当たると、なんでもドーピングに結びつけるというのも…僕はどうかなという想いはあります。アゼルバイジャンだけでなく、隔離が必要だった2週間の間に見た──トフィック・ムサエフやヴガール・ケラモフは本当にストイックでした。イスラム教徒で酒も飲まないし、遊ばない。殆ど息抜きもせずにトレーニングに没頭しているんです。だって試合後の彼らの息抜きって、アイスクリームを食べることなんですよ。

試合が終わるとアイスクリーム・パーティーをやって、アイスとピザを食べる。翌日から、もう次の試合のことを考えた生活に戻っています。そんなストイックな生活を3年間、5年間と彼らはやってきています。食事にも本当に気を遣っていますし」

──中央アジア、そしてムスリムとなると豚肉は食せず、羊肉中心かと。羊の肉は低脂肪高たんぱく。鉄分や亜鉛も豊富で必須アミノ酸も含まれていて、栄養価が高い割にヘルシーだと一般的に言われています。

「ほかの肉と比べるとヘルシーということですよね。何と言っても彼らは1年中、3部練習をしているんですよ。日本人選手も彼らと同じ生活をしていると、彼らに近づくと思います。彼らの練習量、食生活、そしてストイックさを踏襲して、強くなれないのであればドーピングを疑うのも致し方ないですけどね」

羊肉と乗馬ですね。それが強さの鍵

──羊の肉に関していえば、もう20年も前の話ですがノルウェーに取材に行った時に、現地で伝統的な羊肉とキャベツの煮物を御馳走になりました。ユノラフ・エイネモのお母さんが創ってくれたのですが、ユノラフによると「これは人が歩いて移動をしている時に食べていた料理なので、車に乗るようになった現代人が食べると肥満体になる」とのことで。ただし、彼らは厳しい練習をしているから御馳走になるということでした。

「これは全く根拠のない僕の自論なんですけど、羊肉と乗馬ですね。それが強さの鍵だと思います。子供の頃から馬に乗って、羊を食っている人間は強い。そこがコーカサスや中央アジアの選手のベースにある。それが僕の自論です」

──柏木さん、モンゴルのウランバートルのジムへ行くと全てのジムの指導者が「ウランバートルの子供は体力も運動神経もない。彼らは地方の子供と違って馬に乗っていない。だから強いファイターは地方出身の選手ばかりだ。体幹、筋肉、反応全てが違う」と言っています。

「えぇ、そうなんですか!!」

──地方の子は遊びと生活が一体化していて乗馬とモンゴル相撲を続けているそうで。

「うわぇ、凄い。嬉しいです。ホント、モンゴルで馬に乗っている女性のS〇Xは凄いらしいですよ。気持ちが良いそうです」

──おっ、インタビュー終盤でないのにもう柏木節が炸裂ですか(笑)。しかし、男も女性も馬に乗っているカップルだとどうなるのか。

「……。スミマセン、いきなり、飛ばしちゃいましたね(笑)話を戻しましょう。RIZINが招聘している外国人選手の全てに言い当てはまるとは言わないですが、ケラモフとムサエフにドーピング疑惑が生まれるのは彼らが強いから。ずっとトレーニングをしてきて、今もピークに向かっているのだから……なかなか追いつけないと思います」

──押忍。そのなかでアゼルバイジャン勢に優るとも劣らないインパクトがあったRIZIN47……中央アジアの衝撃。シェイドゥラエフとダルベックの強さは、あの一夜でRIZINファンの脳裏に刻まれたのではないかと思います。

「そうですね。内部から戦犯って呼ばれています(笑)」

──アハハハハ。

「何してくれるんだって(笑)」

──そうなると別にMMAってことでなく、勝負だから勝つしかないです。

「ハイ。その通りなんです。箱庭派と開国派なんて、論議がありますけど……」

──えっ、そうなのですか。ペリーがやってきたのだから、もう鎖国はできないのでは。

「現実を見てしまったわけですからね。現実から目をそらしてきた結果が今なんじゃないかと。もちろん、お金が続かないと格闘技興行は打てない。だから箱庭を大切にするという気持ちも分かります。でも今のRIZINは、その狭間をやってきている。

RIZINの人気はストーリーメイク、各選手達を主人公にしていく。それは世界にはないユニークなスタイルです。そのストーリーメイクも、日本人だけでなく海外勢まで広がって来てもRIZINのファンなら楽しんでもらえるんじゃないかと僕は思うようになっています。もちろん、彼らは日本人選手のように創り手側の意図をくめるわけじゃないですけど」

──創るって、別に目の前にある材料にスパイスを与えるだけも良いって思うことがあります。なんだが、最近は切り刻んで揚げて、焼いて、ソースを掛けてって。実際の本人と伝わってくる人間性が違うやんと思うことが多いです。

「う~ん、バランスですよね。『ファンなんて関係ない。観客なんて、どうでも良い』、『自分のためにやっているんだ』という感じの選手はなかなか売り出すのは難しいです。日本の格闘技で食っていくには。それが日本の格闘技の歴史だし。

仕事ってギブ&テイクですから、テイクばかりだと難しい。そういう選手はそれこそ修羅の道、UFCの道を往くと。そういう茨の道の一択しかなくなると思います」

馬のアキレス腱の煮凝り

──素でも面白くないですか。

もう12年も前の話なのですが、ジャダンバ・ナラントンガラグに「モンゴル人選手の強さの源は?」と尋ねると「馬のアキレス腱の岩塩です」と朴訥なまま返答してくれて。

「うわぁ、最高ですね。それがストーリーになっていくなら。でも、そこがストーリーになるって我々のようにはみ出ている人間なんですよ」

──えっ、我々ははみ出ているのですか!!

「そこは、そう思ってないですよね(笑)。マスに向けたコンテンツを創るには、分かりやすさですよね。キム・スーチョルが任天堂Switch発言で、人気者になっちゃったように。あの発言で共感できる人が、たくさん生まれたんだと思います。スーチョルは素なんですけど、そういう部分を見つけたあげることで、マスが共感できるアングルを創り上げるというやり方は全然有りだと思います」

──そのために創り手の方が、よりMMAを理解すれば拾い上げる要素を今よりも広がるかと。

「その通りですね」

感謝をしてくれて日本で戦ってくれる選手となると、中央アジアの選手

──そういう今後への期待を先に話してもらったのですが、改めてなぜ中央アジア勢だったのか。そこを柏木さんに伺いたかった次第です。正直なところ、彼らはRIZINも招聘している元UFCファイターよりもハングリーで、日本で成功するんだという強い意思が感じられました。

「彼らの来日は、円安の影響があることは隠せないです。だから元UFCファイターよりも、Road to UFCかRIZINかという若くて強い選手。そしてコストパフォーマンスの良い選手を招聘するということですね。それに元UFCといっても、至るところにいて。だから元UFCファイターでも資金を投入して呼ぶなら、最低限ランカーでないと。元UFCっていうだけでコストパフォーマンスの良くないファイターを呼んでも、ファンの人達に喜んでもらえないです。

そのファイトスタイルが特別で、どうしても戦って欲しいという風にならない限り、なかなか元UFCファイターというだけ円安の壁を乗りこえて飛びつけないですよね」

──円安の問題は輸入業からすると、本当に大問題です。

「ハイ、少しでもコストを抑えて強い選手。しかもオファーを喜び、感謝をしてくれて日本で戦ってくれる選手となると、中央アジアの選手になります。南米も本当は喉から手が出るほど、呼びたい選手がいます。特にLFAブラジル大会なんてチェックしていると、本当に魅力的な選手だらけです。皆、RIZINで活躍できるだろうって」

──確かにLFAのブラジル大会はフィーダーショーとしても頭抜けていますね。

「ハイ。本当にヤバいですし、全面対抗戦をすればRIZINは全敗するんじゃないかと思います。でも、渡航費がブラジルと中央アジアでは違います。それこそコスパに関係してくるので、ブラジル勢は呼びたい選手の数が本当に多いけど中々ハードルが高い。結果、才能があってダイヤの原石で継続して招聘できる選手となると、中央アジアになります」

<この項、続く>

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最後までご視聴ありがとうございました。
また次回の動画でお会いしましょう。

・中島怜選手
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ストラッサー起一経歴【主戦場】
2014〜2017  UFC(アメリカ)
2017〜2019  RIZIN(日本)
2019〜2020  Bellator(アメリカ)
2021〜. RIZIN(日本)

—-目次—-
0:00. オープニング
2:25. 鈴木千裕vs五味隆典
11:09. この試合をを終えパッキャオ戦について
13:28 バズーカ巧樹vs中島 玲
16:37. 栗秋 祥梧vs中村 優作
18:34. 本日の総評
19:34. おまけ

#ストラッサー起一
#KNOCK OUT
#鈴木千裕
#五味隆典
#中島 玲
#バズーカ巧樹
#解説
#rizin

カテゴリー
45 AB Black Combat Gladiator K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC Road to UFC UFC UFC ABC06   アレキサンダー・ヴォルコフ イクラム・アリスケロフ イ・チャンホ カン・ギョンホ ケルヴィン・ガステラム シャオ・ロン ジャレッド・ゴードン ジョニー・ウォーカー ダニエル・ロドリゲス ナスラ・ハクパレス ニコラス・ダルビー ブレンジソン・ヒベイロ マゴメド・ガジヤスロフ ムイン・ガフロフ ロバート・ウィティカー 食事

【UFC ABC06】ムイン・ガフロフ戦へ、UFC生活11年のカン・ギョンホ「スタミナ重視から効果的な戦い」

【写真】今年で37歳になるボディ!! (C)Zuffa/UFC

22日(土・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのキングダム・アリーナでUFC on ABC06「Whittaker vs Aliskerov」が開催されカン・ギョンホが出場し、ムイン・ガフロフと戦う。
Text by Manabu Takashima

ミスター・パーフェクトの異名を取るカン・ギョンホがMMAでビューをしたのは2007年4月と、もう17年のキャリアを誇る。K-MMA界に定期的なイベントを維持できるプロモーションがほぼ存在しなかった時代に戦極、GLADIATOR、GRACHNなど日本でのファイトも経験している。

Road FCが旗揚げ後はバンタム級ファイターとして順調に経験を積み、バンタム級Tで優勝してベルト巻くとUFCと契約を果たした。それからもう干支が一回りしようという今も、カン・ギョンホはUFCで戦い続けている。ムイン・ガフロフ──を前に長いキャリアを続けられる要因と、変化するK-MMAについて尋ねた。


──今週末にムイン・ガフロフと対戦します。今の気持ちを教えてください(※取材は18日に行われた)。

「最高の状態で、ファイトに向かって気持ちがあがっています」

──サウジアラビアでの試合ですが、何かミドルイースト独特の空気感のようなモノはありますか。

「ホテルにいるだけなので、サウジアラビアっぽさっていうのは分からないです(笑)。ただヒジャブをつけた人が多いですね。その辺りに文化の違いは感じます。いずれにせよ、自分にとって初めての国での試合というのは楽しみでならないです」

──私がカン・ギョンホ選手を初めて取材させていただいたのは、まだRoad FCで戦っていた頃で12年も昔になるかと思います。が、容姿がほとんど変わっていないですね。

「そんなことはないです(笑)。すっかり年を重ねました。ただ変わっていないといってもらえると、嬉しいものです。普段から体に良い食事を摂り、しっかりと良い睡眠を心掛けています。もちろん、常に体を動かしていますし。でも、実は白髪が増えて……今回、初めて白毛染をしたんですよ(笑)」

──なるほどぉ!! ところで11年前にUFCとサインをしたとき、11年後もUFCで戦っていることが想像できていましたか。

「ファイトは私の仕事なので、キャリアをスタートさせた時から少しでも長く戦い続けようとは思っていました。そして、今もUFCに在籍しているということは、その目標を果たせているのかなとは思います。

MMAファイターがキャリアを積み重ねていくということは、それだけ厳しい時間を繰り返していることにもなります。練習と試合という日々に疲れを感じたこともあります。でも、試合の度に新しいモチベーションを得ることができたので、ずっと練習を続けることができました。そのモチベーションを見つける努力はしてきましたね。

何より練習をして、試合を戦うことで最高の気持ちになれます。特に勝った時は。それが今でも最高に楽しくて。MMAをエンジョイしていますし、何よりもMMAを続けることで家族と共に人生を歩んでいける。そこは誇りを感じています」

──最高です。と同時にカン・ギョンホ選手はフィジカルが強いレスラーで、アグレッシブなファイターです。とはいえ、今や周囲のファイターはどんどんフィジカルが強くなり、レスリング力の強さもデフォルトになっています。10年以上、UFCで戦ってきてスタイルにも変化が加わったのではないでしょうか。

「しっかりとレスリングに重点を置いたファイトは、今でも欠かせないと思います。ただ自分もキャリアを積み、背中のケガも経験しました。フィジカルを鍛えつつも結果として、戦い方を変えないといけなかったです。

それが打撃重視の戦いです。若い時のようにスタミナ勝負のようなファイトではなく、効果的な戦いを心掛けるようになりましたね」

──つまりムイン・ガフロフともスマートに戦うと。

「そうですね。ムイン・ガフロフはアグレッシブでタフな相手なので、賢く戦う必要があります。でも、彼よりもアグレッシブで爆発力のある試合をお見せますよ」

Black CombatかUFCか。それはファンが判断すること

──ところでK-MMA界も大きく変わったと思います。チームMADが小さなジムで、マットは汗がたまるような時代を知るカン・ギョンホ選手から若い世代に伝えたいことはありますか。

「今、韓国では凄く可能性のある若い選手が多く育ってきています。チームMADもそうです。とにかく必死に戦い、必死に練習をする。自分の限界に挑む姿を見せることで、彼らもやる気を出してくれると思っています」

──押忍。ところで今や韓国でも若い選手はSNSを駆使し、ケージ外でのエンターテイメント化が進んでいると思います。

「MMAはプロ産業です。私たちはファンの関心を引かなければならないです。それを自分自身でやっていることは、良いのではないでしょうか。トレンドを目指す。それは凄く自然なことで、プロとしても良いことだと自分は捉えています。もちろん、それ以前にしっかりと練習をすることが前提として存在しています。それ以外のことは、二の次です。そこが分かっていれば良いことです」

──Black Combatの取材をすると、試合後のマイクのやり取りが非常に長いです。それを若いファンが凄く楽しんでいる。あのシーンを目の当たりにすると、まさに隔世の感という言葉が思い浮かびます。

「つまりはファンが何を見たいのかっていうことなんですよね。試合時間よりも長いインタビューをファンが楽しんでいるなら、それはそれで正解です。MMAプロモーションはファンの見たいモノを提供するものです。Black Combatが見たいのか。UFCが見たいのか。それはファンの皆が判断することなんです」

──押忍。試合以外のことまで、しっかりと話してくれてありがとうございます。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「自分は日本でも試合をしたことがありますし、日本人選手とはたくさん試合をしてきました。それでも日本の人たちは自分に声援をおくってくれます。また、いつの日か日本で戦いたいと思っています。いつも応援ありがとうございます」

■視聴方法(予定)
6月23日(日)
午前0時45分~ U-NEXT
■放送予定
6月23日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC Fight Pass
午前0時45分~U-NEXT

■UFC ABC06対戦カード

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウィティカー(豪州)
イクラム・アリスケロフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
アントニオ・トロッコリ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジョニー・ウォーカー(ブラジル)
ヴォルカン・オズデミア(スイス)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ジャレッド・ゴードン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ムハンマジョン・ナミモフ(タジキスタン)
フィリッピ・リマ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
リナット・ファクレトディノフ(ロシア)
ニコラス・ダルビー(デンマーク)

<バンタム級/5分3R>
ムイン・ガフロフ(タジキスタン)
カン・ギョンホ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・ガジヤスロフ(バーレーン)
ブレンジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
イ・チャンホ(韓国)
シャオ・ロン(中国)

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45 MMA MMAPLANET MMAとフィジカル o ONE Special UFC YouTube   ニュース パンクラス 体組成 脱水 鈴木陽一 食事 鶴和幹浩

【Special】『MMAで世界を目指す』第6回:鈴木陽一ALIVE代表「MMAファイターの脱水と脳震盪」─02─

【写真】鶴和レフェリー&ドクターに脱水について訊きます(C)SHOJIRO KAMEIKE

世界的なスポーツとなったMMAで勝つために、フィジカル強化は不可欠となった。この連載では「MMAに必要なフィジカルとは?」というテーマについて、総合格闘技道場ALIVEを運営する鈴木社長=鈴木陽一代表が各ジャンルの専門家とともに、MMAとフィジカルについて考えていく。
Text by Shojiro Kameike

連載第6回目は、救急科のドクターでありMMAのレフェリーも務めている鶴和幹浩氏にご登場いただく。前編では鶴和氏にドクターとしてのお仕事と、MMAのレフェリーについてご説明いただいた。後編は本題である「MMAファイターの脱水と脳震盪」について考えていこう。減量で水抜きを行う選手が多いMMAだけに、ぜひ知っておいてほしい。

<連載第6回Part.01はコチラから>


極限の状態でも水があれば生命を繋ぐことができる。逆に……

鈴木 選手の体づくりに関する連載の中で、ドクターでレフェリーもやっている鶴和さんに脱水と脳震盪についてお聞きしたいと思っていたんです。特に脱水については、たとえば私がやっていた陸上競技では、試合前に体重の2~3パーセントも脱水していたら出場停止でした。でもMMAの場合は通常体重の7~8パーセントも水抜きをして、24時間後に試合をする。MMAはほとんど室内で行われていますが、たとえば炎天下の中で行うスポーツで、試合前に7~8パーセント脱水していると怖いですよね。

鶴和 怖いですね。まず脱水が身体に良いわけはなく、悪いとしか言いようがないのです。よく知られているのは、人間の身体の約6割……つまり体重の半分以上は水で出来ています。その水分が出たり入ったりしながら、身体を維持しているわけです。救急診療の現場でも、口から水を飲めるかどうかは非常に重要で、病気がなんであれ、口から飲めない患者さんは入院して点滴が必要になります。

たとえば山で遭難した人が2週間後に救出されたというニュースがありました。その人たちは2週間、食事をしていないのに生存していて。なぜかというと沢の水を飲んでいたというんです。水分を摂っていたから生還することができた。極端な話、食事は摂らなくてもある程度大丈夫ですが、水分を飲まないと干からびて危険な状態になります。

鈴木 まずは水分なのですね。

鶴和 極限の状態でも水があれば生命を繋ぐことができるという一例です。逆に脱水は全ての臓器、器官に悪影響を及ぼし、生命に関わることもあります。

鈴木 通常体重の5パーセント前後の脱水をした場合、24時間あれば筋肉や内臓の水分バランスは良くなるけど、脳や脊髄の水分はなかなか戻らないという話を聞いたことがあります。だから10パーセントも脱水した人は、試合で受けるダメージも違ってくると。

鶴和 その可能性はあるかもしれません。やはり試合前の脱水は極力避けたいですが、そうせざるを得ない状況がありそうですよね。よく選手が計量当日の朝から水抜きをして、カラカラになって計量会場に現れるじゃないですか。良くないことだとは分かっていても、戦略上、仕方ないという理由でやっているように感じます。

鈴木 試合当日に体重差があると不利だ、という気持ちはありますよね。選手によっては計量から試合前に10パーセントは体重が戻りますし。

鶴和 それだけ戻ると、当日のパンチに乗る体重が変わってきますし、そのぶん攻撃力も違ってくるでしょうね。

先ほど鈴木さんから体重の2パーセントという数字を伺いましたが、通常体重が60キロだとすると2パーセントは1.2キロです。身体から1.2kgつまり1.2リットルもの水分が失われるというのは結構キツい。でも選手は5~6キロを水抜きで落とすわけですよね。

2リットルのペットボトル×3=6キロ。500ミリリットル1本と比べると、その量がよく分かる

鈴木 6キロというのは、2リットルのペットボトル3本分だと考えてくれれば、よく分かりますよね。それだけの水分はもう脳、脳幹、脊髄の水分もなくなるでしょう。

鶴和 全身のあらゆる臓器から水分を抜いてしまっている可能性はありますね。医師としては「脱水はよくない」としか言いようがないです。ただ、競技の性格上、難しいですよね。

水抜き後にカラカラになった状態での長距離移動は危険

鈴木 本来は、脱水は体に良くない行為です。それを前提として、MMAが階級制であるかぎり減量という行為はなくならない。特に心配なのは、脱水後は血液が濃い状態になっている。その状態で心拍数が上がると血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞の心配も出てきませんか。

鶴和 救急の現場では「脱水は何でも悪くする」と患者さんに説明しています。病気や診断が何であっても、脱水状態になれば病状は悪化しますよ……と。だから入院して点滴を受けてもらうとか、水分補給については詳しく説明しています。

鈴木 他の病気にも影響を及ぼすのですね。

鶴和 はい。様々な病気やケガ、全身の臓器も脱水によって状態は悪化します。腎臓などは特に脱水の影響をモロに受けやすい臓器ですね。

鈴木 競技トレーナーからすれば、減量のために脱水せざるをえない時があります。だから、できるだけ脱水のパーセンテージを下げて、最低でも脱水中は付いてあげてほしい。ウチは脱水のパーセンテージが高い選手は、計量前日からコーチと一緒に入ります。そのホテル代は自費になっても、選手の安全のためですから。

鶴和 そうですね。計量会場まで長距離移動の場合、水抜き後にカラカラになった状態で新幹線や飛行機に乗るのは危険です。特に飛行機での長時間の移動では、エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)で血液の塊が肺に詰まったりすることもあります。肺血栓塞栓症は致死的な病気で、脱水では、より起こりやすくなりますね。

鈴木 ウチの場合は全選手、試合が決まると体重の折れ線グラフをつくります。バンタム級=61.2キロの選手だと、計量の前々日=塩分抜き前にリミットまで4キロの状態にしておく。現状が試合の6週間前で71キロであれば、65キロまで落とす。その6キロを6週間で割ると、1週間に1キロになりますよね。その数字を目安にして毎週チェックします。

ジムでの計量風景。どれだけ普段から自分緒体のことを考えられているかが大切だ(C)ALIVE

もし途中で体脂肪を落とせていなかったら、サンドバッグやヒートトレーニングを余分にやらせたりとか。逆に落ちすぎている選手は健康状態をチェックしたりしますね。急に落ちるのは脱水状態だから、睡眠が足りていないかもしれないと。

鶴和 体組成までチェックされているのですか?

鈴木 道場に体組成計があるので、若い選手は最初に体組成をチェックします。見た目と体組成は結構違っていて、体組成計でチェックしますね。ONEが導入しているハイドレーション・テストは、形を変えてジム単位でも導入したほうが良いのかなと思うんですよ。ONEのように計量当日ではなく、計量日までの確認として。

鶴和 パンクラスでも計量3日前の体重を報告してもらっています。参考値としてですが、その時点でリミットから大幅に重い選手が3日間で落とせるのかどうか。果たして3日間で落としていいものなのかどうか、と。

鈴木 医療面から考えると、脱水は良くないという結論は変わらないと思います。でもMMAの前提として減量があり、減量のための水抜きもある。ただ現在、UFCは選手が現地に入ったあと、減量食からリカバリーのドリンクまで順番を決められているそうです。だとすれば、できるだけ健康な状態に戻して試合に臨めるように、次はリカバリーも含めて専門的に考えていきたいですね。

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45 AB ABEMA K-1 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN RIZIN47 UFC キック クレベル・コイケ パッチー・ミックス フアン・アルチュレタ ボクシング 食事

【RIZIN47】クレベルと対戦、フアン・アルチュレタ「クレベルの領域に挑んでこそ、戦ったと言える」

【写真】携帯のスクショで、そんな風には見えないかもしれないが──とにかく心身ともにヘルシーそうだった (C)MMAPLANET

6月9日(日)に国立代々木競技場第一体育館で開催されるRIZIN47でクレベル・コイケと戦うフアン・アルチュレタ。
Text by Manabu Takashima

喧嘩ができる科学的なMMAファイター、アルチュレタはこの試合に向けてモロッコで調整を行っている。マグレブ世界でどのようなトレーニング環境が整っているのか。そして大晦日の減量失敗から、フェザー級で戦う今回──フィジカル&メンタルの仕上がり具合を尋ねた。


ここより良い練習環境は世界にも数えるぐらいしかない

──今回、モロッコで練習しているそうですが、今もまだカサブランカにいるのですか(※取材は24日に行われた)。

「まずインタビューをしてくれてありがとう。いつも感謝しているよ。そうだね、今もまだカサブランカにいるよ」

──モロッコでMMAのトップファイターのファイトキャンプができる……その事実がピンとこないというのが正直なところです。

「UFCライト級ファイターのナスラ・ハクバレスに誘われたんだ。彼が6月にUFCの試合が控えていて、そのためのトレーニングキャンプなんだけど、僕自身の試合の準備になると思ってね」

──十分なファシリティが存在しているのですね。

「ムハンマド殿下(ムハンマド6世)が、全てを整えてトップレベルのマーシャルアーチストがしっかりとトレーニングができる環境を用意してくれている。必要なことは、全てカサブランカでできているよ。

正直、ここより良い練習環境は世界にも数えるぐらいしかないだろう。ONEチャンピオンシップの世界チャンピオンだったイリアス・エナッシ(※モロッコ系オランダ人。元ONEキックボクシング世界フライ級王者で、スーパーレックにも勝利しているが減量が厳しくなったためタイトルを返上)もいるよ。

ナスラのチームは総勢15人ほどのメンバーで、ここにやってきている。それだけのメンバーが十分にトレーニングできる施設が整っているんだ。シンプルに考えても、どれだけの規模が分かるんじゃないかな」

──ナスラのチームごと来ているということは、トレーニングパートナーにも事欠かないということですね。

「ばかりか、トライスターのヘッドコーチであるフィラス・ザハビもモロッコに来ている。ナツラのコーチンスタッフが勢ぞろいしていて、僕の打撃を見てくれているドゥエイン・ラドウィックこそ来ることができなかったけど、ずっと一緒に練習してきたアーノルド・ヒメネスという絶対に信頼できるパートナーもいる。最高の環境だよ。

本当にここで行って来たファイトキャンプには満足しているよ。最高のメンバーと練習できて、素晴らしい食事を摂ることができているしね(笑)」

──食は生命なり。バンタム級からフェザー級に戻したことでヘルシーになったと感じていますか。

「力強く感じているよ。何より、常に計量のことを考えるというストレスから解放された。パフォーマスの自分のなかでのベスト・クオリティにある。

バカ食いはできないけど、バンタム級の時より現時点でもカロリーの高い食事を摂ることができているしね。食事を楽しめていると、メンタル的に良いことだけさ。

ただ前回のカイとの試合での計量失敗は階級云々でなく、不運なことに体調不良が原因となったんだ。それでもファンの皆に迷惑はかけたくないし、試合の1時間前まで戦うことができるよう最善の努力はした。もうチャンピオンになる機会を失ったけど、大会に穴を空けることはしたくなかった。

凄く残念なことだったけど、リングにだけは上がろうと思っていたんだ。それがファンの望みだしね。ただ減量しながら遠征をするというのは、簡単なことではなくて……」

──確実に免役が落ちている中で、飛行機という閉ざされた空間のなかで長い時間過ごす。そして気候も時間帯も変わるわけですし。

「バンタム級で戦うよりもフェザー級の方が体調が少しは良くなることは確かだろう。結果的に体調不良に陥り難くなるはず。減量に関して、何かを変えるとすればそれはペースかな。結果、バンタム級より10ポンド減量が減ることで、調子は良いし、凄く試合が楽しみだよ」

──とはいえ、対戦相手のフィジカルもバンタム級時代より強度が増します。そこに関して、不安はないですか。

「過去にパトリック・フレイレを始め、フェザー級の選手と戦ってきた。ライト級で試合をしたこともある。なによりたくさん食事をして、太ったというわけじゃないから。フェザー級に合わせた体を……筋量も含め、創ってきた。練習相手もナツラのようにライト級の選手と、思い切りぶつかっている。以前と同じように、限界まで自分を追い込み、限界まで自分を高めてきたよ。

この試合が決まったのが4月のことで。リアルなプロとして1年中トレーニングを欠かさず、常に体調を維持しながらもファイトキャンプは6週間から8週間は取りたいと思っていたので、しっかりと調整ができたよ」

マーシャルアーツとは、常に自分を試すこと。挑まないと、何も手にすることはできない

──では改めてクレベルの印象を教えてもらえますか。

「前チャンピオンで、素晴らしいファイターだ。だから、今回の試合もファンに喜んでもらえる最高のファイトになるに違いない。なんせ、クレベルは最高の柔術家でフィニッシャーだからね。とにかく試合開始から、終了までいつだって一本を狙ってくる。

その彼の柔術を怖がってしまうと、アドバンテージを与えることになるんだ。結果、クレベルは自分のファイトを貫くことができて、今のような立派なレコードを残すことができた」

──対してフェイクを多用し、距離のコントロールと角度の創り方という部分でサイエンティフィックなMMAを繰り広げるフアンとしては、どのような戦いをしようと思っていますか。クレベルの柔術を避けるのか、あるいはその領域にはいっていくのか。

「僕は自分の持つ格闘術の全てを駆使して、ファンが喜ぶ試合をしたいと思っている」

──グラップラー相手に柔術を避けるとファンが楽しめる試合にはならないですが、そういう試合は往々にして見られます。

「僕はクレベルの柔術を恐れることはないよ。もうパッチー・ミックスというバンタム級で最高の柔術家と戦い、勝っている。次はクレベルのようにフェザー級で最高の柔術家に自分が通じるのか、試すことができる。

マーシャルアーツとは、常に自分を試すこと。挑まないと、何も手にすることはできない。クレベルの領域に挑んでこそ、戦ったと言えるんだ。そこを越えていくのが、僕のマーシャルアーツ道だからね」

──グッとくる言葉です。

「今回の大会会場はラドウィックがK-1時代に戦ったことがあるって聞かされて、凄く楽しみなんだ(2004年4月、セルカン・イルマッツ戦)。彼が20年前に戦った会場にコーチとして戻って来て、僕の試合を見てくれる。そのことが光栄で。僕にとっては初めて戦う場所だから、ワクワクしている。ナショナル・スタジアムに来てくれるファンに、前RIZINフェザー級チャンピオンを倒すこことで、僕の実力を示したい」

──そんな日本のファンに一言お願いできますか。

「僕のことを常に信じて、応援してくれる日本のファンの皆に、RIZINフェザー級チャンピオンになる力があることを証明したい。新しいフアン・アルチュレタを見て欲しい。いつも応援、ありがとう」

■視聴方法(予定)
6月9日(土)
午後12時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

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ACA F1 Interview o YouTube ブラジリアン柔術 食事

【ブラジリアン柔術】倉岡ジョンカルロス博 × ヤウェイ柔術アカデミー

【ブラジリアン柔術】倉岡ジョンカルロス博 × ヤウェイ柔術アカデミー
00:00 INTRODUCTION01:13 倉岡ジョンカルロス博さん経歴01:27 柔術を始めたきっかけ02:04 Interview①02:55 Interview②04:02 木村杯・決勝戦05:23 Interview②・続05:52 YAWAY JIU-JITSUについて06:32 柔術の魅力【地元・...

00:00 INTRODUCTION
01:13 倉岡ジョンカルロス博さん経歴
01:27 柔術を始めたきっかけ
02:04 Interview①
02:55 Interview②
04:02 木村杯・決勝戦
05:23 Interview②・続
05:52 YAWAY JIU-JITSUについて
06:32 柔術の魅力

【地元・宮崎への恩返し】をテーマに飲食事業者(株式会社田所商事)が運営する”映像特化型プロジェクト”【宮崎応援プロジェクト】

今回は、ブラジリアン柔術というスポーツにスポットを当てました!
宮崎で精力的に活動されている【ヤウェイ柔術アカデミー】の皆さまのご協力により、柔術の魅力に触れられることができました!

グレイシー一族が築き続ける[ブラジリアン柔術]の世界!
そのライフスタイルを幅広い世代や性別問わず
沢山の方々へ伝承し続けるジョンカルロス先生!

“自分の身を守ることが目的の格闘技”
そして、
“年齢性別関係なく長く続けられるような格闘技”
であると語っていただいたそのバックボーンには、
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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 Road to UFC2024 Ep03 Road to UFC2024Ep03 UFC キム・キュソン キ・ウォンビン ダールミス・チャウパスゥイ チィルイイースー・バールガン チェ・ドンフン チーニョーシーユエ パンクラス ユ・スヨン 小崎連 松井斗輝 海外 秋葉太樹 透暉鷹 野瀬翔平 雑賀ヤン坊達也 食事

【Road to UFC2024Ep03&Ep04】計量終了。フライ級は松井斗輝が体重超過で試合中止に……

【写真】フライ級、バンタム級、フェザー級、非トーナメント戦のライト級まで勢ぞろい(C)Zuffa/UFC

19 日(日・現地時間)に中華人民共和国は上海のUFC PI上海で開催されるRoad to UFC2024 Ep03&Ep04の計量が18日(土・同)に行われた。トーナメント参加の小崎連、野瀬翔平、透暉鷹ならびに非トーナメント戦出場の雑賀ヤン坊達也は計量をクリアしている。しかしフライ級出場の松井斗輝は計量オーバーで試合が中止となった。
Text by Shojiro Kameike

海外勢も全員計量をパスし、フェイスオフではバンタム級トーナメントで戦う中国のダールミス・チャウパスゥイが、小崎連に顔面を近づけ挑発する場面も見られた。


非トーナメント戦も含めてEp03&Ep04に出場する全選手が計量をパスするなか、松井は132ポンド=59.87キロ――フライ級リミットから7ポンド(3.17キロ)となった。1ポンドオーバーまでは認められているなか、この結果は如何ともし難い。

今年2月にパンクラス大阪大会で秋葉太樹と対戦予定であった松井は、計量に向けた水抜き中に倒れ、病院に救急搬送されている。点滴や食事を受けて計量会場に戻ると6.8キロオーバーで、公式ルール(5ポンド以上は試合不成立)に則り試合は中止となってしまった。

起こってしまったことは仕方ない。そんな松井にとって秋葉戦の計量オーバーを乗り越えてのRoad to UFC出場であったが、今回のパナレス戦も中止に(パナレスがトーナメント準決勝に進出)。どのような事情があるかは分からないが、やはり2試合連続で計量オーバーは残念でならない。世界最高峰の舞台で戦うチャンスを逃してしまった松井と陣営には、バンタム級転向も含めて今後を検討してほしい。

一方、バンタム級トーナメントの透暉鷹は、キム・キュソンと並ぶと体格差は一目瞭然だが、その差をアドバンテージに変えることはできるか。野瀬×ユ・スヨン、雑賀×キ・ウォンビンと日本勢が日本でも馴染みのあるファイターと対戦するマッチアップも含めて要注目だ。

■視聴方法(予定)
5月19日(土)
Ep01午後7時~ UFC Fight Pass
Ep02午後9時~UFC Fight Pass
Ep01&02午後6時45分~U-NEXT

■Road to UFC 2024 Episode04対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
リー・ユンフン(中国):61.69キロ
チィルイイースー・バールガン(中国):61.69キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
キル・シン・サホタ(英国):57.15キロ
イン・シュアイ(中国):56.93キロ

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
キム・キュソン(韓国):61.46キロ
透暉鷹(日本):61.69キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
ルエル・パニャーレス(フィリピン):56.70キロ
松井斗輝(日本):59.87キロ
※松井の計量オーバーで試合中止

<女子フライ級/5分3R>
リサ・キリアコー(豪州):56.93キロ
ヤン・チーフイ(中国):57.15キロ

■Road to UFC2024 Ep03対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
ダールミス・チャウパスゥイ(中国):61.46キロ
小崎連(日本):61.46キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
ジョン・アルマンザ(フィリピン):57.15キロ
アンガド・ビシュト(インド):56.70キロ

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国):61.46キロ
野瀬翔平(日本):61.46キロ

<Road to UFCフライ級T準々決勝/5分3R>
チーニョーシーユエ(中国):571.5キロ
チェ・ドンフン(韓国):57.15キロ

<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国):70.53キロ
雑賀ヤン坊達也(日本):70.53キロ

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【UAEW50】フライ級王座を賭けてヒベイロと対戦。藤田大和「今はこのベルトに集中しています」

【写真】記者会見場にてベルトをバックに(C)TAKESHI YAMAZAKI

17日(金・同)にUAEはアブダビのADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors50で、新設のフライ級王座を賭けて藤田大和がイアゴ・ヒベイロと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年8月10月にいずれもギロチンを決めてUAEW2連勝を飾った藤田が、3戦目で砂漠のベルトに挑む。対戦相手するブラジルのヒベイロはMMA戦績12勝3敗で、過去の試合では組んで押し込んでくることが中心のファイターだ。果敢に削ってくるであろうヒベイロを相手に、どのような試合を見せるのか。現地到着後の藤田に意気込みを訊いた。今回も藤田に帯同している山﨑剛Me,We代表から届いた、豊富な現地写真とともにお届けする。


――UAEW出場時は毎回、現地到着後にインタビューをお願いしていますが(※取材は5月15日に行われた)、本日もよろしくお願いします。

「はい、よろしくお願いします!」

――おぉ、過去2戦の時よりもテンションが高いですね。もう現地には慣れましたか。

MMAPLANETのリモートインタビューを受けているところ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「アハハハ、そうですね。もう3回目なので場所にも慣れていますし」

――リモート画面の背景を見ると、ホテルも毎回同じだと思われます。まず飛行機での移動と、空港からホテルまでの道のりも慣れたのではないですか。

「それが……前回の試合が去年10月で、7カ月の間に空港のターミナルが新しくなっていたんですよ。増築したのか何なのか。だから空港に着いても『ここはどこなんだろう?』と思いました(笑)」

――アハハハ、アブダビの空港の変化に気づく日本人MMAファイターも藤田選手だけでしょう。

「確かに(笑)。ホテルは同じですし、……初戦のエティハド・アリーナは遠かったんですよね。でも前回と今回は、別会場であってもホテルから近いので良かったです」

――アブダビの街にも慣れましたか。

「いえ。外を歩くことは、ほとんど無いんですよ。メチャクチャ暑いですから。昼間は40℃を超えていますし、夜も30℃より上だとは思います」

ホテルに用意された場所で体を動かす藤田。このスペースにも慣れている(C)TAKESHI YAMAZAKI

――それだけ移動にも現地にも慣れて来ると、初戦よりも減量の不安は軽減されたのではないですか。飛行機で長距離移動したあと、知らない場所で最後の減量を行うとなると、現地の状況が分からず不安を感じる選手もいます。

「まずホテルがどういう状態か分かっているので、安心感はあります。食事は外に行かず日本から持ってきたものを食べたりしていますね。とにかく外には出ません(笑)」

――初戦、2戦目とギロチンで勝利した末に3戦目でベルトを賭けて戦うこととなりました。UAEW内でご自身の評価が上がっていることは実感しますか。

「それは感じますね。もともと前回の対戦相手(サンスハル・アディロフ)が評価の高いファイターだったんですよ。その相手に勝ったあとは、現地の人たちにも評価してもらっているなと感じていました」

――アディロフは藤田選手と対戦時の戦績が11勝1敗1分で、いわば藤田選手のほうが当て馬だったかもしれません。

「あぁ、そう思います。初戦も2戦目も同じように感じました。でも今回は結構早く出場のオファーが来て、そこから対戦相手が決定するまでに少し時間が掛かりましたね。試合の準備は早くから始めることができていて、相手が決まったのは試合の3週間ぐらい前でした」

――ということは、藤田選手の相手を探していた……つまり今回は藤田選手がAサイドということでしょう。

「いやぁ、それはどうなんですかね(苦笑)」

――アディロフに勝利したあとフライ級王座の話をしていて、実際に設置されたのですから、そう考えてもおかしくはないかと。

「アディロフ戦のあとに主催者サイドと、『UAEWで勝ってUFCに繋げていきたい』という話をしていたんですよね。そうしたら新しくフライ級王座をつくるか――みたいな話も出て、今回のタイトルマッチに至ったんだと思います」

砂漠の街にたなびくUAE Warriorsの旗(C)TAKESHI YAMAZAKI

――国内から飛び出し、砂漠の国でベルトを巻く。藤田選手がUAEW王者としてオクタゴンに上がったら、それはそれで素晴らしい浪漫だと思います。

「なるほど(笑)。僕にとっては、ありがたい話です」

――同日には中国でRoad to UFCも開催されます。またDWCSや国内の興行からUFCを目指す選手もいるでしょう。そんななかで現在、海外のフィーダーショーからオクタゴンを目指すケースも少なくなりました。

「まぁ他の選手とは違うことをやっているんだなぁ、とは思いますね。アハハハ。もうUAEW出場も3回目なので、現地のスタッフさんとも顔見知りになっていますし」

――今回はブラジルのイアゴ・ヒベイロとベルトを賭けて対戦します。

「最初アブダビに来て、ブラジル選手と対戦するとは思わなかったですね。でもUAEWにはブラジル人もそうですし、いろんな国から選手が来ていて。自分としては相手が誰でも、どの国の選手でも変わらないです」

――ヒベイロの印象はいかがですか。

記者会見でヒベイロとフェイスオフ(C)TAKESHI YAMAZAKI

「以前と最新の試合映像を見比べると、最新の試合では結構丁寧に戦っていますよね。ジャブ、ローから低くテイクダウンに入ってきて。そのままサイドバックをキープしているので、力はあるんだろうなと思います。昔の試合は振り回している場面もあったので、爆発力もあるんでしょうね。ただ、打撃よりも組みのスタミナのほうが上という印象です。

一番怖いのは振り回してくるパンチを食らうことで。組んでしまえば時間を掛けて考えることもできますけど、打撃の攻防は一瞬で決まりますから。そこは警戒しています」

――そんななか2試合連続でギロチンを極めていると、今回も……と期待されませんか。

「期待はされます(笑)。周りから言われることもありますし」

――ヒベイロもギロチンを取れそうなスタイルでもあります。先ほど言われたとおり今回のタイトルマッチがUFCに至る道の一つであれば、本人としてもUFCへ繋げるためにと意識しますか。

「全然意識していない――と言ったら嘘になりますよね。でも試合が決まれば、今は『このベルトを獲る!』というだけに集中しています。結果としてUAEWのチャンピオンとしてUFCに辿り着いたら嬉しいですけど」

――ベルトを巻いたら、すぐにUFCと契約したいと考えているのでしょうか。

現地時間の朝8時に前日計量が行われた。1度目は100グラムオーバーだったが、20分後に57.15キロ(王座戦だが1ポンドオーバーOK)パスしている(C)TAKESHI YAMAZAKI

「もちろんUFCに行けるなら……年齢を考えたら、早く行けるに越したことはないです。もう今年32歳になるので。でも焦っているわけでもなく、あまり先を考えても良いことはないので、まずは今回の相手に集中します」

――今回はどのような試合になると思いますか。

「自分としては、いつもどおり打撃から組み立てて、あとは相手の反応次第です。組みの展開になると思うので、そこから自分の得意なところに持ち込みたいですね。勝ってチャンピオンになります!」

2024年5月18日(金・現地時間)
アラブ首長国連邦 アブダビ首長国
ADNECマリーナ・ホール
UAE Warriors50

■視聴方法(予定)
5月18日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■対戦カード

<UAEWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アリ・アルカイシ(ヨルダン)
[挑戦者] サムエル・バーク(スウェーデン)

<UAEWウェルター級王座決定戦/5分5R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
タフィル・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
藤田大和(日本)
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ライトヘビー級/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
ディヤール・ニュルゴウスキ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
イマンシャピ・ムクタロフ(ヨルダン)
アギラン・タニ(マレーシア)

<163ポンド契約/5分3R>
ニカ・クプラヴィシヴィリ(ジョージア)
ウラジスラフ・ルドネフ(ウクライナ)

<194ポンド契約/5分3R>
モハメド・オシイリ(レバノン)
マムルジョン・ハミドフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ズバイル・ズバイロフ(ロシア)
アブダラ・ホツハエフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
アリエル・オリヴェロス(フィリピン)
ルーカス・ペレイラ(ブラジル)

<124ポンド契約/5分3R>
エリン・オウバリ(スウェーデン)
アネリア・タクタゴノワ(キルギス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ウユビイ・アミスハノフ(ロシア)
シミク・マフメドフ(キルギス)

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