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【ZFN02】代理戦争→ONEでキャリアを積んだユ・チャンミン「完勝できる。河名マスト? 眼中にない」

【写真】カンナムにあるTeam HAVAS。チーム・スタンガン解散後、チームメイトがイ・ジョンウォンが創ったジムに合流した(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02に佐藤天が出場し、ジャン・ユンソンと戦う。
text by Manabu Takashima

UFCをリリースされ1年7カ月振りのファイトは、韓国となった。現在4連敗中、16勝3敗だったレコードは16勝7敗になっている。対戦相手は5勝1敗のコリアン・ヤングプロスペクト。自身のキャリアを上書きしようとする対戦相手、その師匠が開くイベントでのファイトだ。それが現実だと受け入れつつ、佐藤天は今も変わらぬ目標に向かい歩を進めている。


――計量前日にインタビューというのは御法度ともいえるのですが、ありがとうございます。

「いえ、自分も日本のメディアの方には話を訊いてほしかったですし。減量も凄く順調で、もう2キロほどでリミットなので大丈夫です」

――それにしても、これまでONEフェザー級で戦っていたので、これほど頬がこけたチャンミン選手を見るのは初めてです。

「格闘代理戦争以来ですね(笑)。しっかりと食事面も管理し3週間でここまで落とせました。ONEの一階級上のフェザー級よりも、このリミットで戦うことがベストだと感じています」

――2日後にはパク・チャンスと対戦します。ONE FFのキリル・ゴロベタス戦以来、1年9カ月振りのファイトです。このブランク、戦っていたプロモーションがONEということで日本ファンも概ね事情が想像がつくかと思います。

「この間は本当に厳しかったです。試合ができなくてストレスがたまり、2度も帯状疱疹ができて。体重も81キロまで増えてしまいました。正直、熱量が下がった時期もありました。でもMMMAが大好きで辞めようと思ったことはないです。そしてチームHAVASの皆のサポートで、ここまで戻ってくることができました」

――他のプロモーションと交渉ができるようになってから、今回の試合までどれぐらい時間があったのでしょうか。

「2カ月です」

――海外、韓国国内でもRoad FC、Black Combatなど他に選択肢もあったかと思いますが、ZFNと契約したのは?

「UFCで戦いたいからです。そうなると一番近いのはZFNです。コンテンダーシリーズからチームメイトのコ・ソクヒョン選手もUFCとサインしましたし、チームの皆がUFCを目指しています」

――UFCには30歳の壁があると言われています。そこは気にならなかったですか、

「それこそコ・ソクヒョン選手は自分よりも1歳年上で、31歳でUFCと契約をしました。力があれば、UFCへの道は開くと思っています。次の試合もリモートになったとはいえ、Lookin’ for a Fightですし。格闘代理戦争のように、特別な機会を生かすことには慣れているので」

――プロデビュー以来、初めて韓国での試合になります。

「本当に楽です。飛行機に乗る必要もないし、パッキングもしなくて良い。サウナの温度を心配しなくて済むし、食事も好きなモノを選ぶことができます。夜は家で寝て、全く違うファイトウィークを過ごせています。

母国で戦うことは、素直に嬉しいです。対戦相手のパク・チャンス選手はDouble GFCのライト級とフェザー級のチャンピオンですが、自分も海外で戦ってきたキャリアに自信を持っています。韓国国内でベルトを獲った者か、海外で戦ってきた者か。自分たちのキャリアが問われる対戦なので、燃えています」

――日本のリアリティTVショーで優勝し、ONEとは好条件でデビュー。韓国のファンから意地悪な見方をすると、お手並み拝見という感じで見られることもあるのでは?

「最初は軽く見られていましたが、ONE FFで最後に勝ったキリル・ゴロベタスがウクライナ人ファイターで12勝2敗の強豪だったことで、評価もひっくり返りました。ゴロベタス戦前の予想では、自分の勝率は8パーセントだけだったんです(笑)。

それにパク・チャンス選手のように韓国だけで戦って来たら、自分のように大きな会場で大観衆の前で試合をした経験はないはずです。なんせ自分のプロデビュー戦は両国国技館で、デメトリウス・ジョンソンの前座だったんですよ。そういう大舞台で戦った経験値は自分の方が上です。

だから母国のファンの前で、全局面で圧倒することができるはずです。ブラフでなく、本音です。パク・チャンス選手に完勝できる自信があります。この1年9カ月の苦労があった上で、成長した姿を見てもらう絶好の機会だと捉えています」

――では同じフェザー級の一戦、Angel’s FC & HEATフェザー級王者ユ・ジュサンとRoad to UFC出場の河名マスト選手の試合はLookin’ for a Fightというオーディション的な側面があるなかで気にならないですか。

「ユ・ジュサン選手はチーム・スタンガン時代のチームメイトですが、特に気にならないです。あと河名マスト選手は……これはLookin’ for a Fightですよ。彼が自分のスタイルで戦うなら、その時点で眼中にないです」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

■ZFN02メイン対戦カード

<81キロ契約/5分3R>
キム・ハンスル(韓国)
ファン・インス(韓国)

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス(韓国)
ユン・チャンミン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン(韓国)
河名マスト(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン(韓国)
佐藤天(日本)

<ライト級/5分3R>
ドロブショク・ナホトフ(タジキスタン)
マテウス・カミーロ(ブラジル)

<71.5キロ契約/5分3R>
ナンディンエルデン・キム・インソォン(韓国)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジャン・イクファン(韓国)
チェ・ソンヒョク(韓国)

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【ONE FN26】フライ級初戦、ジャレッド・ブルックス「サイズじゃない。戦いはハートの大きさで決まる」

【写真】ONEのMMAを盛り上げる役者が、フライ級転向を果たす(C)MMAPLANET

明日7日(土)に、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night26「Lee vs Rasulov」。同大会にONE世界暫定ストロー級王者ジャレッド・ブルックスが、リース・マクラーレンとフライ級で戦う。
Text by Manabu Takashima

ストロー級で圧倒的な強さを見せ、以前からフライ級と二冠を狙うと明言していたブルックスがついに135ポンドで戦う。ここ2年、立ち技やグラップリングの裏で停滞していたONEのMMAをタイトルマッチだけでなく、その一つ一つの戦いで活性化させるだけの力と、存在感を持つブルックス。

ここで勝利を収め、タイトルショットの機会を伺う彼の視線の先には日本で若松佑弥と戦う2025年の光景が目に浮かんでいるようだった。


125ポンドだろうが、135ポンドだろうが最高のコンディションでファイトに挑める

──ジャレッド、ONEフライ級初戦が週末に控えています。今の気持ちを教えてもらえますか(※取材は4日に行われた)。

「最高だよ。自信もある。ここまで、なかなか試合機会に恵まれなかったけど、これからはどんどん試合ができるポジションに立つことができた。来年はもっともっと戦うことができるだろう。フライ級で戦ううえでリース・マクラーレンは、この1試合で僕をタイトルコンテンダーに引き上げてくれる恰好の相手だよ。これからONEのフライ級を最高に盛り上げるよ」

──ストロー級暫定王座を取ったタイミングでフライ級への転向を果たしたのは? 統一戦は待てなかったということですか。

「いやストロー級でマンスール・マラチェフと戦う話があったんだけど、やつがケガをしているということで流れた。3カ月も前のオファーだから、僕は治るだろうと踏んでいたんだけどね。ストロー級で相手がいないなら、フライ級でも戦える。同時に2階級でやっていけるからね。で、今回はフライ級で戦うことにしたんだ」

──フライ級で戦うことは以前から公言していましたが、その際には常にDJと戦いたいという希望を口にしていました。

「そう、そうなんだよ。でもDJのようなレジェンドが、自身の考えで引退を決めたのは素晴らしいことだよ。もともとDJは、僕がMMAを始めるきっかけになった1人だ。そうだね……僕はDJにチャレンジを表明した。その2日後にリタイアを彼は決めた。それはそれで、最高だよ(笑)。まぁ、心の底ではDJがカムバックし、僕と戦ってくれればという気持ちはある。それでも、今は彼の引退におめでとうという言葉を送るだけだよ」

──ONEのフライ級は水抜き無しの135ポンド、ジャレッドは減量の必要があるのでしょうか。

「125ポンドでも減量の必要なんてなかった。ファイトウィークになると123ポンドには落ちていたから。毎日、しっかりと食事をとってもそれぐらいだ。今回、フライ級で戦うことでプロテインやクレアチンをたくさん摂取してきた。それでも、今の体重は133ポンドか132ポンドだ。減量の必要がないことが、僕の強味になっている。125ポンドだろうが、135ポンドだろうが最高のコンディションでファイトに挑める。サイズじゃない。フライ級は技術面、精神面とともに最高の状態で戦う姿を見てもらえる最高の階級だよ」

──とはいえ、ストロー級と比較すると対戦相手は大きくなります。

「いいかい? 俺たちは体のサイズで戦うじゃない。ハートの大きさで戦うんだ。リース・マクラーレンを恐れることは一切ない。それが全てだよ。僕らがリングで向かい合い、試合が進むにつれてどっちのエネルギーゲージが減って行くのか、楽しみに眺めていてほしい。僕のハート、エナジーはずっと最高潮だから。戦いはハートの大きさで決まって来る。それを土曜日にしっかりと証明してみせる」

──とはいえマクラーレンはフライ級で最高のグラップラーです。彼のスキルをどのように評価していますか。

「素晴らしい実力者だよ。グラップリング面において。でも、少し遅い。それに他の皆と同じように、僕の体力を軽視してくるにちがいない。『こんな小さなヤツは、問題ない』ってね。僕がトップを取ったり、バックに回った時にヤツは200ポンドの相手に捕獲されたように感じるだろう。その力があるから、僕は戦うことができているんだ」

ユーヤ・ワカマツと日本で試合を組んでくれ

──この試合でタイトルコンテンダーの地位を獲得するという発言がありましたが、せっかくジャレッドがフライ級にやってきたのであれば若松祐弥選手やダニー・キンガドというトッププロスペクトとの対戦も見てみたいものです。

「僕とユーヤの試合は、きっと最高のファイトになるだろう。ユーヤはしっかりと、どの局面でも戦えるようになった。あの打撃力があれば、最高のグラップリングは必要ない。本当にあのパンチ力は警戒が必要だ。それでもテイクダウンをして、極めることができると思っている。

ダニーも素晴らしいウェルラウンダーだ。ユーヤと比較すると、下の動きで少し上回っている。それでもユーヤと同じだ。僕は彼をサブミットできる。そうだね、僕が彼らとの試合を拒否ることは一切ない。ただし、今、僕の目の前にいるのはリースだ。そのリースを倒すと、どう考えてもアドリアーノ・モライシュという名前が浮上するはず。

アドリアーノと戦う前にストロー級王座を統一し、フライ級のベルトを巻く。ジョシュア・パシオとは、いつでも戦う。蹴散らす機会を待っているだけだよ(笑)」

──明らかにグラップリング戦を前にした時より、モチベーションの高さが感じられますね。

「そりゃあ、そうだよ。グラップリングマッチは楽しむもの。ファイトは、恐怖を伴っている。グラップリングとは違い、相手を殺すためにリングに上がるんだ。僕がフライ級で戦うことで、ONEのフライ級をもっと活性化させたい。ストロー級でも決して大きな方じゃない。いえばフライ級で戦うことは、2階級上の相手と戦う様なものだ。そしてまずはリース・マクラーレンを倒す。そのことで世界中が、僕を中心としたフライ級を気に掛けるようになるに違いない」

──凄く楽しみです。我々MMAファンにとっては、どれだけ素晴らしいムエタイ、キック、グラップリングがあっても、やはりMMAがしっかりと回って行くところが見たかったので。

「同じ想いだよ。だからこそ、フライ級で僕がやるべきことも分かっている。マッチメイカーにはもう、伝えてあるよ。アドリアーノ・モライシュ、あるいはユーヤ・ワカマツと日本で試合を組んでくれってね。僕らが戦うことで、日本のファンはRIZINのように盛り上がってくれるはずだからね。

どこで戦おうが僕が日本を愛する気持ち、日本のファンへの感謝の気持ちは忘れようがない。12月7日、リース・マクラーレンをぶっ飛ばす。そして、2025年は必ず日本で戦う」

■ONE FN26 視聴方法(予定)
12月7日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ライト級(※77.1キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] クリスチャン・リー(米国)
[挑戦者] アリベク・ラスロフ(トルコ)

<キック・バンタム級/3分3R>
ペッタノン・ペットファーガス(タイ)
ナビル・アナン(アルジェリア)

<ONEサブミッショングラップリング世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/10分1R>
[王者] マイッサ・バストス(ブラジル)
[挑戦者]ダニエル・ケリー(米国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)
エリアス・マムーディ(アルジェリア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
若松佑弥(日本)
ギルバート・ナカタニ(米国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ナックロック・フェアテックス(タイ)
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
シャミル・ガフロフ(ロシア)
ハリル・アミール(トルコ)

<サブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
コール・アバテ(米国)

<キック・ストロー級/3分3R>
ジョン・ディベラ(カナダ)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

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【PFL2024#10】2023年王者と対戦──ジェレミー・ケネディ「ピネドは真実を知る最初のファイターになる」

【写真】巧さの裏にどこか喧嘩の弱さが感じられたケネディだったが、敗れたとはいえパトリシオ戦ではしっかりと打撃で勝負ができていた (C)PFL

29日(金・現地時間)、サウジアラビアはリヤドのKSU(キング・サウジ大学)アリーナで開催されるPFL2024#10「Championships」。米国から始めて離れて、PFL決勝大会は中東サウジアラビアで行われることになった。
Text by Manabu Takashima

6階級の決勝戦に加えPFL MENAファイナル4試合、キャンセルされたBellator CSパリ大会からスライドされたかのようなGlobalショーケースバウトとご当地カードのMENAショーケースバウトと合計16試合のロングランイベント。その第3試合でヘスス・ピネドと戦うのが、ジェレミー・ケネディだ。

MMAが回転するウェルラウンディット・ファイターのケネディは、今年の4月に念願のパトリシオ・フレイレが持つBellator世界フェザー級王座への挑戦を実現させるも、3Rに逆転TKO負けを喫した。あれから8カ月、復活の舞台は2019年以来のPFLで、対戦相手は2023年のPFL世界フェザー級ウィナーとなった。

強烈な打撃力を持つピネドに対して、絶対の自信を持つケネディに中東の市場拡大の影響とキャリアのリストラについて尋ねた。


――ジェレミー、ドライブ中ですがインタビューは大丈夫なのでしょうか。

「全然、問題ないよ。ドバイのハイウェイは凄く渋滞しているから」

──今、ドバイなのですか。

「そうなんだ。時差の調整のために1週間前にドバイにやってきて、月曜日にリヤドに移る」

──今や中東が大きなマーケットとなり、北米在住のファイターも時差のある場所で試合をすることが多くなりましたね。

「長い間アジアのファイターが長旅をして北米で戦ってきたけど、今では君が言ったように中東市場が巨大化している。僕たちも遠征して戦う重要性を理解しないといけない。ただ僕のキャリアは旅が多かったから、特別新しいことでもないし何をどういう風に準備をすれば良いのかも分かっている。

早目に中東にやってきてトレーニング・スケジュールを考え、最後の調整をしているんだ。ファイトウィークになる前から時差ボケは解消できているから、何も問題なく試合に臨むことができるよ」

──UFC時代にブラジルや豪州、Bellaltorでは英国やアイルランドで試合をしていますが、中東で戦うのはまた違う感じなのでしょうか。

「そこは変わりないよ。ヨーロッパとは少し時差が違うぐらいで。食事やミネラルウォーターの違いで、ソディウム(塩)の取り方が違うこともあるかな。でも、BRAVE CFで戦っていた時にサウジアラビアやモロッコでも試合をしてきた。それに僕はその土地のことを事前に徹底的に調べる性格で。ちょっと周囲から病的だって思われることもあるんだ(笑)」

──アハハハハ。でも備えあれば憂いなしです。

「そうなんだ。どういうところに滞在するのか。どんな場所で、どのようなスケジュールが組まれているのか。それを把握することは、責任を持って試合をすることに通じている。だから、どの国だろうが僕は思ったようにモノゴトを進めることができるんだ。現地で色々と悩むことになるぐらいなら、事前に解決しておかないと」

──さすがの言葉です。ところで2019年以来、実に5年振りのPFLでの試合になります。そのあたりはどのように捉えていますか。

「PFLで戦った1年は、試合数も確保されていて凄く楽しめた。ただコロナになって、PFLは年間スケジュールを全てキャンセルした。試合がなくなった僕にとって、セカンド・オプションはBellatorで戦うことだった。2000年からBellatorで戦ってきた期間は、凄く幸せな時を過ごせたよ。そしてBellatorとPFLが合体した。またPFLのシーズンフォーマットで戦えるかもしれないし、そこは凄く楽しみにしている。

だからこそ、今回の試合はとても重要になってくる。なんせ去年のチャンピオンと戦うんだ。この試合はPFLに戻るためにうってつけの試合だよ」

──3月のBellator世界フェザー級王座挑戦から、8カ月を経ての再起戦でもあります。パトリシオ・フレイレとの一戦は、ジェレミーが優勢でMMAが回転していた時に打撃の猛攻を受けて敗れました。

「大きな敗北だったよ。でも、色々と勉強になった試合だ。パトリシオはこの階級でベルトを誰よりも長く巻いているチャンピオンだ。その彼を相手にして、今言ってもらったように打撃戦でも優位に立っていた。つまりは僕が誰とでも、打撃戦をやり合える能力を持っていることを証明したことになる。だからこそ、試合に必要なことは何でもできるという強い意思を持つべきだった。

前向きに捉えると、今後は誰もが僕には打撃もあるということを頭に入れて戦う必要が出てくるということ。もちろん、僕には絶対的なグラップリングという武器がある。グラップリングなくして、僕のファイトは成り立たないぐらいの。

そこに打撃があることを、僕の相手は考えないといけなくなったんだ。そういう意味で、彼にとっては残念なことだけどピネドはこの僕の真実を知る最初のファイターになる。パトリシオに挑戦という本当に重要な試合で負けてなお、そこは収穫だった。同時に、もうあんな想いは2度としたくないという気持ちだよ」

──この8カ月というインターバルは、あえて次戦まで時間を置いたのでしょうか。

「何度か試合の話はあったけど、実現しなかった。でも、それだけしっかりとトレーニングを積むことはできている。もちろん休息も必要だったし、8カ月前と比較すると凄く成長できたよ」

──先ほど言われたようにサウジアラビアで対戦するヘスス・ピネドは2023年のPFLフェザー級王者でレギュラーシーズンのブレンダン・ラウネーン戦、準決勝のバッバ・ジェンキンス戦、決勝のガブリエル・ブラガ戦の勝利によって、あの時点では確実に世界トップのフェザー級ファイターでした。

「もともとピネドがパトリシオとスーパーファイトを戦う予定だったのが欠場して、僕がパトリシオに挑戦することになった。そのピネドと僕が戦う。面白いよね。確かにピネドは2023年に素晴らしい結果を残している。ただし、まだ色々と分かっていないことが多い選手のままでもある。

彼の力が発揮される部分では、確かに危険な相手だ。でも、そうでないときにはどうなるのか。加えて僕は8カ月振りの試合だけど、ピネドはそれ以上ブランクがある」

──スタイル的にはどのように捉えていますか。

「相手に恐怖を抱かせることができるファイターだと思う。パンチ力が絶大で、無類のスタミナを誇る。何よりアグレッシブだ。ただ、彼のその良さすら僕にとっては都合が良い。彼にとって僕は本当に嫌なタイプの対戦相手だと思う。

なぜ? 彼はグラップリングに穴があるからだよ。それに打撃戦でも、下がって戦うことはできない。常に前に出て戦う。ピネドが前に出てくる時こそ、テイクダウンする恰好の機会になる。背中をつけたり、背中を譲ってのファイトはピネドにとっては嫌な時間だ。もちろん1年の間に、違う戦い方ができるようになっている可能性はある。でも、劇的にスタイルを変えることは難しいだろう」

──同時にピネドも、ジェレミーがテイクダウンを狙うことを理解している。ならば、ヒザ蹴りを準備して待っていることもあるのではないでしょうか。

「ノー。ヒザは出せないよ。そこで組まれることを絶対に避けたいから。僕の戦い方は、そういう彼の武器を無力化できるはずだ。パトリシオに敗れ、また一から頂点を目指すようなキャリアの再構築はしたくなかった。ピネドに勝てば、即タイトル戦やパトリシオとリマッチが用意されてもおかしくない。そういう相手だと思っている。

この試合は僕の将来に向けて、複数のドアを開けてくれることになる。この機会を得ることができて、とてもハッピーだよ。そして、僕はフェザー級で世界のベストの1人だと証明する」

──そのドアの向こうはBellator CSなのか、PFLなのか。今のジェレミーの気持ちはどちらにありますか。

「う~ん、難しい質問だよ。僕はいつだってタイトルを欲している。BellatorでもPFLのどちらでも。ただ、PFLのタイトルには100万ドルがついてくるよね(笑)」

──ここはケネディ夫人の意見を尊重するのが、一番ですね(笑)。

「アハハハハハ。彼女がどちらを欲するのか、もう明白だよ(笑)。ただ、今はとにかくピネドを倒さないことには何も始まらないよ」

──MMAファイターのなかでも、本当のウェルランディット・ファイターであるジェレミーの戦いは日本ではファン、ファイター、関係者の間で高く評価されています。最後に日本のファンに一言メッセージをお願いできないでしょうか。

「僕にはMMAを戦ううえで、まだ夢が残されている。それが日本で試合をすることなんだ。引退をするまでに、最低でも1試合は日本で戦いたい。Bellatorで戦っていると、そのチャンスがあるかもしれない。でも、本当に将来のことは誰にも分からない。それでも本当に日本で試合がしたいと思っている。そして、日本のファンが僕を応援してくれることに感謝している」

■視聴方法(予定)
11月29日(金)
午前11時15分~U-NEXT

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薬師寺流526話 薬師寺ボクシングジム ゴルフコンペ第2弾!

今回は毎年恒例 秋の薬師寺ボクシングジムゴルフコンペの開催!
今回は”竹原 慎二” “畑山 隆則”と初参加の”亀田 大毅”を迎えた
豪華メンバーでお届け!
今回は第2弾!

薬師時流では、元プロボクサーで、元WBC世界バンタム級チャンピオンの薬師寺保栄が登場しカスタムカー・チューニングカー・スーパーカーなどの車やショップだけじゃなく食事などのグルメやイベントを紹介しています。

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45 MMA MMAPLANET MMAとフィジカル o Special YouTube   その他 体組成 加藤久輝 栄養 鈴木陽一 食事

【Special】『MMAで世界を目指す』第7回:鈴木陽一ALIVE代表「体組成とMMAのスポーツ化」─02─

【写真】取材当日は選手がインボディでの測定後、理学療法士の所澄人トレーナーから指導を受けた(C)SHOJIRO KAMEIKE

世界的なスポーツとなったMMAで勝つために、フィジカル強化は不可欠となった。この連載では「MMAに必要なフィジカルとは?」というテーマについて、総合格闘技道場ALIVEを運営する鈴木社長=鈴木陽一代表が各ジャンルの専門家とともに、MMAとフィジカルについて考えていく。
Text by Shojiro Kameike

連載第7回目の後編は、体づくりとMMAのスポーツ化について語り合う。現在、日本でMMA関連スポーツは日本スポーツ協会(旧称=日本体育協会)に加盟していない。それは「スポーツ認定を受けていない」と言い換えることもできる。MMAの普及、競技人口の増加——MMAの未来を考えるうえでも、特に中高生のフィジカルについても考えていきたい。

<連載第7回Part.01はコチラから>


――MMAのスポーツ化、ですか。

鈴木 僕の基本的な考えは「MMAをスポーツとして認定してほしい」というものです。そのためには成長期の中高生に、保護者が納得して習わせることができるスポーツにならないといけない。

インボディ測定&シートに記入された内容をもとに、所トレーナーが体づくりの重要性を説明する(C)SHOJIRO KAMEIKE

だから選手だけでなく、ジムや指導者側もアスリートのための勉強をしてほしいと思っています。一番の希望は栄養士や理学療法士など、ちゃんと勉強して国家資格を取得した人に、MMAに関わってほしい。ちゃんと国が定める基準で見てほしい。ベテランのファイターやトレーナーが「自分の経験則で……」と指導するのは違う話なんです。

――なるほど。その点がMMAのスポーツ化と、どのように繋がってくるのでしょうか。

鈴木 正確に言えば「国にMMAをスポーツとして認定してほしい」ということです。世界各国のスポーツ関連の省庁でスポーツ認定されるためには、様々な条件があります。プロよりもアマチュアのほうが競技人口は多い、子供の競技人口が多い、世界標準のルールがある――など。日本のMMAは、おそらくアマチュアよりプロ選手のほうが多いですよね。

――「世界標準のルール」というのも難しいです。プロモーションによって大きくルールや採点基準が異なりますし。

鈴木 各団体が「ウチ独自のルールでやる」と言った時点で、それはスポーツではなくイベント……娯楽として認定されるんです。

 たとえば何かしら事業を始める場合、国が定める業種に分けられるんです。格闘技ジムは「娯楽」に分けられますね。娯楽業というと、パチンコなど娯楽産業と同じで。他のスポーツは「教育」といった業種になるのですが……。

――同じ格闘技でも柔道やレスリング、空手の道場は「娯楽」ではないわけですね。

 ジムや道場でいえば、その形態にもよると思いますが、スポーツ関連の業種に分けられると思います(※注)

注)国の定める「日本標準産業分類」では、大分類:教育,学習支援業 > 中分類:その他の教育,学習支援業 >分類コード:スポーツ・健康教授業 がある。その内容は「スポーツ技能、健康、美容などの増進のため、指導者が柔道、水泳、ヨガ、体操などを教授することを主たる目的とする事業所」。一方、「スポーツを行うための施設を提供する事業」、たとえばフィットネスクラブは「スポーツ・健康教授業」に分類されない。
【参考】総務省「大分類O—教育,学習支援業 総説」

鈴木 五輪競技である、つまり日本のスポーツ庁がスポーツとして認定しているということですよね。分かりやすい例としては。ただ、先ほど言ったようにルールの面は難しいです。僕たちのようなイチ道場主だけの意見では、どうにもならない。まず現場となるMMA道場としては、競技的な体組成や栄養を理解するところから始まると思っています。

――まだ身体が成長過程にある中高生も、安心して道場に通ってもらえるように。

鈴木 はい。たとえば17歳や18歳の選手がパンチを食らってダウンした時に脳のMRIを撮って、続けて大丈夫かどうか確認する。それと同じように、捻挫しやすい子の体組成を調べて「思ったより筋肉量が少ない」と分かれば、その点を改善していく。アスリートとしての身体的な評価を、具体的な数字で出してあげることが必要です。他競技のトップアスリートは、もっともっと細かい状態を調べてアプローチしていますよね。

――所さんは他のスポーツ選手を指導しているなか、MMA界の状況を見た時に驚きませんでしたか。

 いや、う~ん……やっていると思っていました(苦笑)。

鈴木 アハハハ、そうだよね。

 もちろん体組成からアプローチしている選手や指導者もいるでしょう。でも、やっていない人が多いのであれば凄くもったいないですよね。たとえば大リーグ、野球選手って50年前の日本人と今の日本人では平均で身長が10センチは伸びており、体重は10キロ増えています。対して米国人は昔から身長も体重も、大きくは変わっていない。それは食事の欧米化が進み、体が大きくなっているということなんですよ。

――大谷翔平選手は、まさにその象徴ですよね。体格的に米国のメジャーリーガーに負けていない。

体の構造をもとに、ストレッチポールを利用した調整法を指導。フィジカルは科学だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

 そうなんです。食事の欧米化は、スポーツの観点で見れば必ずしも悪いわけではありません。ただ、MMAは階級制で体重調整がありますからね。体が大きくなっていくなかで、どう食事と向き合っていくのか。他のスポーツよりシビアにならないといけない。食事に関してはセオリーもあるなかで、どのタイミングで何を摂取すれば良いのか。それも階級によって変わってくると思います。他のスポーツよりも複雑なので、より勉強してほしいです。

鈴木 前にもお話しましたが、加藤久輝は元ハンドボールの日本代表です。彼がハンドボールの現役だった十数年前から遺伝子検査、腸内環境検査、体組成検査はやっていたそうで。それが民間に降りてきて、民間の実業団やプロの選手も使い始めました。

これがアマチュアの中高生にとっても普通になれば――すでに甲子園レベルの野球部や、インターハイクラスのバスケットボール部やサッカー部も取り入れています。インピーダンス法で測り、体組成や腸内フローラ、遺伝子を調べることがスタンダードになってきている。僕が言っているのは、何も特別なことをやりたいわけではなく、国がスポーツ認定している競技と同じものを普及させていきたいんですよ。

 僕はフィジカルトレーニングについては、「自分のキャパシティを増やすこと」だと説明しています。現在の100パーセントのキャパシティで同じ動きを続けていても、それは100パーセントにしかならない。でも――筋力やフィジカルを底上げし、キャパシティを110パーセントに増やすと、同じ動きでもパフォーマンスが10パーセント上がります。

こういう話って、一般の方のほうが理解しやすいんです。自分のキャパシティを増やすと、動きが変わって日常生活が楽になる。それを体感しやすいから、トレーニングの意味を納得しやすい。だけどスポーツも同じです。スポーツはスキルあってのものですが、そのスキルを向上させるためにトレーニングでキャパシティを上げてほしい、と思います。

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【ONE169】試合キャンセルから1カ月後のアラゴン戦へ。三浦彩佳「まだ私に需要があるんだとプラスに」

【写真】「今年は大変な1年でしたけど、報われるものにしたいです」と笑顔で語る三浦(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE169で、三浦彩佳がアルゼンチンのマカレナ・アラゴンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

三浦にとって2019年のONE参戦以降、特にコロナ禍を経て2020年からは苦難が続いた。今年に入っても1月の平田樹戦からONEアトム級に転向し、2度のジヒン・ラズワン戦のキャンセル――そんななかでアラゴンとの試合が決まった三浦が、ONEアトム級で見出した光明とは。


――MMAPLANETではタイ入り直後にインタビューし、計量後にもコメントをもらってアップする予定でした。そこで試合中止というニュースが入り、三浦選手に連絡すると「怒りのミーティング中です」との返事があって『何が起こっているのか!?』と思いました。

「アハハハ! そうでしたね」

――公式発表は「ラズワンがハイドレーションテストをクリアできず、三浦彩佳との試合は中止」というものでした。計量当日、どのような状況だったのか教えてもらえますか。

前回は入国直後にインタビューを受けてくれていた三浦。計量後にアップ予定だったが……(C)SHOJIRO KAMEIKE

「まず私が計量をパスして、リカバリーに入ったんですよ。その間、トレーナーの堀江(登志幸)さんが計量会場に残ってくれていました。私はラズワンも計量をパスするだろうと思っていたけど、『ラズワンは体重もハイドレーションもオーバー』と聞いて……」

――最初はラズワンが両方ともクリアできなかったわけですね。

「はい。私は『えっ!?』という感じでした。そこで正直——私はラズワンに対して怒りを覚えてしまったんですよ。前回は怪我でキャンセル、今回は計量オーバーって……。

4月のキャンセルも、発表後にラズワンがSNSにラズワンがSNSに『これなら試合できただろ』と思えるような投稿をしていたんです。キャンセルの理由は怪我だったけど、体重が落ちなかったんじゃないかとも考えてしまいますよね」

――実際のところは分かりませんが、そう疑われても仕方ない面はあるでしょう。ラズワンは3月の澤田千優戦でも計量オーバーでしたし。

「それで私は気持ちを揺さぶられたくないと思って、堀江さんと長南(亮TRIBE代表)さんにリカバリーに専念します』と、その場を離れました。でも2時間リカバリーして食事も終えたあと、『ラズワンが体重は落とせていたけど、尿を提出できなかった。ラズワンは失格で、この試合は中止となる』という情報を、SNSで視たんですよ」

――……えっ!? 対戦相手に連絡する前にSNSで発表したのですか。

「……いろいろと衝撃的すぎました。日本に帰ってきてからは普通に過ごしましたけど、当日はホテルで大暴れしましたよ。『こんなに人って怒れるんだ』っていうぐらいに(笑)。

私としては前回、すごく調子が良かったんです。全てを研ぎ澄ますことができていて、長南さんもそれを信じて『やっと試合ができる』と喜んでくれていました。自分は人生を賭けてONEに来ている。もともとはONEでいえばストロー級なのに、アトム級に落としている――という、いろんな感情があって大暴れしましたね」

――その時の状況を想像するのも怖いです(苦笑)。

「アハハハ。もうあの場にもいたくなかったので、すぐ飛行機の便を変更してもらい、帰国しました」

――結果、自身が出場する大会を日本で視聴していたそうですね。あの時、冷静に大会を視ることはできたのでしょうか。

「落ち着いていましたけど、ちょっと変な感じはしましたよね。本当に何とも言えなかったです。でもすぐに試合を組んでくださって、帰国してすぐにファイトキャンプに入った形になりました。ここまでドタバタな1カ月でした(笑)」

――ラズワン戦に向けて「すごく調子が良かった」とは、それだけONEアトム級への減量も順調だったのですね。

「順調でした。『もともとアトム級なんじゃないか』って言われるぐらいで。それはもう本当にトレーナーさんのおかげです。私自身もすごく勉強になりましたし」

――初のONEアトム級戦であった、1月の平田樹戦よりも遥かに良かったのですか。

「遥かに――そうですね。遥かに良かったです。これは今だからこそ言えますけど……あの時は試合が決まってから、毎日お腹を壊したり、胃が痛かったりして。試合直前まで、いろいろありました。『こんなに苦しい試合ってあるんだろうか』と思うぐらい。それを乗り越えることができたのは自信になりました」

――なるほど。以前なら2度も試合をキャンセルされたら、ずっとモヤモヤした気持ちが残るタイプだったように思います。それは成長といえるのでしょうか。

「今日はまだ文句を言いいましたけど(笑)、もうラズワンのことは相手にしていません。なるべく記憶からなくすようにしている、と言いますか。それもONEがすぐに試合を組んでくださったおかげで、感謝しています。ラズワン戦がキャンセルになったあと、現地でも『すぐ試合を組む』とは言ってもらえていました」

――これまでONEで試合をし続けるなかで、様々な苦難がありました。しかし今回それだけのフォローをしてもらえたとは、嬉しいことではないですか。

「ありがたいですし、実はラズワンに勝ったら今後はこう――という提案も頂いていて。私が階級を落とすことで対戦相手の幅も広がったでしょうし、そういう提案を頂くことができているのは、『まだ私に需要があるんだ』と気持ち的にはプラスになりました」

――需要がある。つまり試合が組まれるということは、一番安心できる材料でしょう。

「はい。現地で提案を頂いた時は、『今はラズワン戦に集中します』と答えました。結果的に試合がなくなり――でも、すぐにファイトキャンプに入って。これが今年4回目のファイトキャンプなんですよ。この年齢(現在34歳)になっても、まだ自分を作り上げることができる。それもプラスになっています。……ということも、試合に勝ってから言えることかもしれないですけど、私は勝つと信じてやっているので」

――次の対戦相手、アラゴンはONE初戦で情報も少ないかと思います。

「情報はあまりないですね。柔道がベースで、MMAの試合ではアヤカロック(スカーフホールド・アメリカーナ)をやっている映像は視ました。

柔道ではアルゼンチン代表になっているみたいですけど、正直実力は分からないですね。まだMMAでは3戦しかしていなくて、そこは私のほうが場数は多いですし。MMAでは私のほうがいろんな経験をしてきていると思いますし、全てにおいて圧倒したいです」

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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【POUNDOUT01】11カ月振りの復帰戦=松場貴志戦へ、山内渉「勝つことを最優先に一本かKOで」

【写真】この試合がなかった期間で、いかにMMAファイターとして熟成されたか楽しみだ(C)MMAPLANET

5日(土)に千葉県美浜区の幕張メッセ国際展示11ホールで開催されるPOUNDOUT旗揚げ戦で山内渉が約11カ月振りに、実戦復帰を果たし松場貴志と対戦する。
Text by Manabu Takashima

プロ修斗デビューから2年4カ月、6連勝で修斗世界フライ級王座獲りにチャレンジした山内は、新井丈にKO負けを喫しキャリア初黒星となった。あれから11カ月、師・髙谷裕之が主宰するPOUNDOUTのメインで、GrachanとGRANDのフライ級を制した松場という――知る人ぞ知る実力者を迎え撃つこととなった。

格闘家の体は消耗する。そのことを学び、覚悟をもって挑む再起戦。山内渉のその胸の内を訊いた。


世間の評価よりも強い選手

──山内選手、ご無沙汰しています。

「ハイ。よろしくお願いします」

――昨年11月に新井丈選手と修斗世界フライ級王座を争い、激闘の末敗れた。以来の再起戦まで11カ月を要しました。

「一番はダメージです。打たれ弱くなりたくないので、時間を置いた方が良いと髙谷さんとも話して。それとデビューしてから連戦で対策練習が続いていたので、強くなるための練習をこの間に一からやろうと思って取り組んでいました。見直しの期間、自力をつける時間にしたという感じです」

――あの激闘でしたし、やはりダメージがあったのですね。

「試合後に具合が悪くなって病院にいってCTを撮りましたが、異常はなかったです。ただ、振動があると……ミットを持っていてもフラフラすることもあって。これは休むべきだと。この間に脳のダメージの回復のための食事だとか、色々と教えてもらいつつ勉強をしてDHAやアマニ油を摂るようになりました。食事、睡眠と私生活も改善して、自分でも変わったなという感覚があります」

――本当に根本からですね。本格的な練習を再開したのは、いつ頃でしたか。

「5月ですね。じっくりと時間を掛けました。そこまでは頭が揺れない、振動を受けない練習……これまでやってこなかったフィジカルトレに集中していました」

――動くようになってからも、5カ月間は試合に出なかった。強くなるためのトレーニングで、上積みもできましたか。

「ハイ。試合に勝っていたので、打撃も寝技も不安を持ち続けていても、勢いで誤魔化していたところがありました。この間に一から見直して、レスリングも始めました」

――食事、睡眠、練習を見直す。周囲は試合を続けているなかで、よく取り組めたと思います。

「それだけ負けが大きかったです。現実を見せつけられて、考え直すきっかけになりました。(齋藤)奨司さんのがタイトルマッチがあったりしましたけど、逆に自分は自力をつくまで試合ができないという考えになっていました」

――自分は国内でタイトルを取ることも大切ですが、強くなるにはそれ以上にどのような試合経験をするのか大切だと思っています。正直、層が薄くなっているなかでタイトル戦が頻繁に行われる現状には疑問を持っていますし。そのなかで山内選手の再起戦がPOUNDOUTになったことが興味深いです。

「実は今後に関しては、この間に髙谷さんにも相談しました。やはり強い相手と戦いたいというのがあります。前回試合でダメージを受けたことで、体は消耗することを実感しました。考えて試合をしていかないと、どんどん消耗します。そのなかで髙谷さんがPOUNDOUTを開くことになり、修斗の上位陣とはほぼ当たっている中で、強い相手を当ててくれるなら試合をさせてほしいと伝えていました。そうしたら、髙谷さんが良い相手と当ててくれました」

――松場貴志選手、その言動は疑問符しかないですが強い選手です。まだポテンシャルを発揮していないと思えるほど、自力はあるかと。

「RIZINの竿本(樹生)戦とか、本当に強いと思いました。経験も豊富だし、僕の中では世間の評価よりも強い選手だという印象です。フィジカルが強くて、レスリングが強い。そこを想定して、練習をしてきました」

――そんな猛者との試合を前にして、齋藤選手以外にDREAMERSの仲間と練習をすることはあるのでしょうか。

「最近は行けていないですけど、EXFIGHTで須藤(晃大)君と練習をしていました。あとは津田さんと一緒にやっている安永(吏成)さんとも、セコンドに就いたりして練習をしました。出稽古だと前から行かせてもらっていたZEEKジム以外で、川口REGIPでFight Farmの力也さんと一緒に猿飛流選手や大竹陽選手とも練習をしています。同階級の選手とやることが増えました」

僕は田村さんを信じて戦います

――POUNDOUT、師匠の髙谷さんにとっても特別な意味のある大会だと思います。そこでメインを任されました。

「メインらしい試合をしないといけないという気持ちもありますが、大前提は勝つことです。同時に今後を考えると、欲をかきすぎるといけないのですが一本かKOで勝ちたい。それでも勝つことを最優先して、戦いたいと思っています。何よりここで松場選手に勝てば、自信がつく試合です」

――この間、MMAは最低基準の一気にコントロールを重視しない方が変わりました。盟友・齋藤選手のタイトルマッチでは殊更色々な意見も聞かれましたが、その辺りは試合の組み立てが変わるということもありますか。

「そこは考えていますし、頭にいれて練習もしてきました。ただ僕はセコンドの田村(彰敏)さんを絶対的に信頼しているので。田村さんの指示通りに動きます。上を取った時も、下になった時も田村さんが言ってくれたことができるように戦うつもりです。それができるように練習をしてきました。それで判定負けしたら、それまでです。僕は田村さんを信じて戦います」

――では最後に意気込みの方をお願いします。

「前回負けて、応援してくれる人をガッカリさせてしまったので、この1年間やってきたことを出して……しっかりと強くなったことを証明して、勝って喜んでもらいたいです」

■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後4時30分~髙谷裕之YouTubeチャンネル

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【RIZIN48】サトシに挑戦、日本♡=ルイス・グスタボ「チャンピオンになり、防衛戦でパトリッキーを倒す」

【写真】通訳をしてくれたロイベ・デ・オリベイラ・ネイトと。ロイベは2023年に修斗で2度来日をしている (C)MMAPLANET

29日(日)、さいたま市さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48でルイス・グスタボがホベルト・サトシ・ソウザの持つRIZINライト級のベルトに挑む。
Text by Takashima Manabu

古くはVale Tudo Japan時代からブラジルは日本のMMA界が戦いを挑んできた先駆者であり、PRIDEの時代は多くのスーパースターを生み出した。日本との親交が深く、ある意味歴史を共に紡いできたMMA王国だが、現状──UFCとの契約下にある選手が110名を超えるのに対し、RIZINでレギュラーとして活躍しているファイターはグスタボただ一人だ。

2018年の初参戦からRIZIN一筋で戦ってきたグスタボ。日本へのリスペクトは頭抜けているといっても過言でない彼が、タイトル挑戦への想いを──日本への想いの強さと共に熱く語った。


──サトシ選手への挑戦が、3週間後に迫ってきました(※取材は6日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「ずっと1年間、この時を待っていたのでタイトルに挑戦できることが嬉しくてたまらない。早く日本に行って、試合の日を迎えたくてウズウズしているよ」

──正式にタイトル戦のオファーがあったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「最初に話があったのは2月のホリエ戦のあとで、それから正式決定まではしばらく時間があったけど……きっとサトシがナカムラとの試合があったからだろう。コロナパンデミックが起こり、僕のMMAファイター人生も大きな影響を受けた。RIZINが活動を再開して4試合を戦い、ようやくタイトル挑戦権を得ることができたんだ。オファーを貰った時には『絶対にこの機会を逃すわけにはいかない』って思ったよ。RIZINライト級王座は、僕のモノになる」

──ブラジルはバーリトゥード時代から、常にMMA大国でした。そして日本のMMA界とも深い繋がりがあります。その一方で現状、ブラジルの若い選手はLFAブラジル大会に代表されるフィーダーショーからUFCを目指すのが本流で、日本で戦う選手は少なくなっています。そのなかでルイスがRIZINに拘り続けてきたのは、なぜでしょうか。

「まず僕にとって日本は第二の故郷だ。僕は日本でキャリアを続け、日本で引退したい。日本で戦った最初の試合から、ファンは僕を受け入れてくれて凄く歓迎してくれた。日本で戦うことは凄くエモーショナルなことで……これは僕に限った話じゃないはずだ」

(通訳をしてくれた)ロイベ・デ・オリベイラ・ネイト 本当にそうだ。例えRIZINでなくても、僕自身は修斗で戦った時も日本で戦えることに凄く感激して、感情的にすらなっていた。あのファンのファイターへの接し方、尊敬をしてくれる姿って、他では本当にないことなんだ。

「だから、僕は日本だけで戦っていきたい。日本でキャリアを終えたいんだ。そして、そのまま日本に住みたいぐらいだ。その一方で今のブラジルの若いファイターはUFCで戦いたいというのが一番で、僕らの上のジェネレーションのように日本で戦いたいという風ではないのが実情なんだ。上の世代の選手は日本でヴァンダレイ・シウバたちが活躍していたのをテレビで見ていたから、日本への想いが強い。

でも、僕が今回RIZINのチャンピオンになることでブラジルの若い世代のファイターも、もっと日本に行って戦いたいと思うようになるはずだ。しっかりと僕の名前をRIZINのリングに刻むことで、この状況も変わり日本で戦いたい選手が増えるようになる」

──UFCや北米で戦うのに比べて、RIZINのイベント数は限りがありますが、ルイスはそこでレギュラーの座を手にできました。

「凄くラッキーなことだと自覚しているよ。RIZINはだいたい年に8イベントが開かれ、2度は僕も試合も組まれている。それは日本のファンが僕の試合を見たいと思ってくれているからで。本当にファンの皆には感謝しているよ。

しかも去年の12月から今年の2月までの3カ月間、カルペディエムで柔術の指導とプロフェッショナル・トレーニングを積むことできた。本当に素晴らしい日々だったよ」

──言葉だけでなく、文化の違いもブラジルと日本は大きいです。日々の生活で戸惑うことはなかったでしょうか。

「日本の人達はとても親切だし、日本食が好きだから何も問題はなかったよ。イソマルスイサン(磯丸水産)は、本当に美味しいフードばかりだった(笑)。

それに僕はアスリートだ。普段から規律正しく……いうとブラジルでは堅苦しいと感じられるほど健康的な生活をしている。夜は早く寝て、朝は早く起きる。しっかりと栄養を考えた食事を摂り、思い切りハードな練習を繰り返す。何も派手な生活をしているわけじゃないし、それは日本でも同じだった。日本にいてブラジルが恋しかったのは、家族や友人と会えなかったことだけだよ」

──なるほどです。ファイターがファイターらしく生きていると、派手に出歩くこともないと。これほど日本好きなルイスですが、試合前に日本に少し長く滞在して時差の調整などを行おうと思うことないですか。ロングフライトがあるだけでも、ディスアドバンテージかと思うのですが。

「ブラジルから日本に向かうことが、ディスアドバンテージだとは思っていないよ。そりゃあ2週間前から日本に滞在できると最高だろう。でも、そんなこと言ってもしょうがない。だから考えもしない。ただ伝えられたスケジュールに従い、計量をパスして戦う。それだけだよ。40時間のフライトがあっても、しっかりと体重を落とす。そしてファイトを楽しむんだ。

それにチーム全員で日本に早く行って準備できれば良いけど、そうでないならブラジルでギリギリまでトレーニングした方が良いと思っている。それはいつの試合もそうだし、タイトル戦だからといって何か違うことをしようとは考えなかったよ」

──サトシはMMAというスポーツにおいて、最高のグラップリング技術を持っています。とはいえ寝技は、MMAでは一つの局面でしかないという考え方もできます。改めてMMAファイターとしてのサトシの印象を教えてもらえますか。

「今回の試合はクラシカルなグラップラー×ストライカーの戦いだ。確かにサトシは優れたグラップラーだけど、MMAファイターとして他の局面は特にコレといって特筆すべきモノではない。それに僕自身、テイクダウンされても柔術を駆使して防げば良いだけだよ。この試合のためじゃなくて、ずっと柔術をやってきたから。

僕はただのストライカーじゃない。でも、さっきも言ったように今回の試合はグラップラー×ストライカーという図式が成り立っている。サトシが僕をテイクダウンしたくて組みついてくるなら、殴ってKOするだけさ」

──サトシは3月の中村K太郎戦のハイキックからのKO勝ちだけでなく、パンチでKO勝ちも過去にしています。それでも彼の打撃は、特に気になるモノではないですか。

「重ねて、サトシの打撃は印象深いモノではないと断言する。僕はコンプリートファイターだから、どの局面でも戦えるけどサトシの打撃に対して特別な準備をする必要はないよ。まぁ打撃戦を挑んでくるというなら、好きにすれば良い。僕はマイク・タイソンと向き合って、殴り合うことだって平気だから(笑)」

──では日本好き、そしてRIZINラブのルイスにとってRIZINライト級王者がBellatorのパトリッキー・フレイレ、AJ・マッキーに敗れていることをどのように思っていましたか。

「だからこそ僕は9月29日にチャンピオンになり、防衛戦でパトリッキー・フレイレを倒すつもりだよ」

──ルイス、今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「常に言って来たことだけど、本当に心の底から日本のファンに感謝している。皆の存在があるから、日本で戦うことがモチベーションになっている。チケット代に値するような試合をするから、期待してほしい。

この試合を見てくれるファンの皆に初回から、KO勝ちを狙うことを約束する。今回の試合は、1R……5分間あれば十分だ。2Rは訪れない。初回KO勝ち、サトシをボコボコにするよ。会場では僕の名前を叫んで応援してほしい。アリガトゴザイマス」

■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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45 AB LFA MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN62 UFC305   アンジェラ・ヒル イスラエル・アデサニャ エドマン・シャバジアン カイオ・ボハーリョ ジャレッド・キャノニア ジャレッド・キャノニアー ジョシアニ・ヌネス スラヴァ・ボルシェフ タバタ・ヒッチ デニス・ブズーキア ドリキュス・デュプレッシー ニール・マグニー ハメ・ジョントップ ホセ・メディーナ マイケル・モラレス マイロン・サントス 食事

【UFC ESPN62】キャノニアーと対戦、カイオ・ボハーリョ「過度な減量はしない。明日は水を11L飲む」

【写真】眼鏡からサングラスに変えて、計量をパス (C)Zuffa/UFC

24日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN62「Cannonier vs Borrlho」が開催される。
Text by Manabu Takashima

イベント・タイトルにあるようにメインはジャレッド・キャノニアー×カイオ・ボハーリョというライトヘビー級戦が組まれている。通算戦績16勝1敗、2021年にコンテンダーシリーズからUFCに昇格したボハーリョは、オクタゴンでも8連勝中だ。そのボハーリョ、実はLFAブラジル大会でコメンテーターを務めており、英語で同朋のファイターたちの試合の模様を解説している。眼鏡姿がトレードマーク、インテリジェンスさもセールスポイントといえるボハーリョに、コメンテイターとMMAファイターの兼業の利点を尋ねた。


──週末にジャレッド・キャノニアーとメインで対戦します。今の調子はいかがですか。

「過去最強のコンディションだよ。ファイトウィークは、常にそうなんだ。ハードな練習をしても、リカバリーに細心の注意を払っている。減量のことも常に頭にいれていて、極端な体重の落とし方はしない。そのために食事も摂っているし、水を大量に飲んで体重を調整しているんだ」

──ウォーターローディングを気に掛けているということですね。

「そうだね、凄く多くの水を飲んでいるよ。今日も6リットルほどの水運補給を行ってきた」

──6リットル!!

「イエース。明日は5リットル増やして、11リットルだ。そして明後日には、水分をカットする」

──何とも壮絶に感じるのですが……。それがカイオにとっては厳しいことにならないのですね。ところでカイオはLFAブラジル大会のUFC Fight Pass中継で英語を駆使してコメンテーターをしていますね。ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーでないのに、凄く度胸があるなと最初に視た時は驚きました。

「確かに簡単じゃなかったよ。最初の時は怖かった。でも、与えられた役割をしっかりとこなすことを考えて頑張った。6度、7度と続けていると、自信もついた。それに引退後のことを考えても、いや現役中でもそうだ。ファイター以外の仕事に就くのは良い経験になるからね。

実際にファイターとしてオクタゴンを眺めるのとコメンテーターとして、あの場にいるのとではまるで違う。他の選手の試合をしっかりと見ることになって、ファイターとして視野が広がった。コメンテーターの仕事は、色々なことを習うことができて、選手としても役立つことばかりだ」

──コメンテーターは、ファイトを楽しんでもらうために試合について語る必要があります。解説者目線で、UFC305のメインで行われたUFC世界ミドル級選手権試合=ドリキュス・デュプレッシー×イスラエル・アデサニャを振り返ってもらえないでしょうか。

「ハハハハ。良い試合だったよ。両者、自分の戦いをしようと凌ぎ合っていた。アデサニャは下がりながら、距離をマネージメントしてカウンターを狙っていた。この距離感は良かった。ただ、デュプレッシーにはそういう計算高いファイトも関係ない。

そして、奇妙な技術を持つ。その奇妙な技術が、有効なんだ。自分の世界を創り、世界のベストと戦ってしまう。それで彼は勝った。それでも、全ての対戦相手を倒してきたアデサニャが偉大なファイターであることは変わりない。誰も彼のような成績をミドル級で挙げることはできないだろう」

──ではトップを倒すことが使命といえるミドル級コンテンダーの目線で、あの試合を印象を話してもらえますか。

「アデサニャは、疲れていた。体を大きくして、体重を重くし過ぎたようだ。とはいってもデュプレッシーのゲームは、穴だらけあんだ。闇雲に前に出て、パンチを当てることしかできない。しかも殴ろうとしたときに、相手の攻撃を受ける隙ができる。それだけ対戦相手はアドバンテージを握ることになる。

それでもテイクダウンからバックを奪うのは、効果的だ。グラップリングで、相手を削って行く。そういう局面になると、力強い攻撃ができる。それでもスタンドに戻ると、攻撃の精度が落ちているので、スタンドで倒すことは可能だ。そう感じた。

デュプレッシーが優れたアスリートであることは間違いない。なんせ、UFCで負け知らずだ。良い試合をしてきた。そうだね……あの世界戦はファンにとってはエキサイティングで、グッドファイトだったに違いない。ただし、技術的にはベストファイトではなかった。あの世界戦を見て、僕の技術力は全局面において世界のベストの1人だと自信を持っている。僕は彼らよりレスリングができ、打撃もグラップリングも併せ持つウェルラウンダーだ。全ての要素を融合させることで、相手にとっては予測困難な戦いが可能になる。ハードトレーニングを続けることで、誰と戦ってもアドバンテージを持って試合に臨むことができるんだ」

──その言葉をキャノニアー戦で立証できるのか。期待して見させてもらいます。

「キャノニアーはタフな相手だよ。経験豊かで、彼のやりたい試合をされると厄介だ。既に5R戦も経験しているし、僕の実力がこのスポーツの頂点にあることを証明するのにベストな相手といえる。

間違ってもイージーファイトになるなんて、口にすることはできない。でも、彼を疲れさせてからパンチを顔面に集中させる。ダウンを奪うと、サブミットだ。キャノニアーは過去に一本負けしたことがないけど、柔術、グラップリングと引き出しが多い僕には、それを可能にするだけのスキルが身についている。

勝負の鍵は、どれだけプッシュして戦えるかだ。キャノニアーはもう40歳、ラウンドの中盤にはペースが落ちる。対して、僕は31歳になったばかりでハイペースで戦い続けることは何も問題にならない。彼には居心地が悪い時間を創り、疲れさせる。そうすると、もう僕のファイトになる」

──ファンが見る上で、注目してほしいところは?

「接近戦で戦うことだ。彼と戦う相手は、そのパワーを警戒して距離を取りたがる。でも僕は、そういう危険なゾーンで戦うことを問題視しない。目の前に立ち、思い切り顔面にパンチをくれてやる。そしてキャノニアーに勝って、その次の試合も勝ってトップ5入りを傍すよ」

■視聴方法(予定)
8月25日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時15分~U-NEXT

■ UFC ESPN62対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
ジャレッド・キャノニアー(米国)
カイオ・ボハーリョ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・ヒル(米国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<TUF32ミドル級決勝/5分3R>
ライアン・ロダー(米国)
ロバート・ヴァレンティン(スイス)

<TUF32フェザー級決勝/5分3R>
カーン・オフィリ(豪州)
マイロン・サントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R
マイケル・モラレス(エクアドル)
ニール・マグニー(米国)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
ジェラルド・マーシャート(米国)

<ライト級/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
フランシス・マーシャル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホセ・メディーナ(ボリビア)
ザック・リース(米国)

<ライト級/5分3R>
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<女子バンタム級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス(ブラジル)
タジャケリニ・カバウカンチ(ポルトガル)

<フェザー級/5分3R>
ジギマンタス・ラマスカ(リトアニア)
ネイサン・フレッチャー(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ヴィクトリア・レオナード(米国)

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【A Memorial Writing】追悼文、モンゴルと日本MMA界の架け橋。荒井順一さんを偲んで

【写真】7月7日GLADIATORの打ち上げの席。左からマーク・サンジャオ、筆者、荒井さん、アドニス・セビジェーノ。右列は前から2人目がオトゴンバートル、ダギースレン、トンガー、そしてUFCフライ級ファイターのパク・ヒョンソン。写真を撮ってくれたのはマーク・サンジャオ夫人 (C)MARK SANGIAO

「些細なことで恐縮ですが、『シャンダス×ラカイ対決は、エンフオルギルがブーミナアンを下し通算対戦成績を6勝0敗に』と書かれていますが、正確には7勝0敗です。(記事を修正して欲しいということではありません)

シャンダスの選手で初めてチーム・ラカイの選手と戦ったのはバットゲレルで、2012年3月30日のLegend FC 8でJasor Ablasiという選手と試合をしました。本当に些細なことで申し訳ありません」

日曜日の朝8時前、LINEにモンゴルの荒井さんからメッセージが入った。「いえ。ありがとうございます。記事も修正させて頂きます」と返信をしたのだが、実際に書き直し終わったのは午前10時11分だった。

言い訳がましいが、この日は午前1時からUFC ABC07の速報があり、メインの記事をアップし終わったのが午前7時22分。直ぐにベッドに潜りこみ、約30分後に荒井さんからのメッセージの着信音で一瞬目が覚め、返信こそしたが──そのまま眠りに落ちた。

3時間後に起きて、記事を訂正したとき「ああ、あの香港の大会で荒井さんに会っていたな」と思い出した。

自分が初めて荒井さんにお会いしたのは、その1年4カ月ほど前の2010年の12月30日だった。

戦極のリングで横田一則を破ったジャダンバ・ナラントンガラグを見て、インタビューを申し込むことを決めた。しかも、大会終了後からホテルに戻るまでの時間に。加えてやけにナラントンガラグがオーバーフックを使うことに興味を持ち、『モンゴル相撲流MMAで使えるテイクダウン』という技術モノまでリクエストをすると、試合後にも関わらず控室で
実践してくれたナラントンガラグは「これから、自分のことはトンガーと呼んでください」と笑顔を見せていた。

この時、通訳をしてくれたのが荒井順一さんだった。主催者が雇った通訳の方ばかりだと思っていたのだが、モンゴル在住でトンガーの格闘技の先生だという。荒井さんが昭和の日本人気質の持ち主であることは、訳をして下った時の単語の選択や言い回し、なにより取材以外での佇まいからすぐに分かった。

その後、上に記したLegend FCの香港大会、2013年4月に同じくLegend FCのマレーシア大会。2014年8月のドバイでの再開以降はトンガーがONEで戦うのに伴って、2015年11月のシンガポール、2018年7月のクアラルンプール、2019年4月のマニラとほぼ年に1度の割合で荒井さんとは顔を合わせていた。

また日本に来日したモンゴル人選手のインタビューのために、メッセンジャーで通訳をしたくれたこともある。

より荒井さんと言葉を交わすようになったのは、意外にもコロナ禍になってからだ。現地取材ができない期間に、MMA界にリモート取材という新たな慣例が設けられるようになった。

この頃になるとトンガーはトンガーで自分の道場を持ち、荒井さんもイレードゥイMMAクラブという自らの城を構えるようになっていた。イレードゥイで育ちONE Warrior SeriesからONE本戦出場を決めたプレウ・オトゴンジャガルのリモート取材も当然のように荒井さんがサポートをしてくれた。

さらに2022年の秋に長谷川賢から「日本人を強くしたい。その一環としてGLADIATORに日本人選手と切磋琢磨できる外国勢を招聘したい」と相談され、荒井さんを紹介した。2023年1月、ウランバートルの各ジムを回りトライアウト的に練習を視察する長谷川を同行取材した。この時、初めて荒井さんと、彼が生活拠点を置く国で会う機会が訪れた。

以降、GLADIATORにはモンゴル人ファイターは継続参戦し、プレビューインタビューの際には通訳ばかりか、現地で携帯を使って煽り映像の撮影まで荒井さんは助けてくれた。

去年の5月には中村倫也とモンゴルを訪れ、MMAジムだけでなくモンゴル相撲の技術交流などの動画も制作できた。1日に3カ所も回り、それぞれのジムで所属トップ選手が集まり、学校施設に行ってモンゴル相撲の練習に参加できたのも、昭和の男・荒井さんがいてくれたからだ。

いつ何時、どこであろうが下ネタ三昧の自分も、荒井さんの前だけはそ禁句だった。話題はMMA。強くなることもそうだが、人間として正しく導く。それが荒井さんのファイターとの付き合い方だった。冬は氷点下30度になるウランバートルで生きる荒井さんは、自分のようなおちゃらけた雰囲気は一切なく、必要なこと以外は口にしない人だった。

先月の7日、GLADIATOR027にシャンダスMMAからダギースレン・チャグナードルジとオトゴンバートル・ボルドバートルが来日した際、トンガーが「先生、セコンドは2名です。久しぶりに先生と日本に行きたい」と声掛けし、荒井さんが大阪にやってきた。日本で荒井さんに会うのは、トンガーの初インタビュー以来、13年と7カ月振りだった。

昨年8月に荒井さんは一番弟子のプレウを亡くし、ひどく意気消沈していた。今年の6月にウランバートルを訪れた時も「今でもプレウの試合を見ることができないんです。彼のことを思い出すと……」と涙ぐむこともあった。

「だからトンガーが太り過ぎていて、心配で。モンゴルの食事は塩分が多く、動物性たんぱく質と糖質ばかりなので。ヒザが悪くて運動ができないから、酒を控えさせないといけないです」と話していた荒井さんだが、GLADIATOR終了後の打ち上げの席で珍しく砕けた表情を見せ、雄弁に色々と話しをしていた。

とはいっても戦い終わってノーサイド的なシャンダムMMA勢とチーム・ラカイ然の間を取り持ち、モンゴル語と英語のやり取りをずっと続けていたようなものだが、その表情は心の底から嬉しそうだった。

もうそろそろお開きだという頃になってトンガー、荒井さん、自分、そしてマーク・サンジャオが4人で何度もジョッキにビールを注ぎ、一気飲みをした。そう、これぞ昭和の男の酒の飲み方だ。

翌朝、朝の8時前に新幹線に乗り帰京中に「今、我々は関空で飛行機を待っているところです。試合前は関係者、特に相手陣営と話すことは余りありませんので、昨日のような打ち上げは関係者や相手陣営と話せる良い機会でした。また、高島さんとも再会でき、今回の日本滞在は有意義なものでした」という連絡が入った。

その4日後にはGLADIATOR Challenger Series02に来日したモンゴル勢の奮闘ぶりで連絡を取り合った。それからも韓国籍を取ったナンディンエルデンがボクシングの試合に出てKO負けをしたことで「彼が8月31日にRoad FCの試合に出るのは危ないです」と格闘技の安全面に対する意識の低さを指摘する──らしいメッセージが届き、意見交換をさせてもらった。

7月28日には去年の1月にONEのグラップリングでマキシー・ムスメシと対戦し、ヒールにタップをせず、大けがを負ったガントゥルム・バヤンドォーレンが8月10日に中国で試合をすることを教えてくれた。その際の連絡では「ONEとの契約は大丈夫ですかね。何もなければ良いのですが。試合を組めないのであれば団体はリリースすべきだし、選手も契約書にしっかりと目を通さないといけないです」とファイターを心配しつつ、自覚することを促す学校の先生のような言葉で締めくくられていた。

冒頭にあった日曜日のLINEでのやりとり──自分の最後のメッセージが既読になったのは、まさに記事をアップした午前10時11分、モンゴルでは朝の9時11分のことだ。

その3時間後に、荒井さんは亡くなった……。FBに荒井さんの死を投稿したトンガーから、わざわざ日本語でその詳細を教えてくれる連絡が入った。

「高島さん……高島さんに、こんなに悲しいお知らせをする自分を許してください」という言葉と共に。

なんでなん? なんで? こないだ──一緒に酒を飲んで、笑って──初めて、俺の下ネタも聞いてくれたやん!

荒井さん!! おかしいって。そんなにプレウとミット打ちがしたかったんか?  もう50代も半ばの同い年のオッサンを、ここまで泣かせてどういうつもりやねん。

でも、何も嬉しくはないが最後の連絡がシャンダスとラカイの通算成績の訂正だったのは、いかにも荒井さんらしい。

日本語表記が難しいモンゴル人ファイター達、MMAPLANETは荒井さんがいてくれたから、どこよりも正確なカタナカ表記に出来ているはず。でも、これからはどうすんねん……なんて言わないようにする。トンガーが「先生のためにも、モンゴルの選手が強くなれるよう尽くします」と言ってくれたように、悲しむだけ悲しんで前を向くから。

今、自分の手元には今月からMMAPLANETで書いていこうと思っていた「アジアの猛者」達のインタビュー素材が10人分ほどある。モンゴル人選手の通訳をしてくれたのは、荒井さんだ。これが荒井さんとの最後の共同作業──渾身の力で書く。

教師のような荒井さんと、任侠の親分のようなトンガー。2人との出会い、この縁を忘れずに──チンギス・ハンの末裔が世界に出ていく姿を、自分は追いたいと思う。

荒井さん、あなたの思い描いたモンゴルのMMA界の成長、モンゴル人ファイターの海外進出が少しでも現実に近づくように、自分も協力させてもらいます。これまで、本当にありがとうございました。
Text by Manabu Takashima

追伸
荒井さん、訂正した記事──読んでくれていたかな。

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