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Bu et Sports de combat Interview エドゥアルド・フォラヤン ブログ 剛毅會 岩﨑達也 武術空手 青木真也

【Bu et Sports de combat】MMAを武術的な観点で見る。青木真也✖エドゥアルド・フォラヤン「頭の位置」

【写真】唯一といって良い、危険だった場面はなぜ生まれたのか──と武術的に検証する (C)ONE

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──ONE TNT04における青木真也✖エドゥアルド・フォラヤンとは?!


──青木選手がフォラヤンに腕十字で一本勝ちをしました。そしてスタンドでは左ミドル、左ハイという攻撃を見せて組みつくという流れでした。

「腹が据わっていました。剛毅會の道場訓はマナーやスローガンではありません。そんなモノは生きていく上で何の役にも立ちません。その一つに『肚を据え浩然の気を養うこと』とあります。ある意味、武道とは腹が据わるために稽古をしているといって過言でないです。

体の調子がおかしい、癌の検査にいかないといけない。怖いですよ。怖気づきます。でも、もう腹が据わるしかないでしょ」

──そうですね。現状を把握することが、家族と生きていくことですから。

「そこです。そこなんです。それって若い人間には出ないエネルギーなんです。背負っているモノがないと出ない。それが浩然の気なんです。我が身可愛いではなくて、我が身よりも大切なモノがあるというエネルギーは凄まじいものあります。その浩然の気が、青木選手は出ていました。

そうすると時間だったり、空間が変わってきます。だから立ち合った瞬間に、空気が変わりました。間は完全に青木選手で、フォラヤンは殴れない。空気がそうさせないんです。恐れ入りました。質量が圧倒的に高かったです」

──そこまでだったのですね。青木選手からも実は試合後に『少し上手くなってきています。これは実感あります』と連絡があったんです。

「あぁ、なるほど……だからですね。いや、腹が据わることが良いんです。ただし、それも余裕がありすぎるとまた危ない。青木選手が恐怖感をいつものように持っていないのが、実は逆に怖かったというのもあります。不安のなかで戦うから、緻密にグラップリングに持ち込むことできるのも、青木選手の良さでもあるので」

──いやぁ難しいものですね。でもフォラヤンの左フックをほぼよけていましたし、全般的に凄く良い戦いに見えました。

「そこに関しては、今日の青木選手はPFLのバッハ・ジェンキンスと同じでした」

──う~ん、どういうことでしょうか。

「また道場訓の話になりますが、『姿に勢いを持ち至誠真鋭の道を歩むこと』というのもあります。姿に勢い、姿勢とは形のことではないです。そこにある種のエネルギーがあって、初めて姿勢になります。相手がぶん殴ってくることができる姿勢は、姿勢じゃありません。型でそこを創っていきます。

今日の青木選手はジェンキンスと同じで、質量は高いけど、姿勢は悪かったです」

──青木選手が、ですか?

「ハイ。質量が低いのにフォラヤンはあの勢いのある左フックを振るうことが出来ました。もちろん試合だから、殴られることもあるでしょうが、あのパンチは出させない方が良いに決まっています。あのパンチは本当に危ない一発でした」

──それは青木選手の姿勢が悪いからだと。

「ハイ、あくまでも武術的な見方ですが。青木選手の姿勢が悪くて、間がフォラヤンになりかけた瞬間がありました。完全にはならなかったのですが、フォラヤンがあの左フックを出せる原因を青木選手が創ってしまったんです。

青木選手は左ミドルを蹴りたい。ミドルを蹴ることは良いのですが、その前の姿勢で頭の位置が良くなくて、フォラヤンが殴れる状況を創っていました。

具体的にいえば、ミドルを蹴る前の姿勢で、頭の位置が後ろ過ぎたんです。青木選手が飯村(健一)さんとのミットをしているとき、頭の位置はあそこじゃないですよね」

──もう少し前かと……。

「ムエタイのミットは空手のミットのように踏み込んでガンガン蹴るのではなくて、頭の位置と前足の位置関係が一直線につながっています。後ろ足の上に頭がある構えは、ムエタイの型を創るようなミット打ちでは見られないです。逆にフルコン系では顔面殴打がないから、頭が後ろになって蹴っている人がいて、そういう人がグローブをつけた試合に出ると殴られてしまう。そこは嫌というほど見てきました。

青木選手もその状態で左ミドルを蹴るから、あの姿勢は危なかったです。結果論として当たらなかったけど、当たっているとどうなったか。だから、あのパンチを出させない頭の位置の方が良いということになります。間がまだ青木選手だったので、パンチは当たらなかったですが、非常に危ないと感じました。

ただし、フォラヤンが試合後に『テイクダウン対策はしてきたんだけど』というようなことを言っていましたが、もうその時点で青木選手に先を取られていたということですね。あの後の動きも、技を極めようとか──そういうのではなく、探っているように見えました。何か宝探しをしているような」

──宝探しですか……。

「普通はできないですよ、ああいう試合は。それに今日の青木選手の試合後の笑顔は……あれは子供の頃、ああいう顔をして笑っていたんだろうなって想えました。凄く素敵でした。秋山選手の名前を出すまで、完全に素の良さが出ていて。でも、あそこからちゃんと仕事を始めて、そこも踏まえてさすがです(爆)。

格闘技を格闘技で終わらせない。もう青木道ですね。それは彼にしかできないことです。先日Fight & Lifeで対談をさせていただいたときに、青木選手が尊敬と感謝ということに非常に関心を持たれていて。

尊敬と感謝って、自分を信じていない奴にはできないことなんです。自分を信じられていない奴の尊敬と感謝って、『謙虚で良い人だな』って思われるかもしれないけど、それは違う。自分という軸がなくて、人様に尊敬も感謝もできない。そういう人の感謝、敬意を払う言葉は『だから、何とかしてください』っていう代償を求める言葉でしかないんです」

──あぁ……分かります。〇〇〇さんだ(笑)。

「アハハハハ。自信が持てるから相手に敬意を払えるし、尊重できるんです。そこで感じた敬意はホンモノなんです。自分に自信が持てれば、相手を尊重できます。他尊自信ですね。これも剛毅會の道場訓に『他を尊び自己を信じること』とあるんです。この言葉の意味は相手を尊重しなさいと言っているのではないんです。自分を信じることができる人間が相手を尊重できると言う意味なんです。尊敬と感謝されるには、尊敬と感謝をしていないといけない。

その点において、青木選手のこのところの言動を見ていると、自分を信じていることができるようになっていて、尊敬し感謝しているように感じられます。最初にいった腹が据わるというのと、尊敬と感謝は繋がっているんです。自分のことを信じられる人間は尊敬と感謝ができて、腹が据わってくる。次の世代の人間にとって道標になる人間とは、次の世代への責任が果たせる人。青木選手はそういう存在になっていますね」

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ONE ONE TNT04 ONE119 Report エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】これはもう青木というプロ格闘技。フォラヤンを腕十字で破り、秋山成勲に喧嘩売る

【写真】最後は横綱相撲、秀逸だったのは一瞬のジャンピンガードか(C)ONE

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
Def.1R4分20秒by 腕十字
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)

両手でしっかりと握手した両者、サウスポーでゆっくり動き右を伸ばす青木はフォラヤンの踏み込んでの左フックをかわす。青木は左ミドルを蹴り、時間を置いて左ハイへ。フォラヤンがローを蹴り、青木は左右に動くフォラヤンに組みつく。

体を入れ替えたフォラヤンに対し、青木は離れられないように一瞬のジャンピンガードから着地して、小外掛けを決める。両足を四の字フックで束ねて抑える青木は、足を解いてマウントへ移行する。青木は座ってエルボーを落とし、ヒジ打ちを続け足を戻させない。バックに移行できるようにエルボーを続ける青木に対し、フォラヤンは力で暴れる。

と、青木は腕十字に移行してタップを奪う。横綱相撲、これはもう青木という格闘技だった。

「MMAは何でも起こる。テイクダウンの対処は練習してきたけど……。彼のグラウンドは蛇のようにタイトだった。どうなるか、休んで決める。コーチと練習仲間に感謝している。やってきたことは出せなかったけど……シンヤにおめでとうと言いたい」とフォラヤン。

青木は「あのう試合の相手が代わって、エドゥアルド・フォラヤンありがとう。同じぐらいの歳で──もう1回チャンスがあればやりましょう。あなたに5年前に負けて色々と苦しいことがあったけど、皆のおかげで僕もここまでやってきました。エドゥアルド、また一緒に頑張りましょう」と話し、次の対戦相手を問われると「2人います。1人はセージ・ノースカット、必ずやりましょう。1人は今、日本の解説席に座っている、秋山。秋山、おいお前、適当なことやってんじゃねぇよ。試合に穴空けたこと、分かってんのか。えぇ、こら。次はお前だ。よーし、首洗って待っておけ」とまるで人が変わったかのような秋山戦をアピールし、最後に「もう一言、ありとう。それだけです」と言いケージをあとにした。


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Interview ONE ONE TNT04 ONE118 エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】青木真也と対戦、エドゥアルド・フォラヤン「生き永らえるだけでなく、夢を掴もうと……」

【写真】現在2連敗中のフォラヤン。10月30日とはコンディションが違うことを期待したい (C)ONE

29日(木・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE119:ONE TNT04で、青木真也と対戦するエドゥアルド・フォラヤン。

当初の予定ではライト級初陣となる秋山成勲との対戦が決まっていたが、秋山とセイジ・ノースカットの欠場により対戦カードがシャッフルされ、青木との3度目の対戦が決まった。チーム・ラカイは厳格なコロナ予防対策をこうじるフィリピン政府の方針で、昨年10月大会に出場した時点ではコンディション不良が目立った。そして今、チームはコロナの影響を受け続け、一度は決まった試合が実現しない選手も少なくない。そんな逆境にあり、自身も連敗中で過去5試合の戦績が1勝4敗というONEの歴史を創った漢は、どのような想いで青木戦を迎えているのか──23日(金・同)に行ったフォラヤン・インタビューをお届けしたい。


──40日ほど前にエドゥアルドにZoomインタビューをさせていただいた時は秋山成勲選手との試合について、でした。今日は青木真也選手との試合に関してのインタビューになります。

「そうだね。アジャストすることは、簡単ではなかったよ。アキヤマとシンヤはまるで特徴が違うファイターだからね。シンヤは僕と違い、前回の試合で素晴らしい勝ち方をしている……、いつだってシンヤと戦えることは光栄だよ」

──では対戦相手の変更で試合を断るということは考えなかったですか。

「僕はウォリアーのつもりでいるからね。何があろうが、戦う準備はしているよ。それにこのコロナ禍では、いつ次の試合ができるのかも分からない。特にフィリピンの状況は悪化している。巡ってきた試合の機会を大切にしたいんだ。

何よりチームはどんな困難な時もしっかりとした練習環境を与えてくれるから。練習に関しては、前回の試合よりも確実によくなっている。レッツゴー、それだけさ(笑)」

──新型コロナウィルスに感染に関しては4月8日の大会にリト・アディワン、スティーブ・ローマンの両者が出場できず、チームも影響を受けているかと思います。

「そこはね……、どれだけ準備ができていてもテストで陽性になれば試合はできない。僕も何度もテストをして、陰性という結果を得ている(苦笑)。とにかく、このまま無事に試合ができるよう願っているよ。

全てが人生の一部。強くなるしかない。コロナは終わらないし、また問題が大きくなることも十分にある。だから、人間として強くないといけないし、チャンスを逃しちゃダメなんだ」

──現状はチーム・ラカイで練習できているのですか。以前は自宅のあるバギオからジムのあるラトリニダードに行くだけで、診断書の提出が必要だったと言われていましたよね。

「今はそこまで厳格ではなくなったよ。ああいうことを続けていると、皆が疲れ果ててしまうからね。今は診断書の提出などなくて隣町に移動できるよ。

とはいえ、従来と同じ練習ができるということじゃない。今はジムと家でしかトレーニングは許されていないからね。他の施設を使うことができないので、調整はどうしても必要になってくるよ。

練習に関しても人数制限があって、従来の30パーセントしか人が一か所に集まってはいけないんだ。チーム・ラカイもプロメンバー全員が集まって一緒に練習することはできない」

──それは正直、青木選手の置かれている状況とは相当に違いがありますね。

「でもね、こんな状況だからこそチームは一体化しているし、精神的にもタフになれている。凄くハングリーになっているよ(笑)。こんな状態で試合ができるんだ……勝利を目指して一直線だよ。

僕には家族がいる。子供は僕の背中を見て育つ。ただコロナが収束に向かうまで指を咥えて立ち止まっているなんてできない。ここで父親として強さを見せないと、何がダディなんだって。ただ生きながらえるだけじゃない、夢を掴もうとし続けないとね。

幸せになるためには、ちょっとした自己犠牲が必要になるってことも子供たちは学ぶだろう。だからこそ、人々は協力しあわないといけないと知るはずだ。それを子供たちだけではなくて、僕らも学んでいるんだよ」

──そんな気持ちを持って戦う青木選手との3度目の試合ですが、TNTライブ中継でなくリードファイトになりました。ONEの歴史を創ってきた2人のトリロジーが、アンダーカードとはどういうことだという気持ちはないですか。

「シンヤはメインカードで戦うべき選手だ。ジェイムス・ナカシマ戦で、あれだけの試合をしてのけた。きっと、ここ最近の僕の戦績のせいだろう……(苦笑)。それでもフィリピンではアンダーカードでも、十分に注目されている。試合順がどうなろうが、ベストを尽くして戦うことが一番だよ」

──午前中の試合になります。

「そこも踏まえて調整しているよ。きっと朝の9時半ぐらいに戦うんだ。とにかくベストを尽くす。それしかない。僕はまだライト級戦線のトップでやっていけることを証明したいしね。それをシンヤに勝つことで、証明してみせるよ」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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Interview ONE ONE TNT04 ONE119  グラチアン・サジンスキ エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦へ、離日前日の青木真也─03─「戦う選手は火事場泥棒にならないといけない」

【写真】スパーリングの合間に目を閉じて、何やら思案中の青木。イメージトレーニングか、前のスパーを回想しているのか (C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)に開催されるONE119:ONE TNT04でエドゥアルド・フォラヤンと対戦する青木真也インタビュー最終回。

『ノー』と言わない青木は、このカードがプレリミに等しいリードカードになったことをどのように捉えているのか。そして、改めてコロナ禍のファイトに対する考えを訊いた。

<青木真也インタビューPart.02はコチラから>


──そして自分の価値観を持ち続けたいということですよね。

「勿論です」

──そういうなかでセイジ・ノースカット戦の方が、フォラヤン戦より期待の声も高かったです。

「どうなるのかっていう興味も、その方が高かったですよね」

──それでもノースカット戦もフォラヤン戦も同じ意識で、がっかりすることもないと?

「ハイ。特に変わらず、です。この間のFight & Lifeで岩﨑達也さんとやらせてもらった対談での話と同じです。内に向いています」

──先日、Fight & Lifeで剛毅會空手の岩﨑達也氏と対談をしていただいたのですが、かなり武術空手の原理原則に食いついていました。

「アレは、マジです。ここ何年かのなかで秀逸なインタビューです。掛け値なし。Fight & Lifeを読んで、『また下に入ったんでしょ』とかって言う人間もいたけど、違う。『アレはお前、面白いんだよ』って。あれはホント。理屈がちゃんとあります。言われていることも間違っていないし。本当に面白かったです。

ちゃんと理がある。抜群。もっと岩﨑さんは格闘技を語る論客としてフォーカスされた方が良いかと思います。それは岩﨑さんのためにってことじゃなくて、業界のために」

──あそこまで話せるのは、青木選手の打撃に理屈が出来てきたからではないかと。

「何を言っているのか……というのはなかったです。組みも打撃も踏まえて、手の置いている位置の話とか。でも理屈は分かっても、俺には怖いからそれができないとかあって──楽しかったですね」

──なるほど。その打撃の理、戦いの理を持って挑めるフォラヤン戦ですが……、フォラヤンはONE第1回大会のヘッドライナーで、青木選手とはライト級王座を争ってきた間柄です。つまりONEの歴史でもある。その試合が本戦から外れたことに関して、どういうことなんだという想いは?

「ありますよ。あぁ、外れるんだって言う気持ちはあります。ただ、そこに文句を言っても変わるモノじゃないですし。『あっ、そういうことね』ってことで納得しちゃっています。文脈とか物語とか、分かる文化の人たちじゃないから。

出汁がある文化の人じゃない。そこは期待してもしょうがないと思っているのかもしれないです」

──TNTの米国中継用の大会というのもありますし。

「ヘビー級を投入して、なりふり構っていられない。それも分かっていますし。そうすべきだと思います。僕もフォラヤンもこれからメインストリームに入っていく選手じゃないし。上で組まれないことが悔しいとか、それは全然ないです。納得はしているんですけど、『おう、こう来たか。そういう風ね』と(笑)。

僕は労働者ですから。だから、そういうことも含めて自分のメッセージとして伝えることができればなと思います」

──木曜日の試合で、出発が土曜日。隔離期間も短くなったということですね。

「これは本当に助かりました。セコンドをお願いするのに現地で11日とかになると、気を使っちゃいます。それが1週間なら、まだお願いしやすいです。今回は宇野さんが修斗での試合が予定されているので、北岡さんにお願いしました。

北岡さんは付き合いも長いし、そこは阿吽の呼吸です。それでも10日間も付き合わせるのは、申し訳ないです。これまでも僕だけ先に入って、あとから来てもらったりしていたので。それがコロナでできなくて、束縛時間が長くなってしまって。滞在4日ぐらいで終わらせることができていたのが、7日、そして10日になると申し訳ないです。本当に」

──それにしても練習と試合の日だけなのですね、直接顔を合わせるのは。

「一切ないですね。宇野さんは毎日、トレッドミルで走っていましたね(笑)。まぁ、身の回りのことは全て自分でやっていますからね。僕は柔道文化の上下関係が苦手だったんです。だから、荷物を持たせるとか絶対にないですし。小間使いとセコンドと違いますからね。北岡さんも宇野さんにも、セコンドをお願いしているので。そうでないと、逆にしんどくなってしまいます」

──ONEは録画で試合を流し、試合カードも代わりまくっても発表がシレっと対戦カードが組み変わっているだけで、報じ方の時系列もメチャクチャになっています。それでも、現地で何が起こっているのかを考えると、本当によくこの規模の国際大会を開けているなと、ふと思うことがあります。

「回っている。北米とロシア、そして中東とONEしかできていないことをしていますからね。大陸間を越えた選手の行き来を、ここまで感染対策が厳しい国でやっているのは実はすごいことで。

でもコロナ禍の試合は参考試合だと思っています。今、大阪の高校は部活動が中止になっていて。じゃあ、高校総体をやったときにイコールじゃないじゃないですか?」

──東京は都立はダメで、私立はOKです。

「もう、まるで同じ条件ではない。大会ができても、出場している選手の条件が圧倒的に違う。対戦相手もどんどん代わる。これはやっぱりコロナ前とは違う。取り替えず、組めることをする。だから、参考試合──残念ながら、そういうことです。

言い方は悪いけど、火事場泥棒感はあります。そう思っているので、戦う選手は火事場泥棒にならないといけないです。そういうなかで一生懸命やれているので、楽しみです」

──零点に抑える投手戦を?

「ハイ。堅く、堅く。当然、試合なのでやられる怖さもあるけど、しっかりと立ち位置を取ってやりたいと思います」

──ナカシマとフォラヤンは全くタイプが違いますが、青木選手が勝つには組んで、極めること。打撃を貰わず、入る。そこに関して成長しているという感覚はありますか。

「それはあります。試合で戦っていても感じます。あっ、こういうことかっていうのが、理屈が分かってきたというか」

──先ほどの対談の件もそうですが、打撃について話す内容が以前と少し違ってきたような気がします。知識より、感覚が増えているというか。

「そうですね。自分のことが掴めてきて、距離感が違うというのが分かります。だから打撃を被弾しなかったんだというも、少しずつ分かってきています。だからこそ、そこが本当に分かっているのか不安です」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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Interview ONE ONE TNT03 ONE119  グラチアン・サジンスキ エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦へ、離日前日の青木真也─02─「ダウンは嫌だという教育は受けていない」

【写真】ロータス世田谷でのグラップリング練習が、試合前と試合後もさほど変わりがない。それが青木のMMAファイター人生でもある(C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)に開催されるONE119:ONE TNT04でエドゥアルド・フォラヤンと対戦する青木真也インタビュー第2弾。

青木真也はなぜ、『ノー』と言わないのか。この価値観が生まれた背景を青木が語った。

<青木真也インタビューPart.01はコチラから>


──イベントを成立させるため、仕事として。

「ハイ。独特な興行文化で、そこは日本的な感覚だと思います」

──そんななか青木選手はファンが『エドゥアルド・フォラヤンよりもエディ・アルバレスとの試合が見たかった』という意見を持ったとしても、気にならないということですか。

「そのような声があり、気にならないことはないです。でも、そことは違う魅せ方や世界観を創れるぐらいの自信があります。相手が立たなくても自分を曝け出して創る方法や、相手で創っていく方法もあります。リベンジ戦、因縁の決着戦という創り方もある。

そこは色々な意見を言ってもらえるけど、多様性を持って創造していきます。それがベストを尽くすということなので」

──そこに付随する勝敗については、どのように捉えているのですか。

「試合だからアップダウンは絶対に存在します。そこでアップにならないからやりたくないっていうのは、色々なところで見てきたけど……それは嫌な気持ちになってしまうんです。

平田樹がGPに出ることになって、色んな反応があったじゃないですか。あれってもうアップダウンで、アップすることだけを見て、ダウンするのを恐れているから出る反応で」

──興行という全体利益のなかで、勝負という個人の利益が存在する。致し方ないことですけど、それを個人でなく集団の反応があったことはなんか怖かったですね、個人的にも。

「ダウンを嫌がると、成り立たないですよ。ダウンは存在するし、アップだけじゃないと嫌だってなると、ジェイムス・ナカシマ戦なんて受けていないですよ」

──今やセイジ・ノースカット戦にしても、青木選手の実績を若い選手が奪いに来るマッチメイクで。それはプロモーションとしては、ごくごく正常な流れかと思います。

「そういう仕事ですからね。役割です。ダウンは嫌だっていうのは、僕が教わってきたことにはないです。それが僕の受けてきた教育なんです。PRIDEからDREAMで、あの役割で教育されたこと……断ることはできなかったです。『この試合は嫌だ』なんていうことは許されていなかった。

ケガをして、眼窩底骨折しても試合をするのが普通。だから、ケガをしないようにしようという務めることが当たり前になって」

──それが正しいとは思えないですが……。

「ハイ。良いか悪いかではなく、そういう風に教育されたんです」

──以前は対戦相手を問わず、誰とでも戦う。それが普通という時代もありました。そういう時代を経たからこそ、自分の下の世代にそうはさせたくない。『ノー』といえる環境を創りたいという風に思った人々もいるかと思います。

「それができるようになった人は……多分、俺ぐらい詰められていないッスよ。マジで。俺ぐらい詰められていない。絶対、それは言えます。

シャオリンとやりたくないって言ったら、赤坂プリンスに呼ばれてずっと帰してもらえなかった。そういうことをされていない」

──……、……。

「あの時はマッハに負けた次の試合で。やられた後にシャオリンでって……『約束、違うじゃん!! ダウンを飲んだら、アップをくれるって言ったじゃん!!』みたいな(笑)。この仕事で落ちたら、つぎはアップ下さいねって言う話をしていましたからね。『それ、なくないですか!!』って。

そうやって詰められたから、もう嫌で……呼び出されても行かなかった。そうしたら練習が終わった時に、ジムまで来ていた──とか。そういうことされていないから、断れるようになるんです」

──それはもう監禁で、今や出るところに出ることができる話ですね。

「JZとの2回目の時は、赤坂プリンスに半日いましたから」

──つまり青木選手は、当時は「ノー」ということがあったということですね。

「言っていました。『この状況で、1カ月後になんて試合できないです』って言っても『いや、やれ』、『やらなきゃダメ』、『ダメだよ、何言っているの?』って延々と続きます。だから、最後は折れるしかない(笑)。それは実は何度もありました。

今は亡き赤坂プリンスに詰められるなんてことを、誰もしていないから。教育されていないから、断ることができるんですよ」

──それは都合の良い教えであり、教え子にとっての学びではないですね。

「もう白虎隊みたいなもんですよ。ならぬことはならぬものです──みたいな。そういうのがない他の人とは、感覚が違うと思います」

──その経験、今からするとあって良かったということなのですね。

「ハイ、あって良かった。絶対にあって良かった。それがなかったら、強くはなれなかった。あれがあったから、シャオリンと戦って、また強くなれたし自分の中のMMAが進化しました。

DREAMの最初のころは『嫌だ』といっても詰められて、結局はやることになる……どうせなるから、もう諦めて『誰がどうなっても絶対にやる』という風に変わりました」

──『ノー』が通ったことは、なかったですか。

「ない。1度もない。立ち位置的に僕はないんです。ノーが通った人は逆に中心でなかったと思います。対戦カードが興行の都合で変わるなんて多々あったんで。

長嶋☆自演乙戦だって、最初にフィックスされていたのは青木✖川尻だったし。『ハイ、やりま~す』って言っていたら、『へっ? そうなの?』なんてことがあるので。そんなことは毎年ありましたから」

──ノーと言える方が良いのですが、ノーと言えない状況は人間を強くするなと思い返すことはできます。

「フリーライターって、ノーって言っちゃうと次が来ないってことですよね」

──そこは本当にそうで。20代の頃にそれを経験していると、45歳になってもノーとは言えなかったです。

「断れるっていうのは──甘えか、裕福か。この2つですよね」

──もう、その通りだと思っていましたね、実際に私も。ただ今では断りますし、何のためにやるのか──自分の役割は、自分のためになるのか、そこを考えてノーというようになりました。同時に次の世代にはノーといえる環境で仕事をしてもらおうとは思っています。

「そこができるキャリア、ノーと言える自信がついたということでしょうね。それと信頼感、信頼感があるとノーもいえます。でも、僕は『ファイターたるもの逃げちゃだめだ』とかっていう漢気でなくて、仕事だから断らない。

タクシーの運転手をしたら、近くだから下りてくださいなんて言わないし。藤田和之さんや石澤(常光)さんが『穴を空けちゃいけない』とよく言われていて。そこも教えてとして、感じてきたというのはあります」

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ライニア・デリダー(オランダ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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Interview ONE ONE TNT04 ONE119 エドゥアルド・フォラヤン ブログ 青木真也

【ONE TNT04】フォラヤン戦へ、離日前日の青木真也─01─「エディ・アルバレスでどうだっていう話も」

【写真】シンガポールへ向かう前日にいつも通りのグラップリングスパーリング──も、若干の心持の違いは伝わってきた (C)MMAPLANET

29日(木・現地時間)に開催されるONE119:ONE TNT04でエドゥアルド・フォラヤンと対戦する青木真也。

当初の予定ではセイジ・ノースカットと戦うことが決まっていたが、COVID19の治療後の後遺症により欠場となり、フォラヤンと3度目の対戦が決まった。

ノースカット戦の期待が高くファンからは落胆の声も聞かれたが、青木自身は対戦相手が代わろが精神的にも起伏はない──なぜ、そのような信条の持ち主になったのか等を日本を発つ前日、ロータス世田谷での練習前に青木に尋ねた。


──明日、シンガポールへ向かうということですが、色々と試合前からあったエドゥアルド・フォラヤン戦です。

「コンディションとかはスロー調整で無理なくやれているんで、悪くない気がします」

──北米基準というところでセイジ・ノースカット戦は楽しみだったのですが、ここでフォラヤン。もちろん、青木選手がもう『相手が代わるから、試合をしない』という選択はないことは十分に分かっているのですが……。

「ノーと言う文化がありますよね。そこは僕はあんまりないから」

──ノーとは言わなくても、気持ちの浮き沈みというのはなかったですか。

「それも正直言って、あまりないんですよ。なんで、そうなるのか自分でも分からないです」

──ノースカットが欠場、対戦相手はフォラヤンという風に同時に連絡があったのでしょうか。

「『セージ、欠場です。コロナのようです。実は秋山選手もケガをしていて欠場で、フォラヤンとやってくれという話ですが、断りますよね』というテンションだったんですけど、
僕としては『やる、やる』というだけで」

──結果的にタイナネスの名前がカードから消えていましたが、その日に出場予定だったローウェン・タイナネスやピーター・バウシュトでも『やる、やる』ですか。

「ハイ、変わりません。戦うことに関しては、変わりないです。その『やらない』という選択を最近の若い子はするじゃないですか? こういうことを言うと嫌がられるけど、皆断るじゃないですか。それって分かりやすくて、終わりを意識していないからです。永遠に続くと思っている。

右肩上がりで続くと思っているから、断るんです。あみだくじで当たりになるよう、はずれは引きたくないという風でいるから断る」

──キャリアが永遠ではない。終焉が近づいている。だから1戦、1戦を大切にして『ノー』という判断もあるかと思うのですが。

「終わりの意識が、そんなレベルじゃないです。明日できなくなる……この良い状態で明日はできなくなるかもという意識が明確にあるんです。それってどういうことなのかって色々な本とか読んでいると、限度が分かることが学問だという一文に辿り着いたんです。限りがあることを知るのが学問、つまり終わりがあるということじゃないですか。

終わりがあることを知るのが学問だし、有名な言葉では葉隠れの『武士道とは死ぬことと見つけたり』みたいな。これって戦時下で特攻隊に向かわせるために、死ぬことを厭わないという間違った使い方がされていますけど、本来は明日何があっても良いように悔いなく生きようということで」

──だからこそ、コイツとやっておきたいから急遽代わった相手とはやりたくないという選手もいるかと思います。

「僕が変わっているんですかね……」

──結果論としてエディ・アルバレスが出てきたオク・レユンなら、同じトリロジーの第3戦でも青木✖アルバレスIIIが見たいという声があっても然りですし。

「僕はフォラヤンでも、アルバレスでもイエスです。実際にラカイ勢から陽性が出たかなんかで、フォラヤンが難しければエディ・アルバレスでどうだっていう話も来ました」

──やはり、そういう話もあったのですね。

「ハイ。『ならエディとやります』と返答したけど、『やはりフォラヤンになりました』という風で」

──それだけのやり取りを感情の起伏なくできるというのは、やはり青木選手は普通じゃないです。

「やっぱり僕が変わっているんだ(笑)。まぁ、僕はアルバレスでOKだったけど、フォラヤンになったということはアルバレスが『ノー』だったと解釈しています。オク・レユンだったら、特別な対策をやらないで戦って圧勝ちできると踏んだんでしょうね」

──青木選手と戦うには、また違った準備が必要だと。

「僕はそう思いました。触らせない練習とグラウンドの練習が必要になるだろうなって」

──エディ・アルバレスがそういう判断だったとしても、十分に理解できます。

「僕は誰とでも戦う、試合を受けるという感覚が普通だと思っていたので」

──とにかく、その試合でゲインがどれだけあるのか。得がどれだけあるのかは選手も考えるところだと。

「そういうことしていると、得していますか?」

──そこでプロモーションとWIN WINなら得がありますが、自分だけがWINの試合をしていると、それは結局得になるのかは微妙かと思います。

「ですよね! そうやって得はしていない選手はたくさん見てきましたよ。そういう渡り歩き方をしようとした選手を見てきたけど、決して得していないと思いますよ。チャンピオンシップしか嫌だとか、そんなの自分に都合よく戦おうとしているのが透けて見えるから。そうなると、俺は価値がつかいと思います」

──「負けた時に後悔したくない」という気持ちは理解できますけど、コロナ禍では目の前のチャンスに飛びつくべきだと思っています。先日も澤田龍人選手が、去年の10月に勝った相手ミャオ・リータオと戦って負けた。イベントを助けたファイトで、ただ負けた試合よりロスは少ないかと。

「まぁ勝たないと、得も損もないですけどね。ベルトコンベアで流れたわけで。こういう言い方が正しいかは分からないけど、澤田龍人もプロレスラーになった。プロの競技者ではなくて、プロのファイターになったんですよ。仕事だからやりますよって」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月29日(木・日本時間)
午前9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
オク・レユン(韓国)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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【ONE TNT04】4月29日──青木真也✖エドゥアルド・フォラヤンはリードカードに。メインにログログ・イン

【写真】このグラフィックの上にメインのライトヘビー級選手権試合が組まれている。ONE米国進出のロジックが見える?! (C)ONE

20日(火・現地時間)、ONE Championshipの公式SNSより4月29日(木・同)に開催されるONE119:ONE TNT04のラインナップがアップデートされ、なんと青木真也✖エドゥアルド・フォラヤンがメインカードからリードカードに格下げになっていることが分かった。

同大会で青木はセイジ・ノースカットと対戦予定だったが、ノースカットはCOVID19の治療後の後遺症により欠場、同じく対戦相手の秋山成勲が負傷欠場となっていたフォラヤンと戦う。


その青木の試合がリードカードだ。ONEではホームページ上で22日中継のマラット・ガフロフ✖オク・レユンの勝者にエディ・アルバレスが対戦することをアナウンスしており、当然のようにエディの試合はメインカードとなる。

それにしても、まさかの青木✖フォラヤンのリードカード降格により、ヘビー級のウマウ・ログログ・ケニ✖キリル・グリシェンコがTNTライブ中継に加わった。

ONE初陣のとなるグリシェンコは、2019年に母国ベラルーシのミンスクで行われたレスリング欧州選手権グレコ130キロで優勝している猛者だ。特筆すべきは準決勝で世界王者のセルゲイ・セメノフを下している。

セネガル相撲の英雄とグレコ欧州最強の男のマッチアップは、興味深いといえば興味深いのだが、それでもONEライト級の歴史を紡いできた青木とフォラヤンの一戦がメインカードを外れるのは心穏やかではいらないのも事実だ。

米国市場はONEの未来。そこでは過去の実績よりも、ヘビー級がより重要なる──これが北米進出の事実ということだろう。

またMMAマッチでいえば、注目のローウェン・タイナネス✖
ピーター・バウシュトもなくなり、セイジの姉コルビー・ノースカットの相手が、ソヴァナリー・エムからコートニー・マーチンに変更されている。

■ ONT TNT04 対戦カード

<ONE世界ライトヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]オンラ・ンサン(米国)
[挑戦者] ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エディ・アルバレス(米国)
マラット・ガフロフ✖オク・レユンの勝者

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
ウマウ・ログログ・ケニ(セネガル)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
青木真也(日本)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<60.6キロ契約/5分3R>
コルビー・ノースカット(米国)
コートニー・マーチン(豪州)

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【ONE TNT04】セイジ・ノースカットが新型コロナでOUT。青木真也✖エドゥアルド・フォラヤンIIIが決定

【写真】青木✖フォラヤンIIIが決まった(C)MMAPLANET

12日(月・現地時間)、ONE Championshipの公式SNSより4月29日(木・同)に開催されるONE119:ONE TNT04で青木真也がエドゥアルド・フォラヤンと対戦することが発表されている。

同大会で青木はセイジ・ノースカットと対戦予定だったが、Breaking Newsと記されたSNSの情報ではノースカットは、COVID19の治療後の後遺症により欠場という文字が確認でいる。


ノースカットは新型コロナウィルスの影響で、内臓に問題が生じているという話も聞かれるだけに、しっかりと回復し元気な姿をケージで見せた欲しいものだ。

そんなノースカットに代わり、青木との試合が決まったフォラヤンも、この日は秋山成勲とのマッチアップが決定していたが、その一戦は秋山自身がSNSで負傷欠場を伝えていた。結果、青木とフォラヤンの3度目の対戦が決まったということになる。

2016年11月の初対戦はフォラヤンがTKO勝ちし、青木からONE世界ライト級のベルトを奪った。そして2019年3月には青木が肩固めでリベンジを果たし──フォラヤンがマーチン・ウェンに敗れ手放した後、ウェンの返上によりアミール・カーンとの王座決定戦で手にした──ベルトを取り戻している。

実のところ4月8日大会に出る予定だったラカイ勢もしくは、周辺からコロナ陽性者が出ており、フォラヤンはPCR検査を行い陰性だったことで、今日の発表に至っている。

青木はこの流れに対しても、「やります」という一言で返答したそうだ。と同時にMMAPLANETとのやりとりのなかでは「コロナ禍での試合は何が起こるか分からない。とりあえず、試合まで辿り着きます」という言葉も残している。

ここから二転三転あっても、驚かない。青木はそんな腹積りでいるということだろう。

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ACA Interview Special エルダル・エルダロフ ダニエル・オリヴェイラ ブログ マゴメド・ビブラトフ 岩﨑大河 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ~「日本の現状とこれから」

【写真】岩﨑大河のようにミドル級以上のこれからのファイターは、どのようにキャリアを積んでいくべきなのか。J-MMA界の構造論に青木の話は発展した (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年3月の一番、第三弾のACAバンタム級選手権試合=マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦からの──日本の現状について語らおう。

<青木真也が語るマゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラPart.01はコチラから>


──ロシアで2階級を取ってしまうブラジル人。そのブラジル人からベルトを取り返すロシア人……。

「なかなかできることではない。それだけ強い2人をぶつけてきましたね」

──何度も見返すことはない試合かもしれないですが、ライブで視て、本当に手に汗握る試合内容でした。

「僕は2回、見直すことができます(笑)。ずっと動いているし。アンダーでもフェザー級でイスラム・オマノフっていう10連勝した選手がいるんですけど、彼も同じようなスタイルなんですよね。オマノフも良い試合をしていましたね。凄く面白かった。彼のようなレコードが良い者同士をぶつけさせるのもACAの特徴ですよね」

──旧ソ連国家というべき、ベラルーシやアゼルバイジャンの選手の発掘、サバイバル戦も組んでいます。

「アゼルバイジャンとか、もう国境があるだけで民族はチェチェンとか、ダゲスタンで同じような気がします。ジムもアクマット・ファイトクラブ所属の選手が多いですしね」

──そこはBRAVE CFやUAE Warriorsにも当てはまりますね。

「中東とのパイプは強いですね。コロナ次第ですけど、1回、アクマット・ファイトクラブとかグロズヌイやマハチカラのジムに行ってみたいですね。どういう練習をしているのかって」

──そうなりますか(苦笑)。自分はコーカサスは避けたいです。言葉も通じないし、生き物として別物というか。

「ロシアは難しいというのは、正直ありますね」

──正直、怖いです。

「分かります(笑)」

──ダゲスタン人とか欧州人ファイターもいるKHKジムとかどうですか。

「バーレーンの?」

──ハイ、安全ですし言葉も通じます。BRAVE CFと同じKNKスポーツが所有&運営するジムです。イスラムですが、西側社会の習慣が通じそうですし。

「あのスーパーファイト級のチャンピオンが指導とかしているんですよね。エルダル・エルダロフだ。あれ、強いですよ」

──コナー・マクレガーの師匠のジョン・カバナウの先生も指導をしているようです。

「そうなんですねぇ。いやぁ、頭になかったです。でもダゲスタンとかチェチェンの選手がいるのは興味深いです。給料をもらって練習しているようですしね」

──ハイ、アマチュアのIMMAFで目立った選手をスカウトして、育てている。

「あぁ、これまでと根本が違うことをしていますね。世界大会でバーレーンの王族に拾われる子がいるなら、IMMAFは大切になってきますね。それは興味深い──行って見たくなっちゃいますね。

でも、めっちゃ練習させられそうですね。僕のようなスタイルは、あんまりいないし」

──それで金の延べ棒がもらえると最高じゃないですか(笑)。

「そこも十分にあり得るのが、違いますね。それにスーパーライト級っていう階級を作っているのも面白いですしね。そこはBRAVE CFで興味を持っているところです」

──実は北米MMAのレギュレーションでも階級は小分けにされています。ただし、王座を設けているプロモーションは存在しない。

「それって、どう思いますか。途中の階級ができることは? 日本だとそこまで人材がいないし、一つの王座を争うという部分で、もっと薄味になります」

──その通りですね。と同時に、王座はともかくスーパー階級ができて計量失敗が出ないようになれば良いなと思います。健康面もそうですし。日本の大会は計量の失敗は、全て選手に責があり、手売りのチケットの代金回収までそれが及んでいるという話をきくこともありますし。

「減量失敗をなくす。それも1つの方向性ですね。で、ベルトを狙う時とか、海外に行くときはスーパーじゃない上か下を選ぶ。女子レスリングのオリンピックと同じですね。

これから日本がどうなっていくのか。そこでいえば、重たい階級の選手……岩﨑大河選手とか、どうやってキャリアを積んでいけば良いと思いますか」

──コロナ終息後といいますか、海外との行き来が頻繁にできるようになり、隔離措置なしで試合にでられるようになれば、彼のキャリアにあったマッチメイクを組んでくれるところで経験を積むこと……ではないでしょうか。

「そうですよね? いや、良かった。僕もそう思っています。韓国とか、そういうところからですよね。日本でやっていても仕方ない。強くなれない」

──ハイ。今では日本のファンは素晴らしい、MMAへの理解があると外国人選手が言ってくれています。そういう良い部分を誇りにして、嫌な現実も見る必要があると取材をしていても痛感します。

「もう過去の栄光を首からぶら下げても食っていけない……。日本で食っていける基盤がなければ、海外に行く。他のスポーツでも普通にやっていることだし。MMAの重量級もそうだし、グラップリングもそういうことですよね」

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ACA Interview SHOOTO BRAZIL Special ダニエル・オリヴェイラ フィリッピ・フロイス フロド・カズブラエフ ブログ マゴメド・ビブラトフ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その参─ビブラトフ✖オリヴェイラ「相当な気合がないと」

【写真】UFC以外で日常的にロシア✖ブラジルのワールドクラスの攻防をACAでは見ることができる(C)ACA

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年3月の一番、第三弾は26日に行われたACA120からACAバンタム級選手権試合、マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラ戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年3月の一番、最後の試合をお願いします。

「マゴメド・ビブラトフ×ダニエル・オリヴェイラです」

──これから日本人がUFCと契約するには……という話で、一つの選択肢として名前が挙がったACAのバンタム級選手権試合でした。

「バンタム級とフェザー級(フロド・カズブラエフ✖フィリッピ・フロイス)と2つのタイトルマッチがあって、ビブラトフもカズブラエフもスタイルが似ています。ステップを踏んで、レスリング軸でパッと攻めて。後ろ回し蹴り3連発とか、謎ですけどね(笑)。

ロシア人あるあるなんですけど、ビブラトフで思ったのは組むことを厭わないことです。あれだけ組んでテイクダウンして、コントロールすると疲れないわけがないのに。

アルジャメイン・ステーリングが疲れたように。もちろん、自分のペースで戦っているというのはあると思いますけど、あそこまで徹底できる体力、何より5Rでアレをやろうというのはちょっと気合が違いますね」

──それは人知を超えたエクストラな要素の有無に関係なく、ですか。

「それは分からないですよ(笑)。使ったことないから」

──アハハハハ。「ア〇ルセックスって気持ち良いの?」って聞いているようなものですね。

「アハハハ、やったことねぇよって(笑)。ただし、5Rにアレをやろうというのは、相当な気合がないとできないです」

──対してベルトを失ったオリヴェイラは、ここ2試合ほどの100メートル走のダッシュでフルマラソンを走り切るというスタイルと比較すると、随分と動きを抑えていたように見えました。

「確かに、違っていましたね。その分、カズブラエフはもっと凄くて。テイクダウンをし、ガードの中からヒジをガンガン落としていました。あんなことをやっていると、絶対に疲れるだろうって」

(C)BELLATOR

──フロドはベラトール時代にマルロン・サンドロと戦っていた時は、もっと関節技とか駆使していたのが徹底したスタイルに変っていましたね。

「あぁ、トーナメントで優勝しているのにベラトールを離れたんですよね。ベラトールで負け無しで。でも、凄くタフな戦いをしていました。派手じゃないけど、好感が持てる試合でした」

※2013年6月、Bellatorフェザー級トーナメントを優勝した時点でのフロド・カズブラエフのインタビューはコチラから

──あのロシアン・レスリングMMAスタイルをベラトールでマゴメド・マゴメドフが貫くことができるのか。ACAでできていたことが北米でもできるのかが楽しみです。

(C)BELLATOR

「ちょっと落ちていくのか……。どうなんでしょうね。対戦相手の技量もあるし、分からないですよね。

(※4月2日のBellator255でシージェイ・ハミルトンにRNCで一本勝ち

あと負けたけど、オリヴェイラとフロイス。彼らも強いです」

──フロイス、ぜひともRIZINフェザー級GPに招聘してほしいです。日本人選手、厳しいんじゃないかと。

「勝てないですね。全然強いですよ。フロイスって修斗ブラジルの南米王者で、確かノヴァウニオン所属のはずです。オリヴェイラは別のチームだけど、ブラジルには修斗ブラジルがあるのは大きいですね」

──あまり詳しい経緯は分かっていないのですが、日本の修斗を頂点とする組織とは、一線を画した印象があります。日本の修斗がケージを解禁する前に北米ルールに切り替えていましたし。伝統と将来のバランスのとり方に関して、アンドレ・ペデネイラスは現実的でした。

「そうなんですね。修斗ブラジルというブランドなんだ。それ、面白いですね。人材育成大会として成り立っていて、修斗ブラジルはACAにもかなりブラジル人選手を送り込んでいますよね。そういう意味で、なんだかんだと『ここにもいるな、ブラジル人』って」

──サッカーでも欧州のプレイヤーが南米で活躍するかといえば、それはあまりない事例だと思います。でも、ブラジル人は世界中のリーグで活躍しているのと似ていますね。

「もちろん、外の方がファイナンシャルが良いというのがあるでしょうしね。それにブラジルは、修斗ブラジルやジャングルファイトにしても、強くするという点で信頼のおける人材育成大会です。ブラジル人同士の対戦で強くなれている」

──そこは日本との違いでもあるのですね。

「今、トップで強い国はしっかりと育成大会が機能しているということなんですよね」

──大会を開いて経験を積ませ、かつ篩に掛ける。そして、海外に送り出している。KSWのフェザー級チャンピオンもオーストリアのジムに所属して現地在住になっていますが、ブラジル人のダニエル・トーレスです。

「英国の大会でもブラジル人は出ていますしね。UFCに行ってなくてもACAに出ていく。チャンスに対して貪欲です。ロシアに行くと負けることも多い、でもオリヴェイラやフロイスのようにチャンピオンになる選手もいる。

ACAも意地があるから、ちゃんと2人を負けさせた。あの2人にしっかりと勝つ自国選手がいる。何もかも、違います」

<この項、続く>

【主な修斗ブラジル南米王者】

<ヘビー級>
グト・イノセンチ
グローバー・テイシェイラ
フランシマール・バホーゾ

<ライトヘビー級>
ホニー・マルケス

<ミドル級>
カイオ・マガリャエス

<ウェルター級>
ルイス・ハモス
エルナニ・ペルペトゥオ

<ライト級>
ヴィラミー・シケリム
ハクラン・ディアス
ホニ・トーレス

<フェザー級>
ヘナン・バラォン
ジョニー・エドゥアウド
ハオーニ・バルセロス
フィリッピ・フロイス

<バンタム級>
エドゥアルド・ダンタス

<フライ級>
ジョズエ・フォルミーガ
アドリアーノ・モライシュ
ホナウド・カンジド

<ストロー級>
ヤゴ・ブライアン

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