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【DEEP108】本田良介戦へ、杉山廣平─02─「負けたとしても胸を張れるような試合、そのために頑張ろう」

【写真】上の言葉は勝敗を度外視しているわけでは決してない。勝つために覚悟を決めた言葉だ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、本田良介と対戦する杉山廣平のインタビュー後編。

これまでの杉山のキャリアは、決して平坦なものではなかった。連勝のあとに連敗を喫すること3回――本人が言うとおり、他のトップ選手と比べてれば出遅れているのかもしれない。しかし、その差を埋めようと千葉へ移り、DEEP初戦で勝利を収めている。そこで杉山に心境の変化と本田戦について、そして今後の目標を訊いた。

<杉山廣平インタビューPart.01はコチラから>


――これまで杉山選手は3回、2連敗を喫しています。ご自身の中で1敗だけでなく2連敗となる要因は何かあったのでしょうか。

「ありますね。2連敗した理由というより、3連敗って結構キツいじゃないですか。だから3連敗は絶対に避けたい、っていうプレッシャーがありました。それと負けるたびに、何か得られるものや変わるものがありますよね」

――負けて得られるもの……それが2021年3月の伊藤戦でKO負けしたあと、千葉へ練習環境を移したことだったのですね。また、それまでパンクラスを主戦場としていて、昨年9月の駒杵戦からDEEPで戦うこととなりました。DEEPについては、どのような印象を抱いていましたか。

「当時はまだDEEPのフライ級が、それほど盛り上がってはいなかったですよね。だから印象というのは特になかったです。でも駒杵戦の日のメインが暫定フライ級タイトルマッチで、自分がRIZINで負けていた伊藤にも借りを返したいっていう気持ちがありました」

――そのDEEP初戦で駒杵選手に勝利したことは、ご自身にとっては大きな自信になったでしょうか。

「はい。正直、駒杵選手のことはよく知らなかったんです。でも噂では、結構強いぞって聞いていました。Fighting Nexusでチャンピオンになっていて、僕との試合がDEEP初戦で。僕もDEEPで試合するのは初めてだったし、強いという噂を聞いていたので、プレッシャーはありました。そのなかで勝ち切ることができたのは、すごい自信になりましたね」

――2連敗後のDEEP初戦、そして相手が他プロモーションの王者ということで、プレッシャーは大きかったのですか。

「そうですね……プレッシャーというか、格闘技って自分との戦いだと思うんですよね。試合の日に、いかに自分を出すことができるか――そこが勝負だと考えていて。あの日は自分に勝つことができたんじゃないか、という感じです」

――それまでの敗戦は、つまり自分に負ける時があったのですね。

「負けたらどうしよう、とか試合前に思うことがありました。試合で負けて泣くことも多かったですし」

――えっ、それは意外です。

「でもUFCとかを見ていると、負けた選手も胸を張っていて。最後は自分に勝った選手と握手をしているじゃないですか。最近は負けて引退する選手も多いけど、みんな胸を張ってケージを降りていますよね。自分もそうなりたいと思ったんです。そのためには、試合でしっかりと自分のパフォーマンスを出すことが大事なんじゃないのかな、って。だから、負けたとしても胸を張れるような試合をしよう、そのために頑張ろうと思いました」

――現在の練習環境であるパラエストラ千葉ネットワークには、軽量級の強豪が揃っています。そういった強豪との練習のなかで、自分に負けることもないですか。

「いや、もうね……自信を失くしますよ(笑)。アハハハ、でもその中でも自分との勝負だと思っているので。自分を磨くことができるように練習しています」

――なるほど。試合のお話に戻ると、初戦が駒杵戦で次が本田戦というのは、噂されるDEEPフライ級GPへの出場者決定マッチの様相を呈しており、かつ杉山選手への期待もうかがえます。そこで大事な一戦となる次の試合、本田選手の印象を教えてください。

「諦めない、すごく気持ちが強い選手だと思います。毎回激闘になって、そのなかで絶対に気持ちが折れない。たとえ怪我をしても勝ち切っている選手ですよね」

――本田選手も前の試合で駒杵選手に勝利しています。その内容は、まさに気持ちが折れずに逆転のKO勝ちを収めていました。お互いに同じ相手と試合をしているということで、見えてくるものはありますか。

「参考にするとしたら……今言われたように、前回は途中まで駒杵選手が勝っていた試合だったじゃないですか。最後、駒杵選手にミスがあってKOされたという感じで。僕は駒杵選手にフルマークで勝っていますよね。だから自分と本田選手では、レベルの差があるんじゃないかと思っています」

――では本田戦に向けて、意気込みをお願いします。

「相手は気持ちの強い選手です。また自分との戦いになると思います。ここでしっかり勝って、このフライ級でトーナメントが行われるなら、その火付け役になっていきたいです」

――本田戦、そしてDEEPフライ級での戦いを経て、その先の目標はありますか。

「今はDEEPのチャンピオンになることだけです。他は考えていないですね。DEEPのベルトを獲ったら、もうあんまりやりたくないですね(苦笑)」

――もうやりたくないとは?

「何て言うか、DEEPのチャンピオンになって、防衛し続けてチャンピオンのまま辞めたいっていう気持ちがあるんですよ。千葉に来て、それだけDEEPのチャンピオンになることに懸けていますから」

■パラエストラ千葉ネットワーク 鶴屋浩代表の杉山廣平評
「ウチに来て太田忍、怜や扇久保博正と組んで練習していて、今もどんどん強くなっています。楽しみにしてほしいですね。次もすごく良い試合になると思います」

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP108対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】教えて、佐伯さん─02─「なぜ本田✖杉山が2回戦?」「ユータ&ロック✖漢・中村大介の背景」

【写真】両者の対戦が決まった経緯を聞くと、さらに注目度が高まる中村大介✖ユータ&ロックだ(C)MMAPLANET

10日(日)、東京都文京区のTDCホールでDEEP108を主宰する佐伯繁代表インタビューPart.02。

潰し合い上等の勝負論だらけのマッチメイクが目立つ今大会において、力もあって上に行く可能性の高い選手の潰し合いがなぜ生じるのか。また、ある程度の実績残している実力者の顔合わせが、どうして2回戦なのかを尋ね──、ユータ&ロック✖中村大介という注目カードが決まった背景を話してもらった。

<佐伯繁インタビューPart.01はコチラから>


──そういう厳しいカード、典型的なのか雅駿介選手と海飛選手の顔合わせです。良い試合です。

「そうですねぇ(笑)。正直を言えば、海飛選手に関してはPOUNDSTORMでの試合が結構厳しいと思っていたんです。相手の鈴木崇矢選手が高校生で評判の良い選手で、当て感があった。でも終わってみれば完勝、KO勝ちできました。海飛選手もFKTで優勝したけど、プロになってからは2敗して順風満帆ではなかったです」

──ポテンシャルはあっても。

「ハイ。だから、簡単じゃないって自分でも分かっていると思います。雅選手もデビュー戦に勝ったけど、その後に負けが続いた。大阪でやっと勝てて。本当に厳しい戦いを続けていますよね」

──トントントンと行けそうな選手たちが、潰し合っている。

「ニューピアの大会だと、育てるマッチメイクもまだできます。でも後楽園ホールに出る選手は、どうしてもきついマッチメイクになりますよ。今回のTDCもそうですし、後楽園ホールの大会に選ばれて出場するというのはそういうことになります」

──厳しさついで言うと、本田選手と杉山選手のフライ級が2回戦でこの位置で行われる。この試合が3回戦でないのは勿体なさすぎます。

「アハハハハ。それねぇ、今、こうやってカードが揃うと3回戦にしたかったですよ。でもね、ぶっちゃけていうとマッチメイクが先に確定してしまって……。それから上の方で組もうと思っていた試合が2、3枚あったんですよ。だから2回戦にした。結果、その用意していた札が切れなくなったけど、もう何ともならない。新宿FACEだったらメインです。でもTDCホールで戦いたい気持ちもあるだろうし」

──その通りですね。それでも勿体ない(笑)。

「だって5分3R制の試合が15試合も並ぶと、見ている方も集中力を保てないですよ。お目当ての選手の試合が終わると、お客さんも帰ってしまいます。現実的に考えても、3回戦で組みたい試合も後楽園では時間も限られているし、何ともならない部分があるんです。でも今、思えば……3回戦でっていう風に考えちゃいますね(笑)。

と同時にですね、そこを指摘してくれるのは有難いですよ。選手にとっても、そういう評価があるんだってことですし。そういう通が好む試合をGPをきっかけにして、広く知ってもらいたい。そういう想いではいます。

だいたい僕はね、フライ級GPは去年からやりたいと思ってきたんですよ。でも、RIZINがやるみたいなことを言った時期があったので様子を見る必要が出てきた。RIZINでフライ級のトーナメントをやるのか。それともフェザー級なのか、あるいは女子なのか。正式決定まで時間が掛かる状態になっていたので……どうしてもTDCホールでフライ級GPの開幕戦を組むことができなかった。

それに本田選手と杉山選手に関しては、GPまでの流れをつくるうえでもっと前に組んでいて良かったかもしれないけど、両者の体調の問題もあって今回のTDCホールにタイミングが合ったんですよ。現状では両者の上に福田龍彌選手、伊藤裕樹選手たちがいます──序列的には。そういうなかで上がってくためには、試合をしていかないと。DEEPのフライ級は層が厚いですからね」

──待っていては上にはいけないということですね。フライ級GPに関しては、そろそろ正式発表があると踏んで……ここからは上の3試合についてお伺いしたいです。

「ユータ&ロック選手ですね、まずは(笑)。強さは誰もが認めていると思います。同時に地味でエンターテイメント性が少ない。一本勝ちもなかなかない。加えて『強いけど、あまり試合をしないね』という評判もある。そういう面も含めて、魅力的なんですよ。ただし、誰が対戦を受けてくれるかなというのはありました」

──幻の日本最強は皆に嫌がれると。

「ハイ。スタイル的にも抑え込まれて終わってしまう可能性がありますし」

──そこで中村大介選手だったのですね。

「ハイ、TDCでユータ&ロック選手が戦うとなった時に、すぐに中村選手の名前と顔が頭に浮かびました。正直言って、ユータ&ロック選手に対して何か仕掛けられる選手が、他に思い浮かばなかったです。それにユータ&ロック選手にとってオイシイ試合にもなります。だって、この試合に勝つと誰もが注目せざるを得ない状態になりますからね」

──中村選手に勝てば、これはもうタイトルンコンテンダーとして一目置かれます。

「そこはですね……ウチのチャンピオンがRIZINのチャンピオンなんで(苦笑)。まぁ、どういう風になっていくのか。そこでいえば、ユータ&ロック選手もRIZINフェザー級のなかに入り込む可能性も大きくなるでしょうしね。勝ち進めば、RIZINだってエイターテイメント性とか言えなくなってきますし」

──佐伯イズムじゃないですか。どれだけ注文をつけようが、結果を残した選手にはチャンスを与える。

「アハハハ。ただねぇ、今回に関しては中村選手もあまりユータ&ロック選手のことを知らなくて。で、オファーをした時に調べたようで。ちょっとヤバいと思ったんじゃないですかね、いつも二つ返事の中村選手が了承するまで少し時間がありました」

──いやぁ、興味深い!!

「それでも中村大介は受けるんです。ここから『前に進むためには』と」

──漢です。

「本当に戦い辛い相手だと思います。ただ試合に出ていないことでユータ&ロック幻想が大きくなりました。しかし、僕自身は前回の試合から期間があいているからどうなんだろうと疑ってはいたんです。そうしたら金原徳正選手から『摩嶋(一整)戦前に対策練習で、ユータ&ロック選手と練習していた』と聞いて……。準備もできてるじゃん。

こりゃあ、本当だと(笑)。できる選手じゃんってなったわけですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
中村大介(日本)
ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
野村駿太(日本)

<フェザー級/5分2R>
劉獅(日本)
鷹辰(日本)

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【DEEP108】シューター✖パンクラシスト?! 本田良介戦へ、杉山廣平─01─「試験観察の条件が……」

【写真】爽やかな笑顔、スタイルは組み技中心──でも、試合中に見せる気の強さ。そのバックボーンが今回のインタビューで明らかになった(C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108で、これがDEEP2戦目となる杉山廣平が本田良介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスを主戦場としてきた杉山は、RIZI参戦を経て昨年9月にDEEP初戦で駒杵嵩大に判定勝ちを収めた。前戦から約9カ月、今回の本田戦は噂されるDEEPフライ級GPへの出場権を賭けた戦いとなってくるに違いない。

その杉山は駒杵戦後、愛知県岡崎市から千葉へ活動拠点を移しパラエストラ千葉ネットワークで練習を続けている。本田戦を控えた杉山に、これまでのキャリアと、千葉に移った理由を訊いた。


――本田良介戦を控えている杉山廣平選手です。もともと愛知県岡崎市を拠点に活動していた杉田選手ですが、現在は千葉で練習しているのですか。

「はい。去年の11月から千葉に移って、パラエストラ千葉ネットワーク(以下、パラエストラCNW)で練習させてもらっています」

――どのような経緯で岡崎を離れ、千葉に移り住んだのでしょうか。

「去年の夏ぐらいに名古屋の知人と千葉へ遊びに来て、ついでにパラエストラ柏で練習させてもらったんです。そこからの繋がりですね。

もともと愛知県でも田舎のほうで、練習仲間も多くないなかで練習していました。そんななかでもタイへ3回ぐらい行かせてもらっていましたけど、前から東京に行ってみたいなとも思っていたんですよ。それで去年の夏に柏で練習させてもらい、すごく刺激をもらって、すぐに決めました。(千葉へ)来るなら、このタイミングだなって」

――昨年の夏ということは、9月の駒杵嵩大戦の前ですか。

「そうです。8月と9月、駒杵戦に向けたファイトキャンプとして来させてもらって、この試合が終わったら引っ越して来ようと思いました。それで11月に千葉へ」

――では前回の試合で、千葉で練習した成果は何か出ていましたか。

「成果は大きかったですね。取り組み方もそうですし、ここで練習したことで強くなることもできたし、気持ちの面でも変わった部分がありました」

――杉山選手といえば、組みの面では柔術ベースの印象を持っていました。しかし駒杵戦ではケージレスリングの展開のなか、バックコントロールで駒杵選手を組み伏せています。杉山選手のなかで、どのような変化があったのかと思っていました。

「そうなんです。レスリング力の強化は、大きく違いますね。パラエストラCNWにはレスリングが強い選手が多くて、それだけ強い人たちと組んでいたら、自分もレスリングが強くなれるんだなって思います。

ただ千葉に来てから負傷があって休んでいたので、なかなか試合ができなかったんですよ。だからこれだけ期間が空いてしまって。千葉に来てからガンガン試合したかったんですけど……」

――その間にDEEPフライ級が大きな盛り上がりを見せています。特に前回の駒杵戦が行われたDEEP103のメインはDEEPフライ級暫定王座決定戦で、藤田大和選手と伊藤裕樹選手の激闘を目の当たりにしていると思います。そのような現在のDEEPフライ級について印象を持っていますか。

「良いですよねぇ。盛り上がってきていて、トーナメントもあると言われていますし。自分はトップ戦線に食い込むのが遅れているので、早く上がっていきたいです」

――なるほど。では、これまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、まずMMAを始めたキッカケから教えてください。

「18歳の時に、小さいジムから始めました。これは記事にできるかどうか分からないんですけど……10代の頃は結構悪さをしていて」

――両肩のタトゥーを見ると、何となく想像はできます……。

「アハハハ、そうですよね。ぶっちゃけていうと成人でいうと執行猶予のような試験観察下にありました。試験観察が認められる条件が、健全な趣味に取り組むというようなものだったんですね。それで格闘技のジムに行ったのがキッカケです」

――健全な趣味ということは、どのようなスポーツでも良かったかもしれません。その中で格闘技を選んだ理由は何だったのですか。

「やっぱり悪い……ヤンチャな時代だったので、アウトサイダーとか地下格闘技を見ていたんですよ。ちょうどアウトサイダーが人気の頃で、自分も出たいと思っていました」

――結果、アウトサイダーには出場したのでしょうか。

「いえ、出ていないです。アウトサイダーに出たいと思って格闘技を始めたんですけど(笑)。最初のジムにいた頃はアマチュアで2試合ぐらいして、そのあとスプラッシュに移ってプロデビューしています」

――そういったキャリアからすると、打撃中心のファイトになる選手が多いかと思います。しかし杉山選手の場合は、柔術的な動きが特徴的でした。

「今でも、組み技ができることにビックリされることがありますね(笑)」

――アハハハ、失礼ながら見た目のイメージとは違うかもしれません。

「プロデビューして最初の2試合はKOで勝ったんです。でもスプラッシュの木部(亮)代表は柔術の黒帯を持っている方なので、自分も自然とそういうスタイルになっていったのかな、と思います。

何ていうのか……当時から、打撃より組み技のほうが強いんじゃないかと思っていました。もともとキン肉マンの影響でプロレスも好きでしたし、何でもありなら掴んで倒して、上になってボコボコにするほうが良いんじゃないの、って」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月10日(日)
午後2時30分~SPWN PPV
午後2時30分~ニコニコ生放送

■ 対戦カード

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 大原樹理(日本)
[挑戦者] 石塚雄馬(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
上迫博仁(日本)

<フェザー級/5分3R>
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ユータ&ロック(日本)

<バンタム級/5分2R>
渡部修斗(日本)
内山拓真(日本)

<フライ級/5分2R>
本田良介(日本)
杉山廣平(日本)

<女子ストロー級/5分2R>
ケイト・ロータス(日本)
ARAMI(日本)

<メガトン級/5分2R>
赤沢幸典(日本)
アンディコング(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
海飛(日本)

<フライ級/5分2R>
原虎徹(日本)
風我(日本)

<バンタム級/5分2R>
山本有人(日本)
濱口奏琉(日本)

<ライト級/5分2R>
泉武志(日本)
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<フェザー級/5分2R>
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【DEEP108】1年5カ月振りのTDC大会で大原✖石塚、北岡✖上迫。そして影の実力者ユータ&ロック参戦!!

【写真】3年の沈黙を破り、ユータ&ロックがフェザー級戦線に戻って来る(C)MMAPLANET

20日(金)、DEEPより7月10日(日)に東京都文京区のTDCホールで開催されるDEEP108 IMPACTのカード第一弾の発表があった。

昨年2月の20周年大会=DEEP100以来のTDCホール大会らしく強度高めのカードが明らかとなった。


まず大原樹里が、川名雄生を破った石塚雄馬の挑戦を受けDEEPライト級王座の防衛戦を行う。

そのライト級で現在2連敗中の北岡悟が、2020年10月にパンクラスで松本光史に敗れてから沈黙を守っていた上迫博仁と戦う。上迫にとってDEEP出場はフェザー級王座を失った2017年12月の芦田崇宏戦以来、実に4年8カ月振りとなる。

またパンクラス時代に現RIZINとDEEPフェザー級二冠王=牛久絢太郎、現バンタム級KOP中島太一、ONEファイターの中原由貴──修斗ではデビュー間もない頃に斎藤裕を破るなど、陰のフェザー級J-MMA最強の異名をとるユータ&ロックのDEEP初参戦も決まった。

対するはRIZINで山本空良に黒星を喫し、再起を図る中村大介だ。ユータ&ロックの力強いグライディングはいわば幹を制するMMA。対する中村の腕十字は枝をへし折るMMAだ。幹か枝か、注目度ナンバーワンのマッチアップといえる。

さらにメガトンでGPSの遺伝子を持つ赤沢幸典と酒井リョウ戦がくまれるなか、渡部修斗のキャリアのリスタート戦が組まれた2回戦ではフライ級で本田良介×杉山廣平が実現する。

2回戦で潰し合いをさせるのは、もはや理解不能と表現したくなる本田と杉山戦。このカードをサバイバル戦にするのであれば、佐伯代表が口にしていたようにDEEP内でフライ級GPの実現を望みたくなる。組んで削る本田と、一発の殺傷能力を持つ杉山の勝者はベルトに挑む権利を有してよいほどの一戦といえる。

またバンタム級で、後者が雅駿介×海飛も決まった。4月の大阪大会で連敗を脱出した雅と、同じく4月にPOUNDSTORMで勝利し戦績を3勝2敗と勝ち越した海飛の一戦はムエタイベースの雅に対し、極真ベースの海飛が近距離で攻勢に出られるかにかかっている。雅が中段回し蹴りをいかに受け、捌くかも非常に興味深い一戦となる。

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DEEP MMA MMAPLANET o 中本龍平 雅駿介

【DEEP CAGE IMPACT OSAKA2022】ウェルラウンダー雅駿介が、首相撲&TDで中本龍平に快勝

【写真】しっかりとテイクダウンし、コントロール&バックも制した雅が連敗を止めた(C)SHOJIRO KAMEIKE

<バンタム級/5分3R>
雅駿介(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
中本龍平(日本)

左ローを蹴る雅、中本は左ジャブを差していく。中本は右ローを蹴ると、右を伸ばす。反応して下がった雅が、左前蹴りを入れてローに繋げる。中本の右オーバーハンドは空振りになり、雅はケージ中央を陣取り左ハイを見せてから組みつく。ボディロックで一気にテイクダウンを奪った雅は、ハーフで抑える。スクランブルから立ち上がった中本、打撃の間合いに戻った雅が右ローを蹴る。1分を切り、中本がジャブを当てる。そのステップインにカウンターを狙う雅が左ミドルから、右を蹴りって左ジャブ。テイクダウンを取った雅が初回を取った。

2R、雅は左ジャブ、中本は踏み込んで左フックを見せると、ワンツーで右を当てる。攻撃を纏められそうになった雅は、一旦離れた中本に右を伸ばす。雅が出てくるところに左フックを合わせようとした中本は、ダブルレッグを切るが雅がワンツーで詰める。右を入れ、テイクダウンのフェイクから右を雅が伸ばす。中本は下がりながらだが、左を振るい右オーバーハンドで前に出る。

ガードした雅は、右フックで前に出て回った中本に追撃を狙う。残り90秒、左を当てた中本は組まれてバックを許す。スタンドで足を四の字フックに取った雅は前方に落とされないようスロエフ・ストレッチから殴ってい着地。

パンチの応酬のなかで、首相撲からの崩してテイクダウンを奪った雅がエルボーを落とし、この回も取った。

3R、あとの無い中本が右を振るって前に出る。雅も譲らず、圧を掛けてローから組んでいく。ボディロックでケージに押し込んだ雅のヒザが急所に入り、試合が中断。ケージ中央で再開されると、すぐに雅がシングルレッグでケージに詰めて首相撲に移行する。掴まれないようヒザを入れ、ここも崩してトップを奪取した雅は足を捌いてパウンドを振り下ろす。

このタイミングで立とうとした中本のバックを取った雅は、胸を合わされてもボディロックからバックに回り、前方に崩すと四の字フックでバッククラブを完成する。RNグリップ、パームトゥパームで絞める雅は、グリップを解くと右の鉄槌へ。上体を起こし、前方に振り落とした中本だが、直後にボディロック&小外テイクダウンでテイクダウンを奪われる。残り1分を切り、スクランブルで立ち上がった中本は組みつく雅のワキを潜ってバックへ。

胸を合わせてきた雅から離れた中本は、パンチを振るうがギロチンに捕えられ引き込まれたところで時間となった。ムエタイ国内3冠王に拳の圧を掛けた中本だが、首相撲&崩しとボディロックテイクダウンで雅が3-0の判定勝ちを手にした。


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DEEP MG眞介 MMA MMAPLANET o パク・シウ パンクラス 中本龍平 中村晃司 前田吉朗 北方大地 林RICE陽太 柴田MONKEY有哉 渋谷カズキ 潤鎮魂歌 藤原大地 雅駿介

【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】藤原大地─02─「やりたいと思ったことは、やったらいい」

【写真】本日行われた計量で、藤原大地は61.0キロ。MG眞介も61.15キロでクリアしている (C)FREEKS

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催される『前田吉朗引退興行』で、MG眞介と対戦する藤原大地のインタビュー後編。

ラーメン店の開業から会社の経営者となり、成功を収めている藤原大地が、今年に入ってMMAに復帰した。そんななかで届いた、かつてパンクラス稲垣組で苦楽を共にした前田吉朗の引退興行参戦のオファー。ここでは藤原が語る前田吉朗への熱き想い、そしてMMAに限らず人生で迷っているかもしれない人たちへのメッセージをお届けする。

<藤原大地インタビューPart.01はコチラから>


――精神面に関するお話がありました。一方、技術面に関して今も戦えるという自信のようなものは……。

「無いですよ(笑)。でも――自分がどこまでできるのか、っていうチャレンジなので。テレビで観ていても、今のMMAの技術ってすごいじゃないですか。技術面に関して、自分は全く追いついていないなって思います。でも自分がやりたくて、やっているので」

――格闘技をやりたいからやる。至ってシンプルですね。

「自分が出ることで、若い選手のチャンスを潰してしまうんじゃないか。そう考えたこともあります。今回はたまたま、前田吉朗の引退試合ということでDEEPからオファーをもらったんですけど、そうじゃなかったら出ていないかもしれないです。ただ、若い選手ではなく僕にオファーにあったというのは、まだ僕に魅力を感じてくれているんだな、と思ったんですよ。だから若い選手のチャンスを潰すということよりも、まだ自分にチャンスがあるならやってみようと考えました」

――やはり前田吉朗選手の引退興行というものに対して、想うものは大きいですか。

「それは大きいです。前田吉朗の引退興行じゃなかったら、このタイミングで試合していないですね。もっと間を空けたかったです」

――……。

「前の試合が1月末――中2カ月で試合をするのは、10代や20代前半の試合スパンだと思うんですよ。前田吉朗の引退興行でなかったら、そのままWardogで細々と、コツコツ試合していたと思います」

――前田吉朗選手は、藤原選手にとってどのような存在なのでしょうか。

「偉大な存在です。人しても偉大やし、身近なカリスマっていう感じですね。もう結婚もしてはるし、今の私生活は知らないですよ。でも昔の私生活はブッ飛んでいたんで。一緒にパチンコを打っていて、僕に良い当たりが出ると横で叫び出したりとか(笑)」

――アハハハ、ブッ飛んでいますね。

「でも本当に漢気がある人で。真剣な時は絶対に間違ったことを言わない。仲間想いで、誰よりも稲垣組のことを考えてきはった人なんで。それが今回こうして、同じケージの中に立てるっていうのは嬉しいですね。ホンマに……お疲れさまでしたって伝えたいです。負けたらマイクを持つこともできないかもしれないですけど(苦笑)」

――現在も前田選手と交流はあるのでしょうか。

「この間、前田吉朗の新しいジム(ENCOUNTER大阪)へ挨拶に行ったんですよ。そこで『何とか復帰して、吉朗さんの引退試合に間に合いました』と言ったら、『逆に、オレがよく待ったとは思わんか?』って笑われました。……そう言ってもらえて、すごく感慨深いです」

――熱い話です。その前田吉朗引退興行で対戦する、MG眞介選手の印象を教えてください。

「ムチャクチャ好青年やな、と思います。好青年なんやけど、試合になったら気合いを入れて、覚悟を持って戦うタイプなんかなって。こういう選手と試合できるのは、すごく嬉しいですね」

――MG眞介選手は年齢も藤原選手とはひと回り以上離れており、KO勝利も多いファイターです。

「怖いですよ(笑)。あと、対戦するのが自分で良いんかなっていう感じです。向こうからすれば、オイシイ相手でもないし。かといって自分も踏み台になるつもりはないので、ただ淡々と試合をするだけですね。殴られるのは嫌やなぁと思いながら(笑)」

――藤原選手としてはMMAに復帰し、今年からコンスタントに試合を行っていきたいのでしょうか。

「今はまだ減量末期なので、2度と試合したくないと思っています(笑)。たぶん試合が終わったらまた考える、っていう感じですね。これからどこまでモチベーションが続くのか、それは自分がやりたいかどうかだけの話やと思うんで。試合したいと思ったら、もっと試合を組んでくれって言うやろうし、試合したくなかったら『声かけんでくれ』っていう雰囲気になると思います(苦笑)」

――なるほど。最後に、MMAPLANETの読者の皆さんへ、試合への意気込みやメッセージをお願いできますか。

「メッセージ……やりたいと思ったことは、やったらいいですよ。いろいろ周りから言われても、自分の人生なので、やりたかったらやらないと。本当にやりたいことがあるのに、いろいろ言い訳をしてやらないのは損だよ、って伝えたいですね」

――藤原選手は、その想いでラーメン店を開業し、成功して再びMMAを戦うわけですね。

「そういう人生を送ってきているので、僕は幸せですよ。好き勝手やればやるほどシンドイけど、そのぶんメッチャ楽しいっていう、振り子のようなものやと思います。苦労すれば苦労するほど、楽しいことが待っている。どうせ苦労するなら、好き勝手やって苦労したほうがいいじゃないですか。ホンマにやりたいことをやっていたら、シンドイこともメチャクチャあります。でも絶対、そのぶん楽しいから」

■DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後12時30分~Twit Casting LIVE

■「Yoshiro Maeda retirement」視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後4時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022 計量結果

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉:56.8キロ
渋谷カズキ:57.15キロ

<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ:48.9キロ
古賀愛蘭:48.5キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.8キロ→61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.45キロ
上荷大夢:61.6キロ

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
チハヤフル・ズッキーニョス:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
井上暉也:61.45キロ
金森功祐:61.7キロ

<フライ級/5分2R>
亮馬:56.85キロ
中山陸斗:57.1キロ

■「Yoshiro Maeda retirement」計量結果

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
稲垣克臣:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
北方大地:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
砂辺光久:──キロ

<ストロー級/5分3R>
潤鎮魂歌:52.2キロ
木戸脇広樹:52.15キロ

<ライト級/5分2R>
木村俊也:70.15キロ
林RICE陽太:69.85キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原大地:61.0キロ
MG眞介:61.15キロ

<フェザー級/3分3R>
中村晃司:65.85キロ
堂園悠65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
山﨑鼓大:61.6キロ
上田祐起:61.15キロ

<バンタム級/3分3R>
延命そら:61.5キロ
フェルナンド:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
亮我:56.5キロ
梅永海世:56.75キロ

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【Yoshiro Maeda RetirementMemorial Event】MG眞介と対戦藤原大地─01─「昔の自分はただの若造」

【写真】38歳になった藤原大地。ZOOMの背景にもしっかりと──会社名をアピール。関西二郎系の雄と呼ばれるラーメン店を店舗展開する藤原大地が、稲垣組の先輩の引退興行で戦う (C)SHOJIRO KAMEIKE

10日(日)、大阪市北区の梅田ステラホールで開催される『前田吉朗引退興行』で組まれたDEEP公式戦で藤原大地がMG眞介と対戦する。

藤原は2003年にパンクラス稲垣組からプロデビューし、2008年9月のパンチィー山内戦を最後にリングを離れ、大阪・東淀川区でラーメン店『歴史を刻め』を開業した。その後、2011年に一度、ライジングオンでMMA復帰を果たすも、2012年以降はグラップリングマッチの出場のみとなっていた。

一方で、『歴史を刻め』は人気ラーメン店となり、藤原は『株式会社元気ですか』を設立。現在は系列店を含め11店舗を展開する経営者と活躍中だ。そんななかで、今年1月30日にWardogでMMAに復帰し、さらに今大会へ参戦することになった経緯とは?

試合直前、藤原がこの10年間について語る。


――今回は計量前日に取材を受けていただき、ありがとうございます(インタビューは4月8日に行われた)。しかも水抜き直前という状態で……。

「大丈夫ですよ。こちらこそ、ありがとうございます」

――藤原選手は今年1月に、Wardogの舞台で11年ぶりにMMAを戦い、せーた選手を相手に1R0分49秒で一本勝ちしています。続いて今回の試合に至るわけですが、なぜ再びMMAを戦おうと思ったのでしょうか。

「シンプルに『格闘技をやりたい』という気持ちがあったからですね。もともとWardogの柿原勇気代表とは、古くからの付き合いなんですよ。2008年――パンクラスに出場している頃から、僕はラーメン屋をやりたいという夢があり、柿原代表は自分のジムを出すことと、自分の大会を開くという夢があって。お互いに夢を叶えて今に至り、そこで僕は柿原代表のジム(U.B.F)と大会でお世話になろうと思った次第です」

――ラーメン店『歴史を刻め』を開業した当初から、MMAは続けるつもりだったのでしょうか。

「いえ、もう格闘技はやらないつもりでした。それでもお店を始めてから、2011年にライジングオンでMMAに復帰しています。そのあとはグラップリングの試合に、チョコチョコ出るというぐらいでした。やっぱり格闘技が好きなんですよね。

ライジングオンの頃は現場、お店で仕事をしながら試合をしていたんですけど、ラーメン屋も店舗展開が始まって(系列店も含めて11店舗を展開)、今は会社の経営に専念している状態です。そこでもう一度、格闘技をやるタイミングはどこなんだろうかと考えていたんですけど……。コロナ禍の影響で一昨年から融資を受けやすくなって。

とにかく会社にキャッシュを置いておかないと、会社が回らなくなる可能性があるので、たくさんお金を借りたんです。すると今はキャッシュに余裕がある状態で、もう一度格闘技をやるなら、まだキャッシュがあるうちに……と思いました」

――それだけ、この10年間は再びMMAをやりたいという気持ちを抱えていたのですね。

「はい。もちろん、もう格闘技はやらないという選択肢もありました。でもRIZINとかを見ていると、何か気持ちが上がってきたんです(笑)。特に自分が戦っていたバンタム級が盛り上がっていて、刺激になりましたよ。やっぱり階級が同じやと、自分と重ねて見てしまいますね。今のパンチは僕なら食らっているな、とか。今のタイミングやったら、自分はこうするなとか」

――なるほど。

「その中で、昔の自分ではなく今の自分が試合に出たら、どうなるのか。体力的なことや技術的なことではなく、精神面に関して試してみたくなったんです。自分で商売をしてきて、すごくシンドイこともありました。それを乗り越えた今、だいぶ精神的に強くなったんじゃないかな、って思ったんですよ。

昔、格闘技をやっていた頃の自分はただの若造じゃないですか。やっぱり落ち着きもないし、自分を大きく見せようとするし、相手にかみつくし……(苦笑)。でも今の自分が試合に出ると、どんな動きができるのか、そして精神面はどうなんやろうなって」

――そんな昔の自分自身を、今見ると……。

「ビビってんのに、そんなに強がらんでいいやん、って(笑)。自分は人一倍怖がりだと思うし、怖がっていることを隠すために虚勢をはっていることが、すごく分かります。でも会社を経営していたら、どれだけ虚勢をはっても結果は結果ですからね」

――ラーメン店を経営しながらグラップリングマッチに出ていた当時の練習環境は、どのようなものでしょうか。

「試合の1カ月前から2、3回練習してグラップリングマッチに出たりとか……そんなレベルです(苦笑)。27歳の時にライジングオンで復帰した時は、下新庄のお店の2階を改造して、練習できるようにしていました。6畳一間の壁に畳を貼り、床はジョイントマットを敷いたところに、深夜2時から練習できる人を集めて」

――ラーメン店の現場の立ちながら、仕事と練習の両立はできていたのですか。

「いえ、できなかったです。でもその限られた環境で、どれだけできるのか。それは僕次第やと思っていたんで。その中で最大限のことはできたかなと思います」

――その頃から、練習環境や練習内容は変わってきているのですか。

「正直、当時のほうが練習できていたんじゃないかなと思いますね。抱えている従業員の数も、当時とは全く変わってきたので。今は従業員がパート、アルバイト含めて60人以上います。そこで少し問題が起こっても、僕が出ていかなアカンこともありますし。従業員の悩みを聞いたり、店舗回りもある。銀行に行ったり、業者さんとのやり取りもあります。

それと今の立場になってからなんですけど、経営者の会みたいなものに参加していて、そこの中の役割もあるので。だから、ホンマにその隙間の時間で練習するしかないんですよ」

<この項、続く>

■DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後12時30分~Twit Casting LIVE

■「Yoshiro Maeda retirement」視聴方法(予定)
4月10日(日)
午後4時30分~Twit Casting LIVE

■ DEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022 計量結果

<フライ級/5分3R>
柴田MONKEY有哉:56.8キロ
渋谷カズキ:57.15キロ

<49キロ契約/5分3R>
パク・シウ:48.9キロ
古賀愛蘭:48.5キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.8キロ→61.7キロ
雅駿介:61.65キロ

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹:61.45キロ
上荷大夢:61.6キロ

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
チハヤフル・ズッキーニョス:66.2キロ

<バンタム級/5分2R>
井上暉也:61.45キロ
金森功祐:61.7キロ

<フライ級/5分2R>
亮馬:56.85キロ
中山陸斗:57.1キロ

■「Yoshiro Maeda retirement」計量結果

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
稲垣克臣:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
北方大地:──キロ

<Yoshiro Maeda retirement exhibition>
前田吉朗:──キロ
砂辺光久:──キロ

<ストロー級/5分3R>
潤鎮魂歌:52.2キロ
木戸脇広樹:52.15キロ

<ライト級/5分2R>
木村俊也:70.15キロ
林RICE陽太:69.85キロ

<バンタム級/5分2R>
藤原大地:61.0キロ
MG眞介:61.15キロ

<フェザー級/3分3R>
中村晃司:65.85キロ
堂園悠65.75キロ

<バンタム級/3分3R>
山﨑鼓大:61.6キロ
上田祐起:61.15キロ

<バンタム級/3分3R>
延命そら:61.5キロ
フェルナンド:61.35キロ

<フライ級/5分2R>
亮我:56.5キロ
梅永海世:56.75キロ

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【DEEP CAGE IMPACT in OSAKA & Yoshiro Maeda Retirement Memorial】4月10日、前田吉朗引退興行

【写真】第一部のメインは渋谷と復活・柴田モンキーのフライ級タイトル戦線生き残りマッチとなる (C)MMAPLANET & KEISUKE TAKAZawa

24日(木)、DEEP、PANCARSE OSAKA & DEEP OSAKA実行委員会より4月10日(日)に大阪市北区の梅田ステラホールでDEEP CAGE IMPACT in OSAKA2022と「前田吉朗引退興行」が二部制で開催されることが発表されている。

DEEPとパンクラスのケージ大会が大阪で開かれるのは2019年11月17日の天王寺・大阪国際交流センター大会以来、コロナ禍では初めてとなる。

そして13時開始のDEEP、17時開始の前田吉朗引退興行──2つイベントが行われる会場が、前田がプロ3戦目を戦うなど90年代終盤からパンクラス大阪大会のホームといえる梅田ステラホールだ。


そんな2部制大会、1部のDEEPでは柴田MONKEY有哉が渋谷カズキと対戦するフライ級がメインで組まれた。柴田は2019年6月に神龍誠との暫定王座決定戦に敗れて以来の実戦復帰となる。対戦相手の渋谷も昨年2月に藤田大和と暫定王座決定戦を戦っており、今やDEEPで最も層が厚いといっても過言でないフライ級戦線で生き残りを賭けた一戦となる。

そんな柴田だが、練習仲間の川原波輝によると「めちゃくちゃ、グラップリングが強くなっている」とのこと。岩崎正寛率いるカルペディエム芦屋のグラップリング練習会に参加し、組み力が圧倒的に上がっているという柴田が、フィジカル&バランス・グラップリングの渋谷とどのような戦いを見せるか──ポスト神龍誠×藤田大和のDEEPフライ級戦線を占う上でも楽しみな一番だ。

同大会では3月のDEEP JEWELS出場予定だったが、コロナ感染の影響で欠場となったパク・シウが出場し、同大会で対戦が決まっていた古賀愛蘭とのマッチアップが改めて決まった。

さらにムエタイ国内3冠王からMMAデビューも連敗中の雅駿介と中本龍平のバンタム級戦まで3回戦で組まれている。またメインで前田が後輩・北方大地と引退エキシビションで合いまみえる夜の部はDEEP公式戦が3試合、パンクラス公式戦が3試合で構成されている。

結果、潤鎮魂歌×木戸脇広樹のストロー級戦は5分3Rのサッカーボールキック有り=DEEP公式戦。木村俊也×林RICE陽太のライト級戦=5分✖3Rはパンクラス公式戦でサッカーボールキック禁止、1月にWARDOGでMMA復帰を果たした藤原大地とMG眞介と延命そら×フェルナンドのDEEP公式戦2試合は5分✖2R、中村晃司×堂園悠、山﨑鼓大×上田祐起のパンクラス公式戦は3分✖3Rと、様々ルールセットが見られるイベントとなる。

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1.23『石渡伸太郎引退興行 漢塾~継承~』石渡伸太郎 vs. 扇久保博正スペシャルエキシビションマッチ他動画



 1月23日にニューピアホールで開催された『石渡伸太郎引退興行 漢塾~継承~』で行われた石渡伸太郎 vs. 扇久保博正スペシャルエキシビションマッチの動画です。




 中村K太郎&アキラ vs. 卯都木豪&奥野泰舗スペシャルグラップリングタッグマッチ動画。








 上田直毅、ガッツ天斗、雅駿介、風間敏臣 出場の1DAYトーナメント動画。


石渡伸太郎引退興行 1.23 ニューピアホール(レポ):風間敏臣、2連続1R一本勝ちでバンタム級1DAYトーナメント優勝。石渡伸太郎、扇久保博正と引退エキシ(バウトレビュー)

 試合結果はこちらを参照。続きを読む・・・
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DEEP102 MMA ONE ROAD FC 中村大介 原虎徹 吉野光 大原樹里 大木良太 山本聖悟 海飛 牛久絢太郎 藤田大和 雅駿介 鶴屋怜

【DEEP102】計量終了 暫定フライ級王者・藤田大和は山本聖悟と。キャリア3戦目までの新鋭フェア勃発!!

【写真】ノンタイトル戦でしっかりと結果を残したい藤田。山本は9月のRoad FCをターゲットに王者狩りを目指す?! (C)DEEP

3日(土)、明日4日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP 102の計量が中野区の中野サンプラザで行われた。

タイトルマッチ3試合を含め合計9試合=18人の出場選手、全員が問題なく計量をパスしている。


タイトルマッチは暫定王座決定戦を含め3試合、さらに暫定フライ級チャンピオンの藤田大和はノンタイトルマッチで、Road FC活動再開に意気上がる山本聖悟と対戦する。

新しい力の台頭が目立つDEEPにあって6月のニューピアのナンバー大会で対戦相手の計量失敗で、デビュー2戦目が不戦勝となった鶴屋怜、同じニューピアでも東京インパクト大会でギロチンで一本勝ちデビューを果たした海飛は、2週間のインターバルで連続出場となった。

さらに国内ムエタイ3冠から、2月のDEEP100でデビューした雅駿介も2度目のMMAに臨む。さらに雅の同門=原虎徹と戦績3戦以内の注目株が前半戦にズラリと並んでいる。原の相手、吉野光はDEEP初陣。2月のRoad to ONE04で野瀬翔兵という修斗期待の新鋭を破った吉野は、今回はDEEP期待の原を潰しにかかる。

形容の仕方は悪いが、デビュー間もない選手たちの品評会──光るのは誰だ?!

■視聴方法(予定)
7月4日(日・日本時間)
午後5時30分~PPV SPWN

■ DEEP102計量結果
※赤字の選手名をクリックするとインタビューに飛びます

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]牛久絢太郎:65.6キロ
[挑戦者]中村大介:65.6キロ

<DEEPミドル級選手権試合/5分3R>
[王者]水野達也:83.8キロ
[挑戦者]ジョアォン・バティスタ・ヨシムラ:83.85キロ

<DEEP暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
大原樹里:70.25キロ
大木良太:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
藤田大和:57.05キロ
山本聖悟:57.2キロ

<バンタム級/5分2R>
雅駿介:61.7キロ
RYUKI:61.2キロ

<ライト級/5分2R>
大山釼呑助:70.55キロ
泰斗:70.1キロ

<バンタム級/5分2R>
原虎徹:61.3キロ
吉野光:61.4キロ

<67キロ契約/5分2R>
海飛:66.7キロ
佐藤勇駿:65.55キロ

<フライ級/5分2R>
鶴屋怜:59.5キロ
荒木凌:59.5

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