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【RIZIN DECADE】芦澤竜誠と本能の戦いへ。福田龍彌「単純にどっちが強い生き物か。それだけの話」

【写真】RIZINがなければ交わらなかったであろう福田と芦澤。しかし戦いの思考やファイトスタイルなど間違いなく噛み合う2人だ(C)TAKUMI NAKAMURA

31日(火)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN DECADEの第2部=RIZIN49で福田龍彌が芦澤竜誠と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

2024年はバンタム級に階級を上げ、雅駿介と瀧澤謙太を1Rで仕留めている福田。今年の大晦日RIZIN49の最後の追加対戦カードとして芦澤と対戦することが決まった。

対戦相手の試合映像を見て対策を立てることに時間を割くのではなく、自分のクオリティを上げて対戦相手の向かいった時の感覚で戦う。本能に任せた戦いで強さを発揮するという意味では福田と芦澤には共通するものがある。福田自身も「単純にどっちが強い生き物かっていう、それだけの話」と語る。


――大晦日での芦澤戦が発表されて、周りの反響も大きかったのではないですか。

「周りの反響は大きいですね、特に大晦日というところで。『やっぱり大晦日出るんですか!?』って感じでしたね。芦澤戦というより大晦日みたいな。みんなそこなんやなと思いました」

――福田選手自身も大晦日のオファーは意外な部分もありましたか。

「もしかしたら試合があるかもみたいな感じだったんですけど、フライ級まで落とすのは無理やなと思っていて。そしたら(大晦日は)難しそうな感じやったんで、オファーをもらった時はびっくりしましたね」

――今年から本格的にバンタム級で試合を続けていますが、バンタム級に照準を絞ってやきたいと思っていたのですか。

「今年はそうっすね。今年はフライ級の話が来そうになかったんで、それやったらバンタム級で開拓していこうと思っていました」

――同じバンタム級とは言え、芦澤選手と対戦することは想像していましたか。

「全然想像してへんかったし『ええ?マジで?』みたいには思いました」

――カード発表時に初めて顔を合わせたと思うのですが、どんな印象を受けましたか。

「思っていたより自分のことをリスペクトしてくれてるんやなっていうのは感じて。あとはすごいキレイな目をしていましたね。めちゃくちゃ真っ直ぐやな、と」

――対戦が決まって試合映像は見ましたか。

「見てないっす。あんまりそこは意識してへんかな。実際現場でどう感じるかを大事にしたいというか。芦澤くんに限らず、いつもこんなな感じなんで」

――芦澤選手はK-1での実績があり、MMAファイターの中ではすぐれたストライキング技術を持っている選手です。そこも実際に試合で向かい合って感じたいですか。

「はい。芦澤竜誠っていう生き物がどういう動きをする生き物なのかなって。そこは実際現場で感じて、狩りにいこうと思います」

――福田選手は京都のWIZARDキックボクシングジムでも練習されてるんですよね。

「そうです。だから斗麗とか“狂拳”迅とか大夢とか、Krushでチャンピオンになったり、K-1のトーナメントで結構上まで行ったような選手とは普通にやり合ってます。だからそういう選手とやり合う方が難易度は高いんかなと思ってますけど」

――昔から打撃の専門家との練習は続けていたのですか。

「やってましたね。ボクシングでももう引退しちゃいましたけど、WBAでランキング1位になったり、日本タイトルを獲ってるような子らとスパーしてきてるんで。結構立ち技競技で結果を出してる人と殴り合う経験はいっぱいしてきてるんで、あんまりそこは気にならへんかな」

――福田選手自身はバンタム級での2試合を振り返って、自分の中で手応えを掴んでるものはありますか。

「減量苦がない分、自分を削る作業をせんでいいというか。自分を削らずに、ずっと積み上げる練習ができるんで、そういう意味で強くなってるというのは感じます。階級を上げてすごい充実した練習が出来てるし、結果も出ているんで。ただ今年は2試合やって6分くらいしか戦えてへんのですよ、雅(駿介)戦が2分ぐらいで終わって、タッキー(瀧澤謙太)戦が4分ぐらいで終わっちゃったから」

――2試合とも1R決着だったので、2Rまで行ってないんですね。

「そうなんですよ。で、1試合は俺が怪我して試合を飛ばしちゃったから、6分しか戦えてへんのはちょっと寂しいなと。そういう意味では大晦日に試合さしてもらえるのがすごい嬉しいし、まだまだ見せてへんものがいっぱいありますよ」

――それは打撃だけじゃなくてMMA的なところでまだまだ出していないものがあるということですか。

「そうです。それはどの試合でもそうですよ。お客さんが見て喜んでくれるのってやっぱりKOじゃないですか。僕、修斗のデビュー戦で一本勝ちしてるんすけど、そのときお客さんが全然沸かへんかったです(苦笑)。絞め落として失神させたのに。会場がなんであの人やられたの?みたいな感じになっちゃったんで、やっぱりKO勝ちの方がみんな喜びますよね」

――福田選手はストライキングの印象が強いですが、試合の流れでそうなってるだけで、MMAとして出来ることは多いわけですよね。

「別にテイクダウン取ってパウンドでゴスゴスにしてもいいし、そっから組み伏せて、ちゃんとパスガードして、順序を追ってバックチョークを取ってもいいし。選択は自由なんすけど……やっぱり殴るのが一番好きっす」

――そういった意味ではバンタム級では体も動く・反応がいいという感覚もありますか。

「めちゃめちゃあります。なんて言うのかな、ほんま普段通りできるんですよ。調子いいというか。普段の力が10だとしたら、フライ級まで落とすと7ぐらいで試合してる感じなんです」

――フライ級は自分が弱体化している感覚なんですね。

「これは力が出ねえな…みたいな。どちらかというと自分のクオリティが落ちた状態でリングに上がってました。(フライ級の)最後の方はそこがずっと自分でも歯がゆくて。それでバンタム級に上げたんすけど、やっぱり大正解って感じです」

――パンチ威力や正確性が上がったわけではなく、全体のクオリティが上がっていて、試合で出ているのがそこ(パンチ)ということですか。

「そうです。流れで勝手に(打撃が)出ちゃっただけだし、打撃は良くなってるところの片鱗やから。あれしかできひんわけではないです」

――見る側からすると、芦澤竜誠て生き物と福田選手が遭遇したら何が起こるんだろうというワクワクがあります。ファイトスタイル的にもリングで向かい合った感覚を大事にしているタイプだと思いますし。

「間違いないですね。単純にどっちが強い生き物かっていう、それだけの話やから。めちゃめちゃ楽しみっすよ。わくわくするし。早く向き合いたいっすね」

――福田選手にとっては初の大晦日ですが、大晦日に戦うということで何か変化はありますか。

「あんまり自分は箱にこだわってはいいひんから。後楽園ホールで試合するのも、高松シンボルタワーで試合するのも、さいたまスーパーアリーナで試合するのも一緒。全力で向き合う気持ちは変わらないです。でも大晦日に声がかかるような選手になれたんやなっていうのはあります。キャリア13年ぐらいかかりましたけど、それはすごく嬉しいです。地方とか四国の小さい会場で試合してたやつが、大晦日のさいたまスーパーアリーナで戦っているおっさんになって、多分、17歳の俺にそれを言ったら『マジで?』って驚くと思います」

――そのぐらい最近の福田選手は勝ち方にインパクトがあるし、期待感も上がってるからこそのオファーだと思います。来年以降はどんなキャリアを積んでいきたいと考えていますか。

「来年はどういう話をもらえるかですけど、どっちにしろヒリヒリしたものを見せたいです。俺にしかできひんぐらいのもんを戦うことで見せていきたいと思ってるし。それとやっぱり常にチャレンジャー精神を持っておきたいです。なんか今年は赤コーナー側の試合が続いたんで、2025年はできるんやったら青コーナー側の試合、チャレンジ的な試合をやりたいです」

――福田選手には何度か取材させてもらっていますが、リングに上がったときの緊張感など、日常にはないものを味わうのが好きですか。

「そうですね。あの時間が一番必死に生きれてるでしょう。一番濃い時間。全力で今を生きてる感」

――確かに5分3R=15分間、相手が必死になってぶん殴りに来るような場面は普通に生きていて遭遇しないと思います。

「それが何て言うのかな…本能として人間として大事な感覚な気がするんですよね。そういうものを常々感じられる人生にしたいなとは思ってます」

――階級を上げたことも含めて、そういった本能的なものを感じられる相手や試合が増えそうですね。

「そう思います。どうしても13年やってるとマンネリ化しちゃうし、そういう意味では、自分もキャリア終盤だと思うんで、残りの格闘技人生も楽しめそうやなって思いますね。バンタム級で」

――それでは最後にこの試合を楽しみにしているファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「芦澤くんも言ってましたけど、辰年最後ってことで。ドラゴンが頑張って締めさせていただきます。しかも来年はへび年で、僕のキャッチコピーが壬生の大蛇なんですよ。なんで大蛇か分からないけど(笑)」

――メデューサのタトゥーが入ってるから……ですかね。

「でもメデューサの蛇は髪の毛やから大蛇じゃないよなぁ、みたいな(笑)。それはさておき、来年も良い働きができたらいいなと思ってます!」

■RIZIN DECADE 視聴方法(予定)
12月31日(火)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■RIZIN DECADE / RIZIN49 対戦カード

<RIZINフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 鈴木千裕(日本)
[挑戦者] クレベル・コイケ(ブラジル)

<RIZINフライ級選手権試合/5分3R>
[王者] 堀口恭司(日本)
[挑戦者] エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ)

<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者] ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者] ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
伊澤星花(日本)
ルシア・アプデリガルリム(アルゼンチン)

<バンタム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
元谷友貴(日本)
秋元強真(日本)

<フェザー級/5分3R>
久保優太(日本)
ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
YA-MAN(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
芦澤竜誠(日本)

<ヘビー級/5分3R>
上田幹雄(日本)
キム・テイン(韓国)

<59キロ契約/5分3R>
神龍誠(日本)
ホセ・トーレス(米国)

<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
桜庭大世(日本)

<フェザー級/5分3R>
武田光司(日本)
新居すぐる(日本)

<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
エドポロキング(日本)

<バンタム級/5分3R>
大雅(日本)
梅野源治(日本)

<RIZIN甲子園決勝戦/5分2R>
横内三旺(日本)
斉藤健心(日本)

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45 DEEP DEEP121 MMA MMAPLANET o   キック 谷岡祐樹 雅駿介

【DEEP121】ムエタイ=雅駿介×キック=谷岡祐樹の一戦はバッティングによるノーコンテストに終わる

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
NC 1R 
谷岡祐樹(日本)

雅が前後のステップから右ロー、ジャブをつく。谷岡は右ストレートから飛び込んで右カーフを蹴る。じりじりと前に出る谷岡が右カーフ、雅はジャブを返してシングルレッグで組みつく。ここは谷岡がスプロールしてワンツーで前に出ていく。雅も谷岡の右カーフに右ストレートを合わせ、首相撲からヒザ蹴りを突き上げる。

距離が離れると雅が左右の前蹴り、右カーフを蹴る。谷岡は右を強振して、左右のフックでプレッシャーをかける。雅は細かくジャブを突いて、前蹴りと左ミドル蹴る。谷岡は左フックを返し、蹴り足キャッチからテイクダウンも狙う。変わらず前に出る谷岡が右ローを蹴り、雅はジャブと左フックを当てる。

谷岡もジャブを返し、雅は谷岡の右ローに右ストレートを狙う。。谷岡は雅のジャブに右をかぶせ、ワンツーで前進。雅がダブルレッグに入るが、谷岡が脇を差して投げるように突き放す。再び谷岡がジャブから前に出ていき、雅が首相撲に捉えようとする。

ここで偶発性のバッティングが発生して雅が目を負傷&左目尻をカットし、ドクターチェックが入る。長いチェックのあと、レフェリーが試合をストップし、ノーコンテスト裁定が下された。


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【DEEP121】バンタム級王座を賭けた福田龍彌戦へ、瀧澤謙太「理想のスタイルは固まってきました」

【写真】幼少期の学んだことは残る。そして生かされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121で、瀧澤謙太が福田龍彌と空位の同バンタム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike

DEEP初参戦となった今年7月のCORO戦で判定勝ちを収めた瀧澤は、2戦めでベルトに挑むこととなった。連敗を脱したものの、本人としてはCOROとのタフファイトは「苦戦だった」と振り返る。しかし、そんな苦戦の中で見せた自身が理想とするスタイルとは。


フィジカルとスタミナの2つが伴ったことで、メンタルも良くなった

——前戦から2カ月後の試合となります。これだけ早いペースで試合をすることは瀧澤選手からの希望だったのですか。

「たくさん試合したいと思っていたので、良いペースです。今回勝てば年内にもう1試合やりたいという気持ちではいます」

——そしてDEEP2戦目がタイトルマッチとなりました。

「ベルトを巻くのは早いに越したことはないですが、2戦目というのはラッキーな巡り合わせですね」

——結果的にタイトル前哨戦となったCORO戦の感想を教えてください。

「1戦目よりも苦戦してしまった——倒し切れなかったです。1戦目は1~2Rと完全に支配して最後に倒すという、自分のやりたいことしかしていなかった試合で。今回は1Rにダウンを取り、2Rに相手が盛り返してきて、最終回に僕が手数で勝ったという感じでした。もうちょっと綺麗に勝ちたかったですね」

——なるほど。同時に、タフな試合で削り勝つことができた。それは今までの瀧澤選手の試合にはなかった、良い面だったのではないかと思います。

「ありがとうございます。実は試合の1週間前に、綺麗に風邪や喘息が治ったんですよ。もともと小児喘息があり、今も風邪をひいたら症状が出てしまう時があって。一度出ると、咳が治まるまで1カ月ほど掛かってしまうこともありました。そうなると練習にも支障が出たり、インターバル中にも咳が出てしまうこともあって」

——それはキツい……。

「今回もスタミナがヤバいかなと思っていたら、1週間前に風邪と喘息が止まったので、メチャクチャ自信ができました。ずっとフィジカルトレーニングとスタミナのトレーニングはやっていて、数値的には自分の最高記録を更新することができていたんです。そのフィジカルとスタミナの2つが伴ったことで、メンタルも良くなって。

CORO戦では最初のインターバルが終わって2Rが始まる時、次のインターバルから最終回に臨む時に『これは動ける!』と思いました。セコンドからも『ガンガン前に出て、確実に最終ラウンドを取れ!』とも言われていましたし、しっかり動くことができましたね」

——それは直近の試合で味わったことのない感覚でしたか。

「そうですね。まず井上直樹戦(2022年大晦日に一本負け)はあまり体調が良くなくて、さらに削られてスタミナもキツかったです。太田忍戦(2023年7月にTKO負け)は1Rで終わってしまいましたし、野瀬翔平戦もスタミナはキツかったですね。そこから集中してスタミナとフィジカルに取り組んで、CORO戦ではその2つが挙がったことを実感できました。

でもCORO戦より今回のほうが、スタミナもパワーも自信があります。試合まで残り1週間——今すごく体の調子が良くて、このまま自信を持って臨むことができます」

——今挙げた試合と比較して、CORO戦は自身が先手をとって試合をつくることができていました。

「やはりスタミナとフィジカルが伴うと、試合も自信を持って臨めますよね」

——もう一つ、試合中はずっとスイッチし続けていましたね。あれはテイクダウンディフェンスであり、CORO選手対策だったのでしょうか。

「あれは僕がずっとやりたかったことなんです。やっと試合で出すことができました。今までも練習仲間の対戦相手がサウスポーなら、僕もサウスポーで構えたりとか、対策練習でサウスポーになることはあって。だけど、いずれ試合でも実際に出したいとは考えていたんですよ。でもサウスポーになるとオフェンスはできても、オフェンスが甘くなったりすることもあって。オフェンスもディフェンスもできるようになったら試合で出そう、とはずっと考えていました。今後はオーソドックス、サウスポー両方出していきたいです」

福田選手が持っている戦いのメカニズムが分かってきました

——すり足でスタンスを変えるのは、スイッチというよりも空手の足捌きですよね。

「そうなんです! 僕はフルコンタクト空手をやっていて、相手との距離が近いフルコン空手では、オーソドックスかサウスポーかという概念が無いというか――流れの構えが入れ替わる、足が交差する場面は多くて。だから昔からオーソドックスでもサウスポーでも、攻めることはできていました。でもMMAだと顔面打撃とテイクダウンがあるので、そのディフェンスが試合でも出せるようになったということなんです」

——高校時代はレスリング部に所属していたとのことですが、空手のあとにレスリングを経験してスタンスに影響を及ぼしたのでしょうか。

「そういうわけではないですね。MMAを見越してレスリングを始めたので、打撃でいえばオーソドックス——左足前でレスリングもやっていました。オーソドックスのままテイクダウンに入れたほうが良いかなと思っていて」

——今回タイトルを賭けて戦う福田選手はサウスポーです。サウスポーに対しても、同じような足捌きで戦うことはできるのですか。

「もちろんです。自分の中で理想のスタイルは固まってきました。福田選手の場合は、どの展開で何が理に適っているか、理解して戦っている。試合映像を視ていると、福田選手が持っている戦いのメカニズムが分かってきました。分かっている技は掛からないとは思っていますね。福田選手のメカニズムにハマらないよう、自分から早く仕掛けていきたいです」

——瀧澤選手の視点が、まるで武術家のようです。

「あぁ、どうなんですかね。あまり人の試合は視ないんですよ。どちらかといえば練習で自分の攻撃が良い感じで当たった時、なぜそうなったのかを見直したりするほうが多いです。当たるパンチ、倒せるパンチって何かしら理由がある。そのパンチを分析して自分のモノにしたりするのが好きなんですよ。それこそが自分にとっての格闘技の楽しさであって。あとは試合が決まったら対戦相手の映像を視て、自分の技術を適応させていきます」

——その点では福田選手も同じタイプのファイターだと思います。今回の対戦が楽しみですね。

「そうですね。福田選手との試合は、いろんな展開を考えています。エキサイティングな試合をする選手だと分かっていますけど、漬けてくる場面もあるかもしれない。特に打撃勝負をして、分が悪いと感じたら——そういう展開も想定していますね。僕はKOを狙いますが、実は今までプロの試合で一度も自分からテイクダウンに行ったことがないんですよ」

——えぇっ!? そうだったのですね。

「アハハハ。自分からテイクダウンに行くことなく、ベルトを獲得できるのかどうか検証したいです」

——次の福田戦で初めてテイクダウンを狙おうとは思っていないのですか。

「いずれテイクダウンを混ぜていきたいとは思っていますが、いつにするのかは分からないです。自分の場合は寝技と打撃であれば、打撃のほうが勝つ確率は高い。でもテイクダウンに行くのはリスクも生まれるじゃないですか。もしかしたら今回テイクダウンを狙うかもしれないし、テイクダウン無しでベルトを獲るかもしれません。まだ見せていない部分は、メチャクチャあります。僕の試合を楽しみにしていてください。全て見せた時は、みんな驚くと思いますよ」

■DEEP121 視聴方法(予定)
9月16日(月・祝)
午後5時35分~U-NEXT、YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、サムライTV

■DEEP121 対戦カード

<DEEPバンタム級王座決定戦/5分3R>
福田龍彌(日本)
瀧澤謙太(日本)

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 江藤公洋(日本)
[挑戦者] 野村駿太(日本)

<メガトン級/5分3R>
水野竜也(日本)
大成(日本)

<フライ級/5分2R>
KENTA(日本)
渡部修斗(日本)

<フライ級/5分2R>
関原翔(日本)
杉山廣平(日本)

<フェザー級/5分2R>
五明宏人(日本)
相本宗輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
雅駿介(日本)
谷岡祐樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
鹿志村仁之介(日本)

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔(日本)
中務修良(日本)

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【DEEP121】瀧澤謙太とバンタム級王座決定戦、福田龍彌「判定基準のために戦略を変えたりはしません」

【写真】生き物として強くなるために沖縄で平良とセッション。平良にとってはブランドン・ロイヴァル戦に向けてサウスポー対策となる (C)RYUYA FUKUDA

16日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121で、福田龍彌が瀧澤謙太と空位の同バンタム級王座を争う。
Text by Shojiro Kameike

昨年5月にDEEPフライ級GPを制し、フライ級暫定王者となった福田(その後、正規王者に昇格)。RIZINとNAIZA FC出場を経て今年からバンタム級に転向する。3月初戦で雅駿介をKOした福田は、続く5月には元谷友貴と対戦予定だったが、福田の負傷により注目の一戦は中止となった。改めて2階級制覇をかけて臨む瀧澤戦に向け、福田にこの約4カ月間のことを訊いた(※取材は8月26日に行われた)。


試合まで京都で練習するか。沖縄に来て達郎と良いセッションして日々を過ごすのか。どちらのほうが9月16日までに自分が強くなるかと考えた時に――もちろん沖縄やと

――本日はよろしくお願いします。……いつものご自宅とは違う風景ですね。

「今、沖縄に来ているんですよ。9日間、マンスリーマンションみたいなのを借りています」

――沖縄というのは、平良達郎選手との練習でしょうか。

「そうです。ホンマに良いセッションができていて、メチャクチャ濃い時間を過ごせていますよ」

――全国的に今年の夏は猛暑に見舞われていますが、沖縄の気候はいかがですか。

「暑いけど、京都も暑いですからね。前に来たのは冬やったけど『こんなに暑いんや』という感じで、暑さ慣れしてへんかったのでバテちゃったんですよ。だから今回は夏の沖縄を想定して、京都でも暑い時間に走ったりしていました。だから今回はバッチリです」

――沖縄で練習するための準備に時間を割く。平良達郎選手との練習には、それだけの意味と価値があるわけですね。

「はい。9月16日の試合まで京都で練習するか。沖縄に来て達郎と良いセッションして日々を過ごすのか。どちらのほうが9月16日までに自分が強くなるかと考えた時に――もちろん沖縄やと思いました。

京都でやっているのは、いつでも戦えるように自分の質を上げること。それを外で他の人を相手に試す。沖縄で収穫したことは、また京都で整えて9月16日を迎える。ちょうど良いスケジュールになりました。9月16日には、結構強くなっていると思いますよ。良い準備はできています」

――今年5月には元谷友貴戦が予定されていましたが、肩鎖関節脱臼により福田選手は欠場となりました。この負傷は、いつごろ発覚したのでしょうか。

「試合の10日前ぐらいですね。タイのプーケットに行っていて、怪我で腕が上がらなくなったんですよ。でもタイは旧暦の正月で、病院がどこも空いていなかったんです。そのままタイで練習したあと試合の10日前に帰国して、日本で検査したら『これは絶対に無理です』と言われました。自分としては試合したかったけど、そもそも怪我したらアカンということを学びましたね」

――プロのファイターとしてメインに穴を空けると同時に、元谷選手と対戦する機会を失ったということに対して……。

「そのダブルですね。皆が楽しみにしてくれていた試合を飛ばしちゃいましたから……」

――欠場が判明した時は、何より福田選手が一番悔しかったと思います。体の調子と気持ちは、いつごろ戻ってきたのでしょうか。

「すぐ気持ちは切り替えました。次に試合をする時は、雅戦より良いインパクトを残すために。元谷戦を飛ばしてしまったことは、次の試合で取り返さないといけない。だから休んでいる暇はなかったですね。怪我した時やからできることに取り組んでいました。

この怪我をしていた間は『今の自分にはココが足りへんのやろうな』、『もっとココをやらなアカンな』ってずっと思っていたことに取り組んできたんですよ。それが今は良い感じでパチッとハマってきている感覚はあります。生き物として成長したと思いますよ」」

――怪我をした時だから取り組めること……フライ級の時よりも体つきが大きくなっていませんか。リモート画面で見えるだけでも、肩から二の腕の筋肉が以前と違うように見えます。

「あぁ、ホンマですか。それは嬉しい。この期間に頑張りました!やってきたことは形になりますね」

――フライ級とバンタム級で比較すると、練習や試合の時の動きは違いますか。

「殺傷能力が上がったと思います。フライ級まで落としていた頃は、いつもの僕じゃなかったです。なんか力がみなぎらない感じで、試合も自分が相手を捌くほうに回っていました。特にフライ級GPは連戦やったし大変で、ツライ時もありましたね。だからバンタム級のほうが、いつもMIBUROの皆が知っている僕なんです。試合でも伸び伸びやっていますね」

――試合で雅選手と向かい合った時、フライ級との差は感じなかったのでしょうか。

「的がデカい、メッチャ殴れそうって思いました」

――階級を上げると的がデカくなる! なかなか聞かれない意見です。

「アハハハ。たとえば本田良介選手のように、ああいう体格で頭を下げて来る選手は殴りづらかったですよ。攻撃も飛んできてくれたほうが、隙も大きくますからね。だから自分がちゃんとディフェンスしていれば、長い距離から飛んでくるのも決して悪いことだけではないです」

――先ほど「生き物として強くなる」という言葉がありました。最近はまたMMAの判定基準について話題になることが多いです。判定という制度があるかぎり判定基準は重要ですし、「そんなことよりもフィニッシュすれば良い」という意見は暴論に近い。ただ、まず生き物として強くなることが重要なのかと考えています。これも暴論かもしれませんが。

「アハハハ、なるほど。判定って要するに『時間内に決着がつかなかったから、どっちが強かったか決めてよ』と聞いているということじゃないですか。それだけ単純なことなんですよ。コントロールかダメージか、という印象もそうやけど、じゃあ『このコントロールは、受けたダメージより上回っているか』という印象は人によって違うわけで。

重要なのは強いと思わせること、ジャッジに強いと思ってもらえる試合を見せること。試合というのは、自分の強さが何かを表現する場所やと思うので。極論やけど、テイクダウンを切って殴り続けていたら、そっちのほうが強いと思われるじゃないですか」

――逆もまた然りですね。打撃を受けずに抑え込み続ければ、強いと思わせることができる。

「結局、殴って殴り返されていたら、相手にポイントがついても仕方ないんですよ。『判定基準を統一してほしい』という意見も分かります。でもその前に、プレイヤーとしてできることがあるんじゃないか。

誰が見ても『このラウンドは福田や』と思わせるように戦うには、どうすれば良いのか。僕は判定基準のために自分の戦略を変えたりはしません。自分は戦うことに特化してきた。それが生き物として強くなるということやと思います」

――そんなか復帰戦として瀧澤戦が決定しました。福田選手と瀧澤選手の対戦は、福田×元谷戦とはまた違う新鮮さを感じます。

「それがバンタム級転向の魅力ですよ。僕の立場でやっていると、フライ級のままではマンネリ化するじゃないですか。じゃあフライ級で次の挑戦者はって考えると……。僕は今もずっとフレッシュな気持ちでMMAを続けたいし、お客さんにもフレッシュな気持ちで試合を観てほしいから。これからDEEPでRIZINに出ている選手を倒していくことになるかもしれないですね」

自分で食べ物を確保できるスキルを備えておきたい、自分で処理して自分で食べたい

――7月の瀧澤×CORO戦はご覧になりましたか。

「……まだ視ていないんですよ。前に元谷選手と対戦した試合(2021年9月、瀧澤がKO勝ち)は視ました。元谷選手の過去の試合をチェックしている時に、瀧澤戦を視ていて。変わった動きをする選手だなぁってイメージですね。ここ最近、まあまあ忙しくて。狩猟免許の勉強もしながら、あんまり余裕がなかったんですよ(苦笑)」

――そういえば狩猟免許の勉強をされていたのですね。

「おかげさまで試験にも合格しました。ジビエって一頭で、自然で動き回っている新鮮なお肉が20~30キロ取れるんです。僕は自分で食べ物を確保できるスキルを、生き物として備えておきたくて」

――狩猟免許を取得したのは、強くなるためにジビエ肉を食したいということですか。

「そういうわけではないんですよね。お肉を買うことって普通みたいになっているけど、決してそうじゃない。自分で食べ物を確保できるスキルを備えておきたい、自分で処理して自分で食べたい。そういう気持ちはもともと持っていました。だから目指しているのは、渓流釣りと狩猟の自産自消ですね。

そういう自分の理想の人生設計のためのスキルを身に着けるためには、今のうちに始めておかなアカンと思って。全ては繋がっているんですよ。今こうして達郎と練習していることも、9月16日に試合をすることも。全部含めて――父親としても、人としても、ファイターとしても強くなる日々を送ってきました。一切ダレていないし、血眼になってやってきました。そういう意味でホンマに早く戦いたいですね。楽しみにしていてください」

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【DEEP121】福田龍彌✖瀧澤謙太、江藤公洋✖野村駿太。2階級のタイトル戦と、粒ぞろいすぎる2回戦!!

【写真】RIZIN枠を考慮し、旬を逃さないカードが組まれているDEEPだ(C)MMAPLANET

23日(火)、DEEPより9月16日(月・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP121 Impactの対戦カードが、タイトルマッチ2試合を含み、11試合が発表されている。
Text by Manabu Takashima

ベルトが懸かった試合は、バンタム級王座決定戦=福田龍彌×瀧澤謙太、そしてライト級チャンピオン江藤公洋に野村駿太が挑戦する2試合だ。


フライ級王者でもある福田は、5月に元谷友貴とバンタム王座決定戦に出場予定だったが、タイでの練習中に肩鎖関節脱臼で欠場となっていた。

対する瀧澤は14日の後楽園ホール大会でDEEP初出場を果たし、COROに判定勝ちを収めている。試合後のマイクでは「DEEPのベルトを獲ってRIZINにリベンジしにいく」と宣言していた。超RIZIN後、9月以降のRIZIN参戦を目指し、ベルトを切符代わりとしたい瀧澤だが、CORO戦はテイクダウンを警戒して慎重なファイトに終始していた。

福田はいわば、命のやり取りをする覚悟で日々の練習をし、ケージに上がっている。そんな福田を凌駕するには、同じ戦意を持ち福田のフィールドに足を踏み入れる必要がある。それができれば、瀧澤の天賦の才といえる当て勘が活きてくるはずだ。

対して、福田としてはやはり負傷の復調具合が気になるところ。筋や腱に傷が及んでいれば、完治までそれ相応の期間は必要となる。それでも福田の性分からして、五体満足になることを欲して、試合機会を減らす選択はしないはず。つまりは完治しなくとも、瀧澤と斬り合い──セッションを求めるのであれば、このタイトル戦は福田にとってリスクが高いファイトとなる。

ライト級戦タイトル挑戦者の野村はDEEP120で泉武志から逆転TKO勝ちを収め、江藤へのリベンジと挑戦をアピールしていた。昨年7月に江藤のテイクダウン&コントロールに屈した野村は、泉のテイクダウン&コントロールを跳ね返したことで、自信を確信に変えてベルト獲りに挑む。

チャンピオン江藤は3月にイ・ソンハをRNCで下して以来、半年ぶりの実戦となる。RIZIN、海外再進出を模索する江藤はとにかく強さを見せての防衛が必要となってくる。

そんな江藤への挑戦に向け、泉を下した直後の取材で野村は以下のように話していた。

「来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」(野村駿太)

──2日前のGladiator Challenger Seriesに出場したジムの後輩、南友之輔選手が右ストレートから左フックで強烈なKO勝ちを収めました。あのKOを見て、先輩としてやらないといけないという気持ちになったのでは?

「バリバリなっていました。『コイツ、やってくれるなぁ』みたいな(笑)。『野村さん、繋ぎました』とか言ってくれて。試合の流れも逆転勝ちで、変なところまで同じでしたね。友之輔がBRAVEに加わってくれたところで、自分がやって行くべきことのなかで、空手の良さも再発見することができました。

友之輔がやろうとしていることも、僕のなかで刺激になっています。木村(柊也)や南を見て、自分も『コイツらに負けていらない』という風になりますし。あの2人が、自分を手本にしたくなるような選手に、自分はなっていかないといけないです」

──泉選手を返り討ちしたことで、江藤選手への挑戦権を手にしたかと思います。同じテイクダウン&コントロールにしても、江藤選手のソレはより柔軟に包み込んでくるようなイメージがあります。

「そこは1度、触れているので。自分のなかで江藤選手と戦うなら、どうすべきが分かっている部分はあります。今日みたいにやられないように戦ってしまうと、また去年と同じになってしまうので、自分から仕掛けていっても良いと思っています。そこをタイトル戦で見て欲しいです」

──一発、右アッパーを被弾して下がらされました。

「攻め気でいた時に、自分の流れに持ちこみ過ぎようとして……余りない形のアッパーを貰いました。打撃が上手な人と練習をしていると、あのパンチはなくて。でも、喧嘩のような動きのパンチを貰ったのは反省材料です。変に自分のなかで貰わないという自信があって、それが慢心になってしまっていたかと思います」

──以前よりも、そして泉選手と比較しても、江藤選手は貰っても怯まないようになってきたようにも感じます。

「そっちの方が戦いやすいです。気持ちを強く持ってくれているほうが、向かい合ってくれるでしょうし。ビビッて距離を取られる方が面倒くさくなるので。変に自信を持ってくれている方が、術中にハメやすいです。来てくれる方が、ぶっ飛ばせます」

──打撃でなく、テイクダウンでも出てくる方が戦いやすいですか。

「逆にソレしかしてこないと思っています。泉選手には失礼な言い方になってしまいますが、あのスタイルでさらに強化されているのが江藤選手です。なので、今日は攻め込まれる場面があって良かったです。今日の経験を生かして、煮詰めていけばさらに成長できると思っています」

なお今回の発表ではメガトン級の水野竜也×大成が3回戦で組まれることが明らかとなっている。また関原翔×杉山廣平のフライ級戦、涙の引退から約1年で復帰の渡部修斗もフライ級でKENATと知りなおしの一戦。五明宏人✖相本宗輝のフェザー級戦。バンタム級ではルーツは立ち技同士、ムエタイ=雅駿介×キック=谷岡祐樹、同じくバンタム級で力也×禊の鹿志村仁之介。WardogからRIZIN、GRALDIATOR、HEX FSを経てDEEPストロー級戦線に辿り着いた中務修良✖Blackcombatでの勝利で6連勝中の多湖力翔のマッチアップ──と、粒が揃い過ぎている2回戦6試合も決定している。

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ANIMAL☆KOJI Black Combat CORO DEEP DEEPフライ級GP o RIZIN パンクラス ホジェリオ・ボントリン ボクシング ユ・スヨン ライカ 修斗 倉本一真 元谷友貴 北岡悟 太田忍 山本アーセン 朝倉海 村元友太郎 水野竜也 福田龍彌 金太郎 雅駿介

【DEEP】元谷友貴×福田龍彌 バンタム級王者決定戦!

ゴールデンウィーク真っ只中の5月3日に後楽園ホールで開催されるDEEP 119 IMPACT。これまでに北岡悟(パンクラスイズム横浜)×倉本大悟(JAPAN TOP TEAM)、水野竜也(フリー)×ANIMAL☆KOJI(HIGH ROLLER ENTERTAINMENT)、村元友太郎(ALIVE)×KENTA(K-Clann)など対戦カードが発表されていました。

決して悪くはなんだけど、RIZIN参戦経験者を上手く絡めて波に乗る最近のDEEPのマッチメイクを考えたら、もうひと盛り上がりほしいと欲張っていたら、極上カードがやってきました。
IMG_8123
【DEEPバンタム級王者決定戦】
元谷友貴(アメリカン・トップチーム)
福田龍彌(MIBURO)

RIZINで結果を出している者同士の贅沢な一戦。RIZINで組まれていて何ら不思議ではない好カードがDEEPで実現するとは。。。RIZIN隆盛の中でのDEEPの存在感を改めて思い知らされました。BLACK COMBATからの刺客ユ・スヨンがDEEPバンタム級王座を返上した事により、王者決定戦として行われます。

元谷は言わずと知れたバンタム級国内トップクラスのファイター。RIZINでは朝倉海の膝蹴りに屈したものの、金太郎、ヒロ・ヤマニハ、太田忍、倉本一真、CORO、ホジェリオ・ボントリンといったうるさ型の選手を連破。一見すると地味にも見えますが、決して簡単に出来る芸当ではないでしょう。

対する福田は現在絶賛売り出し中。元修斗フライ級王者にしてDEEPフライ級GP王者という肩書きもすごいですが、ファイトスタイルも凄味がハンパない。的確に蓄積させる左ジャブで相手の顔面を削り、時折織り交ぜるボディやアッパーの威力も精度の高さも卓越したスキルを感じます。

フライ級からバンタム級に階級を上げた雅駿介戦ではムエタイ出身の雅のお株を奪う打撃の猛攻で雅を圧倒。パンチでダウンを奪ってからのパウンドアウトでバンタム級転での試運転もは滑り出し上々。しかもストライカーを相手に打撃でKOする姿は衝撃的でした。バンタム級王座奪取に向けて調整は順調と見て間違いなさそうです。

ボクシングテクニックはDEEPフライ級最上位の福田を相手に元谷はどう出るか。ある程度スタンドの打撃に向き合いつつ、テイクダウンの糸口を探るのが常套手段か。

レスリングをバックボーンに持つ山本アーセンも福田をテイクダウンするのには手を焼いていただけに、予定通りにはいかないでしょうが、ヒントになりそうなのは昨年12月に行われたNaiza FCでのディアス・エレンガイポフ戦。

エレンガイポフは福田の打撃に臆せずに応戦しつつ、要所要所で組み付くとテイクダウンに成功。立ち上がられてもしつこく捕獲して福田の動きを封じて判定勝ちを収めました。

同じようにはいかないでしょうが、悔しいかな福田の打撃を封じるお手本のような試合。立っても寝てもそつなく試合を運ぶ元谷なら再現しても不思議ではありません。

逆に福田が元谷を駆逐するような事があれば、いよいよ地殻変動。DEEPどころかRIZINの地図にも影響を及ぼすのは間違いないでしょう。日本のバンタム級戦線を占う意味でも重要な一戦。ゴールデンウィークも後楽園ホールだな。
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45 AB ANIMAL☆KOJI DEEP DEEP119 MMA MMAPLANET o キム・ミンウ ダスタン・アマンゲルジ マサト・ナカムラ ユ・スヨン ヴィンス・モラレス 元谷友貴 北岡悟 日比野エビ中純也 木下尚祐 水野竜也 泰斗 石司晃一 神龍誠 福田龍彌 窪田泰斗 関原翔 雅駿介

【DEEP119】ユ・スヨンが王座返上→元谷友貴×福田龍彌で、DEEPバンタム級王座決定戦

【写真】ユ・スヨンが見られないのは、残念。だが国内屈指の実力者対決組まれた(C)MMAPLANET

30日(土)、DEEPより5月3日(金・祝)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP119 Impactでバンタム級王座決定戦=元谷友貴×福田龍彌が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

福田は昨日29日(金)にフライ級暫定王者から、神龍誠の王座返上を経て正規王者になったばかりだ。


その神龍と同様にバンタム級王座もユ・スヨンが防衛戦のスケジュールの目途が立たないためにベルトが返上されることとなった。

今回の後楽園ホール大会、実のところ元谷がユ・スヨンに挑戦するという形を第一に話が進められていたが、福田が3月大会で雅駿介に勝利したことで対抗馬に浮上していた。

ユ・スヨンは昨年9月に石司晃一を下し、DEEPとBlackcombatのバンタム級王座を獲得。12月にはNAIZAバンタム級王座をダスタン・アマンゲルジに明け渡した。さらに今年1月にフェザー級シングルマッチでキム・ミンウと対戦し、延長4Rに急所蹴りを受けて試合続行不可能となり、NCという結果に終わっている。

半年間でこのハードなスケジュールをこなしてきたユ・スヨンの防衛戦を行われない場合、元谷と福田の間で暫定王座決定戦が組まれるのではないかという憶測もあった。が、ここにきての王座返上、その理由は推して知るべしといったところか。

元谷は大晦日のヴィンス・モラレス戦における敗北からの再起戦となるが、ATTでどれだけアップデートができているのか。また福田もこの試合に向けて、来週より3週間の予定でファイター福田龍彌生誕の地ともいえる──タイで出稽古を敢行することが決まっているという。

なお同大会では既にメガトン級の水野竜也×ANIMAL☆KOJI、ライト級で北岡悟×倉本大悟という3回戦、関原翔の復帰戦となるマサト・ナカムラ戦=フライ級、バンタム級の窪田泰斗×橋本ユウタ&日比野エビ中純也×木下尚祐戦と2回戦3試合が実施されることが発表されている。

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45 DEEP DEEP118 F1 MMA MMAPLANET o 福田龍彌 雅駿介

【DEEP118】福田がバンタム級転向初戦で雅をパウンドアウト!「元気いっぱいの僕はこんな感じ」

【写真】バンタム級でも”倒せる”力を見せつけた(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌(日本)
Def.1R by TKO
雅駿介(日本)

サウスポーの福田がジャブを振って、外にステップして左ボディフック。雅もジャブを見せて右ミドルを蹴る。福田はジャブ・右フックを細かく突き、雅は右ミドルを蹴り、福田のパンチにシングルレッグを合わせる。これを切った福田は左フックを効かせて、今度は右フックを打ち込む。これで雅の動きを止めるとパンチで突進。そのまま福田がトップポジションを取ると、中腰の状態から右のパンチを連打する。これで雅の動きが止まり、福田がバンタム級転向初戦で見事なTKO勝利を収めた。

試合後、福田は「やりましたー!あけましておめでとうございます。減量苦から解放されて元気いっぱいの僕はこんな感じっす。僕は日常の全部を戦うことに費やして頑張ってます。セミで弟分の(青井)人がベルトに挑戦します。彼もヒリヒリした戦いができる選手なのでチェックお願いします。で、バンタム級の僕もお願いします。オブリガード!」とファンにメッセージを送った。


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45 AB DEEP DEEP JEWELS DEEP118 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN YouTube イ・ソンハ ロッキー・マルチネス 中村K太郎 五明宏人 力也 北岡悟 川名 TENCHO 雄生 平松翔 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 酒井リョウ 雅駿介 雑賀ヤン坊達也 青井人 青木真也 魚井フルスイング

【DEEP118】イ・ソンハに挑戦、江藤公洋「面白い試合云々っていうなら、ちゃんと頑張って逃げてね」

【写真】穏やかな自信(C)MMAPLANET

本日9日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 Impactで江藤公洋が、DEEPライト級王者イ・ソンハに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

レスリングからMMAに転向した当時から、そのポテンシャルの高さは認められてきた。しかし、その強さを発揮しきれない。試合になると、気持ちで前に出られないということも指摘された。そして勝てば、コントロールで地味というレスリング&コントロールファイターに付きまとう問題も、江藤は持ち続けてきた。

その江藤が2020年9月に青木真也に完敗を喫して以来、ここまで5連勝でタイトル挑戦権を獲得した。ハマれば超絶に強かった江藤が、自分の嫌な展開でも試合を創れるようになった。その背景に指導、中村K太郎のマンツー・スパーが存在した。


──HEARTSでレスリングクラスを持っていると聞いて見学させていただいたのですが、MMAグローブを着用してMMA用のレスリングを指導されていました。

「そうですね、大沢さんからMMAのレスリングとグラップリングを重点的にプロ選手に指導してほしいと2カ月ぐらい前に尋ねられて、やらせてもらうようになりました。HEARTSの底上げという目的もあって、始めた感じです。ピュア・レスリング、ピュア・グラップリングではなく、MMAにアジャストした形でやらせてもらっています。

ピュア・レスも大切なのですが、やはり組んだ距離でMMAの間合いと違ってきます。間合いの設定が違うと、切り崩し方も違ってくるので。そういうところでMMAレスリングの指導を心掛けています」

──MMAレスリング=壁レスとなりがちですが、今日はそうでない場所での指導でした。

「壁も大切です。でも中央で相手を制することも大切で。壁だけでなく、両方でやっていますね。中の動きと壁の動き、壁という要素が加わってもベースは共通しています。中央でやることを、壁を使ってやりましょうという意識を持っています」

──しっかりと伝える言葉も持たれていました。

「パーソナルの指導なども続けてきて、その時に自分だけの視点ではなく、色々な視点があることを頭に技術を修得するようになりました。一つのアプローチだけでなく、多方向の視点を持つことが大切だと思うと、指導する時に色々なアプローチから説明できます。そこがファイターとしての自分の成長に繋がっていると思います」

──指導することで、自ら成長できたと。

「色々な視点で見ることで、崩し方や動きに対してアプローチの種類が増えました。特に相手の特性も理解できて、思考が分かるようになったことが大きいです」

──なるほどぉ。指導で得たことを自らの練習で試す?

「ハイ。それで自分が使う場合は、無理だと判断して切り捨てることもあります。でも、指導するうえで切り捨てる知識はない。それを知ることでも、自分の成長になります」

──現在、5連勝です。その指導をすることが、好調の要因にもなっていますか。

「青木さんと試合をするまで(2020年9月)、ただ練習をしていると強くなるという風で考えていなかったです。あの敗北から色々と変えないといけないと思うようになりました。メンタル面でも変に気合を入れるとか、良いところを見せようとして逆に迷ってしまって普段通りの力を出せない。そんな自分を認めたくなかったのが、あの試合で何もできないことで──そんな自分が恥ずかしくて、格闘技を辞めた方が楽だという気持ちにもなりました」

──ハイ。

「でも楽な方を選ぶと、それは簡単ですよね(笑)。あそこで自分の色々なモノを壊して自分を創りなおした方が人間として成長できると思って、ここまで取り組んできました。5連勝の裏で試行錯誤して、なかなか上手くいないこともありました。そのなかで一つ一つを噛み砕いて、検証することでここまで来ることができました。今もまだ過程ですけど、今の自分をぶつけることが凄く楽しみです。日常を切り取った部分で、今回の試合では皆に見て欲しいという気持ちがあります」

──RIZIN LANDMARKの雑賀ヤン坊達也戦と、DEEPの北岡悟戦。前者の方が良い試合だと思われるかと思いますが、個人的には後者の方が恐怖とも向き合っていた感があります。

「そうですね……落とせないという気持ちもありました。それが自分の弱さだと思います。決め切れないところは課題で、でも試せたことはプラス。まだ僕は完成していないので。怖さも自分のなかで受け入れていますし、やってきたことをやる。回りの目を気にすること……そこも大切なのですが、そこも含めて自分のやってきたことが出せるか。練習の方が強い自分がいる。そこに近づくために、もがいている自分が今もいます。それが徐々に良くなっているので。人にチヤホヤされたくて格闘技をやってきたわけじゃなくて、強さを追求するためにやっている。そこはブレないようになりました。良い試合だった──で良いのか。積み上げて来たものを出す方が、大切だと自分は思っています」

──その積み上げるなかで中村K太郎選手とのマンツーマンのトレーニングの意味合いが大きいと聞いています。

「ハイ。自分が成長できる一番のパートナーです。K太郎さんとの練習は思い描いたことできない。テイクダウン、スクランブル、打撃とコントールできないから、際の攻防の練習ができる。

打撃、組み技、寝技とどの局面でも練習ができて、K太郎さんという自分が日本で一番強い選手とやれている。そこが自分の自信になっています。試合より厳しいことをやっている。相手より強い選手とやっていることは絶対ですし。

試合なので、一発貰うこともある。でも、そこ以外だったら絶対に競り負けないという気持ちになれました。どんな展開でも引かない。気持ちの強さは、K太郎さんとの練習で身に着けられたものです。練習で試合よりしんどいことをやって、試合でしんどいことを相手にさせます」

──そのなかでDEEPライト級王座に挑戦。チャンピオンは韓国のイ・ソンハで国際戦となりました。

「流れが変わってきましたね。対日本人でなく、今だと対アジアに。それって大切なことだと思います。だから自分はONEにチャレンジしたし、対日本人でなく対世界を見据えて色々な技術を修得してきたので」

──ではイ・ソンハの印象を教えてください。

「手足が長く、打撃も組み技もできる。だから、面白い。このところ、勝ってホッとすることばかりで。なんか熱くなることがなかった。その点、今回はどうなるのか楽しみです。どれぐらいかは、組んでみないと分からない。勝ち筋はある程度思い描けていますが、それが実際に戦ってどうなるのか。その面白さはありますね。打撃、テイクダウン、寝技、全部で勝負したいです」

──イ・ソンハは「自分が面白い試合をするので、そこは気にしないでください」ということ言っていました。

「まぁコントロールされない自信がるからって、その後の攻防を自分ができないと思っているなら間違っています。仮にテイクダウンからコントロールができなかったら、その先を見せることができるので、それは必然と面白くなるでしょうね。

ただ僕がコントロールできてしまうと、殴り合いも何もない面白くない試合になるということですよね。じゃあ、頑張ってねっていう話です。面白い試合にしたいなら、コントロールされないように頑張って。そうなっても、その先を見せるから」

──ブラボーです。

「だって動けない奴が悪いわけで。動けてスクランブルの攻防まで持ち込めば良いじゃないですか。なんでコントロールできているこっちが、わざわざ動かないといけないのか。動けない、お前が悪いんだよってことですよ。コントロールされて、時間がきてブレイクって──それは審判に助けてもらっているだけ。まぁ、面白い試合云々っていうならちゃんと頑張って、逃げてねって」

──長い年月を掛けて、一皮剝けた。言葉にすると簡単になってしまいますが、凄く重みのあることだと感じました。

「変われたかな……ただやっていれば結果が出る。そんな風に思っていましたけど、それじゃあ体が強くなるだけ。そして色気をもって戦って、自分を出せない。そういう弱い自分を飲み込んで、克服するにはどうするかを考える。そこで練習環境、練習内容を組み立てることができてきました。強くなるための過程にあるなかで、今回の試合でどこまでできるのか。やっぱり、そこは楽しみです。今回のタイトル戦は、対アジアに到達しているのか。その査定試合になります」

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP118計量結果

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス:108.5キロ
[暫定王者]酒井リョウ:106.9キロ

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ:65.7キロ
[挑戦者]青井人:64.7キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ:70.3キロ
[挑戦者]江藤公洋:70.35キロ→70.15キロ

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌:61.5キロ
雅駿介:61.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.2キロ
木下カラテ:66.1キロ

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生:70.55キロ
倉本大悟:70.8キロ

<バンタム級/5分2R>
平松翔:61.65キロ
魚井フルスイング:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.6キロ
小崎連:61.55キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空:66.05キロ
菅涼星:66.15キロ

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45 AB Black Combat DEEP DEEP JEWELS DEEP118 MMA MMAPLANET o RIZIN YouTube イ・ソンハ ブラック ロッキー・マルチネス 五明宏人 力也 川名 TENCHO 雄生 平松翔 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 酒井リョウ 金原正徳 鈴木千裕 雅駿介 青井人 魚井フルスイング 鶴屋浩

【DEEP118】計量よもやま話。青井&福田は新幹線に缶詰め&神田はバスタブ壊れる。次回Black Combatは…

【写真】ただ一人再計量となった江藤だが、余裕でクリア。なお、この時点で青井と福田はまだ計量会場に到着していなかった(C)MMAPLANET

明日9日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP118 IMPACTの計量が8日(土)に新宿区ホテルローズガーデンのオークルームで行われた。
Text by Manabu Takashima

メガトン級王座統一戦、フェザー級&ライト級と3階級のタイトルマッチが組まれている大会の計量は、フェザー級選手権を戦うチャンピオン神田コウヤとチャレンジャー青井人が揃って開始時間に姿を見せないという予想外の状況でスタートが切られた。


神田に挑戦する青井と雅駿介と対戦する福田の関西組は、人身事故の影響で何と米原で1時間に渡り新幹線の中で缶詰状態に。今回はバンタム級に挑む福田は、この4キロ強の減量幅の違いに命拾い。「フライ級やったら、ブチ切れていましたよ」という言葉も、そのフライ級での計量直後のようなかすれ気味の声でなく力のあるものだった。

そんな福田とともに東京駅からタクシーで計量会場に移動しても疲れを見せなかった青井の挑戦を受ける神田も、予期せずアクシデントに見舞われていた。自宅で水抜きに入った神田だが、なんとバスタブの栓が壊れており、お湯が溜まらないという状況に追い込まれる。

その影響で体重を落としきれなかったチャンピオンは、計量会場近くのサウナで最後の1キロを落とし、クリア後もその表情からは安堵と疲れが感じられた。

そんな神田に対し、Black Combatの撮影チームは容赦なくインタビューを始め「フェザー級王者が神田選手との対戦を求めています。どう思いますか」等と明日の防衛戦もお構いなしの質問をする。これには神田に帯同していたパラエストラ千葉ネット代表もラストウィークに入った鶴屋浩代表も苦笑いを浮かべるしかなかった。

そのBlack Combatのブラック代表の姿も計量会場で見られたが、氏は2週間後のDEEP JEWELSにも来日するとのこと。中国のWLFとの対抗戦の計画も進むBlack Combatの次回大会は4月20日に予定されており、ブラック代表によるとDEEPから4人の日本人選手を招聘する予定だという。

イ・ソンハの持つDEEPライト級王座に挑む江藤公洋は、本計量では50グラム・オーバーだったが、最計量では200グラムも落とし余裕でクリア。江藤が所属するHEARTSからは木下カラテ、魚井フルスイングも今大会に出場しており、計量会場にも出場選手だけで現れ、魚井がかいがいしく江藤のサポートをしていた。

またメディアよりも撮影に懸命なパラエストラ八王子の塩田歩代表に4月29日のRIZINフェザー級選手権試合に関してコメントを求めると──。「もう独立していますけど、金ちゃん(金原正徳)と今指導している千裕(鈴木千裕)君があの舞台でベルトを賭けて戦うというのは、本当に嬉しいです。ただ僕はもう100パーセント、千裕君のサポートですから」と言葉が聞かれた。

■視聴方法(予定)
3月9日(土)
午後5時45分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP118計量結果

<DEEPメガトン級王座統一戦/5分3R>
[正規王者]ロッキー・マルチネス:108.5キロ
[暫定王者]酒井リョウ:106.9キロ

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]神田コウヤ:65.7キロ
[挑戦者]青井人:64.7キロ

<DEEPライト級選手権試合/5分3R>
[王者]イ・ソンハ:70.3キロ
[挑戦者]江藤公洋:70.35キロ→70.15キロ

<バンタム級/5分3R>
福田龍彌:61.5キロ
雅駿介:61.7キロ

<フェザー級/5分2R>
五明宏人:66.2キロ
木下カラテ:66.1キロ

<ライト級/5分2R>
川名 TENCHO 雄生:70.55キロ
倉本大悟:70.8キロ

<バンタム級/5分2R>
平松翔:61.65キロ
魚井フルスイング:61.2キロ

<バンタム級/5分2R>
力也:61.6キロ
小崎連:61.55キロ

<アマチュア・フェザー級/3分2R>
信原空:66.05キロ
菅涼星:66.15キロ

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