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【Grachan Herios】道端正司とタイトル戦。元レンジャー部隊=小田魁斗「爆弾で爆破して、逃げるとか」

【写真】非常に興味深い話を訊くことができ、明日の試合がさらに興味深くなった (C)MMAPLANET

明日22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで小田魁斗が道端正司と暫定フライ級王座決定戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

キャリア5勝1敗、直近2試合はONE FFで勝ったもの。ONE本戦契約を目指すのではなく、Grachanに戻ってきた小田の真意とは。体力と精神的をギリギリまで追い込んできた小田の過去、誰もがパワフルだと認めるパワーの源を訊いた。


蛇だったり、鶏を捕まえて肋骨をへし折り、首を曲げて血を流して洗って食べる

(C)GRACHAN

──計量を終えて3時間ほど、どのような気持ちですか。

「計量で道端選手と向き合ったのですが、思っていた以上にリーチが長かったです。予想通り、プレッシャーの強さがありそうな選手でした。ストライカーという評判なのですが、体つきから組みもできそうですね」

──10月に九州に取材にいった際にマスタージャパン福岡での出稽古を見させていただいたのですが、とてもフライ級に見えないパワフルな動きが印象的でした。普段は何キロあるのですか。

「あの時は64キロぐらいです」

──えぇ? もっと大きく見えました。

「気を付けないでいると66キロぐらいまでなるのですが、そうなると動きが悪くなって。試合の時はリカバリーをして62キロほどなので、試合に近い体重で落とし過ぎないように64キロぐらいにしています。

皆、パワーがあるといってくれるのですが、自分ではそこに自信はないです(苦笑)」

──過去2戦、ONE FFでクーパー・ロイヤルとンゴク・ウオン・トランという2選手に勝っていますが、ONEでキャリアを積まずにGrachanに戻ってきたのは?

「もともと自分はUFCやRIZINという目標を持っていて、田村(ヒビキ・カルペディエム福岡代表)さんからONE FFの話があると聞いて。岩﨑(ヒロユキGrachan代表)さんも『良い経験になるんじゃない』と快く送り出してくれました。

ただデビューからGrachanで戦ってきて、Grachanでチャンピオンになると言っていました。そこでファイトマネーが少し良いからと、フラフラして路線を変えるというのは筋が通っていないのは自分でも嫌で。ONE FFは海外で試合を積める。なかなかないチャンスなので、試合を受けさせてもらった硬いです。

あの後もONE FFからオファーは貰っていましたが、年末にGrachanのタイトルマッチという目標を持っていたので試合を断り、マッチング期間を終えるのを待っていました。

でもルンピニーで試合をさせてもらって、海外の雰囲気を知ることができました。それに相手はフィジカルが強くても淡泊だと感じたり……本当に良い経験ができました。

僕はバックボーンがなくて、MMAを始めて4年。本当に自信がなかったのですが、ONE FFで2勝して自分がやってきたことに間違いはなかったと思えました。周囲はレスリングやキックを小さなころからやってきているなかで、一つ一つ勝てて少しは良い方向に迎えているなと。まだ全然なんですけど、成長するために良い練習ができていると思えました」

──バックボーンがないということですが、なぜMMAを始めようと思ったのですか。

「実家が対馬で、4年間ほど陸上自衛隊にいました。元々RIZINで堀口恭司選手の試合が恰好良とか思っていて、ある日……ふと、いつ死ぬか分からないし好きなことがやりたい。MMAがやりたいと思って、上の人に『やりたいことがある』と伝えました。色々と手続きがあって、1年ほど自衛隊を辞めるまで時間が掛ったのですが、23歳でMMAを始めました」

──自衛官の勤務というか任務は口にできない人もいるかと思いますが、小田選手はどのような隊に所属していたのですか。

「僕はレンジャー部隊でした。災害や有事に備えて訓練をする」

──えっ、レンジャー部隊って映画で山の中でサバイバル訓練を受けて蛇の皮を剥いて食べたりしているのを視たことがあったのですが……。

「ハイ。自給自足で蛇だったり、鶏を捕まえて肋骨をへし折り、首を曲げて血を流して洗って食べるとか」

──ええ、本当に映画みたいなことをしているのですか……ではナイフで人を殺したりする訓練も?

「ナイフで……(苦笑)。まあ、ちょっとした特殊訓練みたいな。隠密で相手を倒す……とか。ナイフとかより、ダイナマイトとか爆弾で車両が通るところを爆破して逃げるとか」

──いや、立派な特殊工作員だったわけですね。

「アハハ、まあ、そうですね(笑)」

──凄まじい体力と精神力が必要になることは想像に難くないです。

「レンジャー訓練は3カ月あり、最後の1カ月に想定訓練(※行動訓練)というのがあります。1から9想定という風に訓練があり、最後は3夜4日の間、山間部を60、70キロの装具を担いで縦走するのですが、その時はバディと2人組みで冷凍弁当2食を2人で分けあって。水もほとんど飲めず、休憩時間も取れないという……アレでしたね。1想定の時は半日、2想定を2日と、徐々に延びていくんです」

※レンジャー訓練に合格する隊員は全陸上自衛隊員のなかで1割以下といわれている。

──レンジャー部隊は、小田選手がご自分で望んだわけですか。

「そうですね。軽く見ていました(笑)。21歳だったんですが、簡単な場所ではなかったです」

──ひょっとすると、水抜き減量に一番強いファイターかもしれないですね。

「アハハハハ。あの時を思い出すと水抜きは楽なはずですが、もう記憶の中のことなので辛いです(笑)」

「格闘技経験がないのに魁斗の動きを見て『コイツ、強くなるな』って」(田村ヒビキ)

──そしてMMAを始めたということですが、MMAレンジャーズジムでなくカルペディエムに入会したのですね。

「アッハハハハハハ。最初は東京に行こうと思ったのですが金銭的に無理だと思って。福岡で探している時にカルペディエム福岡を訪ねて、ドアを開けてすぐに階段があるのですが、そこに田村さんがいて。『プロになりたいです』って伝えて、体験練習をさせてもらったんです。

一旦、対馬に戻って福岡に出る準備をしている時に『プロになるなら、うちに来な』ってメールを貰って。それでカルペに決めました」

──きっと健康創りでも、「うちに来な」と田村代表はメールをしていたのではないでしょうか(笑)。

「アハハハハハ。深い考えはなくて、誘ってくれたんだと思います」

田村ヒビキ いやいやいや、これだけは口を挟ませてください。体験練習をして、格闘技経験がないのに魁斗の動きを見て『コイツ、強くなるな』って思いました。これはホンマです。普通はそういうことしないけど、魁斗には『おいで』と伝えました。

──レンジャー部隊で培った体力、精神力は役立ちましたか。

「精神的には生きます。追い込み期間の走り込みの時とかも、『あの時よりきついことはない』って思えますし。ただ体力的には自衛官を辞める手続き中に、体の使い方の重要性を教えてもらったことが大きいと思います。それまでは筋肉だけを鍛えれば、パワーがついて強くなると思っていたのですが、正しい使い方をしていると必要な筋肉がついてくる。

そういう考えで、ムーブメントのトレーニングを見様見まねでやり続けて。今ではパーソナルで、指導もしてもっています。自分で正しいのかどうかと思いながらやっていた時と違うのは大きいです」

──本当に興味深いバックグラウンドを持つ小田選手ですが、最初に話題になったように自分はマスタージャパン福岡の出稽古先で練習を見させてもらいました。普段から、出稽古は行っているのですか。

「ハイ。マスタージャパン福岡は野瀬翔平選手や野尻定由選手というスクランブルの速い選手がいて、凄く良い練習ができています。展開が速いので休めない。下で休むと負けという意識で、下になっても上を取り返すように動いています。野瀬さんは極め力もあるので、極められないようにしてやっています。

あとはレンジャーズジムでも練習をさせてもらっていて。レンジャーズジムはストライカーが多いので、総合的力を試す場のような感じです」

──福岡で、首都圏に負けない練習ができているように感じます。

田村 実際、魁斗以外でも野瀬君、レンジャーズの子たちと福岡の選手は中央で結果を残していますからね。東京、大阪、名古屋というくくりはもうないですよ。

(C)GRACHAN

──では明日のタイトルマッチ。

さらなる上のステージを目指すためにどのような試合をしたいと思っていますか。

「自分は打撃、寝技、組みを全て混ぜるタイプなので、どっちの総合力が強いのかという勝負になると思います。回転の速い、パンチ、組みがゴチャゴチャになった厳しい試合になる覚悟でいます。そのなかでフィニッシュしたいです。自分は大事に戦うことが多かったのですが、試合を決めに行こうと思います!!」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】TSUNEの持つ王座に挑戦。豪州Eternal王者・伊藤空也「機械的、圧倒的に勝つ」

【写真】豪州Eternal MMAで王座奪取に成功した伊藤。今回は2冠に向けた一戦でもある(C)TAKUMI NAKAMURA

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、伊藤空也が同バンタム級王者のTSUNEに挑む。
Text by Takumi Nakamura

伊藤は6月に豪州Eternal MMAに参戦し、ロッド・コスタにスプリット判定で勝利してバンタム級王座を獲得。今回のタイトルマッチはGrachan×ErernalMMAの王者対決という一戦にもなった。伊藤が目指すのは2冠王として2025年を迎え、Eternal MMA経由でUFC参戦の切符を掴むこと。そのためにもTSUNE戦では試合内容でも強さを見せることが必要だと語った。


――6.8ETERNAL MMA85でロッド・コスタにスプリット判定で勝利し、同団体のバンタム級王者となっての凱旋試合で、TSUNE選手の持つGrachanバンタム級王座に挑戦する形になりました。

「今年2月にTSUNEさんが手塚(基伸)さんに勝ってチャンピオンになって、その時点で自分とTSUNE選手がやる方向で決まっていて、今年はその前提で話を進めていたんですね。間にEtrnalMMAのタイトルマッチを挟む形になりましたが、TSUNE選手とやるのは分かっていたので、やっとその時が来たなって感じです」

──コスタ戦以降はどんなことを意識して練習してきましたか。

「前回は相手も柔術家だったので、ポジションを取られた時の対処、細かいところを練習していたんですね。だから今回は際の部分で自分がアタックできるぐらいの技、極め、オフェンス部分を意識してやってきました。元々自分は寝技が課題だったので、そこを改善して逆に寝技でも勝負できるぐらい、いろいろと武器やレパートリーを増やせるように、練習で作ってきた感じです」

──コスタ戦はスプリット判定で競り勝った試合で、あの試合で自信がついた部分もありますか。

「あの相手にしのぎ合えたという部分では少し自信がついたし、寝技でもそんなに危ない場面がなかったという部分でも自信がつきました」

──そこから次のステップに進むために必要なことの一つが寝技のアタックだ、と。

「組みの部分はそうですね。今のユニファイドルールはテイクダウンして削るよりも、フィニッシュする・アタックする部分が大事なので、そこを徹底的にやってきた感じです。言い方はあれですけど、相手をいじめてやっつけて、最後はしっかり仕留める。そこはMMAなので打撃以外のところでも自信がつけば、自分の戦力グラフはトータル的に大きくなるし、もっとバランスがいい選手になれると思っています」

──対戦相手のTSUNE選手にはどんな印象を持っていますか。

「ベテラン選手で、僕がプロデビューする時から名前は知っていました。パンクラスではタイトルマッチをやって、パンチが強い印象だったんですけど、その中で意外と一本勝ちも多い。パンチもできてグラウンド、どちらかと言うとディフェンスをしっかりして極めることが出来る、トータル的になんでもできる選手という印象ですね。

──先ほどお話していた今取り組んでいることが試される相手かもしれないですね、

「そうですね。今やっていることを全部出せる、そういう選手ですよね。しかもベテランでチャンピオンだし、胸を借りるつもりで全力でぶつかっていこうと思います」

──そのなかでもきっちりフィニッシュして勝ちたいと思いますか。

「僕は挑戦者側ですけど、海外でベルトを獲って、Eternal MMAのチャンピオンとして戦う試合なので、そう考えたら王者対決ですし、まずは絶対に負けられない。その中でも強さをしっかりと見せつける試合にしたいかなと。フィニッシュするのもそうですし、やっぱり全局面で圧倒して、次のチャンスにつなげるための圧倒的な試合を見せたいと思います。機械的に、しっかりと」

──機械的に、ですか。

「はい。やることをきっちりやるというか、自分に与えられた試合、仕事をきっちりクリアします」

──この試合に勝てばEternal MMAとGrachanの2冠王になります。来年はどんな試合をやっていきたいですか。

「Eternal MMAの防衛戦も来年すぐ決まりそうなので、ここで勝っても気持ちを切らさず、すぐ次の試合に向けて準備したいです。Eternal MMAで防衛を重ねていけば、もっと上のステップにいけると思うので、そこを見据えて試合結果だけじゃなく試合内容でも周囲に評価されるような試合をしたいです」

──Eternal MMAはUFC Fight Passで配信されている大会なので、Eternal MMAで勝ち続けていくことでUFCも見えてくると思います。

「もちろんそこは絶対に目指したいです。今年自分は28歳になったので、30歳までに何か形を作っていきたいと思います。UFCを目指すという意味では来年は勝負の1年になると思います」

――それでは2024年を締める、そして2025年につながる一戦に向けて意気込みを聞かせてください。

「今回の試合は久しぶりの日本での試合だし、勝って当たり前じゃないですけど、勝たなきゃいけないというか、次に向かうためにはここを落とすわけにはいきません。しっかり勝って来年自分の目標、夢に向かってさらに繋がるような試合をします」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】年末決戦へ。TSUNE×高橋孝徳ー02ー「ベテランの生き様を見せますよ」

【写真】「まだまだ、これから」と語る2人。気合は十分だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、同バンタム級王者のTSUNEが伊藤空也を相手にベルトの初防衛戦を行う。TSUNEと同じMe,We所属の高橋孝徳は、原口伸と対戦する。そのTSUNEと高橋のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

伊藤は今年8月、豪州エターナルMMAでロッド・コスタを判定で下し、同バンタム級のベルトを獲得。原口は敗れたものの、Road to UFCで準決勝に進み、今回が国内復帰戦となる。そんなBRAVEジム勢に対し、Me,Weの1985年生まれコンビはどのような試合を見せるのか。後編はTSUNEについて、そして互いの試合について語る。

<TSUNE×高橋孝徳インタビューPart.01はコチラから>


――続いて高橋選手にとって、TSUNE選手はどのような存在なのか教えてください。

高橋 打撃も巧いけど、やっぱり本当に組みが強いです。特に「ケージ際の魔術師」といっても過言ではないぐらいで。いろんな人と練習してきましたけど、ケージ際の小技に関してTSUNEさんを上回る人はいないと思っています。

TSUNE アハハハ。

――練習相手としては、常に何をやってくるか分からないほどの小技を持っているのでしょうか。

高橋 まるで詰将棋のように「こう来たら、こう」と先の先があるんです。こちらが現状を理解できていない間に、どんどん先に回られています。そんなTSUNEさんに対して理屈で勝負したら、先を取られてしまう。だからってフィジカルで勝負しちゃうと、瞬発的に持っていかれてしまうんですよ。

――手塚基伸選手との2連戦は、そんなTSUNE選手の本領発揮だったわけですか。

高橋 本領発揮といえば本領発揮なんですけど――安全運転して勝ったな、という感じですよね。

TSUNE 安全運転!

高橋 これは手塚選手のことを悪く言っているわけではなくて。TSUNEさんは落ち着いて勝ちに行ける。浮き足立たず、しっかりとポイントを取りに行くことができる。タイトルマッチの3R目は流しに行こうとしたら巻き返されけど、それでも凌ぎきるという。

TSUNE それ、みんなに言われるよ(笑)。

高橋 3R目はそうなると思っていたんですよ。1、2を取ったら3は……。

TSUNE ――逃げるだろうな、って。これは性格的な問題で(苦笑)。前にタカタカに言われて「そうだな」と思ったんですけど、僕は良くも悪くも試合がスパーリングどおりらしいです。

高橋 そうですね。僕はまだキャリアが浅い頃、「実力を発揮できていない」と言われていました。反対にTSUNEさんは練習の内容を、そのまま試合で出せるから凄いと思っていましたね。

――ということは練習で調子が悪ければ、その調子の悪さが試合に出るのですか。

TSUNE たぶんそうだと思います(苦笑)。1、2を取ったら3は流す、ということをスパーでもやっているので――頑張っているフリをしながら。

高橋 人はそれを「ペース配分」と呼びます(笑)。

――アハハハ。伊藤選手は苦しい試合展開から後半盛り返し、エターナルMMAのベルトを巻いたファイターです。

TSUNE 厄介な相手ですよね……。3ラウンドのうち2は確実に取れると思っているし、今回はフィニッシュも狙いたいです。

――高橋選手が「絶対そんなわけない」と、怪しむ目つきで見ていますよ。

高橋 アハハハ! こうは言っていますけど、いつもTSUNEさんの場合は3つ全部取るつもりで、1つ取れない時のことも想定して戦っているんですよね。

TSUNE 今大会はタイトルマッチ以外、全て2ラウンド(延長あり)ですからね。そのラウンドの違いを全力で見せつけますよ。

――では伊藤選手の印象をお願いします。

TSUNE とにかく頑張る選手ですよね。フィジカルも強いと思うけど、僕が強いところが通用しないと勝負にならないので、倒して殴って絞めます!

高橋 伊藤選手は勢いが強いですよね。まだ20代だし、スタミナもあって。組みの部分ではTSUNEさんのほうが上だと思いますけど、終盤になっても頑張ることができる選手なので、そこは嫌ですね。

――高橋選手は、RTUから国内に復帰する原口選手と対戦します。

高橋 このタイミングで原口選手と対戦することになるとは、思ってもみませんでした。そもそも原口選手はもうグラチャンには出ないだろうと思っていたし、それが意外でしたよね。海外とかRIZINに行くのかな――と、その点は驚きがありました。

印象は――皆さんが思っている、そのままですよね。とにかくレスリング、組みが強いし、パウンドもしっかり打ってくる。ただ漬けるだけではなく、ちゃんとフィニッシュも狙ってくる。それをやらせないように自分が頑張る試合になるのかな、とは思います。

TSUNE 僕の試合もですけど、タカタカも同じぐらいシンドイ試合になると思います。でもそういう試合ほど、相手のほうはが評価を落としがちじゃないですか。

――……どういうことでしょうか。

TSUNE 原口選手はもともと評価が高くて、RTU帰りで――という選手の復帰戦が接戦になったりすることは多いです。相手が油断してくることはないでしょうけど、タカタカには全て出しきってほしいですね。絶対シンドイ試合になりますから。タカタカには1Rからガンガン行ってほしいです。

高橋 これは自分で言うのも何ですけど、原口選手のキャリアで僕と対戦するというのは、僕のことを何の問題もないと思っているんでしょう。逆の立場であれば、僕はそう思います。それぐらい実績の差はあるので。だから、そう思ってくれていてほしいです。その気持ちの中にチャンスがありますから。

――お二人は今回の試合で何を見せたいですか。

TSUNE 何を見せるか――とにかく無事に終わってほしいです(笑)。

高橋 そこで急に守りに入らないでください!

TSUNE 俺たち、まだやれるぞ――という試合を見せます!

高橋 そう、ベテランの生き様を見せますよ。

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
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■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】原口伸がRTUからの復帰戦。高橋孝徳を相手に、1年10カ月振りの国内ケージへ

【写真】写真は2023年2月のもの。1年10カ月振りに国内で戦う原口、その動向が最も気になるフェザー級ファイターの一人だ(C)MMAPLANET

18日(月)、GRACHAN実行委員会から12月22日(日)に東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosに元ライト級王者の原口伸が出場し、高橋孝徳と対戦することが発表されている。
Text by Shojiro Kameike

2年連続でRoad to UFCトーナメントにチャレンジした原口にとっては、2023年2月の小谷直之戦以来、1年10カ月振りの国内復帰戦に。今年のRTUからフェザー級に転向している原口は、そのまま国内でもフェザー級で戦う。


小谷戦のパウンドは衝撃的だった。この勢いを取り戻したい(C)MMAPLANET

2023年2月に小谷直之を1Rでパウンドアウトし、Grachanライト級王座を防衛した原口。同年5月からRTUに出場し、初戦ではインドネシアのウィンドリス・パティリマを、準決勝では韓国のパク・ジェヒョクを下すも、決勝では中国のロン・チュウにRNCで敗れている。翌年はフェザー級で再チャレンジしたが、初戦で韓国のホン・ジュンヨンに勝利したものの、準決勝で中国のチュウ・カンチエ戦で敗退した。

カンチエ戦は原口が勝っているという声も多かったが、負けは負け。原口はMMAPLANETのインタビューでも「納得はいかないが、いろんなことが吹っ切れた」と語り、国内プロモーション参戦も示唆していた。当然のことながら三度UFCを目指し、海外のフィーダーショー出場という道もあるなか、その動向が注目される原口が復帰の舞台として選んだのは、ホームグラウンドでもあるグラチャンだった。

11月7日に原口自身がXにて「みなさんが、んんーと唸るような試合が決まると思います」と投稿していたとおり、今回の復帰戦では様々な強豪がリストアップされている情報も入ってきていた。ここで対戦相手が高橋に決まったのは、今後のGrachanフェザー級でベルト挑戦も視野に入れてのことか。原口は今年9月にライト級王座を返上しており、かつGrachanではフェザー級の実績がないためノーランカーとなっている。ここで現在フェザー級3位の高橋を下してランクインし、小島勝司が返上した同級のベルトを狙うのだろうか。もちろん本人が語っているとおり、RIZINあるいは海外のフィーダーショーに出場する可能性もある。

いずれにしても注目は、原口のスタイルチェンジだ。前回のインタビューで、RTUの判定を受けて「ああいう判定になるなら、もうレスリングやコントロールに固執する必要はない。打撃でもガンガン行くし、寝技でもガンガン極めに行く」と語っている。国内随一のテイクダウン&パウンダーである原口が、新たな武器を見せることができるかどうか。

相手を封じ込めるグラップリングとムエタイの融合が持ち味の高橋(C)GRACHAN

今回の復帰戦でも、過去の実績でいえば原口の圧倒的優位は動かない。とはいえ、原口がガンガン行こうとすればするほど、高橋のファイトスタイルは厄介なものになるだろう。高橋のスタイルはムエタイ&グラップリング――相手を捌くだけでなく自ら首相撲と寝技で相手を潰していく高橋に対し、原口がフィニッシュを焦るようなことがあると、気づけば高橋の型にハメられているという展開も考えられる。

現在、Grachanフェザー級ランキングでは1位が中村京一郎、2位が黒井海成となっている。原口が高橋を下した場合、黒井は同じBRAVE所属であるだけに対戦は考えられない。となれば――今後の展開が楽しみになる、原口のGrachanフェザー級への出場だ。

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
TBA

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【PFC31】19日は地方の日!! PFC31でフライ級王座決定戦、平井総一朗「何かピークを創っている選手に」

【写真】豪州のフィーダーショーも、北のJ-MMAも今の自分を出すことには変わりはない(C)MMAPLANET

19日(日)は地方の日!! 札幌でPFC31、青森県五所川原でGFCが4年振りに開催され、福岡ではBLOOM FC旗揚げ戦が開かれる。ここでは札幌市北区のPOD アリーナで行われるPFC31のメイン=PFCフライ級王座決定戦で黒石大資と対戦する平井聡一朗のインタビューをお届けしたい。
text by Takumi Nakamura。

今年2月に豪州#01フィーダーショー=ETERNAL MMAに参戦し、現UFCフライ級の注目株スティーブ・アーセグと対戦するという貴重な経験を積んだ平井。7月のPFC30では黒石に判定負けを喫したものの、当初予定されていた黒石×ザ・タイガー石井の王座決定戦がタイガーの怪我の回復が遅れてキャンセルとなり、ダイレクトリマッチという形で王座決定戦のチャンスが巡ってきた。

「これでいいのかなという葛藤もありました。ただその葛藤よりも前戦の自分へのリベンジもしたい」とオファーを受けた平井。アーセグ戦の経験、そして前回の黒石戦での悔しさをどう形にしてきたのか。王座戦を控える平井に話を訊いた。


――今回は黒石大資選手とダイレクトリマッチという形での王座決定戦が決まりました。平井選手にとってはリベンジもかかった一戦ですが、オファーを受けた時はどのような心境でしたか。

「負けたあとのオファーで、これでいいのかなという葛藤もありました。ただその葛藤よりも前戦の自分へのリベンジもしたいと思って試合を受けました」

──7月の黒石戦は振り返ってみて平井選手にとって、どのような試合だったと思いますか。

「黒石戦の前に豪州で試合をやって(※2月のETERNAL MMA73でスティーブ・アーセグに一本負け)、そこで感じた壁や差を少しでもなくすための準備をやってきて、それを出すんだという気持ちで乗り込んだ試合だったんです。でも思った通り自分の体が動いてくれない、イメージしていた試合ができなかったですね」

──その思うようにできなかったのは、自分の中では何が原因だったって感じていますか。

「ただ単に気負いがひどかったですし、勝って当たり前、当然のように勝つ、自分が何かしらでフィニッシュするというイメージでやりすぎてしまって、相手が自分に対してどう戦ってくるかのイメージが不足していたからだと思います」

──対戦相手よりも自分自身に対して課題があったということですね。

「もちろん相手の黒石選手が徹底して組み技の場面を作らせない作戦遂行力があったし、全体的にある程度レベルが高い選手というのも要因だと思います。ただ自分としては準備段階を含め、相手のことを想定した準備ができていなかったことが反省点ですね」

──今回はそこを踏まえて、何を意識して練習されてきましたか。

「その反省ももちろん活かしつつ、5分5Rやる可能性がある試合なので、いつも所英男会長が言っている『やりきる』をイメージして練習をしています。今まで5分2Rで決着をつけていたところが5分5Rで伸びることを考えると、陸上競技で言えば短距離。中距離種目から一気にフルマラソンになるぐらいの違いがあると思いますし、そのなかで『やりきる』ことを意識しながら取り組むことが出来たと思います。底上げを含めた総合力、打・倒・極全て繋がるような動き、そこを徹底的にやってきました」

──やはりラウンド数は試合展開に影響するでしょうね。

「5分2Rであれば、僕の場合は組めればなんとかなってきたところがあるんですけど、5分5Rになるということはスタンドや立った姿勢でどの程度イニシアチブを取れるか、前に出られるか、プレッシャーをかけられるかというのがポイントになると思います」

──しかも5分5R&ダイレクトリマッチというシチュエーションもなかなか経験できるものではないと思います。

「相手選手に対して一度対戦しているから『ここは大丈夫だ』、『ここはダメだ』というのはなく、僕の中では一度まっさらな状態にしました。ざっくりとしたイメージは持ちつつ、最終的には自分自身だと思っているので、今自分が持っているものを5分5Rの中でどれだけ出せるか。相手選手に対してというよりは、自分自身という感じですね」

──先ほど話にも出ましたが、2月のETERNAL MMA73では、のちにUFCに参戦するスティーブ・アーセグとの対戦でした。結果は一本負けでしたが、UFCレベルの選手と海外で戦うことは貴重な経験です。あの試合は平井選手に何をもたらしましたか。

「本当に自分にとってターニングポイントになったと思います。やはり海外遠征だけあって、スケジューリングもアバウトだったんですけど、そのなかでも割と平常心でいられたというか、そこまで動揺することなく、試合には臨めました。相手選手に対しても試合前にフェイスオフで向かい合った瞬間は『こいつなら勝てるぞ』と思って当日を迎えて、いざケージの中に入って相手と向かい合っている瞬間も、気持ち的にビビることがなかったんです。そのぐらい精神的・肉体的にいい状態でできた試合だったのですが、その上で何もさせてもらえないまま終わってしまったことが凄く悔しい部分で……。今はそこ(海外)を自分の目標、モチベーションとして、もう一回、ここからやり直すんだというきっかけになりましたね」

──あの試合をきっかけに格闘技に対する考え方や取り組み方は変わりましたか。

「変わりましたね。世界と視野が広がった感じです。それまでは国内での自分の立ち位置しか見えてなくて。大した立ち位置ではないんですけど、世界にはこういう戦いの場があるということを体感しただけでも、格闘技家としても人としても成長させてもらえました」

──それも踏まえて、平井選手は今どんな目標を持っていますか。

「先日もPFCのYouTubeライブでもお話させてもらったのですが、目の前の試合を一つ一つ勝つことですね。ただ、昨年末から一貫していることがあって、それは所会長を選手としてではなくて、コーチ・セコンドとしてRIZINに連れて行くこと。所プラスも選手が増えてきたのですが、自分の中では自分が最初に(所をRIZINに)連れて行くんだという想いがあります」

──先日所選手を取材した際、プロ選手&プロ志望の選手が増えてきてプロ練の時間を設けるようになったと話していました。

「僕がジム入った当初はプロの先輩が一人、プロ志望の選手が一人いただけで、基本的にプロ志向のジムではなかったんです。僕ももともと柔道をやっていたんですけど、プロを目指すというよりも、格闘技を楽しみたいと思って入会しましたし」

──そこからなぜプロを目指すようになったのですか。

「さっき話したプロ志望の選手=長野将大選手がデビューするかしないかのタイミングでジムに入って、僕が階級も近い&柔道経験者ということで一緒に練習させてもらう機会が多かったんです。それから練習だけじゃなく、セコンドにも入るようになって……そういうことの積み重ねと周りの期待もあって、自分も試合に出ようと思いました」

──そういったジムの歴史を知っているからこそ、所選手を“会長”としてRIZINのリングに立たせることには特別な想いがありそうですね。

「今までジムを引っ張り、担っていくのは僕じゃなくて、自分より先にジムに入っていた2人だったり、僕より下の世代の選手だと思っていたんです。もともと僕はプロ志望じゃなかったですし、僕より若い選手たちがドンドン上のステージに上っていってくれた方が、ジムが盛り上がるだろうなと考えていた時期もあります。でも自分の役割や役目を改めて考えた時に、今は自分がやらなきゃいけないなって発想が変わってきて。それであえて『所会長をRIZINに連れていきたい』と口に出して言うようにしました」

──その目標を達成するためにも、ベルトを巻くことが大きな前進になると思います。そのタイトルマッチに向けた意気込みを最後にいただけますか。

「まだまだ僕は目立つ選手でもないですし、特別何かを残した選手でもないんですけど、本当にこれから先、何かピークを創っていける選手になっていくので、是非注目していただけたらなと思います」

■PFC31対戦カード

<PFCフライ級王座決定戦/5分5R>
黑石大資(日本)
平井総一朗(日本)

<PFCストロー級王座決定戦/5分5R>
早坂優瑠(日本)
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)

<バンタム級/5分2R+1ex>
亀松寛都(日本)
ジミー西将希(日本)

<ライト級/5分2R+1ex>
渡辺トシキ(日本)
天草ストロンガー四郎(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
中島光陽(日本)
河永重春(日本)

<ミドル級/5分2R+1ex>
森崇純(日本)
カタナマン(日本)

<フライ級/5分2R+1ex>
澤口悠之介(日本)
中西テツオ(日本)

<フェザー級/5分2R+1ex>
伊藤光(日本)
ハント高島(日本)

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DEEP Gladiator Grachan MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2023#04 Wardog キック ザ・タイガー石井 タイガー石井 パンクラス 井口翔太 修斗 加マーク納 岡田遼 旭那拳 田上こゆる 長野将大

【Shooto2023#04】22歳差対決=田上こゆる✖ザ・タイガー石井。10年振りに加マーク納がプロ修斗参戦

【写真】なんだか、おとぎ話のようなマッチアップだ (C)MMAPLANET & SHOJIRO KAMEIKE

5月31日(水)、半期に一度のプロ修斗大阪大会の開催とカード発表がSustainよりあった。18日(日)に大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2023#04は、キックの8人トーナメントが、従来の大阪大会と同じく組まれている。

修斗公式戦で目を引くのは、4月の沖縄大会で12年振りの修斗出場でストロー級ランカーの旭那拳を破ったザ・タイガー石井の参戦。対戦相手は──負けられないだけでなく、MMAとしての成長を見せ続ける必要がある田上こゆるだ。


1979年7月生まれ、43歳の石井が初めて修斗のリングに上がったのは2003年5月のこと。田上が1歳4カ月の時に、石井はキックからMMAに転向を果たした。年の差実に22歳というマッチアップは、田上にとって対戦相手がひたすら組んでテイクダウン&コントロールを狙ってこない初めての試合になるかもしれない。

田上にとっては、昨年の夏のミルウォーキー、ルーファスポート修行で感じた組み技の成長を確信に変える試合が組まれたといっても過ではない。とはいっても、石井はムエタイをMMAに落とし込んだ、組み技を持つ。仮に田上がMMAに拘り過ぎれば、打撃と組みが一体化した石井の一発にヒジやヒザの餌食、さらに崩しを食らうことも十分にあり得る。

田上がMMAをするには、打の圧で石井を上回ること。そうすれば田上のMMAは回り始める。今後、組み力のアップデートが必要な田上だが、それは彼の持つ打撃の強さを生かすため。

正直、修斗関係者は誰も石井が旭那を破るとは思っていなかったはず。それ故に広がるザ・タイガー石井幻想。MMAで勝つために打撃の圧が絶対に必要な田上と、そんな若さをザ・タイガーが老獪さでいなすことができるのか。興味深い交わりといえよう。

ザ・タイガーのプロ修斗カムバックロードの裏で、34歳=加マーク納の修斗10年振りの参戦もコア層には気になるところだ。

加マーク納は2013年にその後の修斗世界王者、そして今は京葉間で事業家としての成功を目指す岡田遼とプロデビュー戦を戦い、RNCで一本負け。以来、Wardog、GRANDSLAM、HEAT、GLADIATOR、パンクラス、DEEP、ZST、さらにGrachanでキャリアを積んできた。

グラジとZSTではフライ級王座に絡んだが、ベルト奪取ならず。現時点で直近の試合となったグラチャンでは王座決定T及びフライ級タイトル戦線に当然のように顔を出すと思われていたが、継続参戦はなかった。

前回の長野将大戦では跳びヒザKOというキャリアハイの勝ち方をしており、井口翔太と続けて「しょうた」を相対する加マーク納──流れ流れて原点回帰にも注目したい。

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Brave Fight27 Grachan Grachan58 Grachan59 MMA MMAPLANET o ONE RIZIN ブレンゾリグ・バットムンク 今市凌太 児玉勇也 原口伸 古谷宗太郎 宮内拓海 小谷直之 山田哲也 崎山勲 御代川敏志 新垣健司 植田豊 海外 田中智也 薩摩竜仁 藤村健悟 長野将大 阿仁鬼 高橋孝徳 高須将大

【GRACHAN59×BRAVE FIGHT27】岩の拳ブレンゾリグと対戦、山田哲也─02─「パウンドでフィニッシュ」

【写真】ONE時代に国内では経験しがたい圧は幾度となく経験してきた山田。その経験がブレンゾリグを相手に生きるか (C)ONE

12日(日)、東京都江東区のTFTホールで開催されるGRACHAN59×BRAVE FIGHT27で、ブレンゾリグ・バットムンクと対戦する山田哲也のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

元ZSTウェルター級王者の山田にとって、日本での試合は2016年12月にグラチャンで行われた石原裕基戦以来、6年2カ月ぶりとなる。長きにわたる海外での試合経験は、山田に何をもたらしたのだろうか。そして打撃系ファイターのバットムンクと、いかに戦うのか――そんな山田が、試合前にも関わらずフィニッシュ方法を宣言した。

<山田哲也インタビューPart.01はコチラから>


――グラチャンに参戦するうえで、目指すはGRANDウェルター級王者の川中選手への挑戦ということは、完全にウェルター級に移行するということですね。山田選手の階級変更で、国内ウェルター級が活性化しそうです。

「ありがとうございます。今後はウェルター級でやっていきたいです」

――山田選手にとって国内での試合は、2016年12月の石原戦以来、6年2カ月ぶりとなります。

「試合は試合なので、国内でも海外でも変わらないです。ケージに入ってしまえば、どこでも同じかと思っています。国内で試合をすると、いつも一緒に練習している仲間が応援に来てくれるので心強いですね」

――では6年以上もの間、ずっと海外で戦ってきたことで学んだものはありますか。

「直前のオファーを受けて試合をしたりとか、当日に試合順が変わったりする環境で試合をしてきました。そういう面では、メンタルが強くなったかなと思っています。いきなり試合順が変わったために、アップできずに試合をすることもありましたから(笑)」

――試合順が後になるならまだしも、いきなり繰り上がって予定より早く試合をするのはキツいですね。

「クンルン・ファイトに出た時(2017年7月、中国でウ・ハオチアンに判定勝ち)なんですけど、チャールズ・クレイジーホース・ベネットの都合で僕の試合順が繰り上がりました(笑)。それに限らず、海外の試合はトラブルも多いですよね。日本での試合のほうが安心感はあります」

――石原戦はグラチャンで行われた試合で、今回そのグラチャンで国内復帰という形になりました。そこに何か縁などは感じますか。

「そうですね。グラチャンについては――いつかまたグラチャンで試合したいと思っていました。国内で試合するにあたって、最初に声をかけていただいたのがグラチャンで嬉しかったです。12月4日(GRACHAN58)で出場の挨拶をさせてもらった時に、久しぶりに見ると大会も変化しているなと思いました。もう名前が分からない、新しい選手がたくさん出ていて。新鮮だったことに加えて、メインで川中選手の試合(ノンタイトル戦ながら渡辺良をヒザ十字で下している)も見ることができたので良かったです」

――ずっと海外で試合をしている間、他のプロモーションも含めて日本国内の動向はチェックしていたのでしょうか。

「細かくチェックしていたわけではないですが、今の国内で自分がどれだけやれるのか――その点はずっと頭の中にありました」

――どれだけやれるか……その結論は出ていますか。

「それは今回の試合次第だと思います」

――なるほど。次の対戦相手は韓国在住のモンゴル人ファイター、ブレンゾリグ・バットムンクです。山田選手のほうから「誰と対戦したい」「海外選手と試合したい」といった希望はあったのですか。

「いえ、特に希望はなかったです。もともと『もし日本人選手で相手がいなかったら、海外の選手でも良いですか?』というお話を頂いていたので、相手が外国人選手になっても驚きはなかったですね」

――では、そのバットムンクについて印象を教えてください。

「体の力が強くて、腰が重い選手ですね。復帰戦としては、なかなかの相手だと思います」

――腰が強いからこその打撃力が目立っていますね。

「はい。立っている時の安定感が優れています。勢いに乗ると、どんどんパンチを振ってきますよね。自分としては近い距離になったら組んで、倒してから大人しくさせたいです」

――やはりポイントはテイクダウンですね。近い距離になっても、打ち合う気はないですか。

「打ち合いは……(苦笑)。ただ、組むためには近い距離に入らないといけないので、少しは打撃戦に付き合わないといけないと思います。相手の打撃をかいくぐって、どう組みついてテイクダウンするかですね。それでも珍しいタイプというわけではないです。これまでも雑な打撃を振ってくる相手とは対戦してきているので」

――バットムンクのテイクダウンディフェンスに関してはいかがですか。

「過去の試合では、何度もテイクダウンされていますよね。でも、ああいうギリギリまで粘るタイプは、テイクダウンしたい側としては一番疲れる相手なんです(笑)。以前グラチャンに出た時(2019年1月、植田豊に判定負け)、テイクダウンの際にケージを掴んでいて。あれをやられるとキツいですよ。今回は2Rなので、最初からテイクダウンしてフィニッシュを狙っていきたいです。今回はパウンドでのフィニッシュを狙っています」

――えっ、試合前にフィニッシュ方法を宣言して大丈夫ですか。

「アハハハ、大丈夫です。パウンドでフィニッシュしますよ。相手は今までの試合で、サブミッションを返している場面もありました。ただ、そんなにブリッジが強い選手ではないので、まずはしっかりポジションを取ること。ポジションを取るためにパウンドを落としながら、そのまま殴り続けて仕留めたいです」

――これまで山田選手の試合ではパウンドアウトによるフィニッシュはなかったので、ニュー山田哲也を楽しみにしています。

「いずれはRIZINなどにも出たいと思っていますが、今は山中選手のことしか頭にないです。次はグラチャンとブレイブファイトの合同興行なので、きっとブレイブ所属の山中選手も会場に来ますよね? バットムンクを仕留めて、その場で山中選手に対戦を要求させていただきます」

■視聴方法(予定)
2月12日(日)
午後1時30分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN59×BRAVE FIGHT27対戦カード

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者]原口伸(日本)
[挑戦者]小谷直之(日本)

<ウェルター級/5分2R>
山田哲也(日本)
ブレンゾリグ・バットムンク(モンゴル)

<フェザー級T準決勝/5分2R>
高橋孝徳(コンゴ)
崎山勲(日本)

<ライト級/5分2R>
藤村健悟(日本)
松田マン(日本)

<バンタム級/5分2R>
高須将大(日本)
ガルちゃん(日本)

<無差別級/5分2R>
ダンカン(日本)
鈴木マシマシ(韓国)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
御代川敏志(日本)
薩摩竜仁(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
長野将大(日本)
天野哲宏(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
宮内拓海(日本)
新垣健司(日本)

<フライ級次期挑戦者決定T1回戦/5分2R>
児玉勇也(日本)
田中智也(日本)

<フェザー級/5分2R>
阿仁鬼(日本)
櫻庭泰裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
髙橋謙斗(日本)
松本大輔(日本)

<74キロ契約/5分2R>
神谷大地(日本)
今市凌太(日本)

<ライト級/5分2R>
望月貴史(日本)
古谷宗太郎(日本)

<フライ級/5分2R>
山﨑聖哉(日本)
二之宮徳昭(日本)

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Grachan54 MMA MMAPLANET o 加マーク納 長野将大 長野将太

【Grachan54】跳びヒザ一閃、長野将太に衝撃KO勝ちの加マーク納だったが、思わぬどんでん返しに……

【写真】狙いすました跳びヒザ勝利にドヤ顔の加マーク納だが、愛娘の反応は……(C)MMAPLANET

15日(日)に東京都港区の品川インターシティホールでGRACHAN54&55が開催された。

J-MMA新時代を告げるようなマッチアップ、重量級の戦い、そしてタイトル戦と今のグラチャンが詰まったダブルヘッダーから──ここではGrahan54で組まれた加マーク納✖長野将大戦の模様をお伝えしたい。Grachanを新天地にキャリアの再生をはかる両者のサバイバルマッチの行方は。


<フライ級/5分2R>
加マーク納(日本)
Def.2R0分24秒by TKO
長野将大(日本)

ジャブを伸ばす長野が一旦間合いを取り直し、左ローを蹴る。続くシングルにギロチンを仕掛けた加マーク納は、引き込んで巴のようにギロチンスイープへ移行する。

反転して上を取った長野がサイドで抑える。腹ばいからシングルに出た加マーク納に対し、長野はキムラからバックを狙いつつ腕十字の機会を伺う。

スラムで叩きつけられた長野はすぐにレッスルアップ&シングルへ。

再びギロチンから加マーク納がスイープ、長野はその勢いを使って前転してスクランブルに持ち込み、立ち上がってケージに押し込む。

ボディロックの長野のヒザ蹴りが急所に入り、試合が中断する。再開後、左ミドルを蹴った長野は右回りを続ける。加マーク納は左フック、組んで引き込んだ長野は潜ろうして、即立ち上がる。

再びケージを背負った加マーク納は首相撲からヒザをボディに入れる。

ここで長野のヒザが加マーク納の急所に入り、2度目の中断で警告が与えられた。リスタート後、左ハイからフックを振るう加マーク納に組んでいく長野は、倒すことができずアッパーを受けそうになって離れる。

間合いをはかる両者、右に回る長野を追いかけて加マーク納が右オーバーハンドを打っていく。ケージ中央、ジャブを伸ばす加マーク納に対し、組みのフェイクを長野が見せる。ケージに詰まった長野は、左ローを蹴る。続く蹴りで重心が浮いた長野を押し倒すようにテイクダウンした加マーク納は、立ち上がってきた長野にケージに押し込まれる。

右を差し返して、ボディロックテイクダウンを決めた加マーク納が立ち上がった長野を再び倒し時間となった。

2R、跳びヒザのフェイクを見せた加マーク納。長野は右回り基調が続き、ローを蹴り、ジャブを伸ばす。

と、一瞬の間が空いた直後、そのま間がまるで長野を引き寄せるような磁場だったかのように、距離が近づいたところで加マーク納が右の跳びヒザ一閃。

気を失った長野が、前方に崩れ追い打ちの鉄槌にレフェリーが試合を止めた。

ケージの中から応援をしていた娘さんを呼ぶも、拒否られた勝者は「なんでやねん」と苦笑いを浮かべた。

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Grachan54 Grachan55 MMA MMAPLANET o ラデック 佐々木憂流迦 原口伸 大搗汰晟 川中孝浩 植田豊 鈴木一史 長岡弘樹 長野将大 高橋孝徳 高須将大 黒井海成

【Grachan54】原口伸と暫定ライト級王座決定戦。植田豊「打・投・極、どこでも倒せる」

【写真】MMAファイターとして、力の差があると言い切った植田 (C)MMAPLANET

15 日(日)、東京都港区の品川インターシティホールで開催されるGrachan54&55。ダブルヘッダー第一部のGrachan54のメインで暫定ライト級王座を賭け原口伸と対戦する植田豊。

その実力の程は定評があるが、なぜか試合で取りこぼしも多い。そんな植田はレスリングから転向してきた超新星との対戦を前に、MMAファイターとしての力の差はあると断言した。


──日曜日に原口選手と暫定王座決定戦が控えています。格闘DREAMERSの期待の新人✖外敵のようなマッチメイクとなりました。

「う~ん、そうですね。まぁ彼が勝てばストーリーができやすいことなのですが、自分には関係ないことなので。そこは気にしていないです」

──舐めんじゃねぇよという想いは?

「舐めんじゃねぇよっていうのは、当然のように誰に対してあるわけじゃないですか。だから今回の試合で、そういう気持ちが特に強いということはないです」

──ではキャリア4戦目、デビュー7カ月目でタイトル戦まできた原口選手に関して、どのような印象を持っていますか。

「単純にポテンシャルの高い選手です。レスリングのベースがあって、気持ちが強い選手なので勝ち星を重ねていれば当然、資格はあるのかと思っています。まだ2勝ですけど、グラチャンのライト級で彼と絡める役者がどれだけいるかということもありますし、これだけ勢いがついちゃうと当たるのは必然かもしれないです」

──一段階ではなく、三段階ステップアップするためのタイトルと植田選手という風に見えます。

「役者が少ないんで、仕方ないと思います。そうなりますし、でも力を考えると向うに勝たせたいというマッチメイクではないと思っています」

──ポテンシャルがあるということですが、前回の試合ではかなり課題が浮き彫りになっています。現時点で原口選手のMMAファイターとしての力をどのように判断していますか。

「MMAって何でもMMAと表現できるので、少し難しいところがありますが、全てができてちゃんとつなげる選手ではないですよね。全てができてつなげることができることをバランスが取れているというのであれば、全然レベルは低いと思います」

──同時に繋げられていなくて、一点突破でいけるのもMMAという見方もできます。

「ハイ。だからレスリングと振りまわしで勝てています。それが現時点の彼の戦い方ですね。前の試合で打撃を意識して戦ったことで、パンチを被弾して倒れたので今回は戦い方を変えてくる可能性は十分にあると思っています。ただ本能で戦うタイプなので、熱くなればまたぶん回してきそうなイメージもあります」

──ぶん回してきた方が戦いやすいというのはありますか。

「ぶん回し方にもよります(笑)。まぁカウンターは取りやすいです」

──所属しているMe, Weでは、誰かが常に試合があり、皆がその練習相手を務めている印象があります。

「試合が続いたこともあって、雰囲気も良い感じです。倉本(一真)君や佐々木憂流迦君の加入もあって、憂流迦君は大きいので良い練習相手になってくれています。MMAだと鈴木一史選手がいて、あとは柔術が強いジムですから。組み技に関しては、体格の合う強い選手はいくらでもいます。だから全く問題ないです」

──それだけ仕上がっていると。

「かなり良いと思います。特別何をしてきたというわけではないですけど、一つ一つのレベルももの凄く上がったと思います。僕が負ける勿体ないパターンって、素人のぶん回しみたいなのを貰って負けたりしているので(苦笑)。そういう事故が起きないように戦わないといけないです。そういう意味でも、基本に立ち返って練習できたかと思います」

──植田選手は試合で、まだ力を出し切れていない印象です。

「ありがとうございます。半分も出せていないと思います。取りこぼしてしまうこともそうですし、入り方、考え方という部分でも試合期間が空いたので見直すことができました。ジムに若い子たちも増えていますし、しっかりと見せないといけないという気持ちもあります」

──ダイヤの原石との対戦で、一番見せたい部分はどこでしょうか。

「一番は勝つこと。結果を残さないといけないです。正直、彼と違って全局面できるので。打・投・極、どこでも倒せると思っています。なので、そういったレベルの高いところを見てもらいたいです。

もうタイトルマッチも3度目ですし、これを落としてしまうと一生ベルトには縁がないのかと思います。ただ大切なモノはベルトとかっていう物理的なモノではなく、強さを求めるという部分に重きを置いてはいます。それでもステップアップする大きなきっかけではあると思うので、ここをしっかりと獲りたいです。それで大きな舞台に繋げることができればなと思っています」

■GRACHAN55視聴方法(予定)
5月15日(日)
午後5時00分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN55対戦カード

<GRANDウェルター級選手権試合/5分3R>
[王者]長岡弘樹(日本)
[挑戦者] 川中孝浩(日本)

<無差別級/5分2R>
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
瓜田幸造(日本)

<フェザー級/5分2R>
高橋孝徳(日本)
大搗汰晟(日本)

<バンタム級/5分2R>
高須将大(日本)
長谷川卓也(日本)

<無差別級/5分2R>
北村亮太(日本)
田馬場貴裕(日本)

<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
吉田哲之(日本)

<フェザー級/5分2R>
櫻庭泰裕(チェコ)
伊藤類(日本)

<バンタム級/5分2R>
YO-HEI(日本)
佐々木歩夢(日本)

■GRACHAN54視聴方法(予定)
5月15日(日)
午後1時30分~ GRACHAN放送局

■ GRACHAN54対戦カード

<GRAND暫定ライト級王座決定戦/5分3R>
植田豊(日本)
原口伸(日本)

<フライ級/5分2R>
長野将大(日本)
加マーク納(日本)

<バンタム級/5分2R>
松井斗輝(日本)
松本大輔(日本)

<フェザー級/5分2R>
村田俊(日本)
黒井海成(日本)

<無差別級/5分2R>
ラデック(チェコ)
佐々木克義(日本)

<無差別級/5分2R>
中島大志(日本)
石川廉(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大(チェコ)
中嶋紳乃介(日本)

<フェザー級/5分2R>
萩原一貴(日本)
羽馬誠人(日本)

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HEAT50 MMA MMAPLANET o UFC コンバット柔術 バレット・ヨシダ ブラジリアン柔術 江木伸成 生田誠 長野将大

【HEAT50】プログレス提供コンバット柔術で江木伸成と対戦、生田誠「答え合わせをやりたい」

【写真】素晴らしい姿勢を持ち続けている。脱帽だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

5月7日(土)、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT50で、プログレス提供試合として生田誠と江木伸成が、コンバット柔術ルールで対戦する。
Text by Shojiro Kameike

生田誠といえば、UFCでホイス・グレイシーが戦う姿に影響を受けて、柔術を始めて22年――柔術界の大ベテランだ。特に、生田ガードとも呼ばれたリバース・デラヒーバは、生田の代名詞的な技であった。その生田がコンバット柔術ルールに挑む。ガード主体の柔術家であった生田が、打撃有りのコンバット柔術で何を見せるのか。そこには、柔術家として生きる生田誠の原点があった。


――生田選手がコンバット柔術ルールで戦うと聞いて、驚きました。対戦相手の江木選手もガード主体の柔術家で、コンバット柔術ルールでどのような試合になるのか興味深いです。

「江木君は正直、そんなに絡んだことはない選手なんですよね。ただ、MMAのパウンダーよりは戦いやすいんじゃないかと思います。もっとこちらの寝技に付き合ってくれて、面白い試合になるんじゃないでしょうか」

――生田選手は現在、どれくらいのペースで試合をしているのですか。

「今は試合に出ても、1年に1回か2回ぐらいですね。柔術も全日本とかではなく、小さい大会ばかりで……。何かタイトルを獲ろうとか、そういう気持ちではなくて。いま一番興味があるのが、コンバット柔術なんです。だから前回のIREにエントリーして、グラップリングマッチ2試合とコンバット柔術に出場して、経験を積みに行きました」

――昨年8月、コンバット柔術ルールで長野将大選手と対戦し、オーバータイムで生田選手の50/50から抜けた長野選手が勝利しています。

「MMAファイターを相手にバリバリ引き込んで、下から仕掛けていったら、上からバチバチ掌底を当てられて(苦笑)。

一本負けやKO負けはしなかったものの、オーバータイムで足の取り合いをした時に、自分が疲れてしまっていて……。そこまで柔術やグラップリングでは負けなしで来ていたんです。でもコンバット柔術で久しぶりに負けてしまい、何とかコンバット柔術で勝ちたいなと思っているところに、ちょうど今回のオファーを頂いたんですよ。それで、そのオファーを受けさせていただきました」

――そもそも、なぜコンバット柔術ルールの試合に出ようと考えたのでしょうか。

「もともと僕が柔術を始めたのは、打撃有りの戦いの中で、どう柔術家が戦うかに興味があったんですよね。初めてUFCでホイス・グレイシーを見た時から。だからMMAに興味がないわけでもないんです。せっかく柔術の黒帯を取ったし、今は競技柔術への興味も無くなってきているので、MMAをやるかどうかという考えもあったんです」

――えっ!? MMAを戦おうと考えていたのですか。

「でも、年齢も45歳になっちゃいましたからね(苦笑)。今からハードな打撃有りの競技をやるのも有りだけど……と考えていた時にIRE、コンバット柔術にチャレンジしてみようと。

自分の中では柔術をやるうえで、ずっと『打撃があったらコレはどうなんだろう?』と想定しながら続けていました。今も僕はリバース・デラヒーバを使います。それでコンバット柔術でも相手の打撃をもらわない距離感を保って、スイープして上を取れば何とかなるだろうと思っていました。でも結果は打撃に飲み込まれてしまって――。だから、まだ自分の中で答え合わせができていないんです」

――……。

「たとえば……そのポジションにいたら殴られるから、足関節があったらベリンボロやるとどうなるか、とか。そういうことは、今のモダン柔術ではそこまで徹底して考えられてはいないじゃないですか。それって競技柔術をやっているとハッキリしないというか、分かりにくいというか……。自分の中で、その答え合わせをやりたいんですよね。

だから今、プログレスやコンバット柔術で若い選手に勝ってチャンピオンになりたいとか、そういうことではないんです。どうやれば柔術の技術を使って安全に戦うことができるのか、それが知りたくて」

――生田選手はUFCでホイス・グレイシーを見てから柔術を始めた生田選手にとって、追いかけているのはブラジリアン柔術ではなく、グレイシー柔術なのですよね。

「ホントに、その通りなんです。今はブラジリアン柔術として世界的なスポーツになっているじゃないですか。それは良いことなんです。でもその反面――グレイシー柔術ではないよなって。

柔術って選手の動きを誘導するルールじゃないですか。たとえばガードに引き込んでも、パスガードのポイントがあるから相手を抑え込もうとする。マウントの4ポイントがあるからマウントを取る、バックマウントに4ポイントがつくから……要は、打撃有りの戦いを想定して作られているルールなんですよね。

先日、黒帯の四段を取得した時にルール講習会を受けたんです。そこでは安全性を強調しているように感じたんです。あとは護身術としてのコンセプトを伝えていきたい、と。それはそれで凄く良いことなんです。でも、当時見たグレイシーの戦いではないなと思ってしまいました。

ハファエル・メンデスが出てきた時もそうだと思うんですけど、ルールを守りながらいかに勝つかという技術が増えてきました。その最たる例が50/50ですよね。50/50が出てきたことで、いろんなものがガラッと変わってしまいました。50/50って今は、本来の使い方とは違うじゃないですか」

――というと?

「昔、バレット・ヨシダさんからお聞きしたのは、『もともと50/50は足を取るための技術であり、50/50から上を取ったり下になったりというシーソーゲームをやるのは、あまり意味がないよね』と。そうやって、なぜ50/50が生まれたのかを考えると、僕自身もすごく足関節の攻防に意識が行きました。ただ50/50や足関節のことを考えるならば、必ず意識しておかなくてはいけないのは――足を取りに行った時、相手に立たれて殴られてしまうことなんです。

競技柔術をやっている人たちに対して思うのは、ベリンボロもそうですけど、バックを奪う動きを否定するつもりは一切ありません。ただ、自分のリバース・デラヒーバも含めて、打撃有りの中では危険すぎると思っていて。

するとクローズドガードの技術や、距離ができたら立ち上がる柔術立ちの技術とか、それがグレイシー柔術の根幹なんじゃないかなと感じるんです。でも競技柔術の練習だけをしていると、その感覚が疎かになってしまうんですよね。結果、コレで本当に強くなっているのかなって思ってしまう。

もちろん競技が普及し、皆が楽しめるものになるうえで、現在のブラジリアン柔術のルールやモダン柔術を否定するつもりはないんですけど」

<この項、続く

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