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【ONE167】ロッタン×ピューリックはキャッチウエイトに変更、リアム・ハリソン×北野克樹は中止

【写真】武尊戦の負傷欠場からの復帰戦となったロッタンだが計量オーバー……。(C)MMAPLANET

明日8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167の公式計量&ハイドレーションが行われた。
Text by Takumi Nakamura

野杁は計量・ハイドレーション共にクリア(C)ONE

野杁正明のONEデビュー戦で注目を集める今大会だがロッタン・ジットムアンノン、リアム・ハリソン、北野克樹の3選手がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態が発生した。

ONEから届いたプレスリリースによれば、ロッタンはフライ級のリミット135ポンド(61.2キロ)を6.25ポンド超過する141.25ポンド(64.07キロ)で最終的に計量を終了。対戦相手のデニス・ピューリックがキャッチウエイトでの試合を受けたことで、141.25ポンド契約のキャッチウエイトで行われることになった。(ロッタンの報酬の25%が対戦相手に渡される)

平田も計量・ハイドレーションしっかりとクリア(C)ONE

またハリソンと北野についても対戦者同士がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態となり、キャッチウエイトでの試合も成立せず。試合そのものが中止となった。(ONEから届いた公式計量&ハイドレーションテスト結果では両者の体重は記載なし)

なお日本から参戦している野杁、平田樹は計量&ハイドレーションテストともにクリアしている。

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE167計量結果

<ムエタイ・フェザー級/ 3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.3キロ
ジョー・ナタウット:69.05キロ

<キック141.25ポンド契約/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン:64.06キロ
デニス・ピューリック:61.12キロ

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/10分1R>
マイキー・ムスメシ:65.31キロ
ガブリエル・ソウザ:65.54キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ:76.77キロ
ブレイク・クーパー:74.95キロ

<キック・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン:69.28キロ
野杁正明:69.73キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
デニス・ザンボアンガ:51.70キロ
ノエル・グホンジョン:51.93キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エイドリアン・リー:75.97キロ
アントニオ・マンマレッラ:76.31キロ

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョン・ガザリ:60.55キロ
ウェン・トゥラン・ユイニョク:61.12キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹:51.82キロ
ヴィクトリア・ソウザ:51.82キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジョハン・エストゥピニャン:65.31キロ
ザファー・シャイック:65.77キロ

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【ONE167】野杁正明、ONEへ―02―「ONEでチャンピオンになったら、初めて『ここがゴールだ』と思える」

【写真】5月18日、野杁は武尊が結成したteam VASILEUSに加入することを発表。武尊、そして渡辺雅和トレーナーらと共にONEの頂点を目指す(C)TAKUMI NAKAMURA

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、野杁正明がフェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールでシッティチャイ・シッソンピーノンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

注目のONE参戦、そしてシッティチャイとの対戦が決まった野杁。ONE参戦を決意した理由を語ってくれて前編に続き、インタビュー後編ではシッティチャイとの対戦やONEでの戦い、そして先にONEに戦いの場を移した武尊への想いを語った。

<野杁正明インタビューPart.1はコチラ
<シッティチャイ インタビューはコチラ


――さてONEデビュー戦では、いきなりトップ選手のシッティチャイと対戦することになりました。オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「驚きはなかったですね。素直に嬉しかったです。キャリア豊富なベテランですし、ランキングでも3位に入っていて、デビュー戦で当ててもらえてよかったです」

――試合をやるならランカーやトップ選手とやりたかったですか。

「やりたかったです。その方が手っ取り早いので。シッティチャイはONEでタワンチャイにも勝っていますし、ONE以外ではスーパーボンに勝って、グレゴリアンには通算戦績で勝ち越していて、そうそうたるメンバーに勝ってるじゃないですか。ここをクリアすれば次のステージが見えてくるので、ノーランカーの選手とやってチャンスが回ってくるのを待つよりは、シッティチャイのような選手とやれてよかったです」

――ファイトスタイルについてはどんな印象を持っていますか。

「一言で言うとテクニシャンですよね。サウスポーで上手く戦いながら、相手が入ってくるところにヒザを合わせる、みたいな。もろにムエタイスタイルではないですけど、ムエタイスタイルをこのルールに合わせて戦っている印象です」

――シッティチャイは野杁戦が決まって、野杁選手と対戦経験があるゲーオ・ウィラサクレックを臨時コーチとして招聘しているそうです。

「最初はそれを知らなかったのですが、ファンの方が『シッティチャイがゲーオと練習しているみたいです!』とDMで教えてくれて(笑)、それでゲーオのインスタを見に行ったら一緒に練習している動画がアップされていたので、驚きはしないですけど、そうなんだくらいの感じですね」

――僕はシッティチャイのこの試合に対する本気度が伝わってきたのですが、野杁選手はいかがでしょうか。

「嬉しい限りですね。弱いシッティチャイじゃなくて、過去最強のシッティチャイで来てもらいたいので、しっかり対策も練ってきてもらいたいです」

――意外にも野杁選手の過去の戦績を振り返るとタイ人との対戦はゲーオとプライチュンポンの2人だけで、タイ人と戦うことに警戒心はないですか。

「僕は全く気にならないですね。僕のファイトスタイル的に相手がオーソドックスでもサウスポーでも関係ないですし、タイ人に苦手意識はないです。ONEの日本大会でシッティチャイとグレゴリアンがやった試合も会場で見ていて、なんとなく戦うことはイメージしていたので、今回も(倒し方は)何パターンか用意しています。グレゴリアンが3Rで倒しているので、それより早いタイムで倒して上位ランカーたちにアピールしたいですね」

――またこの試合はケージ、そして海外遠征にもなります。そこについてはいかがでしょうか。

「ケージはあんまり気にしないですかね。リングの方が詰めやすいとは思いますけど。あと海外やアウェーで戦うのは好きなんですよ。過去にフランスで2試合やっているんですけど、最初のフランス遠征で戦った(エディ・ネイト・)スリマニが地元のヒーローみたいな選手で、会場の雰囲気が僕の攻撃が当たっても『シーン…』で、スリマニが攻撃を出すだけで『ウォー―!』みたいな反応だったんです。でも僕がKO勝ちしたら、フランスのお客さんも僕に声援を送ってくれるようになって、そうやって周りの見方をひっくり返すのは気持ちいいですね。ちなみにその大会で一緒だったのがアラゾフと(ローマン・)クリークリャだったんです」

――のちにONEでチャンピオンになる2人とそこで会っていたんですね。

「アラゾフにいたっては年齢も一緒だし、K-1のベルトを獲った日(2017年6月18日)も初防衛に成功した日(2018年3月21日)も同じなんですよ。だから色んな縁を感じますね」

――またONE参戦が決まった時にSNSで「武尊くんと2人でONEの世界チャンピオンになりたい」と発信していました。改めて野杁選手の武尊選手へのリスペクトを感じたのですが、野杁選手にとって武尊選手はどんな存在ですか。

「もともと武尊くんは敵チームだったんですよ。僕がK-1ジム恵比寿にいた頃は僕と小澤海斗が仲良くて、ちょうどその時期に武尊くんと海斗がバチバチだったんです。海斗が武尊くんと試合した時は、僕も武尊くんの試合を見まくって、海斗に対策をさずけて、試合当日はセコンドにもついたんです。その時に何に驚いたかというと、武尊くんは僕が考えた対策の一歩上を行くんですよ。それがすごく印象的で『どんな練習をやったらそんなことができるんだろう?』と。で、実際に武尊くんと一緒に練習するようになったら、とにかく練習量がすさまじい。サンドバックをやるにしても、周りが止めない限り、全力でやり続ける勢いなんです。あれだけのトップ選手が自分で自分をそこまで追い込んでいることにびっくりでした」

――色んな面で想像を超える選手だったわけですね。

「あと武尊くんはむちゃくちゃ頭が良いですね。試合だけを見ているとバチバチに打ち合うじゃないですか。だから打ち合うこと以外は考えていないように思われがちですけど、本当に色んなことを考えながら練習もスパーもやっているんですよ。一度、ボクシングのスパーをやらせてもらったんですけど、1Rのなかでもこっちの動きに対する対応を変えてきたり、対応力もすごいんです。練習量と頭の良さが両方あるからこそ、武尊くんはあれだけ勝ち続けられていると思うし、一格闘家として尊敬できる存在です。あとは『THE MATCH 2022』で僕が海人選手に負けてしまって、いい形で武尊くんにつなげられなかったことが悔しくて。そのリベンジではないですけど、同じ日に試合をして勝ちたいですし、2人でONEのベルトを巻いて世界一になりたいです」

――例えば武尊選手と2人で色々と話すことはあるのですか。

「team VASILEUSに加入してから話すようになったんですけど、KREST時代は若干距離があったんですよ(笑)。僕がKRESTに入った当初、みんな僕のことを“野杁くん”と呼んでいて、そこにちょっと距離を感じていたので、しばらくしてトレーナー陣に『下の名前で呼んでもらっていいですか?』とお願いしたいんです。そしたらトレーナー陣から徐々にみんな“野杁くん”から“正明”に呼び方が変わっていったんですけど、唯一武尊くんだけ“野杁くん”呼びのままで。それで微妙な距離を感じていたら、K-1横浜アリーナ大会(2019年9月)の前のインタビューで武尊くんが『正明は~』と言っているのを見て『あっ!“正明”って呼んでる!』と思って、それで距離が縮まりました(笑)」

――キャラクターや性格は違う2人ですが、格闘技や練習に対する考え方は似ていると思いますか。

「なんて言ったらいいんだろう…僕も武尊くんも“格闘技バカ”なんでしょうね。いい意味でお互いネジがはずれてるんだと思います」

――野杁選手の年齢・キャリアを考えると、ONEが最後の挑戦になりそうですか。

「ONEが僕の最終章だと思っています。そのデビュー戦でランキング3位のシッティチャイと試合を組んでもらったので、このまま最短距離で一気にベルトまで駆け上がりたいと思います」

――今まで色んなベルトを巻いて、トーナメントでも優勝してきたと思いますが、ONEのベルトを巻いて「世界一になった」と思いたいですか。

「はい。今までトーナメントで優勝してうれしい・ベルトを巻いてうれしいと思ったことはあるのですが、これでゴールだと思ったことは一度もないんです。でもONEでチャンピオンになったら、初めて『ここがゴールだ』と思えると思うので、そこを目指して戦っていきたいです」

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【ONE167】野杁正明、ONEへ―01―「誰もが認める世界最強になりたい。僕の中ではONE一択だった」

【写真】世界一になるために誰と戦えばいいのか。その答えが野杁にとってはONEへの参戦だった(C)TAKUMI NAKAMURA

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、野杁正明がフェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールでシッティチャイ・シッソンピーノンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年7月のK-1両国大会以来、沈黙を守ってきた野杁がK-1との契約解除、そしてONE参戦を発表した。しかも注目のONEデビュー戦の相手はGLORYで一時代を築き、フェザー級ランキングの3位に位置しているシッティチャイ。名実ともに世界のトップと戦いたいという想いを持っていた野杁にとっては、これ以上ない相手が用意されたと言っていいだろう。

ONE参戦を格闘技人生最後の挑戦と位置付ける野杁のインタビューを前後編で公開。前編ではONE参戦を決断した理由を語ってくれた。

<シッティチャイ インタビューはコチラ


――野杁選手のONE参戦が発表されて、SNSでも大きな話題となりました。野杁選手の周りでも反響が大きかったのではないですか。

「公式発表されて数日間は携帯が鳴り止まなかったですね。過去最高くらいの反響です。ファンの人たちも『待ってました』や楽しみにしています』という声が多くて、僕自身もびっくりしています。K-1時代から『ONEの選手とやってほしい』『ONEに挑戦しないんですか?』と言われることも多かったので、期待してもらえているんだなという感覚はありますね」

――具体的にいつからONEのことを意識するようになったのですか。

「(マラット・)グレゴリアンや(チンギス・)アラゾフが圧倒的な強さを見せてK-1チャンピオンになって、ONEに行ったじゃないですか。そのくらい(2020年~2021年)から意識するようになりましたね。ONEは世界中から強い選手が集まってくる舞台だったので、いつかは(ONEに)挑戦したいという気持ちは持っていました」

――野杁選手も2022年頃から本格的に70kg転向を視野に入れていて、そこでより具体的に考えるようになりましたか。

「僕が小学2年で格闘技を始めたとき、いつかK-1に出たいと思っていて、当時はヘビー級と70kgしかなかったので、もともと70kgでやりたいという気持ちはあったんです。あとは徐々に体重も増えてきて、2021年にK-1で67.5kgのベルトを獲ったんですけど、世界的に見て67.5kgは中途半端な階級じゃないですか。当時は67.5kgで世界トーナメントをやってほしいと思っていましたが、その階級で僕が燃えるような相手がいるかと言われたら思いつく選手がいなくて。それだったら世界的にも選手層が厚くて盛り上がっている70kgに挑戦した方がいいなと思っていました」

――体重も自然に増えていたのですか。

「そうですね。K-1では最初65kgでやっていて、だんだんと減量がきつくなって階級を上げることにしました。特にフィジカルトレーニングをやって体重を増やしていたわけではないので、自然にそうなった感じですね」

――ちょうど野杁選手がK-1ウェルター級(67.5kg)王者になった時期は新型コロナウイルスの問題で外国人を招聘できませんでした。チャンピオンになって外国人選手と戦いたいという想いは強かったですか。

「はい。僕はずっと外国人選手とやりたかったんで。日本一になっても誰も満足しないだろうし、僕も納得できない。格闘技をやっている以上、世界一を目指して最強を証明したいので、日本人選手と戦って満足することはないです」

――これは元K-1プロデューサーとしての話にもなるのですが、70kgのトップ選手の多くがONEと契約していて、ONEから選手を招聘することが契的に難しい。そうなると必然的にONEと契約が終わってフリーになった選手、もしくはONEと契約していない戦績がいい選手を呼ぶしかないという状況で、そういった選手の情報は常にチェックしていたんです。そのなかで招聘できた選手がジャバル・アスケロフやアマンシオ・パラスキフだったのですが、野杁選手としてはもっと強い選手と戦いたかったですか。

「正直、物足りなさはありましたね。対戦相手が決まって、100%満足できる相手かと言われたらそうではなかったですし、僕は試合が発表されたときに、ファンの人たちに『野杁、負けるんじゃないの?』と思われるような相手とやりたいので。そう思われる相手に勝てば、自分の実力も認められるじゃないですか。そういう意味ではK-1の最後の2試合は『今回も野杁が勝つだろう』や『また無名の選手のやるのか』という声の方が多かった。もちろん名前が知られてなくても強い選手はいますが、アラゾフやグレゴリアンは格闘技ファンだったら誰もが知っている選手ですし、そういう相手と戦って勝ちたいと思っていました」

――昨年7月のパラスキフ戦後のマイクでは「これからは世界のトップとしか試合をしていかないんで」という言葉もありました。おそらく野杁選手も先ほど僕が話した状況は理解していたと思うのですが、その一方で一選手としてはやりたい相手と戦いたいという気持ちが勝っていたのですか。

「僕はオファーを断ったことがないですし、ずっと決められた相手とやってきたんで、それをやるのはパラスキフ戦が最後だと思っていました。アスケロフもパラスキフも強い選手ですが、世界のトップにいく選手じゃない。そのランクの相手と試合を続けて現役生活を終えて納得できるかと言われたら、僕は納得できなかったし、僕自身もキャリアが終盤に差し掛かってきて、今が一番強い野杁正明だと思っているので、だからこそ挑戦したいと思ってマイクしました」

――K-1では今年からK-1WORLD MAXが復活&トーナメントも開催されていて、野杁選手にもオファーがあったと思います。それでも野杁選手はONEで戦いたいという気持ちは変わらなかったですか。

「はい。僕の中ではONE一択でした。K-1からトーナメントのオファーがあった時、まだONEと契約できるかどうか分からなかったのですが、もしあのトーナメントに出ると言ったらONEに出るチャンスもなかったと思いますし、僕自身トーナメントの選手たちがそそられるメンバーではなかったです」

――野杁選手は強い選手と戦うことはもちろん、自分の実力を証明できる相手と戦うことも重要な要素ですか。

「僕は誰もが認める世界最強になりたくて、もし今年のK-1MAXに出て圧倒的な強さで優勝したとしても、満場一致で野杁正明が世界最強だという評価にはならないと思うんですね。もし優勝しても必ず『アラゾフとやったらどうなの?』や『グレゴリアンとやったらどうなの?』という意見が出てくる。だったらそういう選手たちがいる場所で戦って、一人ずつ倒していって、最終的に世界一と言われる相手に勝てば、誰からも認められる世界最強になれるので」

――野杁選手自身「あの選手とやってないじゃないか?」と言われるのは嫌ですか。

「色んな契約とか交渉事があるから、簡単に戦いたい相手と試合が組まれないのは分かっていますけど、強いと認められている選手を一人ずつ倒していけば誰にも文句を言われないじゃないですか。それが出来たら周りもそうだし、何より僕自身が納得して格闘家としてのキャリアを終えられるのかなと思います」

――野杁選手のキャリアを振り返ると、強いと言われる選手と戦って勝つことを繰り返してきたと思うので、ONEで戦うことも自然な流れだと思いました。

「弱い選手とばっかりやって、それなりに戦績を積んで稼いだとしても、それはその選手の身内が喜ぶだけじゃないですか。僕はお金を払って試合を見てくれるファンやお客さんを喜ばせたいし、それがプロの格闘家だと思っています」

<この項、続く>

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【ONE167】野杁正明と対戦、シッティチャイ「ゲーオから野杁に勝つために必要なことを教わっている」

【写真】ONEでは連敗中だが、過去にONEでタワンチャイ、Kunlunでスーパーボン、GLORYでグレゴリアンに勝っているシッティチャイ。復活のために新たな取り組みに着手している(C)MMAPLANET

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、シッティチャイ・シッソンピーノンがフェザー級(70.3キロ)キックボクシングルールで野杁正明と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

GLORY時代はライト級(70キロ)王者として、6度の王座防衛に成功し、一時代を築いたシッティチャイ。ONE参戦後はタワンチャイ・PK・センチャイに勝利するもの、スーパーボン・シンハ・マウィン、チンギス・アラゾフ、マラット・グレゴリアンには敗れており、現在は2連敗と苦しい戦いが続いている。

そのなかで決まった野杁との対戦に向けて、シッティチャイは過去に野杁とも対戦経験があるゲーオ・ウィラサクレックを臨時コーチとして招聘して野杁戦に備えていた。


――ONE167で野杁選手と対戦が決まったシッティチャイ選手です。野杁選手と試合が決まった時はどんな心境でしたか。

「彼がトップレベルのファイターの1人だということを以前から知っているから、とても気持ちがたかぶったよ」

――野杁選手の存在はいつから知っていたのですか。

「K-1でゲーオ(・ウィラサクレック)と戦った頃だね。試合が決まって改めて試合映像も見直したけど、彼はパンチ中心のスタイルで、技がパワフルかつ精度が高い選手だと思う」

――野杁選手は日本の中量級のトップ選手です。彼はスキルは世界レベルだと思いますか。

「その通り、彼は日本のトップ選手だし、そのスキル・能力は確かなものだ。ただし“世界”という基準で言うと、それが分かる相手とは戦っていないと思う。これから彼が世界のトップと戦っていくうえで、自分のどこを成長させる必要があるかを感じていくだろうね」

――野杁選手は負けそのものも少ない選手ですが、彼に勝つイメージは出来上がっていますか。

「彼が負けの少ない選手だということも知っている。でもこうして彼と試合をすることが決まって、僕が彼に勝つファイターになると思っているよ。もちろんKOするチャンスとタイミングが来れば、KOを狙っていきたい」

――SNSでシッティチャイ選手が先ほど名前も出たゲーオ選手と一緒に練習している映像を拝見しました。

「実は野杁戦のためにゲーオにトレーナーを依頼したんだ。彼は野杁と2度戦っているし、野杁に対してどういう攻撃をすればいいかをアドバイスしてもらっている。野杁に勝つために必要なことを教えてもらっているよ」

――それはすごく興味深いです。すでに日本のファンはシッティチャイ×野杁に期待・注目していますが、より楽しみになりました。

「自分自身、ONEで2連敗して良い結果を残していないから、日本のファンにも期待してもらっているとは思っていなかったよ。とにかく野杁戦は自分が持っているものをすべて出して、周りの期待に応えたいし、がっかりさせたくない。今回はそういう気持ちもあるから、余計にエキサイトしているよ」

――連敗しているという部分で、何か練習面で変えたことはありますか。

「自分も年齢を重ねて、若いころと同じ肉体ではない。特に格闘技という体を痛めつける競技をやってきたからなおさらだ。これからも試合を続けて、勝っていくためにはフィジカルやストレングス面が重要になってくる。だから今は科学的なトレーニングも取り入れて、自分の肉体を鍛える・進歩させようと思っている」

――シッティチャイ選手はGLORY時代に王者となり、6度の防衛にも成功した70キロ最強を証明したと思います。そのうえで今はONEでチャンピオンになって自分の強さを証明したいという想いがあるのですか。

「ONEは今現在も成長しているプロモーションで、ONEでチャンピオンになれば世界中のファンに自分の存在を知ってもらうことができる。今の自分の目標の最高到達点はONEでチャンピオンになることだ」

――それでは最後に日本にいるシッティチャイ選手のファンにメッセージをいただけますか。

「まず日本からも自分のことを応援してくれてありがとう。若い頃はずっとK-1に出て日本で戦いたいと思っていたから、日本のファンに応援してもらえることは本当にうれしい。今回は日本のファンにも喜んでもらえる、いい試合を見せたいと思う」

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【ONE167】野杁正明がシッティチャイと激突!6・8インパクト・アリーナ大会でONEデビュー

【写真】野杁がムエタイのトップ選手と戦うという意味でも非常に興味深いマッチアップだ(C)MMAPLANET/TAKUMI NAKAMURA

6月8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167にて、野杁正明のONEデビュー戦が決定。シッティチャイ・シッソンピーノンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

4月23日にONEと契約したことが発表された野杁。待望のONEデビュー戦は6月のONE167、ONEフェザー級 ムエタイ世界タイトルマッチ=王者タワンチャイ・PK・センチャイ×挑戦者ジョー・ナタウット、ロッタン・ジットムアンノンの約9カ月ぶりの再起戦が組まれた大会で行われる。


対戦相手は元GLORYライト級王者のシッティチャイ。GLORY時代にはロビン・ファン・ロスマーレンから王座を奪取し、マラット・グレゴリアン、ディラン・サルバドール、テイジャニ・ベスタティらを下して6度の防衛に成功し、一時代を築いた。

2020年からONEに戦いの場を移し、スーパーボン・シンハ・マウィン、タワンチャイ、チンギス・アラゾフ、グレゴリアンと対戦。この4人との対戦ではタワンチャイに勝利するもの、スーパーボン、アラゾフ、グレゴリアンには敗れており、タイトル戦線から一歩引いた位置にいる状況だ。

野杁がタイ人と対戦するのはプライチュンポン・ソー.シーソムポン戦以来、約3年ぶり。これまで世界の強豪と戦ってきた野杁だが、意外にもタイ人の対戦はプライチュンポンとゲーオ・ウィラサクレックの試合しかない。欧米人との対戦ももちろんだが、野杁の卓越した技術がムエタイのトップ選手に通用するかどうかという面でも興味深いマッチアップとなった。

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【25-0全勝 18KO】WBCラテン王者ロサ🇦🇷 KO集! ウェルター級 24才 Angel Rosa 25-0, 18KO

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【ONE FN22】秋元皓貴と対戦、ウェイ・ルイ「彼は空手。私は散打。彼の長所が短所になる」

【写真】空手×散打のキックボクシング・ワールドクラスの戦い。非常に楽しみ(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、元K-1ライト級王者ウェイ・ルイが秋元皓貴と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

武尊や野杁正明がONEに戦いの場を求めるなか、中国のビッグネーム=ウェイ・ルイもONEへの参戦を決めた。しかも対戦相手は元ONEキックボクシング世界バンタム級王者・秋元。数カ月前には想像もできなかった夢の対戦がONEという舞台で実現すると言っていいだろう。日中の立ち技格闘技ファンにとって注目の一戦に向けて、タイで調整を続けるウェイ・ルイに話を訊いた。


――ONE初参戦が迫ってきました。今の体調やコンディションはいかがですか(※取材日は4月26日に行われた)。

「体調面を整えるために、ずっとタイで練習を続けていて、時差や気候にも慣れてきたよ。精神面の話をすると、ずっとONE Championshipで戦いたいと思っていたから、すごくエキサイトしている。気持ちは高ぶっているけど、しっかり体調を見極めて試合当日を迎えたい」

――いつからONEで戦うことを意識するようになったのですか。

「2022年頃からONEで戦いたいと思うようになった。ONEは世界的に影響があるプロモーションで、特にストライキングに関しては世界一の舞台だと思っている。またプロとしてもより良い条件のプロモーションで試合をしたいと思っていた。当時は別のプロモーションと契約が残っていて、すぐにONEで戦うことはできなかったけど、今年に入ってONEで戦うことが実現したんだ」

――前回の試合=昨年4月の東本央貴戦で拳を負傷したという話を訊いていました。もう怪我の箇所は万全ですか。

「確かにあの試合で怪我してしまったけど、練習を休むことはなかった。ゆっくりだけど治療・リカバリーしつつ、練習を続けていた。ちょうどチームメイトのリュウ・ツァーがK-1で試合が続いて、ずっと彼を練習面でサポートしていた。もう怪我もしっかり治ったし、準備万端だよ」

――対戦相手の秋元選手の印象を教えてもらえますか。

「ONEでチュー・ジェンリャンやジャン・チェンロンと戦った試合を見たのが初めてで、その時からすごく印象的なファイトをしていて、ウェルラウンドで何でもできる、技も綺麗でスピードもある選手だと思っていた。もしこの選手と戦えたら素晴らしい試合になると思っていたし、ONEのデビュー戦で彼と試合が組まれて夢が叶ったような気持ちだよ」

――ウェイ・ルイ選手も秋元選手と同様に、すべての技術のアベレージが高い選手です。どんな試合で勝つことをイメージしていますか。

「私と秋元選手は根本的なファイトスタイルが違う。私のベースは中国武術の散打で、彼のベースは空手だ。彼は動きがとても速く、それをアドバンテージに戦っている。でもそれが彼にとってディスアドバンテージにもなっているんだ」

――もう少し詳しく教えていただけますか。

「彼はとにかく動いてパワーのある攻撃を出しているけど、そのパワーが相手まで伝わっていないことが多い。そしてそういう攻撃を出し続けることによってスタミナ切れが早い。この試合において、彼の速い動きにおける欠点が私にとっての利点になる。それが私の勝つ自信になっている」

――この試合は日本のファンの間でも非常に注目を集めています。日本のファンに対してどのような試合を見せたいですか。

「2017年に初めて日本で戦って以来、日本のファンの応援に感謝しているし、日本では素晴らしい経験ができた。そしてこの試合は日本はもちろん、中国、世界中のファンが見る試合になる。そういうビッグファイトに対して、どんな試合になるかは言えないけれど、私はこの試合のためにしっかり準備してきたので、素晴らしい試合になることは保証するよ」

――先日野杁正明選手がONEに参戦することを発表しました。武尊選手、野杁選手、ウェイ・ルイ選手が同じONEの舞台で戦うことを日本のファンは楽しみにしています。それについても一言いただけますか。

「今ベストなキックボクサーが世界中からONEに集まっている。ONEは世界最高峰の舞台になっていると思う。野杁のことはずっと前から知っているし、彼がどれだけ素晴らしい選手かも知っている。僕はバンタム級(65.8kg)で彼はフェザー級(70.3kg)。まず彼がフェザー級でどれだけ素晴らしい選手かを証明して、もし体重を落とせるなら、キャッチウエイトで私と戦おうと言いたい。もしその試合が実現出来たらONEはさらに素晴らしい舞台になると思っている」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座統一戦/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グランジャン(タイ)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーンPK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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45 DREAM K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN22 アクバル・アブデュラエフ ウェイ・ルイ キック ジャン・リーポン ジョナサン・ハガティー ジョン・リネケル ハリル・アミール ビアンカ・バシリオ フー・ヤン ボクシング モーリス・アベビ リース・マクラーレン ルンピニー 武尊 澤田千優 秋元皓貴 野杁正明

【ONE FN22】王座奪回への一歩=元K-1王者ウェイ・ルイと対戦、秋元皓貴「相手をだますのが上手い」

【写真】既に髪も編み込まれており、試合モード(?)だった秋元(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、秋元皓貴がウェイ・ルイと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年11月のペッタノン・ペットファーガス戦後、秋元はイヴォルブMMAのファイトチームが事実上解散となり帰国。イヴォルブMMA時代のコーチ=シアー・バハドゥルザダがジムを構えるアメリカに行く計画もあったが、現在は日本のPOWER OF DREAMを拠点に練習を続けている。

今年1月のONE日本大会への出場が計画されるも最終決定には至らず、ペッタノン戦以来、約1年6カ月ぶりの復帰戦となるが、対戦相手は新生K-1で活躍した中国のビッグネーム=ウェイ・ルイに決定。日本の立ち技格闘技ファン注目の一戦を控える秋元に話を訊いた。


――2022年11月のペッタノン・ペットファーガス戦以来、約1年5カ月ぶりの試合が決まりました。しかも対戦相手は新生K-1でライト級(62.5キロ)王者にもなったウェイ・ルイです。試合が決まった時の心境から聞かせてもらえますか。

「長く試合を待つ期間があったので、試合が決まったことは純粋にうれしかったです。それと同時にウェイ・ルイ選手は新生K-1でチャンピオンになって、他団体でも実績を残している負けの少ない選手なので、そこをどうやって攻略しよう?と考えていました。あれからしっかり準備もできたので、あとは試合を待つだけですね」

――1月のONE日本大会ではジョナサン・ハガティーとキックルールでのタイトルマッチが打診されたものの、ハガティーの負傷のため消滅。その後はジョン・リネケルとのミックスルールなどのオファーやキックボクシングルールのオファーもあったそうですが、最終的に試合決定までに至らなかったとお聞きしました。

「キックルールで試合をしたいという気持ちもありましたし、僕は試合が決まってから試合までの期間も大事だと思っているんですね。しっかり練習して準備をして、それでお客さんにいいものを見せる。だからMMAグローブで試合をするのであれば、そのための練習をしなければいけないし、ミックスルールで試合をするのであれば、ミックススルールのための練習をしなければいけない。そうやって“見せられる”ものを創ってからじゃないと試合はしたくないという考えです」

――前回秋元選手に取材した時はイヴォルブMMAのファイトチーム解散に伴い、新たな所属先を探している状況でした。当時はイヴォルブMMA時代の恩師=シアー・バハトゥルザダがいる米国に行くことも検討していましたが、最終的には日本のPOWER OF DREAMを練習の拠点にする選択をしました。

「色々と考えているなかで、日本人で強いなとか魅力があるなと思う選手を誰が育てたかを見ているなかでPODに興味を持ちました。武居(由樹)くんにしても江川(優生)くんにしても子供の頃からPODで作られた選手なので、自分もPODで練習させてもらいました」

――特に交流やつながりがあったわけではないのですか。

「はい。『練習させてもらえませんか?』とコンタクトを取って、練習させてもらうことになりました」

――秋元選手は色んなジムで練習をしてきたかと思いますが、PODの練習はいかがですか。

「キックのジムでは一番練習がハードだと思いますし、そのなかでみんな集中してやっていて、指導も的確なのでここを選んでよかったと思いました」

――PODと言えば脱落者が続出することでも有名な過酷な朝練でも有名ですが、秋元選手も朝練から参加されているのですか。

「もちろんです。シンガポール(イヴォルブMMA)でもジムワークと別にカーディオのトレーニングもやるんですけど、週に数回なんですよ。それを毎日やるわけなので………ハードですね(苦笑)」

――技術面についても聞かせてください。PODはボクシング色の強いジムだと思います。

「スタイル的にはボクシング寄りだなと思います。でも今まで自分が培ったものにPODの技術をミックスして指導してもらっているので、自分としてはすごくやりやすいです」

――新しいエッセンスが入ってくるイメージですか。

「はい。今までの自分にプラスして新しい技術を吸収できていると思います。キックボクサーとして年齢的には上の方かもしれませんが、僕は空手からキックに行って、色んなことを学んでいるので、完全に自分はこうだというスタイルがないんです。だから言われたものはすべて吸収するし、なんでもやる。そういう感じなので、PODの練習がしんどいから場所を変えようとは思わないですし、今ここで学べるものをしっかり学ぼうと思います」

――自分の中でも変化は感じていますか。

「はい。自分でも変わったと思っているので、それを本番で試合で出せれば、見ている方も僕の変化が分かると思います」

――対戦相手のウェイ・ルイ選手にはどのような印象を持っていますか。

「キックボクシングにおける手足の使い方がすごく上手くて、ステップワークも上手いですよ。左ストレートがグーン!と伸びてくるのが特徴的だと思います。その左ストレートに気を付けながら今までやってきた技を見せたいですね」

――秋元選手はONEでチュー・ジェンリャンと対戦していて、ウェイ・ルイは中国ではジェンリャンと並ぶスター選手です。

「そこまでしっかり試合を見ることはなかったですけど、K-1でチャンピオンになったことは知っていましたし、SNSで試合のダイジェストや練習動画を目にすることが多かったので、こういう選手がいるんだなということは知っていました」

――ウェイ・ルイは純粋にスピードが速いわけでもなく、パンチや蹴りもボクシングやキックとは違う独特なものがあるように見えます。秋元選手の見立てはいかがですか。

「僕もそう思いますね。ステップもそうですし、左ストレートを打つまでの動き。そこにつなげる動きや相手をだますのが上手いなと思います」

――今回ウェイ・ルイにもインタビューしたのですが「秋元選手はスピードがあって手数も多い。でもそれが弱点でもある。そこを突いて倒す」と発言していました。それを聞いてどう思いますか。

「確かにそうだと思います。僕はスピード・スタミナがあるから手数を出せて、それで前に前に出るスタイルです。そこで左ストレートをもらう隙もあると思うし、彼が言っていることは間違っていないと思いますよ」

――秋元選手は自分の戦い方も客観的に見えているのですね。

「はい。そのうえでいくつか倒すパターンは用意しているので、そのどれかで倒したいですね」

――今回は日本の立ち技ファンにとっても注目の試合ですが、そういう試合を戦うことをどう捉えていますか。

「注目してもらえることはうれしいですが、いつも通り、僕にとっては負けられない一戦であることは変わらないですし、これに勝って次につなげる=チャンピオンに返り咲くことしか考えていないです」

――この1年間は試合数が少なかった分、今年はどんどん試合をしたいですか。

「この試合ともう1~2試合やって、年内もしくは来年の早いタイミングでベルトに挑戦したいですね。年齢的にバンバン試合ができるわけではないので、タイトルにつながる意味がある相手とやりたいです」

――先日野杁正明選手のONE参戦が発表されました。野杁選手とは同世代、同じ愛知県出身でいう共通点もありますが、野杁選手のONE参戦をどう感じていますか。

「年齢的には野杁選手が一つ下で、ジュニア空手時代には何度も試合をしていて。同じトーナメントに出て僕が決勝まで勝ち上がると、逆ブロックから上がってくるのが野杁選手、ということがよくあったんですよ。キックでは団体が違ったので接点はなかったのですが、70キロの世界の強豪がONEに集まっていて、同じ階級で戦っている以上、野杁選手もいずれONEに来るだろうなと思っていました。僕自身、野杁選手がONEで戦うことは楽しみです」

――今年に入って武尊選手や野杁選手がONEに参戦し、ONEの立ち技がさらに注目される舞台となりました。そのONEで戦い続けている秋元選手はどんな試合をファンに見せたいですか。

「いつもそうなんですけど、毎回毎回成長を実感して練習していますし、見ている人たちに『秋元、変わったな』と思ってもらえる試合をしたいです。ずっと見てくれる人にはそういう試合をしたいし、初めて格闘技を見る人には『あの選手、他と違うな』と思わせるような試合をして、楽しんで見てもらいたいです」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FC22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級選手間試合/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グランジャン(タイ)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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【ONE】「世界のトップに挑戦する」宣言から9カ月、野杁正明が契約発表!キック・フェザー級の戦いへ

【写真】本格的な70kg転向に合わせ、野杁がONEへの戦いに挑む (C)TAKUMI NAKAMURA

23日(火)、ONE ChampionshipのプレスリリースにてONEと野杁正明が独占複数試合契約を締結したことが発表された。
text by Takumi Nakamura

野杁は10代の頃から“怪物”と呼ばれ、K-1甲子園優勝をはじめ国内の様々なタイトルを獲得。新生K-1ではスーパー・ライト級(65kg)&ウェルター級(67.5kg)の2階級制覇を成し遂げ、日本立ち技格闘技のトップを走り続けてきた。今年4月にK-1との契約解除を発表し、その去就が注目されるなか、ONEとの契約が正式にアナウンスされた。


K-1ウェルター級のタイトルを保持していた野杁だが、2023年からは本格的に70kg転向を視野に入れていた。

同年3月には69kg契約でジャバル・アスケロフ、7月には69.5kg契約でアマンシオ・パラスキフをKOし、パラスキフ戦後は「今までは来るもの拒まず試合を受けてきましたが、世界の強豪と戦わせてください。そして(相手を)選ばせてください。これからは世界のトップとしか戦わないので、世界のトップに挑戦していく今後の野杁正明にご期待ください」と語っていた。

結果的にパラスキフ戦がK-1では最後の試合となり、現在の70kgの世界のトップ選手たちが集まるONEでの戦いに踏み出す形となった。

厳密に言うと70kgでの試合は未経験の野杁だが、ONEキックボクシング世界フェザー級王者チンギス・アラゾフと判定まで粘ったアスケロフを右ストレートでKOし、ONEに定期参戦していたタイフン・オズカンとスプリット判定だったパラスキフを右ミドルでKOしている。70kgでも十分に通用する実力とフィジカルは持っていると言えるだろう。

ONEフェザー級=70kgのランキングにはアラゾフ、スーパーボン、マラット・グレゴリアン、シッティチャイ・シッソンピーノン、タワンチャイ・PK・センチャイ、ジョルジオ・ペトロシアンという早々たるメンバーが名を連ねている。

チャトリCEOが年内のONE日本大会開催を明言する中、野杁のONEデビュー戦がいつになるのか。どんなマッチメイクが組まれるのか。そして野杁がONEの70kgでどこまで通用するのか。ONEでの野杁の戦いに注目していきたい。プレスリリースでの野杁のコメント配下の通り。

「(今の率直な気持ちは?)率直に嬉しいです。やっと!という気持ちが強いです。それとワクワクします。早く強豪しかいないリングで戦いたいです。(次のステージをONEに決めた理由)やはり立技最強の舞台はONEだと思っているので、そのリングに挑戦したかったからです。自分は世界最強を目指して格闘技をやっているので、今の野杁正明がONEにも通用するのかを試してみたかったのでこのキャリアを選びました。

(今後の目標は?)必ずONEのベルトを獲ること。自分だけじゃなく武尊くんと一緒に。そして日本人の強さを証明していきます。(誰と戦いたい?)誰との試合でも挑戦者だと思うので誰でもいいです。ランキングに入っている選手はもちろん、とにかく強い選手と戦っていきたいです。(ファンへのメッセージ)ONE Champinosipのファンの皆様、初めまして。日本の野杁正明です。試合を観に来て後悔はさせません。必ず満足いく試合をこれからしていくので是非注目していただけたら嬉しいです!応援よろしくお願いします!」

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K-1 MMA o ONE ONE Championship RIZIN キック 安保瑠輝也 武尊 野杁正明

【ONE】野杁正明 ONEと複数試合契約を発表!

IMG_8744
ONE Championshipは公式Xを更新。元K-1ウェルター級とスーパーライト級王者の野杁正明と独占複数試合契約を結んだ事を発表しました。

3月27日にK-1との契約が円満に終了した事を明らかにした野杁。安保瑠輝也からの対戦要求にも載らず、その進路に注目が集まっていましたが、ストイックにキックを追及する野杁は強豪が集まるONEを選んだようです。バウレビさんに掲載された野杁のコメントを読んで一安心。

「やはり立技最強の舞台はONEだと思っているので、そのリングに挑戦したかったからです。自分は世界最強を目指して格闘技をやっているので、今の野杁正明がONEにも通用するのかを試してみたかったのでこのキャリアを選びました。」

知名度?一攫千金?を夢見てMMAメインのRIZINに参戦する元K-1ファイターが多い中、武尊と同じくキックに拘る姿勢には頭が下がります。スーパーレックと対戦した武尊を見ても、決して簡単な道ではありませんが、ONEでどこまで通用するか楽しみの一言。まずはONEデビュー戦の相手が誰になるか、注目が集まります。