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【Banana Oil 2025─04─】”UFCを絶対の価値”とした場合、日本のベルトは「意味がない」を受け入れる

【写真】ベルトに意味がない──UFCで戦うために、武器にならないということ。武器になるのは、強さのみ(C)MMAPLANET

日本の現状をMMA界の名伯楽であり、頑強なリーダーシップを誇る──プロフェッショナルMMAファイター集団=キルクリフFCのヘンリー・フーフト総帥が取材中に発した2つのショッキングな言葉を紹介した。UFCを絶対の価値とした場合に、その強さを追求できる状況にない。それが日本のMMA界の現状であり、現実だ。
Text by Manabu Takashima

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」

「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」

前者に関しては、レスリング無き打撃戦の奨励という形が進む日本のMMAに危惧を覚えるものの、技術的に北米及び世界との差は存在しているのだから、厳しい現実でも受け入れやすい。対して、この後者に関しては……反論材料はいかようにも用意できる人が、J-MMA界には揃っているだろう。


UFCに絶対に価値を置きたくても、できない。それでは食えない。それが日本のMMA界だからだ。だからこそ、ここではヘンリーの言葉を受け入れて、日本のプロモーションのタイトル戦線の様子を眺めてみたい。

ヘンリーがいうように修斗、パンクラス、DEEPだけでなくRIZIN以外、日本のMMA王座はさらなる上の舞台を目指すための材料でしかない。強い選手が揃っている。待遇面が良い。そういう場に進むためのチケットだ。現状では上記の老舗プロモーションだけでなくGrachan、HEAT、Gladiator、NEXUSらのベルトは全て、次に進むための通行手形として存在している。

それらのベルトを巻いたファイターはRoad to UFCか、RIZINというネクストターゲットとなる名を挙げる。とはいえ、そのベルトがどれだけ「行きたい先」の評価の対象となっているのだろうか。地方大会のワンオフ、あるいはエクスクルーシブでないRIZINはともかく(だからこそ、待ち状態のファイターの心理は辛いのだが……)UFCは、Road to UFCにしても基本は他の選択肢はない。

2022年のRoad to UFCに出場した日本勢は堀内佑馬、野瀬翔平、風間敏臣、中村倫也、SASUKE、松嶋こよみ、宇佐美正パトリック(計量失敗で欠場)、鹿志村仁之介(ライト級で代替出場)、内田タケル(ワンマッチ出場)の9選手でタイトルホルダーは修斗フェザー級王者のSASUKEだけだった。

2023年の第2回は鶴屋怜、野瀬翔平、上久保周哉、SASUKE、神田コウヤ、丸山数馬、原口伸の8選手で鶴屋がパンクラス、SAUKEが修斗、神田がDEEPのチャンピオン、原口がGrachan王者としてトーナメントに挑んだ。

前回は松井斗輝(計量失敗で欠場)、透暉鷹、野瀬翔平、小崎連、河名マスト、原口伸、本野美樹、雑賀ヤン坊達也(ワンマッチ出場)の8選手中、透暉鷹とヤン坊がパンクラス、河名がGladiator、原口がGrachanと4選手がベルトを巻いていた。

Road to UFCはその出場基準自体があやふやで、他のタイトルホルダーが出場を撥ねられるケースはいくらでも見られる。それでも出場を狙ううえで、選手たちがタイトルを保持したくなるのは十分に理解できる。いうと……絶対ではないkが、Road to UFCへの出場権獲得には効用があるやもしれない。ただし、出場してしまえばあとは実力勝負だ。

3度のトーナメントでUFCと契約した日本人3選手中、ベルトを持っていたのは鶴屋怜1人だけだった。日本の各プロモーションのベルトを持つことで、8人トーナメントを勝ち抜く力を有しているという保証になるのか。それは否、だ。

ベルトとは強さの象徴だが、今や国内の各プロモーションの陣容と国際戦の減少を見ればチャンピオンになったからといってRoad to UFCを勝ち抜ける力がついたことにはならない。”UFCを絶対の価値とする”と、RIZIN以外のベルトは世界に挑戦できるだけ力を持ったことの証明とはならない。

前戦で負けた選手が、タイトル戦に出てくる。前回はノンタイトル戦で白黒がついているのに、ダイレクトリマッチでタイトルが賭けられる。タイトル戦出場選手が欠場となり、下の階級で連敗している選手にいきなりタイトル挑戦権が与えられる。ランキングはタイトル挑戦の優先権で、上がいなくなると必然的に挑戦権は回って来る。特にJ-MMAのフィーダーショー化が明確になった以降、王者がステップアップした場合、王者越えを果たしてベルトを巻く選手は相当に少なくなってきた。王座決定戦と暫定タイトル戦が、スパイラルを描くように組まれ続ける。

そのようなタイトルマッチを実施するために、組まれたタイトル戦に掛けられたベルトが強さの象徴となりうるわけがない。ヘンリーの「ベルトは無意味」という言葉の通りだ。

ヘンリーは実際、日本のMMA界に向けてのみこのように口にしたわけでない。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない。それは米国のローカルショーでも同じことだ。〇〇〇だけ、その価値がある。それは〇〇〇でベルトを巻けるなら、UFCでも戦えるだけの力があると認められるからだ」と、ベルトでなくUFCで戦えるだけの力を有する経験が必要だと訴えていた。

くどいように書き記している”UFCを絶対の価値とする”ことがない選手にとって、ベルトは違う価値を持つ。経済的に生活が一変することがなく、未来を切り開くことにならなくても手にしたい。ベルトとは、日頃の努力が実を結んだことが目にできる結晶だ。ベルトを巻いて、応援してくれる人たちと喜びを分かち合いたい。最高に素敵なMMAを戦う理由になる。

プロモーションとしてもリスクのあるビジネスを成立させるうえで、タイトル戦が欠かせない要素なら組んで然りだ。

ただし、UFCとの契約を勝ち取るため、UFCで世界の頂点を目指すためにMMAを戦っているのであれば、必要なのは力かベルトか。何が必要なのか。

そこはもう自明の理なのだから、目的達成のために明確なビジョンを持ち、目的と手段を混同しないキャリアアップの青写真を描くのみ。この青写真がないと、限られた時間を無駄に使うことになる。同時にMMAPLANETは、メディアとして──UFCで戦う下準備になる戦い模様を届けていきたいと思っている次第です。

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45 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase351 キム・サンウォン 三宅輝砂 平田直樹 透暉鷹

【Pancrase351】代打出場の三宅輝砂が平田直樹をヒザ蹴りでKO。新フェザー級KOP王座に就く

<フェザー級KOP王座決定戦/5分5R>
三宅輝砂(日本)
Def.1R1分12秒 by KO
平田直樹(日本)

リーチで勝る三宅がジャブを突く。平田はダブルレッグに入るが、三宅がそれを切る。一旦距離が離れると、平田はすぐにダブルレッグに入るが、これも距離が遠い。三宅はジャブで距離を取って右ストレートにつなげる。

平田はダブルレッグに入って体を起こし、三宅の左手を両手で押さえると、ここで三宅が顔面に右のヒザ蹴り。これが平田の顔面を打ち抜き、平田がばったりと後方に崩れ落ち、三宅が衝撃のKO勝利でベルトを巻いた。

キム・サンウォンの欠場による代打出場で王者となった三宅は「こんな形で終わると思っていなくて、めちゃくちゃ安心しています。実力的にはチャンピオンじゃないんで、もっと強くなって絶対王者になれるように頑張ります。一緒に練習している久米さんがライト級、透暉鷹さんがフェザー級とバンタム級を獲っていて、僕もそれに続きたいと思っていたので、夢が叶ってよかったです」と語った。


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45 MMA MMAPLANET Pancrase350 カリベク・アルジクル・ウルル ブログ 日沖発 透暉鷹

【Pancrase350】ウルルとの防衛戦延期の前に透暉鷹が語っていたこと「不安がないと強くはなれない」

【写真】残念ながら復帰戦は延期に。しかし今後が楽しみになる透暉鷹の言葉だった ※写真は1月のインタビュー時、ベルトを持っている姿(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase350で、透暉鷹がキルギスのカリベク・アルジクル・ウルルを挑戦者に迎え、バンタム級KOPの初防衛戦を行う予定だった。しかし8日(日)、タイトルマッチの延期が発表されている。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスからのリリースによれば透暉鷹は練習中に右足首の靭帯損傷、ならびに骨にヒビが入っており全治1カ月と診断されたという。対するウルルもまた、レスリングの練習中に肩を痛めたとのことで、このタイトルマッチは延期される形となった。
MMAPLANETでは11月15日、透暉鷹にインタビューを行っている。この時透暉鷹はRTUでの敗北、セコンドである日沖発stArt代表の発言について、何よりウルル戦への意気込み――ウルルとの防衛戦こそ延期となったものの、そんな彼の想いを掲載したい。


チィルイイースー戦では、相手の顔つきが違っていた

――RTU2024、バンタム級準決勝でチィルイイースー・バールガンに敗れてから約3カ月が経ちました。セコンドを務めた日沖発stArt代表に、チィルイイースー戦の敗北について訊いたインタビューは読んでいただいていますか。

「はい、もちろんです」

――では日沖代表の言葉に関して、率直な感想を教えてください。

「まず日沖さんの言葉は信頼関係が存在しているからこその言葉だと思っていますし、『ありがたい』の一言に尽きます」

――日沖代表によれば、RTU直後に透暉鷹選手とミーティングの機会を持ったということでした。日沖代表は「本人でも所属ジムの人間でもないので、なかなか言えないこともある」とのことでした。ここで透暉鷹選手から、どのような話をしたのか聞かせていただけますか。

「一番は今後どこで、どうやっていくかという話ですね。どこのケージであろうと、強い相手と対戦していくことは変わらないです。またRoad to UFCを目指すために、自分も力をつけていかないといけない。そこで日沖さんから言われたのは――『準決勝で負けた選手は今年2試合、バンタム級で良い勝ち方をしないと、来年は出られないと思ったほうが良い』ということでした」

――来年からRTUには豪州も加わってくるという噂もあります。そうなると日本人選手枠は、ますます少なくなっていくでしょう。

「……そう言われた時は、僕の中では階級の問題も含めて、まだ気持ちが落ち着いていませんでした。だからまず一度、米国に行こうと思ったんです。とにかく何か変わるキッカケが欲しくて。

チィルイイースー戦では、相手の顔つきが日本人選手とは違っていることに気づきました。『勝って人生を変える!』というハングリー精神みたいなものが伝わってきて。そういう選手たちと比べたら僕なんて――そういう気持ちが全然足りなかった。米国へ行ったあとに決まった試合ですけど、ウルル選手もそういう気持ちで練習しているはずなんですよ」

――……。

「そこで2週間ほどアリゾナのファイト・レディに行ってきました。RTUの試合が終わって2週間後ぐらいに、また米国へ。ファイトレディにいるのはUFCファイターばかりで、練習に対する意識も違っていて。そこから帰国したのが10月1日あたりだったと思います」

――正直なところ、これまで倒したことのある日本人選手を相手に防衛戦を行っても、RTUに繋がるほどの評価を得られるとは考えにくいです。

「対戦相手については考えました。誰に勝てばRTUに繋がるのか。自分の気持ちも、そこに向けられるような相手を考えると、やっぱり外国人選手にはなります。これからUFC、RTUを目指すなら、そんな相手と12月にやっておきたいと思いました」

――ウルルを相手にベルトの防衛戦、という試合は透暉鷹選手から希望したのでしょうか。

「RTUが終わってからパンクラスさんと話をしたんですよ。その時に『ウルルはいつでも試合ができる、と言っている』と聞いて。僕も12月にウルルと防衛戦をやるのが一番良いと思いました」

――同時に、なぜチィルイイースー戦で敗れたのか。技術的な見直しも並行してやっていかなければいけないので難しい、と日沖代表は言っていました。

「記事だと、バックエスケープの話ですよね(苦笑)。確かに自分はバックエスケープが得意でも、相手のほうがバックテイクやバックキープが強かった場合、相手のほうが楽な場面にもなります。日本でも久米鷹介さんと練習している時、一度バックを取らせてから息を整えようとしたら、そのまま持ち上げられたり、テイクダウンされてしまうんですよ。

そういう場合は、押し込まれている時に休むのではない。自分から形を取りに行って、倒してからハーフやバックを取ってから息を整えて削り続ける。そういう練習をしないといけない、と日沖さんからも言われました。だからバックエスケープは最終手段として持っておくとして、他の方法もしっかり練習してきています」

不安があるから練習する。今の自分と向き合わなければ、強くはなれない

――自身と同じ強みを持っているチィルイイースーに敗れた。それは今まで、国内では経験したことのなかった展開だったと思います。

「あの試合は……2R目にテイクダウンして相手に立たれた時、自分が休んでしまったんですよ。そこで『1Rは取っているから2Rめは休んで、3Rめに勝負をかけよう』と考えました。そんな考えでいると、今後もどんどん勝てなくなってしまいますよね。

試合後、日沖さんから『逆の立場なら、自分だったらどうする?』と訊かれました。1Rと2Rを取り合った場合、相手も3Rめは絶対取りに来る。2Rを有利に終えていたほうがインターバルで息も整えられるし、2Rの内容を3Rに生かすことができる。そんな展開のなか、僕は2Rめに消極的な考えになっていて、結局は3Rを相手に取られてしまいました」

――あるいは1Rと2Rを取ってから3Rに臨むほうが、心理的にも優位に立つことができるでしょう。

「国内の試合では、それができていました。1Rと2Rを取っているから、3Rを取りに行ける。自分の場合はそこで極めに行きすぎて、疲れてしまうことがあるんですけど(苦笑)」

――アハハハ。しかし、疲れても取られなければ、2Rまでの貯金が生きます。

「はい。そのあたりの力加減も考えなければいけないところではあるけど、やっぱり国内の試合とは違いますよね。だから米国で強い選手と『競る練習』ができたことも大きいです。試合形式で、緊張感も違いましたし。そのなかでメンタルも鍛えられました」

――RTUを目指すなら、強い相手に勝っていかないといけない。しかし強い相手だと星を落とすリスクもあります。

「強い相手だからこそ良いんです。『ここで負けたら、もうUFCには行けないな』という気持ちで毎日を過ごさないと。そのためには強い相手と対戦しなきゃいけないんですよ。負けたら――という不安があったほうが、今は良い感じで毎日を過ごすことができています」

――なるほど。

「不安があるから練習する。いろんなことに取り組む。普段の食事から変わってくる。ちゃんと今の自分と向き合わなければ、強くはなれないですから。

それだけウルル選手は強い相手だと思います。映像を視て対策を考えようとしても、彼はオールラウンダーなんですよね。打撃が強いのはもちろん、下になっても足が利いてが、極めることもファイターで。技術は多彩だし、フィジカルは強い。その相手に勝つためには、自分も一つひとつの要素が強くないと、対策しようがないじゃないですか」

――まさに日沖さんが仰っている「まず自分自身を見ないといけない」ということでしょうか。

「強い相手で不安があるからこそ、相手を通して自分のことを見つめ直す。もちろんウルル対策も練習します。だけどウルル云々よりも、自分の中で全体的なレベルアップを目指しています。

チィルイイースー戦のように、1Rは取ったから――なんて考え方をしていると、今後はどんどん勝てなくなる。勝つために、より強くなる練習に取り組めなくなってしまう。最初にチィルイイースーの右を食らってしまった。だから右を食らわない練習をする。そうやって一つ一つ、技術的に伸びていくように考えないといけないですよね」

――ここでウルルに勝てば、来年のRTUに繋がると考えていますか。

「……それは分からないです。正直、最初は自分も『ウルルに勝ったらRTUに行けるかな?』とは考えました。でも今はウルル選手に勝つことで精いっぱいです。その先のことは、あまり考えていません。今はただ、ウルルに勝つことだけに集中しています」

■Pancrase350視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後12時00分~U-NEXT

■Pancrase350 対戦カード
<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
栁川唯人(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
敢流(日本)

<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
岸田宙大(日本)

<63キロ契約/5分3R>
ギレルメ・ナカガワ(ブラジル)
渡邉泰斗(日本)

<フライ級/5分3R>
砂辺光久(日本)
時田隆成(日本)

■Pancrase351視聴方法(予定)
12月15日(日)
午後16時50分~U-NEXT

■Pancrase351 対戦カード
<フェザー級KOP決定戦/5分3R>
平田直樹(日本)
三宅輝砂(日本)

<フライ級/5分3R>
猿飛流(日本)
ジョセフ・カマチョ(グアム)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
船田電池(日本)

<65キロ契約/5分3R>
合島大樹(日本)
安藤武尊(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
張豊(日本)

<フライ級/5分3R>
水戸邉荘大(日本)
小林了平(日本)

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【UFN248】打高組低=Road to UFCバンタム級決勝へ。ユン・スヨン「グラップリングで攻め続ける」

【写真】それでも自分を貫く。それが、勝利を手にする最善の策なのだろう(C)MMAPLANET

明日23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナで開催されるUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」に組み込まれたRoad to UFC決勝戦。
Text by Manabu Takashima

そのバンタム級ファイナルで、ユ・スヨンがチィルイイースー・バールガンと戦う。Black Combatで3階級制覇。カザフスタンでもNIZAでバンタム級王者となり(昨年12月に王座陥落)、日本ではご存じのようにDEEPバンタム級のベルトを巻いた(Road to UFCに出場するために返上)ユ・スヨンは、初戦で野瀬翔平に組み勝った。

組み伏せることへの評価が減少したMMAにあって、ユ・スヨンは組み続けて勝つという――自分のスタイルを貫くことを決めていた。


――1週間後にRoad to UFCの決勝が迫ってきました(※取材は16日に行われた)。今の気持ちを話していただけますか。

「コンディションは凄く良いです。減量も順調ですし、作戦も出来上がりつつあります。このままいけば、大会当日は良い試合を見せることができると思います」

――米国では調整に苦労したと伺いました。今回はマカオですが、その辺りに関して気持ち的には楽ですか。

「長時間の飛行機の旅は、コンディションにも少なからず影響を与えると思います。でもマカオまでは4時間ほど、映画を2本でも視れば到着します。なにより時差が少なく、調整のために早く現地入りする必要もないので、気持ちは楽です。最後まで韓国で調整できますし。ただ減量に関しては、毎回違ってくるのでそこは慎重になっています」

――チィルイイースーを相手に完全アウェイとなることも考えられます。

「上海のPIで、チェ・ドンフン選手が中国人選手と戦った試合を見ていてアウェイだとは感じました。チェ・ドンフン選手も『良くない意味で特別でした』と話していました。実際にオクタゴンに立ってみて、どのように思うのか。それは分からないですが、今のところは気にしていないです。とにかく自分のやるべきことをやる。そこに集中したいと思います」

――Road to UFCでなく、UFCのイベントです。UFCファイターの中で戦うことになります。

「まだ決勝で勝ったわけでも、契約できたわけでもないです。なので、しっかりと気を引き締めて戦うだけで。Road to UFCだとか、UFCで試合が組まれたとかは関係ありません。ただマカオで中国人選手と戦うことで、注目度が高くなるはずです。そういう場で、中国の選手に勝つことで注目度が上がる。それはチャンスだと捉えています」

――ではチィルイイースーとの対戦に向けて、特別な対策練習などしてきましたか。

「相手云々よりも、自分の良さが出せるように仕上げてきました。Road to UFCの初戦、準決勝を経験して自分のグラップリングの強さを出して戦いたいと思うようになったので」

――それは過去2試合のデキには、満足できなかったということでしょうか。

「う~ん……。1回戦は打撃が足らなくて、準決勝は打撃だけでなく、もっとトップコントロールできたはずだと考えています。そこに悔いが残っているので、しっかりと修正し強くなったユ・スヨンを見てもらえると思います」

――ではチィルイイースーの印象を教えてください。

「気持ちが強く、技術的には右ストレートには気をつけないといけないです。ただ、そこを上手く戦うことができれば問題ない相手です」

――透暉鷹選手にも右を当てて、テイクダウンに入っていました。

「あれは透暉鷹選手が相手だから、できただけだと思います。自分は透暉鷹選手とは違い後ろ足重心になって、パンチからテイクダウンされても即スイープを仕掛けることができます」

――準決勝で原口伸選手が敗れた試合に代表されるようにテイクダウンとコントロールへの評価が下がっているなかで、試合の組み立て方をアジャストする必要を感じることは?

「何が正解かは分からないですが、殴って来れば組んでテイクダウンへ。距離を取ってくるなら、自分の方が詰めて殴る。そんな風に戦おうと思います。スタイル的にマラブ・デヴァリシビリのように力強いグラップリングで先手を取る。何度も、ぶつけることが必要だと思います。15分間、自分がグラップリングで攻め続けます。その自信はあります」

――日本人選手が決勝に残らなかった決勝戦。日本のファンはDEEPチャンピオンだったユ・スヨン選手を応援するかと思います。そんなファンに一言お願いできますか。

「Road to UFCの決勝まで進めたことで、ある程度はDEEPのチャンピオンとして強さを見せることができたのは嬉しいことです。日本人選手と戦ってグラップリングのレベルの高さは分かっています。そういう戦いを経験して、自分も強さを身につけることができました。毎試合、成長しているユ・スヨンを見せるつもりですので、楽しみにしてください」

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT

■UFN248計量結果

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン: 135.5ポンド(61.46キロ)
デイヴィソン・フィゲイレド: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン: 116ポンド(52.62キロ)
タバタ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)
ムスリム・サリコフ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン: 126ポンド(57.15キロ)
ガブリエラ・フェルナンジス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア: 206ポンド(93.44キロ)
カーロス・アルバーグ: 205.5ポンド(93.21キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス: 205ポンド(92.99キロ)
チャン・ミンヤン: 205ポンド(92.99キロ)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン: 135.5ポンド(61.46キロ)
チィルイイースー・バールガン: 135ポンド(61.24キロ)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ: 126ポンド(57.15キロ)

<Road to UFC女子ストロー級決勝/5分3R>
シー・ミン: 115.5ポンド(52.38キロ)
フン・シャオカン: 115ポンド(52.16キロ)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル: 125.5ポンド(56.92キロ)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ: 126ポンド(57.15キロ)
ホセ・オチョア: 125ポンド(56.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン: 135ポンド(61.24キロ)
クァン・リー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ: 155.5ポンド(70.53キロ)
ニコラス・モッタ: 155ポンド(70.31キロ)

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【Pancrase350&351】透暉鷹×アルジクル、平田×サンウォン、田嶋×ラジャボフ。強くなるために必要な試合

【写真】今年はニューピアで、2に大会。クリスマスの10日前のパンクラスだ(C)MMAPLANET

13日(水)、パンクラスから12月15日(日)に行われる師走の大一番=二部制イベントの振り分けとメインを発表した。昨年&一昨年と横浜BUNTAIで掉尾を飾る大会が行われていたが、今年は東京都港区のニューピアで350大会と351大会として実施される。
Text by Manabu Takashima

既にKOP透暉鷹にキルギスのカリベク・アルジクル・ウルルが挑むバンタム級選手権試合、平田直樹とキム・サンウォンのフェザー級選手権試合を始め、15試合以上がこの日に組まれることが明らかになっていたが、本日の発表で12時15分開始の昼の部=350大会のメインは透暉鷹✖アルジクル、17時開始の夜の部=351大会のメインは平田×キム・サンウォンと決まった。


井村塁を秒殺したアルジクルが、Road to UFCで無念の準決勝敗退となった透暉鷹の持つ王座にパンクラス2戦目で挑む試合の前には、同じ中央アジア勢で高城光弘をRNCで下したオタベク・ラジャボフが田嶋椋と戦う。

そのまま次期挑戦者決定になっても不思議でないラジャボフとの試合に挑む田嶋、王座防衛戦に臨む透暉鷹と共に、Road to UFCを視野に入れているのであれば中央アジア勢との対戦は勝てば勢いはつくが、リスクの高い戦いになる。

これこそが、今のJ-MMAから世界へ出ていく、最高峰を目指すというファイターに必要なカードだ。来年のRoad to UFCには従来通り中国、韓国、インド、フィリピン、インドネシア、タイというアジアの国々以外に豪州勢、そしてニュージーランドやモンゴルが加わるという話も伝わってくる。

綺麗なレコードが絶対というなかで、それが可能なファイトで白星を並べても、さらに厳しくなることが予想されるRoad to UFCを勝ち上がることができる力が養成されるとは思えない。

そうなると、もう強い相手に勝つ。それもRoad to UFCという狭き門への出場権を得るにはコンテンダーシリーズのようなアグレッシブ&フィニッシュ必至というファイトが必要になってくるのも時間の問題だ。そうしなければ勝利が絶対のRoad to UFC=アジア・オセニア予選を勝ち抜くことは困難になってくる。

日本のMMA界の現状は国際戦を組み、実力者をふるい落とすという贅沢な試合を続々と組むことはできなくなっている。中央アジア勢を招聘しても、客席は埋まらないという考えも当然のように一理ある。

そのなかで手を出したくない。掘るべきではない中央アジア勢を招聘するパンクラスの国際戦は時代を先取りした──そして、失敗に終わると攻め過ぎと批判される可能性もある。それだけに透暉鷹、田嶋の両陣営だけでなくパンクラスというプロモーションからも勇気が感じられるマッチアップだ。

また351大会のメインでRoad to UFCベテランのキム・サンウォンとベルトを掛けて戦う平田直樹にとっても、これから先を見据えたうえで非常に大切な戦いとなる。今後はタイトル戦だから勝利が絶対という思考では、もう上の舞台から引っ張られることは難しくなることが予想される。

勝利は絶対でも、その絶対へのプロセスが今後の進路に大きく影響してくる。組み倒して勝つ。それが平田のMMAだけに、組むまでパフォーマンス。そして組み倒してからの動きがこれまで以上に大切になってくる。キム・サンウォンは簡単に組める相手ではない。そして簡単にテイクダウンを奪えないことも、明らかだ。それでも組み倒しコントロールするために、平田が何を身につけてきたのか。そして、今後の武器となる要素が試合から見られるのか。その辺りが査定されるタイトル戦といえよう。

また351では猿飛流×ジョセフ・カマチョという国際戦。350では砂辺光久×時田隆成という特別感のあるファイトが見られる。その一方で、ウィニングトラックに戻ってきた柳川唯人と名田英平のフェザー級戦を始めたとしたラインナップの多くが──その特別感、あるいは将来の方向性を左右するというファイトの機会を得るために戦う、終わりのないスパイラルループの中での生き残り合戦といえる。

強さを求めるのか、自己表現の場なのか。いずれにせよ、果ての無い連鎖ファイトから抜け出すために、不可欠なのが勝利。まさに厳しい現実、世知辛い世の中を勝ち抜くことが求められるパンクラスの2024年最終章だ。


■Pancrase351対戦カード

<フェザー級KOP王座決定戦/5分5R>
平田直樹(日本)
キム・サンウォン(韓国)

<フライ級/5分3R>
猿飛流(日本)
ジョセフ・カマチョ(グアム)

<フライ級/5分3R>
有川直毅(日本)
山崎蒼空(日本)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
舩田電池(日本)

<バンタム級/5分3R>
合島大樹(日本)
山本歩夢(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
ギレルメ・ナガガワ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
張豊(日本)

<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
織部修也(日本)

<フライ級/5分3R>
水戸邉荘大(日本)
小林了平(日本)

■Pancrase350対戦カード

<バンタム級KOPC/5分5R>
【王者】透暉鷹(日本)
【挑戦者】カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)

<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
柳川唯人(日本)

<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
小川道的(日本)

<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
敢流(日本)

<フライ級/5分3R>
菅歩夢(日本)
岸田宙大(日本)

<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
ギレルメ・ナガガワ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
砂辺光久(日本)
時田隆成(日本)

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MMA o PANCRASE Road to UFC UFC パンクラス 井村塁 透暉鷹

【パンクラス】透暉鷹 帰還!キルギス出身ウルルとタイトルマッチ!

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12月15日にニューピアホールで開催されるPANCRASE 350/351の追加対戦カードとして、透暉鷹(ISHITSUNA MMA)× カリベク・アルジクル ウルル(Olymp Gym Bishkek/キルギス)のバンタム級タイトルマッチが決定しました。

UFCの登竜門ROAD TO UFCに出場した透暉鷹。惜しくも2回戦でバーエゴン・ジェライスーに惜敗しましたが、堅実な寝技で安定感のある試合運びは対アジアの国際戦でも光りました。今回は心機一転のパンクラス帰還。王座を防衛して復権なるか。

しかしその対戦相手が何とも厄介なウルル。パンクラスデビュー戦でランキング1位の井村塁を怒涛のラッシュで秒殺KO勝ち。パンクラスでは1試合だけですが強烈なインパクトを残しました。いきなりのタイトルショットも納得です。

世界の格闘技界を席巻している中央アジア勢。人間というより生き物としての強靭なフィジカルを各大会で見せつけていますが、ウルルもパンクラスを荒らしてしまうのか。前回はスタンドでの打撃が際立ちましたが、まだ底が割れていない怖さがあります。

対する透暉鷹はテイクダウンしてグラウンド主体で戦いたいところ。倒しさえすれば透暉鷹のコントロールが効くようにも思えますが、ウルルの対応力はいかに。パンクラスの防波堤になるか。注目のタイトルマッチが用意されました。
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【Road to UFC2024 Ep05】日沖発、透暉鷹の準決勝敗退を語る「まずは自分を見ないといけない」

【写真】日沖自身がUFCで戦っていたからこそ言えることがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

8月23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたRoad to UFC2024 Ep05 =Road to UFC Season03 Semi Finalsにて、バンタム級準決勝で透暉鷹が中国のチィルイイースー・バールガンに判定で敗れた。
Text by Shojiro Kameike

透暉鷹にとってはフェザー級からバンタム級に転向し、パンクラスKOPで2階級制覇を果たして挑んだUFCへの道——初戦は韓国のキム・キュソンを下して準決勝に進出したが、笑顔はなし。さらにバールガン戦は1Rを取りながらも、2Rと3Rを押さえられて判定負けを喫した

国内の戦いで見せていたような動きを出せなかった。そんな印象もある準決勝戦について、透暉鷹のトレーナー&セコンドを務めた日沖発stArt代表に話を聞くと、厳しい言葉も訊かれた。その内容は透暉鷹だけでなく、日本MMA全体の問題であるようにも感じられる。


相手も『この展開をやりきる』という意志が強かった。厳しいことを言うと――

――今年のRTUは準決勝で日本人選手が全滅という結果に終わりました。この結果を振り返る企画として、透暉鷹選手の試合についてはセコンドを務めた日沖さんにお聞きします(※取材は9月3日に行われた)。

「よろしくお願いします。僕は試合をした本人ではないし、所属ジムの人間ではないので、なかなか言えないこともありますが……」

――いえ、その立場にいる日沖さんにこそお聞きしたいことがあります。まず日沖さんは8月18日に、徳弘拓馬選手のセコンドとしてグラチャン大阪大会に来ていました。その直後、透暉鷹選手とともにラスベガス入りしたのでしょうか。

「いえ。グラチャンの試合が終わって、少し経ってから計量当日に着きました。2泊3日でラスベガスに(苦笑)」

――試合としては、透暉鷹選手はこれまで国内の試合ではドミネイトして勝つことが多かったです。しかしバールガン戦で徐々にペースをひっくり返されて逆転の判定負けを喫したことが、意外で予想外な面もありました。

「僕は『厳しいシーンがあってもおかしくない』とは思っていました。まず透暉鷹とバールガン選手は似たようなタイプで――自分から打って、そして上を取りに行く。そういった場合は特に、自分の強いところを先にぶつけてペースを握らないといけません。でも先に、相手にペースを取られてしまうと、今回のような試合展開になることはあり得ます」

――それは1Rと2R、開始早々に相手の右をもらってしまった点でしょうか。

「あれは相手の作戦だったでしょうね。透暉鷹が後ろ重心になっている時に、右ストレートを被せるという。

1Rは右を受けたあとにトップを取ったので、ポイントも押さえたと思いました。最初にもらった右のダメージを後半まで引きずったわけでもなくて。ラウンドが終わってみるとペースを取られたのは1分間だけで、残り4分はハーフ、がぶり、バックと透暉鷹が支配していましたから。

2Rも微妙ではありますけど、透暉鷹のほうが先にやるべきことができていた時もあったんです。テイクダウンも奪っていましたし。でも、それ以外はケージに押し込まれたりするなど、後手に回ってラウンドを取られてしまいました」

――1Rに透暉鷹選手がバックに回られた時は、セコンド陣としては「切り返すことができる」と考えていましたか。

「はい。透暉鷹はバックエスケープ、つまりバックを取られかけたところから、上を取り返すのは得意なんですよ。でも『あまりバックエスケープはやるな』と言っていました」

――確実に逃れることができるとしても、一瞬バックを取られかけるのは印象が良くない。

「そうなんですよ。確かにガードからめくるスイープよりは、バックエスケープのほうが上を取りやすいです。尻もち着きから後ろを見せてサイドバックを取らせてから、相手が足のフックを入れてきたところを前に落とす。そのほうが体幹やフィジカルを生かしやすいし、やられたほうにも『惜しいところまで行ったけど攻め切れなかった』という心理が生まれたりしますからね。

対して、スイープは技術的にも難しい面があるし、まず自分の背中がマットに着いているので、スコアでも不利になります。そのスイープに時間を掛けるのはコスパが悪いというか……。とはいえ、バックエスケープも最初にバックを奪われかけているわけで。透暉鷹には『まずバックを取らせないように』と言っていました」

――透暉鷹選手がスイープの技術を持っていないわけがない。ただ、持っている技術の中から何を選ぶか。展開の速度が増す一方のUFCあるいはUFCを目指す戦いで、いかに速く選択し、正確に実行できるか……。

「3Rはラバーガードからオモプラッタを狙っていました。でも現在のMMAなら、あそこでもっと殴っておいたほうが良かったですね。今の採点だと殴った数が多いことは採点に影響しますから、下からでも殴るのは大事なところではあります。

仰るとおり、透暉鷹はスイープも含めてガードからの展開もできます。しかし、どうしてもトップキープのほうがフィジカルの強さを生かすことができますし……」

――結果、1Rは右を受けてから取り返した。なのに2R以降は取り返すことができなかったのが意外だったんです。

「相手も『この展開をやりきる』という意志が強かったですよね。厳しいことを言うと、透暉鷹の弱さが出てしまいました」

――透暉鷹選手の弱さ、ですか。これも正直なところ、2R以降は透暉鷹選手の表情を見ていると、少し気持ちの面で押されていないかという印象を受けました。

「あぁ、なるほど。そうですよね……うん、……そうですね」

――今まで経験したことのない展開になり、焦りが生じてしまうのも当然かと思います。そこでインターバルの間など、セコンドとしてはどんな指示を出していたのでしょうかか。

「僕は2Rが終わって、インターバルの時に『1-1だから、このラウンドを取らないと勝てないぞ』とは言いました。本人もそれは理解していたはずです。でも最終ラウンドは、悪いシナリオに近い展開になってしまいましたね。

透暉鷹も最終ラウンドを取りに行こうとしていました。ただ、MMAの場合は2Rを取ったほうが3Rも取るという傾向は多いと思うんです。ラウンドごとではなく試合全体で考えた場合、徐々にペースを取られていく展開だと2Rからの10分はバテていくことも含めて。よほど相手よりスタミナ面で上回っていれば、2Rを取られても3Rを一気に取りにいくことも考えられます。今回の試合に関しては、そこは少し厳しかったです」

――なるほど。

「これは違う話かもしれませんが、たとえば1Rと2Rを取られていて『このままだと判定で負けるから3Rはフィニッシュを狙えよ』というアドバイスって、よく聞かれますよね。でも、その状態から3Rに逆転勝ちするのはレアケースだと思うんです。

10分間ドミネイトされている選手が、もしも最後の5分もし最後の5分……いや、残り3分や2分で逆転できるなら、最初から行ってペースを取っているはずで。やられている選手が最後に逆転できるのは、相手がバテたか、あるいは何か魔が差したのか。そういうことがないと難しくなります。実際、僕がセコンドについている試合で、逆転を狙っても相手のセコンドはポイントで勝っているから、『そのまま殴らせておけ』と指示していたこともありますし」

――となれば、3R制では1Rと2Rをどう取るかが重要になってきます。しかし透暉鷹選手が2Rと3Rを取ることはできなかった。バールガンは今まで戦ってきた相手とレベルが違ったと思いますか。

「レベルは上だったと思います。ただ、それよりも『今までの相手とはタイプが違った』という気持ちのほうが強いです。そう考えると、経験の差はあるかもしれません」

日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけない

――試合後、透暉鷹陣営としては、どのような話をしたのでしょうか。

「う~ん……、相手のことよりも透暉鷹本人のことですよね。本人には伝えましたが、もっとベストコンディションをつくることを考えたり、UFCに向けてもっと厳しくやる部分が必要だったと伝えました」

――それはRTUの試合に向けて練習が足りなかった、ということですか。

「いえ、練習はしっかり頑張るんです。でも日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけないと思います」

――「ベストコンディションをつくること」とは、ウェイトのことでしょうか。

「いろいろ要因はありますが、まずウェイトについて言えば『ベストコンディションをつくれないなら、階級を戻したほうが良い』とは伝えました。透暉鷹の体格を考えると、バンタム級が適正かとは思います。でもそれって、周りを見ているということなんですよ」

――というと?

「周りと比べて自分は体格が小さいから階級を落とす。それはそれで重要だと思います。でも、まずは自分を見ないといけないわけで。自分にとってベストの状態をつくることができないのであれば、やはり階級についてはもう一度考えなければいけないですね」

――「まずは自分を見ないといけない」とは、とても重要な言葉です。ファイターからすると、来年もRTUが開催されるとすれば、どのようにRTUにフォーカスしながら過ごすかも重要になってくるのではないでしょうか。

「やはり日本と海外では勝手が違う部分あって、自分をつくり切れなかった。いろんな基準やレギュレーションが違うなかで、海外慣れも必要だと思いました。来年もRTUが開催されるとは限らないし、開催されても透暉鷹が選ばれるかどうか……」

――日沖さんの場合、修斗と戦極のベルトを巻いてからUFCとの契約に至りました。その前にカナダTKOの経験があったからこそ、とも思います。

「そうですね。TKOのベルトを巻いたあと、すぐにWECの話が来ましたから。日本と海外では単純に競技人口が違うし、そうなると強い選手が出て来る確率も高くなる。今後ますます日本の状況は厳しくなると思います。

僕も試合に対して言い訳じみたことも言いたくはないし、彼自身もそんな言い訳は言っていません。今回の経験が今後に生きるかどうか、それは彼次第です。

本人とISHITSUNA MMAの林代表は『もう一度RTUに挑戦したい』と言っています。僕としては『現実を考えると、UFCは遠のいてしまった』と伝えました。まずその現実的な厳しさを彼がどう受け止めるか、ですよね。受け止めたうえで頑張るというのであれば、僕も引き続き透暉鷹をサポートしていきたいです」

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【RTU】透暉鷹、本野美樹、原口伸、河名マスト、日本人4選手全員が決勝進出ならず

344: 実況厳禁@名無しの格闘家 2024/08/24(土) 09:07:39.00 ID:2SMvgbr70
今日RTUなのに空気すぎる


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【Road to UFC2024 Ep05】透暉鷹、右を被弾して判定負け。バンタム級決勝はバールガン×スヨン

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
チィルイイースー・バールガン(中国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
透暉鷹(日本)

バールガンがいきなり右ストレートを当てる。透暉鷹がダブルレッグに入るが、それを切ったバールガンが透暉鷹をケージに押し込んでテイクダウンを奪う。バールガンが透暉鷹の両足を引いて寝かせると、透暉鷹は背中を見せて立ち上がる。

バールガンはそのままバックについて足をフックしようとするが、透暉鷹が正対してハーフガードでトップキープする。バールガンがクローズドガードに戻すと、透暉鷹は中腰からパンチを落とす。

バールガンが体を起こすと、がぶった透暉鷹がアナコンダチョークへ。亀になるバールガンのバックにつくと、両足をフックしてパンチを入れる。このポジションのままラウンド終了となった。

2R、透暉鷹が右カーフ、左フックから右ストレート、ダブルレッグも見せて右ストレートで追いかける。さらに透暉鷹はヒザ蹴り。ジャブを突くバールガンに対し、透暉鷹はダブルレッグでテイクダウンを奪う。

バールガンはガードから脇を差してスイープを狙い、透暉鷹はトップキープ。バールガンのバックを狙うと、バールガンも立ち上がって透暉鷹をケージに押し込む。バールガンがヒザを蹴ると、これがローブローとなり試合が一時中断。スタンドで再開となる。

バールガンがローと右ストレート。透暉鷹も右のパンチで前に出ていくが、バールガンが右ストレートを当ててケージに押し込む。透暉鷹は投げも狙うが、バールガンは右腕を差して透暉鷹をケージに押し込み、細かく左ヒジを入れる。距離を取った透暉鷹だが、やはりバールガンが透暉鷹をケージに押し込んだ。

3R、透暉鷹が右ストレートから前に出て、バールガンの前足に左右のロー。先に透暉鷹が組みに行くが、ここもバールガンが透暉鷹をケージに押し込む。一旦距離が離れると、透暉鷹がダブルレッグに入り、バールガンはがぶりからニンジャチョークを狙う。

透暉鷹は脇を差して引き込むような形となり、バールガンがトップキープする。透暉鷹はバールガンの右腕にオモプラッタを狙いつつ、鉄槌を入れる。ここで両者の動きが止まり、レフェリーはブレイクを命じる。

スタンドでの再開後、透暉鷹がパンチとヒザ蹴り。バールガンがダブルレッグでテイクダウンし、背中を見せる透暉鷹を持ち上げるようにテイクダウンしてバックにつく。最後は透暉鷹が上を取り返したところで試合終了となった。判定はバールガンが軍配が上がり、透暉鷹は準決勝敗退となった。


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45 AB MMA MMAPLANET o PANCRASE Road to UFC Road to UFC2024 RYO UFC YouTube   アンガド・ビシュト キル・シン・サホタ ショーン・オマリー シー・ミン ジョナサン・ピアース ダールミス・チャウパスゥイ チィルイイースー・バールガン チェ・ドンフン チュウ・カンチエ ドン・フアシャン フン・シャオカン ユ・スヨン 久米鷹介 原口伸 本野美樹 河名マスト 透暉鷹 雑賀ヤン坊達也

【Road to UFC2024 Ep05 & Pancrase347】「タイミング」透暉鷹&久米鷹介「その道を進んでいる」対談

【写真】凄く良い関係なのが、伝わる両者のやりとりでした (C)MMAPLANET

23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでRoad to UFC2024 Ep05 & Ep06=Road to UFC Season03 Semi Finalsが開催され、Ep05のメイン=バンタム級準決勝で透暉鷹がシェ・ビンと戦う。
Text by Manabu Takashima

その透暉鷹は週に2度、グラップリングと柔術で肌を合わせているのが、9月29日(日)に立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase347で雑賀ヤン坊達也の持つ、ライト級KOPのベルトに挑む久米鷹介だ。

出会いから5年、互いを尊敬する11歳違いの練習仲間に次戦ついて尋ねた。


──Road to UFCを控えている透暉鷹選手ですが、渡米はいつ頃になりますか(※取材は14日に行われた)。

透暉鷹 今週の日曜日になります。試合が現地時間で金曜日、計量も木曜日なので。

久米 今度の日曜日に? へぇ、頑張って。

──軽いですね、久米選手(笑)。ところで2人が練習をするようになったのはいつ頃なのでしょうか。

久米 トッキーが(日沖)発さんのパーソナルを受け始めてからですね

透暉鷹 デビュー直後ぐらいからですかね、stArtでパーソナルを受けるようになったのは。4年前ぐらいですかね。

久米 もっと前だよ。北岡(悟)さんとの試合の時に(※2020年9月)、普段はMMAの練習はやっていなかったけど、背格好が似ているから対策練習の相手をしてもらったので。松本(光史)選手、いやトム・サントスとやった時ぐらいからは、もう選手練にいたと思います。

透暉鷹 あぁ、そうですね。発さんのパーソナルを受けるようになったのはコロナ前からだったし。それから金曜日のグラップリングの選手練習に参加するようになって、久米さんと練習をさせてもらうようになりました。

そうですね……。グラップリングと柔術なので週に2度、今も続けさせてもらっています。それまでMMAのことを全然知らなかったので、久米さんのことはメッチャ凄い人っていう風に思っていました。

──知らないのでメッチャ凄い人。良いですねぇ(笑)。

透暉鷹 そういうイメージがあるだけだったのですが、実際に練習をさせてもらうとゴリゴリで、ハルクみたいでした。

──ゴリゴリ(笑)。

久米 人として喋りはまだまだですけど、ゴリラ界で言えば一番喋ることができるので(笑)。でも真面目な話、トッキーは11歳年下で世代が全く違っていたので、それまでは全然知らなかったです。発さんから『一生懸命やる子がいて、選手練に参加していくから』っていう風に聞かされたのが、最初でしたね。

──実際に肌を合わせた時は、いかがでしたか。

透暉鷹 今もそうですけど、全然歯が立たなかったです。

久米 僕は最初の頃のことは余り覚えていないのですが、身体能力が高かったですね。技術的にも甘いところがあって。どんどん上がって来て強くなっています。もう今では、僕のことなんて踏みにじっていきます。

透暉鷹 いやいや……。いつも、やられています。

久米 純粋に強さを求めている。そういう価値観を持っていて、人柄としてもまっすぐで。グラップリングの練習でも、MMAに有効かどうかを考えながらやっていて、その部分でも本当に強くなっています。僕自身、トッキーが頑張っている姿に、本当に良い影響を受けていますね。

──現状として一緒に練習をしているのはグラップリングと柔術でMMAではないということですね。

透暉鷹 1週間のルーティンでMMAのスパーリングは木曜日にISHITSUNAの後輩とやって、土曜日に寒天FIGHT SPRITの合同練習という風になっていて。

──久米選手は寒天プロ練習の参加は?

久米 僕の方もMMAスパーリングは土曜日の夜にALIVEでやっている形なので。やっぱり朝と夜にMMAスパーを連続でやることはできないですね。僕の場合は月、水、金、土と発さんとStartでやっていて、水曜日はALIVEの夜の練習も指導が発さんなので、コマ数でいえば週に5度指導をしてもらっています。

発さんからは学ぶことばかりです。スパーの相手もしてくれますし、以前ほどゴリゴリでなくアドバイスをくれることが増えました。自分が強くなるために、発さんの指導が一番だと思っています。そういう発さんと普段から、これだけ一緒に練習ができている状態なので、またトッキーとは違うよね。

透暉鷹 ハイ。だからこそ、僕は発さんのパーソナルを受け続けているというのはあります。

久米 僕も試合前になるとプライベートの指導もしてもらっています。ゲームプランも発さんに任せているので。

透暉鷹 自分の方はISITSUNAの林代表とメインで考えて、発さんがそれをサポートしてくれる形ですね。

──ではRoad to UFC準決勝に向けて、仕上がり具合の方は?

透暉鷹 バッチリです。

久米 1回戦の時より、メンタルが良くて。動きもどんどん良くなっています。

──メンタル?

久米 公表していなかったですけど、体調面に問題があって。よく、しっかり勝てたなと思います。試合ができるかどうか、それも直前まで続いていたので。精神的にも体重を創るのもしんどかったと思います。

──そういう状況だったのですね。戦っていて、影響を感じることはありましたか。

透暉鷹 それは……ありました。行かないといけないところで、行けないとか。水抜きの幅が大きくて、試合当日も動けていなかったです。

久米 それでも完勝でしたし。底力があると思えました。やっぱり技術的にどんどん修正ができていて……試合だけでなく、普段から修正力が高くて。僕なんかより、全然自在に体を操れるタイプなんです。

──試合後はそれでも納得がいかないという表情でした。

透暉鷹 自分が理想とするフィニッシュする形を創ることができなかったので。あの舞台でそれができなかったのが、悔しかったです。

──Road to UFCは勝てば官軍ですが、そういう部分に拘りがあるのですね。

透暉鷹 UFCの映像を視て、やっぱりフィニッシュは意識しているようになっているのかと思います。沸かせる試合はしたい。視ている人たちにつまらない試合は見せたくない。でも、そこに行くために勝利が絶対で。前回の試合は、行けなかったことが悔しかったです。

久米 ポイントにしても制圧をしているのだから、立派な勝利です。

──沸かせる試合という透暉鷹選手の発言に関しては、どのように考えていますか。

久米 僕はどんな試合でも勝つことが一番大切だと思っています。そういうタイプなので……そんな風に思えなくなったら自分は試合に出るべきでないと考えています。それから一本やKOが究極系としても、相手を制圧することが第一という考えです。

自分の場合は、沸かせようと思って試合をすることがないです。結果的にそうなっているのは、自分がやられてしまっているからで(苦笑)。

──そこなんですよね。久米選手は出ることができる。そして、被弾もする。透暉鷹選手が言われた、行く・行けないの是非ではないですが、良し悪しというのか。

久米 僕は逆に行き過ぎる。それで、やられている。食らうと、コントロールできなくなるんです。結果、皆に心配させてしまうし。トッキーだって、そうでしょ? 俺の試合を見ていると……。

透暉鷹 ……そうですね。ヤバいです。凄く感動しますけど、やっぱり怖いですよね。

久米 心から応援してくれる人は、「もう辞めて」と言ってくれて。そう言ってくれる人の意見は、しっかりと受け止めてやっていこうと思っています。

──日本では勝つと沸かせる試合が、別モノとして捉えられているかと思います。あと勝ち負けよりも、良い試合という意見もあります。半面、もうUFCで戦う選手たちのなかでは、エキサイティングな試合をして勝つことが当然で。エキサイティングな戦いが自然とできるメンタルと、技術が合致しているように感じるようになってきました。だから、成績に安定性は欠ける。それでも中には、それで勝ち続けることができる選手がいる。それがショーン・オマリーかと。

久米 自分が発さんに教えてもらっていることは、実はそこに近いと思います。フィニッシュに向けての制圧ですし、ただ闇雲に攻めないということで。バチバチにいってしまうのですが……。コントロールするのは、フィニッシュするためです。それでも自分のコントロールができなくて、結果的に試合もコントロールできなくなってしまうということなんです。

例えばショーン・オマリーもそうかもしれないですが、綺麗なカウンターで勝つって、何もその場の閃きじゃないと思うんです。しっかりと組み立てていて、そのカウンターが入る展開にしている。そういうことを自分は発さんに、教わってきました。

トッキーもそうです。フィニッシュをする練習をして、それで判定になることもあるということで。こないだの試合はコンディションのこともあって、それができなかった。だから、悔しかったんだと思います。

透暉鷹 そうですね、自分でもフィニッシュにいけるタイミングがあるっていうのは分かります。それは、そこまでコントロールできているわけで。自分のなかでコントロールという部分では、RYO戦の敗北ですね。あの試合で、本当に自分を見つめ直すことができました。あれから自分が変わることができるようになりました。

──相手の技量にもよりますしね。

久米 だからこそ1Rと2Rと取っていても、攻める気持ち、フィニッシュする考えでないと、守りに入って逆に反攻を許すこともあると思うんです。相手がフィニッシュできる場合は、特にそうですよね。だからアタックする姿勢は持ち続けないと。攻撃は最大の防御──というのは、そういうことだと思います。

透暉鷹 1Rと2Rと取ると、相手はもうフィニッシュしかない。そうなるとコントロールしてのフィニッシュではないので。相手の動きも本来の動きではないと思います。

──そういうなかでシェ・ビン戦です。

透暉鷹 やはり削って、フィニッシュを狙いたいです。テイクダウン防御力は、上久保選手との試合を見ても高いと思います。テイクダウンを決める力も強い。そこを切って、向うがやりたいことをさせないことが一番大切だと思います。

テイクダウン後の動きは分からないですが、これまでの相手と違うと思って──しっかりと柔術、グラップリングをやってきたので。そのために久米さんにボコられてきて(笑)。

久米 いや、もうボコるなんて。ボコることはできなくなっています。

透暉鷹 僕のなかでは、まだボコられていると思います。

久米 2階級違うので。

──その久米選手との練習で養えることもあると?

透暉鷹 それは発さんとも同じですが、行くことできる……極めることができるタイミングを養うことができていると思います。そうでなくて、拘っていると「技術的に切り替えた方が良い」というアドバイスを発さんにしてもらえて。

そこが「今後のために必要になって来る」という風に指導してもらっています。

久米 厳しい戦いにはなると思いますが、やってくれるはずです。純粋に強さと向き合ってきているので。何より、僕が辿り着かなったところに……純粋に向き合っているので、何が何でも掴みとって欲しいです。

託すなんて言えないですけど、この道で頑張っている子には自分も自然と感情が入り、良いモチベーションを貰えます。ありがたいですし、より応援したくなる。そういう気持ちはあります。

──引退した選手みたいなコメントですが、9月に大一番=雑賀ヤン坊達也選手に挑むライト級KOPCが控えています。

久米 雑賀選手と同じスポンサーで、向う側だよね(笑)。

透暉鷹 いえ、そこはそこで(苦笑)。久米さんには絶対に勝って欲しいです。

久米 雑賀選手にしても、結果として再戦することになったのですが、5月のRoad to UFCのワンマッチから掴みとって欲しかったです。やっぱり、そっちの道を往く日本人選手のことは心から応援してきたので。

僕自身、前回は勝ってはいますが雑賀選手の怖さは誰よりも知っているつもりです。あの一発を味わっているからこそ、気持ちが引き締まります。

──そんな久米選手のチャレンジ、透暉鷹選手は何を見せて欲しいですか。

透暉鷹 何時も凄く感動をもらっているのですが、もう危ない試合は見たくないです。

久米 僕が半面教師になるので(笑)。トッキーもそうですが、若い子たちが僕の試合から何をかを感じて、学んでくれることは嬉しいです。

──では最後に透暉鷹選手、シェ・ビン戦への意気込みをお願いします。

透暉鷹 本当に1試合、1試合、賭けてやってきたので。1日、1日の積み重ねてきたことを試合で出して絶対に勝ちます。

久米 本当に調子が良いので、自分を信じてぶつけて欲しいです。

■視聴方法(予定)
8月24日(土)
Ep05午前10時~UFC Fight Pass
Ep06午後12時~UFC Fight Pass
Ep05&06午前9時45分~U-NEXT

■ROAD TO UFC 2024 Episode06計量結果

<Road to UFCフェザー級T準決勝/5分3R>
シェ・ビン: 146ポンド(66.22キロ)
河名マスト: 146ポンド(66.22キロ)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
ドン・フアシャン: 115ポンド(52.16キロ)
シー・ミン: 115.5ポンド(52.38キロ)

<Road to UFCフェザー級準決勝/5分3R>
チュウ・カンチエ: 145.5ポンド(66.0キロ)
原口伸: 146ポンド(66.22キロ)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
フン・シャオカン: 116ポンド(52.62キロ)
本野美樹: 116ポンド(52.62キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サマンダル・ミュロドフ: 170ポンド(77.11キロ)
ジョナサン・ピアースマ: 174ポンド(78.92キロ)

■ Road to UFC2024 Ep05対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準決勝/5分3R>
透暉鷹: 136ポンド(61.69キロ)
チィルイイースー・バールガン: 136ポンド(61.69キロ)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
チェ・ドンフン: 125ポンド(56.7キロ)
アンガド・ビシュト: 125ポンド(56.7キロ)

<Road to UFCバンタム級準決勝/5分3R>
ユ・スヨン: 136ポンド(61.69キロ)
ダールミス・チャウパスゥイ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<Road to UFCフライ級準決勝/5分3R>
キル・シン・サホタ: 125.5ポンド(56.92キロ)
ルエル・パニャーレス: 126ポンド(57.15キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ダニー・マコーミック: 126ポンド(57.15キロ)
ヤン・チーフイ: 125ポンド(56.7キロ)

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