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カテゴリー: 筋トレ
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【写真】考えて、努力する。そのイメージを持たせないところが、格好良い(C)MMAPLANET
9月24日、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されたPANCRASE337のメインイベントで亀井晨佑に一本勝ちしてフェザー級KOPを戴冠した新居すぐる。
Text by Takumi Nakamura
ロングリーチと打撃力を誇る亀井と果敢に打ち合い、右ヒジ・右ストレート効かされながらも、最後は得意のアームロックからのシザースチョークで亀井を絞め落とした。どれだけ対策されていても極まる必殺技=アームロック+シザースチョークはどのようにして磨かれたのか。またパーソナルトレーニング中心で整えたという練習環境についても訊いた。
――Pancrase337で亀井選手にシザースチョークで一本勝ちし、フェザー級KOPとなった新居選手です。試合から約1カ月が経ちましたが、どんな変化がありましたか。
「チャンピオンになれたことは純粋に嬉しいですけど、僕はもう33歳で、ここでずっと喜んでいたら時間がもったいないというか。このベルトを手土産に強い選手を倒したいと思っているので、すぐ次に向けて動き出そうと思いました」
――それでは試合についても聞かせてください。試合全体としては打撃の打ち合いもありつつ、最後は一本勝ちという展開でした。
「試合が終わって、もっと寝技の展開を増やしていたら、あんなにダメージを受けることなかったなと思いました。率直に寝技だけだったら、僕とは差があったと思います。ただ今後のことを考えたときに、今までやらなかった殴り合いをやったり、倒れそうなところで踏ん張って一本勝ちできたことはいい経験になりました」
――スタンドでは亀井選手の182センチという長身&ロングリーチとジャブをどう攻略するかが一つの鍵だったと思います。どんな準備をしていたのですか。
「今までやった選手の中で一番背がデカかったんですけど僕はK-1、Krushで試合をしている大沢文也やブハリ亜輝留と練習していて、亜輝留は亀井選手と身長が同じで、文也はジャブがきれいで上手い。2人と練習してリーチとジャブに慣れて当日びっくりしないように準備していました。
実際1Rの終盤まで想定通りだったんで、全く焦らず試合ができていたんですよ。でもそこでヒジをもらって、焦っちゃったんです。そしたら今度は右ストレートをもらって鼻が折れて。そこから距離感をミスって、ビビらなくてもいい距離でビビってパンチをもらって…という展開になっちゃいました」
――2Rはどのようなことを考えて試合に入ったのですか。
「正直、亀井選手のパンチをもらって記憶が飛び飛びなんですけど、パンクラスのMMAグローブってRIZINと比べるとちょっと薄いんですよ。薄いグローブの方が痛いけど脳が揺れる感覚はなかったので、これだったらなんとか耐えられるなと思いました。でも耐えられちゃう分、痛いパンチを何発ももらったんで、それはそれで最悪でした(苦笑)」
――フィニッシュはシングルレッグ→バックテイク→スナップバック→アームロック→シザースチョークという流れるような動きでした。一連の流れは得意な動きですか。
「あれは練習したものがそのまま出ました。前回RIZINで飯田健夫とやったあとに、仲間から『すぐるはスクランブルになったら強いけど、そこにいくまでのレスリングがないから、レスリングを覚えたほうがいいんじゃない?』と言われて。
僕も同じことを思っていたんですよ。それで早稲田出身で、レスリングでオリンピックを目指している安楽龍馬のパーソナルトレーニングを受けるようになって、シングルレッグからバックを取る動きはずっと練習していました」
――レスリングを課題にしていたのですか。
「僕は柔道出身で、柔道的な組手はできるんですけど、あれは密着しないといかせないし、そこに行くまでに打撃をもらっちゃうんですよね。でもレスリングが出来たら遠い間合いからでも組みつけるので、レスリングを覚えたことで打撃をもらわずに組めるようになりました」
――マンツーマンでレスリングを指導してもらう形なのですか。
「僕が受け手を用意して、安楽に教えてもらう形です。安楽の指導がいいのはMMAにアジャストしたレスリング技術で、今の僕に必要なものだけを教えてくれるんですよ。例えば僕がレスリングを強化したいと思った時に、一からレスリングの基礎を覚えようと思ったら時間がない。安楽はいい意味で端折るところは端折って、本当に大事な技術だけを指導してくれるんです。しかも安楽は現役バリバリのトップレスラーなんで、レスリング技術そのものも最先端なんですよ。僕はテイクダウンして寝技になったら絶対極める自信があるんで、レスリングを覚えて自分のMMA全体がレベルアップしたと思っています」
「はい。基本的にアームロックとシザースチョークをセットで使って。
相手がアームロックを警戒したらシザースチョーク、シザースチョークを警戒したらアームロックを極めるイメージです」
――アームロック&シザースチョークは新居選手の必殺技になっていますが、いつ頃から使い始めた技なのですか。
「MMAを始めた頃は寝技とか関節技をちゃんと教えてくれる人がいなくて。僕がアウトサイダーに出ていた時期に佐野哲也さんのジムに練習に行かせてもらったことがあったんです。
そのときにパンクラスで試合をしていたABさんにボコボコにされて、ABさんに『僕、技を知らないんで何か教えてもらえますか?』と聞いた時に教えてもらった技がアームロックとシザースチョークだったんです」
――AB選手からのアドバイスが原点だったんですね。
「それからアームロックとシザースチョークを練習していたのですが、それしか技を知らないわけですよ。その頃に川尻(達也)さんと練習することがあって、ABさんの時と同じように『僕、アームロックとシザースチョークしか知らないから、何か技を教えてもらえますか?』と聞いたら『お前のどこからでもアームロックを取りにいくスタイルはめちゃくちゃいい。必殺技は警戒されても極まるものだから、それを突き詰めた方がいいよ』と言ってもらったんです。
そのアドバイス通りにアームロックの練習を続けていて、2015年にあったVTJ GRAPPLERS CROWN 2ndという組み技の大会で柔術の世羅智茂選手にシザースチョークで一本勝ちしたんです。僕、組み技の試合に出たのが初めてだったから世羅選手のことを知らなかったんですけど、あとで色々と世羅選手のことを知って、アームロックとシザースチョークに自信を持てるようになりました」
――一つの技にそこまでの歴史があったんですね。
「ただ、そうはいっても我流で練習を続けていたのでMMAの試合では対策されて、なかなか極められなくなったんです。
そうやって伸び悩んでいる時期にYAWARA柔術アカデミーを紹介してもらって(村田)良蔵先生と出会い、寝技の細かい基礎を教えてもらって、寝技のレベルがぐっと上がったんです。そこでアームロック&シザースチョークが“得意”技から“必殺”技に変わりました」
――まさに紆余曲折を経て磨かれた技なんですね。例えば他の選手のアームロックを見ていて「こうすれば極まるのに…」と思うことはありますか。
「単純に同階級の選手に力負けしたことが一回もないんで、基本的に(アームロックを)取れないわけがないと思ってやってます(笑)。実際に2年前から筋トレはやめて、その分の時間を技術練習に当てています」
――格闘技を始めた頃からパワーには自信があったのですか。
「もともと柔道出身なんですけど、高校時代の柔道部のメンバーがみんな身体が小さかったんです。それで先生がデカいやつらに力負けしないようにむちゃくちゃ筋トレをやらせてたんです。それで力が強くなりました」
――昨年7月のハンセン玲雄戦から4連勝を収めていますが、レスリングや寝技以外で変えたことはありますか。
「その年の2月にRIZINで山本空良に負けて、そこから仕事を辞めて格闘技に専念しようと思ったんです。それまで自分は本当に練習が嫌いで、技術練習なしでスパーリングだけ参加するみたいな感じだったんです。でも山本戦のあとに各ジャンルにパーソナルトレーナーをつけて、格闘技のノウハウを学ぼうと思いました。それこそ柔道で培ったフィジカルとアームロック&シザースチョークだけで、ある程度やれていたわけだから、今の自分には伸びしろしかないし、ちゃんと練習すれば絶対に強くなれると思いました」
――打撃は誰の指導を受けているのですか。
「RISEで活躍して森本”狂犬”義久たちを指導していた青木利康さんですね。週2回、青木さんにミットを持ってもらっています。練習環境としては打撃は青木さん、レスリングは安楽、寝技は良蔵先生に教わって、出稽古でMMAのスパーリングをやるという感じです」
――今日新居選手を取材していて、ジムに所属せずにパーソナルトレーニングで練習環境を整えるという考え方が面白いと思いました。
「本当は僕もどこかジムに入りたいんですけど、僕みたいに週6日遊んでいる選手は行きづらいじゃないですか(笑)。二日酔いのまま練習にいくと迷惑かけちゃうし、周りの選手の目も気になるし。それを考えるとパーソナルトレーニングを受ける方が楽なんですよね」
――そういう理由でしたか(笑)。でも必要なものを教えてもらえる、短期間で結果を出すという意味では新居選手に合った練習環境ですよね。
「今日の取材でも分かってもらえると思うんですけど、僕ってものすごく特殊な選手じゃないですか。ずっと我流でやってきて、使う技も偏っていて。パーソナルだと、それを修正するんじゃなくて、長所として伸ばしてくれたうえで、足りない部分を補ってもらえるんですよね。結果的に今のパーソナルを受けて、それを自分の頭で組み立てるという練習方法が合っていると思います」
――ちなみに新居選手はタイトルマッチの記者会見でも「飲んで遊んでいてもチャンピオンになれる。それが若い選手に夢を与える」とコメントしていましたが、パフォーマンスではなく本当にそのくらい遊んでいるのですか。
「はい(笑)。いつも試合の一カ月前から禁酒するんですけど、減量に入るとどんどん調子が良くなっていきますね」
――新居選手はTiktok・YouTubeの「クラブセキュリティあるある」動画でも人気ですが、格闘技で結果を出すことへのこだわりは?
「今まで生きてきて、自分の意思でやろうと思ったことがクラブセキュリティとMMAだけなんです。柔道は先輩が怖くて辞められなかっただけだし、どんなスポーツもバイトも長続きしなかったんで、その2つは絶対に続けようと思ったんです。もともと僕は欲がない性格で、後輩の阿部大治とか武田光司がチャンピオンになって活躍しているのを見ても、心のどこかで自分には無理だと思っていて。
でもRIZINで負けた時に『最後に思いっきり格闘技を頑張ってみよう』と思って、仕事も辞めて格闘技に専念したら結果が出るようになって、もっと上を目指そうと思いました。それで格闘家としての発言権が欲しくてパンクラスでベルトを巻くという結果を残したかったんです」
――失礼ながら自分も初めて新居選手を取材させてもらい、イメージや印象が変わりました。
「去年自分のなかで3年プランというものを立てていて、2022年はSNSを頑張って知名度を上げる。2023年は格闘技で結果を出して知名度に追いつく。2024年はその2つでもっと結果を出して稼ぐ& 成功する、なんです。だから今年はほとんどSNS用の動画を撮ってないし、格闘技に全振りしようと思ってやってきました」
――そういった人生プランがあったうえでの、SNS活動だったんですね。ではこれからの格闘家としての目標を教えてください。
「パンクラスのチャンピオンとして、パンクラスを代表して試合をしていきたいですし、今年の格闘技の目標が3つあって、RIZINにリベンジする(RIZINで初勝利する)こと、パンクラスでベルトを巻くこと、RIZINの大晦日で試合をして勝つことなんです。最初の2つは達成することが出来たので、あとはチャンスを待つだけですが、RIZIN大晦日に出るという目標を実現したいです」
The post 【Pancrase337】新居すぐるが振り返る、KOPT&シザースチョーク「川尻さんが『突き詰めた方が良い』と」 first appeared on MMAPLANET.ミドルキック練習🥊
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【写真】明らかに前回のインタビュー時と表情が違う。すっきり爽やかな笑顔だ(C)SHOJIRO KAMEIKE
24日(日)、さいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN44で、摩嶋一整がNEXUSフェザー級王者の横山武司と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
今年5月に芦田崇宏を下して連敗を脱した摩嶋。昨年4月の金原正徳戦は敗れたものの大激闘となり、摩嶋自身も学んだものが多かったという。横山戦を控える摩嶋が目指す、理想のMMAスタイルとは――
――9月24日に横山武司戦を控えている摩嶋選手です。本日は宜しくお願いします。
「宜しくお願いします! そういえばMMAPLANETって、国内のリングMMA取材を解禁したんですね」
――はい。そこで次はリングで試合をする摩嶋選手のインタビューと相成りました。
「MMAPLANETは特に選手が多く見ていると思うので、リングMMAも扱ってくれるのは嬉しいです」
――ありがとうございます。それにしても前回のインタビュー……、昨年4月の金原戦の前と比べると、表情も柔らかいですね。
「心の余裕がありますから。やっぱり3連敗中は、しんどかったです(苦笑)」
――では心に余裕が生まれた要因でもある、芦田戦の勝利の感想から教えてください。それまで摩嶋選手は3連敗中でした。
「ようやくRIZINで勝てたことは僕にとっても、あと地元にとっても嬉しいことだと思うので、とりあえずホッとしています」
――地元である山口県の方からの期待を感じますか。
「山口県からRIZINに出ている選手は僕しかいませんし、自分が出たらそれだけ地元でも盛り上がるので。最近は仕事の現場でも声を掛けられるようになりました。あと道を歩いていると『試合を視ました!』と言われることもあって――特に勝った後は。自分の試合を視てくれているんだなぁって感じます」
――その状況では、3連敗中だと心に余裕がなかったのも仕方ないかもしれません。
「結果を出すことができていなくて、地元の人たちに対して申し訳ない気持ちはありました。でも自分としてはもっとできると思っていたし、しっかり練習して勝てたことは嬉しいです」
――その芦田戦の前に、金原選手との試合は敗れたものの大激闘を展開しました。あの試合内容に対して手応えはなかったのですか。
「練習内容の割には戦えたのかな、と思います」
――練習内容の割には(笑)。
「アハハハ。でも、もっとできることはあるかなと思いました。ここは攻める、ここは休むというペース配分とか。3連敗しましたけど、大舞台でそういう経験ができて自分も変わることができましたね」
――摩嶋選手の場合、どうしても練習環境が取り上げられることが多いです。仕事の関係で、練習できても週4日ほど――そのなかで広島と山口で活動している柔術家の森戸新士選手と、ケージレスリングの練習に取り組んでいるとのことでした。金原戦で、その練習の成果は出ていたのでしょうか。
「今考えると、まだまだだなって思うことは多いです。ただ、あの後もずっと森戸さんと練習させてもらっていて、自分に合った戦い方が分かってきました。それはケージレスリングだけでなく、グラウンドの面でも」
――金原戦の直後には「スタミナがなく、3R戦えない。最後は心が折れた」と仰っていました。
「金原さんとの試合に限らず、いつも1Rで極めるつもりで戦っていて最初からガンガン攻めていました。でもトップレベルの選手と対戦すると、全て防がれてしまう。すると自分が消耗していくという試合ばかりでしたよね」
――19戦というキャリアの中で判定決着が2試合しかない摩嶋選手です。1Rからガンガン攻めていくのも摩嶋選手の魅力かもしれません。一方で3連敗を喫した時に学んだものとは、3Rずっと攻め続けるためのスタミナをつけることなのか。あるいはペース配分を考えることなのか――どちらでしょうか。
「今は両方ですね。スタミナをつける練習もやっていますし、無駄なところでは力を抜くというペース配分も考えながら戦っています」
――これまで最大で週4日という練習スケジュールのなかで、スタミナをつける練習よりも技術練習やスパーリングに時間を割くことのほうが多かったのですか。
「筋トレやフィジカルトレーニングをしたことは、ほとんどないです。ほとんど技術かスパーリングで。30歳を迎える頃には仕事も忙しくなってきて、全く練習できない時期が1~2カ月もあったりしました。ずっと休みなく、毎日働くことになるので。それも3連敗してから、仕事が忙しい時期と試合をずらすことにしました。仕事が忙しい時期は、だいたい決まっているので」
――そうして練習と試合に集中できる時間を増やしたということですね。――体力をつけるために、どんなトレーニングをしているのでしょうか。
「走り込んだりもしますが、基本は道場での練習のみです。でもスパーリングで追い込むようにしてもらっています。どんどん体力を使って、追い込まれた時に自分がどうするかっていう練習は増えました」
――摩嶋選手のスタイルで3R攻め続けることができれば、それは強いですよね。
「それが理想ですし、その理想を求めてきました。ただ、ずっと早い段階でフィニッシュできていたので、スタミナ面はあまり考えてこなかったんです。でも対戦相手のレベルが上がってくるにつれて、試合の後半でフィニッシュすることを考えなくちゃいけなくなった。もちろんチャンスがあれば1Rで極めることですけど、ベストはフルラウンド動き続け、フィニッシュを狙い続けることです」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
9月24日(日)
午後2時00分~ABEMA, U-NEXT, RIZIN100CLUB,RIZIN LIVE,スカパー!
■ RIZIN44対戦カード
<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
金原正徳(日本)
<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
萩原京平(日本)
<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
堀江圭功(日本)
<フェザー級/5分3R>
中原由貴(日本)
白川陸斗(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
横山武司(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
岡田遼(日本)
<ヘビー級/5分3R>
シビサイ頌真(日本)
ヤノス・チューカス(ハンガリーム)
<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
トッド・ダフィー(米国)
<フライ級/5分3R>
福田龍彌(日本)
山本アーセン(日本)
<フライ級/5分3R>
征矢貴(日本)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)