カテゴリー: 筋トレ
#筋トレ#ウエイトトレーニング#GYM#YouTube#再生#いいね#ありがと#キックボクシング#kickboxing
【写真】本田良介のスタイルで、打撃を織り交ぜることができれば──それはも北米スタイル(C)MMAPLANET
28日(日)、アクロス福岡で開催されるTORAO29で、畠山隆称と対戦する泰斗のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
プロデビューから3連勝。順調にキャリアを重ねていたと思われたが、昨年12月、田上こゆるに敗れた泰斗は敗戦から何を感じたのか。畠山との福岡×ルーキー対決、泰斗は「フルラウンド動き続ける」と断言した。
<泰斗インタビューPart.01はコチラから>
――目標である本田選手がDEEPフライ級GPの決勝まで進んだことは、どのように捉えていますか。
「本当に凄かったし、嬉しかったです。決勝は残念な結果に終わって、良介君も少し落ち込んでいました。でも僕も含めて練習仲間の試合が続々と決まっているので、今は前を向いて一緒に練習していますね。良介君だけでなく、僕たち全員が」
――その本田選手と同じようにフルラウンド動き続けることができるようになったのは、レンジャーズジムに入ってどれくらい時間が掛かりましたか。
「まずレンジャーズジムに入って1年で、修斗でプロデビューすることができました。ジムに入る前から、同じ階級の中ではフィジカルが強かったほうだと思います。あとは技術を覚えることを意識していて。その結果、自分の得意な形が見えてきました。自分の得意なところを見つけることができたというのが一番良かったですね」
――現在のスタイルを考えると、ジムにフルケージが設置されている環境も影響したのではないでしょうか。
「僕がジムに入った頃は、まだケージがなくて。プロデビューする頃にはケージが入ったので、それは大きいです。ケージがあることについては皆さんから言われるし、本当に良い環境で練習させてもらっています」
――レンジャーズジムでは田中半蔵選手も練習しているのですよね。
「はい。階級が違うのでスパーとかで絡むことは少ないんですけど、福岡にある宝満山という山で一緒に走ったりしています。結構高い山(※標高約830メートル)で、傾斜もキツイですけど道がしっかりしているので、良いトレーニング場所なんですよ。
そういったトレーニングのおかげで、プロデビューしてからもフィジカルでは相手より上だと感じていました。体つきは、もともと筋肉質だと思いますけど――あまり筋トレをしなくても筋肉が付きやすいですね」
――今回はZOOMのインタビューですが、画面で見える姿が試合時のゴツい体とは違っていて、別人かと思いました(笑)。
「アハハハ、着痩せするタイプなんですよ」
――なるほど。その結果プロデビューから3連勝を収めましたが、昨年12月に田上こゆる戦で初黒星を喫しました。田上戦の感想を教えてください。
「試合が決まった時は嬉しかったです。田上選手はずっと有名で、僕も試合を見ていた選手でしたから。こんなに早いタイミングで試合できるのか、と思いました。正直、自分のスタイルとハマるんじゃないかと考えていて。打撃についても、田上選手とやり合えたら自分にとっても自信になる。ここで勝ったらランキング入りできる。強敵やけど、やるしかない。そう覚悟を決めて挑みました。
でも試合をしてみると、田上選手もフィジカルが強くて。自分の中ではテイクダウンで背中を着けさせるイメージが出来上がっていたんですが、相手も対策ができていて、しっかり倒すことができませんでした。特に、組んでいる時のヒジがポイントだったと思います。相手がヒジを打ってくることを想定していなかったわけじゃないですけど、田上選手の良いところにハマッてしまったと思います。
ただ、良い経験をさせてもらいました。3Rフルで戦えたこと。最後にバックを奪った時も、体力は切れていなくて。しかも、そこまで力を使うこともなかったです。3Rでもスタミナが切れることなく、力を出せたことは良かったですね」
――まさに本田良介スタイルですね。
「それはもう――良介君がバテたところを見たことがないです(笑)」
――アハハハ。そんな田上戦から5カ月、この期間に新しく取り組んだことはありますか。
「何かコレといった、新しいものはないですね。日々、全面的にレベルアップさせていくことが大事だと思っています。もちろん対戦相手が決まったら対策は立てますけど、今回は普段から練習量をアップさせてきました。今後は良介君の真似をするだけじゃなく、どんどん自分の色も出していく。もっと自分なりの打撃を出したりしていきたいです」
――では次の対戦相手、畠山隆称選手の印象を教えてください。
「まだキャリアが浅い選手同士の潰し合いですよね。すごく楽しみです。畠山選手は何でもできるタイプで、際の部分もしっかりしているし、気が抜けない相手だと思います。僕も全面的に戦いたいですね。体格的には畠山選手のほうが大きいと思いますが、僕も大きな選手と試合するのは慣れています。試合でも常に相手のほうが大きいですし。自分にとっても大きな相手のほうが戦いやすいです」
――テイクダウンで動き続ける泰斗選手と、グラウンドで動き続ける畠山選手の対戦は、とてもタフな試合になると思います。そこで組みの展開以外、打撃面はどう考えますか。
「打撃もグラップリングもやる気満々です。畠山選手が相手なら、絶対にどちらの展開もあると思うので。良介君もそうだし、デメトリウス・ジョンソンのようにフルラウンド動き続けるスタイルが理想なんです。それがMMAだと考えています。そうなるためには、もっともっとキツい練習が待っていますけど(苦笑)」
――確かにそうですね。最後に、今後MMAを続けていくうえでの目標を教えてください。
「ベルトを獲りたいし、ONEなど世界で戦いたいです。そして将来は自分のジムを持ちたいと考えています。もともと格闘技でメシを食うつもりはなかったし、趣味でMMAを始めた人間です。でもレンジャーズジムに入って、気持ちが変わりました。『自分には格闘技しかない』と。外で遊ぶよりも練習や指導しているほうが楽しくて、もうMMAこそが自分の人生だと思っていますよ」
■視聴方法(予定)
5月28日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE
代わりに〇〇を食べると痩せます
【写真】ある意味、想いと努力だけでここまで戦い続けてきたといえるかと(C)SHOJIRO KAMEIKE
30日(日)、立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase333で、藤野恵実がエジナ・トラキナスと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
両者は2019年9月に対戦し、1R終了後にエジナが右手首の負傷を訴え、ドクターチェックの末に藤野のTKO勝ちとなった。今回の再戦は当初、3月26日のニューピアホール大会で行われる予定であったが、エジナの負傷によって今大会にスライドされていた。仕切り直しとなったエジナとの再戦を前にZOOMインタビューを依頼したところ、画面に現れたのは、左目上に大きなテープを貼った藤野の姿だった。いま明らかになる、驚異的な肉体と回復力とは――。
――左目上に大きなテープが貼られていますが、負傷したのですか!?
「日曜日(取材は4月11日に行われた)に切ったんですよ。でも直後に100℃のサウナへ行って、今日もボクシングスパーしても出血しなかったから、たぶん大丈夫です。テープは少し溶けているみたいですけど」
――テープが溶けるサウナに入っても傷には影響しないのですね。さすがヒジをもらって顔面をカットしても、直後に出血が止まるファイターです。
「アハハハ。お医者さんに行ったら『傷になるから縫わないほうが良い』って言われました。それで私も『試合があるし練習したいんです』と伝えると、『それはやってもらって大丈夫です』と言われて」
――それは傷が浅いのか、藤野選手の回復力が凄いのか。いずれにしても60歳まで現役を続ける方の肉体は違いますね。
「続けませんよ! メイのインタビューを読みながら、『何をバカなこと言ってんの!?』と思って(笑)。とにかく体は丈夫ですね。だから今も続けていられるんだとは思いますけど」
――体の管理で普段から気をつけていることはあるのですか。
「えっ、特に……」
――デッドリフトで150キロを挙げるほどの筋トレぐらいでしょうか。
「最近は155キロを挙げて、記録を更新しました(笑)。運動神経はないのに、なぜか重いものを持ち上げる能力だけ特化していますね。まぁ、カットした次の日に155キロを挙げるぐらい力を込めても、傷口から出血することはなかったです。さすがに今日のボクシングスパーをガチでやろうとしたら、津田(勝憲トレーナー)に怒られましたけど」
――それだけの傷にも関わらず、ガチのボクシングスパーをやろうとしたのですか。
「だって今日はガチスパーの日なんですもん。でもそのスケジュールを伝えたら、津田に『ふざけんな!』って怒られました」
――津田さんの感覚が普通だと思いますが……。
「指のあたりをカットして出血しても、スパーはするじゃないですか」
――カットの程度によると思いますが、藤野選手の場合は指がなくなっていても気づかずにスパーしているかもしれません。
「いやいや、それはないです(笑)」
――気づくかどうかはともかく、昨年10月の渡辺彩華戦は拳を負傷しながら3R戦い続けたのですよね。
「1Rに拳を折っちゃいました(と右拳の手術跡を見せる)。退院した日に練習したら、また骨がズレちゃって再手術したんですよ。本来はもっと早く試合をしたくて、12月に出られるかどうかっていう話はいただいたんです。お医者さんからは大丈夫だと言われていたけど、私の練習のほうが間に合わないなと思って」
――それだけの手術をしていながら、お医者さんも2カ月後に試合をしても大丈夫だと言える回復力ですか(笑)。
「さっき言われた『傷による』っていうのは分かるんです。もうベテランだし、これぐらいの負傷なら、どれくらい練習できるかも把握できていますからね。今回のカットも、それほどの傷ではなくて良かったです。これまで過去に2回『もう格闘技を続けるのは無理だな』と思った時に比べれば」
――これまで2度も、そのような状態になっていたのですか。
「最初はデビュー2戦目のあとにバイク事故に遭った時ですね。足はもう――絶対に格闘技を続けるのは無理で、病院でも『なんとか日常生活は送ることができる』というような言い方をされました。でも、そのあとフルマラソンを3時間台で走りましたけど」
――アハハハ。もう常人には理解できません。
「それで2回目に『もう格闘技は無理だ』と言われたのは、浜崎朱加戦の時ですね。ヒザが骨壊死(※血液が供給されずに骨の組織が壊死してしまっている状態)みたいなことになって。お医者さんからも『浜崎戦までに7割ぐらい回復できれば……。ただし、これがもう最後です』と言われていました。でも試合後に、思いのほか治っちゃって」
――思いのほか(笑)。
「お医者さんからも『もう私には理由が分からない』と言われました。アハハハ」
――お話を聞いていると、そのヒザも10年後ぐらいには治っている気がしてきました。
「その頃には革命的な治療法が誕生していますかね?」
――いえ、自然治癒で。
「どんなバケモノですか! デッドリフトや筋トレについても、そんな頻繁にやっていないんですよ。煽り映像でそのシーンが使われるから、筋トレばかりやっているようなイメージを持たれていますけど」
――ただ、デビュー2戦目が2004年で浜崎戦が2021年ですから、その間に何もなかったことも驚きです。
「格闘技をやっていれば怪我をしないことはないけど、続けられるかどうかっていう怪我はその2回ぐらいですね。ただ、事故で負傷した足をかばいながら練習したり試合をしているのも良くないんですよ。もうヒザが変形していて正座もできないし、ヒザを壊しているために出来ない技もあって。まぁ、もともと出来ない技が多いから関係ないですかね(苦笑)」
<この項、続く>
The post 【Pancrase333】仕切り直しのエジナと再戦、藤野恵実─01─「浜崎戦前に、お医者さんから『最後』だと」 first appeared on MMAPLANET.【写真】ケージで戦うことで、どのような攻防が生まれるのか。楽しみだ(C)MMAPLANET
19日(日)千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示場8ホールで開催される極~KIWAMI~で、手塚基伸と対戦する石黒翔也のインタビュー後編。
前編ではギとノーギで異なる取り組み方、さらに5分1Rという極ルールについて語ってもらった。続く後編では、石黒が大学で専攻していたというトレーニング論に。ここもまたギとノーギでは異なる。さらにケージという要素が加わったら、どうなるのか――という質問に対する答えにも、石黒のスマートな面が感じられた。
<石黒翔也インタビューPart.01はコチラから>
――石黒選手は昨年1月にIREで今成正和選手とコンバット柔術ルールで対戦し、オーバータイムで勝利しています。あの試合から先日のアンライバルドまで、ノーギの試合には出場していたのでしょうか。
「いえ、ノーギは出ていないですね。今成戦もコンバット柔術なので、純粋なグラップリングはアンライバルドだけです」
――今成戦でギを脱いだ姿を見た時に、まず『バランスの良い体つきだな』と思いました。
「ありがとうございます。体重でいえば、柔術はフェザー級がナチュラルウェイトなんです。通常体重が65~69キロぐらいで(※柔術のアダルトフェザー級はギ込みで70キロ以下)。Unrivaledの試合はバンタム級まで落として、計量後は5~6キロ戻りました」
――ノーギの試合に出る前から、フィジカルトレーニングには取り組んでいたのですか。
「筋トレは一度ヘルニアになってから中断していたのですが、つい昨日から再開しました。それは次の試合に向けて、ということではなく普段から長期的にやっていないといけないものなので。僕は高校時代から筋トレをやっているんですよ」
――高校時代というのは、ボンサイ柔術で練習していた頃からですか。
「はい。中学生でボンサイに入って、16歳から筋トレを始めたので、もう10年になりますね。ジムのスペースは半分がマットで、もう半分がトレーニング器具という感じでした。そのあと大学も、パーソナルトレーナーの資格を取得できるところに通っていましたから。解剖学や栄養学の知識を生かして、今もジムで教えることができています」
――大学で専門的に学んでいたのですね!
「ボンサイにいた頃は、あまり体は大きくならなかったんです。なぜか、そのあとに成長期が来て(笑)。それと大学で専門的な知識を得たことで、ちゃんと鍛えることができるようになりました。特に今のほうが、柔術とリンクさせることができたので伸びてきたと思います。
ずっと柔術と筋トレは別に考えていたんですよ。まず柔術に必要そうな筋肉を鍛えて、それを柔術で使ってみるという。今は筋トレをしている最中に、相手を押したり引いたりするような動作をイメージして鍛えています。すると神経が脳まで繋がって、柔術の試合でも反応が良くなったような気はします」
――なるほど。筋トレでイメージする動きは、ギとノーギでは異なりますか。
「自分の中では、そこまで分けていないけど、ホールドする力などは違ってきますよね。たとえばノーギだとギロチンを取るとき、腕を内側に絞るじゃないですか。アームカールの時にその動きをイメージして、より内側に絞って一度止めてみるとか。あとグリップを鍛える時は、柔術だと4本の指でギを掴むんですけど、ノーギだと変わってきますよね。そうやって、とにかく無駄な筋トレはしないようにしています」
――ギとノーギで、それだけ筋トレの内容が異なるとすれば、今後はノーギをメインにしていくのでしょうか。
「いえ、そんなことはないです。実は4月2日に、IBJJFのシドニーオープンに出場します。6月のムンジアルに向けて出場ポイントを得るために。しかもギの階級別と無差別、ノーギの階級別と無差別――全てエントリーしています」
――えっ!? 極の2週間後ではないですか。
「現状、ギの無差別で優勝したらムンジアルに出ることができます。もし階級別で優勝、無差別で優勝できなくても表彰台に上がることができれば、あと1回どこかで勝てばムンジアルに出られるという状態なんです。ノーギも12月のノーギワールドに出たいので、今のうちに海外で試合を経験したい。とにかくギとノーギを並行してやっていきます。
もちろん難しいことは分かっています。さっきも言ったように、スタイルが全く異なるので。どちらかに集中したほうが良いという声もあります。でも僕の中では、両方やることで相互作用が生まれて、強くなっていることを実感しています。クロストレーニングみたいな形ですよね。そうやって強くなることができているうちは、並行していきたいですね。
もしシドニーで、ギの試合で負けたとしても、ノーギの割合を増やしすぎたのか――ということが国際的な基準で分かるじゃないですか。それも、やってみないと分からないので。僕がノーギを始めたのは2年前で、伸び幅を感じています。これから自分がノーギでどれくらい強くなるのかっていう気持ちが強いです。プロマッチも今は負けなしですし」
――まだまだ伸びしろがあるのは今後も楽しみです。対戦相手として手塚選手の印象を教えてください。
「RIZINの試合を見ると、本当にグラップラーという感じですよね。手塚選手はRIZINでヒロ・ヤマニハ選手と対戦しているじゃないですか(昨年3月にヤマニハがRNCで勝利)。ヤマニハ選手は、僕のボンサイ柔術の先輩で。その試合も見て、手塚選手のMMAグラップリングに対して、どう僕の柔術グラップリングが生かされているか考えています。とにかくディフェンス力が強くて、僕の好きなようにはさせてくれない。そこをどう崩していくか、ですね」
――もう一つ重要なポイントは、極の試合がケージで行われることです。ケージの試合となれば、やはり手塚選手に大きなアドバンテージがあると思われます。
「そうなんですよ。僕は今成さんとの試合しかケージを経験したことがなくて、全く慣れていません。ケージ際で動くと痛いですしね(苦笑)。でも僕のイメージとしては、アンライバルドのルールのほうがやりづらいと思っています。あの試合は、相手が後ろに下がっても良いルールだったじゃないですか。そこで相手が下がり続けると、僕がアタックできない展開が続きますよね。それがケージだと、相手が下がるとケージに追い込めるんです。そこから自分の展開に持ち込めると思っています」
――確かに、その通りです。一方で、ケージに追い込めるというのは相手にとっても同じです。手塚選手に追い込まれた場合は……。
「逆にケージへ押し込んでくれたほうが、僕が相手の足を取りに行きやすいんじゃないかと考えています。もちろん自分のアタックも潰される場面は出て来るけど、そのぶん相手が近くに来てくれるわけですから。そこで足を取り、ケージとは反対方向に転がって極めるとか、いろいろとイメージしています。別に、絶対にケージ際で戦おうとも考えていませんし。
とにかく今は、試合で勝つことだけに集中しています。極のルールは5分間という限られた時間ですが、5分間でも極めることができる。それが自分の強みですし、その強みを最大限に生かして最高の試合をお見せします。当日は応援よろしくお願いします」
■ KIWAMI01対戦カード
<66キロ契約/5分1R>
手塚基伸(日本)
石黒翔也(日本)
<73キロ契約/5分1R>
マイケ大浦(ブラジル)
芦田崇宏(日本)
<80キロ契約/5分1R>
岡本裕士(日本)
川中孝浩(日本)
<74キロ契約/5分1R>
新居すぐる(日本)
小見川道大(日本)
<スポーツ柔術62キロ契約/5分1R>
高橋逸樹(日本)
伊集龍皇(日本)
<70キロスペシャルエキシビション/5分1R>
村田良蔵(日本)
所英男(日本)
【写真】首筋、輪郭がすっきりとした荒東。笑顔は変わらないが、以前よりも大人に感じる表情になっていた (C)SHOJIRO KAMEIKE
26日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGRACHAN60で、荒東‟怪獣キラー“英貴がハシモト・ブランドンと無差別級トーナメント決勝戦で激突する。
Text by Shojiro Kameike
タイでMMAを始めたという荒東は、2019年8月にタイでプロデビューし、ここまで8戦無敗のレコードを持つ。2021年からはグラチャンに参戦し、今回の無差別級トーナメント決勝にたどり着いた。まずは自身のことを「タイからの逆輸入MMAファイター」という、謎に包まれた荒東のMMAキャリアと吉鷹理論に基づく打撃について訊いた。
――無差別級トーナメント決勝を控えて、現在の練習とコンディションはいかがですか。
「もうバッチリです! 今回はタイのプーケットにあるバンタオ・ムエタイ&MMAというところで練習してきました。3日間しかいられなかったんですが、その時にKSWのミドル級ランカーとも手合わせしてきて。ちょっと名前を忘れてしまったんですけど……。そこで、僕が今までやってきたことが間違えていなかったなと思って日本に帰国しました」
――「今までやってきたこと」とは何でしょうか。
「僕はチビデブファイターなので、相手とのリーチ差をどう潰すかが試合のポイントになります。特に初めて手合わせする相手とのリーチ差ですね。普段一緒に練習している人は、もう相手が何をやってくるか知っていて、僕の中でも何をどうすれば良いか分かっているんですよ。
でも今回、初めて手合わせする人にもある程度は同じようにやることができました。だから今までやっていたことは間違いじゃないし、『ここからプラスアルファ、どうするかやな』と思いました。あとは大きな選手とケージレスリングをやっても負けなかったし、『チビでもやれるんやな』と思って。そういった経験が、すごく自信になりましたね」
――前回の桜井隆多戦では、通常ヘビー級ではない桜井選手のほうがリーチは長かったです。その体格を考えて、ヘビー級以外で戦うという選択肢はなかったのでしょうか。
「まずMMAを始めた時、選手層が薄いからヘビー級のほうが上に行きやすいと思ったんですよ。あとはライトヘビー級まで落とせるかどうか、自信がなかったです」
――ただ、以前よりも首周りがスッキリしていませんか。
「そうですね。試合に向けて体重を落とすためでもあるんですけど、実は今――めっちゃ筋トレやっています。フィジカルも良くなっているんですよ。体脂肪率を下げたほうが、反射神経そのものは変わらないけど、相手の攻撃が来てからのスピードが上がるので。
あとは肉がついていると、どうしても守るというか、受けても大丈夫っていう気持ちになっちゃうんですね。体重が軽いほうが『行かなアカン!』という気持ちになりやすいので、試合前は体重を落とすようにしています」
――桜井戦では左ジャブや右クロスを顔面に受けていました。あれは「守る」という気持ちが大きかったのか、それとも相手はミドル級の選手だからなのか……。
「『ヘビー級の選手を相手に同じことをやったらどうなんねん』ということですよね。正直、どちらでもなく『これは喧嘩やな』と思っていたんです」
――えっ、どういうことですか。
「もともと打ち合うプランじゃなかったんです。リズム取って、体重差を生かしてパンチを当てていこうと考えていました。でも試合が始まってすぐ、桜井選手が2回ぐらい出入りでパンチを当ててきて。『これキレイにやろうと思ったら間違いや。行ったろう!』と思ったんですよ。相手のパンチが効くか効かんか、というより『これは引いたら負けや。行くしかない!』という気持ちでした。
相手のパンチ自体は効いてはいなかったんですよ。ブロック&リターンも入れているし、よう見てもらうと、もらう時も後ろ重心でズラしたりしていました。皆さんが見ているよりは効いていなかったと思います」
――ブロック&リターンという部分で、荒東選手が師事している吉鷹弘さんの存在が見えますね。
「はい。僕のストライキングは、全て吉鷹先生のエッセンスです。吉鷹先生は今でも強くて。僕より強いですよ(笑)。その吉鷹先生と僕の考え方が似ていて、先生の仰ることがスッと僕の中に入ってきます。体の力じゃなくて、体重移動で打撃の力を生む。
それは攻撃でも防御でも使うことができる。結果、『攻防』が生まれるわけですよね。今は攻撃しか考えない選手が増えたと思うんですよ。攻撃だけで勝てるわけがない。ちゃんと技術を身につけて『攻防』をしないといけない――吉鷹先生からは、そう教わっています」
――チーム吉鷹で練習するようになったキッカケは、何だったのでしょうか。
「パラエストラ大阪のタクミさんから『チーム吉鷹に行ってきなよ』と言われたのがキッカケでした。タイから帰国した時、日本に格闘技界の知り合いがゼロで。そこでタイにいる時に知り合いだった清水俊一さんから今村豊さんを紹介していただいて、パラエストラ大阪で練習するようになりました」
――そうだったのですね。そもそもタイでMMAを始めた経緯を教えていただけますか。
「もともと柔道をやっていて、大学を卒業したあと飲食店に就職したんです。でもその飲食店がブラックで――1日18時間ぐらい働いていました(苦笑)。『何や、この生活……』と思っていた時に、帰り道にあった居酒屋の社長さんと仲良くなって。その社長さんがタイへ行きはってから『ヒデ、タイで働かんか?』と誘ってくださって。
その社長さんがタイで空手をやっていた繋がりで、まずフルメタル道場で僕も練習を始めたあと、ヨーキーMMAのトレーナーだったニック(ニコラス・リー)と知り合ったんです。人間としてはアレですけど(笑)、ニックは教えるのが上手くて。彼が教えてくれたレスリング&ボクシングは、僕のベースになっています。
そのヨーキーMMAからフルメタル道場主催の大会に出たのが、僕のMMAのスタートです。怪獣キラーというニックネームは、デビュー戦でテレビ実況の人が僕のことを怪獣キラーと呼んでいたので、そこから頂きました」
The post 【Grachan60】無差別級T決勝へ、荒東‟怪獣キラー“英貴─01─「体の力じゃなく体重移動で打撃の力を生む」 first appeared on MMAPLANET.